JP2014054342A - 棚連結部材及びこれを備えた棚板装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】収納空間を区画する内側壁に棚板を安定的に連結可能でありながらも収納間口に応じて容易に対応可能な棚連結部材及びこれを備えた棚板装置を提供する。
【解決手段】収納空間4を区画する内側壁3aに棚板10を連結する棚連結部材2であって、前記棚板の下面12に棚板幅方向に延びるように設けられた下方側及び幅方向外方側に開口した収容凹溝13に収容される下方側及び幅方向外方側に開口し、かつ前記棚板の幅寸法に応じて切断可能とされたベース部材15と、前記ベース部材に収容され、該ベース部材の天板部16を貫通する止具9によって前記棚板に固定される固定部28、及びこの固定部に対して固定的に設けられ、かつ前記棚板の側端面11から幅方向外方側に向けて突出するように配置され、前記内側壁に設けられた係合穴3bに挿入される係合突起部22を有した棚連結部20と、前記ベース部材の下方側開口を覆うように配設され、かつ前記棚板の幅寸法に応じて切断可能とされたカバー部材19と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、収納空間を区画する内側壁に棚板を連結する棚連結部材及びこれを備えた棚板装置に関する。
従来より、収納箱等の収納空間を区画する両内側壁に棚板を取り付ける構造としては、両内側壁にダボを設け、該ダボに係合するダボ受け凹所を棚板の幅方向両側端部に設けた構造が知られている。このような棚板の取付構造では、棚板が上下方向にぐらつき易いという問題があった。
例えば、下記特許文献1では、棚板の左右に設けられたダボ受け溝に嵌め込まれる棚ダボ受け部材を備えた棚板取付装置が提案されている。この棚板取付装置の棚ダボ受け部材は、棚板のダボ受け溝内に圧入して棚板内に埋設固定できるように略円柱状とされた受け部材本体を備えた構成とされている。
特開2010−162号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の棚板取付装置は、略円柱状の受け部材本体を、棚板の左右のダボ受け溝に圧入して棚板内に埋設固定する構成とされている。そのため、収納空間を区画する両内側壁間の寸法(収納間口寸法)が異なる収納箱等に組み込む場合には、棚板の幅寸法を、該収納間口に応じた寸法とし、この棚板の左右に、略円柱状の受け部材本体が圧入されるダボ受け溝を設ける必要があった。このようなダボ受け溝を、組付現場等で加工するのは面倒で、また、加工し難く、更なる改善が望まれていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、収納空間を区画する内側壁に棚板を安定的に連結可能でありながらも収納間口に応じて容易に対応可能な棚連結部材及びこれを備えた棚板装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る棚連結部材は、収納空間を区画する内側壁に棚板を連結する棚連結部材であって、前記棚板の下面に棚板幅方向に延びるように設けられた下方側及び幅方向外方側に開口した収容凹溝に収容される下方側及び幅方向外方側に開口し、かつ前記棚板の幅寸法に応じて切断可能とされたベース部材と、前記ベース部材に収容され、該ベース部材の天板部を貫通する止具によって前記棚板に固定される固定部、及びこの固定部に対して固定的に設けられ、かつ前記棚板の側端面から幅方向外方側に向けて突出するように配置され、前記内側壁に設けられた係合穴に挿入される係合突起部を有した棚連結部と、前記ベース部材の下方側開口を覆うように配設され、かつ前記棚板の幅寸法に応じて切断可能とされたカバー部材と、を備えていることを特徴とする。
本発明においては、前記ベース部材の天板部に、棚板幅方向に延びるように、かつ前記止具が挿通されるスリット状開口を設けてもよい。
また、本発明においては、前記棚連結部を、前記係合突起部の棚板幅方向内方側に係合部を設けたピン状部材と、このピン状部材の係合部が着脱自在に係合して取り付けられる被係合部を前記固定部に設けた固定部材と、を備えたものとしてもよい。