JP2014055850A - 液位センサ - Google Patents

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雄紀 齋藤
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敬介 川出
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哲好 柴田
Atsushi Muramatsu
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Abstract

【課題】液相補償および気相補償を行う液位センサを提供することを課題とする。
【解決手段】液位センサ1は、一対の液位用電極20a、20bL、20bRの間の静電容量に基づく電気量を液位出力信号Cとして出力する液位検出部2と、液位検出部2よりも上側に配置され、一対の気相用電極30a、30bの間の静電容量に基づく電気量を気相出力信号Crgとして出力する気相検出部3と、液位検出部2よりも下側に配置され、一対の液相用電極40a、40bの間の静電容量に基づく電気量を液相出力信号Crlとして出力する液相検出部4と、配線部5と、液位出力信号Cを気相出力信号Crgおよび液相出力信号Crlで補正することにより補正値を算出し、補正値を基に液位検出部2における液位F3を検出する演算部60を有する制御部6と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばガソリンタンクに貯留された燃料などの液面のレベル、つまり液位を検出するための静電容量型の液位センサに関する。
静電容量型の液位センサは、互いに対向する一対の液位用電極を備えている。静電容量型の液位センサは、一対の液位用電極の間の静電容量に基づく電気量から、液体の液位を検出している。ここで、静電容量は、液体の誘電率により変化する。また、液体の誘電率は、液体の種類、温度、不純物などにより変化する。すなわち、液体の誘電率は、液位センサが配置されている液相側の環境により変化する。このため、静電容量型の液位センサは、液位の検出精度が低い。
この点、特許文献1には、二つの液位検出部を備える静電容量型の液位センサが開示されている。二つの液位検出部は、各々、一対の液位用電極を備えている。二つの液位検出部は、互いに上下方向にずれて配置されている。同文献記載の液位センサによると、液体の誘電率によらず、液位を検出することができる。つまり、液相補償を行うことができる。
特開2007−040753号公報
しかしながら、一対の液位用電極の間の静電容量は、液体の誘電率のみならず、気体の誘電率によっても変化する。また、気体の誘電率は、気体の種類、温度、湿度、不純物などにより変化する。すなわち、気体の誘電率は、液位センサが配置されている気相側の環境により変化する。したがって、液位センサの検出精度をさらに高くするためには、液相補償のみならず、気相補償も行う必要がある。
そこで、本発明は、液相補償および気相補償を行うことが可能な液位センサを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の液位センサは、互いに対向する一対の液位用電極を有し、一対の該液位用電極の間の静電容量に基づく電気量を、液位出力信号として出力する液位検出部と、該液位検出部よりも上側に配置され、互いに対向する一対の気相用電極を有し、一対の該気相用電極の間の静電容量に基づく電気量を、気相出力信号として出力する気相検出部と、該液位検出部よりも下側に配置され、互いに対向する一対の液相用電極を有し、一対の該液相用電極の間の静電容量に基づく電気量を、液相出力信号として出力する液相検出部と、一対の該気相用電極に接続される一対の気相用配線と、一対の該液相用電極に接続される一対の液相用配線と、を有する配線部と、該液位出力信号を該気相出力信号および該液相出力信号で補正することにより補正値を算出し、該補正値を基に該液位検出部における液位を検出する演算部を有する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の液位センサは、液位検出部と、気相検出部と、液相検出部と、を備えている。本発明の液位センサは、液位検出部が延在している範囲内において、液位を検出することができる。気相検出部は、液位検出部の上側に配置されている。気相検出部の下端は、液位検出部の上端よりも、上側に配置されている。液相検出部は、液位検出部の下側に配置されている。液相検出部の上端は、液位検出部の下端よりも、下側に配置されている。
制御部の演算部は、液位出力信号を、気相出力信号および液相出力信号で補正することにより補正値を算出している。そして、当該補正値を基に液位を検出している。すなわち、演算部は、液位検出部が検出した液位を、気相側の環境および液相側の環境に応じて、補正している。つまり、演算部は、気相補償および液相補償を行っている。このため、本発明の液位センサによると、気体の誘電率、液体の誘電率の変化によらず、高い検出精度で液位を検出することができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記液位検出部と、前記気相検出部と、前記液相検出部と、前記配線部と、が同一面に配置される基材を備える構成とする方がよい。本構成によると、液位検出部と気相検出部と液相検出部と配線部とを、単一の基材の同一面に、集積して配置することができる。
(2−1)好ましくは、上記(2)の構成において、前記基材は、樹脂またはエラストマー製であり、前記液位検出部、前記気相検出部、前記液相検出部、前記配線部は、各々、エラストマーおよび導電材を含んでいる構成とする方がよい。
本構成によると、基材、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部を柔軟にすることができる。このため、基材、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部を変形させて配置しても、これらの部材に不具合が発生しにくい。
(2−2)好ましくは、上記(2−1)の構成において、前記液位検出部、前記気相検出部、前記液相検出部、前記配線部は、各々、前記エラストマーおよび前記導電材を含む塗料が前記基材の前記同一面に塗布されることにより形成されている構成とする方がよい。ここで、「塗布」には、印刷が含まれる。本構成によると、基材の同一面に対して、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部を簡単に配置することができる。
(2−3)好ましくは、上記(2−1)の構成において、前記導電材は、金属粒子を含む構成とする方がよい。一般に、金属の体積抵抗率は小さい。このため、本構成によると、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部の体積抵抗率を、小さくすることができる。言い換えると、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部の導電性を高くすることができる。
