JP2014058958A - 排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置 - Google Patents

排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置 Download PDF

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晃広 柚木
Tatsuo Ishiguro
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Abstract

【課題】排気ターボ過給機を備えた圧縮着火エンジンの起動装置において、エンジンの始動時に過給機に圧縮空気を導入して排気タービンを回転させて、エンジン側からみた排気タービンの排気絞り要素としての影響を低減して起動特性を改善することを目的とする
【解決手段】エンジン1の起動時に着火シリンダ順序に応じてシリンダ内に圧縮空気を供給してピストンを押し下げて起動を行う起動空気供給手段23と、排ガスと別に排気ターボ過給機3に供給して排気タービン3bに排気方向の回転力を付与せしめる過給機アシスト空気供給手段33と、これら空気供給手段23、33の作動を制御するコントローラ11とを備え、コントローラ11は起動時に起動空気供給手段23を作動させると同時に過給機アシスト空気供給手段33を作動して過給機3の排気タービン3bに回転力を付与せしめることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気ターボ過給機を備えたエンジンの起動装置に関し、特に、中大型ディーゼルエンジンまたはガスエジン等における起動装置に関するものである。
中大型のディーゼルエンジンまたはガスエンジン等の圧縮着火エンジンにおける起動装置は、従来、起動時に燃焼室内へ着火シリンダ順序に応じて、各シリンダの爆発トップ近傍のタイミングで起動弁を開いて起動用の圧縮空気を専用の圧縮空気タンクから所定圧力の圧縮空気を燃焼室内に導入してピストン押し下げて起動を行うものや、起動時だけ電動モータによってクランクシャフトに駆動力を付与して起動するもの等が知られている。
一方、排気ターボ過給機は、シリンダ容積あたりの出力を高めることができ、また、最適な空気過剰率に設定することで低エミッション化、高効率化を得ることができるものとして知られている。
しかし、排気ターボ過給機は、起動時に次の課題がある。
(1)過給機のタービンは、燃焼室からみると、燃焼室の排出側に備えられた絞り要素であり、燃焼室からの燃焼ガスの排出を阻害するものである。
(2)また、タービンの動力回収は、過給機という慣性モーメントもった回転体の時間遅れを経てコンプレッサの駆動動力となる。よって、燃焼室への空気供給には排気管の状態量の変化に対してタイムラグがある。
このため、エンジンの起動特性改善には、ターボの遅れ、つまり燃焼室への空気供給を改善することが有効である。また、起動時に排気バイパス弁などを開くことによって燃焼室側からみた排気側流路を拡大する例や、電動ターボにより過給機の応答をアシストする例もある。
エンジンの起動特性改善の例として、特許文献1(特許第4401990号公報)には、4サイクルディーゼル機関の始動方法が示され、始動時に、燃焼室の上流に設けた給気室に、高圧空気源よりアシストエアを供給すると同時に燃料噴射ノズルから燃焼室内に燃料が噴射されるものである。すなわち、高圧空気の投入は給気室に供給されものであり、高圧空気の投入と同時に燃料が噴射されことから始動時の燃焼改善によって、スモーク低減効果を狙った技術が示されている。
また、特許文献2(特開2002−122031号公報)には、ディーゼル機関のアシストエア供給方法が示され、機関の始動時において、始動前に予め排気タービン過給機の吸気側にアシストエアを供給しておき、始動に伴うピストンの作動と排気弁の開作動に伴ってアシストエアがシリンダ内に流入することで始動時におけるスモークの発生を抑制するとともに、負荷投入時における瞬時速度変動率を低減する技術が示されている。
特許第4401990号公報 特開2002−122031号公報
特許文献1は始動時に給気室にアシストエアを導入し、特許文献2は予め排気タービンの吸気側にアシストエアを導入して、始動に際してアシストエアをシリンダ内に流入させることで燃焼改善を行って、始動時のスモークの発生を抑制するものである。
