JP2014053316A - リード部材、リード部材付蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】リード導体に絶縁フィルムが確実に貼り合わされた信頼性の高いリード部材及びリード部材付蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】リード部材21は、一対の絶縁フィルム23の接着層23b同士がリード導体22を介して熱融着されて互いに貼り合わされ、リード導体22は厚さ0.1mm以上1.5mm以下の金属材料からなり、絶縁フィルム23の接着層23bはメルトフローレートが4g/10分以上7g/10分以下のポリプロピレンをベース樹脂とし、その厚さがリード導体22の厚さの5分の1以上2分の1以下であり、絶縁フィルム23の架橋層23aにはポリプロピレンをベース樹脂として0.5重量%以上10重量%以下の架橋助剤が添加され、架橋助剤は分子内に不飽和基を少なくとも2個以上含む化合物からなる。
【選択図】図3
【解決手段】リード部材21は、一対の絶縁フィルム23の接着層23b同士がリード導体22を介して熱融着されて互いに貼り合わされ、リード導体22は厚さ0.1mm以上1.5mm以下の金属材料からなり、絶縁フィルム23の接着層23bはメルトフローレートが4g/10分以上7g/10分以下のポリプロピレンをベース樹脂とし、その厚さがリード導体22の厚さの5分の1以上2分の1以下であり、絶縁フィルム23の架橋層23aにはポリプロピレンをベース樹脂として0.5重量%以上10重量%以下の架橋助剤が添加され、架橋助剤は分子内に不飽和基を少なくとも2個以上含む化合物からなる。
【選択図】図3
Description
本発明は、封入材で密閉した電池に用いられるリード部材及びリード部材付蓄電デバイスに関する。
携帯電話などの小型電子機器に用いられるリード部材付電池は、例えば、リード部材が接続された正極及び負極が電解質媒体とともに封入材で密封され、リード部材が絶縁フィルムで封入材に密着された構造を有している。
この種のリード部材付電池のリード部材は、リード導体と、このリード導体を被覆し、封入材の内面に融着される絶縁フィルムとを備えており、絶縁フィルムとして、ゲル分率が20〜90%である架橋ポリオレフィン樹脂からなる架橋層と、リード導体に接着され且つ熱可塑性ポリオレフィン樹脂からなる熱可塑層とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、リード導体の取り出し部分を覆うように、封入材のヒートシール温度では溶融しない絶縁層を設けたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、リード導体直上のみにマレイン酸ポリオレフィン層を設けたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
この種のリード部材付電池のリード部材は、リード導体と、このリード導体を被覆し、封入材の内面に融着される絶縁フィルムとを備えており、絶縁フィルムとして、ゲル分率が20〜90%である架橋ポリオレフィン樹脂からなる架橋層と、リード導体に接着され且つ熱可塑性ポリオレフィン樹脂からなる熱可塑層とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、リード導体の取り出し部分を覆うように、封入材のヒートシール温度では溶融しない絶縁層を設けたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、リード導体直上のみにマレイン酸ポリオレフィン層を設けたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
ところで、車載用途のリード部材付電池では、小型電子機器用途のものと比較して全体の大きさが大きくなるため、リード部材を構成するリード導体の厚さ及び幅寸法も大きくなる。
このため、リード導体の両側部において、絶縁フィルム同士が十分に貼り合わされず、絶縁フィルム同士の剥離により、リード導体の両側部に空隙が形成されて電解質媒体が漏出するなどの不具合が生じるおそれがあった。
このため、リード導体の両側部において、絶縁フィルム同士が十分に貼り合わされず、絶縁フィルム同士の剥離により、リード導体の両側部に空隙が形成されて電解質媒体が漏出するなどの不具合が生じるおそれがあった。
本発明の目的は、リード導体に絶縁フィルムが確実に貼り合わされた信頼性の高いリード部材及びリード部材付蓄電デバイスを提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明のリード部材は、リード導体の両面側に一対の絶縁フィルムが貼り付けられたリード部材であって、
前記リード導体は、厚さ0.1mm以上1.5mm以下の金属材料からなり、
