以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図5)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に上始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。このうち上始動入賞口26と可変始動入賞装置28は遊技領域8aの下部分の中央にそれぞれ上下に配置されており、始動ゲート20は遊技領域8aの右側部分に配置されている。また、3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分でその下寄りに配置されている。残るもう1つの普通入賞口25は、遊技領域8aの右側部分に配置されている。また、可変入賞装置30は遊技領域8aの右側部分でその下寄りに配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、上始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球したりする。遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に上始動入賞口26に入球するか、もしくは普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、普通入賞口25に入球するか、開放動作時の可変入賞装置30に入球するか、もしくは作動時の可変始動入賞装置28に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、上始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、始動ゲート20は、遊技領域8aの右側領域に配置されている。このため、本実施形態では遊技領域8a(盤面)の構成上、始動ゲート20に遊技球を通過させる場合や、可変入賞装置30に遊技球を入球させる場合、可変始動入賞装置28に遊技球を入球させる場合、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28bを有しており、これら開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に実線で示されるように、左右の開閉部材28bは各先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28bはそれぞれ閉止位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して下始動入賞口28aを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは始動入賞口28aへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の下始動入賞口28a)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各入賞口に入球しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,25や可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)、可変入賞装置30(大入賞口)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、特別図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、特別図柄表示装置34は複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、確率変動状態表示ランプ38a、時短状態表示ランプ38b、大当り種別表示ランプ38c,38d、発射位置指定表示ランプ38eにそれぞれ対応する5つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤ユニットのその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c,40k,40mを備えている。装飾部品40b,40c,40k,40mはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eは例えば上下2段に形成されており、このうち上段が遊技者からみて奥に位置し、下段が遊技者からみて手前に位置する。上下2段とも、それぞれ転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがてその下段から下方の遊技領域8a内に流下する。
また、転動ステージ40eの略中央位置には流入通路40gが形成されており、この流入通路40gには上段の転動ステージ40eから遊技球が無作為に流入し得る。流入通路40gは演出ユニット40の下縁部を下方に延びた後、手前側へL字形状に屈曲して形成されており、その終端に球放出口40hが形成されている。球放出口40hは前面に向けて開口しており、その開口位置が上始動入賞口26の真上に位置している。このため転動ステージ40e上から流入通路40g内に流入した遊技球は、球放出口40hから放出されて、その真下にある上始動入賞口26を通過しやすくなる(ただし、常に通過するわけではない。)。
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体40f(例えばハート形の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82(検出手段)及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。また、カウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体ソレノイド57が接続されている。可動体ソレノイド57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体ソレノイド57にそれぞれ印加される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6及び図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図9中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図9中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図9)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図8は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図6)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図9は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図10は、スイッチ入力イベント処理(図9中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する(抽選要素記憶手段)。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(第2事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する(抽選要素記憶手段)。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図9)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図11は、第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が上限値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が時間短縮機能作動中であるか否か、あるいは、大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であって時間短縮機能が非作動であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。時間短縮機能が作動中であるか、もしくは大当り中のいずれかであれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、先ず大当り中は先読みによる演出を行わないためである。また、大当り中以外では、第1特別図柄の作動記憶と第2特別図柄の作動記憶がともに残存する場合、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動を優先して行う(第2特別図柄の作動記憶を優先して消費する)こととしており、特に時間短縮機能作動中は可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるからである。なお、時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の当選確率が高確率(例えば低確率で251分の25→251分の249程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.3秒程度→2.5秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の変動を優先しても、その作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄について優先順位を設けることなく、これらを入賞発生順に当り判定(変動)することとしてもよい。なお、ステップS36は、例えば「時間短縮機能作動中」を判定するステップS36aと「大当り中」を判定するステップS36bの2つに分割してもよい。
ステップS37:時間短縮機能が非作動の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図12は、第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72は次にステップS48aを実行する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図11)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図11)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図11)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図11)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図11)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。ここで、先のステップS45aで大当り中か否かだけを判定し、時間短縮機能の作動状態を判定していないのは、上記のように本実施形態では、大当り中以外の遊技において第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動させるため、大当り中以外は時間短縮機能の作動状態に関わらず、第2特別図柄については事前に内部抽選の結果を判定し、その結果を先読み演出に利用できるからである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS48a:主制御CPU72は、下始動入賞口入球コマンドを生成する。このコマンドは、遊技球が下始動入賞口28aに入球した際に生成されるコマンドであり、第2特別図柄の記憶数が最大限に達していても、第2特別図柄の記憶数が最大限に達していなくても生成されるコマンドとなる(第2特別図柄保留入賞コマンド)。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、下始動入賞口入球コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図13は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS37,図12中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(上始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図11)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。ただし、本実施形態では、非確変図柄は設定されていない。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図11)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図9)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図14は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド確変大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば6回、15回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の6ラウンド大当りが設けられている。また、15ラウンド大当りや6ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられていてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「15ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として(1)「15ラウンド確変大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。また、この「15ラウンド大当り」以外に、複数の当選種類として(2)「6ラウンド確変大当り1」及び(3)「6ラウンド確変大当り2」が設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「15ラウンド確変大当り」は「15ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「6ラウンド確変大当り1」は「6ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「6ラウンド確変大当り2」は「6ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔15ラウンド確変図柄〕
先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。この「15ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また、大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。この場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔6ラウンド確変図柄1〕
また、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが6ラウンド目まで継続する。この「6ラウンド確変図柄1」の大当り遊技は、6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また、大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。この場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔6ラウンド確変図柄2〕
さらに、先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する。この場合の6ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「6ラウンド確変図柄2」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「6ラウンド確変図柄2」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」及び「時間短縮機能」をともに作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典とともに、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。このような「6ラウンド確変図柄2」については、突発的に「高確率状態」及び「時間短縮状態」が発生したかのような印象を抱かせるものとなる。
いずれにしても、当選図柄が上記の「15ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」及び「時間短縮状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「15ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される(なお、本実施形態では、第2特別図柄に関しては小当りを設定していない)。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図15は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図9中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.6秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
また、本実施形態では、遊技状態に対応した複数種類の区間が用意されており、滞在している区間に応じて選択される変動パターンの内容も異なったものとなる。以下は、各種区間の概要である。
(1)通常区間
特別図柄抽選に関して低確率状態であり、普通図柄抽選に関しても低確率状態(電チューサポートなしの状態)である。遊技者がパチンコ機1で遊技を開始した当初は、通常区間から遊技が進行する。
(2)第1区間
特別図柄抽選に関して高確率状態であり、普通図柄抽選に関しても高確率状態(電チューサポートありの状態)であり、通常区間で「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の特別遊技後変動回数が「1〜3」の値をとる区間である。
(3)第2区間
特別図柄抽選に関して高確率状態であり、普通図柄抽選に関しても高確率状態(電チューサポートありの状態)であり、通常区間で「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の特別遊技後変動回数が「4」の値をとる区間である。
(4)第3区間
特別図柄抽選に関して高確率状態であり、普通図柄抽選に関しても高確率状態(電チューサポートありの状態)であり、通常区間で「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の特別遊技後変動回数が「5〜7」の値をとる区間である。
(5)第4区間
特別図柄抽選に関して高確率状態であり、普通図柄抽選に関しても高確率状態(電チューサポートありの状態)であり、通常区間で「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の特別遊技後変動回数が「8」の値をとる区間である。
(6)特別高確率区間
特別図柄抽選に関して高確率状態であり、普通図柄抽選に関しても高確率状態(電チューサポートありの状態)であり、通常区間で「15ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合、又は時短短縮状態で「15ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の特別遊技後変動回数が「1〜8」の値をとる区間である。なお、上記の第1区間〜第4区間と、特別高確率区間との異なる点は、第1区間〜第4区間は後述するカウントダウンゾーン用の特殊変動が選択されるのに対して、特別高確率区間は特殊変動が選択されない点である。
(7)時短中低確率区間
特別図柄抽選に関して低確率状態であり、普通図柄抽選に関しては高確率状態(電チューサポートありの状態)であり、通常区間で「15ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合、又は時短短縮状態で「15ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合の特別遊技後変動回数が「9〜100」の値をとる区間である。
そして、これらの各種区間は、主制御CPU72において管理される区間であり、主制御CPU72は、滞在区間に応じて変動パターンを決定する。現在の滞在区間の確認は、区間管理ステータスを確認することにより実現することができる。ここで、「区間管理ステータス」とは、各種区間に対応する識別番号を保持する変数であり、大当り遊技の終了後にその値が設定され、特定の変動回数に到達した場合にはその値が更新される。各区間には固有の識別番号が割り当てられており、主制御CPU72は、区間管理ステータスの値を参照すれば、現在の滞在区間を確認することができる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図16は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態・通常区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率非時間短縮状態(通常区間)でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒〜12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒〜150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図17は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・第1区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の第1区間でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態の第1区間でのはずれ時の変動パターンは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば14.4秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ変動パターン21)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「21」を選択する。なお、非リーチ変動パターン21は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。なお、非リーチ変動パターン21の変動時間は14.4秒であり、停止表示時間は0.6秒であるため、後述するカウントダウンゾーンの1変動目から3変動目までの演出尺を15秒とすることができる。
図18は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・第2区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の第2区間でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態の第2区間でのはずれ時の変動パターンは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば15.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ変動パターン41)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「41」を選択する。なお、非リーチ変動パターン41は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。また、非リーチ変動パターン41の変動時間は15.0秒であるため、後述するカウントダウンゾーンの4変動目では、カウントダウン演出の最中にはずれ確定となることを回避することができる。
図19は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・第3区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の第3区間でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態の第3区間でのはずれ時の変動パターンは、高速変動を実現するため、すべて同一の短縮変動パターン(変動時間は例えば0.6秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ変動パターン61)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「61」を選択する。なお、非リーチ変動パターン61は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
図20は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・第4区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の第4区間でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態の第4区間でのはずれ時の変動パターンは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば22.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ変動パターン81)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「81」を選択する。なお、非リーチ変動パターン81は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
図21は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・特別高確率区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の特別高確率区間でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「101」〜「108」が割り当てられている。
変動パターン番号「101」〜「105」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「106」〜「108」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ただし、変動パターン番号「101」〜「105」は、時間短縮変動での非リーチ変動となるため、通常状態の変動時間として短縮した変動時間(例えば、2.0秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「102」を選択する。
図22は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・時短中低確率区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態の時短中低確率区間でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「121」〜「128」が割り当てられている。