しかし、前述のように排気ターボ過給機のタービンは、燃焼室からみると、燃焼室の排出側に備えられた絞り要素であり、燃焼室からの燃焼ガスの排出を阻害するものであるが、この点に着目しての起動特性の改善については特許文献1、2では十分なされていない。このため、更なる改善の余地がある。
そこで、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、排気ターボ過給機を備えたディーゼルエンジンンまたはガスエンジン等の圧縮着火エンジンの起動装置において、エンジンの始動時に過給機に圧縮空気を導入して排気タービンを回転させて、エンジン側からみた排気タービンの排気絞り要素としての影響を低減して起動特性を改善することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するため、排気ターボ過給機を備えたディーゼルエンジンまたはガスエンジン等の圧縮着火エンジンの起動装置において、
エンジン起動時に着火シリンダ順序に応じてシリンダ内に圧縮空気を供給してピストンを押し下げて起動を行う起動空気供給手段と、エンジンからの排ガスと別に前記排気ターボ過給機に供給して排気タービンに排気方向の回転力を付与せしめる過給機アシスト空気供給手段と、前記起動空気供給手段と前記過給機アシスト空気供給手段との作動を制御するコントローラとを備え、該コントローラは起動時に前記起動空気供給手段を作動させると同時に前記過給機アシスト空気供給手段を作動して過給機の排気タービンに回転力を付与せしめることを特徴とする。
かかる発明によれば、過給機アシスト空気供給手段によって、起動時にエンジンからの排ガスとは別に前記排気ターボ過給機に供給して排気タービンに排気方向の回転力を与えて回転するため、排気タービンによる燃焼室からの燃焼ガスの排出の阻害を低減して、起動時のエンジン回転数の上昇率を向上して起動遅れを改善できる。
また、中大型のディーゼルエンジンやガスエンジンにおいては、起動用に圧縮空気を貯蔵しておく空気タンクを備えているため、必要とする圧縮空気を調圧弁を介して調整して、適切な圧力、例えば200KPa程度の圧力に減圧して供給すれば、前記起動空気供給手段の圧縮空気を利用でき、既存の装置を利用することで大掛かりな装置を敷設することなく、追加装置は配管のみで過給機アシスト空気供給手段を設けることができる。
また、本発明において好ましくは、前記過給機アシスト空気供給手段による圧縮空気が過給機の排気タービンに供給されるとよい。
このように過給機のアシストエアが排気タービンに供給されるため、直接的に排気タービンの回転力として作用するので回転の付与が効率よく得られる。
また、本発明において好ましくは、前記過給機には排ガスをバイパスさせる排気バイパス通路が設けられ、該排気バイパス通路と排気通路の分岐部より排気タービン側の位置に前記過給機アシスト空気供給手段からの圧縮空気を供給し、前記コントローラは起動時に排気バイパス通路を全開にすると共に前記過給機アシスト空気供給手段を作動して排気タービを回転せしめるとよい。
このように、起動時には排気バイパス通路を全開状態に保持して、さらに、排気タービンに過給機アシスト空気供給手段からの圧縮空気を供給して排気タービンを回転させるので、排気タービンによる燃焼室からの燃焼ガスの排出の阻害をさらに低減でき、起動時の起動遅れを一層改善できる。また、排気バイパスされても、アシスト空気で排気タービンが回転されるため過給機による燃焼室への空気供給も保持される。
また、本発明において好ましくは、前記過給機アシスト空気供給手段による圧縮空気を過給機のコンプレッサに供給してもよい。
このようにコンプレッサ側に圧縮空気を供給して、コンプレッサ側から排気タービンに回転力を付与するようにしてもよい。
コンプレッサ側は、吸い込み側は負圧となるが、この吸い込み側に、例えば大気圧+10kPa程度の圧縮空気を供給することで、圧縮空気によってコンプレッサに回転力を付与でき、これによってコンプレッサ側から排気タービンに回転力を付与できる。コンプレッサの入口側への圧縮空気の供給は、排気タービンへの圧縮空気より低い圧力でよいため圧縮空気の入手が容易である。
また、本発明において好ましくは、前記コントローラは、過給機アシスト空気供給手段によるアシスト空気の排気タービン側への供給を、各気筒の着火タイミングと同調させたタイミングでパルス状に供給するとよい。
このように、パルス状に供給することで、動圧過給と同様の効果を作用させてタービンの動翼を効率よく回転できる。特に、燃焼室内の着火タイミングに応じたタイミングで、供給することによって、排ガスの脈動と対応させることができ、より効果的にタービンに回転力を付与できる。
