JP2014048575A - 薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法とそれを用いた装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜に多数の微少孔を高速に開ける方法を提供する。
【解決手段】 パルスレーザと回転多面体鏡、テレセントリックfθレンズを含む結像光学系、薄膜の送り機構とからなる薄膜孔開け装置を用い、薄膜上の主走査方向の孔開けピッチをLx、同じく薄膜上の副走査方向の孔開けピッチをLy、パルスレーザの発光と発光の間にレーザ光が移動する距離をLaとし、Nを、N=La/Lxとしたとき、送り機構による薄膜の主走査毎の副走査方向への送り量Ldを、Ld=Ly/Nで算出すると共に、主走査毎に前記レーザ光による孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させ、さらに(N+1)回目の主走査毎に最初の孔開け位置から孔開けを行うようにして、パルスレーザと回転多面体鏡の最高速度で孔開けができるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池等に用いられる薄膜のセパレータなどの、薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法とそれを用いた装置に関し、特に、プラスチックフィルムや金属で形成された薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法とそれを用いた装置に関するものである。
各種機能性膜、特に固体高分子型燃料電池、水電解装置などに用いる固体高分子電解質に最適な無機、または有機の多孔質膜については、例えば特許文献1にパルス幅が10−9秒以下、繰り返し周期(発光間隔)が10Hzから500kHzの超短パルスレーザを用い、細孔の孔径を0.1〜100μmとした高分子、又は無機材料からなるフィルムもしくはシートからなる多孔質膜、及び該細孔に高分子電解質を充填した高分子電解質膜の製造方法、さらにこの多孔質膜を用いた燃料電池、が紹介されている。
しかしこの特許文献1には、具体的に、パルスレーザを用いてどのようなハード構成で多孔質膜を作るか示されていない。一般的にはパルスレーザを用いて孔開けする場合、ガルバノミラー等を用いて位置決めしながら孔開けすることが行われている。
しかしガルバノミラーを用いた場合、ミラーの慣性により位置決めするまでに時間がかかり、50Hzからせいぜい200Hz程度のスピードでしか孔開けできない。そのためガルバノミラーの最高の位置決めスピード200Hzで孔開けをしたとしても、例えば20μm間隔で孔を開けると仮定すると、1秒間に4000μm(4mm)しか進めないから孔開けには長い時間がかかる。
この孔開け時間をスピードアップする方法としては、例えば特許文献2に示されているようなポリゴンミラーを用いる方法がある。ポリゴンミラーは例えば6面以上の反射面を持って高速回転し、それぞれの反射面でレーザ光を反射して所定位置を走査するから、パルスレーザの繰り返し周期に合わせてスピードをコントロールすれば、パルスレーザの最高繰り返し周期の500kHzで孔を開けることも可能となる。
特開2007−23183号公報 特開2005−128313号公報
しかしながらこの特許文献2に示されたようなポリゴンミラーを駆動するモータは、高速回転では比較的ジッタが少ないが低速回転では安定して回転させることが難しくてジッタが大きくなる。例えばポリゴンミラーは通常12000rpm(200rps)程度の高速で回転させるが、ポリゴンミラーの面数が10面の場合、1面あたりの走査時間は500μsになる。実際に走査面を走査している時間はこれより短くて4割程度となるが、これは200μsであり、実際の走査面を60mmとすると走査面におけるレーザ光の走査スピードは、
60mm/200μs=300000mm/sec(300m/sec)
となる。
ところが例えば発光間隔200kHz(5μs)のパルスレーザを用い、20μm間隔で孔を開けようとした場合、レーザ光の走査スピードは、
20μm/5μs=4,000,000μm/sec(4m/sec)
