JP2014042666A - 飲料抽出機 - Google Patents

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整 高比良
Masakazu Okumura
雅一 奥村
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正敏 前川
Hirotake Yamaguchi
博丈 山口
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Abstract

【課題】材料受け部が抽出部に装着されない状態で作動されるのを防止し得る飲料抽出機を提供する。
【解決手段】被抽出材料を装入する開口部4を開閉自在な蓋体3を備えた抽出部2と、液体を加熱し且つ加圧して送液路を通して抽出部2に供給する加熱送液部とが設けられた飲料抽出機であって、被抽出材料を載置する材料受け部Hが、開口部4を介して抽出部2内に着脱自在に装着されるように構成され、抽出部2に材料受け部Hが装着されていないときは、蓋体3が開口部4を閉鎖した状態に維持された蓋体閉鎖状態になるのを阻止する閉鎖状態阻止機構Nが設けられている。
【選択図】図7

Description

本発明は、被抽出材料を装入する開口部を開閉自在な蓋体を備えた抽出部と、液体を加熱し且つ加圧して送液路を通して抽出部に供給する加熱送液部とが設けられた飲料抽出機に関する。
かかる飲料抽出機は、コーヒー、紅茶等の飲料を抽出するものであり、液体を加熱すると共に加圧して被抽出材料を装入した抽出部に供給するので、被抽出材料に含まれる成分を効果的に引き出して、香りや味覚に優れた高品質の飲料を抽出することができる。ちなみに、コーヒーとしては、例えば、プレーンコーヒー、エスプレッソコーヒー等、種々のコーヒーを抽出することができる。
このような飲料抽出機では、被抽出材料を載置する材料受け部が、開口部を介して抽出部内に着脱自在に装着されるように構成されている。(例えば、特許文献1、2参照。)。この場合、抽出部へ被抽出材料を装入するときは、例えば、予め被抽出材料を載置した材料受け部を抽出部に装着し、抽出部から被抽出材料を取り出すときは、被抽出材料を載置したままで材料受け部を抽出部から取り外すようにすると、抽出部への被抽出材料の装入や抽出部からの被抽出材料の取り出しが容易となる。
又、材料受け部を抽出部から取り外して洗浄することができ、材料受け部を取り外して抽出部の清掃を行うことができるので、抽出部や材料受け部の洗浄や清掃が容易になる。
特開平11−206573号公報 特表2003−508103号公報
しかしながら、従来の飲料抽出機では、材料受け部が抽出部内に着脱自在であるので、材料受け部を取り外して洗浄した場合等に、材料受け部を抽出部内に装着するのを失念して、材料受け部が抽出部に装着されない状態で作動される虞があり、改善が望まれていた。
すなわち、材料受け部が抽出部に装着されない場合は、例えば、被抽出材料が直接抽出部に装入された状態で、飲料抽出機が作動される虞があり、抽出成分の濃度が所望の濃度よりも薄くなってしまったり、被抽出材料が飲料に混ざってしまったりして、適切に飲料を抽出することができない。又、被抽出材料が抽出部に装入されない状態で、飲料抽出機が作動される虞もあり、この場合も勿論、適切に飲料を抽出することができない。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、材料受け部が抽出部に装着されない状態で作動されるのを防止し得る飲料抽出機を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る飲料抽出機は、被抽出材料を装入する開口部を開閉自在な蓋体を備えた抽出部と、液体を加熱し且つ加圧して送液路を通して前記抽出部に供給する加熱送液部とが設けられた飲料抽出機であって、その特徴構成は、
被抽出材料を載置する材料受け部が、前記開口部を介して前記抽出部内に着脱自在に装着されるように構成され、
前記抽出部に前記材料受け部が装着されていないときは、前記蓋体が前記開口部を閉鎖した状態に維持された蓋体閉鎖状態になるのを阻止する閉鎖状態阻止機構が設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、抽出部に材料受け部が装着されていないときは、閉鎖状態阻止機構により、蓋体が開口部を閉鎖した状態に維持された蓋体閉鎖状態になるのが阻止されて、通常とは違う異常状態、例えば、蓋体により抽出部の開口部を適正に閉鎖することができないといった異常状態が起こる。そして、そのような異常状態が起こることにより、使用者に異常状態を点検するという動機付けをすることができるので、使用者は、そのような点検を行うことにより、抽出部に材料受け部が装着されていないことを認識することができる。
従って、材料受け部が抽出部に装着されない状態で作動されるのを防止し得る飲料抽出機を提供することができる。
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記閉鎖状態阻止機構が前記蓋体が前記蓋体閉鎖状態になるのを許容したときは、前記加熱送液部の作動を許容し、且つ、前記閉鎖状態阻止機構が前記蓋体が前記蓋体閉鎖状態になるのを阻止したときは、前記加熱送液部の作動を禁止する送液禁止手段が設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、閉鎖状態阻止機構により蓋体が蓋体閉鎖状態になるのが許容されたときは、送液禁止手段により、加熱送液部の作動が許容されるが、閉鎖状態阻止機構により蓋体が蓋体閉鎖状態になるのが阻止されたときは、送液禁止手段により、加熱送液部の作動が禁止される。
つまり、使用者が、材料受け部を抽出部に装着しないままで、誤って、飲料の抽出を開始するための操作(例えば、スイッチを押す等)をしたとしても、加熱送液部は作動しない。
従って、抽出部に材料受け部が装着されていないにも拘らず、抽出部に高温の流体が供給されるといった不都合を確実に防止することができるので、使い勝手をより一層向上することができる。
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記蓋体が、前記抽出部における前記開口部の外方に位置する揺動軸心にて、前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記閉鎖位置から最も離間した全開位置との間で揺動自在に設けられ、
前記閉鎖状態阻止機構が、前記材料受け部に設けられた移動操作体と、前記蓋体に設けられ当該蓋体が前記揺動軸心にて揺動されるのに伴って前記抽出部内に装着された前記材料受け部の前記移動操作体により移動操作される移動体とを備えて構成されて、前記移動体が前記抽出部内に装着された前記材料受け部の前記移動操作体により移動操作されるのに伴って前記蓋体閉鎖状態になるのを許容するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、蓋体を揺動軸心で揺動させることにより、抽出部の開口部を開閉する。そして、材料受け部を抽出部に装着しているときは、蓋体を閉鎖位置に向けて揺動させると、その揺動に伴って、材料受け部の移動操作体により、移動体が移動操作されるので、蓋体が蓋体閉鎖状態になるのが許容される。一方、材料受け部を抽出部に装着していないときは、抽出部に移動操作体が存在しないため、蓋体を閉鎖位置に向けて揺動させても、蓋体の移動体が移動操作されることがないので、蓋体が蓋体閉鎖状態になるのが阻止される。
従って、材料受け部が抽出部に装着されない状態で作動されるのを的確に防止することができる。
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記蓋体に、当該蓋体が前記閉鎖位置に位置するときに前記開口部に対向する開口部対向仮想面に沿い且つ前記揺動軸心に直交する方向に往復移動自在なスライド部材が設けられ、
前記蓋体を前記閉鎖位置で保持するロック状態と当該ロック状態を解除する解除状態とに切り換えることができる蓋ロック機構が設けられて、前記蓋体が前記閉鎖位置に位置して前記蓋ロック機構が前記ロック状態に切り換えられることで、前記蓋体が前記蓋体閉鎖状態になるように構成され、
前記蓋ロック機構が、前記スライド部材側と前記抽出部を形成する抽出部形成体側とに振り分けて設けられた係合部と被係合部とを備えて構成されて、前記スライド部材の往復移動により、前記係合部と前記被係合部とが係合する係合状態と当該係合が解除される非係合状態とに切り換えられることにより、前記ロック状態と前記解除状態とに切り換えられるように構成され、
前記移動体が、前記開口部対向仮想面に直交する方向に往復移動自在な形態で設けられ、
前記移動操作体が、前記蓋体が前記揺動軸心にて揺動されるのに伴って前記移動体を前記抽出部形成体とは反対側の保持解除位置と前記抽出部形成体側の保持位置との間で移動操作するように構成され、
前記蓋体が前記閉鎖位置に位置するときは、前記移動操作体が前記移動体を前記保持解除位置に位置させるべく移動操作し、前記蓋体が前記閉鎖位置よりも前記全開位置側に位置するときは、前記移動操作体が前記移動体を前記保持位置に位置させるべく移動操作するように構成され、
前記保持位置が、前記係合部と前記被係合部とが前記非係合状態となる係合解除位置から前記係合状態となる係合位置への前記スライド部材の移動を阻止するように当該スライド部材を受け止めることができる位置に設定され、前記保持解除位置が、前記係合解除位置から前記係合位置への前記スライド部材の移動を許容する位置に設定され、
前記閉鎖状態阻止機構が、前記スライド部材を備えて構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、材料受け部を抽出部に装着しているときは、蓋体を閉鎖位置に位置させると、材料受け部の移動操作体により、移動体が保持解除位置に位置させられる。そして、移動体が保持解除位置に位置している状態では、係合解除位置から係合位置へのスライド部材の移動が許容されるので、スライド部材を係合解除位置から係合位置に移動させて、係合部と被係合部とを係合させることにより、蓋ロック機構をロック状態に切り換えることができる。つまり、蓋体が蓋体閉鎖状態になるのが許容される。
そして、蓋体を閉鎖位置に位置させて蓋ロック機構をロック状態に切り換えている状態で、スライド部材を係合位置から係合解除位置に移動させて、係合部と被係合部との係合を解除することにより、蓋ロック機構を解除状態に切り換えると、蓋体を全開位置に向けて揺動させることができる。その揺動に伴って、材料受け部の移動操作体により、移動体が保持位置に位置させられる。そして、移動体が保持位置に位置している状態では、スライド部材を係合解除位置から係合位置に移動させようとしても、スライド部材が移動体に受け止められて係合位置への移動が阻止されるので、スライド部材を係合位置に移動させることができなくなり、蓋ロック機構が解除状態に保持される。