(2−4)好ましくは、上記(2−1)の構成において、前記基材の切断時伸びは、5%以上である構成とする方がよい。本構成によると、基材の常温下での伸縮性を、確保することができる。なお、本明細書においては、切断時伸びとして、JIS K6251(2010)の引張り試験により求められた値を採用する。
(2−5)好ましくは、上記(2−1)の構成において、前記基材、前記液位検出部、前記気相検出部、前記液相検出部、前記配線部に用いられる前記エラストマーは、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物を用いずに架橋された架橋ゴム、および熱可塑性エラストマーから選ばれる一種以上である構成とする方がよい。
ゴムポリマーを架橋する場合、架橋剤として、硫黄や硫黄化合物、あるいは有機過酸化物を用いることが多い。これらの架橋剤残渣が架橋ゴム中に残存すると、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部に導電材として金属粒子が含まれる場合に、当該金属粒子が酸化されたり硫化されるおそれがある。金属粒子が酸化、硫化されると、金属粒子の表面の電気抵抗が増加して、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部の導電性が低下してしまう。
この点、本構成によると、基材、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部のエラストマーは、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物を含まない。このため、導電材として金属粒子が含まれていても、金属粒子が、酸化や硫化により劣化しにくい。したがって、長期間使用しても、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部の導電性が、低下しにくい。よって、液位センサの耐久性が向上する。
(2−6)好ましくは、上記(2−1)の構成において、前記液位検出部、前記気相検出部、前記液相検出部、前記配線部を覆うように、前記基材の前記同一面に積層されるエラストマー製のカバー層を備える構成とする方がよい。
本構成によると、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部を外部から絶縁することができる。このため、安全性が向上する。また、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部に導電材として金属粒子が含まれる場合には、当該金属粒子の酸化を抑制することができる。また、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部は、基材と、カバー層と、の間に挟装される。このため、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部の変形は、基材およびカバー層により規制される。したがって、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部を補強、保護することができる。
(2−7)好ましくは、上記(2−6)の構成において、前記カバー層に用いられる前記エラストマーは、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物を用いずに架橋された架橋ゴム、および熱可塑性エラストマーから選ばれる一種以上である構成とする方がよい。
上記(2−5)で説明したように、カバー層に架橋剤残渣が残存すると、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部に含まれる金属粒子が、酸化されたり硫化されるおそれがある。本構成によると、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部に導電材として金属粒子が含まれていても、金属粒子が、酸化や硫化により劣化しにくい。したがって、長期間使用しても、液位検出部、気相検出部、液相検出部、配線部の導電性が、低下しにくい。よって、本構成によると、液位センサの耐久性が向上する。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記液位検出部は、上下方向に延在しており、一対の前記気相用配線のうち一方の該気相用配線と、一対の前記液相用配線のうち一方の該液相用配線と、は該液位検出部の水平方向両側に配置されており、任意の上下方向位置において、該気相用配線と該液位検出部との間の浮遊容量と、該液相用配線と該液位検出部との間の浮遊容量と、は等しい構成とする方がよい。
本構成によると、任意の上下方向位置における、気相用配線と液位検出部との間の浮遊容量と、液相用配線と液位検出部との間の浮遊容量と、が等しくなっている。このため、双方の浮遊容量が液位検出部の液位出力信号に与える影響を、相殺することができる。
(3−1)好ましくは、上記(3)の構成において、任意の上下方向位置において、該気相用配線と該液位検出部との間の水平方向距離と、該液相用配線と該液位検出部との間の水平方向距離と、は等しい構成とする方がよい。
本構成によると、簡単に、任意の上下方向位置において、気相用配線と液位検出部との間の浮遊容量と、液相用配線と液位検出部との間の浮遊容量と、を等しくすることができる。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記気相検出部と前記液相検出部とは同一形状を呈しており、前記液位検出部の図形重心に対して、点対称になるように配置されており、一対の前記気相用配線のうち一方の該気相用配線と、一対の前記液相用配線のうち一方の該液相用配線と、は該液位検出部の該図形重心に対して、点対称になるように配置されている構成とする方がよい。本構成のように気相検出部、液相検出部、配線部をレイアウトすると、簡単に、気相補償および液相補償を行うことができる。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、一対の前記気相用電極の形状、配置に関する定数をKrgE、一対の前記液相用電極の形状、配置に関する定数をKrlE、一対の前記気相用配線の形状、配置に関する定数をKrgP、一対の前記液相用配線の形状、配置に関する定数をKrlPとして、KrgE=KrlEおよびKrgP=KrlPが成立する構成とする方がよい。
