JP2014047774A - プリクリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの回転数にかかわらず、吸気から異物を高効率に除去することができるようにした、プリクリーナを提供する。
【解決手段】エンジンに流入する吸気が流通する吸気ダクトにおいてエアクリーナよりも上流側に設けられたプリクリーナ1であって、下流側に設けられた二重筒部20と、上流側に設けられ、吸気に旋回成分を付与して螺旋流を形成する螺旋流形成部10と、を備え、二重筒部20は、内筒21と、外筒22と、内筒21及び外筒22の間の空間Sと吸気ダクトの外部とを連通する排出口Dとを有し、螺旋流形成部10は、吸気ダクトの中心軸線C方向に対して傾斜角度を有するフィン12と、フィン12の位置又は姿勢をエンジン側の負圧に応じて変更操作して、吸気の螺旋流特性を変更するフィン操作機構13と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアクリーナの上流側の吸気ダクトに設けられ、エアクリーナに流入される吸気から異物を分離除去するプリクリーナに関するものである。
従来、内燃機関(エンジンともいう)等の燃焼室へのダストや水等の異物の侵入を防止するため、吸気通路には、吸気に混入した異物を除去するエアクリーナが装着されている。このエアクリーナでは、エレメント(濾材)に吸気を流通させて異物を濾過している。したがって、エレメントに異物が蓄積され、これが吸気抵抗の増大となるため、定期的にエレメントの交換又は清掃を行なう必要がある。そこで、近年では、エレメント交換等のエアクリーナのメンテナンス頻度を減らすために、エアクリーナの上流側に吸気から異物を分離除去するプリクリーナを装着することが行なわれている。
このプリクリーナは、上流側に設けられ吸気ダクト内を流通する吸気に旋回成分を付与するフィンと、下流側に設けられた二重筒部と、二重筒部を構成する内筒及び外筒の間の空間と吸気ダクトの外部とを連通する排出口とを有する。したがって、プリクリーナに吸気が導入されると、フィンにより旋回成分が加えられた螺旋状の流れ(螺旋流)となって吸気が流通し、この螺旋流の旋回成分によって加えられる遠心力により吸気中の異物が吸気ダクト内の外周方向に分離され下流に流される。かかる異物は、二重筒部の外筒と内筒との間の空間に移送され、この空間と吸気ダクトの外部とを連通する排出口を通って吸気流通路から除去される。異物を除去された吸気は内筒の内部を流通して燃焼室へ供給される。このような所謂サイクロン式のプリクリーナに係る技術が、特許文献1に示されている。
特許文献1の吸気プリクリーナ構造では、空気入口側に円周方向へ所要のピッチで配置された複数の羽根(フィン)が固定されており、これらの羽根により分離され捕集された異物を吸気通路の外部へ排出する。この排出通路には下り勾配の傾斜部が形成されている。これにより、傾斜部に沿って異物が外部へ排出され、排出通路における異物の堆積を防止することができる。
特開2002−310016号公報
ところで、エンジンの回転数が高くなるに従ってエンジン側の負圧が大きくなり、この負圧が大きくなるに従って吸気速度は高くなる。逆に言えば、エンジンの回転数が低くなるに従ってエンジン側の負圧が小さくなり、この負圧が小さくなるに従って吸気速度は低くなる。
そのため、螺旋流を発生させる羽根が固定された特許文献1の技術では、プリクリーナを流通する吸気速度がエンジンの回転数に応じたものとなる。よって、エンジンの回転数が高い場合には、螺旋状に流通する吸気の速度が高く、この螺旋流における旋回成分も大きいため、異物には遠心力が十分に作用する。一方、エンジンの回転数が低い場合には、螺旋状に流通する吸気の速度が低く、この螺旋流における旋回成分が小さいものとなるため、異物への遠心力が十分に作用せず、吸気から異物を確実に除去することができないおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑み創案されたものであり、エンジンの回転数にかかわらず、吸気から異物を高効率に除去することができるようにした、プリクリーナを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明のプリクリーナは、エンジンに流入する吸気が流通する吸気ダクトにおいてエアクリーナよりも上流側に設けられたプリクリーナであって、下流側に設けられた二重筒部と、上流側に設けられ、前記吸気に旋回成分を付与して螺旋流を形成する螺旋流形成部と、を備え、前記二重筒部は、内筒と、外筒と、前記内筒及び前記外筒の間の空間と前記吸気ダクトの外部とを連通する排出口とを有し、前記螺旋流形成部は、前記吸気ダクトの中心軸線方向に対して傾斜角度を有するフィンと、前記フィンの位置又は姿勢を前記エンジン側の負圧に応じて変更操作して、前記吸気の螺旋流特性を変更するフィン操作機構と、を有することを特徴としている。なお、旋回流特性とは、旋回流が吸気流(軸流)に対して強く形成されるか弱く形成されるかという特性であり、例えば、プリクリーナに流入される吸気流とプリクリーナ内を螺旋流として流通する吸気の旋回流との割合や、プリクリーナ内における吸気の軸流成分と旋回成分との割合により規定される。
(2)前記フィンは層状に配設され、前記各層の間には、吸気流通空間が形成され、前記フィン操作機構は、前記エンジン側の負圧が小さくなるに従って、前記フィンの前記各層の間の距離を小さくするフィン間距離可変機構を有することが好ましい。
(3)前記フィン操作機構は、前記エンジン側の負圧が小さくなるに従って、前記フィンの前記傾斜角度を大きくするフィン角度可変機構を有することが好ましい。
(4)前記フィン操作機構は、前記エンジン側の負圧に応じて弾性変形(伸縮を含む)する弾性部と、前記弾性部と前記フィンとの間に介装され、前記弾性部の弾性変形を前記フィンに伝達して前記フィンの位置又は姿勢を前記弾性部と連動させて変更操作する変更操作部とを有することが好ましい。
