JP2014053672A - 再生システム - Google Patents

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欣也 加藤
Hideaki Amano
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Abstract

【課題】視聴者の再生中における心理的な状態に応じて、内容が変わる映像を提供する。
【解決手段】視聴者の生体情報を検知する検知部と、異なる複数のストーリーの映像を再生させるための複数の映像データを記憶する映像データ記憶部と、検知部が第1の映像データの再生中において検知した生体情報に応じて、第1の映像データの次に再生する第2の映像データを複数の映像データの中から選択する選択部と、検知した生体情報に応じて異なる映像を再生する再生部とを備える再生システムを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、再生システムに関する。
従来、映画館等では、予め定められた1つのストーリーの映像を視聴者に提供していた。また、DVDでは、いわゆるマルチストーリーと呼ばれるストーリーが変化する映像を提供することができる。
また、従来、病人等のメンタルケアーを目的として音楽を聞かせるシステムが知られている(特許文献1等)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特許第4378957号明細書
しかし、映画館等では、DVDのようにストーリーが変化する映像を提供することができなかった。また、DVDのマルチストーリーでは、再生中に視聴者がメニュー項目を能動的に選択操作しなければならなく、視聴者が何ら操作することなくストーリーを変化させることはできなかった。
また、従来、病人等のメンタルケアーを目的として映像を視聴させるシステムは知られていなかった。
本発明の第1の態様においては、視聴者の生体情報を検知する検知部と、検知した前記生体情報に応じて異なる映像を再生する再生部と、を備える再生システムを提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
第1実施形態に係る再生システム10の構成を示す。 第1実施形態に係る再生システム10のフローを示す。 第1実施形態に係る再生システム10による複数の映像データの再生順序の一例を示す。 第2実施形態に係る再生システム60の構成を示す。 第2実施形態に係る再生システム60のフローを示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1実施形態に係る再生システム10の構成を示す。本実施形態において、再生システム10は、複数の視聴者に同時に映像コンテンツを鑑賞させる映画館等のシステムである。なお、再生システム10は、映画館に限らず、家庭用のシアターシステムであってもよいし、一人の視聴者に映像コンテンツを提供するシステムであってもよい。
再生システム10は、スクリーン22と、複数の座席24と、複数の検知部32と、映像データ記憶部34と、属性検出部36と、グループ検出部38と、生体情報記憶部40と、選択部42と、タイミング制御部44と、再生部46と、評価部48と、再生順序記憶部50とを備える。
スクリーン22は、視聴者に鑑賞させる映像を表示する。複数の座席24のそれぞれは、視聴者が着座するためのものであって、スクリーン22の表示面に対向する位置に配置される。
複数の検知部32のそれぞれは、複数の視聴者のそれぞれの生体情報を検知する。ここで、生体情報とは、視聴者の血圧、脈拍、体温、呼吸数、心拍数及び脳波等である。更に、生体情報には、視聴者の顔の画像から検出された視聴者の感情(楽しい、悲しい又はつまらない等の感情)も含まれる。
各検知部32は、一例として、座席24の近傍に設けられた血圧計、脈拍計、体温計、呼吸測定装置、心拍数測定装置又は脳波測定装置等であり、視聴者の血圧、脈拍、体温、呼吸数、心拍数及び脳波等を検出する。また、各検知部32は、座席24の足元等に設けられた振動センサであって、視聴者の体の振動を生体情報として検出してもよい。また、各検知部32は、音声センサであって、視聴者から発声された音を生体情報として検知してもよい。
