JP2014040875A - 弁構造体 - Google Patents

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Hiroyasu Ozaki
浩靖 尾崎
Koichi Takaku
晃一 高久
Koichi Kato
航一 加藤
Morito Asano
護人 朝野
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Abstract

【課題】信頼性の高い弁構造体を提供する。
【解決手段】外形が円柱状である可動栓体50と、水素が充填される充填室と連通する連通孔Hを有し、径方向外向きに凹む収容溝14が内周面に形成される円筒状の固定部材10と、可動栓体50が固定部材10に挿入される閉弁状態において、可動栓体50の外周面と固定部材10の収容溝とによって形成される収容領域Fに収容され、水素をシールするOリング20と、収容領域FにおいてOリング20の軸方向外側に収容され、Oリング20の移動を規制するバックアップリング30と、を備える。可動栓体50の外周面には、一端が収容領域Fよりも軸方向内側に設けられ、他端が連通孔Hに臨む圧抜き溝51a,51bが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、Oリングを備える弁構造体に関する。
近年、燃料電池車の開発が急速に進められ、その航続距離を延ばす一手法として、燃料電池に水素を供給する水素タンクの高圧化が図られている。水素タンクの口金部にはバルブボディが螺合され、高圧水素を充填するための充填室が形成される。バルブボディ内には遮断弁(主止弁)が設けられ、ECU(Electric Control Unit)からの指令に従って開閉することで、充填室から燃料ガス供給流路に水素(燃料ガス)を供給/遮断する機能を有している。
また、水素タンクのバルブボディには、リリーフ弁(安全弁)が設けられている。リリーフ弁は、通常時は閉弁しているが、火災発生時など水素タンクの温度が上昇した場合に開弁し、高圧水素を外部に逃がす機能を有している。これによって、高温時に水素タンクの内圧(充填室の圧力)が上昇することを防止している。
ちなみに、閉弁時(つまり、通常時)においてもリリーフ弁には、充填室の高圧水素による圧力が作用している。したがって、リリーフ弁の可動栓体(挿入部材)と固定部材(被挿入部材)との間に環状の収容領域を設け、この収容領域にOリングを収容することで、高圧水素が外部に漏洩することを防止している。
特許文献1には、シリンダ部に摺動自在に収納されたピストンと、ピストンを開放する向きに付勢するスプリングと、ピストンと本体との間に設けられる可溶合金と、を備えた安全弁について記載されている。
前記したピストンには、シリンダ部の閉塞端部とピストンとの間の空間と、ガス流路とを連通する通路が形成されている。また、ピストンに形成された第1摺動部、第2摺動部、及び第3摺動部には、それぞれOリングが設けられている。
特開2001−317645号公報
特許文献1の記載の安全弁では、第1摺動部に設けられたOリングが高圧ガスによって軸方向外向きに加圧され、第3摺動部に設けられたOリングが高圧ガスによって軸方向内向きに加圧される。そうすると、前記した各Oリングが、ピストンとシリンダ部との隙間が食い込んで損傷してしまう。これを防止するため、仮に、第1摺動部に設けられたOリングの軸方向内側にバックアップリングを設けると、ゴム製のOリングを透過した高圧ガスがバックアップリングによってシールされ、当該バックアップリングとOリングとの間に滞留し続ける。
そうすると、ピストンが軸方向外向きに移動する際、前記バックアップリングとOリングとの間に滞留している高圧ガスの圧力によって、Oリングがピストンとシリンダ部との間に噛み込んでしまう可能性がある。つまり、特許文献1に記載の技術では、軸方向におけるピストンの移動が規制されるため、高圧ガスの外部への放出が適切になされない可能性がある。
そこで、本発明は、信頼性の高い弁構造体を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る弁構造体は、外形が円柱状である挿入部材と、流体が充填される充填室と連通するか又は流体が供給される流体供給流路と連通する連通孔を有し、径方向外向きに凹む収容溝が前記連通孔の内周面に形成される円筒状の被挿入部材と、前記挿入部材が、前記被挿入部材の前記連通孔に挿入される閉弁状態において、前記挿入部材の外周面と前記被挿入部材の前記収容溝とによって形成される収容領域に収容され、流体をシールするOリングと、前記収容領域において前記Oリングの軸方向外側又は両側に収容され、前記Oリングの移動を規制するバックアップリングと、を備え、前記挿入部材の外周面には、一端が前記収容領域よりも軸方向内側に設けられ、他端が前記連通孔に臨む圧抜き路が形成されることを特徴とする。
かかる構成によれば、弁構造体が閉弁状態から開弁状態に移行する際(つまり、挿入部材が被挿入部材から離脱する際)、圧抜き路の一端がOリングよりも軸方向外側に移動し、軸方向外側のバックアップリングとOリングとの間の空間に臨む。ここで、「軸方向外側」とは、挿入部材が被挿入部材に取り付けられる際、被挿入部材から遠い側を意味している。
その結果、前記した空間(高圧流体が滞留している空間)が、圧抜き路及び連通孔を介して充填室(又は流体供給流路)と連通する。したがって、前記した空間に滞留している高圧流体が、圧抜き路及び連通孔を介して充填室などに放出される。
