JP2014056872A - 超電導マグネット - Google Patents

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Abstract

【課題】シールドコイルが外側容器内に設けられていても小型化を図ることが可能な超電導マグネットを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、超電導マグネット10であって、磁場を形成する磁場形成用コイル12と、磁場形成用コイル12と液体ヘリウムとをその内部に収容する内側容器22と、内側容器22をその内部に収容し、当該内側容器22を外部の熱から断熱する外側容器26と、内側容器22内の液体ヘリウムをその温度が沸点未満になるように冷却する冷凍機30と、磁場形成用コイル12が形成した磁場の漏洩を防止するためのシールドコイル14と、を備え、シールドコイル14は、酸化物超電導線材によって構成されると共に、内側容器22の外側で且つ外側容器26の内側において磁場形成用コイル12を取り囲むと共に当該コイル14がその転移温度以下となる位置に配置されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導マグネットに関する。
従来から、特許文献1に開示のシールドコイルを備えた超電導マグネットが知られている。この超電導マグネットは、図7及び図8に示されるように、磁場形成用コイル102と、シールドコイル104と、内側容器106と、中間容器108と、外側容器110と、冷凍機112と、を備える。
磁場形成用コイル102は、超電導線材が巻回されることによって構成された超電導コイルであり、磁場を形成する。シールドコイル104は、超電導線材が巻回されることによって構成された超電導コイルであり、磁場形成用コイル102と同軸となるように磁場形成用コイル102を取り囲む。このシールドコイル104は、磁場形成用コイル102と逆向きの磁場を形成し、磁場形成用コイル102によって形成される磁場の超電導マグネット100の外側への漏洩を防止する。これら磁場形成用コイル102とシールドコイル104とを構成する超電導線材は、いずれもNbTi(ニオブチタン)及び銅からなる金属系超電導導体によって形成された線材である。内側容器106は、磁場形成用コイル102及びシールドコイル104と共に、これら各コイル102、104を冷却するための液体ヘリウム107をその内部に収容する。外側容器110は、外部の熱から内側容器106を断熱している。中間容器108は、内側容器106をその内部に収容した状態で外側容器110内に配置されている。冷凍機112は、内側容器106内の液体ヘリウム107をその温度が沸点(4.22K)未満となるように冷却する第1冷却部114と、中間容器116を内側容器106内の液体ヘリウム107より高い所定の温度に冷却する第2冷却部116とを有する。この第2冷却部116によって中間容器116が冷却されることにより、外側容器110の外部の熱が内側容器106に伝わるのをより確実に防ぐことができる。
この超電導マグネット100では、内側容器106内が最も低温であり、内側容器106と中間容器108との間の空間、中間容器108と外側容器110との間の空間の順に温度が高くなっている。そして、超電導マグネット100では、磁場形成用コイル102とシールドコイル104とがいずれも内側容器106内において液体ヘリウム107によって転移温度以下まで冷却され、これら磁場形成用コイル102とシールドコイル104との超電導状態が保たれることにより、所望の磁場が形成される。
特開2010−272633号公報
上記のようなシールドコイル104を備えた超電導マグネット100では、シールドコイル104を転移温度以下に冷却した状態で配置するスペースをその内部に確保する必要がある。近年、このようなシールドコイル104を備えた超電導マグネット100においても小型化が求められている。
そこで、本発明は、シールドコイルが外側容器内に設けられていても小型化を図ることが可能な超電導マグネットを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、磁場を形成するための超電導コイルである磁場形成用コイルと、前記磁場形成用コイルと共にこの磁場形成用コイルを冷却するための液体ヘリウムをその内部に収容する内側容器と、前記内側容器をその内部に収容し、当該内側容器を外部の熱から断熱する外側容器と、前記内側容器内の前記液体ヘリウムをその温度が沸点未満になるように冷却する冷凍機と、前記磁場形成用コイルにより形成される磁場の漏洩を防止するために前記磁場形成用コイルが形成した磁場と逆向きの磁場を形成する超電導コイルであるシールドコイルと、を備え、前記シールドコイルは、酸化物超電導線材によって構成されると共に、前記内側容器の外側で且つ前記外側容器の内側において前記内側容器を取り囲むように配置される。