ここで、KrgE、KrlE、KrgP、KrlPは、各電極(各配線)の形状、配置に関する定数である。例えば、対向して配置された一対の電極を備える、対向電極型のコンデンサを想定する。電極面積をS、電極間距離をd、電極間に介在する物質の誘電率をεとした場合、コンデンサの静電容量Cは、C=ε・(d/S)という式から算出することができる。この式において、(d/S)は、電極の形状、配置に関する定数である。このため、この式においては、(d/S)が定数K(KrgE、KrlE、KrgP、KrlP)に相当する。すなわち、C=ε・Kとなる。定数Kは、コンデンサの種類により変化する。例えば、対向電極型のコンデンサと、基材の同一面上に一対の電極が並置された並置電極型のコンデンサと、では定数Kが異なる。定数Kは、一対の気相用電極、一対の液相用電極、一対の気相用配線、一対の液相用配線を、同じ環境中(例えば気相中、または液相中)に配置し、電極間(あるいは配線間)に、同じ電圧を印加させることにより、測定することができる。すなわち、K=C/εという式から算出することができる。本構成のように気相検出部、液相検出部、配線部をレイアウトすると、簡単に、気相補償および液相補償を行うことができる。
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記液位出力信号をC、前記気相出力信号をCrg、前記液相出力信号をCrl、前記補正値をCcalc.、一対の前記液位用電極の間に気体だけが存在する状態である初期状態の該液位出力信号をCs0、該初期状態の該気相出力信号をCrg0、センサ素子定数をβ(=Cs0/Crg0)として、前記演算部は、以下の補正式を用いて該補正値Ccalc.を算出する構成とする方がよい。
calc.=(C−Crg・β)/(Crl−Crg
当該補正式を用いて算出された補正値Ccalc.は、気体の誘電率、液体の誘電率の変化の影響を受けない。このため、本構成によると、高い検出精度で液位を検出することができる。
以下、当該補正式が気体の誘電率、液体の誘電率の影響を受けないことについて説明する。
気体の誘電率をε、液体の誘電率をε、液位検出部の上下方向全長を1とした場合の液体の占有割合(つまり液位率)をL、液位検出部の一対の液位用電極の形状、配置に関する定数をKとすると、液位検出部の液位出力信号をCは、以下の式(1)から算出される。
Figure 2014055850
液位検出部の感度をα=(ε−ε)・K、初期状態の液位出力信号をCs0=ε・Kとおくと、式(1)は、以下の式(2)のように書き換えられる。
Figure 2014055850
気相検出部が気体で満たされており、一対の気相用配線が液位に対して感度を有する場合、気相検出部の一対の気相用電極の形状、配置に関する定数をKrgE、配線部の一対の気相用配線の形状、配置に関する定数をKrgPとすると、気相検出部の気相出力信号Crgは、以下の式(3)から算出される。
Figure 2014055850
気相検出部の感度をαrg=(ε−ε)・KrgP、初期状態の気相出力信号をCrg0=ε・(KrgE+KrgP)とおくと、式(3)は、以下の式(4)のように書き換えられる。
Figure 2014055850
液相検出部が液体で満たされており、一対の液相用配線が液位に対して感度を有する場合、液相検出部の一対の液相用電極の形状、配置に関する定数をKrlE、配線部の一対の液相用配線の形状、配置に関する定数をKrlPとすると、液相検出部の液相出力信号Crlは、以下の式(5)から算出される。
Figure 2014055850
液相検出部の感度をαrl=(ε−ε)・KrlP、初期状態の液相出力信号をCrl0=ε・KrlE+ε・KrlPとおくと、式(5)は、以下の式(6)のように書き換えられる。
Figure 2014055850
一方、上述した補正式は、以下の式(7)である。
Figure 2014055850
式(7)に、式(2)、式(4)、式(6)を代入すると、以下の式(8)になる。
Figure 2014055850
ここで、β=Cs0/Crg0=K/(KrgE+KrgP)を代入し、λ=ε−ε、δ=ε・KrlE+ε・KrlP−ε・(KrgE+KrgP)とおくと、以下の式(9)になる。
Figure 2014055850
ここで、補正値Ccalc.が誘電率ε、εの影響を受けないためには、式(9)の右辺がλで約分できればよい。具体的には、δがλで因数分解できればよい。すなわち、上記(5)の構成に示すように、KrlE=KrgEおよびKrlP=KrgPが成立すればよい。
この場合、KrlE=KrgE=KrEとおくと、δ=(ε−ε)・KrE+ε・(KrlP−KrgP)=λ・KrEとなる。これを式(9)に代入すると、右辺がλで約分できるため、以下の式(10)になる。
Figure 2014055850
式(10)には、誘電率ε、εに関するパラメータλが含まれていない。このため、補正値Ccalc.は誘電率ε、εの影響を受けない。このように、補正式(式(7))を用いて算出された補正値Ccalc.は、気体の誘電率、液体の誘電率の変化の影響を受けない。このため、本構成によると、高い検出精度で液位を検出することができる。
(7)好ましくは、上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、一対の前記気相用配線のうち一方の該気相用配線と、一対の前記液相用配線のうち一方の該液相用配線と、一対の前記液位用電極のうち一方の該液位用電極と、は一体的に形成されている構成とする方がよい。本構成によると、一対の気相用配線と一対の液相用配線と一対の液位用電極とを各々独立して配置する場合と比較して、部品点数が少なくなる。
本発明によると、液相補償および気相補償を行うことが可能な液位センサを提供することができる。
第一実施形態の液位センサの前面図である。 図1のII−II方向断面図である。 同液位センサの制御部が実行する液位出力信号の補正の模式図である。 補正を行わなかった場合の液位率と液位出力信号との関係を示す模式グラフである。 補正を行った場合の液位率と液位出力信号との関係を示す模式グラフである。 第二実施形態の液位センサの前面図である。 第三実施形態の液位センサの前面図である。
以下、本発明の液位センサの実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[液位センサの構成]
まず、本実施形態の液位センサの構成について説明する。図1に、本実施形態の液位センサの前面図を示す。図2に、図1のII−II方向断面図を示す。図1においては、カバー層を省略して示す。また、説明の便宜上、液位用電極20a、20bL、20bR、気相用電極30a、30b、液相用電極40a、40b、液位用配線50a、50b、気相用配線51a、51b、液相用配線52a、52bにハッチングを施す。ハッチングの間隔が広い部分は電極を、ハッチングの間隔が狭い部分は配線を、それぞれ示す。ハッチングの方向が共通している部分は、電気的に同じ極性である。
図1、図2に示すように、本実施形態の液位センサ1は、タンク90に収容されている。タンク90の内部には、気体F1と、液体F2と、が入っている。液位センサ1は、気体F1と液体F2との界面の上下方向位置、つまり液位F3を検出するために用いられる。
本実施形態の液位センサ1は、液位検出部2と、気相検出部3と、液相検出部4と、配線部5と、制御部6と、基材7と、カバー層8と、を備えている。
基材7は、シリコーンゴム(エラストマー)製であって、上下方向に延在する長方形シート状を呈している。基材7は、絶縁性を有している。基材7の切断時伸びは、400%である。
