JP2014053197A - 角形電池とその組電池、及びそれと冷却装置との構成体 - Google Patents

角形電池とその組電池、及びそれと冷却装置との構成体 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却流体の温度や電池自体の温度などに応じて電池と冷却流体との熱交換効率を調整することができ、電池を適正な温度まで冷却することのできる角形電池とその組電池、角形電池と冷却装置との構成体を提供する。
【解決手段】角形の電池本体100と、電池本体100の側面101dに一部が接合されて配設された放熱板201と、を備え、電池本体100の側面101dに沿って流れる冷却流体Rと放熱板201との熱交換により冷却される角形電池1であって、放熱板201は、側面101dとの接合部203よりも冷却流体Rの流れ方向で上流側の所定の位置から側面101dに対して離間する方向へ屈曲する立ち上げ部202を有し、立ち上げ部202は、冷却流体Rの流速に応じて電池本体100の側面101dから次第に離間するようになっている。
【選択図】図7

Description

本発明は角形電池と、その角形電池が複数配列されて構成される組電池と、その角形電池と冷却装置とを備えた構成体に関する。
従来から、複数の単電池を纏めて形成される組電池は、単電池同士の間に隙間を設けるなどして放熱性能を確保している。また、組電池を構成する単電池は、その外形を角形とすることによって組電池とした際の体積密度を高めるとともに、その表面に突起部などを設けて表面積を増大させることによって電池単体での放熱性能を高めている。
このような単電池の一例として、特許文献1には、外装ケースを金属ケースで構成し、外装ケースの側面との間で両端開放の空間を形成する複数の突出部を適当間隔おきに平行に成形した薄板を外装ケースの側面に配し、薄板の突出部間の接合部を外装ケースの側面に面接触させて接合した角形密閉式二次電池が開示されている。また、特許文献1には、薄板を外装ケースの対向する2つの側面に配設することや、外装ケースの2つの側面に配設した薄板の突出部の配列を千鳥配置とすることなども開示されている。
特開2004−213922号公報
特許文献1に開示されている角形密閉式二次電池によれば、電槽内から薄板外面までの伝熱経路を短くし、薄板の突出部によって伝熱表面積を増加させるとともに、突出部で形成された両端開放の空間内にも冷却流体を流し、薄板による冷却流体の流通抵抗を小さくすることで、当該二次電池を冷却してその出力を高めることができる。また、電槽の両側面から二次電池の熱を放出することができるとともに、二次電池を冷却通路を挟んで並列配置する際に突出部の高さを相対的に大きくしながら電池間の寸法を小さくすることができ、二次電池の体積密度を高めることができる。
しかしながら、特許文献1に開示されている角形密閉式二次電池においては、薄板に成形された突出部の外形が所定形状に規定されており、冷却流体の流速を変化させても二次電池と冷却流体との熱交換効率の変化が小さいため、例えば冷却流体の温度が高い場合には電池が十分に冷却されず、冷却流体の温度が低い場合には電池が必要以上に冷却され、電池単体での電池性能が低下してしまうといった問題が生じ得る。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、例えば冷却流体の温度や電池自体の温度などに応じて電池と冷却流体との熱交換効率を調整することができ、電池を適正な温度まで冷却することのできる角形電池とその組電池、それと冷却装置との構成体を提供することにある。
上記する課題を解決するために、本発明に係る角形電池は、角形の電池本体と、該電池本体の側面に一部が接合されて配設された放熱板と、を備え、前記電池本体の前記側面に沿って流れる冷却流体と前記放熱板との熱交換により冷却される角形電池であって、前記放熱板は、前記側面との接合部よりも冷却流体の流れ方向で上流側の所定の位置から前記側面に対して離間する方向へ屈曲する立ち上げ部を有し、前記立ち上げ部は、前記冷却流体の流速に応じて前記電池本体の前記側面から次第に離間するようになっているものである。
また、本発明に係る組電池は、前記角形電池が複数配列されて構成される組電池であって、隣接する前記角形電池の側面同士が間隔を置いて対向して配列されているものである。
また、本発明に係る構成体は、前記角形電池と、該角形電池の前記電池本体の前記側面に沿って前記冷却流体を流す冷却装置と、を備えた構成体であって、前記冷却装置は、前記冷却流体の温度と前記角形電池の温度の少なくとも一方を検出する温度検出部と、該温度検出部によって検出された温度に応じて前記冷却流体の流速を調整する流速調整部と、を有するものである。
本発明によれば、放熱板の立ち上げ部が冷却流体の流速に応じて電池本体の側面から離間することによって、例えば冷却流体の温度などや電池自体の温度などに応じて角形電池と冷却流体との熱交換効率を調整することができ、角形電池の放熱性能を変化させて当該角形電池を適正な温度まで冷却することができ、様々な環境下においてその電池性能を維持することができる。
上記した以外の課題、手段及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る角形電池の実施の形態の外観を示す全体斜視図。 図1に示す角形電池の電池本体の外観を示す斜視図。 図2に示す電池本体を分解して示す分解斜視図。 図3に示す捲回群の一部を分解して示す斜視図。 図1に示す角形電池の放熱板の外観を示す斜視図。 図5のA−A矢視図。 図1に示す角形電池の側面に沿って冷却流体を流した際の角形電池の外観を示す全体斜視図。 図1に示す角形電池の側面に沿って冷却流体を流した際の角形電池の下面図。 図1に示す角形電池の側面に沿って冷却流体を流した際の角形電池の右側面図。 図1に示す角形電池の放熱板の他例の外観を示す斜視図。 図1に示す角形電池の放熱板の更なる他例の外観を示す斜視図。 図1に示す角形電池の放熱板の更なる他例の外観を示す斜視図。 図1に示す角形電池の放熱板の更なる他例の外観を示す斜視図。 図1に示す角形電池の他例の外観を示す全体斜視図。 本発明に係る組電池の実施の形態の外観を示す全体斜視図であり、電池ケースの一部を切り欠いて示す図。 図15のB−B矢視図。 図15のB−B矢視図であって、図15に示す組電池の各角形電池の側面に沿って冷却流体を流した状態を示す図。 図15のC−C矢視図であって、図15に示す組電池の各角形電池の側面に沿って冷却流体を流した状態を示す図。 図15に示す組電池を構成する角形電池の放熱板の他例の外観を示す斜視図。 図15に示す組電池を構成する角形電池の放熱板の更なる他例の外観を示す斜視図。 本発明に係る構成体の実施の形態の外観を示す全体斜視図。 本発明に係る構成体の実施の他の形態の外観を示す全体斜視図。
