JP2014058487A - ヒアルロン酸量増加促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたヒアルロン酸量増加促進作用を有する新しい植物由来のヒアルロン酸量増加促進剤を提供する。
【解決手段】セリ科(Umbelliferae)のカワラボウフウ属(Peucedanum L.)に属するボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)の植物体、またはその溶媒抽出物を含むものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒアルロン酸量増加促進剤に関し、特に優れたヒアルロン酸量増加促進作用を有し、安全で、飲食品や化粧料に配合するのに適したヒアルロン酸量増加促進剤に関する。
近年、老化に関する研究が進められている。皮膚老化の原因は、マクロ的にみれば加齢が重要な因子であるが、それに加えて乾燥、酸化、太陽光(紫外線)等による影響も皮膚老化に関わる直接的な因子として挙げられる。皮膚老化の具体的な現象としては、ヒアルロン酸をはじめとするムコ多糖類の減少、コラーゲンの架橋反応、紫外線による細胞の損傷などが知られている。
なかでもヒアルロン酸は、細胞間隙への水分の保持、組織内にジェリー状のマトリックスを形成することに基づく細胞の保持、組織の潤滑性と柔軟性の保持、機械的障害等の外力に対する抵抗、および細菌感染の防止など、多くの機能を有している(非特許文献1)。例えば、皮膚のヒアルロン酸量は加齢とともに減少し、それに伴い、小ジワやかさつき等の皮膚老化が現れるといわれている。そのため、このような老化した皮膚の改善剤として、ヒアルロン酸やコラーゲンを配合した化粧料が数多く提案されている。しかしながらこれら従来の化粧料は、皮膚表面における保湿効果を発揮するだけであり、本質的に老化肌を改善し得るものではない。また、皮膚細胞賦活剤として各種のビタミン類や生薬類を配合した化粧料が提案されているが、これらもやはり老化肌を改善、治療し得るまでには至っていないのが現状である。
さらに、関節液中に含まれるヒアルロン酸は、関節軟骨の表面を覆い、関節機能の円滑な作動に役立っている。正常人関節液中のヒアルロン酸濃度は約2.3mg/mlであるが、慢性関節リウマチの場合、関節液中のヒアルロン酸濃度は約1.2mg/mlと低下し、同時に関節液の粘度も著しく低下する(非特許文献2)。また、化膿性関節炎や痛風性関節炎などでも慢性関節リウマチの場合と同様、ヒアルロン酸含量の低下が起こることが知られている(非特許文献3)。上記疾患において、潤滑機能の改善、関節軟骨の被覆・保護、疼痛抑制および病的関節液の改善若しくは正常化のために、関節液中のヒアルロン酸量を増加させることが考えられる。例えば、慢性関節リウマチ患者にヒアルロン酸ナトリウムの関節注入療法を行うと上記の改善が認められることが報告されている(非特許文献4)。同様に、外傷性関節炎、骨関節炎や変形性関節炎においても、ヒアルロン酸の関節注入療法により上記の改善効果が報告されている。(非特許文献5)。
また、熱傷受傷後の治癒過程で、壊死組織の下方から増生してくる肉芽組織の初期から組織全体が肉芽組織に置き換えられるまでの期間では、肉芽中にヒアルロン酸が著しく増加することが知られており(非特許文献5)、熱傷の初期の治療薬としても、ヒアルロン酸量増加促進剤が期待されている。
上記疾患の治療は長期にわたり、しかも医師の処方を必要とする。従って、日常生活のなかで手軽に治療することができるヒアルロン酸産生量増加促進剤を含有させた皮膚外用剤であることが好都合である。
ヒト細胞のヒアルロン酸を産生する薬剤としては、インシュリン様成長因子−1や上皮成長因子(非特許文献6)およびインターロイキン−1(非特許文献7)などのサイトカイン、あるいはフォルボールエステル(非特許文献8)などが知られているが、いずれも化粧品、入浴剤や医薬品等として簡便にかつ安心して使用することができるものではない。
一方、ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)についていえば、該植物又はその抽出物には二糖類分解酵素を阻害する作用があり糖尿病の予防・治療や肥満の解消などに有効であること(特許文献1)、細胞賦活作用、抗酸化作用、メラニン産生抑制作用があること(特許文献2)、ヘペラナーゼ活性抑制作用があり、しわの防止、改善に有効であること(特許文献3)、セラミド合成促進作用があること(特許文献4)などが知られている。
特開2003−26694号公報 特開2004−26697号公報 国際公開WO09/123215号公報 特開2005−194239号公報
"Bio Industry"、vol.8、p.346(1991) "Arthritis Rheumatism"、vol.10、p.357(1967) 「結合組成」(金原出版)、481頁、1984年 「炎症」(日本炎症学会)、11巻、16頁、1991年 「結合組織と疾患」(講談社)、153頁、246頁、1980年 "Biochemica Biophysica Acta"、1014、p.305(1989) 「日本産科婦人科学会」雑誌、41巻、1943頁、1989年 "Experimental Cell Research"、vol.148、p.377(1983)