となる。しかしこれは、前記したポリゴンミラーを12000rpmで回転させた場合の走査面上のスピード300mに比較し、1/75のスピード、すなわち160rpm(約2.7rps)となる。
ところがこのような低速では、前記したようにモータのジッタが大きくなって安定した回転が望めなくなる。そのため本発明においては、ジッタの影響を極力排除しながら薄膜に多数の微少孔を高速に開ける方法と、それを用いて幅の広い薄膜にも微小孔を開けることのできる装置を提供することが課題である。
上記課題を解決するため、本発明になる薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法は、
パルスレーザと、
該パルスレーザの出力光を平行光束として送り出す光学系とからなるレーザ光源部と、
該レーザ光源部からのレーザ光を反射して主走査方向への走査光に変換する回転多面体鏡と、
該回転多面体鏡からの走査光を薄膜面に結像させるテレセントリックfθレンズを含む結像光学系と、
前記薄膜を相対的に、前記主走査方向と直角な副走査方向に移動させる送り機構とからなる薄膜孔開け装置を用い、
前記薄膜上の主走査方向の孔開けピッチをLx、同じく前記薄膜上の副走査方向の孔開けピッチをLy、前記パルスレーザの発光と発光の間にレーザ光が移動する距離をLaとし、Nを、
N=La/Lx ……………………………………………………(1)
としたとき、
前記送り機構による前記薄膜の主走査毎の副走査方向への相対的な送り量Ldを、
Ld=Ly/N ……………………………………………………(2)
で算出すると共に、主走査毎に前記レーザ光による孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させ、さらに(N+1)回目の主走査毎に最初の孔開け位置から孔開けを行うようにすることを特徴とする。
そして、前記薄膜上の主走査毎に前記レーザ光による孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させるため、前記パルスレーザの発光間隔、または前記回転多面体鏡の回転速度、もしくは前記パルスレーザの発光間隔と回転多面体鏡の回転速度の両方、のいずれかを調節することを特徴とする。
また、幅の広いプラスチックフィルムや金属で形成された薄膜にも多数の微小孔を高速で開けられるよう、本発明になる薄膜に多数の微少孔を高速に作成する装置は
パルスレーザと、
該パルスレーザの出力光を平行光束として送り出す光学系とからなるレーザ光源部と、
該レーザ光源部からのレーザ光を反射して主走査方向への走査光に変換する回転多面体鏡と、
該回転多面体鏡からの走査光を薄膜面に結像させるテレセントリックfθレンズを含む結像光学系と、
前記薄膜を相対的に前記主走査方向と直角な副走査方向に移動させる送り機構とを備え、
前記薄膜上の主走査方向の孔開けピッチをLx、同じく前記薄膜上の副走査方向の孔開けピッチをLy、前記パルスレーザの発光と発光の間にレーザ光が移動する距離をLaとし、Nを、
N=La/Lx ……………………………………………………(1)
としたとき、
前記送り機構による前記薄膜の主走査毎の副走査方向への相対的な送り量Ldを、
Ld=Ly/N ……………………………………………………(2)
で算出すると共に、主走査毎に前記レーザ光による孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させ、さらに(N+1)回目の主走査毎に最初の孔開け位置から孔開けを行うようにした薄膜孔開け装置を前記薄膜上の主走査方向に移動する機構を設け、前記薄膜上の主走査方向の孔開け可能幅を大きくしたことを特徴とする。
このように主走査毎に薄膜を副走査方向へLdだけ送ると共に、主走査毎にレーザ光の孔開け位置をLxだけ主走査方向へ移動させることで、主走査毎に副走査方向の孔開け位置がLdだけずれてはゆくが、副走査方向の孔開けピッチLyを単位としてみれば主走査方向にピッチLxで孔が開けられる。すなわちこのようにすれば、レーザ光の走査スピードを高速のままで、すなわちポリゴンミラーを回転させるモータを低速回転させることなく高速回転させたままで、必要なピッチで孔を開けることができる。