また、各検知部32は、一例として、視聴者の顔に赤外光を照射する赤外光照明部と、視聴者の顔から反射された赤外光を受光して視聴者の顔を撮像する赤外光撮像装置と、撮像した顔の表情から視聴者の感情を判別する判別装置とを有する構成であってもよい。この場合、赤外光撮像装置は、座席24よりもスクリーン22側に配置され(例えば1列前の座席の背もたれ等に配置され)、映像コンテンツを鑑賞している最中の視聴者の顔を撮像する。このような各検知部32は、判別した視聴者の感情(楽しい、悲しい又はつまらない等の感情)を生体情報として出力する。これにより検知部32は、赤外光を利用するので、比較的に暗い場所でも視聴者の顔の表情を撮像することができる。また、判別装置の機能は、複数の検知部32に共通に設けられたコンピュータにより実現されてもよい。
映像データ記憶部34は、異なる複数のストーリーの映像を再生させるための複数の映像データを記憶する。例えば、映像データ記憶部34は、ツリー構造の再生順序が設定された複数の映像データを記憶する。
例えば、図2に示されるように、ツリー構造の再生順序が設定された複数の映像データは、最後に再生される映像データを除いた複数の映像データのそれぞれに、次に再生されるべき複数の映像データの候補が設定されている。このような複数の映像データは、次に再生する映像データの選択の仕方によって異なる内容のストーリー及びエンディングを視聴者に提供することができる。なお、このような複数の映像データは、ツリー構造及び再生順序が、コンテンツ作成者により予め意図して作成される。
属性検出部36は、複数の視聴者のそれぞれの属性を検出する。例えば、属性検出部36は、視聴者の性別及び年齢等を属性として検出する。また、属性検出部36は、同一の映像コンテンツの鑑賞回数を属性として検出してもよい。属性検出部36は、例えば、入場時に視聴者からID番号を取得することにより、各視聴者の属性を判別することができる。
グループ検出部38は、同一のグループに属する複数の視聴者が共に映像コンテンツを鑑賞していることを検出する。例えば、グループ検出部38は、家族が鑑賞していること、恋人同士が鑑賞していること等を検出する。この場合、グループ検出部38は、家族用のチケットまたはカップル用チケットを利用して入場した視聴者を検出することにより、家族又は恋人同士が鑑賞していることを検出することができる。また、グループ検出部38は、例えば、隣接する複数の座席24に同時に複数の視聴者が着座したことを検出することにより、同一のグループに属する複数の視聴者が鑑賞していることを検出することができる。
生体情報記憶部40は、映像データの再生中において、視聴者から検知した生体情報を取得して記憶する。生体情報記憶部40は、一例として、座席24に着座している視聴者のID番号を例えば座席予約番号等から検出して、視聴者毎に生体情報を記憶する。
選択部42は、映像データ記憶部34に記憶された複数の映像データの再生順序を、複数の検知部32が検知した生体情報に応じて選択する。具体的には、選択部42は、ある映像データ(第1の映像データ)の再生中において、第1の映像データの次に再生する複数の映像データの候補の中から、複数の検知部32が検知した生体情報に応じて1つの映像データ(第2の映像データ)選択する。これにより、選択部42は、映像データを鑑賞している視聴者のリアルタイムの反応に応じてストーリーを変更しながら映像を表示させることができる。
いずれの生体情報が検出された場合に何れの映像データを選択するかは、コンテンツ作成者により予め設定されている。例えば、第1の映像データの再生中において、視聴者がつまらないと感じている場合と、視聴者が普通(楽しくもつまらなくもない)と感じている場合とで、それぞれ異なる映像データを選択することが予め設定されている。選択部42は、コンテンツ作成者により予め作成された設定に応じて次に再生する映像データを選択する。
なお、選択部42は、視聴者の生体情報に加えて、属性検出部36により検出された視聴者の属性、グループ検出部38により検出されたグループの視聴者が鑑賞しているか否かの情報、および、生体情報記憶部40に記憶されている視聴者の過去の生体情報等に応じて、第1の映像データの次にいずれの映像データを再生するかを選択してもよい。