(5)前記フィン操作機構は、前記エンジン側の負圧に応じて前記フィンの位置又は姿勢を変更操作するアクチュエータを有することが好ましい。
本発明のプリクリーナによれば、吸気に旋回成分を付与して螺旋流を形成する螺旋流形成部が、吸気ダクトの中心軸線方向に対して傾斜角度を有するフィンと、かかるフィンの位置又は姿勢をエンジン側の負圧に応じて変更操作して、吸気の螺旋流特性を変更するフィン操作機構を有するため、エンジンの回転数に相関のあるエンジン側の負圧に応じて螺旋流特性を変更することにより、螺旋流の吸気における旋回成分を増減させることができる。これにより、エンジンの回転数にかかわらず、吸気に混入した異物に遠心力を十分に作用させることができ、かかる異物を高効率に除去することができる。
例えば、エンジンの回転数が低くエンジン側の負圧が小さくなると、吸気速度が低くなるが、この場合には、螺旋流形成部において、吸気ダクトの中心軸線方向に対するフィンの傾斜角度を大きくすることにより螺旋流の吸気における旋回成分を大きくする、或いは、層状のフィンにおいて各層の間の距離を小さくして吸気流通路(吸気流通空間)を狭くすることにより、螺旋流の吸気速度を上昇させて旋回流を大きくすることができる。これにより、吸気に混入した異物への遠心力を十分に作用させることができる。
一方、エンジンの回転数が高くエンジン側の負圧が大きくなると、吸気速度が高くなるが、この場合には、螺旋流形成部において、吸気ダクトの中心軸線方向に対するフィンの傾斜角度を小さくすることにより螺旋流の吸気における旋回成分は小さくなって軸流成分が増大し、或いは、層状のフィンにおいて各層の間の距離を大きくして吸気流通路を広くすることにより螺旋流の吸気速度の上昇が抑制されて、吸気抵抗を抑制することができる。この場合、螺旋流自体が強くなるため、螺旋流の吸気における旋回成分の大きさは確保され、吸気に混入した異物への遠心力を十分に作用させることができる。
したがって、本発明のプリクリーナは、エンジンの回転数にかかわらず、吸気から異物を高効率に除去することができる。
また、プリクリーナの下流側のエアクリーナに流入される吸気から異物が高効率に除去されているため、エレメント(濾材)の交換や清掃といったエアクリーナのメンテナンス頻度を大幅に減らすことができる。よって、エアクリーナの交換距離を延長させることができ、メンテナンスコストを抑制することができる。また、エアクリーナを小型化することができ、装備コスト及び重量を低減させることができる。
このように、エンジンの回転数にかかわらずエアクリーナの上流で吸気に混入した異物を高効率に除去することにより、吸気を旋回させるフィンが固定された従来のプリクリーナに比較して、エアクリーナのエレメントの目詰まりを遅らせることができるため、長期に亘って吸排気系の抵抗の増加を抑制することができる。かかる抵抗増加の抑制により、燃費低下を抑制することができ、エンジンの出力低下を抑制することができ、排ガス性能の悪化を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るプリクリーナを模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るプリクリーナの螺旋流形成部を拡大して示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るプリクリーナの螺旋流形成部のフィンの位置を変更操作するフィン間距離可変機構(フィン操作機構)を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るプリクリーナにおいて、エンジン側の負圧が大きい場合の螺旋流形成部を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るプリクリーナにおいて、エンジン側の負圧が小さい場合の螺旋流形成部を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るプリクリーナの特性を示す線グラフであり、(a)はエンジン側の負圧と異物の除去率との関係を示し、(b)はエンジン側の負圧と吸気抵抗との関係を示し、(c)はエンジン側の負圧履歴の平均値とエアクリーナのエレメントライフ(濾材の寿命)との関係を示し、(d)は時間とシステム抵抗(吸排気系の抵抗)との関係を示す。なお、図6の(a)〜(d)では、実線で本発明の第1実施形態に係るプリクリーナの特性を示し、一点鎖線で従来のプリクリーナに係る特性を示している。 本発明の第2実施形態に係るプリクリーナの螺旋流形成部を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るプリクリーナの螺旋流形成部を模式的に示す下面図であり、(a)はエンジン側の負圧が大きい場合のものを示し、(b)はエンジン側の負圧が小さい場合のものを示す。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ここでは、本発明のプリクリーナが、例えばトラックやバスといった車両に適用された例を説明するが、本プリクリーナは、車両に限らずエンジンへの吸気が流通する吸気ダクトを搭載した種々のものに適用することが可能である。なお、本実施形態では、吸気の流通方向を基準に上流及び下流を定めている。
本実施形態のプリクリーナは、エンジンに流入する吸気が流通する吸気ダクトにおいて、エアクリーナよりも上流側に設けられており、吸気ダクトの一部を形成している。この吸気ダクトにおける吸気の流速(単位時間あたりの流量)は、下流側(エンジン側)の負圧に依存し、スロットル弁等の吸気絞りの影響や過給機の影響がなければ、エンジンの回転数が高くなるに従って負圧が大きくなるため、吸気速度は高くなる。逆に言えば、エンジンの回転数が低くなるに従ってエンジン側の負圧が小さくなるため、吸気速度は低くなる。なお、負圧とは、大気圧を基準に、小さくなる方向を正方向とする圧力の大きさを意味する。換言すれば、負圧は、大気圧と吸気の圧力との差圧を意味する。
