JP2014054568A - 可変電流密度単一針電気穿孔システムおよび方法 - Google Patents

可変電流密度単一針電気穿孔システムおよび方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気穿孔を実際に受ける組織の容積を定量的に測定し得ることを実現すると共に、神経感覚細胞含有組織内に送られる電気エネルギーの実質的な低減を実現して、治療物質の電気穿孔支援送達中に感覚細胞興奮を低減する可能性をもたらし得る、電気穿孔方法、電極、およびシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、単一針およびリングまたはドーナツ形状電極を備える改良型電気穿孔電極システムを備え、電極の表面積の差は、処置される組織の表面の近くでの電流密度の実質的な低減および単一針電極の終端部分に隣接する組織内だけでの電気穿孔に十分なより集中した電流密度を実現する。したがって、本発明は、電気穿孔のために特定の組織を標的にすることを実現し、また同様に、処置される組織内の電流の感覚を減少させることを実現するはずである。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、細胞の浸透性を増すための電気パルスの使用に関し、より具体的には、人および動物のインビボ組織の細胞内に薬剤成分および核酸を送達するために、人および動物のインビボ組織に制御された電気穿孔電界を印加する方法およびデバイスに関する。さらに、本発明は、電気穿孔を受ける組織処置部位の近くでの集中された電流密度、および、前記組織処置部位から離れたところでの、減少した電流密度の同時の非電気穿孔電界を実現する電気穿孔を実施する改良型でかつ新規な電極設計に関しており、その設計は、骨格筋および/または真皮組織および真皮下組織内など、予め決定されかつ測定可能な組織容積内への電気穿孔電気パルスの集中を実現すると共に、神経感覚細胞含有哺乳動物表面組織に対する実質的な電流低減をさらに実現する。
以下の説明は、本発明を理解するときに有用である可能性がある情報を含む。任意のこうした情報が、現在請求されている発明に対する従来技術であるか、または、それに関連すること、あるいは、具体的にまたは暗黙的に参照される任意の出版物が従来技術であるということは容認されない。
身体組織内にワクチンおよび他の薬学的薬剤を投与する古典的なモードは、シリンジおよび針を使用して筋肉または皮膚組織内に直接注入することによる。当技術分野で十分に開示されているように、電気エネルギーの電気穿孔パルスを直接注入と合体させることは、組織内の細胞内にこうしたワクチンおよび薬剤を直接送達することを実現する。電気穿孔電気パルスを使用した細胞へのこうした直接送達は、単純なシリンジおよび針注入の効果に比べて、身体の代謝システムおよび/または免疫システムの応答の品質に対して大きな臨床効果を及ぼす可能性がある。さらに、電気穿孔による細胞内への物質の直接送達の能力は、免疫応答を誘発する抗原性、または別法として、臨床効果をもたらす種々の生体経路に影響を及ぼす代謝を含む、任意の数の機能を有する、ポリペプチドをコードする発現性で裸のDNAの効果的な送達を可能にしてきた。
電気穿孔技術は、身体内の細胞コンパートメントに対する物質のより進歩した送達を可能にするが、米国特許第6,041,252号、6,278,895、および7,245,963に開示されるような組織貫入型電極アレイを使用して現在のところ一般に実施される電気穿孔プロセスは、実用的な臨床使用について少なくとも2つの明確な欠点を有する。これらは、第1に、複数の外傷誘発性の針を用いて皮膚障壁に貫入する必要性、および、第2に、電気穿孔を受ける組織容積を容易に確定し得ないことを含む。離間した組織貫通型針電極のアレイを使用する、古典的な電気穿孔技法は、比較的分散した組織エリアが電気穿孔されることを実現する。通常、離間した電極のアレイを使用するときに、電気穿孔を受ける組織容積は、アレイの電極によって境界付けされる容積より大きい。これは、正電極と負電極との間でインビボ組織を通る電気力線の自然な流れがあるためである。電気穿孔力が、アレイの外側でどれほど遠くまで移動することが可能であるかは、容易に定量化できない。これは、細胞によって摂取される薬物の量の定量化測定を非常に難しくする。そのため、治療的用量送達の制御に関して、電気穿孔を受ける組織の量、したがって、電気穿孔を使用して前記組織の細胞内に送達される薬物の投与量を定量化する必要性が残ったままである。
組織貫入に関して、典型的な離間した針アレイ設計はまた、肉体内への複数の針の貫入の実質的な感覚を引起すだけでなく、貫入型電極の導電性長さ部分が露出しているため、電気穿孔パルスのレシピエント(recipient)は、挿入された針の上側部分が非導電性皮膜を有していても、知覚可能な電気ショックを経験することになる。ここでは上側部分とは、表面および真皮組織に接触している針の長さを意味する。一般に、電気穿孔プロセスにおける電気パルスは、露出した2つの細長い電極間で送出されるパルスが、前記電極が貫入する肉体の全体の深さにわたって電界および電流を生じることから知覚可能である。皮膚組織はかなりの神経感覚細胞を持つため、外側組織領域における電気ショックの感覚がかなりのものであることが目下のところ理解されている。通常不快なこの感覚は、ワクチン接種のような用途における電気穿孔の広範な受容および使用に対する欠点である。さらに、電気ショックのいずれの感覚は、ある強さの電流を受ける組織面積または容積に直接関連すると仮定し、かつ参照によりその全体が本明細書に組込まれる同時係属中の特許出願第11/894,653号において本発明者等が示すように、哺乳動物における効果的な電気穿孔が、単一針だけを使用して可能であると仮定すると、離間した針電極アレイの使用は、必要である以上に、組織のより大きな面積に、電気パルス、その結果、感覚神経細胞の興奮を受けさせることが合理的であるとわかる。そのため、組織表面および皮膚ベース神経細胞の興奮を低減しながら、電気穿孔パルスを送達するための設計構成を見出すという必要性が当技術分野に存在する。
電気エネルギーの電気穿孔パルスの知覚可能な感覚に関して、感覚のレベルはまた、一部には使用される電極の設計、通常、ベア金属の性質による。たとえば、電極は、通常、たとえば、キャリパ、蛇行電極、皮膚の表面および皮膚に近い下地組織に電気パルスを送達する無侵襲針アレイ、ならびに、深い組織に電気パルスを送達する細長くかつ貫入型の針アレイなどの、種々の構成で構築される。電極を皮膚上に直接設置すること、または、皮膚を貫通させることは、神経刺激による疼痛に対する感度が非常に顕著である組織エリアに電極を設定する。したがって、高い濃度の感覚神経終末を有する組織エリアにおいて電流および電流密度を減じるメカニズムがない状態では、ショックの感覚はおそらく残るであろう。
そのため、電気穿孔を実際に受ける組織の容積を定量的に測定し得ることを実現すると共に、神経感覚細胞含有組織内に送られる電気エネルギーの実質的な低減を実現して、治療物質の電気穿孔支援送達中に感覚細胞興奮を低減する可能性をもたらし得る、電気穿孔方法、電極、およびシステムについての必要性が当技術分野に依然として存在する。
ここで本発明の利点を考えると、治療ポリペプチドをコードする発現性の核酸配列か、治療形態の核酸か、またはその誘導体を含む治療物質の、哺乳動物のインビボ組織に対する電気穿孔支援送達を行う装置が開示される。好ましい実施形態では、装置は、プロモータにリンクされ、かつ、それによりコードされたポリペプチドを発現させることが可能なDNA配列を細胞に直接送達するのに使用され得る。他の代替の好ましい実施形態では、装置は、RNA、RNAi、siRNA、microRNA、およびshRNAの任意のRNAを含む治療物質を送達するのに使用され得る。治療物質はさらに、サイトカイン、ホルモン、および障害および疾病の治療的処置において有用な他の機能分子をコードする発現性核酸を含み得る。
本発明はまた、局所的なまた全身的な処置のために、真皮および皮膚の下地筋肉コンパートメントを含む皮膚の細胞内に治療薬を送達するために、パルス状電界を使用するインビボ方法を含む。本発明の特に好ましい実施形態では、身体組織、ならびに、真皮内の細胞および筋肉細胞、特に、真皮内の筋肉細胞およびより深い組織内に位置する骨格筋細胞などの細胞内に治療薬を導入するインビボ方法が提供される。本発明の方法と共に使用するために予想される治療薬は、RNAi、siRNA、microRNA、およびshRNAを含む裸のまたは処方された核酸、ポリペプチドおよび化学療法薬、ならびに緩和薬(すなわち、治療的作用を直接及ぼす薬)または直接的な作用が少ない薬(たとえば、免疫応答を誘発するポリペプチドをコードする遺伝子)として直接使用され得る他の治療薬を含む。
別の実施形態では、本発明の装置は、電気穿孔を受ける組織処置部位においてまたその近くにおいての、高い電流密度を含む電気エネルギーの電気穿孔パルスと、同時に、前記組織処置部位から離れたところで相応して低減されたまたは拡散された電流密度を有する非電気穿孔電界を、インビボ組織に送達する能力を実現する。具体的には、本明細書で開示するように、本発明の装置は、以下でさらに述べる、単一の組織貫入型針電極および相応したリング対向電極を備え、リング対向電極は、細長い電極が、図2に示すように、平面リング電極表面に対して好ましくは中心にありかつそれに垂直であるように、細長い電極に対して空間的に配置された平面でかつ全体が円形または卵形の構造を備える。「リング(ring)」電極の実際の形状は、たとえば、円形、卵形、三角形、正方形、長方形、五角形、および六角形などのような各種の幾何形状を含み得る。
別の実施形態では、単一の中心の細長い電極は、組織貫通型遠位端および基材上に搭載される近位端を有する。細長い電極は、中実であるかまたは管状であり得、後者の場合、前記電極は、電極を通して流体物質を送達することが可能である。代替の実施形態では、管状構成は、有窓真皮下針(すなわち、流体物質を吐出するポートが針の側面に沿って有る)を備え得る、または、代替の特に好ましい実施形態では、管状電極は、管状針の先端に開口が全く存在しない有窓針を備え得る。こうした配置構成では、チューブを通る発現性流体媒体は、針の先端からではなく、代わりに、排他的に側面ポートを通して吐出されることになる。さらなる実施形態では、側面ポートは、チューブの少なくとも導電性遠位の0.1〜1.5cmの部分に沿って細長い電極上に配置される。関連する実施形態では、複数の側面ポートを形成する開口は、電気穿孔を受けることが意図される組織内に注入物質を均一に分布させるおどろくべき能力を提供し、前記開口の直径は約120ミクロンより小さく、前記開口の数が、電極の1cm長当たり、一般にほぼ10と100との間、好ましくは20と60との間、より好ましくは20と40との間である開口である。この配置構成は、針に連通するシリンジ上のプランジャに親指の圧力を加えることによって生物的に、流体に一定の力/圧力を容易に加え、針の有窓部の全長に沿って組織内にほぼ均等の分布を維持し得ることを実現する。
なおさらなる関連する実施形態では、針電極は、リング電極に対して静的なまたは固定した位置に設置されない。むしろ、細長い針電極は、電極上端の基材によって、皮下シリンジなどのようなリザーバに取付けられ得、リング電極に対して第1の位置から第2の位置へ針/リザーバを移動させるために、リザーバおよび電極は、アクチュエータ機構によって移動させられるように、リング電極表面の平面に垂直な平面内で可動である。第1の位置は、電極針先端が、リング電極の平面よりもさらにリング電極表面の平面を超えたところ(すなわち、組織に接触することが意図される表面)に存在しない静止位置を含む。こうした位置では、針は組織に接触しない。第2の位置は、針の先端が、組織の方向にリング電極の平面から0.5cmと4.0cmとの間離れたところに存在する伸張位置を含み、したがって、リング電極が組織表面に接触すると、組織内に0.5cmと4.0cmとの間だけ入った位置に針先端を設置することになる。
細長い針電極の管状電極の実施形態に関して、電極は、リザーバから電極のポート(すなわち、針の先端のポートまたは別法として有窓ポート)を通して注入物質などの流動性媒体を流すことが可能である。たとえば、電極の端の基材がプラスチックハブおよび典型的な真皮下針のロッキング機構を備える場合などの、任意の数の方法によって接続が行われ得る。さらなる実施形態では、前記細長い電極は、針基材マウントから、針遠位端から2.5cmと0.1cmとの間のところまで延在する前記電極に沿って非導電性表面を有する。さらなる好ましい実施形態では、前記電極が身体組織に接触すると、電極から非導電性表面を有する電極のセクションに沿う組織内に電流が流れないことになる。さらなる関連する実施形態では、非導電性表面は、任意のタイプの電気的に不活性な物質を含み得る。特に好ましい実施形態では、非導電性表面を構成する材料は、当業者が理解するように、たとえば、パラレン(paralene)、エポキシ、ゴム、プラスチック、テフロン(登録商標)などのような生体適合性があると共に非導電性である任意の材料から選択されることになる。
本発明の好ましい実施形態によれば、「リング(ring)」電極は、いくつかの有用な属性を含む。第1の実施形態では、電極は、一般にリング形状または卵形状であり、電極表面エリアは、中心針電極に対して比較的均等な対称配置を有する。好ましい実施形態では、皮膚に接触させられることが意図されるリング電極は、少なくとも約2.5cm2以上の表面積を有する。さらなる関連する実施形態では、リング電極の表面積は、細長い電極の導電性部分の表面積に比例して、リング電極と細長い電極との間で電気パルスが送出されるときに、前記電極間で電流密度のかなりの差を実現する。具体的には、細長い針電極表面の電流密度(IE)は、以下の式によって記述されるリング電極表面の電流密度(IR)に関連する。
E/IR=(AE/AR
Eは、細長い電極の電流密度(A/cm2)であり、リング電極の表面積(AR)と細長い電極の表面積(AE)との比として表され、IRは、リング電極の電流密度(A/cm2単位)である。そのため、たとえば、電流が0.5Aであり、細長い電極の表面積が0.20cm2であり、リング電極の表面積が20cm2である場合、電気穿孔パルスの継続時間中、リング電極の表面の平均電流密度は0.0125A/cm2であり、針電極の平均電流密度は1.25A/cm2である。上記細長い電極の露出した表面積は、以下のように、公称0.64mm直径および1.0cm非絶縁長を有する23ゲージ針について計算される。
表面積=(長さ)×(円周)=(1cm)×(2πR)=(1cm)×(2)×(3.14159)×(0.032cm)=0.20cm2
特に好ましい実施形態では、前記細長い電極上の前記非導電性表面の存在は、前記細長い電極の遠位部分の近くの細胞の電気穿孔をもたらすのに十分な密度の電流の照準または集中を実現する。こうした実施形態では、細胞の電気穿孔は、好ましくは、前記電極の前記導電性部分を囲み、かつ、低い電流密度のために細胞穿孔をもたらすのに十分な電気エネルギーを維持することが可能でない距離まで、リング電極に向かって前記組織内に延在するエリア内で起こる。換言すれば、電気穿孔を受ける組織のエリアは、細長い電極上の導電性エリアを直近で囲み、かつ、電気穿孔エネルギーパルスの強度に応じて少なくとも0.0cmと0.5cmとの間の距離にわたりリング電極に向かって細長い針から横方向および上方向の組織内に入る(すなわち、組織表面に向かう)エリアである。前記細長い電極からの距離が、リング電極に向かって増加するにつれて、電界強度および電流密度が、低過ぎて電気穿孔をもたらさない。特に好ましい実施形態では、その感覚が電流密度に関連する電気の感覚は、電流密度が低いため、おそらく組織または皮膚表面で著しく減少する。さらに、皮膚および筋肉組織(すなわち、表皮、真皮、真皮下、筋肉)などの細胞組織が平均的な導電率を持つと仮定すると、針電極から外で、所与の距離まで組織内に入った細胞を電気穿孔するのに十分な電界強度および電流密度を有する電気パルスにさらされる組織の容積がここで実験的に確定され得る。この進展は、定義可能な所定の容積内に分注される薬物容積/用量を、所望の処置結果に整合させることを可能にする。