かかる構成によれば、転移温度が液体ヘリウムの沸点より高い酸化物超電導線材によってシールドコイルが構成されることで、シールドコイルを外側容器内における液体ヘリウムの沸点より温度が高い位置(内側容器の外側)に配置してもシールドコイルの超電導状態を保つことが可能となる。このため、シールドコイルを内側容器の外側(磁場形成用コイルから離れた位置)に配置してその径方向の厚さ寸法を内側容器内(磁場形成用コイルに近い位置)に配置する場合に比べて小さく(巻き数を少なく)することにより、外側容器内におけるシールドコイルの設置スペースを抑えて(小さくして)超電導マグネットの小型化を図ることができる。即ち、シールドコイルを磁場形成用コイルから離れた位置(内側容器の外側)に配置することで、当該コイルが発生させる磁場(磁場形成用コイルが発生させる磁場を打ち消すための磁場)の強度を小さくしても超電導マグネットにおける漏れ磁場を抑えることができるため、当該シールドコイルの径方向の厚さを小さく(巻き数を少なく)して外側容器内における当該コイルの設置スペースを抑えることができる。
本発明に係る超伝導マグネットでは、前記内側容器をその内部に収容した状態で前記外側容器内に配置された中間容器を備え、前記冷凍機は、前記液体ヘリウムを冷却する第2冷却部と、この第2冷却部によって冷却された液体ヘリウムの温度より高く且つ前記酸化物超電導線材の転移温度より低い所定の温度に前記中間容器を冷却する第1冷却部とを有し、前記シールドコイルは前記中間容器に支持されることが好ましい。
かかる構成のように外側容器内に配置される中間容器を利用してシールドコイルを支持することによって、シールドコイルを外側容器内の所定位置に支持する構成の簡素化を図って外側容器(超電導マグネット)の小型化をより図ることができる。
この場合、前記シールドコイルは、前記酸化物超電導線材が前記中間容器の周囲に巻回されることによって構成されることがより好ましい。
かかる構成によれば、シールドコイル用の巻枠を別途に設ける場合に比べ、構成の簡素化及び小型化を図ることができる。
前記シールドコイルは、前記中間容器又は前記第1冷却部に対して熱伝導可能に配置されていてもよい。
かかる構成によれば、低温側の冷却部(第2冷却部)と高温側の冷却部(第1冷却部)とを有するいわゆる多段式の冷凍機において、低温側の冷却部(第2冷却部)に比べて出力の大きな高温側の冷却部(第1冷却部)を利用してシールドコイルを冷却するため、当該シールドコイルを転移温度以下に安定させ易い。即ち、出力の大きな第2冷却部によってシールドコイルを冷却し、又は出力の大きな第1冷却部によって中間容器を介してシールドコイルを冷却することにより、シールドコイルを転移温度以下に安定して維持することができる。
前記シールドコイルは、当該シールドコイルを構成する前記酸化物超電導線材の端部同士が接続された閉回路を構成することが好ましい。
かかる構成によれば、磁場形成用コイルが形成する磁場によってシールドコイルに電流(マイスナー電流)が流れて当該シールドコイルが磁場(前記磁場形成用コイルが形成した磁場と逆向きの磁場)を形成するため、シールドコイルに電流を流すための電源や回路を設けなくても磁場形成用コイルが形成した磁場の外部への漏洩を防止することができる。これにより、超電導マグネットの大型化を防ぐことができる。
この場合、例えば、前記酸化物超電導線材の端部同士がニホウ化マグネシウムを介して接続されることで、冷却された状態でシールドコイルにおける接続部位(酸化物超電導線材の端部同士を接続した部位)の抵抗を抑えることができる。
また、シールドコイルが閉回路を構成する場合、前記第1冷却部と前記シールドコイルとが、熱伝導可能なサーマルアンカによって接続され、前記酸化物超電導線材の端部同士が接続された接続部は、前記シールドコイルにおける前記サーマルアンカとの接続部又はこの接続部と隣接する位置に設けられることが好ましい。
