JP2014055897A - プリオン構造変換促進剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリオンタンパク質の構造変換を促進する作用を有する、プリオン構造変換促進剤を提供すること及びプリオンタンパク質の構造変換を促進する活性の測定等に適用することができる、被検化合物のアミロイド化活性の測定方法を提供すること。
【解決手段】プリオンタンパク質構造変換促進剤は、(1) 配列番号1〜17のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチド、 (2) 上記(1)のペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチド、から成る群より選ばれるペプチドから成る。被検化合物のアミロイド化活性の測定方法アミロイド線維に特異的に結合する蛍光色素の存在下で、そのアミロイド化活性を調べる被検化合物と、アミロイド化に供されるタンパク質とを接触させ、蛍光強度の経時変化を測定することを含む。
【選択図】図8
【解決手段】プリオンタンパク質構造変換促進剤は、(1) 配列番号1〜17のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチド、 (2) 上記(1)のペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチド、から成る群より選ばれるペプチドから成る。被検化合物のアミロイド化活性の測定方法アミロイド線維に特異的に結合する蛍光色素の存在下で、そのアミロイド化活性を調べる被検化合物と、アミロイド化に供されるタンパク質とを接触させ、蛍光強度の経時変化を測定することを含む。
【選択図】図8
Description
本発明は、正常プリオンを、プリオン病の病原となる病原性プリオン(異常プリオン)に構造変換(凝集)する、プリオン構造変換促進剤及びそれを含むペプチドチップに関する。また、本発明は、被検化合物について、タンパク質のアミロイド化を促進する活性を測定する、被検化合物のアミロイド化活性の測定方法に関する。
感染症は安全安心な社会実現において脅威である。また、現在、我が国の食糧自給率は減少しており、消費の半分以上を世界各国から輸入している。このため、輸入食物の安全性の確保は社会的に大きな課題となっている。特に、日本人の食生活は欧米化しつつあり、肉食が中心となる中、BSE(いわゆる狂牛病)の発生は脅威となってきた。BSEに代表されるプリオン病はヒトではクロイツフェルトヤコブ病(CJD)として知られており、タンパク質の構造変化に起因することが示されている。早期発見は汚染(感染)拡大の防御として極めて重要な社会的要請であるが、構造変換の機構は解明されていない。現在、発症前診断の手法はなく、まして予防の手段も知られていない。現在は牛を解体した後、脳の一部(延髄)を採取し、ELISA法で異常プリオンの有無の検査を行っているが、その手法は所要時間や操作の煩雑さ、そしてコスト等の問題で検査の障壁となっている。タンパク質の構造変換に関しての知見は極めて少なく、分子シャペロンの研究を除いてほとんど解明されていない。正常タンパク質の構造変換により起こるプリオン病の発症原因の解明は重要である。プリオン病は正常プリオンタンパク質が何らかの要因で感染性(異常)プリオンタンパク質へ構造変異を引き起こすことにより発症する。
これまで、プリオンタンパク質の構造変換に関与する可能性が示唆されたペプチドが報告されている(非特許文献1)ものの、プリオンタンパク質を異常プリオンへ構造変換して凝集させる物質は知られていない。
Peptide Science 2008 (Ed Nomizu, M.) The Japanese Peptide Society, pp 533-534, 2009 Proceeding of the 45th Japanese Peptide Symposium (Tokyo, Japan)
もし、プリオンタンパク質を異常プリオンへ構造変換する物質が存在すれば、プリオンタンパク質の構造変換のメカニズムの研究に利用することができる。また、その物質によるプリオンタンパク質の構造変換を阻害する物質をスクリーニングすることにより、プリオン病の予防薬をスクリーニングすることが可能になる。さらに、生体外で異常プリオンを容易に調製できるようになり、調製された異常プリオンは、免疫測定試薬や、異常プリオンの中和抗体や中和アプタマーの開発に利用することができる。
従って、本発明の目的は、プリオンタンパク質の構造変換を促進する作用を有する、プリオン構造変換促進剤を提供することである。また、本発明の目的は、本発明のプリオン構造変換促進剤を含み、上記スクリーニングに利用可能なペプチドチップを提供することである。さらに本発明の目的は、プリオンタンパク質の構造変換を促進する活性の測定等に適用することができる、被検化合物のアミロイド化活性の測定方法を提供することである。