〔第1実施形態〕
[構成]
図1に示すように、プリクリーナ1は、上流側に設けられた螺旋流形成部10と下流側に設けられた二重筒部20とを有する。
螺旋流形成部10は、プリクリーナ1の上流から導入された吸気に旋回成分を付与して螺旋流を形成するものである。なお、螺旋流とは、吸気ダクトの中心軸線Cに沿った方向の軸流と、この中心軸線Cに直交する平面を旋回(回転)する旋回流とが合成されたものをいう。
図1及び図2に示すように、螺旋流形成部10は、軸管11と吸気ダクトの中心軸線C方向に対して傾斜角度を有する複数枚で構成されたフィン12(ここでは4枚)とを有する。軸管11は、その中心軸と吸気ダクトの中心軸線Cとが一致或いは略一致し、閉鎖された下流端に底部11aを有する筒状の部材である。また、フィン12は、層状に配設され、軸管11の外周に螺旋状に設けられている。このフィン12の各層の間には吸気流通空間Aが形成されている。
ここでは、フィン12は、第1フィン12aと第2フィン12bと第3フィン12cと第4フィン12dとから構成されており、これらのフィン12a,12b,12c,12dは、それぞれ中心軸線Cを基準に位相が90度ずつずれて設けられている点を除いては同様に構成されている。このため、第1フィン12aに着目してその構成を説明する。
図2に示すように、第1フィン12aは、上流端部Uと下流端部Dとが中心軸線Cに直交する平面内で270度の角度をなしており、螺旋状に形成されている。換言すれば、第1フィン12aは、中心軸線Cに直交する平面において、軸管11の外側でその外周の接線に直交する線分を270度回転させながら上流端側から下流端側へ移動させた軌跡に、厚み(中心軸線Cに沿った方向の長さ)を加えた形状をなしている。
このため、プリクリーナ1を流通する吸気は、螺旋流形成部10よりも上流側では吸気ダクトの中心軸線Cに沿った方向の気流(軸流)であり、螺旋流形成部10を通過することで、軸線方向に対して傾斜角度を有するフィン12に旋回成分を付与され、これより下流側では螺旋流となって流通する。ここでは、螺旋流形成部10の上流側の吸気(軸流)は、4等分されて各フィン12の間に形成された吸気流通路に流入する。
なお、フィン12が4枚のものを説明したが、フィン12の枚数はこれに限られず、4枚よりも少なくても多くてもよい。また、フィン12の形状は、線分を螺旋状に270度回転させたものに限られず、270度よりも小さい角度或いは大きい角度で回転されたものでもよい。例えば、フィンが360度(1回転)以上回転させた螺旋形状であれば、1枚のフィンであっても1回転を超えた分は層状に配設されたものとなり、このようなフィンを複数用いてもよい。
この螺旋流形成部10は、詳細を後述するフィン間距離可変機構(フィン操作機構)13を有しており、このフィン間距離可変機構13によりエンジン側の負圧に応じてフィン12の位置が変更されるが、図1及び図2では、エンジンの回転数が高くエンジン側の負圧が大きい場合のフィン12の位置を実線で示している。この場合には、フィン12における各層の間の距離Lが等しくなっている。なお、図2には、エンジンの回転数が低くエンジン側の負圧が小さい場合の第3フィン12cの位置を二点鎖線で示している。
図1に示すように、二重筒部20は、内側に位置する内筒21と、外側に位置する外筒22と、これらの筒21,22の間の空間Sと吸気ダクトの外部とを連通する排出口Dとを有する。
内筒21及び外筒22は、その中心軸と吸気ダクトの中心軸線Cとが一致或いは略一致する筒状の部材である。内筒21は、プリクリーナ1の内部の下流側にのみ設けられ、外筒22は、プリクリーナ1の上流から下流に亘って設けられている。この外筒22の下流端と内筒21の外周とは結合されており、これらの筒21,22で囲まれる空間Sはその下流端が閉鎖されている。これらの筒21,22の結合箇所の近傍に排出口Dが設けられている。
次に、図4を参照して、フィン間距離可変機構13の構成を説明する。なお、図4には、図1及び図2に対応し、エンジンの回転数が高くエンジン側の負圧が大きい場合のフィン12の位置を示しており、フィン12の各層の間の距離Lが等しい。
フィン間距離可変機構13は、エンジン側の負圧が小さくなるに従って、フィン12の各層の間の距離を小さくするものである。図4では、エンジン側の負圧が大きい場合のものを示しており、第1フィン12aの層と第2フィン12bの層との間の距離が大きくされ、また、第3フィン12cの層と第4フィン12dの層との間の距離が大きくされているものを示す。
このフィン間距離可変機構13は、エンジン側の負圧に応じて伸縮(弾性変形)するバネ(弾性部)13aと、このバネ13aと第1フィン12a及び第3フィン12cとの間に介装され、バネ13aの伸縮をフィン12に伝達してフィン12の位置をバネ13aと連動させて変更操作する変更操作部13bとを有する。
バネ13aは、軸管11の内部であって、一端が軸管11の底部11aに固定され、他端が変更操作部13bに結合されている。なお、バネ13aは、押される力に対して収縮しながら反力を作用させるコイルバネ等の圧縮バネである。
変更操作部13bは、第1フィン12a及び第3フィン12cの位置をバネ13aの他端と連動させる。なお、変更操作部13bが連動させるフィンは第1フィン12a及び第3フィン12cに限られず、少なくとも一つのフィンを除く何れかのフィンであればよい。
