JP2014053751A - 複数衛星間の動的切り替えを行うサテライトダイバーシティ(D・Sat−D)方式 - Google Patents

複数衛星間の動的切り替えを行うサテライトダイバーシティ(D・Sat−D)方式 Download PDF

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Abstract

【課題】複数衛星間の動的切り替えを行うサテライトダイバーシティーを提供する。
【解決手段】軌道間隔が出来るだけ大きく取れる複数の衛星30,31,32を選択して、これに対応した地球局36,37,38を具備し、衛星からの降雨減衰量39をビーコン信号などにより常時測定し、降雨時に降雨減衰量の小さい衛星を選択して、対向地球局を切り替えて信号33,34,35を送受信し、この操作を動的に実施することで、常に大きなサテライトダイバーシティ利得の衛星との回線設定とが可能となり、システムの稼働率を改善できる。さらに、デマンドアサインメント方式で、回線予約し、必要なチャネルを待機させておき、必要に応じて該当するチャネルへの動的チャネル切り替えにより、常時1衛星の1チャネルしか使用せず、中継器借用料の低コスト化が可能となる。
【選択図】図3

Description

14/12GHz(Ku)帯、30/20GHz(Ka)帯などの降雨減衰の大きな周波数帯において、減衰回避のために、降雨減衰の少ない軌道位置の複数の衛星からの信号を、順次動的に切り替えて受信してダイバーティ効果を得るサテライトダイバーシティ方式によるダイバーシティ効果により、回線稼働率を改善することを目的として、複数衛星間で動的(ダイナミック)に切り替えを行うサテライトダイバーティ(D・Sat−D)方式に関する。
約40年前に、固定衛星通信が6/4GHz帯を使用して開始されて以来、静止衛星軌道(GSO)上に数多く打ち上げられ、GSOの混雑が問題となっている。このため、より高い周波数帯であるKu帯、Ka帯の使用が盛んになってきている。このような10GHzを越える周波数帯においては、降雨による減衰が大きく、大きな降雨マージを設計時に考慮する必要があり、高コストな衛星システムとなっている。
この発明のD・Sat−D方式は、降雨による減衰が発生したときに、通信チャネルを確保したGSOの東西に十分離れた衛星を選択し、通信チャネルを確保しておき、複数衛星からの同じ情報の信号を受信し、降雨減衰の小さな衛星からの信号を選択して受信できる地球局を経由して、信号を受信し、降雨を発生する雨雲の移動に従い、他の降雨減衰の小さな衛星からの信号に衛星と地球局を動的に切り替えて受信することで、回線断の時間率を減少させることを実現している。
従来のサテライトダイバーシティ方式(Sat−D)方式は、特許文献1で示している初田などの特許、その他、初田などのIEEE(米国電気電子学会)論文,電子情報通信学会論文誌への発表論文などで検討されているように、同一の地点で2地球局を設置し、2衛星からの信号を受信し、信号強度の強い信号を採用する方法が提案されている。
従来のSat−D方式は、2衛星中継器の常時使用構成を想定しており、常に両方の衛星からの信号を受信し、2信号の内の減衰の少ない衛星からの信号を採用して通信を継続している。このために、常時2チャネルをSat−D方式用に確保し、回線借用料が必要であり、システムコストの増加原因となっている。
また、2衛星の軌道間隔が十分でないと、Sat−D方式のダイバーシティ利得が小さくなり、実用化時の問題となり十分に活用されていない結果となる可能性が生ずる。さらに、使用している2衛星の軌道上に降雨が発生すると、回線特性が劣化し、回線特性改善の自由度が限定される。
本発明のD・Sat−D方式では、2基以上の衛星からの信号を、複数の地球局の上空で発生した雨雲に対する降雨減衰量を常に、ビーコン信号、呼信号、自局折り返し信号などのいずれかで測定しておき、降雨減衰の小さな回線を動的に選択して、衛星中継器の回線をデマンドアサインメント方式により予約し、適切な1衛星のみを活性化(使用可能と)し、通信を継続することを特徴としている。