液位検出部2は、基材7の前面の略中央に配置されている。基材7の前面は、本発明の「同一面」の概念に含まれる。液位検出部2は、上下方向に長い長方形状を呈している。液位検出部2の上下方向全長が、液位F3の検出領域に対応する。液位検出部2は、液位F3に応じて、液位出力信号(静電容量)を出力可能である。
液位検出部2は、三つの液位用電極20a、20bL、20bRを備えている。言い換えると、液位検出部2は、二対の液位用電極(20aと20bL、20aと20bR)を備えている。液位用電極20a、20bL、20bRは、各々、アミン架橋アクリルゴム(エラストマー)と、銀粒子(金属粒子)と、を含んでいる。銀粒子の含有量は、液位用電極20a、20bL、20bR各々の体積を100vol%とした場合の38vol%である。
液位用電極20a、20bL、20bRは、各々、上下方向に長い帯状を呈している。液位用電極20a、20bL、20bRは、各々、導電性を有している。液位用電極20a、20bL、20bRは、左右方向に並んで配置されている。具体的には、液位用電極20aの左側に液位用電極20bLが、液位用電極20aの右側に液位用電極20bRが、各々配置されている。液位用電極20bLと液位用電極20bRとは、電気的に接続されている。液位用電極20bLと液位用電極20bRとの電気的な極性は同じである。液位用電極20aと液位用電極20bLとの間の距離は、液位検出部2の上下方向全長に亘って一定である。液位用電極20aと液位用電極20bRとの間の距離は、液位検出部2の上下方向全長に亘って一定である。
気相検出部3は、基材7の前面の左上隅に配置されている。気相検出部3は、上下方向に長い長方形状を呈している。気相検出部3の下端は、液位検出部2の上端よりも、上側に配置されている。気相検出部3は、常に気体F1内に配置されている。気相検出部3は、気相出力信号(静電容量)を出力可能である。
気相検出部3は、一対の気相用電極30a、30bを備えている。気相用電極30a、30bの材質は、前記液位用電極20a、20bL、20bRの材質と同じである。気相用電極30a、30bは、各々、上下方向に長い長方形状を呈している。気相用電極30a、30bは、各々、導電性を有している。気相用電極30a、30bは、左右方向に並んで配置されている。気相用電極30bと液位用電極20bLとは、電気的に接続されている。気相用電極30bと液位用電極20bLとの電気的な極性は同じである。気相用電極30aと気相用電極30bとの間の距離は、気相検出部3の上下方向全長に亘って一定である。
液相検出部4は、基材7の前面の右下隅に配置されている。液相検出部4の形状は、気相検出部3の形状と同じである。気相検出部3と液相検出部4とは、液位検出部2の図形重心Gを中心に、互いに180°回転した状態で配置されている。すなわち、気相検出部3と液相検出部4とは、図形重心Gに対して、点対称になるように配置されている。液相検出部4の上端は、液位検出部2の下端よりも、下側に配置されている。液相検出部4は、常に液体F2内に配置されている。液相検出部4は、液相出力信号(静電容量)を出力可能である。
液相検出部4は、一対の液相用電極40a、40bを備えている。液相用電極40a、40bの材質は、前記液位用電極20a、20bL、20bRの材質と同じである。液相用電極40a、40bは、各々、上下方向に長い長方形状を呈している。液相用電極40a、40bは、各々、導電性を有している。液相用電極40a、40bは、左右方向に並んで配置されている。液相用電極40bと液位用電極20bRとは、電気的に接続されている。液相用電極40bと液位用電極20bRとの電気的な極性は同じである。液相用電極40aと液相用電極40bとの間の距離は、液相検出部4の上下方向全長に亘って一定である。
配線部5は、基材7の前面に配置されている。配線部5は、一対の液位用配線50a、50bと、一対の気相用配線51a、51bと、一対の液相用配線52a、52bと、を備えている。液位用配線50a、50b、気相用配線51a、51b、液相用配線52a、52bの材質は、前記液位用電極20a、20bL、20bRの材質と同じである。
気相用配線51aは、気相用電極30aの下端と、後述する制御部6と、を電気的に接続している。気相用配線51aは、基材7の左縁に沿って、上下方向に延在している。すなわち、気相用電極30aと制御部6とを電気的に接続することだけが目的であれば、本来、気相用配線51aを、基材7の左縁に沿って上下方向に延在させる必要はない。敢えて気相用配線51aを上下方向に延在させた理由は、後述する液相用配線52aとの間で、浮遊容量のバランスをとるためである。気相用配線51bは、気相用電極30bの上端と、液位用電極20bLの上端と、を電気的に接続している。
液相用配線52aは、液相用電極40aの上端と、後述する制御部6と、を電気的に接続している。液相用配線52aは、基材7の右縁に沿って、上下方向に延在している。液相用配線52bは、液相用電極40bの下端と、液位用電極20bRの下端と、を電気的に接続している。
気相用配線51aと液相用配線52aとは、電気的に接続されている。気相用配線51aと液相用配線52aとの電気的な極性は同じである。気相用配線51aは、液位用電極20bLの左側に配置されている。液相用配線52aは、液位用電極20bRの右側に配置されている。液位検出部2の上下方向全長内の任意の上下方向位置において、気相用配線51aと液位用電極20bLとの間の左右方向距離dLと、液相用配線52aと液位用電極20bRとの間の左右方向距離dRと、は等しい。このため、液位検出部2の上下方向全長内の任意の上下方向位置において、気相用配線51aと液位用電極20bLとの間の浮遊容量と、液相用配線52aと液位用電極20bRとの間の浮遊容量と、は等しい。
気相用配線51aと液相用配線52aとは、液位検出部2の図形重心Gを中心に、互いに180°回転した状態で配置されている。すなわち、気相用配線51aと液相用配線52aとは、液位検出部2の図形重心Gに対して、点対称になるように配置されている。
液位用配線50aは、液位用電極20aの上端と、後述する制御部6と、を電気的に接続している。液位用配線50bは、液位用電極20bRの上端と、後述する制御部6と、を電気的に接続している。
左上隅から右下隅に向かって、気相用電極30bと、気相用配線51bと、液位用電極20bLと、液相用配線52bと、液位用電極20bRと、液相用電極40bと、は一体的に形成されている。
図2に示すように、カバー層8は、シリコーンゴム(エラストマー)製であって、上下方向に長い長方形フィルム状を呈している。カバー層8は、絶縁性を有している。カバー層8は、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4越しに、基材7の前面に積層されている。カバー層8は、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4を、外部環境から保護している。
図1に示すように、制御部6は、演算部60と、記憶部61と、を備えている。演算部60は、液位出力信号を、気相出力信号および液相出力信号を用いて、補正している。演算部60は、補正値を算出している。記憶部61には、当該補正値と液位F3との相関を示す相関テーブルが格納されている。
