JP2014052035A - 波動歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造でねじり剛性を向上させる。
【解決手段】波動歯車装置10は、剛性内歯車20と、可撓性外歯車30と、波動発生器40と、を備えている。剛性内歯車20は、可撓性外歯車30の取付部32に向かって順次配置された第1内歯車210、第2内歯車220及び第3内歯車230を有している。各内歯車210,220,230は、互いに同じ数の複数の内歯211,221,231を有している。第2内歯車220及び第3内歯車230は、第1内歯車210に対して回転軸X−Xまわりに互いに反対方向に位相をずらして配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、剛性内歯車、可撓性外歯車及び波動発生器を備えた波動歯車装置に関するものである。
一般に、軽量・コンパクトであり、一段の減速で高い減速比が得られる減速機として、波動歯車装置が知られている。
この波動歯車装置は、環状の剛性内歯車と、その内側に配置された可撓性外歯車と、その内側に配置された楕円形状の波動発生器とを備えている。可撓性外歯車は楕円形状の波動発生器により撓まされ、剛性内歯車に対して楕円形状の長軸方向の2箇所で噛合っている。さらに、可撓性外歯車は剛性内歯車より歯数が2×n枚(nは正の整数)だけ少ないため、波動発生器を回転させると、これに伴って両歯車の2箇所の噛合い位置も周方向に移動し、この結果、両歯車には歯数差に応じた相対回転が生じ、高い減速比が得られる。
可撓性外歯車は、外歯が形成されている胴部の一端が半径方向の内側または外側に延びて被取付部材の取付部を有する、いわゆるカップ型またはシルクハット型に形成されているのが一般的である。
カップ型またはシルクハット型の可撓性外歯車には、その胴部の内側に波動発生器が嵌め込まれている。そのため、可撓性外歯車の胴部は、胴部の取付部の側から回転軸方向に遠ざかるに従って胴部の撓み量が増加するように撓まされる。したがって、楕円形状の長軸上に位置する噛合い位置においては、取付部の側からの距離が最も遠く胴部の撓み量が最も大きい位置でのみ両歯車の歯面が接触しており、その位置より取付部の側では両歯車の歯面は接触してない。また、長軸上に位置しない両歯車の噛合いにおいても、可撓性外歯車の歯筋方向と剛性内歯車の歯筋方向が平行でないために歯筋方向の限定された範囲でのみの接触となる。
これに対して、可撓性外歯車が楕円形状に撓ませられたときに可撓性外歯車の外歯の歯筋方向と剛性内歯車の内歯の歯筋方向とが平行となるように、予め外歯の歯筋方向を回転軸方向に対して傾斜させた波動歯車装置が提案されている(特許文献1参照)。また、可撓性外歯車の外歯にエンドリリーフ加工を施した波動歯車装置も提案されている(特許文献2参照)。
特開昭62−75153号公報 特開平2−62461号公報
しかしながら、上記特許文献1,2では、可撓性外歯車の外歯を形成する際には、胴部を楕円形状に撓ませた状態で歯切りを行う等、複雑な加工作業が必要である。このような複雑な加工作業を行うには、特別な治具が必要であり、生産コストが増大すると共に、加工に要する時間もかかるため、生産性も低下する。
このような観点から、可撓性外歯車は、円筒の軸方向に平行な歯筋の単純な平歯車に形成することが望まれている。しかし、このような可撓性外歯車では、可撓性外歯車を撓ませて可撓性外歯車と剛性内歯車とを噛合わせた場合に両歯車の歯筋方向が平行ではなくなるため、噛合いの接触範囲が限られる。このため可撓性外歯車は、周方向にねじれが生じやすくなり、充分なねじり剛性が得られなかった。
本発明は、簡単な構造でねじり剛性を向上させることができる波動歯車装置を提供することを目的とするものである。