この変更操作部13bは、軸管11の内部に設けられた第1連動部13p1及び第2連動部13p2と、これらの連動部13pに連結された第1連結部13c1及び第2連結部13c2とを有する。これらの連動部13pは結合されている。各連動部13pは、例えば、軸管11の内周よりも小さな外周を有する円盤形状のものを用いることができる。
第1連動部13p1は、変更操作部13bの上流側に設けられ、第3フィン12cと第1連結部13c1を介して連結されている。この第1連動部13p1は、上流から流入された軸線方向に沿った吸気流の圧力を受ける面(受圧面)を有する部位である。ここでは、エンジン側の負圧が大きいため螺旋流形成部10に流入される軸線方向の吸気の速度が高く、この吸気流から第1連動部13p1が受ける圧力が大きい。この圧力が第1連動部13p1に作用するため、第1連動部13p1を有する変更操作部13bに結合されたバネ13aは圧縮されている。
また、第2連動部13p2は、第1連動部13p1よりも下流側に設けられ、第1フィン12aと第2連結部13c2を介して連結されている。これらの各連結部13cは、何れも同様の構成であり、一方の連結部13cに着目してその構成を説明する。
図3に示すように、連結部13cは、軸管11において軸線方向を長辺とする長穴hに、その長辺方向の上下の空間に余裕をもって設けられている。この連結部13cは、軸管11内部の連動部13p(図4参照)と軸管11外部の一枚のフィン12(二点鎖線で示す)とを連結するものである。
連結部13cは、フィン12と固定されており、バネ13aと連動する変更操作部13bの一部であるため、上下に移動可能に構成されている。この連結部13cに対応して設けられた長穴hは、連結部13cの上下動を案内するガイドとして機能する。また、長穴hの上下の各端部は、バネ13aと連動する変更操作部13bの上下動を規制するストッパとして機能する。
なお、図3には、理解容易のため一枚のフィン12のみを取り出して示し、このフィン12を連結する二つの連結部13c及びこれらに対応する長穴hが二つ設けられるものを示すが、各連結部13cは同様の構成であり、各長穴hは同様の構成である。また、一枚のフィン12に対応して設けられる連結部13c及び長穴hの数はこれに限られず、連結部13c及びこれに対応する長穴hがそれぞれ一つだけ設けられてもよいし三つ以上設けられていてもよい。
次に、図5を参照して、螺旋流形成部10のフィン間距離可変機構13の構成を説明する。この図5には、エンジンの回転数が低く、エンジン側の負圧が小さい場合のフィン12の位置を示している。
第1連動部13p1は、エンジン側の負圧が小さいため螺旋流形成部10に流入される軸線方向の吸気の速度が低く、上記したエンジン側の負圧が大きい場合に比較して、吸気流から受ける圧力が小さい。よって、第1連動部13p1の受圧面を一部とする変更操作部13bに固定されたバネ13aは、エンジン側の負圧が大きい場合よりも伸張している。このバネ13aの伸張に変更操作部13bも連動しており、第1フィン12a及び第3フィン12cの位置が上流側に変更操作されている。このように、バネ13aの伸縮量(弾性変形量)とエンジン側の負圧とは相関があり、このバネ定数は、第1連動部13p1の受圧面の面積を考慮して、エンジン側の負圧が大きい状態である所定圧でフィン12の各層の間の距離を等しくし、エンジン側の負圧が小さい状態で一部のフィン12の間の距離を小さくするような大きさに設定されている。
つまり、フィン間距離可変機構13は、エンジン側の負圧が小さくなるに従って、第3フィン12cとこの上流側に隣接する第4フィン12dとの層間の距離L1を小さくすると同時に、第1フィン12aとこの上流側に隣接する第2フィン12bとの層間の距離L2を小さくするものである。
第3フィン12cと第4フィン12dとの層間に形成された吸気流通空間A1では、フィン間距離可変機構13により、これらの層間の距離L1が距離Lよりも小さくされている。換言すれば、吸気流通空間A1では、流路断面積(吸気流通方向に直交する断面積)が小さくされている。同様に、第1フィン12aの層と第2フィン12bの層との間に形成された吸気流通空間A2では、これらの層間の距離L2が小さくされ、流路断面積が小さくされている。なお、ここでは、吸気流通空間A1を形成する層間の距離L1と吸気流通空間A2を形成する層間の距離L2とは等しい。
一方、第2フィン12bの層と第3フィン12cの層との間に形成された吸気流通空間A3では、フィン間距離可変機構13により、これらの層間の距離L3が距離Lよりも大きくされ、吸気流通空間A3における流路断面積が大きくされている。同様に、第1フィン12aの層と第4フィン12dの層との間に形成された吸気流通空間A4では、これらの層間の距離L4が大きくされ、流路断面積が大きくされている。なお、ここでは、吸気流通空間A3を形成する層間の距離L3と吸気流通空間A4を形成する層間の距離L4とは等しい。
一般に、流体は、流路断面積が小さくなるに従って流通速度が上昇する特性を有する。このため、エンジン側の負圧が大きい場合よりもその負圧が小さい場合の方が、流体である吸気の流通速度は上昇される。つまり、この場合には、4等分された吸気のうち吸気流通空間A1及び吸気流通空間A2を螺旋流として流通する吸気は、吸気流通路が絞られることになるため、その速度が上昇する。一方、4等分された吸気のうち吸気流通空間A3及び吸気流通空間A4を螺旋流として流通する吸気は、吸気流通路が拡げられるため、その速度が低下する。
このように、フィン間距離可変機構13は、吸気の螺旋流特性を変更するものとして構成されている。なお、螺旋流特性とは、螺旋流が吸気流に対して強く形成されるか弱く形成されるかという特性であり、ここでは、プリクリーナ1に流入される吸気流(軸流)とプリクリーナ1内を螺旋流として流通する吸気の旋回成分との割合により規定する。
[作用・効果]
本発明の第1実施形態に係るプリクリーナは、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