これまでのKu帯のダイバーシティ方式の実験結果、各種の技術的検討などによれば、衛星間の軌道間隔が十分大きければ、ダイバーシティ切り替えによって十分なダイバーシティ効果が得られ、例えば、Ku帯の実験結果から回線稼働率が約1桁程度(例えば、不稼働率1%が0.1%)改善される。
本発明のD・Sat−D方式では、従来のSat−D方式で、2チャネルを占有して切り替えるのとは異なり、複数の衛星を対象として地球局装置を具備し、各時間では単一衛星のみを動的に使用するように構成している。これによって、従来の2チャネルを常時占有することによるコストアップが回避でき、複数衛星受信によるダイバーシティのための衛星組み合わせ数の増加によるダイバーシティ利得の向上が期待できる。
Ku帯、Ka帯などの降雨減衰の大きい周波数帯を用いる衛星通信地球局装置は、降雨減衰が大きく、所要の回線チャネルを通信するためには、この降雨減衰を補償するための大型アンテナ、高出力の大電力増幅機(HPA)装置が必要である。例えば、Ka帯で150WのHPA装置を実現しようとすると、クライストロン、TWTなどの管種を使用する高価なHPA装置などが使用されており、大型アンテナ・HPA装置が高価なため、システムコストの大幅アップとなり、安価な衛星サービスを提供するためのネックとなっていた。また、10m級のKu帯、Ka帯アンテナは、微細な鏡面精度が要求され,非常に高価となっている。
これまで、この問題解決のために、Ku帯、Ka帯などの周波数帯での大きな降雨減衰に対応するために各種の稼働率改善のための方法が考案されている。これには、以下の方法などが含まれる。
(1) 大きなアンテナ、大出力送信機の使用、
(2)変調・復調方式による改善(誤り訂正方式、PSK方式の相数可変方式、ビットレート可変方式など)
(3)各種のダイバーシティ方式、例えば、サイトダイバーシティ方式(SD方式),2衛星を使用したSat−D方式、時間遅延ダイバーシティ方式(TDD方式)などが検討されてきている。
この中で、(3)の各種のダイバーシティ方式は、雨域の移動、地理的に限定された地域のみの減衰などを利用する方式である。図1は、従来のSD方式の構成のブロックダイアグラムを示す。図1に示すように、距離的に離れた2地球局2,3で衛星1からの同じ信号4,5を受信し、降雨6の影響が少なく信号強度の強い地球局の信号4を採用するように切り替え器7で切り替え、送受信機8で変調・復調することで稼働率を改善することで、降雨6による回線劣化を改善している。すでに、SD方式はインテルサットの国際衛星通信などで、約100km程度地球局(山口局ー浜田局)を離して信号を受信し、稼働率を改善することが実用化されている。
このSD方式では、約100kmの地球局間隔を取った場合は、2地球局間のエントランス線の費用が嵩み、システムコストを押し上げるために、ダイバーシティ効果は大きいが、コスト比較で不利となり、その後余り多くは実用化されていない。
図2は従来のSat−D方式の構成のブロックダイアグラムを示す。図2に示すように、同一の地点に2地球局26,27を設置し、同一衛星情報を送信している2衛星21,22からの信号23,24を受信し、降雨25の影響の少ない信号強度の強い地球局27の信号24を採用するように切り替え器28で切り替え、送受信機29で変調・復調することで稼働率を改善している。従来のSat−D方式では、2衛星の中継器の中の各チャネルは、常時借り切りであり、2チャネル分の中継器借用料金が必要であり、システムコストアップとなっている。
本発明のD・Sat−D方式では、この欠点を解決するために、動的に借用中継器を降雨の移動にしたがって、動的に切り替えて行くことで、1衛星中継器の1チャネルのみを使用しており、他の衛星中継器は、別のユーザーが使用することを可能としている。
さらに、複数の衛星向けに地球局を具備しておくことで、広い範囲のGSOの衛星にアクセスし、これにより、大きなダイバーシティ利得を獲得することが可能となる。