そのため前記したように回転多面体鏡を低速で回転させることによるジッタの影響はなくなり、安定した回転によって正確なピッチで多数の微少孔を高速に開ける方法を提供することができる。
また、主走査毎に孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させるため、パルスレーザの発光間隔、または回転多面体鏡の回転速度、もしくはパルスレーザの発光間隔と回転多面体鏡の回転速度の両方を調節することで、非常に簡単に主走査毎の孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させ、必要なピッチでの孔開けが可能となる。
さらに、このような方法で孔を開けるようにした装置を主走査方向に移動できるようにすることで、非常に幅の広い薄膜でも全く同様に高速で孔開けすることが可能となる。
本発明になる、薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法に使用する薄膜孔開け装置の概略構成である。 本発明になる、薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法を説明するための図である。 本発明になる、薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法のフロー図である。 本発明になる、薄膜に多数の微少孔を高速に作成する装置の実施例説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明になる薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法、に使用する薄膜孔開け装置の構成概略である。図中10は薄膜に孔開けするためのパルスレーザで、前記特許文献1に示されているような、パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザなどを用いる。11はレーザ10の出力光を平行光束とするコリメータレンズで、これらレーザ光源10、コリメータレンズ11でレーザ光源部を構成する。
12はレーザ光を回転多面体鏡13の方向に向ける半透明鏡、13はモータ14により回転方向矢印24方向に高速回転しながら各反射面でレーザ光を反射し、主走査方向への走査を行わせる回転多面体鏡、15は回転多面体鏡13からの走査光を薄膜17に結像させるテレセントリックfθレンズ、16は走査光を薄膜17方向に向ける反射鏡で、これらテレセントリックfθレンズ15、反射鏡16によって結像光学系が構成される。
17は多数の微小孔を開けるプラスチックフィルムや金属フィルムなどの薄膜で、この薄膜17は一例として18で示したようにローラ状に巻かれ、レーザ光の結像面たるローラ19を介して巻き取りローラ20で巻きとられて、主走査方向と直角な方向、すなわち副走査方向への移動がおこなわれる。このローラ20はモータ21で回転し、これら薄膜ローラ18、ローラ19、巻き取りローラ20、モータ21などが送り機構を構成する。
なおこの図1では、薄膜17がローラ19を介して巻きとられることで副走査方向への移動を実現させているが、例えば平面状に薄膜を載置し薄膜載置台を用意し、以上説明してきたレーザ光源部、結像光学系を一体として動かしたり薄膜載置台を動かすようにしても良く、相対的に主走査方向と直角な副走査方向への移動がおこなえる送り機構であればよい。
22は原点検出用のLEDなどの光源、23は原点検出用光源22から出て半透明鏡12を通過し、回転多面体鏡13で反射された原点検出用光源22からの光を検出する受光素子で、この受光素子23の出力により、回転多面体鏡13の各反射面で反射されたレーザ光が現在どの位置にあるかが計算される。
30はパルスレーザ10を駆動するレーザ制御回路、31は回転多面体鏡13を回転させるモータ14の駆動回路、32は原点検出用光源22から出て回転多面体鏡13で反射され、原点検出用受光素子23で検出された信号を受ける原点信号検出回路、33は薄膜17の巻き取りローラ20を駆動するモータ21の駆動回路、34はこれらレーザ制御回路30、多面体鏡駆動回路31、原点信号検出回路32、薄膜巻き取りモータ駆動回路33を制御する制御回路で、パソコンやCPUを使用しても良い。
