JP2016129105A - タブリード - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、特にリチウムイオン2次電池のような蓄電デバイスに用いられ、外装ケースの開口部と、タブリードの絶縁フィルムとを熱融着してパウチを形成した封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間で短絡が生じることなく、優れた電気絶縁性および封止性を兼ね備えたタブリードを提供する。【解決手段】本発明のタブリードは、リード導体の両面側から、該リード導体の両端部を除く所定の領域に、絶縁フィルムを貼り合わせて、前記リード導体と前記絶縁フィルムとが一体化され、絶縁フィルムの少なくとも外層部分が、融点200〜400℃の耐熱性ポリマーを含有することを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、リード導体の両面側から、リード導体の両端部を除く所定の領域に、絶縁フィルムを貼り合わせて、リード導体と絶縁フィルムとが一体化されてなるタブリードに関する。
例えばリチウムイオン2次電池や電気化学キャパシタのような蓄電デバイスは、携帯電話やノートパソコンのような小型電子機器の各種電源として広く使用されているが、最近では電気自動車やハイブリッド自動車用途のように大電流での充放電の繰り返しを可能にする大容量電源の開発が進められている。蓄電デバイスは、通常、外部に電気を取り出すためのタブリードを有しており、このタブリードは、リード導体と絶縁フィルムとが一体形成され、リード導体の一端が電極板(正極板および負極板)に接続されている。
例えばリチウムイオン2次電池のような蓄電デバイスは、通常、矩形状の、正極板、セパレータ板および負極板を、この順で積層して積層体を作製し、正極板および負極板の各一端を、タブリードと呼ばれる金属端子に接続し、この積層体を、金属箔の両面に絶縁性樹脂フィルムを貼り合せたラミネートフィルムを用いて形成した外装ケース内に収納し、非水電解液を注入した後に、外装ケースの開口部と、タブリードの絶縁フィルムとを熱融着して、タブリードのリード導体の先端部が外部に露出した状態で外装ケースの開口部を封止することにより製造される。
このようにして製造された蓄電デバイスにおいて、外装ケースの開口部を熱融着してパウチを形成したときの封止部に求められる性能としては、外部から外装ケース内に水が浸入し、外装ケース内の電解液と反応してフッ化水素酸が発生することに起因した外装ケースの内面の腐食による液漏れや揮発によるガス漏れ等が生じない優れた封止性(シール性)と、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間で短絡が生じない優れた電気絶縁性とが挙げられる。また、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等のように大容量電源を具備することが必要な場合には、蓄電デバイスに大電流の充放電を繰り返し行なえることが必要になってくるが、大電流の充放電を繰り返し行なうと、蓄電デバイス内に大量のジュール熱が発生して蓄電デバイス全体が高温に発熱(蓄熱)するおそれがあるため、封止部には、さらに優れた耐熱性を具備することも求められる。
例えば、特許文献1には、非水電解質電池用封入袋のシール部において、封入袋の金属膜とリード線の導体線との間に位置する絶縁体層を、変性ポリオレフィン樹脂とイソシアネート硬化剤を含む樹脂組成物の硬化層を有する構成とすることにより、封入袋とリード線間の優れた接着性及びシール性を達成するとともに、封入袋の金属膜とリード線の導体線間の短絡を抑制した非水電解質電池が開示されている。
特許文献1に記載の非水電解質電池は、封入袋の絶縁体層と、リード線を被覆する絶縁体層の少なくとも一方に、変性ポリオレフィン樹脂を使用しているが、この変性ポリオレフィン樹脂は、融点が200℃未満と低いため、シール部(封止部)を構成する絶縁体層が硬化層を有するか否かに関わらず、熱融着時に、封入袋の金属膜とリード線の導体線との間に位置する絶縁体層が、硬化層と共に溶融流動しやすく、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間に位置する絶縁体層の厚さが薄くなって、十分に電気絶縁性が得られない場合がある。加えて、大電流で充放電を繰り返し行なうと、蓄電デバイス全体が発熱(蓄熱)することに伴って、封止部を構成する変性ポリオレフィン樹脂が熱劣化しやすくなり、この結果、十分な封止性および耐熱性が得られなくなる結果、外装ケース内の電解液等の液漏れや揮発による悪臭等のガス漏れが生じる可能性も想定された。
本発明の目的は、特にリチウムイオン2次電池や電気化学キャパシタのような蓄電デバイスに用いられるタブリードを構成する絶縁フィルムの適正化を図ることにより、外装ケースの開口部と、タブリードの絶縁フィルムとを熱融着してパウチを形成したときの封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間で短絡が生じることなく、優れた電気絶縁性および封止性を兼ね備えたタブリードを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の構成は、以下のとおりである。
(1)リード導体の両面側から、該リード導体の両端部を除く所定の領域に、絶縁フィルムを貼り合わせて、前記リード導体と前記絶縁フィルムとが一体化されてなるタブリードであって、前記絶縁フィルムの少なくとも外層部分が、融点200〜400℃の耐熱性ポリマーを含有することを特徴とするタブリード。