[液位センサの製造方法]
次に、本実施形態の液位センサ1の製造方法について説明する。まず、基材7として、シリコーンゴムシートを準備する。次に、基材7の前面に、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を形成する。
すなわち、アクリルゴムポリマーおよび架橋剤の安息香酸アンモニウムを、溶剤のエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートに溶解して、ポリマー溶液を調製する。そして、ポリマー溶液に、銀粉末を混合、分散させて、塗料を調製する。続いて、調製した塗料を、基材7の前面にスクリーン印刷する。その後、加熱により塗膜を乾燥させると共に、架橋反応を進行させる。このようにして、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を形成する。
続いて、カバー層8を形成する。液状のシリコーンゴムポリマーを、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を覆うように、基材7の前面にスクリーン印刷する。そして、塗膜を加熱することにより、架橋反応を進行させる。このようにして、カバー層8を形成する。それから、配線部5と制御部6とを電気的に接続する。このようにして、液位センサ1は製造される。
[液位センサの動き]
次に、本実施形態の液位センサ1の動きについて説明する。図3に、本実施形態の液位センサの制御部が実行する液位出力信号の補正の模式図を示す。図3に示すように、制御部6の演算部60は、S1(ステップ1)において、気相出力信号Crgとセンサ素子定数βとの積を演算する。なお、センサ素子定数βは、液位率=0の状態である初期状態の液位出力信号をCs0、初期状態の気相出力信号をCrg0として、β=Cs0/Crg0という式から算出される。
ここで、液位率とは、図1に示す液位検出部2の上下方向全長を1とした場合の、液位検出部2における液体F2の占める割合である。液位検出部2の上下方向全長が液体F2内に配置されている場合、液位率=1になる。反対に、液位検出部2の上下方向全長が気体F1内に配置されている場合、液位率=0になる。
次に、演算部60は、S2(ステップ2)において、液位出力信号CとCrg・βとの差を演算する。並びに、演算部60は、S3(ステップ3)において、液相出力信号Crlと気相出力信号Crgとの差を演算する。
最後に、演算部60は、S4(ステップ3)において、S2で算出されたCとCrg・βとの差を、S3で算出された液相出力信号Crlと気相出力信号Crgとの差で、割る。このようにして、補正値Ccalc.が演算される。
記憶部61には、補正値Ccalc.と液位F3との相関を示す相関テーブルが格納されている。演算部60は、当該相関テーブルを用いて、補正値Ccalc.から液位F3を算出する。
図4に、補正を行わなかった場合の液位率と液位出力信号との関係を示す。図5に、補正を行った場合の液位率と液位出力信号との関係を示す。図4に示すように、補正を行わない場合、同じ液位出力信号C1が検出された場合であっても、相関線A1の場合は液位率a1、相関線A2の場合は液位率a2、相関線A3の場合は液位率a3というように、相関線A1〜A3により、言い換えると気体の誘電率、液体の誘電率により、液位率a1〜a3が変化してしまう。
これに対して、図5に示すように、補正を行うと、相関線A1〜A3の切片、傾きを補正することができる。このため、気体の誘電率、液体の誘電率によらず、相関線A4により、液位出力信号C1から、液位率a4を算出することができる。
具体的には、図3のS2における演算処理により、相関線A1〜A3の切片を標準化することができる。すなわち、気相出力信号Crgを基に、切片を標準化することができる。また、図3のS3における演算処理により、相関線A1〜A3の傾きを標準化することができる。すなわち、液相出力信号Crlを基に、傾きを標準化することができる。このように、補正を行うと、液相補償および気相補償を行うことができる。
[作用効果]
次に、本実施形態の液位センサ1の作用効果について説明する。図1に示すように、本実施形態の液位センサ1は、液位検出部2と、気相検出部3と、液相検出部4と、を備えている。液位センサ1は、液位検出部2の上下方向全長に亘って、液位F3を検出することができる。
図3に示すように、制御部6の演算部60は、液位出力信号Cを、気相出力信号Crgおよび液相出力信号Crlで補正することにより補正値Ccalc.を算出している。そして、当該補正値Ccalc.を基に液位F3を検出している。すなわち、演算部60は、液位検出部2が検出した液位F3を、気相側の環境および液相側の環境に応じて、補正している。つまり、演算部60は、気相補償および液相補償を行っている。このため、本実施形態の液位センサ1によると、気体F1の誘電率、液体F2の誘電率の変化によらず、高い検出精度で液位F3を検出することができる。
また、図1に示すように、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5は、基材7の前面にスクリーン印刷されている。このため、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を、単一の基材7の同一面に、集積して配置することができる。また、基材7の前面に対して、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を簡単に配置することができる。また、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5の位置精度、形状精度を高くすることができる。
また、基材7は、エラストマー製であり、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5は、各々、エラストマーおよび導電材を含んでいる。このため、基材7、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を柔軟にすることができる。したがって、基材7、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を変形させて配置しても、これらの部材に不具合が発生しにくい。また、導電材は、銀粒子(金属粒子)である。このため、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5の導電性を高くすることができる。また、基材7の切断時伸びは、400%である。このため、基材7の常温下での伸縮性を、確保することができる。