本発明によれば、排気ターボ過給機を備えたディーゼルエンジンンまたはガスエンジン等の圧縮着火エンジンの起動装置において、エンジンの始動時に過給機に圧縮空気を導入して排気タービンを回転させて、エンジン側からみた排気タービンの排気絞り要素としての影響を低減して起動特性を改善することができる。
本発明の第1実施形態にかかる排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置のシステム構成図である。 第1実施形態の起動時の作動を示すタイミングチャートである。 第1実施形態のコントローラにおける起動制御のフローチャート 第2実施形態にかかる排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置のシステム構成図である。 第3実施形態にかかる排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置のシステム構成図である。 第3実施形態の起動時の作動を示すタイミングチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に、図1〜3を参照して説明する。
エンジン1は、排気ターボ過給機(以下過給機という)3が備えられた中、大型の4サイクルディーゼルエンジンであり、図示しない発電機を駆動する発電機用のエンジンである。
エンジン1には、燃料供給ライン5によって各気筒7に所定タイミングで燃焼燃料が供給されるようになっている。燃料供給ライン5には、各気筒への燃料の供給タイミングと供給量を調整する燃料調整弁9が設けられ、後述するコントローラ11からの制御信号によって作動する。なお、図1では便宜的に燃料調整弁9を1つしか記載していないが、気筒毎に設けられ気筒毎に開閉制御されるようになっている。
また、給気通路13には、過給機3のコンプレッサ3aが設けられ、その下流にエアクーラ15が設けられ、その下流に給気管集合部17が設けられ、該給気管集合部17から各気筒7の燃焼室内に空気が流入される。
燃焼室では、前記燃料供給ライン5によって供給された燃料が圧縮着火によって着火燃焼する。燃焼後の排ガスは、排気管集合部19によって、各気筒7からの排ガスが集められて、排気通路21を通って、過給機3の排気タービン3bに導かれ、排気タービン3bを通って排出されるようになっている。
エンジン1の起動用に起動装置2が設けられている、この起動装置2は、主に、起動空気供給手段23と、過給機アシスト空気供給手段33と、これら空気供給手段の供給と停止を制御するコントローラ11とを有して構成されている。
この起動空気供給手段23は、圧縮空気を貯蔵するエアタンク25と、各燃焼室の頂部に設けられる起動弁27と、起動空気供給通路29と、該起動空気供給通路29に設けられて、該起動空気供給通路29の開閉と供給量を調整する起動空気制御弁31とを備えて構成されている。
エアタンク25には、起動用の圧縮空気が図示されない圧縮機によって生成されて、調圧されて、例えば略2MPaの圧力に保持されて貯蔵されている。
起動弁27は、燃焼室におけるピストンの爆発トップ位置の近傍のタイミングで開弁してエアタンク25内の圧縮空気を燃焼室内の頂上から下方に向かって噴出してピストンを押し下げて起動を行う。
また、起動空気制御弁31は後述するコントローラ11からの制御信号によって開閉作動される。
過給機3には、過給機アシスト空気供給手段33が設けられている。この過給機アシスト空気供給手段33は、過給機アシスト空気の噴出口35と、前記エアタンク25と過給機アシスト空気の噴出口35とを連通するアシスト空気供給通路37と、該アシスト空気供給通路37の開閉と供給量を調整するアシスト空気制御弁39とを備えて構成されている。
アシスト空気の噴出口35は、過給機3の排気タービン3bの近傍、例えば、排気タービン3bのケーシングに動翼に向かって設けられ、若しくは過給機3の排気入口部の近傍の排気通路に設けられ、排気タービン3bに排気方向の回転を助長するように流入される。
アシスト空気制御弁39によって調圧されて、エアタンク25内の圧力が例えば略200KPaの圧力に減圧されて、排気タービン3bの動翼に向かって噴出される。
また、アシスト空気制御弁39は後述するコントローラ11からの制御信号によって開閉作動されるようになっている。
次に、エンジン1の起動制御を行うコントローラ11について説明する。
コントローラ11には、主に、エンジン回転数41、過給機回転数43、過給機入口圧力45、過給機入口温度47、クランク角度49の各信号が入力されている。これら入力信号に基づいてコントローラ11は、起動運転から燃料運転、および定格回転運転に渡って、アシスト空気制御弁39および起動空気制御弁31のON、OFFおよび調圧を制御する。