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る棚板装置は、本発明に係る棚連結部材と、下面に幅方向に延びるように下方側及び幅方向外方側に開口した収容凹溝が設けられ、収納空間を区画する両内側壁に架け渡されるように配設される棚板と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る棚連結部材及びこれを備えた棚板装置は、上述のような構成としたことで、収納空間を区画する内側壁に棚板を安定的に連結可能でありながらも収納間口に応じて容易に対応することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る棚連結部材及びこれを備えた棚板装置の一例を模式的に示す概略分解斜視図、(b)は、同棚連結部材の概略分解斜視図である。 (a)は、図3(a)におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略分解縦断面図、(c)は、図3(a)におけるY−Y線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。 (a)、(b)は、同棚板装置の概略平面図である。 (a)、(b)は、同棚板装置を組み込んだ収納構造の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本実施形態に係る棚連結部材及びこれを備えた棚板装置の一例を模式的に示す図である。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、一方側に開口する収納空間に棚板装置を配設し、その開口に対面した状態を基準として、手前側を前方、その逆側を後方とし、また、その状態を基準として、上下方向等の方向を原則的に説明する。
本実施形態では、図4に示すように、収納空間4(4A)を区画する両内側壁を構成する左右の側板3,3を設けた収納構造5(5A)に、本実施形態に係る棚板装置1を組み込んだ例を示している。つまり、収納空間4(4A)を区画する両内側壁を、左右の側板3,3の互いに向き合う両内側面3a,3aとし、これらによって収納空間4(4A)の左右両側を区画した例を示している。
また、図4では、本実施形態に係る棚板装置1と、他の棚板10Aと、を収納構造5(5A)に設けた例を示している。なお、図4では、複数枚(図例では、2枚)の本実施形態に係る棚板装置1,1と、複数枚(図例では、2枚)の他の棚板10A,10Aと、を収納構造5(5A)に設けた例を示しているが、これらの枚数は図例の枚数に限られない。
また、本実施形態では、これら左右の側板3,3を、天井面6と床面7との間の上下寸法に応じた上下寸法とし、これら天井面6及び床面7によって収納空間4(4A)の上下両側を区画した例を示している。なお、これら左右の側板3,3の上端や下端を、天井や床等に適宜の固定具によって固定するようにしてもよい。また、収納空間4(4A)の上側を天井面6によって区画する態様に代えて、建物内に掘り込み状に設けられた掘り込み状収納の天面によって区画する態様としてもよい。
また、本実施形態では、これら左右の側板3,3の後端面を、壁面8に当接させ、壁面8によって収納空間4(4A)の奥側を区画した例を示している。つまり、本実施形態では、収納構造5(5A)を、壁付け収納とした例を示している。
左右の側板3,3の両内側面3a,3aには、係合穴3bがそれぞれに設けられている(図2(a)参照)。これら内側面3a,3aのそれぞれに設けられた各係合穴3bは、互いに対向する方向に開口する丸穴状のダボ穴3bとされている。
このダボ穴3bは、各内側面3a,3aに、上下方向に沿って間隔を空けて複数設けられている。また、このダボ穴3bは、収納空間4(4A)の奥行方向(前後方向)に間隔を空けて二列状に設けられている。
このダボ穴3bに、後記する本実施形態に係る棚板装置1の棚連結部材2の係合突起部22が挿入される。
また、このダボ穴3bに、他の棚板10Aを受ける棚受ダボが挿入され、他の棚板10Aが棚受ダボに支持される構成とされている。他の棚板10Aは、その幅方向(左右方向)両側に棚受ダボを受け入れる係合凹溝を設けた構成とされたものとしてもよい。なお、他の棚板10Aを左右の側板3,3間に架け渡す態様としては、その他、種々の態様としてもよく、このような他の棚板10Aを設けないようにしてもよい。
また、図4(a)、(b)では、それぞれ互いに異なる収納間口寸法(棚板幅寸法、左右寸法)W1,W2とされた収納構造5,5Aを例示している。図例では、図4(a)に示す収納構造5の左右の側板3,3間の収納間口寸法W1よりも、図4(b)に示す収納構造5Aの左右の側板3,3間の収納間口寸法W2を小さくした例を示している。
なお、収納空間4(4A)の左右両側を区画する両内側壁は、左右の側板3,3の対向する両内側面3a,3aに限られず、両内側壁の両方または一方を、建物内の間仕切壁等の壁面等としてもよい。