本発明の波動歯車装置は、剛性内歯車と、前記剛性内歯車の内側に配置された可撓性外歯車と、前記可撓性外歯車を楕円形状に撓めて前記剛性内歯車に対して部分的に噛合わせると共に、回転軸まわりに回転することで噛合わせ部分を周方向に移動させる波動発生器と、を備え、前記可撓性外歯車は、円筒状の胴部と、前記胴部の外周面に設けられた複数の外歯と、前記胴部に接続され、被取付部材に取り付けられる取付部と、を備え、前記剛性内歯車は、互いに同じ数の複数の内歯を有し、前記取付部に向かって順次配置された第1内歯車、第2内歯車及び第3内歯車を備え、前記第2内歯車及び前記第3内歯車は、前記第1内歯車に対して前記回転軸まわりに互いに反対方向に位相をずらして配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、剛性内歯車が第1、第2及び第3内歯車を有し、第2及び第3内歯車を第1内歯車に対して位相をずらす簡単な構造で、可撓性外歯車の周方向のねじれを小さくすることができ、波動歯車装置のねじり剛性を向上させることができる。
第1実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す説明図である。 切断面A−Aに沿う波動歯車装置の断面図である。 波動発生器により弾性変形した可撓性外歯車を示す断面模式図である。 矢印C方向から見たときの噛合わせ部分における長軸上に位置する可撓性外歯車の外歯と剛性内歯車の内歯との噛合いの状態を示す模式図である。 矢印C方向から見たときの噛合わせ部分における長軸から最も離れた位置での剛性内歯車と可撓性外歯車との噛合いの状態を示す模式図である。 可撓性外歯車の楕円形状の長軸から離れた位置での可撓性外歯車の外歯と剛性内歯車の内歯との噛合い状態を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す説明図であり、図1(a)は波動歯車装置の正面図、図1(b)は波動歯車装置の側面図である。図2は、図1(a)の切断面A−Aに沿う波動歯車装置の断面図である。
図1及び図2に示すように、波動歯車装置10は、回転軸X−Xに同軸に配置された、剛性内歯車20、可撓性外歯車30及び波動発生器40を備えた波動歯車減速機である。
剛性内歯車20は、図1(b)及び図2に示すように、円環状の剛性部材で形成された、第1内歯車210、第2内歯車220、第3内歯車230及び第4内歯車240を有して構成される。これら第1〜第4内歯車210,220,230,240は、回転軸X−Xの方向に並設されている。各内歯車210,220,230,240には、図2に示すように、それぞれ複数の内歯211,221,231,241が形成されている。各内歯車210,220,230,240の内歯の数は、互いに同じ数に設定されており、例えば102枚である。また、各内歯車210,220,230,240の内歯の形状及び大きさも互いに同一に設定されている。
また、第1〜第4内歯車210〜240には、図1(a)に示すように、不図示の固定部材に取付けるための固定ボルト用孔22と、第1〜第4内歯車210〜240の周方向の位置関係を固定するための位置決めピン孔23とがそれぞれ形成されている。
可撓性外歯車30は、図2に示すように、円筒状の薄肉の胴部31と、胴部31の第1端部31aに接続された取付部32と、を有している。可撓性外歯車30は、取付部32に対して反対側が開口するカップ形状に形成された、いわゆるカップ型の可撓性外歯車である。取付部32は、胴部31の第1端部31aから半径方向内側に延びる板状に形成されている。そして、この取付部32には、固定ボルト用孔32aが形成されており、不図示のボルトにより被取付部材(例えば出力軸部材)が取り付けられる。
第1〜第4内歯車210,220,230,240は、開口端31eから取付部32に向かって、第1、第2、第3、第4内歯車210,220,230,240の順に順次配置されている。つまり、第1内歯車210に対する取付部32の側に第2内歯車220が配置されており、第2内歯車220に対する取付部32の側に第3内歯車230が配置されており、第3内歯車230に対する取付部32の側に第4内歯車240が配置されている。
可撓性外歯車30は、胴部31の外周面31cであって、カップの開口側の端部である第2端部31bに設けられた、剛性内歯車20より歯数が少ない複数の外歯33を有している。例えば、可撓性外歯車30の外歯33の歯数は、100枚であり、剛性内歯車20の内歯の歯数(102枚)よりも2枚少なく設定されている。外歯33は、胴部31に弾性変形がない状態で歯筋方向が胴部31の外周面31cに沿う方向と平行となるように形成されている。可撓性外歯車30は、外歯33が剛性内歯車20の内歯に対向するように、剛性内歯車20の内側に配置されている。
