JP2014038800A - 導光板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の輝度均斉度を有する導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することができる導光板の製造方法を提供する。
【解決手段】導光板の製造方法は、互いに異なるマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、転写型69の形状を転写することにより、複数の導光板試作品を成形する試作品成形ステップS1と、記複数の導光板試作品それぞれの輝度均斉度を評価する評価ステップS2と、評価された輝度均斉度に基づいて所望の輝度均斉度の光を出射する導光板30とするためのマット化剤処方を決定する決定ステップS3と、決定されたマット化剤処方に基づいて導光板30を成形する導光板成形ステップS4と、を含んでいる。
【選択図】図4
【解決手段】導光板の製造方法は、互いに異なるマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、転写型69の形状を転写することにより、複数の導光板試作品を成形する試作品成形ステップS1と、記複数の導光板試作品それぞれの輝度均斉度を評価する評価ステップS2と、評価された輝度均斉度に基づいて所望の輝度均斉度の光を出射する導光板30とするためのマット化剤処方を決定する決定ステップS3と、決定されたマット化剤処方に基づいて導光板30を成形する導光板成形ステップS4と、を含んでいる。
【選択図】図4
Description
本発明は導光板の製造方法及び導光板に関する。
液晶表示装置等の透過型画像表示装置は、一般に、液晶表示パネルといった透過型画像表示部の背面側に配置され、透過型画像表示部にバックライトを供給する面光源装置を有する。このような面光源装置としてエッジライト型の面光源装置が知られている。
エッジライト型の面光源装置は、透光性を有する導光板と、導光板の側方に配置され、導光板の側面に光を供給するための光源とを備える。このような導光板は、所望の輝度均斉度の光が出射されるように凹凸形状をその表面に有していることがある。凹凸形状を有する光学シートを製造する方法として、連続樹脂シートの表面に転写型の形状を転写する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
このような導光板においては、所望の輝度均斉度が得られるようにするため、一般に、シミュレーションによって凹凸形状を設計し、設計された凹凸形状を有する試作品の作製及びその試作品における輝度均斉度の評価を行って、凹凸形状が最適化される。所望の輝度均斉度の光が出射される導光板とするためには、凹凸形状が精密に調整される必要がある。このため、凹凸形状の最適化のために、試作品の作製及び試作品における輝度均斉度の評価が試行錯誤的に繰り返される場合が多い。
しかし、このような従来の方法では、試作品を作製するたびに転写型を新たに作製する必要があるため、凹凸形状を最適化して所望の輝度均斉度の光を出射する導光板を製造するために多大な費用と時間を要しているのが実情である。
そこで、本発明の主な目的は、所望の輝度均斉度を有する導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することができる導光板の製造方法を提供することにある。
本発明に係る導光板の製造方法は、互いに異なるマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、転写型の形状を転写することにより、複数の導光板試作品を成形する試作品成形ステップと、複数の導光板試作品それぞれの輝度均斉度を評価する評価ステップと、評価された輝度均斉度に基づいて所望の輝度均斉度の光を出射する導光板とするためのマット化剤処方を決定する決定ステップと、決定されたマット化剤処方に基づいて導光板を成形する導光板成形ステップと、を含む。
ここでいうマット化剤とは、光を拡散させるための凹凸面を導光板(導光板基板)の表面に形成するための粒子成分をいう。また、マット化剤処方とは、導光板の表面粗さを調整することをいう。
この製造方法によれば、導光板のマット化剤処方を変えることにより輝度均斉度が互いに異なる複数の導光板試作品が成形されるため、このような導光板試作品を準備するために、凹凸形状の異なる試作用の転写型を新たに作製する必要がない。したがって、所望の輝度均斉度の光が出射される導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することができる。
本発明に係る導光板の製造方法では、マット化剤処方は、マット化剤の添加量を調整することにより行われてもよい。これにより、導光板の表面粗さを調整することができる。
本発明に係る導光板の製造方法では、マット化剤処方は、マット化剤が添加された層が転写型から離れる際の温度を調整することにより行われてもよい。これにより、導光板の表面粗さを調整することができる。
本発明に係る導光板の製造方法では、マット化剤は、当該マット化剤が添加される透光性材料と同じ屈折率の粒子成分、又は、当該透光性材料との屈折率の差が0.01以下の粒子成分であってもよい。この方法によれば、より色度むらのない光を出射する導光板を製造することが可能となる。
本発明に係る導光板の製造方法では、試作品成形ステップにおいて、互いに異なるマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、所定の転写率で転写型の形状を転写してもよい。
本発明に係る導光板の製造方法では、導光板成形ステップにおいて、決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、試作品成形ステップにおいて使用された転写型の形状を、試作品成形ステップにおいて転写したときと同じ転写率で転写することにより導光板を成形してもよい。
この製造方法によれば、導光板試作品を成形する際に使用された転写型をそのまま使用して、所望の輝度均斉度の光が出射される導光板が製造されるので、導光板製造用の転写型を新たに作製する必要もない。これにより、所望の輝度均斉度の光が出射される導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することが可能となる。