また、当該棚板装置1が組み込まれる対象は、上記のように収納空間4(4A)を区画する少なくとも一面が建物仕上面(天井面6や床面7、壁面8等)とされた壁付け収納や掘り込み状収納等の収納構造5(5A)に限られない。当該棚板装置1が組み込まれる対象は、例えば、左右の側板3,3に加え、天板や底板(地板)、背板等を備え、これらによって前方に向けて開口する収納空間を区画する略箱形状とされた収納箱等としてもよい。
本実施形態に係る棚板装置1は、図1及び図4に示すように、左右の側板3,3の両内側面3a,3a間に架け渡されるように配設される棚板10と、この棚板10を内側面3aに連結する本実施形態に係る棚連結部材2と、を備えている。
本実施形態では、棚板10の幅方向(左右方向、収納間口方向)両側を、棚連結部材2,2によって左右の側板3,3の両内側面3a,3aに連結する例を示している。
また、本実施形態では、棚板10の前後方向(収納奥行方向)に間隔を空けた複数箇所(図例では二箇所)を、棚連結部材2,2によって各側板3,3の内側面3a,3aに連結する例を示している(図3も参照)。
棚板10は、図1に示すように、略矩形平板状とされている。この棚板10は、後記するように、収納間口寸法に応じて切断可能とされ、その幅寸法の調整が可能とされている。
また、棚板10の下面12には、幅方向に延びるように下方側及び幅方向外方側に開口した収容凹溝13が設けられている。
この収容凹溝13は、図2に示すように、棚板10の側端面11及び下面12において開口するように、棚板10の幅方向に沿って長尺状に形成されている。また、この収容凹溝13は、棚板10の厚さ方向に形成され、下向きの縦断面略コ字状(略U字状または略C字状)とされている。
この収容凹溝13を区画する下向きの溝底面は、略平坦面とされている。また、この収容凹溝13の溝幅方向(前後方向)両側を区画する両溝側面は、互いに略平行に形成され、それぞれ溝底面に対して略直交するように形成されている。また、図例では、この収容凹溝13の棚板幅方向内方側(棚板幅方向中心側)を区画し、両溝側面に連なる溝内端部(棚板幅方向外方側に向く溝内面)を、溝底面に対して略直交し、両溝側面を接続するように形成された凹湾曲面形状とした例を示している。
また、本実施形態では、棚板10の幅方向両側の前後方向に間隔を空けた二箇所のそれぞれに収容凹溝13,13,13,13を設けている(図3(a)参照)。これら前後方向に間隔を空けて設けられた収容凹溝13,13は、上記した各側板3,3の内側面3a,3aに奥行方向(前後方向)に間隔を空けて二列状に設けられたダボ穴3bに応じた位置となるように設けられている。図例では、棚板10の幅方向両側の前端部近傍及び後端部近傍のそれぞれに略同寸同形状の収容凹溝13,13,13,13を設けた例を示している。
この収容凹溝13の溝深さ寸法(棚板厚さ方向に沿う寸法)や溝長さ寸法(棚板幅方向に沿う寸法)は、後記する棚連結部材2のベース部材15に応じた寸法とすればよい。この収容凹溝13の溝深さ寸法は、棚板10の厚さ寸法等にもよるが、棚板10の強度上の観点等から、例えば、棚板10の厚さ寸法の1/4〜3/4程度の溝深さ寸法としてもよく、本実施形態では、棚板10の厚さ寸法の1/2程度の溝深さ寸法とした例を示している。また、この収容凹溝13の溝長さ寸法は、後記するように収納間口寸法に応じて切断されて幅寸法が調整される当該棚板10の調整幅等に応じて、適宜、設定するようにしてもよい。例えば、50mm〜200mm程度としてもよく、本実施形態では、棚板10の幅方向一端側を100mm程度切断しても棚連結部材2による側板3への連結が可能となるような寸法としている。
なお、図4において、符号14は、棚板10の後端部に固定され、壁面8にねじ等の止具によって固定される固定片部14である。なお、このような固定片部14を設けないようにしてもよい。
また、この棚板10は、木質系材料を板状に加工した基材に、適宜、合成樹脂シートや突板等の表面化粧シートの貼着や、塗装等がなされた構成とされたものとしてもよい。また、木質系材料としては、合板やLVL(単板積層材)等の木質積層板、パーティクルボード等の木質ボード、インシュレーションボードやMDF(中密度繊維板)等の木質繊維板などが挙げられる。また、木質系材料としては、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)としてもよい。また、上記基材としては、合成樹脂系材料や金属系材料からなるものとしてもよい。