以下、本発明に係る角形電池をリチウムイオン二次電池に適用した実施の形態と、前記角形電池を複数配列して構成した組電池の実施の形態と、前記角形電池と冷却装置とを備えた構成体の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[角形電池の実施の形態]
まず、図1〜図14を参照して、本発明に係る角形電池の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る角形電池の実施の形態の外観を示したものである。
図示するように、単電池である角形電池1は、角形の電池本体100と、該電池本体100の側面に配設された放熱板201(図中、5枚)と、を備えている。放熱板201は、電池本体100の側面に沿って流れる冷却流体R(図7参照)と熱交換を行うことによって、角形電池1の内部で発生する熱が放熱板201を介して外部へ放熱され、角形電池1が冷却されるようになっている。
図2は、図1に示す角形電池1の電池本体100の外観を示したものである。
図示するように、電池本体100は、電池缶101と電池蓋102とから構成される略直方体形状の電池容器を備えている。ここで、電池缶101と電池蓋102の形成素材としては、例えばアルミニウムやアルミニウム合金などが挙げられる。
電池缶101は、相対的に面積の大きい一対の対向する幅広面101aと相対的に面積の小さい一対の対向する幅狭面101bとを有する側面101dと、底面101cと、を有し、その上方開口部101eが電池蓋102によって塞がれる構成となっている。なお、本実施の形態では、上記する放熱板201(図1参照)は、側面101dのうち相対的に面積の大きい幅広面101aに配設されている。
電池蓋102は略矩形平板状であって、電池缶101の上方開口部101eを塞ぐように溶接されて電池缶101が封止されている。また、電池蓋102には、正極端子141や負極端子151、ガス排出弁103が設けられており、ガス排出弁103は、プレス加工によって電池蓋102を部分的に薄肉化して形成されている。このガス排出弁103は、開裂時に大きな開口が形成されるように開裂溝を有しており、電池本体100が過充電等の異常によって発熱して電池容器内にガスが発生し、電池容器内の圧力が上昇して所定圧力に到達すると、このガス排出弁103が開裂して電池容器の内部から電池容器の外部へガスが排出されて電池容器内の圧力が低減されるようになっている。さらに、電池蓋102には、電池容器内に電解液を注入するための注液孔106a(図3参照)を封止する注液栓106bが溶接されている。
図3は、図2に示す電池本体100を分解して示したものである。
図示するように、電池缶101には、上方開口部101eを介して扁平状の捲回群170が絶縁ケース108に覆われた状態で収容されている。ここで、絶縁ケース108の形成素材は、例えばポリプロピレン等の絶縁性を有する樹脂材であり、これによって電池缶101の内面と捲回群170とが電気的に絶縁されている。
上記する捲回群170の正極箔171から構成される正極電極174は、正極集電体180を介して電池蓋102に設けられた正極端子141と電気的に接続されている。また、捲回群170の負極箔172から構成される負極電極175は、負極集電体190を介して電池蓋102に設けられた負極端子151と電気的に接続されている。これにより、正極端子141および負極端子151を介して捲回群170から外部負荷へ電力が供給され、正極端子141および負極端子151を介して捲回群170へ外部発電電力が供給されて充電される。
なお、図示する電池蓋組立体107は、電池蓋102と、該電池蓋102に設けられた一対の貫通孔102hのそれぞれに取り付けられた正極端子141および負極端子151と、正極集電体180および負極集電体190と、一対のガスケット130と、一対の絶縁部材160と、から大略構成されている。
ここで、正極端子141および正極集電体180の形成素材としては、例えばアルミニウム合金が挙げられ、負極端子151および負極集電体190の形成素材としては、例えば銅合金が挙げられる。また、絶縁部材160およびガスケット130の形成素材としては、例えばポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂等の絶縁性を有する樹脂材が挙げられる。
また、電池蓋102には、電池容器内に電解液を注入するための注液孔106aが穿設されており、上記するように、この注液孔106aは、電解液を電池容器内に注入した後に注液栓106bによって封止される。ここで、電池容器内に注入される電解液としては、例えばエチレンカーボネート等の炭酸エステル系の有機溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩が溶解された非水電解液を適用することができる。
図4は、図3に示す捲回群170の一部を分解して示したものである。なお、図4は、正極電極174の正極箔171および負極電極175の負極箔172を束ねて各集電体180、190に接合する前の状態を示している。
図示するように、蓄電要素である捲回群170は、長尺状の正極電極174と負極電極175をセパレータ173を介在させて捲回軸W周りに扁平状に捲回して積層したものである。
正極電極174は、正極箔171の両面に、正極活物質に結着材(バインダ)を配合した正極活物質合剤が塗工されて形成された正極活物質層176を有する。また、負極電極175は、負極箔172の両面に、負極活物質に結着材(バインダ)を配合した負極活物質合剤が塗工されて形成された負極活物質層177を有する。そして、正極活物質層176の正極活物質と負極活物質層177の負極活物質との間で充放電が行われる。
