JP2014046438A - 打撃工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 最大圧縮状態でのシリンダ側壁面に対するピストンの押し付けを回避あるいは軽減する上で有効な改良された空圧式の打撃工具を提供する。
【解決手段】 先端工具が少なくとも長軸方向に直線動作して被加工材にハンマ作業を行う打撃工具であり、ピストン131が先端工具から最も離間する位置を下死点位置、先端工具に最も接近する位置を上死点位置としたとき、下死点位置から上死点位置に移動する間に、連接ロッド165がシリンダ141に平行に配置されるように構成されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、先端工具が少なくとも長軸方向に直線動作して被加工材にハンマ作業を行う打撃工具に関する。
特開2007−203409号公報(特許文献1)は、空圧式の衝撃機構を備えた打撃工具を開示している。この空圧式打撃工具は、シリンダ内において摺動動作するピストンとストライカとの相対移動により生ずる空気の圧力変動、すなわち空気ばねの作用を介してストライカを前方へ移動させ、当該移動されたストライカがハンマビットを打撃する構成である。この打撃工具は、上死点でシリンダとピストンロッドが平行になる。
特開2007−203409号公報
クランク機構を介してピストンを駆動するクランク駆動式の打撃工具では、ハンマビットを打撃したストライカは、打撃前の位置へと戻ってくる。そして、ピストンがハンマビットから最も離間する下死点位置からハンマビットに最も接近する上死点位置に移動する途中の位置でストライカが再びハンマビットを打撃するために当該ハンマビットに向かって動き出す。そのため、従来の打撃工具では、このとき、連接ロッドがピストンの往復移動軸線、すなわち打撃軸線に対して傾斜する。このため、連接ロッドから受ける斜め方向の力でピストンがシリンダの内側面に押圧されて摺動面の摩擦損失が大きくなり、効率的でない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、打撃力を効果的に利用できる打撃工具を提供することをその目的とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る打撃工具の好ましい形態は、工具本体と、工具本体内に配置されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に配置された打撃子と、シリンダ内を摺動して打撃子を駆動するピストンと、ピストンに接続された連接ロッドと、連接ロッドに接続し、ピストンを駆動するクランクと、を有する。そして打撃子により先端工具を打撃して被加工材にハンマ作業を行う構成である。なお、本発明における「クランク」とは、回転運動を直線運動に変換する機構であり、回転するクランクシャフトと、クランクシャフトの回転軸線から所定量偏心された位置でクランクシャフトに連結される偏心軸とにより構成される。
本発明では、ピストンが先端工具から最も離間する位置を下死点位置、先端工具に最も接近する位置を上死点位置としたとき、下死点位置から上死点位置に移動する間に、連接ロッドの、ピストンとの接続部とクランクとの接続部とを結ぶ直線がシリンダに平行に配置されるように構成される。
ピストンを駆動するクランクにおいては、下死点位置に対応するクランク角度0度及び上死点位置に対応する180度の位置で、ピストン摺動方向におけるピストン速度が0になる。すなわち、下死点位置から上死点位置に移動する間にピストンが打撃子を先端工具に向かう方向に駆動させることが合理的である。とりわけ、空圧式の打撃工具においては、打撃子が摺動可能であるため、ピストンが下死点位置から上死点位置に移動する間にシリンダ内の空気が最大圧縮状態となる構成が好ましい。本発明によれば、ピストンが下死点位置から上死点位置に移動する間に、連接ロッドの、ピストンとの接続部とクランクとの接続部とを結ぶ直線がシリンダに平行に配置される構成としたことにより、最大圧縮状態において、ピストンの移動方向と交差する向きの力が当該ピストンに作用することを回避あるいは低減することが可能となる。これによりピストンとシリンダとの摺動面の摩擦損失を小さくして、ピストンを効率よく駆動できる。
本発明に係る打撃工具の更なる形態によれば、クランクのクランク角につき、下死点位置に対応する角度を0度、上死点位置に対応する角度を180度としたとき、クランクがピストンの下死点位置から上死点位置に向かってクランク角で約90度回転された位置で、連接ロッドがシリンダと平行になる構成である。
