JP2014059382A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトかつシンプルな機構で遮蔽部材を回転自在に支持できる定着装置を提供する。
【解決手段】遮蔽部材27は、ハロゲンヒータ23から定着ベルト21に向う熱を遮蔽し、かつその回転で遮蔽面積を増減させる。保持部材40と、遮蔽部材27に結合したスライド部材41とのそれぞれに、軸方向で互いに対向する対向面404,411を設ける。保持部材40の対向面404に、遮蔽部材27の周方向に延びる円弧状のガイド溝405を形成し、スライド部材41の対向面411にガイド溝405と嵌合可能の突条412を設ける。ガイド溝405と突条412は、遮蔽部材27の周方向に摺動可能とする。
【選択図】図13

Description

本発明は、記録媒体に画像を定着する定着装置、及び定着装置を備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置においては、用紙等の記録媒体上に担持されたトナー画像を定着させる定着装置が設けられている。一般に、定着装置は、ヒータ等の加熱源によって加熱される定着部材と、その定着部材に当接してニップ部を形成する対向部材とを備える。画像形成装置にて作像動作が開始され、用紙にトナー画像が転写されると、その用紙が、所定の温度にまで加熱された定着部材と対向部材の間のニップ部を通過することにより、用紙上に担持されたトナーが加熱溶融されて画像が定着される。
また、定着装置では、ニップ部を通過する用紙によって定着部材の熱が奪われるので、温度センサなどによって定着部材が適切な温度に維持されるように管理されている。一方、用紙が通過しない非通紙領域では、定着部材の熱が奪われにくい傾向にある。このため、特に、用紙を連続通紙した場合に、非通紙領域において定着部材が過昇温するといった問題がある。
そこで、この問題を解決するため、特許文献1、特許文献2、および特許文献3には、加熱源から定着部材に向かう熱を遮蔽可能で、かつ回転により遮蔽面積を増減可能な遮蔽部材を設けた定着装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1〜3の何れにも、遮蔽部材を、その回転を許容して支持する具体的な構造が開示されていない。遮蔽部材の支持構造の構成次第では、遮蔽部材の周辺構造が複雑化あるいは大型化し、定着装置、さらには画像形成装置を設計する際のレイアウトの自由度が低下するおそれがある。
本発明は、かかる事情に鑑み、コンパクトかつシンプルな機構で遮蔽部材を回転自在に支持できるようにした定着装置、およびこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、静止側部材と、回転自在に支持された定着部材と、定着部材を加熱する加熱源と、定着部材の外周面に当接してニップ部を形成する対向部材と、遮蔽部材を含む回転側部材とを備え、遮蔽部材が、加熱源から定着部材に向う熱を遮蔽可能で、かつその回転で遮蔽面積を増減させる定着装置において、回転側部材および静止側部材のそれぞれに、軸方向で互いに対向する対向面を設け、両対向面のうち何れか一方に雌部を形成すると共に、他方に雌部と嵌合可能の雄部を設け、雄部と雌部を遮蔽部材の周方向に摺動可能としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、雄部と雌部の嵌合により遮蔽部材の荷重が静止側部材で支持され、かつ雄部と雌部の周方向の摺動により遮蔽部材の回転方向が案内される。そのため、コンパクトかつシンプルな構成で遮蔽部材を回転自在に支持することができ、定着装置、さらには画像形成装置のレイアウトの自由度を高め、それらの低コスト化を図ることが可能となる。
本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 前記画像形成装置に搭載された定着装置の概略構成を示す断面図である。 遮蔽部材を退避位置へ移動させた状態での定着装置を示す断面図である。 遮蔽部材の形状とハロゲンヒータの発熱部と用紙サイズとの関係を示す図である。 遮蔽部材を遮蔽位置へ移動させた状態を示す図である。 遮蔽部材の他の実施形態を示す図である。 遮蔽部材を遮蔽位置へ移動させた状態を示す図である。遮蔽部材の支持構造を示す図である。 遮蔽部材の駆動機構を示す斜視図である。 定着装置の斜視図である。 定着ベルトの支持構造を示す斜視図である。 保持部材およびスライド部材の斜視図である。 保持部材にスライド部材を重ねた状態を示す正面図である。 遮蔽部材の支持構造を示す斜視図である。 図12中のX−X線での断面図である。 ガイド溝と突条の嵌合部を拡大して示す断面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kが設けられている。各作像部4Y,4M,4C,4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各作像部4Y,4M,4C,4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付しており、その他の作像部4Y,4M,4Cにおいては符号を省略している。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