ここで、正極箔171は、例えば厚さが20〜30μm程度のアルミニウム合金箔であり、負極箔172は、厚さが15〜20μm程度の銅合金箔である。また、セパレータ173の形成素材としては、例えば多孔質のポリエチレン樹脂が挙げられ、正極活物質としては、例えばマンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属複酸化物が挙げられ、負極活物質としては、例えばリチウムイオンを可逆に吸蔵、放出可能な黒鉛等の炭素材が挙げられる。
また、捲回群170の幅方向(捲回方向に直交する捲回軸W方向)の両端部のうち一方の端部には、正極活物質層176を形成されていない未塗工部(正極箔171の露出部)が積層された部分が形成され、他方の端部には、負極活物質層177を形成されていない未塗工部(負極箔172の露出部)が積層された部分が形成されている。この正極側未塗工部の積層体と負極側未塗工部の積層体はそれぞれ押し潰され、電池蓋組立体107の正極集電体180と負極集電体190とに超音波接合等で接続される(図2参照)。
図5は、図1に示す角形電池1の放熱板201の外観を示したものである。また、図6は、図5のA−A矢視図である。
図5に示すように、放熱板201は略矩形状の平板から形成されており、角形電池1の電池本体100の側面101dに接合される接合部203と、その平板部分から屈曲した立ち上げ部202と、を有している。また、放熱板201は、接合部203と立ち上げ部202との間に構造弱部205を有し、構造弱部205と立ち上げ部202との間に切り欠き部204を有している。
より具体的には、放熱板201は、略矩形状の平板の一方の端部201aの全長に亘って接合部203を有し、一方の端部201aに対向する他方の端部201bの全長に亘って立ち上げ部202を有している。また、放熱板201のうち接合部203の近傍に構造弱部205を有し、放熱板201のうち構造弱部205と立ち上げ部202との間で相対的に構造弱部205側の位置に切り欠き部204を有している。
ここで、上記する構造弱部205は、図6に示すように、放熱板201の表面201c(放熱板201が角形電池1の電池本体100の側面101dに接合された際に外側に向く表面)に形成されたV字状の窪みから構成されており、後述するように放熱板201が冷却流体R(図7参照)を受けた際に構造弱部205を基点として放熱板201のうち構造弱部205よりも端部201b側の部分が屈曲して変形するようになっている。
なお、図示例では、接合部203や立ち上げ部202を放熱板201の各端部201a、201bの全長に亘って形成したが、接合部203や立ち上げ部202は、例えば矩形状の放熱板201一方の端部201dから他方の端部201eの一部など、各端部201a、201bに部分的に形成してもよいし、各端部201a、201b以外の放熱板201の適宜の箇所に部分的に形成してもよい。さらに、接合部203や立ち上げ部202は、放熱板201に複数形成してもよい。
また、図示例では、構造弱部205を放熱板201の矩形状の表面201cの一方の端部201dから他方の端部201eの全長に亘って形成したが、構造弱部205は、例えば一方の端部201dから他方の端部201eの一部など、放熱板201の表面201cに部分的に形成してもよい。また、図示例では、構造弱部205を放熱板201の表面201c(放熱板201が角形電池1の電池本体100の側面101dに接合された際に外側に向く表面)に形成したが、構造弱部205は、放熱板201の裏面201f(放熱板201が角形電池1の電池本体100の側面101dに接合された際に内側に向く表面)に形成してもよいし、放熱板201の表面201cと裏面201fの両面に形成してもよい。また、図示例では、構造弱部205をV字状の窪みから構成したが、例えば凹形状の薄肉部とするなど、構造弱部205の形状は、放熱板201の曲げ弾性率や厚みなどに応じて適宜変更することができる。
さらに、図示例では、構造弱部205を放熱板201のV字状の窪みから構成したが、例えば放熱板201よりも曲げ弾性率の低い部材を接合部203の近傍に別途配設して構造弱部205を形成してもよい。また、放熱板201を角形電池1の電池本体100の側面101dに接合した際に放熱板201の接合部203近傍で構造弱部が発生する場合には、上記するようなV字状の窪みの構造弱部205を省略してもよい。
ここで、放熱板201の形成素材としては、例えば熱伝導率の高いアルミニウムや銅、銀などが挙げられる。また、熱伝導板201の厚みは、冷却流体Rを受けた際の放熱板201の変形のし易さや剛性などに基づいて約100μm〜300μmであることが好ましい。また、放熱板201の立ち上げ部202の立ち上げ量H(図6参照)は、冷却流体Rを受けた際の放熱板201の変形量などに基づいて隣接する角形電池1の電池本体100の側面101d同士の間隔D(図16参照)の約1/3以下であることが好ましい。また、放熱板201の立ち上げ部202の立ち上がり角度θ(図6参照)は、冷却流体Rを受けた際に放熱板201(特に放熱板201の立ち上げ部202が電池本体100の側面101dから離間し始める際の立ち上げ部202)に作用する力などに基づいて約20〜70度であることが好ましい。
次に、図7は、図1に示す角形電池1の側面101dに沿って冷却流体Rを流して角形電池1を冷却する際の角形電池1の外観を示したものである。また、図8は、図1に示す角形電池1の側面101dに沿って冷却流体Rを流して角形電池1を冷却する際の角形電池1の下面図であり、図9は、その右側面図である。なお、本実施の形態では、角形電池1の側面101dのうち幅広面101aに上記する放熱板201を配設し、その幅広面101aに沿って、かつ対向する幅狭面101bへ向かう方向(図中、Y方向)へ冷却流体Rを流す形態について説明する。
なお、冷却流体Rとしては、例えば外気から取り込まれた空気や不活性ガスなどが挙げられる。
図7に示すように、図5および図6に示す放熱板201は、接合部203が冷却流体Rの流れ方向(図中、Y方向)で下流側に位置し、且つ、立ち上げ部202が、接合部203よりも冷却流体Rの流れ方向で上流側に位置するように幅広面101aに接合されて配設されている。これにより、構造弱部205が、接合部203よりも冷却流体Rの流れ方向で上流側、且つ立ち上げ部202よりも冷却流体Rの流れ方向で下流側に位置し、切り欠き部204が、構造弱部205よりも冷却流体Rの流れ方向で上流側、且つ立ち上げ部202よりも冷却流体Rの流れ方向で下流側に位置している。