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたもので、安全で、かつ簡便に用いることができる、ヒトにおけるヒアルロン酸量を増加させるヒアルロン酸量増加促進剤を提供することを目的とする。
そこで本発明者は、正常ヒト表皮角化細胞のヒアルロン酸量の増加を強く促進させる作用を有する物質を鋭意研究した結果、ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.) の植物体またはその溶媒抽出物が優れたヒアルロン酸量増加促進能を有していることを見出した。
すなわち本発明は、セリ科(Umbelliferae)のカワラボウフウ属(Peucedanum L.)に属するボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)の植物体またはその溶媒抽出物からなることを特徴とするヒアルロン酸量増加促進剤である。
本発明のヒアルロン酸量増加促進剤は、ヒアルロン酸量の増加を促進する効果に優れ、かつ安全なものである。よって本発明のヒアルロン酸量増加促進剤によれば、ヒアルロン酸量を増加させることができ、皮膚のハリや弾力を保持・改善してシワを防ぎ、うるおいのある若々しい肌の状態を維持・改善すると共に、関節炎等の予防・治療、火傷の初期の治療等に適用することができ、ヒアルロン酸不足に起因する種々の症状の改善に有効である。
本発明によるボタンボウフウ抽出物(抽出溶媒及び工程違い3種)を用いた時の総ヒアルロン酸量を示す図である。 本発明によるボタンボウフウ50%エタノール抽出物(濃度違い3種)を用いた時の総ヒアルロン酸量を示す図である。 本発明によるボタンボウフウ抽出物(抽出溶媒及び工程違い3種)を用いた時の細胞当たりのヒアルロン酸量を示す図である。 本発明によるボタンボウフウ50%エタノール抽出物(濃度違い3種)を用いた時の細胞当たりのヒアルロン酸量を示す図である。
以下、本発明について詳述する。
本発明のヒアルロン酸量増加促進剤は、優れたヒアルロン酸量の増加促進能を有している。よって、本発明のヒアルロン酸量増加促進剤は、医薬品(例えば皮膚外用剤,内服薬),医薬部外品,化粧料,および飲食品(例えばサプリメント,飲料)に配合してヒアルロン酸量増加促進効果のある外用剤や飲食品等とするのが好適であり、特に化粧料が好適である。
本発明で用いられるボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)はセリ科(Umbelliferae)カワラボウフウ属(Peucedanum L.)の植物であり、「長命草」とも称される。日本の主に沖縄県八重山諸島の海岸の断崖や珊瑚石灰岩の岩場など、厳しい自然条件の中で自生する常緑多年草である。
本発明で用いられるボタンボウフウについては上記したように、細胞賦活作用、抗酸化作用、セラミド合成促進作用等があることが知られているが、ヒアルロン酸量増加促進作用があるという報告はこれまでになく、本発明者らによって初めて見出されたものである。
本発明で用いられるボタンボウフウ及びその溶媒抽出物はいずれの部位由来でもよく、特に限定はないが、例えば葉、茎、根または全草、あるいはこれらの混合物を使用することが好ましい。
本発明に用いられるボタンボウフウは、植物体またはその溶媒抽出物が用いられる。このうち、溶媒抽出物が好適であり、中でも含水有機溶媒による抽出物が好ましい。
本発明において、ボタンボウフウの植物体とは特に限定はないが、例えば、原料のボタンボウフウに対し何らかの加工を施したものであれば特に限定はなく、例えば磨砕物、乾燥粉末、粉砕物、搾汁液、破砕物、化学処理物、酵素処理物をいい、特に好適には乾燥粉末が例示される。
本発明に用いられるボタンボウフウの抽出物は、ボタンボウフウ、例えばその葉、茎、根または全草、あるいはこれらの混合物をそのまま、乾燥あるいは粉砕した後、溶媒にて抽出することにより得られる。特に好ましいのは全草である。抽出は室温静置で行っても良いが、必要に応じて加温、攪拌、加熱還流により抽出を促進することが可能である。得られた抽出液は、そのまま、あるいは適宜濾過・濃縮・脱色などの処理を施して用いることが出来る。また、一旦溶媒を除去した後に、抽出に用いた溶媒とは異なる溶媒に再溶解して用いることも可能である。得られた抽出物を活性炭やカラムクロマトグラフィーなどによりさらに精製して用いることも可能である。
本発明に用いられる抽出溶媒は、含水有機溶媒が好ましく、特に含水メタノール、含水エタノール又は含水1,3−ブタンジオール等の含水低級アルコールを選ぶことが好ましく、含水エタノールが最も好ましい。その場合の含水率は、例えば20〜80質量%である。
得られた抽出液は、そのまま、あるいは適宜濾過・濃縮・脱色などの処理を施して用いることが出来る。また、一旦溶媒を除去した後に、抽出に用いた溶媒とは異なる溶媒に再溶解して用いることも可能である。得られた抽出物を活性炭やカラムクロマトグラフィーなどによりさらに精製して用いることも可能である。抽出部位としては前記したように、全草を用いる以外に、特定の部位(葉、茎、根等)を集めて抽出しても良い。
本発明においては、溶媒抽出物の製造工程が抽出溶媒の蒸発乾燥固化を伴わないことが好ましい。