このように、シールドコイルにおける冷凍機(第1冷却部)によって冷却される部位、又はこの部位に隣接する位置に接続部を設けることにより、接続部を転移温度以下に保ち易くなる。
以上より、本発明によれば、シールドコイルが外側容器内に設けられていても小型化を図ることが可能な超電導マグネットを提供することができる。
本実施形態に係る超電導マグネットの中央横断面図である。 前記超電導マグネットの中央縦断面図である。 前記超電導マグネットにおける40Kシールド槽の外周面とシールドコイルの外周面との位置関係を説明するための模式図である。 他実施形態に係る40Kシールド槽の外周面とシールドコイルの外周面との位置関係を説明するための模式図である。 実施例の従来の超電導マグネットにおける各構成要素の内径及び外径を求めた位置を示す図である。 実施例の40Kシールド槽にシールドコイルを巻き付けた構成の超電導マグネットにおける各構成要素の内径及び外径を求めた位置を示す図である。超電導マグネットの中心軸を通る断面の1/4領域を示す図である。 従来の超電導マグネットの中央横断面図である。 従来の超電導マグネットの中央縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る超電導マグネットの中央横断面図を示し、図2は、本実施形態に係る超電導マグネットの中央縦断面図を示す。図3は、40Kシールド槽の外周面とシールドコイルの外周面との位置関係を説明するための模式図である。
本実施形態に係る超電導マグネット10は、例えば、MRI装置やNMR装置等に用いられるものであり、低温容器20と、磁場形成用コイル12と、シールドコイル14と、を備える。
低温容器20は、4Kシールド槽(内側容器)22と、4Kシールド槽22をその内部に収容する40Kシールド槽(中間容器)24と、40Kシールド槽24をその内部に収容する真空槽(外側容器)26と、冷凍機30と、を有し、磁場形成用コイル12とシールドコイル14とを収容する。これら各容器(4Kシールド槽22、40Kシールド槽24、及び、真空槽26)は、例えば、ステンレス鋼やその合金等の非磁性体によって形成されている。
これら磁場形成用コイル12、シールドコイル14、4Kシールド槽22、40Kシールド槽24、及び真空槽26は、中央に前記MRI装置等の撮影対象である人等が配置される貫通穴28を残してこれを取り巻く筒状又はドーナツ状に形成されている。本実施形態の低温容器20は、貫通穴28が水平方向(図2において左右方向)に貫通するような姿勢で設置される。
4Kシールド槽22は、中心軸が水平方向(図2において左右方向)に延びる筒状であり、磁場形成用コイル12を液体ヘリウム23と共にその内部に収容する。具体的には、4Kシールド槽22の中心軸と磁場形成用コイル12の中心軸とが一致するように、4Kシールド槽22がその内部に磁場形成用コイル12を収容している。この収容された磁場形成用コイル12は、4Kシールド槽22内に貯留されている液体ヘリウム23に浸漬されている。4Kシールド槽22は、冷凍機30によって冷却される。
40Kシールド槽24は、冷凍機30によって冷却され、低温容器20(真空槽26)の外部からの熱が4Kシールド槽22に到達するのを防ぐ。40Kシールド槽24は、内部に収容された4Kシールド槽22と同心の筒状であり、その周囲にシールドコイル14が設けられている。具体的には、40Kシールド槽24の外周面の両端部(中心軸方向の両端部)に、巻き溝25がそれぞれ設けられている。この巻き溝25は、径方向内側に向かって凹み、周方向全体に亘って延びている。また、巻き溝25の大きさ(溝の深さ及び幅)や位置は、磁場形成用コイル12の磁場が低温容器20の外部に漏洩しないようなシールドコイル14の大きさ及び配置位置等に基づいて適宜設定される。この巻き溝25内には、超電導線材が巻回されることによりシールドコイル14が形成されている。このように、40Kシールド槽24に設けられた溝(巻き溝)25内に超電導線材を巻回してシールドコイル14を形成することにより、シールドコイル用の巻枠を別途設ける場合に比べ、前記巻枠の配置スペースや前記巻枠を固定するための構成等が不要となるため、超電導マグネット10の構成の簡素化及び小型化を図ることができる。
真空槽26は、内部に収容された4Kシールド槽22及び40Kシールド槽24と同心の筒状であり、低温容器20の最外殻を構成する。真空槽26と40Kシールド槽24との間(空間)が真空若しくは略真空状態に保たれ、これにより、低温容器20の外部の熱が40Kシールド槽24や4Kシールド槽22に到達し難くなっている。即ち、真空槽26は、その内部に40Kシールド槽24及び4Kシールド槽22を収容し、これら各シールド槽22、24を外部の熱から断熱している。