特開2008−109557、「サテライト・ダイバーシティ装置」:初田他の特許で、1基のアンテナ鏡面で複数の衛星信号を受信可能なルーネベルグアンテナを使用して、低コストのダイバーシティ装置を実現するものである。この特許は、1箇所の地点に設置されたルーネベルグアンテナを使用するものである。本発明の複数の衛星を降雨減衰量に依存して動的に切り替える本発明のD・Sat−D方式とは異なる特許である。
特開昭59−85143、「衛星通信方式」:集中制御の要求割り当て多元接続方式によって、多数の地球局が衛星を介して狭帯域通信を行う衛星通信方式において、地球局の内一定の距離以上離れた少なくとも2地球局が、それぞれの要求割り当て多元接続方式の制御信号を送信し集中制御を行う集中制御手段と、パイロット信号を送信するパイロット送信手段などで構成され、パイロット信号の伝搬損失をモニターし、制御信号の送出・停止を制御する特許である。本発明の複数の衛星を降雨減衰量に依存して動的に切り替える本発明のD・Sat−D方式とは異なる特許である。
特開平05−145457、「サイトダイバーシティを用いた送信電力制御方式」:TDMA衛星通信方式で、アップリンクにおける送信電力を制御するサイトダイバーシティを用いた送信電力制御方式において、同期制御基準局の交対を最小限に抑えて、送信電力制御誤差の低減を可能とする特許である。本発明の複数の衛星を降雨減衰量に依存して動的に切り替える本発明のD・Sat−D方式とは異なる特許である。
Ku帯、Ka帯、特に、Ka帯の衛星通信地球局は、各装置が高価であるために、システム的に、回線パラメーター、装置コストを考慮した低コスト化が必要となる。また、降雨減衰が発生することで、衛星からの信号強度が通信を継続するに必要な所定の信号電力帯雑音電力比(C/N)を満足しない時間帯が発生し、このときは回線断となり、システムの信頼度が低下するために、何らかの降雨減衰対策でこの稼働率を向上させる必要がある。
この降雨減衰対策としては、各種のダイバーシティ方式が有効であるが、それぞれ長所・短所を有している。この中で、Sat−D方式は有効と考えられるが、従来のSat−D方式は、図2に示されるように、同一の地点の2地球局で、固定された2衛星からの信号を受信しており、雨域が広い場合や、2衛星の軌道間隔が狭い場合には十分なダイバーシティ効果が得られない場合が考えられる。また、プリアサインメント方式による回線予約で、2衛星中継器のSat−D方式用チャネルを借用しているために通信料が嵩む欠点がある。
本発明のD・Sat−D方式では、この問題を解決するために、軌道間隔が十分大きく取れる軌道位置の複数の衛星を対象として、これに対向した地球局を具備し、降雨減衰を発生する雨域の西から東への移動による各衛星からの降雨減衰による信号強度の変動をモニターしておき、最も信号減衰の小さな衛星中継器のチャネルに動的に切り替えることで、大きなサテライトダイバーシティ利得を獲得し、回線の不稼働率を改善するものである。
動的なチャネル切り替えにより、常時1衛星の1チャネルしか使用しないために、中継器借用料の削減が可能となる。
また、衛星軌道間隔が十分取れる軌道位置の複数の衛星を選択してシステムを稼動させているために、非常に大きなサテライトダイバーシティ利得が獲得でき、システムの可能率特性の改善に寄与できる。
発明が解決する必要のある課題は、以下にまとめることが出来る。
(1)従来のSat−D方式のダイバーシティ利得果の強化の課題
従来のSat−D方式は、図2に示されるように、同一の地点の2地球局で、2衛星21,22からの信号23,24を受信しており、固定された2衛星を使用するために、雨域が広い場合や、2衛星の軌道間隔が狭い場合には、十分なダイバーシティ効果が得られない場合が考えられる。このため、さらに大きなダイバーシティ効果が得られる何らかの方法が期待される。
(2) 従来のSat−D方式の回線借用料金のコストアップの対策