また、各作像部4Y,4M,4C,4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、中間転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32と、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34と、ベルトクリーニング装置35とを備える。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33、およびテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、上記一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にも図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、図示しない廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には、補給用のトナーを収容する4つのトナーボトル2Y,2M,2C,2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kと上記各現像装置7との間には、図示しない補給路が設けてあり、この補給路を介して各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けてある。なお、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って用紙Pを二次転写ニップへ搬送するタイミングローラとしての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタの基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各作像部4Y,4M,4C,4Kにおける各感光体5が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして、中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。そして、各感光体5の表面が図示しない除電装置によって除電され、表面電位が初期化される。
プリンタの下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によって搬送が一旦停止される。
その後、所定のタイミングでレジストローラ12の回転駆動を開始し、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pを二次転写ニップへ搬送する。このとき、二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーは図示しない廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
図2は、本実施形態の定着装置の断面図である。
以下、図2に基づき、定着装置20の構成について説明する。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21の外周面に当接する対向部材としての加圧ローラ22と、定着ベルト21を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内周側から加圧ローラ22に当接してニップ部Nを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23からの熱を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽する遮蔽部材27と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ28等を備える。
上記定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ100μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。
本実施形態では、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20〜40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
上記加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22の表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、図示しない加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。なお、定着部材と対向部材は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。