本発明のヒアルロン酸量増加促進剤はボタンボウフウの植物体またはその溶媒抽出物を有効成分とすることを特徴とするが、本発明の効果を損なわない範囲において他の種々の成分を含有することが出来る。
本発明のヒアルロン酸量増加促進剤は、皮膚外用基剤に配合してヒアルロン酸量増加促進作用を有する皮膚外用剤とするほか、飲食品に配合してヒアルロン酸量増加促進作用を有する機能性食品として用いられ、肌のはりの低下改善剤として用いられる。
このうち皮膚外用剤は特に化粧料、医薬品、医薬部外品等の分野において好適に用いることができる。本発明のヒアルロン酸量増加促進剤を含む皮膚外用剤においては植物抽出物が好ましく、植物抽出物の配合量は、ボタンボウフウ抽出物成分の乾燥残分として、通常0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上である。配合量が少なすぎると効果が十分に発揮されない。上限は本発明の効果を損なわない範囲において特に限定されないが、過剰に配合しても増量に見合った顕著な効果が得られないこと、また、製剤設計や使用性などにおいて悪影響を及ぼすこともあることなどから、通常10質量%以下、より好ましくは1質量%以下で配合することが好ましい。特に好ましい植物抽出物の配合量は、0.0001〜0.0025質量%である。
本発明のヒアルロン酸量増加促進剤を含む皮膚外用剤は、本発明によるヒアルロン酸量増加促進剤を皮膚外用基剤に配合して製造される。皮膚外用剤には、上記必須成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、植物エキス類、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
その他、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類なども適宜配合することができる。
本発明のヒアルロン酸量増加促進剤を含む皮膚外用剤は、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれでもよく、剤型は特に問わない。
また本発明のヒアルロン酸量増加促進剤を食品に配合することにより、肌のはりの低下の改善作用を有する機能性食品とすることができる。
本発明のヒアルロン酸量増加促進剤を飲食品に配合する場合、植物体またはその溶媒抽出物の配合量(乾燥質量)は、それらの種類、目的、形態、利用方法などに応じて、適宜決めることができ、例えば、飲食品全量中に錠剤やカプセル剤等の場合は1〜90質量%が好ましく、その他の飲食品では0.001〜50質量%が好ましい。成人一日当たり植物またはその溶媒抽出物の摂取量が約1〜1,000mg(固形分換算)程度になるように調製することが好ましい。特に、保健用飲食品等として利用する場合には、本発明の有効成分を所定の効果が十分発揮されるような量で含有させることが好ましい。
飲食品の形態としては、例えば、顆粒状、粒状、ペースト状、ゲル状、固形状、または、液体状に任意に成形することができる。これらには、飲食品等に含有することが認められている公知の各種物質、例えば、結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤やpH調整剤などの賦形剤を適宜含有させることができる。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
最初に、本実施例で用いた植物抽出物の調製方法、ヒアルロン酸量増加促進効果に関する試験方法とその結果について説明する。
1.試料の調製
(試験試料1)
ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum)の葉と茎の乾燥粉砕物50.0gに50%エタノールを15倍量加えて85℃にて2時間かけて抽出後、ろ過して不溶物を取り除き、5℃にて放置し、こののちろ過して不溶物を取り除いた。50%エタノールを加え固形分1%としたものを50%エタノール抽出物と呼ぶことにする。得られた50%エタノール抽出物は総乾燥固形分1.26%であった。
(試験試料2)
ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum)の葉と茎の乾燥粉砕物50.0gに50%1,3−ブタンジオールを15倍量加えて85℃にて2時間かけて抽出後、ろ過して不溶物を取り除き、5℃にて放置し、こののちろ過して不溶物を取り除いた。50%1,3−ブタンジオールを加え固形分1%としたものを50%1,3−ブタンジオール抽出物と呼ぶことにする。得られた50%1,3−ブタンジオール抽出物は総乾燥固形分1.078%であった。
(試験試料3)
ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum)の葉と茎の乾燥粉砕物50.0gに50%エタノールを15倍量加えて室温にて85℃にて2時間かけて抽出後、ろ過して不溶物を取り除き、5℃にて放置した。減圧乾燥させ固形物を得たものを50%エタノール抽出乾固物と呼ぶことにする。試験時には、50v/v%エタノールで1.26w/v%になるように溶解し、ろ過した後に試料として用いた。
2.正常ヒト表皮角化細胞のヒアルロン酸量増加促進作用の試験法およびその結果
(1)試験法
(1-1)総ヒアルロン酸量の測定
ヒト皮膚由来の正常ヒト表皮角化細胞NHEK P=6.5を培養し、6000個/穴で24穴に播種し、CnT−57(CellnTec社製。BPE除く)で培養した。