一方で、蓋体を全開位置側に位置させて蓋ロック機構が解除状態に保持されている状態で、抽出部に材料受け部を装着することなく、蓋体を閉鎖位置に位置させても、抽出部には移動操作体が存在していないため、移動体が保持解除位置に位置させられることがないので、スライド部材を係合解除位置から係合位置に移動させることができず、蓋ロック機構をロック状態に切り換えることができない。つまり、蓋体が蓋体閉鎖状態になるのが阻止される。
つまり、蓋ロック機構をロック状態に切り換えることができないという異常状態を起こさせることにより、使用者に、抽出部に材料受け部が装着されていないことを認識させることができる。
従って、蓋体が閉鎖位置に位置していても蓋体が開く可能性がある状態での使用を防止することができるので、安全性を一層向上することができる。
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記移動操作体が、前記蓋体が前記閉鎖位置から当該閉鎖位置と前記全開位置との間の切り換わり位置に至るまでの位置に位置するときは、前記移動体を前記保持解除位置に位置させるべく移動操作し、前記蓋体が前記切り換わり位置を越えて前記全開位置に至るまでの位置に位置するときは、前記移動体を前記保持位置に位置させるべく移動操作するように構成され、
前記閉鎖位置と前記全開位置とにわたる前記蓋体の揺動範囲内の所定の一部の移動規制範囲においては、前記係合解除位置から前記係合位置へのスライド部材の移動が、前記被係合部と前記係合部を形成する係合部形成部材とが当接して阻止されるように構成され、
前記切り換わり位置が、前記移動規制範囲内に設定されている点にある。
上記特徴構成によれば、蓋体を全開位置から切り換わり位置に至る直前までの位置に位置させている間は、移動操作体により移動体が保持位置に位置させられて、蓋ロック機構が解除状態に保持されているので、蓋体を全開位置から切り換わり位置に至る直前の位置に位置させている間に、蓋ロック機構がロック状態に切り換わることがない。
又、蓋体を閉鎖位置と全開位置とにわたる揺動範囲内の一部の移動規制範囲内に位置させているときも、係合解除位置(非係合状態)から係合位置(係合状態)へのスライド部材の移動が、被係合部と係合部形成部材とが当接することにより阻止されるので、蓋ロック機構がロック状態に切り換わることがない。
そして、切り換わり位置が移動規制範囲内に設定されているので、蓋体を開けていても、その蓋体が、蓋ロック機構を構成する係合部と被係合部とを係合させることが可能な位置以外の位置に位置している間は、スライド部材の係合解除位置から係合位置への移動を阻止することができる。
つまり、蓋ロック機構をロック状態に切り換えるために、蓋体を閉鎖位置に向けて揺動させようとしたときに、蓋ロック機構が既にロック状態に切り換わっていて、蓋体を閉鎖位置に位置させることができないといった不都合を防止することができる。
従って、蓋体を開けている間に蓋ロック機構が意図することなくロック状態に切り換わってしまって、蓋ロック機構をロック状態に切り換えるときには一旦解除状態に切り換えなければならないといった不都合を防止することができるので、使い勝手を一層向上することができる。
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記切り換わり位置と前記閉鎖位置との間における前記移動規制範囲外に、ロック可能上限位置が設定され、
前記蓋ロック機構が、前記蓋体が前記ロック可能上限位置から前記閉鎖位置に至るまでの位置に位置するときに、前記解除状態から前記ロック状態に切り換えできるように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、抽出部の開口部を閉鎖すべく、蓋体を閉鎖位置に向けて揺動させるときは、ロック可能上限位置よりも手前の切り換わり位置からは、蓋ロック機構を解除状態に保持するのが解除され、更に、切り換わり位置を越えて、ロック可能上限位置からは、蓋ロック機構を解除状態からロック状態に切り換えることができるようになる。
そして、切り換わり位置からロック可能上限位置に至る直前の位置までの間は、蓋ロック機構が解除状態に保持されるのが解除されているが、係合解除位置から係合位置へのスライド部材の移動が、被係合部と係合部形成部材とが当接して阻止されるため、蓋ロック機構を解除状態からロック状態に切り換えることができないので、蓋ロック機構に対して、ロック状態に切り換える力が作用したとしても、蓋ロック機構をロック状態に切り換えることができない。
つまり、蓋ロック機構をロック状態に切り換えるために、蓋体を閉鎖位置に向けて揺動させようとしたときに、蓋ロック機構が既にロック状態に切り換わっていて、蓋体を閉鎖位置に位置させることができないといった不都合を的確に防止することができる。
従って、蓋体を開けている間に蓋ロック機構が意図することなくロック状態に切り換わってしまって、蓋ロック機構をロック状態に切り換えるときには一旦解除状態に切り換えなければならないといった不都合を確実に防止することができるので、使い勝手を更に向上することができる。
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記スライド部材を前記係合解除位置側に付勢するスライド部材付勢手段と、
前記スライド部材付勢手段の付勢力に抗して、前記スライド部材を前記係合位置に保持して、前記蓋ロック機構を前記ロック状態に保持する蓋ロック状態保持機構が設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、蓋ロック機構を解除状態に切り換えるべく、スライド部材を係合解除位置に移動させるときは、スライド部材付勢手段の付勢力が作用するので、容易に移動させることができ、しかも、スライド部材が係合解除位置に位置しているときは、スライド部材付勢手段の付勢力によって、係合解除位置に保持される。一方、スライド部材を係合位置に位置させると、蓋ロック状態保持機構により、スライド部材付勢手段の付勢力に抗して、スライド部材が係合位置に保持されて、蓋ロック機構がロック状態に保持される。
つまり、スライド部材付勢手段の付勢力によって、スライド部材が係合解除位置に保持されるので、スライド部材において移動体が干渉する部分と移動体とを、スライド部材の移動方向において隙間を開けて位置させることが可能となる。これにより、送液路遮断機構を遮断状態に保持したりその保持を解除する場合や、蓋ロック機構を解除状態に保持したりその保持を解除する場合の移動体の動きを適切且つ容易に行わせることができる。
従って、蓋体の開閉操作の操作性を向上することができる。
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記蓋体において前記移動体と前記移動操作体とが対向する部分に、移動体カバーが、前記移動体を覆う状態で設けられ、
前記移動体カバーに、前記移動操作体側から前記移動体の一部を臨ませるスリット又は孔が備えられ、
前記移動操作体が、前記移動体カバーの前記スリット又は孔に挿通できるように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、蓋体を開けた状態では、移動体における外部に臨む側が移動体カバーにより覆われているので、使用者が移動体を触れる等することにより誤って保持解除位置に位置させて、蓋ロック機構が解除状態に保持されているのを解除するといった不都合を防止することができる。尚、スリットの幅や孔の大きさは、年少者の指が入らない程度に設定するのが好ましい。
そして、材料受け部を抽出部に装着した状態で、蓋体を閉鎖位置に位置させるのに伴って、移動操作体が移動体カバーのスリット又は孔に入り込んで移動体に当接して、移動体を保持解除位置に位置させるので、蓋ロック機構を解除状態に保持するのが解除され、蓋ロック機構をロック状態に切り換えることができる。
従って、蓋体を開けている間に、使用者が誤って蓋ロック機構をロック状態に切り換えてしまって、蓋体を閉めるときには、蓋ロック機構を一旦解除状態に切り換えなければならないといった不都合を防止することができるので、使い勝手を一層向上することができる。
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記係合部が、前記スライド部材の移動方向に沿って窪む形態で、前記抽出部形成体及び前記スライド部材の一方に設けられた凹部にて構成され、
前記被係合部が、前記スライド部材が前記係合解除位置から前記係合位置へ移動するのに伴って前記凹部に入り込むように、前記抽出部形成体及び前記スライド部材の他方に設けられた凸部にて構成され、
前記凹部の内周面及び前記凸部の外周面において、当該凸部が当該凹部に入り込んだ状態で当該凸部及び当該凹部のうち前記スライド部材に設けられた方が前記全開位置側に移動するときに互いに近付く部分の夫々が、前記揺動軸心側ほど前記全開位置側に位置する傾斜面に構成されている点にある。
即ち、蓋体を閉鎖位置に位置させて蓋ロック機構をロック状態に切り換えている状態で、抽出部に高温の液体が圧力をかけられて供給されると、蓋体に対して、全開位置側に揺動する方向に力が作用する。
上記特徴構成によれば、係合部を構成する凹部の内周面及び被係合部を構成する凸部の外周面のうち、互いに近付く部分の夫々が、揺動軸心側ほど全開位置側に位置する傾斜面に構成されているので、蓋ロック機構をロック状態に切り換えている状態において、このように蓋体に対して全開位置側に揺動する方向に力が作用すると、凸部及び凹部のうち抽出部形成体に設けられた方からスライド部材に設けられた方に対して、揺動軸心側及び抽出部形成体側に向く成分を含む力が作用するので、蓋体が閉鎖位置に確実に保持される。
従って、抽出部から高温の流体が漏れるのを確実に防止して、適切に飲料を抽出することができる。
コーヒーメーカの斜視図 蓋体を開けた状態でのコーヒーメーカの斜視図 蓋体を開けてポッドホルダを取り外した状態でのコーヒーメーカの斜視図 コーヒーメーカの縦断左側面図 コーヒーメーカの制御構成を示すブロック図 蓋体を備えた抽出部周辺の縦断左側面図 蓋体が閉鎖位置に位置する状態での各機構の作用を説明する図 蓋体が閉鎖位置に位置する状態での各機構の作用を説明する図 蓋体がロック可能上限位置に位置する状態での各機構の作用を説明する図 蓋体が切り換わり位置に位置する状態での各機構の作用を説明する図 蓋体が全開位置に位置する状態での各機構の作用を説明する図 ポッドホルダが装着されずに蓋体が閉鎖位置に位置する状態での各機構の作用を説明する図 送液路遮断機構の作用を説明する要部の横断平面図 送液路遮断機構の作用を説明する要部の横断平面図 突条部の後向き凹部と横向き突起部との係合状態を示す左側面図
以下、図面に基づいて、本発明を飲料抽出機の一例としてのコーヒーメーカに適用した場合の実施形態を説明する。
図1〜図3に示すように、コーヒーメーカは、装置本体1と、この装置本体1に着脱自在な水(液体の一例)貯留用のタンク7とを備えて構成されている。図2〜図5に示すように、装置本体1には、コーヒー粉(被抽出材料の一例)Qを装入する開口部4を開閉自在な蓋体3を備えた抽出部2、水を加熱し且つ加圧して送液路5を通して抽出部2に供給する加熱送液部6、及び、開口部4を閉鎖する閉鎖位置Psに蓋体3を保持するロック状態(図7参照)と当該ロック状態を解除する解除状態(図8参照)とに切り換えることができる蓋ロック機構L(図7及び図8参照)等が組み付けられている。