(2)前記少なくとも外層部分は、熱膨張率が9.9×10−5/℃以下の範囲である上記(1)に記載のタブリード。
(3)前記少なくとも外層部分中に含有する耐熱性ポリマーの量は、51〜100質量%の範囲である上記(1)または(2)に記載のタブリード。
(4)前記耐熱性ポリマーは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリイミド(PI)系樹脂、ポリアミドイミド(PAI)系樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂およびポリエステル系樹脂の群から選択される1または2以上の樹脂である上記(1)、(2)または(3)に記載のタブリード。
(5)前記絶縁フィルムの少なくとも内層部分は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のタブリード。
(6)前記絶縁フィルムは、前記耐熱性ポリマーおよび前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する単層フィルムである上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のタブリード。
(7)前記絶縁フィルムは、耐熱性ポリマーを含有する外層フィルムと、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する内層フィルムの少なくとも2層を積層して形成した多層フィルムである上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のタブリード。
(8)ラミネート型電池のタブリードである上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のタブリード。
本発明によれば、リード導体の両面側から、リード導体の両端部を除く所定の領域に、絶縁フィルムを貼り合わせて、リード導体と絶縁フィルムとが一体化され、絶縁フィルムの少なくとも外層部分が、融点200〜400℃の耐熱性ポリマーを含有することによって、外装ケースの開口部と、タブリードの絶縁フィルムとを熱融着してパウチを形成した封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間で短絡が生じることなく、優れた電気絶縁性および封止性を兼ね備えたタブリードの提供が可能になった。
次に、本発明に従うタブリードの実施形態を以下で説明する。
本発明のタブリードは、リード導体の両面側から、リード導体の両端部を除く所定の領域に、絶縁フィルムを貼り合わせて、リード導体と絶縁フィルムとが一体化することにより形成されている。ここで、リード導体の両端部を除く「所定の領域」とは、具体的には、後述する蓄電デバイスの外装ケースの開口部とともに熱融着によって封止部を形成できる位置に絶縁フィルムが存在するように、絶縁フィルムを貼り合せたリード導体の領域を意味し、絶縁フィルムは、公知のタブリードと同様の配置および形態で設けることができる。
本発明のタブリードは、リード導体の両面側から、リード導体の両端部を除く所定の領域に、絶縁フィルムを貼り合わせて、リード導体と絶縁フィルムとが一体化することにより形成されている。ここで、リード導体の両端部を除く「所定の領域」とは、具体的には、後述する蓄電デバイスの外装ケースの開口部とともに熱融着によって封止部を形成できる位置に絶縁フィルムが存在するように、絶縁フィルムを貼り合せたリード導体の領域を意味し、絶縁フィルムは、公知のタブリードと同様の配置および形態で設けることができる。
また、リード導体の両面側からの絶縁フィルムの貼り合せは、1対の絶縁フィルムをリード導体の両面側から貼り合せる方法か、あるいは、1枚の絶縁フィルムを、リード導体を挟み込むように半分に折り曲げた状態で貼り合せる方法を採用すればよい。加えて、絶縁フィルムは、リード導体に貼り合せる状態(2層が向かい合っている状態)にしたときの両端部を、それぞれリード導体の両幅端位置よりも幅方向外側にはみ出して配置し、はみ出した絶縁フィルムの各両端部を溶着して、リード導体と一体化することが好ましい。
そして、本発明の構成上の主な特徴は、例えば蓄電デバイス、好適にはリチウムイオン2次電池やリチウムイオンキャパシタに用いられるタブリードを構成する絶縁フィルムの適正化を図ることにある。より詳細には、絶縁フィルムの少なくとも外層部分が、融点200〜400℃の耐熱性ポリマーを含有することにある。かかる構成を採用することによって、外装ケースの開口部と、タブリードの絶縁フィルムとを熱融着してパウチを形成したときの封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間で短絡が生じることなく、優れた電気絶縁性および封止性を兼ね備えることができ、加えて、大電流で充放電を繰り返し行なったとしても、耐熱性の経時劣化を抑制して、封止部における封止性を良好に維持することができる。
本発明者は、蓄電デバイスの電気絶縁性、封止性および耐熱性について鋭意検討を行なったところ、絶縁フィルムの少なくとも外層部分が、融点200〜400℃の耐熱性ポリマーを含有することにより、外装ケースの開口部と、タブリードの絶縁フィルムとを熱融着してパウチを形成したときの封止部では、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間に位置する絶縁フィルム、特に絶縁フィルムの外層部分(すなわち、外装ケースの内面側樹脂フィルム層と熱融着される部分)が、溶融流動することなく、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間に、外装ケースの内面側樹脂フィルム層との良好な接着状態を維持しつつ、所定の厚さで存在する結果、優れた電気絶縁性、封止性および耐熱性が得られること、また、大電流で充放電を繰り返し行なった場合でも、絶縁フィルムの少なくとも外層部分が、高融点で耐熱性に優れているため、封止性が経時劣化することがないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