波動発生器40は、可撓性外歯車30の内側、即ち胴部31の内側に嵌め込まれ、胴部31の第2端部31bにおける胴部31の内周面31dに接触して、胴部31を半径方向に撓めて楕円形状に弾性変形させるものである。
波動発生器40は、楕円状カム41と、楕円状カム41の外周に設けられ、弾性変形が可能な薄肉の軸受42とを有しており、楕円状カム41には、不図示の入力軸部材が取り付けられる入力軸取付ボルト孔43が形成されている。
可撓性外歯車30が楕円形状に弾性変形することで、剛性内歯車20と可撓性外歯車30とは、楕円形状の長軸上の2箇所の噛合わせ部分P,Q(図1(a))において、それぞれ複数歯による部分的な噛み合いを生じている。そして、波動発生器40が回転軸X−Xまわりに回転することで、剛性内歯車20と可撓性外歯車30との噛合わせ部分P,Qが周方向に移動する。そして、可撓性外歯車30は、剛性内歯車20と可撓性外歯車30との歯数差に基づく減速比で、波動発生器40の回転速度に対して減速した回転速度で回転する。
図3は、波動発生器40により弾性変形した可撓性外歯車30を示す断面模式図である。図3(a)は楕円形状の長軸を含む切断面A−Aに沿う可撓性外歯車30の断面模式図、図3(b)は楕円形状の短軸を含む切断面B−Bに沿う可撓性外歯車30の断面模式図である。可撓性外歯車30の楕円形状の長軸を含む切断面A−A上においては、胴部31は、第1端部31aから第2端部31bに向かって距離に応じて半径方向外側への撓み量が増加し、胴部31の開口端31eで半径方向外側への撓み量が最大となっている。逆に、可撓性外歯車30の楕円形状の短軸を含む切断面B−B上においては、胴部31は、第1端部31aから第2端部31bに向かって距離に応じて半径方向内側への撓み量が増加し、胴部31の開口端31eで半径方向内側への撓み量が最大となっている。この可撓性外歯車30の胴部31の撓み量が取付部32の側からの距離に応じて変化する現象をコーニングと呼ぶ。
本第1実施形態では、第2内歯車220及び第3内歯車230は、第1内歯車210に対して回転軸X−Xまわりに互いに反対方向に位相をずらして配置されている。また、第4内歯車240は、第1内歯車210と位相を一致させた状態で配置されている。
図4は、図2中矢印C方向から見たときの噛合わせ部分Pにおける長軸上に位置する可撓性外歯車30の外歯と剛性内歯車20の内歯との噛合いの状態を示す模式図である。なお、矢印C方向は、回転軸X−Xと平行に可撓性外歯車30の胴部31の開口端31eから取付部32側に向かう方向である。また、長軸上に位置する可撓性外歯車30の外歯33を外歯33(図1参照)とする。
図4(a)は第1内歯車210と可撓性外歯車30との位置関係を示している。図4(b)は第2内歯車220と可撓性外歯車30との位置関係を示している。図4(c)は第3内歯車230と可撓性外歯車30との位置関係を示している。図4(d)は第4内歯車240と可撓性外歯車30との位置関係を示している。
また、図4中に示される一点鎖線はそれぞれ、可撓性外歯車30の長軸上に位置する歯の歯形中心線34、第2内歯車220の長軸上に位置する歯の歯形中心線224、第3内歯車230の長軸上に位置する歯の歯形中心線234である。
図4(a)に示すように、胴部31の開口端31eに最も近い第1内歯車210と可撓性外歯車30との噛合い状態は、外歯33が最も第1内歯車210の歯溝に入り込んだ噛合い状態である。各外歯33は、歯元と歯先との間に形成された第1歯面33a及び第2歯面33bを有しており、外歯33における両方の歯面33a,33bが第1内歯車210の内歯211に接触している。ここで、胴部31の開口端31eから見て外歯33の左歯面を第1歯面33aとし、右歯面を第2歯面33bとして説明するが、右歯面を第1歯面、左歯面を第2歯面としてもよい。
第2内歯車220は、図4(b)に示すように、第1内歯車210に対して回転軸X−Xまわりに第1角度θ1、位相をずらした状態で配置されている。このとき、可撓性外歯車30の外歯33と剛性内歯車20の内歯とが噛合う範囲内でずらしている。