本実施形態のプリクリーナ1によれば、吸気に旋回成分を付与して螺旋流を形成する螺旋流形成部10が、吸気ダクトの中心軸線C方向に対して傾斜角度を有するフィン12と、かかるフィン12の位置をエンジン側の負圧に応じて変更操作して、吸気の螺旋流特性を変更するフィン間距離可変機構13とを有するため、エンジンの回転数に相関のあるエンジン側の負圧に応じて螺旋流特性を変更することにより、螺旋流の速度を増減させることができる。これにより、螺旋流の速度に応じた旋回流の強さが増減されるため、エンジンの回転数にかかわらず、吸気に混入した異物に遠心力を十分に作用させることができ、かかる異物を高効率に除去することができる。
つまり、フィン12に流入する吸気は、各フィン12a,12b,12c,12dに略均等に分配される。これに対して、エンジンの回転数が低くエンジン側の負圧が小さくなるに従って、フィン間距離可変機構13により、層状のフィン12における各層の間の距離L、具体的には、第3フィン12cの層及び第4フィン12dの層の距離L1と、第1フィン12aの層及び第2フィン12bの層との距離L2とが小さくなる。これにより、これらの層により形成される吸気流通空間Aの流路断面積は小さく(吸気流通空間Aは狭く)なる。つまり、プリクリーナ1に流入される吸気の速度が低くなるに従って、吸気は、螺旋流形成部13で螺旋流とされるとともに、その速度が上昇される。したがって、図6(a)の実線で示すように、エンジンの回転数に相関のあるエンジン側の負圧にかかわらず、吸気に混入した異物への遠心力を十分に作用させることができ、吸気から異物を高効率に除去することができる。
一方、エンジンの回転数が高くエンジン側の負圧が大きい場合には、フィン間距離可変機構13によりフィン12の各層の間の距離Lが等しくなるため、吸気速度の上昇が抑制される。このときにプリクリーナ1に流入される吸気の速度は、エンジン側の負圧が小さいときよりも高く、螺旋流自体が強い。したがって、吸気に混入した異物への遠心力が十分に加わっており、吸気から異物を高効率に除去することができる。
この図6(a)には、フィンが固定された従来のプリクリーナによる異物の除去率を一点鎖線で示している。この従来のプリクリーナでは、エンジン側の負圧が大きくなるに従って異物の除去率が上がる特性となっており、特に負圧が小さい場合の異物の除去率が低い。これに対し、本実施形態のプリクリーナ1は、エンジン側の負圧にかかわらず、吸気から異物を高効率に除去することができる。
フィン間距離可変機構13は、エンジン側の負圧に応じて伸縮等の弾性変形するバネ13aと、この弾性変形をフィン12に伝達してその位置をバネ13aと連動させて変更操作する変更操作部13bとを有するため、メカニカルな機構で、エンジンの回転数に相関のあるエンジン側の負圧に応じてフィンの位置を変更操作することで螺旋流の吸気における旋回流の強さを増減させることができる。これにより、簡素な構成で、エンジンの回転数にかかわらず吸気から異物を高効率に除去することができる。
なお、本実施形態のプリクリーナ1では、第2フィン12bと第3フィン12cとの層間に形成される吸気流通空間A3と、第1フィン12aと第4フィン12dとの層間に形成される吸気流通空間A4とでは、それぞれの流路断面積は大きくなるため、これらの吸気流通空間A3,A4を流通する吸気の速度が低下される。よって、この低下した速度の吸気における旋回流により、吸気に混入した異物に遠心力が作用する。
この遠心力は、速度の二乗に比例するため、速度が上昇すればするほど大きくなり、その度合いも大きくなる。つまり、遠心力は、速度の低下に対して緩慢に小さくなるのに対して、速度上昇に対しては急激に大きくなる。
したがって、螺旋流形成部10の下流側では、流路断面積が大きくされた吸気流通空間A3,A4を流通して速度が低下された吸気と、流路断面積が小さくされた吸気流通空間A1,A2を流通して速度が上昇された吸気とが合流し、合流した吸気では、速度が低下された吸気による異物に作用する遠心力よりも速度が上昇された吸気による異物に加わる遠心力の方が、異物への影響が大きい。また、速度が上昇された吸気流(螺旋流)に速度が低下された吸気流(螺旋流)が挟まれることにより、この挟まれた吸気流における異物に作用する遠心力の低下も抑制される。したがって、全体として異物の除去率を向上させることができる。
ただし、図6(b)の実線に示すように、本実施形態のプリクリーナ1では、吸気速度の上昇による異物の除去率に対応して吸気抵抗が大きくなるが、負圧が大きい場合には、フィン12の各層の間の距離Lが等しくされるため、吸気速度の上昇が抑制され、吸気抵抗の増加を抑制することができる。一方、従来のプリクリーナの吸気抵抗(一点鎖線で示す)は、エンジン側の負圧が大きくなるに従って大きくなる。
また、図6(c)の実線に示すように、本実施形態のプリクリーナ1では、異物を高効率に除去することができるため、エアクリーナのエレメントライフ(濾材の寿命)を、エンジンの回転数に相関のあるエンジン側の負圧履歴の平均値にかかわらず、高寿命化することができる。一方、従来のプリクリーナのエレメントライフ(一点鎖線で示す)は、エンジン側の負圧履歴の平均値に応じた寿命となってしまう。つまり、従来のプリクリーナでは、負圧が小さい状況が多ければ、エレメントライフが短くなってしまう。これに対し、本実施形態のプリクリーナ1は、エンジン側の負圧履歴の平均値にかかわらずエレメントライフを高寿命化することができる。
このように、エアクリーナのエレメントライフを高寿命化することにより、エレメントの交換や清掃といったエアクリーナのメンテナンス頻度を大幅に減らすことができる。よって、エアクリーナの交換距離を延長させることができ、メンテナンスコストを抑制することができる。また、エアクリーナを小型化することができ、装備コスト及び重量を低減させることができる。