タイミング制御部44は、検知した生体情報に基づき、第1の映像データから第2の映像データへの切り換えタイミングを制御する。例えば、タイミング制御部44は、第1の映像データから第2の映像データへの切り換えタイミングを、検出した生体情報に応じて早めたり遅らせたりする。
再生部46は、映像データ記憶部34に記憶されている複数の映像データのうち、選択部42により選択された映像データを順次に読み出して再生する。そして、再生部46は、再生した映像データによる映像をスクリーン22に表示させて視聴者に鑑賞させる。これにより、再生部46は、検知部32が検知した生体情報に応じて異なる映像を再生することができる。
評価部48は、複数の映像データの再生順序(ストーリー)に対する視聴者による評価結果を表す評価値を取得する。評価部48は、一例として、映像を視聴し終えた後における視聴者の顔を撮像して、撮像した画像に含まれる顔の表情に基づき再生順序の評価結果に応じた評価値を算出する。例えば、評価部48は、視聴者の顔の表情が笑顔であれば高い評価値とし、むっとして怒っている顔であれば低い評価値とする。
再生順序記憶部50は、再生部46により再生された複数の映像データの再生順序を記憶する。この場合、再生順序記憶部50は、評価部48により取得された評価値とともに再生順序を記憶する。また、再生順序記憶部50は、生体情報記憶部40に記憶された視聴者の生体情報と対応付けて再生順序を記憶してもよい。
図3は、第1実施形態に係る再生システム10のフローを示す。再生システム10は、映像コンテンツを上映する場合、図3のステップS11からステップS18の処理を実行する。
まず、ステップS11において、再生システム10の再生部46は、映像データ記憶部34に記憶されている複数の映像データのうち、予め定められた最初の映像データの再生を開始する。再生部46は、最初の映像データの再生を開始すると、処理をステップS12に移行する。
続いて、ステップS12において、選択部42は、映像データの再生中において、複数の検知部32のそれぞれから生体情報を取得する。選択部42は、映像データの再生中の予め定められたタイミングにおいて生体情報を取得してもよいし、映像データの再生中において継続的に生体情報を取得してもよい。
続いて、ステップS13において、選択部42は、映像データの終了前において、ステップS12で取得した生体情報に基づき、複数の視聴者の平均的な状態を判定する。
例えば、選択部42は、複数の視聴者のそれぞれの心拍数の平均が予め定められた値より高い場合には、複数の視聴者が平均的に興奮している状態であると判定する。また、選択部42は、複数の視聴者のそれぞれの心拍数の平均が予め定められた値より低い場合には、複数の視聴者が平均的に冷静な状態であると判定する。また、選択部42は、複数の視聴者のそれぞれから発せられた音声の検出結果を集計した結果、予め定められた割合以上の視聴者が発声をした場合には、複数の視聴者が平均的に驚いている状態であると判定する。
また、選択部42は、複数の視聴者のそれぞれの顔の表情に基づく感情を集計して、複数の視聴者の状態を判定してもよい。選択部42は、一例として、予め定められた割合以上の視聴者の顔の表情が楽しいという感情の顔であれば、複数の視聴者が平均的に「楽しいと感じている状態」であると判定する。また、選択部42は、一例として、予め定められた割合以上の視聴者の顔の表情がつまらないという感情の顔であれば、複数の視聴者が平均的に「つまらないと感じている状態」であると判定する。
続いて、ステップS14において、選択部42は、現在再生されている映像データの次に再生するべき複数の映像データの候補の中から、ステップS13で判定した状態に応じた1つの映像データを選択する。
なお、どのような状態の場合にどのような映像データを選択するかを定めた条件は、コンテンツ作成者により予め設定されている。選択部42は、このような予め設定された条件に従って、映像データの選択を行う。これにより、選択部42は、コンテンツ作成者の意図に応じた内容のストーリーを再生させることができる。