ここで、耐熱性ポリマーを、絶縁フィルムの少なくとも外層部分に含有することとした理由は、熱融着時に前記少なくとも外層部分が溶融することなく、タブ導体金属と外装ケースの金属箔との間に介在して短絡を防止する必要があるからである。なお、絶縁フィルムの内層部分は、タブリード導体部と、絶縁フィルムの外層部分とを接着するための接着剤となることから、通常は、熱融着時に溶融することが期待されるため、溶融してもよい。特に、耐熱性ポリマーは、絶縁フィルム全体に含有させることが好ましい。
また、耐熱ポリマーの融点を200〜400℃の範囲に限定した理由は、200℃未満だと、封止部における十分な耐熱性が得られなくなるからであり、また、400℃を超えると、熱融着時に、所望形状の封止部に成形できなくなって、十分な封止性が得られなくなるからである。更に好ましくは、耐熱性ポリマーの融点は、250〜400℃である。このように耐熱性を向上させることで、電池自身の発熱のみならず、外部からの熱への耐久性も向上するので、車載向けとして電池の設置箇所の自由度を向上させたりすることができる。
さらに、絶縁フィルムの少なくとも外層部分の熱膨張率が9.9×10−5/℃以下の範囲であると、特に大電流で充放電を繰り返し行なった場合の熱膨張と熱収縮の繰り返しによる封止性の経時的劣化を抑制する点で好ましい。
絶縁フィルムの少なくとも外層部分中に含有する耐熱性ポリマーの量は、51〜100質量%の範囲であることが好ましい。
絶縁フィルムの少なくとも外層部分中に含有する耐熱性ポリマーの量は、51〜100質量%の範囲であることが好ましい。
絶縁フィルムの少なくとも外層部分中に含有する耐熱性ポリマーの量が、51質量%未満だと、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間で短絡が生じやすくなる他、十分な耐熱性が得られなくなって、封止部における封止性が経時劣化するおそれがあるからである。特に、次世代自動車向けなど想定した、次世代電池向けのタブリードは、使用環境が苛酷であるため加工性より耐熱性が重要となる。
耐熱性ポリマーは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリイミド(PI)系樹脂、ポリアミドイミド(PAI)系樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂およびポリエステル系樹脂の群から選択される1または2以上の樹脂であることが好ましい。
絶縁フィルムの少なくとも内層部分は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することが好ましい。絶縁フィルムの内層部分は、タブリードのリード導体を構成する金属、例えば銅に接触して一体化される部分であって、この銅との接触によって、絶縁フィルムの劣化(銅害)が生じるおそれがあるが、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有させることによって、絶縁フィルムの劣化(銅害)を抑制することができる。ヒンダートフェノール系酸化防止剤は、0.01〜0.25質量%含有されていることが好ましい。0.01質量%以上含有されている場合、耐熱性が向上し、0.25質量%以下含有されている場合、耐熱性ポリマーと混合しやすい。
絶縁フィルムは、耐熱性ポリマーを含有する外層フィルムと、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する内層フィルムの少なくとも2層を積層して形成した多層フィルムであってもよいが、経時的な熱劣化を有効に抑制する必要がある場合には、耐熱性ポリマーおよびヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する単層フィルムであることが好ましい。
タブリードのリード導体の一端は、各電極板(正極板および負極板)に、スポット溶接や超音波溶接等による接合方法を用いて接続される。タブリードのリード導体の材質は、接続する電極板と同じにすることが好ましく、例えば、正極板に接続されるタブリードのリード導体は、アルミニウムまたはその合金、負極板に接続されるタブリードのリード導体は、銅またはニッケル或いはこれらの合金であることが好ましい。
本発明のタブリードは、リチウムイオン2次電池等のラミネート電池やリチウムイオンキャパシタのような蓄電デバイスに用いられることが好ましい。以下に、本発明のタブリードを用いるのに好適なリチウムイオン2次電池を例示する。
リチウムイオン2次電池は、矩形状の、正極板、セパレータ板および負極板を、この順で積層して積層体を作製し、正極板および負極板の各一端を、タブリードと呼ばれる金属端子に接続し、この積層体を、金属箔の両面に絶縁性樹脂フィルムを貼り合せたラミネートフィルムで形成した外装ケース内に収納し、非水電解液を注入した後に、外装ケースの開口部と、タブリードの絶縁フィルムとを熱融着して、タブリードのリード導体の他端を、外装ケース内を密封した状態で外部に取り出すように構成されている。