また、図6(d)に一点鎖線で示す従来のプリクリーナのシステム抵抗(吸排気系の抵抗)は、その初期値は小さいものの増加度合いが大きい。その理由は、負圧が小さい場合の吸気抵抗が小さく、システム抵抗のうち吸気抵抗にかかる抵抗が小さいものとなるが、時間の経過とともに異物の侵入が進行し、これによる抵抗が増加するからである。
一方、本実施形態のプリクリーナ1では、吸排気にかかるシステム抵抗(実線で示す)は、その初期値が従来のプリクリーナよりも大きいものの、その増加は抑制されている。システム抵抗の初期値が小さくならない理由は、吸気速度を上昇させる際に吸気流通空間Aを狭くすることが吸気抵抗となるからであり、システム抵抗の増加が抑制される理由は、異物が高効率の除去されることにより、この下流に設けられた種々の装置に侵入する異物が減少されるからである。したがって、本実施形態のプリクリーナ1のシステム抵抗は、所定時間tp経過以後では、従来のプリクリーナのシステム抵抗よりも小さいものとなる。
このように、エンジンの回転数にかかわらずエアクリーナの上流で吸気に混入した異物を高効率に除去することにより、吸気を旋回させるフィンが固定された従来のプリクリーナに比較して、エアクリーナのエレメントの目詰まりを遅らせることができるため、長期に亘ってシステム抵抗の増加を抑制することができる。かかる抵抗増加の抑制により、燃費低下を抑制することができ、エンジンの出力低下を抑制することができ、排ガス性能の悪化を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図面を用いて本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態にかかるプリクリーナは、第1実施形態のフィン間距離可変機構13に替えて、フィン角度可変機構(フィン操作機構)が設けられる構成が第1実施形態と異なる。なお、本実施形態で説明する点を除いては第1実施形態の構成と同様になっており、これらについては、同様の符号を使用し、各部の説明を省略する。
図7に示すように、螺旋流形成部10は、軸管11と吸気ダクトの中心軸線C方向に対して傾斜角度を有する複数のフィン12(ここでは4枚)とを有する。フィン12は、層状に配設され、軸管11の外周に螺旋状に設けられている。このフィン12の各層の間には吸気流通空間Aが形成されている。なお、各フィン12と軸管11との間には隙間が形成されている。
フィン12は、第1フィン12aと第2フィン12bと第3フィン13cと第4フィン12dとから構成されており、これらのフィン12a,12b,12c,12dは、それぞれ中心軸線Cを基準に位相が90度ずつずれて設けられている。まず、第1フィン12aに着目してその構成を説明する。
第1フィン12aは、上流端部Uと下流端部Dとが中心軸線Cに直交する平面内で120度の角度をなしており、螺旋状に形成されている。つまり、第1実施形態で例示した第1フィン12aよりも短い。なお、第1フィン12aの形状は、線分を螺旋状に120度回転させたものに限られないが、隣接する第2フィン12b及び第4フィン12dと上面視で重なるように、螺旋状に90度以上回転させた形状であることが好ましい。なお、フィン12の枚数は4枚に限られず、これよりも多くても少なくてもよい。
第2フィン12b,第3フィン13c及び第4フィン12dの各構成は、第1フィン12aの構成と同様である。このため、螺旋流形成部10に流入された吸気(軸流)は、各フィン12の傾斜角度に応じた旋回成分を付与され螺旋流となる。
螺旋流形成部10は、各フィン12の傾斜角度(姿勢)をエンジン側の負圧に応じて変更操作して、吸気の螺旋流特性を変更するフィン角度可変機構23を有する。ここでは、第1フィン12aに接続されたフィン角度可変機構23に着目して、その構成を説明する。
フィン角度可変機構23は、アクチュエータ23aと連動部23bとを有する。
アクチュエータ23aは、第1フィン12aの中心軸線Cに対する傾斜角度を変更操作する。このアクチュエータ23aは、軸管11の内部に設けられ、その出力軸線Rを中心に回動作動する。なお、出力軸線Rは、軸管11の外周の接線に直交する方向に沿う或いは略沿うように設定されている。
アクチュエータ23aには、螺旋流形成部10の上流側の吸気速度を検出する流速センサ(図示略)やエンジン側の負圧を検出する圧力センサ(図示略)等の螺旋流形成部10に流入する吸気の速度に相関のあるパラメータを検出するセンサが接続されており、かかるセンサの検出値に応じて回動作動する。換言すれば、エンジン側の負圧に相関のある検出値に応じて回動作動する。
例えば、流速センサにより検出された検出値が低い、或いは、圧力センサにより検出された検出値が高いといった吸気速度が低い場合には、アクチュエータ23aが、第1フィン12aの傾斜角度を大きくするように回動作動する。一方、吸気速度が高い場合には、アクチュエータ23が、第1フィン12aの傾斜角度を小さくするように回動作動する。
連動部23bは、アクチュエータ23aと第1フィン12aとの間に介装され、アクチュエータ23aの作動を第1フィン12aに伝達する部位である。この連動部23bは、軸管11の外部の箇所に第1フィン12aが固定され、軸管11の内部の箇所にアクチュエータの作動箇所が固定されている。
第2フィン12b,第3フィン13c及び第4フィン12dのそれぞれにも、第1フィン12aと同様にフィン角度可変機構23が接続されている。このように、フィン角度可変機構23は、吸気の螺旋流特性を変更し、エンジン側の負圧が小さくなるに従って傾斜角度を大きくするものとして構成されている。なお、螺旋流特性とは、上述の通り螺旋流が吸気流に対して強く形成されるか弱く形成されるかという特性であり、ここでは、螺旋流における軸流成分と旋回成分との割合により規定される。
[作用・効果]