例えば、選択部42は、複数の視聴者が平均的に「興奮している状態」である場合には、次に再生する映像データとして落ち着いた内容が含まれる映像データを選択する。これにより、選択部42は、過度に興奮した視聴者を落ち着かせるような映像を提供することができる。
また、例えば、選択部42は、複数の視聴者が平均的に「楽しいと感じている状態」である場合には、次に再生する映像データとして、現在の内容に継続した内容の映像データを選択する。これにより、選択部42は、視聴者が楽しいと感じている内容の映像を提供し続けることができる。
また、例えば、選択部42は、複数の視聴者が平均的に「つまらないと感じている状態」である場合には、次に再生する映像データとして、現在再生している映像データとは内容が転換する映像データを選択する。これにより、選択部42は、視聴者がつまらないと感じている内容を終了して他の内容の映像に切り換えることができる。
続いて、ステップS15において、タイミング制御部44は、現在再生している映像データから、次に再生する映像データへの切り替えタイミングであるか否かを判断する。タイミング制御部44は、切り換えタイミングとなると、処理をステップS16に進める。
続いて、ステップS16において、再生部46は、次に再生する映像データが、最後の映像データであるか否かを判断する。再生部46は、次に再生する映像データが最後の映像データでない場合には、処理をステップS17に進める。
ステップS17において、再生部46は、映像データ記憶部34に記憶されている複数の映像データのうち、次の映像データとして選択された映像データの再生を開始する。そして、再生部46は、次の映像データの再生を開始すると、処理をステップS12に移行して、再度、ステップS12からステップS16までの処理を繰り返す。
一方、再生部46は、次に再生する映像データが最後の映像データである場合には、処理をステップS18に進める。ステップS18において、再生部46は、映像データ記憶部34に記憶されている複数の映像データのうち、次の映像データとして選択された最後の映像データの再生を開始する。そして、再生部46は、最後の映像データの再生を終了すると、当該フローチャートを抜けて処理を終了する。
以上のように再生システム10は、複数の視聴者のそれぞれから検出した生体情報に基づき次に再生する映像データを切り替える。これにより、再生システム10によれば、視聴者の再生中における心理的な状態に応じて、内容(ストーリー等)が変わる映像コンテンツを提供することができる。
なお、選択部42は、視聴者の視聴回数に応じて選択する映像データを変更してもよい。例えば、選択部42は、予め定められた回数以上の視聴回数の視聴者が存在する場合、過激なシーンにおいてより強い刺激を与える内容の映像データを選択したり、幸せなシーンにおいてより幸せな感覚を与える映像データを選択したりする。また、選択部42は、予め定められた回数以上の視聴回数の視聴者が存在する場合、特定の映像(例えば通常では見ることのできない特別な映像)を含む映像データを選択してもよい。
また、選択部42は、現在検知している生体情報とともに、視聴者が過去に当該映像コンテンツを視聴したときに検知した生体情報に基づき、次に再生する映像データを選択してもよい。例えば、選択部42は、過去の生体情報と現在の生体情報とを比較して視聴者が過去よりも現在の方が「つまらない」と感じていた場合には、過去に選択した映像データと同一のストーリーとなるように映像データを選択したり、また反対に、視聴者が過去よりも現在の方が「楽しい」と感じていた場合には、過去に選択した映像データと異なるストーリーとなるように映像データを選択したりする。
また、タイミング制御部44は、映像データの切り換えタイミングを生体情報に基づき変更してもよい。例えば、第1の映像データの再生中において視聴者が「楽しいと感じている状態」である場合、タイミング制御部44は、第1の映像データから第2の映像データへの切り換えタイミングを遅らせて、第1の映像データの再生時間を長くする。例えば、タイミング制御部44は、第1の映像データの終了ポイントを複数個所設定しておき、第1の映像データの再生時間を長くする場合には、終了ポイントを通常時に選択されるポイントよりも遅い時点に変更する。