別の関連する実施形態では、リング電極は、電気穿孔パルスを送出する前に皮膚表面上での電極の適切な設置を監視する能力を実現する「分割(split)」リング電極として設計される。具体的には、リングは、2つ以上の部分に、好ましくは2つの電気的に等しい半分に電気的に分離可能である。この配置構成は、電極が組織表面に接して設置され、生成されるセンサ電気信号が、電極の表面と組織表面との間の抵抗を検知することを可能にする。電極の各半分と組織表面との間の相対抵抗によって計算されるように、電極が組織表面に適切に接触した状態にあるとセンサが判定すると、リング電極の2つの半分は、互いに電気接続した状態にもたらされ、細長い針電極が組織内に展開され、電気穿孔パルスが、インビボ組織に送達される。この実施形態は、電気穿孔パルスを送達する前に、組織の電気インピーダンスの作用がリング電極に対して均一であることを確保することを実現する。分割リングインピーダンスセンサに関する代替の用途および/または同時の用途では、本発明のデバイスはさらに、リング電極に連結された圧力センサを含む。この実施形態では、圧力センサは、装置がパルス駆動されることになる前に、被検者の組織表面上へのデバイスの接触に関してユーザがかけなければならない圧力の所定のレベルを確定することを実現する。圧力を検知することは、電気穿孔エネルギーパルスのための良好な電気接触を維持するために、組織表面に対してデバイスがいつ適切に設置されたかを、デバイスのユーザがわかることを可能にする。
別の実施形態では、本発明の装置は、組織表面と一貫した接触をするために、装置に接して引寄せられるように組織表面を操作することを実現する。この実施形態では、装置は、リング電極の中心セクションを構成する柔軟隔膜として形成される吸引カップ配置構成を装備し得る。この実施形態では、隔膜は、玩具のダートガンの場合と同様に吸引カップとして形作られ、外側円周は、リングの内側円周と密封可能に接続されている。さらなる関連する実施形態は、カップの能動的な吸引の生成を補助することを実現し、カップは、リング電極の平面からわずかに外側へのカップのバネ作動式引張りを含み得るため、リングが組織表面に押付けられると、組織は上側のカップ窪みに押込まれる。カップ窪み内への組織の留置に続いて、細長い針電極は、吸引カップ隔膜を通して所望の深さまで組織内に駆動され得る。
なお別の実施形態では、装置は、細長い電極がその中に設置される組織タイプを検知することを実現する。好ましい実施形態では、その細長い電極を通る本発明のデバイスは、針が前記組織内に挿入されるにつれて、組織のインピーダンスを測定することが可能なセンサを装備する。そのため、たとえば、電極が、たとえば脂肪組織から深い筋肉組織へなど、1つの組織タイプから別の組織タイプへ通過するにつれて、電極によって検知されるインピーダンスは変化し、それにより、電極が、1つのタイプの組織たとえば脂肪組織から、別のタイプすなわち筋肉まで通過したという直接的な指示を提供する。
特に好ましい関連する実施形態では、本発明のデバイスは、組織タイプ内の所定の位置における電極内の側面ポートを通した流体治療物質の送達を設定するためにプログラム可能である。そのため、たとえば、電極の先端が、組織タイプ界面を越えて、または、組織タイプ界面より深く、0.5cmと1.5cmとの間だけ、通過した後、すなわち、針が、脂肪/筋肉組織界面を越えて通過すると、物質を送達し得る、たとえば、電気穿孔される物質が、筋肉組織内に吐出され得る。注入物が筋肉組織に送達されることが意図される特に好ましい実施形態では、細長い針電極の先端が、脂肪/筋肉組織界面を通過し、0.5cmと1.5cmとの間の距離だけ筋肉組織内に入るまで、流体は吐出されない。あるいは、物質の組織内の特定の送達場所が予め決定されるように、任意の貫入深さがプログラムされ得る。たとえば、指示に応じて、真皮組織への送達、脂肪組織への送達、または筋肉組織への送達が望ましい場合がある。そのため、センサが使用されて、物質を送達するための貫入針の場所および組織の任意の深さに対する電気穿孔パルスが指示され得ることは別の実施形態である。
なおさらなる実施形態では、本発明のデバイスは、デバイスが、可搬型であり、壁コンセントなどの電気エネルギーの固定供給源に取付けられることなく使用されるように、電気コンポーネントの新規の配置構成を有する。好ましい実施形態では、本発明のデバイスは、2000μF(マイクロファラド)の公称キャパシタンスを有する少なくとも1つのキャパシタを持つ。さらなる好ましい実施形態では、キャパシタは、前記キャパシタから電極へのエネルギー放出を送出する前に、最大200ボルトの値に充電され得る。特に好ましい実施形態では、回路機構は、キャパシタを相対的に過剰充電し、その後、キャパシタの放電によって、レギュレーションされる電圧回路機構を使用するように設計され、電極および処置組織を通してキャパシタから充電量が消散するためにキャパシタ電圧がたとえ降下しても、レギュレーションされる電圧回路機構は、患者に対してパルス期間長にわたって一定電圧パルスまたは比較的クリーンな方形波パルスを可能にする。その結果、こうした配置構成は、レギュレーションされるのが電圧放電であっても、一定電流パルスをシミュレートすることを可能にする。「レギュレーション済み電圧(regulated voltage)」とは、図6に示すように、キャパシタが充電される電圧より低い、キャパシタからのパルス中に出力されるダウンレギュレーションされた電圧を意味する。こうした低い電圧を使用することは、キャパシタの放電中に、パルス電圧が一定出力のままになることを可能にする。パルス中の電圧降下(デルタV)は、以下の式で近似される。
i=dQ/dt≒CΔV/tp
(式中、「i」は処置される組織内に入る電流であり、「Q」は「C」の最大キャパシタンスを有するキャパシタ上の充電量であり、tはパルス長である)
こうして、レギュレーション済み電圧出力パルスは、最大電圧Vからパルス(またはパルス列)にわたって予想される降下ΔVを引いた値より低くなるよう設定されるため、各パルスは、比較的クリーンな方形波になり、それにより、実質的に一定の電圧が組織に送達される。細長い電極とリング電極との間に見られる組織インピーダンスが、送達されるパルス全体にわたって(特に、細胞内への治療薬の電気穿孔送達で使用することが意図されるパルスについて)かなり一定であると判定されたため、実質的に一定の電圧は、パルス長全体にわたって組織内に実質的に一定の電流をもたらすことになる。
なおさらなる実施形態では、電気回路機構は、キャパシタが、交流源などの固定電気エネルギー源により直接に、誘導により、または、電池充電タイプユニットにより充電されることを可能にする。
なお別の実施形態では、細長い電極上に溜まる電荷は負に充電した極であり、一方、リング電極は正に充電した極である。負への充電とは、電子がそこから放出することを意味し、一方、正への充電とは、電子がそこに引寄せられることを意味する。この態様は、正電極から生成される金属イオンによる、身体組織内への正の金属イオン汚染を最小にすることを実現する新規の特徴を提供する。本明細書で開示されるように、イオン流出が、正の極においてほぼ排他的に起こることがわかった。具体的には、金属は、電気穿孔中、正電極からだけ本質的に排出される。そのため、本発明は、おそらく有毒の金属イオンによる生体環境の汚染を最小にしながら、身体組織内に電気穿孔の電気エネルギーパルスを供給する能力を提供する。電流の強度およびパルス長に比例したイオンが、リング電極から流出することが可能であるが、皮膚表面で流出する金属イオンは、皮膚障壁および身体の生体環境の外側で留まるはずである。
本発明の別の実施形態によれば、被検者において免疫応答を誘発させる方法が提供され、方法は、免疫応答誘発薬が身体組織の細胞内に導入され、それにより、被検者に免疫応答が誘発されるように、身体組織に対して免疫応答誘発薬を適用することと実質的に同時に、身体組織内の細胞、特に被検者の真皮細胞および/または筋肉細胞にパルス状電界を印加することを含む。
本発明のなお別の実施形態によれば、レシピエントに代謝作用またはその他の全身作用を導入するために、被検者の真皮内の筋肉細胞および下地骨格筋細胞などを含むある組織内の細胞に対する電気穿孔の治療的適用のための方法が提供される。たとえば、予想される方法は、遺伝子治療処置を含み、発現性サイトカインか、ケモカインか、ホルモンか、または直接の治療効果がある他のポリペプチドをコードする遺伝子が、哺乳動物に投与される。
なお別の実施形態は、電気穿孔治療と共に使用するための電極キットを含み、前記キットは、リング電極組立体を有し、前記組立体は、リング電極および細長い中心電極を備え、前記組立体は、前記リング電極および細長い電極組立体をハンドリングし、それを流体注入物供給源および電気エネルギー源と共に使用するデバイスに接続するように設計される。
なおさらなる実施形態では、本発明のデバイス設計は、牛、羊、山羊、および馬などの家内用の群れを作る動物/食料源動物にワクチン摂取させるかまたはその他の方法で処置するときに使用するために調節され得る。この実施形態では、リング電極は、リング上の複数の短い導電性突出部を持つように設計される。こうした突出部は、針電極に対して必要とされる総表面積比を提供すると共に、皮膚表面組織との適切な接触を可能にし、突出部は、リング電極/表面電極が、動物の毛、毛皮、髪またはウールコートに貫入することを可能にする。
本仕様は、カラーで実施される少なくとも1つの図を含む。必要な料金の要求および支払いによって、本仕様のコピーが、カラー図面(複数可)と共に提供される。
図1は、電気穿孔デバイスシステム10の略図を示し、電気穿孔デバイスシステム10は、リング形状電極99(ここで、リングは形状が卵形であるとして示される)、リング電極およびその組立体を支持する手持ち式可搬型デバイス100、前記リング電極組立体に電気接続した状態にあるキャパシタ(C)を充電する充電ユニット101、パルスパラメータを設定し、パルス駆動条件および前記キャパシタに与えられる充電量の品質を監視し記録するコンピュータ102を備え、コンピュータは、外部交流電力源103または別法としてDC電池(図示せず)によって電力供給される。 図2は、細長い電極120とリング電極200との間の相対的な空間配置の一実施例を示す図である。具体的には、細長い電極120は、リング電極200に対して中心の軸に沿って存在しかつリザーバ140に流体連通するように、リング電極200に対して垂直な平面内に設置される。細長い電極120はさらに、電流に対して非導電性であるセクション130を備える。図はさらに、細長い電極の近位端を構成する基材121ならびにリング電極を支持する支持基材201を示す。 図3A、3B、および3Cは、図3Aにおいて、組織内のリング電極および細長い電極の断面図を示す関連図である。具体的には、絶縁セクション130を有する細長い電極120が前記組織内にある状態で、組織表面15に係合したリング電極200が示される。典型的な電気穿孔エネルギーパルスによる理論的な電気力線310が示され、電気力線310は、細長い電極120で集中して高い電流密度になり、リング電極200の表面で集中していない。 図3Bは、細長い針120であって、針120の遠位領域に複数のボア150を有する、細長い針120の拡大図である。図はさらに、前記ボア150からの吐出物140および理論的な電気力線310を示す。 図3Cは、中心の高電流密度の針電極120から低電流密度のリング電極200へ放射する理論的な電気力線310を示す平面図である。 図4Aおよび4Bは、分割リング電極の実施形態を示す斜視図であり、リング電極は、物理的に2つの半分に分割され、2つの半分の間に小さな空気ギャップ152があるか(図4A)、または、物理的に分割されるが、非導電性基材160によって接続される。これらの実施形態では、リングの各半分は互いに絶縁している。 図5A、5B、5C、および5Dは、種々の有用な形状の分割リング電極についての、支持基材156に搭載される分割リング電極の電極側面155を示す平面図である。 図6は、比較的平坦なまたは一定の電圧放電を得るための、パルス中に実際に使用される高電位にキャパシタを充電することによって生成されるレギュレーション済み電位を示すグラフである。 図7は、本発明のリング電極システムを使用して送達される物質の電気穿孔されるボーラスの、可能な形状の略図である。 図8は、柔軟吸引カップ210が中心に位置するリング電極200を覆うリング電極支持体201の断面図である。図示するように、吸引カップ210は、この実施形態では、組立体ハウジング205の一部分に対して摺動可能な関係で、バネ215アシストライザ基材220に接続される。 図9A、9B、9C、9D、9E、および9Fは、25cc表面積リングの設置の図に対して重ね合わされたカラー緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein)(GFP)着色写真を示し、針電極は、GFP着色によって示される組織内の電気穿孔エネルギーの実際の集中が、パルスの電界強度および対応する電流密度に応じて、図7に開示される理論的に予想される結果に対応することを示す。図9A(GFP着色)および9B(GFPおよび可視光場)では、公称289mA/64ボルトパルスを使用したウサギの筋肉組織における結果が示される。図9Cは、公称384mA/81ボルトパルスを示し、図9Aの場合より多くの組織容積が電気穿孔パルスを受けた。図9Dでは、公称579mA/103ボルトパルスに伴うGFP着色が示され、さらに多くの組織容積が電気穿孔を受けることを示し、図9E(GFP着色)および9F(GFPおよび可視光場)では、組織容積電気穿孔がさらに多い公称758mA/138ボルトパルスに伴うGFP着色が示される。 図10Aおよび10Bは、GFP(図10A)およびGFPと可視光の組合せ(図10B)を示すカラー写真であり、組織は、2.5cc表面積を有するリング電極を使用する189mA/58ボルトパルスを受けた。図示するように、組織容積は、細長い針を接近して囲む組織に制限される。 図11Aおよび11Bは、細長い管状電極軸の導電性部分に沿う開口の配置を示す略図を示す。開口は、直径が20ミクロンと120ミクロンとの間であり得る。図示するように、開口は、針の長さに沿って離間し(図11A)、また、針の軸の円周の周りで互いに対して90度である(図11B)。 図12は、60ミクロン開口を通したGFPの注入の分散後の、筋肉組織における蛍光と可視光を混合したGFP着色を示すカラー写真である。観測されるように、注入物質の分布は、筋肉組織内の針トラックの周りに均等に分散する。 図13Aは、髪、毛、またはウールで覆われる家内用の群れの動物に電気穿孔パルスを送達するときに使用するように設計される代替のリングの実施形態の斜視図である。この実施形態では、リング301は、円形であっても、卵形であっても、分割されていてもいなくても、動物の皮膚組織に接触するために、髪、毛、またはウールコートに貫入し得る複数の導電性突出部300を装備する。 図13Bは、髪、毛、またはウールで覆われる家内用の群れの動物に電気穿孔パルスを送達するときに使用するように設計される代替のリングの実施形態の斜視図である。この実施形態では、リング301は、円形であっても、卵形であっても、分割されていてもいなくても、動物の皮膚組織に接触するために、髪、毛、またはウールコートに貫入し得る複数の導電性突出部300を装備する。 図14Aは、異なる組織タイプ界面、具体的には、脂肪または脂質組織および筋肉組織の検知を示すグラフである。 図14Bは、異なる組織タイプ界面、具体的には、脂肪または脂質組織および筋肉組織の検知を示すグラフである。 図14Cは、異なる組織タイプ界面、具体的には、脂肪または脂質組織および筋肉組織の検知を示すグラフである。 図15A、15B、15C、および15Dは、組織タイプを検知するプロセスと、それに続いて、注入物質を注入しながら、同時に組織内に針を駆動するプロセスを示す絵画図である。この構成で検知するために使用される電極が注入針上にあることを図15Aは示す。具体的には、電極400は、リターン電極401として働く針の先端から電気的に分離される。 図16A〜16Eは、複数の突出部を有するリング電極を使用した動物の筋肉組織の首尾よい電気穿孔を示すGFP着色写真である。各連続写真は、隣接組織スライスのものである。 図17Aは、組織界面を確定するために組織抵抗を検知するのに有用な、針用の構成実施例を示す図であり、典型的なシリンジ針の先端が構築され得、先端セクションは、1つの導電性の極として働き、一方、第2の導電性の極は、先端電極の周りに、第2の導電性の極と先端電極との間に絶縁材料を設けた状態で収容される。 図17Bは、組織界面を確定するために組織抵抗を検知するのに有用な、針用の構成実施例を示す図であり、2重針配置構成が示され、目下のシステムの中心針は、実際には、2つの密接した間隔の送達チューブであり、各チューブは個々の電極として働き得る。 図17Cは、組織界面を確定するために組織抵抗を検知するのに有用な、針用の構成実施例を示す図であり、2重中心電極システムについて、2つのさらなる設計フォーマットが示され、図示する電極は、電極の先端がそこを通過して駆動される領域だけに検知を集中するために絶縁体を有し得る。 図17Dは、組織界面を確定するために組織抵抗を検知するのに有用な、針用の構成実施例を示す図であり、2重中心電極システムについて、2つのさらなる設計フォーマットが示され、電極は、ここで開示されている本発明の要素について、絶縁部分だけでなく有窓ポートも持つ。 図18Aおよび18Bは、図18Aにおいて、本発明の方法およびデバイスを使用した、すなわち、平面リング電極および突出部を有するリング電極(櫛電極)を使用した、ウサギの組織の電気穿孔に続く、プラスミドgWiz−SEAP(分泌性アルカリフォスファターゼ(secreded alkaline phosphatase)(SEAP)をコードするプラスミド)の発現の結果を示すグラフである。Elgenデバイスを使用するコントロールネガティブおよびコントロールポジティブも示される。図18Bでは、ウサギにおける抗HBsAg抗体の誘発が、同じ送達条件を使用する同じ電極について示される。