現在、BSEに罹患したウシや、その原因と考えられている肉骨粉を入手することはほとんど不可能である。従って、BSEに罹患したウシの脳や、BSEの原因となったプリオン含有肉骨粉中に含まれる、プリオンタンパク質の構造変換を促進する活性を有する物質を探索することは困難であると考えられた。しかしながら、BSEは、プリオンに感染した肉骨粉を含む飼料を与えられたウシに発生する定型BSEの他に、肉骨粉を食べたことがないウシに孤発的に発生する非定型(偶発型)BSEも存在することから、本願発明者らは、健常なウシの脳にもプリオンタンパク質の構造変換を促進する作用を有する物質が存在し、一方、この物質に拮抗的に作用する物質も存在し、それらのバランスによって通常はBSEが発生しないが、何らかの原因で、このバランスが崩れて非定型BSEが発症するのかもしれないと考えた。もし、そうであれば、健常なウシの脳にも、プリオンタンパク質の構造変換を促進する作用を有する物質が存在する可能性があると考えた。事実、脳は延髄とならんで危険部位とされている臓器である。そこで、健常ウシの脳のホモジネートをトリプシン消化して得られたペプチドについて、本願発明者らが新たに開発した後述する方法により、そのアミロイド化活性を測定した結果、17種類のトリプシン消化断片ペプチドがウシ正常プリオンタンパク質のアミロイド化を促進することを見出し、かつ、これらのペプチドが、実際にウシ正常プリオンタンパク質の構造を変換して凝集させることも実験的に確認し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 配列番号1〜17のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチド、
(2) 上記(1)のペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチド、
から成る群より選ばれるペプチドから成るプリオンタンパク質構造変換促進剤を提供する。
(1) 配列番号1〜17のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチド、
(2) 上記(1)のペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチド、
から成る群より選ばれるペプチドから成るプリオンタンパク質構造変換促進剤を提供する。
また、本発明は、上記本発明のプリオンタンパク質構造変換促進剤を直接又はスペーサー構造を介して基板に固定化したペプチドチップを提供する。さらに、本発明は、アミロイド線維に特異的に結合する蛍光色素の存在下で、そのアミロイド化活性を調べる被検化合物と、アミロイド化に供されるタンパク質とを接触させ、蛍光強度の経時変化を測定することを含む、被検化合物のアミロイド化活性の測定方法を提供する。
本発明により、プリオンタンパク質構造変換促進を有するペプチドから成るプリオンタンパク質構造変換促進剤が初めて提供された。本発明のプリオンタンパク質構造変換促進剤は、プリオンタンパク質の構造変換のメカニズムの研究に利用することができる。また、本発明のペプチドによるプリオンタンパク質の構造変換を阻害する物質をスクリーニングすることにより、プリオン病の予防薬をスクリーニングすることが可能になる。さらに、生体外で異常プリオンを容易に調製できるようになり、調製された異常プリオンは、免疫測定試薬や、異常プリオンの中和抗体や中和アプタマーの開発に利用することができる。
また、本発明により、本発明のペプチドによるプリオンタンパク質の構造変換を阻害する物質をスクリーニングするために有用な、新規なペプチドチップが提供された。さらに、本発明により、プリオンタンパク質の構造変換を促進する活性の測定等に適用することができる、被検化合物のアミロイド化活性の測定方法が提供された。
上記の通り、本発明のプリオンタンパク質構造変換促進剤は、
(1) 配列番号1〜17のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチド、
(2) 上記(1)のペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチド、
から成る群より選ばれるペプチドから成る。ここで、「アミノ酸配列を有する」とは、アミノ酸がその順序で配列していることを意味し、例えば、「配列番号1に示すアミノ酸配列を有する」とは、そのペプチドが、配列番号1に示す配列で配列した、15アミノ酸残基から成るペプチドであることを意味する。
(1) 配列番号1〜17のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチド、
(2) 上記(1)のペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチド、
から成る群より選ばれるペプチドから成る。ここで、「アミノ酸配列を有する」とは、アミノ酸がその順序で配列していることを意味し、例えば、「配列番号1に示すアミノ酸配列を有する」とは、そのペプチドが、配列番号1に示す配列で配列した、15アミノ酸残基から成るペプチドであることを意味する。