この実施形態のコーヒーメーカは、図2に示すように、コーヒー豆を挽いたコーヒー粉Qが袋状のフィルターペーパ内に封入された所謂カフェポッドMを、抽出部2に装入する構成となっている。ちなみに、カフェポッドMには、例えばコーヒーカップ一杯分のコーヒーを抽出するのに必要な量のコーヒー粉Qが封入されている。
又、詳細は後述するが、図2及び図3に示すように、カフェポッドMを載置するポッドホルダH(材料受け部の一例)が、開口部4を介して抽出部2内に着脱自在に装着されるように構成されている。
図1〜図3に示すように、装置本体1は、概略、前方上部から前方に張り出す形態で抽出部2を備え、抽出部2に上下方向で対向する状態で前方下部から前方に突出する容器載せ台9を備え、後方にタンク7を装着できる凹部を備えた形状に構成され、外郭が外郭部材10にて覆われている。
詳細は後述するが、図2及び図3に示すように、抽出部2には、注ぎ口33を備えた注ぎ口部材30が挿脱自在に装着できるように構成されている。
そして、カフェポッドMを抽出部2に装入して、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させた状態で蓋ロック機構Lをロック状態に切り換えて加熱送液部6を作動させると、抽出部2に湯が加圧供給されてコーヒーが抽出され、容器載せ台9に載置したコーヒーカップ(図示省略)に注ぎ口部材30の注ぎ口33からコーヒーが注がれる。
尚、以下の説明では、コーヒーメーカを水平な台上に載置した状態で、抽出部2が張り出す方向を前方として、各方向を定義する。即ち、抽出部2の張り出し方向とは反対方向を後方と定義し、前面視で左右方向を定義する。
次に、コーヒーメーカの各部について、詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、この実施形態では、加熱送液部6は、タンク7内の水を送出するポンプ11と、そのポンプ11により送出される水を一時貯留して加熱する湯沸し部12とを備えて構成されている。
湯沸し部12は、水を貯留可能な加熱容器13内にシーズヒータからなる電気ヒータ14を設けて構成され、加熱容器13内の水を電気ヒータ14により加熱する構成となっている。ちなみに、加熱容器13の容量は、例えば、350cc程度である。
湯沸し部12には、加熱容器13内の湯水の温度を検出する湯温センサ15、及び、加熱容器13の外周面の温度を検出してその検出温度に基づいて電気ヒータ14の作動を停止するサーモスタット16が備えられている。
タンク7は、装置本体1に設けられたタンク受け17に倒立状態で装着され、タンク受け17から水が送出されるのに伴って、タンク7の出口からタンク受け17に水が流下する構成となっている。
図4及び図5に示すように、送液路5は、タンク受け17と蓋体3の内蓋63に設けられた円盤状の押圧部64(図2及び図3参照)とに接続された状態で、装置本体1内に引き回されて設けられている。送液路5には、上流側から下流側に向けて、送液路5を通流する水の流量を検出する容積式の流量センサ19、ポンプ11、一次側(ポンプ11からの流入側)の圧力を所定の設定供給圧力以下に維持するように構成された逃がし弁20、湯沸し部12、一次側(湯沸し部12からの流入側)の圧力が所定の設定吐出圧力以上になると開弁するように構成された圧力弁21が配設されている。ちなみに、この圧力弁21の設定吐出圧力は、100℃よりも高い温度(例えば、106℃)の水の飽和蒸気圧に相当する圧力(例えば、プレーンコーヒーの抽出に好適な圧力である0.5〜4気圧(ゲージ圧)程度)に設定されている。
逃がし弁20の還流口とタンク受け17とが還流路22にて接続されている。そして、逃がし弁20に流入する水の圧力が設定供給圧力を越えると、流入した水の一部が還流路22を通してタンク受け17に戻されることにより、逃がし弁20に流入する水の圧力が設定供給圧力以下に維持されるように構成されている。
図4に示すように、金属製の板材が側面視で概略U字状に成形されて形成されたフレーム23が、装置本体1の外郭部材10内に立設され、ポンプ11、湯沸し部12及び流量センサ19は、フレーム23内に位置させた状態でそのフレーム23に支持されている。
又、図5に示すように、このコーヒーメーカには、運転を制御する制御部24、及び、制御部24に運転制御情報を送信する操作部25が設けられている。装置本体1内での配置状態の図示を省略するが、制御部24は、外郭部材10内に設けられ、図1に示すように、操作部25は、複数のスイッチをシートで覆ったパネル式に構成されて、装置本体1の上面に設けられている。
更に、詳細は後述するが、図5、図13及び図14に示すように、抽出部2には、ポッドホルダHが装着され、且つ、蓋ロック機構Lがロック状態に切り換えられた状態でオンするマイクロスイッチ26が設けられている。
次に、制御部24の制御動作について、説明を加える。
制御部24は、マイクロコンピュータにより構成され、操作部25からの制御情報、並びに、湯温センサ15及び流量センサ19等のセンサ類の検出情報が入力されると共に、それら制御情報や検出情報の入力情報に基づいて、ポンプ11、湯沸し部12の電気ヒータ14等の作動を制御するように構成されている。なお、この実施形態では、マイクロスイッチ26がオンされていないと、制御部24への通電が遮断され、ポンプ11、湯沸し部12の電気ヒータ14等の作動が停止するように構成されている。
図示を省略するが、操作部25には、コーヒーメーカの作動を可能にするための電源スイッチ、水充填運転を指令する水充填スイッチ、コーヒーの抽出運転を指令する抽出スイッチ等が備えられている。
水充填運転は、湯沸し部12の加熱容器13に水を満たす運転であり、このコーヒーメーカを初めて使用するとき等に実行する。又、抽出運転は、コーヒーカップ一杯分に相当する量のコーヒーを抽出する運転である。
予め、抽出運転においてポンプ11により湯を送出する抽出用目標送出量及び湯沸し部12にて水を加熱する目標加熱温度、並びに、水充填運転においてポンプ11により水を送出する充填用目標送出量が設定され、それら抽出用目標送出量、目標加熱温度及び充填用目標送出量が制御部24のメモリー(図示省略)に記憶されている。ちなみに、この実施形態では、抽出用目標送出量は、例えば、130ccに設定され、目標加熱温度は、85〜93℃の範囲(例えば、89℃)に設定されている。又、充填用目標送出量は、タンク7の出口から圧力弁21に至る送液路5中に満たされる湯水の容量よりも多少多い量に設定される。
又、サーモスタット16により湯沸し部12の過熱を防止するための過熱防止用温度も予め設定されている。ちなみに、この実施形態では、過熱防止用温度は、加熱容器13内の温度が100℃よりも高い状態に対応する加熱容器13の外周面の温度、例えば、96〜106℃の範囲(この実施形態では、106℃)に設定される。
制御部24は、マイクロスイッチ26がオンになっている状態で水充填スイッチが押されると、ポンプ11の作動を開始して水充填運転を開始し、以降、流量センサ19にて検出される流量を積算して、その積算流量が充填用目標送出量に達すると、ポンプ11の作動を停止して水充填運転を終了する。
制御部24は、マイクロスイッチ26がオンになっている状態で抽出スイッチが押されると、抽出運転を開始し、マイクロスイッチ26がオフの状態では、抽出スイッチが押されても抽出運転を開始しないように構成されている。尚、抽出運転は、湯沸し部12の加熱容器13に水が満たされていることが前提として行われる。例えば、初めて抽出運転を行うときは、その前に、水充填運転を実行することになる。
制御部24は、マイクロスイッチ26がオンになっている状態で抽出スイッチが押されると、電気ヒータ14を作動させて抽出運転を開始し、その抽出運転では、湯温センサ15の検出温度が目標加熱温度に達すると、電気ヒータ14の作動を停止すると共にポンプ11の作動を開始し、以降、流量センサ19にて検出される流量を積算して、その積算流量が抽出用目標送出量に達すると、ポンプ11の作動を停止して抽出運転を終了する。
サーモスタット16は、その検出温度が予め設定された過熱防止用温度以上になると、電気ヒータ14の作動を停止する。
即ち、電気ヒータ14の作動を制御する回路部品(図示省略、例えばリレー)が故障して電気ヒータ14が連続して作動した場合、圧力弁21が設けられていない場合は、加熱容器13内の温度は100℃以上には上がらないが、圧力弁21が設けられている場合は、加熱容器13内の温度は100℃よりも高くなり得る。そこで、加熱容器13の外周面の温度を検出するようにサーモスタット16を設けて、その検出温度が過熱防止用温度以上の温度を検出すると、電気ヒータ14の作動を停止するようにして、湯沸し部12の過熱を防止するのである。
次に、主として図6〜図14に基づいて、抽出部2、蓋ロック機構L及び本発明に係る構成について説明する。尚、図7、図8、図10及び図11の各図の(a)は、抽出部2及び蓋体3の斜視図において、蓋上板62及び下部覆い部材51(図1及び図3等参照、詳細は後述)を省略した図であり、(b)は、抽出部2及び蓋体3の左側面図において、蓋上板62及び下部覆い部材51を省略すると共に、抽出部基体50(図6参照、詳細は後述)を一点鎖線で記載した図である。又、図9及び図12は、抽出部2及び蓋体3の左側面図において、蓋上板62及び下部覆い部材51を省略すると共に、抽出部基体50を一点鎖線で記載した図であり、図13及び図14は、抽出部2及び蓋体3の横断平面図において、蓋上板62及び開閉操作レバー67(図6参照、詳細は後述)を省略した図である。
本発明では、抽出部2にポッドホルダHが装着されていないときは、蓋体3が抽出部2の開口部4を閉鎖した状態に維持された蓋体閉鎖状態になるのを阻止する閉鎖状態阻止機構Nが設けられている。
この実施形態では、蓋体閉鎖状態は、蓋体3が閉鎖位置Psに位置し且つ蓋ロック機構Lがロック状態に切り換えられた状態に設定されている。
又、蓋ロック機構Lがロック状態から解除状態に切り換えられるのに連動して、送液路5を開く開通状態から送液路5を遮断する遮断状態に切り換えることができ、且つ、蓋ロック機構Lが解除状態からロック状態に切り換えられるのに連動して、遮断状態から開通状態に切り換えることができる送液路遮断機構Vが設けられている。
又、送液路遮断機構Vを遮断状態に保持する遮断状態保持機構Kが設けられている。
先ず抽出部2について説明する。装置本体1の前方には、図6〜図14に加えて、図4にも示すように、装置本体1の前方上部から前方に張り出す抽出部2と前方下部から前方に突出する容器載せ台9との上下方向間に、前壁部8が設けられており、前壁部8の上端部に抽出部2の抽出部基体50が、前後両側に突出する形態で支持されて備えられている。抽出部基体50における前壁部8からの張り出し部分の下方が、下部覆い部材51(図1〜図3参照)にて覆われている。
図1〜図3に示すように、下部覆い部材51には、注ぎ口部材30を挿脱するための挿脱口52が、前面から底面にわたって開く形態で形成されている。