図3を参照して、まず、ステップS1で、エンジン起動の指令信号が、起動スイッチONによって発せられたか否かを判定し、ステップS2で、起動スイッチがONのとき起動空気制御弁31を作動して開弁する。起動空気制御弁31が開弁されると、エアタンク25内の圧縮空気が起動空気供給通路29を通って、起動弁27に導かれて、燃焼室内の頂上から下方に向かって噴出してピストンを押し下げて起動を開始する。各シリンダの起動弁27は、各シリンダの着火シリンダ順序に応じて、各シリンダの爆発トップ近傍のタイミングで開弁されて圧縮空気を噴出するようになっている。
一方、この起動空気制御弁31の開弁と同時に、ステップS3では、アシスト空気制御弁39が開弁して、排気タービン3bへ、エアタンク25内の圧縮空気が調圧された圧縮空気が、アシスト空気供給通路37を通って供給される。調圧はアシスト空気制御弁39で行われる。
排気タービン3bへのアシスト空気の供給は、一定流量の空気を供給する場合だけではなく、コントローラ11は、アシスト空気制御弁39を制御して、アシスト空気の供給を、各気筒7の着火タイミングと同調させたタイミングでパルス状に供給してもよい。具体的にはコントローラ11に入力されるエンジン回転数、クランク角度の信号を基に着火気筒の判別および着火タイミングを算出して、その算出結果に基づいてアシスト空気が供給される。
このように、パルス状に供給することで、動圧過給と同様の効果を作用させて排気タービン3bの動翼を効率よく回転できる。特に、燃焼室内の着火タイミングに対応したタイミングで、パルス状に供給することによって、排ガスの脈動と対応させることができ、より効果的にタービンに排気方向の回転力を付与できる。
以上のように起動空気の燃焼室内への供給と、アシスト空気の排気タービン3bへの供給とが同時に実行されて、ステップS4で、エンジン回転数が第1閾値、例えば、定格回転数の10%程度、定格回転数を750rpmと仮定した場合には、略75rpm以上に達したか否かを判定し、達している場合には、ステップS5で、燃料調整弁9を作動して燃焼室内に所定タイミングで燃料(ディーゼルエンジンの燃料)の供給を開始する。
すなわち、第1閾値に回転数が達した場合には、燃焼室内の温度も圧縮着火可能な温度に達していると判定して燃料の供給を開始するものである。従って、エンジン回転数にも基づく判定に限らず、過給機入口圧力45つまり過給機3の排気タービン3bに流入する排ガス圧力や、過給機入口温度47つまり過給機3の排気タービン3bに流入する排ガス温度の検出信号に基づいて判定してもよい。
燃料供給後に、燃料運転が行われてエンジン回転数が上昇して、ステップS6で、エンジン回転数が第2閾値、例えば、定格回転数の20%程度、定格回転数を750rpmと仮定した場合には、略150rpm以上に達したか否かを判定し、達している場合には、ステップS7で、起動空気制御弁31を閉弁して、燃焼室内への起動空気の供給を停止する。そして、ステップS8で、アシスト空気制御弁39を閉弁して、排気タービン3bへのアシスト空気の供給を停止する。
以上の制御フローに沿った作動について、タイミングチャートを図2に示す。
図2(A)はエンジン回転数の変化を示し、(B)は従来の起動空気だけが供給される場合の起動空気と燃料供給のタイミングを示し、(C)は本実施形態の場合のアシスト空気と起動空気と燃料供給とのタイミングを示す。
図2(C)に示すように、本実施形態では、排気タービン3b側のアシスト空気は、起動空気供給開始と同じタイミングでアシスト空気制御弁39を開き、起動空気が停止されるタイミング以降は10秒以内で全閉となり、供給停止する。起動空気と排気タービン側アシスト空気とが同時に全停止になると停止時に大きな回転変動が生じるため、一定時間を持たせて停止している。
本実施形態のアシスト空気を供給した場合には、定格回転数の略20%に達する間での時間が、従来の時間t1であったものが時間t2まで短縮されることが確認できた。
従って、本実施形態によれば、アシスト空気の供給によって、排気タービン3bに回転力を与えて回転するため、排気タービン3bによる燃焼室からの燃焼ガスの排出の阻害を低減でき、起動時のエンジン回転数の上昇率を向上して起動遅れを改善できる。
また、アシスト空気をエアタンク25内の圧縮空気を減圧して利用するので、既存の装置を利用することで大掛かりな装置を敷設することなく、追加装置は配管のみでアシスト空気を製造できる。
(第2実施形態)
次に、図4を参照して第2実施形態を説明する。
