JP2014053337A - 太陽電池パネルの異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池パネルでの異常の発生を精度良く検出する。
【解決手段】太陽光発電システム1の太陽電池パネル2での発電電力P1を実測する測定部12と、太陽電池パネル2近傍での日射量を実測する日射量センサ13と、太陽電池パネル2の温度を実測する温度センサ14と、実測された日射量および実測された温度に基づいて太陽電池パネル2での理論発電電力P2を算出する論理電力算出処理、実測した発電電力P1と算出した理論発電電力P2とを比較して太陽電池パネル2での異常の発生の有無を検出する異常検出処理、および異常検出処理の検出結果を出力する出力処理を実行する処理部15とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電システムに使用されている太陽電池パネルでの異常の発生の有無を検出する太陽電池パネルの異常検出装置に関するものである。
この種の太陽電池パネルの異常検出装置として、下記特許文献1には、日射量センサで検出された日射量に基づいて発電電力を算出すると共にこの発電電力を気温センサで検出された気温で補正して太陽電池(太陽電池パネル)での理論発電電力を算出し、この算出した理論発電電力と太陽電池で実際に発生している電力とを比較して、この比較によって得られた両電力の電力差が所定値より大きいときに太陽電池に異常(太陽電池の表面の汚損や、配線部や接続部での断線や短絡)が発生していると検出する太陽電池(太陽電池パネル)の異常検出装置が開示されている。
特開2000−40838号公報(第2頁、第1図)
ところが、上記の太陽電池パネルの異常検出装置には、以下のような解決すべき課題が存在している。すなわち、この太陽電池パネルの異常検出装置では、日射量センサで検出された日射量に基づいて算出した発電電力を気温センサで検出された気温で補正して太陽電池パネルでの理論発電電力を算出しているが、太陽電池パネル自体の温度は、気温が同じであっても、太陽電池パネルの設置形態(太陽電池パネルの方位角や傾斜角)や太陽電池パネルの周囲の空気の流れ具合によって大きく変化する。このため、気温センサで検出された気温で補正して最終的な理論発電電力を算出する上記の太陽電池パネルの異常診断装置には、理論発電電力を精度よく算出することができないため、太陽電池パネルでの異常の発生を精度良く検出するのが困難であるという課題が存在している。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、太陽電池パネルでの異常の発生を精度良く検出し得る太陽電池パネルの異常検出装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の太陽電池パネルの異常検出装置は、太陽光発電システムの太陽電池パネルでの発電電力を実測する測定部と、前記太陽電池パネル近傍での日射量を実測する日射量センサと、前記太陽電池パネルの温度を実測する温度センサと、前記実測された日射量および前記実測された温度に基づいて前記太陽電池パネルでの理論発電電力を算出する論理電力算出処理、前記実測した発電電力と前記算出した理論発電電力とを比較して前記太陽電池パネルでの異常の発生の有無を検出する異常検出処理、および当該異常検出処理の検出結果を出力する出力処理を実行する処理部とを備えている。
請求項2記載の太陽電池パネルの異常検出装置は、請求項1記載の太陽電池パネルの異常検出装置において、前記温度センサは、前記太陽電池パネルの裏面温度を実測する。
請求項1記載の太陽電池パネルの異常検出装置では、温度センサが太陽電池パネル自体の温度を精度良く実測する。したがって、この太陽電池パネルの異常検出装置によれば、このようにして精度良く実測された太陽電池パネル自体の温度に基づいて、処理部が太陽電池パネルでの理論発電電力を精度良く算出することができるため、この理論発電電力に基づいて太陽電池パネルでの異常の発生の有無をより精度良く検出することができる。
請求項2記載の太陽電池パネルの異常検出装置では、温度センサが太陽電池パネルの裏面温度を実測する。したがって、この太陽電池パネルの異常検出装置によれば、温度センサが直射日光による影響を避けて太陽電池パネル自体の温度をより一層精度良く実測することができるため、処理部が太陽電池パネルでの理論発電電力を一層精度良く算出することができる結果、この理論発電電力に基づいて太陽電池パネルでの異常の発生の有無をより一層精度良く検出することができる。
太陽光発電システム1、およびその太陽電池パネル2の異常検出装置11の構成を示す構成図である。
