JP2014044149A - リチウムイオン電池の劣化推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】負極と陽極を含む少なくとも2点の測定周波数の交流インピーダンスを測定し、相関式からリチウムイオン電池の容量減少率を測定し、リチウムイオン電池の劣化状態を迅速かつ正確に推定することができるリチウムイオン電池の劣化推定方法を提供する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン電池の劣化推定方法は、リチウムイオン電池の交流インピーダンスのプロット波形から負極および正極を含む少なくとも2点の測定周波数を抽出し、前記測定周波数に対応する前記リチウムイオン電池の交流インピーダンスを測定し、測定された交流インピーダンスを予め作成されたリチウムイオン電池の容量減少率と交流インピーダンスの相関式に挿入して前記リチウムイオン電池の容量減少率あるいは容量維持率を算出し、算出された前記リチウムイオン電池の容量減少率あるいは容量維持率からリチウムイオン電池の劣化状態を推定することを特徴とする方法である。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明のリチウムイオン電池の劣化推定方法は、リチウムイオン電池の交流インピーダンスのプロット波形から負極および正極を含む少なくとも2点の測定周波数を抽出し、前記測定周波数に対応する前記リチウムイオン電池の交流インピーダンスを測定し、測定された交流インピーダンスを予め作成されたリチウムイオン電池の容量減少率と交流インピーダンスの相関式に挿入して前記リチウムイオン電池の容量減少率あるいは容量維持率を算出し、算出された前記リチウムイオン電池の容量減少率あるいは容量維持率からリチウムイオン電池の劣化状態を推定することを特徴とする方法である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、リチウムイオン電池を使用した製品について電池劣化状態を測定する電池劣化検出技術に関する。
電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)の大容量電源としてリチウムイオン電池が普及してきている。リチウムイオン電池は鉛蓄電池などと比べてエネルギー密度が高いメリットを有する。
しかし、リチウムイオン電池は保存時間、温度、充放電回数などの影響を受けて電池構成材料が劣化し、結果として電池(充放電)容量が減少していく。電池容量の減り方は一様ではないため、車載時には現在の電池容量を見極めることが課題となっている。電気自動車であれば、電池(充放電)容量の減少は、航続距離の短縮に繋がり、場合によっては、高速道路で走行中に突然停止してしまう危険な状態を引き起こす可能性が考えられる。走行中の突然の停止を防止するためには、電池容量の劣化を定期的に測定し車両が算出する走行可能距離を修正するとともに、必要に応じて電池(充放電)容量の減少をユーザに通知する必要がある。
一方、電池(充放電)容量を測定するためには、特殊な計測設備が要求され、この電池容量の測定には、温度調節を含めて20時間程度の測定時間が必要となる。このため、ユーザが自宅にて測定を実施することは不可能であり、販売店においても、ユーザに多大な時間的負担を強いることになるため測定は困難であった。
また、電池容量の測定には長時間を要するために、電池容量を直接測定するのではなく、電池容量の間接的な指標となる項目を測定し、これらの指標に基づき、電池容量を推定することが試みられている。電池容量の推定には、電池容量の減少の要因となる環境温度や電池の使用頻度に着目し、温度履歴を記憶する方法や、充放電した回数をカウントする方法が考えられる。しかし、電池容量の減少は、これら以外にも多くの要因が複合して進展すると考えられ、電池容量減少の推定精度は低かった。
さらに、電池容量の減少は、電池の劣化であると捕らえ、交流インピーダンス(交流抵抗値)を用いて電池の内部抵抗や入出力特性を推定し、電池の劣化状態を判定する方法も特許文献1で提案されている。
特許文献1に記載された発明は、交流インピーダンスを用いて電池の内部抵抗や入出力特性を推定し、電池の劣化状態を判定する技術が示されているが、電池の内部抵抗や入出力特性のように、短時間に流れる電流値に影響の強い因子と、比較的長時間で評価される電池の容量減少とは必ずしも一致するものではない。また、電池の劣化の仕方は、その劣化要因が種々異なる。例えば、電池の熱劣化とサイクル劣化では劣化する部位が異なっており、熱劣化では内部抵抗の増加に比べ、電池の容量減少は小さい。このため、特許文献1記載の発明のように、1つの測定周波数の交流インピーダンスだけで電池の劣化状態を精度よく正確に測定することは困難であった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、負極と正極などの劣化を示す少なくとも2点の測定周波数の交流インピーダンスを測定し、相関式から迅速かつ正確にリチウムイオン電池の容量減少率を算出する方法を提供することを目的とする。
本発明に係るリチウムイオン電池の劣化推定方法は、上述した目的を達成するために、リチウムイオン電池の交流インピーダンスのプロット波形から負極および正極などの劣化を示す少なくとも2点の測定周波数を抽出し、前記測定周波数に対応する前記リチウムイオン電池の交流インピーダンスを測定し、測定された交流インピーダンスを予め作成されたリチウムイオン電池の容量減少率と交流インピーダンスの相関式に挿入して前記リチウムイオン電池の容量減少率あるいは容量維持率を算出し、算出された前記リチウムイオン電池の容量減少率あるいは容量維持率からリチウムイオン電池の劣化状態を推定することを特徴とするリチウムイオン電池の劣化推定方法である。
