JP3748632B2 - 静止通信衛星を経て無線信号を伝送するシステム - Google Patents

静止通信衛星を経て無線信号を伝送するシステム Download PDF

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    • H04B7/18521Systems of inter linked satellites, i.e. inter satellite service

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静止通信衛星を経て無線信号を伝送するシステムに関する。本発明は、特に、地上移動端末に関し、より具体的には、携帯用の移動体端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の10年間、少なからぬ研究と発展の努力が移動衛星サービス(MSS)を提供するため産業界によってなされてきた。J・ベンチュラ−トラベセット等(J.VENTURA-TRAVESET et al)による“Key Payload Technologies for Future Satellite Personal Communications: A European Perspective (未来の衛星個人通信におけるキー・ペイロード技術:ヨーロッパの展望)”(International Journal of Satellite Communications, Vol. 13, pages 117-135, March-April 1995)には、新しい世紀の始めになっても、地球上のセルラー通信ネットワークは地球表面の15%よりも広い領域はカバーできないであろうことが記載されている。したがって、移動体衛星サービスは関心を引き続ける。
【0003】
これらのサービスは、特に、衛星配置の軌道の高さ、あるいは、地上のサービスの到達範囲に応じて、使用する衛星のタイプにより、カテゴリー分けすることができる。
【0004】
前者の分類では、通常、低い地球軌道(LEO)、中間地球軌道(MEO)、静止軌道(GEO)、及び高度に楕円の軌道(HEO)の間の区分をすることができる。
【0005】
後者の分類では、通常、地域的なカバー範囲のシステムと世界的なカバー範囲のシステムとの分類となる。
【0006】
宇宙空間において、本発明は、簡単にするため「GEO」衛星として以下に引用される静止衛星(geostationary satellite) を使用する。それは、ある地域をカバーするシステムと全世界をカバーするシステムとに等しく適用できる。
【0007】
このシステムの地上の部分は、移動端末(MT)を含む。これらは種々の様相を持つ。それらは、車載の端末又は移動プラント設備を含む、陸地車両、海洋船舶、航空機等である。また、手持ち携帯端末もがこのシステムには含まれる。これらの端末は、以後“MT”と呼ばれる。
【0008】
この発明のシステムの宇宙空間部分及び地上部分を、以下に詳細に述べる。
静止衛星を使用できるとき、通信システムは明らかな利点を有していて、それらは、
・使用に適した軌道における信頼性について経験があるので、科学技術的にみたリスクが低いこと、
・法律的及び行政的な側面が単純化できること、
・数少ない宇宙船による地域的カバー範囲の可能性があること、
・ネットワーク制御の単純化できること、
・ドップラー問題が小さく、宇宙船追跡サブシステムが単純であること、
・地球静止衛星を少数配置するだけで世界的な範囲をカバーするのに充分であり、かつ、通常、単一の配置で地域的なカバー、例えばヨーロッパのカバーには充分であること、といった点である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のシステムは問題又は制限から完全に自由と言うわけではなく、次のような問題点を含む。
・例えば、極端に陰の領域にあるような場合など、特に好ましくない状況にあるとき、移動端末(MT)の等価等方性射出力(equivalent isotropic radiated power)(EIRP)またはゲイン/温度(GT)パラメータの値が非常に高く、または過大な値となる。代替策となるのは、前述のパラメータを許容範囲内のもとする代わりに、サービスの利用可能性の低下を受け入れることしかない。
・非常に大きな衛星アンテナを必要とするか、又は高出力の衛星が必要である。
・複雑なコードを使用することが必要になり、固有のチャンネルメモリー効果を破壊するために長い遅延時間を差し挟むことと、取り除くことが必要となるので、長いコール遅延時間がより大きな問題となる。
・低い能力の移動衛星サービスを伴ったシステムに対して、衛星の打ち上げが非常に高価なものになる。
【0010】
上述の四つの制限があることによって、本発明の対象となる応用目的のためにより低い軌道(MEO又はLEO)にある衛星を使用する、従来の方法に代わる解決策のための研究が、ある意味で押し進められることとなった。従来技術に代わるこれらの解決策は、静止衛星を用いた上記の方法と比較して大きな技術的問題を有しているけれども、目標とする応用目的に対してよりふさわしいものである。
【0011】
この発明の一つの目的は、静止衛星を使用した従来の通信システムのもつ限界を緩和すると同時に、そのようなシステムの利点を保持することにある。本発明の特別な一つの目的はアップリンク動作を改良することにある。すなわち、地球上の移動端末(MT)から通信衛星へのリンクの動作の改良である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的のため、本発明は、空間ダイバーシチ技術を使用する。主衛星に関連する静止軌道上の補助衛星を少なくとも一つ使用する。これらの軌道の大きさの程度に比べて比較的小さいある距離をおいて共通の同一の静止軌道上に置かれる。マイクロウェーブリンク上での通信が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。主衛星は、地上移動端末MTに対する双方向通信を提供する。補助衛星は、単に指向性のアップリンクを提供する。即ち、補助衛星の機能は、地上移動端末MTからのコールを受信することに限定される。必要とされる出力が、地球表面の広い部分に対する通信をカバーしなければならない主衛星のために必要とされる出力より相当程度低いので、補助衛星は小さくてすむ。補助衛星に関する追加の打ち上げコストは、主たるコストに比較して低く、制御手順は実施化が容易である。
【0013】
空間ダイバーシチの原理は、それ自体よく知られている。それはより低い軌道(LEO又はMEO)を使用する衛星システムに適用されている。
移動衛星サービスチャンネルは、実質的に従来の固定衛星サービスのアディティブ白色ガウスノイズ(AWGN)(Additive White Gaussian Noise) チャンネルとは異なるものである。というのは、障害物が伝送を妨害することによる陰影領域(シャドーエリア)というものがあり、移動端末MTに隣接した場所では多重反射がある。ダイバーシチの技術は、これら二つの望ましくない効果を排除するために使用される。
【0014】
