JP2014049232A - 非水系電解質二次電池およびこれを用いた電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 本実施の形態は、非水系電解質二次電池において、圧壊によっても短絡による火花発生および発火を抑止することの出来る非水系電解質二次電池およびそれを用いたモジュールの実現を目的としている。
【解決手段】 本実施の形態の非水系電解質二次電池は、立方体もしくは直方体の中空有底金属缶内に、正極、負極、セパレータ、および非水系電解液を収容し、該中空有底金属缶の開口部をキャップ部材で密封した非水系電解質二次電池であって、前記非水系電解質二次電池の金属缶の稜線部分を、樹脂被覆部材で被覆することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明の実施の形態は、非水系電解質二次電池およびこれを用いた二次電池モジュールに関する。
近年二酸化炭素排出量の削減や、ガソリンのような化石燃料の枯渇の懸念などから、エネルギー源として二次電池を使用した自動車が実用化されて来ている。この二次電池としては、高出力、高エネルギー密度、小型軽量化、低価格などが求められている。さらに、安全性、耐久性の改善も必要不可欠である。
高エネルギー密度の自動車用二次電池としては、リチウムイオン非水系電解質二次電池が知られている。この高エネルギー密度リチウムイオン非水系電解質二次電池は、セパレータを介して積層した正極板および負極板を巻回した電極組立体を、非水系電解液に含浸し缶に封入したものが知られている。
従来の電池の外装は、アルミニウムなどの金属缶の外表面を熱収縮チューブやPETテープで被覆絶縁したものが一般的である。このリチウムイオン二次電池において、安全性を確保するために過充電の対策が講じられている。非水系電解液を使用しているため、過充電状態になると、電池電圧が上昇するばかりでなく、ガスの圧力が上昇し、さらに、電池内温度が上昇する。このような状態では、電解液の漏液や、缶の変形、破壊といった事象も予測され、これらの事象の発生を阻止する対策が求められている。
また、この車載用電池においては、大電力エネルギーを確保するために、複数個の電池を組み合わせて電池モジュールを構成することが行われている。この電池モジュールにおいても、電池の安全性を確保するために、破壊試験が行われている。この破壊試験は、電池モジュールを、圧壊し、その挙動により安全性を確保するための改良のポイントを把握するための試験である。この試験において、電池缶は、圧壊による短絡で発熱し、電解液である非水系溶剤のガスが漏れ出し、電池に蓄えられているエネルギーが、電池外部で短絡放電することによって発火する場合がある。
特開2007−059170号公報
本実施の形態は、非水系電解質二次電池、あるいはこの電池を組み合わせた電池モジュールにおいて、圧壊で発生する短絡火花と引火を抑止することの出来る非水系電解質二次電池およびそれを用いた電池モジュールの実現を目的としている。
本実施の形態の非水系電解質二次電池および電池モジュールは、立方体もしくは直方体の中空有底金属缶内に、正極、負極、セパレータ、および非水系電解液を収容し、該中空有底金属缶の開口部をキャップ部材で密封した非水系電解質二次電池であって、前記非水系電解質二次電池の金属缶の稜線部分を、樹脂被覆部材で被覆することを特徴とするものである。
前記本実施の形態において、樹脂被覆部材とは、電池本体が外圧もしくは内圧によって、圧壊・変形を生じた場合、その圧壊変形領域を被覆するものであることが好ましい。
図1は、第1の実施の形態の非水系電解質二次電池の一例を示す斜視図である。 図2は、第2の実施の形態の非水系電解質二次電池モジュールの一例を示す斜視図である。 図3は、一般的な非水系電解質二次電池の一例を示す電池の一部切断斜視図である。
前述の通り自動車搭載用の電池の安全性確保のための試験として、圧壊試験がある。この試験は、ユニットセルを固定台の上に配置し、ユニットセルのキャップ部材に平行に長尺の棒状部材によって押圧し、ユニットセルを強制的に塑性変形させ破壊して行われる。すなわち、この押圧によって金属缶に変形圧力を超える押圧力が付加されると、金属缶側面が塑性変形する。このとき、電極組立体に押圧力が及ぶと、電極組立体の電極が裂断し、ユニットセル内の温度が上昇する。そして、金属缶の塑性変形は、開口部に及び、金属缶に固着しているキャップ部材との接続部が破壊され、非水系電解質が漏出する。さらに、セル内部に蓄積されている電池エネルギーによって短絡が発生すると、その火花が非水系電解液を蒸散させ着火するに至る。この火花は、初期の段階においてはユニットセルのキャップ部材付近から発生することが確認されている。