また、本発明は、好ましくは、前記交流インピーダンスのプロット波形から電解液の劣化を示す周波数と、負極の劣化を示す周波数と、正極の劣化を示す周波数との3点の測定周波数を抽出するリチウムイオン電池の劣化推定方法である。
さらに、好ましくは、前記交流インピーダンスのプロット波形から前記電解液の劣化を示す1000Hzの周波数と、負極の劣化を示す10Hzの周波数と、正極の劣化を示す0.1Hzの周波数の3点の測定周波数を抽出するリチウムイオン電池の劣化推定方法である。
本発明は、負極および正極を含む少なくとも2点の測定周波数の測定周波数における交流インピーダンスを測定し、この交流インピーダンスを予め作成された相関式に挿入してリチウムイオン電池の容量減少率(あるいは容量維持率)を算出し、この容量減少率(あるいは容量維持率)から電池の劣化状態を精度よく迅速に測定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
本発明は、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、並びにモータチェアやセニアカー、電動二輪車等の電動車両に搭載されるリチウムイオン電池を対象とし、リチウムイオン電池を間接的指標である(電池構成部品の)複数ポイントの測定周波数における交流インピーダンスを測定して抵抗値を求め、各測定値を重回帰分析して予め得た相関式から、電池の容量減少率を算出し、リチウムイオン電池の劣化状態を自動的に推定する技術である。ここに、重回帰分析とは、電池の容量減少率の相関式、例えば後述する(1)式のような計算式を仮定し、算出値と実測値との差を求める分析手法です。
自動車や電動車両に電池セル、ひいては、リチウムイオン電池の容量劣化は、電池の中で劣化する対象部位がその使用環境により異なり、劣化部位が電池の容量減少に寄与する度合が種々異なるために、交流インピーダンスから推定することは困難であると考えられていた。本実施形態では、リチウムイオン電池の交流インピーダンスの測定値を、測定し易い周波数条件から電池構成部品に対応させた電解液と、負極および正極の有効周波数毎に複数、例えば3つのグループに分け、各グループから代表的な測定し易い周波数を抽出し、複数ポイントの測定周波数における交流インピーダンスを測定する。そして、測定された交流インピーダンス(抵抗値)の測定値から電池容量との決定係数(寄与率)の高い相関式を重回帰分析により予め獲得しておき、リチウムイオン電池の(充放電)容量減少率を求め、リチウムイオン電池の劣化状態を推定(判定)し、リチウムイオン電池の交換の要否を指示することができるようしたものである。
リチウムイオン電池は、電池の中で劣化する部位が使用環境により異なり、劣化した部位が容量減少に寄与する度合が違うと考えられており、電池構成部品を、測定し易い条件にて電解液と、負極と正極の3グループに分け、各グループから測定し易い周波数を抽出する。図1は、リチウムイオン電池から測定周波数を求めるために、交流インピーダンスの測定結果をプロットした交流インピーダンスの特性線図である。
図1に示す交流インピーダンスのプロット波形の特性線図から、周波数が1000kHz〜0.001Hzの有効周波数領域の範囲において、90ポイント以上の交流インピーダンスを測定した。測定周波数域の交流インピーダンスのプロット波形から、周波数の測定を特定し易い実軸との交点P1、1つ目の円弧の終点P2および2つ目の円弧の終点P3、の3つの周波数を代表的な測定周波数に抽出した。
電池構成部品毎の周波数の区分は、電解液の有効周波数領域として実軸までの交点P1まで(1000kHz〜1000Hz)、負極の有効周波数領域として1つ目の円弧の終り(終点)P2まで(999Hz〜10Hz)、正極の有効周波数領域として2つ目の円弧の終り(終点)P3まで(9Hz〜0.1Hz)の3区分に区分けし、この3つの周波数区分から測定し易い代表的な周波数として、1000Hz;100Hzまたは10Hz;1Hzまたは0.1Hzの3つの周波数の測定値を交流インピーダンスの抵抗値として抽出し、データ処理した。
データ処理には、同じ型式で実験室レベルでのサイクル試験や高温保持試験等により劣化したリチウムイオン電池を用意し、常温(25℃±2℃)、満充電の状態で交流インピーダンス測定を行い、複数の測定周波数、例えば、1000Hz,10Hzおよび0.1Hzの3周波数の抵抗値(交流インピーダンス)を測定した。そして、リチウムイオン電池(以下、電池という。)の容量減少率との関連性を解析した。
これら電池の容量減少率および交流インピーダンス(抵抗値)の各測定値を(1)式に当てはめ重回帰分析して、電池の容量減少(電池劣化)を算出した。
以下、電池の容量減少率の計算式を一般的な相関式で表わすと、次式が得られる。
電池の容量減少率(%)=係数A×(周波数1の交流インピーダンス)
+係数B×(周波数2の交流インピーダンス)
+係数C×(周波数3の交流インピーダンス)+定数D
……(1)
電池の容量減少率(%)=係数A×(周波数1の交流インピーダンス)
+係数B×(周波数2の交流インピーダンス)
+係数C×(周波数3の交流インピーダンス)+定数D
……(1)
重回帰分析では、電池の容量減少率の相関式(1)を仮定して算出値と実測値の差を求め、実際の実測値(測定値)と算出値の差の二乗和、すなわちΣ(実測値−算出値)2が最小となるように各係数A,B,Cおよび定数Dを求めるものです。