本発明の第2実施形態にかかるプリクリーナは、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
フィン角度可変機構23は、エンジン側の負圧が小さくなるに従って、各フィン12の傾斜角度を大きくするため、螺旋流形成部10に流入される吸気速度が低くなるに従って、螺旋流の吸気における旋回成分を強めることができる。よって、異物への遠心力を十分に加えることができ、エンジンの回転数にかかわらず異物を高効率に除去することができる。
具体的には、フィン角度可変機構23のアクチュエータ23aが、エンジン側の負圧に応じてフィンの姿勢を変更操作するため、エンジン側の負圧に相関のある種々のエンジンの回転数に応じて各フィン12の傾斜角度を適切に変更操作することができ、吸気抵抗を考慮して螺旋流の吸気における旋回成分を増減させることができる。これにより、エンジンの回転数にかかわらず異物を高効率に除去することができる。例えば、吸気抵抗の増大による燃費の低下やエンジンの出力低下や排ガス性能の悪化等を考慮して、フィンの位置又は姿勢を変更操作することができ、エンジンの回転数に応じて吸気における旋回成分により異物に作用する遠心力を適切に設定することができる。
このように、エンジンの回転数にかかわらずエアクリーナの上流で吸気に混入した異物を高効率に除去することにより、吸気を旋回させるフィンが固定された従来のプリクリーナに比較して、エアクリーナのエレメントの目詰まりを遅らせることができるため、長期に亘ってシステム抵抗の増加を抑制することができる。かかる抵抗増加の抑制により、燃費低下を抑制することができ、エンジンの出力低下を抑制することができ、排ガス性能の悪化を抑制することができる。
〔第3実施形態〕
次に、図面を用いて本発明の第3実施形態について説明する。本発明の第3実施形態にかかるプリクリーナは、第1実施形態のフィン間距離可変機構13又は第2実施形態のフィン角度可変機構23に替えて、一部のフィンにおいて軸方向の一端(上端又は下端)をプリクリーナの中心軸線まわりに回転操作して一部のフィンの一端の位相を変更することにより、フィン間の距離を上流から下流にいくに従って変化するように変更操作するフィン位相可変機構33を有する点が異なり、また、この前提として、フィンが、可撓性を有し或いは変形可能であって上流端部が固定されている点が異なる。なお、本実施形態で説明する点を除いては第1実施形態又は第2実施形態の構成と同様になっており、これらについては、同様の符号を使用し、各部の説明を省略する。
フィン位相可変機構(フィン操作機構)33は、エンジン側の負圧に応じて各フィン12の位相(位置)を変更操作するものである。具体的には、フィン位相可変機構33は、各フィン12の上流端部の位相はそのままに、各フィン12の下流端部の位相を変更操作して、吸気の螺旋流特性を変更するものである。なお、螺旋流特性とは、上述の通り螺旋流が吸気流に対して強く形成されるか弱く形成されるかという特性であり、ここでは、プリクリーナに流入される吸気流(軸流)とプリクリーナ内を流通する螺旋流として流通する吸気の旋回流との割合により規定される。
図8に示すように、フィン位相可変機構33は、軸管11の内部に設けられ、各フィン12と接続されている。このフィン位相可変機構33は、下面視で中心軸線Cを回動中心として各フィン12を移動させる。なお、図8には、理解容易のため、各フィン12の下流端部のみを模式化して示している。
フィン位相可変機構33は、エンジン側の負圧に応じて弾性変形するバネ等の弾性体(図示略)や同負圧に応じて作動するアクチュエータ(図示略)を有し、これらのバネの伸縮やアクチュエータの作動により各フィン12の位相を変更操作する。
エンジンの回転数が高くエンジン側の負圧が大きい場合には、図8(a)に示すように、フィン位相可変機構33は、各フィン12どうしが90度の角度を形成するように、各フィン12の位相を変更操作する。この場合、各フィン12の間に形成される吸気流通空間は、同じ広さになる。
一方、エンジンの回転数が低くエンジン側の負圧が小さい場合には、図8(b)に示すように、フィン位相可変機構33は、一部のフィン12を移動させて、フィン12の位相を変更操作する。ここでは、フィン位相可変機構33が、第2フィン12b及び第4フィン12dを移動させて位相を変更操作したものを示す。この場合、第2フィン12b及び第3フィン12cで形成される吸気流通空間が上流から下流に向けて徐々に狭められ、同様に、第4フィン12d及び第1フィン12aで形成される吸気流通空間が上流から下流に向けて徐々に狭められる。
このように、フィン位相可変機構33は、エンジン側の負圧が小さくなるに従って、一部のフィン12を移動させ位相を変更操作する。なお、ここでは、フィン位相可変機構33が、第2フィン12b及び第4フィン12dを移動させるものを説明したが、移動されるフィンはこれに限られず、少なくとも一つのフィンを除く何れかのフィンを移動してもよい。この場合、フィン位相可変機構33によりフィン12が移動されると、何れか吸気流通空間が狭められる。
[作用・効果]
したがって、フィン位相可変機構33は、エンジン側の負圧が小さくなるに従って、フィン12を移動させ位相を変更操作し、吸気流通空間を狭めるため、この通路を流通する螺旋流の吸気の速度を上昇させることができる。これにより、異物への遠心力を十分に加えることができ、エンジンの回転数にかかわらず異物を高効率に除去することができる。
このように、エンジンの回転数にかかわらずエアクリーナの上流で吸気に混入した異物を高効率に除去することにより、吸気を旋回させるフィンが固定された従来のプリクリーナに比較して、エアクリーナのエレメントの目詰まりを遅らせることができるため、長期に亘ってシステム抵抗の増加を抑制することができる。かかる抵抗増加の抑制により、燃費低下を抑制することができ、エンジンの出力低下を抑制することができ、排ガス性能の悪化を抑制することができる。