クランクを介してピストンを駆動する形式の打撃工具では、クランクが約90度の位置でピストンの先端工具に向かう方向の速度が最大となる。とりわけ空圧式の打撃工具においては、ピストンが下死点位置から上死点位置に移動する途中のクランク角で約90度回転した位置で最大圧縮状態となるように設定される。従って、クランク角で約90度回転された位置で、連接ロッドがシリンダと平行になるように構成することが好ましい。なお、本形態における「約90度」とは、90度±20度の範囲をいう。
また、本発明に係る打撃工具の更なる形態によれば、連接ロッドがシリンダに平行になるときに、打撃子が先端工具に向かって動き出す構成されている。このように構成することで、空圧式の打撃工具においては、最大圧縮状態でのピストンに作用する当該ピストンの移動方向と交差する方向の力を回避あるいは低減し、ピストンとシリンダとの摺動面の摩擦損失を小さくできる。
本発明に係る打撃工具の更なる形態によれば、クランクの回転中心は、シリンダ内を移動するピストンの往復移動軸線に対して当該往復移動軸線と交差する方向にオフセットされている構成である。
この形態によれば、クランクの回転中心をピストンの往復移動軸線から当該往復移動軸線と交差する方向(横方向)にオフセットする(ずらす)構成としたので、オフセット量を調整することで、ピストンが下死点位置から上死点位置に移動する間に連接ロッドがシリンダに平行となるように容易に設定できる。
本発明に係る打撃工具の更なる形態によれば、クランクは、回転するクランクシャフトと、クランクシャフトの回転軸線から偏心した位置で当該クランクシャフトに連結された偏心軸と、を有する。そして打撃工具は、偏心軸と連接ロッドとの間に介在されて偏心軸と連接ロッドとの双方にそれぞれ揺動可能に接続された揺動部材と、一端が工具本体に揺動可能に支持され、他端が揺動部材に揺動可能に接続された制御部材と、を更に備えている。
この形態によれば、クランクの偏心軸と連接ロッドとの間に揺動部材が介在された構成としている。かかる構成によれば、偏心軸が回転運動(周回運動)するとき、揺動部材の連接ロッドとの接続部位(相対回動支点)は、ピストンの移動方向に沿う方向が長い概ね長円形の軌跡を描く周回運動を行う。これにより上記接続部位に関するピストンの移動方向と平行な方向の平行成分の移動量は、偏心軸に関するピストンの移動方向と平行な方向の平行成分の移動量より大きくなる。すなわち、ピストンの移動方向に関し、偏心軸の移動量は、ピストンに増幅して伝達される。一方、ピストンの移動方向と交差する方向の交差成分の移動量は、増幅されない。このため、ピストンの移動量よりも偏心軸のピストン移動方向と交差する方向の移動量を大幅に小さくすることが可能になり、このことにより、連接ロッドの揺動角度が小さくなり、連接ロッドのシリンダ端部に対する干渉を回避しつつ連接ロッドの軸方向長さを短縮することができる。その結果、ピストンの駆動装置全体をシリンダに近づけるように配置し、打撃工具に関する打撃方向のコンパクト化を図ることができる。
本発明に係る打撃工具の更なる形態によれば、揺動部材と連接ロッドとを揺動可能に接続する第1支持部及び揺動部材と制御部材とを揺動可能に接続する第2支持部を有する。そして、第1支持部と第2支持部を結ぶ方向に関して、当該第1支持部と第2支持部の間に偏心軸が配置されている。
この形態によれば、合理的な配置構成のクランク機構を構築できる。
本発明によれば、打撃力を効果的に利用できる打撃工具が提供されることとなった。
本発明の実施形態に係るハンマドリルの全体構成を示す側断面図である。 ピストン駆動装置として、リンク式クランク機構を用いた第1実施形態を説明する図である。 ピストン動作図であり、ピストンが最も後方へ移動された下死点位置(クランク角で0度の位置)を示す。 ピストン動作図であり、ピストンが下死点位置から上死点位置に向かって移動(クランク角で約90度回転)された最大圧縮状態を示す図である。 ピストン動作図であり、ピストンが最も前方へ移動された上死点位置(クランク角で180度の位置)を示す図である。 ピストン動作図であり、ピストンが上死点位置から下死点位置に向かって移動(クランク角で約270度回転)されたストライカの吸い込み行程を示す図である。 ピストン移動量の増幅作用を説明する図である。 ピストン駆動装置として、一般的なクランク機構を用いた第2実施形態を説明する図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態につき、図1〜図7を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態では、打撃工具の一例として電動式のハンマドリルを用いて説明する。図1に示すように、ハンマドリル100は、ハンマビット119を装着し、装着されたハンマビット119を長軸方向に直線動作及び長軸方向回りに回転させて、被加工材に対して穴明けやハツリ等の加工を行う打撃工具である。なお、ハンマビット119が、本発明における「先端工具」に対応する。