ここで本発明のさらなる実施形態を考えると、本明細書で使用されるように、「生体適合性(biocompatible)」または「生体適合材料(biocompatible material)」は、治療のために人の身体内に導入するのに適する材料を意味する。たとえば、電極および導電性表面を覆うために使用される絶縁体などの材料に関して、こうした被覆は、不活性であり、かつ、哺乳動物の組織において刺激もアレルギーも誘発しない材料を含む。
本明細書で使用されるように、「注入物質(injection substance)」は、目標組織に送達される治療薬の任意の注入可能成分を意味する。本明細書で述べるように、本発明の実施で使用するために予想される治療薬は、本特許出願全体を通して開示される任意の核酸などの制限なしで核酸、ポリペプチド、化学療法薬などを含むと共に、たとえば、IL−2、IL−12、ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3、PSA、PSMA、PAP、MUC−1、Her−2、NS3、およびNS4などをコードするなど、ポリペプチドをコードする核酸配列、ならびに、RNA、DNA、RNAi、siRNA、microRNA、およびshRNAを含む核酸を含む。本特許出願のために、注入物質はまた、緑色蛍光タンパク質(GFP)および組織内に注入される材料の場所を可視化するときに使用される他の物質用のDNAコーディングを含み得る。注入物質はさらに、塩、賦形剤、および医薬品技術の専門家によって理解される許容可能な緩衝作用のための他の材料を含む医薬調剤を含み得る。
注入物質に付随して組織内に電気エネルギーの電気穿孔パルスを印加することに関して本明細書で使用されるように、用語「実質的に同時に(substantially contemporaneously)」は、電気パルスおよび注入物質が、組織に対して時間的にかなり近くで一緒に送達されることを意味する。好ましくは、注入物質は、電気エネルギーの電気穿孔パルスの前に、または、パルスと同時に投与される。複数の電気パルスを印加するとき、注入物質は、パルスのそれぞれの前かまたは後に、あるいは、電気パルス間の任意の時間に投与され得る。
本明細書で使用されるように、用語「インパルス(impulse)」、「パルス(pulse)」、「電気インパルス(electrical impulse)」、「電気パルス(electrical pulse)」、「電気パルス(electric pulse)」、「エレクトロパルス(electropulse)」、およびその文法上の変形は、交換可能であり、全てが電気刺激を指す。種々の用語が、しばしば、本明細書において単数で使用されるが、用語の単数形態は、複数のパルスを含む。好ましい電気パルスは、細胞膜の可逆的穿孔のために印加されるパルス状電界である。パルスは、単極性、2極性、指数関数または方形波あるいは他の形態であり得る。本発明の実施で使用するために予想される電気パルスは、身体組織内の指定された場所で電気穿孔をもたらすのに十分な電圧、電流、電流密度、および継続時間のパルスを含む。
リング電極システム
第1の実施形態では、本デバイスは、細胞の電気穿孔をインビボで実施する電極システムを備える。好ましい実施形態では、システムは、(1)全体がリングまたは卵形状の正電極と、(2)細長い組織貫通型単一針負電極であって、負電極の伝導性部分と非導電性部分の両方を備え、前記リング電極に対して中心で、かつ、リング電極の平面に垂直な軸に沿って存在するように配置され、それにより、針電極の遠位部分上の制限された電極表面に電流が流され得る、細長い組織貫通型単一針負電極と、(3)単一針電極を組織内へと駆動する機構と、(4)前記細長い針電極を通して有効量の治療薬を含む流体を注入する機構と、(5)キャパシタを充電する少なくとも1つの電気エネルギー源であって、電気エネルギー源の放電は、電極に電気エネルギーの電気穿孔パルスを送達するための、少なくとも1つの電気パルス、好ましくは方形波レギュレーション済み電圧パルスを含む、電気エネルギー源と、を備える。
本発明の一般的な実施形態の実施例は図1に示される。具体的には、システム10は、リング/針電極に連結する可搬型の手動操作可能なハウジング100と、充電ユニット101と、コンピュータソフトウェアシステム102と、電力源103とを含む。この電力源103は、A/CまたはD/Cであり得る。
ハウジング要素100はさらにドライバを備え、ドライバは、カム、ギア、および/またはレバーを使用して、あるいは、電動機などの非生物手段によって機械的に作動されて、開始位置から終端位置まで単一の細長い電極を駆動し得、その電極の移動は、約0.5cmの変位と4cmの変位との間であり得る。好ましい実施形態では、単一の細長い電極120(図2)は、注入針としても働く。したがって、注入針120の少なくとも一部は、電気導体の品質を持つ材料で形成されなければならない。好ましい実施形態では、ドライバは、針に取付けられるリザーバ自体を駆動することによって細長い針を操作する。特に好ましい実施形態では、ドライバは、シリンジが、開始位置から終端位置まで電極/注入針の組合せによって搬送されるように、シリンジの本体を操作する。
特に好ましい実施形態では、針電極は、たとえば、その長さに沿ってかつ針先端の近位に配設される1つまたは複数の開口を設けることによって(すなわち、有窓針)、注入物質の半径方向送達を実現するように修正され得、前記開口は、注入針の中空内部に流体連通する。針120は、ステンレス鋼、金、銀などの生体適合性金属で形成され得る。さらに好ましい実施形態では、細長い電極120は、典型的なシリンジ針と対照的に針の先端にポートを有しないように設計され得る。こうした実施形態では、ポート(開口)は、電極軸の導電性部分の周りだけに位置するため、ポートから吐出される流体は、図3Bに示すように、電気エネルギーの電気穿孔パルスを送達するために意図されるエリア内で組織に直接流される。典型的な有窓針(吐出される流体は、存在する場合、針の先端に位置するポートから、または別法として、水文技術の専門家によって十分に理解される流動特性のために、針経路に沿う発現性流体によって接触される上側または第1の側面ポートを通して主に流れる)と対照的に、本発明の有窓針は、開口のサイズ範囲および先端開口の除去によって、流体注入物質を注入するための公称圧を使用して、前記ポートを有する針の全長に沿って、前記開口を通した流体の均等分布を実現する。公称圧とは、ミクロンサイズの開口を有する電極から流体を吐出するのに必要とされる圧力が、標準的な真皮下針を通した物質の注入中に通常必要とされる圧力に過ぎないことを意味する。この意外な発見は、針軸に沿う開口をミクロン範囲の直径にサイジングすると共に、導電性針/電極の1cm当たり、10と100との間の開口、より好ましくは20と60との間の開口、さらにより好ましくは、20と40との間の開口の範囲にある複数のこうした開口を含むことによってもたらされる。好ましくは、各開口を通る流体の均等な発現を得るための開口直径は、20ミクロンと120ミクロンとの間、よい好ましくは30ミクロンと100ミクロンとの間、さらにより好ましくは30ミクロンと80ミクロンとの間である。特定の直径は、20、25、30、40、50、60、70、80、90、および100ミクロン、ならびにその間の任意の各段階の直径を含む。開口の数は、好ましくは、少なくとも20/導電性電極長1cm、より好ましくは少なくとも30/導電性電極長1cm、さらにより好ましくは少なくとも40/導電性電極長1cmである。図11Aおよび11Bに示すように、複数のミクロンサイズ開口は、針軸に沿ってかつ針軸から円柱分布するように離間し、図11Bに示すように、開口は、4つの開口が、図示するように互いに対向するように90度の角度で針円周の周りに離間し得る、または、針長さ当たりにより多くの開口を得るために、60度で針円周の周りに離間し得る。なおさらに、開口は、螺旋構成で針軸に形成され得るため、たとえば開口の60度断面配置が使用されると、開口は、針の同じ断面内にあるのではなく、断面平面からずらして配置されるため、針軸に沿う開口の形成は螺旋フォーマットになる。図12にさらに開示するように、GFP実験からの結果は、GFPの円柱位置特定によって示されるように、発現材料の針トラックの周りの一貫した分布を示す。この実験では、形質移入された容積は1.2cm3で測定され、組織は2つの連続する60ミリ秒98Vにさらされ、768mAパルスが200ミリ秒離れて送達された。
なお他の実施形態では、単一針電極は、導電性でない絶縁部分130を有する。特に好ましい実施形態では、非導電性部分は、生体適合性プラスチック、パラレン、テフロン(登録商標)、エポキシ、または、電流を流すことを許容しない他の材料などの絶縁性被膜によって設けられ得る。なおさらに、前記細長い電極の非導電性部分は、前記電極上で前記電極の近位領域に沿って位置する。具体的には、細長い電極は、近位端(身体組織に送達するために、注入物質を含むリザーバと流体連通する)と、電極の遠位端から0.1cmと2.5cmとの間の終端部との間に非導電性表面を有することになる。
さらなる実施形態では、リング形状電極200は、たとえば図5A〜5Dに示すように、限定はしないが、円形リング、ドーナツ円、卵形ドーナツ、長方形リング、二等辺三角形ドーナツ、正三角形ドーナツ、正方形リングドーナツ、長方形ドーナツ、五角形リングドーナツ、および六角形リングドーナツなどを含む対称を有する任意の平面形状で形成されてもよく、電極が、平面で形成され、全体が対称であり(すなわち、比較的等しい2つの導電性部分に均等に分割可能である形状を有するものとして認識され得る形態を有し)、少なくとも平面の一方の側面(すなわち、電極がそこに接して設置される身体表面に面する側面)において伝導性がある限り、電極はさらに、ボイドまたは穴などの導電性材料がない、または別法として、たとえばゴムまたはシリコンなどの柔軟材料などの非導電性材料である、リング構造に対する中心のエリアを有する。こうした柔軟材料が存在する場合、こうした材料は、組織表面から外側に引張られるように表面組織を付勢する吸引カップとして働くように設計され得る。さらなる実施形態では、リングの中心を形成する空のエリアまたは非導電性エリアは、ボイドを通しかつ表面組織に直接接触しようと、または別法として、前記弾性吸引カップを通しかつ前記組織に接触しようと、細長い電極がそのエリアを通過することを可能にする。
別の特質では、リング電極は、2つの半分に電気的に分離可能であり得るように設計される。具体的には、リングは、2つの別個の半分として製造され得る、または、非導電性物質によって共に接続された2つの半分を備え得る(図4Aおよび4Bを参照されたい)。この態様では、リング電極の半分は、互いから電気的に分離され得、その電気的配置構成は、電極を使用して、リング電極と組織表面との電気接触の品質を監視する能力を実現する。接触を検知することを実施する特定の電気的配置構成は、電気技術の専門家によって容易に理解可能である。作動時、たとえば、本装置のリング電極は、皮膚に押付けられる。リング電極システム回路機構は、分割されたリングの各半分に対する電気リード線を含み、電極の各半分を通して公称電気信号を送出することによって電極と表面組織との間で測定される、検出電流または別法として抵抗に関して、インピーダンスチェックが各半分について行われ得る。リング電極が組織表面に接して適切に設置される場合、各半分で測定される抵抗または電流は、本質的に同じであることになり、ユーザが、リング電極およびデバイスを組織表面に均等に当てたため、単一の細長い電極が組織内へと挿入され、電気パルスが細長い電極とリング電極との間に送出されると、細長い電極と分割電極の2つの半分との間の電流が同じになることを示す。たとえば、図5A〜5Dに示す形状を含む多数の分割リング電極形状が使用され得る。
リング電極の中心のボイドエリアが吸引カップとして働くゴムまたは他の柔軟非導電性材料を備える実施形態に関して、組織表面は、吸引機構によってカップ内に押込まれ得、組織が弾性材料に接するよう引張り上げられ、それにより、組織表面とリング電極との間の一貫性のある導電率を維持するために組織と電極との密接しかつ一貫性のある接触を実現する。吸引カップに接する組織の引張り上げはさらに、異なる処置被検者間での注入物質送達の深さの一貫性を維持することを実現する。組織が吸引カップに接して引張り上げられると、細長い針は、吸引カップゴムを貫通しかつ組織内に一貫した所定深さまで駆動され得る。
図8に示すように、たとえば、機構は、リング電極基材201と密封可能に接続される弾性吸引カップ210を備えるリング電極組立体内に組込まれ得る。具体的には、たとえば、組立体ハウジング基材205と摺動可能な関係にあるバネ215式ライザ基材220は、吸引カップの(組織表面から)外側への引張りを補助するためにリング電極に接続され得、外側への引張りは、使用時に、表面組織を上側に押しやることを実現することになる。
好ましい実施形態では、細長い電極は、その近位端で、注入物質を含むリザーバに流体連通している。さらなる好ましい実施形態では、本発明の装置は、細長い電極および任意選択で細長い電極に取付けられた前記リザーバを、前記ハウジングおよびリング電極に関して開始位置から終端位置まで駆動するドライバ機構を含む。好ましくは、作動する細長い電極の移動長さは、0.5cmと4cmとの間のどこかの値であり得る。吸引カップを備える実施形態の場合、針は、吸引カップを貫通しかつ組織内に入るように誘導される。
なお別の付随するかつ/または代替の実施形態では、リング電極システムは、電気および機械技術の専門家が作成方法を理解するように、リング電極に連結する圧力センサを備え得る。この実施形態では、圧力センサは、リング電極が組織表面に押付けられると、前記組織に接するデバイスに印加される物理的圧力をセンサが測定するように配設される。圧力の値が十分である場合、デバイスは、電極に対する電気エネルギーの電気穿孔パルスの送出を起動することが可能になる。好ましい実施形態では、デバイスの起動のために必要な圧力は、0.5lbs/平方インチと1lbs/平方インチとの間であり得る。各技術の専門家が理解するであろうように、本発明の装置は、組織表面に当たるようリング電極にかかる物理的力の量を確定するために、前記圧力を測定するソフトウェアを含む。こうした物理的力の印加が、リング電極と組織表面との間の良好な電気接触を補助することを意図することが理解されるべきである。吸引カップを備える実施形態の場合、こうした圧力はまた、吸引カップの機能を補助するため、吸引が起動されると、組織は、前記吸引カップに接するよう容易に引込まれることになる。
なおさらなる実施形態では、本発明は、標準的なステンレス鋼組織貫入型電極を使用するときに、哺乳動物の組織内へのおそらく有毒な金属イオンの流出を回避するというこれまで発見されていない能力を実現する。米国特許出願第10/516,757号に開示されるように、金コーティングされたステンレス鋼電極の使用によって、ステンレス鋼内に存在する有毒な重金属が組織内へと流出しないようになることが知られているが、金の使用は、金の付加コストならびに電極への金の塗布があるため、ステンレス鋼ほどには所望されない。意外にも、本明細書で開示されるように、ステンレス鋼は、組織貫入型電極で使用され得、たった今の場合と同様に、たった1つの組織貫入型電極および組織貫入型でない対応する対向電極が存在する。この事例では、ステンレス鋼貫入型電極は、こうした電極が負に充電した電極として働き、一方、本明細書で開示されるリング電極などの組織貫入型でない電極が負電極として働く場合、組織内に最小量の金属イオンを流出させることになる。
本発明者等による実験において、負電極または正電極として設定された、標準的なステンレス鋼皮下注入針は、負電極または正電極として同様に設定された、金電極と対照して生理食塩水内で試験された。金電極が負電極として設定され、ステンレス鋼電極が正電極として設定される場合、400mA電流および40ボルトの2つの60ミリ秒電気穿孔パルスに続いて溶液内に見出される金属イオンは、以下の通りであった。すなわち、マンガン0.035ppm(百万分率)、ニッケル0.200ppm、モリブデン0.003ppm未満、クロム0.413ppm、および鉄0.977ppm。対照的に、同じ条件下で、金電極が正電極として設定され、ステンレス鋼電極が負電極として設定される場合、溶液内に流出した検出可能な金属イオンは実質的に皆無であった。すなわち、それぞれの場合に、マンガンであれ、ニッケルであれ、モリブデンであれ、クロムであれ、鉄であれ、0.003ppm未満が観察された。