第1角度θ1は、噛合わせ部分Pのいずれかの外歯33において、第1歯面33aが第2内歯車220の内歯221に接触するように設定されているのがよい。本第1実施形態では、第1角度θ1は、長軸上に位置する外歯33において、第1歯面33aが第2内歯車220の内歯221に接触するように設定されている。即ち、外歯33の第1歯面33aが第2内歯車220の内歯221に接触するように、第2内歯車220を周方向の時計回りに歯形中心線34と歯形中心線224とのなす第1角度θ1だけずらしている。
また、第3内歯車230は、図4(c)に示すように、第1内歯車210に対して回転軸X−Xまわりに第2内歯車220とは反対方向に第2角度θ2、位相をずらした状態で配置されている。このとき、可撓性外歯車30の外歯と剛性内歯車20の内歯とが噛合う範囲内でずらしている。
第2角度θ2は、噛合わせ部分Pのいずれかの外歯33において、第2歯面33bが第3内歯車230の内歯231に接触するように設定されているのがよい。本第1実施形態では、第2角度θ2は、長軸上に位置する外歯33において、第2歯面33bが第3内歯車230の内歯231に接触するように設定されている。即ち、第2歯面33bが第3内歯車230の内歯231に接触するように、第3内歯車230を周方向の反時計回りに歯形中心線34と歯形中心線234とのなす第2角度θ2だけずらしている。
第1角度θ1と第2角度θ2とは、異なる値に設定してもよいが、同一の値に設定すると各噛合わせ部分P,Qにおいて長軸を中心に噛合い状態が左右対称となるため、同一の値に設定するのが好ましい。
なお、本第1実施形態では、噛合わせ部分Pと噛合わせ部分Qとは、回転軸X−Xを中心に点対称であるため、噛合わせ部分Qにおける長軸上に位置する外歯33においても同様に各内歯車210〜230に接触する。
次に、図4(d)に示すように、第4内歯車240は、第1内歯車210に対して周方向に位相をずらすことなく、第1内歯車210と位相が一致するように配置されている。このとき、可撓性外歯車30の楕円形状の長軸上の外歯33は、コーニングの現象に起因して、第4内歯車240の内歯241とは接触しないが、長軸からずれた位置の外歯33では、第4内歯車240の内歯241と接触するものがある。
図5は、図2中矢印C方向から見たときの噛合わせ部分Pにおける長軸から最も離れた位置での剛性内歯車20と可撓性外歯車30との噛合いの状態を示す模式図である。図5(a)は第1内歯車210と可撓性外歯車30との位置関係を示している。図5(b)は第2内歯車220と可撓性外歯車30との位置関係を示している。図5(c)は第3内歯車230と可撓性外歯車30との位置関係を示している。図5(d)は第4内歯車240と可撓性外歯車30との位置関係を示している。
ここで、図3に示すように、可撓性外歯車30は、楕円形状の長軸に対しては、半径方向外側に撓み、楕円形状の短軸に対しては、半径方向内側に撓んでいる。したがって、長軸及びその近傍の外歯33は、第1内歯車210の内歯211に接触しているが、長軸から離れるに連れて、第1内歯車210の内歯211から離間すると共に、第4内歯車240の内歯241に近接する。
従って、例えば楕円形状の長軸から最も離れた位置では、図5(a)〜図5(c)に示すように、内歯車210〜230の内歯211〜231と、可撓性外歯車30の外歯33とは接触していない。一方、図5(d)に示すように、楕円形状の長軸から最も離れた位置においては、第4内歯車240の内歯241と可撓性外歯車30の外歯33の歯面33bにおける取付部32側に位置する部分とが接触している。
ここで、噛合わせ部分P,Qにおける両歯車20,30の噛合いの状態は、楕円形状の長軸に対して対称となっている。
仮に、長軸上で歯面を接触させるために、第4内歯車240を第1内歯車210に対して周方向のどちらか一方にずらして配置した場合、噛合わせ部分P,Qの対称性が損なわれる。
これに対し、本第1実施形態では、第4内歯車240は、第1内歯車210に対して周方向へずらすことなく、第1内歯車210と位相を一致させた状態で配置されている。したがって、噛合わせ部分P,Qの対称性が損なわれない。