実験室レベルで、周波数が1000Hz〜0.001Hzまでの有効周波数測定範囲の間で90ポイント以上、と電池の容量減少を測定することにより、相関式(1)に用いられる係数A,B,Cおよび定数Dが得られる。
電池の劣化は、電極の劣化や電解液の劣化による影響が大きい。電極劣化に大きな影響を与える負極劣化を示す測定し易い周波数10Hzと、正極劣化を示す測定し易い周波数0.1Hzを含む、少なくとも2つの周波数の交流インピーダンスを測定する。より好ましくはこれらの交流インピーダンスに加えて電解液の劣化を示す測定し易い周波数1000Hzの交流インピーダンスの3つを測定する。
図1は低温、低SOCで電池の測定を行った場合の模式図であるが、少なくとも2つの周波数、好ましくは、3つの周波数を利用して電池の容量減少率の算出を行う方法は、常温(25℃±2℃)、満充電(SOC100%)においても有効である。特に、大容量のリチウムイオン電池を搭載した自動車や電動車両において、この条件は好都合である。
図2は、電池の容量減少率算出のフローチャートを示すものである。
通常考え得るリチウムイオン電池の使用状態、例えば、夜間に充電を仕掛けて満充電にして放置する状態から、始動(IG−ON)時に環境温度、例えば電池温度が常温(25℃±2℃)で測定する測定システムを採用すると、電池の容量減少に伴う劣化状態を多数回、例えば年間十回以上の測定が可能となり、充分なバッテリ管理が可能となる。
図2のフローチャートで示すように、IG−ON(始動)時には電池が常温で満充電の状態であれば、電池容量減少率の測定が開始される(ステップ10)。開始後、電池の電解液、負極、正極に対応する測定周波数として、例えば少なくとも2つの代表周波数を抽出し、抽出した各周波数における交流インピーダンス(交流抵抗値)を測定する(ステップ11)。
各周波数の交流インピーダンスを、予め求めておいた相関式(1)に代入し、電池容量の減少率を算出する(ステップ12)。
次に、算出された電池容量の減少率をベースに電池劣化状態を判断する。例えば、電池容量の減少率が予め設定した値、例えば20%を超えるとき、電池が劣化状態に達したと判断する(ステップ13)。
そして、電池が劣化状態にあると判断した場合には、メータパネルにてユーザに報せる(ステップ14)。ユーザは、メータパネルのインジゲータ等で電池が劣化状態にあることを知り、適切なバッテリ交換を行うことができる。また、電池容量の減少率が20%未満のとき、ステップ15により通常の起動が行なわれる。
なお、始動(IG−ON)時に電池が満充電でない場合等には、ステップ16に示すように、電池容量の減少率の算出が行なわれずに、通常の起動が行なわれる。
したがって、ユーザは、バッテリチェックのために、販売店等を訪れる必要がなく利便性が向上する。
次に、図3ないし図5を参照して、リチウムイオン電池の劣化推定方法の具体的実施例および比較例を参照しながら説明する。
使用するリチウムイオン電池は、同じ型式の電池をサイクル試験や高温保持試験により種々の条件で劣化させたものを多数用意して、その劣化推定方法の実験に使用した。実験室レベルでは、常温、満充電状態で交流インピーダンスを測定した。
また、電池の交流インピーダンスの測定ポイントは、図1から測定し易い周波数条件として電解液の周波数P1(1000Hz);負極の周波数P2(10Hz)またはP2−1(100Hz);正極の周波数P3(0.1Hz)またはP3−1(1Hz)を選択して抽出した。
そして、電池の劣化の影響が大きい、負極の劣化を示す10Hzと正極の劣化を示す0.1Hzを含む2つの周波数、もしくは、3つの周波数での交流インピーダンスを測定した。最も好ましくは、測定し易い負極と正極との劣化を示す周波数に加えて、電解液の劣化を示す1000Hzを加えて3点の周波数の交流インピーダンスを測定すると、相関式(1)から決定係数(寄与率)が0.9以上で最大値の1に近く、電池の容量減少率が精度よく正確に測定できることがわかった。
また、サイクル試験や高温保持試験により劣化させた電池容量の減少率を測定し、さらに、電池を測定し易い周波数条件で、少なくとも2つ以上の周波数における交流インピーダンスを測定した。そして、測定された電池の容量減少率および各交流インピーダンス(測定値)を重回帰分析して得られる相関式(1)に当てはめると、電池の容量減少率が実測値との間で0.9以上で最大値の1に近い決定係数(寄与率)が得られた。このことから、電極の劣化に与える影響の大きい、図2に示すように、負極劣化を示す測定し易い周波数10Hzと正極劣化を示す測定し易い周波数0.1Hzの少なくとも2つの周波数の交流インピーダンスを測定すれば、電池の容量減少率が決定係数0.9以上と高い精度で効率よく算出できることがわかった。
なお、決定係数は寄与率と呼ばれ、0.8以上が良いとされており、実施例1〜4は決定係数が0.9以上と最大値の1に近い、非常に高い優れた相関関係が得られた。
[実施例1]
サイクル試験、高温保持試験により劣化させた電池の容量減少率を測定するに際し、測定し易い3つの測定周波数、1000Hz,10Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンス(抵抗値)をそれぞれ測定した。電池の容量減少率および各交流インピーダンスの各測定値を重回帰分析して次式で示される相関式(2)を得た。
サイクル試験、高温保持試験により劣化させた電池の容量減少率を測定するに際し、測定し易い3つの測定周波数、1000Hz,10Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンス(抵抗値)をそれぞれ測定した。電池の容量減少率および各交流インピーダンスの各測定値を重回帰分析して次式で示される相関式(2)を得た。