特に好ましい実施形態では、リング電極の表面積は、細長い電極の表面積に比例する。一般に、リング電極の表面積と針電極の表面積との比は少なくとも5:1である。好ましくは、リング電極の表面積と細長い電極の表面積の比は、10:1と1000:1との間である。10:1の比は、人被検者で使用するのに好ましく、一方、5:1と10:1との間の比は、群れを作る動物で使用するのに受容可能である。関連する実施形態では、リング電極は、1cm2と100cm2との間の表面積を有し、細長い電極の導電性部分は、0.01cmと3.0cmとの間の長さを有し得る。こうした直線的な寸法範囲を有する細長い電極の場合、こうした長さに相当する表面積は、電極のゲージ(すなわち、電極のそれぞれの外径)に依存する。以下のスケジュールAに示すように、細長い電極の表面積は、式:面積=CL=πDLを使用して描写され、ここで、Dは直径であり、Lは露出長である。
有用な細長い電極表面積についての先にリストに関して、特に好ましい実施形態では、電極針のゲージは、最大4.0cmの挿入深さついて、約0.1cm2〜0.6cm2の範囲の22ゲージと24ゲージとの間であり得る。
先のリング電極と細長い電極の表面積比に関して、こうした比は、電流密度と相関関係があり、リング電極と細長い電極との間の関係は、先に述べたように以下の式、すなわち、
R/AE=IE/IR
によって記述される。式中、ARはリング電極の表面積であり、AEは細長い電極の表面積であり、IEは細長い電極の平均電流密度であり、IRはリング電極の平均電流密度である。そのため、細長い電極およびリング電極の任意の所与の表面積について、比は、細長い電極およびリング電極表面で観測可能な電流密度に正比例する。特に好ましい実施形態では、リング電極と露出した細長い電極の平均電流密度の比は、1000:1〜50:1、より好ましくは200:1〜100:1のどこかの値を有することが意図される。さらに、こうした値の比は、リング電極の近くで非電気穿孔電気エネルギーを得ながら、細長い電極の近くで電気穿孔電気エネルギーを得ることに直接関連する。こうした比はさらに、感覚神経細胞を興奮させるのに利用可能な電流の減少を実現し、したがって、リング電極の近くの表面組織における電気ショックの感覚の減少の可能性をもたらす。これは、(一定電流放電パルスの)0.01Aと1.0Aとの間の公称電流を有する電気エネルギーのパルスを送達するときに特に当てはまる。
当業者にとって理解可能であるように、細長い電極とリング電極の表面積の差は、パルス駆動中に、電極間に存在する組織容積全体を通して電流密度が不均一である状況を実現する。具体的には、電流密度は、図3A、3B、および3Cに示すように、細長い電極の非絶縁部分において非常に高く(少なくとも電極に隣接するかまたは電極の近くの細胞の電気穿孔を実現するのに十分に高く)、リング電極表面において実質的に低い。リング電極組立体が、対称性を組込んだリング電極を一端に、細長い電極の導電性部分を他端に持つように設計される特に好ましい実施形態では、細長い電極に垂直な所与の平面内の、リング電極と細長い電極との間の任意の所与の距離の組織において確立される電流は、主にリング電極の形状の対称性のために、同じ電流密度を有する。さらに、電流密度は、リング電極に向かう各段階寸法において、組織内で比較的均等に減少する。そのため、細長い電極の周りの組織内でかつ細長い電極から組織内に延在する所与の平面内の組織の本質的に全ては、細長い電極における密度より低い同じ電流密度を経験することになる。なおさらに、電気穿孔を受けることを意図される組織のエリアは、細長い電極の導電性領域内の針トラックに沿い、かつ、電気穿孔されるのに十分な、細長い電極からの距離だけ組織内に入った組織である(すなわち、絶縁されていない電極の部分に沿う針トラックから少なくとも0cmと0.5cmとの間に存在する細胞の少なくとも一部が、局所電界強度に応じて電気穿孔を受ける)。電気穿孔が起こることになる針トラックから組織内に入る距離は、使用されるパルスエネルギーならびに他の因子に依存する。パルスの電界強度が高ければ高いほど、電気穿孔が起こる閾ポイントは、リング電極方向の組織内に深く入ることになる。
電界強度の現象を、電界強度が本発明において未変化の組織の電気穿孔に関するものと見なすと、「電流密度(Current Density)」を、「電界強度(Field Strength)」に関するものとして可視化する方法は以下の通りである。以下に示すように、
2つの平行板であって、面積が1cm2で、2つの平行板にわたる電位が100ボルトで、さらに長さL=1cmだけ分離される、2つの平行板の理論的状況の場合、電界線(electrical field line)および電流の方向は、矢印で示される。平行板電極の場合、板間の平均電界強度は、V/L=100ボルト/1cm=100V/cmである。板間の電流は板間の組織のインピーダンスに依存する。このインピーダンスが、たとえば100オームである場合、板間の電流は、I=V/R=100/100=1.0Aである。これは、I/A=1000mA/1cm2をもたらすことになる。異なる電極構成および異なる組織インピーダンスの場合、電界強度と電流密度との関係は異なることになる。しかし、両者は、ほぼ互いに比例して変わることになる。細長い電極とリング電極の構成では、電流密度の大きさは、有効な電気穿孔を確定するのにより容易に使用され得る。この閾値は、ほぼ300mA/cm2であるようにウサギの筋肉において実験的に測定された。閾値を超える電流密度を経験する組織は、電気穿孔されることになり、閾値未満の組織は電気穿孔されないことになる。この閾値を表す組織の3次元領域内の境界を確定することによって、この境界内の容積および形状が、電気穿孔されることが予測され得る。
図9A〜9Fに示すように、エネルギーの電気穿孔パルスにさらされる組織の容積は、組織の測定可能な距離/容積を越えて電気穿孔エネルギーを拡散させることなく、本質的にダイヤルインされ得る。図9Aでは、プロトタイプの発明デバイスは、64Vパルスに関連する289mAの実際の測定値でパルス駆動されたニュージーランド白ウサギの脚四頭筋において試験され、図9Cでは、より大きい組織容積が、81Vパルスに関連する384mAを使用して電気穿孔された。図9Dでは、さらに大きい組織容積が、103Vパルスに関連する579mAを使用して電気穿孔され、図9Eでは、さらに大きい組織容積が、138Vパルスに関連する758mAで電気穿孔された。図9Bおよび9Fでは、GFP蛍光のみの写真とGFPと可視光写真が共に開示され、筋肉組織内への処置ゾーンの電気穿孔拡散挙動を示す。これらの実験(図9A、9B、9C、9E、および9F)のそれぞれにおいて、GFPをコードするプラスミドDNA溶液の280μl(マイクロリットル)容積が、ウサギの筋肉に注入され、その直後に、必要なパルスが印加された。図9Dでは、70μlGFP DNA溶液だけが使用されて、電気穿孔がGFP DNAを含む組織容積の全てを包含することになる(すなわち、注入物の飽和に達しない)ことが示された。そのため、図9Dでは、測定される実際の電気穿孔される容積は、図9Bでは、注入される容積が約2/3多く、かつ、電気エネルギーが少なく、一方、図9Eでは、注入される容積が約2/3多く、かつ、電気エネルギーが多くても、図9Bおよび9Eより小さい(表IIを参照されたい)。この実験についてのリング電極の導電性表面積は、ほぼ25cm2であり、細長い電極の導電性表面積は、ほぼ0.22cm2であった。
リング電極表面積は、以下の表Iに示すように、電流密度と相関関係がある。表Iは、25cm2の表面積を有する卵形リング電極を装備するシステムおよび種々の印加電界強度についての数字を示す。
表Iは、リング電極(RE)および細長い電極(EE)における電流密度の計算結果を示す。これらの計算では、細長い電極の場合、22ゲージ針(0.7mmOD A 0.4mmID)と23ゲージ針(0.64mmOD A 0.1mmID)との間の皮下針の表面積の平均が使用された。具体的には、種々のゲージ針は、以下の寸法を有する。
22ゲージ、0.028インチOD×25.4=0.71mm
23ゲージ、0.025インチOD×25.4=0.64mm
ここで、面積=CL=πDL=3.14159×0.07cm×1cm=0.22cm2(22ゲージ針、針の全長の中で、遠位1cmが、絶縁されていない電極の部分であるため、遠位1cmが計算に使用された)。23ゲージ針の面積は、たとえば、0.20cm2である。
たとえば、24ゲージ、0.022インチOD×25.4=0.56mm、25ゲージ、0.020インチOD×25.4=0.51mm、および26ゲージ、0.018インチOD×25.4=0.46mmなどの他のゲージ針が使用され得る。それぞれについて、電流密度について同じタイプの比が生成され得るが、本明細書では示されない。
表Iはまた、0.44cm2の表面積を有し(2cm全てが絶縁されていない)、それにより、本発明の細長い電極の場合より大きな表面積を有する、22ゲージの2つの2cm長の針電極を使用する電気穿孔デバイス(2003年7月3日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組込まれる米国特許出願第10/612,304号に開示される、Inovio Biomedical Corp.(サンディエゴ所在)製Elgen電気穿孔デバイス)についての電流密度を示す。Elgenデバイスの計算に関して、0.5cmの距離にある2つの細長い非絶縁性平行電極間の公称電界強度は、かなりの神経刺激を生成することが可能な高い値(約100V/cm)のままであり、一方、本発明のリング電極における電界強度は、その値の1/50程度(0.29V/cmと2.42V/cmとの間)であることが明らかである。
印加される電界強度(V/cm)は、針電極とリング電極との間の、両者間の最も近い距離における(1cmで任意に計算された)ボルトとして解釈され得る。たとえば、本発明のデバイスの電極間の距離は、少なくとも1cmと4cmとの間の範囲であり得、4cmは、針先端とリング電極上の最も遠い外縁との間で測定される(ここでは、先に開示した25cm2リング電極について計算される)。細長い電極とリング電極との間のV/cm単位の正確な「電界強度(field strength)」は、容易に計算され得ない。その理由は、電界強度が、電極間で一定ではなく、細長い電極から、幅広の横方向プロファイルを有するリング電極に向かって減少するからである。しかし、こうした計算は、Elgenデバイスなどで、平行電極を使用するシステムについて行われ得る。こうしたデバイスでは、明確に規定される平行電流源を電極が表すため、また、(2つの平行電極板を刺激する)電界の性質が均一であるため、電流密度(mA/cm2)および電界強度が確定され得る。この比または関係が使用されて、針に隣接する最も強いポイントにおいて、リング電極配置構成についての等価電界強度を推定し得る。この比は、たとえば以下のように計算される。0.5cm離れたElgenデバイス電極にわたる50V放電は、100V/cmの電界強度をもたらす。Elgenデバイスの2つの電極間の100Ωの組織インピーダンス値を使用すると、式によってI=V/R=50/100=500mAをもたらす。2cm長の2つの22ゲージ針および約0.44cm2の表面積の使用は、I/A=500mA/0.44=1136mA/cm2の電流密度をもたらす。したがって、電流密度(1136mA/cm2)と電界強度(100V/cm)との比は11.4である。この値は、表Iに反映される。
したがって、表Iのデータは、本発明のリング電極システムによって、電流密度および電界強度(V/cm単位)が、身体組織、すなわち、感覚神経細胞を含む皮膚組織の複数のエリアで限界値まで減少し得ることを示す。50ボルトの印加電圧にて、リング電極で経験されるV/cmは、0.61に過ぎず、一方、100ボルトの印加電圧は、1.2V/cmに過ぎないリング電極のV/cmをもたらす。印加電圧が200V程度に大きい場合でも、リング電極のV/cmは、2.4V/cmに過ぎない。対照的に、従来技術のElgenデバイスにわたってたった50Vを印加することは、両方の電極において100のV/cmが経験される。電極の一部分に絶縁体を付加することなどによって、米国特許6,041,252、6,278,895、および7,245,963の任意の特許に開示されるように、Elgenまたは他の同様な電極配置構成において細長い針の導電性部分の面積を単に減少させることは、V/cmを低くするのではなく、実際には、V/cmを増加させる可能性がある。そのため、本発明の中心電極上での絶縁体の使用は、従来の組織貫入型電極において適用されるのと実質的に異なる。
リング電極の表面積が2.5cm2である場合など、より小さなリング電極寸法が使用される本発明のさらなる実施例は、電気穿孔が意図される組織容積に対して同じコントロールを実現するために示される。リングが比較的小さな直径を有するリング電極実施形態によって、電流は、参照によりその全体が本明細書に組込まれる係属中の米国特許出願第11/804,703号に開示されるようなリングでない単一針システムと同様に、組織を通して横方向に少なく流れ、細長い電極の近傍に沿って多く流れる。図10Aおよび10Bに開示するように、200mA設定(189mAおよび58Vが測定された)を使用したニュージーランド白ウサギの四頭筋における実験は、狭い組織容積が電気穿孔されることをもたらす。ここで、細長い電極の平均電流密度は、189mA/0.22cm2=859mA/cm2で計算され、リング電極の平均電流密度は、189mA/25cm2=7.6mA/cm2で計算された。そのため、リング電極が小さい寸法であろうが、大きな寸法であろうが、電気穿孔を受ける組織容積は、組織内でのGFP発現を測定し、電気穿孔された組織容積を、治療物質の注入容積/濃度に関係付けることなどによって、実験的に予め決定され得る。
本デバイスのさらなる実施形態は、電気穿孔を受ける組織の容積を測定し得ることを含む。この態様は、電気エネルギーの電気穿孔パルスにさらされることになる組織の容積を予め決定することが今や可能である点で、従来の電気穿孔システムに比べてかなりの利点を提供する。そのため、送達される物質の量は、電気穿孔を受ける所定の組織容積に投与され得る。本明細書で説明するように、リング電極システムは、細長い電極とリング電極との間で電流を可変にすることを実現する。この配置構成は、電気穿孔エネルギーが、細長い電極から離れた所定の平均距離までの組織内に、その結果、測定可能な組織容積(細長い電極の導電性部分の長さはわかっており、電気穿孔が起こる電極から離れた距離は、計算により、また、従来の実証実験によって確定可能である)内に伝播することを可能にする。両者は、本明細書に示すように相関関係がある。任意の電気パルスからの力線は、全体に、中心またはコア位置から外方向に、細長い電極の導電性部分から横方向に配置されるリング電極まで上方向に流れるため、実際の電気穿孔される組織容積は、図7に示すように、全体が、円柱またはさらに円錐、カップまたはボウル形状であることになる。さらに、電気穿孔エネルギーが伝播する組織内への距離は、電気パルスの強度および生体組織の生来の抵抗に依存する。好ましい実施形態では、1Vと200Vとの間の値を有するか、または別法として、一定電流、0.01Aと1.0Aとの間の細長い電極のアンペア数について計算された、任意のレベルの電気エネルギーパルスが使用され得る。
電界強度が細胞を穿孔するのに十分であると思われる組織内への距離、その結果、こうした電界強度を受ける組織容積を計算することは、GFP発現を受ける組織の量を測定することによって実証的に達成され得る。表IIに示すように、影響を受ける組織の容積は、円柱または円錐容積を計算する古典的な式に関連しない。むしろ、影響を受ける容積は、生体組織の抵抗および他の肉体的パラメータに依存する。さらに、電気穿孔を受ける容積は、組織内に注入されるGFPをコードするプラスミドの容積に非常に敏感である。表IIに同様に示すように、容積の1/4(280μlに対して70μl)が注入される場合、電気穿孔を受ける組織容積は、十分な濃度のGFPプラスミドを注入される領域よりも明らかに大きい。これは、使用される多くの電流(384mAに対して579mA)が、組織容積の約半分だけにGFPを経験させると仮定して計算され得、一方、組織を充満させるのに十分なGFPの量(すなわち、280μl)が使用された場合、GFP発現を受ける組織容積は、1.4cm3と1.9cm3との間になるであろう。そのため、電気穿孔される組織の容積についての実証的な計算は、試験される組織のエリアを完全に充満させるのに十分な、GFPプラスミドまたは他の類似のインジケータの容積を使用して行われなければならない。