図1に示すように、ハンマドリル100は、概括的に見て、ハンマドリル100の外郭を形成する本体ハウジング101を主体として構成される。この本体ハウジング101が、本発明における「工具本体」に対応する。本体ハウジング101の先端領域には、ハンマビット119が筒状のツールホルダ159を介して着脱自在に取付けられる。ハンマビット119は、ツールホルダ159に対し長軸方向には相対移動可能とされ、周方向には一体回転するように装着される。
本体ハウジング101の先端領域の反対側端部には、作業者が握るハンドグリップ107が連接されている。ハンドグリップ107は、ハンマビット119の長軸方向と交差する図1の上下方向に延在するとともに、本体ハウジング101に対して延在方向の各端部が連接された側面視で略D型のメインハンドルとして備えられている。
なお、本実施形態では、便宜上、本体ハウジング101の長軸方向におけるハンマビット119側を、「前側」ないし「前方側」として規定し、ハンドグリップ107側を、「後側」ないし「後方側」として規定する。
図1に示すように、本体ハウジング101は、電動モータ110、運動変換機構120、打撃要素140及び動力伝達機構150等を収容する。この電動モータ110が、本発明における「モータ」に対応する。電動モータ110は、出力軸111が本体ハウジング101の長軸方向(ハンマビット119の長軸方向)と概ね直交する図1において上下方向となるように配置される。電動モータ110のトルクは、運動変換機構120によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素140に伝達され、当該打撃要素140を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。
また、電動モータ110のトルクは、動力伝達機構150によって回転速度が適宜減速された上でツールホルダ159を介してハンマビット119に伝達され、当該ハンマビット119が周方向に回転動作される。ツールホルダ159は、本体ハウジング101内に収容され、先端領域(図1の左端)においてハンマビット119を保持する。また、ツールホルダ159は、ハンマビット119の長軸方向に長尺状に延在され、本体ハウジング159に対し長軸回りに回転自在に支持される。なお、電動モータ110は、ハンドグリップ107に配置されたトリガ107aの引き操作によって通電駆動される。
運動変換機構120は、図1に示す電動モータ110のモータ軸111に形成された駆動ギア121及び駆動ギア121に噛み合い係合された被動ギア123を介して駆動されるリンク式クランク機構160を主体として構成され、駆動子としてのピストン131を直線状に往復移動させる。なお、リンク式クランク機構160の詳細については、後述する。ピストン131は、打撃要素140を駆動する部材として備えられ、シリンダ141内をハンマビット119の長軸方向と同方向に直線状に往復移動される。シリンダ141は、円形の筒状部材として備えられ、ツールホルダ159の後方領域内側においてツールホルダ159と同軸上に配置されるとともに、本体ハウジング101に対し固定状態で支持されている。
打撃要素140は、シリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置されたストライカ143と、ツールホルダ159に摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギーをハンマビット119に伝達する中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。このストライカ143が、本発明における「打撃子」に対応する。シリンダ141のボア内壁と、ピストン131及びストライカ143によって空気室141aが形成されている。ストライカ143は、ピストン131が後方(図1の右側)から前方(図1の左側)へと摺動動作することによる空気室141a内の圧力変動、すなわち空気ばねの作用を介して駆動され、前方へ移動してインパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。