変動パターン番号「121」〜「125」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「126」〜「128」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ただし、変動パターン番号「121」〜「125」は、時間短縮変動での非リーチ変動となるため、通常状態の変動時間として短縮した変動時間(例えば、2.0秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「122」を選択する。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて3種類が用意されている。3種類の内訳は、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」及び「15ラウンド確変図柄」である。なお、3種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「6ラウンド確変図柄1」であれば、「6ラウンド確変図柄1a」、「6ラウンド確変図柄1b」、「6ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図23は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、図23に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「87」,「8」,「5」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」、「15ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「6ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の87(=87%)であり、「6ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の8(=8%)である。また、「15ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の5(=5%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は100%である。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「6ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
〔非時短中〕
時間短縮機能が作動していない状態(非時短中)にて、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合、時短回数は8回付与される。
時間短縮機能が作動していない状態(非時短中)にて、「6ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
〔時短中〕
時間短縮機能が作動している状態(時短中)にて、「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれかに該当した場合、時短回数は100回付与される。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図24は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、図24に示される第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「95」,「5」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「6ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「6ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の95(=95%)であり、「15ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の5(=5%)である。したがって、第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は100%である。ただし、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「6ラウンド確変図柄2」についての振分値は設定されていない。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「6ラウンド確変図柄1」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの左から4番目のカラム(右カラム)には、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「6ラウンド確変図柄1」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれに該当した場合であっても、時短回数が付与される。付与される時短回数については、第1特別図柄で大当りした場合と同様である。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、当選図柄の選択比率が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行した場合、通常時(時間短縮機能の非作動時)に比較して高頻度で可変始動入賞装置28が作動するため、第2特別図柄についての作動記憶が途切れにくくなっている。そして、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄についての記憶が優先して消費されることから、第2特別図柄についての当選種類から「6ラウンド確変大当り2」を除外しておけば、特に「高確率時間短縮状態」で「6ラウンド確変大当り2」に該当しにくくなるため、それだけ遊技者に煩わしさを感じさせることを少なくすることができるという利点がある。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行ったり、「リーチ演出」を発生させずに大当りとする制御を行ったりしている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図25は、大当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態・通常区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率非時間短縮状態で、15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1に当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
図26は、大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・第1区間及び第2区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の第1区間及び第2区間で、15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1に当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば3つの段階的に異なる値「101」,「201」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「33」〜「35」が割り当てられている。
変動パターン番号「33」〜「35」は、いずれもリーチ演出が行わずに当りとなる変動パターンに対応している。すなわち、変動パターン番号「33」〜「35」が選択された場合は、リーチ演出が行われないため、比較的短い変動時間(10秒,15秒,20秒程度)で大当りとなる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「34」を選択する。
図27は、大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・第3区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の第3区間で、15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1に当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態の第3区間での当選時の変動パターンは、突発的な大当り用の演出尺を確保するため、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば12.5秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り変動パターン51)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「51」を選択する。なお、非リーチ当り変動パターン51は、変動時間が固定された変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
図28は、大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・第4区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の第4区間で、15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1に当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態の第4区間での当選時の変動パターンは、遊技者参加型演出用の演出尺を確保するため、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば22.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り変動パターン71)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「71」を選択する。なお、非リーチ当り変動パターン51は、変動時間が固定された変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
図29は、大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態・特別高確率区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態の特別高確率区間で、15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1に当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「93」〜「100」が割り当てられている。
変動パターン番号「93」〜「100」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。すなわち、変動パターン番号「93」〜「100」が選択された場合は、リーチ演出が行われるため、比較的長い変動時間(例えば60秒以上)で大当りとなる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「94」を選択する。
図30は、大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・時短中低確率区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態の時短中低確率区間で、15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1に当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「113」〜「120」が割り当てられている。
変動パターン番号「113」〜「120」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。すなわち、変動パターン番号「113」〜「120」が選択された場合は、リーチ演出が行われるため、比較的長い変動時間(例えば60秒以上)で大当りとなる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「114」を選択する。
〔図15:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれかである場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。
また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「6ラウンド確変図柄1」、「6ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれかである場合、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図14:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図15中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図31は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図15中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する(第2抽選要素優先消費手段)。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、優先して消費する方の第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であるか否かを確認する。このとき、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「1」以上であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図15)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図32は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図14中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「15ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「15ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」である場合、連続作動回数ステータスには「6ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「15ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」である場合、連続作動回数コマンドは「6ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4608:主制御CPU72は、区間管理処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、通常区間、第1区間、第2区間、第3区間、特別高確率区間、時短中低確率区間等といった各種区間を管理する処理を実行する。なお、区間管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切り確変の機能を採用しているため、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば8回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば8回又は100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば8回)に設定されるため、特別遊技後に特別図柄が8回変動した後に確率変動機能作動フラグがリセットされる。また、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば8回又は100回)に設定されるため、特別遊技後に特別図柄が8回又は100回変動した後に時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔区間管理処理〕
図33は、上記の区間管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4660:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。ここで、「変動パターン選択用カウンタ値」は、主制御CPU72で管理している各区間を移行させる際に参照する変数である。なお、変動パターン選択用カウンタ値の設定は、後述する区間設定処理(図40)で行われる。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(ステップS4660:Yes)、主制御CPU72はステップS4662を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、例えば変動パターン選択用カウンタ値が「0」である場合(ステップS4660:No)、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(図32)に復帰する。
なお、変動パターン選択用カウンタ値が「0」である場合とは、通常区間(通常モード)に滞在していることを意味する。
ステップS4662:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をデクリメント(1減算)する処理を実行する。
ステップS4664:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値が「92」であるか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「92」であることを確認した場合(ステップS4664:Yes)、主制御CPU72はステップS4666を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「92」でないことを確認した場合(ステップS4664:No)、主制御CPU72はステップS4666を実行しない。
ステップS4666:主制御CPU72は、区間管理ステータスを更新する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、区間管理ステータスに時短中低確率区間に対応する値をセットする。これにより、特別高確率区間での変動状態が終了し、時短中低確率区間での変動に移行することになる。
ステップS4668:主制御CPU72は、特別図柄の当選確率が高確率状態であるか否かを確認する。
その結果、特別図柄の当選確率が高確率状態であることを確認した場合(ステップS4668:Yes)、主制御CPU72はステップS4670を実行する。これに対して、特別図柄の当選確率が高確率状態であることを確認できない場合(ステップS4668:No)、主制御CPU72は次にステップS4682を実行する。
ステップS4670:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値が「5」であるか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「5」であることを確認した場合(ステップS4670:Yes)、主制御CPU72はステップS4672を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「5」でないことを確認した場合(ステップS4670:No)、主制御CPU72はステップS4672を実行しない。
ステップS4672:主制御CPU72は、区間管理ステータスを更新する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、区間管理ステータスに第2区間に対応する値をセットする。これにより、第1区間での変動状態が終了し、第2区間での変動に移行することになる。
ステップS4674:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値が「4」であるか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「4」であることを確認した場合(ステップS4674:Yes)、主制御CPU72はステップS4676を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「4」でないことを確認した場合(ステップS4674:No)、主制御CPU72はステップS4676を実行しない。
ステップS4676:主制御CPU72は、区間管理ステータスを更新する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、区間管理ステータスに第3区間に対応する値をセットする。これにより、第2区間での変動状態が終了し、第3区間での変動に移行することになる。
ステップS4678:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値が「1」であるか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「1」であることを確認した場合(ステップS4678:Yes)、主制御CPU72はステップS4680を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「1」でないことを確認した場合(ステップS4678:No)、主制御CPU72はステップS4680を実行しない。
ステップS4680:主制御CPU72は、区間管理ステータスを更新する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、区間管理ステータスに第4区間に対応する値をセットする。これにより、第3区間での変動状態が終了し、第4区間での変動に移行することになる。
ステップS4682:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であるか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であることを確認した場合(ステップS4682:Yes)、主制御CPU72はステップS4684を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」でないことを確認した場合(ステップS4682:No)、主制御CPU72はステップS4684を実行しない。
ステップS4684:主制御CPU72は、区間管理ステータスを更新する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、区間管理ステータスに通常区間に対応する値をセットする。これにより、第4区間や時短中低確率区間での変動状態が終了し、通常区間での変動に移行することになる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(図32)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図34は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図9中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38a、時短状態表示ランプ38bの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38aに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38aは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38bに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38c,38dの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38c,38dのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38c,38dである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「6ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「6ラウンド(6R)」を表すランプ38dに対して点灯信号を出力する。
また、状態表示設定処理(ステップS1220)においては、主制御CPU72は、遊技状態表示装置38の発射位置指定表示ランプ38eに対する制御も行う。例えば、主制御CPU72は、特別遊技の実行中の状態である場合や時間短縮状態である場合、発射位置指定表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図35は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図36は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお、当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図14)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。また、ラウンド間のインターバル時間は、例えば「6ラウンド確変図柄1」及び「15ラウンド確変図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定され、例えば「6ラウンド確変図柄2」については1秒程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド確変図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を6回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(6回なら「5」、15回なら「14」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図37は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図36中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図36中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図38は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図35中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(6回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図36中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図35中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図39は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図15中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば8回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変機;ST機)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しないが、本実施形態は確変比率が100%であるため、ステップS5508は必ず実行される。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図15中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は当選図柄や当選時の時間短縮状態の有無に応じて時間短縮回数(例えば8回又は100回)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5515:主制御CPU72は、区間設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、各種区間を設定したり、変動パターン選択用カウンタ値を設定したりする処理を実行する。なお、区間設定処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図14中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔区間設定処理〕