電池の容量減少率(%)=(1000Hzの抵抗値)×(−2794)
+(10Hzの抵抗値)×(4019)
+(0.1Hzの抵抗値)×(242.4)−79.55
……(2)
式(2)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(−2794),(4019)および(242.4)であり、定数Dは(−79.55)であった。
+(10Hzの抵抗値)×(4019)
+(0.1Hzの抵抗値)×(242.4)−79.55
……(2)
式(2)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(−2794),(4019)および(242.4)であり、定数Dは(−79.55)であった。
また、式(2)に、3つの測定周波数の交流インピーダンスである1000Hzの抵抗値(交流インピーダンス)と、10Hzの抵抗値(交流インピーダンス)と、0.1Hzの抵抗値(交流インピーダンス)を代入すると、電池の容量減少率が式(2)の計算により得られる。
さらに、図3から計算された電池の容量減少率は、実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2は、0.967と最大値1に近い大きな相関値が得られた。
図4は、測定周波数が1000Hz,10Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンス(交流抵抗値)から算出された電池の容量減少率を示す実線Pと、電池容量の実測値Qをプロットしたグラフである。式(2)から求めた電池の容量減少率の計算値は実線Pで示すように実測値Qと決定係数(寄与率)R2が0.967と最大値の1に極めて近く、実測値Qのデータ分布は、近似直線である実線P上に集まっており、電池の容量減少率の推定精度が極めて高いことが理解できる。
[実施例2]
サイクル試験、高温保持試験により劣化させた電池の容量減少率を測定するに際し、3つの測定周波数として100Hz,10Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。各測定値である電池の容量減少率および測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(3)を得た。
サイクル試験、高温保持試験により劣化させた電池の容量減少率を測定するに際し、3つの測定周波数として100Hz,10Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。各測定値である電池の容量減少率および測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(3)を得た。
電池の容量減少率(%)=(100Hzの抵抗値)×(−1259)
+(10Hzの抵抗値)×(2627)
+(0.1Hzの抵抗値)×(197.5)−67.84
……(3)
式(3)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(−1259),(2627)および(197.5)が得られ、定数Dは(−67.84)であった。
+(10Hzの抵抗値)×(2627)
+(0.1Hzの抵抗値)×(197.5)−67.84
……(3)
式(3)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(−1259),(2627)および(197.5)が得られ、定数Dは(−67.84)であった。
また、式(3)に、3つの測定周波数の交流インピーダンスである100Hzの抵抗値および10Hzの抵抗値、0.1Hzの抵抗値を代入すると、電池の容量減少率が計算により得られる。なお、測定周波数100Hzは、負極の有効周波数域の中間値の測定し易い周波数である。
さらに、計算された電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.939と高い相関関数が得られた。
[実施例3]
実施例1および2の記載内容と同じ条件で劣化させた電池の容量減少率を測定し、さらに、3つの測定周波数が、10Hzと1Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。各測定値である電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(4)を得た。なお、測定周波数1Hzは、正極の有効周波数域の中間値の測定し易い周波数である。
実施例1および2の記載内容と同じ条件で劣化させた電池の容量減少率を測定し、さらに、3つの測定周波数が、10Hzと1Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。各測定値である電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(4)を得た。なお、測定周波数1Hzは、正極の有効周波数域の中間値の測定し易い周波数である。
電池の容量減少率(%)=(10Hzの抵抗値)×(1568)
+(1Hzの抵抗値)×(−202.8)
+(0.1Hzの抵抗値)×(259.1)−64.72
……(4)
式(4)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(1568),(−202.8),(259.1)が得られ、定数Dは(−64.72)であった。