また、基材7は、シリコーンゴム(エラストマー)製である。また、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5は、アミン架橋アクリルゴム(エラストマー)製である。このため、基材7、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5のエラストマーは、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物を含まない。したがって、導電材として金属粒子が含まれているにもかかわらず、金属粒子が、酸化や硫化により劣化しにくい。よって、液位センサ1の耐久性が向上する。
また、図2に示すように、基材7の前面は、カバー層8により覆われている。このため、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を外部から絶縁することができる。また、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5に含まれている金属粒子の酸化を抑制することができる。また、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5は、基材7と、カバー層8と、の間に挟装される。このため、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5の変形は、基材7およびカバー層8により規制される。したがって、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5を補強、保護することができる。
また、カバー層8は、シリコーンゴム(エラストマー)製である。このため、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5に金属粒子が含まれているにもかかわらず、金属粒子が、酸化や硫化により劣化しにくい。したがって、液位センサ1の耐久性が向上する。
また、図1に示すように、液位検出部2の上下方向全長内の任意の上下方向位置において、気相用配線51aと液位用電極20bLとの間の左右方向距離dLと、液相用配線52aと液位用電極20bRとの間の左右方向距離dRと、は等しい。このため、液位検出部2の上下方向全長内の任意の上下方向位置において、気相用配線51aと液位用電極20bLとの間の浮遊容量と、液相用配線52aと液位用電極20bRとの間の浮遊容量と、は等しい。したがって、双方の浮遊容量が液位検出部2の液位出力信号Cに与える影響を、相殺することができる。
また、静電容量型のセンサの場合、常識的には、検出精度を高くするために、できるだけ浮遊容量が発生しないように、配線の長さや配置を工夫している。
これに対して、本実施形態の液位センサ1の場合、図1に示すように、敢えて気相用配線51aを、基材7の左縁に沿って上下方向に延在させている。そして、意図的に気相用配線51aと液位用電極20bLとの間に浮遊容量を発生させ、液相用配線52aと液位用電極20bRとの間に不可避的に発生する浮遊容量を相殺している。このように、本実施形態の液位センサ1によると、意図的に発生させた浮遊容量により、不可避的に発生する浮遊容量を、相殺することができる。
また、図1に示すように、気相検出部3と液相検出部4とは同一形状を呈しており、液位検出部2の図形重心Gに対して、点対称になるように配置されている。また、気相用配線51aと液相用配線52aと、は電気的に同じ極性を有している。また、気相用配線51aと液相用配線52aと、は液位検出部2の図形重心Gに対して、点対称になるように配置されている。このように気相検出部3、液相検出部4、配線部5をレイアウトすると、簡単に、気相補償および液相補償を行うことができる。
また、本実施形態の液位センサ1によると、一対の気相用電極30a、30bの形状、配置に関する定数をKrgE、一対の液相用電極40a、40bの形状、配置に関する定数をKrlE、一対の気相用配線51a、51bの形状、配置に関する定数をKrgP、一対の液相用配線52a、52bの形状、配置に関する定数をKrlPとして、KrgE=KrlEおよびKrgP=KrlPが成立している。このように気相検出部3、液相検出部4、配線部5をレイアウトすると、簡単に、気相補償および液相補償を行うことができる。
また、本実施形態の液位センサ1によると、式(7)の補正式により、補正値Ccalc.を算出することができる。式(1)〜式(10)に示すように、式(7)の補正式を用いて算出された補正値Ccalc.は、気体F1の誘電率、液体F2の誘電率の変化の影響を受けない。このため、本実施形態の液位センサ1によると、高い検出精度で液位F3を検出することができる。
また、図1に示すように、左上隅から右下隅に向かって、気相用電極30bと、気相用配線51bと、液位用電極20bLと、液相用配線52bと、液位用電極20bRと、液相用電極40bと、は一体的に形成されている。このため、一対の気相用配線51a、51bと一対の液相用配線52a、52bと一対の液位用電極20a、20bL、20bRとを各々独立して配置する場合と比較して、部品点数が少なくなる。
<第二実施形態>
本実施形態の液位センサと、第一実施形態の液位センサとの相違点は、液位検出部が、一対の液位用電極を備えている点である。また、気相検出部の一対の気相用電極が、各々、左右方向に延在している点である。また、液相検出部の一対の液相用電極が、各々、左右方向に延在している点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図6に、本実施形態の液位センサの前面図を示す。なお、図1と対応する部位については、同じ符号で示す。図6に示すように、液位検出部2は、一対の液位用電極20a、20bを備えている。気相検出部3の一対の気相用電極30a、30bは、各々、左右方向(水平方向)に延在している。一対の気相用電極30a、30bは、上下方向に対向している。液相検出部4の一対の液相用電極40a、40bは、各々、左右方向(水平方向)に延在している。一対の液相用電極40a、40bは、上下方向に対向している。
液位用電極20aは、液位用配線50aを介して、制御部6に電気的に接続されている。液位用電極20bは、気相用配線(液位用配線と兼用)51bを介して、制御部6に電気的に接続されている。気相用電極30aは、気相用配線51aを介して、制御部6に電気的に接続されている。気相用電極30bは、気相用配線51bを介して、制御部6に電気的に接続されている。液相用電極40aは、液相用配線52a、液位用電極20a、液位用配線50aを介して、制御部6に電気的に接続されている。液相用電極40bは、液相用配線52bを介して、制御部6に電気的に接続されている。
本実施形態の液位センサ1と、第一実施形態の液位センサとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のように、液位検出部2に一対の液位用電極20a、20bを配置してもよい。また、液位検出部2の左右両側に配置される気相用配線51aと液相用配線52bとが、異なる極性を有していてもよい。
<第三実施形態>