従来技術の通信システムの分野において使用される「ダイバーシチ」という言葉は、統一性を欠くため、実際問題として非常に異なった概念を網羅し、それらは、周波数ダイバーシチ、時間ダイバーシチ、進路ダイバーシチ、仰角ダイバーシチ、極性ダイバーシチ、軌道ダイバーシチ等である。ダイバーシチ受信装置を設置する方法は非常に多様であり、最も簡単なものから最も複雑なものまで広がっている。
【0015】
従来のダイバーシチシステムでは、非静止(LEO、MEO、又は中間円軌道(ICO)衛星)衛星として、異なった軌道にある複数の同型の衛星を使用する。ICO型システムには、グローバルスター(GLOBALSTAR)とインマルサット(IMMARSAT)P−21商業衛星システムが含まれる。
【0016】
この種のシステムの動作は、統計上のある仮定に基づいている。即ち、衛星群の配置の中の衛星の一つは、地上移動端末MTの直接の見通し線(LOS: line of sight)上にあるというものである。この直接のパス(又は「物理的」通信チャンネル)は、必然的に最適のパスであり、通信の品質を高めるための「エネルギー多重パス」(energy multipath)の概念よりも好ましい。
【0017】
この概念を、そのまま、GEOシステムに適用すべく検討を加えることもできよう。しかしながら、そのような直接的な置き換えでは、このタイプの通信システムに特有の問題は解決されないし、直接的な置き換えというのは、実施不可能ではないにしても、困難であろう。
【0018】
常時、少なくとも一つの衛星について、通信に必要な地上移動端末MTへの見通し線LOSが邪魔されないことが必要である。それ故、異なった仰角を有し、かつ相関性のない見通し線LOSを持つ一団の衛星が必要となる。
【0019】
GEOシステムに対するこの概念の拡張は、簡単ではなく、経済的及び/又は技術的な観点から非現実的でさえある。GEO衛星間の距離は、非常に大きくなければならず、衛星相互間のリンク(ISL)(intersatellite links)が非常に複雑になると共に、更に、パワーが非常に大きく、したがってサイズが大きい衛星を必要とする。衛星間の距離に基づき遅延時間が大きくなることを考えると、そのようなシステムの動作に関し、疑念が生じるかもしれない。最後に、通話が邪魔されないことが、全ての場合において保証されるものでは少なくともない。
【0020】
それ故、本発明によるシステムは、地球を回る特定軌道における静止通信衛星を介して少なくとも一つの地上局と少なくとも一つの地上移動端末との間の無線信号の伝送のためのシステムであって、前記衛星と個々の地上移動端末との間の双方向伝送リンクと、前記衛星と個々の地上局との間における双方向伝送リンクと、前記特定軌道にあって軌道を共有する個々の補助衛星と個々の前記地上移動端末との間の伝送リンクと、共通の軌道を共有する個々の該補助衛星と静止通信衛星又は主衛星との間における衛星相互間伝送リンクとより構成され、空間ダイバーシチ通信システムを形成する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下の詳細な説明を添付した図面を参照して読むことにより、本発明はよりよく理解されるであろうし、本発明の特徴と利点が明らかになるであろう。
【0022】
本願の主な目的の一つは、従来のGEOタイプのシステムのパフォーマンスの向上であり、特に、陰になるエリアの問題を解決することである。したがって、この陰になる現象を簡単に説明することが必要である。
【0023】
図1は、地上移動端末MT1 および静止衛星(図1には図示されていない)間の通信で起こる主な現象を示す図である。
【0024】
以下に示すとおり、本発明は、本明細書の導入部(プリアンブル)にあたる部分に記載されている「アップリンク」と呼ばれる伝送リンクに関し、このタイプの伝送リンクが図1に示されている。
【0025】
地上移動端末が自動車V1 に設置され、その自動車は市街地の環境に存在すると仮定する。一般的に、このタイプの環境、つまり市街地には、多数の障害物(図1における建造物Ob1,Ob2...Obx、樹木Oby、その他、移動中または停止中の自動車V2 等)が存在するため多くの問題が生じる。自動車V1 が移動するときには、常に、これらの種々の障害物が、端末MT1 によって伝送される電波放射のすべてまたは一部を遮蔽し、または複数の反射を生じさせる。
【0026】
前記の現象を説明するため、図1は、端末MT1 のアンテナAntから伝送された5本の放射電波b1 〜b5 を示している。第1の電波b1 は、高層建造物Ob1 によって完全に遮蔽されている。第2の電波b2 は、高層建造Ob1 の上端によって反射される。反射した電波b'2が、伝送リンクlc の受信可能な角度の範囲内(図1の斜線部)にあれば、反射した電波b'2は、通信衛星(図1には図示されていない)に伝送される。第3の電波b3 は、樹木つまり障害物Obyによって反射および(または)拡散される。この電波は、障害物Obyによって反射および(または)拡散され、電波b'3が生じる。電波b4 は、移動障害物つまり自動車V2'によって反射され、電波b'4が生じる。電波b'5は、複数の建造物、つまり、障害物Ob2およびOb3よって複数に反射し、反射された電波b'5およびb"5が生じる。
【0027】
以上の簡単な例は、衛星に向かって発せられる放射エネルギー(伝送リンク1c)が無作為に広範囲にわたって変化し、その変化は、コントロールが及ばない環境と、端末MT1 を設置した自動車V1 の移動とによって影響される。最終的に衛星に到達する電波の強度もまた無作為に変化し、この強度は障害物と端末MT1 間の距離によって左右される。
【0028】
本発明のGEOタイプの衛星通信システムの実施の形態の一つは、図2および図3に記載されている。
【0029】
図2は、本発明の静止衛星通信システムの宇宙空間にある部分を示す図である。図3は、地上部分の種々の成分を含むシステム全体を示す図である。
【0030】
空間ダイバーシチの原理を応用した通信システムの主な特性は、一つの発信アンテナおよび複数の受信アンテナを用いることである。発信アンテナと各受信アンテナ間のパスは、「ダイバーシチ・チャネル」として知られている。したがって、ダイバーシチ受信アンテナと同数の「ダイバーシチ・ブランチ(分岐)」が存在する。ダイバーシチの利点を最大限に活用するため、受信アンテナ間の距離は、各ダイバーシチ・ブランチの入口におけるマルチパスが統計的に独立したものとなるように、十分な距離を取る必要がある。
【0031】
図1が示すように、固定障害物または移動障害物が放射電波を複数に反射/拡散および遮蔽することは、ビットエラーレート(BER)の点から、アップリンクの劣化の主な原因である。このことは、従来のアディティブ・ガウス白色雑音(AGWN)伝送リンク(固定サービス)では、見られない。
【0032】
前記のとおり、先行技術のダイバーシチの概念をGEOシステムに応用することは、経済的および(または)技術的な理由から非現実的である。
【0033】
しかしながら、遮蔽エリアの問題が完全に解決できないことを受け入れると、利用可能な「マルチパス」エネルギーをフル活用されたシステムを有することにより、受信衛星に利用できるパワーを最大限に活用することができる。「マルチパス」エネルギーは、二番目に大きいエネルギー成分を構成し、深刻なシャドーエリアの状態に対して、衛星入口でのエネルギーバランスの中で支配的な成分である。
【0034】
本発明は、これらの特性を活用し、前に指摘した欠点を有しない空間ダイバーシチシステムを利用することを可能にする。