冷凍機30は、磁場形成用コイル12とシールドコイル14とを冷却し、これら磁場形成用コイル12とシールドコイル14とを転移温度以下に保つ。この冷凍機30は、例えば、GM(Gifford-McMahon)冷凍機やパルス管冷凍機等のいわゆる多段式冷凍機であり、第2冷却部32と、第1冷却部34とを有する。冷凍機30は、真空槽26の上端部の中心軸方向中央位置からその中心軸(図2では下方)に向かって真空槽26及び40Kシールド槽24を貫通し、その先端部(第2冷却部)32が4Kシールド槽22に接続されるように低温容器20に配置されている。
第2冷却部32は、4Kシールド槽22と熱伝導可能に接続され、4Kシールド槽22を通じてその内部に貯留(収容)されている液体ヘリウム23を冷却する。この第2冷却部32は、液体ヘリウム23がその沸点(4.22K)未満となるように4Kシールド槽22を冷却する。尚、第2冷却部32は、4Kシールド槽22を介して液体ヘリウム23を冷却する構成に限定されず、4Kシールド槽22内に貯留された液体ヘリウム23を直接冷却するように構成されてもよい。本実施形態の第2冷却部32は、例えば、出力が1.0Wであり、4Kシールド槽22が4K程度(3.8〜5.2K)となるように4Kシールド槽22を冷却する。
第1冷却部34は、40Kシールド槽24と熱伝導可能に接続され、40Kシールド槽24を冷却する。この第1冷却部は、例えば、出力が20Wであり、40Kシールド槽が40K程度(35〜45K)となるように40Kシールド槽24を冷却する。この第1冷却部34は、サーマルアンカ35を介してシールドコイル14と熱伝導可能に接続され、当該コイル14(コイル14を構成する超電導線材)を転移温度以下に冷却する。本実施形態の第1冷却部34は、シールドコイル14を、例えば、35〜45Kに冷却する。
磁場形成用コイル12は、4Kシールド槽22内に配置された巻枠13に設けられている。具体的に、磁場形成用コイル12は、巻枠13に超電導線材がソレノイド状に巻回されることによって形成されている。
巻枠13は、4Kシールド槽22と同心となるように当該シールド槽22内に配置された円筒状の胴部13Aと、胴部13Aの中心軸方向両端から径方向にそれぞれ広がるフランジ部13B、13Bとを有する。前記超電導線材は、一対のフランジ部13B、13Bの間の領域においてソレノイド状に巻き重ねられることにより、磁場形成用コイル12を構成する。この磁場形成用コイル12を構成する超電導線材は、金属系の超電導導体によって形成され、その表面がシース材によって覆われた線材である。本実施形態の超電導線材は、例えば、NbTi(ニオブチタン)によって形成され、その転移温度は、例えば、10Kである。
尚、磁場形成用コイル12は、低温容器20の貫通穴28内に均一な磁場を形成するために、中心軸方向に並ぶ複数の巻線領域(分割コイル)に分かれていてもよい。この場合、各分割コイルは、その中心軸が共通の直線上に位置するようにそれぞれ4Kシールド槽22内に収容される。
シールドコイル14は、40Kシールド槽24によって支持された状態で真空槽26内に配置されている。具体的に、シールドコイル14は、40Kシールド槽24の周囲(詳しくは、40Kシールド槽24の外周面に設けられた巻き溝25内)に巻回された超電導線材によって構成される。シールドコイル14を構成する超電導線材(シールドコイル用線材)は、酸化物超電導導体によって形成された線材である。このシールドコイル用線材は、Bi(ビスマス)系やY(イットリウム)系の酸化物超電導導体によって形成され、その表面がシース材(本実施形態では、例えば、Ag(銀)又はCu(銅)からなるシース材)によって覆われている。このシールドコイル用線材の転移温度は、例えば、90〜115Kである。本実施形態では、図3に示されるように、シールドコイル14の外径が、40Kシールド槽24の外径(巻き溝25が設けられていない部位の外径)と同じである。即ち、本実施形態では、シールドコイル14の外周面が40Kシールド槽24の外周面と面一になっている。
このシールドコイル14は、当該コイル14を構成するシールドコイル用線材の端部同士が接続されて閉回路を構成する。このシールドコイル用線材の端部同士は、転移温度以下に冷却された状態のシールドコイル14に電流が流れたときの抵抗を抑えるために、MgB(ニホウ化マグネシウム)を介して接続されている。このシールドコイル用線材の端部同士の接続は、以下のように行われる。