そうすると、前記した空間の圧力が、充填室などの圧力と略等しくなるため、挿入部材と被挿入部材との間にOリングが噛み込むことを防止できる。したがって、挿入部材が軸方向外向き(被挿入部材から離脱する向き)にスムーズに移動する、信頼性の高い弁構造体を提供できる。
また、前記弁構造体において、前記圧抜き路は、軸方向に沿って前記挿入部材の外周面に形成される圧抜き溝であることが好ましい。
かかる構成によれば、圧抜き溝の一端が、バックアップリングとOリングとの間の空間に臨むと、当該空間が圧抜き溝及び連通孔を介して充填室(又は流体供給流路)と連通し、高圧流体が放出される。したがって、弁構造体が閉弁状態から開弁状態に移行する際、挿入部材をスムーズに移動させることができる。
また、前記弁構造体において、前記挿入部材のうち、軸方向内側の部分が円筒状であり、前記圧抜き路は、前記挿入部材のうち前記円筒状の部分を貫通する圧抜き孔であることが好ましい。
かかる構成によれば、圧抜き孔の一端が、バックアップリングとOリングとの間の空間に臨むと、当該空間が圧抜き孔及び連通孔を介して充填室(又は流体供給流路)と連通し、高圧流体が放出される。したがって、弁構造体が閉弁状態から開弁状態に移行する際、挿入部材をスムーズに移動させることができる。
また、本発明に係る弁構造体は、外形が円柱状であり、径方向内向きに凹む収容溝が外周面に形成される挿入部材と、流体が充填される充填室と連通するか又は流体が供給される流体供給流路と連通する連通孔を有する円筒状の被挿入部材と、前記挿入部材が前記被挿入部材の前記連通孔に挿入される閉弁状態において、前記挿入部材の前記収容溝と前記被挿入部材の内周面とによって形成される収容領域に収容され、流体をシールするOリングと、前記収容領域において前記Oリングの軸方向外側又は両側に収容され、前記Oリングの移動を規制するバックアップリングと、を備え、前記被挿入部材の外周面には、一端が前記収容領域よりも軸方向外側に設けられ、他端が外部空間に臨む圧抜き路が、軸方向に沿って形成されることを特徴とする。
かかる構成によれば、弁構造体が閉弁状態から開弁状態に移行する際(つまり、挿入部材が被挿入部材から離脱する際)、圧抜き路の一端がOリングの軸方向外側に収容されるバックアップリングを越えて収容領域に臨む。そうすると、バックアップリングとOリングとの間の空間(高圧流体が滞留している空間)が、圧抜き路を介して外部空間と連通する。したがって、圧抜き路を介して高圧流体が外部空間に放出される。
その結果、収容領域の圧力が外部空間の圧力と略等しくなるため、挿入部材と被挿入部材との間にOリングが噛み込むことを防止できる。したがって、挿入部材を軸方向外向き(被挿入部材から離脱する向き)にスムーズに移動させることができる。
また、前記弁構造体において、前記挿入部材が前記被挿入部材に挿入される前記閉弁状態において、前記圧抜き路の前記一端が、前記収容領域に隣接することが好ましい。
かかる構成によれば、挿入部材が軸方向外向きに移動する際、短い移動距離で、圧抜き路の一端が、Oリングとバックアップリングとの間の空間に臨む。したがって、弁構造体が閉弁状態から開弁状態に移行する際、前記した空間に密封されている高圧流体を、短時間で外部空間に放出できる。
また、燃料ガス流路に前記流体である燃料ガスが供給され、酸化剤ガス流路に酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池を備える燃料電池システムにおいて、前記流体供給流路は、前記燃料ガス流路の流入口に接続される燃料ガス供給流路であり、前記弁構造体は、前記連通孔が、前記充填室と連通するか又は前記燃料ガス供給流路と連通するように設置されることが好ましい。
かかる構成によれば、挿入部材が軸方向外向きに移動する際、バックアップリングとOリングとの間の空間が、圧抜き路を介して充填室(若しくは燃料ガス供給流路、又は外部空間)と連通する。したがって、挿入部材を軸方向外向きにスムーズに移動させることができる。
本発明によれば、信頼性の高い弁構造体を提供できる。
本発明の第1実施形態に係るリリーフ弁を、中心軸を含む平面で切断した場合の端面図であり、(a)はリリーフ弁が閉弁した状態を示し、(b)はリリーフ弁が開弁した状態を示している。 図1(a)に示す領域Kの部分拡大図であり、(a)はリリーフ弁が閉弁した状態を示す端面図であり、(b)は圧抜き溝を介して圧抜きしている状態を示す端面図であり、(c)はリリーフ弁が開弁した状態を示す端面図である。 本発明の第2実施形態に係るリリーフ弁を、中心軸を含む平面で切断した場合の端面図(図1(a)に示す領域Kに相当)であり、(a)はリリーフ弁が閉弁した状態を示し、(b)は圧抜き孔を介して圧抜きしている状態を示している。 本発明の第3実施形態に係るリリーフ弁を、中心軸を含む平面で切断した場合の端面図(図1(a)に示す領域Kに相当)であり、(a)はリリーフ弁が閉弁した状態を示し、(b)は圧抜き溝を介して第1密封領域の圧抜きをしている状態を示し、(c)は圧抜き溝を介して第2密封領域の圧抜きをしている状態を示している。 本発明の第4実施形態に係るリリーフ弁を、中心軸を含む平面で切断した場合の端面図(図1(a)に示す領域Kに相当)であり、(a)はリリーフ弁が閉弁した状態を示し、(b)は圧抜き溝を介して圧抜きしている状態を示し、(c)はリリーフ弁が開弁した状態を示している。
本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、Oリング20及びバックアップリング30を、実際に使用するものよりも大きめに記載している。
≪第1実施形態≫