本発明に係る導光板の製造方法では、試作品成形ステップにおいて、転写型の形状を転写する際に異なる転写率で転写型の形状を転写することにより、互いに異なる凹凸形状が形成され、評価ステップにおいて、複数の導光板試作品それぞれのピーク角度を更に評価し、決定ステップにおいて、評価されたピーク角度に基づいて、所望の輝度均斉度及びピーク角度の光を出射する導光板とするための凹凸形状を更に決定し、導光板成形ステップにおいて、更に、決定されたマット化剤処方に基づいて導光板を成形してもよい。
この製造方法によれば、転写型からの形状の転写率を変えることにより凹凸形状を調整することができるので、輝度均斉度に加えて、出射光のピーク角度も調整することができるようになる。これにより、所望とする輝度均斉度及びピーク角度で光が出射される導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することができると共に、導光板の出射側に配置される光学部材の特性に合わせた最適な導光板を製造することができる。
本発明に係る導光板の製造方法では、導光板成形ステップにおいて、決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、試作品成形ステップにおいて使用された転写型の形状を、決定された凹凸形状に対応する転写率で転写することにより導光板を成形してもよい。
この製造方法によれば、導光板試作品を成形する際に使用された転写型をそのまま使用して、所望の輝度均斉度及びピーク角度の光が出射される導光板が製造されるので、導光板製造用の転写型を新たに作製する必要もない。これにより、所望の輝度均斉度及びピーク角度の光が出射される導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することが可能となる。
本発明に係る導光板の製造方法では、導光板成形ステップにおいて、決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、決定された凹凸形状に対応する反転形状を有する導光板製造用転写型を転写することにより導光板を成形してもよい。
この製造方法によれば、導光板製造用転写型を簡易に準備することができることから、所望の輝度均斉度及びピーク角度の光が出射される導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することが可能となる。
本発明に係る導光板の製造方法では、導光板製造用転写型は、樹脂シートに対して25%以上90%以下の転写率で転写するときに、決定された凹凸形状となるような形状を有していてもよい。
本発明に係る導光板の製造方法では、試作品成形ステップにおいて使用された転写型を用いてラインスピードを所定速度まで上げたときに安定性を有する転写率を見つけ出す確認ステップを更に含み、導光板成形ステップにおいて、決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、決定された凹凸形状が確認ステップにより見つけ出された転写率で得られるような形状を有する導光板製造用転写型を転写することにより導光板を成形してもよい。
導光板の生産性を上げるためには、押出成形のラインスピードを高くする必要あるが、その場合には、決定ステップにより決定された凹凸形状を適切な転写率で成形できる転写型を用いなければ、優れた輝度均斉度を有する導光板が得られないという事実が本発明者らの鋭意検討により分かった。そこで、試作品成形ステップにおいて使用された転写型を用いてラインスピードを所定速度まで上げたときに管理をしやすい安定した転写率(安定性を有する転写率)、言い換えれば、ロールからの樹脂剥がれや外観不良などが発生しにくく、生産性を高めることができる転写率を見つけ出し、輝度均斉度及びピーク角度の評価により決定された凹凸形状が当該転写率で得られるような導光板製造用転写型を作製し、その導光板製造用転写型を使用して導光板を製造する。これにより、所望の輝度均斉度及びピーク角度の光が出射される導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することが可能となる。
本発明に係る導光板の製造方法では、安定性を有する転写率を25%以上90%以下としてもよい。
本発明に係る導光板の製造方法では、試作品成形ステップにおける樹脂シートは、拡散剤処方が更になされており、決定ステップにおいて、評価された輝度均斉度に基づいて所望の輝度均斉度の光を出射する導光板とするためのマット化剤処方及び拡散剤処方を決定し、導光板成形ステップにおいて、決定されたマット化剤処方及び拡散剤処方に基づいて導光板を成形してもよい。
ここでいう拡散剤とは、基材樹脂に添加され、基材樹脂とは異なる屈折率を有する粒子成分であり、当該粒子に入射する光を拡散反射させる効果を有する粒子成分をいう。また、拡散剤処方とは、導光板の拡散強度を調整することをいい、例えば、拡散剤が添加された拡散層の厚みを調整したり、基材樹脂に対する拡散剤の添加量を調整したりすることにより行われる。なお、試作品成形ステップでの樹脂シートに対する拡散剤処方は、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
この製造方法によれば、色度むらが生じない程度、すなわち色度均斉度が劣化しない程度に拡散剤処方を行うことにより、より高い精度で輝度均斉度を調整することができる。
本発明に係る導光板では、光を出射する出射面及び出射面と反対側の背面を有する導光板基材部と、導光板基材部の背面側に設けられており、出射面側に光を反射する反射部と、を備える。導光板基材部における出射面側の最外層には、光を拡散させるための凹凸面を出射面に形成するためのマット化剤が含有されている。
この導光板によれば、転写型の形状を調整したり、表面を加工処理したりして、拡散強度が調整される導光板に比べ、容易に拡散強度を調整することができる。これにより、生産効率の高い導光板を提供することが可能となる。
本発明に係る導光板では、マット化剤は、導光板基材部を形成する透光性材料と同じ屈折率の粒子成分、又は、透光性材料との屈折率の差が0.01以下の粒子成分であってもよい。この導光板によれば、より色度むらのない光を出射することが可能となる。
本発明によれば、所望の輝度均斉度を有する導光板を、より効率的に且つ低コストで製造することができる導光板の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。また、説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