図40は、上記の区間設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。なお、この区間設定処理は、小当りに該当している場合は実行しない処理となる。
ステップS5600:主制御CPU72は、今回の当選が時間短縮状態(高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態)での当選であるか否かを確認する。
その結果、今回の当選が時間短縮状態での当選であることを確認した場合(ステップS5600:Yes)、主制御CPU72はステップS5608を実行する。これに対して、今回の当選が時間短縮状態での当選であることを確認できない場合(ステップS5600:No)、主制御CPU72はステップS5602を実行する。
ステップS5602:主制御CPU72は、今回の当選図柄が「6ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれかに該当しているか否かを確認する。
その結果、今回の当選図柄が「6ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれかに該当していることを確認した場合(ステップS5602:Yes)、主制御CPU72はステップS5608を実行する。これに対して、今回の当選図柄が「6ラウンド確変図柄2」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれかに該当していることを確認できない場合、すなわち、「6ラウンド確変図柄1」に該当していることを確認した場合(ステップS5602:No)、主制御CPU72はステップS5604を実行する。
ステップS5604:主制御CPU72は、区間管理ステータスに第1区間に対応する値をセットする。
ステップS5606:次に主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値に「8」をセットする。セットされた変動パターン選択用カウンタ値は、特別図柄が1回停止表示されるたびに1ずつ減算される。
ステップS5608:主制御CPU72は、区間管理ステータスに特別高確率区間に対応する値をセットする。
ステップS5610:次に主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値に「100」をセットする。セットされた変動パターン選択用カウンタ値は、特別図柄が1回停止表示されるたびに1ずつ減算される。
そして、このような処理を通じて、主制御CPU72は、選択される変動パターンを通常変動としたり、特殊変動としたりすることができる(変動パターン規制手段)。なお、主制御CPU72は、区間管理ステータスの値を設定したり更新したりした場合、その値を反映させた区間管理ステータスコマンドを生成する。区間管理ステータスコマンドは、演出制御出力処理(図9中ステップS212)において、演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は終了処理(図39)に復帰する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図41は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図41中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図41中(A)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶数表示演出実行手段)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「6ラウンド確変大当り1」や「15ラウンド確変大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図41中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。なお、内部状態別に対応するモードについてはさらに後述する。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図41中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図41中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図41中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図41中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも、例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図41中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
図42は、大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。以下の演出例は、後述するカウントダウンゾーン以外で「6ラウンド確変図柄1」や「15ラウンド確変図柄」に該当した場合の演出例を示している。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34(第2特別図柄表示装置35でもよい)において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が「6ラウンド確変大当り1」や「15ラウンド確変大当り」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図42中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、上記のマーカM1,M2及び第4図柄Z1,Z2については、ここでの図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図42中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図42中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図42中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図42中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図42中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「4」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図42中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「4」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「4」−「変動中」−「4」と「5」−「変動中」−「5」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「4」と「5」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。また、本実施形態では、数字の「4」が揃っても、数字の「5」が揃っても確率変動大当りとなるため、演出図柄が3つ揃いするチャンスが2回訪れるという期待感を遊技者に抱かせることができる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「4」と「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図42中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図42中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「8」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「4」又は「5」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「3」まで消去されて「4」が画面手前に残ると「通常(非確変)大当り」であるが、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「確変大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、この場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「4」や「5」の順番が近づくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「3」までが消去されたとすると、今度は「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図42中(H):リーチ演出が終盤に近づいたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる(カットイン演出)。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「3」が消去されれば、次に「4」−「4」−「4」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」〜「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば、「5」−「5」−「5」の大当りになる」という展開もある。したがって、このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔停止表示演出〕
図42中(I):第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。この例では、内部的には当選図柄が「6ラウンド確変大当り1」に該当しているため、演出上で奇数の「5」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させている。
図42中(J):そして、例えば第1特別図柄又は第2特別図柄の確定停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出についても確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。また、この場合に第4図柄Z1又は第4図柄Z2は、「6ラウンド確変大当り1」に対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示される。
また、内部抽選の結果が非当選であれば、第1特別図柄又は第2特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。この場合、画面の中央には「4」や「5」以外の数字「3」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔大役中演出〕
図43は、「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
〔1ラウンド開始時〕
図43中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「5」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「6ラウンド確変大当りの遊技中である」ということを遊技者に対して伝達することができる。
〔6ラウンド〕
図43中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の6ラウンドに移行する。このとき、画面内には「ROUND6」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「5」)が表示されている。
〔大役終了時〕
図43中(C):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「カウントダウンゾーン突入」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「カウントダウンゾーン」という特殊なゾーンに移行すること伝達することができる。なお、時間短縮状態で「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、カウントダウンゾーンには移行せず、後述する花火モードに直接移行する。
〔大役中演出〕
図44は、「15ラウンド確変図柄」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。この大役中演出は、上記のリーチ演出を経て演出図柄が「7」−「7」−「7」の3つ揃いの組み合わせで停止表示された場合に実行される。
〔1ラウンド〕
図44中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「7」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「7の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の左下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示されている。このため、今回の大当りは、通常の大当りとは異なる特別な大当りであるということを遊技者に伝達することができる。
〔15ラウンド〕
図44中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の15ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND15」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(数字の「7」)が引き続き表示されている。
〔大役終了時〕
図44中(C):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。この例では、例えば画面内に「花火モード突入」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「花火モード」に移行することを遊技者に教示することができる。なお、花火モードは、高確率時間短縮状態が8変動にわたって継続し、その後に低確率時間短縮状態が92変動にわたって継続するモードである。
このように、「15ラウンド確変図柄」に該当した場合、遊技者は「カウントダウンゾーン」に移行することによる緊張感を味わうことはできないが、「カウントダウンゾーン」に移行されないということは、100回の時間短縮状態が付与された「花火モード」に移行することを意味しているため、遊技者はその時点で安心して次の大当りを目指すことができる。
〔カウントダウンゾーンの演出例〕
図45〜図49は、カウントダウンゾーンの演出例を示す連続図である。このカウントダウンゾーンは、通常モード(低確率非時間短縮状態)で「6ラウンド確変図柄1」に該当した場合の大当り遊技の終了後に移行されるゾーンである。なお、カウントダウンゾーンは、8変動限定のゾーン演出(特殊演出)となる。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図45中(A):大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、カウントダウンゾーンに突入した状態で演出図柄の変動表示が行われている。カウントダウンゾーンでは、巨大な数字画像が中央に表示され、その巨大な数字画像が時間の経過とともにカウントダウン表示される。このようなカウントダウン演出は、略1秒ごとに数字が1つカウントダウンされる態様により実行される。また、「カウントダウンゾーン」においては、演出図柄の変動表示を意識させないため、演出図柄は、画面の左上隅位置で縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「変動中」−「変動中」−「変動中」)。
さらに、画面の右上隅位置には第1特別図柄の抽選要素に関する記憶数と、第2特別図柄の抽選要素に関する記憶数とが表示されている。図示の例では、第1特別図柄に関しては、「円の図形=1」と表示されているため、第1特別図柄の記憶が1つ存在していることが表現されている。また、第2特別図柄に関しては、「ハートの図形=0」と表示されているため、第2特別図柄の記憶が1つも存在していないことが表現されている。
図45中(B):カウントダウンゾーンでは、巨大な数字画像が時間の経過とともにカウントダウン表示される。図示の例では巨大な数字画像が初期値の「60」から1つカウントダウンされたことにより、「59」の数字画像が表示されている。
図45中(C):図示の例では巨大な数字画像が「59」から1つカウントダウンされたことにより、「58」の数字画像が表示されている。カウントダウンゾーンは、時間短縮状態であるため、遊技者が右打ちを継続していると、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われる。そして、ここでは、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「稲妻小演出」が実行されている。具体的には、巨大な数字画像がキラリと発光する演出が実行される。また、遊技球が下始動入賞口28aに入球したため、画面右上位置では「ハートの図形=1」と示され、第2特別図柄の記憶が1つ増加したことが表現されている。
図45中(D):図示の例では巨大な数字画像が「58」から1つカウントダウンされたことにより、「57」の数字画像が表示されている。
図45中(E):図示の例では巨大な数字画像が「57」から1つカウントダウンされたことにより、「56」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「弱文字演出」が実行されている。具体的には、巨大な数字画像の周囲にハテナのマークが表示される演出が実行される。また、遊技球が下始動入賞口28aに入球したため、画面右上位置では「ハートの図形=2」と示され、第2特別図柄の記憶が1つ増加したことが表現されている。
図45中(F):図示の例では巨大な数字画像が「56」から1つカウントダウンされたことにより、「55」の数字画像が表示されている。
図45中(G):図示の例では巨大な数字画像が「55」から1つカウントダウンされたことにより、「54」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「弱キャラクター演出」が実行されている。具体的には、画面の下部から味方キャラクターが1名登場する演出が実行される。また、遊技球が下始動入賞口28aに入球したため、画面右上位置では「ハートの図形=3」と示され、第2特別図柄の記憶が1つ増加したことが表現されている。
図45中(H):図示の例では巨大な数字画像が「54」から1つカウントダウンされたことにより、「53」の数字画像が表示されている。
図45中(I):図示の例では巨大な数字画像が「53」から1つカウントダウンされたことにより、「52」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「弱キャラクター演出」が実行されている。具体的には、画面の下部から敵キャラクターが登場する演出が実行される。上記のキャラクター演出は、予め表示するキャラクターのシナリオが組まれており、下始動入賞口28aに遊技球が入球するたびにキャラクターが表示されていき、固定キャラクター(提灯のお化け)が出現するとキャラクター演出が終了する。また、遊技球が下始動入賞口28aに入球したため、画面右上位置では「ハートの図形=4」と示され、第2特別図柄の記憶が1つ増加したことが表現されている。
図45中(J):図示の例では巨大な数字画像が「52」から1つカウントダウンされたことにより、「51」の数字画像が表示されている。「弱キャラクター演出」に関しては、すでに固定キャラクター(提灯のお化け)が出現しているため、図示の例では敵キャラクターと味方キャラクターがともに画面下部に消え去っていく演出が実行される。
図46中(K):図示の例では巨大な数字画像が「51」から1つカウントダウンされたことにより、「50」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「稲妻小演出」が実行されている。具体的には、巨大な数字画像がキラリと発光する演出が実行される。なお、この時点ではすでに第2特別図柄の記憶が上限値(4個)に達しているため、画面右上位置の「ハートの図形=4」の表示は変更されない。
図46中(L):図示の例では巨大な数字画像が「50」から1つカウントダウンされたことにより、「49」の数字画像が表示されている。
図46中(M):図示の例では巨大な数字画像が「49」から1つカウントダウンされたことにより、「48」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「弱キャラクター演出」が実行されている。具体的には、画面の下部から味方キャラクターが1名登場する演出が実行される。
図46中(N):図示の例では巨大な数字画像が「48」から1つカウントダウンされたことにより、「47」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「弱キャラクター演出」が実行されている。具体的には、画面の下部から敵キャラクターが登場する演出が実行される。
図46中(O):図示の例では巨大な数字画像が「47」から1つカウントダウンされたことにより、「46」の数字画像が表示されている。「弱キャラクター演出」に関しては、すでに固定キャラクター(提灯のお化け)が出現しているため、図示の例では敵キャラクターと味方キャラクターがともに画面下部に消え去っていく演出が実行される。そして、この時点で、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」−「1」−「5」)。
図46中(P):大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われることで、カウントダウンゾーンの状態で演出図柄の変動表示が行われている。図示の例では巨大な数字画像が「46」から1つカウントダウンされたことにより、「45」の数字画像が表示されている。また、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動を優先して行うこととしているため、図示の例では第2特別図柄に対応する記憶が1つ消化され、画面右上位置の表示も「ハートの図形=3」に更新されている。
図46中(Q):そして、大当り遊技終了後から2回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「8」−「9」−「3」)。大当り遊技終了後の2回目の変動が開始されてから変動が終了するまでは、巨大な数字画像が「45」から「31」まで1つずつカウントダウンされ、その間に下始動入賞口28aに遊技球が入球した場合は、その都度、強度別予告演出が実行される。また、遊技球が下始動入賞口28aに入球すると、第2特別図柄に対応する記憶が1つ増加するため、画面右上位置の表示も再び「ハートの図形=4」と表示される。
図46中(R):大当り遊技終了後から3回目の変動表示が行われることで、カウントダウンゾーンの状態で演出図柄の変動表示が行われている。図示の例では巨大な数字画像が「31」から1つカウントダウンされたことにより、「30」の数字画像が表示されている。図示の例では第2特別図柄に対応する記憶が1つ消化され、画面右上位置の表示も「ハートの図形=3」に更新されている。
図46中(S):そして、大当り遊技終了後から3回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「2」−「2」−「5」)。大当り遊技終了後の3回目の変動が開始されてから変動が終了するまでは、巨大な数字画像が「30」から「16」まで1つずつカウントダウンされ、その間に下始動入賞口28aに遊技球が入球した場合は、その都度、強度別予告演出が実行される。また、遊技球が下始動入賞口28aに入球すると、第2特別図柄に対応する記憶が1つ増加するため、画面右上位置の表示も再び「ハートの図形=4」と表示される。
図46中(T):大当り遊技終了後から4回目の変動表示が行われることで、カウントダウンゾーンの状態で演出図柄の変動表示が行われている。図示の例では巨大な数字画像が「16」から1つカウントダウンされたことにより、「15」の数字画像が表示されている。図示の例では第2特別図柄に対応する記憶が1つ消化され、画面右上位置の表示も「ハートの図形=3」に更新されている。
図47中(U):大当り遊技終了後から4回目の変動表示が継続している。図示の例では巨大な数字画像として「5」の数字画像が表示されている。
図47中(V):図示の例では巨大な数字画像が「5」から1つカウントダウンされたことにより、「4」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が中の「稲妻中演出」が実行されている。具体的には、巨大な数字画像の周囲で小型の稲妻が発生する演出が実行される。なお、この時点ではすでに第2特別図柄の記憶が上限値(4個)に達しているため、画面右上位置の「ハートの図形=4」の表示は変更されない。
図47中(W):図示の例では巨大な数字画像が「4」から1つカウントダウンされたことにより、「3」の数字画像が表示されている。
図47中(X):図示の例では巨大な数字画像が「3」から1つカウントダウンされたことにより、「2」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が中の「中文字演出」が実行されている。具体的には、巨大な数字画像の周囲に1本のビックリマークが表示される演出が実行される。なお、この時点ではすでに第2特別図柄の記憶が上限値(4個)に達しているため、画面右上位置の「ハートの図形=4」の表示は変更されない。
図47中(Y):図示の例では巨大な数字画像が「2」から1つカウントダウンされたことにより、「1」の数字画像が表示されている。
図47中(Z):図示の例では巨大な数字画像が「1」から1つカウントダウンされたことにより、「0」の数字画像が表示されている。これにより一連のカウントダウンによる演出が終了したということを遊技者に対して教示することができる。そして、大当り遊技終了後から4回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」−「2」−「4」)。