図3及び図6に示すように、注ぎ口部材30は、受入開口部31を備えた概略箱状に構成され、その受入開口部31の開口縁を水平方向に沿わせた姿勢で、挿脱口52を通して下部覆い部材51内に挿入されて装着される。
注ぎ口部材30の底面32の先端側には、軸心方向の全長にわたって延びるスリットを備えた割れ筒状部34が立設され、底面32の基端側には、筒状の注ぎ口33が設けられており、当該底面32(割れ筒状部34内の底面も含む)は、割れ筒状部34側から注ぎ口33側に向かうに連れて下方側に傾斜する前下がり傾斜面となるように形成されている。尚、割れ筒状部34のスリットは、基端側、即ち、注ぎ口33側に向かって開くように形成されている。
図6〜図12に加えて、図3にも示すように、抽出部基体50には、下方に椀状に窪むと共に、底部に貫通口54を備えた窪み部53が設けられ、更に、抽出部基体50の上面における窪み部53の窪み開口部55の左右両側には、上方に突出すると共に前後方向に長い突条部56が設けられ、その各突条部56の前方向きの端面には、後方に向かって窪む後向き凹部57が備えられている。
ポッドホルダHは、図3及び図6に示すように、底部に外側筒状部41を有する概略椀状のホルダ本体40と、ホルダ本体40の外側筒状部41に内側筒状部48pが内嵌された状態でホルダ本体40内に嵌め込まれるポッド受部材48とを備え、ホルダ本体40の外側筒状部41の先端部(外側筒状部41に内嵌された内側筒状部48pよりも下方側)には、抽出孔部材47が嵌め込まれ、ポッド受部材48の内側筒状部48pには網状体49が嵌め込まれている。
ホルダ本体40は、抽出部基体50の窪み部53の窪み開口部55を介して窪み部53に落とし込み状態で装着することができ、外周部に全周にわたる鍔状部43を備えた概略椀状に構成され、抽出孔部材47には微小な抽出孔47h(図6では1箇所)が形成されている。
そして、図6に示すように、ホルダ本体40、抽出孔部材47、ポッド受部材48及び網状体49が上述のように組み付けられて構成されたポッドホルダHが、抽出部基体50の窪み部53の窪み開口部55を介して窪み部53に装着され、カフェポッドMは、ポッド受部材48に載置された状態で、ポッドホルダHに載置されることになる。つまり、抽出部基体50の窪み部53の内部が、ポッドホルダHを収納する抽出部2の抽出室59に構成され、窪み部53の窪み開口部55が抽出部2の開口部4として機能するように構成されている。
又、図3及び図6、並びに、図7〜図11にも示すように、ホルダ本体40の鍔状部43の外周側には、径方向外方に突出する摘み部44と位置決め用羽根部45とが周方向にずらした状態で備えられ、更に、位置決め用羽根部45の上面には、板状の上向き突起部46が上方に突出する状態で備えられている。ちなみに、抽出部基体50の窪み部53に装着するためのホルダ本体40、即ち、ポッドホルダHの適正な向きは、摘み部44が前方側に向く姿勢である。
更に、図3に示すように、抽出部基体50の上面には、ポッドホルダHを適正な向きで窪み部53に装着するときに、ポッドホルダHの摘み部44及び位置決め用羽根部45夫々が入り込む位置決め用凹部58A,58Bが設けられている。
摘み部44が位置決め用凹部58Aに入り込み且つ位置決め用羽根部45が位置決め用凹部58Bに入り込む適正な向きで、ポッドホルダHが窪み部53に装着された状態では、板状の上向き突起部46は、板面が前後方向に沿う状態で起立する姿勢となるように、位置決め用羽根部45の上面に備えられている。
挿脱口52を通して注ぎ口部材30を下部覆い部材51内に装着し、ポッドホルダHを適正な向きで窪み部53に装着すると、図6に示すように、ホルダ本体40の外側筒状部41の先端が注ぎ口部材30の割れ筒状部34の上部に入り込む状態となる。そして、ポッドホルダHに載置されたカフェポッドMから抽出されたコーヒーは、抽出孔部材47の微小な抽出孔47hから注ぎ口部材30の割れ筒状部34内に噴出してその底面32に衝突し、泡、所謂クレマが立つ。そのようにクレマが立ったコーヒーは、割れ筒状部34のスリットを通過し、更に、注ぎ口部材30の底面32を流下して、注ぎ口33から滴下し、コーヒーカップに注がれる。
つまり、抽出部2は、窪み部53を備えた抽出部基体50、下部覆い部材51及び注ぎ口部材30等を備えて構成されることになり、抽出部基体50が、抽出部2を形成する抽出部形成体に相当する。
図7〜図12に示すように、蓋体3の後端には、軸体60が軸心A1を左右方向に沿わせて取り付けられ、又、抽出部基体50の一対の突条部56夫々の上面における後方には、軸支部61が立設されている。そして、蓋体3が、その軸体60が一対の軸支部61に軸支された状態で設けられることにより、蓋体3が、抽出部2の開口部4の外方に位置する左右方向の軸心A1にて、抽出部2の開口部4を閉鎖する閉鎖位置Ps(図7及び図8参照)とその閉鎖位置Psから最も離間した全開位置Pf(図11参照)との間で揺動自在に設けられている。
ここで、左右方向の軸心A1周りに揺動自在な蓋体3の位置や方向を特定するために、蓋体3が揺動位置のいずれに位置していても、図7及び図8に示すように、蓋体3が開口部4を閉鎖する閉鎖位置Psに位置する状態のときに、装置本体1の前方側、後方側、左側及び右側に夫々対応する側を、夫々、蓋体3の前方側、後方側、左側及び右側に定義する。又、蓋体3が揺動位置のいずれに位置していても、蓋体3が閉鎖位置Psに位置する状態のときに、抽出部2の開口部4に対向する、即ち、抽出部基体50の上面に略平行となる仮想面を、開口部対向仮想面Fと定義する。尚、図7〜図12においては、後述するスライド部材80の底面に沿う面を、開口部対向仮想面Fとして記載している。
そして、以下では、蓋体3が揺動位置のいずれに位置していても、上記のように定義した位置、方向及び開口部対向仮想面Fを基準にして説明する。
図2〜図4に示すように、蓋体3は、上方を覆う概略ドーム状の蓋上板62の下方に各部材を組み付けて構成されている。
図2、図3及び図6に示すように、蓋体3における抽出部基体50の上面に対向する部分には、蓋体3が閉鎖位置Psに位置したときに抽出部基体50の窪み部53に装着されたポッドホルダHにおけるホルダ本体40のホルダ開口部42を閉鎖するように、内蓋63が設けられている。その内蓋63には、複数(この実施形態では5個)の湯口64hを周方向に等間隔で備えた円盤状の押圧部64が抽出部基体50に対向するように設けられ、内蓋63と押圧部64とはビス(図示省略)により固定されている。尚、複数の湯口64h夫々は、押圧部64を各湯口64hに対応させて部分的に抽出部基体50側に突出させた突起部に設けられ、図示を省略するが、押圧部64における湯口64hが夫々設けられた複数の突起部の内側には、湯口64hが設けられていない突起部が設けられている。その内蓋63における押圧部64の背面側には、圧力弁21(図6参照)がその吐出口(図示省略)を内蓋63と押圧部64との間の空間(図示省略)に接続した状態で設けられ、更に、内蓋63の抽出部基体50に対向する面における押圧部64の外周部には、環状のシール部材65が設けられている。
そして、図6に示すように、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させると、押圧部64の外周部のシール部材65により、内蓋63とポッドホルダHにおけるホルダ本体40のホルダ開口部42との間及び押圧部64とホルダ開口部42との間が封止される状態で、蓋体3により抽出部2の開口部4が閉鎖される。
図6、図13及び図14に示すように、送液路5において湯沸し部12と圧力弁21とを接続する流路部分は、可撓性を有する耐熱性の送液チューブ66により構成され、送液チューブ66が、蓋体3の揺動を許容するように、弛みを持たせて湯沸し部12と圧力弁21とに接続されている。
図6〜図14に示すように、蓋体3の内部空間には、スライド部材80が、開口部対向仮想面Fに沿い且つ蓋体3の揺動軸心A1に直交する方向(即ち、蓋体3の前後方向)に往復移動自在に設けられている。
スライド部材80には、詳細は後述するが、送液チューブ66を接続した継手部材70(図6参照、詳細は後述)を挿通するための前後方向に長い長孔状のチューブ挿通孔81(図6、図13及び図14参照)、蓋体3が閉鎖位置Psに位置する状態でのスライド部材80の往復移動に伴って、抽出部基体50の一対の突条部56夫々の後向き凹部57に係合、離脱する一対の左右方向に突起する横向き突起部82、及び、スライド部材80をスライド操作するための開閉操作レバー67を連結する一対の連結孔83が設けられている。
一対の横向き突起部82及び一対の突条部56は、以下のような相対位置関係で設けられている。即ち、蓋体3が閉鎖位置Psに位置する状態で、図7に示すように、スライド部材80が前後方向の往復移動範囲における後端の係合位置に位置するときに、各横向き突起部82がその前後方向の全長にわたって各突条部56夫々の後向き凹部57に入り込んで係合状態となり、且つ、図8に示すように、スライド部材80が前後方向の往復移動範囲における前端の係合解除位置に位置するときに、各横向き突起部82がその前後方向の全長にわたって各突条部56夫々の後向き凹部57から離脱して非係合状態(図8参照)になる相対位置関係である。
そして、抽出部基体50(即ち、抽出部形成体)に設けられた突条部56の後向き凹部57が、スライド部材80の移動方向に沿って窪む形態で、抽出部基体50に設けられた凹部に相当し、この突条部56の後向き凹部57により、係合部Caが構成される。
又、スライド部材80に設けられた横向き突起部82が、スライド部材80が係合解除位置から係合位置へ移動するのに伴って突条部56の後向き凹部57(即ち、凹部)に入り込むように、スライド部材80に設けられた凸部に相当し、この横向き突起部82により、被係合部Cbが構成される。
又、図15に示すように、横向き突起部82が突条部56の後向き凹部57に入り込んだ状態で、蓋体3に対して全開位置Pf側に揺動する方向に力が作用すると、突条部56の後向き凹部57の内周面のうちの上面部分57sと、横向き突起部82の外周面のうちの上面部分82sが互いに近づく状態となる。そして、突条部56の後向き凹部57の内周面及び横向き突起部82において、そのように蓋体3に対して全開位置Pf側に揺動する方向に力が作用したときに互いに近づく夫々の上面部分57s、82sが、蓋体3の後方側ほど高くなる後上がり状の傾斜面、即ち、揺動軸心A1側ほど全開位置Pf側に位置する傾斜面に構成されている。
図1、図4及び図6に示すように、蓋上板62には、開閉操作レバー67を配置するための開口部が設けられ、開閉操作レバー67は、蓋上板62の開口部内に嵌め込まれた状態で、その後端部が左右方向の軸心A2周りに揺動自在に蓋体3に設けられている。
図7〜図12に示すように、その開閉操作レバー67には、一対のアーム部67aが左右方向に振り分けて備えられ、一対のアーム部67aの夫々の先端がスライド部材80の一対の連結孔83夫々に嵌まり込む状態で連結されている。