なお、タイミング制御部44は、ある映像データの再生時間を長くした場合には、他の映像データの再生時間を短くして、映像コンテンツの全体としての再生期間を一定とすることが好ましい。
また、家族が鑑賞していることをグループ検出部38が検出した場合には、選択部42は、家族で見ることに適した内容(例えば、過激な映像を含まない内容)の映像データを選択してもよい。また、恋人同士が鑑賞することをグループ検出部38が検出した場合には、選択部42は、より恋愛色の強い内容の映像データを選択してもよい。
また、再生順序記憶部50は、実際に再生された映像データの再生順序を記憶する。これにより、再生順序記憶部50は、毎回異なる再生順序を記録して保存しておくことができる。また、ユーザ(例えば管理者)の指示に応じて、再生部46は、再生順序記憶部50に記憶されている再生順序で、映像データ記憶部34に記憶されている複数の映像データを再生してもよい。これにより、再生システム10は、後日、評価値の高かった再生順序で映像コンテンツを再上映することができる。また、再生システム10は、評価値の高かった再生順序で再生された映像コンテンツを、販売のためにメディアに記録することもできる。
また、再生部46は、映像データの再生中における視聴者の感情等の状態を、スクリーン22等に表示してもよい。例えば、再生部46は、視聴者が楽しいと感じている度合いをゲージでスクリーン22に表示してもよい。
また、検知部32は、現在表示されている映像の内容を視聴者がよく理解していないことを、生体情報として検出してもよい。例えば、検知部32は、ある特定のシーンにおいてコンテンツ作成者の意図通りの反応が視聴者から得られなかった場合(例えば、視聴者に笑ってもらうことを意図したシーンにおいて視聴者が笑っていなかった場合)、映像の内容を視聴者がよく理解していないと検出する。このような生体情報を検出した場合、選択部42は、次に再生する映像データとして、視聴者が理解をしていなかった内容を解説する映像データを選択してもよい。これにより、選択部42は、作品の意図を視聴者によく理解させることができる映像データを選択することができる。
図4は、第2実施形態に係る再生システム60の構成を示す。第2実施形態に係る再生システム60は、例えば病人に対する映像を用いたケアー等に利用される。
再生システム60は、表示装置62と、少なくとも1つの検知部64と、状態検出部66と、病状取得部68と、選択情報取得部70と、映像データ記憶部72と、再生部74と、制御部76と、管理者用表示部78と、心身状態記憶部80とを備える。
表示装置62は、視聴者に対して映像を表示する。少なくとも1つの検知部64のそれぞれは、表示装置62により表示された映像を視聴している視聴者の生体情報を検知する。例えば、検知部64は、視聴者の血圧、脈拍、体温、呼吸数、心拍数及び脳波等を生体情報として検出する。
状態検出部66は、各検知部64により検出された視聴者の生体情報に基づき、視聴者の心身状態を検出する。例えば、状態検出部66は、興奮している状態であるのか、落ち込んでいる状態であるのか、パニック状態であるのか、リラックスした状態であるのか等の心身状態を検出する。
病状取得部68は、ユーザ(例えば医者等の管理者)により入力された視聴者の現在の病状を取得する。選択情報取得部70は、表示装置62に表示された映像を見た視聴者が、リモートコントローラ等を用いて選択入力した情報を取得する。例えば、選択情報取得部70は、視聴者が心地良いと感じる映像の選択情報をリモートコントローラ等から取得する。
映像データ記憶部72は、視聴者に鑑賞させるための複数の映像データを記憶する。映像データ記憶部72は、一例として、興奮した視聴者をリラックスさせるような映像(例えば、山、海等の風景映像)を表示させる映像データ、及び、気持ちを落着かせるような色または模様の映像等を表示させる映像データ等を記憶する。
再生部74は、制御部76の制御に応じて、映像データ記憶部72に記憶されている何れか1つの映像データを再生して表示装置62に表示させる。