前記絶縁フィルムは架橋層と接着層とからなり、
前記接着層はメルトフローレートが4g/10分以上7g/10分以下のポリプロピレンをベース樹脂とし、その厚さが前記リード導体の厚さの5分の1以上2分の1以下であり、
前記架橋層には、ポリプロピレンをベース樹脂として0.5重量%以上10重量%以下の架橋助剤が添加され、前記架橋助剤は分子内に不飽和基を少なくとも2個以上含む化合物からなり、
前記絶縁フィルムの接着層同士が前記リード導体を介して熱融着されて互いに貼り合わされていることを特徴とする。
前記リード導体は、厚さ0.1mm以上1.5mm以下の金属材料からなり、
前記絶縁フィルムは架橋層と接着層とからなり、
前記接着層はメルトフローレートが4g/10分以上7g/10分以下のポリプロピレンをベース樹脂とし、その厚さが前記リード導体の厚さの5分の1以上2分の1以下であり、
前記架橋層には、ポリプロピレンをベース樹脂として0.5重量%以上10重量%以下の架橋助剤が添加され、前記架橋助剤は分子内に不飽和基を少なくとも2個以上含む化合物からなり、
前記絶縁フィルムの接着層同士が前記リード導体を介して熱融着されて互いに貼り合わされていることを特徴とする。
本発明のリード部材付蓄電デバイスは、上記のリード部材が接続された正極及び負極が電解質媒体とともに封入材で密封され、前記リード部材の前記絶縁フィルムが前記封入材に密着されていることを特徴とする。
本発明のリード部材によれば、メルトフローレートが4g/10分以上7g/10分以下のポリプロピレンをベースとし、厚さが導体の厚さの5分の1以上2分の1以下である接着層を有する絶縁フィルムを用いるので、絶縁フィルムがリード導体の周囲を隙間無く埋めるように貼り合わされる。これにより、リード導体の厚さが0.1mm以上1.5mm以下と厚くても、隙間のできやすいリード導体の両側部における絶縁フィルムの剥離を確実に防止することができる。
このリード部材を用いたリード部材付蓄電デバイスによれば、電解質媒体の漏れなどのない信頼性の高い電池とすることができる。
このリード部材を用いたリード部材付蓄電デバイスによれば、電解質媒体の漏れなどのない信頼性の高い電池とすることができる。
以下、本発明に係るリード部材及びリード部材付蓄電デバイスの実施形態の例について、図面を参照して説明する。
非水電解質蓄電デバイスは、リチウムイオン電池などの非水電解質電池、電気二重層コンデンサ(EDLC)やリチウムイオンキャパシタなどのキャパシタなどを含む。電気二重層コンデンサでは正極側も負極側もリード部材の導体にはアルミニウムが使用される。リチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタでは正極側のリード部材の導体にはアルミニウムが使用され、負極側では銅が使用される。銅はニッケルメッキして使用されることが多い。非水電解質蓄電デバイスはいずれも袋状または箱状の封入材に電解質が封入され、リード部材が封入材の密閉部分の一部から外に出されている。
以下、非水電解質電池を例にして説明するが、電気二重層コンデンサなどの他の非水電解質蓄電デバイスについても電解質を漏らさないようにリード部材と封入材とが密閉されることは同様である。
以下、非水電解質電池を例にして説明するが、電気二重層コンデンサなどの他の非水電解質蓄電デバイスについても電解質を漏らさないようにリード部材と封入材とが密閉されることは同様である。
図1及び図2に示すように、非水電解質電池(リード部材付蓄電デバイス)10は、封入材11と、正極12及び負極13に接続されたリード部材21とを有している。
封入材11は、周縁部のシール部16をヒートシールによる熱融着で袋状としたものであり、封入材11内には、正極12及び負極13とともに、正極12と負極13との間に設けられた隔膜14及び非水の溶媒(例えば、有機溶媒)に電解質(例えばリチウム化合物)が溶解された非水電解質媒体15を含む単一の電気化学セルが、密封して収納されている。
封入材11は、周縁部のシール部16をヒートシールによる熱融着で袋状としたものであり、封入材11内には、正極12及び負極13とともに、正極12と負極13との間に設けられた隔膜14及び非水の溶媒(例えば、有機溶媒)に電解質(例えばリチウム化合物)が溶解された非水電解質媒体15を含む単一の電気化学セルが、密封して収納されている。
リード部材21は、非水電解質電池10のリード線として用いられるもので、平角導体または金属箔などからなるリード導体22を有している。そして、このリード導体22が、封入材11内の正極12及び負極13にそれぞれ接続されている。
図3に示すように、封入材11は、積層フィルム11a,11b及び金属箔11cからなる積層体であり、最内層の積層フィルム11bには、電解液で溶解されずシール部11aから非水電解質媒体15が漏出するのを防止するのに適したものとして、ポリオレフィン樹脂(例:無水マレイン酸変性低密度ポリエチレンまたはポリプロピレン)が用いられる。最外層の積層フィルム11aは、内側の金属箔11cを外傷から保護するためのもので、ポリエチレンテレフタレート(略称PET)等で形成されている。