【0035】
一つ以上のダイバーシチ衛星受信機(DSR)を主衛星(MS)から短い距離で設置すればよい。本発明における「短」距離とは、地上移動端末と衛星MS間の距離、つまり、約36,000kmの距離に比較して短いということを意味する。以下に示すように、約200〜400kmの衛星間の距離が、本発明の目的を達成するために必要であり、この距離は36,000kmに比べれば短い距離である。この距離は、地上移動端末MTの位置およびその信号のフェージングが起こる環境には関係なく、十分な程度に非相関な「マルチパス」信号を可能にする。したがって、(複数の)DSR衛星およびMS衛星は、「併置されている(colocated)」と考えられる。
【0036】
図2に示される本発明のシステムの実施の形態においては、一つの主衛星MSおよび2個のダイバーシチ衛星受信機DSR1 およびDSR2 が示され、各ダイバーシチ衛星受信機が一つずつ主衛星の両側に位置し、主衛星と同じ静止軌道OG に沿って地球Tの周囲を回っている。主衛星MSは、ダウンリンクld0およびアップリンクlm0を介して端末MTと通信する。好ましい実施の形態において、衛星DSR1 およびDSR2 は受信専用衛星なので、各アップリンクlm1 およびlm2 を介してのみ端末MTと通信する。前記のとおり、衛星DSR1 と衛星MS間の距離および衛星DSR2 と衛星MS間の距離は、一般的に200〜400kmの範囲である。衛星DSR1 および衛星DSR2 は、それぞれ一方向伝送リンクl10およびl20を介して衛星MSと通信する。
【0037】
他の考慮事項(例えば、周波数調整の簡略化等)を無視すれば、衛星が併置されているという事実は、前記の説明の意味において、複数衛星システムの運用に関する要件を非常に簡便にする。すなわち、一つの地上局が3つの衛星を制御でき、その3つの衛星(または、より一般的にはすべての衛星)は、同じ軌道上に併置され、衛星を打ち上げるコストを削減できる等の利点がある。衛星が近接していることの他の利点は、ダイバーシチ衛星受信機DSR1 およびDSR2 は地上制御局に電波を送る必要がないので、衛星間の伝送リンクだけが必要とされることである。これは、パワー必要量を削減できるので、衛星の重量を軽減し、一つの打ち上げロケットでより多くの衛星を運ぶことが可能になり、または、よりパワーの小さい打ち上げロケットで済む。結果的に、衛星間の伝送リンクは、いかなる周波数帯域(例えば、Ka帯域)でも重大な問題が起こることなく動作することができる。主衛星MSとダイバーシチ衛星受信機DSR1 およびDSR2 が極めて接近しているので、干渉やポインティングの問題は起きない。前記のとおり、これらの衛星に必要なパワーは低い。したがって、衛星は小型のもので十分である。
【0038】
アップリンクのみが必要不可欠であることは、本発明の主な特徴の一つであるが、本システムはいくつかまたはすべてのダイバーシチ衛星受信機用のダウンリンクがアップリンクと共存していても運用可能であることは、はっきりと理解されなければならない。アップリンクとダウンリンクの共存は、本システムの宇宙空間にある部分をより柔軟に再構成でき、特に、主衛星MSが故障した場合に役立つ。この場合には、より多くのパワー容量が必要であり、衛星の重量が増加する。それにもかかわらず、衛星が近接していることに由来する利点が損なわれることはない。
【0039】
図3は、地上部分の主な成分を含む本システムの構造全体を示す図である。一般的に、地上部分は以下に示す成分からなる。
【0040】
まず、この地上部分は、地上移動端末MTu から構成される第1のサブシステムからなる。本発明において、「地上」とは、広義の意味である。それは、自動車、船舶や、航空機搭載の端末、人が持ち運ぶ携帯端末を示す。航空機の場合においても、航空機搭載の移動端末と地球表面からの距離が地球と衛星の間の距離より短いので、「地上」と定義する。地上端末は、異なるサイズで、異なるパフォーマンスレベルを供給する。より具体的な例を示すため、すべての端末が、狭帯域(本発明は、広帯域の伝送に等しく十分に応用できるが)内で伝送し、従来のアクセス構成、例えば、FDMA(周波数分割多重接続)またはTDMA/FDMA(TDMA=時分割多重接続)を用いることを仮定することができる。さらに、伝送は、特定のチャネル符号(フォワードエラー訂正:FEC)および特定の変調、例えば、M関連位相シフトキーイング(M−PSK)を用いることを仮定する。発信および受信は、一般的にL帯域またはS帯域で行われる。通常、伝送信号のタイプは、数kbit/s(一般的に、4kbit/s〜10kbit/sの範囲)のビットレートでボイス(音声)およびデータを含む。最後に、「移動端末チャネル」(MTC)は、移動端末MTからユーザのデータを伝送するためのすべてのチャネルを意味する。
【0041】
第2のサブシステムは、地上にある移動体通信サービス局ST1 からなる。これは、主衛星MSと種々の地上通信ネットワークRT 間の直接双方向通信リンクlbiを供給する。ネットワークRT は、個人および(または)公共の電話ネットワークから構成され、通常、地上移動サービス局ST1 は、ユーザ(地上移動端末MTu )のための伝搬ノードおよび国際トラフィック端末局であり、GEO通信衛星を介して接続されている。移動端末チャネル(MTC)は、「リターン」伝送リンクを介して伝送され、主衛星および(または)ダイバーシチ衛星受信機へのアップリンクと直接双方向伝送リンクlbiのダウンリンクから構成される。同様に、地上移動サービス局ST1 からの局チャネルは、「アウト」チャネルを用い、直接双方向伝送リンクlbiおよび(複数の)衛星のダウンリンクから構成される。
【0042】
第3のサブシステムは、種々の地上局ST2 から構成される。地上局ST2 は、種々の衛星制御局(SCS)およびネットワーク制御局(NCS)のための親(マスタ)制御局(MCC)、遠隔測定局等から構成される。これらの局は、当業者に知られており、本発明の範囲外である。したがって、これ以上記載する点はない。「衛星」という言葉は、主衛星MSおよびダイバーシチ衛星受信機、例えば、DSR1 を意味する。
【0043】
一般的に、宇宙空間部分は、以下に記載される成分から構成される。つまり、ここに記載された例では、ダイバーシチ衛星受信機DSR1 が一つしかない。ダイバーシチ衛星受信機DSR1は、一方向衛星間伝送リンクl10を介して衛星MSと通信する。
【0044】
第1のサブシステムは、主衛星MSから構成される。この衛星MSは、「アウト」および「リターン」リンク、すなわち、「アップリンク」および「ダウンリンク」を有し、すべての地上移動端末MTu と通信する。これらのリンクは、アップリンクがlm0、ダウンリンクがld0というそれぞれ単一の数で示され、グループ化されている。もちろん、各端末に別の一対の伝送リンクがある。
【0045】
主衛星MSは、従来のビームシェーピング、ルーティングおよびスイッチング機能を有し、これらの機能は、移動衛星サービス(MSS)のためのGEOタイプの衛星の同様の機能と違いはない。しかしながら、この主衛星は、本発明特有の追加機能も有する。特に、衛星間伝送リンクl10のための、より一般的には、衛星間伝送リンク(上記例では、衛星DSR1 から衛星MSへのリンク)のための専用回路を有することが必要である。この専用回路は、以下において、「衛星間リンク受信装置」と呼ばれる。通常、追加ルーティングおよびマッピング容量を衛星間通信リンクからのダイバーシチチャネルに供給することが必要である。結果的に、本発明の一実施例においては、直接チャネルおよびダイバーシチ衛星受信機(例えば、DSR1 )からのチャネルが、主衛星MS上で結合される。したがって、ダイバーシチ・ブランチを結合することを可能にする専用回路を設ける必要がある。