外装ケースを構成するラミネートフィルムは、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属からなる金属箔の両面に絶縁性樹脂フィルムを貼り合せた構成を少なくとも有していればよく、例えば1層の金属箔(金属フィルム)と、この金属箔の両面側に位置する少なくとも2層の絶縁性樹脂フィルムからなる合計3層以上の積層フィルムで形成することができる。
絶縁性樹脂フィルムとしては、金属箔の内面側に位置する絶縁性樹脂フィルムとしては、例えば、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレンなどが挙げられ、金属箔の外面側に位置する絶縁性樹脂フィルムとしては、例えばナイロン、PETが挙げられる。
外装ケース1内に注入される非水電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロドフランなどの有機溶媒に、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6等を溶解させた非水電解液や、リチウムイオン伝導性の固体電解質などが用いられる。
正負の電極板は、セパレータ板を挟んで対峙する集電体と呼ばれる金属箔又はエキスパンドメタル等の金属基材上に活性物質層を形成した構造を有している。正極板の金属基材には、例えば、アルミの電極導電体が用いられ、負極板の金属基材には、銅又はニッケルからなる電極導電体が用いられる。正負の電極板の間に配されるセパレータ板は、電気的絶縁性を保持し、且つ、イオン伝導性を保持するポリオレフィン系の多孔膜で形成される。
次に、本発明のいくつかの実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例だけには限定されない。
(実施例1)
実施例1は、正極板に接続されるタブリードのリード導体として、長さ42mm、幅70mm、厚さ0.2mmのアルミニウム板を用い、負極板に接続されるタブリードのリード導体として、長さ42mm、幅70mm、厚さ0.2mmの銅板を用い、絶縁フィルムは、100質量%ポリイミド(PI(BPDA/ ODA))樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:ユーピレックス‐R、ガラス転移点:285℃以上、熱膨張率:1.2×10−5/℃)の耐熱性ポリマーからなる第1層(外層)と、99.8質量%ポリイミド(PI(BAPP/BTDA/PMDA)) の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン(株)社製、商品名:イルガノックス1010)からなる第2層(内層)の2層(厚さ:各層50μm)で構成され、1対の絶縁フィルムを、リード導体の両面側から貼り合せた後、両端部同士を、300℃、8秒間の条件で熱プレスすることにより、正極タブリードおよび負極タブリードを作製した。その後、25μm厚さのナイロンフィルム、40μm厚さの軟質アルミニウム及び30μm厚さの酸変性ポリプロプレンの積層体からなるラミネートフィルムを作製し、ラミネートフィルムで窪みを成形した。窪みの容積(ポンチの面積と窪み深さの積)は、発電要素(電極積層体のうちリード端子を含まない部分)の体積の110%とした。但し、窪みの深さは発電要素の厚さと同等としている。このようにして成形したラミネートフィルムの窪みに、電極積層体を収納した。電極積層体は、正極タブリードを超音波溶接済みの正極板(厚さ16μmのアルミニウム箔の集電体表面にコバルト酸リチウムを塗布したもの)、セパレータ板(厚さ12μmのポリエチレン)および負極タブリードを超音波溶接済みの負極板(厚さ8μmの銅箔の集電体表面に炭素材料を塗布したもの)を、この順で18セット積層してなる積層体である。続いて、非水電解液(LiPF6をエチレンカーボネート溶媒に溶解させたもの)を、ラミネートフィルムで作成した窪みに注入した。次に所定のサイズの矩形の厚さ100μmのアルミニウム板を、上記の発電要素が収納されたラミネートフィルムで成形した窪みの上に蓋をするように置いた。このアルミニウム板のサイズは上記のカップ成形ラミネートフィルムよりも横幅が左右10mmずつはみ出る大きさとした。このアルミニウム板の横部分を左右10mmずつ折り返し、上記のラミネートフィルムを挟みこんだ。その際に、タブリードの絶縁フィルムをシール材として挟みこんだ。次に上記のアルミニウム板の左右の折り返し部分を、300℃のヒーターで加熱加圧することで、シール材を溶融させ、封口した。次に、2枚の銅板を、リード端子封止予定部の外側にバネ性クリップで挟んで固定した。なお、銅板の一方にはリード端子の通る部分に孔部が形成されている。また、リード端子封止予定部に当接する部分の銅板表面はフッ素樹脂コーティングが施されている。この銅板の外側から、320℃のヒーターで加熱加圧することで、タブリード封止予定部におけるシール材を溶融させ、リード端子の封止を行った。封止部の幅は電極リード引出し部、引き出さない部分のいずれも10mmである。正極リード端子を先に封止し、次に真空シール機を用いて周囲を減圧状態にして負極リード端子の封止を行った。正極リード封止時、負極リード封止時とも、放冷によりシール材の融点以下に温度が下がってから、銅板をはずした。従来提案されてきたラミネート型電池においては、シール材よりも高融点の樹脂をラミネートフィルムの最外層側に用いているので、シール材の融点以上で加熱してもラミネートフィルムの樹脂が流出しない。本発明の場合、シール材の融点がラミネートフィルムの最外層側の樹脂以上となる場合もあるが、上記説明した製法を含め、各種製法によりラミネートフィルムの樹脂に依存することなくラミネート型電池の作成を容易に行うことができる。