実施例において具体的にプリオンタンパク質の構造変換促進作用が確認されたのは、配列番号1〜17に示されるアミノ酸配列を有する17種類のペプチドであるが、これらはトリプシン消化断片であり、より大きな断片でも同様な活性を持つ可能性が高いと考えられる。従って、これらの各領域を部分領域として含んでおり、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチドも本願発明の範囲に含まれる。特に、配列番号1〜17に示されるアミノ酸配列を有するペプチドの一端又は両端に1個〜数個のアミノ酸残基が付加されたもので、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチドも本願発明の範囲に含まれる。上記17種類のペプチドのうち、最もプリオンタンパク質の構造変換活性の高かったものは、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドであったので、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するペプチド、又は該ペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換活性を持つプリオンタンパク質構造変換促進剤が最も好ましい。
上記17種類のペプチドのアミノ酸配列と、ウシ(Bos Taurus)のタンパク質データベースで検索した結果(どのタンパク質の部分配列か)を下記表1に示す。
上記の通り、本発明のペプチドは、プリオンタンパク質の構造変換のメカニズムの研究に利用することができる。また、該ペプチドによるプリオンタンパク質の構造変換を阻害する物質をスクリーニングすることにより、プリオン病の予防薬をスクリーニングすることが可能になる。さらに、生体外で異常プリオンを容易に調製できるようになり、調製された異常プリオンは、免疫測定試薬や、異常プリオンの中和抗体や中和アプタマーの開発に利用することができる。
本発明は、上記した、プリオン病の予防薬をスクリーニングに有用なペプチドチップをも提供する。このペプチドチップは、プリオンタンパク質構造変換促進剤を直接又はスペーサー構造を介して基板に固定化したものである。本発明のペプチドに対して拮抗的に作用してプリオンタンパク質の構造変換を抑制する、プリオン病の予防薬として利用可能な物質は、少なくとも該ペプチドと結合するものと考えられる。本願出願人は、先に、ペプチドと結合する物質のスクリーニングにも有用なペプチドチップを発明し、特許出願している(WO2002/090985)。本発明のペプチドも、このペプチドチップに適用することにより、容易、簡便に、各ペプチドと結合する物質をスクリーニングすることができる。もちろん、ペプチドに結合する物質が必ずしもプリオンタンパク質の構造変換抑制作用を発揮するとは限らないが、少なくとも、構造変換抑制作用を発揮するためには、多くの場合、ペプチドに結合することが必要であると考えられるので、プリオンタンパク質の構造変換を抑制するプリオン病の予防薬として利用可能な物質の一次スクリーニングには適用可能である。
上記WO2002/090985に記載の通り、ペプチドは、直接基板に固定化してもよいが、スペーサー構造を介して基板に固定化することもでき、この方が、ペプチドの自由な動きが確保されるので好ましい。この場合、スペーサーとしては、上記本発明のペプチドの一端に結合された、無関係なペプチド領域を好ましく用いることができる。また、基板上のペプチドに結合したか否かは、基板上のペプチドに蛍光標識を結合しておけば、蛍光の変化を測定することにより知ることができるのでこのましい。この蛍光標識は、単一のものでもよいし、FRETを利用するクエンチャー蛍光色素とアクセプター蛍光色素のように2個又はそれ以上でもよい。
さらに、本発明は、上記本発明のペプチドを見出すために用いた、被検化合物のアミロイド化活性の測定方法をも提供する。このアミロイド化活性の測定方法は、アミロイド線維に特異的に結合する蛍光色素の存在下で、そのアミロイド化活性を調べる被検化合物と、アミロイド化に供されるタンパク質とを接触させ、蛍光強度の経時変化を測定することを含む。異常プリオンもアミロイド化しているので、下記実施例では、この方法を用いて、プリオンタンパク質構造変換促進作用を有するペプチドを同定した。下記実施例に具体的に記載するように、被検化合物と、アミロイド化に供されるタンパク質との接触から、蛍光強度の変化が始まるまでのラグタイムを、Gompertz(ゴンペルツ)曲線に当てはめることにより算出し、プリオンタンパク質構造変換促進作用の強弱を測定することができるので、短時間でスクリーニングを行うことができる。
