JP2014052301A - 複合負荷試験方法及び複合負荷試験用試験片 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な方法により高精度の構造部材の複合負荷試験を実施する。
【解決手段】楕円孔2の長軸または短軸が荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなす楕円孔2が平板の中心部に設けられる試験片1、あるいは、矩形の繊維強化樹脂基材の平板であり、繊維強化樹脂基材の繊維配向方法が荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなす試験片に対して、荷重負荷方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷して試験片1に軸応力及びせん断応力を与えて、試験片1の破壊荷重を計測する複合負荷試験方法。
【選択図】図1
【解決手段】楕円孔2の長軸または短軸が荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなす楕円孔2が平板の中心部に設けられる試験片1、あるいは、矩形の繊維強化樹脂基材の平板であり、繊維強化樹脂基材の繊維配向方法が荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなす試験片に対して、荷重負荷方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷して試験片1に軸応力及びせん断応力を与えて、試験片1の破壊荷重を計測する複合負荷試験方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、試験片に対して軸応力及びせん断応力を同時に負荷して材料の破壊荷重を測定する複合負荷試験方法、及び、その試験に供される試験片に関する。
航空機、自動車、船舶、風車翼等の構造部材に、金属や繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)製の複合材が用いられる。強度設計において、各部材が分担する軸荷重あるいはせん断荷重に対して強度評価が行われるが、両荷重を同時に考慮した複合荷重に対しても評価が行われることがある。左記評価は、航空機の例では、点検のためや組立時のアクセス用のために形成される孔を有するパネル材に対して行われる。風車翼の例では、翼根元付近の一般部で曲げ荷重・ねじり荷重が同時に作用する箇所に対して行われることがある。
上記の軸荷重とせん断荷重とを同時に負荷する複合負荷試験複合負荷試験では、複合負荷の合力方向と直交する方向に部材が破断する。孔を有する構造の場合は孔縁で破壊するが、孔縁の応力分布は軸荷重のみあるいはせん断荷重といった単独負荷の試験と異なるため、破壊の起点も異なる。
特許文献1は、供試体に直交2軸方向に軸荷重及びせん断荷重を負荷する強度試験装置を開示する。特許文献1の強度試験装置は、四角形状支持フレーム内側の供試体設置空間内にL字状の負荷治具を備える。供試体は、負荷治具の内側の一方の面(特許文献1の図1における支持面2b)と支持フレームの支持内面(特許文献1の図1における支持内面1a)に挟持される。特許文献1の強度試験装置では、上記支持内面と負荷治具との間にジャッキを設け、供試体に軸荷重及びせん断荷重を負荷している。
特許文献1の強度試験装置では、軸荷重を負荷する負荷システムとせん断荷重を負荷する負荷システムとの2つの機構が必要になる。このため、装置が大掛かりになり、1つの部材の強度測定に多大な時間とコストが必要となりうる。
本発明は、簡便な方法により構造部材の複合負荷試験を実施し、高精度で破壊荷重評価が実施できる方法及び当該複合負荷試験に供される試験片を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、中心部に楕円孔を有する矩形の平板であり、前記楕円孔の長軸または短軸が前記平板への荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなすように前記楕円孔が設けられる試験片に対して、前記荷重負荷方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷して、前記試験片に個別に軸荷重及びせん断荷重を与えたことと等価な荷重場を形成して、前記試験片の破壊荷重を測定する複合負荷試験方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る複合負荷試験用に用いる試験片であって、中心部に楕円孔を有する矩形の平板であり、前記楕円孔の長軸または短軸が前記荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなすように、前記楕円孔が設けられる複合負荷試験用試験片である。