また、加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。また、弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
上記ハロゲンヒータ23は、定着ベルト21の内周側で、かつ、ニップ部Nの用紙搬送方向の上流側に配設されている。詳しくは、図2において、ニップ部Nの用紙搬送方向の中央Qと、加圧ローラ22の回転中心Oを通る仮想直線をLとすると、ハロゲンヒータ23はこの仮想直線Lよりも用紙搬送方向の上流側(図2の下側)に配設されている。ハロゲンヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、上記温度センサ28による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。なお、定着ベルト21の温度を検知する温度センサの代わりに、加圧ローラ22の温度を検知する温度センサ(図示省略)を設け、その温度センサで検知した温度により、定着ベルト21の温度を予測するようにしてもよい。
本実施形態では、ハロゲンヒータ23は2本設けられているが、プリンタで使用する用紙のサイズ等に応じて、ハロゲンヒータ23の本数を1本又は3本以上としてもよい。また、定着ベルト21を加熱する加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いることも可能である。
上記ニップ形成部材24は、ベースパッド241と、ベースパッド241の定着ベルト21と対向する面に設けられた低摩擦性の摺動シート240とを有する。ベースパッド241は、定着ベルト21の軸方向又は加圧ローラ22の軸方向に渡って長手状に配設されている。ベースパッド241が加圧ローラ22の加圧力を受けることで、ニップ部Nの形状が決まる。本実施形態では、ニップ部Nの形状が平坦状であるが、凹形状やその他の形状としてもよい。摺動シート240は、定着ベルト21が回転する際の摺動摩擦を低減するために設けられている。なお、ベースパッド241自体が低摩擦性の部材で形成されている場合は、摺動シート240を有しない構成としてもよい。
ベースパッド241は、耐熱温度200℃以上の耐熱性材料で構成されている。かかる構成により、トナー定着温度域で熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定したニップ部Nの状態を確保して、出力画質の安定化を図ることができる。また、ベースパッド241は、強度確保のために相応の剛性が求められる。以上の条件を満たすベースパッド241の材料としては、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)などの樹脂を用いることが可能である。この他、金属やセラミックでベースパッド241を形成することもできる。
また、ベースパッド241は、ステー25によって固定支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鋼等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましい。
上記反射部材26は、ハロゲンヒータ23と対向するようにステー25に固定支持されている。この反射部材26によって、ハロゲンヒータ23から放射された熱(又は光)を定着ベルト21へ反射することで、熱がステー25等に伝達されるのを抑制し、定着ベルト21を効率良く加熱すると共に省エネルギー化を図っている。反射部材26の材料としては、アルミニウムやステンレス等が用いられる。特に、アルミニウム製の基材に輻射率の低い(反射率の高い)銀を蒸着したものを用いた場合、定着ベルト21の加熱効率を向上させることが可能である。
上記遮蔽部材27は、例えば厚さ0.1mm〜1.0mmの薄い金属板で製作され、その全体が、長手方向と直交する断面を有端とした部分円筒面状に形成されている。遮蔽部材27は、定着ベルト21の内部でベルト内周面と近接し、かつ該ベルトと非接触の状態で定着ベルト21と略同軸に回転する。本実施形態では、定着ベルト21の周方向領域において、ハロゲンヒータ23が定着ベルト21に直接対向して加熱する直接加熱領域と、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21との間に遮蔽部材27以外の他部材(反射部材26、ステー25、ニップ形成部材24等)が介在する非直接加熱領域とがある。熱遮蔽する必要がある場合は、図2に示すように、遮蔽部材27を直接加熱領域側の遮蔽位置に配置する。一方、熱遮蔽の必要がない場合は、図3に示すように、遮蔽部材27を回転させて非直接加熱領域側の退避位置へ移動させ、遮蔽部材27を反射部材26やステー25の裏側へ退避させることが可能となっている。このように遮蔽部材27を回転させることで、遮蔽面積を増加し、あるいは減少(0にする場合も含む)させて、ハロゲンヒータ23から定着ベルト21に供給される熱量を調整するようになっている。遮蔽部材27は耐熱性を要するため、その素材には、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料、又はセラミックを用いることが好ましい。