実施例1は、正極板に接続されるタブリードのリード導体として、長さ42mm、幅70mm、厚さ0.2mmのアルミニウム板を用い、負極板に接続されるタブリードのリード導体として、長さ42mm、幅70mm、厚さ0.2mmの銅板を用い、絶縁フィルムは、100質量%ポリイミド(PI(BPDA/ ODA))樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:ユーピレックス‐R、ガラス転移点:285℃以上、熱膨張率:1.2×10−5/℃)の耐熱性ポリマーからなる第1層(外層)と、99.8質量%ポリイミド(PI(BAPP/BTDA/PMDA)) の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン(株)社製、商品名:イルガノックス1010)からなる第2層(内層)の2層(厚さ:各層50μm)で構成され、1対の絶縁フィルムを、リード導体の両面側から貼り合せた後、両端部同士を、300℃、8秒間の条件で熱プレスすることにより、正極タブリードおよび負極タブリードを作製した。その後、25μm厚さのナイロンフィルム、40μm厚さの軟質アルミニウム及び30μm厚さの酸変性ポリプロプレンの積層体からなるラミネートフィルムを作製し、ラミネートフィルムで窪みを成形した。窪みの容積(ポンチの面積と窪み深さの積)は、発電要素(電極積層体のうちリード端子を含まない部分)の体積の110%とした。但し、窪みの深さは発電要素の厚さと同等としている。このようにして成形したラミネートフィルムの窪みに、電極積層体を収納した。電極積層体は、正極タブリードを超音波溶接済みの正極板(厚さ16μmのアルミニウム箔の集電体表面にコバルト酸リチウムを塗布したもの)、セパレータ板(厚さ12μmのポリエチレン)および負極タブリードを超音波溶接済みの負極板(厚さ8μmの銅箔の集電体表面に炭素材料を塗布したもの)を、この順で18セット積層してなる積層体である。続いて、非水電解液(LiPF6をエチレンカーボネート溶媒に溶解させたもの)を、ラミネートフィルムで作成した窪みに注入した。次に所定のサイズの矩形の厚さ100μmのアルミニウム板を、上記の発電要素が収納されたラミネートフィルムで成形した窪みの上に蓋をするように置いた。このアルミニウム板のサイズは上記のカップ成形ラミネートフィルムよりも横幅が左右10mmずつはみ出る大きさとした。このアルミニウム板の横部分を左右10mmずつ折り返し、上記のラミネートフィルムを挟みこんだ。その際に、タブリードの絶縁フィルムをシール材として挟みこんだ。次に上記のアルミニウム板の左右の折り返し部分を、300℃のヒーターで加熱加圧することで、シール材を溶融させ、封口した。次に、2枚の銅板を、リード端子封止予定部の外側にバネ性クリップで挟んで固定した。なお、銅板の一方にはリード端子の通る部分に孔部が形成されている。また、リード端子封止予定部に当接する部分の銅板表面はフッ素樹脂コーティングが施されている。この銅板の外側から、320℃のヒーターで加熱加圧することで、タブリード封止予定部におけるシール材を溶融させ、リード端子の封止を行った。封止部の幅は電極リード引出し部、引き出さない部分のいずれも10mmである。正極リード端子を先に封止し、次に真空シール機を用いて周囲を減圧状態にして負極リード端子の封止を行った。正極リード封止時、負極リード封止時とも、放冷によりシール材の融点以下に温度が下がってから、銅板をはずした。従来提案されてきたラミネート型電池においては、シール材よりも高融点の樹脂をラミネートフィルムの最外層側に用いているので、シール材の融点以上で加熱してもラミネートフィルムの樹脂が流出しない。本発明の場合、シール材の融点がラミネートフィルムの最外層側の樹脂以上となる場合もあるが、上記説明した製法を含め、各種製法によりラミネートフィルムの樹脂に依存することなくラミネート型電池の作成を容易に行うことができる。
(実施例2)
実施例2は、絶縁フィルムが、100質量%ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂(融点:334℃、熱膨張率:3.0×10−5/℃)の耐熱性ポリマーからなる第1層(外層)と、99.8質量%ポリイミド(PI (PMDA/ 4,4'-ODA)、商品名:KAPTON)の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)からなる第2層(内層)の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
実施例2は、絶縁フィルムが、100質量%ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂(融点:334℃、熱膨張率:3.0×10−5/℃)の耐熱性ポリマーからなる第1層(外層)と、99.8質量%ポリイミド(PI (PMDA/ 4,4'-ODA)、商品名:KAPTON)の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)からなる第2層(内層)の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例3は、絶縁フィルムが、100質量%ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂(融点:334℃、熱膨張率:3.0×10−5/℃)の耐熱性ポリマーからなる第1層(外層)と、99.8質量%ポリエーテルイミド(PEI)樹脂の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)からなる第2層(内層)の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