この測定方法において、アミロイド線維に特異的に結合する蛍光色素の好ましい例としては、チオフラビンT(以下ThTと記す)を挙げることができる。また、反応条件は、適宜設定することができるが、通常、反応液中の被検化合物の濃度は、3〜12nmol/mL程度、タンパク質濃度は、0.1〜0.6 mg/mL程度、ThTは5〜20μM程度であるが、これらに限定されるものではない。また、反応は、通常、緩衝液中、室温〜37℃程度の温度下で行われ、反応液を振とうさせながらインキュベートすることが好ましい。反応時間は、特に限定されないが、通常、24時間〜36時間程度でよく、これ以上行ってもよいがあまり意味はない。なお、この方法は、プリオンタンパク質の構造変換作用を有する物質のスクリーニングに適用できるが、タンパク質がアミロイド化される他の疾患、例えば、アルツハイマー病等の原因物質のスクリーニング等にも用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1. 牛脳成分ライブラリー構築
BSE発症機構解明に向けて牛脳抽出物画分ライブラリーの構築を行った。健康牛脳(全体)を取得(10歳のホルスタイン種雌)を出発物質として下記の工程で処理を行った。概要を図1及び下記表2に示す。
BSE発症機構解明に向けて牛脳抽出物画分ライブラリーの構築を行った。健康牛脳(全体)を取得(10歳のホルスタイン種雌)を出発物質として下記の工程で処理を行った。概要を図1及び下記表2に示す。
以下に詳細を記載する。新鮮な牛脳を使用し、上表の過程で分画、天然成分ライブラリーを作成した。大腸菌によりrbPrPを大量調製し、ThTの蛍光強度変化を指標にした構造変換を追跡できるアッセイ系を構築した(方法後述)。タンパク質の構造変換の促進作用を有するペプチドを探索するために、消化器におけるタンパク質の分解を模倣した条件で、酵素分解法を行い、成分ライブラリー構築を行った。牛脳は脂質が非常に多いため、サンプルの調整について検討した結果、牛脳をホモジナイズし、メタノール、クロロホルムにより抽出分画し、ペプチドを多く含むと考えられる画分を得た。これを、酸、消化酵素であるトリプシンを用い分解した。分画手順を図1に示す。これらの各画分を構造ペプチド分析用にハイペップ研究所が開発したHiPep-Intradaカラムを用いて分画した。クロマトグラムを図2に示す。分画は時間単位でプールし計14分画を得た。
2. 組換え体プリオンタンパク質(rbPrP)の調製
実際のプリオンに近い環境でのアッセイを検討するため、またペプチドアレイとの相互作用を解析する上でのコントロールとして使用できるサンプルとして、公知の方法(文献名:Bocharova, OV, Breydo L, Salnikov VV, Baskakov IV (2005) Biochemistry 44: 6776-6787)によりrbPrPを調製し、MALDI-TOFMSで同定を行った。rbPrPは大腸菌により発現させるが、凝集体となるため、塩酸グアニジンにより変性させ、リフォールディングを行う方法を採用した。その結果、約4 gの菌体より1 mg程度の精製rbPrPを得ることに成功した。実際にrbPrPが目的物であるかどうか、その配列確認に、MALDI-TOF/MS(Bruker Daltonics 社製モデル Ultraflex III)を用いた。
実際のプリオンに近い環境でのアッセイを検討するため、またペプチドアレイとの相互作用を解析する上でのコントロールとして使用できるサンプルとして、公知の方法(文献名:Bocharova, OV, Breydo L, Salnikov VV, Baskakov IV (2005) Biochemistry 44: 6776-6787)によりrbPrPを調製し、MALDI-TOFMSで同定を行った。rbPrPは大腸菌により発現させるが、凝集体となるため、塩酸グアニジンにより変性させ、リフォールディングを行う方法を採用した。その結果、約4 gの菌体より1 mg程度の精製rbPrPを得ることに成功した。実際にrbPrPが目的物であるかどうか、その配列確認に、MALDI-TOF/MS(Bruker Daltonics 社製モデル Ultraflex III)を用いた。
その結果、配列番号18に示すアミノ酸配列を有するウシプリオンタンパク質が生産されていることが確認された。なお、組換えウシプリオンタンパク質は、市販もされているので、市販品を用いることも可能である。
牛由来組換えプリオンタンパク質 (rbPrP) の構造変換アッセイ法
in vitroにおけるrbPrPの構造変換に関与するペプチドを探索するため牛脳由来天然成分ライブラリーを構築し、その中からタンパク質の構造変換に関与するペプチドを単離し、その構造を明らかにした。実際の感染成立判定までは通常5年以上を要するため、新たに構造変換モデル系を確立して探索した。
in vitroにおけるrbPrPの構造変換に関与するペプチドを探索するため牛脳由来天然成分ライブラリーを構築し、その中からタンパク質の構造変換に関与するペプチドを単離し、その構造を明らかにした。実際の感染成立判定までは通常5年以上を要するため、新たに構造変換モデル系を確立して探索した。
プリオンのアミロイド化をThTによりアッセイし、アミロイド化(構造変換)を促進させる化合物を探索する。本プロトコルは主にインキュベートしたサンプルの調整から蛍光測定までを記す。