そして、開閉操作レバー67とスライド部材80とは、蓋体3が閉鎖位置Psに位置する状態において、図7に示すように、開閉操作レバー67が前方側に揺動して倒れ姿勢(開閉操作レバー67の上面が蓋上板62の上面と面一)になると、スライド部材80が往復移動範囲後端の係合位置に位置し、図8に示すように、開閉操作レバー67が後方側に揺動して立ち姿勢になると、スライド部材80が往復移動範囲前端の係合解除位置に位置するように連結されている。
従って、開閉操作レバー67を後ろ向きの揺動により起立させ立ち姿勢とすることで、スライド部材80を係合解除位置に位置させた状態で、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させることが可能であり、そのように蓋体3を閉鎖位置Psに位置させた状態で、図7に示すように、開閉操作レバー67を前向きの揺動により倒して倒れ姿勢とし、スライド部材80を係合位置に位置させると、一対の横向き突起部82夫々が一対の突条部56の後向き凹部57夫々に係合され、蓋体3が閉鎖位置Psに保持される。
又、そのように蓋体3が閉鎖位置Psに保持されている状態で、図8に示すように、開閉操作レバー67を起立させて立ち姿勢とし、スライド部材80を係合解除位置に位置させると、一対の横向き突起部82夫々が一対の突条部56の後向き凹部57夫々から離脱して、蓋体3が閉鎖位置Psに保持される状態が解除される。
図13及び図14に示すように、スライド部材付勢バネ(スライド部材付勢手段の一例)72が、スライド部材80を係合解除位置側に付勢すべく、蓋体3の蓋上板62に設けられたバネ受け部73(図13及び図14において仮想線で示す)とスライド部材80の後端部との間に圧縮状態で設けられ、又、スライド部材付勢バネ72の付勢力に抗して、スライド部材80を係合位置に保持して、蓋ロック機構Lをロック状態に保持する蓋ロック状態保持機構Jが設けられている。
この蓋ロック状態保持機構Jは、蓋体3の蓋上板62に設けられて、開口部対応仮想面Fに沿い且つスライド部材80の往復移動方向に直交する方向に突出する蓋側突起部74(図13及び図14において仮想線で示す)と、スライド部材80に設けられて、スライド部材80が係合解除位置から係合位置に位置するのに伴って蓋側突起部74に係止される板バネ部材75とを備えて構成されている。
板バネ部材75は、開口部対応仮想面Fに沿い且つスライド部材80の往復移動方向に直交する方向における蓋側突起部74の側に付勢された係止片75pを備え、その係合片75pに、スライド部材80が係合解除位置から係合位置に位置するのに伴って、蓋側突起部74を乗り越えて当該蓋側突起部74に係止されるスライド側突起部75sが備えられている。
つまり、この実施形態では、蓋ロック機構Lが、スライド部材80、そのスライド部材80を移動操作する開閉操作レバー67、及び、スライド部材80側と抽出部2を形成する抽出部基体50側とに振り分けて設けられた係合部Caと被係合部Cbとを備えて構成されて、スライド部材80の往復移動により、係合部Caと被係合部Cbとが係合する係合状態と当該係合が解除される非係合状態とに切り換えられることにより、ロック状態と解除状態に切り換えられるように構成されていることになる。
図10に示すように、蓋体3が、閉鎖位置Psと全開位置Pfとにわたる揺動範囲内において、開口部対向仮想面Fに直交する方向で、各横向き突起部82の後端下部の角部82eが各突条部56の前端面における上部角部56eと略同位置に位置する状態となる位置から、各横向き突起部82の後端上部の角部82tが後向き凹部57の開口部の上縁角部56dと略同位置に位置する状態となる位置までの間に位置するときは、スライド部材80を後退させようとしても横向き突起部82が突条部56の前端面に当たって後退させることができない。
つまり、開口部対向仮想面Fに直交する方向において、各横向き突起部82の後端下部の角部82eが各突条部56の前端面における上部角部56eと略同位置に位置する状態となる位置から、各横向き突起部82の後端上部の角部82tが後向き凹部57の開口部の上縁角部56dと略同位置に位置する状態となる位置までの範囲が、移動規制範囲となる。そして、閉鎖位置Psと全開位置Pfとにわたる蓋体3の揺動範囲内の所定の一部の移動規制範囲においては、係合解除位置から係合位置へのスライド部材80の移動が、一対の横向き突起部82と一対の突条部56(係合部形成部材の一例)とが当接して阻止されるように構成されている。
又、図9に示すように、蓋体3が、閉鎖位置Psと全開位置Pfとにわたる揺動範囲内において、各横向き突起部82の後端上部の角部82tが、開口部対向仮想面Fに直交する方向で、各突条部56の前端面における後向き凹部57の開口部の上縁角部56dと略同位置に位置する状態となる位置(図9にて示す蓋体3の位置)と閉鎖位置Psとの間の位置に位置するときは、往復移動範囲前端の係合解除位置に位置するスライド部材80を、一対の横向き突起部82夫々を一対の突条部56の後向き凹部57夫々に入り込ませながら後方側にスライドさせて、係合位置に位置させることができるように構成されている。
つまり、図9に示すように、開口部対向仮想面Fに直交する方向において、各横向き突起部82の後端上部の角部82tが各突条部56の前端面における後向き凹部57の開口部の上縁角部56dと略同高さに位置する状態となる位置が、ロック可能上限位置Pnとなる。そして、蓋ロック機構Lが、蓋体3がロック可能上限位置Pnから閉鎖位置Psに至るまでの位置に位置するときに、解除状態からロック状態に切り換えできるように構成されている。
尚、蓋体3がロック可能上限位置Pnから閉鎖位置Psに至るまでの位置に位置しておれば、一対の横向き突起部82夫々の全体が一対の突条部56の後向き凹部57夫々に入り込むのに伴って、蓋体3が閉鎖位置Psに位置させられて、抽出部2の開口部4を閉鎖するように構成されている。
図6に示すように、送液チューブ66を圧力弁21に接続する継手部材70が、チューブ挿通孔81を通ってスライド部材80の上方に突出する状態で、圧力弁21に接続されている。
図6、図13及び図14に示すように、この継手部材70は、概略L字状に構成され、送液チューブ66を接続するチューブ接続管部分70pが開口部対向仮想面Fに平行で、しかも、平面視でチューブ接続管部分70pの遊端(送液チューブ66を接続する側の端部)がスライド部材80の往復移動方向(前後方向、図13及び図14において左右方向)に対して右側に反れた右斜め後ろ向き(図13及び図14の右斜め下向き)となる姿勢で設けられている。
スライド部材80のチューブ挿通孔81は、スライド部材80が係合位置(図13)と係合解除位置(図14)との間で往復移動しても、開口縁部が継手部材70に当たらないように、前後方向に長く形成されている。
スライド部材80の上面には、送液チューブ66において継手部材70に接続される側の部分を、開口部対向仮想面Fに略平行となり、且つ、スライド部材80の往復移動方向に対して交差する形態で保持するチューブカバー85が取り付けられる。
このチューブカバー85の構成及びスライド部材80の上面への取り付け構成について、説明を加える。
スライド部材80の上面において、チューブ挿通孔81の後方で、且つ、平面視で右斜め後ろ向きのチューブ接続管部分70pの遊端よりも左右方向で左に寄った位置に、柱状部86が立設されている。
チューブカバー85の内面には、スライド部材80の柱状部86を挿通可能な筒状部85pが、下方側(抽出部基体50側)に突出する状態で備えられている。そして、そのチューブカバー85が、筒状部85pにスライド部材80の柱状部86を挿通させた状態で、スライド部材80の上面にビス71(図6参照)により固定されている。
又、チューブカバー85の柱状部85pの外周側には、その軸心方向に沿って、平面視で蓋体3の前方側に尖ったくさび状のチューブ押部85wが備えられている。
更に、チューブカバー85の内面側には、平面視において、送液チューブ66を蓋体3の後方側からチューブ押部85wの左側を通すギャップ部85g、及び、そのギャップ部85gを通した送液チューブ66及びそれが接続された継手部材70のチューブ接続管部分70pを収容可能なチューブ収容空間85sが形成されている。
平面視において、ギャップ部85gのギャップ幅は、送液チューブ66の外径よりもやや広い程度であり、チューブ収容空間85sの幅は、筒状部85pが前方に移動するのに伴って、送液チューブ66がチューブ押部85wに押されて、チューブ押部85wとチューブ接続管部分70pとにより挟まれることで折れ曲がるのを許容するように、十分に広く設定されている。
従って、送液チューブ66において、チューブカバー85のギャップ部85gに嵌め込まれた部分からチューブ押部85wが当接する部分にわたる範囲の部分は、スライド部材80が蓋体3の前後方向に移動しても、そのスライド部材80に対する相対移動が阻止されるかあるいは抑制される。つまり、チューブカバー85のギャップ部85g及びチューブ押部85wにより、上流側保持部Buが構成される。
スライド部材80における係合位置と係合解除位置との間の移動距離、及び、スライド部材80の上面に取り付けたチューブカバー85のチューブ押部85wと継手部材70のチューブ接続管部分70pの遊端との相対位置関係は、送液チューブ66が以下のような形態でチューブ収容空間85sに収容されるように設定されている。
即ち、図13に示すように、蓋体3が閉鎖位置Psに位置し、且つ、スライド部材80が係合位置に位置する状態では、送液チューブ66は、流路が狭くなるのが防止される状態で、スライド部材80の移動方向と交差する(蓋体3の前方側ほど蓋体3の左側に位置する状態で斜めに交差する)形態でチューブ収容空間85sに収容される。
又、図14に示すように、蓋体3が閉鎖位置Psに位置した状態で、スライド部材80が係合解除位置側に移動すると、送液チューブ66の下流側が継手部材70のチューブ接続管部分70pに固定された状態で、送液チューブ66の上流側のチューブカバー85のギャップ部85g及びチューブ押部85wにより保持された部分が係合解除位置側に移動する。そして、スライド部材80が係合解除位置に位置すると、送液チューブ66は、チューブ接続管部分70pの先端とチューブ押部85wとにより折り曲げられた状態で挟まれることになり、流路が遮断されるように折り曲げられた形態でチューブ収容空間85sに収容される。
つまり、継手部材70のチューブ接続管部分70pにより、蓋体3側に設けられて、送液チューブ66における長手方向の一部の箇所を蓋体3側に固定する下流側固定部Bdが構成されている。
そして、スライド部材80が突条部56の後向き凹部57(係合部Ca)と横向き突起部82(被係合部Cb)とが係合状態となる係合位置から非係合状態となる係合解除位置に移動するのに伴って、下流側固定部Bdと上流側保持部Buとにより、送液チューブ66が折り曲げられるように構成されて、送液路遮断機構Vが、上流側保持部Buを備えたスライド部材80、下流側固定部Bd及び送液チューブ66を備えて構成されて、送液チューブ66が下流側固定部Bdと上流側保持部Buとにより折り曲げられることにより、開通状態から遮断状態に切り換えられるように構成されていることになる。