図1は、本発明に係る導光板の製造方法により製造される導光板の一実施形態を示す斜視図である。図1に示す導光板30は、平面視形状が矩形の一対の主面30a,30b及び上記主面に直交する4つの側面30c〜30fを有する導光板基材部33と、一方の主面30aに形成され、表面に凹凸形状を形成する凸条部(反射部)34とを有している。
凸条部34は透明であり、導光板30内を伝搬する光を乱反射させて、出射面30b側から出射させるためのものである。凸条部34の外形形状は、レンチキュラーレンズの形状となっている。凸条部34は、主面30aの一辺に沿う方向に延在している。凸条部34の延在方向に直交する断面形状は、延在方向におけるどの部分でもほぼ均一である。凸条部34により形成される凹凸形状は、転写型69(図3(a)参照)からの転写により形成される。
凸条部34の被覆率は、側面30cと直交する方向(図1ではX軸方向)に沿って、側面30cから離れるに従って高くなる。凸条部34の被覆率は、例えば、互いに隣接する凸条部34の端部同士の距離gと、凸条部34の幅wとによって以下の式で規定される。
凸条部の被覆率=w/(g+w)
凸条部の被覆率=w/(g+w)
導光板30は、光を透過させる透光性樹脂からなり板状に形成されている。また、導光板30は、図1及び図2に示すように、基層31及び出射面30b側の最外層を構成する拡散層32からなる2種2層の構成となっている。導光板30を形成する透光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、カーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂(MS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA樹脂)を用いることができる。
導光板30を形成する透光性樹脂には、本発明の趣旨及び色むらが発生しない程度に拡散剤が添加されてもよい。ここでいう拡散剤とは、導光板30を主に構成する上述したような透光性材料(又は透明材料)とは屈折率が異なる粒子成分(粉末)のことを言い、これを透光性材料中に分散させて用いられる。このような拡散剤としては、例えばスチレン樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子などの有機粒子、炭酸カリウム粒子、シリカ粒子、酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子などの無機粒子が用いられ、その粒子径は通常0.8μm以上50μm以下である。
拡散層32を形成する透光性樹脂には、マット化剤が添加されている。ここでいうマット化剤とは、拡散層32を形成する上述したような透光性材料(又は透明材料)と屈折率が同じか、又は透光性材料との屈折率の差が0.01以下の粒子成分(粉末)であり、拡散層32の表面から粒子成分を突出させることにより、出射面30bをマット化(粗面化)させるものをいう。
例えば、導光板30の拡散層32では、厚みを50μm〜300μmとし、PMMA樹脂により構成することができる。また、例えば、拡散層32には、マット化剤として粒径12μmのPMMA樹脂の粒子を、0.1〜15重量%濃度添加することができる。このようなマット化剤としては、例えば、スチレン樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子などの有機粒子が構成樹脂に応じて用いられ、その粒子径は通常1μm〜50μmとすることができる。
また、導光板30には、本発明の趣旨に逸脱しなければ、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、加工安定剤、難燃剤、滑剤などの添加剤を添加することもできる。これらの添加剤はそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
図2は、図1に示す導光板を含む透過型画像表示装置の一実施形態の概略構成を示す模式図であり、透過型画像表示装置の断面構成を分解して示している。透過型画像表示装置1は、携帯電話や各種電子機器の表示装置やテレビ装置として好適に利用することができる。
透過型画像表示部10としては、例えば液晶セル11の両面に直線偏光板12,13が配置されたカラー液晶表示パネルが挙げられる。この場合、透過型画像表示装置1は、カラー液晶表示装置(又はカラー液晶テレビ)である。液晶セル11及び偏光板12,13は、従来の液晶表示装置などの透過型画像表示装置で用いられているものを用いることができる。液晶セル11としてはTFT(Thin Film Transistor)型の液晶セル、STN(SuperTwisted Nematic)型の液晶セルなど、公知の液晶セルが例示される。
面光源装置20は、図2に示すように、導光板30と、導光板30における側面30c,30dにそれぞれ対向して配置された光源部21と、導光板30における主面30aに対向して配置された反射シート25とを備えたエッジライト型面光源装置である。
上記導光板30は、他方の主面30bが透過型画像表示部10側に位置すると共に、凸条部34の形成された一方の主面30aが透過型画像表示部10とは反対側に位置するように配置される。また、導光板30は、一方の主面(以後、「背面」とも称す)30aに形成された凸条部34が、光源部21からの光が入射される側面(以後、「入射面」とも称す)30c,30dの長手方向に平行な方向に延在するように配置される。これにより、導光板30における入射面30c,30dから入射した光が、凸条部34で乱反射され、他方の主面(以後、「出射面」とも称す)30bから出射されるようになる。
光源部21は、導光板30の側面30c,30dにそれぞれ対向して配置された複数のLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)とすることができる。LEDは、側面30c,30dの長手方向(Y軸方向)に沿って、離散的に配置される。光源部21は、導光板30の4辺と対向するように配置される構成であってもよいし、Y軸方向に対向する2辺に配置される構成であってもよいし、1辺のみに配置される構成でもよい。なお、光源部21としては、上記のような点状光源に限定されず、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)のような線状光源が配置される構成でもよい。