図1(a)は、リリーフ弁を、中心軸を含む平面で切断した場合の端面図であり、リリーフ弁が閉弁している状態を示している。
リリーフ弁100(弁構造体)は、燃料電池車又は定置型の燃料電池システムに設けられ、燃料電池の水素供給源となる水素タンク(図示せず)の安全弁として用いられる。水素タンクは、内部に充填室を有する殻状の充填室体(図示せず)と、充填室体の一端部から延びる円筒状の口金部(図示せず)と、口金部に螺合されるバルブボディB(図1(a)参照)と、を有している。ちなみに、前記した充填室には、高圧の水素(燃料ガス、流体)が充填されている。
図1(a)に示すバルブボディB内には、遮断弁(図示せず)が設けられている。遮断弁は、水素タンクの充填室と連通する放出流路(図示せず)と、当該放出流路を開閉する弁体(図示せず)と、当該弁体を軸方向に往復運動させるプランジャ(図示せず)及びソレノイド(図示せず)と、を有している。そして、ECU(Electric Control Unit)からの指令によって遮断弁を開閉することで、水素タンクから燃料ガス供給流路(図示せず)に水素を供給/遮断するようになっている。
バルブボディB(図1(a)参照)には、前記した放出流路(図示せず)と連通し、内周面に雌ネジ部Baが形成された孔(図1(a)の固定部材10が螺合される孔)が設けられている。一方、リリーフ弁100が備える固定部材10の一端側(紙面下側)には、雌ネジ部Baに対応する雄ネジ部11aが形成されている。
そして、雌ネジ部Baと雄ネジ部11aとを螺合させることによって、リリーフ弁100がバルブボディBに取り付けられる。
<リリーフ弁(弁構造体)の構成>
以下では、可動栓体50が固定部材10に挿入される(又は引き抜かれる)際の中心軸を、単に「中心軸」又は「軸」と記す。すなわち、軸方向とは、図1の紙面上下方向に対応している。また、軸方向外側は外部空間側(図1の紙面上側)に対応し、軸方向内側は、連通孔Hと連通している充填室側(図1の紙面下側)に対応している。
リリーフ弁100は、常閉型の弁であって、開弁することで充填室の高圧水素を外部に放出し、充填室(図示せず)の圧力を低下させるものである。リリーフ弁100は、固定部材10と、Oリング20と、バックアップリング30と、コイルばね40と、可動栓体50と、可溶合金60と、キャップ70と、を備えている。
<固定部材(被挿入部材)>
固定部材10は、概ね段違いの外周面を有する円筒状の部材である。固定部材10は、基端部11と、着座部12と、本体部13と、を有している。
基端部11の外周面には、前記したように、バルブボディBと螺合させるための雄ネジ部11aが形成されている。基端部11には、軸方向に延びる連通孔Hが形成され、バルブボディB内の放出流路(図示せず)を介して充填室(図示せず)と連通している。
着座部12は、前記した基端部11と一体に形成され、その外径は、基端部11の外径よりも大きい。リリーフ弁100をバルブボディBに組み付ける際、基端部11と着座部12との段差によってリリーフ弁100の軸方向内向きの移動が規制され、リリーフ弁100がバルブボディBに着座する。なお、着座部12は、後記する収容溝14を除いて基端部11と略同一の内径を有し、前記した連通孔Hが軸方向に延びている。
また、基端部11及び着座部12の内周面において、軸方向における所定箇所(図1では、着座部12寄り)に、径方向外向きに凹む環状の収容溝14が形成されている。当該収容溝14は、側断面が矩形状であり、後記するOリング20及びバックアップリング30が収容されている。
本体部13は、概ね円筒状を呈しており、前記した基端部11及び着座部12と一体形成されている。本体部13の外径は、前記した着座部12の外径と略同一である。
一方、本体部13の内径は、基端部11及び着座部12の内径よりも大きい。すなわち、本体部13は、肉薄の円筒状を呈し、後記するコイルばね40、可動栓体50、及び可溶合金60が収容される空間を有している。
本体部13の軸方向内側には、複数の流出孔13a,13a,…が設けられている(図1(a)の端面図では、2個の流出孔13a,13aを図示している)。流出孔13a,13a,…は、可動栓体50が上方に移動して開弁した際に、連通孔Hを介して流入する高圧水素を外部に逃がすための孔である。
また、本体部13の軸方向外側には、複数の流出孔13b,13b,…が設けられている(図1(a)の端面図では、2個の流出孔13b,13bを図示している)。流出孔13b,13b,…は、高温時において溶融した可溶合金60を、コイルばね40の付勢力によって外部に流出させる(押し出す)ためのものである。
<Oリング>
Oリング20は、外部から押圧されていない状態において側断面(中心軸を含む平面で切断した場合の断面)が円形であり、例えばゴム状の弾性材料からなる。Oリング20は、可動栓体50が固定部材10に対して同軸的に挿入された閉弁状態において、可動栓体50の外周面と、固定部材10の収容溝14(内周面)とによって形成される収容領域F(図2(a)参照)に収容される。
この状態においてOリング20は、可動栓体50の外周面と収容溝14とによって、径方向に圧縮され、変形する。当該変形によってOリング20のシール機能が発揮され、水素が外部に漏洩しないようにしている。
<バックアップリング>
バックアップリング30は、前記した収容領域F(図2(a)参照)においてOリング20の軸方向の移動を規制する環状部材であり、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、硬質ゴム、軽金属などの硬質材料で形成されている。バックアップリング30は、Oリング20の軸方向外側に、当該Oリング20と隣り合うように設けられている。このようにバックアップリング30を設けることで、可動栓体50と固定部材10との極小隙間にOリング20が食い込むことを防止し、Oリング20の周面が損傷しないようにしている。