制御部76は、状態検出部66が検出した心身状態に応じた映像を再生部74に再生させる。より具体的には、制御部76は、再生部74に複数の映像を再生させ、複数の映像を再生させた場合の視聴者の心身状態の変化を検出する。そして、制御部76は、検出結果に基づき視聴者の心身状態を平常化させる映像を特定して再生部74に再生させる。
また、制御部76は、病状取得部68が視聴者の病状を取得した場合には、視聴者の病状に応じて再生する映像を選択してもよい。例えば、制御部76は、ある特定の病状に対して有効な種類の映像があれば、その有効な種類の映像の中から映像データを選択する。また、制御部76は、選択情報取得部70が視聴者により入力された選択情報を取得した場合には、取得した選択情報に応じて再生する映像を選択してもよい。
管理者用表示部78は、状態検出部66により検出された視聴者の心身状態を、ユーザに対して表示する。さらに、管理者用表示部78は、少なくとも1つの検知部64により検出された生体情報の値をユーザに対して表示してもよい。また、管理者用表示部78は、選択情報取得部70が視聴者により入力された選択情報を取得した場合には、視聴者が何れの映像を選択したかを表示してもよい。
心身状態記憶部80は、状態検出部66により検出された心身状態を時系列で記憶する。更に、心身状態記憶部80は、少なくとも1つの検知部64により検出された生体情報を時系列で記憶してもよい。また、更に、心身状態記憶部80は、再生部74から再生された映像データの内容に対応させて、心身状態および生体情報を記憶してもよい。
図5は、第2実施形態に係る再生システム60のフローを示す。再生システム60は、例えば病人等(視聴者)に対して映像を鑑賞させることにより視聴者のメンタルケアーをする場合、図5のステップS21からステップS31の処理を実行する。
まず、ステップS21において、病状取得部68は、ユーザ(例えば医者等の管理者)により入力された視聴者の病状の情報を取得する。
続いて、ステップS22において、制御部76は、視聴者から検知された生体情報に基づき判別された視聴者の初期の心身状態を、状態検出部66から取得する。制御部76は、一例として、視聴者の興奮の度合いを表す値、視聴者の落ち込みの度合いを表す値、視聴者のパニック状態の度合いを表す値、および、視聴者のリラックス状態の度合いを表す値等を取得する。
続いて、ステップS23において、制御部76は、最初に再生すべき映像を選択して、再生部74に再生させる。この場合、制御部76は、ステップS21で取得した視聴者の病状に応じた映像を表示させてもよい。
続いて、ステップS24において、制御部76は、映像を表示してから一定時間が経過するまで処理を待機する。制御部76は、例えば、数秒から数十秒又は数分程度、処理を待機して、視聴者の心身状態が変化するのを待つ。
続いて、ステップS25において、制御部76は、表示された映像を見た視聴者から検知された生体情報に基づき判別された視聴者の初期の心身状態を、状態検出部66から取得する。
続いて、ステップS26において、制御部76は、映像を見たことによる視聴者の心身状態の変化を検出する。制御部76は、一例として、初期の心身状態と現在の心身状態とを比較したり、又は、直前の心身状態と現在の心身状態とを比較したりする。
続いて、ステップS27において、制御部76は、ステップS26で検出した心身状態の変化と再生中の映像の内容とを対応付けて、心身状態記憶部80に記憶させる。これにより、心身状態記憶部80は、心身状態の変化と再生された映像の内容との関係の履歴を時系列で記憶することができる。
続いて、ステップS28において、制御部76は、映像の変更を終了するか否かを判断する。制御部76は、一例として、一定回数又は一定期間、映像の変更を繰り返した場合には、映像の変更を終了すると判断する。または、制御部76は、視聴者の心身状態が平常化した場合に、映像の変更を終了すると判断してもよい。
映像の変更を終了しない場合(ステップS28のNo)、制御部76は、処理をステップS29に進める。
ステップS29において、制御部76は、表示する映像を変更する。制御部76は、一例として、映像の内容を変更してもよいし、映像の内容は変更せずに表示の色合い又は再生スピードを変更してもよい。また、制御部76は、静止画像を表示している場合には、切り替わり速度を変更してもよい。