また、放熱板201は、その裏面201f(図6参照)を電池本体100の幅広面101aに当接させて幅広面101aに接合されており、立ち上げ部202は、接合部203よりも冷却流体Rの流れ方向で上流側の位置から電池本体100の幅広面101aに対して離間する方向へ立ち上がる構成となっている。
より具体的には、放熱板201は、略矩形状の平板の一方の端部201aが冷却流体Rの流れ方向(図中、Y方向)で下流側に位置するように幅広面101aに配置され、その端部201aの全長に亘って形成された接合部203で幅広面101aに接合されている。これにより、一方の端部201aに対向する他方の端部201bの全長に亘って形成された立ち上げ部202は、接合部203よりも冷却流体Rの流れ方向で上流側に位置している。また、構造弱部205は、放熱板201のうち接合部203の近傍に配置されており、切り欠き部204は、放熱板201のうち構造弱部205と立ち上げ部202との間で相対的に構造弱部205側に配置されている。
なお、放熱板201の接合部203と電池本体100の幅広面101aの接合方法としては、例えば接着剤による各種の接着方法や超音波溶接等による各種の溶接方法が挙げられ、特に熱伝導性に優れた溶接方法が好ましい。
また、本実施の形態では、図7に示すように、上記する放熱板201が、電池本体100の幅広面101aに5枚配設されており、これら5枚の放熱板201は、冷却流体Rの流れ方向で設けられた幅広面101aの複数の領域毎に配設されている。
具体的には、5枚の放熱板201は、冷却流体Rの流れ方向で設けられた幅広面101aの3つの領域E1〜E3に分けて配設されていて、冷却流体Rの流れ方向で最も上流側の領域E1には、冷却流体Rの流れ方向に対して直交する方向(図中、Z方向)に2枚の放熱板201が上記接合方法で配設されている。また、冷却流体Rの流れ方向で領域E1よりも下流側の領域E2には、その略中央部(冷却流体Rの流れ方向で視て領域E1の2枚の放熱板201の中央部分)に1枚の放熱板201が配設され、冷却流体Rの流れ方向で領域E2よりも下流側の領域E3には、領域E1と同様、冷却流体Rの流れ方向に対して直交する方向(図中、Z方向)に2枚の放熱板201が配設されている。
このように複数の放熱板201が電池本体100の幅広面101aに配設された状態で、幅広面101aに沿って、かつ対向する幅狭面101bへ向かう方向(図中、Y方向)へ冷却流体Rを流すと、上流側から流れてきた冷却流体Rは、各放熱板201の立ち上げ部202に衝接する。
そして、冷却流体Rの流速が所定の流速よりも速い場合には、冷却流体Rにより各放熱板201の立ち上げ部202に作用する圧力(風圧)によって立ち上げ部202が電池本体100の幅広面101aから次第に離間し、図8に示すように、構造弱部205(構造弱部205を有しない場合には接合部203の近傍)を基点として放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから角度θ1〜θ3だけ屈曲して幅広面101aから離間する。このように放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから離間すると、冷却流体Rと接触する放熱板201の表面積が大きくなり、電池本体100の側面101dを含む表面とともに放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分の表面から、角形電池1の内部で発生する熱が冷却流体Rへ伝熱されるようになり、角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率が高まって角形電池1がより一層冷却される。
なお、放熱板201に設けられた立ち上げ部202が放熱板201全体に対して相対的に小さい場合であっても、立ち上げ部202が冷却流体Rによって電池本体100の幅広面101aから一旦離間すると、放熱板201の裏面201f(図6参照)の略全面で冷却流体Rを受けることができるため、例えば冷却流体Rの流速が遅い場合であっても比較的容易に放熱板201を変形させて立ち上げ部202を電池本体100の幅広面101aから離間させることができる。
また、冷却流体Rの流速が更に速い場合には、冷却流体Rの流速に応じて各放熱板201の立ち上げ部202や各放熱板201の平板部分に作用する圧力(風圧)が大きくなり、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから屈曲する角度θ1〜θ3が大きくなり、構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから更に離間する。そのため、冷却流体Rの流れ方向で視た放熱板201の面積が更に大きくなり、角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率が高まり、特に放熱板201から冷却流体Rへ伝熱される伝熱量が増加して角形電池1がより一層冷却される。
一方で、冷却流体Rの流速が所定の流速よりも遅い場合には、冷却流体Rが各放熱板201の立ち上げ部202に衝接しても放熱板201は変形せず、立ち上げ部202は電池本体100の幅広面101aから離間しないため、角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率も変化しない。なお、冷却流体Rによって放熱板201が変形しない場合であっても電池本体100の側面101dを含む表面や放熱板201の表面201c(図6参照)、放熱板201の立ち上げ部202の表面(電池本体100の側面101dに向かう面とその側面101dとは反対側に向く面)などから、角形電池1の内部で発生する熱が冷却流体Rへ伝熱されて角形電池1は冷却される。
