JP2014057993A - 摩擦圧接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より大きな接合力を得ることが可能であるとともに接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる摩擦圧接方法を提供する。
【解決手段】被接合部材10における接合部材20と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である被接合面11、または接合部材20における被接合部材10と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である接合面21、の少なくとも一方に、回転軸ZC方向から見た場合に中央から所定径D2内の領域が凹んだ凹部22を形成し、凹部22がなくなるまで、被接合部材10に対して接合部材20を回転軸ZC回りに相対的に回転させながら被接合部材10に対して接合部材20を回転軸ZCに沿って相対的に所定圧力にて押し付けて接合する、摩擦圧接方法。
【選択図】図2
【解決手段】被接合部材10における接合部材20と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である被接合面11、または接合部材20における被接合部材10と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である接合面21、の少なくとも一方に、回転軸ZC方向から見た場合に中央から所定径D2内の領域が凹んだ凹部22を形成し、凹部22がなくなるまで、被接合部材10に対して接合部材20を回転軸ZC回りに相対的に回転させながら被接合部材10に対して接合部材20を回転軸ZCに沿って相対的に所定圧力にて押し付けて接合する、摩擦圧接方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、被接合部材と接合部材を高速ですり合わせ、摩擦熱ですり合わせ部を軟化させ、同時に圧力を加えて押し付けて接合する摩擦圧接方法に関する。
従来より、例えば車両等に用いる等速自在継手の一部が、摩擦圧接方法にて接合されている。
例えば特許文献1に記載された従来技術では、等速自在継手における連結軸部材の一端に連結体を設け、連結体とアウタレース部材とを摩擦圧接している。そして連結体におけるアウタレース部材との対向面である連結体側対向面には、アウタレース部材の対向面よりも大きな径の凹部が形成されており、この凹部の内部にアウタレース部材の接合面と摩擦圧接するための環状の接合部がアウタレース部材の側に突出するように形成されている。この環状の接合部とアウタレース部材の接合部とを摩擦圧接することで、接合の際に発生したバリが凹部の外部に露出しないようにしており、バリの除去処理を不要としている。
例えば特許文献1に記載された従来技術では、等速自在継手における連結軸部材の一端に連結体を設け、連結体とアウタレース部材とを摩擦圧接している。そして連結体におけるアウタレース部材との対向面である連結体側対向面には、アウタレース部材の対向面よりも大きな径の凹部が形成されており、この凹部の内部にアウタレース部材の接合面と摩擦圧接するための環状の接合部がアウタレース部材の側に突出するように形成されている。この環状の接合部とアウタレース部材の接合部とを摩擦圧接することで、接合の際に発生したバリが凹部の外部に露出しないようにしており、バリの除去処理を不要としている。
特許文献1に記載された従来技術では、連結体の接合面が円環状で中央部が空洞であり、接合面積が比較的小さいので接合力がやや小さい。接合力を大きくするには接合面積を大きくする必要があり、接合面を円(中央部が空洞でない)とすればよい。
例えば図4に示すように、接合部材120を回転軸ZC回りに回転させながら接合部材120を回転軸ZCに沿って被接合部材110に押し付けて摩擦接合する際、接合部材120の接合面を円錐状に形成しておくと、接合後の接合面が円(中央部が空洞でない)となって大きな接合力が得られる。また、接合前の形状を円錐状としておくことで、中心部と外周部の周速度の差による溶け込み不良を抑制することができる。
ところが、被接合部材110及び接合部材120における回転軸ZCより所定径内には、不純物や成分元素の濃度分布が不均一な偏析部Hが存在している。接合部材120の先端を円錐状とした場合、摩擦圧接による初期段階では、この偏析部Hがすり合わされて外周部に流れ、摩擦圧接後の接合部の外周部には、この偏析部Hが多く存在している。そして接合部の外周部に偏析部Hが多く存在するので、焼入れ等の熱処理を行った場合、局部的に熱処理の深さが浅くなる現象が発生し、所望する熱処理の効果が得られない場合がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、より大きな接合力を得ることが可能であるとともに接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる摩擦圧接方法を提供することを課題とする。
例えば図4に示すように、接合部材120を回転軸ZC回りに回転させながら接合部材120を回転軸ZCに沿って被接合部材110に押し付けて摩擦接合する際、接合部材120の接合面を円錐状に形成しておくと、接合後の接合面が円(中央部が空洞でない)となって大きな接合力が得られる。また、接合前の形状を円錐状としておくことで、中心部と外周部の周速度の差による溶け込み不良を抑制することができる。