また、この場合、制御部76は、視聴者の心身状態が平常化する方向に変化させるように、映像を変更してもよい。例えば、制御部76は、直前の心身状態の変化の検出結果から、再生する映像データの再生スピードを遅くしたことにより心身状態が平常化に向う方向に変化した場合には、更に再生スピードを遅くするように映像を変化させる。また、反対に、制御部76は、前の心身状態の変化の検出結果から、再生する映像データの再生スピードを遅くしたことにより心身状態が悪化した場合には、逆に再生スピードを速くするように映像を変化させる。
そして、制御部76は、映像を変化させた後に、処理をステップS24に戻して、再度、ステップS24からステップS28の処理を繰り返させる。このようにステップS24からステップS29のループ処理を繰り返すことにより、制御部76は、複数の映像を再生させた場合の視聴者の心身状態の変化を検出することができる。
映像の変更を終了する場合(ステップS28のYes)、制御部76は、処理をステップS30に進める。
ステップS30において、制御部76は、心身状態の変化の検出結果に基づいて、視聴者の心身状態を平常化させる映像を特定する。例えば、制御部76は、ステップS24からS29のループ処理において視聴者に見せた複数の映像のうち、心身状態がより平常化に向う方向に変化した映像を、視聴者の心身状態を平常化させる映像として特定する。
続いて、ステップS31において、制御部76は、ステップS30で特定した映像を再生部74から継続して再生させる。そして、制御部76は、視聴者の心身状態が平常化するまで、当該映像を再生し続ける。
以上のように、再生システム60は、複数の映像を視聴者に見せて視聴者の心身状態が平常化する方向に変化する映像を特定することができる。これにより、再生システム60によれば、例えば病人等に対する映像を用いたメンタルケアーをすることができる。
なお、再生システム60は、視聴者が平常時において、ステップS21からステップS30の処理を実行してもよい。そして、制御部76は、視聴者の心身状態が不安定となった場合において、平常時において予め特定した映像を再生する。これにより、再生システム60によれば、予め準備しておいた映像を用いて、より速く視聴者の心身状態を平常化させることができる。
また、制御部76は、異なる複数の映像を再生部74に再生させて、再生させた複数の映像のうち何れかの映像が心地よい又はリラックスするか等を視聴者にリモートコントローラ等により選択させる。選択情報取得部70は、リモートコントローラ等により選択された情報を受信して制御部76に受け渡す。そして、制御部76は、選択された映像の情報に基づいて、視聴者の心身状態を推定して推定結果を管理者用表示部78に表示し、ユーザ(例えば医者等の管理者)に提供する。これにより、再生システム60によれば、ユーザに視聴者の心身状態を推定させることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 再生システム、22 スクリーン、24 座席、32 検知部、34 映像データ記憶部、36 属性検出部、38 グループ検出部、40 生体情報記憶部、42 選択部、44 タイミング制御部、46 再生部、48 評価部、50 再生順序記憶部、60 再生システム、62 表示装置、64 検知部、66 状態検出部、68 病状取得部、70 選択情報取得部、72 映像データ記憶部、74 再生部、76 制御部、78 管理者用表示部、80 心身状態記憶部

Claims (17)

  1. 視聴者の生体情報を検知する検知部と、
    検知した前記生体情報に応じて異なる映像を再生する再生部と、
    を備える再生システム。
  2. 異なる複数のストーリーの映像を再生させるための複数の映像データを記憶する映像データ記憶部と、
    前記検知部が第1の映像データの再生中において検知した前記生体情報に応じて、前記第1の映像データの次に再生する第2の映像データを前記複数の映像データの中から選択する選択部と、
    を更に備え、
    前記再生部は、前記選択部により選択された映像データを再生する
    請求項1に記載の再生システム。