本実施形態に係る棚連結部材2は、図1に示すように、棚板10に設けられた収容凹溝13に収容されるベース部材15と、このベース部材15の下方側開口を覆うように配設されるカバー部材19と、を備えている。また、棚連結部材2は、棚板10に固定され、棚板10を側板3に連結する棚連結部20を備えている。この棚連結部20は、ベース部材15に収容され、棚板10に固定される固定部28を備えている。また、この棚連結部20は、固定部28に対して固定的に設けられ、かつ棚板10の側端面11から棚板幅方向外方側に向けて突出するように配置され、側板3に設けられた係合穴3bに挿入される係合突起部22を備えている(図2(a)も参照)。
本実施形態では、棚板装置1は、棚板10に設けられた収容凹溝13,13,13,13に対応させて、略同様の構成とされた4つの棚連結部材2,2,2,2を備えている(図3も参照)。
ベース部材15は、図1及び図2に示すように、下方側及び幅方向(棚板幅方向)外方側に開口し、棚板10の幅方向に沿って長尺状とされている。このベース部材15は、棚板10の幅寸法に応じて切断可能とされ、その長さの調整が可能とされている。また、このベース部材15は、棚板10の収容凹溝13に応じた形状とされており、収容凹溝13に嵌め込まれるように収容される。
このベース部材15は、天板部16と、この天板部16の前後(溝幅方向)両側縁部及び反棚板幅方向外方側開口側(棚板幅方向内方側)縁部から垂れ下がるように一連に設けられた側周部18と、を備えている。これら天板部16及び側周部18は、薄板状とされ、ベース部材15は、これら天板部16及び側周部18によって、下方側及び幅方向外方側に開口し、棚板10の幅方向に沿って長尺状の受入溝を区画している。また、ベース部材15は、その長手方向に直交する縦断面形状が概ね一様とされている。
天板部16は、棚板10の収容凹溝13の溝底面に応じた形状とされており、収容凹溝13の溝底面に当接される。この天板部16を貫通する止具9によって、後記する棚連結部20の固定部28が棚板10に固定される。
本実施形態では、図1(b)及び図2に示すように、この天板部16に、棚板10の幅方向に延びるように、かつ止具9が挿通されるスリット状開口17を設けている。つまり、このスリット状開口17は、当該ベース部材15の長手方向に沿って延びるように、天板部16を厚さ方向に貫通するように設けられている。
また、本実施形態では、このスリット状開口17を、図1(b)に示すように、天板部16の前後方向略中央部に設け、ベース部材15の長手方向の概ね全長に亘って設けている。また、図例では、ベース部材15の棚板幅方向外方側開口側において開口するようにスリット状開口17を設けた例を示している。このスリット状開口17の前後寸法(開口幅寸法)は、止具9の挿通が可能な寸法としてもよい。
側周部18は、棚板10の収容凹溝13の両溝側面及び溝内端部に応じた形状とされており、これら両溝側面及び溝内端部に当接または近接配置される。
このベース部材15は、図2(b)に示すように、棚板10の側端面11及び下面12から突出しないように、その略全体が棚板10の収容凹溝13に収容される構成とされている。図例では、ベース部材15を、収容凹溝13に収容させた状態で、ベース部材15の側周部18の側端面11側縁部及び下端縁部が棚板10の側端面11及び下面12のそれぞれと略面一状となるように構成した例を示している。
なお、このベース部材15は、後記する棚連結部20の固定部28を棚板10に固定する止具9によってその天板部16が棚板10に固定されるため、棚板10の収容凹溝13に嵌め込むのみで取り付けるようにしてもよい。または、このベース部材15を、接着剤や粘着材等によって棚板10の収容凹溝13に取り付けるようにしてもよい。
カバー部材19は、図1(b)及び図2に示すように、ベース部材15の下方側開口に応じた形状とされている。このカバー部材19は、ベース部材15と同様、棚板10の幅寸法に応じて切断可能とされ、その長さの調整が可能とされている。
また、本実施形態では、カバー部材19を、薄平板状とし、その前後寸法及び長さ寸法(棚板幅方向に沿う寸法)をベース部材15の前後寸法及び長さ寸法(棚板幅方向に沿う寸法)よりも僅かに大きくしている。つまり、カバー部材19は、ベース部材15の下方側開口を覆うように、その周縁部を棚板10の下面12に当接または近接させて配設される構成とされている。なお、このような態様に代えて、ベース部材15及びカバー部材19を棚板10に組み付けた状態で、カバー部材19の下面が棚板10の下面12と略同一平面状となるようにこれらベース部材15及びカバー部材19を構成するようにしてもよい。