封入材11内に収容される電解質としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの有機溶媒に、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6等の電解質を溶解させた非水電解液や、リチウムイオン伝導性の固体電解質などが用いられる。
リード部材21は、外部への電気接続のためにシール部16から取り出され、その取り出し部分では、リード導体22が絶縁フィルム23で被覆絶縁されて、封入材11を形成する金属箔11cと電気的接触が生じないようにしている。
リード導体22は、厚さ0.1mm以上1.5mm以下のニッケル、ニッケルめっき銅またはアルミニウムなどの金属材料からなり、車載用途の場合の幅寸法は、例えば、30mm、50mm、70mm、90mmである。
絶縁フィルム23は、架橋層23aと接着層23bとを有する二層構造であり、接着層23bがメルトフローレート(MFR)が4g/10分以上7g/10分以下のポリプロピレン(PP)をベースとした樹脂から形成されている。ここでメルトフローレートは、温度230℃、荷重2.16kgとした値である。接着層23bの厚さはリード導体22の厚さの5分の1以上2分の1以下である。
架橋層23aはポリプロピレン樹脂をベースとして0.5重量%以上10重量%以下の架橋助剤、及び0.1重量%以上3.0重量%以下のフェノール系酸化防止剤(例えば、(株)ADEKA製のアデカスタブAOシリーズ)が添加されている。架橋助剤は、分子内に不飽和基を少なくとも2個以上含む化合物からなる。例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート(新中村化学工業(株)製のNKエステルPMPT)、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(日立化成工業(株)製のFA−731A)、トリアリルイソシアヌレート(例えば、日本化成(株)製のTAIC(登録商標))、ポリプロピレングリコールアクリレート(日立化成工業(株)製のFA−P270A)、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート(四国化成工業(株)製のDA−MGIC)が好ましく使用可能である。
架橋層の厚さは0.05mmとすれば十分な強度の絶縁フィルムとすることができる。架橋層を不必要に厚くする必要はなく、0.1mm以下の厚さとするのでよい。
なお、フェノール系酸化防止剤は、接着層23bにも添加されていても良い。
そして、上記の絶縁フィルム23は、熱融着されて接着層23b同士が互いに貼り合わされている。
架橋層の厚さは0.05mmとすれば十分な強度の絶縁フィルムとすることができる。架橋層を不必要に厚くする必要はなく、0.1mm以下の厚さとするのでよい。
なお、フェノール系酸化防止剤は、接着層23bにも添加されていても良い。
そして、上記の絶縁フィルム23は、熱融着されて接着層23b同士が互いに貼り合わされている。
次に、上記構造のリード部材21の製造方法について説明する。
上記のリード部材21を製造する場合、リード導体22の両面側から、それぞれ絶縁フィルム23をその接着層23b側を対向させて、加熱部材で絶縁フィルム23を挟んで絶縁フィルム23を加熱すると同時に押し合わせて熱融着させて貼り合わせる。
上記のリード部材21を製造する場合、リード導体22の両面側から、それぞれ絶縁フィルム23をその接着層23b側を対向させて、加熱部材で絶縁フィルム23を挟んで絶縁フィルム23を加熱すると同時に押し合わせて熱融着させて貼り合わせる。
絶縁フィルム23を熱融着する条件としては、加熱部材の表面の温度を温度140℃以上230℃以下とし、2秒以上30秒以下の加熱時間(熱融着時間)とするのが好ましい。温度が低いほど加熱時間を長くし、温度が高いほど加熱時間を短くする。接着層23bが比較的薄い場合は、比較的短い時間の加熱で接着層23bの樹脂を十分に溶かして熱融着させることができる。接着層23bが厚いほど加熱時間を長くする。例えば、リード部材が0.5mm以上となると接着層23bの厚さは0.1mm以上が好ましい。接着層23bの厚さがこれ以上の厚さでかつ幅が30mm以上の大型の絶縁フィルム23を熱融着
する場合、温度160℃〜230℃で7秒間〜20秒間加熱して熱融着させるとよい。
このようにすると、リード導体22の表裏面に絶縁フィルム23が隙間なく貼り合わされたリード部材21が得られる。
する場合、温度160℃〜230℃で7秒間〜20秒間加熱して熱融着させるとよい。
このようにすると、リード導体22の表裏面に絶縁フィルム23が隙間なく貼り合わされたリード部材21が得られる。