ところが、被接合部材110及び接合部材120における回転軸ZCより所定径内には、不純物や成分元素の濃度分布が不均一な偏析部Hが存在している。接合部材120の先端を円錐状とした場合、摩擦圧接による初期段階では、この偏析部Hがすり合わされて外周部に流れ、摩擦圧接後の接合部の外周部には、この偏析部Hが多く存在している。そして接合部の外周部に偏析部Hが多く存在するので、焼入れ等の熱処理を行った場合、局部的に熱処理の深さが浅くなる現象が発生し、所望する熱処理の効果が得られない場合がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、より大きな接合力を得ることが可能であるとともに接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる摩擦圧接方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る摩擦圧接方法は次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、回転軸に沿って被接合部材と接合部材を配置し、前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸回りに相対的に回転させながら前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸に沿って相対的に所定圧力にて押し付けて、前記被接合部材に前記接合部材を接合する摩擦圧接方法において、前記被接合部材における前記接合部材と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である被接合面、または前記接合部材における前記被接合部材と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である接合面、の少なくとも一方に、前記回転軸方向から見た場合に中央から所定径内の領域が凹んだ凹部を形成し、前記凹部がなくなるまで、前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸回りに相対的に回転させながら前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸に沿って相対的に所定圧力にて押し付けて接合する、摩擦圧接方法である。
まず、本発明の第1の発明は、回転軸に沿って被接合部材と接合部材を配置し、前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸回りに相対的に回転させながら前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸に沿って相対的に所定圧力にて押し付けて、前記被接合部材に前記接合部材を接合する摩擦圧接方法において、前記被接合部材における前記接合部材と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である被接合面、または前記接合部材における前記被接合部材と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である接合面、の少なくとも一方に、前記回転軸方向から見た場合に中央から所定径内の領域が凹んだ凹部を形成し、前記凹部がなくなるまで、前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸回りに相対的に回転させながら前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸に沿って相対的に所定圧力にて押し付けて接合する、摩擦圧接方法である。
この第1の発明によれば、接合前の被接合面または接合面の少なくとも一方に凹部を形成する。不純物や成分元素の濃度分布が不均一な偏析部は、被接合部材及び接合部材の中央近傍に回転軸方向に沿って多く存在しているので、凹部を形成しておくことで、すり合わせの初期段階において偏析部がすり合わせされないようにする。
これにより、接合完了時に、接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる。
また、凹部がなくなるように摩擦圧接することで、接合部に空洞部を残さず、より大きな接合力を得ることが可能である。
これにより、接合完了時に、接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる。
また、凹部がなくなるように摩擦圧接することで、接合部に空洞部を残さず、より大きな接合力を得ることが可能である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る摩擦圧接方法であって、前記凹部における前記所定径を、前記凹部が形成された前記被接合部材または前記接合部材において不純物や成分元素の濃度分布が不均一である偏析部の領域に応じて設定する、摩擦圧接方法である。
この第2の発明によれば、偏析部の領域に応じて凹部を形成することで、すり合わされる偏析部そのものの量をより減少させることができる。
これにより、接合完了時に、接合部の外周部における偏析部の存在量をより適切に低減することができる。
これにより、接合完了時に、接合部の外周部における偏析部の存在量をより適切に低減することができる。