図2は、本発明になる薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法を説明するための図である。この図2において(A)は、主走査方向にLxのピッチで孔60、60、60、……60を、その後副走査方向にLyだけ移動して同様に主走査方向にLxのピッチで孔61、61、61、……61の孔を開けていく場合の説明図で、孔60、60、……60を前記従来方法で説明したガルバノミラー等を用いて位置決めしながら孔開けすれば、このように規則正しく孔を開けることが可能となる。しかしながら、前記したようにガルバノミラーを用いた場合はその孔開けスピードが非常に遅くなる。
また、回転多面体鏡を用いてもこの図2(A)のように規則正しく孔を開けようとした場合、回転多面体鏡を前記したように160rpm(約2.7rps)程度の低速で回転させる必要があり、ジッタが大きくなって、正確に規則正しく孔開けすることは難しくなる。そのため本発明では、回転多面体鏡を12000rpm程度(200rps)の高速で回転させて連続して孔開けを行えるようにしたものである。
前記したように、面数10面の回転多面体鏡を12000rpm(200rps)で回転させると1面あたりの走査時間は500μsとなる。そのため、例えば60mm程度の走査面を実際に走査している間の時間(効率)を4割程度と考えると、走査時間は200μsとなって走査面におけるレーザ光の走査スピードは、300000mm/sec(300m/sec)となる。
このときパルスレーザの発光間隔を200kHz(5μs)とすると、60mmの走査面を走査している時間200μsの間に40個の孔を開けることができるが、孔の間隔は1.5mmとなる。そのため前記した20μm間隔で孔を開けようとした場合、1.5mmは20μmの75倍であるから、主走査方向の孔開け位置を1走査毎に20μmずつづらせながら同一ラインを75回走査すれば、20μm間隔で孔を開けることができる。
しかしながら、薄膜上の同一ラインを75回走査した後で薄膜を副走査方向に間歇的に動かしていくことは、動かすときに高速に薄膜を移動させる必要があって制御が難しいから、本発明では副走査方向への薄膜の移動を連続的に行い、例えば上記したように同一ラインを75回走査する場合、1走査毎の副走査方向移動距離が副走査方向孔開け間隔を75等分した距離となるようにするものである。
これを説明するのが図2(B)である。この図2(B)においてLaは、回転多面体鏡13の回転によってパルスレーザ10が発光してから次に発光するまでの間にレーザ光が移動する距離で、回転多面体鏡13の回転により行われるレーザ光の走査速度に対し、パルスレーザ10の発光間隔が大きいために望ましい孔開け間隔Lxより大きくなるものである。すなわち前記したように、レーザ光の走査スピードを300000mm/sec(300m/sec)、パルスレーザ10の発光間隔を200kHz(5μs)とすると、60mmの走査面を走査している時間200μsの間に40個の孔を開けることができるが、孔の間隔(La)は1.5mmとなる。
この図2(B)においては説明の便宜上、Laはもっと小さな値として示されており、例えば最初にライン64上の孔65が開けられた後、2番目の孔は距離Laだけ離れた65に、3番目の孔は同じく距離Laだけ離れた65に開けられる。すなわち距離Laは、本来の主走査方向孔開け間隔Lxに対し、
N=La/Lx ……………………………………………………(1)
で計算されるN倍の距離となる。
そのため、副走査方向の孔開け間隔をLyとしたとき、1主走査毎の副走査方向への薄膜薄膜の送り量Ldを、
Ld=Ly/N ……………………………………………………(2)
で算出し、主走査の間(前記の例では500μs)に連続的に副走査方向へLdだけ送りを行う。そして次の走査を走査ライン66上で、孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させ、67、67、67、……のように開けていく。また(N+1)回目の主走査毎(すなわちLaの間にLx間隔で孔がすべて開けられた場合)に、最初の孔開け位置65と同じ位置から孔開けを行うものである。
このようにすると、副走査方向の孔開け位置は1走査毎にLdだけずれてゆくが、回転多面体鏡は高速回転させると共に副走査方向の送りも連続的に行うことができ、難しい制御やジッタに影響されることなく、正確に、高速に、多数の微小孔を開けてゆくことができる。