+(1Hzの抵抗値)×(−202.8)
+(0.1Hzの抵抗値)×(259.1)−64.72
……(4)
式(4)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(1568),(−202.8),(259.1)が得られ、定数Dは(−64.72)であった。
また、式(4)に、3つの測定周波数の交流インピーダンスである10Hzの抵抗値、および1Hzの抵抗値、0.1Hzの抵抗値を代入すると、計算により電池の容量減少率が得られる。
計算により得られた電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.921と、最大値1に近い高い相関関係が得られた。
[実施例4]
実施例1〜3の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、2つの測定周波数が、10Hzと0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、電池の容量減少率が2つの測定周波数の交流インピーダンスの測定値を重回帰分析して次式で示される相関式(5)を得た。
実施例1〜3の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、2つの測定周波数が、10Hzと0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、電池の容量減少率が2つの測定周波数の交流インピーダンスの測定値を重回帰分析して次式で示される相関式(5)を得た。
電池の容量減少率(%)=(10Hzの抵抗値)×(1380)
+(0.1Hzの抵抗値)×(188.5)−62.87
……(5)
式(5)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(1380),(188.5),(0)が得られ、定数Dは(−62.87)であった。
+(0.1Hzの抵抗値)×(188.5)−62.87
……(5)
式(5)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(1380),(188.5),(0)が得られ、定数Dは(−62.87)であった。
さらに、式(5)に、2つの測定周波数の交流インピーダンスである10Hzの抵抗値および0.1Hzの抵抗値を代入すると、計算により電池の容量減少率が得られる。
計算により得られた電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.913と、最大値1に近い高い相関関係が得られた。
[比較例1]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、3つの測定周波数が、1000Hzと、1Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(6)を得た。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、3つの測定周波数が、1000Hzと、1Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(6)を得た。
電池の容量減少率(%)=(1000Hzの抵抗値)×(1170)
+(1Hzの抵抗値)×(18.04)
+(0.1Hzの抵抗値)×(163.5)−44.46
……(6)
式(6)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(1170),(18.04),(163.5)であり、定数Dは(−44.46)であった。
+(1Hzの抵抗値)×(18.04)
+(0.1Hzの抵抗値)×(163.5)−44.46
……(6)
式(6)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(1170),(18.04),(163.5)であり、定数Dは(−44.46)であった。
式(6)に、3つの測定周波数の交流インピーダンスである1000Hzの抵抗値、1Hzの抵抗値および0.1Hzの抵抗値を代入すると、計算により電池の容量減少率が得られる。
計算により得られた電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.850であり、0.9以上の大きな相関関係は得られなかった。
[比較例2]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、3つの測定周波数が、1000Hzと、100Hzおよび1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(6)を得た。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、3つの測定周波数が、1000Hzと、100Hzおよび1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(6)を得た。
電池の容量減少率(%)=(1000Hzの抵抗値)×(−2778)
+(100Hzの抵抗値)×(3274)
+(1Hzの抵抗値)×(610.4)−51.86
……(7)
式(7)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(−2778),(3274),(610.4)が得られ、定数Dは(−51.86)であった。
+(100Hzの抵抗値)×(3274)