実施例3は、絶縁フィルムが、100質量%ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂(融点:334℃、熱膨張率:3.0×10−5/℃)の耐熱性ポリマーからなる第1層(外層)と、99.8質量%ポリエーテルイミド(PEI)樹脂の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)からなる第2層(内層)の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
(実施例4−1〜4−4)
実施例4−1〜4−4は、絶縁フィルムが、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂(融点:334℃、熱膨張率:3.0×10−5/℃)の耐熱性ポリマーと、成形性を向上させる添加剤としての、マレイン酸変性スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン・ブロックコポリマー(MAH-SEBS)およびマレイン酸変性スチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレン・ブロックコポリマー(MAH-SBBS)の共重合体(MAH-SEBS-SBBS)とを、表1に示す割合で混合した樹脂からなる第1層(外層)と、99.8質量%ポリエーテルイミド(PEI)樹脂の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)からなる第2層(内層)の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
実施例4−1〜4−4は、絶縁フィルムが、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂(融点:334℃、熱膨張率:3.0×10−5/℃)の耐熱性ポリマーと、成形性を向上させる添加剤としての、マレイン酸変性スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン・ブロックコポリマー(MAH-SEBS)およびマレイン酸変性スチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレン・ブロックコポリマー(MAH-SBBS)の共重合体(MAH-SEBS-SBBS)とを、表1に示す割合で混合した樹脂からなる第1層(外層)と、99.8質量%ポリエーテルイミド(PEI)樹脂の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)からなる第2層(内層)の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
(実施例5)
実施例5は、絶縁フィルムを構成する内層が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有しないことを除いては実施例1と同様である。
実施例5は、絶縁フィルムを構成する内層が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有しないことを除いては実施例1と同様である。
(実施例6)
実施例6は、絶縁フィルムが、99.8質量%ポリイミド(PI(BAPP/ BTDA/PMDA)) の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン(株)社製、商品名:イルガノックス1010)からなる単層フィルム(厚さ:100μm)で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
実施例6は、絶縁フィルムが、99.8質量%ポリイミド(PI(BAPP/ BTDA/PMDA)) の耐熱性ポリマー及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン(株)社製、商品名:イルガノックス1010)からなる単層フィルム(厚さ:100μm)で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
(比較例1)
比較例1は、絶絶縁フィルムが、100質量%酸変性ポリエチレン樹脂(融点:120℃、熱膨張率:20.0×10−5/℃)からなる外層と、100質量%ポリエチレン樹脂からなる内層の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
比較例1は、絶絶縁フィルムが、100質量%酸変性ポリエチレン樹脂(融点:120℃、熱膨張率:20.0×10−5/℃)からなる外層と、100質量%ポリエチレン樹脂からなる内層の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
(比較例2)
比較例2は、絶絶縁フィルムが、100質量%酸変性ポリプロピレン樹脂(融点:150℃、熱膨張率:12.0×10−5/℃)からなる外層と、99.8質量%ポリプロピレン樹脂及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)からなる内層の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
比較例2は、絶絶縁フィルムが、100質量%酸変性ポリプロピレン樹脂(融点:150℃、熱膨張率:12.0×10−5/℃)からなる外層と、99.8質量%ポリプロピレン樹脂及び0.2質量%ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:イルガノックス1010)からなる内層の2層で構成されていることを除いては実施例1と同様である。