プリアサインメント方式による回線予約による2衛星を使用した従来のSat−D方式では、2衛星の2台の中継器は、常時借用状態であるために、2台分の借用料を支払う必要があり、システムコストが増加、または、無駄になる結果となっている。
上記の発明が解決しようとする課題に対する手段としては、以下を適用している。
(1)Sat−D方式のダイバーシティ効果の増強のために、軌道間隔の十分離れた複数の衛星を動的に切り替えて使用する方法
従来のSat−D方式では、固定された2衛星からの信号を受信しており、限定された軌道位置のいずれかの衛星からの信号を受信することになっていた。このために、特に、衛星分離角が小さい場合のサイトダイバーシティ効果に問題がある場合が発生することが考えられる。
この問題を解決するために、本発明では、軌道間隔が出来るだけ大きく取れる複数の衛星を選択して、これに対向した地球局を具備し、衛星からの降雨減衰を、ビーコン信号、呼信号、自局折り返し信号などにより常時測定し、この値の小さい衛星を選択して、対向地球局を切り替えて信号を送受信し、この操作を動的に実施している。
これにより、常に大きなサテライトダイバーシティ利得の衛星と回線を設定することとなり、システムの稼働率を改善することが可能となる。
(2) 従来のSat−D方式の回線借用料金のコストアップの対策
本発明は、この問題を解決するために、軌道間隔が十分大きく取れる軌道位置の複数の衛星を対象として、これに対向した地球局を具備し、降雨減衰を発生する雨域の西から東への移動による各衛星からの降雨減衰による信号強度の変動をモニターしておき、最も信号減衰の小さな衛星のチャネルに動的に切り替えるものである。
デマンドアサインメント方式で、回線使用許可を得る方法を採用して、必要なチャネルを待機させておき、必要に応じて該当するチャネルを活性化(使用可能と)し、動的なチャネル切り替えにより、常時1衛星の1チャネルしか使用しないために、中継器借用料の低下が可能となる。
(1)本発明のD・Sat−D方式では、軌道間隔が十分取れる軌道位置の複数の衛星を対象として、これに対向した地球局を具備し、降雨減衰を発生する雨域の西から東への移動による各衛星からの降雨減衰による信号強度の変動をモニターしておき、最も信号減衰の小さな衛星へダイバーシティチャネルに動的に切り替えることで、サテライトダイバーシティ利得を獲得し、回線の不稼働率を改善している。
動的なチャネル切り替えにより、常時1衛星の1チャネルしか使用しないために、中継器借用料の低下が可能となる。
(2)本発明のD・Sat−D方式では、衛星軌道間隔が十分取れる軌道位置を選択して、この軌道位置の複数の衛星を選択して、降雨減衰量の降雨減衰によるダメージを軽減してシステムを稼動させることが可能なために、非常に大きなサテライトダイバーシティ利得が可能となる。
(3)降雨減衰が発生しD・Sat−D方式が作動するのは、年間の約0.5%程度であり、その他の時間は、降雨減衰はなく回線品質は十分良好である。この時間以外の年間約99%程度の晴天時には、D・Sat−D方式の複数の地球局で、独立にチャンネルを送受信することが可能である。
このことは、晴天時には複数の地球局で複数チャネル分の通信を行うことが可能で、年間の約0.5%程度のみに複数の地球局で1チャネル分の通信を行うことになる。このために、このD・Sat−D方式では、運用できる通信チャネルの減少は、年間の約0.5%程度の時間率と考えられ、システム全体の回線の有効利用に与える影響は少ない。
従来のSD方式の構成のブロックダイアグラムを示す。 従来のSat−D方式の構成のブロックダイアグラムを示す。 本発明のD・Sat−D方式の構成のブロックダイアグラムを示す。 本発明のD・Sat−D方式の運用の詳細フローチャートを示す。
本発明のD・Sat−D方式では、軌道間隔が十分取れる軌道位置の、複数のアクセス対象の衛星を対象として、これに対向した地球局を具備し、降雨減衰を発生する雨域の西から東への移動による各衛星からの降雨減衰による信号強度の変動を常時モニターしておき、最も信号減衰の小さな衛星のチャネルに動的に切り替えることで、大きなサテライトダイバーシティ利得を獲得し、回線の不稼働率を改善する。