翌日各溶媒により抽出した試験試料の乾固物終濃度が0.000125w/v%、0.000625w/v%、および0.0025w/v%となるように添加した。正対照としてはCnT−57(BPE添加品)およびレチノール(0.05ppm)を用いた。
3日間培養後、培養上清の総ヒアルロン酸量を測定した。培養上清中に分泌されたヒアルロン酸の量は酵素免疫吸着測定法(ELISA;Biotech Trading Partners社製)を用いて測定した。
すなわちヒアルロン酸結合タンパク(HABP)プレートにあらかじめ緩衝液で調整した培養上清および標準液を100μlづつ加え、室温で1時間反応した。反応液を捨て、PBSで4回洗浄後、HABP結合ホールラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を100μlずつ加えて室温で30分間反応させ、プレート・ヒアルロン酸・HRPの結合体をつくった。次に、反応液を捨て、PBSで4回洗浄後、反応液(Tetramethylbenzizine & Hydrogenperoxide)を100μl加え室温で30分間反応させた後、0.36N硫酸を100μl加え反応をとめた。緩衝液を対照としてマイクロプレートリーダーにて450nmの吸光度を測定し、総ヒアルロン酸量を算出した。
またヒアルロン酸量増加促進作用(総ヒアルロン酸量/細胞数)を評価するために細胞数の計測を行った。
(1-2)細胞数の計測
試験試料の添加3日後に培地を吸引除去し、CnT−57(BPEなし)で洗浄後、5mlのAlamar Blueを45mlのCnT−57(BPEなし)に加えて攪拌し、その500μlを24ウェルプレートに添加した。37℃で1時間反応させた後、マイクロプレートリーダー(励起波長544nm、測定波長590nm)を用いて細胞数を算出した。
(1-3)ヒアルロン酸量増加促進率の計算方法
ヒアルロン酸量増加促進率は、以下の式を用いて算出した。
ヒアルロン酸量増加促進率(%)=(試験試料を添加した細胞が産生する総ヒアルロン酸量/試験試料を添加した群の細胞数)÷(試験試料を添加していない細胞が産生する総ヒアルロン酸量/試験試料を添加していない群の細胞数)×100
検定はPaired-t-testを用いた。
(2)結果
図1は試験試料1,2,3で調製した各溶媒抽出物を、乾固物の最終濃度換算が0.000125w/v%となるように添加した時の総ヒアルロン酸量を比較した結果を示す図である。ここで、総ヒアルロン酸量は、対照を100とした時の値で示す。
ボタンボウフウの50%エタノール抽出物、50%1,3−ブタンジオール抽出物、50%エタノール抽出乾固物について比較検討した結果、50%エタノール抽出物では対照と比較して116%の有意な総ヒアルロン酸量の増加が認められた。一方で、有意差は認められないものの、50%1,3−ブタンジオール抽出物は112%、50%エタノール抽出乾固物は117%のヒアルロン酸量の増加が見られた。
次に試験試料1にあたる50%エタノール抽出物について、濃度依存性の検討を行った。その結果、図2に示したように、0.000125w/v%、0.000625w/v%および0.0025w/v%で、総ヒアルロン酸量はそれぞれ116.3%、122.8%および109.2%の有意な増加が認められた。
次に正常ヒト表皮角化細胞あたりが産生するヒアルロン酸量(ヒアルロン酸量増加促進率)について、試験試料1,2,3で調製した各溶媒抽出物を、乾固物の最終濃度換算が0.000125w/v%となるように添加したもので比較した。
その結果、図3に示したように、50%エタノール抽出物は115.5%と有意なヒアルロン酸量増加促進作用を認めた。また、有意差は認められないものの、50%1,3−ブタンジオール抽出物は110%、50%エタノール抽出乾固物は109.8%のヒアルロン酸量の増加が見られた。
次に試験試料1にあたる50%エタノール抽出物について、濃度依存性の検討を行った。その結果、図4に示したように、0.000125w/v%、0.000625w/v%および0.0025w/v%で、細胞あたりのヒアルロン酸量はそれぞれ115.6%、127.8%、115.5%の有意な増加が認められた。
以下に、種々の剤型の本発明によるヒアルロン酸量増加促進剤の配合例を処方例として説明する。本発明はこの処方例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
配合処方例1(化粧水) 質量%
トリメチルグリシン 1.0
ヒアルロン酸量増加促進剤 0.01(乾燥固形分として0.0001質量%)
(ボタンボウフウ/50%エタノール抽出液)
グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
アルギン酸ナトリウム 0.1
エチルアルコール 5.0
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.2
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余
配合処方例2(化粧水) 質量%
ヒアルロン酸量増加促進剤 0.01(乾燥固形分として0.0001質量%)
(ボタンボウフウ/50%1,3−ブタンジオール抽出液)