なお、本実施形態では、フィン位相可変機構33が各フィン12の上流端部の位相はそのままに下流端部の位相を操作するものを例示したが、これに限られず、フィン位相可変機構33が各フィン12の下流端部の位相はそのままに上流端部の位相を操作してもよい。これによれば、エンジン回転数が低くエンジン側の負圧が小さい場合、フィン位相可変機構33により一部のフィン12が移動され、一部のフィン12により形成される吸気流通空間が上流から下流に向けて徐々に狭められる。したがって、上記の効果と同様の効果を得ることができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の第2実施形態では、アクチュエータ23aが各フィン12の傾斜角度を変更操作するものを示したが、これに限らず、アクチュエータが、各フィンの位置を上下に移動させてもよい。この場合、アクチュエータにより吸気流通空間Aが狭められるため、吸気速度が上昇され、異物を高効率に除去することができる。
上述の実施形態では、フィン間距離可変機構13,フィン角度可変機構23及びフィン位相可変機構33により、フィンの位置又は姿勢をエンジン側の負圧に応じて変更操作して、吸気の螺旋流特性を変更するものを説明したが、これらの機構13,23,33に替えて、フィンの上端と下端とを互いに逆方向に回動する捩り機構(フィン操作機構,フィン間距離可変機構,フィン角度可変機構)を用いてもよい。
この捩り機構は、バネ等の弾性体やアクチュエータを有し、弾性体の弾性変形やアクチュエータの作動によりフィンを捩ることにより螺旋流特性(螺旋流が吸気流に対して強く形成されるか弱く形成されるかという特性、具体的には、プリクリーナに流入される軸流の吸気流とプリクリーナ内を螺旋流として流通する吸気の旋回流との割合、或いは、プリクリーナ内における吸気の軸流成分と旋回成分として規定される特性)を変更する。この捩り機構が適用されたフィンは、可撓性を有し或いは変形可能に構成されている。捩り機構は、エンジン側の負圧が小さくなるに従って、フィンの捩れを大きくする。つまり、捩り機構は、フィンの捩れを大きくすることにより、フィンの傾斜角度を大きくし、また、フィンの各層の間の距離を小さくして螺旋流特性を変更する。したがって、捩り機構により、エンジン側の負圧が小さくなるに従って、フィンの傾斜角度を大きくするとともに吸気流通空間を狭めることで、螺旋流の吸気の速度を上昇させるとともに、螺旋流のうちの旋回成分を増加させることができる。よって、異物への遠心力を十分に加えることができ、エンジンの回転数にかかわらず異物を高効率に除去することができる。
上述の実施形態のプリクリーナは、吸気ダクトの少なくとも一か所設けられており、例えば、二か所に並設されてもよいし、三か所以上設けられてもよい。
本発明のプリクリーナは、トラック又はバスといった自動車のみならず、鉄道や建設機械等の車両にも適用することができる。
1 プリクリーナ
10 螺旋流形成部
11 軸管
11a 底部
12 フィン
12a 第1フィン
12b 第2フィン
12c 第3フィン
12d 第4フィン
U 上流端部
D 下流端部
13 フィン間距離可変機構(フィン操作機構)
13a バネ(弾性部)
13b 変更操作部
13p1 第1連動部
13p2 第2連動部
20 二重筒部
21 内筒
22 外筒
23 フィン角度可変機構(フィン操作機構)
23a アクチュエータ
23b 連動部
33 フィン位相可変機構(フィン操作機構)
A 吸気流通空間
C 中心軸線
L (各層の間の)距離

Claims (5)

  1. エンジンに流入する吸気が流通する吸気ダクトにおいてエアクリーナよりも上流側に設けられたプリクリーナであって、
    下流側に設けられた二重筒部と、
    上流側に設けられ、前記吸気に旋回成分を付与して螺旋流を形成する螺旋流形成部と、を備え、
    前記二重筒部は、内筒と、外筒と、前記内筒及び前記外筒の間の空間と前記吸気ダクトの外部とを連通する排出口とを有し、
    前記螺旋流形成部は、前記吸気ダクトの中心軸線方向に対して傾斜角度を有するフィンと、前記フィンの位置又は姿勢を前記エンジン側の負圧に応じて変更操作して、前記吸気の螺旋流特性を変更するフィン操作機構と、を有する
    ことを特徴とする、プリクリーナ。
  2. 前記フィンは層状に配設され、前記各層の間には、吸気流通空間が形成され、
    前記フィン操作機構は、前記エンジン側の負圧が小さくなるに従って、前記フィンの前記各層の間の距離を小さくするフィン間距離可変機構を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載のプリクリーナ。
  3. 前記フィン操作機構は、前記エンジン側の負圧が小さくなるに従って、前記フィンの前記傾斜角度を大きくするフィン角度可変機構を有する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のプリクリーナ。
  4. 前記フィン操作機構は、前記エンジン側の負圧に応じて弾性変形する弾性部と、前記弾性部と前記フィンとの間に介装され、前記弾性部の弾性変形を前記フィンに伝達して前記フィンの位置又は姿勢を前記弾性部と連動させて変更操作する変更操作部とを有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のプリクリーナ。
  5. 前記フィン操作機構は、前記エンジン側の負圧に応じて前記フィンの位置又は姿勢を変更操作するアクチュエータを有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のプリクリーナ。
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