図4は、遮蔽部材27の形状とハロゲンヒータ23の発熱部と用紙サイズとの関係を示す図である。
まず、図4に基づき、遮蔽部材27の形状について詳しく説明する。
図4に示すように、本実施形態の遮蔽部材27は、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽するために両端部に設けられた一対の遮蔽部48と、遮蔽部48同士を連結する連結部49とを有する。また、両遮蔽部48の間は、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽せずに放出する開口部50となっている。
また、各遮蔽部48の互いに対向する内縁には、遮蔽部材27の回転方向に対して平行なストレート部51と、その回転方向に対して傾斜する傾斜部52とが形成されている。図4において、遮蔽部材27が遮蔽位置へ回転移動する側を遮蔽側Yとすると、各傾斜部52はストレート部51の遮蔽部側Yに連続して設けられており、互いに遮蔽側Yに向かって離れるように傾斜している。これにより、開口部50は、その遮蔽側Yに向かって、ストレート部51間で同じ幅に形成され、傾斜部52間では幅が広がるように形成されている。
次に、ハロゲンヒータの発熱部と用紙サイズとの関係について説明する。
図4に示すように、本実施形態では、用紙サイズに応じて加熱領域を変更するため、各ハロゲンヒータ23の発熱部の長さや配設位置を異ならせている。2本のハロゲンヒータ23のうち、一方(図の下側)のハロゲンヒータ23の発熱部23aは、長手方向中央部側に配設され、他方(図の上側)のハロゲンヒータ23の発熱部23bは、長手方向両端部側にそれぞれ配設されている。この例では、中央部側の発熱部23aは、中サイズの通紙幅W2に対応した範囲に配設されており、両端部側の発熱部23bは、中サイズの通紙幅W2以上で、大サイズ及び特大サイズの通紙幅W3,W4を含む範囲に配設されている。
また、遮蔽部材27の形状と用紙サイズとの関係では、各ストレート部51が、大サイズの通紙幅W3の端部に対して幅方向内側近傍に配設され、各傾斜部52が、大サイズの通紙幅W3の端部を跨ぐ位置に配設されている。
なお、本実施形態における用紙サイズは、例えば、中サイズがレターサイズ(通紙幅215.9mm)又はA4サイズ(通紙幅210mm)、大サイズがダブルレターサイズ(通紙幅279.4mm)又はA3サイズ(通紙幅297mm)、特大サイズがA3ノビ(通紙幅329mm)である。ただし、用紙サイズの例はこれに限定されるものではない。また、ここでいう、中サイズ、大サイズ、特大サイズは、各サイズの相対的な大小関係を示すものであり、通紙幅の具体的数値は上記の例示に限定されない。
以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置の基本動作について説明する。
プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図2中の時計回りに回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図2中の反時計回りに従動回転する。
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印A1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22のニップ部Nに送入される。そして、ハロゲンヒータ23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
トナー画像Tが定着された用紙Pは、ニップ部Nから図2中の矢印A2方向に搬出される。このとき、用紙Pの先端が図示しない分離部材の先端に接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
次に、用紙サイズごとのハロゲンヒータの制御と遮蔽部材27の制御について説明する。
まず、図4に示す中サイズ用紙P2を通紙する場合は、中央部側の発熱部23aのみを発熱させることにより、中サイズの通紙幅W2に対応した範囲のみを加熱する。また、特大サイズ用紙P4を通紙する場合は、中央部側の発熱部23aに加え、両端部側の発熱部23bも発熱させ、特大サイズの通紙幅W4に対応した範囲を加熱する。
ハロゲンヒータ23の加熱範囲は中サイズの通紙幅W2と特大サイズの通紙幅W4にしか対応していない。このため、大サイズ用紙P3を通紙する場合、中央部側の発熱部23aのみを発熱させると、必要な範囲が加熱されず、中央部側と両端部側の各発熱部23a,23bを発熱させると、加熱される範囲が大サイズの通紙幅W3を超えてしまう。仮に、中央部側の両端部側の各発熱部23a,23bを発熱させた状態で、そのまま大サイズ用紙P3を通紙すると、大サイズの通紙幅W3よりも外側の非通紙領域において定着ベルト21の温度が過度に上昇するといった問題がある。