なお、図1(a)では、バックアップリング30の側断面が矩形状である場合を示している。
<コイルばね>
コイルばね40は、固定部材10の本体部13内に収容され、可動栓体50に対して軸方向外向きに付勢力をかけている。ちなみに、可溶合金60が溶融した場合、コイルばね40による付勢力によって可動栓体50が軸方向外向きに移動し、溶融した可溶合金60は流出孔13b,13b,…を介して外部に押し出される。
<可動栓体(挿入部材)>
可動栓体50は、段違いの円柱状を呈しており、軸方向下側に位置する挿入部51と、軸方向上側に位置する嵌合部53と、軸方向において挿入部51と嵌合部53との間に位置する支持部52と、を有している。
挿入部51は円柱状を呈しており、その径は、固定部材10の基端部11及び着座部12の内径に対応している。挿入部51の外周面には、軸方向に沿って延びる2条の圧抜き溝51a,51b(圧抜き路)が形成されている。なお、圧抜き溝51a,51bの詳細については、後記する。
支持部52は、挿入部51と一体形成され、本体部13の内径に対応する径を有する円柱状を呈している。支持部52は、その下面がコイルばね40と接触して軸方向外向きの付勢力を受けるとともに、その上面で可溶合金60を支持している。ちなみに、支持部52の周面には、径方向内向きに凹む環状の収容溝54が形成され、この収容溝54にOリング55が収容されている。Oリング55は、収容溝54と、本体部13の内周面とによって径方向に圧縮されている。
嵌合部53は、支持部52よりも小径の円柱状を呈しており、後記するキャップ70に設けられた円柱状の被嵌合部71に対応する径を有している。なお、可溶合金60が溶融していない状態(つまり、閉弁時)において、嵌合部53の先端はわずかにキャップ70の被嵌合部71に嵌まっている。これによって、可溶合金60が溶融した際、上方に向けて可動栓体50をスムーズに移動させることができる。
<その他の部材>
可溶合金60は、側断面が矩形の環状を呈している。可溶合金60の内径は嵌合部53の径に対応し、可溶合金60の外径は本体部13の内径に対応している。つまり、可溶合金60は、嵌合部53と本体部13との間にできる環状の空間に嵌まるようになっている。リリーフ弁100の閉弁時において可溶合金60は、コイルばね40から軸方向外向きの力を受けるとともに、キャップ70から軸方向内向きの抗力を受けている。なお、可溶合金60は、充填室(図示せず)の水素を外部に放出すべき所定温度に達すると、溶融する。
キャップ70は、軸方向に被嵌合部71(円柱状の凹み)が形成され、前記した本体部13にコイルばね40と、可動栓体50と、可溶合金60と、順次嵌め込んだ(落とし込んだ)後、軸方向外側から本体部13に装着される。その際、キャップ70と本体部13とは、例えば螺合又は圧入によって固定される。
なお、被嵌合部71の軸方向長さは、リリーフ弁100の開弁時において、可動栓体50が着座部12から離脱し得るように設定されている。したがって、可動栓体50が上方に移動して開弁すると、充填室(図示せず)からの高圧水素が、図1(a)に示す空間Pに向けて流入するようになっている。
図1(b)は、リリーフ弁が開弁した状態を示す端面図である。例えば、火災などが発生してリリーフ弁100の周囲が高温になると、可溶合金60が溶融する。そうすると、コイルばね40の付勢力によって可動栓体50が軸方向外向きに移動し、溶融した可溶合金60が流出孔13b,13b,…を介して外部に流出する(実線矢印を参照)。
その際、嵌合部53はキャップ70に形成された被嵌合部71内で、軸方向外向きに移動する。その結果、可動栓体50(挿入部材)が固定部材10(被挿入部材)から離脱し、高圧水素が流入する環状の隙間ができる。充填室(図示せず)に充填されていた高圧水素は、大気圧との圧力差によって連通孔Hを介して空間Pに流入し、さらに、流出孔13a,13a,…を介して外部に放出される(白抜き矢印を参照)。
このように、高温時において充填室の高圧水素を外部に逃がすことで、水素タンク(図示せず)の破損を防止している。
<圧抜き溝を介した圧抜き>
図2(a)は、図1(a)の領域K内の部分拡大図であり、リリーフ弁が閉弁した状態を示す端面図である。
前記したように、充填室(図示せず)の高圧水素によって収容領域Fに収容されたOリング20が加圧されると、高圧水素がゴム製のOリング20を透過していく。そうすると、バックアップリング30は高圧水素によって加圧され、収容溝14の壁面、及び可動栓体50の外周面に密着して高圧水素をシールする。Oリング20を透過した水素は、Oリング20とバックアップリング30との間の密封領域Fa(網掛け部分)に滞留するため、この密封領域Faに高圧水素が封じ込められた状態になる。
図2(a)に示す圧抜き溝51a,51b(圧抜き路)は、可動栓体50が固定部材10から離脱する際、密封領域Faに封じ込められた高圧水素を圧抜きするために設けられている。
図2(a)に示すように、可動栓体50の外周面には、一端(軸方向外側の端部)が収容領域Fよりも軸方向内側に位置し、他端(軸方向内側の端部)が連通孔Hに臨む2条の圧抜き溝51a,51bが、軸方向に沿って形成されている。