【0046】
本発明のより重要な側面の一つによれば、第2のサブシステムは、少なくとも一つの併置された空間ダイバーシチ衛星受信機から構成される。記載された例には、衛星DSR1 が一つだけ示されているが、より一般的には、例えば、主衛星の両側に一つずつ衛星受信機が配置される。前記のとおり、衛星受信機DSR1 のような空間ダイバーシチ衛星受信機は、短距離間隔で「併置」された(colocated)衛星である。すなわち、一般的には、衛星MSから200〜400kmの距離で配置される。空間ダイバーシチ衛星受信機は、地上移動端末MTu からのマルチパス信号を受信する空間ダイバーシチ受信を行う。本発明のシステムの管理を簡略化するため、この実施例においては、衛星およびネットワークの制御地上局ST2 は、これらの衛星にもアクセスすることができる。本発明のシステムを簡単に示した本実施例において、空間ダイバーシチ衛星受信機は伝送エネルギーにより主衛星MSと通信する。衛星DSR1 (一般的には、空間ダイバーシチ衛星受信機)は、主衛星MSから遠く離れ、受信されたマルチパス信号の分散成分が2つの衛星(MSおよびDSR1 )の間で相関していないことを保障し、その結果として、以下に示されるように空間ダイバーシチの能力が正しく用いられることとなる。
【0047】
地上部分および宇宙空間部分に加えて、本システムは幾つかの通信リンクを含む。
【0048】
第1のリンクのタイプは、「リターン・リンク」である。「リターン・リンク」には、まず、2つのアップリンクがある。一つは、地上移動端末MTu と主衛星MS間のアップリンクlm0、もう一つは、同じ地上移動端末MTu とあるダイバーシチ衛星受信機DSR1 (一般的には、複数のダイバーシチ衛星受信機)間のアップリンクlm1である。この通信リンクは、本発明において不可欠であり、本発明の目的の達成を可能にするリンクである。
【0049】
第2に、主衛星と移動サービス局ST1 間の双方向伝送リンクlbiのダウンリンクがある。主衛星および移動サービス局は、必ず通信できなければならないことは明らかである。移動サービス局ST1 とダイバーシチ衛星受信機、例えば、DSR1 間のリンクは選択可能であり、本発明のシステムを簡略したシステムには存在しない。
【0050】
この通信リンクは、先行技術のシステムに使用される従来の通信リンクと同じリンクと考えられる。通信は、アディティブ・ガウス白色ノイズ(AGWN)によってのみ影響され、GEO移動衛星サービス(MSS)の場合は、重要であるとは通常考えられていない。
【0051】
第2のリンクのタイプは、「アウト」リンクである。この「アウト」リンクは、まず、移動サービス局ST1 と主衛星MS間の双方向リンクlbiのアップリンクを意味する。アップリンクは、移動体通信サービス局ST1 と衛星DSR1 (または、一般的には、複数の空間ダイバーシチ衛星受信機)間には必要とされない。
【0052】
この通信リンクは、先行技術のシステムにある従来の通信リンクとして考えられる。通信は、アディティブ・ガウス白色ノイズ(AGWN)によってのみ影響され、通常、GEO移動衛星サービス(MSS)の場合、重要であるとは考えられない。
【0053】
次は、移動体通信サービス局ST1 と主衛星MS間の双方向リンクlbiのアップリンクである。このタイプの通信リンクは、衛星DSR1 (または、一般的には、空間ダイバーシチ衛星受信機)と移動体通信サービス局ST1 間にはない。これは、従来の通信リンクであり、移動システムのためのGEO衛星システムに通常求められる要件を満たすものである。
【0054】
最後に、本発明の特徴である第3のリンクのタイプは、衛星間リンク、特に、ダイバーシチ衛星受信機、例えば、DSR1 と主衛星MS間のリンクである。
【0055】
図3において、通信リンクl10は、衛星DSR1 と衛星MS間に設けられる。2つの衛星が地上移動局MTu から受信したそれぞれの信号は、主衛星MS上(実施例1)で、あるいは、主衛星MSがサービス局ST1 に再送した後に、地上(実施例2)で結合される。
【0056】
前記システムの主要構成部分および動作については概略を説明したので、以下に稼働の詳細を示す。より具体的な例として、図3に示した簡略化したシステムについて以下に説明する。一つの併置ダイバーシチ衛星受信機DSR1 が示され、この衛星から地上への通信リンクは示されていない。この特定の構造に本発明の範囲が限定されるものではないことは、明確に理解されなければならない。同様に、本システムの管理と特定の制御および命令システムは、本発明の範囲外であり、当業者によく知られているので、ここでは深く説明しない。
【0057】
本発明によれば、地上移動端末MTu'(携帯端末またはその他の端末)のユーザから見て、1以上のダイバーシチ衛星受信機を使用しているか使用していないかが、すくに分かる。ユーザは、特定の伝送アクセス、変調およびコード構成、例えば、FDMA、TDMAまたはF/TDMA技術を用いる狭帯域構成にしたがって、GEO衛星システムと通信する。これは、必ずそうでなければならないものではなく、本発明はこのような構成に限定されない。
【0058】
複数の反射(図1参照)があるため、地上移動端末MTu が衛星チャネルを介して情報を伝送する際、その情報は、同じ軌道上に併置された衛星MSおよびDSR1 によって、別々のパスを通って受信される。衛星MSおよびDSR1 間の距離は、一般的に200〜400kmであり、関連するシステムの特定のパラメータに影響される。200〜400kmの距離は、衛星MSが受信した信号と衛星DSR1 が受信した信号が統計的に非相関であるために十分な距離なので、空間ダイバーシチの利点を得ることができる。
【0059】
衛星DSR1 上のダイバーシチアンテナは、対応するゲイン/温度(G/T)比で、マルチパス移動端末チャネル(MTC)を受信する。必要なビーム・シェーピングをした後、受信されたマルチパス信号は、無線周波数回路の従来のシステムを通過し、衛星間通信リンクl10の周波数に増幅され、変換される。この信号は、従来の伝送回路(衛星間伝送リンク装置ISLTU。図3には示されていない)を介して、変換された周波数で主衛星MSに伝送される。
【0060】
主衛星MS上のアンテナは、対応するゲイン/温度(G/T)比で、マルチパス移動端末チャネル(MTC)を受信する。衛星MSおよび衛星DSR1 が併置されているので、2つの衛星上の受信アンテナは、(サービスエリアおよび放射パターンの点から)同一である。衛星MSは、衛星間伝送リンクl10を介して、(非相関分岐を構成している)衛星DSR1 が受信したたマルチパス信号の一部を受信する。このダイバーシチ信号は、衛星間リンク受信装置(ISLRU)によって受信される。衛星間リンク受信装置(ISLRU)は、図3に示されていない。この段階で、衛星MSによって受信された直接信号および衛星DSR1 によって受信されたダイバーシチ信号は、一つの信号に結合されなければならない。本発明は、以下の2つの方法で結合を行う。