動力伝達機構150は、駆動ギア121と噛み合い係合する中間ギア151と、中間ギア151が固定された中間軸153と、中間軸153に設けられた小べベルギア155と、小べベルギア155に噛み合い係合する大ベベルギア157とを有し、大べベルギア157がツールホルダ159と一体で回転するように構成され、これにより電動モータ110のトルクをツールホルダ159により保持されたハンマビット119に伝達する。なお、中間軸153は、電動モータ110のモータ軸111に対しては平行に配置され、ハンマビット119の長軸方向に対しては直交している。
次にピストン131を往復直線運動させるピストン駆動装置につき、図2を参照しつつ説明する。本実施形態に係るピストン駆動装置は、リンク式クランク機構160を主体として構成されている。リンク式クランク機構160は、クランク軸161、リンク163、連接ロッド165及び制御レバー167を主体として構成され、シリンダ141の後方(従って、ピストン131の後方)に配置される。クランク軸161が、本発明における「クランクシャフト」に対応し、リンク163が、本発明における「揺動部材」に対応し、連接ロッド165が、本発明における「連接ロッド」に対応する。
クランク軸161は、本体ハウジング101に回転自在に支持されるとともに、その回転中心から径方向に所定の距離を置いて設けられた(偏心された)クランクピン162を有し、前記被動ギア123によって回転駆動される。クランク軸161とクランクピン162により、本願発明における「クランク」が構成される。クランクピン162が、本発明における「偏心軸」に対応する。連接ロッド165は、軸方向の一端がピストン131にピストンピン164を介して相対回転可能(揺動可能)に連結されている。
リンク163は、ピストン131の長軸方向と交差する方向に延在するよう配置される。そしてリンク163は、延在方向の中間位置がクランク軸161のクランクピン162に相対回転可能(揺動可能)に連結されるとともに、延在方向一端が連接ロッド165の軸方向他端にリンクピン166を介して相対回転可能(揺動可能)に連結されている。このリンクピン166が、本発明における「第1支持部」に対応する。
制御レバー167は、前後方向に延在されるとともに、一端がリンク163の延在方向他端と連結ピン168を介して相対回転可能(揺動可能)に連結され、他端が本体ハウジング101に支持軸179を介して揺動可能に連結されてリンク163の動きを制御する。すなわち、制御レバー167は、リンク式クランク機構160が決められた動作を行うように、リンク163の自由度を規制する制御部材として備えられる。この制御レバー167が、本発明における「制御部材」に対応する。なお、制御レバー167のリンク163との接続部位である連結ピン168は、リンクピン166とクランクピン162との間に設ける構成に変更することも可能である。この連結ピン168が、本発明における「第2支持部」に対応する。
上記のように構成されたハンマドリル100において、電動モータ110が通電駆動されると、リンク式クランク機構160を介してピストン131がシリンダ141内を直線往復移動する。これにより空気室141a内の空気の圧力変化、すなわち空気バネの作用を介してストライカ143が前方へ移動し、インパクトボルト145を介してハンマビット119を打撃する。一方、動力伝達機構150を介してツールホルダ159と共にハンマビット119が長軸周りに回転する。これによりハンマビット119が軸方向のハンマ動作と周方向のドリル動作を行い、被加工材(コンクリート等)に加工(穴開け作業)を遂行する。
図3〜図6は、ピストン131の動作図であり、図3はピストン131が最も後方へ移動された状態(以下、下死点位置という)を示し、クランク角で0度(360度)の位置(クランクピン162の位置)である。図5はピストン131が最も前方へ移動された状態(以下、上死点位置という)を示し、クランク角で180度の位置である。