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る摩擦圧接方法であって、前記凹部における前記所定径を、前記凹部が形成された前記被接合部材または前記接合部材において前記偏析部の径より大きくした、摩擦圧接方法である。
この第3の発明によれば、摩擦圧接する被接合部材または接合部材の接合部の先端側には偏析部が存在しないようにしたため、すり合わされる偏析部の量を確実に減少させることができる。
これにより、摩擦圧接による接合完了時に、接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減できるため、焼入れを行ったときの熱処理深さが浅くなるという問題点を確実に回避できる。
これにより、摩擦圧接による接合完了時に、接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減できるため、焼入れを行ったときの熱処理深さが浅くなるという問題点を確実に回避できる。
次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明〜第3の発明のいずれか1つに係る摩擦圧接方法であって、接合前における前記被接合面または前記接合面であって前記凹部が形成されている面を、円錐台状に形成する、摩擦圧接方法である。
この第4の発明によれば、接合時において、接合部の中心部と外周部との周速度がほとんど同じであるため、接合部の中心部及び外周部を均一に溶かしながら摩擦圧接できる。
これにより、接合時における中心部と外周部との周速度の差に起因する溶け込み不良を適切に抑制することができる。
これにより、接合時における中心部と外周部との周速度の差に起因する溶け込み不良を適切に抑制することができる。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。
●[第1の実施の形態(図1、図2)]
まず図1(A)〜(C)を用いて、接合部材20を例として、接合部材20の外観形状と、偏析部Hが多く存在する個所について説明する。
図1(A)は、接合部材20´を、単純に円柱形状とした例を示している。接合部材20´は、内部において成分元素が均一であることが理想的であるが、実際には回転軸ZCに沿って不純物や成分元素の濃度分布が不均一な部分である偏析部Hを有している。また、偏析部Hは、回転軸ZCに沿って所定径(この場合、径D1)の範囲に多くが含まれている。
第1の実施の形態では、接合前における接合部材20(または被接合部材10との少なくとも一方)の形状を、図1(A)に示す接合部材20´から、図1(B)に示す接合部材20の形状に変更する。
この場合、まず接合面21の形状をいわゆる円錐台(頂点Tが回転軸ZC上にある円錐における円錐台)の形状に形成し、接合面21の中央部を凹ませて(例えば切削して)径D2(所定径)の凹部22を形成する。また、凹部22の形状は、円錐状、椀型、円柱状等、特に限定はしない。
なお接合面とは、接合部材における(接合時に)被接合部材と対向する面であって摩擦圧接によってすり合わされて接合される面を指し、被接合面とは、被接合部材における(接合時に)接合部材と対向する面であって摩擦圧接によってすり合わされて接合される面を指す。
●[第1の実施の形態(図1、図2)]
まず図1(A)〜(C)を用いて、接合部材20を例として、接合部材20の外観形状と、偏析部Hが多く存在する個所について説明する。
図1(A)は、接合部材20´を、単純に円柱形状とした例を示している。接合部材20´は、内部において成分元素が均一であることが理想的であるが、実際には回転軸ZCに沿って不純物や成分元素の濃度分布が不均一な部分である偏析部Hを有している。また、偏析部Hは、回転軸ZCに沿って所定径(この場合、径D1)の範囲に多くが含まれている。
第1の実施の形態では、接合前における接合部材20(または被接合部材10との少なくとも一方)の形状を、図1(A)に示す接合部材20´から、図1(B)に示す接合部材20の形状に変更する。
この場合、まず接合面21の形状をいわゆる円錐台(頂点Tが回転軸ZC上にある円錐における円錐台)の形状に形成し、接合面21の中央部を凹ませて(例えば切削して)径D2(所定径)の凹部22を形成する。また、凹部22の形状は、円錐状、椀型、円柱状等、特に限定はしない。
なお接合面とは、接合部材における(接合時に)被接合部材と対向する面であって摩擦圧接によってすり合わされて接合される面を指し、被接合面とは、被接合部材における(接合時に)接合部材と対向する面であって摩擦圧接によってすり合わされて接合される面を指す。
また、凹部22の径D2を設定する際には、図1(C)に示すように、接合部材のサンプル20Zの端面をカットして、径方向に適宜の間隔で偏析部の調査を行い、偏析部Hの領域に応じて径D2を設定する。
例えば図1(C)の例では、サンプル20Zの端面の位置P1〜位置P11を調査し、位置P5〜位置P7の領域に偏析部が有り、偏析部Hの領域が径D1である、と判定された場合の例を示している。
この場合、すり合わせの初期段階で偏析部Hがすり合わせられないようにするために、偏析部Hの径D1よりも大きな径D2を、凹部22の径に設定することが好ましい。
以上の説明では接合部材20の接合面21の形状について説明したが、接合部材20の接合面21、あるいは被接合部材10の被接合面11(図2参照)、の少なくとも一方を、図1(B)の例に示す形状とすればよい。