+(1Hzの抵抗値)×(610.4)−51.86
……(7)
式(7)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(−2778),(3274),(610.4)が得られ、定数Dは(−51.86)であった。
式(7)に、3つの測定周波数の交流インピーダンスである1000Hzの抵抗値、100Hzの抵抗値および1Hzの抵抗値を代入すると、計算により電池の容量減少率が得られる。
計算により得られた電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.816であり、0.9以上の大きな相関関係は得られなかった。
[比較例3]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、3つの測定周波数が、100Hzと、10Hzおよび1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(8)を得た。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、3つの測定周波数が、100Hzと、10Hzおよび1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(8)を得た。
電池の容量減少率(%)=(100Hzの抵抗値)×(−74.48)
+(10Hzの抵抗値)×(1064)
+(1Hzの抵抗値)×(473.3)−59.42
……(8)
式(8)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(−74.48),(1064),(473.3)であり、定数Dは(−59.42)であった。
+(10Hzの抵抗値)×(1064)
+(1Hzの抵抗値)×(473.3)−59.42
……(8)
式(8)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(−74.48),(1064),(473.3)であり、定数Dは(−59.42)であった。
式(8)に、3つの測定周波数の交流インピーダンスである100Hzの抵抗値、10Hzの抵抗値および1Hzの抵抗値を代入すると、計算により電池の容量減少率が得られる。
計算により得られた電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.826であり、0.9以上の大きな相関関係は得られなかった。
[比較例4]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、2つの測定周波数が、1000Hおよび10Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(9)を得た。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、2つの測定周波数が、1000Hおよび10Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(9)を得た。
電池の容量減少率(%)=(1000Hzの抵抗値)×(2896)
+(10Hzの抵抗値)×(−1079)−48.70
……(9)
式(9)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(2896),(−1079),(0)であり、定数Dは(−48.70)であった。
+(10Hzの抵抗値)×(−1079)−48.70
……(9)
式(9)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(2896),(−1079),(0)であり、定数Dは(−48.70)であった。
式(9)に、2つの測定周波数の交流インピーダンスである1000Hzの抵抗値および10Hzの抵抗値を代入すると、計算により電池の容量減少率が得られる。
計算により得られた電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.472と良い相関関係は得られなかった。
図5は、測定周波数が1000Hzおよび10Hzの2つの交流インピーダンス(交流抵抗値)から式(9)により算出された電池の容量減少率を示す実線P1と、電池容量の実測値Q1とをプロットしたグラフである。式(9)は決定係数(寄与率)が0.472と小さく、実測値Q1のデータ分布は、近似直線である実線P1上に集まっておらず、分散しており、実測値Q1と実線P1の乖離が大きい。このため、電池の容量減少率は高い推定精度が得られない。
[比較例5]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、2つの測定周波数が、1000Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(10)を得た。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、2つの測定周波数が、1000Hzおよび0.1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(10)を得た。
電池の容量減少率(%)=(1000Hzの抵抗値)×(1185)
+(0.1Hzの抵抗値)×(169.5)−44.40
……(10)
式(10)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(1185),(169.5),(0)であり、定数Dは(−44.40)であった。