よって、例えば冷却流体Rの温度が所定温度よりも高い場合や角形電池1の温度が所定温度よりも高い場合には、冷却流体Rの流速を速くして、冷却流体Rの流速を調整しながら放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分を所定距離だけ幅広面101aから離間させ、例えば冷却流体Rの温度が所定温度よりも低い場合や角形電池1の温度が所定温度よりも低い場合には、冷却流体Rの流速を遅くして、放熱板201を変形させないことにより、角形電池1を適正な温度まで効果的に冷却することができる。
ここで、構造弱部205よりも冷却流体Rの流れ方向で上流側、且つ立ち上げ部202よりも冷却流体Rの流れ方向で下流側には切り欠き部204が設けられており、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから離間した際には、放熱板201に設けられた切り欠き部204を介して冷却流体Rが流れるようになる(図7中、R1)。特に、切り欠き部204は、放熱板201のうち構造弱部205と立ち上げ部202との間で構造弱部205側に配置されており、冷却流体Rの流れ方向に対して直交する方向(図中、Z方向)での長さが冷却流体Rの流れ方向(図中、Y方向)での長さよりも相対的に長いため、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから離間した際にも、電池本体100の幅広面101aに沿って流れる冷却流体Rをその流れ方向(図中、Y方向)へ幅広面101aに沿って円滑に流すことができる。これにより、冷却流体Rの流れ方向で上流側の領域E1に配設された放熱板201よりも下流側(領域E2、E3)に配設された放熱板201に対して冷却流体Rを円滑に、すなわち冷却流体Rの流速を低下させることなく流すことができ、領域E1に配設された放熱板201よりも下流側(領域E2、E3)の放熱板201と冷却流体Rとの熱交換効率の低下を抑制することができる。
なお、上記するように、切り欠き部204は、放熱板201のうち構造弱部205と立ち上げ部202との間で構造弱部205側に配置されているため、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから離間する場合、特に放熱板201が電池本体100の幅広面101aに対して凸となるように湾曲しながら構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから離間する場合に、放熱板201の裏面201f側に流れてきた冷却流体Rが放熱板201の変形し始めの段階で切り欠き部204を通って下流側に流れることを抑制することができ、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分をより効果的に幅広面101aから離間させることができる。
また、図9に示すように、少なくとも隣接する領域に配設された放熱板201同士は、冷却流体Rの流れ方向(図中、Y方向)で視て異なる位置に配置されている。そのため、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから離間した際にも、領域E1に配設された放熱板201よりも下流側(領域E2、E3)に配設された放熱板201に対して冷却流体Rを円滑に、すなわち冷却流体Rの流速を低下させることなく流すことができる。具体的には、冷却流体Rの流れ方向で上流側の領域E1に配設された2枚の放熱板201の間を通った冷却流体Rが、領域E1よりも下流側の領域E2の略中央部(冷却流体Rの流れ方向で視て領域E1の2枚の放熱板201の中央部分)に配設された放熱板201に衝接し、領域E2に配設された放熱板201の両側を通った冷却流体Rが、領域E2よりも下流側の領域E3に配設された2枚の放熱板201に衝接する。これにより、複数の放熱板201を冷却流体Rの流れ方向で設けられた複数の領域E1〜E3毎に配設した際にも、領域E1に配設された放熱板201よりも下流側(領域E2、E3)の放熱板201と冷却流体Rとの熱交換効率の低下を抑制することができる。
さらに、図9に示すように、少なくとも隣接する領域に配設された放熱板201同士は、冷却流体Rの流れ方向(図中、Y方向)で視て切り欠き部204の少なくとも一部が重畳する位置に配置されている。そのため、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから離間した際にも、この重畳部分204aを介して冷却流体Rを電池本体100の幅広面101aに沿って下流側へ流すことができる。これにより、領域E1に配設された放熱板201よりも下流側(領域E2、E3)に配設された放熱板201に対して冷却流体Rを円滑に、すなわち冷却流体Rの流速を低下させることなく流すことができ、領域E1に配設された放熱板201よりも下流側(領域E2、E3)の放熱板201と冷却流体Rとの熱交換効率の低下を抑制することができる。
なお、図示例では、各放熱板201の切り欠き部204が同じ形状を有しているが、各放熱板201の切り欠き部204の形状や位置は、例えば放熱板201が配置される位置や各放熱板201の熱伝導性などに応じて適宜設定することができる。図示例では、隣接する領域に配設された放熱板201同士は、冷却流体Rの流れ方向で視て切り欠き部204の一部が重畳しているが、例えば各放熱板201の切り欠き部204の形状が異なる場合には、ある領域に配設された放熱板201の切り欠き部204の全体を隣接する領域に配設された放熱板201の切り欠き部204と重畳させることができる。
また、図示例では、各放熱板201に略矩形状の1つの切り欠き部204を設けているが、切り欠き部は、冷却流体Rの流れ方向に対して直交する方向(図中、Z方向)や冷却流体Rの流れ方向(図中、Y方向)で複数設けてもよい。例えば、図10に示すように、放熱板201Aの切り欠き部204Aを、冷却流体Rの流れ方向に対して直交する方向で3つの略四角形状、略楕円形状もしくは円形状で形成してもよい。このような場合には、放熱板201Aのうち切り欠き部204Aよりも上流側の部分(立ち上がり部202A側の部分)と下流側の部分(接合部203Aや構造弱部205A側の部分)との熱伝導性を高めることができ、放熱板201Aと冷却流体Rとの熱交換効率を高めることができる。