例えば図1(C)の例では、サンプル20Zの端面の位置P1〜位置P11を調査し、位置P5〜位置P7の領域に偏析部が有り、偏析部Hの領域が径D1である、と判定された場合の例を示している。
この場合、すり合わせの初期段階で偏析部Hがすり合わせられないようにするために、偏析部Hの径D1よりも大きな径D2を、凹部22の径に設定することが好ましい。
以上の説明では接合部材20の接合面21の形状について説明したが、接合部材20の接合面21、あるいは被接合部材10の被接合面11(図2参照)、の少なくとも一方を、図1(B)の例に示す形状とすればよい。
次に図2(A)〜(D)を用いて、第1の実施の形態の摩擦圧接方法について説明する。
図2(A)は、摩擦圧接する前の被接合部材10と接合部材20の外観を示している。図2に示す例では、接合部材20の接合面21を円錐台状に形成し、中央部に凹部22を形成した例を示しており、被接合部材10の被接合面11を平面状とした例を示している。
そして図2(B)に示すように、回転軸ZCに沿って被接合部材10と接合部材20を配置するとともに、被接合面11と接合面21とが対向するように配置する。
また、被接合部材10をチャック30にて把持して固定し、回転軸ZC回りに回転可能なチャック40にて接合部材20を把持し、スラスト軸受50を介してシリンダ60を配置する。シリンダ60は、回転軸ZC方向にピストン61を往復移動可能であり、所定圧力にて接合部材20を被接合部材10に押し付けることが可能である。
そして、接合部材20を回転軸ZC回りに回転させながら、接合部材20を回転軸ZCに沿って被接合部材10に所定圧力で押し付け、凹部22による空洞部がなくなるまで回転及び押し付けを行い、摩擦圧接する。
なお、摩擦圧接の終了時点では、図2(C)に示すように、接合部70の外周部にバリ71が突出しているので、図2(D)に示すように、バリ71を除去して摩擦圧接の工程が完了する。
図2(A)は、摩擦圧接する前の被接合部材10と接合部材20の外観を示している。図2に示す例では、接合部材20の接合面21を円錐台状に形成し、中央部に凹部22を形成した例を示しており、被接合部材10の被接合面11を平面状とした例を示している。
そして図2(B)に示すように、回転軸ZCに沿って被接合部材10と接合部材20を配置するとともに、被接合面11と接合面21とが対向するように配置する。
また、被接合部材10をチャック30にて把持して固定し、回転軸ZC回りに回転可能なチャック40にて接合部材20を把持し、スラスト軸受50を介してシリンダ60を配置する。シリンダ60は、回転軸ZC方向にピストン61を往復移動可能であり、所定圧力にて接合部材20を被接合部材10に押し付けることが可能である。
そして、接合部材20を回転軸ZC回りに回転させながら、接合部材20を回転軸ZCに沿って被接合部材10に所定圧力で押し付け、凹部22による空洞部がなくなるまで回転及び押し付けを行い、摩擦圧接する。
なお、摩擦圧接の終了時点では、図2(C)に示すように、接合部70の外周部にバリ71が突出しているので、図2(D)に示すように、バリ71を除去して摩擦圧接の工程が完了する。
摩擦圧接の初期段階(被接合面11と接合面21との接触が開始された初期の時点)では、径D1<径D2であるので、偏析部Hはすり合わされない。そして摩擦圧接が進み、摩擦圧接の終了手前で偏析部Hがようやくすり合わせられるが、そのとき偏析部Hの外周では偏析部Hを含まない部分がすり合わせられている。
このため、図2(D)に示すように、接合部70における外周部に偏析部Hはほとんど現われず、偏析部Hのほとんどは中央部に存在することになる。
以上に説明したように、第1の実施の形態では、接合面または被接合面の少なくとも一方に凹部を形成することで、接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる。これにより、熱処理を行った場合に、局部的に熱処理深さが浅くなる現象が回避され、所望する熱処理の効果を得ることができる。
また、凹部22がなくなるまで摩擦圧接することで、接合の面積をより大きくし、より大きな接合力を得ることができる。
また、接合面21を円錐台状に形成しているので、すり合わせの際の中心部と外周部の周速度の差が低減され、溶け込み不良の発生も抑制することができる。
また、凹部を円錐台状にしたことにより、摩擦圧接時の溶け込み量を確保できるため、すり合わされる偏析部の量を減少させた状態で摩擦圧接部の長さを短くできる。
これにより、接合する素材の長さを短くできるため、素材のコストを低減できる。更に、加工時間も短くできるため、加工コストも低減できる。
このため、図2(D)に示すように、接合部70における外周部に偏析部Hはほとんど現われず、偏析部Hのほとんどは中央部に存在することになる。
以上に説明したように、第1の実施の形態では、接合面または被接合面の少なくとも一方に凹部を形成することで、接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる。これにより、熱処理を行った場合に、局部的に熱処理深さが浅くなる現象が回避され、所望する熱処理の効果を得ることができる。
また、凹部22がなくなるまで摩擦圧接することで、接合の面積をより大きくし、より大きな接合力を得ることができる。
また、接合面21を円錐台状に形成しているので、すり合わせの際の中心部と外周部の周速度の差が低減され、溶け込み不良の発生も抑制することができる。
また、凹部を円錐台状にしたことにより、摩擦圧接時の溶け込み量を確保できるため、すり合わされる偏析部の量を減少させた状態で摩擦圧接部の長さを短くできる。