上記第1の態様及び第2の態様において、前記平板が、繊維強化樹脂基材または金属基材とされる。
本発明における「複合負荷試験方法」とは、試験対象の材料に対して1つの方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷することにより、軸応力とせん断応力とを個別に負荷したことと等価な応力場を形成して、複合荷重場の破壊荷重を評価する試験方法である。
複合負荷試験を行う場合、特許文献1のように、軸荷重Pa、せん断荷重Psを別々に与えることが一般的である。このとき、軸方向に対してθ=tan−1(Ps/Pa)だけ傾いた方向に、合力が発生する。本発明では、荷重負荷方向に対してθ(0°より大きく30°以下)の角度で傾いた楕円孔を設けた試験片に対して、1つの方向に引張荷重または圧縮荷重P’を負荷する。この荷重方向は、特許文献1の試験方法における合力の方向に相当している。従って、本発明における複合負荷試験では、軸荷重P’cosθ、せん断荷重P’sinθを同時に与えながらも、個別に負荷したことと等価な荷重場を形成させている。本発明では、引っ張り荷重または圧縮荷重P’を合力の方向に与えるため、例えば特許文献1に記載の装置を用いた試験と比べて、より高い精度で破壊荷重を評価することができる。
また、本発明では試験片に対して1つの方向に荷重を負荷するので、特許文献1の強度試験装置よりも簡易な試験装置で実施することができる。このため、本発明の複合負荷試験方法は、試験に要する時間及びコストが大幅に削減されるため有利である。
複合負荷試験を行う場合、特許文献1のように、軸荷重Pa、せん断荷重Psを別々に与えることが一般的である。このとき、軸方向に対してθ=tan−1(Ps/Pa)だけ傾いた方向に、合力が発生する。本発明では、荷重負荷方向に対してθ(0°より大きく30°以下)の角度で傾いた楕円孔を設けた試験片に対して、1つの方向に引張荷重または圧縮荷重P’を負荷する。この荷重方向は、特許文献1の試験方法における合力の方向に相当している。従って、本発明における複合負荷試験では、軸荷重P’cosθ、せん断荷重P’sinθを同時に与えながらも、個別に負荷したことと等価な荷重場を形成させている。本発明では、引っ張り荷重または圧縮荷重P’を合力の方向に与えるため、例えば特許文献1に記載の装置を用いた試験と比べて、より高い精度で破壊荷重を評価することができる。
また、本発明では試験片に対して1つの方向に荷重を負荷するので、特許文献1の強度試験装置よりも簡易な試験装置で実施することができる。このため、本発明の複合負荷試験方法は、試験に要する時間及びコストが大幅に削減されるため有利である。
上記態様において、前記平板が繊維強化樹脂基材である場合に、前記繊維強化樹脂基材の0度繊維配向方法と、前記荷重負荷方向とが、0°より大きく30°以内の角度とされることが好ましい。
本発明の第3の態様は、矩形の繊維強化樹脂基材の平板であり、前記繊維強化樹脂基材の0度繊維配向方法が前記平板への荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなす試験片に対して、前記荷重負荷方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷して前記試験片に軸荷重及びせん断荷重を与えたことと等価な荷重場を形成して、前記試験片の破壊荷重を計測する複合負荷試験方法である。
本発明の第4の態様は、上記第3の態様の複合試験用に用いる試験片であって、矩形の繊維強化樹脂基材の平板であり、前記繊維強化樹脂基材の0度繊維配向方法が前記荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなす複合負荷試験用試験片である。
このように繊維強化樹脂基材製の試験片を評価するに当たって、0度繊維配向方法が荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなすように試験片を作製し、試験片に1つの方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷することによっても、軸荷重及びせん断荷重を同時に与えながらも、個別に負荷したことと等価な荷重場を形成させている。このため、より精度の高い破壊荷重評価を実施することができる。また、試験に要する時間及びコストが大幅に削減されるという効果も奏することができる。
<第1実施形態>
以下に、第1実施形態の複合負荷試験方法及び試験片について説明する。
図1は第1実施形態の複合負荷試験方法に供される試験片の概略図である。
試験片1は、矩形の平板とされる。試験片1は、アルミニウム合金等の金属材料とされても良いし、繊維強化プラスチック製の複合材とされても良い。繊維強化プラスチックとしては、炭素繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックが適用可能である。
以下に、第1実施形態の複合負荷試験方法及び試験片について説明する。