閉弁状態において、圧抜き溝51a,51bの軸方向長さA1は、収容領域Fの軸方向内側の端部と、可動栓体50の先端との距離B1よりも短くなっている。ちなみに、前記した「収容領域F」とは、リリーフ弁100が閉弁している状態において、可動栓体50の周面と、固定部材10の収容溝14とによって形成される環状領域である。
2条の圧抜き溝51a,51bは、可動栓体50の周面から径方向内向きに穿たれた溝であり、中心軸を基準として互いに線対称の位置に設けられている。
前記したように、圧抜き溝51a,51bの一端を、収容領域Fよりも軸方向内側に設けることによって、閉弁状態においてOリング20が圧抜き溝51a,51bに食い込まないようにしている。
また、圧抜き溝51a,51bの他端を連通孔Hに臨ませることによって、圧抜きする際(図2(b)参照)、密封空間Faに封じ込まれた高圧水素を連通孔Hに逃がすことができる。
図2(b)は、圧抜き溝を介して圧抜きしている状態を示す端面図である。つまり、図2(b)は、可溶合金60が溶融し、可動栓体50が軸方向外向きに所定距離だけ移動した状態を示している。
当該状態において、圧抜き溝51a,51bの一端は、Oリング20とバックアップリング30との間の密封空間Faに臨んでいる。図2(b)に示すように、圧抜き溝51a,51bが圧抜き可能な所定位置に達した状態において、圧抜き溝51a,51bの密封空間Faに臨む端部(軸方向外側の端部)と、収容領域Fの軸方向内側の端部との距離をC1とする。
図2(b)に示すように、圧抜き溝の軸方向長さA1は、前記した距離C1よりも長くなるように設定されている。これは、可動栓体50の先端が、収容領域Fよりも軸方向外側に達する前に圧抜きするためである。これによって、可動栓体50と固定部材10との間にOリング20が噛み込むことを防止できる。
ちなみに、連通孔Hは高圧水素によって所定圧力となっているが、密封空間Faに封じ込められている水素は、前記した所定圧力よりもさらに高圧となっている場合が多い。その場合、図2(b)に示す状態において、密封領域Faの高圧水素は、圧抜き溝51a,51b及び第1連通孔Hを介して充填室(図示せず)に流入し、圧抜きされる。
図2(c)は、リリーフ弁が開弁した状態を示す端面図である。図2(b)のように密封領域Faに封じ込められた高圧水素が圧抜きされると、密封領域Faの圧力と、連通孔Hの圧力とが略等しくなる。したがって、可動栓体50と固定部材10との間にOリング20が噛み込むことなく、可動栓体50が軸方向外向きにスムーズに移動する。
そして、図2(c)に示すように、可動栓体50が固定部材10から離脱すると、連通孔Hを介して水素が本体部13内の空間Pに流入し(図1(b)参照)、流出孔13a,13a,…を介して外部に流出する。
<効果>
本実施形態に係る弁構造体100によれば、以下のような効果を奏する。すなわち、可動栓体50が軸方向外向きに移動する過程において、密封領域Faに封じ込められていた高圧水素が、圧抜き溝51a,51bを介して連通孔H(及び充填室)に放出される。
その結果、密封領域Faの圧力が、連通孔H(及び充填室)の圧力と略等しくなるため、可動栓体50と固定部材10との間にOリング20が噛み込むことを確実に防止できる。
したがって、可動栓体50を軸方向外向きにスムーズに移動させ、充填室(図示せず)の高圧水素を外部に逃がし、リリーフ弁100の信頼性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、2条の圧抜き溝51a,51bが軸方向に沿って可動栓体50の周面に形成されている。したがって、弁構造体100の製造段階で圧抜き溝51a,51bに対応する部分を軸方向に沿って削り取りさえすればよく、圧抜き溝51a,51bを簡単に形成することができる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、第1実施形態と比較して、可動栓体50Aの形状が異なる。また、第2実施形態は、第1実施形態で説明した圧抜き溝51a,51bに代えて、圧抜き孔51c,51dを設けた点が異なるが、その他の点は第1実施形態と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
<リリーフ弁(弁構造体)の構成>
図3(a)は、リリーフ弁が閉弁した状態を示す端面図であり、図1(a)の領域Kに相当する(以下、図3(b)、図4、図5も同様)。図3(a)に示すように、本実施形態では可動栓体50Aは、軸方向内側の部分が円筒状に形成されている。なお、図3(a)、図3(b)では、可動栓体50Aのうち中実部分の図示を省略している。
本実施形態では、例えば、外形が段違いの円柱状を呈する可動栓体50のうち挿入部51Aが円筒状を呈し、支持部52及び嵌合部53(図1参照)が中実の円柱状を呈している。
そして、軸方向における挿入部51Aの所定箇所に、径方向に貫通する2つの圧抜き孔51c,51d(圧抜き路)が形成されている。
図3(a)に示すように、圧抜き孔51c,51dは、挿入部51Aの先端よりも距離A2だけ軸方向外側に設けられている。そして、リリーフ弁100が閉弁している状態において、収容領域Fの軸方向内側の端部と、挿入部51Aの先端との距離B2は、前記した距離A2よりも長くなっている。これによって、閉弁状態において、圧抜き孔51c,51dを介してOリング20に部分的な負圧がかからないようにし、Oリング20の損傷を防止している。
図3(b)は、圧抜き孔を介して圧抜きしている状態を示す端面図である。可動栓体50Aが軸方向外向きに移動してリリーフ弁100が開弁する過程において、図3(b)に示す状態が生じる。すなわち、圧抜き孔51c,51dを介して圧抜き可能な位置まで可動栓体50Aが引き上げられた状態において、収容領域Fの軸方向内側の端部と、圧抜き孔51c,51dとの距離(軸方向)をC2とする。