図13及び図14に示すように、マイクロスイッチ26は、蓋体3が閉鎖位置Psに位置した状態で、スライド部材80が後退して係合位置に位置するのに伴って(図13参照)、スライド部材80の後端から後方に突出したマイクロスイッチ操作部87に押圧されてオン操作され、スライド部材80が係合位置から前進するのに伴って(図14参照)、スライド部材80のマイクロスイッチ操作部87が離間してオフ操作されるように、蓋体3におけるスライド部材80の後端よりも後方側に設けられている。
従って、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させて、開閉操作レバー67によりスライド部材80を係合位置に後退させるのに伴って、マイクロスイッチ26がオン操作されるので、抽出スイッチを押すと、制御部24により抽出運転が実行される。一方、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させていても、スライド部材80が係合位置に位置していないと、マイクロスイッチ26がオフになっているので、抽出スイッチを押しても、抽出運転が実行されない。
図7〜図14に示すように、蓋体3内には、昇降体(移動体の一例)90が、蓋体3の開閉操作に伴って、抽出部基体50の窪み部53に適正に装着されたポッドホルダHの上向き突起部46が当接又は離間することにより、蓋体3の上下方向(即ち、開口部対向仮想面Fに直交する方向)に往復移動自在に設けられている。
この昇降体90は、夫々長尺状の上部材91及び下部材92を互いに間隔を開けて円筒状の連結部材93にて連結して構成されている。そして、そのように構成された昇降体90が、上部材91及び下部材92が蓋体3の上下方向に沿って並び且つ夫々の長手方向が蓋体3の前後方向に沿う姿勢で、蓋体3に取り付けられた昇降案内部材94の環状の案内部に連結部材93が挿通された状態で設けられて、蓋体3の上下方向に往復移動自在に支持されている。
更に、昇降案内部材94の環状の案内部と下部材92との間に、昇降体付勢バネ95が、昇降体90を下方側に付勢すべく圧縮状態で設けられている。
次に、昇降体90とスライド部材80の相対位置関係について、説明する。
尚、詳細は後述するが、スライド部材80において、スライド部材80が往復移動するときに昇降体90と互いに干渉し合う後端側の部分を、対昇降体干渉部分84と称する。
図7〜図12に示すように、ポッドホルダHが抽出部基体50の窪み部53に適正に装着されて、蓋体3が閉鎖位置Psに位置する状態(図7及び図8参照)では、昇降体90は、昇降体付勢バネ95の付勢力に抗して、ポッドホルダHの上向き突起部46により押し上げられて、往復移動範囲の上端(抽出部基体50側とは反対側の端部)に位置し、蓋体3を閉鎖位置Psから全開位置Pfに向けて揺動させるに伴って、昇降体90は上向き突起部46が当接する状態が維持されながら昇降体付勢バネ95の付勢力により下降し、やがて、昇降体90は上向き突起部46から離間して、昇降体付勢バネ95の付勢力により往復移動範囲の下端に位置する(図11参照)。
そして、蓋体3の前後方向(即ち、スライド部材80の往復移動方向)に沿う方向での昇降体90とスライド部材80の対昇降体干渉部分84との相対位置関係は、図7に示すように、スライド部材80が往復移動範囲後端の係合位置に位置するときは、スライド部材80の対昇降体干渉部分84の後端が昇降体90の上部材91の前端よりも蓋体3の後方側に位置し、図8に示すように、スライド部材80が往復移動範囲前端の係合解除位置に位置するときは、スライド部材80の対昇降体干渉部分84の後端と昇降体90の上部材91の前端との間に蓋体3の前後方向において所定の間隔が開く関係となるように設定されている。スライド部材80はスライド部材付勢バネ72により係合解除位置に向けて付勢されているので、スライド部材付勢バネ72により、スライド部材80の対昇降体干渉部分84の後端と昇降体90の上部材91の前端との間の蓋体3の前後方向での間隔が保持されることになる。
又、蓋体3の上下方向(即ち、開口部対向仮想面Fに直交する方向)に沿う方向での昇降体90とスライド部材80の対昇降体干渉部分84との相対位置関係は、図11に示すように、昇降体90が往復移動範囲の下端に位置するときは、昇降体90の上部材91がスライド部材80の対昇降体干渉部分84と蓋体3の上下方向(開口部対向仮想面Fに直交する方向)において一部(例えば、約2mm程度)重なり、図7及び図8に示すように、昇降体90が往復移動範囲の上端に位置するときは、昇降体90の下部材92と上部材91との間に、スライド部材80の対昇降体干渉部分84における蓋体3の上下方向(開口部対向仮想面Fに直交する方向)での全体が位置する関係になるように設定されている。
そして、蓋体3が、閉鎖位置Psと全開位置Pfとの間の所定の位置に位置すると、図10に示すように、開口部対向仮想面Fに直交する方向において、昇降体90の上部材91における前端面の下端部が、スライド部材80の対昇降体干渉部分84における後端面の上端部と略同位置になる状態となり、このような状態になる蓋体3の位置が、切り換わり位置Pmに設定されている。
蓋体3が全開位置Pfと切り換わり位置Pmに至る直前までの位置に位置するときは、図11に示すように、昇降体90の上部材91における前端面の下端部が、開口部対向仮想面Fに直交する方向において、スライド部材80の対昇降体干渉部分84における後端面の上端部よりも当該後端面の下端側に位置する状態となり、このような状態となる昇降体90の位置が保持位置となる。
又、蓋体3が切り換わり位置Pmから閉鎖位置Psに至るまでの位置に位置するときは、図7〜図10に示すように、開口部対向仮想面Fに直交する方向において、昇降体90の上部材91における前端面の下端部が、スライド部材80の対昇降体干渉部分84における後端面の上端部と同位置に位置する、又は、当該後端面の上端部よりも上方側に位置する状態となり、このような状態となる昇降体90の位置が保持解除位置となる。
又、図10に示すように、切り換わり位置Pmは、開口部対向仮想面Fに直交する方向において、各横向き突起部82の後端下部の角部82eが、各突条部56の前端面における上部角部56eと後向き凹部57の開口部の上縁角部56dとの間の中間に位置する状態となる位置に設定されている。つまり、切り換わり位置Pmが、移動規制範囲内に設定されていることになり、又、ロック可能上限位置Pnが、切り換わり位置Pmと閉鎖位置Psとの間における移動規制範囲外に設定されていることになる。
つまり、図7〜図10に示すように、ポッドホルダHが抽出部基体50の窪み部53に適正に装着された状態で、蓋体3を閉鎖位置Psから切り換わり位置Pmに至るまでの位置に位置させると、昇降体90がポッドホルダHの上向き突起部46に押し上げられて保持解除位置に位置するので、スライド部材80の対昇降体干渉部84が昇降体90の上部材91と下部材92との間に入り込む状態で、スライド部材80を係合位置と係合解除位置との間で往復移動操作することができる。
そして、開閉操作レバー67によりスライド部材80を係合位置に位置させると、一対の横向き突起部82夫々が一対の突条部56の後向き凹部57夫々に係合されると共に、板バネ部材75のスライド側突起部75sが蓋体3の蓋側突起部74を後ろ側に乗り越えて、その蓋側突起部74に係止されるので、蓋ロック機構Lがロック状態に保持されて、蓋体3が閉鎖位置Psに保持される。
又、そのように蓋体3を閉鎖位置Psに位置させた状態で、開閉操作レバー6によりスライド部材80を係合解除位置に向けて前進させると、板バネ部材75のスライド側突起部75sが蓋体3の蓋側突起部74を前側に乗り越えて前進させることができ、係合解除位置に位置させると、一対の横向き突起部82夫々が一対の突条部56の後向き凹部57夫々から離脱して、蓋体3が閉鎖位置Psに保持される状態が解除される。
一方で、スライド部材80を係合解除位置に位置させた状態で、蓋体3を全開位置Pf側に向けて揺動させることが可能であり、図10及び図11に示すように、蓋体3が切り換わり位置Pmを越えると、昇降体90が昇降体付勢バネ95の付勢力により保持位置に位置させられる。従って、蓋体3を切り換わり位置Pmよりも全開位置Pf側のどの位置に位置させていても、昇降体90の上部材91の前端がスライド部材80の対昇降体干渉部84の後端に対向しているので、スライド部材80を後退させることができない。
つまり、ポッドホルダHの上向き突起部46が、蓋体3が揺動軸心A1にて揺動されるのに伴って昇降体90を抽出部基体50側の保持位置と抽出部基体50とは反対側の保持解除位置との間で移動操作するように構成されている。
又、蓋体3が閉鎖位置Psに位置するときは、ポッドホルダHの上向き突起部46が昇降体90を保持解除位置に位置させるべく移動操作し、蓋体3が閉鎖位置Psよりも全開位置Pf側に位置するときは、ポッドホルダHの上向き突起部46が昇降体90を保持位置に位置させるべく移動操作するように構成されていることになる。
そして、図11に示すように、保持位置(この実施形態では、昇降体90の上部材91の位置)が、スライド部材80が係合解除位置から係合位置に移動する係合位置向き移動経路上(係合解除位置から係合位置へのスライド部材80の移動を阻止するように当該スライド部材80を受け止めることができる位置の一例)に設定され、図7〜図11に示すように、保持解除位置(この実施形態では、昇降体90の上部材91の位置)が、係合位置向き移動経路から抽出部基体50とは反対側に退避した位置(係合解除位置から係合位置へのスライド部材80の移動を許容する位置の一例)に設定されていることになる。
つまり、ポッドホルダHの上向き突起部46が、蓋体3が閉鎖位置Psから当該閉鎖位置Psと全開位置Pfとの間の切り換わり位置Pmに至るまでの位置に位置するときは、昇降体90を保持解除位置に位置させるべく移動操作し、蓋体3が切り換わり位置Pmを越えて全開位置Pfに至るまでの位置に位置するときは、昇降体90を保持位置に位置させるべく移動操作するように構成されていることになる。
又、遮断状態保持機構Kが、蓋体3が全開位置Pfから切り換わり位置Pmに至る直前までの位置に位置するときは、送液路遮断機構Vを遮断状態に保持し、且つ、蓋体3が切り換わり位置Pmから閉鎖位置Psに至るまでの位置に位置するときは、送液路遮断機構Vを遮断状態に保持するのを解除するように構成されていることになる。
更に、遮断状態保持機構Kが、蓋体3が全開位置Pfから切り換わり位置Pmに至る直前までの位置に位置するときは、蓋ロック機構Lを解除状態に保持し、且つ、蓋体3が切り換わり位置Pmから閉鎖位置Psに至るまでの位置に位置するときは、蓋ロック機構Lを解除状態に保持するのを解除するように構成されている。
尚、蓋体3が切り換わり位置Pmとロック可能上限位置Pnに至る直前までの位置に位置するときは、蓋ロック機構Lを解除状態に保持するのが解除されているが、図10に示すように、スライド部材80の横向き突起部82の後退経路上には、突条部56における後向き凹部57上方の前端面が存在するので、スライド部材80を後退させようとしても横向き突起部82が突条部56の前端面に当たって後退させることができず、蓋ロック機構Lを解除状態からロック状態に切り換えることができない。