ピストン131は、上死点位置と下死点位置との間で往復移動する。そしてピストン131が下死点位置から上死点位置へと移動(前方へ移動)するとき、ストライカ143は、空気室141aの空気ばねの作用を介して前方へと移動され、インパクトボルト145を介してハンマビット119を打撃する(図4参照)。打撃動作後のストライカ143は、打撃に伴う反力(以下、打撃反力という)と、ピストン131が上死点位置から下死点位置へ移動(後方へ移動)することで空気室141aに生ずる吸い上げ力(負圧)とにより後方へ移動され(戻され)る(図6参照)。
空気室141aの空気ばねを介してストライカ143を駆動する空圧式ハンマドリル100の場合、空気室141aの最大圧縮状態は、ピストン131とストライカ143との位置関係で決定される。打撃後のストライカ143は、上記のように打撃反力及び吸い上げ力によって後方へ移動され、次の打撃のために前方へと移動するピストン131と接近して最大圧縮となる。この最大圧縮位置は、本実施形態ではピストン131が下死点位置から上死点位置に向かって移動し、下死点位置から見てクランクピン162がクランク角で約90度進んだ位置(90度±20度の範囲)に設定されている(図4参照)。
本実施形態においては、図2に示すように、リンク式クランク機構160におけるクランク軸161の回転中心(P)が、ピストン131の移動中心線(R)に対して当該移動中心線(R)と交差する方向でかつ連結ピン168側(横方向)に所定量オフセットされた(ずらした)位置に設定されている。これにより、ピストン131が最大圧縮位置(クランクピン162がクランク角で約90度の位置)に置かれたときに、連接ロッド165がシリンダ141の軸線に対し概ね平行となるよう構成される。すなわち、下死点位置から上死点位置に移動するピストン131がクランク角で約90度の位置へ移動された(進んだ)ときに、連接ロッド165がシリンダ141の軸線に対し概ね平行となるように、ピストン131の移動中心線に対するクランク軸161の回転中心のオフセット量(e)が設定されている。
上記構成によれば、下死点位置から上死点位置に向かって移動するピストン131がクランク角で約90度の位置へ移動されたとき、すなわち空気室141aの空気の最大圧縮状態において、連接ロッド165からピストン131に加えられる力がピストン131の移動方向と一致する。このことにより、ピストン131の移動方向と交差する方向の力が当該ピストン131に作用して当該ピストン131がシリンダ141の壁面に強く押し付けられることを回避あるいは低減できる。このため、ピストン131とシリンダ141との摺動面の摩擦損失を小さくしてピストン131を効率よく駆動することが可能となる。
また、本実施形態においては、ピストン131の駆動装置は、クランクピン162と連接ロッド165との間にリンク163が揺動自在に介在されたリンク式クランク機構160により構成されている。かかる構成としたことにより、クランクピン162がクランク軸161の軸線回りを回転運動(周回運動)すると、制御レバー167と接続されたリンク163は、制御レバー167による規制を受けつつ当該制御レバー167との接続部位である連結ピン168を支点として揺動運動を行う。これにより、リンク163と連接ロッド165との接続部位であるリンクピン166が、図7に示すように、概ね長円形の軌跡Sを描く周回運動を行う。この長円形の周回運動は、概ねピストン131の移動方向に沿っている。すなわち、クランクピン162がクランク角度で0度(ピストン下死点位置)から180度(ピストン上死点位置)まで移動するときには、図7の下半分に示す曲線状の軌跡S1を描く第1揺動運動を行い、クランクピン162がクランク角度で180度から0度(360度)まで移動するときには、図7の上半分に示す曲線状の軌跡S2を描く第2揺動運動を行う。
リンクピン166は、連結ピン168から見てクランクピン162よりも離間した位置にある。このため、リンクピン166のピストン移動方向と平行な方向の平行成分の移動量(長円形の長軸方向の変位量)が、クランクピン162のピストン移動方向と平行な方向の平行成分の移動量より大きくなる。すなわち、ピストン131の移動方向に関し、クランクピン162の移動量は、ピストン131に増幅して伝達されることになる(梃子を利用した運動増幅作用ともいえる)。一方、ピストン131の移動方向と交差する方向の交差成分の移動量(長円形の短軸)は、増幅されない。このため、ピストン131の移動量よりもリンクピン166のピストン移動方向と交差する方向の移動量を大幅に小さくすることが可能になり、このことにより、連接ロッド165の揺動角度が小さくなり、連接ロッド165のシリンダ141端部との干渉を回避しつつ連接ロッド165の軸方向長さを短縮することができる。