一次融液にシールドコイル用線材の両端部をそれぞれ浸積して、シールドコイル用線材の端部のシース材(Ag又はCuからなるシース材)を溶融して酸化物超電導層又は酸化物超電導フィラメント群から分離する。この一次融液は、Ag又はCuとの合金であり且つ融点が500℃以下のPb(鉛)以外の金属若しくは合金を加熱した融液、又は、Ag又はCuとの合金であり且つ融点が500℃以下であってPb含有量が20%未満のPb合金を加熱した融液である。
次いで、一次融液に浸漬したシールドコイル用線材の両端部を二次融液に浸漬した後、これら両端部を重ね合わせた状態で二次融液にホウ素を加えてMgBを結晶化させ冷却する。この二次融液は、Ar(アルゴン)雰囲気中で650℃以上に加熱したMg(マグネシウム)である。
以上のようにシールドコイル用線材の端部同士がMgBを介して接続され、これにより、閉回路が構成される。
このようにシールドコイル14を閉回路にすることにより、磁場形成用コイル12が形成する磁場によってシールドコイル14に電流(マイスナー電流)が流れて当該シールドコイル14が磁場(前記磁場形成用コイル12が形成した磁場と逆向きの磁場)を形成する。このため、超電導マグネット10においてシールドコイル14に電流を流すための電源や回路を設けなくても磁場形成用コイル12が形成した磁場の外部への漏洩を防止することができる。
シールドコイル用線材の端部同士が接続された接続部は、シールドコイル14におけるサーマルアンカ35との接続部(接続位置)又はこの接続部と隣接する位置に設けられる。このように、シールドコイル14の冷凍機(第1冷却部)によって冷却される部位、又はこの部位に隣接する位置に、前記シールドコイル用線材の端部同士を接続した接続部を設けることにより、当該接続部を転移温度以下に保ち易くなる。即ち、シールドコイル14の周方向において、サーマルアンカ35との接続位置から離れるに従って温度が上昇するような温度分布が生じているため、この温度分布における最も低温の位置若しくはこれに隣接する位置に前記端部同士を接続した接続部を設ける(配置する)ことにより、当該接続部の温度を転移温度以下に保ち易くなる。
以上の超電導マグネット10によれば、転移温度が液体ヘリウム23の沸点より高い酸化物超電導線材によってシールドコイル14が構成されることで、シールドコイル14を真空槽26内における液体ヘリウム23の沸点より温度が高い位置(4Kシールド槽22の外側)に配置してもシールドコイル14の超電導状態を保つことが可能となる。このため、シールドコイル14を4Kシールド槽22の外側(磁場形成用コイル12から離れた位置)に配置してその径方向の厚さ寸法を4Kシールド槽22内(磁場形成用コイル12に近い位置)に配置する場合に比べて小さく(巻き数を少なく)することにより、真空槽26内におけるシールドコイル14の設置スペースを抑えて(小さくして)超電導マグネット10の小型化を図ることができる。即ち、シールドコイル14を磁場形成用コイル12から離れた位置(4Kシールド槽22の外側)に配置することで、当該コイル14が発生させる磁場(磁場形成用コイル12が発生させる磁場を打ち消すための磁場)の強度を小さくしても超電導マグネット10における漏れ磁場を抑えることができるため、当該シールドコイル14の径方向の厚さを小さく(巻き数を少なく)して真空槽26内における当該コイル14の設置スペースを抑えることができる。
また、本実施形態の超電導マグネット10のように、真空槽26内に配置される40Kシールド槽24を利用してシールドコイル14を支持することによって、シールドコイル14を真空槽26内の所定位置に支持する構成の簡素化を図って真空槽26(低温容器20)のより小型化を図ることができる。しかも、本実施形態の超電導マグネット10のように、40Kシールド槽24の周囲に酸化物超電導線材を巻回してシールドコイル14を構成することによって、真空槽26内に巻枠を設けてこの巻枠にシールドコイル14を配置する場合に比べ、真空槽16のより小型化を図ることができる。