アッセイに供するサンプルは、0.3 mg/mL rbPrP, 1.6 M 尿素, 10 mM EDTA , 3% TFE(トリフルオロエタノール), 20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH 7.2、全容500μLとして500μLエッペンチューブ内に調製した。ペプチド添加物は、ペプチドをTFEに溶解して添加した。TFE濃度は 3% (500μL中に15μL入っている)になり、ペプチドは 100 nmoLを500μLのTFEに溶かしたものを、500 μLのアッセイ溶液中に15μL含まれるようにしているため、最終濃度は 3 nmoL/500μLになる。調製したサンプルは37℃で振動させながらインキュベートした。
蛍光測定は蛍光プレートリーダーを用いて励起波長440 nm, 検出波長485 nmで行う。測定用サンプルはプレート内で、10μM ThT、15μLインキュベートサンプル、1xPBS pH.7.2を全容300μLとして調製した。 インキュベートしたサンプルは、3時間毎にサンプリングし、直ちに蛍光測定を行った。
実験手順
精製
↓ 封入体の変性抽出 (Buffer A)
↓ Ni-NTAへの吸着
↓ 共雑タンパク質洗浄 (Buffer A, 50 mL)
↓ 変性剤交換 (Buffer B + 20 mM イミダゾール, 50 mL)
↓ 目的タンパク質溶出 (Buffer B +700 mM イミダゾール, 4 スペースmL)
↓ 透析によるイミダゾール除去 (Buffer B, 一昼夜 ×3回)
↓ タンパク質溶液回収
インキュベート
↓ サンプル調整
↓ インキュベート
蛍光測定
↓ サンプル調整
↓測定
Buffer A = 6 Mグアニジン塩酸塩、20 mM Tris-HCl pH7.2、300 mM NaCl、5% グリセリン、20 mM イミダゾール
Buffer B = 6 M 尿素、20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH7.2
精製
↓ 封入体の変性抽出 (Buffer A)
↓ Ni-NTAへの吸着
↓ 共雑タンパク質洗浄 (Buffer A, 50 mL)
↓ 変性剤交換 (Buffer B + 20 mM イミダゾール, 50 mL)
↓ 目的タンパク質溶出 (Buffer B +700 mM イミダゾール, 4 スペースmL)
↓ 透析によるイミダゾール除去 (Buffer B, 一昼夜 ×3回)
↓ タンパク質溶液回収
インキュベート
↓ サンプル調整
↓ インキュベート
蛍光測定
↓ サンプル調整
↓測定
Buffer A = 6 Mグアニジン塩酸塩、20 mM Tris-HCl pH7.2、300 mM NaCl、5% グリセリン、20 mM イミダゾール
Buffer B = 6 M 尿素、20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH7.2
装置・器具
マイクロチューブ攪拌機 TAITEC社 E-36、TAITEC 社 0.5 mLマイクロチューブラック
大型インキュベーター 攪拌機ごと入る大きさのもの
蛍光プレートリーダー Perseptive Biosystems 社 CytoFLuor II
測定用プレート Corning社 96 Well BLack Flat Bottom, Polystyrene NBS Microplate #3650
マイクロチューブ攪拌機 TAITEC社 E-36、TAITEC 社 0.5 mLマイクロチューブラック
大型インキュベーター 攪拌機ごと入る大きさのもの
蛍光プレートリーダー Perseptive Biosystems 社 CytoFLuor II
測定用プレート Corning社 96 Well BLack Flat Bottom, Polystyrene NBS Microplate #3650
リコンビナント牛プリオンタンパク質は略号で全て rbPrPに統一
プリオンタンパク質の調製
プリオンタンパク質は、6xHis-tag付きのrbPrPをNi-NTAレジンを用いて精製したものを用いた。rbPrPは大腸菌で発現させると封入体を形成するため、6 Mグアニジン塩酸塩をもちいて抽出した。遠心分離した上精をNi-NTA (GE Healthcare社)カラムに通し、rbPrPを結合させ、20 mMイミダゾールを含むバッファーで洗浄した。アッセイ時には変性剤として尿素を用いるので、レジンに結合させた状態で変性剤を6 M尿素に変えたバッファーで再度洗浄した(はじめから尿素で抽出精製をすると共雑タンパク質が多くなる)。rbPrPを700 mMのイミダゾールを含むバッファーで溶出し、6 M尿素, 20 mM リン酸ナトリウム緩衝液, pH 7.2を含む1Lのバッファーで3回透析してイミダゾールを除去した。透析時のrbPrP濃度は透析バッファーで希釈して6 mg/mL(Bradford法で測定)程度に調整した。透析後に濃度減少がないことを再確認した。
精製後のサンプル条件: タンパク質濃度 6 mg/mL、6 M尿素, 20 mM リン酸ナトリウム緩衝液, pH 7.2
プリオンタンパク質の調製