【0061】
1.地上での信号の結合。
この解決法は、搭載される回路の複雑さの面から、より簡単な解決法である。2つの信号は、「リターン」伝送リンク(双方向伝送リンクlbiのダウンリンク部分)によって、別々に再送され、地上の移動体通信サービス局ST1 で結合される。種々の結合技術が、移動サービス局ST1 で使われる。例えば、最大レート結合(MR−C)、等ゲイン結合(EGC)、または選択結合(SC)が行われる。これらの技術は、W.C. Jackes, John Wiley & Sons: "Microwave Mobile Communication (マイクロ波移動通信)" (1974)に説明されている。この文献は、これらの従来技術の詳細な説明のための引用文献として役に立つものである。本発明は、なんらの特定技術にも限定されないことは、はっきりと理解される必要がある。
【0062】
地上での結合のモードは、伝送リンクlbiが非常に厳しい帯域幅制限にない限り、すべての状態に十分に適合する。それは、帯域幅が「ダイバーシチ・オーダー」に比例する、すなわち、最終的な分析において、ダイバーシチ衛星受信機DSRの数に比例しているからである。逆に言えば、この場合、搭載された信号処理は、従来のGEO衛星の場合に実行される通常の処理、つまり、ビームシェーピング、ルーティング、およびスイッチングに限定される。本発明に必要な追加回路は、上述のISRLU回路およびダイバーシチ信号をリターン・リンク(lbiのダウンリンク部分)にルーティング/マッピングするための追加回路だけである。直接チャネルおよびダイバーシチ移動端末チャネルMTu が結合され、地上でシンクロするので、衛星MSおよび衛星DSR1 の同期が簡単にできる。
【0063】
2.衛星MS上での信号の結合。
この場合、直接マルチパス信号とダイバーシチマルチパス信号が衛星MS上で結合される。以下に示す2つの方法で結合が行われる。
【0064】
a)中間周波数(IF)での結合。
この方法は、各ダイバーシチ・ブランチのために、受信された個々の移動端末チャネルMTu が、逆変換およびビームシェピングの後、時領域または周波数領域で濾過され、他のユーザからの他の信号から分離されることを必要とする。他のユーザからの信号は、IF結合回路を通過する。この回路において、種々のダイバーシチ・ブランチからのすべての信号は、(復調される前に)特定の方法、例えば、選択結合または差動受信結合を用いて結合される。本発明は、いかなる特定の結合技術にも限定されるものではない。結合が完了すると、この方法で結合された信号は、先行技術のGEO衛星の従来のパスに入る。結合された信号は、従来の方法で、衛星MSによって受信された通常の信号と考えることができ、地上(サービス局ST1 )に再送される。
【0065】
この回路は、前記ISLRU回路、移動端末チャネルを濾過し分離する無線周波数ルーティング回路およびIF結合を行う処理装置を含むので、より複雑なものとなる。
この場合、地上への伝送リンクを必要とすることは、先行技術のシステム、つまり、ダイバーシチを有しないシステムが伝送リンクを必要とすることと同様である。結合が衛星MS上で実行されるので、同様のことが地上の設備にも当てはまる。
【0066】
逆に言えば、結合プロセスが同期して実行されなければならないので、主衛星MSおよびダイバーシチ衛星受信機、例えば、DSR1 の同期は、以下の説明のとおり、同期していなければならない。
【0067】
b)基本帯域で結合する。
この方法は、再生機GEO衛星にとって理想的である。この場合、直接または(DSR1 からの)ダイバーシチ移動端末チャネルMTu は、基本帯域で復調され、復調後、復号される前に結合される。この場合、いかなる結合方法も使用できる。
(先行技術のダイバーシチを有しないGEO衛星と比較して)必要とされる追加回路は、以下のとおりである。前記ISLRU回路、ダイバーシチルーティングのための回路、ダイバーシチチャネルおよび結合処理のための追加復調器が必要とされる。
【0068】
双方向伝送リンクlbi、特に、ダウンリンクは、従来のものであり、地上局ST1 の復調器は、なんらの追加回路も必要としない。逆に言えば、主衛星MSおよびダイバーシチ衛星受信機、例えば、DSR1 の同期が必要である。
【0069】
衛星間伝送リンク、例えば、記載された例の伝送リンクl10に関する要件の詳細な説明は以下のとおりである。
【0070】
多くのシミュレーションが実行されてきた。これに基づいて、地上移動端末MTu のユーザによって伝送された信号と、各衛星に対する直接的な見通し線以外の経路で伝送された信号との統計学的特性は、以下の条件を満たす場合、非常に高度に非相関である。
・衛星がおよそ250km〜300kmの間隔で配置されている。
・地上移動端末MTu が放射拡散しやすい市街地環境に位置する。
・伝送がL周波数帯域で行われる。
【0071】
非相関は、都市部においては150km未満の衛星間の距離が必要であり、障害物のない郊外ではもっと大きな距離が必要である。
S周波数帯域またはそれより高い周波数において、リターン・アップリンクは、拡散的な環境にいるユーザの間接リターン・パスが非相関になるため、衛星間の距離を短くても同程度の非相関性が得られる。
【0072】
主衛星MSと補助ダイバーシチ衛星受信機、例えば、衛星DSR1 間の距離が短く、さらに、これらの衛星がGEOタイプの衛星であることによって、特に簡単で低パワーの衛星間リンク、例えば、リンクl10の使用が可能になる。短距離間隔で衛星を併置することは、現代技術を利用するいかなる伝送リンクにとっても、必要とされ、先行技術と同様である。
【0073】
衛星の位置を±0.05゜(南北方向、東西方向にそれぞれ)の範囲内に維持することが、基準となる。これは、衛星間の距離が最短で250km、最長で400kmであることを示す。この場合、よく知られているコンパクトアンテナは、補助衛星(例えば、DSR1 )からの伝送および衛星MS上の受信のために利用できる。相手の衛星の方向に最小25dBiのゲインがあれば、アンテナを電気的または機械的に操作しなくてもよい。20cm×5cmより小さいアンテナ開口部が、約23GHzの衛星通信のために設けられている周波数帯域に適当である。
【0074】
衛星伝送リンク運用の計画は、太陽が1日に必ず、主要ビーム受信アンテナ上で照るが、ただし、気温が華氏170度以下に低下する場所である事実を考慮に入れなければならない。したがって、衛星間リンクの帯域幅の1.4W/MHzより小さい補助衛星(例えば、DSR1 )の無線周波数伝送パワーということになる。雑音および相互変調生成物によって、「リターン」伝送リンクのサービス全部にわずかな劣化が生じる(衛星間リンクの干渉累積レベルは、「リターン」伝送リンク上の信号より下の少なくとも20dBである)。3つ以上の衛星を使用するシステム(このシステムは、本発明のシステムの極端な場合を構成する)の中で最遠のダイバーシチ衛星受信機は、若干大型のアンテナ(これは、周波数調整の点から好ましい選択である)、または高パワーレベルで信号を伝送することを必要とする。これらの方法は、現在の技術の水準からみて、何の問題も起こさない。
【0075】