透過型画像表示装置1は、導光板30の出射面30b側において、導光板30と透過型画像表示部10との間に、各種光学フィルム40が配置されている構成でもよい。各種光学フィルム40としては、拡散フィルム、プリズムフィルム、輝度向上フィルム、レンチキュラーレンズフィルム、マイクロレンズフィルム、及び反射型偏光フィルムなどが挙げられる。
(第1の実施形態)
次に、本発明に係る導光板の製造方法の一実施形態について、図3〜図5を用いて説明する。まず、導光板30を製造するための装置について説明する。図3(a)は、導光板となる光学シートを製造する製造装置の一例を示す概略構成図である。図3(b)は、図3(a)に示す製造装置により製造される光学シートの一部の側面を拡大した断面図である。導光板30は、図3(a)に示すような光学シート製造装置60によって製造された光学シート80を所定の長さに切り出すことで製造される。
次に、本発明に係る導光板の製造方法の一実施形態について、図3〜図5を用いて説明する。まず、導光板30を製造するための装置について説明する。図3(a)は、導光板となる光学シートを製造する製造装置の一例を示す概略構成図である。図3(b)は、図3(a)に示す製造装置により製造される光学シートの一部の側面を拡大した断面図である。導光板30は、図3(a)に示すような光学シート製造装置60によって製造された光学シート80を所定の長さに切り出すことで製造される。
光学シート製造装置60は、図3(a)に示すように、基層81(図3(b)参照)となる熱可塑性樹脂を加熱溶融するための第1押出機61と、拡散層82(図3(b)参照)となる熱可塑性樹脂を加熱溶融するための第2押出機62と、第1及び第2押出機61,62から供給される溶融樹脂をシート状に押し出すためのダイ63と、ダイ63から押し出された2種2層のシート状の樹脂シート70を成形するための予圧ロール66、第1押圧ロール67及び第2押圧ロール68とを備えている。予圧ロール66、第1押圧ロール67及び第2押圧ロール68は、各ロールの軸が略平行に配置されている。予圧ロール66及び第1押圧ロール67の周面は鏡面であり、第2押圧ロール68の周面には、導光板30の凹凸形状(凸条部34)に対応する凹部(溝)69a(図5参照)を有する転写型69が設けられている。
ダイ63から排出された樹脂シート70は、予圧ロール66と第1押圧ロール67との間を通過する。樹脂シート70の厚みは、主として、予圧ロール66と第1押圧ロール67との間隔により制御される。予圧ロール66と第1押圧ロール67との間を通過した樹脂シート70は、第1押圧ロール67の周面上を、第1押圧ロール67と第2押圧ロール68との間で押圧される位置まで搬送される。
樹脂シート70は、第1押圧ロール67と第2押圧ロール68との間を通過する際に厚み方向の両側から押圧されて、転写型69の形状が樹脂シート70の表面70aに転写される。形状が転写された樹脂シート70は、冷却されつつ搬送され、光学シート80として引き取られる。光学シート80の一方の表面80aには、図3(b)に示すように、転写型69から転写された凸条部84により凹凸形状が形成されている。また、他方の表面80bは、平坦に形成されている。このようにして製造された光学シート80を所定の長さに切り出すことで、図1に示すような、一方の主面30aに凹凸形状が形成された導光板30が製造される。
次に、導光板30の製造方法の一実施形態について説明する。図4は、導光板の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。本実施形態における導光板30の製造方法は、図4に示すように、試作品成形ステップS1と、評価ステップS2と、決定ステップS3と、導光板成形ステップS4とを含んでいる。以下、上記ステップS1〜S4について順に説明する。
試作品成形ステップS1では、互いに異なるマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、所定の転写率で転写型の形状を転写することにより複数の導光板試作品を成形する。これにより、互いにマット化剤処方が異なった、同一の凹凸形状を有する導光板試作品が複数成形される。なお、ここでいうマット化剤とは、上述したとおりである。
具体的には、熱可塑性樹脂と、それぞれ異なる所定の濃度となるようにマット化剤が添加された複数の熱可塑性樹脂とが準備され、上述した光学シート製造装置60の第1押出機61及び第2押出機62にそれぞれ投入される。次に、第1押出機61及び第2押出機62にそれぞれ投入された樹脂がそれぞれ溶融混練され、ダイ63に供給される。次に、上記第1押出機61から供給される溶融樹脂が基層81(図3(b)参照)となり、上記第2押出機62から供給される溶融樹脂が拡散層82(図3(b)参照)となるように、ダイ63により共押出成形される。
共押出成形された2種2層の樹脂シート70は、予圧ロール66、第1押圧ロール67及び周面に転写型69が設けられた第2押圧ロール68で挟圧と冷却とが行われることによって、図3(b)に示す基層81及び拡散層82によって構成される2種2層の光学シート80、すなわち導光板30が得られる。本実施形態では、光学シート80全体の厚さt80及び拡散層82の厚さt82が固定され、拡散層82に添加されるマット化剤の添加量、すなわち重量濃度を変えながら光学シート80を製造することにより、互いに異なるマット化剤処方がなされた複数の導光板試作品が製造される。成形時における転写型69からの形状の転写率は、通常30%〜100%の間で一定の値に固定される。
上記転写率は、転写型69の形状を転写する際の、転写により形成される凸条部84の高さh3に対する転写型の凹部69aの高さh1の比であり、(h3/h1)×100により算出される値とすることができる(図5(a)〜(c)参照)。
なお、試作品成形ステップS1において用いられる転写型69は、例えば、所定の条件(例えば、転写率)で転写すれば、所定の輝度均斉度の光を出射する凹凸形状が形成されるような既存の転写型を用いてもよいし、また、後段にて説明する実施例などにより決定される、所定の条件で転写すれば所望の輝度均斉度の光を出射するような凹凸形状に対応するような転写型を用いてもよい。