以下、太陽電池パネルの異常検出装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、太陽電池を有する太陽光発電システム1の構成について、図1を参照して説明する。太陽光発電システム1は、一例として、複数の太陽電池パネル2、接続箱3、およびパワーコンディショナ4を備えている。各太陽電池パネル(太陽電池モジュール)2は、太陽電池2aが複数枚直並列接続されてパネル状(平板状)に構成されることで形成されている。接続箱3は、各太陽電池パネル2から出力される出力電圧(直流電圧)を集めて、複数の太陽電池パネル2全体での出力電圧(直流電圧)Vdcとして、パワーコンディショナ4に出力する。パワーコンディショナ4は、一例として、DC/ACコンバータおよび保護回路(いずれも図示せず)を備えて構成されて、接続箱3から出力される出力電圧Vdcを交流電圧Vacに変換して不図示の負荷(例えば、住宅内の電気機器)に出力する。
次に、太陽電池パネルの異常検出装置11の構成について、図1を参照して説明する。
この異常検出装置11は、測定部12、日射量センサ13、温度センサ14、処理部15、記憶部16および表示部17を備えている。
測定部12は、接続箱3からパワーコンディショナ4に出力される出力電圧Vdcを電圧プローブ12aを介して測定する電圧測定機能、接続箱3からパワーコンディショナ4に出力される出力電流(直流電流)Idcを電流プローブ12bを介して測定する電流測定機能、並びに測定した出力電圧Vdcおよび出力電流Idcに基づいて接続箱3からパワーコンディショナ4に出力される電力(つまり、すべての太陽電池パネル2での発電電力)P1を算出(実測)して出力する電力測定機能を備えている。
日射量センサ13は、各太陽電池パネル2のうちのいずれか1つの近傍において、太陽電池パネル2の設置形態(太陽電池パネル2の方位角や傾斜角)と同じ設置形態で設置(配設)されて、現在の日射量を実測する。また、日射量センサ13は、実測した日射量を示す検出信号Srを生成して、処理部15に出力する。
温度センサ14は、各太陽電池パネル2のうちのいずれか1つの裏面に配設されて、この1つの太陽電池パネル2の現在の裏面温度(裏面の温度)を直接的に実測する。また、温度センサ14は、実測した裏面温度を示す検出信号St(つまり、太陽電池パネル2自体の温度を直接的に示す信号)として生成して、処理部15に出力する。
なお、本例では、直射日光による影響を避けて、太陽電池パネル2自体の温度をより一層精度良く実測し得るように、直射日光の当たらない太陽電池パネル2の裏面に温度センサ14を配設して、温度センサ14の裏面温度を実測する構成を採用しているが、直射日光による影響が少ないときには、太陽電池パネル2の表面(太陽光の受光面側)に温度センサ14を配設して、温度センサ14で実測された表面の温度を示す検出信号Stを太陽電池パネル2自体の温度を示す信号して出力する構成を採用することもできる。この構成においても、気温を測定してこの気温で補正することで理論発電電力を算出する従来の方法と比較して、太陽電池パネル2自体の温度をより精度良く測定することが可能である。
処理部15は、A/D変換器およびCPUを備えて(またはDSPを備えて)構成されて、論理電力算出処理、異常検出処理および出力処理を実行する。この論理電力算出処理では、処理部15は、日射量センサ13から出力される検出信号Srに基づいて現在の日照量を算出し、かつ温度センサ14から出力される検出信号Stに基づいて現在の太陽電池パネル2自体の温度(この例では裏面温度)を算出し、算出した現在の日射量および現在の裏面温度に基づいて、複数の太陽電池パネル2全体での理論発電電力(計算上の発電電力)P2を算出して、記憶部16に記憶させる。
また、異常検出処理では、処理部15は、測定部12で実測された太陽電池パネル2での発電電力P1と、算出した太陽電池パネル2についての理論発電電力P2とを比較して、太陽電池パネル2での異常の発生の有無を検出する。また、出力処理では、処理部15は、異常検出処理の検出結果(太陽電池パネル2に異常が発生しているか否かの検出結果)を本例では一例として表示部17に出力する。
表示部17は、一例として、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成されて、処理部15が実行した異常検出処理の検出結果を画面上に表示する。なお、この異常検出装置11では、異常検出処理の検出結果を出力する一例として、表示部17に出力する構成を採用しているが、検出結果を示す信号や情報を外部機器に出力する構成を採用することもできる。
次に、異常検出装置11の動作について説明する。
異常検出装置11では、処理部15が、外部から検出実行指示を入力したとき、または予め規定された時間間隔で(本例では一例として、予め規定された時間間隔で)、上記の論理電力算出処理、異常検出処理および出力処理を実行する。
処理部15は、最初に、論理電力算出処理を実行する。この論理電力算出処理では、処理部15は、まず、日射量センサ13から出力される検出信号Srを入力すると共にA/D変換器でデジタルデータに変換し、この変換したデジタルデータに基づいて現在の日照量を算出する。また、処理部15は、温度センサ14から出力される検出信号Stを入力すると共にA/D変換器でデジタルデータに変換し、この変換したデジタルデータに基づいて現在の太陽電池パネル2の裏面温度を算出する。次いで、処理部15は、この算出した現在の日照量および現在の太陽電池パネル2の裏面温度と、公知の計算式(JISC8907:2005に規定されている発電電力を算出するための計算式)とに基づいて、複数の太陽電池パネル2全体での理論発電電力(計算上の発電電力)P2を算出して、記憶部16に記憶させる。また、処理部15は、理論発電電力P2の算出タイミングに合わせて、測定部12から出力されている発電電力P1を取得して、記憶部16に記憶させる。