動的なチャネル切り替えにより、常時1衛星の1チャネルしか使用しないために、中継器借用料の低下が可能となる。
また、衛星軌道間隔が十分取れる軌道位置の複数の衛星を選択してシステムを稼動させているために、非常に大きなサテライトダイバーシティ利得が獲得でき、システムの稼働率特性の改善に寄与できる。
現在使用されているJSAT(株)の衛星は、約15基存在している。この中で、例えば、JCSAT−85(東経85度),N−STAR−110(東経110度),JCSAT−5A(東経132度),Super−Bird-B2(東経162度)を軌道間隔が大きくなる代表的な例として4基を選択すると、軌道間隔は、最大で、77度となる。この様な広い軌道間隔が地球局から見て東西に確保できるために、降雨減衰の雨雲が西から東に移動したときに、最も信号強度の強い衛星の選択の幅が広がり、雨雲による影響を回避できる割合が増加する。
地球局は、複数衛星に対して必要であるが、降雨減衰が発生する時間率は年間に約0.5%(システムによって異なる)程度であり、年間のほとんどの時間率は減衰が無く、通常の通信を行うことが可能であり、地球局への投資効果を損なうものではない。
衛星を選択する方法としては、各地球局で対向の衛星のビーコン信号、呼信号、自局折り返し信号などを常時モニターしておき、部分的な軌道方向に降雨減衰の原因となる雨雲が発生し、自局折り返し信号の減衰が増加し始めたことを検知し、他の衛星向けの地球局の自局折り返し信号強度の強力な衛星を選択し、切り替え準備のためのデマンドアサインメント方式での予約を開始し、回線が確保されると使用衛星を動的に切り替える。
この結果、部分的な軌道方向に降雨減衰から回避でき、通信の稼働率は向上できる。
従来のSat−D方式のダイバーシティ利得の向上、および、Sat−D方式の使用中継器コスト低減のために、使用する複数の衛星を動的に切り替えることで、従来のSat−D方式の問題点を解決している。
図3は本発明のD・Sat−D方式の構成のブロックダイアグラムを示す。図3に示すように、広い範囲に分布した軌道を使用している衛星30,31,32を選択し、該衛星からの信号33,34,35は、地球局36,37,38の間で送受信されていることを仮定する。図3では、3衛星を用いて説明しているが、衛星の数は2個以上で上限の制限は無い。衛星は上で述べたJSAT社の各種衛星などから選択することが可能である。
このような衛星システム構成で、降雨減衰39が発生したと仮定する。衛星からの信号強度は、各地球局36.37.38に接続されている信号レベル検出器40,41,42で常時レベル検出されている。検出の方法は、衛星ビーコン信号、呼信号、自局折り返し信号などを常時モニターすることで可能となる。図3の例では、信号33が降雨減衰39により減衰したことがレベル検出器40で検出される。レベル検出器40,41,42で検出された信号レベルは、比較回路50で比較され、レベル判定回路51でレベル判定され、図3の例では、信号35の信号強度が最も大きいと判断されたと仮定する。
この結果は切り替え制御回路52に入力され、衛星32の中継器を使用することが決定される。この情報を回線割り当て要求回路53に入力し、これによって、衛星32の中継器の使用可能なチャネルが割り当てられることを確認する。衛星32の中継器の使用が許可されると、切り替え器54を制御し、衛星32の中継器の信号35を受信するように切り替え、送受信機55で所定の信号を送受信する。
降雨減衰を発生する雨雲の移動は30分、1時間のオーダーで移動するので、これらの切り替え操作は十分の時間余裕を持って行えば良い。
雨雲が移動して、降雨減衰39の位置が信号34,35などに移動したときは、各レベル検出器41,42で信号レベルが検出され、適切な衛星が選択されて通信が継続される。
複数衛星間の動的切り替えを行うサテライトダイバーシティ(D・Sat−D)方式の具体的な運用ステップは以下のようになる。