ところで、第1内歯車210には、位置決めピン24が挿通される第1位置決めピン孔213が設けられている(図1参照)。また、第2内歯車220には、第1内歯車210に対して第1角度θ1だけ位相をずらした状態で第1位置決めピン孔213に連通し、位置決めピン24が挿通される第2位置決めピン孔223が設けられている。また、第3内歯車230には、第1内歯車210に対して第2角度θ1だけ位相をずらした状態で位置決めピン孔213,223に連通し、位置決めピン24が挿通される第3位置決めピン孔233が設けられている。また、第4内歯車240には、第1内歯車210に位相を一致させた状態で位置決めピン孔213,223,233に連通し、位置決めピン24が挿通される第4位置決めピン孔243が設けられている。これら位置決めピン孔213,223,233,243からなる位置決めピン孔23に位置決めピン24を挿通することで、内歯車210に対して内歯車220,230,240を簡単かつ正確に位置決めすることができる。
これにより、各内歯車210,22,230,240が位置決めされた状態で各内歯車210,220,230,240に形成された固定ボルト用孔22(図1参照)が同軸となる。
以上、本第1実施形態では、第2内歯車220及び第3内歯車230を第1内歯車210に対して互いに反対方向に位相をずらす簡単な構造でありながら、可撓性外歯車30の周方向のねじれが小さくなり、波動歯車装置10のねじり剛性が向上する。
特に、本第1実施形態では、可撓性外歯車30の外歯33の第1歯面33aを第2内歯車220の内歯221に接触させ、第2歯面33bを第3内歯車230の内歯231に接触させている。従って、エンドリーフ加工等の特別な加工を外歯33に施さなくても、剛性内歯車20に対する可撓性外歯車30の歯筋方向の噛合いの接触範囲を増大させることが可能となる。これにより、より効果的に可撓性外歯車30の周方向のねじれを小さくすることができ、より効果的に波動歯車装置10のねじり剛性を向上させることができる。
更に、本第1実施形態では、外歯33の両方の歯面33a,33bが第1内歯車210の内歯211に接触している。仮に剛性内歯車を二分割して位相をずらした場合には、剛性内歯車において、可撓性外歯車の外歯に作用するモーメントが大となり、外歯に過大な応力が作用する可能性がある。これに対し、本第1実施形態では、外歯33の第1歯面33aが第1内歯車210及び第2内歯車220に接触し、外歯33の第2歯面33bが第1内歯車210及び第3内歯車230に接触することになる。したがって、可撓性外歯車30の外歯33に作用する応力を緩和することができ、伝達トルクを大きくすることができる。
また、剛性内歯車20を構成する複数の内歯車210〜240がプレス加工によって成形される場合には、加工時間の短縮化と多量生産化が可能となり、大幅なコストダウンが見込まれる。
以上の説明では、可撓性外歯車30の楕円形状の長軸上に位置する外歯33と剛性内歯車20の内歯との噛合いを基準として、剛性内歯車20の内歯車220,230をずらす角度θ1,θ2を設定したが、これに限定するものではない。噛合わせ部分P(Q)における長軸上から離れた外歯を噛合いの基準として、角度θ1,θ2を設定してもよい。
即ち、第2内歯車220は、複数の外歯33のうち噛合わせ部分P(Q)のいずれかの外歯における第1歯面33aが内歯221に接触するよう、第1内歯車210に対して回転軸X−Xまわりに第1角度θ1、位相をずらして配置されていればよい。同様に、第3内歯車230は、噛合わせ部分P(Q)のいずれかの外歯における第2歯面33bが内歯231に接触するよう、第1内歯車210に対して回転軸X−Xまわりに第2内歯車220とは反対方向に第2角度θ2、位相をずらして配置されていればよい。
例えば、図1に示す長軸上の外歯33に対して可撓性外歯車30の開口端31eから見て長軸から右5歯目の外歯33、及び外歯33に対して可撓性外歯車30の開口端31eから見て長軸から左5歯目の外歯33を基準としてもよい。