要するに、軽量(用いられる装置、すなわち、アンテナ等の点から)の衛星間リンクを利用でき、計画された伝送リンク容量を維持する適切な周波数帯域すべてを利用することができる。この容量は、地上移動端末のユーザに割り当てられた周波数スペクトルと、本システムのために設けられた周波数の再利用の程度に依存する。周波数調整は、LEO宇宙船では特に容易である。それは、衛星が本発明のダイバーシチ衛星受信機システムのラインから70゜以上の位置に配置され、はっきりと識別できるからである。データを中継するGEOタイプの衛星は、LEOタイプのユーザと通信するために計算され、通常、周波数調整の問題は起こらない。
【0076】
空間ダイバーシチの概念の利用は、衛星間伝送リンクの存在とは独立したものではあるが、この伝送リンクの利用は特に簡単なものであることは、上記の説明から明らかである。宇宙空間部分が1度より小さい静止軌道上の弧角度でもって「併置」されているが、本発明における幾つかの衛星は、単一の静止衛星と混同されるものではない。それにもかかわらず、周波数割り当てには、なんら重大な問題はない。
【0077】
衛星間伝送リンクの使用により、以下に示す改良が得られる。
1.本システムを実施する者は、一つの衛星のダウンリンクの管理のみを他の管理者との間で調整する必要がある。
2.補助衛星、例えば、DSR1 の主な地上サービスは、「受信専用」タイプであり、その他の目的のために、余った能力又は容量を利用することができる。
3.衛星間伝送リンクの使用は、J. Ventura-Traveset らによる"Normalized Diversity Receiver for Mobile Fading Channel" (Proceedings of the Cost 229 Workshop on Adaptive Systems, Intelligent Approaches, Massively Paralll Computing and Emergent Techniques in Signal Processing and Communications, Bayona(vigo), Spain、1994年10月に所収)に提案されているアーキテクチャに準拠した標準ダイバーシチ受信機(NORD)の設置を可能にする。
【0078】
前記のとおり、多くのシミュレーションが行われ、本発明に基づく仮定の有効性が証明され、先行技術のGEOタイプの移動サービスシステムに比較して、本発明が有効であることが示された。
【0079】
もっとも広く受け入れられた伝送評価システムの一つが利用されている。それは、IEEE Transactions on Vehicles Technology, vol. 34, page 127, August 1985にある、C. Looによる"A statistical mode for a land mobile satellite link" において提案されているものである。これは、一般的な統計システムである。
【0080】
特に、本発明の要件を満たすには以下の3つの条件が考えられる。
1.非常に強く「マスキングされた」チャネル
2.中間の強さで「マスキングされた」チャネル
3.弱く「マスキングされた」チャネル
これらのモデルは、種々のマスキングの状態、種々のエネルギー分配および分散(マルチパス)伝送とサイト伝送の両方を表現する。
【0081】
非直接(マルチパス)信号の伝送パス上でどの程度相関していないのが望ましいかは、W.C. Jackes による上記の "Microwave Mobile COmmunication," John Wiley & Sons, 1974に記載された方法に似た方法により評価される。
【0082】
図1は、任意で複数の拡散と反射が生じる市街地環境を示す図である。前記のとおり、この図は、地上移動局MT1 のアンテナAntによって伝送された信号の種々の分散および拡散源の影響を明確に示す。障害物の数は20で、幾千の環境構成が、モンテ・カルロ法を用いて、統計的に生成された。
【0083】
このようなシミュレーションの結果の一般例は、本明細書の最後の表1に示されている。この結果は、L帯域またはそれより高い周波数を用いて市街地環境では、300kmの衛星間の距離は、ダイバーシチパスが適度に非相関であるのに十分であることを示している。この理論は、よりよい結果はS帯域を用いることによって得られることを予想している。結果的に、そのシミュレーションは、非相関が郊外環境で改良されることを示し、この理論に一致する。
【0084】
市街地環境およびL帯域の選択は、最短の衛星間の距離の計算において十分な余裕を供給する。300km離れた衛星軌道を獲得することは簡単であり、その距離は、もっともよいパフォーマンスを供給する軌道間リンク要件に対応するので、この距離は、本発明のシステムの好ましい実施例に適用される。
【0085】
標準ダイバーシチ受信機(NORD)の概念は、本発明のダイバーシチ通信システムのすべてのパフォーマンス評価するために使われてきた。この概念のより詳細な記載については、前記のJ.Ventura-Travesetらの論文を参照されたい。
【0086】
さらに、前記のとおり、本発明は、使われている受信機のタイプを用いない。種々の受信機、すなわち、可干渉性受信機、差動受信機およびパイロット周波数受信機の構造で試験が行われてきた。
【0087】
種々の通信技術が使われている。つまり、本発明は、4元位相シフトキーイング(QPSK)および2/3TCM 8−PSK(位相シフトキーイングタイプの8つのUnderboeck符号を有するトレリス符号変調)の試験を行う。これらの伝送技術は、2つの異なる伝送戦略をカバーし、GEOタイプの衛星に基づく移動伝送サービスのために提案されているので、これらの伝送技術が選択される。これは、M.J. Miller らの "Satellite communications: mobile and fixed services," Kluwer Academic Publishers (1993) に記載されている。
【0088】
結果的に、多くの仮定がなされているが、本発明、すなわち、移動通信サービスにおける伝送状態のより通常の状況をカバーするような仮定を用いている。この中で、10-2から10-5のビットエラーレートが考えられ、このタイプの応用の通常の要件のほとんどをカバーする。
【0089】
本システムの比較試験が、先行技術の従来のあるGEO衛星通信システムと、空間ダイバーシチと一つの「併置」補助衛星を利用した本システムを用いて、これらの幾つかの仮定に関して行われた。
【0090】
より具体的な例を示すために、本明細書の最後の表II〜IVが本発明のシステムによって得られる、従来のシステムに対するパフォーマンスの改良を示す。より正確には、表II〜IVは、前記の3つのモデルをカバーする。3つのモデルとは、非常に強く「マスキングされた」チャネル、中間の強さで「マスキングされた」チャネル、および弱く「マスキングされた」チャネルである。前記のNORDの概念は、可干渉性検知受信機と共に使われる。直接およびダイバーシチ信号は、「最大レート(maximal rate)」技術を用いて結合された。各表において、第1のコラムは、ビットエラーレート(BER)であり、第2のコラムは、非符号QPSK伝送技術(non-coded QPSK transmission technique) であり、第3のコラムは、2/3TCM 8−PSK伝送技術である。
【0091】