<性能評価>
1.封止部の電気絶縁性(外部短絡試験)
封止部の電気絶縁性は、10Ahのセル電池の正極及び負極タブを総計30Ωの外部抵抗に接続して短絡させ、室温下でレート0.5Cで6時間電流を流す。タブのシールが剥がれないものを目視により、以下の基準で評価した。
◎:外観変化なし
〇:ずれはあるが、剥がれなし
×:剥がれあり
1.封止部の電気絶縁性(外部短絡試験)
封止部の電気絶縁性は、10Ahのセル電池の正極及び負極タブを総計30Ωの外部抵抗に接続して短絡させ、室温下でレート0.5Cで6時間電流を流す。タブのシールが剥がれないものを目視により、以下の基準で評価した。
◎:外観変化なし
〇:ずれはあるが、剥がれなし
×:剥がれあり
2.耐熱性、耐薬品性に基づく封止性の評価
(A)大電流での繰返し充放電後の封止性の劣化の有無(耐熱性、電解液は室温)
大電流での繰返し充放電後の封止性は、温度50℃の環境下、電流値50A、レート5Cでサイクル試験を実施し、300サイクル後の容量維持率を、以下の基準で評価し、80%以上であるものを合格とした。
◎:容量維持率90%以上
〇:容量維持率85%以上
△:容量維持率80%以上
×:容量維持率80%未満
(A)大電流での繰返し充放電後の封止性の劣化の有無(耐熱性、電解液は室温)
大電流での繰返し充放電後の封止性は、温度50℃の環境下、電流値50A、レート5Cでサイクル試験を実施し、300サイクル後の容量維持率を、以下の基準で評価し、80%以上であるものを合格とした。
◎:容量維持率90%以上
〇:容量維持率85%以上
△:容量維持率80%以上
×:容量維持率80%未満
(B)高温使用環境下での封止性の劣化の有無(耐薬品性、電解液が高温)
高温使用環境下での封止性は、電解液(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1、溶媒に6フッ化リン酸リチウム1mol)を入れて封止した検体のタブを下にして静置し、85℃、30日間の耐久試験を行った。目視により、以下の基準で評価した。
◎:パウチの最大容積を維持
〇:パウチの最大容積の9割を維持
×:電解液の流出
これらの評価結果を表1に示す。
高温使用環境下での封止性は、電解液(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1、溶媒に6フッ化リン酸リチウム1mol)を入れて封止した検体のタブを下にして静置し、85℃、30日間の耐久試験を行った。目視により、以下の基準で評価した。
◎:パウチの最大容積を維持
〇:パウチの最大容積の9割を維持
×:電解液の流出
これらの評価結果を表1に示す。
(評価結果)
表1に示す評価結果から、実施例1〜3,5,6で作製したタブリードを用いた2次電池はいずれも、封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間の短絡は生じず、優れた電気絶縁性を有しており、また、大電流での繰返し充放電を行った後も、液漏れや悪臭漏れが生じず、優れた封止性(耐熱性、耐薬品性)を有しており、さらに、85℃と高温環境下に長期間放置した条件下においても、封止部の封止性は良好であった。また、実施例4−1および実施例4−2で作製したタブリードを用いた2次電池では、第1層(外層)の耐熱性ポリマーの割合が、それぞれ88質量%および68質量%となり、51質量%をはるかに超えているため、封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間の短絡は生じず、優れた電気絶縁性を有しており、また、大電流での繰返し充放電を行った後も、液漏れや悪臭漏れが生じず、優れた封止性(耐熱性、耐薬品性)を有しており、さらに、85℃と高温環境下に長期間放置した条件下においても、封止部の封止性(耐熱性、耐薬品性)は良好であった。さらに、実施例3と比較した場合、成形性にも優れていたので加工時間、加工コストの面でも有利であった。実施例4−3で作製したタブリードを用いた2次電池では、第1層(外層)の耐熱性ポリマーの割合が55質量%と51質量%以上であるので、大電流での繰返し充放電を行った後も、実施例4−4より耐熱性が向上していた。また、実施例4−4で作製したタブリードを用いた2次電池では、第1層(外層)の耐熱性ポリマーの割合が40質量%と51質量%未満ではあるものの、比較例1および2と比べて、電気絶縁性、封止性(耐熱性、耐薬品性)共に優れていた。
表1に示す評価結果から、実施例1〜3,5,6で作製したタブリードを用いた2次電池はいずれも、封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間の短絡は生じず、優れた電気絶縁性を有しており、また、大電流での繰返し充放電を行った後も、液漏れや悪臭漏れが生じず、優れた封止性(耐熱性、耐薬品性)を有しており、さらに、85℃と高温環境下に長期間放置した条件下においても、封止部の封止性は良好であった。また、実施例4−1および実施例4−2で作製したタブリードを用いた2次電池では、第1層(外層)の耐熱性ポリマーの割合が、それぞれ88質量%および68質量%となり、51質量%をはるかに超えているため、封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間の短絡は生じず、優れた電気絶縁性を有しており、また、大電流での繰返し充放電を行った後も、液漏れや悪臭漏れが生じず、優れた封止性(耐熱性、耐薬品性)を有しており、さらに、85℃と高温環境下に長期間放置した条件下においても、封止部の封止性(耐熱性、耐薬品性)は良好であった。さらに、実施例3と比較した場合、成形性にも優れていたので加工時間、加工コストの面でも有利であった。実施例4−3で作製したタブリードを用いた2次電池では、第1層(外層)の耐熱性ポリマーの割合が55質量%と51質量%以上であるので、大電流での繰返し充放電を行った後も、実施例4−4より耐熱性が向上していた。また、実施例4−4で作製したタブリードを用いた2次電池では、第1層(外層)の耐熱性ポリマーの割合が40質量%と51質量%未満ではあるものの、比較例1および2と比べて、電気絶縁性、封止性(耐熱性、耐薬品性)共に優れていた。