本実施形態の冷凍機30では、第2冷却部32の出力が例えば1.0Wであり、第1冷却部34の出力が例えば20Wである。本実施形態の超電導マグネット10では、このような多段式の冷凍機30において、低温側の冷却部(第2冷却部)32に比べて出力の大きな高温側の冷却部(第1冷却部)34を利用してシールドコイル14を冷却するため、当該シールドコイル14を転移温度以下に安定させ易い。即ち、出力の大きな第1冷却部34によってシールドコイル14を冷却してシールドコイル14を冷却することにより、シールドコイル14を転移温度以下に安定して維持することができる。
尚、本発明の超電導マグネットは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
シールドコイル14の具体的な配置位置は限定されない。例えば、上記実施形態では、シールドコイル14は、40Kシールド槽24の周囲(詳しくは、巻き溝25内)に設けられているが、この位置に限定されない。シールドコイル14は、4Kシールド槽22の外側で且つ真空槽26の内側において当該コイル14をその転移温度以下に保つことができる位置であればよい。シールドコイル14を転移温度以下に保つことができれば、例えば、40Kシールド槽24の内部(4Kシールド槽22と40Kシールド槽24との間)や40Kシールド槽24の外部(40Kシールド槽24と真空槽26との間)に巻枠を配置し、この巻枠に酸化物超電導線材を巻回してシールドコイル14を構成してもよい。このような位置にシールドコイル14を配置しても、4Kシールド槽22内に配置する場合に比べて磁場形成用コイル12からの距離が大きくなるため、4Kシールド槽22内に配置する場合に比べてシールドコイル14の径方向の厚さ(巻き数)を小さくしても磁場形成用コイル12が形成する磁場の外部への漏洩を抑えることができる。このため、真空槽26内のシールドコイル14の配置スペース(径方向のスペース)を抑えることができ、その結果、超電導マグネット(低温容器)の小型化を図ることができる。
上記実施形態の超電導マグネット10では、シールドコイル14がサーマルアンカ35によって第1冷却部34に熱伝導可能に接続されることにより当該第1冷却部34によって冷却されるが、この構成に限定されない。40Kシールド槽24が非磁性材料(磁化しない若しくは磁化し難い金属)によって形成されているため、シールドコイル14は、40Kシールド槽24を介して第1冷却部34によって冷却される構成であってもよい。即ち、シールドコイル14は、40Kシールド槽24と熱伝導可能に配置され、第1冷却部34によって冷却されて低温になった40Kシールド槽24により冷却される構成でもよい。
上記実施形態の超電導マグネット10では、シールドコイル14の外径(巻き溝25が設けられていない部位の外径)と40Kシールド槽24の外径とが同じであるが、この構成に限定されない。例えば、図4(A)に示されるように、シールドコイル14の外径が40Kシールド槽22の外径より小さくてもよく、図4(B)に示されるように、シールドコイル14の外径が40Kシールド槽24の外径より大きくてもよい。シールドコイル14の外径が40Kシールド槽24の外径よりも小さい場合には、シールドコイル14の径方向外側を囲むように、シールドコイル14の径方向外側への変位を抑えるためのストッパー(バインド部材)40を設けることが好ましい。また、シールドコイル14の外径が40Kシールド槽24の外径より大きい場合には、巻き溝25の側面を径方向外側に延長するための鍔部42が設けられる。
また、40Kシールド槽は、図4(C)に示されるように、酸化物超電導線材を巻回するための巻き溝(凹部)が外周面241に設けられていない構成であってもよい。この場合、40Kシールド槽240の外側にシールドコイル14を配置するために、40Kシールド槽240の外周面241に巻枠を設けてもよく、また、外周面241から径方向外側に延びる鍔部242を設けてもよい。
ここで、上記実施形態の超電導マグネットの効果を確認するために、4Kシールド槽、40Kシールド槽、及び真空槽を備える低温容器の貫通穴の内径φが820mm、低温容器の貫通穴内での磁束密度が同一となるように、上記実施形態に係る超電導マグネット(40Kシールド槽にシールドコイルを巻き付けた構成)と、従来の超電導マグネット(4Kシールド槽内に磁場形成用コイルとシールドコイルとの両方を収容した構成)とを作成した場合の各構成要素の径方向の大きさを求めた。その結果を図5及び図6と、以下の表1とに示す。図5は、従来の超電導マグネットにおいて各構成要素の内径及び外径を求めた位置を示す図であり、図6は、上記実施形態に係る超電導マグネットにおいて各構成要素の内径及び外径を求めた位置を示す図である。