又、図12に示すように、ポッドホルダHが抽出部基体50の窪み部53に装着されていない場合、あるいは、ポッドホルダHが抽出部基体50の窪み部53に不適正な向きで装着されている場合等には、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させても、昇降体90が保持解除位置に上昇せず、保持位置に位置したままである。従って、スライド部材80を係合位置にまで後退させることができず、蓋ロック機構Lを解除状態からロック状態に切り換えることができない。
つまり、ポッドホルダHが抽出部2に適正に装着されているときは、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させた状態で蓋ロック機構Lをロック状態に切り換えることができて、蓋体3を、当該蓋体3が閉鎖位置Psに位置して蓋ロック機構Lがロック状態に切り換えられた蓋体閉鎖状態にすることが許容される。一方、ポッドホルダHが抽出部2に装着されていないときは、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させても蓋ロック機構Lをロック状態に切り換えることができず、蓋体3を蓋体閉鎖状態にするのが阻止される。
要するに、この実施形態では、閉鎖状態阻止機構Nが、ポッドホルダHに形成された上向き突起部46(移動操作体)と、蓋体3に設けられ当該蓋体3が揺動軸心A1にて揺動されるのに伴って抽出部2内に装着されたポッドホルダHの上向き突起部46により移動操作される昇降体90(移動体)と、スライド部材80と、開閉操作レバー67とを備えて構成されて、昇降体90が抽出部2内に装着されたポッドホルダHの上向き突起部46により移動操作されるのに伴って蓋体閉鎖状態になるのを許容するように構成されていることになる。
又、閉鎖状態阻止機構Nが蓋体3が蓋体閉鎖状態になるのを許容したときは、加熱送液部6の作動を許容し、且つ、閉鎖状態阻止機構Nが蓋体3が蓋体閉鎖状態になるのを阻止したときは、加熱送液部6の作動を禁止する送液禁止手段Uが、制御部24及びマイクロスイッチ26により構成されていることになる。
図2及び図3に示すように、蓋体3には、昇降体90の下部材92における抽出部基体50の側を覆う昇降体カバー69が設けられている。この昇降体カバー69には、ポッドホルダHの上向き突起部46を挿通させることができるスリット69sが備えられている。このスリット69sの幅は、年少者の手指が入り込まない程度の幅に設定されている。
次に、蓋体3の開閉操作に対応させて、蓋ロック機構L、送液路遮断機構V、遮断状態保持機構K及び閉鎖状態阻止機構N夫々の作用を説明する。
図11に示すように、蓋体3を開けて切り換わり位置Pmよりも全開位置Pf側に位置させている状態では、スライダ部材80が係合解除位置に位置し且つ昇降体90が保持位置に位置して、蓋ロック機構Lが解除状態に保持されると共に送液路遮断機構Vが遮断状態に保持されている。従って、スライド部材80が係合解除位置に保持されると共に、送液チューブ66が折り曲げられて(図14に示す状態と同様の状態になっている)、送液路5が遮断されている。尚、スライド部材80はスライド部材付勢バネ72の付勢力により係合解除位置に保持されており、その状態では、スライド部材80の対昇降体干渉部分84の後端と昇降体90の上部材91の前端との間の蓋体3の前後方向での間隔が保持されている。
このように蓋体3を開けた状態では、蓋ロック機構Lが解除状態に保持されているので、誤って、開閉操作レバー67を前倒ししようとしても、スライド部材80の対昇降体干渉部分84が昇降体90の上部材91に当たるので、開閉操作レバー67を前倒しすることができず、スライド部材80を後退させて、蓋ロック機構Lをロック状態に切り換えることができない。又、昇降体カバー69により昇降体90が使用者に触れられないように覆われているので、誤って昇降体90が保持解除位置に位置させられることにより、蓋ロック機構Lを解除状態に保持するのが解除されたり、送液路遮断機構Vが開通状態に切り換えられて送液路5が開かれるのを防止することができる。
次いで、カフェポッドMを載置したポッドホルダHを適正な向きで抽出部基体50の窪み部53に装着して(即ち、抽出部2に装着して)、蓋体3を閉鎖位置Psに向けて揺動させる。そのときに、図10に示すように、蓋体3が切り換わり位置Pmに位置する場合或いはその位置を越えた場合、ポッドホルダHの上向き突起部46が昇降体カバー69のスリット69sに入り込んで、図8に示すように、昇降体90を押し上げて保持解除位置に位置させるので、蓋ロック機構Lを解除状態に保持するのが解除されると共に、送液路遮断機構Vを遮断状態に保持するのが解除される。このときは、スライド部材付勢バネ72の付勢力により、スライド部材80の対昇降体干渉部分84の後端と昇降体90の上部材91の前端との間の蓋体3の前後方向での間隔が保持されているので、昇降体90の押し上げ移動がスムーズに行われる。
尚、蓋体3を切り換わり位置Pmよりも全開位置Pf側に位置させているときに、スライド部材80の対昇降体干渉部分84が昇降体90の上部材91に当たるまで、開閉操作レバー67を起立させた立ち姿勢から前倒した状態で、蓋体3を閉鎖位置Ps側に揺動させたとしても、スライド部材80の各横向き突起部82は抽出部基体50の各突条部56と干渉しないので、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させることができるように構成されている。
そして、図7〜図9に示すように、蓋体3をロック可能上限位置Pnから閉鎖位置Ps側に位置させている状態では、開閉操作レバー67を前倒しして、スライド部材80を後退させて係合位置に位置させることが可能である。そして、スライド部材80を係合位置に位置させると、蓋ロック機構Lがロック状態に切り換えられ、そのロック状態が蓋ロック状態保持機構Jにより保持されると共に、送液路遮断機構Vが開通状態に切り換えられる。従って、蓋体3が閉鎖位置に保持されると共に、送液チューブ66が折り曲げられる状態が解除されるので、送液路5が開かれる。
並びに、マイクロスイッチ26がスライド部材80のマイクロスイッチ操作部87により押されてオンするので、操作部25の抽出スイッチを押すと、抽出運転が実行される。
一方、図12に示すように、ポッドホルダHを抽出部基体50の窪み部53に装着せずに(即ち、抽出部2に装着せずに)、蓋体3を閉鎖位置Psに向けて揺動させて、蓋体3を切り換わり位置Pmから閉鎖位置Ps側に位置させても、昇降体90が保持解除位置に位置させられることはない。従って、蓋ロック機構Lが解除状態に保持されたままであるので、開閉操作レバー67を前倒ししてスライド部材80を後退させることができない。この状態では、マイクロスイッチ26はオフのままであるので、操作部25の抽出スイッチを押しても、抽出運転は実行されない。
つまり、抽出部2にポッドホルダHが適正に装着されているときは、蓋体3を切り換わり位置Pmから閉鎖位置Ps側(この実施形態では、ロック可能上限位置Pnから閉鎖位置Ps側)に位置させると、開閉操作レバー67を前倒しすることができて、蓋ロック機構Lをロック状態に切り換えることができる。つまり、閉鎖状態阻止機構Nにより、蓋体3が蓋体閉鎖状態になるのが許容される。一方、抽出部2にポッドホルダHが装着されていないときは、蓋体3を切り換わり位置Pmから閉鎖位置Ps側に位置させて、開閉操作レバー67を前倒ししようとしても、開閉操作レバー67を前倒しすることができず、蓋ロック機構Lをロック状態に切り換えることができない。つまり、閉鎖状態阻止機構Nにより、蓋体3が蓋体閉鎖状態になるのが阻止される。
このように、抽出部2にポッドホルダHが装着されていないときは、開閉操作レバー67を前倒しすることができないといった通常とは違う異常状態が起こる。従って、そのような異常状態が起こることにより、使用者に異常状態を点検するという動機付けをすることができるので、使用者は、そのような点検を行うことにより、抽出部2にポッドホルダHが装着されていないことを認識することができる。
上述の如く、ポッドホルダHを抽出部2に装着して、蓋ロック機構Lをロック状態に切り換えた後、操作部25の抽出スイッチを押すと抽出運転が実行され、コーヒーが注ぎ口33からコーヒーカップに注がれる。
コーヒーの抽出が終わって、ポッドホルダHを抽出部2から取り出すときは、図8に示すように、開閉操作レバー67を起こしてスライド部材80を前進させることにより、蓋ロック機構Lを解除状態に切り換えることになる。このようにスライド部材80を前進させるのに伴って、送液チューブ66が折り曲げられ、蓋ロック機構Lが解除状態に切り換えられるときには、既に、送液路遮断機構Vが遮断状態に切り換えられて、送液路5が遮断されている。従って、蓋体3を全開位置Pfに向けて揺動させても、押圧部64の湯口64hから高温の湯や蒸気(高温の流体)が吹き出るのが確実に防止される。
〔別実施形態〕
(A)蓋体3が開口部4を閉鎖した状態に維持された蓋体閉鎖状態の具体的な状態としては、上記の実施形態において説明した状態、即ち、蓋体3が閉鎖位置Psに位置し且つ蓋ロック機構Lがロック状態に切り換えられ、蓋ロック機構Lにより蓋体3が閉鎖位置Psに維持された状態に限定されるものではない。例えば、蓋体3が閉鎖位置Psに位置して、開口部4を閉鎖した状態に維持された状態を蓋体閉鎖状態としても良く、この場合、蓋体3が自重により開口部4を閉鎖した状態に維持されるものとしても良い。
この場合、例えば、閉鎖状態阻止機構Nを、上記の実施形態の如き構成、即ち、ポッドホルダHに形成された上向き突起部46、昇降体90、スライド部材80及び開閉操作レバー67を備えた構成とは別の構成にする。
例えば、抽出部基体50の上面に、下方に窪む下向き凹部を形成し、又、蓋体3に、当該蓋体3が閉鎖位置Psに位置するのに伴って、抽出部基体50の下向き凹部に挿入される下向き突起部を設ける。又、下向き凹部の開口部を開閉自在で且つ閉じ側に付勢された開閉蓋、及び、ポッドホルダHが抽出部2に装着されるのに伴って開閉蓋を開くようにポッドホルダHと開閉蓋とを連係する連係機構を抽出部基体50に設ける。
そして、閉鎖状態阻止機構Nを、蓋体3に設けた下向き突起部、並びに、抽出部2に設けた下向き凹部、開閉蓋及び連係機構にて構成する。
つまり、ポッドホルダHが抽出部2に装着されていないときは、抽出部基体50の下向き凹部の開口部が開閉蓋により閉じられたままであるので、蓋体3を閉鎖位置Psに位置させることができず、蓋体閉鎖状態になるのが阻止される。
この場合は、圧力弁21及び蓋ロック機構Lを省略しても良い。
又、蓋体閉鎖状態を、上記の実施形態と同様に、蓋体3が閉鎖位置Psに位置し且つ蓋ロック機構Lがロック状態に切り換えられた状態とする場合でも、閉鎖状態阻止機構Nの構成は、上記の実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態と同様に、閉鎖状態阻止機構Nを移動操作体と移動体とを備えて構成する場合、移動体は、上記の実施形態のような昇降体90に限定されるものではなく、例えば、蓋体3の揺動軸心A1と平行な揺動軸心周りに揺動自在な揺動体にて構成しても良い。