図6は、可撓性外歯車の楕円形状の長軸から離れた位置での可撓性外歯車の外歯と剛性内歯車の内歯との噛合い状態を示す断面模式図である。図6(a)は可撓性外歯車の開口端から見て長軸から右5歯目の外歯との噛合いを示し、図6(b)は可撓性外歯車の開口端から見て長軸から左5歯目の外歯との噛合いを示している。例えば、図6(a)に示すように、長軸から右5歯目の外歯33において、第1歯面33aが内歯221に接触するように、第2内歯車220を第1角度θ1、位相をずらしてもよい。更に、図6(b)に示すように、長軸から左5歯目の外歯33において、第2歯面33bが内歯231に接触するように、第3内歯車230を第2角度θ2、第2内歯車220とは反対方向に位相をずらしてもよい。
このとき、外歯33の第1歯面33aは、第1内歯車210の内歯211に接触し、外歯333の第2歯面33bは、第1内歯車210の内歯211に接触している。
これによっても、外歯33における歯筋方向の噛合いの接触範囲が増大し、波動歯車装置10のねじり剛性を向上させることができる。また、可撓性外歯車30の外歯33に作用する応力を緩和することができ、伝達トルクを大きくすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置の概略構成を示す説明図である。図7(a)は波動歯車装置を正面から見て一部分を断面で表した図であり、図7(b)は、図7(a)の切断面A−Aに沿う波動歯車装置の断面図である。なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、本第2実施形態の波動歯車装置10Aは、上記第1実施形態と略同様の構成の剛性内歯車20と、可撓性外歯車30と、波動発生器40とを備えている。
波動歯車装置10Aは、第1内歯車210〜第4内歯車240の外周面を囲うように設けられた環状部材51を備えている。
環状部材51には、少なくとも1つの内歯車、本第2実施形態では、第2内歯車220の外周面に向かって貫通し、第2内歯車220の外周面に当接し得る調整用のねじ53のねじ込み量を調整可能な調整用のねじ孔52が設けられている。
詳述すると、環状部材51は、回転軸X−Xと同軸にかつ剛性内歯車20の半径方向の外側に配置されている。そして、環状部材51には、ねじ孔52が複数(図7(a)では6つ)、所定間隔で形成されている。これら複数のねじ孔52には、ねじ53がねじ込まれている。そして、各ねじ53の先端は、剛性内歯車20の外周面に接触している。
これにより、本第2実施形態によれば、ねじ53のねじ込み量を調整することで、剛性内歯車20の第2内歯車220を半径方向に微小移動もしくは弾性変形させることができる。したがって、第2内歯車220の回転軸X−Xに対する偏心成分や歯切りの加工精度に起因する噛合いの接触範囲の低下を防止することが可能である。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
上記実施形態では、可撓性外歯車30がカップ型である場合について説明したが、取付部32の概略断面形状が、図2の破線で示したように、胴部31の第1端部31aから半径方向外側に延びた形状である、いわゆる、シルクハット型であってもよい。
また、上記実施形態では、外歯33の第1歯面33aが第2内歯車220の内歯221に接触し、外歯33の第2歯面33bが第3内歯車230の内歯231に接触するように、第2及び第3内歯車220,230の位相をずらしたがこれに限定するものではない。
第1内歯車210に対して第2及び第3内歯車220,230の位相をずらした際に、第2及び第3内歯車220,230の両方又は片方が外歯の歯面に接触していない状態であってもよい。
つまり、可撓性外歯車30の外歯33が剛性内歯車20の内歯に噛み合うことができれば、角度θ1,θ2は、任意に設定することができる。剛性内歯車20と可撓性外歯車30との間にトルクが作用した際には、位相をずらしていない場合よりも、ねじれ角度が小さくなり、ねじり剛性が向上する。
また、上記実施形態では、剛性内歯車20が、第1〜第4内歯車210〜240で構成される場合について説明したが、剛性内歯車20は、少なくとも3つの内歯車210,220,230を備えていればよく、また、第4内歯車240は省略してもよい。
また、上記第2実施形態では、位置決めピン孔23及び位置決めピン24を省略したが、第2内歯車220を半径方向に弾性変形可能であれば、位置決めピン孔23及び位置決めピン24を設けてもよい。