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0
PEG/PPG−14/7ジメチルエーテル 3.0
エリスリトール 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.3
トリエチルヘキサノイン 0.3
EDTA3ナトリウム 適量
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
配合処方例3(化粧水) 質量%
トラネキサム酸 1.0
4−メトキシサリチル酸カリウム 1.0
リポ酸 0.1
ハマメリス葉エキス 0.1
ヒポタウリン 0.1
クララエキス 0.1
トウニンエキス 0.1
ブナの芽エキス 0.1
ヒアルロン酸量増加促進剤 0.01(乾燥固形分として0.0001質量%)
(ボタンボウフウ/50%エタノール抽出液/50%1,3−ブタンジオール置換液)
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
チオタウリン 0.1
緑茶エキス 0.1
西洋ハッカエキス 0.1
イリス根エキス 1.0
トリメチルグリシン 1.0
グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.05
エチルアルコール 5.0
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.2
EDTA3ナトリウム 適量
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余
配合処方例4(乳液) 質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
酢酸トコフェロール 0.5
ヒアルロン酸量増加促進剤 0.1(乾燥固形分)
(ボタンボウフウ/50%エタノール抽出物)
L−グルタミン酸ナトリウム 0.05
ウイキョウエキス 0.1
酵母エキス 0.1
ジオウエキス 0.1
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
グリセリン 6.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 3.0
ヒマワリ油 1.0
スクワラン 2.0
イソドデカン 4.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
エチルアルコール 5.0
水酸化カリウム 適量
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
ベンガラ 適量
黄酸化鉄 適量
エチルパラベン 適量
香料 適量
精製水 残余
配合処方例5(日中用乳液) 質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ヒアルロン酸量増加促進剤 0.1(乾燥固形分として0.001質量%)
(ボタンボウフウ/50%1,3−ブタンジオール抽出液)
酢酸トコフェロール 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
スクワラン 0.5
イソドデカン 10.0
イソヘキサデカン 25.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1.5
トリメチルシロキシケイ酸 1.0
4−t−ブチル−4´−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 5.0
ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
シリコーン被覆微粒子酸化チタン 4.0
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
球状ポリエチレン末 3.0
タルク 5.0
EDTA3ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余
配合処方例6(乳液) 質量%
L−アルギニン 0.1
ローヤルゼリーエキス 0.1
酵母エキス 0.1
ヒアルロン酸量増加促進剤 1.0(乾燥固形分として0.01質量%)
(ボタンボウフウ/50%エタノール抽出液/50%1,3−ブタンジオール置換液)
グリチルレチン酸ステアリル 0.05
酢酸トコフェロール 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 7.0
ポリエチレングリコール1500 2.0
流動パラフィン 7.0
ワセリン 3.0
ベヘニルアルコール 1.0
バチルアルコール 2.0
ホホバ油 1.0
ステアリン酸 0.5
イソステアリン酸 0.5
ベヘニン酸 0.5
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 3.0
2−エチルヘキサン酸セチル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.15
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
水酸化カリウム 適量
メチルパラベン 適量