本実施形態の液位センサと、第一実施形態の液位センサとの相違点は、一対の気相用配線と一対の液相用配線とが、ハの字状に配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図7に、本実施形態の液位センサの前面図を示す。なお、図1と対応する部位については、同じ符号で示す。図7に示すように、一対の気相用配線51a、51bは、斜め方向(右上−左下方向)に延在している。一対の気相用配線51a、51bは、互いに平行に配置されている。一対の液相用配線52a、52bは、逆斜め方向(左上−右下方向)に延在している。一対の液相用配線52a、52bは、互いに平行に配置されている。すなわち、液位検出部2を挟んで、一対の気相用配線51a、51bと一対の液相用配線52a、52bとは、互いに線対称になるように配置されている。
液位検出部2の上下方向全長内の任意の上下方向位置において、気相用配線51aと液位用電極20bLとの間の左右方向距離dL1と、液相用配線52aと液位用電極20bRとの間の左右方向距離dR1と、は等しい。このため、液位検出部2の上下方向全長内の任意の上下方向位置において、気相用配線51aと液位用電極20bLとの間の浮遊容量と、液相用配線52aと液位用電極20bRとの間の浮遊容量と、は等しい。
液位検出部2の上下方向全長内の任意の上下方向位置において、一対の気相用配線51a、51b間の左右方向距離dL2と、一対の液相用配線52a、52b間の左右方向距離dR2と、は等しい。このため、液位検出部2の上下方向全長内の任意の上下方向位置において、一対の気相用配線51a、51b間の浮遊容量と、一対の液相用配線52a、52b間の浮遊容量と、は等しい。
本実施形態の液位センサ1と、第一実施形態の液位センサとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のように、一対の気相用配線51a、51bと一対の液相用配線52a、52bとが、図形重心Gに対して、点対称になるように配置されていなくてもよい。
<その他>
以上、本発明の液位センサの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図3に示すように、上記実施形態においては、補正値を、液位出力信号(静電容量)、気相出力信号(静電容量)、液相出力信号(静電容量)から算出した。しかしながら、液位出力信号(静電容量)、気相出力信号(静電容量)、液相出力信号(静電容量)を電圧に変換し、当該電圧から補正値を算出してもよい。すなわち、制御部6が、C(静電容量)/V(電圧)変換部を備えていてもよい。
液位用電極20a、20b、20bL、20bR、気相用電極30a、30b、液相用電極40a、40bの配置数、延在方向は特に限定しない。液位用電極20a、20b、20bL、20bRは、液位F3を検出できればよい。このため、液位用電極20a、20b、20bL、20bRの延在方向に、上下方向成分が含まれていればよい。気相用電極30a、30bは、常時、気体F1内に配置されていればよい。液相用電極40a、40bは、常時、液体F2内に配置されていればよい。
図7に示すように、第三実施形態においては、一対の気相用配線51a、51bと一対の液相用配線52a、52bとをハの字状に配置したが、逆ハの字状(上下逆さま)に配置してもよい。すなわち、液位検出部2を挟んで、一対の気相用配線51a、51bと一対の液相用配線52a、52bとが、互いに線対称になるように配置されていればよい。
図1に示す気体F1、液体F2の種類は特に限定しない。気体F1として、空気、不活性ガス(希ガス、窒素など)、水素などを用いてもよい。液体F2として、燃料(ガソリン、ケロシン、重油など)、水、オイルなどを用いてもよい。また、液体F2の粘度は限定しない。液体F2には、ゲル状体も含まれる。
基材7の材質は特に限定しない。樹脂およびエラストマーの中から、適宜選択すればよい。伸縮の繰り返しに対する耐久性、および静電容量を大きくするという観点から、伸び、強度、および比誘電率が大きいエラストマーが好適である。例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、およびこれらの発泡体が挙げられる。基材7は、樹脂またはエラストマー製のシートの他、繊維から形成される布(織布、不織布)でもよい。基材7の弾性率を調整することにより、用途に応じて検出感度を調整することができる。また、エラストマーは、可塑剤、加工助剤、架橋剤、架橋促進剤、架橋助剤、老化防止剤、軟化剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。
また、基材7の材質として樹脂を用いてもよい。例えば、ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂(ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等)、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、変性セルロース類(セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)等)が挙げられる。
液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5用のエラストマーとしては、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、イソブチレンイソプレンゴム等の架橋ゴム、およびスチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5用の導電材としては、各種導電性材料を用いることができる。導電材として金属粒子を用いる場合、金属粒子の酸化および硫化を抑制するという観点から、エラストマーには、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物のいずれも含まれないことが望ましい。この場合、エラストマーとしては、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物を用いずに架橋された架橋ゴム、および熱可塑性エラストマーから選ばれる一種以上を用いることが望ましい。
前者の架橋ゴムは、硫黄を含む加硫剤や加硫促進剤、あるいは過酸化物系架橋剤を用いずに架橋されたゴムであればよい。このような架橋ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、ヒドロシリル架橋エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、アミン架橋アクリルゴム、イソシアネート架橋ウレタンゴム、イソシアネート架橋液状ブタジエンゴムが挙げられる。後者の熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、スチレン系ブロックコポリマー系熱可塑性エラストマー(SIS、SBS等)が挙げられる。