評価ステップS2では、試作品成形ステップS1において成形された複数の導光板試作品それぞれの輝度均斉度を評価する。具体的には、製造された複数の導光板試作品について、配列方向における出射強度の変化が把握できるデータ(以後、「出射強度分布」とも称す)などをシミュレーションや実測により取得して輝度均斉度を評価する。輝度均斉度は、例えば、取得した配列方向における出射強度の変化において、出射強度の最小値を最大値で除した値とすることができる。
決定ステップS3では、評価ステップS2において評価された輝度均斉度に基づいて、所望の輝度均斉度の光を出射する導光板30を製造するためのマット化剤処方を決定する。具体的には、評価ステップS2において評価された各導光板試作品の輝度均斉度と目標とする輝度均斉度とを比較して、所望の輝度均斉度が良好に得られるためのマット化剤処方、すなわち、拡散層82を形成する熱可塑性樹脂に対するマット化剤の添加量(重量濃度)が決定される。
導光板成形ステップS4では、決定ステップS3で決定されたマット剤処方に基づいて導光板を成形する。例えば、決定ステップS3で決定されたマット剤処方がなされた樹脂シートに対して、導光板試作品を成形する際に使用された転写型の形状を用いて、導光板試作品を成形する際と同じ転写率で転写することにより、導光板となる光学シートを成形することができる。以下に、この点を具体的に説明する。
まず、上記試作品成形ステップS1で準備したものと同じ熱可塑性樹脂と、決定ステップS3で決定された重量濃度となるようにマット化剤が添加された熱可塑性樹脂とが準備され、上述した光学シート製造装置60の第1押出機61及び第2押出機62にそれぞれ投入される。次に、第1押出機61及び第2押出機62にそれぞれ投入された樹脂が溶融混練され、ダイ63に供給される。
次に、上記第1押出機61から供給される溶融樹脂が基層81(図3(b)参照)となり、上記第2押出機62から供給される溶融樹脂が拡散層82(図3(b)参照)となるように、ダイ63により共押出成形が行われる。このとき、光学シート80全体の厚さt80及び拡散層82の厚さt82が、試作品成形ステップS1における成形時と同じ厚みとなるように共押出成形が行われる。そして、共押出成形された樹脂は、予圧ロール66、第1押圧ロール67、及び第2押圧ロール68で挟圧と冷却とが行われることによって、図3(b)に示す基層81及び拡散層82によって構成される2種2層の、導光板30となる光学シート80を得ることができる。これにより、所望の輝度均斉度の光を出射する導光板30を得ることができる。
上記導光板30の製造方法の作用効果について説明する。上述した製造方法によれば、拡散層82を形成する熱可塑性樹脂に対するマット化剤の添加量を調整(マット化剤処方)することにより輝度均斉度が互いに異なる複数の導光板試作品が準備される。このため、異なる輝度均斉度の導光板試作品を複数準備するために、凹凸形状の異なる試作用の転写型69を新たに作製する必要がない。また、上記製造方法によれば、導光板試作品を成形する際に使用される転写型69をそのまま使用して、所望の輝度均斉度の光が出射される導光板30が製造されるので、導光板製造用として新たな転写型69を作製する必要もない。以上により、所望の輝度均斉度の光が出射される導光板30を、より効率的に且つ低コストで製造することができる。
導光板30のマット化剤処方を変えたときに、導光板30から出射される光の輝度均斉度が変化することを確認した。具体的には、出射面30bから出射される光の輝度均斉度が所定値以上となるように凸条部34が配置された導光板30において、1つの側面から光を入光させると共に、拡散層32を形成する樹脂に対するマット化剤の添加量(重量濃度)を様々に変化させたときの出射強度分布をシミュレーションにて算出した。これによれば、マット化剤の添加量を多くすれば、光源(入射面30c)に近い領域ほど出射強度が高くなり、光源から遠い領域ほど出射強度が低くなることが確認できた。これにより、導光板30のマット化剤処方を変えることによって、導光板30から出射される光の輝度均斉度を調整できることが確認できた。また、互いに対向する2つの側面のそれぞれから光を入光させたとき、マット化剤の添加量を多くすれば、光源(入射面30c)に近い領域ほど出射強度が高くなり、光源から遠い領域(導光板中央部)ほど出射強度が低くなることが確認できた。
(第2の実施形態)
次に、導光板30の製造方法の他の実施形態(以後、「実施形態2」とも称す)について説明する。ここでは、導光板30となる光学シート80を製造する製造装置の説明は省略し、上述した実施形態とは異なる製造方法についてのみ詳細な説明を行う。
次に、導光板30の製造方法の他の実施形態(以後、「実施形態2」とも称す)について説明する。ここでは、導光板30となる光学シート80を製造する製造装置の説明は省略し、上述した実施形態とは異なる製造方法についてのみ詳細な説明を行う。
まず、試作品成形ステップS1における両者の違いを説明する。上記実施形態(以後、「実施形態1」とも称す)は、互いに異なるマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、所定の転写率で転写型の形状を転写することにより、マット化剤処方が異なり、同一の凹凸形状を有する複数の導光板試作品が成形されるのに対し、実施形態2では、互いに異なるマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、異なる転写率で転写型の形状を転写することにより、マット化剤処方及び凹凸形状が互いに異なる複数の導光板試作品が成形される。
具体的には、熱可塑性樹脂と、それぞれ異なる所定の濃度となるようにマット化剤が添加された複数の熱可塑性樹脂とが準備され、上述した光学シート製造装置60の第1押出機61及び第2押出機62にそれぞれ投入される。次に、第1押出機61及び第2押出機62にそれぞれ投入された樹脂がそれぞれ溶融混練され、ダイ63に供給される。次に、上記第1押出機61から供給される溶融樹脂が基層81(図3(b)参照)となり、上記第2押出機62から供給される溶融樹脂が拡散層82(図3(b)参照)となるように、ダイ63により共押出成形が行われる。これまでの点は、実施形態1と同様である。
次に、共押出成形された樹脂は、予圧ロール66、第1押圧ロール67、及び周面に転写型69が設けられた第2押圧ロール68で挟圧と冷却とが行われる。樹脂シート70は、第1押圧ロール67と第2押圧ロール68との間を通過する際に厚み方向の両側から押圧されて、転写型69の形状が樹脂シート70の表面70aに転写される。転写型69の形状が転写された樹脂シート70は、第2押圧ロール68の周面上を冷却されつつ搬送されてから、光学シート80として引き取られる。このとき、転写型69からの形状の転写率を調整することにより、光学シート80に形成される凹凸形状の調整を行う。この点が、実施形態1と異なる。