また、このカバー部材19は、ベース部材15に対して着脱可能に取り付けられるものとしてもよい。例えば、カバー部材19の上面側に上方に向けて突出し、ベース部材15の下方側開口に圧入される突出片を設けるようにしてもよい。このような突出片は、カバー部材19が切断された場合にも圧入可能なように、カバー部材19の前後両側縁部に、当該カバー部材19の長手方向の略全長に亘って、または、長手方向に沿って間隔を空けて複数箇所に設けるようにしてもよい。また、カバー部材19をベース部材15に対して着脱可能に取り付ける態様としては、このような態様に限られず、例えば、一方に係止凹部や係止突部等の係止部を設け、他方に、該係止部に着脱可能に係止される被係止部を設けた態様としてもよく、その他、種々の取付態様の採用が可能である。
なお、このようにカバー部材19をベース部材15に対して容易に着脱可能に取付可能とした態様に代えて、または加えて、カバー部材19をベース部材15または棚板10に対して容易に取り外し難いように接着剤や粘着材等によって取り付ける態様としてもよい。
棚連結部20は、本実施形態では、係合突起部22の棚板幅方向内方側に係合部23を設けたピン状部材21と、このピン状部材21の係合部23が着脱自在に係合して取り付けられる被係合部29aを固定部28に設けた固定部材27と、を備えている。
ピン状部材21の係合突起部22は、本実施形態では、側板3に設けられたダボ穴3bに嵌め込まれるように挿入される略円柱状で、ダボ状とされている。この係合突起部22は、ダボ穴3bに対して軸廻りに容易には回転しないようダボ穴3bよりも僅かに大径状とし、ダボ穴3bに対して圧入されるように挿入されるものとしてもよい。
ピン状部材21の係合部23は、本実施形態では、係合突起部22と略同軸状(略同心状)で係合突起部22よりも大径状とされた鍔状係合部23とされている。この鍔状係合部23は、当該棚連結部材2が棚板10に組み付けられた状態で、その棚板幅方向外方側面が棚板10の側端面11と略同一平面状となるように配設される(図2(a)参照)。
また、本実施形態では、ピン状部材21は、その鍔状係合部23の棚板幅方向内方側に、当該ピン状部材21を固定部材27に固定する固定具25に固定される被固定部24を設けた構成とされている。本実施形態では、この被固定部24を、係合突起部22と略同軸状(略同心状)で鍔状係合部23よりも小径状とされた雄ねじ部24としている。図例では、この雄ねじ部24を、係合突起部22よりも僅かに小径状とした例を示している。なお、この雄ねじ部24の固定具25に対する締付けや締付け解除操作が可能なように係合突起部22の突出方向先端面に十字穴やすりわり等を設けるようにしてもよい。
これら係合突起部22、鍔状係合部23及び雄ねじ部24は、一体的に形成されている。
固定具25は、ピン状部材21の雄ねじ部24に応じた雌ねじ孔26を設けた雌ねじ部材25とされている。この雌ねじ部材25は、その軸心に軸方向に貫通する雌ねじ孔26を設けた略円筒形状とされている。この雌ねじ部材25は、当該棚連結部材2が棚板10に組み付けられた状態で、カバー部材19と干渉しないようベース部材15に概ね全体が収容される。
また、この雌ねじ部材25には、その外周面において開口し、軸心に向けて形成されたピン穴25aが設けられている。図例では、複数のピン穴25aを周方向及び軸方向に間隔を空けて設けた例を示している。このようなピン穴25aを設けた態様とすることで、このピン穴25aにピン等を差し込むことで、ピン状部材21の雄ねじ部24に対する雌ねじ部材25の共廻りを防止したり、締め付けたり、締め付けを解除したりすることができる。
固定部材27は、当該棚連結部材2が棚板10に組み付けられた状態で、カバー部材19と干渉しないようベース部材15に概ね全体が収容される。
この固定部材27の固定部28は、本実施形態では、図1(b)及び図2に示すように、ベース部材15の天板部16に沿うように、厚さ方向を棚板10の厚さ方向に沿わせて配設される薄板片状の固定片28とされている。この固定片28は、その前後寸法が、ベース部材15の側周部18の前後の内側面間の寸法に応じた寸法とされている。このような構成とすることで、ベース部材15の上記受入溝内における当該固定部材27の前後方向への位置ずれを抑制することができる。また、この固定片28は、その棚板幅方向に沿う寸法(左右寸法)が、ベース部材15の長さ寸法よりも小さい寸法とされている。この固定片28の棚板幅方向に沿う寸法は、棚板10の調整幅に応じて長さ調整されるベース部材15の受入溝に収容可能なように、ベース部材15の長さ寸法よりも小さい寸法とすればよい。
また、本実施形態では、この固定片28に、止具9の止具孔28aを厚さ方向に貫通させて設けている。この止具孔28aは、固定片28の前後方向略中央に設けられており、当該固定部材27がベース部材15に収容された状態で、ベース部材15のスリット状開口17と棚板厚さ方向に連通するように形成されている。