図47中(a):大当り遊技終了後から5回目の変動(非当選時)が開始されると、液晶画面はブラックアウトする。5回目の非当選変動は極端に短い変動時間に設定されているため、すべての演出図柄は即座に停止表示される(「5」−「1」−「3」)。
図47中(b):大当り遊技終了後から6回目の変動(非当選時)が開始されても、液晶画面はブラックアウトした状態のままである。6回目の非当選変動は極端に短い変動時間に設定されているため、すべての演出図柄は即座に停止表示される(「6」−「3」−「2」)。
図47中(c):大当り遊技終了後から7回目の変動(非当選時)が開始されても、液晶画面はブラックアウトした状態のままである。7回目の非当選変動は極端に短い変動時間に設定されているため、すべての演出図柄は即座に停止表示される(「7」−「1」−「4」)。
〔扉閉演出〕
図47中(d):大当り遊技終了後から8回目の変動が開始されると、表示画面の両側から扉(襖)が出現し、中央でぴしゃりと閉じる演出が行われる。このような扉閉演出は、それまでのブラックアウト画面から表示内容を一転させることにより、遊技者の目を惹き付ける目的で行われる。
〔遊技説明演出〕
図48中(e):扉閉演出に続けて遊技説明演出が実行される。図示の例では、「ボタンを連打!」という文字情報が勢いよく表示され、これにより遊技者に対して演出切替ボタン45の連続した押下を促すことができる。
ここで、本実施形態では、扉が完全に閉じている状態を「0段階」としており、そこから徐々に扉が開いていくと「2段階」「3段階」「4段階」と演出の段階が進行していき、扉が完全に開いた状態を「5段階」としている。図示の例では、扉が完全に閉じている状態であるため、演出の段階は「0段階」となっている。
また、表示画面の左下の領域には、扉の画像に重ねて演出切替ボタン45を簡略化したボタン画像が表示され、演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出が行われる。そして、このボタン画像の周囲には、ボタン画像を取り囲むようにしてボタン有効時間の経過を示す時間メータが表示されており、その1マスが約1秒間に対応している。図示の例では8マスの時間メータが全て有色の画像で表示されているため、演出切替ボタン45の押下がこれから8秒間程度有効になるということを遊技者に対して教示することができる。なお、時間メータの各マスは、1秒経過するごとに1マスずつ減少していく。
図48中(f):演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出を受けて、遊技者が演出切替ボタン45の連打を開始したものとする。すると、演出切替ボタン45の連打に応じて左右の扉が少しずつ開かれる演出が実行される。
〔段階進行演出(0段階→1段階)〕
「0段階」で所定の演出実行抽選(段階進行抽選)に当選すると、演出の段階が1つ進行する。図示の例では、演出の段階は「1段階」となっており、少し扉が開いている状態である。また、扉の向こう側には、仙人のキャラクターが表示されているが、現段階では扉がほとんど開いていない状態であるため、仙人のキャラクターの視認性はあまりよくない。
この時点で時間メータのマスは、残り6マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は6秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
〔段階進行演出(1段階→2段階)〕
図48中(g):遊技者により引き続き演出切替ボタン45の連打が継続されている。「1段階」で所定の演出実行抽選に当選すると、演出の段階が1つ進行する。図示の例では、演出の段階は「2段階」となっており、さらに扉が開いている状態である。
この時点で時間メータのマスは、残り4マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は4秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
〔段階進行演出(2段階→3段階)〕
図48中(h):遊技者により引き続き演出切替ボタン45の連打が継続されている。「2段階」で所定の演出実行抽選に当選すると、演出の段階が1つ進行する。図示の例では、演出の段階は「3段階」となっており、より一層、扉が開いている状態である。この辺りまで扉が開放すると、仙人のキャラクターの視認性は向上している。
この時点で時間メータのマスは、残り2マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は2秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
〔段階進行演出(3段階→4段階)〕
図49中(i):遊技者により引き続き演出切替ボタン45の連打が継続されている。「3段階」で所定の演出実行抽選に当選すると、演出の段階が1つ進行する。図示の例では、演出の段階は「4段階」となっており、大幅に扉が開いている状態である。この辺りまで扉が開放すると、仙人のキャラクターを完全に確認することができる。
この時点で時間メータのマスは、残り1マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は1秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
〔段階進行演出(4段階→5段階),成功演出〕
図49中(j):大当り遊技終了後から8回目の変動が当選に該当している場合であって所定の演出実行抽選に当選した場合、演出の段階は最終の「5段階」に進行し、左右の扉が完全に開放する演出が実行される。そして今まで静止していた仙人のキャラクターが動き出す成功演出が実行される。なお、「4段階」での所定の演出実行抽選は、その当選確率が低く設定されているため、最終の「5段階」に進むハードルは高くなっている(当選確率の詳細は後述する)。
図49中(k):そして、特別図柄の停止表示に略同期して、すべての演出図柄が停止表示される(「1」−「1」−「1」)。また、画面の中央には「花火モード突入成功」という文字情報が表示され、大当り遊技の終了後には花火モードに突入するということを遊技者に対して教示することができる。
〔失敗演出〕
図49中(l):大当り遊技終了後から8回目の変動が非当選に該当している場合、演出切替ボタン45をいくら押下しても演出の段階が「5段階」に進行することはなく、最終的には左右の扉が閉じてしまう失敗演出が実行される。
図49中(m):そして、特別図柄の停止表示に略同期して、すべての演出図柄が停止表示される(「1」−「2」−「5」)。また、画面の中央には「カウントダウンゾーン終了」という文字情報が表示され、カウントダウンゾーンが終了したということを遊技者に対して教示することができる。そして、この後は通常モードに移行することになる。
〔カウントダウンゾーンの最終変動での当選時の他の演出例〕
図50及び図51は、カウントダウンゾーンの最終変動での当選時の他の演出例を示す連続図である。以下の例では、大当り遊技後から8回目の変動が当選に該当しており、かつ、成功禁止区間に対して「4秒」の時間が設定されている場合の演出例について説明する。
〔遊技説明演出〕
図50中(A):ここでは大当り遊技後8回目の変動表示が行われており、図示の例では扉閉演出に続けて遊技説明演出が実行されている。
この時点で時間メータのマスは、残り8マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は8秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
図50中(B):演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出を受けて、遊技者が演出切替ボタン45の連打を開始したものとする。すると、演出切替ボタン45の連打に応じて左右の扉が少しずつ開かれる演出が実行される。
そして、ここでは、遊技者がある程度の勢いで演出切替ボタン45の連打を実行し、演出の段階が一気に「3段階」まで進行している。この辺りまで扉が開放すると、仙人のキャラクターの視認性は向上している。
この時点で時間メータのマスは、残り6マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は6秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
図50中(C):遊技者により引き続き演出切替ボタン45の連打が継続されている。
図示の例では、大幅に扉が開いている状態であるため、演出の段階は「4段階」となっている。この辺りまで扉が開放すると、仙人のキャラクターを完全に確認することができる。
この時点で時間メータのマスは、残り4マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は4秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
そして、「成功禁止区間」に対応する時間が通常設定となる「4秒」に設定されている場合、この時点から「成功可能区間」に移行するため、遊技者のボタンの連打の具合によっては、演出の段階を「5段階」に進行させて、成功演出を実行させることができる。ただし、図示の例では、未だ成功演出等は実行されていない。なお、成功禁止区間や成功可能区間の詳細は後述する。
図51中(D):遊技者により引き続き演出切替ボタン45の連打が継続されている。図示の例では、大幅に扉が開いている状態からそれ以上扉が開かない状態となっており、演出の段階は「4段階」の状態のままである。
この時点で時間メータのマスは、残り2マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は2秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
〔成功演出〕
図51中(E):大当り遊技終了後から8回目の変動が当選に該当している場合であって所定の演出実行抽選に当選した場合、演出の段階は最終の「5段階」に進行し、左右の扉が完全に開放する演出が実行される。そして今まで静止していた仙人のキャラクターが動き出す成功演出が実行される。
図51中(F):そして、特別図柄の停止表示に略同期して、すべての演出図柄が停止表示される(「2」−「2」−「2」)。また、画面の中央には「花火モード突入成功」という文字情報が表示され、大当り遊技の終了後には花火モードに突入するということを遊技者に対して教示することができる。
〔カウントダウンゾーンの最終変動での当選時のさらに別の演出例〕
図52及び図53は、カウントダウンゾーンの最終変動での当選時のさらに別の演出例を示す連続図である。以下の例では、大当り遊技後から8回目の変動が当選に該当しており、かつ、成功禁止区間に対して「6秒」の時間が設定されている場合の演出例について説明する。
〔遊技説明演出〕
図52中(A):ここでは大当り遊技後8回目の変動表示が行われており、図示の例では扉閉演出に続けて遊技説明演出が実行されている。
この時点で時間メータのマスは、残り8マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は8秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
図52中(B):演出切替ボタン45の押下を遊技者に対して促す演出を受けて、遊技者が演出切替ボタン45の連打を開始したものとする。すると、演出切替ボタン45の連打に応じて左右の扉が少しずつ開かれる演出が実行される。
そして、ここでは、遊技者が相当な勢いで演出切替ボタン45の連打を実行し、演出の段階が一気に「4段階」まで進行している。この辺りまで扉が開放すると、仙人のキャラクターを完全に確認することができる。
この時点で時間メータのマスは、残り6マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は6秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
図52中(C):遊技者により引き続き演出切替ボタン45の連打が継続されている。
図示の例では、演出の段階が「4段階」の状態のままである。
この時点で時間メータのマスは、残り4マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は4秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
そして、「成功禁止区間」が「6秒」に設定されている場合、この時点は未だ「成功禁止区間」であるため、遊技者がいくら演出切替ボタン45を押下しても、最終の5段階に演出の段階が進行することはない。
図53中(D):遊技者により引き続き演出切替ボタン45の連打が継続されている。図示の例では、演出の段階が「4段階」の状態のままである。
この時点で時間メータのマスは、残り2マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は2秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
そして、「成功禁止区間」に対応する時間が特殊設定となる「6秒」に設定されている場合、この時点から「成功可能区間」に移行するため、遊技者のボタンの連打の具合によっては、演出の段階を「5段階」に進行させて、成功演出を実行させることができる。ただし、図示の例では、未だ成功演出等は実行されていない。
〔成功演出〕
図53中(E):大当り遊技終了後から8回目の変動が当選に該当している場合であって所定の演出実行抽選に当選した場合、演出の段階は最終の「5段階」に進行し、左右の扉が完全に開放する演出が実行される。そして今まで静止していた仙人のキャラクターが動き出す成功演出が実行される。
図53中(F):そして、特別図柄の停止表示に略同期して、すべての演出図柄が停止表示される(「5」−「5」−「5」)。また、画面の中央には「花火モード突入成功」という文字情報が表示され、大当り遊技の終了後には花火モードに突入するということを遊技者に対して教示することができる。
〔カウントダウンゾーンの最終変動での復活演出の演出例〕
図54及び図55は、カウントダウンゾーンの最終変動での復活演出の演出例を示す連続図である。
ここで、復活演出とは、当選時の変動であるにも関わらず遊技者が演出切替ボタン45の押下を実行せずに失敗演出が実行された場合や、最初から特殊な当選時演出を実行すると決定されている場合に実行される特殊成功演出である。この復活演出は、失敗演出と同一又は近似した演出を実行した後に先に説明した成功演出とは異なる演出として実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図54中(A):ここでは大当り遊技後8回目の変動表示が行われており、図示の例では大幅に扉が開いている状態であるため、演出の段階は「4段階」となっている。
この時点で時間メータのマスは、残り1マスとなっているため、演出切替ボタン45の残りの有効時間は1秒間程度であるということを遊技者に対して教示することができる。
図54中(B):演出の段階が「4段階」に進行している状況で所定の演出実行抽選に当選しなかった場合、演出の段階が「4段階」に進行している状況で演出切替ボタン45の押下を中止してしまった場合、又は最初から復活演出を実行すると決定されている場合、演出切替ボタン45の有効時間の経過とともに、左右の扉が閉じてしまう失敗演出が実行される。なお、演出切替ボタン45の押下を最初から1回も実行しない場合は、左右の扉は閉じた状態のままである。
図54中(C):そして、画面の中央には「カウントダウンゾーン終了」という文字情報が表示され、ここでは見せかけの情報としてカウントダウンゾーンが終了したということを遊技者に対して教示することができる。なお、演出図柄は変動中の状態を維持している(「変動中」−「変動中」−「変動中」)。
図55中(D):そして図示の例では、「カウントダウンゾーン終了」という文字情報が引き続き表示されている。このとき、画面の左下隅にひび割れの画像が表示される。具体的な演出の態様としては、液晶画面の前方から弾丸が発射され、その弾丸が液晶画面を貫通し、あたかも液晶画面に孔が開いてしまったかのような演出が実行される。
図55中(E):そして、貫通した孔を中心として放射状に入った亀裂(ヒビ)が徐々に液晶画面全体に広がっていく演出が実行される。
図55中(F):最終的には、放射状に広がった亀裂によって表示画面が砕け散る演出が実行され、液晶画面の下部の領域にガラスの破片が粉々になって山積する演出が実行される。そして、それと同時に仙人のキャラクターが喜びながら登場する演出が実行される。この場合、演出図柄は、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示される(「9」−「9」−「9」)。そして、この後は大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了後には花火モードに突入する。
このように、本実施形態によれば、失敗演出とみせかけて復活演出が実行されることがあるため、ひとたび失敗演出が実行されたとしても、そこから逆転する可能性が残されており、遊技者参加型演出に対する遊技者の期待感を最後まで持続させることができる。
また、本実施形態では、扉の画像を用いて遊技者参加型演出がされ、扉の画像の開き具合によって成功演出や失敗演出が実行されるため、遊技者にとって直感的に分かりやすい遊技者参加型演出とすることができる。
〔カウントダウンゾーンのカウントダウン終了前における当選時の演出例〕
図56及び図57は、カウントダウンゾーンにて実行されるカウントダウン演出の最中に当選した場合の演出例を示す連続図である。以下の例では、大当り遊技後4変動目で当選した場合の演出例について説明する。
図56中(A):ここでは大当り遊技後4回目の変動表示が行われており、図示の例では巨大な数字画像として「15」の数字画像が表示されている。
図56中(B):図示の例では巨大な数字画像が「15」から1つカウントダウンされたことにより、「14」の数字画像が表示されている。
図56中(C):図示の例では巨大な数字画像が「14」から1つカウントダウンされたことにより、「13」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「稲妻小演出」が実行されている。具体的には、巨大な数字画像がキラリと発光する演出が実行される。
図56中(D):図示の例では巨大な数字画像が「13」から1つカウントダウンされたことにより、「12」の数字画像が表示されている。
図56中(E):図示の例では巨大な数字画像が「12」から1つカウントダウンされたことにより、「11」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が弱の「弱文字演出」が実行されている。具体的には、巨大な数字画像の周囲にハテナのマークが表示される演出が実行される。
図56中(F):ここまでは、予告強度が弱の予告抽選ゾーンに滞在していたが、ここからは予告強度が中の予告抽選ゾーンに突入したものとする。なお、予告抽選ゾーンの詳細は後述する。図示の例では巨大な数字画像が「11」から1つカウントダウンされたことにより、「10」の数字画像が表示されている。
図56中(G):図示の例では巨大な数字画像が「10」から1つカウントダウンされたことにより、「9」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が中の「中キャラクター演出」が実行されている。具体的には、画面の下部から味方キャラクターが1名登場する演出が実行される。
図56中(H):図示の例では巨大な数字画像が「9」から1つカウントダウンされたことにより、「8」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が中の「中キャラクター演出」が実行されている。具体的には、画面の下部から味方キャラクターが追加で1名登場する演出が実行される。
図56中(I):図示の例では巨大な数字画像が「8」から1つカウントダウンされたことにより、「7」の数字画像が表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が中の「中キャラクター演出」が実行されている。具体的には、画面の下部から敵キャラクターが登場する演出が実行される。
図56中(J):図示の例では巨大な数字画像が「7」から1つカウントダウンされたことにより、「6」の数字画像が表示されている。「中キャラクター演出」に関しては、すでに固定キャラクター(提灯のお化け)が出現しているため、図示の例では敵キャラクターと2名の味方キャラクターがともに画面下部に消え去っていく演出が実行される。
また、この時点で、入球契機当選演出の実行条件が満たされたものする。
ここで、入球契機当選演出とは、特別図柄抽選で当選の結果が得られている状態で特別図柄の変動中に遊技球が下始動入賞口28aに入球した場合、所定の乱数抽選で当選したことを条件として、特別図柄抽選で当選の結果が得られていることを遊技者に対して教示する演出である。
そうすると、この時点から当選時の演出図柄の表示に向けた演出が実行される。図示の例では巨大な数字画像が今までの表示態様よりも少し小さく表示され、巨大な数字画像が少々回転して表示される。また、巨大な数字画像の周囲には渦巻きの画像が表示され、巨大な数字画像が回転しながら画面上奥側に吸い込まれていく演出が実行される。
図57中(K):ここまでは、予告強度が中の予告抽選ゾーンに滞在していたが、ここからは予告強度が強の予告抽選ゾーンに突入したものとする。図示の例では中央の数字画像が「6」から1つカウントダウンされたことにより、「5」の数字画像が表示されている。また、「5」の数字画像は、さらに小さく表示されるとともに、回転して表示され、渦巻きの画像の外周側の先端も、徐々に伸びて表示されている。
図57中(L):図示の例では中央の数字画像が「5」から1つカウントダウンされたことにより、「4」の数字画像が表示されている。また、「4」の数字画像は、さらに小さく表示されるとともに回転して表示され、渦巻きの画像の外周側の先端も、徐々に伸びて表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が強の「稲妻大演出」が実行されている。具体的には、巨大な稲妻が画面中央に落雷する演出が実行される。
図57中(M):図示の例では中央の数字画像が「4」から1つカウントダウンされたことにより、「3」の数字画像が表示されている。また、「3」の数字画像は、さらに小さく表示されるとともに回転して表示され、渦巻きの画像の外周側の先端も、徐々に伸びて表示されている。そして、この時点では、「3」の数字画像はほとんど視認できない程度に小さく表示されている。ここで、可変始動入賞装置28の下始動入賞口28aに遊技球が入球したものとする。すると、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として、強度別予告演出が実行される。図示の例では、強度別予告演出として、予告信頼度が強の「強文字演出」が実行されている。具体的には、巨大な数字画像の周囲に3本のビックリマークが表示される演出が実行される。
図57中(N):そして、すべての演出図柄が奥側から手前側に飛び出してくる演出が実行される。この場合、3つの演出図柄のすべてを表示しきれない程に演出図柄が拡大して表示される。
図57中(O):特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄についても停止表示演出が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。
図57中(P):そして、この後は例えば可変入賞装置30の開放待ち時間を利用して、大当り遊技の終了後に移行されるモードの説明演出が実行される。図示の例では「花火モード」という文字情報が表示されている。
図57中(Q):先の文字情報に続けて「突入成功!」という文字情報が表示されている。これにより、大当り遊技の終了後には「花火モード」に移行するということを遊技者に対して伝達することができる。
図57中(R):そして、この後は15ラウンド大当り遊技に突入し、画面上では15ラウンド大当りに対応した大役中演出が実行される。
〔カウントダウンゾーンのカウントダウン終了後における当選時の演出例〕
図58は、カウントダウンゾーンにて実行されるカウントダウン演出が終了した後に当選した場合の演出例を示す連続図である。以下の例では、大当り遊技後6変動目で当選した場合の演出例について説明する。
図58中(A):大当り遊技終了後から4回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「2」−「2」−「4」)。また、図示の例では巨大な数字画像として「0」の数字画像が表示されている。この時点でカウントダウンゾーン中のカウントダウン演出は終了となる。
図58中(B):大当り遊技終了後から5回目の変動(非当選時)が開始されると、液晶画面はブラックアウトする。5回目の非当選変動は極端に短い変動時間に設定されているため、すべての演出図柄は即座に停止表示される(「6」−「5」−「4」)。
図58中(C):大当り遊技終了後から6回目の変動(当選時)が開始されても、液晶画面はブラックアウトした状態のままである。ただし、今回の変動は当選時の変動であるため、ブラックアウトした画面の中に白抜きの文字が1文字ずつ浮かび上がる演出が実行される。具体的には、「ハナビモードトツニュウ」の文字が表示される。これにより、遊技者に対しては、一連のカウントダウン演出が終了したのに逆転で大当りになるかもしれないといった期待感を与えることができる。
図58中(D):そして、上記の白抜きの文字が全て表示され終わった後には、液晶表示器42の中央部分まで可動体40fが完全に落下する演出が実行される。この際、合わせて背景画像として稲妻又は爆発が発生した様子を示す画像が表示される。
図58中(E):そして、特別図柄の停止表示に略同期して、すべての演出図柄が停止表示される(「3」−「3」−「3」)。
〔花火モードの演出例〕
図59は、花火モードの演出例を示す連続図である。この花火モードは、通常モードにて「15ラウンド確変図柄」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合、又は時間短縮状態にて「15ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄1」又は「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合に移行されるモードでる。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図59中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火モードの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されている。
図59中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」−「1」−「7」)。また、第4図柄Z1は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図59中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。そして、この「花火モード」は、100変動に限って継続するモードとなっており、最初の8変動が高確率時間短縮状態であり、残りの92変動が低確率時間短縮状態となる。なお、図示の例では、第1特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示を示しているが、時間短縮状態では可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるため、遊技球の打ち出しを停止しない限り、大当り遊技終了後から2回目以降の変動表示は、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。
ここで、花火モード中の大当り演出に関しては、上述した各リーチ演出を経て大当りとしてもよいが、上述した各リーチ演出よりも短縮した特定のリーチ演出(例えば、特定のキャラクターが徐々に大きく表示され最大限に大写しに表示されたら大当りとなる演出)を経て大当りとしてもよい。
〔6ラウンド確変図柄2当選時の演出例〕