図3(b)に示すように、挿入部51Aの先端から圧抜き孔51c、51dまでの距離A2は、前記した距離C2よりも長くなっている。これによって、挿入部51Aの先端が、収容領域Fに達するよりも前に圧抜きすることができ、可動栓体50Aと固定部材10との隙間にOリング20が噛み込むことを防止できる。
密封領域Faの高圧水素は、圧抜き孔51c,51d及び連通孔Hを介して充填室(図示せず)に流入し、圧抜きされる。なお、圧抜き後は、前記した図2(c)と同様であるから説明を省略する。
<効果>
本実施形態では、可動栓体50Aのうち軸方向内側の部分が円筒状であり、この円筒状部分を径方向に貫く圧抜き孔51c,51dが2つ形成されている。したがって、密封領域Faに封じ込められた高圧水素を、圧抜き孔51c,51dを介して放出することができる。その結果、開弁時において可動栓体50Aが軸方向外向きにスムーズに移動するため、リリーフ弁100の信頼性を向上することができる。
≪第3実施形態≫
第3実施形態は、第1実施形態と比較して、2つのバックアップリング31,32が設けられている点と、圧抜き溝51e,51fの軸方向長さとが異なるが、その他の部分は第1実施形態と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、重複した説明を省略する。
図4(a)は、リリーフ弁が閉弁した状態を示す端面図である。図4(a)に示すように、Oリング20、第1バックアップリング31、及び第2バックアップリング32が、収容領域Fに収容されている。第1バックアップリング31はOリング20の軸方向内側に収容され、第2バックアップリング32はOリング20の軸方向外側に収容されている。
なお、第1バックアップリング31、第2バックアップリング32については、第1実施形態で説明したものと同様であるから説明を省略する。
第1バックアップリング31とOリング20との間の領域(第1密封領域F1と記す)と、Oリング20と第2バックアップリング32との間の領域(第2密封領域F2と記す)には、それぞれ高圧水素が滞留している。
第1実施形態と同様に、可動栓体50の外周面には、一端が収容領域Fよりも軸方向内側に位置し、他端が連通孔Hに臨む2条の圧抜き溝51e,51fが、軸方向に沿って形成されている。図4(a)に示すように、閉弁状態において、収容領域Fの軸方向内側の端部と、可動栓体50の先端との距離をB3とする。圧抜き溝51e,51fは、その軸方向長さA3が、前記した距離B3よりも短くなるように形成されている。
これによって、閉弁状態においてバックアップリング31が圧抜き溝51e,51fに食い込まないようにしている。
図4(b)は、圧抜き溝を介して第1密封領域の圧抜きをしている状態を示す端面図である。可動栓体50が軸方向外向きに移動する過程において、圧抜き溝51e,51fの一端が、第1密封領域F1に臨む。ここで、圧抜き溝51e,51fの軸方向長さA3は、第1バックアップリング31の軸方向長さ(厚さ)C3よりも長い。したがって、図4(b)に示すように、圧抜き溝51e,51fが、軸方向において第1バックアップリング31を跨ぐ状態になる。この状態において、第1密封領域F1に封じ込められていた高圧水素は、圧抜き溝51e,51fを介して連通孔H(及び充填室)に放出され、圧抜きされる。
図4(c)は、圧抜き溝を介して第2密封領域の圧抜きをしている状態を示す端面図である。なお、図4(c)に示す状態において、第1密封領域F1の水素圧が、連通孔H(及び充填室)の水素圧と略等しくなっている。したがって、Oリング20が軸方向内向きに移動して第1バックアップリング31に密着している。
図4(b)に示す状態から、可動栓体50がさらに軸方向外向きに移動して図4(c)の状態になると、圧抜き溝51e,51fの一端が第2密封領域F2に臨む。このように、圧抜き溝51e,51fが第2密封領域F2を圧抜き可能な位置に達した状態において、収容領域Fの軸方向内側の端部と、可動栓体50の先端との距離をD3とする。
図4(c)に示すように、圧抜き溝51e,51fの軸方向長さA3は、前記した距離D3よりも長くなっている。したがって、図4(c)に示す状態において、第2密封領域F2の高圧水素は、圧抜き溝51e,51fを介して連通孔H(及び充填室)に流入し、圧抜きされる。
なお、圧抜き後は、前記した図2(c)と同様であるから説明を省略する。
<効果>
本実施形態によれば、軸方向においてOリング20と隣り合う第1バックアップリング31及び第2バックアップリング32を設けることで、可動栓体50の周面と、固定部材10の内周面との極小隙間にOリング20が食い込むことを防止できる。すなわち、Oリング20の損傷を防止し、リリーフ弁100の信頼性を向上することができる。
また、軸方向に沿って延びる2条の圧抜き溝51e,51fが、可動栓体50の周面に形成されている。これによって、リリーフ弁100を開弁する過程において、第1密封領域F1に密封された高圧水素と、第2密封領域F2に密封された高圧水素とが、順次圧抜きされる。したがって、リリーフベン100の開弁時において、可動栓体50を軸方向外向きにスムーズに移動させることができる。
≪第4実施形態≫
第4実施形態は、第1実施形態と比較して、可動栓体50Bに収容溝56が形成されている点と、固定部材10Bに圧抜き溝10g,10hが形成されている点とが異なるが、その他の点は第1実施形態と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、第1実施形態と重複する部分については説明を省略する。