以下、図1と、図3に示した本発明になる薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法のフロー図とを用い、本発明を詳細に説明する。
図1に示した薄膜孔開け装置は、薄膜への孔開けに際し、原点検出用光源22が発光させられると共に、制御回路34からレーザ制御回路30、多面体鏡駆動回路31、原点信号検出回路32、薄膜巻き取りモータ駆動回路33に信号が送られる。するとパルスレーザ10が駆動され、多面体鏡駆動回路31によってモータ14が、薄膜巻き取りモータ駆動回路33によってモータ21が駆動される。
そして原点検出用光源22から出た光が半透明鏡12を通して回転多面体鏡13に送られ、各面で反射されて受光素子23に入るとその検出信号が原点信号検出回路32により制御回路34に送られる。そのため制御回路34は図3の41で示したように、この原点信号検出回路32が検出した原点検出信号によってレーザ光の走査スピードを計算する。すなわち前記したように、例えば面数10面の回転多面体鏡を用いて原点信号が500μs毎に検出されれば、回転多面体鏡は12000rpm(200rps)で回転していて、レーザ光は300000mm/sec(300m/sec)で走査しているとする。
それにより制御回路34は、レーザ制御回路30から得たパルスレーザ10の発光間隔を元に、図3の42でレーザの発光と発光の間に移動する距離Laを算出する。すなわち例えば、60mm程度の走査面を実際に走査している間の時間(効率)を前記したように4割程度と考えると、走査時間は200μsとなってパルスレーザ10の発光間隔が200kHz(5μs)であれば、これも前記したように60mmの走査面を走査している時間200μsの間に40個の孔を開けることができるから、孔の間隔(La)は1.5mmとなる。
そのため図3の43で制御回路34は、孔間隔Lx、発光間レーザ光移動距離Laから両者の比Nを算出し、次に図3の44で1走査毎に孔開け開始位置を孔間隔Lxずつ主走査方向へ移動させることが可能なレーザ光の走査スピード、又はパルスレーザの発光間隔、もしくはその両方を算出する。そしてその結果を元に制御回路34は、図3の45でレーザ制御回路30、又は多面体鏡駆動回路31、もしくはその両方に指示して1走査毎に孔開け開始位置が孔間隔Lxずつ主走査方向へ移動するようにする。
そして制御回路34は、図3の46で原点信号検出回路32からの信号、又はレーザ制御回路30からの信号、もしくは両者からの信号により、レーザ光の走査スピード、又はレーザ光の発光間隔、もしくは両者がブロック45で算出した値になっているか否かを判断し、それがNoならブロック45に戻ってレーザ制御回路30、多面体鏡駆動回路31に再度レーザ光の走査スピード、又はレーザ発光間隔、もしくは両者を調節させる。
一方、図3の46でYesと判断されると処理はブロック47に行き、制御回路34は孔の副走査方向間隔Lyから下記(2)式により、1走査毎の副走査方向移動距離Ldを算出する。
Ld=Ly/N ……………………………………………………(2)
そして制御回路34は、ブロック48で薄膜巻き取りモータ駆動回路33に指示し、1走査毎(前記した例では500μs)にこのLdだけ薄膜17が送られて副走査が行われるようにする。なおこの副走査は、前記では連続して行うとしたが間歇的に行っても良いことは勿論である。また前記したように、薄膜を平面状の載置台に載せてその載置台を移動させたり、レーザ光源部、結像光学系を一体として相対的に主走査方向と直角な副走査方向への送りを行う場合、送り機構によって主走査位置に対して副走査方向に相対的な送りが行えるようにする。
こうして孔開けの準備ができると制御回路34は、図3の49でn=1とおき、50で孔開けを開始する。すなわち図1の原点検出用光源22からの光が受光素子23で受光され、それが原点信号検出回路32を経由して制御回路34に伝えられると、図2(B)の最初の孔65までの時間が算出され、その時間後、パルスレーザ10の最初の発光が行われる。