以上により、図3(b)に示す基層81及び拡散層82によって構成される2種2層の光学シート80、すなわち導光板30が得られる。本実施形態では、光学シート80全体の厚さt80及び拡散層82の厚さt82が固定され、拡散層82に添加されるマット化剤の添加量、すなわち重量濃度を変えながら光学シート80を製造することにより、マット化剤処方及び凹凸形状が互いに異なる複数の導光板試作品が成形される。
次に、評価ステップS2における両者の違いを説明する。実施形態1では、試作品成形ステップS1において成形された複数の導光板試作品それぞれの輝度均斉度のみを評価するのに対し、実施形態2では、試作品成形ステップS1において成形された複数の導光板試作品それぞれの輝度均斉度及びピーク角度を評価する。具体的には、製造された複数の導光板試作品について、出射強度分布などをシミュレーションや実測により取得して輝度均斉度を評価する。これに加えて、製造された複数の導光板試作品について、例えば導光板中央部から出射される角度ごとの出射強度などをシミュレーションや実測により取得してピーク角度を評価する。
次に、決定ステップS3における両者の違いを説明する。実施形態1では、輝度均斉度に基づいて導光板30のマット化剤処方のみが決定されるのに対し、実施形態2では、輝度均斉度に基づいて導光板30のマット化剤処方及び凹凸形状が決定される。具体的には、評価ステップS2において評価された各導光板試作品の輝度均斉度及びピーク角度と、目標とする輝度均斉度及びピーク角度とを比較して、所望の輝度均斉度及びピーク角度が良好に得られるためのマット化剤処方、すなわち、拡散層82を形成する樹脂に対するマット化剤の添加量(重量濃度)と、転写型69からの形状の転写率とが決定される。
次に、導光板成形ステップS4における両者の違いを説明する。実施形態1では、決定されたマット化剤処方に基づいて導光板が成形されるのに対して、実施形態2では、決定されたマット化剤処方及び凹凸形状に基づいて導光板が成形される。例えば、決定ステップS3で決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対して、決定ステップS3において決定された凹凸形状に対応する転写率で導光板試作品を成形する際に使用された転写型の形状を転写することにより、導光板となる光学シートを成形することができる。以下に、この点を具体的に説明する。
まず、上記試作品成形ステップS1で準備したものと同じ熱可塑性樹脂と、決定ステップS3で決定された重量濃度となるようにマット化剤が添加された熱可塑性樹脂とが準備され、上述した光学シート製造装置60の第1押出機61及び第2押出機62にそれぞれ投入される。次に、第1押出機61及び第2押出機62にそれぞれ投入された樹脂が溶融混練され、ダイ63に供給される。
次に、上記第1押出機61から供給される溶融樹脂が基層81(図3(b)参照)となり、上記第2押出機62から供給される溶融樹脂が拡散層82(図3(b)参照)となるように、ダイ63により共押出成形が行われる。このとき、光学シート80全体の厚さt80及び拡散層82の厚さt82が、上記試作品成形ステップS1によって成形されたときと同じ厚みとなるように共押出成形が行われる。この点は、実施形態1と同様である。
実施形態2では、共押出成形された樹脂が、予圧ロール66、第1押圧ロール67、及び第2押圧ロール68によって挟圧と冷却とが行われる際、決定された上記凹凸形状に対応する転写率で転写される。そして、図3(b)に示す基層81及び拡散層82によって構成される2種2層の、導光板30となる光学シート80を得る。これにより、所望の輝度均斉度の光を出射すると共に、所望の凹凸形状を有する導光板30が得られる。
ここで、転写率について説明する。図5(a)〜(c)は、導光板30(導光板試作品も同様)としての光学シート80を成形するステップの一実施形態を示す模式図である。図5(a)に示すように、転写型69の周面には、光学シート80の凹凸形状を形成する凸条部84の形状と対応する深さh1の凹部69aが形成されている。図5の(b)に示すように、樹脂シート70が押圧されて凹部69a内に樹脂が充填される。樹脂が転写型69に密着している状態で凹部69a内に形成される凸条部84の高さh2は、最大深さh1よりも小さく、樹脂と転写型69との間に空隙が残される。樹脂が凹部69a内に完全に充填されて、h1=h2となることもある。樹脂温度がある程度低下した後、樹脂シート70が転写型69から脱型される。その後、樹脂が熱弾性変形により収縮するため、樹脂が固化した状態の樹脂シート70(光学シート80)の凸条部84の高さh3は、高さh2よりも小さくなる。充填率(h2/h1)が小さいときでも、最終的な凸条部84の裾部の形状は、転写型69の形状を正確に反映している場合が多い。
転写率(%)は、式:(h3/h1)×100により算出される値として定義することができる。この転写率を、例えば25〜100%の範囲で変化させることにより、一種類の転写型から、多様な凹凸形状を有する複数種の導光板(導光板試作品)を簡易に且つ短期間で作製することができる。
当業者には理解されるように、転写型からの形状の転写率は、光学シートの成形条件を適宜調節することにより制御することできる。例えば、転写型の凹部69aへの樹脂の充填率(h2/h1)に着目して条件を設定する方法がある。この方法では、例えば、ダイから排出される樹脂の温度を上げたき、ラインスピードを上げたとき、メルトバンクを小さくしたとき、又は、転写型を有する押圧ロールの温度を上げたときに、充填される際の樹脂の流動性が大きくなることから、転写率が大きくなる傾向がある。あるいは、脱型後の樹脂の熱弾性変形の程度(h3/h2)に着目してロール温度、ラインスピード等の条件を設定してもよい。
第2の実施形態に係る導光板30の製造方法の作用効果について説明する。上述した製造方法によれば、拡散層82を形成する熱可塑性樹脂に対するマット化剤の添加量(マット化剤処方)と、転写型69からの形状の転写率とを調整することにより、出射される光の輝度均斉度及びピーク角度が互いに異なる複数の導光板試作品が準備される。このため、互いに異なる輝度均斉度及びピーク角度の光を出射する導光板試作品を複数準備するために、凹凸形状の異なる試作用の転写型69を新たに作製する必要がない。また、第2の実施形態によれば、導光板試作品を成形する際に使用される転写型69をそのまま使用して、所望の輝度均斉度及びピーク角度の光が出射される導光板30が製造されるので、導光板製造用として新たな転写型69を作製する必要もない。以上により、所望の輝度均斉度及びピーク角度の光が出射される導光板30を、より効率的に且つ低コストで製造することができる。