このようにして製造されたリード部材21では、融着時における絶縁フィルム23の粘度が最適化され、厚いリード導体22の両面側から貼り合わせた際に、接着層23bがリード導体22の両側部に良好に入り込み、これにより、絶縁フィルム23がリード導体22に良好に接着される。
上記実施形態に係るリード部材及びその製造方法によれば、メルトフローレートが4g/10分以上7g/10分以下のポリプロピレンをベースとし、厚さがリード導体22の厚さの5分の1以上2分の1以下である接着層23bとを有する絶縁フィルム23を用いるので、絶縁フィルム23の接着層23bがリード導体22の周囲を隙間無く埋めるように貼り合わされる。本発明では、接着層23bのベース樹脂であるポリプロピレンのメルトフローレートが4g/10分以上7g/10分以下であるので、熱融着時に導体の端で段差が生じる部分に接着層23bを構成する樹脂が素早く移動して、リード導体22の周囲を隙間なく埋めることができる。特に、リード導体22の厚さが0.5mm以上1.5mm以下と厚い場合であっても、隙間のできやすいリード導体22の両側部における絶縁フィルム23の剥離を確実に防止することができる。また、接着層23bの厚さがリード導体22の厚さの5分の1以上2分の1以下であるので、隙間を埋めるに十分な樹脂の量がある。接着層23bが厚くなると長期間の使用により水分が浸入して密封性が悪くなるが、本発明では、接着層23bの厚さをリード導体22の厚さの2分の1以下とするので、長期信頼性の点でも問題がない。
また、架橋層23aに、0.1重量%以上3.0重量%以下のフェノール系酸化防止剤が添加されているので、架橋層23aの酸化による劣化を抑制することができ、長期にわたって高い信頼性を得ることができる。
例えば、小型電子機器用途と比較して、厚さが厚く、幅寸法が10倍以上と大きい車載用途の電池のリード線として用いられるリード導体22に対しても、絶縁フィルム23を隙間なく貼り合わせることができ、信頼性の高いリード部材21とすることができる。
これにより、このリード部材21を用いた非水電解質蓄電デバイスによれば、長期にわたって電解質媒体15の漏れなどのない信頼性の高い電池とすることができる。
これにより、このリード部材21を用いた非水電解質蓄電デバイスによれば、長期にわたって電解質媒体15の漏れなどのない信頼性の高い電池とすることができる。
厚さ0.1mm、0.5mmまたは1.5mm、幅寸法50mmのリード導体の両面側に絶縁フィルムを貼り合わせたリード部材の絶縁フィルムの剥離評価を行った。
(1)評価した絶縁フィルム
(実施例1)
導体の厚さ 0.1mm
接着層の厚さ 0.02mm(導体の厚さの1/5)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:4g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例2)
導体の厚さ 0.5mm
接着層の厚さ 0.1mm(導体の厚さの1/5)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:6g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例3)
導体の厚さ 0.5mm
接着層の厚さ 0.25mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:6g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層及び接着層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例4)
導体の厚さ 0.7mm
接着層の厚さ 0.35mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:6g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層及び接着層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例5)
導体の厚さ 1.5mm
接着層の厚さ 0.3mm(導体の厚さの1/5)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:7g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例6)
導体の厚さ 1.5mm
接着層の厚さ 0.75mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:7g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(比較例1)
導体の厚さ 0.1mm