図60及び図61は、通常モードで「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合に実行される演出例及びモード移行演出例を示す連続図である。
この演出例では、演出図柄を用いた変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。このうち変動表示演出は、特別図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示したことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。なお、以下の説明では、上述した演出例と共通する事項については、その説明を適宜省略する。
〔変動表示演出開始前〕
図60中(A):液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。演出図柄は、数字の「4」−「6」−「7」の組み合わせで停止表示されている。
〔変動表示演出開始〕
図60中(B):液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。また、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されている。
〔左図柄停止〕
図60中(C):画面の中段位置に数字の「1」を表す左演出図柄が停止する。
〔右演出図柄停止〕
図60中(D):画面の中段位置に数字の「5」を表す右演出図柄が停止する。
〔停止表示演出〕
図60中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。通常、特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われるが、ここでは「6ラウンド確変図柄2」の態様で特別図柄が停止表示されているため、中演出図柄に対しては特殊演出図柄を用いた態様で停止表示演出が行われる。
図示の例では、画面の中段位置に「花火」の文字を有する特殊演出図柄が停止表示されている。この例のように中演出図柄に特殊演出図柄を停止させることで、何らかの当りに該当した可能性があることを遊技者に対して教示(示唆)することができる。なお、「6ラウンド確変図柄2」に該当した場合、このような特殊な演出図柄を停止させるのではなく、特定の並び順(チャンス目、順目等)で演出図柄を停止表示させてもよい。
また、第4図柄Z1については、実際に「6ラウンド確変図柄2」に対応する態様(例えば黄表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。
〔モード移行演出例〕
そして、6ラウンド確変図柄2の大当り時には、モード移行演出が実行される。このモード移行演出は、例えば上記の「6ラウンド確変図柄2」の大当りが発生したタイミングで実行される。
〔扉閉演出〕
図61中(F):例えば、それまでの背景画像が図60中(B)に示される「通常モード」であったとすると、6ラウンド確変大当り遊技中(高速開放動作の実行中)に表示画面の両側から扉(襖)が出現し、中央でぴしゃりと閉じる演出が行われる。このような扉閉演出は、それまでの表示画面を一旦覆い隠すことで、遊技者の目を惹き付ける目的で行われる。
〔扉開演出〕
図61中(G):次に、閉じていた扉が表示画面の左右に素早く移動して、扉が大きく開かれる動作を表す演出(扉開演出)が行われる。このような扉開演出は、例えば遊技者に対して、扉が開いた先の結果に興味を抱かせる意味で行われる。
〔モード移行演出〕
図61中(H):扉が開かれた段階で、例えば画面一杯に「高確率状態」に対応する背景画像が表示される。この例では、例えば「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに、女性キャラクターが花火を見上げている様子が演出的に表現されており、「花火モード突入!」という文字情報が表示されている。
〔高確率状態中の演出〕
図61中(I):この後、次回の変動表示演出が開始されると、この時点で既に背景画像は「花火モード」で固定されているため、今回の変動表示演出は「花火モード」中の変動として遊技者に認識される。これにより、遊技者に対して現在の内部状態が「高確率状態」かつ「時間短縮状態」であることを明確に認識させることができる。
また、このように「6ラウンド確変図柄2」に当選した場合には、高確率状態に移行されるのみならず、時間短縮状態にも移行されるため(いわゆる突然確率変動)、これ以降の遊技においては、第2特別図柄による内部抽選の機会が得られやすい状態となる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、区間別演出、大役中演出、カウントダウンゾーン演出、強度別予告演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図62は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、下始動入賞口入球時予告強度決定処理(ステップS400a)、予告演出禁止区間設定処理(ステップS400b)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、区間管理ステータスコマンド、下始動入賞口入球コマンド等がある。
ステップS400a:下始動入賞口入球時予告強度決定処理では、演出制御CPU126は、遊技球が下始動入賞口28aに入球した際に実行するための強度別予告演出に関する予告強度を決定する処理を実行する(区間強度決定手段)。ここで、強度別予告演出とは、入球契機当選演出の実行時期を示唆する演出であり、具体的には入球契機当選演出を実行可能な当り図柄表示可能区間に近づくにつれて強めの予告演出(予告信頼度が高い予告演出)が実行される。なお、下始動入賞口入球時予告強度決定処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS400b:予告演出禁止区間設定処理では、演出制御CPU126は、遊技球が下始動入賞口28aに入球した際に実行する予告演出の禁止区間に関する処理を実行する。なお、予告演出禁止区間設定処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
また、このランプ駆動処理では、カウントダウンゾーン中のランプ点灯演出を管理する。具体的には、演出制御CPU126は、カウントダウンゾーンにおける当選時の変動中(又は当選時よりも前の非当選時の変動中)に下始動入賞口入球コマンドを受信したことを契機として、図示しない特定のランプ(当り確定ランプ)を点灯させる処理を実行する。ただし、下始動入賞口入球コマンドを受信した場合であっても、所定の乱数抽選に当選したことを確認できない場合、演出制御CPU126は、特定のランプを点灯させる処理は実行しない。これにより、特定のランプが点灯すれば、遊技者はその後に花火モードに突入するという事実を前もって知ることができる。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
また、この音響駆動処理では、カウントダウンゾーン中の入賞音予告演出を管理する。具体的には、演出制御CPU126は、カウントダウンゾーン中に下始動入賞口入球コマンドを受信したことを契機として、音響駆動回路134に対して入賞音を発生させる指示を実行する。ただし、下始動入賞口入球コマンドを受信した場合であっても、入賞音予告演出実行可能フラグがONに設定されていることを確認できない場合、演出制御CPU126は、音響駆動回路134に対して入賞音を発生させる指示は実行しない。これにより、あまりにも高頻度で入賞音予告演出が実行されること回避することができる。なお、入賞音予告演出を実行した場合、演出制御CPU126は、入賞音予告演出実行可能フラグをOFFに設定する。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体ソレノイド57を駆動源として動作し、上記のように液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。
〔下始動入賞口入球時予告強度決定処理〕
図63は、下始動入賞口入球時予告強度決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS422:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出コマンドや作動記憶数減少時演出コマンド等を参照し、第2特別図柄の記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。このとき、第2特別図柄の記憶数が最大値未満であれば(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS424を実行する。一方、第2特別図柄の記憶数が最大値に達していれば(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図62)に復帰する。
このように、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であるか否かで判断を分岐させるのではなく、第2特別図柄の記憶数に基づいて判断を分岐させている理由は、通常モードや大当り遊技中にも第2特別図柄の記憶が増加することがあり、その記憶を消費してカウントダウンゾーンでの変動表示演出が実行されることがあるからである。
ステップS424:演出制御CPU126は、RAM130に記憶されている第2特別図柄シナリオ決定テーブルを参照する。
ステップS426:演出制御CPU126は、第2特別図柄シナリオ決定テーブルを参照しながら、抽選により強度別予告演出に用いるシナリオを決定する。なお、第2特別図柄シナリオ決定テーブルやシナリオの抽選方法については後述する。
ステップS428:演出制御CPU126は、決定したシナリオが設定可能であるか否かを確認する。例えば、決定したシナリオが3区間にまたがるシナリオであるが、当選時の当該変動において2区間しか確保できない場合は決定したシナリオが設定可能でないと判断する。一方、決定したシナリオが3区間にまたがるシナリオであり、当選時の当該変動において3区間を確保できる場合は決定したシナリオが設定可能であると判断する。
その結果、決定したシナリオが設定可能であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS432を実行する。一方、決定したシナリオが設定可能であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS430を実行する。
ステップS430:演出制御CPU126は、既に決定されている前変動(当選時の当該変動よりも前の非当選変動)の予告強度が上書き可能か否かを確認する。例えば、当選時の当該変動の前に実行される変動が既に開始されている場合は上書き不可能と判断する。一方、当選時の当該変動の前に実行される変動が未だ開始されていない場合は上書き可能と判断する。
その結果、前変動の予告強度が上書き可能であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS433を実行する。一方、前変動の予告強度が上書き可能であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS436を実行する。
ステップS432:演出制御CPU126は、選択したシナリオに基づいて予告強度を設定する処理を実行する。選択したシナリオには、予告強度に関する情報が格納されているため、演出制御CPU126は、予告強度に関する情報を予告強度情報格納領域(強度情報格納手段)に格納する。予告強度情報格納領域は、4変動分の格納領域を有する記憶領域であり、RAM130に形成されている。また、予告強度情報格納領域には、予告強度に関する情報として、予め最低の強度に対応する情報(初期値)が格納されている。予告強度の格納先については、シナリオ設定回数カウンタの値に基づいて決定される。
ここで、シナリオ設定回数カウンタとは、シナリオの設定回数を示す変数であり、RAM130に記憶されている。シナリオ設定回数カウンタの初期値は「1」であり、シナリオが1回設定されるたびにインクリメントされる。例えば、シナリオ設定回数カウンタの値が「1」であれば、予告強度情報格納領域の第1格納領域に予告強度を設定し、シナリオ設定回数カウンタの値が「2」であれば、予告強度情報格納領域の第2格納領域に予告強度を設定する。シナリオ設定回数カウンタの値が「3」であれば、予告強度情報格納領域の第3格納領域に予告強度を設定し、シナリオ設定回数カウンタの値が「4」であれば、予告強度情報格納領域の第4格納領域に予告強度を設定する。このように、シナリオ設定回数カウンタの値は、予告強度情報格納領域の各格納領域に対応しており、シナリオ設定回数カウンタの値が「5」に更新された場合は、対応する格納領域が存在したないため、予告強度の値は設定されない。なお、シナリオ設定回数カウンタは、カウントダウンゾーンが終了した時点で「1」に再設定され、予告強度情報格納領域の内容は、カウントダウンゾーンが終了した時点で初期値(デフォルト)に再設定される。
ステップS433:演出制御CPU126は、選択したシナリオに基づいて、当該変動で格納しきれない部分の予告強度を前変動の対応する部分に上書きする処理を実行する。
ステップS434:演出制御CPU126は、選択したシナリオに基づいて、残りの予告強度を設定する処理を実行する。これらの処理により、1回の変動内で選択されたシナリオに基づいて予告強度を決定することができない場合であっても、複数の変動に跨って選択されたシナリオに基づいて予告強度を決定することができる。
ステップS436:演出制御CPU126は、上書きできない部分を除外したシナリオに基づいて予告強度を設定する処理を実行する。これにより、選択したシナリオに含まれるすべてのパーツの内容に基づいて予告強度を決定する処理を回避して、変更することができない予告強度に対応するパーツを除いて当該変動の予告強度を決定することができる。
ステップS432、ステップS434又はステップS436のいずれかの処理を実行すると、次に演出制御CPU126は、ステップS438を実行する。
ステップS438:演出制御CPU126は、シナリオ設定回数カウンタをインクリメントする。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図62)に復帰する。
〔予告演出禁止区間設定処理〕
図64は、予告演出禁止区間設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS440:演出制御CPU126は、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドの値を確認し、区間管理ステータスコマンドの値が第1区間から第4区間のいずれかの値を示していれば、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であると判断することができる。
その結果、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS442を実行し、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図62)に復帰する。
ステップS442:演出制御CPU126は、特別遊技後変動回数が5回未満であるか否かを確認する。特別遊技後変動回数の確認は、特別遊技が終了した後の特別図柄の変動回数をRAM130でカウントしておくことにより実現することができる。
その結果、特別遊技後変動回数が5回未満であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS444を実行する。一方、特別遊技後変動回数が5回未満であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図62)に復帰する。特別遊技後変動回数が5回未満である場合に限って以下の処理を実行する理由は、特別遊技後変動回数が5回に達した後は、入賞音予告演出や強度別予告演出を実行しないためである。
ステップS444:演出制御CPU126は、入賞音予告演出禁止タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は予め「1度入賞音予告演出が実行されてから次の入賞音予告演出の実行を許容するまでの時間」として設定されている入賞音予告演出禁止タイマのカウントダウンを実行する。具体的には、本モジュールの初回呼び出し時であれば、演出制御CPU126は入賞音予告演出禁止タイマの値に初期値(例えば1秒程度)を設定し、初回以降の呼び出し時であれば、演出制御CPU126は設定済みの入賞音予告演出禁止タイマの値をデクリメントする。
ステップS446:演出制御CPU126は、カウントダウン処理後の入賞音予告演出禁止タイマの値が0以下であるか否かを確認する。未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、演出制御CPU126は次のステップS448を実行しない。一方、タイマの値が0以下になっていれば(Yes)、演出制御CPU126は次のステップS448を実行する。
ステップS448:演出制御CPU126は、入賞音予告演出実行可能フラグをONに設定する。このため、タイマの値が0になる前は、次なる入賞音予告演出の実行を禁止することができ、タイマの値が0になった後は、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として入賞音予告演出を実行することができる。これにより、入賞音予告演出が実行されすぎてしまうという状況を回避することができる。
ステップS450:演出制御CPU126は、強度別予告演出禁止タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は予め「強度別予告演出が実行されてから次の強度別予告演出の実行を許容するまでの時間」として設定されている強度別予告演出禁止タイマのカウントダウンを実行する。具体的には、本モジュールの初回呼び出し時であれば、演出制御CPU126は強度別予告演出禁止タイマの値に初期値(例えば2秒程度)を設定し、初回以降の呼び出し時であれば、演出制御CPU126は設定済みの強度別予告演出禁止タイマの値をデクリメントする。
ステップS452:演出制御CPU126は、カウントダウン処理後の強度別予告演出禁止タイマの値が0以下であるか否かを確認する。未だタイマの値が0以下になっていなければ(No)、演出制御CPU126は次のステップS454を実行しない。一方、タイマの値が0以下になっていれば(Yes)、演出制御CPU126は次のステップS454を実行する。
ステップS454:演出制御CPU126は、強度別予告演出実行可能フラグをONに設定する。このため、タイマの値が0になる前は、次なる強度別予告演出の実行を禁止することができ、タイマの値が0になった後は、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として強度別予告演出を実行することができる。これにより、強度別予告演出が実行されすぎてしまうという状況を回避することができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図62)に復帰する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図65は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。また、カウントダウンゾーンにおいては、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した記憶数の表示を増加させる演出を選択する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を消去させたりスライドさせたりする演出を選択する。また、カウントダウンゾーンにおいては、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した記憶数の表示を減少させる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図62)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図66は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図14中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択する。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。なお、6ラウンド確変大当り2に該当した場合は、特殊演出図柄を停止表示させる態様で停止表示演出を実行し、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば15ラウンド確変大当りや6ラウンド確変大当り1の場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、15ラウンドや6ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。一方、6ラウンド確変大当り2に該当した場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、特殊演出パターン(モード移行演出パターン)を選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。
〔演出図柄変動前処理〕
図67は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図62中のステップS404)、ランプ駆動処理(図62中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS603を実行する。
ステップS603:演出制御CPU126は、変動開始時予告強度決定処理を実行する(区間強度決定手段)。変動開始時予告強度決定処理は、第1特別図柄に対応する予告強度を決定する処理を実行する。
本実施形態では、第2特別図柄に対応する第2抽選要素が優先的に用いられるため、第2特別図柄に対応する第2抽選要素が記憶された際に予告強度を決定するのと同様に、第1特別図柄に対応する第1抽選要素が記憶された際に予告強度を決定すると、その後に第2特別図柄に対応する第2抽選要素が記憶された場合には、第1特別図柄に対する予告強度の決定処理が無駄になってしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、第1特別図柄については変動を開始する際(変動開始の直前)に予告強度を決定することにしており、予告強度の決定処理に関する無駄を排除して、第2特別図柄優先消化に適した予告強度の決定処理を実現することができる。なお、変動開始時予告強度決定処理の内容については、別の図面を用いて後述する。
そして、変動開始時予告強度決定処理を終了すると、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図66中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される(演出実行手段)。
〔変動開始時予告強度決定処理〕
図68は、変動開始時予告強度決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS620:演出制御CPU126は、今回の変動が第1特別図柄の変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、今回の変動が第1特別図柄に対応する変動パターンコマンドに基づく変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS622を実行し、今回の変動が第1特別図柄の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図67)に復帰する。
ステップS622:演出制御CPU126は、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドの値を確認し、区間管理ステータスコマンドの値が第1区間から第4区間のいずれかの値を示していれば、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であると判断することができる。
その結果、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS624を実行し、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図67)に復帰する。
ステップS624:演出制御CPU126は、特別遊技後変動回数が5回未満であるか否かを確認する。特別遊技後変動回数の確認は、特別遊技が終了した後の特別図柄の変動回数をRAM130でカウントしておくことにより実現することができる。
その結果、特別遊技後変動回数が5回未満であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS626を実行する。一方、特別遊技後変動回数が5回未満であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図67)に復帰する。特別遊技後変動回数が5回未満である場合に限って以下の処理を実行する理由は、特別遊技後変動回数が5回に達した後は、強度別予告演出を実行しないためである。
ステップS626:演出制御CPU126は、RAM130に記憶されている第1特別図柄シナリオ決定テーブルを参照する。
ステップS628:演出制御CPU126は、第1特別図柄シナリオ決定テーブルを参照しながら、強度別予告演出に用いるシナリオを決定する。ただし、第1特別図柄シナリオ決定テーブルでは1つのシナリオが限定して選択されるテーブルとなっているため、演出制御CPU126は、その1つのシナリオである基礎シナリオ(シナリオ1)に決定する。なお、第1特別図柄シナリオ決定テーブルやシナリオの決定方法については後述する。
ステップS630:演出制御CPU126は、決定したシナリオに基づいて予告強度を設定する処理を実行する。予告強度の設定方法は、先のステップS432で述べた通りである。
ステップS632:演出制御CPU126は、シナリオ設定回数カウンタをインクリメントする。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図67)に復帰する。
〔大当り時変動演出パターン選択処理〕
図69は、上記の大当り時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドの値を確認し、区間管理ステータスコマンドの値が第1区間から第4区間のいずれかの値を示していれば、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であると判断することができる。
その結果、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS802を実行し、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、特殊大当り時演出パターン選択処理を実行する(特殊演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、「大当りの組み合わせ」を構成するものとなる。
この処理では、演出制御CPU126は、カウントダウンゾーンでの滞在区間に応じた演出パターンを選択する。演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドを確認することにより、滞在区間を確認することができる。なお、特殊大当り時演出パターン選択処理の詳細は後述する。
ステップS804:演出制御CPU126は、通常大当り時演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、「大当りの組み合わせ」を構成するものとなる。この処理では、低確率状態(通常区間)での当選となるため、リーチ演出後に大当りとなる演出パターンが選択される。