この自動車搭載用の電池の試験の結果を踏まえ検討して完成したのが本実施の形態である。すなわち、ユニットセルの変形および破壊に至る段階で、非水系電解液の漏出を防止し、さらに、火花の発生および着火を防止して、安全な非水系電解質二次電池及び電池モジュールを実現するものである。
本実施の形態の非水系電解質二次電池および電池モジュールは、開口部を有し、立方体もしくは直方体の中空体である金属缶からなる電池容器のキャップ部材面および底面の少なくとも8個の稜を、樹脂被覆部材で被覆することを特徴とするものである。
前記本実施の形態において、樹脂被覆部材は、電池本体の電池缶が外圧もしくは内圧によって、圧壊・変形を生じた場合、その圧壊変形領域を被覆するものであることが好ましい。この樹脂被覆部材は、絶縁体である弾性を有する樹脂材料であることが好ましく、ゴム状弾性体を使用することができる。
本実施の形態において、電池本体の金属缶にかかる外圧もしくは内圧とは、電池の破壊試験などで電池缶体に印加される押圧力、電池使用時の偶発的な落下、衝突などによる押圧力、あるいは、電池の温度上昇などにより生じる内部圧力を意味している。
[第1の実施の形態:非水系電解質二次電池]
本実施の形態の非水系電解質二次電池は、正極、負極、セパレータ、電解液、およびこれらを収容する容器である金属缶体から構成されている。この非水系電解質二次電池の構造の一例を、一部切断斜視図である図3に示す。
図3に見られるように、この非水系電解質二次電池10の金属缶体11は、開口部を有する中空有底直方体ないし中空有底立方体形状をしており、開口部には、開口を封止するキャップ部材13が配置されている。このキャップ部材13には、電流取り出し用の端子14,15が設けられており、電池内部の捲回された正極、負極およびセパレータからなる電極組立体12に接続されている。この電極組立体12において、正極と負極は、薄い金属箔の表面にそれぞれ正極活物質、負極活物質が塗布形成されており、これらの両極間には絶縁のためのイオン透過性のあるセパレータをそれぞれに重ね合わせて捲回し、金属缶体11に収容できるよう成形して電極組立体を構成し、電解液とともに金属缶体11に収容されている。
金属缶体11の開口部のキャップ部材13には、さらに、電池内圧が上昇した場合に内部気体を排出できるように防爆孔であるガス排出弁16が設けられていてもよい。また、電池内部において過大な電流が流れた場合、電流を遮断する電流遮断機構がキャップ部材に設けられたものであってもよい。
金属缶体11は、開口部を有する中空有底直方体ないし中空有底立方体形状をしており、アルミニウムなどの金属を成形して得られる。この金属缶体11内部には、非水系化合物からなる電解液が充填されており、この電解液と化学的に反応しないような材料とするか、あるいは金属缶体内部に絶縁のためのコーティングを施すことも出来る。
キャップ部材13は、ポリカーボネートなどの絶縁性の板材で形成されており、缶体11の開口部に、かしめなどの手段で密封固着される。図3の電池においては、キャップ部材13には3個の開口が形成されており、それぞれ正極端子14、負極端子15、および防爆孔であるガス排出弁16が設けられている。
リチウムイオン二次電池においては、主として非水系電解液が用いられている。この非水系電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチロラクトン、ジエトキシエタン、ジオキサン、酢酸エチルなどの非水系溶媒に、ホウフッ化リチウム、過塩素酸リチウム、六フッ化リン酸リチウムなどのリチウム塩の溶質を溶解したものであり、従来公知のものである。
上記正極、負極、セパレータ、あるいは電解液において示した物質は、あくまでも例示であって、本実施の形態においては、これらに限定されるものではない。