そこで、本実施形態では、大サイズ用紙P3を通紙する際、図5に示すように、遮蔽部材27を遮蔽位置へ移動させる。これにより、両端部側の遮蔽部48によって大サイズの通紙幅W3の端部近傍から外側の範囲を覆うことができるので、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
また、定着処理を終えた場合、又は、定着ベルト21の非通紙領域の温度が所定の閾値以下になった場合など、熱遮蔽する必要がなくなった場合は、遮蔽部材27を退避位置へ戻す。このように、必要に応じて遮蔽部材27を遮蔽位置に移動させることで、通紙速度を落としたりすることなく良好な定着を行うことができる。
また、本実施形態では、遮蔽部48に傾斜部52を設けているので、遮蔽部材27の回転位置を変更することにより、遮蔽部48によってハロゲンヒータ23bを覆う範囲を調整することが可能である。例えば、通紙枚数や通紙時間が増えると、非通紙領域における定着ベルト21の温度が上昇しやすい傾向にあるので、通紙枚数が所定枚数に達した際、又は通紙時間が所定時間に達した際に、両端部側の発熱部23bを覆い隠す方向に遮蔽部材27を回転させる。これにより、確実に定着ベルト21の異常な温度上昇を抑制することが可能となる。
なお、定着ベルト21の温度を検知する温度センサ28は、定着ベルト21の軸方向における温度上昇が顕著な領域に配設することが望ましい。
本実施形態の場合は、特に、大サイズの通紙幅W3よりも外側の領域において温度上昇しやすいので、大サイズの通紙幅W3よりも外側に温度センサ28を配設することが望ましい(図4参照)。また、本実施形態では、2本のハロゲンヒータ23のうち、上記温度上昇に大きく起因するのは、両端部側に発熱部23bを有するハロゲンヒータ23であるので、このハロゲンヒータ23の発熱部23bと対向する位置に温度センサ28を配設することが望ましい。
図6に、遮蔽部材の他の構成例を示す。
図6に示す遮蔽部材27では、両端部側の遮蔽部48が、それぞれ2つの段差部を有する形状に一体形成されている。すなわち、各遮蔽部48は、長手方向幅の小さい小遮蔽部48aと、長手方向幅の大きい大遮蔽部48bとで構成されている。小遮蔽部48aは、遮蔽部材27の長手方向両端に位置し、大遮蔽部48bよりも遮蔽側Yに突出している。二つの遮蔽部48は、連結部49を介して連結されている。また、小遮蔽部48aの互いに対向する内縁、及び大遮蔽部48の互いに対向する内縁は、遮蔽側Yに向かって互いに離れるように傾斜する傾斜部52a,52bとなっている。このタイプの遮蔽部材27では、図4に示す遮蔽部材27のようなストレート部51は形成されていない。
図6に示す実施形態では、小サイズ用紙P1、中サイズ用紙P2、大サイズ用紙P3及び特大サイズ用紙P4の少なくとも4種類の用紙を用いる。この実施形態における用紙サイズは、例えば、小サイズがはがきサイズ(通紙幅100mm)、中サイズがA4サイズ(通紙幅210mm)、大サイズがA3サイズ(通紙幅297mm)、特大サイズがA3ノビ(通紙幅329mm)である。ただし、用紙サイズの例はこれに限定されるものではない。
ここで、小サイズ用紙P1の通紙幅W1は、中央部側の発熱部23aの長さよりも小さい範囲となっている。また、遮蔽部材27の形状との関係では、大遮蔽部48bの各傾斜部52bが、小サイズの通紙幅W1の端部を跨ぐ位置に配設され、小遮蔽部48aの各傾斜部52aは、大サイズの通紙幅W3の端部を跨ぐ位置に配設されている。なお、小サイズ以外の用紙サイズ(中、大、特大)と、各発熱部23a,23bとの位置関係は、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
小サイズ用紙P1を通紙する場合、中央部側の発熱部23aのみを発熱させる。しかし、この場合、中央部側の発熱部23aで加熱される範囲は、小サイズの通紙幅W1を超えてしまうので、図7に示すように、遮蔽部材27を遮蔽位置に移動させる。これにより、両大遮蔽部48bによって小サイズの通紙幅W1の端部近傍から外側の範囲を覆うことができるので、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
なお、その他のサイズの用紙(中、大、特大)を通紙する際のハロゲンヒータ23と遮蔽部材27の制御は、上記実施形態と基本的に同様である。この場合、上記実施形態における遮蔽部48としての機能は、小遮蔽部48aが果たす。
また、図6に示す実施形態の場合も、上記実施形態の遮蔽部48と同様に、小遮蔽部48aと大遮蔽部48bにそれぞれ傾斜部52a,52bを設けているので、遮蔽部材27の回転位置を変更することで、各遮蔽部52a,52bによって各発熱部23a,23bを覆う範囲を調整することが可能である。
本発明の定着装置20では、遮蔽部材27を退避位置と遮蔽位置との間で移動させる場合や遮蔽位置を調整する際に、遮蔽部材27を正逆方向に回転させる必要がある。
図8は、遮蔽部材59を正逆方向に回転駆動する駆動機構50を示す斜視図である。