(1)晴天時で降雨減衰が発生しない状態では、該3地球局36,37、38は、それぞれ独立に3衛星30、31,32を個別受信するために使用して、平常時の通信チャネル送受信を行う。
(2)積乱雲などにより降雨減衰39が発生し、衛星301からの減衰した信号33が地球局36で受信され、レベル検出回路40で、このレベルが回線断に近い状態に達する可能性が検出されたと仮定する。この時には、衛星31,32からの信号34、35はまだ大きく減衰しておらず、信号35の信号強度が信号34より強いと仮定する。
これらの3信号33,34,35は、それぞれのレベル検出器40,41,42で検出され、そのレベルが比較回路50で比較される。
レベル判定回路51により、衛星32から地球局38で受信された信号35のレベルが大きく、この信号を選定すべきことが判定されると、切り替え制御回路52を駆動し、回線割当要求回路53を駆動して、チャネル割り当て要求として衛星32の中継器を使用することに要求する。この操作は、雨雲の移動が遅いために緩やかな切り替えでよく、衛星32の中継器に空きが出て使用可能となった状態で、切り替え器54を制御し、送受信信号は送受信機55で変調・復調される。
(3)降雨減衰39が時間と共に徐々に移動して、回線断に近い降雨減衰量の雨域が、隣接した地球局37,38が達したときに、信号強度の最も強い他の地球局が送受信するモードに切り替え、上と同様の操作を行い、通信を継続するように制御する。
具体的運用においては、信号33,34,35のうち、最も信号強度の強い方の信号を採用することをプログラミングしておき、切り替えなどの運用を自動的に行うように構成しておく。
図4は、本発明の複数衛星間の動的切り替えを行うD・Sat−D方式の詳細のフローチャートを示す。
(1)ステップS1、S2、S3で、衛星30,31,32からの信号強度が、あらかじめ決められた回線維持を満足するための閾値を割るかどうかが判定される。ステップS1、S2、S3で、衛星30,31,32からの信号強度が、あらかじめ決められた回線維持を満足するための閾値を割らないときは、ステップS4、S5、S6で、それぞれの地球局36,37、38で平常時通信を継続する。この時間率は年間ほぼ99%である。
(2)ステップS7、S8、S9のいずれかで、衛星30,31,32からの信号強度が、あらかじめ決められた回線維持を満足するための閾値を下回ったときは、衛星30,31,32からの信号強度の比較がステップS10で実施される。
(3)ステップS11で、レベル判定が実施され、最も信号強度の大きな信号、例えば、信号35が識別され、この信号を採用して通信を継続することを決定する。
(4)ステップS12で、この信号35を送受信している衛星32の中継器を使用するために回線要求を統制局などに要求する。回線割当が許可されると、ステップS13で、地球局35でのダイバーシティ受信に切り替えられ、ステップS14で、送受信機で変調・復調される。
これにより、複数の衛星を使用したD・Sat−D方式を導入することで、降雨減衰の小さな回線に順次切り替えられ、回線断の確率を減少できるために、降雨による回線断率を減少することが可能である。
(1)これまで説明したように、Ku帯、Ka帯などを使用する固定衛星通信方式での年間不稼働率を改善する方法として、従来のSat−D方式に比べて、本発明のD・Sat−D方式では、複数の衛星の中から、動的に信号強度の大きな衛星に切り替えることが可能であるために、降雨減衰を蒙る確率を低減でき、回線の不稼動率を大幅に改善できる。
(2)D・Sat−D方式では、複数の衛星中継器を使用するが、従来のプリアサインメント方式のように、常時回線を予約しておくのではなく、降雨減衰の大きな時間帯である年間の非常に短い時間(例えば、年間約0.5%)に、デマンドアサインメント方式で回線予約して通信を行う。この結果、回線使用料が削減でき、低コストのシステムが実現できる。