電気穿孔を受ける組織の可能な容積を確定し得ることによって、ここで、送達される物質の容積/濃度が、一時的に穿孔された細胞によって前記物質を直接摂取するのに利用可能な組織内の細胞容積に整合させられ得る。この利点は、適切な投与と、過剰投与または過小投与の回避と、治療物質の浪費の防止を可能にする。換言すれば、本発明は、任意の所与の電流の電気穿孔パスルおよび公称電界強度にさらされる細胞の容積の知識に基づき、また、前記細胞容積によって完全に摂取されることが可能な送達される材料の容積を知って、たとえば発現性核酸の計算された「有効用量(effective dose)」を送達し得ることを実現する。
本発明の装置はさらに、組織内で電気穿孔を引起すのに十分な電気エネルギーの充電量を供給する機構を備える。特に好ましい実施形態では、前記機構は、1000μF(マイクロファラド)と2,200μFとの間のキャパシタンスを有する、前記装置内に位置するキャパシタを備える。キャパシタは、たとえば手動操作可能なハウジングを備える部分内など、デバイスハウジング内で、かつ、電極および電気エネルギー源と電気接続した状態で設置され得る。別の好ましい実施形態では、電気エネルギー源は、固定の交流(壁ソケット)などの外部供給源または電池バンクであり得る。さらに、キャパシタは、外部エネルギー源によってそれ自体エネルギー供給可能な充電ユニットによってキャパシタを充電することによって、任意の特定の処置レジメンで使用される特定の処置パラメータのために、所望に応じて所定のキャパシタンスに前もってエネルギー供給され得る。特に好ましい実施形態では、キャパシタは、200ボルトまで充電される。
回路機構コンポーネント
電気コントロール回路(図示せず)は、細長い電極針120とリング形状電極200の両方に接続されて、キャパシタから送出される所望の電気パルスを生成し、目標組織内の細胞に対する注入物質の電気穿孔および電気穿孔増強送達をもたらす。
電気回路は、通常1.5ボルトと9ボルトとの間の電池と、所望の出力継続時間の間、所望の電気穿孔出力電圧を供給できるように、十分なエネルギーおよび電圧を貯蔵し得るキャパシタと、キャパシタを適正な電圧まで充電し、出力パルス電圧および継続時間を制御するコントロール回路とを備え得る。
例示的な実施形態では、回路機構配置構成は、設定期間の間、放電すると、細胞を生体内原位置で電気穿孔するのに十分な電気エネルギーパルスを供給する電圧までキャパシタを電位充電することを実現する。キャパシタの放電は、2極放電または単極放電を実現するようにレギュレーションされ得る。たとえば、単極配置構成の放電は、パルス期間にわたる設定電圧パルスの維持を実現するようにレギュレーションされ得る。具体的には、デバイスが、たとえば100ミリ秒の間、100ボルトを生成するように設定される一実施形態では、パルスは、図6に示す波形を有することになる。こうした配置構成では、デバイスは、たとえば100ミリ秒の間、1Aを供給することが可能なキャパシタを装備し、このパルスの終了時に、キャパシタの電圧を使用して100ボルト出力を作る電圧レギュレータがレギュレーションから逸脱しないように、100ボルトを超えたままでなければならない。例を挙げると、一実施形態では、本発明のデバイスは、1000マイクロファラドのキャパシタを備え得る。電気技術の専門家によって十分に理解されるように、式V×C=Qは、100ボルト出力を得るために必要とされるエネルギーを記述する。式中、Vはボルトであり、Cはマイクロファラドであり、Qはクーロンである。具体的には、100ミリ秒パルスにわたってレギュレーションされた一定の100V電位による放電を得るために、キャパシタに対する電圧充電量は、200ボルト、すなわち、式Q=CVに基づいてV=200、C=2200、Q=0.44でなければならない。この実施形態の変形では、2つ以上のパルスの連続物が存在する可能性があり、その終了時に、連続物内のパルスのいずれについても出力がレギュレーションから逸脱しないように、依然として100Vを超えている。
実質的に任意のキャパシタ値が、本発明のデバイスで使用される回路のために使用され得る。たとえば、0.1クーロンの電荷を放出するのに使用される100μF(マイクロファラド)は、キャパシタが、患者に対するレギュレーション済みの目標電圧を超える1000ボルトに充電されることを要求する。あるいは、同じ放電は、10,000μFキャパシタが、レギュレーション済みの目標電圧を超える、たった10ボルトに充電されることによって達成され得る。本発明の場合、一実施形態では、ほぼ2000μFと4000μFとの間のキャパシタンスを有するキャパシタが使用され得、こうした場合、100ボルトの100ミリ秒パルスを実現することになる。上述したパルスを供給するのに必要とされる電圧は、電極間の組織インピーダンスに応じてほぼ150ボルトである。
本発明のデバイスの一実施形態では、回路は、1)充電および放電プロセスを制御し、コントロールおよび安全回路を管理するマイクロプロセッサと、2)マイクロプロセッサによって制御され、所望の電気穿孔パルス期間の間、計算された適正な電圧にキャパシタをもたらす充電回路であって、キャパシタが所望の電位に達すると、マイクロプロセッサが充電回路をオフする、充電回路と、3)充電キャパシタと、4)マイクロプロセッサによって制御されるリニアレギュレータであって、マイクロプロセッサにプログラムされた電圧および継続時間のパルスを供給できるように、迅速にオン/オフし得る、リニアレギュレータと、5)誤用および同様にチェックから回路を保護し、安全のために、要求されるときに電圧が出力上に現れるだけであることを保証する安全および監視回路を備える。
さらなる関連する実施形態では、充電回路は、電流制限式フライバックレギュレータを備え得る。こうした回路では、レギュレーション電圧は、組織を電気穿孔するのに使用される任意の電圧レベルについて要求されるより高い値に設定される。電流制限は、電池の寿命の最適化を可能にする。充電量が電池からあまりに急速に取得される場合、電池寿命は大幅に短縮される。電池寿命を最大にするために、レギュレータ上の電流制限は、短い充電時間に設定される。たとえば9ボルト電池の場合、最適電流は、100ボルト、120ミリ秒の電気穿孔出力について約200mAである。この場合、充電時間は約15秒である。
さらなる実施形態では、キャパシタは、以下の式、(1+4.5t)+10ボルトの場合と同様に、充電−電圧レシオ(Vout)などのリニアレギュレータによって要求される最適電圧に充電される。ここで、Voutは電気穿孔出力電圧であり、tは総電気穿孔パルス継続時間(すなわち、電気穿孔出力パルス全てについての時間の和)である。この式で記述される電圧にキャパシタを充電することによって、回路は、電気穿孔プロセスに送達されない損失エネルギー量が最小になる。
別の実施形態では、広帯域リニアレギュレータが使用され得、出力電圧を確定するのに使用される電圧参照が、マイクロプロセッサ内のパルス幅変調回路によって供給される。回路がオフであると、マイクロプロセッサによって導出されるパルス幅変調デューティサイクルはゼロである。電気穿孔パルス継続時間の場合、マイクロプロセッサからのパルス幅変調出力は、所望のレギュレーション値に相当する値、すなわち、パルス出力値に等しい平均値にレギュレータの利得を掛けた値に設定される。所望の電気穿孔パルスの終了時点で、パルス幅変調出力は、再びゼロに設定される。
さらなる実施形態では、本発明のデバイス回路機構は、安全およびモニタ回路を備える。この回路内の安全スイッチは、どんな故障が検出されても、出力をオフし得る。この実施形態では、マイクロプロセッサは、電極にパルスが印加される前に出力電圧を測定する。プロセッサは、その後、パルス中に出力電圧の大きさを測定する。好ましい実施形態では、電圧測定は、意図される電圧出力の10%以内でなければならない。マイクロプロセッサはさらに、パルスの電流を測定し、また同様に、パルスが適切に終了したことを確認するためにパルスの終了時に電圧を測定する。先に述べた試験される状況のそれぞれに関して、こうした状況がどれも、指定されたパラメータ内にない場合、デバイスによってパルス駆動できる状態が打ち切られ、ユーザは、システムエラーを通知される。故障のタイプは、出力の短絡、出力電圧が適正でない、出力期間が長過ぎるなどであり得る。
なおさらなる実施形態では、コントロールマイクロプロセッサは、アナログ−デジタル入力用のパラメータを含むソフトウェアプログラミング能力、および、上述したように回路を管理するために貯蔵キャパシタを充電/放電するコントロールラインを含む。デバイス回路機構はさらに、コンピュータインタフェースを使用することによって、ユーザが、ソフトウェアに記録されたパルスタイミングおよび設定を変更することを可能にし、それにより、出力パルス継続時間およびレベルを変更するEEPROM(電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ)を含む。さらなる実施形態では、パルス駆動するための出力値は、ボードに対して電力が取除かれても、保存され得る。誤った値が出力を制御できないようにするため、値はチェックサムを計算される。
電力源によって供給される電気信号の波形は、指数関数的に減衰するパルス、方形パルス、単極パルスまたはパルス列、2極振動パルス、または、これらのパルス形態の任意のパルス形態の組合せであり得る。公称電界強度は、約0.05A〜1.0Aの電流にそれぞれ相当する約10V/cm〜200V/cmであり得る。たとえば、10V/cm、15V/cm、20V/cm、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、および200V/cmなどの多くの異なる特定のパルスエネルギーが使用され得る。こうしたパルス電圧および電界強度はそれぞれ、細長い電極およびリング電極ならびに細胞を電気穿孔するのに十分な電気のパルスにさらされることになる組織の対応する容積において対応する電流密度を有する。
パルス長は、約10マイクロ秒〜約100ミリ秒であり得る。特に、たとえば、10ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、40ミリ秒、50ミリ秒、60ミリ秒、70ミリ秒、80ミリ秒、および90ミリ秒などの特定の範囲および時間が使用され得る。任意の所望の数のパルス、通常1〜100パルス、より通常2〜6パルス、さらにより通常2〜4パルスも存在し得る。パルス間の時間間隔は、1秒以下、より典型的には10ミリ秒以下、さらにより典型的には5ミリ秒以下など、任意の所望の時間であり得る。波形、電界強度、およびパルス継続時間はまた、細胞のタイプおよび電気穿孔によって細胞に入る分子のタイプに依存する可能性がある。各パルス波形態は、特定の利点を有する。すなわち、方形波形態パルスは、指数関数減衰波形態パルスと比較して、哺乳動物細胞内に化合物を輸送するときの効率の増加を提供する。好ましくは、使用される波形は、指数関数または方形波単極パルスである。
先に開示したリング電極組立体および付随する回路機構コンポーネント以外に、本装置は、種々のさらなる機能を有し得る。たとえば、装置は、装置の機能および状態設定、たとえば、電圧、キャパシタンス、パルス継続時間、パルス間の時間遅延、パルス波タイプ、印加されるパルス(複数可)の数、および印加されるパルス(複数可)のパラメータ(たとえば、電圧、キャパシタンス、パルス継続時間、パルス波タイプ、パルスの数)、またはその組合せを含む種々のパルスパラメータ設定を示すデータディスプレイを有し得る。こうしたディスプレイは、視覚式か、可聴式か、またはその組合せであり得る。たとえば、1つの可聴「ビープ」は、「装置が準備できている(apparatus is ready)」ことを示し、2つの可聴「ビープ」は、パルスが適切に印加されたことを示し、3つの可聴「ビープ」は、故障あるいはパルスが印加されていないかまたは不適切に印加されたことを示し得る。視覚ディスプレイは、時計の場合と同様に、アナログまたはデジタルの英数字ディスプレイ(たとえば、LCD、LEDなど)を含み、さらに、たとえば、白色光による、LCDまたはエレクトロルミネセンスランプ(すなわち、INDIGLO.TM.)用のエレクトロルミネセンスバックライトによる、あるいは種々の蛍光または放射性照明組成物などによる、低照度可視化用の照明手段を含み得る。
さらなる「ユーザフレンドリ(user friendly)」機能は、電気パルスを制御するためのソフトウェアなどの制御手段、ならびに、たとえばパルス継続時間、電圧、キャパシタンス、電界強度、数、波タイプなどを含むパラメータを(たとえば、プッシュボタン、ノブ、レバースイッチ、ダイアルなどによって)調整する手段を含む。1つまたは複数のパルスパラメータを調整する、設定する、格納する、または取出す手段もまた、本明細書に含まれる。こうした手段は、従来の機械式電子コントロール(たとえば、各パラメータを制御するセレクタスイッチであって、スイッチが、複数の設定、たとえば、例示的なパルス長設定、5msec、10msec、25msec、35msec、50msecを有する、セレクタスイッチ)、ならびに、たとえば時計の場合と同様に、たとえばプッシュボタンインタフェースによって制御されるチップコントロール(たとえば、コンピュータ業界で一般に使用されるシリコンウェハタイプ)を含む。本明細書で述べる種々のパルスパラメータのコントロールのためのユーザおよび/または製造業者のプログラム可能な設定のために、任意選択で装置から取外し可能なチップも予想される。こうしたチップの格納容量は、種々のパラメータの実質的に無制限の精密なコントロールを提供すると共に、異なる組成物、ユーザなどのために異なるパルスパラメータ設定を格納するのに十分である。本明細書に述べる本発明の装置の種々の電子機能はそれぞれ、コンピュータチップによって制御されるかまたは管理され得るため、チップは、所望である場合、任意選択でユーザプログラマブルであるソフトウェアをさらに組込むオプションを与える。
上述したユーザフレンドリな属性以外に、本発明の装置は、安全なコントロールを実現する。そのため、別の実施形態では、本発明はさらに、過剰なパルス電圧、継続時間、電界強度、および/またはパルス数を印加することを防止する手段を提供する。ヒューズ、回路ブレーカスイッチなどを含む、電気回路を受動的にまたは能動的に遮断するかまたは中断する任意の手段、あるいは、種々のパルスパラメータを能動的に監視し、過剰のパルス電圧、継続時間、電界強度、パルス数が、印加されることを防止するデバイスが回路経路内に組込まれ得る。電気デバイス技術の専門家は、こうした特徴、ならびに、過剰のパルス電圧、継続時間、電界強度、またはパルス数を印加することを防止する他の保護要素をどのように組込むかについてわかるであろう。
本発明はさらに、デバイスの中心針から目標組織内への治療物質の注入を実施する高度な方法を実現する。具体的には、注入針を組織内へと駆動し、リザーバから針を通して治療物質を注入するドライバおよびアクチュエータを装備する本発明のデバイスは、針が入る組織タイプを検知するように設計され、本質的に、組織タイプ間の界面点を確定する。これは、デバイスのユーザが、物質を特定の組織内に自信を持って送達することを明示的に可能にする。歴史的に、ワクチンは、適切な免疫応答を達成するために手による注入によって皮下筋肉に送達されてきた。しかし、ワクチンが筋肉の上の脂質層(脂肪組織)に堆積する場合、結果として得られる免疫は、損なわれ、ワクチン治療を意図された感染と戦うにはあまりにも低い滴定量をもたらす可能性がある。人の筋肉組織に達するには、異なる長さの針が必要であることが十分に理解される。適切な医療訓練を受けなければ、適正でない長さの針が、不適切に使用される可能性がある。多くの第1世代の自動化注入デバイスの場合でさえ、筋肉組織などの特定の組織に送達するための、適切な針挿入を判定する方法がないというだけのために、適切な送達が達成され得ない。本発明では、デバイスは、注入針が筋肉組織に入るときを検知し、判定することが可能であり、その後、治療物質の注入が始まる。好ましい実施形態では、検知は、針が組織表面に入るにつれて、組織の電気インピーダンスを測定することによって行われる。針が組織内に挿入されるにつれて、組織のインピーダンスは、1ボルト以下の、小さな高耐性の(さらに、知覚できない可能性がある)電気パルスを使用して小さな分解能で測定される。インピーダンスは、各組織タイプの特性および挿入深さに応じて変化することになる。一般に、筋肉組織のインピーダンスは、皮下組織および脂肪組織のインピーダンスより低い。抵抗が低いゾーンに達すると、抵抗は相応して下がる。抵抗の読取り値の性質は、履歴データからの組織タイプのデータベースに対して適用され得、こうした比較によって、それぞれの特定の注入についての可能な組織タイプおよび界面(この場合、脂肪組織と筋肉組織との間の界面)を確立する。好ましい実施形態では、デバイスは、針が筋肉内に僅かの距離だけ進むまで、リザーバからの治療物質の送達を始めないように設計され得る。これは、所望の組織タイプで注入がその点において安全に始まる可能性がある筋肉の適度の合理的な緩衝ゾーンを可能にする。好ましい実施形態では、治療物質の注入は、筋肉組織の検知のエントリ後に始まり、針がさらに挿入される間継続されて、一定距離、好ましくは1cmにわたる均等な注入をもたらし、針の周りの周囲組織内に薬物の柱状体を生じる。これは、最大量の薬物が電極の近くでかつ目標組織内にあるため、さらなる電気穿孔のための理想的な状況である。組織の厚さを測定する代替の方法が使用され得、代替の方法は、2つだけを述べると、同じプローブを通して加えられる高周波信号および超音波センサを含む。