図5(a)は、リリーフ弁が閉弁した状態を示す端面図である。図5(a)に示すように、可動栓体50Bの周面には、径方向内向きに凹む環状の収容溝56が形成されている。そして、当該収容溝56と、固定部材10Bの内周面とによって、環状の収容領域Fが形成されている。収容領域Fには、Oリング20が収容され、さらに、Oリング20よりも軸方向外側にバックアップリング30が収容されている。
なお、第1実施形態と同様に、Oリング20とバックアップリング30との間の密封領域Fbには、高圧水素が滞留している。当該高圧水素によって高圧が作用し、Oリング20が軸方向内向きに圧縮され、変形している。
図5(a)に示すように、固定部材10Bの外周面には、一端が収容領域Fよりも軸方向外側に位置し、他端が外部空間に連通する2条の圧抜き溝10g,10h(圧抜き路)が、軸方向に沿って形成されている。
ちなみに、前記した「外部空間」は、固定部材10Bの本体部13内の空間P(図1(a)参照)も含むものとする(空間Pは、流出孔13a,13a,…を介して外部と連通している)。
このように、圧抜き溝10g,10hの一端を、収容領域Fよりも軸方向外側に設けることで、閉弁状態においてバックアップリング30に部分的な負圧(大気圧)がかからないようにし、バックアップリング30の損傷を防止している。
また、圧抜き溝10g,10hの他端が外部空間に臨んでいることで、圧抜きする際、密封空間Fbに封じ込まれた高圧水素を外部空間に逃がすことができる。なお、圧抜き溝10g,10hの軸方向長さは、バックアップリング30の軸方向長さ(厚さ)よりも長い。
図5(b)は、圧抜き溝を介して圧抜きしている状態を示す端面図である。可動栓体50Bが軸方向外向きに移動する過程において、図5(b)に示すように、軸方向で圧抜き溝10g,10hがバックアップリング30を跨ぐ状態が生じる。
そうすると、Oリング20とバックアップリング30との間の密封領域Fbに封じ込められた高圧水素は、圧抜き溝10g,10hを介して外部空間に放出され、圧抜きされる。その結果、密封領域Fbの水素圧は、大気圧と略等しくなる。
図5(c)は、リリーフ弁が開弁した状態を示す端面図である。前記したように、密封領域Fbの水素圧が大気圧と略等しくなると、Oリング20を軸方向内向きに圧縮する力が非常に小さくなる。したがって、Oリング20が固定部材10Bの内周面を径方向外向きに押す力、及び、Oリング20が収容溝56の周面を径方向内向きに押す力も小さくなる。したがって、可動栓体50Bを軸方向上向きにスムーズに移動させることができる。
可動栓体50Bが固定部材10Bの着座部12(図1(b)参照)から離脱すると、高圧水素が連通孔Hを介して本体部13内の空間Pに流入し、流出孔13a,13a,…を介して外部に放出される。
<効果>
本実施形態では、可動栓体50Bの外周面に、径方向内向きに凹む環状の収容溝56が形成され、固定部材10Bの内周面に2条の圧抜き溝10g,10hが形成されている。したがって、可動栓体50Bが軸方向外向きに移動すると、収容溝56の底面(環状の平面)に押されてOリング20も移動する。したがって、可動栓体50Bと固定部材10Bとの間にOリング20が噛み込むことを確実に防止できる。
また、可動栓体50Bが軸方向上向きに移動する過程において、Oリング20とバックアップリング30との間の密封空間Fbに封じ込まれている高圧水素が外部に放出される。そうすると、密封空間F2が大気圧と略等しくなるため、径方向におけるOリング20の変形が緩和される。その結果、Oリング20が固定部材10B及び可動栓体50Bを圧迫する力が小さくなり、可動栓体50Bを軸方向外向きにスムーズに移動させることができる。
≪変形例≫
以上、本発明に係るリリーフ弁100について各実施形態により説明したが、本発明の実施態様はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記各実施形態では、圧抜き溝又は圧抜き孔を2条設ける場合について説明したが、これに限らない。すなわち、圧抜き溝などを1条、又は3条以上設けてもよい。
また、前記各実施形態では、側断面が矩形状のバックアップリング30(31,32)を用いる場合について説明したが、これに限らない。すなわち、側断面が、例えば台形状や三角形状のバックアップリングを用いてもよい。この場合、バックアップリング30の形状に対応するように収容溝14を形成する。
また、第1実施形態では、圧抜き溝51a,51bが収容領域Fから軸方向内側に離れている場合について説明したが、これに限らない。すなわち、可動栓体50が固定部材10に挿入される閉弁状態において、圧抜き溝51a,51bの一端が収容領域Fに隣接する(つまり、図2(a)に示す距離A1と距離B1とを等しくする)ようにしてもよい。
これによって、可動栓体50が軸方向外向きに移動する際、短い移動距離で、圧抜き溝51a,51bの一端が収容領域Fに臨む。したがって、リリーフ弁100が閉弁状態から開弁状態に移行する際、収容領域Fに密封されている高圧水素を、短時間で外部空間に放出できる。
同様に、第2実施形態において、圧抜き孔51c,51dが収容領域Fに隣接する(つまり、図3(a)に示す距離A2と距離B2とを等しくする)ようにしてもよい。第3、第4実施形態についても同様である。