この場合、移動操作体として、上記の実施形態と同様の上向き突起部46をポッドホルダHに設ける。又、蓋体3が揺動軸心A1にて揺動されるのに伴って、上向き突起部46が揺動体に当接又は離間して、当該揺動体の先端部を保持解除位置と保持位置との間で移動操作するように構成する。この場合は、保持位置は、スライド部材80が係合解除位置から係合位置に移動する係合位置向き移動経路上に設定し、保持解除位置は、係合位置向き移動経路から抽出部基体50側に退避した位置に設定する。
(B)上記の実施形態では、上向き突起部46を板状に構成したが、棒状に構成しても良い。この場合、昇降体カバー69には、上記の実施形態の如きスリット69sに代えて、棒状の上向き突起部46を挿通できる孔を備える。
(C)蓋ロック機構Lの具体的な構成は、上記の実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、押し戻し操作自在な押し戻し操作具により、スライド部材80を往復移動操作してロック状態と解除状態とに切り換える構成を採用することができる。
(D)上記の実施形態では、係合部Caを構成する凹部(具体的には、突条部56の後向き凹部57)を抽出部基体50(即ち、抽出形成体)に設け、被係合部Cbを構成する凸部(具体的には、横向き突起部82)をスライド部材80に設けたが、逆に、係合部Caを構成する凹部をスライド部材80に設け、被係合部Cbを構成する凸部を抽出部基体50に設けても良い。
(E)圧力弁21として、上記の実施形態では、設定吐出圧力がプレーンコーヒーの抽出に好適な圧力に設定されたものを用いたが、例えば、設定吐出圧力がエスプレッソコーヒーを抽出するのに好適な圧力に設定されたものを用いても良い。又、設定吐出圧力を変更設定可能な圧力弁21を用いても良いし、設定吐出圧力が異なる複数の圧力弁21を付け替え可能に構成しても良い。
又、圧力弁21を省略しても良い。
(F)上記の実施形態では、操作部25に水充填スイッチと抽出スイッチとを別々に設けたが、水充填スイッチを省略しても良い。この場合、例えば、飲料抽出機の出荷後、初めて電源スイッチが押されるのに次いで、抽出スイッチが初めて押されたときに水充填運転を実行し、以降、抽出スイッチが押されると抽出運転を実行するように構成する。つまり、水充填運転を1回実行すると、以降の抽出運転時には、湯沸し部13の加熱容器14には水が満たされているので、水充填運転は、飲料抽出機を初めて使用するときに1回だけ実行するように構成することもできる。
(G)上記の実施形態では、コーヒー粉Qをフィルターペーパに詰めたカフェポッドMをポッドホルダHに載置する構成としたが、コーヒー粉QをそのままポッドホルダHに載置する構成としても良い。あるいは、カフェポッドMをポッドホルダHに載置する使用形態と、コーヒー粉QをそのままポッドホルダHに載置する使用形態の両方が可能な構成としても良い。
(H)上記の実施形態では、コーヒーを抽出するコーヒーメーカに本発明を適用する場合について説明したが、本発明を適用可能な飲料抽出機の具体例は、コーヒーメーカに限定されるものではなく、紅茶を抽出するもの等、種々の飲料抽出機が挙げられる。
尚、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、又、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
以上説明したように、材料受け部が抽出部に装着されない状態で作動されるのを防止し得る飲料抽出機を提供することができる。
2 抽出部
3 蓋体
4 開口部
5 送液路
6 加熱送液部
46 上向き突起部(移動操作体)
50 抽出部基体(抽出部形成体)
56 突条部(係合部形成部材)
57 後向き凹部(凹部)
57s 上面部(内周面)
69 昇降体カバー(移動体カバー)
69s スリット
72 スライド部材付勢バネ(スライド部材付勢手段)
80 スライド部材
82 横向き突起部(凸部)
82s 上面部(外周面)
90 昇降体(移動体)
A1 揺動軸心
Ca 係合部
Cb 被係合部
F 開口部対向仮想面
H ポッドホルダ(材料受け部)
J 蓋ロック状態保持機構
L 蓋ロック機構
N 閉鎖状態阻止機構
Pf 全開位置
Pm 切り換わり位置
Pn ロック可能上限位置
Ps 閉鎖位置
U 送液禁止手段
Q コーヒー粉(被抽出材料)

Claims (9)

  1. 被抽出材料を装入する開口部を開閉自在な蓋体を備えた抽出部と、液体を加熱し且つ加圧して送液路を通して前記抽出部に供給する加熱送液部とが設けられた飲料抽出機であって、
    被抽出材料を載置する材料受け部が、前記開口部を介して前記抽出部内に着脱自在に装着されるように構成され、
    前記抽出部に前記材料受け部が装着されていないときは、前記蓋体が前記開口部を閉鎖した状態に維持された蓋体閉鎖状態になるのを阻止する閉鎖状態阻止機構が設けられている飲料抽出機。
  2. 前記閉鎖状態阻止機構が前記蓋体が前記蓋体閉鎖状態になるのを許容したときは、前記加熱送液部の作動を許容し、且つ、前記閉鎖状態阻止機構が前記蓋体が前記蓋体閉鎖状態になるのを阻止したときは、前記加熱送液部の作動を禁止する送液禁止手段が設けられている請求項1に記載の飲料抽出機。
  3. 前記蓋体が、前記抽出部における前記開口部の外方に位置する揺動軸心にて、前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記閉鎖位置から最も離間した全開位置との間で揺動自在に設けられ、
    前記閉鎖状態阻止機構が、前記材料受け部に設けられた移動操作体と、前記蓋体に設けられ当該蓋体が前記揺動軸心にて揺動されるのに伴って前記抽出部内に装着された前記材料受け部の前記移動操作体により移動操作される移動体とを備えて構成されて、前記移動体が前記抽出部内に装着された前記材料受け部の前記移動操作体により移動操作されるのに伴って前記蓋体閉鎖状態になるのを許容するように構成されている請求項1又は2に記載の飲料抽出機。
  4. 前記蓋体に、当該蓋体が前記閉鎖位置に位置するときに前記開口部に対向する開口部対向仮想面に沿い且つ前記揺動軸心に直交する方向に往復移動自在なスライド部材が設けられ、
    前記蓋体を前記閉鎖位置で保持するロック状態と当該ロック状態を解除する解除状態とに切り換えることができる蓋ロック機構が設けられて、前記蓋体が前記閉鎖位置に位置して前記蓋ロック機構が前記ロック状態に切り換えられることで、前記蓋体が前記蓋体閉鎖状態になるように構成され、
    前記蓋ロック機構が、前記スライド部材側と前記抽出部を形成する抽出部形成体側とに振り分けて設けられた係合部と被係合部とを備えて構成されて、前記スライド部材の往復移動により、前記係合部と前記被係合部とが係合する係合状態と当該係合が解除される非係合状態とに切り換えられることにより、前記ロック状態と前記解除状態とに切り換えられるように構成され、
    前記移動体が、前記開口部対向仮想面に直交する方向に往復移動自在な形態で設けられ、
    前記移動操作体が、前記蓋体が前記揺動軸心にて揺動されるのに伴って前記移動体を前記抽出部形成体とは反対側の保持解除位置と前記抽出部形成体側の保持位置との間で移動操作するように構成され、
    前記蓋体が前記閉鎖位置に位置するときは、前記移動操作体が前記移動体を前記保持解除位置に位置させるべく移動操作し、前記蓋体が前記閉鎖位置よりも前記全開位置側に位置するときは、前記移動操作体が前記移動体を前記保持位置に位置させるべく移動操作するように構成され、
    前記保持位置が、前記係合部と前記被係合部とが前記非係合状態となる係合解除位置から前記係合状態となる係合位置への前記スライド部材の移動を阻止するように当該スライド部材を受け止めることができる位置に設定され、前記保持解除位置が、前記係合解除位置から前記係合位置への前記スライド部材の移動を許容する位置に設定され、
    前記閉鎖状態阻止機構が、前記スライド部材を備えて構成されている請求項3に記載の飲料抽出機。
  5. 前記移動操作体が、前記蓋体が前記閉鎖位置から当該閉鎖位置と前記全開位置との間の切り換わり位置に至るまでの位置に位置するときは、前記移動体を前記保持解除位置に位置させるべく移動操作し、前記蓋体が前記切り換わり位置を越えて前記全開位置に至るまでの位置に位置するときは、前記移動体を前記保持位置に位置させるべく移動操作するように構成され、
    前記閉鎖位置と前記全開位置とにわたる前記蓋体の揺動範囲内の所定の一部の移動規制範囲においては、前記係合解除位置から前記係合位置へのスライド部材の移動が、前記被係合部と前記係合部を形成する係合部形成部材とが当接して阻止されるように構成され、
    前記切り換わり位置が、前記移動規制範囲内に設定されている請求項4に記載の飲料抽出機。
  6. 前記切り換わり位置と前記閉鎖位置との間における前記移動規制範囲外に、ロック可能上限位置が設定され、
    前記蓋ロック機構が、前記蓋体が前記ロック可能上限位置から前記閉鎖位置に至るまでの位置に位置するときに、前記解除状態から前記ロック状態に切り換えできるように構成されている請求項5に記載の飲料抽出機。
  7. 前記スライド部材を前記係合解除位置側に付勢するスライド部材付勢手段と、
    前記スライド部材付勢手段の付勢力に抗して、前記スライド部材を前記係合位置に保持して、前記蓋ロック機構を前記ロック状態に保持する蓋ロック状態保持機構が設けられている請求項4〜6のいずれか1項に記載の飲料抽出機。
  8. 前記蓋体において前記移動体と前記移動操作体とが対向する部分に、移動体カバーが、前記移動体を覆う状態で設けられ、
    前記移動体カバーに、前記移動操作体側から前記移動体の一部を臨ませるスリット又は孔が備えられ、
    前記移動操作体が、前記移動体カバーの前記スリット又は孔に挿通できるように構成されている請求項4〜7のいずれか1項に記載の飲料抽出機。
  9. 前記係合部が、前記スライド部材の移動方向に沿って窪む形態で、前記抽出部形成体及び前記スライド部材の一方に設けられた凹部にて構成され、
    前記被係合部が、前記スライド部材が前記係合解除位置から前記係合位置へ移動するのに伴って前記凹部に入り込むように、前記抽出部形成体及び前記スライド部材の他方に設けられた凸部にて構成され、
    前記凹部の内周面及び前記凸部の外周面において、当該凸部が当該凹部に入り込んだ状態で当該凸部及び当該凹部のうち前記スライド部材に設けられた方が前記全開位置側に移動するときに互いに近付く部分の夫々が、前記揺動軸心側ほど前記全開位置側に位置する傾斜面に構成されている請求項4〜8のいずれか1項に記載の飲料抽出機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6376225U (ja) * 1986-11-07 1988-05-20
JP2010519992A (ja) * 2007-03-06 2010-06-10 ネステク ソシエテ アノニム カートリッジから液体飲料を生成するためのシステムおよび方法

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