第2実施形態は、第1実施形態と過給機アシスト空気供給手段が相違し、他の構成は同様である。第2実施形態の過給機アシスト空気供給手段51によるアシスト空気は、過給機3のタービン側ではなくコンプレッサ側に供給されることが特徴である。
この過給機アシスト空気供給手段51は、過給機アシスト空気の噴出口53と、エアタンク25と過給機アシスト空気の噴出口53とを連通するアシスト空気供給通路55と、該アシスト空気供給通路55の開閉と供給量を調整するアシスト空気制御弁57とを備えて構成されている。
第2実施形態によると、エンジン1の起動時制御は、第1実施形態のアシスト空気の供給位置がコンプレッサ3a側に変わったものであり、実質的に図3に示す制御フローチャート、および図2のアシスト空気と起動空気と燃料供給とのタイミングチャートと同様である。
第2実施形態によると、コンプレッサ3a側は、吸い込み側は負圧となるが、この吸い込み側に、例えば大気圧+10kPa程度の圧縮空気を供給することで、圧縮空気によってコンプレッサ3aに回転力を付与でき、これによってコンプレッサ3a側から排気タービン3bに回転力を付与できる。コンプレッサ3aの入口側への圧縮空気の供給は、排気タービン3bへの圧縮空気より低い圧縮空気でよいため圧縮空気の入手が容易である。
(第3実施形態)
次に、図5、6を参照して第3実施形態を説明する。
第3実施形態は第1実施形態と、第2実施形態とを組み合わせ、さらに、排気バイパス通路61を設けたものである。
図5に示すように、排気タービン3b側の過給機アシスト空気供給手段33と、コンプレッサ3a側の過給機アシスト空気供給手段51とを備え、さらに過給機3には排ガスをバイパスさせる排気バイパス通路61が設けられ、該排気バイパス通路61と排気通路21との交点より排気タービン3b側の位置に過給機アシスト空気供給手段33からの圧縮空気が供給される噴出口35が設けられている。
また、排気バイパス通路61には、バイパス量を調整する排気バイパス制御弁62が設けられていて、コントローラ11からの制御信号によって作動される。
コントローラ11は、図6(C)のタイミングチャートに示すように、起動時に排気バイパス通路61を全開にする、または全開状態になっている場合にその状態を保持すると共に、排気タービン3b側の過給機アシスト空気供給手段33と、コンプレッサ3a側の過給機アシスト空気供給手段51とをともに作動して、排気タービン側のアシスト空気およびコンプレッサ側のアシスト空気を供給する。
その結果、エンジン1の燃焼室からの排ガスの多くは排気バイパス通路61を通って排出される。なお、排気バイパス通路は、従来、起動用でないため全開状態であってもバイパス流量の流量比率は10〜20%程度であったが、本実施形態では、それより大きい流量比率、例えば50%〜全量程度とするようバイパス流路61を用いる場合の例である。
バイパス流路61による排ガスのバイパスによって排気タービン3bの回転が得られないことによる問題は、排気タービン3b側の過給機アシスト空気供給手段33とコンプレッサ3a側の過給機アシスト空気供給手段51とからの圧縮空気によって排気タービン3bの回転力が確保されることで解消される。
従って、本実施形態によれば、過給機3による起動時の燃焼室への空気供給を保持しつつ、過給機3の排気タービン3bによる燃焼室からの燃焼ガスの排出の阻害を効率よく低減可能として起動遅れを改善できる。
図6にタイミングチャートを示す。図2と同様に、図6(A)はエンジン回転数の変化を示し、(B)は従来の起動空気だけが供給される場合の起動空気と燃料供給のタイミングを示し、(C)は本実施形態の場合のコンプレッサ側および排気タービン側のアシスト空気と、起動空気と、燃料供給とのタイミングを示す。
なお、図6(C)に示すように、排気バイパス流は起動空気がカットされるタイミンク以降は、エンジンの負荷及び回転数に応じて自動制御される。
排気タービン3b側のアシスト空気、及びコンプレッサ3a側のアシスト空気は、起動空気供給開始と同じタイミングでアシスト空気制御弁39、57が開き、起動空気が停止されるタイミング以降10秒以内で全閉となり、供給停止となる。
本実施形態のアシスト空気を供給した場合には、定格回転数の略20%に達する間での時間が、従来時間t1であったものが時間t3まで短縮されることが確認できた。
排気バイパス通路61によるバイパス作用と、コンプレッサ側および排気タービン側のアシスト空気の供給によって、排気タービン3bに排ガスを排出方向の回転力を与えて回転せしめる作用とによって、起動遅れの改善が得られた。