本発明の組織タイプ検知方法は、図14A、14B、および14Cで、また、以下でさらに述べられる。簡潔に言えば、低い(約1V以下の)電圧または低い電流パルスが、針の挿入中に小さな段階的(0.1mmから2mm程度に大きい挿入長段階)移動で挿入針を通して送出される。検知は、約2cmの総移動長に対する検知のためにプログラムされ得る。本発明では、中心針は、針の端部の近くに設置される2つの電気的極(すなわち、正のリード線および負のリード線)を持つように構築され得る。具体的には、針自体が、1つの極として働き得、一方、第2の極は、全体が図15Aの要素400および401で示す近傍の第2の場所に取付けられる。図17Aは、2つの電気リード線AおよびCが絶縁体材料Bによって分離された状態で針が構築される詳細図である。あるいは、組織検知は、中心針が実際には2つの密接した間隔の平行注入針である(図17B、17C、および17Dに示す)別のフォーマットで実施され得る。こうした配置構成では、個々の針は、組織抵抗を検知する別個の電極として働き得る。さらに、こうした構成では、組織検知中は、電極は反対極性であるが、電気穿孔ステップ中は、2つの針は共に、同じ極性でパルス駆動され得、反対の極性はリング電極であることになる。なおさらに、組織界面を検知するこの方法は、治療物質の送達を求められる組織のタイプが治療物質の有効性にとって重要である電気穿孔を使用する任意のシステムに適用可能である。核酸は、このタイプの治療物質である。DNAは、適切に機能するために、脂肪組織と対照的に、筋肉コンパートメントの細胞内に送達されなければならない。そのため、本発明の組織検知方法の使用は、少なくとも1つの組織貫入型送達チューブを使用する電気穿孔デバイスと一緒の使用に適用可能である。単一針が使用される場合、単一針は、2つの電極の極を持つように設計されなければならない。2つ以上の組織貫通型針が使用される場合、別個の針が、組織タイプ検知のために使用され得る。いずれの場合も、送達/検知電極は、絶縁体および有窓ポートを有し得る。
組織抵抗を検知するのに使用される電気パルスは、オームの法則(V=IR;Vはボルト、Iは電流(アンペア単位)、Rは抵抗(オーム単位))を使用してインピーダンスがそこから計算され得る電圧および電流の正確なサンプリングを可能にするのに十分に長くなる必要があるだけである。20msecのパルス長は、典型的な針挿入レートについてのこれらの要件を満足し得る。プローブが、均一な無限物質内に挿入される場合、抵抗は、深さに伴って材料の特性抵抗まで漸近的に減少し、針の直径および導電率の影響は小さい。組織層は、このように図14Aに見られるように振舞い、図14Aでは、針プローブが、豚肉脂質層内に挿入され、最初は約1700オームを測定し、約300オームまで減衰する。図14Aの第2の曲線は、豚肉筋肉層内に挿入された針を示し、ほぼ100オームまで減衰する低いインピーダンスを示す。これらの測定値は、21ゲージ、2インチ針を使用して得られ、組織表面から24mmの深さまで2mm段階で測定された。試験パルスは、各段階について20msecで100Vであった。針が、脂質層を通り、続いて下地の筋肉を通るように駆動されるように複数の組織タイプ層を通した検知をグラフ化すると、最初は脂質の曲線に一致するが、すぐに筋肉に関連する曲線に移行する曲線が得られる。図14Bは、先と同じパルスおよび測定パラメータを使用した、4mm厚の脂質層を通り、続いて筋肉組織を通る挿入からの曲線を付加する。低いインピーダンスの筋肉に達するため、測定値は、脂質曲線から筋肉曲線へ迅速に移行することに留意されたい。同様な実験は、測定用パルスが予め規定された段階分で生成される自動化針挿入デバイスを使用して生育不能な牛肉に関して実施された。50msecの継続時間を有する10Vのパルスが使用されて、途切れのない針挿入に沿って約0.2mm段階分で発生電流が測定された。図14Cは、純粋な脂質および筋肉についての同様な曲線またはゾーンを示す。純粋な脂質は、最初は約2500Ωを読取値として示し、5mm〜10mmの挿入深さで約1000Ωまで減衰する。純粋な筋肉は、最初は1000Ωと2000Ωとの間を読取値として示すが、5mmの挿入深さで500Ωまで急速に減衰し、15mmの挿入深さを超えると約250Ωまで減衰する。このグラフは、組織界面がそこで通過されたと判定し、また、注入が所望の組織内のそこで始まり得ると判定すべき、最適位置を確定するために、脂質厚についての履歴データを使用することが可能であることを示す。
本発明のデバイスは、組織タイプ検知情報をいく通りかで使用することによって治療物質の注入を始めるようにプログラムされ得る。たとえば、筋肉曲線の読取り値に等しい読取り値までの抵抗の減少が存在することを検知が示すと、注入が始められ得、実際の筋肉/脂肪界面から筋肉組織内の比較的長い距離への物質の送達をもたらす。あるいは、筋肉と相関関係があるであろう、または、漸近的な減衰と整合しない抵抗の急激な低下と相関関係がある深さに基づく抵抗値は、注入を始める信号として使用され得る。筋肉への移行が、適切な感度の上記方法の任意の方法によって判定されると、注入プロセスが、先に述べたシーケンスのうちの1つのシーケンスで始まる。さらなる挿入が所望される場合、抵抗測定は、もはや必要とされないかまたは実施されず、所望である場合、治療物質を注入しながら、組織内へと針がさらに駆動される。
なおさらに、本発明の装置は、組織界面検知のような実施形態を含むため、デバイスは、管状針を通して注入物質を同時に駆動することなく、処置される組織内に細長い針を独立に前方駆動する生物的なアクチュエータまたは非生物/モータ駆動式機械アクチュエータを含み得る。特に、ドライバは、組織内へと針を駆動し得、一方、ソフトウェアは、針先端において組織内の電気抵抗を検知するのに使用される。この方法の絵画図が図15A〜15Dに提供される。図15Aでは、装置は、針を駆動するアクチュエータが針を組織内に送るときに、組織界面を検知するように設定される。図15Bでは、針が組織界面を通過すると、ソフトウェアは、検出された組織界面を通過して所定の距離だけ組織内へと針を駆動し続けるように装置に指示する。図15Cでは、組織界面を通過したことをセンサが検出すると、当業者が理解するように、装置は、組織内の終端位置まで針がさらに駆動されるため、注入物質を注入し始めるようにプログラムされ得(図15D)、注入物質の比較的均等な分布を実現する。この態様は、この位置における装置が、組織内に送達される物質の注入と同時に、組織内へと針を前方駆動し得る能力を有することを要求する。
図13で先に述べたリング電極に関して、電極は、特に畜産で使用するために設計され得る。具体的には、牛、羊、山羊、および馬などの群れを作る動物は、髪、毛、またはウールで覆われた身体を有するため、皮膚表面に接触するように設計されるリング電極は、動物を処置する前に、動物から毛皮を剃らなければ、役に立たないことになる。こうした要件は大規模な群れのオペレーションではやっかいであるため、毛皮を剃ることはオプションでない。そのため、本発明は、リング電極用の代替の設計を提供する。好ましい実施形態では、動物使用のためのリング電極は、複数の短い皮膚貫通型でない突出部を持って設計され得、皮膚貫通型でない突出部は、動物の毛/毛髪/ウールで覆われた獣皮に容易に押付けられ得、かつ、毛皮カバーを通して皮膚に接触するその終端部分が容易にわかる。本発明の種々の要素を維持するときに、中心組織貫通型針の導電性部分の表面積と突出部の先端の総表面積との比は、少なくとも1:5と1:10との間である。
図13に示すように、複数の突出部を備えるリング電極は、毛皮で覆われた動物を電気穿孔することが可能である。図16A〜16Eに示すように、電気穿孔は広範囲にわたる。図16A〜16Eは、前記突出部を有するリング電極を使用し、758mA、138ボルト、および、針対突出部エリア電極配置構成の電極表面積比であって、少なくとも1:5である、電極表面積比を使用して、電気穿孔された筋肉組織の隣接するスライスである。この実験では、300μlの生理食塩水内の30μgWiz−GFPが、ウサギの四頭筋内に注入され、それに続いて電気穿孔が行われた。ウサギは、5日目に屠殺され、筋肉サンプルは、1.25mm厚の薄片作成および蛍光顕微鏡による分析を受けた。これらの結果は、同じパルス条件を使用した図9Eおよび9Fに示す結果と同程度であった。
先に実行された電気穿孔はまた、SEAPの発現およびB型肝炎抗原をコードするプラスミドに対する免疫応答を試験するために動物に対して実施された。図18Aに示すように、電気穿孔実験は、リング電極、櫛型リング電極、2つの針電気穿孔デバイス(Elgen,Genetronics,Inc.(カルフォルニア州サンディエゴ所在(San Diego CA))を使用して実施された。示すように、電気穿孔およびその結果得られるSEAP発現は、リング、櫛型リング、およびElgenのそれぞれについて同程度であった。プラスミドgWiz−SEAPは、300μl生理食塩水内に200μgで注入された。コントロールは、電気穿孔がない注入のみであった。それぞれについてのパルス駆動パラメータは、以下の通り、すなわち、櫛:600mA、2p×60ms;リング:600mA、2p×60ms;Elgen:400mA、2p×60msであった。図18Bでは、抗HBsIgG(anti-HBsIgG)発現が、端点滴定量を見ることによって試験された。プラスミドgWiz−HBsAgは、300μl生理食塩水内の300μgのプラスミドを使用して注入され、0日目に初期免疫化が、それに続いて、30日目にブーストが起こった。示すように、試験的実験は全て、本発明が、平面リング電極を使用しても、櫛型電極を使用しても、非常にうまく働くことを示している。
方法
本発明によれば、皮下組織またはより深い身体組織、特に、これらの組織内の横紋筋細胞または平滑筋細胞内に治療薬を導入するインビボ方法が提供される。本発明の方法は、前記送達物質が前記細胞内に導入されるように、前記組織に対して前記送達物質を適用することと実質的に同時に、前記細胞保持組織にパルス状電界を印加することを含む。
関連する実施形態では、本発明は、核酸を目標組織に送達し、少なくとも1つの電気パルスを目標領域に印加することによって、真皮および筋肉の細胞、好ましくは人内に核酸を導入する方法を提供する。電気パルスは、電気穿孔を引起すのに十分な電圧および継続時間であるため、核酸が、細胞およびコードされたポリペプチド内に貫入し、それにより、トランスジェニック分子として発現する。核酸成分の生体発現は、目標細胞が新しく遺伝子生成物を合成するように、送達された遺伝子の転写および翻訳をもたらす。治療的アプリケーションは、たとえば、欠損した遺伝子または低発現遺伝子の増大と、治療的価値を有する(たとえば、過剰発現遺伝子の生成物に結合するレセプタを発現させることによって、有害な遺伝子生成物を阻止する)遺伝子の発現と、その生成物が所望の免疫応答を誘発する遺伝子の発現などを含む。
当業者によって理解されるように、治療ポリペプチドをコードする核酸の効率的な発現は、一般に、核酸配列が調節性配列に作動可能に連結することを必要とする。本発明の実施時に使用することが予想される調節性配列は、プロモータ、エンハンサなどを含む。当業者が同様に理解するように、プロモータ配列が治療的核酸に作動可能に連結するときでも、発現は、エンハンサエレメントなどに作動可能に連結することによってさらに増大される可能性がある。
本発明の方法による分子の導入によって細胞内の遺伝子の発現を調節することが望ましい場合がある。用語「調節する(modulate)」は、遺伝子が過剰発現するときの、遺伝子の発現の抑制、または、遺伝子が低発現するときの、発現の増大の抑制を想定する。たとえば、細胞増殖性障害が遺伝子の発現に関連する場合、翻訳レベルで遺伝子の発現に干渉する核酸配列が使用され得る。この手法は、たとえば、アンチセンス核酸、リボザイム、トリプレックス因子を利用して、特異的なmRNAをアンチセンス核酸またはトリプレックス因子によってマスキングすることによって、または、特異的なmRNAをリボザイムによって開裂させることによって、特異的なmRNAの転写または翻訳をブロックする。
本発明の実施時に使用することが予想される核酸は、裸のDNA、裸のRNA、裸のプラスミドDNA(スーパーコイル状または直線状)、RNAi、siRNA、microRNA、およびshRNAならびにカプセル化DNAまたはRNA(たとえば、リポソーム、マイクロスフィア、または同様なもの内の)を含む。当業者によって理解されるように、DNA分子を「凝縮する(condense)」ためにプラスミドと混合される粒子または分子もまた使用され得る。
アンチセンス核酸は、特異的なmRNA分子(たとえば、Weintraub,Scientific American,262:40,1990を参照されたい)または任意の他の核酸配列の少なくとも一部分と相補的なDNAまたはRNA分子である。細胞内で、アンチセンス核酸は、対応するmRNAとハイブリダイズし、2重鎖分子を形成する。2重鎖であるmRNAを細胞が翻訳しないことになるため、アンチセンス核酸はmRNAの翻訳に干渉する。約15のヌクレオチドのアンチセンスオリゴマは、容易に合成され、かつ、目標細胞内に導入されると、大きな分子と比べて、有害な作用をもたらす可能性が少ないため、好ましい。遺伝子のインビトロ翻訳を阻止するアンチセンス方法の使用は、当技術分野でよく知られている(たとえば、Marcus−Sakura,Anal.Biochem.,172:289,1988を参照されたい)。
転写を止めるためのオリゴヌクレオチドの使用は、オリゴマが2重螺旋DNAに巻き付き、3重鎖ヘリックスを形成するため、トリプレックス戦略として知られている。したがって、トリプレックス化合物は、選択される遺伝子に関して特異の部位を認識するように設計され得る(Maher等,Antisense Res.and Dev.,1(3):277−281,1991、Helene,C.,Anticancer Drug Design,6(6):569,1991)。したがって、トリプレックス形成に有用な核酸の電気穿孔もまた、本発明の範囲内にあるものと予想される。
リボザイムは、DNA制限エンドヌクレアーゼと同様な方法で他の単鎖RNAを開裂させる能力を持つRNA分子である。これらのRNAをコードするヌクレオチド配列の修飾によって、RNA分子内の特異的なヌクレオチド配列を認識し、それを開裂させる分子を設計することが可能である(Cech,J.Amer.Med.Assn.,260:3030,1988)。この手法の主要な利点は、リボソームが配列特異的であるため、特定の配列を有するmRNAだけが不活性になることである。
2つの基本的なタイプのリボザイム、すなわち、テトラヒメナタイプ(Hasselhoff,Nature,334:585,1988)および「ハンマーヘッドタイプ(hammerhead-type)」が存在する。テトラヒメナタイプリボザイムは、長さが4塩基である配列を認識し、一方、ハンマーヘッドタイプリボザイムは、長さが11〜18塩基の範囲の塩基配列を認識する。認識配列が長ければ長いほど、配列が、目標mRNA種において排他的に起こる可能性が高くなる。その結果、ハンマーヘッドタイプリボザイムは、特異的なmRNA種を不活性化するのに、テトラヒメナタイプリボザイムより好ましく、また、18塩基認識配列は、より短い認識配列より好ましい。
本発明はまた、特定の遺伝子によってまたは特定の遺伝子が存在しないことによって媒介される細胞増殖性障害または免疫障害の処置のための遺伝子治療方法を提供する。用語「細胞増殖性障害(cell proliferative disorder)」は、形態学と遺伝子型の両方において、周囲組織と異なるように見えることが多い悪性ならびに悪性でない細胞母集団を指す。こうした治療は、障害を有する細胞内に特異的なセンスまたはアンチセンスポリヌクレオチドを導入することによって、治療効果を達成することになる。ポリヌクレオチドの送達は、キメラウィルスなどの組換え型発現ベクターを使用して達成され得る、または、ポリヌクレオチドは、たとえば、「裸の(naked)」DNAとして送達され得る。