次いで、処理部15は、異常検出処理を実行する。この異常検出処理では、処理部15は、記憶部16に記憶されている発電電力P1と理論発電電力P2とを比較して、太陽電池パネル2での異常の発生の有無を検出する。具体的には、処理部15は、まず、記憶部16に記憶されている発電電力P1と理論発電電力P2とから双方の電力差(=P2−P1)を算出する。この場合、太陽電池パネル2での発電電力P1は、表面の汚損や、配線部や接続部での断線や短絡などの異常が太陽電池パネル2に発生しているときには、正常な状態のときの発電電力を大きく下回る。したがって、太陽電池パネル2に異常が発生しているときには、この電力差が大きくなる。このため、処理部15は、算出した電力差(=P2−P1)と予め規定された電力値とを比較して、算出した電力差がこの規定された電力値以上のときには、太陽電池パネル2に異常が発生していると判別して(太陽電池パネル2での異常の発生を検出して)、その旨を記憶部16に記憶させる。一方、処理部15は、算出した電力差が規定された電力値未満のときには、太陽電池パネル2は正常であると判別して、その旨を記憶部16に記憶させる。
最後に、処理部15は出力処理を実行して、異常検出処理での検出結果を表示部17に表示させる。この異常検出装置11では、処理部15は、上記の論理電力算出処理において、現在の日照量と現在の太陽電池パネル2の裏面温度とに基づいて現在の理論発電電力P2をより精度良く算出するため、異常検出処理において、太陽電池パネル2での異常の発生の有無をより精度良く検出可能となっている。これにより、異常検出装置11の操作者は、処理部15による出力処理の実行によって表示部17に表示される異常検出処理での検出結果に基づいて、太陽電池パネル2での異常の発生を精度良く検出することが可能となっている。
このように、この太陽電池パネル2の異常検出装置11では、太陽電池パネル2に配設された温度センサ14が、太陽電池パネル2自体の温度を精度良く実測する。したがって、この異常検出装置11によれば、このようにして精度良く実測された太陽電池パネル2自体の温度に基づいて、処理部15が太陽電池パネル2での理論発電電力P2を精度良く算出することができるため、この理論発電電力P2に基づいて太陽電池パネル2での異常の発生の有無をより精度良く検出することができる。
また、この異常検出装置11では、温度センサ14が、太陽電池パネル2の裏面に配設されて、太陽電池パネル2の裏面温度を実測する。したがって、この異常検出装置11によれば、温度センサ14が直射日光による影響を避けて太陽電池パネル2自体の温度をより一層精度良く実測することができるため、処理部15が太陽電池パネル2での理論発電電力P2を一層精度良く算出することができる結果、この理論発電電力P2に基づいて太陽電池パネル2での異常の発生の有無をより一層精度良く検出することができる。
なお、上記の異常検出装置11では、測定部12が、接続箱3からパワーコンディショナ4に出力される出力電圧Vdcを電圧プローブ12aを介して測定すると共に、接続箱3からパワーコンディショナ4に出力される出力電流(直流電流)Idcを電流プローブ12bを介して測定することで、すべての太陽電池パネル2での発電電力P1を一括して測定する構成を採用しているが、本発明の構成はこれに限定されない。例えば、測定部12が1つの太陽電池パネル2から出力される出力電圧(直流電圧)と出力電流(直流電流)とを測定することで、この太陽電池パネル2での発電電力P1を測定し、処理部15が、1つの太陽電池パネル2での理論発電電力P2を算出し、この算出した理論発電電力P2と、測定部12で測定された1つの太陽電池パネル2での発電電力P1とに基づいて、太陽電池パネル2での異常の発生の有無を太陽電池パネル2毎に検出する構成を採用することもできる。
1 太陽光発電システム
2 太陽電池パネル
2a 太陽電池
12 測定部
13 日射量センサ
14 温度センサ
15 処理部
P1 発電電力
P2 理論発電電力

Claims (2)

  1. 太陽光発電システムの太陽電池パネルでの発電電力を実測する測定部と、
    前記太陽電池パネル近傍での日射量を実測する日射量センサと、
    前記太陽電池パネルの温度を実測する温度センサと、
    前記実測された日射量および前記実測された温度に基づいて前記太陽電池パネルでの理論発電電力を算出する論理電力算出処理、前記実測した発電電力と前記算出した理論発電電力とを比較して前記太陽電池パネルでの異常の発生の有無を検出する異常検出処理、および当該異常検出処理の検出結果を出力する出力処理を実行する処理部とを備えている太陽電池パネルの異常検出装置。
  2. 前記温度センサは、前記太陽電池パネルの裏面温度を実測する請求項1記載の太陽電池パネルの異常検出装置。
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