これにより、接合する素材の長さを短くできるため、素材のコストを低減できる。更に、加工時間も短くできるため、加工コストも低減できる。
●[第2の実施の形態(図3)]
第2の実施の形態は、凹部を形成する接合面(または被接合面)が、円錐台状でなく、平面状である点が異なり、他は第1の実施の形態と同様である。以下、この相違点について主に説明する。
図3(A)に示すように、被接合部材10は図2(A)に示すものと同じである。しかし接合部材20Aは、接合面21Aの形状が図2(A)に示すものとは異なる。
図2(A)に示した接合部材20の接合面21は円錐台状であったが、図3(A)に示す接合部材20Aの接合面21Aは平面状である。ただし、凹部22Aは第1の実施の形態と同様に、偏析部Hの径に応じた径に設定されて形成されている。
以降、第1の実施の形態と同様に、図3(B)〜(D)に示すように摩擦圧接を行う。
第2の実施の形態は、凹部を形成する接合面(または被接合面)が、円錐台状でなく、平面状である点が異なり、他は第1の実施の形態と同様である。以下、この相違点について主に説明する。
図3(A)に示すように、被接合部材10は図2(A)に示すものと同じである。しかし接合部材20Aは、接合面21Aの形状が図2(A)に示すものとは異なる。
図2(A)に示した接合部材20の接合面21は円錐台状であったが、図3(A)に示す接合部材20Aの接合面21Aは平面状である。ただし、凹部22Aは第1の実施の形態と同様に、偏析部Hの径に応じた径に設定されて形成されている。
以降、第1の実施の形態と同様に、図3(B)〜(D)に示すように摩擦圧接を行う。
第1の実施の形態と同様に、摩擦圧接の初期段階(被接合面11と接合面21Aとの接触が開始された初期の時点)では、径D1<径D2であるので、偏析部Hはすり合わせらない。そして摩擦圧接が進み、摩擦圧接の終了手前で偏析部Hがようやくすり合わせられるが、そのとき偏析部Hの外周では偏析部Hを含まない部分がすり合わせられている。
このため、図3(D)に示すように、接合部70における外周部に偏析部Hはほとんど現われず、偏析部Hのほとんどは中央部に存在することになる。
以上に説明したように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様、接合面または被接合面の少なくとも一方に凹部を形成することで、接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる。これにより、熱処理を行った場合に、局部的に熱処理深さが浅くなる現象が回避され、所望する熱処理の効果を得ることができる。
また、凹部22Aがなくなるまで摩擦圧接することで、接合の面積をより大きくし、より大きな接合力を得ることができる。
また、接合面21Aを平面状に形成しているので、凹部を形成する接合面または被接合面の形成工程を短時間に行うことができる。
このため、図3(D)に示すように、接合部70における外周部に偏析部Hはほとんど現われず、偏析部Hのほとんどは中央部に存在することになる。
以上に説明したように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様、接合面または被接合面の少なくとも一方に凹部を形成することで、接合部の外周部における偏析部の存在量をより低減することができる。これにより、熱処理を行った場合に、局部的に熱処理深さが浅くなる現象が回避され、所望する熱処理の効果を得ることができる。
また、凹部22Aがなくなるまで摩擦圧接することで、接合の面積をより大きくし、より大きな接合力を得ることができる。
また、接合面21Aを平面状に形成しているので、凹部を形成する接合面または被接合面の形成工程を短時間に行うことができる。
以上の説明では、「偏析部Hの径D1<凹部の径D2」の場合の例を説明したが、偏析部Hの径D1≧凹部の径D2であってもよい。径D1≧径D2の場合、摩擦圧接の初期段階において偏析部Hがすり合わせられるが、すり合わせられる偏析部Hの量が図4に示す従来の摩擦圧接の場合よりも少ないので、摩擦圧接後における接合部の外周部に現われる偏析部の量は、図4に示した従来の摩擦圧接の場合よりも、より低減される。
本発明の摩擦圧接方法は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また本実施の形態の説明では、接合部材の接合面に凹部を形成した例を説明したが、被接合部材の被接合面に凹部を形成してもよく、接合面または被接合面の少なくとも一方に凹部が形成されていればよい。
また本実施の形態の説明では、接合部材を回転させながら被接合部材に押し付ける例を説明したが、被接合部材を回転させながら接合部材に押し付けてもよい。すなわち、被接合部材に対して接合部材を相対的に回転させながら、被接合部材に対して接合部材を相対的に移動させて押し付けるようにしてもよい。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
また、被接合部材及び接合部材の材質は、金属または合金であり、被接合部材と接合部材は同じ材質であってもよいし、互いに異なる材質であってもよい。
また本実施の形態の説明では、接合部材の接合面に凹部を形成した例を説明したが、被接合部材の被接合面に凹部を形成してもよく、接合面または被接合面の少なくとも一方に凹部が形成されていればよい。