第2および第3のコラムにおいて、各BERの値に対して、本発明のシステムが同じ条件で、ただし、ダイバーシチ衛星なしで動作する従来のシステムで提供されたパフォーマンスの改良は、デシベルで示される。
【0092】
3つの環境において、特に、障害物の多い市街地環境では、本発明のシステムは、より高いパフォーマンスの改良が得られる。もし、低ビットエラーレートが必要なら、市街地環境では改良は20dB以上で、他の2つの場合は少なくとも16dBである。これらの値は、非符号化QPSK伝送技術に対応する。さほど大きくはないが、ある程度の改良は、2/3TCM 8−PSK伝送技術についても見られる。
【0093】
対応する結果は特定の表に示されていないが、比較できる結果は、差検知受信機および差結合で得られ、一方、パイロット周波数受信機および擬最大結合(quasi-maximal combination) でも得られる。
【0094】
すべての場合において、特に、伝送技術または受信機のタイプにもかかわらず、本発明のシステムは、従来のGEO衛星通信システムに比較してパフォーマンスの改良が得られる。
【0095】
前記のとおり、本発明のシステムは、複数のダイバーシチ衛星受信機を含み、パフォーマンスを向上している。本明細書の最後の表Vは、従来のシステムと本発明のシステムの比較を示し、一つのダイバーシチ衛星受信機(コラム2)または2つのダイバーシチ衛星受信機(コラム3)から構成され、ビットエラーレートは、10-2〜10-5の間で変化する。環境は市街地であり、伝送技術は非符号QPSKであり、受信機は可干渉性検知タイプであり、結合は最大レート・タイプである。この条件で、表IIの第2のコラムに示される値が得られ、第2のダイバーシチ衛星受信機によって得られるパフォーマンスの向上を示す(図2におけるDSR2 )。改良は、10-2のビットエラーレートに対して1.4dBから、10-5のビットエラーレートに対して約5dB、10-3の平均ビットエラーレートに対して約3dBである。第2の衛星によって得られる改良は、いくつかの応用例において有意である。
【0096】
すべての衛星通信システムにおいて考えられる他の重要なパラメータは、その容量、すなわち、具体的に言えば、同時に処理できるユーザの最大数である。移動衛星サービスを提供する衛星が利用できる周波数スペクトルは、非常に不足しているリソースである。したがって、高周波数再利用(FR)要素を利用できることが必要である。信号チャネルの必要な帯域幅および隣接したチャネル間の分離を最小にすることが必要である。多くの研究が引き続いて行われ、いくつかの解決法が先行技術のシステムで実行されてきた。すなわち、解決法とは、適当な変調フォーマット(例えば、π/4 QPSK)、バトラーマトリクスを使ったビーム形成ネットワーク(DBFN)等である。
【0097】
採用された解決法にもかかわらず、フェージングに対するチャネルサブジェクトの容量は、チャネル干渉値に非常に依存する。本発明のシステムは、空間ダイバーシチを用い、このエリアでも従来のGEOシステムの範囲で基本の改良を示す。
【0098】
例えば、表VIは、パフォーマンスの改良を強調する。その改良とは、本発明のシステムが一つのダイバーシチ衛星受信機を用い、その衛星受信機は、同じチャネル(共通チャネル干渉)における搬送波干渉によって影響される従来のGEO衛星システムと比較され、ビットエラーレートは10-2〜10-5の値を示す。この表は、4つのコラムからなり、コラム2および3は、それぞれ、25dB、30dB、40dBの信号干渉レート(SIR)を示す。
【0099】
前述のNORDの概念が使われ、受信機の構造は、可干渉性検知タイプであり、直接信号とダイバーシチ信号は「最大レート」技術を用いて結合され、伝送技術は、非符号QPSKであった。考えられる環境は、市街地タイプ、すなわち、高度に「マスキングされた」タイプである。
【0100】
パフォーマンスの改良は、すべての場合で示された。「∞」とは、従来のGEOシステムを用いた場合、第1のコラムに示されたビットエラーレート(BER)が達成できないことを示す。これは、本発明のシステムが達成できるビットエラーレートの最小値を低下させることを意味する。
さらに、伝送リンク上の搬送波/雑音比(C/N)は、非常に改良された。
【0101】
したがって、システムの容量を増加させることが可能である。例えば、本発明の場合、わずか25dBのSIR値で、パフォーマンスは、従来のGEOシステムの場合の40dBと同じく高いSIR値の範囲で改良される。言い換えれば、本発明のシステムでSIRを25dBに軽減し、一方、搬送波/雑音比(C/N)の点から改良されたパフォーマンスを獲得することができる。したがって、そのシステムの容量は増加され、または、ビームの数は、実質的に軽減される(前記FR要素において増加する)。
【0102】
単純化のための仮定がいくつか前記記載において採用されている。特に、インターリービングは理想的であるとしたが、実際の使用状況下の場合ではそのようなことはない。インターリービングの深さは、必然的に有限となる。この主な理由は、インターリービングと非インターリービングが時間の遅延を伝送に引き起こし、望ましくないことである。また、本発明のシステムは、同様の使用条件下で、従来のシステムと比較して改良に貢献し、この種の問題の重要性は低い。
【0103】
本発明のシステムの動作を示すために、レイリーチャネル(Rayleigh channel)の場合、試験が行われてきたが、同様の結果が、移動サービスチャネルに関する異なる状況で得られる。使われた伝送技術は、前記の2/3TCM 8−PSKタイプである。そのシステムは、一つの「併置」ダイバーシチ受信機を含むものであった。
【0104】
表VII は同様な結果を示し、その結果は、2つのビットエラーレート値(10-2および10-3)と4つのインターリービング値、すなわち、I=0、I=10,I=20、I=30である。
【0105】
本発明のシステムのパフォーマンスは、すべての場合において、従来のシステムのパフォーマンスより優れている。さらに、インターリービングが深くなればなるほど、パフォーマンスは向上する。言い換えれば、有限のインターリービングの深さの効果は、従来のGEOシステムほど本発明のシステムに影響を与えない。
【0106】
前記記載から、本発明が先に記載された目的を達成することは明らかである。
本発明のシステムは、従来技術GEOタイプの衛星システムに比べて、より多くの利点を有する。以下に、利点を簡単に示す。
1.信号のフェージングが激しい状態で、搬送波/雑音比(C/N)の点から、「リターン」伝送リンクを改良する。搬送波/雑音比の軽減は、以下の目的またはいくつかの目的の組み合わせで使われる。
・搭載されたアンテナのサイズが小さくできる。
・システムおよび信号のフェージングのマージンの利用が増加できる。
・地上移動端末の実効等方向放射力(EIRP)が軽減できる。
・システムのパフォーマンスを劣化させずに、簡単な符号構成を使うことができる。したがって、余剰が削減され(システムの容量が相関的に増加され)、必要なインターリービングの深さが軽減される(したがって、時間遅延が短くなる)。
【0107】
2.システムの干渉(例えば、共通チャネルの干渉および隣接チャネルの干渉)を考慮する場合、搬送波/雑音比(C/N)を削減する改良ができる。前記搬送波/雑音比(C/N)の削減は、以下の目的のうち一つまたはいくつかの組み合わせを達成するために使われる。