その光はコリメータレンズ11で平行光束にされ、半透明鏡12で回転多面体鏡13の方に送られる。そしてそのレーザ光は回転多面体鏡13の反射面で反射され、テレセントリックfθレンズ15で収束されて、反射鏡16により薄膜17方向に向けられて薄膜17に結像し、最初の走査ライン64上の孔65が開けられる。そして続いてパルスレーザ10の発光間隔で次の孔65、65、……が開けられる。なおこの間も、薄膜巻き取りモータ駆動回路33によりモータ21が駆動され、1走査ライン毎に前記したようにLdだけ副走査方向送りが行われる。
こうして最初の1走査ライン64上の孔開けが終わると制御回路34は、図3のブロック51でnに1を加え、ブロック52でnがNと等しいか否かを判断する。今は最初の走査ライン64上の孔開けが終わったばかりであるからブロック52でnがNと等しくないと判断され、処理は50に戻って図2(B)における次の走査ライン66上の孔開けが開始される。このとき開けられる最初の孔67は、走査ライン64上の最初の孔65からLxだけ離れた位置となる。そして続いてパルスレーザ10の発光間隔で、次の孔67、67、……が開けられる。
こうして各走査ラインの孔開けが行われ、ブロック52でnがNと等しいと判断されるとLy分の孔開けが終わったわけで、処理がブロック53に行って薄膜17が終わったかどうかが判断される。終わっていない場合は処理がブロック49に戻り、主走査方向の孔開けは最初の孔65の位置からまた行われていく。薄膜が終わった場合はブロック54に行って終了する。
このようにして1主走査毎に薄膜を副走査方向へLdだけ送ると共に、主走査毎にレーザ光の孔開け位置をLxだけ主走査方向へ移動させることで、主走査毎に副走査方向の孔開け位置がLdだけずれてはゆくが、副走査方向の孔開けピッチLyを単位としてみれば主走査方向にピッチLxで孔が開けられる。すなわちこのようにすれば、レーザ光の走査スピードを高速のままで、すなわちポリゴンミラーを回転させるモータを高速回転させたままで、必要なピッチで孔を開けることができる。そのため前記したように回転多面体鏡を低速で回転させることによるジッタの影響はなくなり、安定した回転によって正確なピッチで多数の微少孔を高速に開ける方法を提供することができる。
なお、図1で説明した実施例では薄膜17の主走査方向幅は、前記したように回転多面体鏡13の一面の走査範囲で限定される。そのため、主走査方向幅が回転多面体鏡13の一面の走査範囲を超える場合はこのままでは孔開けができない。そのため、大きな主走査方向孔開け可能幅を可能とするようにしたのが図4に示した実施例である。
この図4に示した実施例では、コリメータレンズ11、半透明鏡12、回転多面体鏡13、テレセントリックfθレンズ15、反射鏡16等を移動台40に載置し、この移動台40を主走査方向に移動させて孔開け可能幅を主走査方向に大きくしたものである。
この図4において、41は図1に示した薄膜孔開け装置におけるレーザ光の走査幅(孔開け可能幅)、42は移動台40と一緒に移動し、パルスレーザ10からのレーザ光をコリメータレンズ11側に向かわせるミラー、43は移動台40の移動量を光学系の光軸44の移動量として示した矢印で、ここでは一例として矢印43は図1に示した薄膜孔開け装置におけるレーザ光の走査幅(孔開け可能幅)の2倍の場合を示しており、そのため主走査方向孔開け可能幅は矢印45で示したようにレーザ光の走査幅の3倍となる。なお、移動台40を移動させる機構については図示していないが、パルスモータやサーボモータとボールネジなどを組み合わせ、主走査方向に移動させるようにする。
このように構成した薄膜に多数の微少孔を高速に作成する装置は、最初実線で示した移動台40のある位置で孔開けを行い、その位置での孔開けが終わったら、図示していない移動機構で移動台40、及びミラー42を、レーザ光の走査幅41に相当する移動量であるミラー42で示した位置まで移動させ。そしてその位置で孔開けを行い、このミラー42で示した位置での孔開けも終わったら、さらにレーザ光の走査幅41に相当する移動量である、全体を破線で示したようにミラー42で示した位置まで移動させ、そこで孔開けを行う。
なお、移動台40の移動タイミングは、ミラー42のそれぞれの位置42、42、42、においてN回の走査、すなわち図2(B)における副走査方向Ly分の孔開けが終わった毎とするが、それにこだわらず、Ly分の孔開け複数回ごとに行ったりしても良いことは自明である。