また本実施の形態の説明では、接合部材を回転させながら被接合部材に押し付ける例を説明したが、被接合部材を回転させながら接合部材に押し付けてもよい。すなわち、被接合部材に対して接合部材を相対的に回転させながら、被接合部材に対して接合部材を相対的に移動させて押し付けるようにしてもよい。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
また、被接合部材及び接合部材の材質は、金属または合金であり、被接合部材と接合部材は同じ材質であってもよいし、互いに異なる材質であってもよい。
10 被接合部材
11 被接合面
20、20A 接合部材
21、21A 接合面
22、22A 凹部
30、40 チャック
50 スラスト軸受
60 シリンダ
61 ピストン
70 接合部
D1 (偏析部の)径
D2 (凹部の)径
H 偏析部
ZC 回転軸
11 被接合面
20、20A 接合部材
21、21A 接合面
22、22A 凹部
30、40 チャック
50 スラスト軸受
60 シリンダ
61 ピストン
70 接合部
D1 (偏析部の)径
D2 (凹部の)径
H 偏析部
ZC 回転軸
Claims (4)
- 回転軸に沿って被接合部材と接合部材を配置し、前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸回りに相対的に回転させながら前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸に沿って相対的に所定圧力にて押し付けて、前記被接合部材に前記接合部材を接合する摩擦圧接方法において、
前記被接合部材における前記接合部材と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である被接合面、または前記接合部材における前記被接合部材と対向する面であって摩擦圧接によって接合される面である接合面、の少なくとも一方に、前記回転軸方向から見た場合に中央から所定径内の領域が凹んだ凹部を形成し、
前記凹部がなくなるまで、前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸回りに相対的に回転させながら前記被接合部材に対して前記接合部材を前記回転軸に沿って相対的に所定圧力にて押し付けて接合する、
摩擦圧接方法。 - 請求項1に記載の摩擦圧接方法であって、
前記凹部における前記所定径を、前記凹部が形成された前記被接合部材または前記接合部材において不純物や成分元素の濃度分布が不均一である偏析部の領域に応じて設定する、
摩擦圧接方法。 - 請求項2に記載の摩擦圧接方法であって、
前記凹部における前記所定径を、前記凹部が形成された前記被接合部材または前記接合部材において前記偏析部の径より大きくした、
摩擦圧接方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の摩擦圧接方法であって、
接合前における前記被接合面または前記接合面であって前記凹部が形成されている面を、円錐台状に形成する、
摩擦圧接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012205744A JP2014057993A (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | 摩擦圧接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012205744A JP2014057993A (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | 摩擦圧接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014057993A true JP2014057993A (ja) | 2014-04-03 |
Family
ID=50614963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012205744A Pending JP2014057993A (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | 摩擦圧接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014057993A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170003555A (ko) * | 2014-05-14 | 2017-01-09 | 니폰 제온 가부시키가이샤 | 이차전지 전극용 바인더 조성물, 이차전지 전극용 슬러리 조성물, 이차전지용 전극 및 그 제조 방법, 및 이차전지 |
-
2012
- 2012-09-19 JP JP2012205744A patent/JP2014057993A/ja active Pending
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KR20170003555A (ko) * | 2014-05-14 | 2017-01-09 | 니폰 제온 가부시키가이샤 | 이차전지 전극용 바인더 조성물, 이차전지 전극용 슬러리 조성물, 이차전지용 전극 및 그 제조 방법, 및 이차전지 |
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