本発明のポリヌクレオチド配列は、細胞によって摂取された後に治療効果があるDNAまたはRNA配列である。本発明の実施時に使用することが予想される核酸は、2重鎖DNA(たとえば、プラスミド、コスミド、ファージ、ウィルス、YACS、BACS、他の人工染色体など)または単鎖DNAまたはRNAであり得る。核酸は、複合体を形成しない(すなわち「裸の状態(naked)」)か、または、(たとえば、脂質(たとえば、カチオン性)などの化学薬剤、デンドリマー、または、組織内へのまた細胞膜を通したDNAの貫入を容易にする他のポリプレックスなどと)複合体を形成してもよい。DNAはまた、タンパク質複合体によってカプセル化されるかまたは処方されてもよい。
それ自体治療的であるポリヌクレオチドの例は、欠陥のあるまたは欠損のある内在性分子などを置換するためのアンチセンスDNAおよびRNA、アンチセンスRNA用のDNAコーディング、あるいは、tRNAまたはrRNA用のDNAコーディングである。本発明のポリヌクレオチドはまた、治療ポリヌクレオチドのためにコードし得る。本明細書で使用されるように、「ポリペプチド(polypeptide)」は、サイズによらず、また、グリコシル化するかまたはその他の方法で修飾するか否かによらず、ポリヌクレオチドの任意の翻訳生成物であると理解される。本発明の実施時に使用することが予想される治療ポリペプチドは、主要な例として、動物の欠陥のあるまたは欠損のある種を代償し得るポリペプチド、あるいは、有害な細胞を制限するかまたは身体から除去する毒作用を通して働くポリペプチドを含む。
血液凝固化合物(たとえば、因子VII、VIII、またはIX)などのような代謝酵素およびタンパク質をコードするポリヌクレオチドも同様に含まれる。
本発明の別の実施形態によれば、被検者の免疫応答を誘発する方法が提供される。この実施形態の本発明の方法は、免疫応答誘発薬が細胞内に導入され、それにより、被検者に免疫応答を誘発するように、真皮および/または筋肉細胞に対して免疫応答誘発薬を適用することと実質的に同時に、被検者の真皮および下地の筋肉細胞にパルス状電界を印加することを含む。本明細書で使用される「免疫応答誘発薬(immune response-inducing agent)」は、被検者の真皮および/または筋肉細胞内に導入されると、こうした応答が、細胞性応答であろうと、体液性応答であろうと、またはその両方であろうと、免疫応答をもたらす任意の薬剤を意味する。本発明の実施時に使用することが予想される免疫応答誘発薬は、発現性核酸およびポリペプチドを含む。
発現性DNAおよびmRNAは、細胞に送達されて、細胞内でポリペプチド翻訳生成物を形成し得る。核酸が、適切な調節性配列に作動可能に連結する場合、コードされたタンパク質の合成の増大が達成可能である。本発明の実施時に使用することが予想されるポリペプチドをコードするDNAまたはRNAは、免疫化ポリペプチド、病原体誘導タンパク質、血液凝固因子、ペプチドホルモンなどを含む。ペプチドホルモンは、たとえば、カルシトニン(CT)、パラチロイドホルモン(PTH)、エリトロポイエチン(Epo)、インスリン、サイトカイン、成長ホルモンなどを含む。本発明の実施時に使用することが予想されるリンホカインは、腫瘍壊死因子、インターロイキン1、2、および3、リンホトキシン、マクロファージ活性因子、遊走阻止因子、コロニー刺激因子、αインターフェロン、βインターフェロン、γインターフェロン、およびそのサブタイプを含む。本発明の実施時に使用することが予想される血液凝固因子は、因子VIIIまたは因子IXを含む。
細胞に送達されるDNAまたはmRNAが、免疫化用ペプチドをコードするとき、本発明の方法は、細菌、細胞内ウィルス、腫瘍細胞などを含む感染因子に対して改善されかつより効果的な免疫を達成するために適用され得る。本発明と共に使用される治療ポリペプチドはまた、免疫を与えるポリペプチドをコードし得、免疫を与えるポリペプチドは、体液性免疫応答、細胞性免疫応答、または両方を誘発する内在性免疫原(すなわち、ポリペプチドを含む抗原)として働き得る。こうした応答を誘発し、特異的な応答のための特異的な細胞を目標とする方法は、たとえば、米国特許第5,589,466号に記載される。本発明に従って使用されるポリヌクレオチドはまた、抗体についてコードし得る。この点で、用語「抗体(antibody)」は、任意のクラスの全免疫グロブリン、2重のまたは複数の抗原またはエピトープ特異性を有するキメラ抗体およびハイブリッド抗体、および、そのハイブリッドフラグメントを含むF(ab).sub.2、Fab'、Fabなどのようなフラグメントを包含する。「抗体」の意味には、こうしたフラグメントの抱合体、および、たとえば、参照によりその全体が本明細書に組込まれる米国特許第4,704,692号に記載されるいわゆる抗原結合性タンパク質(単鎖抗体)も含まれる。
こうして、抗体の可変領域をコードする単離されたポリヌクレオチドが、本発明の方法によって導入されて、処置される被検者がその場で抗体を生成することを可能にし得る。抗体をコードするポリヌクレオチドを得ることに関する例証的な方法については、Ward等,Nature,341:544−546(1989)、Gillies等,Biotechnol.7:799−804(1989)を参照されたい。次に、抗体は、たとえば、病原体に関連する表面抗原に結合することによって治療効果を及ぼす。あるいは、コードされた抗体は、たとえば、米国特許第4,699,880号に記載されるように、抗イディオタイプ抗体(他の抗体に結合する抗体)であり得る。こうした抗イディオタイプは、処置される個体の内在性または外来性抗体に結合し、それにより、(たとえば、ループスなどのような自己免疫疾患において)免疫応答に関連する病理学的状況を回復させ得るまたは防止し得る。
本発明の実施時に使用されるポリヌクレオチド配列は、治療または免疫原性ポリペプチドをコードすることが現在のところ好ましい。これらのポリペプチド配列は、治療または免疫原性ポリペプチドの発現を制御する調節性タンパク質をコードする他のポリヌクレオチド配列に関連して使用されてもよい。こうして使用される調節性タンパク質(複数可)は、その転写を調節するためにDNAに結合すること、その安定性または翻訳効率を増減させるためにメッセンジャRNAに結合することなどにより、当業者に知られている任意の数の調節性方法で作用し得る。
細胞にインビボで送達されるポリヌクレオチド材は、任意の特定のポリペプチドをコードする任意の特定のポリヌクレオチドに限定されない。多数の生理的に活性なペプチドおよび抗原または免疫原をコードする遺伝子を含むプラスミドは、本発明の実施時に使用することが予想され、また、当業者によって容易に得られ得る。
種々のウィルスベクターはまた、本発明の実施時に利用され、また、アデノウィルス、ヘルペス、ワクシニア、RNAウィルスなどを含み得る。ウィルスは、レトロウィルスなどのRNAウィルスであることが現在のところ好ましい。好ましくは、レトロウィルスベクターは、マウスまたはトリのレトロウィルスの誘導体である。単一外来性遺伝子が挿入され得るレトロウィルスベクターの例は、モロニーマウス白血病ウィルス(Moloney murine leukemia virus)(MoMuLV)、ハーベイマウス肉腫ウィルス(Harvey myrine sarcoma virus)(HaMuSV)、マウス乳癌ウィルス(murine mammary tumor virus)(MuMTV)、およびラウス肉腫ウィルス(Rous Sarcoma Virus)(RSV)を含むが、それに限定されない。被検者が人であるとき、テナガザル白血病ウィルス(gibbon ape leukemia virus)(GaLV)などのようなベクターが使用され得る。多数のさらなるレトロウィルスベクターが、複数の遺伝子を取込み得る。これらのベクターは全て、形質導入された細胞が同定されるように、選択されたマーカについて遺伝子を伝播させるまたは取込み得る。他の実施形態では、ベクターは、本装置の方法による導入に続いて細胞内で発現されるように、プロモータおよび遺伝子配列だけを含む直鎖状核酸構造体を備え得る。
治療ペプチドまたはポリペプチドはまた、本発明の治療方法に含まれてもよい。たとえば、免疫調節性薬剤および他の生体応答修飾物質は、細胞による取込みのために投与され得る。本明細書で使用されるように、用語「生体応答修飾物質(biological response modifier)」は、免疫応答を修飾することに関わる物質を包含する。免疫応答修飾物質の例は、リンホカインなどのような化合物を含む。リンホカインは、たとえば、腫瘍壊死因子、種々のインターロイキン(たとえば、インターロイキン1、2、および3)、リンホトキシン、マクロファージ活性因子、遊走阻止因子、コロニー刺激因子、αインターフェロン、βインターフェロン、γインターフェロン、およびそのサブタイプを含む。
本発明の別の実施形態によれば、電気穿孔治療と共に使用するための電極キットが提供され、各キットは、本明細書で述べる電極のコンポーネントを含む。たとえば、一態様では、リング電極組立体を含むリング電極システムを備える電極キットが提供され、前記組立体は、中心の細長い注入針であって、任意選択で、その長さに沿ってかつ針先端の近位に配設される1つまたは複数の穴を備える、中心の細長い注入針を有し、穴は、注入針の中空内部に流体連通し、前記細長い注入針は、注入針の導電性遠位部分を有する。さらに、こうした電極キットは、人の皮膚または毛皮で覆われた動物上での使用に適合するリング電極を含む、種々のリング電極設計および寸法のうちの任意のものを装備し得る。
実施例I 組織に対する電気穿孔の集中を示すためのウサギの調査
この実施例では、電気穿孔筋肉内送達についてのリング電極システムの有効性が、ウサギの四頭筋における緑色蛍光タンパク質(GFP)プラスミドDNAの発現を使用して実証された。
具体的には、成体ニュージーランド白雄ウサギ(n=2)が、四頭筋において、GFPタンパク質をコードするプラスミドDNAの200μL(マイクロリットル)の注入および送達針として細長い電極を使用した1.6cmの針貫入深さによって処置された。実験は、代替の実施形態を組込むリング電極システムの間で分割された。具体的には、
最初のウサギは、注入のため、また、細長い電極として22gまたは23gの注入針を使用して4回(左および右四頭筋の上側部分および下側部分にそれぞれ1回)の注入を受けた。4回のうちの1回の注入は、Elgenデバイス(リング電極無し)の2つの平行非絶縁22g針を使用した。残りの3回の注入では、リング電極は、10cm2の表面積を有する卵形銅電極であった。送達針電極の上側セクションは、筋肉の目標セクションだけに電流を集中させるために、生体組織内の電極伝導のための遠位先端上の約0.8〜1.0cmの露出金属を残して紫外線硬化エポキシ(Loctite4304)をコーティングされた。電極リード線は、電気パルス発生器との電気接続を可能にするために、シリンジ針のベースの近位針の十分なセクションに取付けられた。
2番目のウサギは、4回の注入、22gまたは23gの注入針を使用して右および左四頭筋の上側部分および下側部分にそれぞれ1回の注入を受けた。筋肉の目標セクションだけに電流を集中させるために、生体組織内の電極伝導のための針の遠位先端上の約0.8cmの露出金属を残して、22gイントロデューサシースを使用して、絶縁体が注入針上に設置された。針のベースはまた、最初のウサギの試験の場合と同様に、パルス発生器に接続された。リング電極は、20cm2の表面積を有する卵形銅電極であった。実験セットアップは、表IIIに示された。
電気穿孔を実施するために、Inovio Elgen model 1000発生器(Genetronics,Inc.(カルフォルニア州サンディエゴ所在))が使用され、標準的な電極ゲル(LectronII導電率ゲル)が、試験動物皮膚表面に接触してリング電極の表面に塗布された。Elgenパルス発生器は、針とリング電極との間で、250msec間隔(4Hz)で分離された2つの60msec継続時間パルスを送達するようにセットアップされた。パルス振幅は、約400mA最大電流あるいは50Vまたは100V最大電圧によって支配された。組織において達成される電流および電圧が測定され記録され、見かけの組織インピーダンスが、表IVに開示されるように計算された。
パルス駆動パラメータを計算すると、当業者は、機器ダイアル上で設定される値に対するパルスで送出される実際の電圧の変動、たとえば、54Vと対照的に53Vを認識するであろう。この変動は、機器の電子回路の固有の感度による。いずれにしても。電気穿孔中の組織のインピーダンスの平均は、表IVに示すように、電気穿孔の出力データから計算された。パルス形状、すなわち、単極方形波(図示せず)が、電流降下と電圧降下の両方に関してかなり平坦であり、かつ、各パルスを通したインピーダンスの減少がほんのわずかであると仮定すると、計算される平均は、真の値に近い。
本発明のリング電極システムの使用に関する種々の観測結果の中で、1つの現象が明らかである。すなわち、リング電極表面積が大きくなればなるほど、見かけの組織インピーダンスが低くなり、高い電圧は、低い見かけの組織インピーダンスに関連し、針電極の絶縁は、見かけの組織インピーダンスを増加させ、エポキシ樹脂絶縁体は、プラスチックシースより高いインピーダンスを有し、リング電極システムインピーダンスは、Elgenデバイスのベア針電極システムより高い見かけの組織インピーダンスを示した。
長さが約2cmで、かつ、約0.4cmだけ分離された2つの針を有するElgenデバイスは、100オームと200オームとの間の見かけの組織インピーダンスをもたらす。1cmの露出先端の23ゲージ針および20cm2と40cm2との間の表面リングを使用するリング構成を有する単一針は、表IVのデータセット5〜8に示すように、200オームと350オームとの間の見かけの組織インピーダンスをもたらす。このことの意味は、Elgenデバイスの2重挿入式の細長い電極または他の同様な2重挿入式電極アレイを使用する見かけの組織インピーダンスに対する本発明の装置を使用する見かけの組織インピーダンスであり、リング電極システムを使用すると、観測されるインピーダンスがほんのわずかに高いことである。こうして、2重針システムと本発明のリング電極装置との間で全てのことが同じであるとすると、本発明の装置は、細胞の穿孔に十分な電流密度の差を実現し、組織の集中したエリアだけへのパルスエネルギーの集中を可能にする。
ここでGFP遺伝子発現結果を考えると、試験ウサギは、電気穿孔手技中にケタミン/ジラジンの静脈投与によって麻酔をかけられ、GFP発現を可能にするために、約3日の間、培養することが可能になり、その後、ペントバルビタールの静脈注入によって安楽死させられ、その後、四頭筋が、動物から取外され、スライスされ、x線蛍光透視および/または可視照明下で調べられかつ写真撮影された。試験された各筋肉において、GFP発現が明確に存在した。針トラックは、ほとんどの画像においてはっきりと見え、注入材と電気穿孔手技の良好な共存を示した。たとえば、最低電圧(53ボルト)は、電流が100mAで測定された状態で、良好なGFP発現を示した。対照的に、2重針電極Elgenデバイスに関する50〜100ボルトの電気穿孔設定は、通常、400mAと1A以上との間を送達した。したがって、本発明を確認すると、細長い電極の近位部分を絶縁し、皮膚の表面上に大きな対向電極を設置し、それにより、電気穿孔エネルギーが、皮膚および下地の筋肉を貫通する2つの針電極の近くでかつ2つの針電極間ではなく、深い筋肉組織内の細長い針の非絶縁部分の近くに集中される。換言すれば、電気穿孔は、皮膚から遠くに集中されるため、皮膚における電流密度が実質的に低いために、電気の感覚が、皮膚で最小になるはずである。図9A〜9Fでは、調べられたGFP発現実験の全てにおいて見られる結果の、先に説明した例が示される。図9Bおよび9Fは、蛍光視野および蛍光と可視光を混合したものを示す。明確に見えるように、電気穿孔は、深い筋肉組織に局在化された。
感度
なおさらなる実施形態では、リング電極の表面積が増加するにつれて、表面組織における感覚が減少するはずである。電流密度に関する先の説明に基づくと、リング電極は、好ましい実施形態内で、細長い電極の表面積の5倍と1000倍との間のどこかであり得る。したがって、疼痛は、電流密度の関数であると主に考えられるため、リング電極における感覚は、細長い電極がもたらすことになる感覚と比較して、大幅に減少する可能性がある。
本明細書で開示され請求される組成物および方法は全て、本開示に照らして、過度の実験なしで、作られ、実施され得る。本発明の組成物および方法は、好ましい実施形態によって述べられたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、組成物および方法に対して、また、本明細書で述べる方法のステップまたはステップのシーケンスにおいて、変形が適用されてもよいことが当業者に明らかになるであろう。より具体的には、述べる実施形態は、全ての点で、制限的でなく、単に例証的であるとして考えられる。当業者に明らかな全ての同様な置換および変更は、添付特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内にあると思われる。