また、上記第2実施形態では、調整対象が第2内歯車220である場合について説明したが、調整対象が内歯車210,220,230,240のうちのいずれであってもよい。調整対象の内歯車に対応して環状部材51に調整用のねじ孔52を設け、調整対象の内歯車を調整用のねじ53で調整すればよい。
10…波動歯車装置、20…剛性内歯車、30…可撓性外歯車、31…胴部、32…取付部、33…外歯、33a…第1歯面、33b…第2歯面、40…波動発生器、210…第1内歯車、211…内歯、220…第2内歯車、221…内歯、230…第3内歯車、231…内歯、P,Q…噛合わせ部分

Claims (5)

  1. 剛性内歯車と、
    前記剛性内歯車の内側に配置された可撓性外歯車と、
    前記可撓性外歯車を楕円形状に撓めて前記剛性内歯車に対して部分的に噛合わせると共に、回転軸まわりに回転することで噛合わせ部分を周方向に移動させる波動発生器と、を備え、
    前記可撓性外歯車は、
    円筒状の胴部と、
    前記胴部の外周面に設けられた複数の外歯と、
    前記胴部に接続され、被取付部材に取り付けられる取付部と、を備え、
    前記剛性内歯車は、
    互いに同じ数の複数の内歯を有し、前記取付部に向かって順次配置された第1内歯車、第2内歯車及び第3内歯車を備え、
    前記第2内歯車及び前記第3内歯車は、前記第1内歯車に対して前記回転軸まわりに互いに反対方向に位相をずらして配置されていることを特徴とする波動歯車装置。
  2. 前記各外歯は、歯元と歯先との間に形成された第1歯面及び第2歯面を有し、
    前記第2内歯車は、前記複数の外歯のうち前記噛合わせ部分のいずれかの外歯における前記第1歯面が、前記第2内歯車の内歯に接触するよう、前記第1内歯車に対して前記回転軸まわりに第1角度、位相をずらして配置され、
    前記第3内歯車は、前記複数の外歯のうち前記噛合わせ部分のいずれかの外歯における前記第2歯面が、前記第3内歯車の内歯に接触するよう、前記第1内歯車に対して前記回転軸まわりに前記第2内歯車とは反対方向に第2角度、位相をずらして配置されていることを特徴とする請求項1に記載の波動歯車装置。
  3. 位置決めピンを更に備え、
    前記第1内歯車には、前記位置決めピンが挿通される第1位置決めピン孔が設けられ、
    前記第2内歯車には、前記第1内歯車に対して位相をずらした状態で前記第1位置決めピン孔に連通し、前記位置決めピンが挿通される第2位置決めピン孔が設けられ、
    前記第3内歯車には、前記第1内歯車に対して位相をずらした状態で前記第1位置決めピン孔に連通し、前記位置決めピンが挿通される第3位置決めピン孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の波動歯車装置。
  4. 前記第1内歯車、前記第2内歯車及び前記第3内歯車のうち、少なくとも1つの内歯車の外周面を囲うように設けられた環状部材を備え、
    前記環状部材には、前記少なくとも1つの内歯車の外周面に向かって貫通し、前記少なくとも1つの内歯車の外周面に当接し得るねじのねじ込み量を調整可能なねじ孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の波動歯車装置。
  5. 前記剛性内歯車は、前記第1内歯車、前記第2内歯車及び前記第3内歯車と同じ数の複数の内歯を有し、前記第3内歯車に対して前記取付部の側に前記第1内歯車と位相を一致させた状態で配置された第4内歯車を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の波動歯車装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105431654A (zh) * 2014-07-11 2016-03-23 谐波传动系统有限公司 具有使用圆弧齿形而形成的连续接触齿形的波动齿轮装置
CN107076268A (zh) * 2014-11-21 2017-08-18 谐波传动系统有限公司 波动发生器及波动齿轮装置

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