図1は第1実施形態の複合負荷試験方法に供される試験片の概略図である。
試験片1は、矩形の平板とされる。試験片1は、アルミニウム合金等の金属材料とされても良いし、繊維強化プラスチック製の複合材とされても良い。繊維強化プラスチックとしては、炭素繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックが適用可能である。
試験片1の中心部には楕円孔2が設けられる。図1の点線は楕円孔2の長軸方向及び短軸方向を表している。図1の一点破線は、試験片の長辺及び短辺の中心を表している。楕円孔2の中心は、試験片1の中心位置と略一致する。図1では、楕円孔2の長軸が試験片1の長辺方向に対して角度θ傾いている。角度θは、0°より大きく30°以下とされる。
なお、本実施形態では、楕円孔2の短軸が試験片1の長辺方向に対して角度θ傾くように、楕円孔2を設けても良い。
なお、本実施形態では、楕円孔2の短軸が試験片1の長辺方向に対して角度θ傾くように、楕円孔2を設けても良い。
試験片1が繊維強化プラスチックである場合、試験片1の繊維配向方向が試験片の長辺(または短辺)に対して傾くように試験片1が作製される。この場合、0度繊維配向方向の角度θ’は0<θ’≦30°とされる。0度繊維配向方向の角度θ’は、楕円孔の傾きθと一致していることが好ましいが、評価対象となる構造部材の仕様に従ってθ及びθ’をそれぞれ設定して良い。
本実施形態の複合負荷試験方法では、公知の引張圧縮試験機を用いて、試験片1に対して試験片1の長辺方向(図1の紙面縦方向)に引張荷重または圧縮荷重が負荷される。換言すると、本実施形態においては、楕円孔2の長軸方向が荷重負荷方向に対して角度θ(0°<θ≦30°)傾いていることになる。
本実施形態の複合負荷試験方法では、楕円孔の短軸が試験片の長辺方向に対して角度θ傾いている試験片に対しても、試験片の長辺方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷することができる。
また、楕円孔の長軸または短軸が試験片の短辺方向に対して角度θ傾いている試験片に対して、試験片の短辺方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷することができる。
本実施形態の複合負荷試験方法では、楕円孔の短軸が試験片の長辺方向に対して角度θ傾いている試験片に対しても、試験片の長辺方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷することができる。
また、楕円孔の長軸または短軸が試験片の短辺方向に対して角度θ傾いている試験片に対して、試験片の短辺方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷することができる。
荷重を負荷する方法は、図1の試験片1の両短辺をそれぞれ治具で保持し、両方の治具を作動させても良いし、一方の治具を固定して他方の治具を作動させても良い。
引張荷重または圧縮荷重は、試験片1の荷重負荷方向に直交する方向で一様とされる。このように楕円孔2を有する試験片1に引張荷重または圧縮荷重が負荷されることにより、試験片1に引張または圧縮の軸応力と、面内せん断応力とが付与されことと等価な応力場が形成される。
図2は、試験片に付与される軸応力と面内せん断応力について説明する概略図である。楕円孔2の長軸方向が0°、楕円孔2の短軸方向が90°となる座標(0°―90°座標系)を設定する。本実施形態の複合負荷試験方法では、試験片1に荷重負荷方向に一様な引張応力(または圧縮応力)σyが付与される。応力σyを0°―90°座標系に変換すると、試験片1に0°方向の応力σ0(軸応力)と、これに直交する方向(90°方向)の応力σ90と、90°方向のせん断応力τとに分離することができる。応力σ0、σ90、せん断応力τは、それぞれ次式で表される。
σ0=σycos2θ ・・・(1)
σ90=σysin2θ ・・・(2)
τ=σycosθsinθ ・・・(3)
σ0=σycos2θ ・・・(1)
σ90=σysin2θ ・・・(2)
τ=σycosθsinθ ・・・(3)
上記のように、本実施形態の複合負荷試験方法では、応力σ0、せん断応力τはそれぞれ0°方向あるいは90°方向に一様な分布となる。つまり、本実施基体の複合負荷試験方法では、矩形の試験片に対して理想的な軸応力σ0とせん断応力τとを与えることができる。
一方で、応力σ90が理想的な複合負荷測定からの誤差となる。上記式(2)に示すように、応力σ90の大きさは角度θが大きくなる程大きくなる。すなわち、試験片の荷重負荷方向に対して楕円孔が傾いて設けられるほど、誤差が大きくなる。
一方で、応力σ90が理想的な複合負荷測定からの誤差となる。上記式(2)に示すように、応力σ90の大きさは角度θが大きくなる程大きくなる。すなわち、試験片の荷重負荷方向に対して楕円孔が傾いて設けられるほど、誤差が大きくなる。