・本システムの周波数の再利用要素FRを増加させる。すなわち、GEO衛星システムの容量を増加させ、衛星のリターン・コストを増加させる。
・衛星の「ハードウェア」部分(回路等)を簡略化することによって、システムの容量を削減することなく、ビームの数を削減する。したがって、コストが削減される。
【0108】
3.あらゆる特定の符号およびチャネル状態において、本発明のシステムは、必要なインターリービングの深さを軽減でき、したがって、伝送時間を相関的に削減できる。
【0109】
4.移動サービスシステムは、より少ない好ましいチャネルの状態でもっとも効果的であるので、パフォーマンスをより均一にする。
【0110】
本発明は、記載された実施例、特に、図2および図3に関する記載に限定されない。特に、前記のとおり、本発明は、使用される受信機のタイプ、符号構成および(または)伝送技術について、限定されるものでは全くない。「併置された(colocated) 」補助衛星の数は理論上は無限であるが、実用およびコストを考慮した結果、数が限定される。簡略化された実施例(図3)においては、一つのダイバーシチ衛星受信機(DSR1 )が使われている。好ましい実施例において、2つの衛星(DSR1 およびDSR2 )が使われ、この衛星は、同じ静止軌道OG上で一つずつ衛星MSの両側に配置されている(図2)。前記のとおり、ダイバーシチ衛星受信機、例えば、衛星DSR1 は、地上移動端末MTu から衛星DSR1 へのアップリンクのみを必要とし、主衛星MSに対する一方向衛星間リンクが供給される。これは、本発明の範囲内である。
【0111】
【表1】
Figure 0003748632
【0112】
【表2】
Figure 0003748632
【0113】
【表3】
Figure 0003748632
【0114】
【表4】
Figure 0003748632
【0115】
【表5】
Figure 0003748632
【0116】
【表6】
Figure 0003748632
【0117】
【表7】
Figure 0003748632

【図面の簡単な説明】
【図1】地上移動端末と通信衛星との間の通信における陰影領域(シャドーエリア)と多重反射の現象を示す。
【図2】本発明の静止衛星通信システムの「宇宙空間部分」の構成を示す外観図である。
【図3】本発明の静止衛星通信システムの相対的な構成を示し、このシステムの「地上部分」の種々の要素が含まれる。

Claims (10)

  1. 少なくとも一つの地上局(ST1 )と少なくとも一つの地上移動端末(MTu )との間で、地球(T)を回る特定軌道(OG )にある衛星(MS)を介して無線信号を伝送し、
    前記衛星(MS)と各々の地上移動端末(MTu )との間の双向伝送リンク(lm0 、ld0 )と、
    前記衛星(MS)と各々の地上局(ST1 )との間における双方向伝送リンク(1bi )と
    を含むシステムであって、該システムは更に、前記特定軌道(OG )に併置された少なくとも一つの補助衛星(DSR1 、DSR2 )を含み、
    前記特定軌道(OG )に併置される補助衛星(DSR1 、DSR2 )の各々と前記地上移動端末(MTu )の各々との間の伝送リンク(1m1 、1m2 )と、
    前記特定軌道(OG )に併置される補助衛星(DSR1 、DSR2 )の各々と前記主衛星(MS)との間における衛星伝送リンク(110 、120 )と
    を含み、空間ダイバーシチ通信システムを形成することを特徴とする主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  2. 前記軌道(OG )における前記主衛星(MS)の両側にそれぞれ設けられた、併置された二つの補助衛星(DSR1 、DSR2 )を含むことを特徴とする請求項1に記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  3. 併置された二つの前記補助衛星(DSR1 、DSR2 )が、前記特定軌道(OG )上において、前記主衛星(MS)からの距離が200kmから400kmの間にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  4. 前記地上移動端末(MTu )の各々と併置された二つの前記補助衛星(DSR1 、DSR2 )の各々との間における前記伝送リンク(1m1 、1m2 )が1方向性のアップリンクであり、該アップリンクにより前記地上移動端末(MTu )からの空間ダイバーシチ無線信号が受信されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  5. 併置された二つの前記補助衛星(DSR1 、DSR2 )の各々と前記主衛星(MS)との間における衛星間伝送リンク(110 、120 )が1方向性伝送リンクであり、前記主衛星(MS)に前記地上移動端末(MTu )から受信した空間ダイバーシチ信号を伝送することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  6. 併置された二つの前記補助衛星(DSR1 、DSR2 )によって受信され、かつ、前記衛星間伝送リンク(110 、120 )を介して前記主衛星(MS)に伝送される空間ダイバーシチ信号が、前記主衛星(MS)において、前記主衛星(MS)と前記地上移動端末(MTu )との間の前記双方向伝送リンク(1bi )のアップリンクを介して後者によって受信される直接信号と結合され、かつ、結合された信号が前記主衛星(MS)と地上局(ST1 )との間の前記双方向伝送リンク(1bi )のダウンリンクを介して単一チャンネル上を再伝送されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  7. 併置された二つの前記補助衛星(DSR1 、DSR2 )によって受信され、かつ前記衛星間伝送リンク(110 、120 )を介して前記主衛星(MS)に伝送される空間ダイバーシチ信号が、前記主衛星(MS)と前記地上局(ST1 )との間の前記双方向伝送リンク(1bi )のダウンリンクを介して再伝送され、前記主衛星(MS)と前記地上移動端末(MTu )の各々との間の前記双方向伝送リンク(1bi )のアップリンクを介して前記主衛星(MS)によって受信された直接信号がダイバーシチ信号と結合されることなく該ダウンリンクを介して再伝送され、かつ、前記地上局(ST1 )において、前記直接信号とダイバーシチ信号とが結合されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  8. 前記無線信号がLバンドにおいて伝送されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  9. 前記無線信号がSバンドにおいて伝送されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
  10. 前記地上移動端末(MTu )が携帯用端末であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の主衛星を経て無線信号を伝送するシステム。
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