そして、ステップS802又はステップS804のいずれかの処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図67)に復帰する。
〔特殊大当り時演出パターン選択処理〕
図70は、上記の特殊大当り時演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御CPU126は、滞在区間が第1区間又は第2区間であるか否かを確認する。滞在区間は、RAM130のコマンドバッファ領域に記憶されている区間管理ステータスコマンドにより確認することができる。
その結果、滞在区間が第1区間又は第2区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS814を実行し、滞在区間が第1区間又は第2区間のいずれでもないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS812を実行する。
ステップS812:演出制御CPU126は、滞在区間が第3区間であるか否かを確認する。
その結果、滞在区間が第3区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS816を実行し、滞在区間が第3区間でないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS818を実行する。
ステップS814:演出制御CPU126は、第1区間又は第2区間大当り時演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンのカウントダウン中に当選となる演出パターン(図57等)を選択する処理を実行する。
ここで、カウントダウンゾーンの第1区間又は第2区間(1変動目から4変動目)において当選した場合、当選時の変動時間は「10秒」「15秒」「20秒」の3種類が選択される可能性がある(変動パターン番号「33」「34」「35」)。このため、この処理を実行した時点では、当選図柄表示タイミング(演出図柄を当選の態様で表示するタイミング)を変動時間の残り2秒の時点と仮に設定しておく。
例えば、当選時の変動時間が「10秒」であれば、「8秒」が経過した時点で演出図柄が当選の態様で表示される演出パターンが選択される。ただし、当選図柄表示可能区間との関係上、「8秒」が経過する前に演出図柄が当選の態様で表示されることもあるので、そのような場合は仮に設定された演出パターンが演出図柄変動中処理(図76)の中で変更され、前倒しで演出図柄が当選の態様で表示される。
ステップS816:演出制御CPU126は、第3区間大当り時演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンのカウントダウンが終了した後のブラックアウト中に当選となる演出パターン(図58等)を選択する処理を実行する。
ステップS818:演出制御CPU126は、第4区間大当り時演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンの最後の遊技者参加型演出にて当選となる演出パターン(図48,図49中(i)(j)(k)等)を選択する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
そして、ステップS814〜ステップS818のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理(図69)に復帰する。
〔第4区間大当り時演出パターン選択処理〕
図71は、上記の第4区間大当り時演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS820:演出制御CPU126は、復活演出を実行するか否かを決定する。具体的には、演出乱数を用いて所定の抽選(例えば4分の1で当選する抽選)を実行し、その抽選に当選した場合は復活演出を実行すると判断する。
その結果、復活演出を実行すると決定した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS822を実行し、復活演出を実行しないと決定した場合(No)、演出制御CPU126はステップS826を実行する。
ステップS822:演出制御CPU126は、限界値に「4」を設定する(限界値設定手段)。ここで、限界値とは、いずれの段階まで遊技者参加型演出の段階を進行させることができるかを定める値であり、RAM130に記憶されている。例えば、限界値が「4」に設定された場合、遊技者参加型演出の段階は「4段階」までしか進行しない。一方、限界値が「5」に設定された場合、遊技者参加型演出の段階は最終の「5段階」まで進行する。
ステップS824:演出制御CPU126は、復活大当り演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンの最後の遊技者参加型演出にて復活演出を経て当選となる演出パターン(図54,図55等)を選択する処理を実行する。
ステップS826:演出制御CPU126は、限界値に「5」を設定する(限界値設定手段)。
ステップS828:演出制御CPU126は、成功禁止区間設定処理を実行する(演出区間設定手段)。この処理において、演出制御CPU126は、成功禁止区間に対応する時間を設定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS830:演出制御CPU126は、通常大当り演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンの最後の遊技者参加型演出にて当選となる演出パターン(図48,図49中(i)(j)(k)等)を選択する処理を実行する。
そして、ステップS824又はステップS830のいずれかの処理を終えると、演出制御CPU126は、特殊大当り時演出パターン選択処理(図70)に復帰する。
〔成功禁止区間設定処理〕
図72は、上記の成功禁止区間設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS840:演出制御CPU126は、所定の乱数抽選を実行し、その乱数抽選に当選しているか否か(所定の条件が満たされたか否か)を確認する。具体的には、演出乱数を用いて所定の抽選(例えば10分の1で当選する抽選)を実行する。
その結果、乱数抽選に当選していないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS842を実行する。一方、乱数抽選に当選していることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS844を実行する。
ステップS842:演出制御CPU126は、成功禁止区間に所定時間(例えば4秒)を設定する。
ステップS844:演出制御CPU126は、成功禁止区間に特殊延長時間(例えば6秒)を設定する(特殊延長時間設定手段)。
そして、ステップS842又はステップS844のいずれかの処理を終えると、演出制御CPU126は、第4区間大当り時演出パターン選択処理(図71)に復帰する。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図73は、上記のはずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS850:演出制御CPU126は、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドの値を確認し、区間管理ステータスコマンドの値が第1区間から第4区間のいずれかの値を示していれば、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であると判断することができる。
その結果、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852を実行し、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS854を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、特殊はずれ時演出パターン選択処理を実行する(特殊演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。
また、演出制御CPU126は、カウントダウンゾーンでの滞在区間に応じた演出パターンを選択する。演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドを確認することにより、滞在区間を確認することができる。なお、特殊はずれ時演出パターン選択処理の詳細は後述する。
ステップS854:演出制御CPU126は、通常はずれ時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。この処理では、低確率状態(通常区間)でのはずれとなるため、リーチ演出を実行しないではずれとなる演出パターンを選択したり、リーチ演出を実行した後にはずれとなる演出パターンを選択したりする。
そして、ステップS852又はステップS854のいずれかの処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図67)に復帰する。
〔特殊はずれ時演出パターン選択処理〕
図74は、上記の特殊はずれ時演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS860:演出制御CPU126は、滞在区間が第1区間又は第2区間であるか否かを確認する。滞在区間は、RAM130のコマンドバッファ領域に記憶されている区間管理ステータスコマンドにより確認することができる。
その結果、滞在区間が第1区間又は第2区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS864を実行し、滞在区間が第1区間又は第2区間のいずれでもないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS862を実行する。
ステップS862:演出制御CPU126は、滞在区間が第3区間であるか否かを確認する。
その結果、滞在区間が第3区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS866を実行し、滞在区間が第3区間でないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS868を実行する。
ステップS864:演出制御CPU126は、第1区間又は第2区間はずれ時演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンのカウントダウン演出がそのまま進行してはずれとなる演出パターン(図45,図46等)を選択する処理を実行する。
ステップS866:演出制御CPU126は、第3区間はずれ時演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンのカウントダウン演出が終了した後のブラックアウト中にはずれとなる演出パターン(図47中(a)(b)(c)等)を選択する処理を実行する。
ステップS868:演出制御CPU126は、第4区間はずれ時演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンの最後の遊技者参加型演出にてはずれとなる演出パターン(図48,図49中(i)(l)(m)等)を選択する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
そして、ステップS864〜ステップS868のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理(図73)に復帰する。
〔第4区間はずれ時演出パターン選択処理〕
図75は、上記の第4区間はずれ時演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS880:演出制御CPU126は、限界値に「4」を設定する(限界値設定手段)。
ステップS882:はずれ演出パターン選択処理を実行する。具体的には、カウントダウンゾーンの最後の遊技者参加型演出にてはずれとなる演出パターン(図48,図49中(i)(l)(m)等)を選択する処理を実行する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、特殊はずれ時演出パターン選択処理(図74)に復帰する。
〔演出図柄変動中処理〕
図76は、上記の演出図柄変動中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS900:演出制御CPU126は、当選図柄表示演出管理処理を実行する(実行可能区間決定手段)。当選図柄表示演出管理処理では、当選時の変動表示演出においてどのタイミングで演出図柄を3つ揃いの態様で表示するかを決定する処理を実行する。なお、当選図柄表示演出管理処理の詳細は後述する。
ステップS920:演出制御CPU126は、強度別予告演出管理処理を実行する。強度別予告演出管理処理では、図柄の変動中に下始動入賞口28aに遊技球が入球した際に実行する強度別予告演出の内容を管理する処理を実行する。なお、強度別予告演出管理処理の詳細は後述する。
ステップS920:演出制御CPU126は、演出切替ボタン演出管理処理を実行する。演出切替ボタン演出管理処理では、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。例えば、カウントダウンゾーンの最終段階で実行される遊技者参加型演出にて演出切替ボタン45の押下状況を監視し、その押下状況に応じて次第に扉の画像を開いていく演出パターンを選択する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図66)に復帰する。
〔当選図柄表示演出管理処理〕
図77は、上記の当選図柄表示演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS902:演出制御CPU126は、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドの値を確認し、区間管理ステータスコマンドの値が第1区間から第4区間のいずれかの値を示していれば、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であると判断することができる。
その結果、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS904を実行し、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。
ステップS904:演出制御CPU126は、特別遊技後変動回数が5回未満であるか否かを確認する。特別遊技後変動回数の確認は、特別遊技が終了した後の特別図柄の変動回数をRAM130でカウントしておくことにより実現することができる。
その結果、特別遊技後変動回数が5回未満であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS906を実行する。一方、特別遊技後変動回数が5回未満であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。特別遊技後変動回数が5回未満である場合に限って以下の処理を実行する理由は、特別遊技後変動回数が5回に達した後は、当選図柄の表示タイミングを変更することはないからである。
ステップS906:演出制御CPU126は、下始動入賞口入球コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、下始動入賞口入球コマンドが保存されているか否かを確認する。なお、RAM130のコマンドバッファ領域に保存されている下始動入賞口入球コマンドは、コマンド受信処理(図63中ステップS400)にて下始動入賞口入球コマンドを受信しなかった場合には消去される。
その結果、下始動入賞口入球コマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS908を実行する。一方、下始動入賞口入球コマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。
ステップS908:演出制御CPU126は、現時点が当選図柄表示可能区間であるか否かを確認する。ここで、カウントダウンゾーンの1変動目から4変動目(第1区間又は第2区間)において当選した場合、当選時の変動時間は「10秒」「15秒」「20秒」の3種類が選択される可能性がある(変動パターン番号「33」「34」「35」)。
そして、本実施形態では、当選時の特別図柄の変動時間が複数の区間に区画されている(区間設定手段)。具体的には、「10秒」の当り変動が選択された場合には前半の「5秒間」を当選図柄表示不可能区間としており、後半の「5秒間」を当選図柄表示可能区間としている。また、「15秒」の当り変動が選択された場合には、前半の「10秒間」を当選図柄表示不可能区間としており、後半の「5秒間」を当選図柄表示可能区間としている。さらに、「20秒」の当り変動が選択された場合には、前半の「15秒間」を当選図柄表示不可能区間としており、後半の「5秒間」を当選図柄表示可能区間としている。このように、変動パターンに対して当選図柄表示可能区間の開始タイミングは決まっているが、遊技者の見た目では判断することができない。
このため、「10秒」の当り変動が選択された場合には最初の「5秒間」で演出図柄が3つ揃いの態様で表示されることはなく、「15秒」の当り変動が選択された場合には最初の「10秒間」で演出図柄が3つ揃いの態様で表示されることはなく、「20秒」の当り変動が選択された場合には最初の「15秒間」で演出図柄が3つ揃いの態様で表示されることはない。なお、はずれ変動では、当選図柄表示可能区間は設定されない。
そして、演出制御CPU126は、変動開始時からの経過時間を計測しており、経過時間が当選図柄表示可能区間に対応する値に達していれば、現時点が当選図柄表示可能区間であると判断することができる。
その結果、現時点が当選図柄表示可能区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS910を実行する。一方、現時点が当選図柄表示可能区間であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。
ステップS910:演出制御CPU126は、乱数抽選に当選しているか否かを確認する。具体的には、演出乱数を用いて所定の抽選(例えば3分の1で当選する抽選)を実行する。
その結果、乱数抽選に当選していることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS912を実行する。一方、乱数抽選に当選していることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。この処理を実行する理由は、当選図柄表示可能区間で下始動入賞口28aに遊技球が入球した場合であっても、必ず当選図柄を表示するのではなく、一定の場合に限って当選図柄を表示する演出を実行するためである。
ステップS912:演出制御CPU126は、当選図柄抽選処理を実行する。具体的には、どの種類の演出図柄を3つ揃いさせるか否かを抽選により決定する処理(例えば演出図柄を「1」−「1」−「1」と表示するのか、「2」−「2」−「2」と表示するのかを決定する処理)を実行する。ただし、当選図柄が15ラウンド確変図柄に該当している場合は特定の表示態様(「7」−「7」−「7」)に限定することもできる。
ステップS914:演出制御CPU126は、当選図柄表示演出選択処理を実行する(入球契機当選演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は当選図柄抽選処理で決定した態様により演出図柄を3つ揃いの態様で表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、特殊大当り時演出パターン選択処理(図70)のステップS814にて仮に設定された演出パターンが変更され、当初に決定した当選図柄表示タイミングよりも前倒しで演出図柄が当選の態様で表示される。なお、前倒しで演出図柄を表示した際の残りの変動時間は、演出図柄の揺らす演出等により吸収することができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。
〔強度別予告演出管理処理〕
図78は、上記の強度別予告演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS922:演出制御CPU126は、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドの値を確認し、区間管理ステータスコマンドの値が第1区間から第4区間のいずれかの値を示していれば、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であると判断することができる。
その結果、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS924を実行し、遊技状態がカウントダウンゾーンでの遊技中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。
ステップS924:演出制御CPU126は、特別遊技後変動回数が5回未満であるか否かを確認する。特別遊技後変動回数の確認は、特別遊技が終了した後の特別図柄の変動回数をRAM130でカウントしておくことにより実現することができる。
その結果、特別遊技後変動回数が5回未満であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS926を実行する。一方、特別遊技後変動回数が5回未満であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。特別遊技後変動回数が5回未満である場合に限って以下の処理を実行する理由は、特別遊技後変動回数が5回に達した後は、強度別予告演出を実行しないからである。
ステップS926:演出制御CPU126は、下始動入賞口入球コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、下始動入賞口入球コマンドが保存されているか否かを確認する。
その結果、下始動入賞口入球コマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS928を実行する。一方、下始動入賞口入球コマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。
ステップS928:演出制御CPU126は、強度別予告演出実行可能フラグがONに設定されているか否かを確認する。
その結果、強度別予告演出実行可能フラグがONに設定されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS930を実行する。一方、強度別予告演出実行可能フラグがONに設定されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。この処理を実行する理由は、あまりにも高頻度で強度別予告演出が実行されること回避するためである。
ステップS930:演出制御CPU126は、強度別予告演出パターン選択処理を実行する(強度別予告演出実行手段)。この処理にて、演出制御CPU126は、強度別の予告演出パターン選択テーブルを参照しながら実際に実行する強度別予告演出の内容を決定する。
このように、強度別予告演出は、原則として遊技球が下始動入賞口28aに入球するたびに実行されるため、遊技者に対しては遊技球の打ち出しを促進させることができ、それだけ遊技機の稼働率を向上させることができる。また、強度別予告演出は、遊技者による遊技に起因して実行される演出となるため、遊技者自身が強度別予告演出を開始させたかのような感覚を与えることができる。
本実施形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の記憶が上限数まで記憶されている場合であっても、遊技球が下始動入賞口28aに入球するたびに強度別予告演出が実行されるので、強度別予告演出の実行頻度を向上させることができ、それだけ演出効果を高めることができる。
また、通常の遊技機であれば、第1特別図柄や第2特別図柄の記憶が上限数まで記憶されている場合には、それ以上の始動入賞口への入球は無効球になってしまうため、遊技者は遊技球の打ち出しを停止するものであるが、本実施形態では第1特別図柄や第2特別図柄の記憶が上限数まで記憶されている場合であっても強度別予告演出が実行されるので、遊技球の打ち出しを促進することができ、結果として遊技機の稼働率を向上させることができる。なお、強度別予告演出パターン選択処理の具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS932:演出制御CPU126は、強度別予告演出実行可能フラグをOFFに設定する。これにより、再び強度別予告演出実行可能フラグがONになるまでは強度別予告演出は実行できないことになる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。
〔強度別予告演出パターン選択処理〕
図79は、上記の強度別予告演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS952:演出制御CPU126は、現時点での予告強度が「強」であるか否かを確認する。演出制御CPU126は、変動開始時からの経過時間を計測しているため、予告強度の確認は、その経過時間に基づいて予告強度情報格納領域に格納されている予告強度の値を確認することにより実現することができる。なお、演出制御CPU126は、特別遊技後変動回数が1回の場合は予告強度情報格納領域の第1格納領域を参照し、特別遊技後変動回数が2回の場合は予告強度情報格納領域の第2格納領域を参照する。また、演出制御CPU126は、特別遊技後変動回数が3回の場合は予告強度情報格納領域の第3格納領域を参照し、特別遊技後変動回数が4回の場合は予告強度情報格納領域の第4格納領域を参照する。これにより、特別遊技後変動回数に対応した予告強度を確認することができる。
その結果、現時点での予告強度が「強」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS954を実行し、現時点での予告強度が「強」であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS956を実行する。
ステップS954:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドに基づいてはずれ変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動がはずれ変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS964を実行する。一方、今回の変動がはずれ変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS966を実行する。なお、小当り変動の場合は特に規定していないが、はずれ変動とみなして処理を実行することができる。
ステップS956:演出制御CPU126は、現時点での予告強度が「中」であるか否かを確認する。
その結果、現時点での予告強度が「中」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS958を実行し、現時点での予告強度が「中」であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS960を実行する。
ステップS958:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドに基づいてはずれ変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動がはずれ変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS968を実行する。一方、今回の変動がはずれ変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS970を実行する。