図3は、図1の試験片及び基準試験片に対して、同じ単位幅当たりの荷重を与えたときの楕円孔周縁部に発生する最大主歪み分布の計算結果の一例である。同図において、横軸は、図2に示されるPを0°とした時計周り方向の楕円孔周縁部の角度位置であり、縦軸は最大主歪みである。
「図1試験片」の荷重付加方向に対する楕円孔の傾きθは14°とした。
図3における「基準試験片」とは、図4に示すように長軸及び短軸が各辺方向と一致するように楕円孔102を設けた矩形の試験片101に対して、楕円孔102の長軸及び短軸方向に一様な軸応力及びせん断応力を与えたときの結果である。
試験片及び楕円孔の寸法は、「図1試験片」と「基準試験片」とで同じとなるように計算を行った。
図3における「基準試験片」とは、図4に示すように長軸及び短軸が各辺方向と一致するように楕円孔102を設けた矩形の試験片101に対して、楕円孔102の長軸及び短軸方向に一様な軸応力及びせん断応力を与えたときの結果である。
試験片及び楕円孔の寸法は、「図1試験片」と「基準試験片」とで同じとなるように計算を行った。
図3において、基準試験片と図1試験片とは、最大主ひずみ分布が同じような傾向となった。しかし、基準試験片と図1試験片との最大主ひずみ分布の差は、最大で5%であった。式(2)によると、角度θが14°より更に大きくなると、最大主ひずみ差は約5%から更に大きくなる。
本実施形態の複合負荷試験方法においては、得られた破壊荷重Pに対して、荷重負荷方向に対する楕円孔の傾きθを用いて、軸荷重をT=Pcosθ、せん断荷重をS=Psinθと算出する。
以下では、特許文献1に記載の装置を用いて図4の基準試験片に対して引張荷重及びせん断荷重を負荷した複合負荷試験方法(試験方法A)、基準試験片に楕円孔の長軸に対して角度φの方向に引張荷重を負荷した複合負荷試験方法(試験方法B)、及び、本実施形態の複合負荷試験方法(試験方法C)の比較を説明する。
試験方法Aでは、試験片に負荷可能な軸荷重T及びせん断荷重Sの範囲は、0≦S/T<∞である。換言すると、種々の軸荷重Tの値及びせん断荷重Sの値を採用し得る。試験方法Aの場合、楕円孔の長軸方向(図4のA−A’方向)に軸荷重Tが負荷されて短軸方向(図4のB−B’方向)にせん断荷重Sが負荷されるか、楕円孔の長軸方向にせん断荷重Sが負荷されて短軸方向に軸荷重Tが負荷される。例えば、図4の基準試験片に対してA−A’方向に軸荷重及びB−B’方向にせん断荷重を負荷した場合、B−B’方向でのせん断応力分布は、試験片端部でせん断応力が発生せず、試験片中央部になるほどせん断応力が大きくなる分布となる。換言すると、試験方法Aでは、試験片の荷重軸直交方向に対して一様のせん断応力を付与することができない。
試験方法Bでは、図4における角度φは0°<φ<90°として引張荷重を負荷することにより、試験片に軸応力及びせん断応力がかかる。試験方法Bにおいて試験片に負荷可能な軸荷重T及びせん断荷重Sの範囲は、0<S/T<∞である。
試験方法Bでも、試験方法Aと同様に、B−B’方向のせん断応力分布は、試験片端部でせん断応力が発生せず、試験片中央部になるほどせん断応力が大きくなる分布となる。
試験方法Bでも、試験方法Aと同様に、B−B’方向のせん断応力分布は、試験片端部でせん断応力が発生せず、試験片中央部になるほどせん断応力が大きくなる分布となる。
試験方法Cにおいて、角度θが0°<θ≦30°では、試験片に負荷可能な軸荷重T及びせん断荷重Sの範囲は0<S/T≦0.6となる。上述のように、試験方法Cでは90°座標方向に一様なせん断応力が付与される。
図5は、試験方法A〜Cにより同じ単位幅当たりの荷重を与えたときの楕円孔周縁部に発生する最大主歪み分布の計算結果の一例である。同図において、横軸は図2及び図4に示されるPを0°として時計周り方向の楕円孔周縁部の角度位置であり、縦軸は最大主歪みである。「基準」とは、図3と同様に、図4の基準試験片に対して楕円孔の長軸及び短軸方向に一様な軸応力及びせん断応力を与えたときの結果である。試験方法Bの角度φ及び試験方法Cの角度θは14°とした。試験方法Cは、上述した応力σ90による誤差を含む結果である。
図6は、試験方法A〜Cにより同じ単位幅当たりの荷重を与えた場合の試験片平面内のせん断歪み分布の計算結果の一例である。同図において、横軸は、図2及び図4の試験片における楕円孔中心から90°方向(短軸方向)への位置、縦軸はせん断歪みである。
図5及び図6の結果を参照すると、試験方法A及び試験方法Bは、最大主ひずみ分布及びせん断歪み分布がほぼ一致している。しかし、いずれも「基準」からは大きく外れている。一方、本実施形態の試験方法Cは、試験方法A,Bと比較して「基準」に近い歪み分布を有していると言える。これは、上述したように試験方法Cは試験片に対して一様なせん断応力を与えることができるためである。
従って、試験方法Cで応力σ90による誤差があったとしても、試験方法Aや試験方法Bと比較して破壊荷重測定精度が向上することが理解できる。