プリオンタンパク質は、6xHis-tag付きのrbPrPをNi-NTAレジンを用いて精製したものを用いた。rbPrPは大腸菌で発現させると封入体を形成するため、6 Mグアニジン塩酸塩をもちいて抽出した。遠心分離した上精をNi-NTA (GE Healthcare社)カラムに通し、rbPrPを結合させ、20 mMイミダゾールを含むバッファーで洗浄した。アッセイ時には変性剤として尿素を用いるので、レジンに結合させた状態で変性剤を6 M尿素に変えたバッファーで再度洗浄した(はじめから尿素で抽出精製をすると共雑タンパク質が多くなる)。rbPrPを700 mMのイミダゾールを含むバッファーで溶出し、6 M尿素, 20 mM リン酸ナトリウム緩衝液, pH 7.2を含む1Lのバッファーで3回透析してイミダゾールを除去した。透析時のrbPrP濃度は透析バッファーで希釈して6 mg/mL(Bradford法で測定)程度に調整した。透析後に濃度減少がないことを再確認した。
精製後のサンプル条件: タンパク質濃度 6 mg/mL、6 M尿素, 20 mM リン酸ナトリウム緩衝液, pH 7.2
インキュベーション
アッセイに供するサンプルは、0.3 mg/mL rbPrP, 1.6 M 尿素, 10 mM EDTA , 3% TFE, 20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH 7.2、全容500μLとして500μLエッペンチューブ内に調製した。ペプチドを添加物として入れる場合は、TFEに溶解したペプチドを上記TFEの代わりに用いた。サンプルに10 mM EDTAを添加しているのは、精製に用いるNi2+の影響を排除するためである。調製したサンプルは37℃のインキュベーター内で振動させながらインキュベートした。インキュベーター内に攪拌機(TAITEC社 E-36 マイクロチューブ攪拌機に0.5 mLマイクロチューブラックを装着)を本体ごと入れて用いた。攪拌速度は、レンジスイッチをHIGH RANGEに、調節ダイヤルを最弱にしている(メーカー公称1200 r/min)。
アッセイに供するサンプルは、0.3 mg/mL rbPrP, 1.6 M 尿素, 10 mM EDTA , 3% TFE, 20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH 7.2、全容500μLとして500μLエッペンチューブ内に調製した。ペプチドを添加物として入れる場合は、TFEに溶解したペプチドを上記TFEの代わりに用いた。サンプルに10 mM EDTAを添加しているのは、精製に用いるNi2+の影響を排除するためである。調製したサンプルは37℃のインキュベーター内で振動させながらインキュベートした。インキュベーター内に攪拌機(TAITEC社 E-36 マイクロチューブ攪拌機に0.5 mLマイクロチューブラックを装着)を本体ごと入れて用いた。攪拌速度は、レンジスイッチをHIGH RANGEに、調節ダイヤルを最弱にしている(メーカー公称1200 r/min)。
インキュベーション手順
↓ サンプル調製
↓ 0.3 mg/mL rbPrP, 1.6 M 尿素, 10 mM EDTA , 3% TFE (peptide),
20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH 7.2、全容500 μL
(TFE溶液以外の成分をあらかじめ大きいチューブで混合してエッペンチューブ
に分注する。
その後エッペンチューブに試験するペプチドのTFE溶液を加える)
↓ インキュベート:37℃, 定常振動1200 r/min
↓ サンプル調製
↓ 0.3 mg/mL rbPrP, 1.6 M 尿素, 10 mM EDTA , 3% TFE (peptide),
20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH 7.2、全容500 μL
(TFE溶液以外の成分をあらかじめ大きいチューブで混合してエッペンチューブ
に分注する。
その後エッペンチューブに試験するペプチドのTFE溶液を加える)
↓ インキュベート:37℃, 定常振動1200 r/min
蛍光測定
蛍光測定は蛍光プレートリーダー(Perseptive Biosystems 社 CytoFluor II)を用いて励起波長440 nm バンド幅5 nm, 検出波長485 nm バンド幅10 nmで行った。測定用サンプルはプレート (Corning社 96 Well Black Flat Bottom Polystyrene NBS Microplate #3650) 内で、10μMチオフラビンT, 15 μLインキュベートサンプル, 1x PBS pH.7.4を全容300μLとして調製した。インキュベートサンプルは、3 時間毎にサンプリングしたものをすぐに混合し、15-60分の間に測定した。