本実施の形態の非水系電解質二次電池(以下ユニットセルという)は、たとえば上記図3に示すような立方体もしくは直方体の中空有底金属缶内に、正極、負極、セパレータ、および非水系電解液を収容し、該中空有底金属缶の開口部をキャップ部材で密封した非水系電解質二次電池であって、前記非水系電解質二次電池の金属缶の稜線部分を、弾性を有する樹脂被覆部材で被覆することを特徴とする非水系電解質二次電池である。
このユニットセルの例を図1(a)に示す。
図1(a)に見られるように、本実施の形態のユニットセルは、金属缶11の開口部を密封するように配置されたキャップ部材13を備えており、キャップ部材13には、正極端子14、負極端子15が配置されている。そして本実施の形態のユニットセルは、この金属缶11とキャップ部材13とが構成する4個の稜と、金属缶11底部の4個の稜を、樹脂被覆部材18で被覆する構成となっている。
本実施の形態の樹脂被覆部材は、軟化点が100℃以上の耐熱性、伸張性、ゴム状弾性、適度の破断強度がある材料で形成したフィルム状部材が適している。具体的には、ポリテトラフルオロエチレンテープ、シリコン樹脂テープなどの材料が挙げられる。このような樹脂被覆部材を用いる場合には、ユニットセルの所要の稜部を覆うようにテープ状の樹脂被覆部材を貼着し、テープ状樹脂被覆部材の端部を接着して所要の形状に形成することが好ましい。
また、電池もしくは電池モジュールへの被覆工程以前においては液状ないしペースト状であって、被覆後に固化して上記性質を備えるような材料であってもよい。この場合には、ユニットセルの所要部分に液状ないしペースト状の樹脂被覆部材材料を塗着し、加熱固化、乾燥固化、光固化、紫外線照射による固化など、公知の手段によって固化して、所要の形状の樹脂被覆部材を形成することも出来る。
本実施の形態においては、ユニットセルのキャップ部材と金属缶開口部で構成する4個の稜およびユニットセル底部の4個の稜が、樹脂被覆部材によって被覆されている。ユニットセルに、これを圧壊する力(内圧又は外圧)が付加された場合、ユニットセルは、その構造上キャップ部材と金属缶とが固接している稜線部分において真っ先に圧壊又は変形によって破壊される。このような状態において、柔軟性を備えた樹脂被覆部材が圧壊変形領域を被覆していると、ユニットセル内に収容されている非水系電解液の漏出を防止する。さらに、ユニットセルの正極・負極が短絡して発生する火花を防止することが出来、その結果ユニットセル圧壊によって発生が危惧される火災発生を防止することが出来る。
本実施の形態において、樹脂被覆部材によって被覆する領域を、金属缶の稜部とすること又は樹脂被覆部材によって被覆する領域に金属缶の稜部を含むことが好ましい。これは、次の理由による。すなわち、このユニットセルを使用して充放電する際に、電池反応によって熱が発生する。この熱は、ユニットセルの金属缶表面から外部に放出される。ユニットセルの全表面を樹脂被覆部材で被覆すると、ユニットセル表面からの放熱が損なわれて、内部の温度が上昇することになり、これに伴って内部圧力が上昇する。ユニットセルのキャップ部材に防爆孔となるガス排出口が形成されている場合には、この排出口から圧をリークすることが出来るため爆発という事態に至ることは避けられる可能性がある。しかしながら、ガス排出口が形成されていないユニットセルの場合には、キャップ部材の密封部分が破壊され、非水系電解液漏出の原因となる。従って、前記樹脂被覆部材の被覆は、金属缶の稜線部分のみに限定することが好ましい。
[第1の実施の形態の変形例]
上記のユニットセルにおいては、ユニットセル金属缶の8個の稜線部分を被覆する例を示したが、図1(b)に示すように、金属缶のすべての稜線を樹脂被覆部材で被覆することも出来る。この場合には、電池圧壊時の非水系電解質の漏出および火花の発生、さらに火災の発生の可能性を低減させることが出来る。
[第2の実施の形態:非水系電解質二次電池モジュール]
本実施の形態の非水系電解質二次電池モジュールは、上記ユニットセルを複数個組み合わせて構成することができる。この電池モジュールの一例を図2に示す。
図2(a)は、ユニットセルを5個組み合わせてモジュールにした例である。すなわち、ユニットセル10をキャップ部材の向きがそろうように、重ね合わせ、樹脂被覆部材18を用いて結束するとともに、電池モジュールの稜線部を被覆するものである。