従って、試験方法Cで応力σ90による誤差があったとしても、試験方法Aや試験方法Bと比較して破壊荷重測定精度が向上することが理解できる。
<第2実施形態>
以下に、第2実施形態の複合負荷試験方法及び試験片について説明する。
第2実施形態の試験片は、繊維強化プラスチック製の複合材からなる矩形の平板である。繊維強化プラスチックとしては、炭素繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックが適用可能である。
以下に、第2実施形態の複合負荷試験方法及び試験片について説明する。
第2実施形態の試験片は、繊維強化プラスチック製の複合材からなる矩形の平板である。繊維強化プラスチックとしては、炭素繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックが適用可能である。
図7は、第2実施形態の複合負荷試験方法を説明する概略図である。第2実施形態の複合負荷試験方法では、上記複合材とされる試験片3の0度繊維配向方向に対して角度χをなす方向に引張荷重または圧縮荷重が負荷されたことと等価な荷重場が形成される。引張荷重または圧縮荷重は、試験片10の荷重負荷方向に直交する方向で一様とされる。本実施形態においても、公知の引張圧縮試験機を用いることができる。
第2実施形態の場合も、第1実施形態と同様に、試験片に引張応力または圧縮応力と、面内せん断応力とが付与されことと等価な応力場が形成される。図7に示すように、繊維の配向方向が0°、繊維の配向方向に直交する方向を90°とする座標系(0°−90°座標系)を設定すると、90°方向に一様な分布を有する応力σ0及びせん断応力τが発生する。応力σ0、σ90、せん断応力τは、それぞれ上述した式(1)〜(3)で表される。
従って、第2実施形態の複合負荷試験方法でも、試験片10に対して理想的な軸応力σ0とせん断応力τとを与えることと等価な応力場を形成することができる。一方、σ90が理想的な複合負荷測定からの誤差となる。式(2)から理解できるように、応力σ90の大きさは角度χが大きくなる程大きくなる。このため、第2実施形態においても、角度χは0°より大きく30°以下の角度とすることで、破壊荷重測定精度を向上させることができる。
1,10 試験片
2 楕円孔
2 楕円孔
Claims (8)
- 中心部に楕円孔を有する矩形の平板であり、前記楕円孔の長軸または短軸が前記平板への荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなすように前記楕円孔が設けられる試験片に対して、前記荷重負荷方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷して前記試験片に軸応力及びせん断応力を個別に与えたことと等価な応力場を形成し、前記試験片の破壊荷重を測定する複合負荷試験方法。
- 前記平板が、繊維強化樹脂基材または金属基材とされる請求項1に記載の複合負荷試験方法。
- 前記平板が繊維強化樹脂基材である場合に、前記繊維強化樹脂基材の0度繊維配向方法と、前記荷重負荷方向とが、0°より大きく30°以内の角度とされる請求項2に記載の複合負荷試験方法。
- 矩形の繊維強化樹脂基材の平板であり、前記繊維強化樹脂基材の繊維配向方法が前記平板への荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなす試験片に対して、前記荷重負荷方向に引張荷重または圧縮荷重を負荷して前記試験片に軸応力及びせん断応力を与えて、前記試験片の破壊荷重を計測する複合負荷試験方法。
- 請求項1に記載の複合負荷試験用に用いる試験片であって、
中心部に楕円孔を有する矩形の平板であり、
前記楕円孔の長軸または短軸が前記荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなすように、前記楕円孔が設けられる複合負荷試験用試験片。 - 前記平板が、繊維強化樹脂基材または金属基材とされる請求項5に記載の複合負荷試験用試験片。
- 前記平板が繊維強化樹脂基材である場合に、前記繊維強化樹脂基材の0度繊維配向方法と、前記荷重負荷方向とが、0°より大きく30°以内の角度をなす請求項6に記載の複合負荷試験用試験片。
- 請求項4に記載の複合試験用に用いる試験片であって、
矩形の繊維強化樹脂基材の平板であり、前記繊維強化樹脂基材の繊維配向方法が前記荷重負荷方向に対して0°より大きく30°以内の角度をなす複合負荷試験用試験片。
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CN114324009B (zh) * | 2022-01-18 | 2022-06-17 | 东北石油大学 | 拉-剪应力条件下各向异性岩石复合断裂韧性测试装置 |
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