固定部材27の被係合部29aは、本実施形態では、固定片28の棚板幅方向外方側縁部から垂れ下がるように一連に設けられた被係合片29に設けられている。この被係合片29は、厚さ方向を棚板10の幅方向に沿わせて配設される薄板片状とされている。また、この被係合片29は、その棚板幅方向外方側面が棚板10の側端面11と略同一平面状となるように配設される。このような被係合片29を設けた態様とすることで、当該固定部材27のベース部材15の長手方向に沿う位置決めを容易に行うことができる。
また、この被係合片29に設けられた被係合部29aを、下向きに開口し、切欠状に形成された係合凹部29aとしている。この係合凹部29aは、ピン状部材21の鍔状係合部23に応じた形状とされている。また、この係合凹部29aには、この鍔状係合部23を係合させた状態(受け入れた状態)で、当該固定部材27に対するピン状部材21の棚板幅方向内方側への移動を規制するように鍔状係合部23の棚板幅方向内方側面に当接される段状の当接面が形成されている。
上記したピン状部材21は、その鍔状係合部23を固定部材27の被係合片29の係合凹部29aに係合させ、その雄ねじ部24に、雌ねじ部材25の雌ねじ孔26を嵌め合わせて締め付け、固定部材27に対して固定的に取り付けられる。この状態では、鍔状係合部23と雌ねじ部材25とによって固定部材27の被係合片29を挟むように保持し、ピン状部材21が固定部材27に対して固定的に取り付けられた状態となる。なお、ピン状部材21を固定部材27に対して固定的に取り付ける態様としては、このような態様に限られない。例えば、ピン状部材21に、棚板幅方向内方側に向けて開口する雌ねじ穴を設け、固定具25を、この雌ねじ穴に嵌め合わされる雄ねじ部材としてもよい。つまり、ピン状部材21及び固定具25のそれぞれに互いに嵌まり合うねじ部を設け、これらによって固定部材27の被係合片29を挟むように保持することで、ピン状部材21を固定部材27に対して固定的に取り付ける態様としてもよい。その他、種々の取付態様の採用が可能である。
なお、上記した棚連結部材2を構成する各部材は、合成樹脂系材料や、金属系材料等からなるものとしてもよい。例えば、強度上の観点等から、棚連結部20のピン状部材21、固定具(雌ねじ部材)25及び固定部材27を金属系材料から形成されたものとし、ベース部材15及びカバー部材19を、加工性や切断性等の観点等から、合成樹脂系材料から形成されたものとしてもよい。その他、これら各部材は、種々の材料から形成されたものとしてもよい。
上記構成とされた棚連結部材2を用いて棚板10を収納構造5(5A)に組み込む際には、例えば、以下のようにしてもよい。
まず、棚板10の幅寸法を、必要に応じて、組み込み対象となる収納構造5(5A)の収納間口寸法W1(W2)に応じた寸法となるように切断して調整する。また、各棚連結部材2のベース部材15及びカバー部材19の長さを、幅調整された棚板10の収容凹溝13の長さに応じた寸法となるように切断して調整する。この際、棚板10の各収容凹溝13に各棚連結部材2のベース部材15及びカバー部材19の両方またはベース部材15のみを組み付けた状態(仮組状態)で、棚板10とともに切断するようにしてもよい。
図3(a)では、図4(a)に示す収納構造5の収納間口寸法W1に応じた幅寸法の棚板10を例示している。この棚板10の切断前の幅寸法は、比較的に大きい収納間口寸法に対応させた寸法としてもよい。
図3(b)では、図4(b)に示す収納構造5Aの収納間口寸法W2に応じた幅寸法に調整した棚板10を例示しており、図3(a)の棚板10の幅方向両側を切断した例を示している。なお、棚板10の幅調整は、収納構造5Aの収納間口寸法W2に応じて、幅方向一方側のみを切断することで調整するようにしてもよい。
次いで、各棚連結部材2のベース部材15を各収容凹溝13に収容させた棚板10に、各棚連結部材2の固定部材27の固定片28を止具9によって固定する。この際、固定部材27の被係合片29が棚板10の側端面11と略同一平面状となるように位置決めし、固定するようにしてもよい。また、各棚連結部材2のピン状部材21の係合突起部22を、各側板3のダボ穴3bに嵌め込む。