その結果、ピストン131の駆動装置全体をシリンダ141に近づけるように配置し、打撃工具に関する打撃方向のコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、リンクピン166と連結ピン168との間にクランクピン162が配置される構成としている。これにより合理的な配置構成のリンク式クランク機構160を構築できる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態につき、図8を参照して説明する。この実施形態では、ピストン131の駆動装置が、第1実施形態において説明したリンク式クランク機構160の構成部材のうち、リンク163と制御レバー167とを有しない一般的なクランク機構133によって構成されている。すなわち、クランク機構133は、電動モータ110(図1参照)により回転されるクランク軸135、クランク軸135に設けた偏心軸部としてのクランクピン137、クランクピン137とピストン131とを連接する連接ロッド139により構成される。
クランク軸135は、本体ハウジング101に回転自在に支持されるとともに、その回転中心から径方向に所定の距離を置いて設けられた(偏心された)クランクピン137を有し、電動モータ110によって回転駆動される。クランク軸135とクランクピン137により、本発明における「クランク」が構成される。クランク軸135が、本発明における「クランクシャフト」に対応し、クランクピン137が、本発明における「偏心軸」に対応する。
本実施形態においては、図8に示すように、クランク機構133におけるクランク軸135の回転中心(P)が、ピストン131の移動中心線(R)に対して当該移動中心線(R)と交差する方向(横方向)に所定量オフセットされた(ずらした)位置に設定されている。これにより、ピストン131が最大圧縮位置、すなわちクランクピン137がクランク角で約90度の位置(90度±20度の範囲))に置かれたときに、連接ロッド139がシリンダ141の軸線に対し概ね平行となるよう構成される。すなわち、下死点位置から上死点位置に移動するピストン131がクランク角で約90度の位置へ移動された(進んだ)ときに、連接ロッド139がシリンダ141の軸線に対し概ね平行となるように、ピストン131の移動中心線(R)に対するクランク軸135の回転中心(P)のオフセット量(e)が設定されている。
上記構成によれば、前述した第1実施形態の場合と同様、下死点位置から上死点位置に向かって移動するピストン131がクランク角で約90度の位置へ移動されたとき、すなわち空気室141aの空気の最大圧縮状態において、連接ロッド139からピストン131に加えられる力がピストン131の移動方向と一致する。このことにより、ピストン131の移動方向と交差する方向の力が当該ピストン131に作用して当該ピストン131がシリンダ141の壁面に強く押し付けられることを回避あるいは低減できる。このため、ピストン131とシリンダ141との摺動面の摩擦損失を小さくしてピストン131を効率よく駆動することが可能となる。
なお、上述した実施形態は、電動工具の一例として、ハンマビット119に打撃動作に加えて長軸周りの回転動作を行うハンマドリル100の場合で説明したが、ハンマドリルに限らず、ハンマビット119が打撃動作のみを行うハンマに適用可能である。
また、ピストン131が空気ばねによらず、直接ストライカ143を打撃してもよい。
(実施形態の各構成要素と本発明の構成要素との対応関係)
本実施形態における各構成要素と、本発明における構成要素との発明特定事項との関係は、以下のとおりである。もちろん、本実施形態における各構成要素は、対応する本発明の特定事項に関する一つの実施構成例に過ぎず、本発明の各構成要素はこれに限定されるものではない。
本体ハウジング101が、本発明の「工具本体」に対応する構成の一例である。
ハンマビット119が、本発明の「先端工具」に対応する構成の一例である。
ストライカ143が、本発明の「打撃子」に対応する構成の一例である。
クランク軸161,135が、本発明の「クランクシャフト」に対応する構成の一例である。
クランクピン162,137が、本発明の「偏心軸」に対応する構成の一例である。
クランク軸161,135及びクランクピン162,137が、本発明の「クランク」に対応する構成の一例である。
リンク163が、本発明の「揺動部材」に対応する構成の一例である。
制御レバー167が、本発明の「制御部材」に対応する構成の一例である。