Figure 2014056872
この結果から、上記実施形態に係る超電導マグネットのシールドコイルの径方向の厚さ(100mm)が、従来の超電導マグネットのシールドコイルの径方向の厚さ(200mm)よりも、小さくなっていることが確認できる。これは、シールドコイルを磁場形成用コイルから離れた位置(4Kシールド槽の外側)に配置することで、径方向の厚さを小さく(巻き数を少なく)して当該コイルが発生させる磁場(磁場形成用コイルが発生させる磁場を打ち消すための磁場)の強度を小さくしても、当該超電導マグネットの漏れ磁場の強度を、従来の超電導マグネットにおける漏れ磁場の強度と同程度に抑えることができるからである。
シールドコイルの径方向の厚さを小さくすることができれば、真空槽内におけるシールドコイルの設置スペースが抑えられ、上記実施形態に係る超電導マグネットの真空槽の外径を小さくすることができる。具体的には、従来の超電導マグネットの真空槽の外径が2120mmであるのに対し、上記実施形態に係る超電導マグネットの真空槽の外径は1900mmである。
このように、本実施例においては、シールドコイルを酸化物超電導線材によって構成して4Kシールドの外側(具体的には、40Kシールド槽の巻き溝内)に配置することによって、低温容器の外径を従来の超電導マグネットと比べて約10%小さくすることができた。
10 超電導マグネット
12 磁場形成用コイル
14 シールドコイル
20 低温容器
22 4Kシールド槽(内側容器)
23 液体ヘリウム
24 40Kシールド槽(中間容器)
25 巻き溝
26 真空槽(外側容器)
30 冷凍機
32 第2冷却部
34 第1冷却部
35 サーマルアンカ

Claims (7)

  1. 磁場を形成するための超電導コイルである磁場形成用コイルと、
    前記磁場形成用コイルと共にこの磁場形成用コイルを冷却するための液体ヘリウムをその内部に収容する内側容器と、
    前記内側容器をその内部に収容し、当該内側容器を外部の熱から断熱する外側容器と、
    前記内側容器内の前記液体ヘリウムをその温度が沸点未満になるように冷却する冷凍機と、
    前記磁場形成用コイルにより形成される磁場の漏洩を防止するために前記磁場形成用コイルが形成した磁場と逆向きの磁場を形成する超電導コイルであるシールドコイルと、を備え、
    前記シールドコイルは、酸化物超電導線材によって構成されると共に、前記内側容器の外側で且つ前記外側容器の内側において前記内側容器を取り囲むように配置される超電導マグネット。
  2. 請求項1に記載の超電導マグネットであって、
    前記内側容器をその内部に収容した状態で前記外側容器内に配置された中間容器を備え、
    前記冷凍機は、前記液体ヘリウムを冷却する第2冷却部と、この第2冷却部によって冷却された液体ヘリウムの温度より高く且つ前記酸化物超電導線材の転移温度より低い所定の温度に前記中間容器を冷却する第1冷却部とを有し、
    前記シールドコイルは前記中間容器に支持される超電導マグネット。
  3. 請求項2に記載の超電導マグネットであって、
    前記シールドコイルは、前記酸化物超電導線材が前記中間容器の周囲に巻回されることによって構成される超電導マグネット。
  4. 請求項2又は3に記載の超電導マグネットであって、
    前記シールドコイルは、前記中間容器又は前記第1冷却部に対して熱伝導可能に配置されている超電導マグネット。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の超電導マグネットであって、
    前記シールドコイルは、当該シールドコイルを構成する前記酸化物超電導線材の端部同士が接続された閉回路を構成する超電導マグネット。
  6. 請求項5に記載の超電導マグネットであって、
    前記酸化物超電導線材の端部同士は、ニホウ化マグネシウムを介して接続される超電導マグネット。
  7. 請求項5又は6に記載の超電導マグネットであって、
    前記第1冷却部と前記シールドコイルとは、熱伝導可能なサーマルアンカによって接続され、
    前記酸化物超電導線材の端部同士が接続された接続部は、前記シールドコイルにおける前記サーマルアンカとの接続部又はこの接続部と隣接する位置に設けられる超電導マグネット。
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