ステップS960:演出制御CPU126は、現時点での予告強度が「弱」であるか否かを確認する。
その結果、現時点での予告強度が「弱」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS962を実行し、現時点での予告強度が「弱」であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS976を実行する。
ステップS962:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドに基づいてはずれ変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動がはずれ変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS972を実行する。一方、今回の変動がはずれ変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS974を実行する。
ステップS964:演出制御CPU126は、はずれ強用予告演出パターン選択テーブルを参照することにより、予告強度が強となるはずれ時の予告演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS966:演出制御CPU126は、当り強用予告演出パターン選択テーブルを参照することにより、予告強度が強となる当選時の予告演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS968:演出制御CPU126は、はずれ中用予告演出パターン選択テーブルを参照することにより、予告強度が中となるはずれ時の予告演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS970:演出制御CPU126は、当り中用予告演出パターン選択テーブルを参照することにより、予告強度が中となる当選時の予告演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS972:演出制御CPU126は、はずれ弱用予告演出パターン選択テーブルを参照することにより、予告強度が弱となるはずれ時の予告演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS974:演出制御CPU126は、当り弱用予告演出パターン選択テーブルを参照することにより、予告強度が弱となる当選時の予告演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS976:演出制御CPU126は、初期値用予告演出パターン選択テーブルを参照することにより、予告強度が弱よりも弱い初期値となる予告演出パターンを選択する処理を実行する。
〔第1特別図柄シナリオ決定テーブル〕
図80は、第1特別図柄シナリオ決定テーブルを示す図である。
このテーブルは、第1特別図柄の変動開始時に使用するテーブルである(シナリオ規定手段)。具体的には、変動開始時予告強度決定処理(図68)のステップS626にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには予め用意されているシナリオが示されている。
変動パターン番号の詳細は以下の通りである。
(1)変動パターン番号「21」:14.4秒はずれ変動
(2)変動パターン番号「41」:15.0秒はずれ変動
(3)変動パターン番号「61」:0.6秒はずれ変動
(4)変動パターン番号「81」:18.0秒はずれ変動
(5)変動パターン番号「33」:10.0秒当り変動
(6)変動パターン番号「34」:15.0秒当り変動
(7)変動パターン番号「35」:20.0秒当り変動
(8)変動パターン番号「51」:12.5秒当り変動
(9)変動パターン番号「71」:22.0秒当り変動
ここで、本実施形態では、変動開始時予告強度決定処理(図68)のステップS624において、特別遊技後変動回数が5回未満であるか否かについての確認処理を実行しているため、特別遊技後変動回数が5回未満である場合に変動パターン番号「81」,「51」,「71」が選択されることはない。これは、変動パターン番号「81」,「51」,「71」は、特別遊技後変動回数が5回以上である際に選択され得る変動パターンとなるからである。
このように、変動開始時予告強度決定処理(図68)のステップS624にて特別遊技後変動回数の判定を行っている場合は、本テーブルに規定されている変動パターン番号「81」,「51」,「71」に付与されている振分値はあまり意味をなさない。ただし、変動開始時予告強度決定処理(図68)のステップS624にて変動回数の確認処理を行わず、特別遊技後変動回数が8回に達するまで強度別予告演出の実行抽選を行いつつも5変動目以降は強度別予告演出を実行しない場合や、何かしらの不具合が発生して特別遊技後変動回数が5回未満であるにも関わらず変動パターン番号「81」,「51」,「71」が選択されてしまった場合には、これらの振分値が意味を生じることになる。
さらに、本テーブルでは、変動パターンが9通りであり、シナリオが7通りであるため、演出パターンについての精査はそれほど手間にはならないが、変動パターンやシナリオの組み合わせが相当多数にわたる場合(それぞれが100通り以上である場合)、1つ1つの演出パターンに対する精査が手間となる。このため、実際には生じ得ない演出に対しても振分値を付与することにより、遊技機の製造時における演出パターンの精査の手間を軽減させることができる。なお、以下の予告演出パターン選択テーブルについても同様である。
一方、シナリオの詳細は以下の通りである。
(1)シナリオ1:初期値(デフォルト)
(2)シナリオ2:はずれ変動用の弱・中・強
(3)シナリオ3:はずれ変動用の中・強
(4)シナリオ4:はずれ変動用の強
(5)シナリオ5:当り変動用の弱・中・強
(6)シナリオ6:当り変動用の中・強
(7)シナリオ7:当り変動用の強
ここで、上記のシナリオは、一又は複数のパーツにより構成されている。例えば、シナリオ2は「弱」,「中」,「強」の3パーツにより構成されており、シナリオ3は「中」,「強」の2パーツにより構成されており、シナリオ4は「強」の1パーツにより構成されている。
また、図中の数値は分母を250とした場合の割合に相当しており、同一の行に示される値の合計値は250となっている。
このため、第1特別図柄シナリオ決定テーブルにおいては、変動パターン番号「21」が選択された場合、250分の250の割合でシナリオ1が選択される。
また、その他の変動パターン番号「41」〜「71」についても、250分の250の割合でシナリオ1が選択される。
したがって、第1特別図柄シナリオ決定テーブルでは、いかなる変動パターン番号が選択されている場合であっても100%の割合でシナリオ1が選択されることになる。
〔第2特別図柄シナリオ決定テーブル〕
図81は、第2特別図柄シナリオ決定テーブルを示す図である。
このテーブルは、第2特別図柄の記憶が取得された際に使用するテーブルである。具体的には、下始動入賞口入球時予告強度決定処理(図63)のステップS424にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには予め用意されているシナリオが示されている。変動パターン番号やシナリオの詳細は上述した通りである。
第2特別図柄シナリオ決定テーブルにおいては、変動パターン番号「21」,「41」が選択された場合、250分の180の割合でシナリオ1が選択され、250分の24の割合でシナリオ2が選択され、250分の23の割合でシナリオ3が選択され、250分の23の割合でシナリオ4が選択される。
また、変動パターン番号「61」,「81」,「51」,「71」が選択された場合、250分の250の割合でシナリオ1が選択される。
さらに、変動パターン番号「33」,「34」,「35」が選択された場合、250分の100の割合でシナリオ1が選択され、250分の126の割合でシナリオ5が選択され、250分の13の割合でシナリオ6が選択され、250分の11の割合でシナリオ7が選択される。
したがって、第2特別図柄シナリオ決定テーブルでは、選択された変動パターン番号に応じてそれぞれ異なるシナリオが選択されることになる。
このように、本実施形態によれば、一定のシナリオが始めから用意されており、その中から1つのシナリオを選択して予告強度が決定されるため、複数の区間に対してその都度、予告強度を抽選する必要はない。このため、シナリオさえ決定すればその後は自動的に各区間に適用する予告強度が決定されるので、予告強度を決定する際の処理負担を軽減させることができる。
また、本実施形態では、段階的に予告強度が強くなるシナリオが用意されているため、最終的な当選時の演出に向けて徐々に演出の内容を盛り上げていくことができる。したがって、当選の態様で演出図柄が表示される時期に近づくほど信頼度の高い予告演出が実行されるため、結果的に当選時の演出が実行される区間が近づいているということを強度別予告演出によって示唆することができる。
〔初期値用予告演出パターン選択テーブル〕
図82は、初期値用予告演出パターン選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、予告強度が初期値(デフォルト)に設定されている場合に使用されるテーブルである(強度別予告演出パターン規定手段)。具体的には、強度別予告演出パターン選択処理(図79)のステップS976にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには演出内容が示されている。変動パターン番号の詳細は上述した通りである。
演出内容の詳細は以下の通りである。
(1)演出無し:何も演出が行わない。
(2)稲妻小:小さい光のエフェクトが表示される演出が実行される。
(3)稲妻中:小さい稲妻が表示される演出が実行される。
(4)稲妻大:大きい稲妻が表示される演出が実行される。
(5)弱文字:ハテナマークが表示される演出が実行される。
(6)中文字:1本のビックリマークが表示される演出が実行される。
(7)強文字:3本のビックリマークが表示される演出が実行される。
(8)弱キャラクタ:最大1名の味方キャラクターが表示される演出が実行される。
(9)中キャラクタ:最大2名の味方キャラクターが表示される演出が実行される。
(10)強キャラクタ:最大3名の味方キャラクターが表示される演出が実行される。
初期値用予告演出パターン選択テーブルにおいては、変動パターン番号「21」,「41」が選択された場合、250分の200の割合で「演出無し」が選択され、250分の20の割合で「稲妻小」が選択され、250分の20の割合で「弱文字」が選択され、250分の10の割合で「弱キャラクタ」が選択される。
また、変動パターン番号「61」,「81」,「51」,「71」が選択された場合、250分の250の割合で「演出無し」が選択される。
さらに、変動パターン番号「33」,「34」,「35」が選択された場合、250分の170の割合で「演出無し」が選択され、250分の30の割合で「稲妻小」が選択され、250分の30の割合で「弱文字」が選択され、250分の20の割合で「弱キャラクタ」が選択される。
したがって、初期値用予告演出パターン選択テーブルでは、「演出無し」や「稲妻小」といった比較的弱めの予告演出が実行されることになる。
〔はずれ弱用予告演出パターン選択テーブル〕
図83は、はずれ弱用予告演出パターン選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、非当選時の変動であって予告強度が弱に設定されている場合に使用されるテーブルである(強度別予告演出パターン規定手段)。具体的には、強度別予告演出パターン選択処理(図79)のステップS972にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには演出内容が示されている。変動パターン番号や演出内容の詳細は上述した通りである。
はずれ弱用予告演出パターン選択テーブルにおいては、変動パターン番号「21」,「41」が選択された場合、250分の170の割合で「演出無し」が選択され、250分の30の割合で「稲妻小」が選択され、250分の30の割合で「弱文字」が選択され、250分の20の割合で「弱キャラクタ」が選択される。
また、変動パターン番号「61」,「81」が選択された場合、250分の250の割合で「演出無し」が選択される。
したがって、はずれ弱用予告演出パターン選択テーブルでは、「演出無し」や「稲妻小」といった比較的弱めの予告演出が実行されることになる。ただし、初期値用予告演出パターン選択テーブルよりも「演出無し」の選択率が低く設定されているため、初期値用予告演出パターン選択テーブルよりも各種予告演出が実行されやすいテーブルとなっている。
〔はずれ中用予告演出パターン選択テーブル〕
図84は、はずれ中用予告演出パターン選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、非当選時の変動であって予告強度が中に設定されている場合に使用されるテーブルである(強度別予告演出パターン規定手段)。具体的には、強度別予告演出パターン選択処理(図79)のステップS968にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには演出内容が示されている。変動パターン番号や演出内容の詳細は上述した通りである。
はずれ中用予告演出パターン選択テーブルにおいては、変動パターン番号「21」,「41」が選択された場合、250分の20の割合で「演出無し」が選択され、250分の30の割合で「稲妻小」が選択され、250分の50の割合で「稲妻中」が選択され、250分の30の割合で「弱文字」が選択され、250分の50の割合で「中文字」が選択され、250分の20の割合で「弱キャラクタ」が選択され、250分の50の割合で「中キャラクタ」が選択される。
また、変動パターン番号「61」,「81」が選択された場合、250分の250の割合で「演出無し」が選択される。
したがって、はずれ中用予告演出パターン選択テーブルでは、「稲妻中」や「中文字」、「中キャラクタ」といった演出信頼度が中程度の予告演出が高頻度で実行されることになる。
〔はずれ強用予告演出パターン選択テーブル〕
図85は、はずれ強用予告演出パターン選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、非当選時の変動であって予告強度が強に設定されている場合に使用されるテーブルである(強度別予告演出パターン規定手段)。具体的には、強度別予告演出パターン選択処理(図79)のステップS964にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには演出内容が示されている。変動パターン番号や演出内容の詳細は上述した通りである。
はずれ強用予告演出パターン選択テーブルにおいては、変動パターン番号「21」,「41」が選択された場合、250分の10の割合で「演出無し」が選択され、250分の5の割合で「稲妻小」が選択され、250分の30の割合で「稲妻中」が選択され、250分の45の割合で「稲妻大」が選択され、250分の5の割合で「弱文字」が選択され、250分の30の割合で「中文字」が選択され、250分の45の割合で「強文字」が選択され、250分の5の割合で「弱キャラクタ」が選択され、250分の30の割合で「中キャラクタ」が選択され、250分の45の割合で「強キャラクタ」が選択される。
また、変動パターン番号「61」,「81」が選択された場合、250分の250の割合で「演出無し」が選択される。
したがって、はずれ強用予告演出パターン選択テーブルでは、「稲妻大」や「強文字」、「強キャラクタ」といった演出強度が強めの予告演出も実行されることになるとともに、すべての予告演出が満遍なく実行されるテーブルとなる。
〔当り弱用予告演出パターン選択テーブル〕
図86は、当り弱用予告演出パターン選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、当選時の変動であって予告強度が弱に設定されている場合に使用されるテーブルである(強度別予告演出パターン規定手段)。具体的には、強度別予告演出パターン選択処理(図79)のステップS974にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには演出内容が示されている。変動パターン番号や演出内容の詳細は上述した通りである。
当り弱用予告演出パターン選択テーブルにおいては、変動パターン番号「33」,「34」,「35」が選択された場合、250分の140の割合で「演出無し」が選択され、250分の30の割合で「稲妻小」が選択され、250分の10の割合で「稲妻中」が選択され、250分の30の割合で「弱文字」が選択され、250分の10の割合で「中文字」が選択され、250分の20の割合で「弱キャラクタ」が選択され、250分の10の割合で「中キャラクタ」が選択される。
また、変動パターン番号「51」,「71」が選択された場合、250分の250の割合で「演出無し」が選択される。
したがって、当り弱用予告演出パターン選択テーブルでは、「演出無し」や「稲妻小」といった比較的弱めの予告演出が実行されることになるが、「稲妻中」や「中文字」といった演出信頼度が中程度の強度の予告演出も実行されるテーブルとなっている。
〔当り中用予告演出パターン選択テーブル〕
図87は、当り中用予告演出パターン選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、当選時の変動であって予告強度が中に設定されている場合に使用されるテーブルである(強度別予告演出パターン規定手段)。具体的には、強度別予告演出パターン選択処理(図79)のステップS970にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには演出内容が示されている。変動パターン番号や演出内容の詳細は上述した通りである。
当り中用予告演出パターン選択テーブルにおいては、変動パターン番号「33」,「34」,「35」が選択された場合、250分の20の割合で「演出無し」が選択され、250分の20の割合で「稲妻小」が選択され、250分の50の割合で「稲妻中」が選択され、250分の10の割合で「稲妻大」が選択され、250分の20の割合で「弱文字」が選択され、250分の50の割合で「中文字」が選択され、250分の10の割合で「強文字」が選択され、250分の10の割合で「弱キャラクタ」が選択され、250分の50の割合で「中キャラクタ」が選択され、250分の10の割合で「強キャラクタ」が選択される。
また、変動パターン番号「51」,「71」が選択された場合、250分の250の割合で「演出無し」が選択される。
したがって、当り中用予告演出パターン選択テーブルでは、各種予告演出に振分値が設定されており、「演出無し」の選択比率が極端に低く設定されている。このため、本テーブルは、何かしらの予告演出が程よく実行されるテーブルとなっている。
〔当り強用予告演出パターン選択テーブル〕
図88は、当り強用予告演出パターン選択テーブルを示す図である。
このテーブルは、当選時の変動であって予告強度が強に設定されている場合に使用されるテーブルである(強度別予告演出パターン規定手段)。具体的には、強度別予告演出パターン選択処理(図79)のステップS966にて参照されるテーブルとなる。また、このテーブルの左カラムには、変動パターン番号が示されており、上段カラムには演出内容が示されている。変動パターン番号や演出内容の詳細は上述した通りである。
当り強用予告演出パターン選択テーブルにおいては、変動パターン番号「33」,「34」,「35」が選択された場合、250分の5の割合で「稲妻小」が選択され、250分の20の割合で「稲妻中」が選択され、250分の65の割合で「稲妻大」が選択され、250分の5の割合で「弱文字」が選択され、250分の10の割合で「中文字」が選択され、250分の65の割合で「強文字」が選択され、250分の5の割合で「弱キャラクタ」が選択され、250分の10の割合で「中キャラクタ」が選択され、250分の60の割合で「強キャラクタ」が選択される。
また、変動パターン番号「51」,「71」が選択された場合、250分の250の割合で「演出無し」が選択される。
したがって、当り強用予告演出パターン選択テーブルでは、「稲妻大」や「強文字」、「強キャラクタ」といった比較的強めの予告演出が実行されることになる。また、変動パターン番号「33」,「34」,「35」については、「演出無し」の選択比率が設定されてないため、必ず何かしらの予告演出が実行されることになる。
図89及び図90は、予告強度の設定方法の概要を示す概念図である。なお、図89は当選時の当該変動まで順当に予告強度を設定していく際の設定方法を示しており、図90は当選時の当該変動よりも前の変動の予告強度を上書きする際の設定方法を示している。
ここで、本実施形態では、通常モードで6ラウンド確変図柄1に該当して高確率時間短縮状態(カウントダウンゾーン)に突入させる場合、予告抽選ゾーンという概念と、予告強度という概念を用いて当選までの一連の予告演出を管理している。
〔予告抽選ゾーン〕
ここで、予告抽選ゾーンとは、カウントダウンゾーン中の1変動分に対応する区間であり、1変動分の区間は内部的にさらに3分割(区間A〜区間C)されている。カウントダウンゾーンでのカウントダウン演出は、カウントダウンゾーンの開始4変動で実行するため、内部的には4変動分の予告抽選ゾーンが存在している。
〔予告強度〕
予告抽選ゾーンの各区間(区間A〜区間C)には、抽選により予告演出の強度(予告強度)が設定される。予告強度が設定されるのは、第1特別図柄は変動開始時であり、第2特別図柄は抽選要素の記憶時である。
本実施形態において、予告強度の段階は以下の7段階である。
(1)初期値(デフォルト)
(2)はずれ変動用の弱
(3)はずれ変動用の中
(4)はずれ変動用の強
(5)当り変動用の弱
(6)当り変動用の中
(7)当り変動用の強
ここで、「初期値(デフォルト)」は最低の強度に該当し、「はずれ変動用の強」や「当り変動用の強」は最大の強度に該当する。
そして、予告強度の抽選については、シナリオ単位で実行している。シナリオについても7種類(シナリオ1〜7)が用意されている。なお、7種類のシナリオの詳細はすでに述べた通りである。
次に、図89及び図90を参照しながら、予告抽選ゾーンに対する予告強度の決定の流れを説明する。なお、図示の例は最初の3つ目までの記憶がはずれ変動であり、最後の4つ目の記憶が当り変動の場合の例を示している。カウントダウンゾーン中は、当り図柄の表示タイミング(具体的には当り図柄表示可能区間)が当り変動の種類によって異なるため、記憶された抽選要素が当り変動である場合、その当り図柄の表示タイミングと同じゾーンに当り変動用の強が存在するように予告強度を格納する。ただし、場合によっては予告強度が初期値のまま当選することもある。
〔図89中(A);F1〕1個目の抽選要素が記憶
例えば、通常モードで6ラウンド確変図柄1に該当し、6ラウンド大当り遊技が実行され、大当り遊技の終了時点で第1特別図柄の記憶も第2特別図柄の記憶も「0」である場合を想定する。
そして、この状態で第2特別図柄に対応する1個目の抽選要素が記憶されたものとする。このとき、シナリオとしては「はずれ変動用の弱・中・強(シナリオ2)」に当選したものとする。
そうすると、1変動目の区間Aには予告強度として(2)はずれ変動用の弱が格納され、1変動目の区間Bには予告強度として(3)はずれ変動用の中が格納され、1変動目の区間Cには予告強度として(4)はずれ変動用の強が格納される。なお、この時点では、2変動目から4変動目までの予告強度は未決定の状態である。
〔図89中(B);F2〕2個目の抽選要素が記憶
ついで、第2特別図柄に対応する2個目の抽選要素が記憶されたものとする。このとき、シナリオとしては「はずれ変動用の中・強(シナリオ3)」に当選したものとする。
ここで、シナリオの内容が3パーツに満たない場合(2パーツや1パーツである場合)、各パーツは右詰して格納される。例えば、シナリオの内容が2パーツである場合、区間Aには予告強度が格納されず、区間B及び区間Cに2パーツ分の予告強度が格納される。また、シナリオの内容が1パーツである場合、区間A及び区間Bには予告強度が格納されず、区間Cに1パーツ分の予告強度が格納される。
このため、2変動目の区間Aには、予告強度は格納されない。ただし、2変動目の区間Aには、予告強度として初めから(1)初期値(デフォルト)が格納されている。また、2変動目の区間Bには予告強度として(3)はずれ変動用の中が格納され、2変動目の区間Cには予告強度として(4)はずれ変動用の強が格納される。なお、この時点では、3変動目及び4変動目の予告強度は未決定の状態である。
〔図89中(C);F3〕3個目の抽選要素が記憶
さらに、第2特別図柄に対応する3個目の抽選要素が記憶されたものとする。このとき、シナリオとしては「初期値(シナリオ1)」に当選したものとする。
この場合、3変動目の区間A〜区間Cには、予告強度として既に(1)初期値(デフォルト)が格納されているため、格納内容を更新する処理は実行されない。なお、この時点では、4変動目の予告強度は未決定の状態である。
このように、本実施形態では、予告強度を決定するたびに格納内容を更新するのではなく、初期値(最低の強度)以外の強度に決定した場合に限って格納内容を更新するので、予告強度の更新頻度が軽減されることになり、効率のよい制御処理を実現することができる。
〔図89中(D);F4〕4個目の抽選要素が記憶
最後に、第2特別図柄に対応する4個目の抽選要素が記憶されたものとする。このとき、シナリオとしては「当り変動用の弱・中・強(シナリオ5)」に当選したものとする。
そうすると、4変動目の区間Aには予告強度として(5)当り変動用の弱が格納され、4変動目の区間Bには予告強度として(6)当り変動用の中が格納され、4変動目の区間Cには予告強度として(7)当り変動用の強が格納される。
そして、キャラクター予告演出(ミニキャラクター演出)や、稲妻演出(エフェクト演出)、文字演出等の強度別予告演出は、「時間経過による現在の変動での区間」と「第1特別図柄の変動開始時又は第2特別図柄の抽選要素の記憶時に決定された予告強度」とに基づいて抽選により決定される。
ここで、強度別予告演出は、下始動入賞口28aに遊技球が入球した際に実行される演出となるため、1変動内で複数回、強度別予告演出が実行されることがある。また、予告強度が弱いほど弱い予告演出(当選図柄表示タイミングが迫っているという期待感が低い予告演出)が実行され、予告強度が強いほど強い予告演出(当選図柄表示タイミングが迫っているという期待感が高い予告演出)が実行される。なお、本実施形態では特に規定していないが、当り確定の予告演出を実行する場合は、「当り変動用」の予告強度でしか実行できない抽選態様にする必要がある。
そして、本実施形態では、予告強度が段階的に高く設定されるシナリオにより予告強度を構成しているため、抽選により実行される予告演出も段階的に強いものが表示される。このため、当り図柄表示可能区間に近づくにつれて強めの予告が表示されることになり、結果的に当り図柄表示の表示タイミングの示唆をすることができる。
ここで、図示の例では、当り図柄表示区間が4変動目の区間Cに設定されている。このため、選択されたシナリオの3つの予告強度(弱・中・強)をそのまま1つの予告抽選ゾーン(4変動目)に格納することができる。ただし、当り図柄表示区間が4変動目の区間Aや区間Bに決定された場合、選択されたシナリオの3つの予告強度(弱・中・強)をそのまま1つの予告抽選ゾーン格納することができない。そこで、このような場合は、図90に示す上書き処理を実行している。なお、〔F1〕〜〔F3〕までの3個目の抽選要素が記憶されるまでの処理内容については同様の処理内容となるため説明を省略する。
〔図90中(D);F5〕4個目の抽選要素が記憶
3個目の抽選要素に続けて、第2特別図柄に対応する4個目の抽選要素が記憶されたものとする。このとき、シナリオとしては「当り変動用の弱・中・強(シナリオ5)」に当選したものとする。
この場合、本来であれば、4変動目の区間Aには予告強度として(5)当り変動用の弱が格納され、1変動目の区間Bには予告強度として(6)当り変動用の中が格納され、1変動目の区間Cには予告強度として(7)当り変動用の強が格納されるものであるが、図示の例では、当り図柄表示区間が4変動目の区間Bに決定されているため、選択されたシナリオの3つの予告強度(弱・中・強)をそのまま4変動目の予告抽選ゾーンに格納することができない。