また、本実施の形態では、立ち上げ部202が放熱板201のうち冷却流体Rの流れ方向で上流側の端部201bに設けられており、冷却流体Rが立ち上げ部202に衝接した際にその立ち上げ部202に作用する冷却流体Rの圧力(風圧)によって放熱板201に作用するモーメントが大きくなる構成としている。これにより、例えば冷却流体Rの流速が遅い場合であっても構造弱部205よりも上流側の部分を比較的容易に屈曲させることができ、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分を円滑に幅広面101aから離間させることができる。
なお、図示例では、各放熱板201の立ち上げ部202を冷却流体Rの流れ方向で上流側の端部201bに形成したが、図11に示すように、例えば矩形状の平板を放熱板201Bの溶接部203Bの冷却流体Rの流れ方向で上流側の位置203Baから角度θBだけ屈曲させて、放熱板201Bの立ち上げ部202Bを形成してもよい。また、図12や図13に示すように、例えば矩形状の平板の内部の一部をコの字状などに裁断し、冷却流体Rの流れ方向で溶接部203C、203Dや構造弱部205C、205Dよりも上流側の所定の位置203Ca、203Daから角度θC、θDだけ屈曲させて、放熱板201C、201Dの立ち上げ部202C、202Dを形成してもよい。図12や図13に示す例では、平板が裁断されて形成された裁断部分によって切り欠き部206C、206Dが形成され、その切り欠き部206C、206Dを介して冷却流体Rを流すことができるため、切り欠き部204C、204Dの外形を小さくしたり、切り欠き部204C、204D自体を省略することができる。
また、図示例では、5枚の放熱板201を冷却流体Rの流れ方向で設けられた幅広面101aの3つの領域E1〜E3に分けて配設したが、電池本体100の側面101dに配設される放熱板201の枚数や側面101dでの放熱板201の配置などは、例えば角形電池1の発熱量や角形電池1の大きさ、放熱板201の素材などに応じて適宜設定することができる。例えば、冷却流体Rの流れ方向で上流側の領域E1の略中央部に1枚の放熱板201を配設し、領域E1よりも下流側の領域E2に冷却流体Rの流れ方向に対して直交する方向に2枚の放熱板201を配設し、領域E2よりも下流側の領域E3に、領域E1と同様に1枚の放熱板201を配設してもよい。また、2枚の放熱板201を冷却流体Rの流れ方向に対して直交する方向や冷却流体Rの流れ方向で並べて配設してもよい。また、図14に示すように、14枚の放熱板201Eを冷却流体Rの流れ方向で設けられた幅広面101aの4つの領域E1E〜E4Eに分けて配設してもよい。図14に示す例では、電池本体100の幅広面101aに対して各放熱板201Eの外形を相対的に小さくすることができるため、幅広面101aに対して放熱板201Eを密に配置することができる。
[組電池の実施の形態]
次に、図15〜図20を参照して、本発明に係る角形電池を複数配列して構成した組電池の実施の形態について詳細に説明する。
図15は、本発明に係る組電池の実施の形態の外観を示したものであり、電池ケースの一部を切り欠いて示したものである。また、図16は、図15のB−B矢視図である。
図15に示す組電池10は、隣接する角形電池1の側面(例えば、電池本体100の側面101dやその側面101dに配設された放熱板201の外側表面201c(図6参照))同士が所定の間隔を置いて対向するように複数の角形電池100を配列したものである。具体的には、4個の角形電池1が、電池本体100の側面101dのうち幅広面101aとその幅広面101aに配設された放熱板201の外側表面201c同士が対向するように配列されており、これら4個の角形電池1が電池ケース11内に並べて収容されている。なお、各角形電池1は、その幅広面101aに設設された放熱板201の立ち上げ部202が接合部203よりも冷却流体Rの流れ方向で上流側となるように電池ケース11内に収容されている。
ここで、図16に示すように、各角形電池1の電池本体100の対向する幅広面101a同士の間隔Dは、各放熱板201が冷却流体Rを受けた際の放熱板201の変形量を確保して角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率を調整できるように、放熱板201の立ち上げ部202の立ち上げ量Hの3倍以上に設定されている。すなわち、幅広面101aとその幅広面101aに配設された放熱板201の端部201dとの距離は、立ち上げ量Hの2倍以上に設定されている。
なお、図示例では、4個の角形電池1を電池本体100の幅広面101a同士が対向するように配列して電池ケース11内に収容したが、電池ケース11内に収容される角形電池1の基数や配列形態などは、要求される電力や電池ケース11の外形などに応じて適宜変更することができる。
次に、図17は、図15のB−B矢視図であって、図15に示す組電池の各角形電池の側面に沿って冷却流体を流した状態を示したものであり、図18は、図15のC−C矢視図であって、図15に示す組電池の各角形電池の側面に沿って冷却流体を流した状態を示したものである。
図15に示す組電池10に対して、電池本体100の側面101dのうち対向する幅狭面101bへ向かう方向(図中、Y方向)へ冷却流体Rを流すと、図17に示すように、冷却流体Rは各角形電池1の電池本体100の幅広面101a同士の間を通って各電池本体100の幅広面101aに沿って流れる。
そして、冷却流体Rの流速が所定の流速よりも速い場合には、冷却流体Rにより各角形電池1の放熱板201の立ち上げ部202に作用する冷却流体Rの圧力(風圧)によって立ち上げ部202が電池本体100の幅広面101aから次第に離間し、構造弱部205(構造弱部205を有しない場合には接合部203の近傍)を基点として放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから屈曲して離間する。
また、冷却流体Rの流速が更に速くなると、その冷却流体Rの流速に応じて各放熱板201の立ち上げ部202や各放熱板201の平板部分に作用する圧力(風圧)が大きくなり、放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分が幅広面101aから更に離間し、冷却流体Rの流速によっては、放熱板201の立ち上げ部202、特に放熱板201の立ち上げ部202の端部201dが、隣接する角形電池1の幅広面101aや電池ケース11の内周面に当接して放熱板201の変形が抑止される(図17参照)。