香料 適量
精製水 残余
配合処方例7(クリーム) 質量%
ヒアルロン酸量増加促進剤 0.01
(ボタンボウフウ/50%エタノール抽出乾固物)
4−メトキシサリチル酸カリウム 3.0
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 8.0
ステアリン酸 2.0
ステアリルアルコール 7.0
水添ラノリン 2.0
スクワラン 5.0
2−オクチルドデシルアルコール 6.0
ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル 3.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
水酸化カリウム 適量
エチルパラベン 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
配合処方例8(クリーム) 質量%
4−メトキシサリチル酸カリウム 1.0
3−O−エチルアスコルビン酸 1.0
ヒアルロン酸量増加促進剤 0.1(乾燥固形分)
(ボタンボウフウ/50%エタノール抽出物)
コエンザイムQ10 0.03
トラネキサム酸 2.0
酢酸トコフェロール 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
パントテニルエチルエーテル 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
グリセリン 7.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール20000 0.5
ワセリン 2.0
ベヘニルアルコール 0.5
バチルアルコール 0.2
スクワラン 2.0
ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0.5
ホホバ油 3.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 1.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
キサンタンガム 0.1
エタノール 5.0
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
黄酸化鉄 適量
EDTA3ナトリウム 適量
水酸化カリウム 適量
パラオキシ安息香酸エステル 適量
精製水 残余
配合処方例9(二層タイプ日中用乳液) 質量%
トラネキサム酸 2.0
4−メトキシサリチル酸カリウム 1.0
ヒアルロン酸量増加促進剤 0.1(乾燥固形分として0.001質量%)
(ボタンボウフウ/50%エタノール抽出液/50%1,3−ブタンジオール置換液)
置換液 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.02
グルタチオン 1.0
チオタウリン 0.05
クララエキス 1.0
ジプロピレングリコール 5.0
ジメチルポリシロキサン 5.0
イソヘキサデカン 25.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
ブチルエチルプロパンジオール 0.5
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 7.5
トリメチルシロキシケイ酸 5.0
球状ポリアクリル酸アルキル粉末 5.0
パルミチン酸デキストリン被覆微粒子酸化亜鉛 15.0
EDTA3ナトリウム 適量
メチルパラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余

Claims (4)

  1. セリ科(Umbelliferae)のカワラボウフウ属(Peucedanum L.)に属するボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)の植物体またはその溶媒抽出物からなることを特徴とするヒアルロン酸量増加促進剤。
  2. ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)の含水有機溶媒による溶媒抽出物であることを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸量増加促進剤。
  3. 前記溶媒抽出物が含水エタノール抽出物または含水1,3−ブタンジオール抽出物であることを特徴とする請求項2に記載のヒアルロン酸量増加促進剤。
  4. ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum Thunb.)は、その葉、茎、根または全草であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒアルロン酸量増加促進剤。
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JP2015209414A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 株式会社東洋新薬 経口組成物
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