電池モジュール20をこの構造とすることによって、電池モジュール20に付加される力によるコイル裂断にともなうセル内温度上昇に起因して発生する非水系電解質蒸気の揮散を効果的に防止することが出来る。
上記実施の形態において、ユニットセル10を集積した後、樹脂被覆部材18で結束する例を示したが、前記第1の実施の形態の図1(a)に示す樹脂被覆ユニットセルを所定数集積し、接着剤を用いて相互に接着させるか、もしくは、結着用の粘着テープを用いて固着させてもよい。
[第2の実施の形態の変形例]
図2(b)に本実施の形態の変形例を示す。この実施の形態の電池モジュール20は、ユニットセル10の12個の稜線をすべて樹脂被覆部材18によって被覆するものである。この電池モジュールは、あらかじめ内部にユニットセルを収容できるように三次元梯子格子状に成形した樹脂被覆部材18を伸張し、内部にユニットセル10を配置し、樹脂被覆部材18を弛緩させることで構成することが出来る。
この場合に、個々のユニットセル相互を接着剤を用いて固着してもよい。あるいは、さらに結着テープを用いてユニットセルを結着させてもよい。これらの手段を採用することによって、比較的引っ張り強度などの機械的強度が弱い材料を樹脂被覆部材材料として用いることも出来る。
あるいは、樹脂被覆部材材料で形成されたテープ状部材を用いて、電池モジュールの所要稜部をテープ状部材で貼着し、テープ状部材の重なり部分を接着剤を用いて固着することによって、所要の樹脂被覆部材を形成することも出来る。
また、この変形例の電池モジュールは、図1(b)に示すユニットセルを集積し、相互に接着剤などで固着するか、あるいは結束テープを用いて、結束させてもよい。この場合には、さらに信頼性の高い電池モジュールを作成することが出来る。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…ユニットセル
11…電池金属缶
12…電極組立体
13…キャップ部材
14…正極端子
15…負極端子
16…防爆孔
18…樹脂被覆部材
20…電池モジュール


Claims (8)

  1. 立方体もしくは直方体の中空有底金属缶内に、正極、負極、セパレータ、および非水系電解液を収容し、該中空有底金属缶の開口部をキャップ部材で密封した非水系電解質二次電池であって、
    前記非水系電解質二次電池の金属缶の稜線部分を、樹脂被覆部材で被覆することを特徴とする非水系電解質二次電池。
  2. 前記樹脂被覆部材で被覆する前記非水系電解質二次電池の金属缶の稜線部分は、前記金属缶のキャップ部材の端部に接する稜線部分を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質二次電池。
  3. 前記樹脂被覆部材は、前記金属缶が外圧もしくは内圧によって圧壊変形を生じる領域を被覆するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記樹脂被覆部材は、ポリテトラフルオロエチレンテープ又はシリコン樹脂テープであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 立方体もしくは直方体の中空有底金属缶内に、正極、負極、セパレータ、および非水系電解液を収容し、該中空有底金属缶の開口部をキャップ部材で密封した非水系電解質二次電池を、2以上組み合わせて構成した立方体もしくは直方体の非水系電解質二次電池モジュールであって、
    前記電池モジュールの稜線部分を、樹脂被覆部材で被覆することを特徴とする非水系電解質二次電池モジュール。
  6. 前記電池モジュールの稜線部分が、前記金属缶の開口部である稜線部分を少なくとも含むことを特徴とする請求項5に記載の非水系電解質二次電池モジュール。
  7. 前記樹脂被覆部材は、前記金属缶が外圧もしくは内圧によって圧壊変形を生じる領域を被覆するものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の非水電解質二次電池モジュール。
  8. 前記樹脂被覆部材は、ポリテトラフルオロエチレンテープ又はシリコン樹脂テープであることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池モジュール。
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