+(0.1Hzの抵抗値)×(169.5)−44.40
……(10)
式(10)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(1185),(169.5),(0)であり、定数Dは(−44.40)であった。
式(10)に、2つの測定周波数の交流インピーダンスである1000Hzの抵抗値および0.1Hzの抵抗値を代入すると、計算により電池の容量減少率が得られる。
計算により得られた電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.850と、0.9以上の良い相関関係は得られなかった。
[比較例6]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、2つの測定周波数が、100Hzおよび1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(11)を得た。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、2つの測定周波数が、100Hzおよび1Hzの交流インピーダンスをそれぞれ測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および各測定周波数の交流インピーダンスを重回帰分析して次式で示される相関式(11)を得た。
電池の容量減少率(%)=(100Hzの抵抗値)×(831.8)
+(1Hzの抵抗値)×(484.4)−49.49
……(11)
式(11)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(831.8),(484.4),(0)であり、定数Dは(−49.49)であった。
+(1Hzの抵抗値)×(484.4)−49.49
……(11)
式(11)において、式(1)の係数A,BおよびCは、(831.8),(484.4),(0)であり、定数Dは(−49.49)であった。
式(11)に、2つの測定周波数の交流インピーダンスである100Hzの抵抗値および1Hzの抵抗値を代入すると、計算により電池の容量減少率が得られる。
計算により得られた電池の容量減少率は、電池容量の実測値と比較すると、決定係数(寄与率)R2が、0.809と、0.9以上の比較的大きな相関関係は得られなかった。
[比較例7]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、1つの測定周波数が、1000Hzの交流インピーダンスを測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および交流インピーダンスの値は、決定係数(寄与率)R2が、0.459と相関関係は小さかった。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、1つの測定周波数が、1000Hzの交流インピーダンスを測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および交流インピーダンスの値は、決定係数(寄与率)R2が、0.459と相関関係は小さかった。
[比較例8]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、1つの測定周波数が、10Hzの交流インピーダンスを測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および交流インピーダンスの値は、決定係数(寄与率)R2が、0.366と小さな相関関数しか得られなかった。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、1つの測定周波数が、10Hzの交流インピーダンスを測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および交流インピーダンスの値は、決定係数(寄与率)R2が、0.366と小さな相関関数しか得られなかった。
[比較例9]
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、1つの測定周波数が、0.1Hzの交流インピーダンスを測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および交流インピーダンスの値は、決定係数(寄与率)R2が、0.699と小さな相関関数しか得られなかった。
各実施例の記載内容と同じ条件で劣化した電池の容量減少率を測定し、さらに、1つの測定周波数が、0.1Hzの交流インピーダンスを測定した。そして、測定値された電池の容量減少率および交流インピーダンスの値は、決定係数(寄与率)R2が、0.699と小さな相関関数しか得られなかった。
本実施形態では、満充電時にリチウムイオン電池である電池セルの交流インピーダンス(交流抵抗値)を測定することにより、電池容量を算出する例を示した。具体的には、電池セルであるリチウムイオン電池の測定し易い代表的な少なくとも2つの周波数における交流インピーダンス(交流抵抗値)を測定し、予め得られた相関式から電池の容量減少率(%)を算出する例を示したが、電池の容量減少率に代えて電池の容量維持率を算出してもよい。電池の容量維持率は、[100−(電池の容量減少率)]で表わされる。
また、本実施形態は、リチウムイオン電池の交流インピーダンスのプロット波形から測定し易い少なくとも2点、好ましくは3点の測定周波数を抽出したから、あらゆるリチウムイオン電池における測定周波数を簡便に抽出することができる。