接着層の厚さ 0.02mm(導体の厚さの1/5)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:1g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:0.1重量%
(比較例2)
導体の厚さ 0.5mm
接着層の厚さ 0.25mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:10g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:0.1重量%
(比較例3)
導体の厚さ 1.5mm
接着層の厚さ 0.75mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:7g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加なし
(比較例4)
導体の厚さ 1.5mm
接着層の厚さ 0.75mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:7g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:10重量%
(実施例1)
導体の厚さ 0.1mm
接着層の厚さ 0.02mm(導体の厚さの1/5)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:4g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例2)
導体の厚さ 0.5mm
接着層の厚さ 0.1mm(導体の厚さの1/5)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:6g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例3)
導体の厚さ 0.5mm
接着層の厚さ 0.25mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:6g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層及び接着層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例4)
導体の厚さ 0.7mm
接着層の厚さ 0.35mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:6g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層及び接着層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例5)
導体の厚さ 1.5mm
接着層の厚さ 0.3mm(導体の厚さの1/5)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:7g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(実施例6)
導体の厚さ 1.5mm
接着層の厚さ 0.75mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:7g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:1重量%
(比較例1)
導体の厚さ 0.1mm
接着層の厚さ 0.02mm(導体の厚さの1/5)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:1g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:0.1重量%
(比較例2)
導体の厚さ 0.5mm
接着層の厚さ 0.25mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:10g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:0.1重量%
(比較例3)
導体の厚さ 1.5mm
接着層の厚さ 0.75mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:7g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加なし
(比較例4)
導体の厚さ 1.5mm
接着層の厚さ 0.75mm(導体の厚さの1/2)
接着層を構成するポリプロピレンのメルトフローレート:7g/10分(230℃、2.16kg)
架橋層の厚さ 0.05mm
架橋層への酸化防止剤の添加量:10重量%
(2)評価方法