そこで、このような場合は、1つ前の3変動目の区間Cの予告強度を上書きすることにしており、これにより選択されたシナリオの3つの予告強度(弱・中・強)を2変動にまたがって実行することができる。そして、このような上書き処理により、当り図柄の表示タイミングと同じ予告抽選ゾーンに当り変動用の強を存在させることができる。
ただし、3変動目の変動が開始されており、3変動目の区間Cの予告強度を上書きすることができない状況である場合には、3変動目の区間Cの予告強度を上書きする処理を回避して、上書することができない予告強度(弱)を除いた予告強度(中・強)を設定する。
〔演出切替ボタン管理処理〕
図91は、上記の演出切替ボタン管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS710:演出制御CPU126は、今回の変動がカウントダウンゾーンの第4区間での変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、区間管理ステータスコマンドの値を確認し、区間管理ステータスコマンドの値が第4区間の値を示していれば、今回の変動がカウントダウンゾーンの第4区間での変動であると判断することができる。
その結果、今回の変動がカウントダウンゾーンの第4区間での変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS712を実行し、今回の変動がカウントダウンゾーンの第4区間での変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS714を実行する。
ステップS712:演出制御CPU126は、遊技者参加型演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、遊技者参加型演出に関する各種値を設定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS714:演出制御CPU126は、通常演出切替ボタン演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、カウントダウンゾーン以外で実行される演出にて演出切替ボタン45の押下状況を監視し、その押下状況に応じて例えば会話予告演出等の演出の内容を変化させる演出パターンを選択する処理を実行する。
そして、ステップS712又はステップS714のいずれかの処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動中処理(図76)に復帰する。
〔遊技者参加型演出管理処理〕
図92は、遊技者参加型演出管理処理の構成例を示すフローチャートである。
遊技者参加型演出管理処理において、演出制御CPU126は、演出切替ボタン45により受け付けられた操作入力を利用して、成功又は失敗の結果を出力する遊技者参加型演出を実行する(遊技者参加型演出実行手段)。
また、遊技者参加型演出管理処理は、実行選択処理(ステップS720)、遊技説明演出選択処理(ステップS722)、タイマ演出選択処理(ステップS724)、演出切替ボタン押下時演出選択処理(ステップS726)、成功演出選択処理(ステップS728)、失敗演出選択処理(ステップS730)、復活演出選択処理(ステップS732)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って遊技者参加型演出管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS720:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS722〜ステップS732のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして遊技者参加型演出管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ遊技説明演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として遊技説明演出選択処理(ステップS722)を選択する。一方、既に遊技説明演出選択処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先としてタイマ演出選択処理(ステップS724)を選択する。また、既にタイマ演出選択処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出切替ボタン押下時演出選択処理(ステップS726)を選択する。そして、演出切替ボタン押下時演出選択処理において次のジャンプ先として、成功演出選択処理(ステップS728)、失敗演出選択処理(ステップS730)、又は復活演出選択処理(ステップS732)のいずれかの処理が選択されるといった具合である。
ステップS722:遊技説明演出選択処理では、演出制御CPU126は、遊技者参加型演出に関する遊技説明を行う演出パターンを選択する処理を実行する。具体的には、遊技者参加型演出が開始したことを遊技者に対して教示するために、「ボタンを連打!!」という文字情報を表示する演出パターン(例えば、図48中(e))を選択する処理を実行する。なお、遊技説明演出選択処理は、カウントダウンゾーン中に一度実行されると、次にカウントダウンゾーンに突入するまでは実行されない(スキップされる)処理となる。
ステップS724:タイマ演出選択処理では、演出制御CPU126は、表示画面の左下の領域にボタン画像を表示し、所定の時間(約1秒間)の経過とともに時間メータのマスを1つずつ消去する演出パターン(例えば、図48)を選択する処理を実行する。
ステップS726:演出切替ボタン押下時演出選択処理では、演出制御CPU126は、演出切替ボタン45の押下時に実行される各種演出を制御する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS728:成功演出選択処理では、演出制御CPU126は、遊技者参加型演出にて成功の結果を出力する演出パターンを選択する(成功演出実行手段)。具体的には、遊技者参加型演出にて成功の結果が得られたことを遊技者に伝達する演出パターン(例えば、図49中(j)に示す仙人のキャラクターに動作を行わせる演出や、図49中(k)に示す将来的に花火モードに突入することを教示する演出等)を選択する処理を実行する。
ステップS730:失敗演出選択処理では、演出制御CPU126は、遊技者参加型演出にて失敗の結果を出力する演出パターンを選択する(失敗演出実行手段)。具体的には、遊技者参加型演出にて失敗の結果が得られたことを遊技者に伝達する演出パターン(例えば、図49中(l)に示す扉を閉じる演出や、図49中(m)に示すカウントダウンゾーンが終了したことを教示する演出等)を選択する処理を実行する。
ステップS732:復活演出選択処理では、演出制御CPU126は、遊技者参加型演出にて失敗の結果を出力したものと見せかけて、成功の結果を出力する(復活演出を実行する)演出パターンを選択する(特殊成功演出実行手段)。具体的には、遊技者参加型演出にて逆転で成功の結果が得られたことを遊技者に伝達する演出パターン(例えば、図54,図55等)を選択する処理を実行する。
〔演出切替ボタン押下時演出選択処理〕
図93は、上記の演出切替ボタン押下時演出選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS750:演出制御CPU126は、有効時間タイマカウントダウン処理を実行する(有効時間設定手段)。この処理では、演出制御CPU126は予め「演出切替ボタン45の有効な押下時間」として設定されている有効時間タイマのカウントダウンを実行する。具体的には、本モジュールの初回呼び出し時であれば、演出制御CPU126は有効時間タイマの値に初期値(例えば8秒程度)を設定し、初回以降の呼び出し時であれば、演出制御CPU126は設定済みの有効時間タイマの値をデクリメントする。
ステップS752:演出制御CPU126は、現時点が演出切替ボタン45の有効時間内であるか否かを確認する。この確認は、カウントダウン処理後の有効時間タイマの値が0以下であるか否かを確認し、有効時間タイマの値が0よりも大きい値であれば現時点が有効時間内であると判断することができる。
その結果、現時点が有効時間内であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS762を実行し、現時点が有効時間内であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS754を実行する。
ステップS754:演出制御CPU126は、今回の変動が当選の変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドに基づいて当選の変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が当選の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS758を実行する。一方、当選の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS760を実行する。
ステップS758:演出制御CPU126は、復活演出選択処理を遊技者参加型演出管理処理(図92)における次のジャンプ先に設定する。
ステップS760:演出制御CPU126は、失敗演出選択処理を遊技者参加型演出管理処理(図92)における次のジャンプ先に設定する。
ステップS762:演出制御CPU126は、演出切替ボタン45が押下されたか否かを確認する。具体的には、演出切替ボタン45から操作(押下)信号が出力されたか否かを確認する。
その結果、演出切替ボタン45が押下されたことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS764を実行する。一方、演出切替ボタン45が押下されたことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は遊技者参加型演出管理処理(図92)に復帰する。
ステップS764:演出制御CPU126は、ボタン押下時演出パターン選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、初期状態のボタン画像を押下された状態のボタン画像に変更したり、演出切替ボタン45の押下を示すエフェクトを表示したりする演出パターン(例えば図48等)を選択する処理を実行する。
ステップS765:演出制御CPU126は、当選回数値が限界値未満であるか否かを確認する。当選回数値の初期値は「0」であり、後述する段階進行抽選処理(ステップS772)で当選の結果が得られるたびに1加算される。なお、当選回数値は、カウントダウンゾーンが終了した段階でリセットされる。一方、限界値は、第4区間大当り時演出パターン選択処理(図71)や、第4区間はずれ時演出パターン選択処理(図75)で設定される値である。
その結果、当選回数値が限界値未満であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS766を実行する。一方、当選回数値が限界値未満であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は遊技者参加型演出管理処理(図92)に復帰する。この処理により、当選回数値が限界値に達した場合には、それ以上演出の段階が進行しないことになる。
ステップS766:演出制御CPU126は、遊技者参加型演出における演出の進行段階が4段階目であるか否かを確認する。具体的には、RAM130に記憶されている当選回数値を確認し、当選回数値の値が「4」であれば遊技者参加型演出における演出の進行段階が4段階目であると判断することができる。
その結果、遊技者参加型演出における演出の進行段階が4段階目であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS768を実行する。一方、遊技者参加型演出における演出の進行段階が4段階目であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS772を実行する。
ステップS768:演出制御CPU126は、今回の変動が当選の変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドに基づいて当選の変動であるか否かを確認する。
その結果、今回の変動が当選の変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS770を実行する。一方、当選の変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は遊技者参加型演出管理処理(図92)に復帰する。
これにより、非当選時には以下の段階進行抽選処理(ステップS772)を実行しないため、制御処理の負担を軽減することができる。
ステップS770:演出制御CPU126は、現時点が成功禁止区間内であるか否かを確認する。この確認は、カウントダウン処理後の有効時間タイマの値が「4秒以下」又は「2秒以下」であるか否かを確認し、有効時間タイマの値が「4秒」又は「2秒」よりも大きい値であれば現時点が成功禁止区間内であるであると判断することができる。
ここで、「4秒」を基準とするのは、先の成功禁止区間設定処理(図72)において成功禁止区間に所定時間(例えば4秒)が設定された場合であり、「2秒」を基準とするのは、先の成功禁止区間設定処理(図72)において成功禁止区間に特殊延長時間(例えば6秒)が設定された場合である。
その結果、現時点が成功禁止区間内であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は遊技者参加型演出管理処理(図92)に復帰し、現時点が成功禁止区間内であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS772を実行する。
ステップS772:演出制御CPU126は、段階進行抽選処理を実行する。具体的には、段階進行抽選テーブルを用いて遊技者参加型演出の演出の段階を進行させるか否かに関する抽選を実行する。なお、段階進行抽選テーブルの詳細は後述する。
ステップS774:演出制御CPU126は、先の段階進行抽選処理(ステップS772)の結果が当選であるか否かを確認する。
その結果、当選であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS776を実行する。一方、当選であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は遊技者参加型演出管理処理(図92)に復帰する。
ステップS776:演出制御CPU126は、RAM130に記憶されている当選回数値をインクリメントする処理を実行する。
ステップS778:演出制御CPU126は、段階進行演出パターン選択処理を実行する(段階進行演出実行手段)。具体的には、当選回数値の値に応じて扉の画像を徐々に開いていく演出パターンを選択する。
例えば、当選回数値の値が「1」であれば、遊技者参加型演出における演出の進行段階を「0段階」から「1段階」に進行させる演出パターン(図48中(f))を選択し、当選回数値の値が「2」であれば、遊技者参加型演出における演出の進行段階を「1段階」から「2段階」に進行させる演出パターン(図48中(g))を選択する。
また、当選回数値の値が「3」であれば、遊技者参加型演出における演出の進行段階を「2段階」から「3段階」に進行させる演出パターン(図48中(h))を選択し、当選回数値の値が「4」であれば、遊技者参加型演出における演出の進行段階を「3段階」から「4段階」に進行させる演出パターン(図49中(i))を選択する。
さらに、当選回数値の値が「5」であれば、遊技者参加型演出における演出の進行段階を「4段階」から「5段階」に進行させる演出パターン(図49中(j))を選択する。
ステップS780:演出制御CPU126は、当選回数値が「5」であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のバッファ領域にアクセスし、記憶されている当選回数値の値と「5」とを比較する。
その結果、当選回数値が「5」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS782を実行する。一方、当選回数値が「5」であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は遊技者参加型演出管理処理(図92)に復帰する。
ステップS782:演出制御CPU126は、成功演出選択処理を遊技者参加型演出管理処理(図92)における次のジャンプ先に設定する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、遊技者参加型演出管理処理(図92)に復帰する。
〔段階進行抽選テーブル〕
図94は、段階進行抽選テーブルを示す図である。
この段階進行抽選テーブルは、遊技者参加型演出にて演出の段階を進行させるか否かの抽選時に使用されるテーブルである(演出実行抽選当選確率規定手段)。具体的には、演出切替ボタン押下時演出選択処理(図93)の段階進行抽選処理(ステップS772)にて参照されるテーブルとなる。
また、このテーブルの左カラムには、遊技者参加型演出の滞在段階が示されており、中カラムには当選変動が選択されている際の段階進行演出の当選確率が示されており、右カラムには非当選変動が選択されている際の段階進行演出の当選確率が示されている。
〔滞在段階=0〕
滞在段階が「0段階」である場合、演出の段階を次の「1段階」に進めるための演出実行抽選では、当選変動が選択されている場合の当選確率は「2.5分の1」であり、非当選変動が選択されている場合の当選確率も「2.5分の1」である。
〔滞在段階=1〕
滞在段階が「1段階」である場合、演出の段階を次の「2段階」に進めるための演出実行抽選では、当選変動が選択されている場合の当選確率は「2.5分の1」であり、非当選変動が選択されている場合の当選確率も「2.5分の1」である。
〔滞在段階=2〕
滞在段階が「2段階」である場合、演出の段階を次の「3段階」に進めるための演出実行抽選では、当選変動が選択されている場合の当選確率は「2.5分の1」であり、非当選変動が選択されている場合の当選確率も「2.5分の1」である。
〔滞在段階=3〕
滞在段階が「3段階」である場合、演出の段階を次の「4段階」に進めるための演出実行抽選では、当選変動が選択されている場合の当選確率は「2.5分の1」であり、非当選変動が選択されている場合の当選確率も「2.5分の1」である。
〔滞在段階=4〕
滞在段階が「4段階」である場合、演出の段階を次の「5段階」に進めるための演出実行抽選では、当選変動が選択されている場合の当選確率は「5分の1」であり、それ以前の段階よりも当選しにくくなっている。
一方、非当選変動が選択されている場合の当選確率は規定されていない。これは、非当選変動が選択されている場合は、滞在段階は4段階目が限界であり、これ以上は段階進行抽選処理を実行しないためである。
このように、本実施形態では、「演出の段階を5段階に進行させる際の当選確率」が「演出の段階を5段階以外に進行させる際の当選確率」よりも低く設定されているため、演出の段階が5段階に到達するハードルが高く設定されていることになる。このため、5段階以外への進行と比較して5段階への進行が困難化されている。
すなわち、4段階まで演出の段階がスムーズに進行したとしても、そこから後は、演出の段階がそれまでと比較して進行しにくくなっている。一方、失敗の結果を出力する場合は、4段階まで演出の段階がスムーズに進行したとしても、そこから後は、演出の段階が進行することはない。
このように、本実施形態では、当選の変動が選択された際の5段階に到達するハードルを高く設定しているため、そこでの状況を失敗の結果を出力する場合の状況に似せることができる。このため、遊技者としては、それが最終的に成功の結果を出力するための高いハードルであるのか、最終的に失敗の結果を出力するための超えられないハードルであるのかが判定できなくなる。したがって、遊技者参加型演出の最終局面では、「今回はいずれの結果が出力されるだろうか」という感覚を遊技者に与えることができ、遊技者参加型演出に対する遊技者の期待感を最後まで持続させることができる。
また、本実施形態では、当選の変動が選択されている場合であっても、非当選の変動が選択されている場合であっても、4段階までは同一の当選確率として演出実行抽選の当選確率を規定している。このため、当選時も非当選時も、4段階までは同じ進行具合で演出の段階が進行する。したがって、4段階に到達するまでの過程においても、最終的に成功の結果が出力されるのか、失敗の結果が出力されるのかを分かりにくくすることができ、最後まで遊技者の期待感を持続させることができる。
図95は、カウントダウンゾーンの最終変動で実行される当選時の各種状態の変化を示すタイミングチャートである。
ここで、図中(A)は第2特別図柄の変動又は停止の変化を示しており、図中(B)は演出切替ボタン45の有効時間における有効又は無効の変化を示している。また、図中(C)は、遊技者参加型演出における成功禁止区間又は成功可能区間の変化を示しており、図中(D)は、遊技者参加型演出にて実行される演出内容について示している。
また、図中(C−1)と図中(C−2)との違いは、図中(C−1)が成功禁止区間に対して所定時間(例えば4秒)が設定された場合(通常設定の場合)を示しているのに対して、図中(C−2)が成功禁止区間に対して特殊延長時間(例えば6秒)が設定された場合(特殊設定の場合)を示している。そして、図中(C−1)に対応する演出例が図中(D−1)に示してあり、図中(C−2)に対応する演出例が図中(D−2)に示してある。
〔時刻t0〕
図95中(A):時刻t0において、第2特別図柄は停止表示中である。
〔時刻t1〕
図95中(A):時刻t1において、可変始動入賞装置28に遊技球が入球すると、下始動入賞スイッチ82により遊技球の入球が検出される。下始動入賞スイッチ82により遊技球の入球が検出されると、それを契機として第2特別図柄が変動を開始する。そして、ここでは、特別図柄抽選にて当選の結果が得られていたものとする。この場合、特別図柄の変動時間は一定の時間(例えば22.0秒程度)に設定されている。
〔時刻t1〜時刻t2〕
図95中(D−1),(D−2):演出内容としては、時刻t1から時刻t2までの時間を利用して、遊技者参加型演出に突入したことを示す扉閉演出や、遊技者参加型演出の遊技の仕方を説明する遊技説明演出が実行される。この点は、通常設定の場合も特殊設定の場合も同様である。
〔時刻t2〜時刻t5〕
図95中(B):本実施形態において、演出切替ボタン45による操作入力を有効とする有効時間T1は、例えば8秒間に設定されている。ここで「有効時間」とは、演出切替ボタン45による操作入力が有効となる時間、すなわち、演出切替ボタン45を押下したことによって発生する接点信号を演出制御CPU126が有効なものとして受け付ける時間をいう。
したがって、図示の例では、第2特別図柄の変動が開始されてからある程度の時間が経過した時点で有効時間が開始され(演出切替ボタン45の操作入力が有効となり)、その後に有効時間T1が経過するまで有効時間が継続することになる。
〔時刻t2〜時刻t5〕
図95中(C−1):通常設定の場合、有効時間T1の中で、成功禁止区間(最終段階到達禁止区間)に対応する時間T2は例えば最初の4秒間に設定されており、成功可能区間(最終段階到達可能区間)に対応する時間T3は例えば残りの4秒間に設定されている(演出区間設定手段)。
〔時刻t2〜時刻t5〕
図95中(C−2):一方、特殊設定の場合、有効時間T1の中で、成功禁止区間(最終段階到達禁止区間)に対応する時間T4は例えば最初の6秒間に設定されており、成功可能区間(最終段階到達可能区間)に対応する時間T5は例えば残りの2秒間に設定されている(演出区間設定手段)。
〔時刻t2〜時刻t3〕
図95中(D−1):通常設定の場合、時刻t2から時刻t3までの演出内容として、最終段階(5段階)よりも前の段階までの段階進行演出が実行される。この場合、最大で「4段階」まで演出の段階が進行する可能性はあるが、「5段階」まで演出の段階が進行することはない。
〔時刻t3〜時刻t5〕
図95中(D−1):通常設定の場合、時刻t3から時刻t5までの演出内容として、最終段階(5段階)に演出の段階が進行する段階進行演出が実行される。
〔時刻t2〜時刻t4〕
図95中(D−2):一方、特殊設定の場合、時刻t2から時刻t4までの演出内容として、最終段階(5段階)よりも前の段階までの段階進行演出が実行される。この場合、最大で「4段階」まで演出の段階が進行する可能性はあるが、「5段階」まで演出の段階が進行することはない。
〔時刻t4〜時刻t5〕
図95中(D−2):特殊設定の場合、時刻t4から時刻t5までの演出内容として、最終段階(5段階)に演出の段階が進行する段階進行演出が実行される。
〔時刻t5〜時刻t7〕
図95中(D−1),(D−2):そして、時刻t5から時刻t7までの演出内容としては、遊技者参加型演出にて成功の結果が得られたことを示す成功演出が実行される。この点は、通常設定の場合も特殊設定の場合も同様である。なお、復活演出は例えば時刻t5から時刻t7までの時間を利用して実行される。
〔時刻t6〕
図95中(A):第2特別図柄の変動時間が終了すると、第2特別図柄の停止表示時間が開始する。
〔時刻t7〕
図95中(A):第2特別図柄の停止表示時間が終了すると、大当り遊技が開始される。
〔時刻t7以降〕
図95中(D−1),(D−2):演出内容としては、大当り遊技に対応させた大役中演出が実行される。この点は、通常設定の場合も特殊設定の場合も同様である。
このように、本実施形態によれば、全体の有効時間が「成功禁止区間」と「成功可能区間」とに区画されており、当選時の変動であっても、「成功禁止区間」に滞在している間は成功演出が実行されることはない。このため、「成功可能区間」に滞在している間でなければ成功演出は実行されないことになり、結果として、最終段階のハードルをより高くすることができる。これにより、成功の結果を出力する場合と失敗の結果を出力する場合との状況をより近づけることができ、最後まで遊技者の期待感を持続させることができる。
また、本実施形態では、成功禁止区間に対して基礎となる通常設定(4秒)が特殊設定(6秒)に変更されることがある。そして、特殊設定(6秒)に変更された場合は、それだけ「成功可能区間」に対応する時間が短くなるため(残り2秒)、最終段階のハードルをより一層高くすることができ、最後まで遊技者の期待感を持続させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、成功の結果を出力する場合の最終段階に到達するハードルを高く設定しているため、遊技者参加型演出に対する遊技者の期待感を最後まで持続させることができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値、具体的な設定値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
上述した実施形態において、強度別予告演出は、遊技球が下始動入賞口28aに入球したことを契機として実行する例で説明したが、そのような契機に基づかずに自動的に実行される予告演出としてもよい。
上述した実施形態において、強度別予告演出は、すべての予告演出を1つのテーブルで管理する例で説明したが、予告演出ごとに異なるテーブルを用いて予告演出を管理してもよい。この場合、各予告演出の禁止区間も個々に設定することができる。
上述した実施形態では、通常モードにて6ラウンド確変図柄2に該当した場合、直接花火モードに移行する例で説明したがカウントダウンゾーンに突入させてもよい。
上述した実施形態では、遊技者参加型演出に成功した場合は当選となり、遊技者参加型演出に失敗した場合は非当選となる例で説明したが、リーチ状態が発生する前のテンパイ前演出や、大役中の昇格演出等に本発明の遊技者参加型演出を適用してもよい。
上述した実施形態では、遊技者参加型演出に対して成功禁止区間を必ず設定する例で説明したが、成功禁止区間を設定しなくてもよい。このようにすれば、連打の強さが早期の成功演出に直結するため、遊技者の押下意欲を向上させることができる。