一方で、冷却流体Rの流速が所定の流速よりも遅い場合には、冷却流体Rが各放熱板201の立ち上げ部202に衝接しても放熱板201は変形せず、立ち上げ部202は電池本体100の幅広面101aから離間しない。
よって、例えば冷却流体Rの温度が所定温度よりも高い場合や角形電池1の温度が所定温度よりも高い場合には、冷却流体Rの流速を速くし、冷却流体Rの流速を調整しながら放熱板201のうち構造弱部205よりも上流側の部分を所定距離だけ幅広面101aから離間させることによって、各角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率を高めることができる。また、例えば冷却流体Rの温度が所定温度よりも低い場合や角形電池1の温度が所定温度よりも低い場合には、冷却流体Rの流速を遅くし、各角形電池1の放熱板201を変形させないことによって、各角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率を保持することができるため、組電池10を構成する各角形電池1を適正な温度まで効果的に冷却することができる。
ここで、放熱板201の立ち上げ部202の端部201dが、隣接する角形電池1の電池本体100の幅広面101aや電池ケース11の内周面に当接すると、図18に示すように、各角形電池1の電池本体100の幅広面101a同士の間を通る冷却流体Rは、冷却流体Rの流れ方向に対して直交する方向に配設された放熱板201同士の間や放熱板201に設けられた切り欠き部204のみを通って下流側へ流れることとなる。そのため、特に放熱板201の立ち上げ部202の端部201dが当接する電池本体100の幅広面101ab(放熱板201が配設された幅広面101aaとは反対側の幅広面101ab)近傍で冷却流体Rの流れが阻害され、電池本体100の幅広面101abと冷却流体Rの熱交換効率が低下する可能性がある。
そこで、図19や図20に示すように、放熱板201F、201Gの立ち上げ部202F、202Gの端部の中央部や両端部などに切り欠き部207F、207Gを設けておくことによって、放熱板201F、201Gの立ち上げ部202F、202Gが、隣接する角形電池1の電池本体100の幅広面101abに近接もしくは当接した場合であっても、その切り欠き部207F、207Gと電池本体100の幅広面101abとで形成される隙間を通って冷却流体Rを下流側へ流すことができる。これにより、各角形電池1の電池本体100の幅広面101abに沿って冷却流体Rを円滑に流すことができ、電池本体100の幅広面101abと冷却流体Rとの熱交換効率の低下を抑制することができ、組電池10を構成する各角形電池1をより効果的に冷却することができる。
なお、上記する放熱板の立ち上げ部に設ける切り欠き部の位置や形状、基数などは、組電池の各角形電池の発熱量や各角形電池の幅広面同士の間隔、放熱板の素材などに応じて適宜設定することができる。
また、図示例では、各角形電池1の放熱板201が干渉しないように放熱板201を電池本体100の幅広面101aの一方の幅広面101aaのみに配設したが、放熱板201は、電池本体100の幅広面101aの双方の幅広面101aa、101abに配設してもよい。その場合には、隣接する各角形電池1の電池本体100の対向する幅広面101aaと幅広面101abに配設される放熱板201同士を、幅広面101aa、101abに直交する方向(図中、X方向)で視て重畳しない位置に配設すれば、各角形電池1に配設された放熱板201の干渉を抑止することができる。
[構成体の実施の形態]
次に、図21及び図22を参照して、本発明に係る角形電池と冷却装置とを備えた構成体の実施の形態について詳細に説明する。図21は、本発明に係る構成体の実施の形態の外観を示したものである。
図21に示す構成体50は、上記する角形電池1を複数配列して構成した組電池10と、この組電池10を構成する各角形電池1の電池本体100の側面101dに沿って冷却流体Rを流す冷却装置20と、を備えている。
組電池10は、隣接する角形電池1の側面、特に電池本体100の側面101dのうち幅広面101aやその側面101dに配設された放熱板201の外側表面201c(図6参照)同士が所定の間隔を置いて対向するように配列されている。また、各角形電池1は、その電池本体100の幅広面101aに複数の放熱板201を有しており、各放熱板201は、電池本体100の幅広面101aに沿って流れる冷却流体Rの流速に応じて、構造弱部205よりも立ち上げ部202側の部分が電池本体100の幅広面101aから次第に離間するようになっている。
また、冷却装置20は、組電池10を収容する電池ケース11の端部11a、より具体的には電池本体100の側面101dのうち対向する幅狭面101bへ向かう方向(図中、Y方向)の冷却流体Rの上流側の端部11aに配置されており、冷却流体Rの温度と角形電池1の温度の少なくとも一方を検出する温度検出部(不図示)と、この温度検出部によって検出された温度に応じて冷却流体Rの流速を調整する流速調整部(不図示)と、を有している。
冷却装置20は、例えば温度センサ等の温度検出部によって例えば外気から取り込まれた冷却流体Rの温度や各角形電池1の温度を検出し、検出された冷却流体Rの温度や各角形電池1の温度に応じて冷却流体Rの流速を調整して、組電池10に冷却流体Rを放出する。
例えば冷却流体Rの温度が高い場合や各角形電池1の温度が高い場合には、冷却装置20は、冷却流体Rの流速を所定の流速よりも速くして組電池10に放出する。これにより、各角形電池1の放熱板201のうち構造弱部205よりも立ち上げ部202側(上流側)の部分を幅広面101aから離間させることができ、角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率を高めて各角形電池1を適正な温度まで冷却することができる。
一方で、例えば冷却流体Rの温度が低い場合や角形電池1の温度が低い場合には、冷却装置20は、冷却流体Rの流速を所定の流速よりも遅くして組電池10に放出する。これにより、電池本体100の幅広面101aに配設された放熱板201を変形させずに、角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率を保持した状態で角形電池1を適正な温度まで冷却することができる。