蛍光測定は蛍光プレートリーダー(Perseptive Biosystems 社 CytoFluor II)を用いて励起波長440 nm バンド幅5 nm, 検出波長485 nm バンド幅10 nmで行った。測定用サンプルはプレート (Corning社 96 Well Black Flat Bottom Polystyrene NBS Microplate #3650) 内で、10μMチオフラビンT, 15 μLインキュベートサンプル, 1x PBS pH.7.4を全容300μLとして調製した。インキュベートサンプルは、3 時間毎にサンプリングしたものをすぐに混合し、15-60分の間に測定した。
蛍光測定手順
↓ サンプル調整
↓ 0 mM チオフラビンT溶液を作成(ストック用)
↓ 10 mMチオフラビンT溶液を1x PBS pH.7.2で10倍に希釈
↓ さらに1x PBS pH7.2で終濃度10.5μMに希釈
↓ プレートの1ウェルに285 mLずつ分注する
↓ インキュベートサンプルを15μLずつ入れる
↓ 測定
↓ 最後のサンプル調整が終わってから約15分後に測定
*CytoFluor IIの設定: 励起波長440 nm バンド幅5 nm, 検出波長485 nm バンド幅10 nm
振動攪拌無し、プレート設定: Corning 96、gain 60
↓ サンプル調整
↓ 0 mM チオフラビンT溶液を作成(ストック用)
↓ 10 mMチオフラビンT溶液を1x PBS pH.7.2で10倍に希釈
↓ さらに1x PBS pH7.2で終濃度10.5μMに希釈
↓ プレートの1ウェルに285 mLずつ分注する
↓ インキュベートサンプルを15μLずつ入れる
↓ 測定
↓ 最後のサンプル調整が終わってから約15分後に測定
*CytoFluor IIの設定: 励起波長440 nm バンド幅5 nm, 検出波長485 nm バンド幅10 nm
振動攪拌無し、プレート設定: Corning 96、gain 60
このアッセイ法が学術上正しいことを以下で証明した
添加するペプチドによって構造変換が始まるまでの時間(ラグタイム)に差が生じることを見出した。このラグタイムをもった構造変化は無秩序な現象ではないことは、蛍光強度の時間変化をGompertz(ゴンペルツ)曲線にきれいに外挿できることで証明された。その例を図3に示す。Gompertz曲線へのフィッティングにより、そのラグタイムには定量的に有意に差がある物理量であることを証明できた。
添加するペプチドによって構造変換が始まるまでの時間(ラグタイム)に差が生じることを見出した。このラグタイムをもった構造変化は無秩序な現象ではないことは、蛍光強度の時間変化をGompertz(ゴンペルツ)曲線にきれいに外挿できることで証明された。その例を図3に示す。Gompertz曲線へのフィッティングにより、そのラグタイムには定量的に有意に差がある物理量であることを証明できた。
図3中、ペプチドHPPSHは、本願発明者らが見出した、構造変換ペプチド(本発明の範囲外)である。P9はコントロールペプチドである。ペプチド単独ではThT蛍光強度の増加は確認されなかったので、ペプチドがrbPrPの構造変換に影響を与えたと考えられる。
当該今回の蛍光強度変化が、実際にタンパク質の構造変化によるものであることを確認するために、透過型電子顕微鏡とProteinase K処理により確認した。図4に示すように、タンパク質凝集体が棒状(アミロイド化)になること、rbPrPにProteinase K耐性部位(図4(b)矢印)が生成することを示した。さらに透過型電子顕微鏡写真では、ペプチドの添加により、アミロイド化が促進していると考えられる結果が得られた。
構造変換アッセイで天然成分ライブラリーから構造変換を促進する物質を発見した
概要: 超高感度MALDI-TOF-MS スペクトルを測定、得られたペプチド画分をさらにMS/MS測定をおこなって、denovo, トップダウンシーケンシング法により、そのアミノ酸配列を解明した。得られた配列は、BLASTを使用した配列ホモロジー解析にかけ、Bos taurus(牛)のsynaptophysinというタンパク質の部分配列である事が示された。この情報に基づいて化学合成を行い、上記した構造変換アッセイにより、合成品が天然由来のペプチドと同様rbPrPの構造変換を著しく促進することを確認した。
概要: 超高感度MALDI-TOF-MS スペクトルを測定、得られたペプチド画分をさらにMS/MS測定をおこなって、denovo, トップダウンシーケンシング法により、そのアミノ酸配列を解明した。得られた配列は、BLASTを使用した配列ホモロジー解析にかけ、Bos taurus(牛)のsynaptophysinというタンパク質の部分配列である事が示された。この情報に基づいて化学合成を行い、上記した構造変換アッセイにより、合成品が天然由来のペプチドと同様rbPrPの構造変換を著しく促進することを確認した。
本アッセイ系では構造変化の指標としてラグタイムが重要であることが明らかとなった。そこで、これらの結果をもとに天然成分ライブラリーから構造変換に影響を与えるペプチドの単離を行った。実際のスクリーニングではサンプル数が多いため、12時間おきに経時測定を行った。図5に、例としてNaOH画分をトリプシン消化しHPLCで分画したライブラリーの例を示す。図5の結果から、構造変換を促進したNo.4画分と構造変換を抑制したNo.12画分についてHPLCによりさらに再分画を行い、蛍光強度変化測定を行った。その結果を図6に示した。