本発明になる薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法及び装置は、固体高分子型燃料電池等に用いられる多数の微少孔を有する薄膜を高速に作成することができ、電力の自給自足を促して大きな効果をもたらすことができる。
10 パルスレーザ
11 コリメータレンズ
12 半透明鏡
13 回転多面体鏡
14 モータ
15 テレセントリックfθレンズ
16 反射鏡
17 薄膜
18 薄膜ローラ
19 ローラ
20 巻き取りローラ
21 モータ
22 原点検出用光源
23 受光素子
24 回転方向矢印
30 レーザ制御回路
31 多面体鏡駆動回路
32 原点信号検出回路
33 薄膜巻き取りモータ駆動回路
34 制御回路
40 移動台
41 レーザ光の走査幅
42 ミラー
43 移動台の移動量
44 光学系の光軸
45 主走査方向孔開け可能幅矢印

Claims (3)

  1. パルスレーザと、
    該パルスレーザの出力光を平行光束として送り出す光学系とからなるレーザ光源部と、
    該レーザ光源部からのレーザ光を反射して主走査方向への走査光に変換する回転多面体鏡と、
    該回転多面体鏡からの走査光を薄膜面に結像させるテレセントリックfθレンズを含む結像光学系と、
    前記薄膜を相対的に、前記主走査方向と直角な副走査方向に移動させる送り機構とからなる薄膜孔開け装置を用い、
    前記薄膜上の主走査方向の孔開けピッチをLx、同じく前記薄膜上の副走査方向の孔開けピッチをLy、前記パルスレーザの発光と発光の間にレーザ光が移動する距離をLaとし、Nを、
    N=La/Lx ……………………………………………………(1)
    としたとき、
    前記送り機構による前記薄膜の主走査毎の副走査方向への相対的な送り量Ldを、
    Ld=Ly/N ……………………………………………………(2)
    で算出すると共に、主走査毎に前記レーザ光による孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させ、さらに(N+1)回目の主走査毎に最初の孔開け位置から孔開けを行うようにすることを特徴とする、薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法。
  2. 前記薄膜上の主走査毎に前記レーザ光による孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させるため、前記パルスレーザの発光間隔、または前記回転多面体鏡の回転速度、もしくは前記パルスレーザの発光間隔と回転多面体鏡の回転速度の両方、のいずれかを調節することを特徴とする請求項1に記載した薄膜に多数の微少孔を高速に作成する方法。
  3. パルスレーザと、
    該パルスレーザの出力光を平行光束として送り出す光学系とからなるレーザ光源部と、
    該レーザ光源部からのレーザ光を反射して主走査方向への走査光に変換する回転多面体鏡と、
    該回転多面体鏡からの走査光を薄膜面に結像させるテレセントリックfθレンズを含む結像光学系と、
    前記薄膜を相対的に前記主走査方向と直角な副走査方向に移動させる送り機構とを備え、
    前記薄膜上の主走査方向の孔開けピッチをLx、同じく前記薄膜上の副走査方向の孔開けピッチをLy、前記パルスレーザの発光と発光の間にレーザ光が移動する距離をLaとし、Nを、
    N=La/Lx ……………………………………………………(1)
    としたとき、
    前記送り機構による前記薄膜の主走査毎の副走査方向への相対的な送り量Ldを、
    Ld=Ly/N ……………………………………………………(2)
    で算出すると共に、主走査毎に前記レーザ光による孔開け開始位置をLxだけ主走査方向へ移動させ、さらに(N+1)回目の主走査毎に最初の孔開け位置から孔開けを行うようにした薄膜孔開け装置を前記薄膜上の主走査方向に移動する機構を設け、前記薄膜上の主走査方向の孔開け可能幅を大きくしたことを特徴とする薄膜に多数の微少孔を高速に作成する装置。
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