なお、図21では、冷却装置20を組電池10を収容する電池ケース11に配置したが、図22に示すように、冷却装置20を電池ケース11と分離して配置し、冷却装置20と電池ケース11とをダクト21等によって接続し、冷却装置20とダクト21等を介した冷却流体Rを組電池10を構成する各角形電池1の電池本体100の側面101dのうち対向する幅狭面101bへ向かう方向(図中、Y方向)の上流側から幅広面101aに沿って流してもよい。
このように、本実施の形態によれば、冷却流体Rの温度や各角形電池1の温度が変化しても、冷却装置20で冷却流体Rの流速を調整し、流速が調整された冷却流体Rを放熱板201が配設された角形電池1の電池本体100の側面101dに沿って流すことによって、角形電池1と冷却流体Rとの熱交換効率を調整して角形電池1を適正な温度まで冷却することができ、様々な環境下において組電池10を構成する各角形電池1の電池性能を維持することができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 角形電池
10 組電池
11 電池ケース
20 冷却装置
50 構成体
100 電池本体
101 電池缶
101a 幅広面
101b 幅狭面
101c 底面
101d 側面
101e 上方開口部
102 電池蓋
103 ガス排出弁
106a 注液孔
106b 注液栓
107 電池蓋組立体
108 絶縁ケース
141 正極端子
151 負極端子
170 捲回群
171 正極箔
172 負極箔
173 セパレータ
174 正極電極
175 負極電極
176 正極活物質層
177 負極活物質層
180 正極集電体
190 負極集電体
201 放熱板
201a、201b、201d、201e 放熱板の端部
201c 放熱板の表面
201f 放熱板の裏面
202 立ち上げ部
203 接合部
204 切り欠き部
204a 重畳部分
205 構造弱部

Claims (15)

  1. 角形の電池本体と、該電池本体の側面に一部が接合されて配設された放熱板と、を備え、前記電池本体の前記側面に沿って流れる冷却流体と前記放熱板との熱交換により冷却される角形電池であって、
    前記放熱板は、前記側面との接合部よりも冷却流体の流れ方向で上流側の所定の位置から前記側面に対して離間する方向へ屈曲する立ち上げ部を有し、
    前記立ち上げ部は、前記冷却流体の流速に応じて前記電池本体の前記側面から次第に離間するようになっていることを特徴とする角形電池。
  2. 前記放熱板は、前記接合部よりも冷却流体の流れ方向で上流側、且つ前記立ち上げ部よりも冷却流体の流れ方向で下流側に構造弱部を有していることを特徴とする請求項1に記載の角形電池。
  3. 前記放熱板は、前記構造弱部よりも冷却流体の流れ方向で上流側、且つ前記立ち上げ部よりも冷却流体の流れ方向で下流側に切り欠き部を有していることを特徴とする請求項2に記載の角形電池。
  4. 前記切り欠き部は、前記構造弱部と前記立ち上げ部との間で構造弱部側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の角形電池。
  5. 前記切り欠き部は、冷却流体の流れ方向に対して直交する方向での長さが冷却流体の流れ方向での長さよりも相対的に長いことを特徴とする請求項3に記載の角形電池。
  6. 前記切り欠き部は、冷却流体の流れ方向に対して直交する方向、もしくは冷却流体の流れ方向で複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載の角形電池。
  7. 前記立ち上げ部は別途の切り欠き部を有していることを特徴とする請求項1に記載の角形電池。
  8. 前記接合部は、前記放熱板のうち冷却流体の流れ方向で下流側端部に設けられ、前記立ち上げ部は、前記放熱板のうち冷却流体の流れ方向で上流側端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の角形電池。
  9. 前記放熱板は、前記電池本体の前記側面に複数配設されていることを特徴とする請求項1に記載の角形電池。
  10. 前記複数の放熱板は、冷却流体の流れ方向で設けられた前記電池本体の前記側面の複数の領域毎に配設されており、
    少なくとも隣接する領域に配設された放熱板同士は、冷却流体の流れ方向で視て異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の角形電池。
  11. 前記複数の放熱板はそれぞれ、前記接合部よりも冷却流体の流れ方向で上流側、且つ前記立ち上げ部よりも冷却流体の流れ方向で下流側に切り欠き部を有し、
    少なくとも隣接する領域に配設された放熱板同士は、冷却流体の流れ方向で視て前記切り欠き部の少なくとも一部が重畳する位置に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の角形電池。
  12. 前記電池本体の前記側面は、相対的に面積の大きい一対の幅広面と、相対的に面積の小さい一対の幅狭面とを有し、前記放熱板は、前記一対の幅広面の少なくとも一方に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の角形電池。
  13. 請求項1に記載の角形電池が複数配列されて構成される組電池であって、隣接する前記角形電池の側面同士が間隔を置いて対向して配列されていることを特徴とする組電池。
  14. 請求項1に記載の角形電池と、該角形電池の前記電池本体の前記側面に沿って前記冷却流体を流す冷却装置と、を備えた構成体であって、
    前記冷却装置は、前記冷却流体の温度と前記角形電池の温度の少なくとも一方を検出する温度検出部と、該温度検出部によって検出された温度に応じて前記冷却流体の流速を調整する流速調整部と、を有することを特徴とする構成体。
  15. 前記流速調整部は、前記冷却流体の温度が高くなるに従って、あるいは前記角形電池の温度が高くなるに従って前記冷却流体の流速を速くするものであることを特徴とする請求項14に記載の構成体。
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