絶縁フィルムをリード導体に接着した後、リード部材の長さ方向に垂直な断面となるようにリード部材を切断し、リード導体と絶縁フィルムの接着具合を観察して埋まり性の判定を行う。
65℃の電解液に16週間浸漬し、絶縁フィルムの剥離の有無などの接着状態を評価する。
絶縁フィルムをリード導体に接着した後、リード部材の長さ方向に垂直な断面となるようにリード部材を切断し、リード導体と絶縁フィルムの接着具合を観察して埋まり性の判定を行う。
65℃の電解液に16週間浸漬し、絶縁フィルムの剥離の有無などの接着状態を評価する。
(3)評価結果
実施例1〜6は、何れも絶縁フィルムの剥離がなく良好であった。これは、融着時における絶縁フィルムの粘度が最適化され、厚いリード導体の両面側から貼り合わせた際に、接着層がリード導体の両側部に良好に入り込んだことにより、絶縁フィルムがリード導体に隙間無く接着されていたことによると考えられる。また、適正な量の酸化防止剤が添加されているので、絶縁フィルムの酸化による劣化を抑制することができ、長期にわたって高い信頼性が得られると考えられる。
実施例1〜6は、何れも絶縁フィルムの剥離がなく良好であった。これは、融着時における絶縁フィルムの粘度が最適化され、厚いリード導体の両面側から貼り合わせた際に、接着層がリード導体の両側部に良好に入り込んだことにより、絶縁フィルムがリード導体に隙間無く接着されていたことによると考えられる。また、適正な量の酸化防止剤が添加されているので、絶縁フィルムの酸化による劣化を抑制することができ、長期にわたって高い信頼性が得られると考えられる。
これに対して、比較例1は、リード導体の側部に隙間が生じることが分かった。これは、メルトフローレートが小さすぎることにより、絶縁フィルムの融着が不十分であったためと考えられる。
また、比較例2は、融着時の加熱により絶縁フィルムが変形してしまった。これは、メルトフローレートが大きすぎることにより、融着時の加熱によって絶縁フィルムが過度に軟化したためと考えられる。
また、比較例2は、融着時の加熱により絶縁フィルムが変形してしまった。これは、メルトフローレートが大きすぎることにより、融着時の加熱によって絶縁フィルムが過度に軟化したためと考えられる。
さらに、比較例3は、絶縁フィルムの接着性は良いものの、酸化防止剤がないことより絶縁フィルムが早期に劣化するため、長期信頼性は得られないことがわかった。
また、比較例4は、酸化防止剤が多すぎるため、融着時の加熱によって酸化防止剤が絶縁フィルムの表面に溶け出してしまい、表面がべたつき十分な製品品質が得られないことがわかった。
また、比較例4は、酸化防止剤が多すぎるため、融着時の加熱によって酸化防止剤が絶縁フィルムの表面に溶け出してしまい、表面がべたつき十分な製品品質が得られないことがわかった。
11:封入材、12:正極、13:負極、15:電解質媒体、21:リード部材、22:リード導体、23:絶縁フィルム、23a:架橋層、23b:接着層
Claims (2)
- リード導体の両面側に一対の絶縁フィルムが貼り付けられたリード部材であって、
前記リード導体は、厚さ0.1mm以上1.5mm以下の金属材料からなり、
前記絶縁フィルムは架橋層と接着層とからなり、
前記接着層はメルトフローレートが4g/10分以上7g/10分以下のポリプロピレンをベース樹脂とし、その厚さが前記リード導体の厚さの5分の1以上2分の1以下であり、
前記架橋層には、ポリプロピレンをベース樹脂として0.5重量%以上10重量%以下の架橋助剤が添加され、前記架橋助剤は分子内に不飽和基を少なくとも2個以上含む化合物からなり、
前記絶縁フィルムの接着層同士が前記リード導体を介して熱融着されて互いに貼り合わされていることを特徴とするリード部材。 - 請求項1に記載のリード部材が接続された正極及び負極が電解質媒体とともに封入材で密封され、前記リード部材の前記絶縁フィルムが前記封入材に密着されていることを特徴とするリード部材付蓄電デバイス。
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WO2020184813A1 (ko) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 주식회사 엘지화학 | 전지 모듈 및 그 제조 방법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001102016A (ja) * | 1999-07-27 | 2001-04-13 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 非水電解質電池用リード線 |
JP2004111303A (ja) * | 2002-09-20 | 2004-04-08 | Nec Corp | 電池および電池の製造方法 |
-
2013
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