  3. 前記選択部は、複数の視聴者から検知された生体情報に基づき、前記複数の映像データの中から前記第2の映像データを選択する
    請求項2に記載の再生システム。
  4. 前記検知部は、前記視聴者が着座するための座席の近傍に配置される
    請求項2または3に記載の再生システム。
  5. 前記検知部は、前記視聴者の顔に赤外光を照射して撮像し、撮像した画像に含まれる前記顔の表情から前記視聴者の感情を判別し、
    前記選択部は、前記検知部により検知された前記視聴者の感情に基づき、前記複数の映像データの中から前記第2の映像データを選択する
    請求項2または3に記載の再生システム。
  6. 前記視聴者の属性を検出する属性検出部を更に備え、
    前記選択部は、前記生体情報および検出した前記属性に基づき前記複数の映像データの中から前記第2の映像データを選択する
    請求項2から5の何れか1項に記載の再生システム。
  7. 映像データの再生中において検知した前記生体情報を、前記視聴者毎に記憶する生体情報記憶部を更に備え、
    前記選択部は、前記視聴者が前記第1の映像データを視聴しているときに検知した前記生体情報とともに、前記視聴者が過去において視聴したときに検知した前記生体情報に基づき、前記第2の映像データを選択する
    請求項2から6の何れか1項に記載の再生システム。
  8. 同一のグループに属する複数の視聴者が共に映像を鑑賞していることを検出するグループ検出部を更に備え、
    前記選択部は、前記生体情報及び同一のグループに属する複数の視聴者が共に映像を鑑賞していることを検出したことに基づき、前記複数の映像データの中から前記第2の映像データを選択する
    請求項2から7の何れか1項に記載の再生システム。
  9. 検知した前記生体情報に基づき、前記第1の映像データから前記第2の映像データへの切り換えタイミングを変更するタイミング制御部を更に備える
    請求項2から8の何れか1項に記載の再生システム。
  10. 前記再生部により再生された複数の映像データの再生順序を記憶する再生順序記憶部を更に備え、
    ユーザの指示に応じて、前記再生部は、前記再生順序記憶部により記憶された前記再生順序で複数の映像データを順次に再生する
    請求項2から9の何れか1項に記載の再生システム。
  11. 映像を視聴し終えた後における前記視聴者の顔を撮像して、撮像した画像に含まれる前記顔の表情に基づき前記再生順序の評価値を算出する評価部を更に備える
    請求項10に記載の再生システム。
  12. 前記視聴者の生体情報に基づき前記視聴者の心身状態を検出する状態検出部と、
    検出した前記心身状態に応じた映像を前記再生部に再生させる制御部と、
    を更に備える請求項1に記載の再生システム。
  13. 前記制御部は、前記再生部に複数の映像を再生させた場合の前記視聴者の心身状態の変化を検出し、検出結果に基づき前記視聴者の心身状態を平常化させる映像を特定し、特定した映像を前記心身状態に応じた映像として再生させる
    請求項12に記載の再生システム。
  14. 前記視聴者の病状を取得する病状取得部を更に備え、
    前記制御部は、前記視聴者の病状に応じて再生する映像を選択する
    請求項13に記載の再生システム。
  15. 心身状態を平常化させる映像を特定する過程における前記視聴者の心身状態の変化データを記憶する心身状態記憶部を更に備える
    請求項13又は14に記載の再生システム。
  16. 前記制御部は、
    前記再生部に複数の映像を再生させて前記視聴者に何れかの映像を選択させ、
    前記視聴者により選択された映像に基づき前記視聴者の心身状態を検出する
    請求項12に記載の再生システム。
  17. 前記視聴者が平常時において、前記制御部は、前記再生部に複数の映像を再生させた場合の前記視聴者の心身状態の変化を検出し、検出結果に基づき前記視聴者の心身状態を平常化させる映像を特定する
    請求項12に記載の再生システム。
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