次いで、各棚連結部材2の固定部材27の被係合片29の係合凹部29aに、各側板3に固定された各棚連結部材2のピン状部材21の鍔状係合部23を係合させ、棚板10を保持させる。そして、各棚連結部材2の雌ねじ部材25を、各棚連結部材2のピン状部材21の雄ねじ部24に嵌め合わせて締め付け、各棚連結部材2の固定部材27と各棚連結部材2のピン状部材21とを固定的に連結する。この際、雌ねじ部材25のピン穴25aにピン等を差し込み、締め付け操作するようにしてもよい。また、この場合、雌ねじ部材25に対するピン状部材21の雄ねじ部24の共廻りを抑制可能なように、ピン状部材21の鍔状係合部23及び固定部材27の被係合片29の係合凹部29aを、ピン状部材21の軸廻りの回転を規制する側面視略矩形状等の形状としてもよい。
次いで、各棚連結部材2のカバー部材19を取り付けるようにしてもよい。
なお、上記した組付手順は一例であり、各部材等の機能を阻害しない限りにおいて別手順で行うようにしてもよい。例えば、各棚連結部材2のピン状部材21を、雌ねじ部材25を介して固定部材27に固定的に取り付けた状態で、各係合突起部22を各側板3のダボ穴3bに嵌め込む。次いで、各棚連結部材2のベース部材15を各収容凹溝13に収容させた棚板10に、各棚連結部材2の固定部材27の固定片28を止具9によって固定するようにしてもよい。
また、上記のように収納構造5(5A)に組み込まれた棚板装置1を、収納構造5(5A)、つまりは各側板3から取り外す際には、例えば、以下のようにしてもよい。
まず、各棚連結部材2のカバー部材19を取り外す。次いで、各棚連結部材2の雌ねじ部材25のピン穴25aにピン等を差し込み、ピン状部材21の雄ねじ部24に対する締め付けを緩め、各棚連結部材2のベース部材15及び固定部材27が固定された棚板10を各側板3から取り外すようにしてもよい。または、各棚連結部材2のカバー部材19を取り外し、棚板10に捩じ込んだ止具9を取り外す。次いで、棚板10を各棚連結部材2の棚連結部20から取り外し、各棚連結部材2の棚連結部20を各側板3から取り外すようにしてもよい。
本実施形態に係る棚連結部材2及びこれを備えた棚板装置1は、上述のような構成としたことで、収納空間4(4A)を区画する内側壁(内側面)3aに棚板10を安定的に連結可能でありながらも収納間口に応じて容易に対応することができる。
つまり、棚連結部材2の棚連結部20に、ベース部材15の天板部16を貫通する止具9によって棚板10に固定される固定部(固定片)28と、この固定部28に対して固定的に設けられ、係合穴(ダボ穴)3bに挿入される係合突起部22と、を設けている。従って、例えば、棚板のダボ受け凹所にダボを係合させる構造とした場合と比べて、棚連結部20によって収納空間4(4A)を区画する内側壁3aに棚板10を安定的に連結することができる。
また、棚連結部材2は、棚板10の収容凹溝13に収容される下方側及び幅方向外方側に開口し、棚板10の幅寸法に応じて切断可能とされたベース部材15を備えている。従って、これら棚板10の収容凹溝13及びベース部材15の棚板幅方向に沿う寸法に概ね応じた範囲内で、棚板10及びベース部材15を収納間口に応じて切断した場合にも、ベース部材15を収容する収容凹溝13が消失するようなことがない。また、棚連結部20の固定部28を収容するベース部材15をこの収容凹溝13に収容させることができる。これにより、例えば、棚板を収納間口に応じた幅寸法とし、この棚板の幅方向端部に、略円柱状のダボ受け部材が圧入されるダボ受け溝等を組付現場等で加工する場合と比べて、収納間口に応じて容易に対応することができる。
また、棚連結部材2は、ベース部材15の下方側開口を覆うように配設され、かつ棚板10の幅寸法に応じて切断可能とされたカバー部材19を備えている。従って、収納間口に応じて容易に対応することができ、棚板10の下面12側の見栄えを向上させることができる。
また、住居等の建物内に設けられる壁付け収納や掘り込み状収納等の収納構造5(5A)に、棚板10を組み付ける場合には、収納間口寸法が収納箱等のように規格化されていないことが多々あり、棚板10の幅寸法を組付現場等において調整する必要が生じる場合がある。このような場合にも本実施形態に係る棚連結部材2及びこれを備えた棚板装置1によれば、上述のように、収納構造5(5A)の収納間口に応じて容易に対応することができる。
また、本実施形態では、棚連結部材2のベース部材15の天板部16に、棚板幅方向に延びるように、かつ棚連結部20の固定部28を棚板10に固定する止具9が挿通されるスリット状開口17を設けている。従って、ベース部材15を棚板10の幅寸法に応じて切断した場合にも、このスリット状開口17を介して容易に止具9によって棚連結部20の固定部28を棚板10に固定することができる。