図8に示すように、この駆動機構60は、遮蔽部材27の軸方向一端側(図9の左側)に配置されており、駆動源であるモータ61と、複数の伝達ギヤ62,63,64から成るギヤ列とを備える。ギヤ列のうち、一端側のギヤ62はモータ61の出力軸に連結される。また、他端側のギヤ64は、スライド部材41(後で詳細に述べる)の外周面に形成されたギヤ部415と噛み合っている。これにより、モータ42を正逆方向に駆動すると、その駆動力がギヤ列を介してスライド部材41に伝達され、遮蔽部材27が正逆方向に回転する。
図9は、定着ベルト21の支持構造を示す斜視図であり、図10は、遮蔽部材27の非駆動側の端部(図9の右側)での上記支持構造を上下反転させてニップ部N側から見た斜視図である。なお、以下の説明において、「軸方向」、「周方向」、および「半径方向」の用語は、遮蔽部材27の回転軸を基準とした場合の各方向を意味する。例えば軸方向は遮蔽部材27の長手方向に一致する。
図9に示すように、定着ベルト21は、その軸方向両端に配置した保持部材40で回転自在に支持される。図10に示すように、この保持部材40は、定着装置20の側板29にネジ等を用いて着脱可能に取り付けられている。
図8に示すように、遮蔽部材27は、保持部材40とスライド部材41とを有する支持構造で回転自在に支持される。
保持部材40は、図11に示すように、軸方向両側を開口させた中空形状をなし、軸方向に延びる受け部401と受け部401から半径方向に突出する鍔部402とを一体に有する。受け部401は、周方向の一部領域に切欠き403を有する部分円筒状に形成されている。この切欠き403で形成された空間に、図10に示すようにニップ形成部材24が挿入されている。ニップ形成部材24の端部は、鍔部402の内周を経て側板29に固定されている。図10には現れていないが、定着ベルトの内部に配置されたハロゲンヒータ23、およびステー25の各端部も、受け部401の内周および鍔部402の内周を経てそれぞれ側板29に固定されている。
図11に示すように、スライド部材41は、定着ベルト21の装着側と軸方向反対側の領域で、保持部材40と軸方向で対向させて配置される。以下の説明では、保持部材40のうち、スライド部材41と軸方向で対向する対向面404を保持部材40の外側面と称し、スライド部材41のうち、保持部材40と軸方向で対向する対向面411をスライド部材41の内側面と称する。
スライド部材41は、保持部材40側から見て円弧状の形態を備えており、その内側面411には、雄部として周方向に延びる突条412が形成されている。また、スライド部材41の内周面には、盛り上がり部413が形成されている。この盛り上がり部413の内側面には、遮蔽部材27の周方向に延びる円弧状の孔部414が形成されている。この孔部414には、遮蔽部材27の端部に設けられた突起27aが挿入され(図13参照)、これにより遮蔽部材27とスライド部材41が結合されて両者が一体に回転可能となっている。
保持部材40とスライド部材41は軸方向で互いに密着させた状態で定着装置20に組み付けられる。図12は、この組み付け状態の保持部材40およびスライド部材41を示す正面図である。
同図に示すように、保持部材40の外側面404には、雌部として周方向に延びるガイド溝405が形成されている。このガイド溝405には、スライド部材41の突条412が嵌合される。ガイド溝405の周方向長さは、突条412の周方向長さよりも長い。なお、保持部材40において、ガイド溝405が形成された領域と受け部401が形成された領域とは軸方向でほぼ一致している。
以上に述べた保持部材40およびスライド部材41は、何れも樹脂の射出成形で形成することができる。この際、保持部材40およびスライド部材は、耐熱性と摺動性に富む樹脂材料、例えば液晶ポリマーやポリイミド等で形成することができる。また、両者を同種の樹脂で形成する他、異種の樹脂で形成しても構わない。加工コストを考慮すると、保持部材40およびスライド部材41の双方で樹脂の射出成形品とするのが望ましいが、この点が問題とならないのであれば、保持部材40およびスライド部材41のうち、どちらか一方又は双方を金属で形成することもできる。
図10〜図12では、遮蔽部材27の軸方向両端の支持構造のうち、駆動機構50が配置されていない非駆動側端部の支持構造、および当該支持構造を構成する保持部材40、スライド部材41を図示している。これに対し、図8および図13に示すように、駆動機構50が配置された駆動側端部の支持構造も基本的に非駆動側の支持構造と共通の構成を有する。なお、駆動側端部の支持構造では、スライド部材41の外周面に駆動機構50のギヤ54と噛み合うギヤ部415が設けられており、この点でそのようなギヤ部を有しない非駆動側端部の支持構造のスライド部材41と異なる構成になっている。
図14は、図12中のX−X線での断面図である。
図14に示すように、スライド部材41の突条412を保持部材40のガイド溝405に嵌合させると、スライド部材41と結合した遮蔽部材27が保持部材40に支持される。この時、突条412はガイド溝405に対して軸心以外の領域で周方向に摺動可能である。そのため、駆動機構50でスライド部材41を回転駆動させると、突条412とガイド溝405との摺動によりスライド部材41が周方向に案内され、スライド部材41が規定位置を回転中心として回転する。これにより、遮蔽部材27を遮蔽位置と退避位置の間で移動させ、ハロゲンヒータ23から定着ベルト21に与えられる熱量をコントロールすることができる。このように本発明における保持部材40は、定着ベルト21だけでなく、遮蔽部材27も回転自在に支持する機能を有する。