さらに、本実施形態では、測定し易い、例えば負極の劣化を示す周波数10Hzおよび正極の劣化を示す周波数0.1Hzの少なくとも2点の交流インピーダンス、あるいは前記2点の交流インピーダンスに電解液の劣化を示す1000Hzの周波数を加えた3点の交流インピーダンスを測定した。これらの交流インピーダンスの測定値と相関式から電池の容量減少率を推定したから、電池劣化の要因に関係なく、電池の容量減少率を高い算出精度で推定することができる。また、リチウムイオン電池の測定周波数が少なくとも2ポイント、好ましくは3ポイントと少ないことから、測定システムをコンパクトで安価に作製することができる。
さらにまた、リチウムイオン電池の容量減少率は、電池状態が常温、満充電で測定が行なわれるから、自動車等の通常使用状態で、年間を通して頻繁に、例えば1〜2ヶ月に1度以上、測定を行なうことができる。満充電状態は、自動車等に適用し易い待機状態である。
[変形例]
次に、リチウムイオン電池の劣化推定方法の変形例について説明する。
次に、リチウムイオン電池の劣化推定方法の変形例について説明する。
第1の実施形態では、リチウムイオン電池の容量減少を測定する際の充電状態は、温度が満充電で常温に保った状態で、負極の劣化を示す10Hzの周波数と陽極の劣化を示す0.1Hzの周波数の2つの測定周波数、あるいはこの両周波数に電解液の劣化を示す1000Hzや負極の劣化を示す100Hzの周波数等を加えた3つの測定周波数の交流インピーダンスを測定し、これらの測定値を重回帰分析して所要の相関式を得、この相関式からリチウムイオン電池の容量減少率を計算で求める一方、このリチウムイオン電池の容量減少率と実測値から決定係数0.9以上の高い相関が得られるものを選択した。
そして、相関式から算出されたリチウムイオン電池の容量減少率が予め設定した値、例えば20%以上に達したとき、メータパネルに表示し、バッテリ交換を指定する例を説明したが、リチウムイオン電池の測定条件は、満充電で常温に限られるものではなく、用途や仕様、仕向地に合せて変更することが可能である。
交流インピーダンスの測定も、負極の劣化を示す10Hzの交流インピーダンスではなく、(10Hzの交流インピーダンス−1000Hzの交流インピーダンス)または、正極の劣化を示す0.1Hzの交流インピーダンスの代りに(0.1Hzの交流インピーダンス−10Hzの交流インピーダンス)を使用して、これらの測定値を対応する相関式に代入して、容器の容量減少率を求めてもよい。また、容器の容量減少率に代えて容器の容量維持率を求めるようにしてもよい。
P,P1 電池の容量減少率を示す実線
Q,Q1 電池容量の実測値
R2 決定係数(寄与率)
P1,P1−1 電解液の(測定)周波数
P2,P2−1 負極の(測定)周波数
Q,Q1 電池容量の実測値
R2 決定係数(寄与率)
P1,P1−1 電解液の(測定)周波数
P2,P2−1 負極の(測定)周波数
Claims (9)
- リチウムイオン電池の交流インピーダンスのプロット波形から負極および正極の劣化を示す少なくとも2点の測定周波数を抽出し、
前記測定周波数に対応する前記リチウムイオン電池の交流インピーダンスを測定し、
測定された交流インピーダンスを予め作成されたリチウムイオン電池の容量減少率と交流インピーダンスの相関式に挿入して前記リチウムイオン電池の容量減少率あるいは容量維持率を算出し、
算出された前記リチウムイオン電池の容量減少率あるいは容量維持率からリチウムイオン電池の劣化状態を推定することを特徴とするリチウムイオン電池の劣化推定方法。 - 前記交流インピーダンスのプロット波形から電解液の劣化を示す周波数と、負極の劣化を示す周波数と、正極の劣化を示す周波数との3点の測定周波数を抽出する請求項1に記載のリチウムイオン電池の劣化推定方法。
- 前記交流インピーダンスのプロット波形から前記電解液の劣化を示す1000Hzの周波数と、負極の劣化を示す10Hzの周波数と、正極の劣化を示す0.1Hzの周波数の3点の測定周波数を抽出する請求項2に記載のリチウムイオン電池の劣化推定方法。
- 前記交流インピーダンスのプロット波形から前記負極の劣化を示す10Hzの周波数と前記正極の劣化を示す0.1Hzの周波数との2点の測定周波数を抽出する請求項1に記載のリチウムイオン電池の劣化推定方法。
- 前記交流インピーダンスのプロット波形から前記負極の劣化を示す10Hzおよび100Hzの周波数と、正極の劣化を示す0.1Hzの周波数との3点の測定周波数を抽出する請求項1に記載のリチウムイオン電池の劣化推定方法。
- 前記交流インピーダンスのプロット波形から前記負極の劣化を示す10Hzの周波数と、正極の劣化を示す0.1Hzおよび1Hzの周波数との3点の測定周波数を抽出する請求項1に記載のリチウムイオン電池の劣化推定方法。
- 前記交流インピーダンスは、前記リチウムイオン電池が常温、満充電状態で測定を行なう請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池の劣化推定方法。
- 前記相関式から前記リチウムイオン電池の容量減少率を算出し、算出されたリチウムイオン電池の容量減少率が所定値以上のとき、前記リチウムイオン電池が劣化状態にあると判断し、
前記リチウムイオン電池の交換を指示する請求項1に記載のリチウムイオン電池の劣化推定方法。 - 前記リチウムイオン電池の容量減少率に代えて容量維持率を表示する請求項1に記載のリチウムイオン電池の劣化推定方法。
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