また、図5に示すように、過給機3へのアシスト空気の供給を、過給機3にアシストモータ71を取り付けて、アシストモータ71によるモータアシストとともに合わせて実施してもよく、アシストモータ71を組み合わせることによって、排気タービン3bによる燃焼室からの燃焼ガスの排出の阻害をさらに低減でき、起動時のエンジン回転数の上昇率を向上して起動遅れを一層改善できる。
本発明によれば、排気ターボ過給機を備えたディーゼルエンジンンまたはガスエンジン等の圧縮着火エンジンの起動装置において、エンジンの始動時に過給機に圧縮空気を導入して排気タービンを回転させて、エンジン側からみた排気タービンの排気絞り要素としての影響を低減して起動特性を改善することができるので、排気ターボ過給機を備えた中大型ディーゼルエンジンンまたはガスエンジン等の起動装置への適用技術として有用である。
1 エンジン(ディーゼルエンジン)
2 起動装置
3 排気ターボ過給機
3a コンプレッサ
3b 排気タービン
5 燃料供給ライン
7 気筒
9 燃料調整弁
11 コントローラ
13 給気通路
21 排気通路
23 起動空気供給手段
25 エアタンク
27 起動弁
29 起動空気供給通路
31 起動空気制御弁
33 過給機アシスト空気供給手段
35、53 過給機アシスト空気の噴出口
37 アシスト空気供給通路
39 アシスト空気制御弁
61 排気バイパス通路
62 排気バイパス制御弁

Claims (5)

  1. 排気ターボ過給機を備えたディーゼルエンジンまたはガスエンジン等の圧縮着火エンジンの起動装置において、
    エンジン起動時に着火シリンダ順序に応じてシリンダ内に圧縮空気を供給してピストンを押し下げて起動を行う起動空気供給手段と、
    エンジンからの排ガスと別に前記排気ターボ過給機に供給して排気タービンに排気方向の回転力を付与せしめる過給機アシスト空気供給手段と、
    前記起動空気供給手段と前記過給機アシスト空気供給手段との作動を制御するコントローラとを備え、
    該コントローラは起動時に前記起動空気供給手段を作動させると同時に前記過給機アシスト空気供給手段を作動して過給機の排気タービンに回転力を付与せしめることを特徴とする排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置。
  2. 前記過給機アシスト空気供給手段による圧縮空気が過給機の排気タービンに供給されることを特徴とする請求項1記載の排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置。
  3. 前記過給機には排ガスをバイパスさせる排気バイパス通路が設けられ、該排気バイパス通路と排気通路の分岐部より排気タービン側の位置に前記過給機アシスト空気供給手段からの圧縮空気を供給し、前記コントローラは起動時に排気バイパス通路を全開にすると共に前記過給機アシスト空気供給手段を作動して排気タービを回転せしめることを特徴とする請求項2記載の排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置。
  4. 前記過給機アシスト空気供給手段による圧縮空気が過給機のコンプレッサに供給されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置。
  5. 前記コントローラは、過給機アシスト空気供給手段によるアシスト空気の排気タービン側への供給を、各気筒の着火タイミングと同調させたタイミングでパルス状に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置。
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JP2012206156A Pending JP2014058958A (ja) 2012-09-19 2012-09-19 排気ターボ過給機付きエンジンの起動装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016194284A (ja) * 2015-04-01 2016-11-17 新潟原動機株式会社 過給機付き内燃機関の制御方法及び過給機付き内燃機関
GB2552482A (en) * 2016-07-25 2018-01-31 Jaguar Land Rover Ltd Direct injection of gas into a turbine volute

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