更に、第2の実施形態に係る製造方法によれば、転写型69からの形状の転写率を変えることにより凹凸形状を変えることができるので、輝度均斉度に加えて、出射光のピーク角度も調整することができるようになる。これにより、所望とする輝度均斉度及びピーク角度で光が出射される導光板30を、より効率的に且つ低コストで製造することができると共に、導光板30の出射側に配置される光学部材の特性に合わせた最適な導光板30を製造することができる。
成形時における転写型69からの形状の転写率を変えたときに、導光板30から出射される光の輝度均斉度が変化することを確認した。具体的には、出射面30bから出射される光の輝度均斉度が所定値以上となるような凸条部34の配置に対応する凹部69aを有する転写型69を準備し、成形時における転写型69からの形状の転写率を様々に変えながら、すなわち、導光板30に形成する凸条部34の形状を様々に変えながら、複数の導光板を製造し、これらの導光板から出射される光の輝度均斉度の変化をシミュレーションにて確認した。これによれば、上記転写率を高くすれば、光源(入射面30c)に近い領域ほど出射強度が高くなり、光源から遠い領域ほど出射強度が低くなることが確認できた。なお、互いに対向する2つの側面のそれぞれから光を入光させた場合も同様の結果となることを確認した。また、互いに対向する2つの側面のそれぞれから光を入光させたとき、上記転写率を高くすれば、光源(入射面30c)に近い領域ほど出射強度が高くなり、光源から遠い領域(導光板中央部)ほど出射強度が低くなることが確認できた。
さらに、上記の場合には、導光板30から出射される光の放射強度が変化すると共に、ピーク角度にも変化が生じることも確認できた。輝度均斉度を調整するためには、マット化剤処方を調整する方法と、転写率を調整する方法とがあるが、転写率を調整することによって輝度均斉度を調整する場合には、導光板30から出射される光のピーク角度も同時に調整できることが確認できた。
次に、本実施形態の導光板30、すなわち、拡散層32にマット化剤が添加されることにより輝度均斉度が調整されている点について、以下に示す実施例1〜6に基づいて説明する。ただし、本発明の導光板は、これらの実施例に限定されるものではない。以下、説明の便宜のため、図1に示した構成要素に対応する構成要素には、導光板30MのようにMを付して記載する。
(実施例1)
実施例1では、図6に示すように、長辺方向(X軸方向)の長さW1が590mmであり、短辺方向(Y軸方向)の長さW2が240mmである導光板30Mを準備した。そして、この導光板30Mを水平面に設置し、この導光板30Mの短辺側の1つの側面に対向する位置に点状光源21Mを配置し、導光板30Mの背面30Ma側に白色反射板25Mを配置し、導光板30Mの出射面30Mb側に、出射面30Mb側から順番に、第1プリズムフィルム、第2プリズムフィルム及び拡散フィルムを重ねた状態において、拡散フィルムから出射される光の輝度を測定し、X軸方向における輝度均斉度を算出した。輝度の測定は、輝度計(アイ・システム株式会社製:EyeScale3)を用い、拡散フィルムの直上2mの地点から行った。
実施例1では、図6に示すように、長辺方向(X軸方向)の長さW1が590mmであり、短辺方向(Y軸方向)の長さW2が240mmである導光板30Mを準備した。そして、この導光板30Mを水平面に設置し、この導光板30Mの短辺側の1つの側面に対向する位置に点状光源21Mを配置し、導光板30Mの背面30Ma側に白色反射板25Mを配置し、導光板30Mの出射面30Mb側に、出射面30Mb側から順番に、第1プリズムフィルム、第2プリズムフィルム及び拡散フィルムを重ねた状態において、拡散フィルムから出射される光の輝度を測定し、X軸方向における輝度均斉度を算出した。輝度の測定は、輝度計(アイ・システム株式会社製:EyeScale3)を用い、拡散フィルムの直上2mの地点から行った。
点状光源21Mは、46インチサイズのバックライトユニットに搭載されているものであり、互いに隣り合う光源同士の距離Lは8mmである(図6では、便宜的に2つの点状光源21Mのみを示している)。また、点状光源21Mは、1つの光源の幅が6mm、高さが2mmである。図7は、点状光源21Mの指向特性(配光特性)の一例を示す図面である。図7の横軸は出射角度θ21(°)を示しており、縦軸は、最大の出射光強度で規格化した規格化出射光強度を示している。本実施形態において、θ21=0は、図6におけるX軸方向に対応する。点状光源21Mは、いわゆるランバーシアン(Lambertian)型の光源を仮定し、点状光源21Mの例としては、発光ダイオードが挙げられる。ランバーシアン型の光源は、出射光強度が最大である最大出射光強度の出射角度が0°付近(正面方向)にあり、正面方向からの傾き(出射角度)が大きくなるにしたがって略単調減少していくという特徴を有している。図7中のPDは、理論的な完全拡散の場合の指向特性を示しており、本実施例においてはこの特性が得られる点状光源21Mを採用した。
第1プリズムフィルムは、一方の面(出射面)に導光板30Mの入射面30Mcと平行な方向に延在するプリズム部が並列配置されていると共に、この延在方向と直交する方向にプリズム部が並列配置されているフィルムである。第1プリズムフィルムは、互いに隣接するプリズム部同士の間隔(ピッチ)が50μmであり、頂角が90°であった。また、第1プリズムフィルムは、PET(ポリエチレンテレフタート)から構成され、その屈折率は1.58であった。
第2プリズムフィルムは、一方の面(出射面)に導光板30Mの入射面30Mcと直交する方向に延在すると共に、この延在方向と直交する方向にプリズム部が並列配置されているフィルムである。第2プリズムフィルムは、第1プリズムフィルムと同様に、互いに隣接するプリズム部同士の間隔(ピッチ)が50μmであり、頂角が90°であった。また、第2プリズムフィルムは、PET(ポリエチレンテレフタート)から構成され、その屈折率は1.58であった。
拡散フィルムは、入射する光を拡散して出射することができる拡散性能を有するフィルムである。拡散フィルムの全光線透過率Ttは、93.6%であり、拡散透過率Tdは、90.2%であり、ヘイズHazeは、96.4%であった。