導電材の種類は、特に限定しない。金、銀、銅、ニッケル、ロジウム、パラジウム、クロム、チタン、白金、鉄、およびこれらの合金等の金属粒子の一種、あるいは二種以上を用いることができる。また、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料を用いてもよい。また、金属以外の粒子の表面を金属で被覆した被覆粒子を使用してもよい。この場合、金属だけで構成する場合と比較して、導電材の比重を小さくすることができる。よって、塗料化した場合に、導電材の沈降が抑制されて、分散性が向上する。また、粒子を加工することにより、様々な形状の導電材を容易に製造することができる。また、導電材のコストを低減することができる。被覆する金属としては、先に列挙した金等の金属材料を用いればよい。また、金属以外の粒子としては、カーボンブラック等の炭素材料、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物、シリカ等の無機物、アクリルやウレタン等の樹脂等を用いればよい。
導電材の含有量は、導電性と柔軟性とを両立できるように、適宜決定すればよい。例えば、導電性を確保するという観点から、導電材の含有量は、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5各々の体積を100vol%とした場合の10vol%以上であることが望ましい。15vol%以上であるとより好適である。一方、導電材の含有量が多くなると柔軟性が低下する。このため、導電材の含有量は、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5各々の体積を100vol%とした場合の40vol%以下であることが望ましい。25vol%以下であるとより好適である。
上記実施形態においては、液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4、配線部5、カバー層8を、スクリーン印刷法により形成した。塗料の塗布方法は、特に限定されず、例えば、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、パッド印刷、リソグラフィー等の印刷法の他、ディップ法、スプレー法、バーコート法等を用いてもよい。
液位センサ1の種類は特に限定しない。例えば、対向電極型の液位検出部2、気相検出部3、液相検出部4を備える液位センサとして、本発明の液位センサを具現化してもよい。この場合、対向する電極を、平行板状に配置してもよい。また、対向する電極を、二重筒状に配置してもよい。
1:液位センサ。
2:液位検出部、20a:液位用電極、20b:液位用電極、20bL:液位用電極、20bR:液位用電極。
3:気相検出部、30a:気相用電極、30b:気相用電極。
4:液相検出部、40a:液相用電極、40b:液相用電極。
5:配線部、50a:液位用配線、50b:液位用配線、51a:気相用配線、51b:気相用配線、52a:液相用配線、52b:液相用配線。
6:制御部、60:演算部、61:記憶部。
7:基材、8:カバー層、90:タンク。
A1:相関線、A1〜A3:相関線、C:液位出力信号、Crg:気相出力信号、Crl:液相出力信号、β:センサ素子定数、F1:気体、F2:液体、F3:液位、G:図形重心。

Claims (7)

  1. 互いに対向する一対の液位用電極を有し、一対の該液位用電極の間の静電容量に基づく電気量を、液位出力信号として出力する液位検出部と、
    該液位検出部よりも上側に配置され、互いに対向する一対の気相用電極を有し、一対の該気相用電極の間の静電容量に基づく電気量を、気相出力信号として出力する気相検出部と、
    該液位検出部よりも下側に配置され、互いに対向する一対の液相用電極を有し、一対の該液相用電極の間の静電容量に基づく電気量を、液相出力信号として出力する液相検出部と、
    一対の該気相用電極に接続される一対の気相用配線と、一対の該液相用電極に接続される一対の液相用配線と、を有する配線部と、
    該液位出力信号を該気相出力信号および該液相出力信号で補正することにより補正値を算出し、該補正値を基に該液位検出部における液位を検出する演算部を有する制御部と、
    を備える液位センサ。
  2. 前記液位検出部と、前記気相検出部と、前記液相検出部と、前記配線部と、が同一面に配置される基材を備える請求項1に記載の液位センサ。
  3. 前記液位検出部は、上下方向に延在しており、
    一対の前記気相用配線のうち一方の該気相用配線と、一対の前記液相用配線のうち一方の該液相用配線と、は該液位検出部の水平方向両側に配置されており、
    任意の上下方向位置において、該気相用配線と該液位検出部との間の浮遊容量と、該液相用配線と該液位検出部との間の浮遊容量と、は等しい請求項1または請求項2に記載の液位センサ。
  4. 前記気相検出部と前記液相検出部とは同一形状を呈しており、前記液位検出部の図形重心に対して、点対称になるように配置されており、
    一対の前記気相用配線のうち一方の該気相用配線と、一対の前記液相用配線のうち一方の該液相用配線と、は該液位検出部の該図形重心に対して、点対称になるように配置されている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液位センサ。
  5. 一対の前記気相用電極の形状、配置に関する定数をKrgE、一対の前記液相用電極の形状、配置に関する定数をKrlE、一対の前記気相用配線の形状、配置に関する定数をKrgP、一対の前記液相用配線の形状、配置に関する定数をKrlPとして、
    rgE=KrlEおよびKrgP=KrlPが成立する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液位センサ。
  6. 前記液位出力信号をC、前記気相出力信号をCrg、前記液相出力信号をCrl、前記補正値をCcalc.、一対の前記液位用電極の間に気体だけが存在する状態である初期状態の該液位出力信号をCs0、該初期状態の該気相出力信号をCrg0、センサ素子定数をβ(=Cs0/Crg0)として、
    前記演算部は、以下の補正式を用いて該補正値Ccalc.を算出する請求項5に記載の液位センサ。
    calc.=(C−Crg・β)/(Crl−Crg
  7. 一対の前記気相用配線のうち一方の該気相用配線と、一対の前記液相用配線のうち一方の該液相用配線と、一対の前記液位用電極のうち一方の該液位用電極と、は一体的に形成されている請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の液位センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104501907A (zh) * 2014-11-20 2015-04-08 北京航空航天大学 具有自补偿电容式液位传感器的飞机燃油油量测控系统
CN104848915A (zh) * 2015-05-18 2015-08-19 怯肇乾 一种高精度自适应大测量范围的电容液位传感器实现方法
CN110146141A (zh) * 2019-04-26 2019-08-20 浙江大学 改进套筒型加样针的液面探测装置和方法

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