本仕様で述べる全ての特許、特許出願、および出版物は、本発明が関連する技術の専門家のレベルを示す。従来のまたは別の利益がそれらに対して請求される全ての特許、特許出願、および出版物を含む、全ての特許、特許出願、および出版物は、それぞれの個々の出版物が、参照により組込まれることを具体的にかつ個々に示される場合と同じ程度に、参照により本明細書に組込まれる。
本明細書で例証的に適切に述べられる本発明は、本明細書で特に開示されない任意の要素(複数可)が無い状態で実施されてもよい。そのため、たとえば、本明細書の各事例では、用語「を備える(comprising )」、「本質的にからなる(consisting essentially of)」、および「からなる(consisting of)」のうちの任意の用語は、他の2つの用語のいずれかと置換えられてもよい。使用された用語および表現は、制限ではなく、説明のために使用されており、こうした用語および表現の使用が、本発明の、全体としてまたは部分的に示され述べられる特徴の任意の均等物を排除することを意味するという意図は全く存在しないが、請求される本発明の範囲内で種々の変更が可能であることが認識される。そのため、本発明は、好ましい実施形態およびオプションの特徴によって特に開示されたが、本明細書で開示される概念の変更および変形が、当業者によって行われてもよいこと、また、こうした変更および変形が、添付特許請求の範囲によって規定される本発明の精神内にあると考えられることが理解されるべきである。

Claims (51)

  1. 哺乳動物の細胞内に分子を送達する電気穿孔システムであって、
    a)幾何学的平面リング電極と、
    b)近位端および遠位端を有する組織貫通型の細長い電極であって、細長い電極の非導電性部分を有し、前記非導電性部分は、前記近位端と、前記遠位端から約2.5cmと少なくとも0.1cmとの間との間にあり、前記非導電性部分は、前記細長い電極上の絶縁体皮膜または非導電性材料を含む、組織貫通型の細長い電極と、
    c)前記リング電極および前記細長い電極に連結するハウジングであって、前記リング電極および前記細長い電極と電気接続した状態にある電子回路機構と、前記回路機構と電気接続した状態にある少なくとも1つのキャパシタと、0.5cmと4cmとの間の移動長の直線的な動きで前記細長い電極を駆動するアクチュエータとを覆う、ハウジングと、
    d)前記キャパシタを充電する充電ユニットと、
    e)前記充電ユニットと電気接続した状態にあるコンピュータであって、システムのためのプログラミング機能を実施することが可能なソフトウェアを含むコンピュータと、
    を備えるシステム。
  2. 前記リング電極は、導電性の2つの半分に電気的に分離可能である、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記リング電極の前記半分のそれぞれと組織表面との間の電気抵抗を検知する回路機構をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
  4. 組織表面に当たる前記リング電極に加えられる圧力を検知する回路機構をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記リング電極の前記幾何学的形状は、ドーナツ、卵形、ドーナツ円、二等辺三角形ドーナツ、正三角形ドーナツ、正方形ドーナツ、長方形ドーナツ、五角形ドーナツ、および六角形ドーナツからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記リング電極は、前記細長い電極の表面積に比例する、電流を伝導する表面積を有し、リング電極:細長い電極表面積比である前記割合は、5:1、10:1、100:1、および1000:1からなる群から選択される、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記細長い電極は、管状であり、かつ、前記近位端から前記遠位端へ流体媒体を運ぶことが可能であり、前記近位端はリザーバに流体連通し、前記遠位端は、前記電極のある長さに沿って配置される複数の開口を有し、前記長さは、前記電極の前記遠位部分の約1.0cmと1.5cmとの間を含む、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記開口は、120ミクロン、100ミクロン、90ミクロン、80ミクロン、70ミクロン、60ミクロン、50ミクロン、40ミクロン、30ミクロン、および20ミクロンからなる群から選択される直径を有する、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記複数の開口の数は、導電性の細長い電極の長さの1センチメートル当たり10と100との間の開口および20と60との間の開口の群から選択される、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記アクチュエータは、モータ、機械的に駆動されるアクチュエータ、および生物的に駆動されるアクチュエータから選択される、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記アクチュエータは、前記細長い電極の直線的な動きを駆動すると共に、リザーバから前記細長い電極内の管腔を通って前記細長い電極の遠位部分の複数のポートに出入りするように流体媒体を駆動することが可能である、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記細長い電極は負電極である、請求項1に記載のシステム。
  13. インビボ電気穿孔用の可変電流密度電極システムにおいて、
    a)幾何学的平面リング電極と、
    b)部分的に絶縁された細長い針電極であって、電極の一端の一部分に沿って導電性である、部分的に絶縁された細長い針電極と、
    c)1000:1と5:1との間の範囲からなる群から選択される前記リング電極と前記細長い電極との間の表面積比と、
    d)前記細長い電極および前記リング電極を、前記電極にエネルギー供給する電力源に接続する回路機構と、
    を備える可変電流密度電極システムであって、
    電極システムが、身体組織内に電気パルスを供給することによって起動されると、前記針電極のまたは前記針電極の近くの前記組織内の電流密度は、前記リング電極のまたは前記リング電極の近くの電流密度より高いことを特徴とするシステム。
  14. 前記リング電極は、1cm2と100cm2との間の表面積を有する、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記針電極は、0.01cmと2.5cmとの間の導電性長さを有する、請求項13に記載のシステム。
  16. 前記針電極は、0.05cm2と1.00cm2との間の導電性表面積を有する、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記電極上の前記部分絶縁体は、前記電極の近位端と遠位端の約0.1〜2.5cm以内との間にある、請求項13に記載のシステム。
  18. 前記絶縁体は、プラスチック、パラレン、テフロン(登録商標)、およびエポキシからなる群から選択される、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記リングは、導電性の2つの等価な部分に電気的に分離される、請求項13に記載のシステム。
  20. 前記リング電極は正電荷で充電され、前記細長い針電極は負電荷で充電される、請求項13に記載のシステム。
  21. 前記負に充電された細長い電極は、前記身体組織内への電気穿孔パルスの放電によって、前記電極から前記身体組織内への金属イオンの無視できる流出をもたらす、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記リングは、ドーナツ、卵形、ドーナツ円、二等辺三角形ドーナツ、正三角形ドーナツ、正方形ドーナツ、長方形ドーナツ、五角形ドーナツ、および六角形ドーナツからなる群から選択される幾何学的形状を有する、請求項19に記載のシステム。
  23. 前記細長い電極は、管状であり、かつ、リザーバから流体媒体を運ぶことが可能であり、前記電極は、前記電極のある長さに沿って配置される複数の開口を有し、前記長さは、前記電極の前記遠位部分の約1.0cmと1.5cmとの間を含む、請求項13に記載のシステム。
  24. 前記開口は、120ミクロン、100ミクロン、90ミクロン、80ミクロン、70ミクロン、60ミクロン、50ミクロン、40ミクロン、30ミクロン、および20ミクロンからなる群から選択される直径を有する、請求項23に記載のシステム。
  25. 前記複数の開口は、導電性の細長い電極の長さの1センチメートル当たり20と60との間である、請求項24に記載のシステム。
  26. 哺乳動物の組織内の所定容積の細胞に、ある用量の治療物質を送達する電気穿孔システムの使用法であって、
    a)電気エネルギーの電気穿孔パルスを受ける前記組織容積を予め決定することと、
    b)前記組織に注入することによって、前記組織に前記治療物質の所定容量を供給することと、
    c)前記組織内に電気穿孔し、前記治療物質の全てを前記組織容積の細胞内に入れるのに十分な、請求項1のリング電極システムを使用した電気パルスによって、前記治療物質容積を含む前記注入される組織を刺激することと、
    を有することにより、前記組織容積に所定の用量を送達することを含む使用法。
  27. 所定の組織容積内の細胞に対する分子の電気穿孔支援インビボ送達のための改良型方法であって、
    哺乳動物に請求項1または13の可変電流密度電極システムを当てることと、
    前記システムの細長い電極を使用して、前記分子を含むある容積の流体媒体を前記組織内に注入することと、
    前記流体媒体を注入される前記組織容積内に存在する細胞の細胞膜の穿孔を生じるのに十分な電流の少なくとも1つの電気パルスを、前記リング電極と前記細長い電極との間に印加することと、
    を含み、前記注入される流体容積は0.1cm3と2.0cm3との間であり、前記細胞膜の穿孔は、前記細長い電極の配置位置から0〜1.5cmの半径方向距離の任意のところで起こる方法。
  28. 被検者のインビボ電気穿孔中に、感覚神経細胞含有皮膚組織に対する電流を減少させる方法であって、
    前記皮膚組織に組織非貫入型リング表面電極を当てることと、
    遠位部分および近位部分を有する組織貫通型の細長い電極を前記被検者の中に適用することであって、前記遠位部分は導電性であり、前記近位部分は電気的に不活性であり、前記リング電極および前記細長い電極は、1000:1と5:1との間の相対的な表面積比の範囲を有することと、
    を有し、前記組織内で、前記細長い電極から0cmと1.5cmとの間の半径方向距離まで、電気穿孔電流密度を発生させるのに十分な電流を有する電気パルスを、前記リング電極と前記細長い電極との間に印加することと、
    を含む方法。
  29. リザーバから流体媒体を運ぶことが可能な組織貫通型の管状の細長い電極を備える電極組立体であって、前記電極は、前記電極のある長さに沿って配置される複数の開口を有し、前記長さは、前記電極の前記遠位部分の約1.0cmと1.5cmとの間を含む電極組立体。
  30. 前記開口は、120ミクロン、100ミクロン、90ミクロン、80ミクロン、70ミクロン、60ミクロン、50ミクロン、40ミクロン、30ミクロン、および20ミクロンからなる群から選択される直径を有する、請求項29に記載の電極組立体。
  31. 前記複数の開口の数は、導電性の細長い電極の長さの1センチメートル当たり10と100との間の開口および20と60との間の開口の群から選択される、請求項30に記載の電極組立体。
  32. 組織接触表面および非接触表面を有する平面導電性基材を備える、毛皮で覆われた動物を処置するときに使用するための電気穿孔装置のためのリング電極であって、前記組織接触表面上の前記基材は、前記基材表面にわたって、かつ、前記基材表面と接触して均等に配置される複数の導電性の細長い組織非貫入突出部をさらに備えるリング電極。
  33. 前記組織非貫入突出部はそれぞれ、ある表面積を含む遠位端を有する、請求項32に記載のリング電極。
  34. 各突出部の前記表面積は、共に加算されて、請求項1の単一の組織貫通型電極の導電性表面積と比較すると、前記組織貫通型電極の表面積の少なくとも5倍の表面積を有する値に等しい総合組織接触表面積になる、請求項33に記載のリング電極。
  35. 所定の組織タイプに治療物質を送達する方法であって、前記治療物質の供給源に流体連通する少なくとも1つの組織貫入型送達チューブを設けることと、前記単数、又は複数のチューブをインビボ組織内へと駆動することとを有し、前記チューブは、単一の場合、前記チューブに関連する2つの電気的な極を有し、2つ以上のチューブの場合、それぞれのチューブが、それぞれのチューブに関連する導電性の極を有し、前記単数、又は複数のチューブを前記組織内へと駆動している間に、駆動距離の0.1mm段階分と2mm段階分との間で前記電気的な極間で前記組織の電気抵抗を検知し、前記抵抗を検知することが所定の値の組織抵抗を検知すると、前記治療物質が、前記単数、又は複数の送達チューブを通して前記組織に送達される方法。
  36. 前記抵抗を検知することは、1ボルトと10ボルトとの間の電圧を使用する、請求項35に記載の方法。
  37. 前記抵抗を検知することは、1マイクロ秒と1秒との間のパルス継続時間を使用する、請求項35に記載の方法。
  38. 前記パルス継続時間は20ミリ秒である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記抵抗を検知することは、約2cmの総合深さまで、前記組織内に0.1mm深さ段階分と0.25mm深さ段階分との間の測定を行う、請求項35に記載の方法。
  40. 前記所定の抵抗値は、治療物質が送達される地点で4mmの挿入深さにおいて500オームの読取り値に設定される、請求項35に記載の方法。
  41. 前記所定の抵抗値は、治療物質が送達される地点で8mmの挿入深さにおいて300オームの読取り値に設定される、請求項35に記載の方法。
  42. 前記細長い電極は、管状であり、かつ、前記近位端から前記遠位端へ流体媒体を運ぶことが可能であり、前記近位端はリザーバに流体連通する、請求項1に記載のシステム。
  43. 前記遠位端は、前記電極のある長さに沿って配置される複数の開口を備え、前記長さは、前記電極の前記遠位部分の約1.0cmと1.5cmとの間を含む、請求項42に記載のシステム。
  44. 前記開口は、120ミクロン、100ミクロン、90ミクロン、80ミクロン、70ミクロン、60ミクロン、50ミクロン、40ミクロン、30ミクロン、および20ミクロンからなる群から選択される直径を有する、請求項43に記載のシステム。
  45. 前記複数の開口の数は、導電性の細長い電極の長さの1センチメートル当たり10と100との間の開口および20と60との間の開口の群から選択される、請求項44に記載のシステム。
  46. 前記細長い電極は、管状であり、かつ、前記近位端から前記遠位端へ流体媒体を運ぶことが可能であり、前記近位端はリザーバに流体連通する、請求項13に記載のシステム。
  47. 前記遠位端は、前記電極のある長さに沿って配置される複数の開口を備え、前記長さは、前記電極の前記遠位部分の約1.0cmと1.5cmとの間を含む、請求項46に記載のシステム。
  48. 前記開口は、120ミクロン、100ミクロン、90ミクロン、80ミクロン、70ミクロン、60ミクロン、50ミクロン、40ミクロン、30ミクロン、および20ミクロンからなる群から選択される直径を有する、請求項47に記載のシステム。
  49. 前記複数の開口の数は、導電性の細長い電極の長さの1センチメートル当たり10と100との間の開口および20と60との間の開口の群から選択される、請求項48に記載のシステム。
  50. 2つの平行な電極は、組織抵抗を検知するために使用される、請求項35に記載のシステム。
  51. 前記駆動することは、均等な容積の流体が前記電極の周りに吐出されるように、前記流体媒体が、等価な流動特性で各開口を通過することを可能にする圧力を生成する、請求項11に記載のシステム。
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