ところで、本実施形態の遮蔽部材27は、全体が薄肉材で部分円筒状に形成されており、しかも幅の極端に狭い脆弱部分(連結部49(図4参照))を有するために剛性を確保することが難しい。従って、ガイド溝405と突条412との間の摺動抵抗が大きいと、遮蔽部材27にねじれを生じ、左右の遮蔽面積にばらつきを生じるおそれがある。かかる不具合を防止するため、図14に示すようにガイド溝405と突条412の間で、遮蔽部材27の半径方向および軸方向に適切な大きさの隙間(α1、α2)を設け、摺動抵抗の低減に努めるのが好ましい。この隙間α1、α2は、高温時の熱膨張でもガイド溝405と突条412との間の摺動抵抗の増大を抑制する役割も有する。ガイド溝405と突条412との間の摺動抵抗低減のため、図15に示すようにガイド溝405の対向内面に複数の微小突起420を形成してもよい。この微小突起420は、ガイド溝405の内面に設ける他、突条412の周面に形成することもできる。
以上に説明した遮蔽部材27の支持構造は、以下の特徴を有する。
定着ベルト21の軸方向両側の必要スペースは、軸方向で密着させた保持部材40とスライド部材41を収容できるだけの厚さで足りる。そのため、遮蔽部材29の支持構造をコンパクト化することができ、定着装置20周辺でのレイアウトの自由度が向上する。
遮蔽部材27のような概略円筒状の部材を回転自在に支持する場合、当該部材の回転中心に軸を配置し、この軸を軸受で支持する構成が一般的である。しかしながら、かかる構成を採用した場合、軸方向のスペースが嵩む。また、軸と遮蔽部材27を連結する部材が必要となり、遮蔽部材27全体の熱容量が増してエネルギーロスが多くなる。さらに、連結用の部材を遮蔽部材27と一体化すれば金属板の塑性加工だけで遮蔽部材27を製作することが困難となり、連結用の部材を別部材にすれば部品点数が増大する。そのため、何れの場合でも高コスト化を招く。
これに対し、本発明では、回転側部材であるスライド部材41と静止側部材である保持部材40のそれぞれに、軸方向で互いに対向する対向面404,411を設け、保持部材40の対向面404(外側面)にガイド溝405(雌部)を形成すると共に、スライド部材41の対向面411(内側面)にガイド溝405と嵌合可能の突条412(雄部)を設け、さらにガイド溝405と突条412を遮蔽部材27の周方向に摺動可能としている。かかる構成によれば、ガイド溝405と突条412の嵌合により遮蔽部材27の荷重が保持部材40で支持され、かつガイド溝405と突条412の摺動により遮蔽部材27の回転方向が案内される。そのため、コンパクトな構成で遮蔽部材27を回転自在に支持することができる。この場合、遮蔽部材27の回転中心に軸を配置する必要がなく、軸と遮蔽部材27とを連結する必要がない。そのため、上記問題を解消することができる。
ガイド溝405に雄部としてピンを嵌合させても同様に遮蔽部材27を回転自在に支持することができる。しかしながら、かかる構成では、ガイド溝とピンが互いに点接触または線接触するため、遮蔽部材27の姿勢が安定せず、定着ベルト21に与える熱量を精度良くコントロールすることが難しくなる。これに対し、本発明では、ガイド溝405に、周方向にある程度の長さを持った突条412を嵌合して両者を面接触させているため、遮蔽部材27の姿勢を安定化することができる。
定着ベルト21を回転駆動するための駆動機構50を遮蔽部材27の軸方向一端に配置すれば、両端に駆動機構50を配置する場合に比べて定着装置20の構成を簡略化することができる。そのため、レイアウトの自由度をさらに向上させることができる。
図14に示すように、保持部材40の軸方向両側のうち、定着ベルト21の装着側となる領域では、定着ベルト21の軸方向端部と保持部材40の鍔部402との間に、両者の直接接触を防止するスリップリング42が配置されている。このようにスリップリングが介在している以上、保持部材40のうち、定着ベルト21の装着側となる領域において、回転側と静止側のどちらか一方にガイド溝405を形成し、他方に突条412を形成した場合でも両者を嵌合させることが難しい。これに対し、本発明では、遮蔽部材27にスライド部材41を結合し、さらにスライド部材41を、定着ベルト21とは軸方向反対側の領域で保持部材40に対向させて、この対向部にガイド溝405や突条412を配置している。そのため、スリップリング42とは無関係に、確実にガイド溝405と突条412を嵌合させることができる。
保持部材40とスライド部材41の双方を樹脂で形成することにより、ガイド溝405と突条412間の摺動抵抗をさらに減じて、遮蔽部材27の捩じれを確実に防止することが可能となる。
図3に示すように、遮蔽部材27が遮蔽面積を減少させる方向に回転した場合(特に遮蔽部材27が退避位置に移動した場合)には、遮蔽部材27の一端部が定着ベルトの内部に配置されたニップ形成部材24に接近する。