一方、比較例1は、封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間の短絡が生じ、大電流での繰返し充放電を行った後の液漏れや悪臭漏れが生じ、85℃と高温環境下に長期間放置した条件下における外装ケース内の真空度が低下し、封止部における電気絶縁性と封止性(耐熱性、耐薬品性)が合格レベルになかった。また、比較例2は、封止部における電気絶縁性、封止性(耐薬品性)が合格レベルになかった。
本発明によれば、外装ケースの開口部と、タブリードの絶縁フィルムとを熱融着してパウチを形成した封止部における、外装ケースの金属箔とタブリードのリード導体との間で短絡が生じることなく、優れた電気絶縁性、封止性および耐熱性を兼ね備えたタブリードの提供が可能になった。
Claims (8)
- リード導体の両面側から、該リード導体の両端部を除く所定の領域に、絶縁フィルムを貼り合わせて、前記リード導体と前記絶縁フィルムとが一体化されてなるタブリードであって、
前記絶縁フィルムの少なくとも外層部分が、融点200〜400℃の耐熱性ポリマーを含有することを特徴とするタブリード。 - 前記少なくとも外層部分は、熱膨張率が9.9×10−5/℃以下の範囲である請求項1に記載のタブリード。
- 前記少なくとも外層部分中に含有する耐熱性ポリマーの量は、51〜100質量%の範囲である請求項1または2に記載のタブリード。
- 前記耐熱性ポリマーは、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド樹脂およびポリエステル系樹脂の群から選択される1または2以上の樹脂である請求項1、2または3に記載のタブリード。
- 前記絶縁フィルムの少なくとも内層部分は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のタブリード。
- 前記絶縁フィルムは、前記耐熱性ポリマーおよび前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する単層フィルムである請求項1〜5のいずれか1項に記載のタブリード。
- 前記絶縁フィルムは、耐熱性ポリマーを含有する外層フィルムと、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する内層フィルムの少なくとも2層を積層して形成した多層フィルムである請求項1〜5のいずれか1項に記載のタブリード。
- ラミネート型電池のタブリードである請求項1〜7のいずれか1項に記載のタブリード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015003212A JP2016129105A (ja) | 2015-01-09 | 2015-01-09 | タブリード |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020004412A1 (ja) * | 2018-06-27 | 2020-01-02 | 凸版印刷株式会社 | 端子用樹脂フィルム及びこれを用いた蓄電装置 |
CN115377359A (zh) * | 2022-09-06 | 2022-11-22 | 湖北亿纬动力有限公司 | 电芯极片的制备方法、电芯极片及电芯 |
EP4084030A4 (en) * | 2019-12-27 | 2023-09-13 | Toppan Inc. | RESIN FILM FOR TERMINAL AND SELECTION METHOD THEREOF, ELECTRICITY STORAGE DEVICE AND TERMINAL FILM FOR ELECTRICITY STORAGE DEVICE |
-
2015
- 2015-01-09 JP JP2015003212A patent/JP2016129105A/ja active Pending
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WO2020004412A1 (ja) * | 2018-06-27 | 2020-01-02 | 凸版印刷株式会社 | 端子用樹脂フィルム及びこれを用いた蓄電装置 |
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JP7415921B2 (ja) | 2018-06-27 | 2024-01-17 | Toppanホールディングス株式会社 | 端子用樹脂フィルム及びこれを用いた蓄電装置 |
EP4084030A4 (en) * | 2019-12-27 | 2023-09-13 | Toppan Inc. | RESIN FILM FOR TERMINAL AND SELECTION METHOD THEREOF, ELECTRICITY STORAGE DEVICE AND TERMINAL FILM FOR ELECTRICITY STORAGE DEVICE |
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