図5中、一番上の黒線がNo.4画分、その下の黒線がrbPrPのみ、一番下の黒点線がNo.12画分である。それ以外の画分は灰色の点線で示した。図6中、a) rbPrPのみを黒点線、No.4-4画分を黒線、それ以外を灰色点線で示した。b) rbPrPのみを黒点線、No.12-5画分を黒線、それ以外を灰色点線で示した。
この結果から蛍光強度変化に大きな差を与えた画分、No.4-4とNo.12-5についてHPLCで再分画を行い、含まれるペプチドの同定をMALDI-TOF/MSにより行った。その解析例を図7に示す。
No.12-5-8画分では3種のペプチドが検出され、インソース分解によるトップダウンシーケンシングで配列を決め、Blast検索を行ったところ、それぞれHemoglobin subunit beta、Tublin alpha-8、Synaptophysin由来のペプチドであることが明らかとなった。これらはウシ由来配列と一致した。見出した配列を化学合成した。合成は通常のペプチド合成法によった。合成品を構造変換アッセイに供した結果、synaptophysin 由来のペプチド(配列番号1)に顕著な作用を認めた。図8のように、rbPrPの構造変換を促進する効果が認められた。図中のMM7413-O-432Aは合成品のLot番号である。以上のように、脳内にrbPrPの構造変換に影響を与えるペプチドが存在することを証明しその構造を明らかにした。
rbPrPの構造変換について、Gompertz曲線でフィッティングができることを見いだした。この構造変換におけるラグタイムの定量化は、プリオンタンパク質のみならずアミロイド化を起こすタンパク質にも適用可能である。たとえば、アルツハイマー病に関連するペプチドとして知られているAβペプチドもプリオン同様に構造変換を促進させた。
上記の方法により、上記表1に示す、合計17種類のペプチドがウシプリオンタンパク質のアミロイド化活性を有するペプチドとして同定された。
上記の通り、本発明のプリオンタンパク質構造変換促進剤は、プリオンタンパク質の構造変換のメカニズムの研究に利用することができる。また、本発明のペプチドによるプリオンタンパク質の構造変換を阻害する物質をスクリーニングすることにより、プリオン病の予防薬をスクリーニングすることが可能になる。さらに、生体外で異常プリオンを容易に調製できるようになり、調製された異常プリオンは、免疫測定試薬や、異常プリオンの中和抗体や中和アプタマーの開発に利用することができる。
Claims (8)
- (1) 配列番号1〜17のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチド、
(2) 上記(1)のペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換促進作用を持つペプチド、
から成る群より選ばれるペプチドから成るプリオンタンパク質構造変換促進剤。 - 前記(2)のペプチドは、前記(1)のペプチドの一端又は両端に1個〜数個のアミノ酸残基が付加されたものである請求項1記載のプリオンタンパク質構造変換促進剤。
- 配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するペプチド、又は該ペプチドを部分領域として含み、プリオンタンパク質の構造変換活性を持つ請求項1又は2記載のプリオンタンパク質構造変換促進剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリオンタンパク質構造変換促進剤を直接又はスペーサー構造を介して基板に固定化したペプチドチップ。
- 基板上に固定化されたプリオンタンパク質構造変換促進剤が蛍光標識されている請求項4記載のペプチドチップ。
- アミロイド線維に特異的に結合する蛍光色素の存在下で、そのアミロイド化活性を調べる被検化合物と、アミロイド化に供されるタンパク質とを接触させ、蛍光強度の経時変化を測定することを含む、被検化合物のアミロイド化活性の測定方法。
- 前記接触から、蛍光強度の変化が始まるまでのラグタイムを、ゴンペルツ曲線に当てはめて被検化合物のアミロイド化活性を測定する請求項6記載の方法。
- アミロイド線維に特異的に結合する蛍光色素がチオフラビンTである請求項6又は7記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012201778A JP2014055897A (ja) | 2012-09-13 | 2012-09-13 | プリオン構造変換促進剤 |
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-
2012
- 2012-09-13 JP JP2012201778A patent/JP2014055897A/ja active Pending
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