ここで、例えばスライド部材41の周方向の中間付近にスライド部材41と遮蔽部材27の結合部(孔部414)を設けた場合、遮蔽部材27を退避方向に回転させようとしても、スライド部材41がニップ形成部材24と干渉してそれ以上の回転が規制される。そのため、遮蔽部材27の退避が不十分となるおそれがある。これに対して、図12に示すように、スライド部材41のうち、遮蔽部材27が遮蔽面積を減少させる退避方向に回転した際に、ニップ形成部材24に対して接近する端部に遮蔽部材27との結合部を配置すれば、遮蔽部材27の移動ストロークを最大限大きくすることができ、遮蔽部材27を確実に退避位置まで移動させることが可能となる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上記実施形態では、定着ベルトを用いた定着装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、定着ベルトの代わりに中空(筒状)又は中実の定着ローラを用いた構成にも本発明を適用することは可能である。また、遮蔽部材の形状は、上述の実施形態に限定されることはない。使用する紙サイズに応じて、遮蔽部材が3つ以上の段差部を有する形状に形成してもよい。また、本発明に係る定着装置を搭載する画像形成装置も、図1に示すようなプリンタに限らず、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等とすることが可能である。
また、上記実施形態では、可動側のスライド部材41に雄部としての突条412を形成し、固定側の保持部材40に雌部としてのガイド溝405を形成する場合を例示したが、これとは逆に、可動側のスライド部材41に雌部としてのガイド溝を形成し、固定側の保持部材40に雄部としての突条412を形成しても構わない。さらに、スライド部材41を省略し、回転側部材となる遮蔽部材27の一端部に突条412を形成して、これを保持部材40の外側面404に設けたガイド溝405に直接嵌合させることもできる。
20 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(対向部材)
23 ハロゲンヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
25 ステー(支持部材)
26 反射部材
27 遮蔽部材
40 保持部材
41 スライド部材
404 外側面(対向面)
405 ガイド溝(雌部)
411 内側面(対向面)
412 突条(雄部)
414 孔部(結合部)
415 ギヤ部
P 用紙(記録媒体)
特許第4130898号公報 特開2008−58833号公報 特開2008−139779号公報

Claims (9)

  1. 静止側部材と、回転自在に支持された定着部材と、定着部材を加熱する加熱源と、定着部材の外周面に当接してニップ部を形成する対向部材と、遮蔽部材を含む回転側部材とを備え、遮蔽部材が、加熱源から定着部材に向う熱を遮蔽可能で、かつその回転で遮蔽面積を増減させる定着装置において、
    回転側部材および静止側部材のそれぞれに、軸方向で互いに対向する対向面を設け、両対向面のうち何れか一方に雌部を形成すると共に、他方に雌部と嵌合可能の雄部を設け、雄部と雌部を遮蔽部材の周方向に摺動可能としたことを特徴とする定着装置。
  2. 雌部が遮蔽部材の周方向に延びたガイド溝であり、雄部が遮蔽部材の周方向に延びた突条である請求項1に記載の定着装置。
  3. 静止側部材および回転側部材を1組として、遮蔽部材の軸方向両端にそれぞれ1組の静止側部材および回転側部材を配置し、遮蔽部材を回転駆動するための駆動機構を遮蔽部材の軸方向一端に配置した請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 遮蔽部材の全体が、薄板材で部分円筒面状に形成されている請求項1〜3何れか1項に記載の定着装置。
  5. 定着部材が内部に加熱源および遮蔽部材を配置した無端状の定着ベルトであり、静止側部材が定着ベルトの軸方向両端と嵌合して定着ベルトを回転自在に支持する保持部材である請求項1〜4何れか1項に記載の定着装置。
  6. 回転側部材を、遮蔽部材と遮蔽部材に結合したスライド部材とで構成し、スライド部材を、定着ベルトとは軸方向反対側の領域で保持部材に対向させて、保持部材およびスライド部材のそれぞれに前記対向面を形成した請求項5に記載の定着装置。
  7. 保持部材とスライド部材の双方を樹脂で形成した請求項6に記載の定着装置。
  8. 定着ベルトの内部に、前記ニップ部を形成するニップ形成部材を配置し、スライド部材のうち、遮蔽部材が遮蔽面積を減少させる方向に回転した際にニップ形成部材に対して接近する端部に、遮蔽部材との結合部を配置した請求項6または7に記載の定着装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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