また、前記各実施形態は、適宜組み合わせることができる。例えば、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせてもよい。この場合、可動栓体50B(図5参照)に環状の収容溝56を設け、固定部材10Bの内周面と、収容溝56とによって収容領域Fbを形成する。そして、この収容領域Fbに、Oリング20と、当該Oリング20を軸方向において挟むように2つのバックアップリングを設ける。
一方、固定部材10Bの内周面に、軸方向に延びる圧抜き溝10g、10h(図5参照)を形成する。これによって、Oリング20の損傷を確実に防止し、リリーフ弁100の信頼性を向上させることができる。
また、前記各実施形態では、リリーフ弁100が水素タンクのバルブボディBに設置される場合について説明したが、これに限らない。例えば、燃料ガス流路に水素(燃料ガス、流体)が供給され、酸化剤ガス流路に酸素を含む空気(酸化剤ガス)が供給されて発電する燃料電池において、前記燃料ガス流路の流入口に接続される燃料ガス供給流路(流体供給流路)にリリーフ弁100を設置してもよい。
例えば、真夏の高温環境下で燃料電池車を走行させると、コンプレッサ(図示せず)などの内部機器から発せられる熱や、外気の熱によって水素が膨張し、燃料電池に供給される水素の圧力が目標圧力を上回る可能性がある。また、燃料ガス供給流路に設置される減圧弁(図示せず)に不具合が発生しても同様の事態が生じ得る。したがって、環境温度が高くなった場合に開弁するリリーフ弁100を、燃料ガス供給流路の所定箇所(例えば、減圧弁の下流側)に設置することが好ましい。
これによって、目標値を上回る高圧の水素が燃料電池に供給されることを防止し、燃料電池の損傷及び劣化を防止できる。
なお、リリーフ弁100を設置する際には、その設置箇所において、固定部材10の連通孔Hを燃料ガス供給流路と連通させる。ここで、燃料ガス供給流路に設置するリリーフ弁100は、前記各実施形態又はその組み合わせから適宜選択することができる。
また、前記した燃料ガスは、水素(H)に限らない。例えば、メタン(CH)など、その用途に応じて適宜選択できる。
100 リリーフ弁(弁構造体)
10,10B 固定部材(被挿入部材)
10g,10h 圧抜き溝(圧抜き路)
13a,13a,… 流出孔
13b,13b,… 流出孔
14,56 収容溝
20 Oリング
30 バックアップリング
31 第1バックアップリング(バックアップリング)
32 第2バックアップリング(バックアップリング)
40 コイルばね
50,50B 可動栓体(挿入部材)
51a,51b,51e,51f 圧抜き溝(圧抜き路)
51c,51d 圧抜き孔(圧抜き路)
60 可溶合金
70 キャップ
H 連通孔
F 収容領域

Claims (6)

  1. 外形が円柱状である挿入部材と、
    流体が充填される充填室と連通するか又は流体が供給される流体供給流路と連通する連通孔を有し、径方向外向きに凹む収容溝が前記連通孔の内周面に形成される円筒状の被挿入部材と、
    前記挿入部材が、前記被挿入部材の前記連通孔に挿入される閉弁状態において、前記挿入部材の外周面と前記被挿入部材の前記収容溝とによって形成される収容領域に収容され、流体をシールするOリングと、
    前記収容領域において前記Oリングの軸方向外側又は両側に収容され、前記Oリングの移動を規制するバックアップリングと、を備え、
    前記挿入部材の外周面には、一端が前記収容領域よりも軸方向内側に設けられ、他端が前記連通孔に臨む圧抜き路が形成されること
    を特徴とする弁構造体。
  2. 前記圧抜き路は、軸方向に沿って前記挿入部材の外周面に形成される圧抜き溝であること
    を特徴とする請求項1に記載の弁構造体。
  3. 前記挿入部材のうち、軸方向内側の部分が円筒状であり、
    前記圧抜き路は、前記挿入部材のうち前記円筒状の部分を貫通する圧抜き孔であること
    を特徴とする請求項1に記載の弁構造体。
  4. 外形が円柱状であり、径方向内向きに凹む収容溝が外周面に形成される挿入部材と、
    流体が充填される充填室と連通するか又は流体が供給される流体供給流路と連通する連通孔を有する円筒状の被挿入部材と、
    前記挿入部材が前記被挿入部材の前記連通孔に挿入される閉弁状態において、前記挿入部材の前記収容溝と前記被挿入部材の内周面とによって形成される収容領域に収容され、流体をシールするOリングと、
    前記収容領域において前記Oリングの軸方向外側又は両側に収容され、前記Oリングの移動を規制するバックアップリングと、を備え、
    前記被挿入部材の外周面には、一端が前記収容領域よりも軸方向外側に設けられ、他端が外部空間に臨む圧抜き路が、軸方向に沿って形成されること
    を特徴とする弁構造体。
  5. 前記挿入部材が前記被挿入部材に挿入される前記閉弁状態において、前記圧抜き路の前記一端が、前記収容領域に隣接すること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の弁構造体。
  6. 燃料ガス流路に前記流体である燃料ガスが供給され、酸化剤ガス流路に酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池を備える燃料電池システムにおいて、
    前記流体供給流路は、前記燃料ガス流路の流入口に接続される燃料ガス供給流路であり、
    前記弁構造体は、前記連通孔が、前記充填室と連通するか又は前記燃料ガス供給流路と連通するように設置されること
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の弁構造体。
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