また、本実施形態では、棚連結部材2の棚連結部20を、係合突起部22の棚板幅方向内方側に係合部23を設けたピン状部材21と、このピン状部材21の係合部23が着脱自在に係合して取り付けられる被係合部29aを固定部28に設けた固定部材27と、を備えた構成としている。従って、係合突起部22を有したピン状部材21を、棚板10に固定される固定部28を有した固定部材27に対して取り外すことができる。これにより、上記したように、当該棚連結部材2を用いて内側壁3aに連結した棚板10から固定部材27を取り外すことなく、この棚板10を内側壁3aから取り外すこともできる。
なお、本実施形態では、棚板10の幅方向両側に収容凹溝13,13を設け、幅方向両側を幅調整のために切断可能とした例を示しているが、棚板10の幅方向一方側のみに収容凹溝13を設け、この収容凹溝13に棚連結部材2を組み付けた態様としてもよい。この場合は、棚板10の幅方向他方側を、他の連結態様によって収納空間4(4A)を区画する内側壁3aに連結するようにしてもよい。または、棚板10の幅方向両側のそれぞれに収容凹溝13,13を設けた態様に代えて、棚板10の幅方向の全幅に亘る収容凹溝13を設けた態様としてもよい。つまり、棚板10の下面12に、下方側及び幅方向両外方側に開口する収容凹溝13を設けた態様としてもよい。この場合は、ベース部材15及びカバー部材19も、この収容凹溝13に応じた形状とし、これらの両側に棚連結部20,20をそれぞれに設ける態様としてもよい。
また、本実施形態では、棚連結部材2の棚連結部20を、ピン状部材21と、このピン状部材21に対して着脱自在に固定的に取り付けられる固定部材27と、を備えた構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、棚板10に止具9によって固定される固定部28と、係合穴3bに挿入される係合突起部22と、を一体的に形成した棚連結部20としてもよい。
また、本実施形態では、棚連結部材2のベース部材15の天板部16に、スリット状開口17を設けた例を示しているが、このようなスリット状開口17に代えて、天板部16の下面に棚板幅方向に延びるように、例えば、断面略V字状等の細凹溝を設けた態様としてもよい。さらには、ベース部材15の天板部16に、このような止具9の挿通箇所や、止着箇所の目安等を設けないようにしてもよい。
また、本実施形態に係る棚板装置1は、例えば、ベース部材15及びカバー部材19を棚板10が備えたものとし、この棚板10と、棚連結部20を有した棚連結部材2と、を備えたものとして把握するようにしてもよい。
1 棚板装置
2 棚連結部材
10 棚板
11 側端面
12 下面
13 収容凹溝
15 ベース部材
16 天板部
17 スリット状開口
19 カバー部材
20 棚連結部
21 ピン状部材
22 係合突起部
23 鍔状係合部(係合部)
27 固定部材
28 固定片(固定部)
29a 係合凹部(被係合部)
3a 内側面(内側壁)
3b 係合穴
4,4A 収納空間
9 止具

Claims (4)

  1. 収納空間を区画する内側壁に棚板を連結する棚連結部材であって、
    前記棚板の下面に棚板幅方向に延びるように設けられた下方側及び幅方向外方側に開口した収容凹溝に収容される下方側及び幅方向外方側に開口し、かつ前記棚板の幅寸法に応じて切断可能とされたベース部材と、
    前記ベース部材に収容され、該ベース部材の天板部を貫通する止具によって前記棚板に固定される固定部、及びこの固定部に対して固定的に設けられ、かつ前記棚板の側端面から幅方向外方側に向けて突出するように配置され、前記内側壁に設けられた係合穴に挿入される係合突起部を有した棚連結部と、
    前記ベース部材の下方側開口を覆うように配設され、かつ前記棚板の幅寸法に応じて切断可能とされたカバー部材と、
    を備えていることを特徴とする棚連結部材。
  2. 請求項1において、
    前記ベース部材の天板部には、棚板幅方向に延びるように、かつ前記止具が挿通されるスリット状開口が設けられていることを特徴とする棚連結部材。
  3. 請求項1または2において、
    前記棚連結部は、前記係合突起部の棚板幅方向内方側に係合部を設けたピン状部材と、このピン状部材の係合部が着脱自在に係合して取り付けられる被係合部を前記固定部に設けた固定部材と、を備えていることを特徴とする棚連結部材。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の棚連結部材と、
    下面に幅方向に延びるように下方側及び幅方向外方側に開口した収容凹溝が設けられ、収納空間を区画する両内側壁に架け渡されるように配設される棚板と、
    を備えていることを特徴とする棚板装置。
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