リンクピン166が、本発明の「第1支持部」に対応する構成の一例である。
連結ピン168が、本発明の「第2支持部」に対応する構成の一例である。
100 ハンマドリル(打撃工具)
101 本体ハウジング(工具本体)
107 ハンドグリップ
107a トリガ
110 電動モータ(モータ)
111 出力軸
119 ハンマビット(先端工具)
120 運動変換機構
121 駆動ギア
123 被動ギア
131 ピストン(駆動子)
133 クランク機構(ピストンの駆動装置)
135 クランク軸(クランクシャフト、クランク)
137 クランクピン(クランク、偏心軸)
139 連接ロッド
140 打撃要素
141 シリンダ
141a 空気室
143 ストライカ(打撃子)
145 インパクトボルト
150 動力伝達機構
151 中間ギア
153 中間軸
155 小べベルギア
157 大べベルギア
159 ツールホルダ
160 リンク式クランク機構(ピストンの駆動装置)
161 クランク軸(クランクシャフト、クランク)
162 クランクピン(クランク、偏心軸)
163 リンク(揺動部材)
164 ピストンピン
165 連接ロッド
166 リンクピン(第1支持部)
167 制御レバー(制御部材)
168 連結ピン(第2支持部)
179 支持軸

Claims (7)

  1. 工具本体と、
    前記工具本体内に配置されたシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に配置された打撃子と、
    前記シリンダ内を摺動して前記打撃子を駆動するピストンと、
    前記ピストンに接続された連接ロッドと、
    前記連接ロッドに接続し、前記ピストンを駆動するクランクと、
    を有し、
    前記打撃子により先端工具を打撃して被加工材にハンマ作業を行う打撃工具であって、
    前記ピストンが前記先端工具から最も離間する位置を下死点位置、前記先端工具に最も接近する位置を上死点位置としたとき、前記下死点位置から前記上死点位置に移動する間に、前記連接ロッドの、前記ピストンとの接続部と前記クランクとの接続部とを結ぶ直線が前記シリンダに平行に配置されるように構成されている打撃工具。
  2. 請求項1に記載の打撃工具であって、
    前記クランクのクランク角につき、前記下死点位置に対応する角度を0度、前記上死点位置に対応する角度を180度としたとき、前記クランクが前記ピストンの下死点位置から上死点位置に向かってクランク角で約90度回転された位置で、前記連接ロッドが前記シリンダと平行になる構成であることを特徴とする打撃工具。
  3. 請求項1又は2に記載の打撃工具であって、
    前記連接ロッドが前記シリンダに平行になるときに、前記打撃子が前記先端工具に向かって動き出すように構成されていることを特徴とする打撃工具。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の打撃工具であって、
    前記クランクの回転中心は、前記シリンダ内を移動する前記ピストンの往復移動軸線に対して当該往復移動軸線と交差する方向にオフセットしていることを特徴とする打撃工具。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の打撃工具であって、
    前記クランクは、回転するクランクシャフトと、前記クランクシャフトの回転軸線から偏心した位置で当該クランクシャフトに連結された偏心軸と、を有し、
    前記偏心軸と前記連接ロッドとの間に介在され、前記偏心軸と前記連接ロッドとの双方にそれぞれ揺動可能に接続された揺動部材と、
    一端が前記工具本体に揺動可能に支持されるとともに、他端が前記揺動部材に揺動可能に接続された制御部材と、を更に有することを特徴とする打撃工具。
  6. 請求項5に記載の打撃工具であって、
    前記ピストンの移動方向に関して、前記偏心軸の移動量よりも前記ピストンの移動量が大きい構成であることを特徴とする打撃工具。
  7. 請求項5又は6に記載の打撃工具であって、
    前記揺動部材と前記連接ロッドとを揺動自在に接続する第1支持部及び前記揺動部材と前記制御部材とを揺動可能に接続する第2支持部を有し、
    前記第1支持部と第2支持部を結ぶ方向に関して、当該第1支持部と第2支持部の間に前記偏心軸が配置されていることを特徴とする打撃工具。
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