(3)D・Sat−D方式では、晴天時や降雨減衰の少ない時間帯では、D・Sat−D方式用の各地球局は、通常の通信用に使用でき、降雨減衰の大きな時間帯のみD・Sat−D方式として使用することが可能である。これにより、特別にD・Sat−D方式用の地球局としての設備投資することなく、地球局の有効利用が可能となる。
(4)従来のSat−D方式に比較して、本発明のD・Sat−D方式では、複数の地球局間でのダイバーシティ切り替えを行うことで、大きなダイバーシティ利得が得られるため、ダイバーシティ用の地球局の諸パラメーター(アンテナ直径,送信出力など)への要求値が緩和され、これにより、超小型アンテナ、小電力の送信機出力などで運用可能となる。このために、システムコストが改善され、経済的で高性能なシステムが実現できる。
(5)複数の地球局を使用したしシステム構成となっているために、自然災害、人的災害により地球局が被害を受けても、すべての地球局が被害を受ける確率は小さく、システムの危機管理の観点から有利になる。
1:衛星、2、3:地球局、4、5:衛星1からの信号、6:降雨減衰、7:切り替え器、8:送受信機、21,22:衛星、23:衛星21からの信号、24:衛星22からの信号、25:降雨減衰、26、27:地球局、28:切り替え器、29:送受信機、30、31、32:衛星、33:衛星30からの信号、34:衛星31からの信号、35:衛星32からの信号、36、37、38:地球局、39:降雨減衰、40,41,42:レベル検出器、50:比較回路、51:レベル判定回路、52:切り替え制御回路、53:回線割当要求回路、54:切り替え器、55:送受信機、


Claims (2)

  1. 降雨減衰の大きな周波数帯を使用する衛星通信方式において、広い範囲に分布した軌道を使用している衛星30,31,32を選択し、その信号33,34,35は、地球局36,37,38の間で送受信しているシステム構成において、
    衛星ビーコン信号、呼信号、自局折り返し信号などを地球局36,37,38で常時モニターしておき、各衛星からの信号強度を把握しておき、降雨減衰39が発生したときに、衛星からの信号強度を各地球局36.37.38に接続されている信号レベル検出器40,41,42でレベル検出し、該レベル検出器40,41,42で検出された信号レベルを、比較回路50で比較し、レベル判定回路51で最も信号強度の大きいレベルを判定し、該信号を送信している衛星のチャネルを使用できるように制御して、衛星中継器チャネルを使用できるように回線設定し、通信呼をこのチャネルを使用して通信し、送受信機55で変調・復調するように構成することで通信を維持し、
    時間が経過して、降雨減衰39が移動して、例えば、地球局37のレベル判定回路41での信号レベルが回線断に近い状態に達したことが検出されたときに、上と同様の制御を行い、信号レベルの強い回線の信号を動的に送受信するように運用し、これにより降雨減衰による回線断を回避することを特徴とした複数衛星間の動的切り替えを行うサテライトダイバーシティ(D・Sat−D)方式、
  2. 請求項1において、複数の衛星で使用する中継器のチャネルの回線設定時に、デマンドアサインメント方式で回線予約する方法で回線予約し、必要なチャネルを待機させておき、切り替えが必要となったときに該当するチャネルを活性化(使用可能と)し、動的に該チャネルを切り替えることで、D・Sat−D方式用チャネルとして、常時1衛星の1チャネルしか使用せず、中継器借用料の低コスト化が可能となることを特徴とした複数衛星間の動的切り替えを行うサテライトダイバーシティ(D・Sat−D)方式、

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3567748A4 (en) * 2017-02-06 2020-01-15 Mitsubishi Electric Corporation PLANNING DEVICE AND PLANNING METHOD

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