次に、輝度均斉度を算出する対象となる導光板30Mについて説明する。導光板30Mの構成材料は、基層31M、拡散層32M及び凸条部34Mとも、いずれもPMMA(屈折率:1.49)である。厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が5.30%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
XC−1A(住友化学株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:30μm
XC−1A(住友化学株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:30μm
次に、導光板30Mの出射面30Mb側に形成される凸条部34Mについて説明する。凸条部34Mの配置は、一辺入光タイプの面光源装置に用いられる導光板用の配置であり、図6に示すように、入射面30Mcから離れるにしたがって凸条部34Mの被覆率が大きくなるように配置されている。この導光板30Mの凸条部34Mは、延在方向に直交する断面の輪郭線が式(1)で示す円錐曲線v(u)で表される、図8に示される形状の凹部69Maが形成された転写型Bからの転写により成形される。
式(1)において、waは凹部69Maのu軸方向の長さであり、凹部69Maの幅に対応する(以下、幅waとも称す)。式(1)において、haは凹部69Maをv(u)で示される形状とした場合におけるv軸方向の長さであり、凹部69Maの高さに対応する(以下、高さhaとも称す)。式(1)において、kaは円錐曲線の尖り方を示すパラメータであり、転写型Bに形成される凹部69Maの先端部の尖り方を表している(以下、尖り度kaとも称す)。例えば尖り度kaが0のとき、凹部69Maの外形は放物線形状となり、尖り度kaが1のとき、凹部69Maの外形はプリズム形状となり、尖り度kaが−1のとき、凹部69Maの外形は楕円を半分に切った形状となる。
転写型Bは、円周方向に沿って所定の位置までは同じピッチで徐々に上記凹部69Maの形状が大きくなり、所定の位置からは形状が一定で凹部69Maのピッチが徐々に短くなるように形成されている。この凹部69Maの形状の大きさを深さhaで示すと、図9の破線で示したようになる。すなわち、円周方向に沿って所定の位置までは凹部69Maの深さhaが徐々に深くなり、所定の位置からは凹部69Maの深さhaが一定となるように形成されている。このとき、最小の凹部69Ma及び最大の凹部69Maの形状を上記幅wa、高さha及び尖り度kaで示すと以下のようになる。なお、ARとは、アスペクト比を示し、幅waに対する最大高さhaの比を示している。
最大 kamax=0.500、ARmax=0.130、wamax= 200μm
最小 kamin=0.870、ARmin=0.034、wamin=27.0μm
最大 kamax=0.500、ARmax=0.130、wamax= 200μm
最小 kamin=0.870、ARmin=0.034、wamin=27.0μm
このように凹部69Maが形成された転写型Bの円周方向における凹部69Maの被覆率分布を示すと図10の破線に示す結果となる。なお、ここでの被覆率分布の設定は、マット化剤の効果を確認するための設定であり、良好な輝度均斉度を得るために設定されたわけではない。そして、転写型Bからの形状が転写された導光板30M(例えば、転写率77%)では、凸条部34Mの被覆率が、図6に示すように、入射面30Mcから離れるにしたがって大きくなるように形成される。本実施例では、このような転写型からの転写によって製造された導光板30Mについて輝度を測定し、輝度均斉度が算出された。この輝度均斉度を図11の図表に示す。
また、この導光板30Mについて、輝度を測定した時と同様に、拡散フィルムの直上2mの地点から、色度むらについて、目視にて官能評価を行った。実施例1の場合の導光板30Mでは、色度むらは確認できなかった。また、上記輝度計を用い、拡散フィルムの直上2mの地点から色度(CIEx)の測定し、色度差(ΔCIEx)を算出した。この結果を図11の図表に示す。
(実施例2)
実施例1と同様に、実施例2として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例1と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
実施例1と同様に、実施例2として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例1と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
まず、導光板30Mの構成材料は、基層31M、拡散層32M及び凸条部34Mとも、いずれもPS(屈折率:1.59)であるという点である。また、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が3.00%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
SBX−30(積水化成品工業株式会社製)
粒子材料:PS(屈折率1.59)、平均粒径:30μm
SBX−30(積水化成品工業株式会社製)
粒子材料:PS(屈折率1.59)、平均粒径:30μm
次に、実施例2の導光板30Mの凸条部34Mは、延在方向に直交する断面の輪郭線が式(1)で示す円錐曲線v(u)で表される、図12に示される形状の凹部69Maが形成された転写型Aからの転写により成形される点である。転写型Aは、円周方向に沿って所定の位置までは同じピッチで徐々に上記凹部69Maの形状が大きくなり、所定の位置からは形状が一定で凹部69Maのピッチが徐々に短くなるように形成されている。この凹部69Maの形状の大きさを深さhaで示すと、図9の実線で示したようになる。このとき、最小の凹部69Ma及び最大の凹部69Maの形状を上記幅wa、高さha及び尖り度kaで示すと以下のようになる。
最大 kamax=0.55 、ARmax=0.06 、wamax= 200μm
最小 kamin=0.834、ARmin=0.022、wamin=35.8μm
最大 kamax=0.55 、ARmax=0.06 、wamax= 200μm
最小 kamin=0.834、ARmin=0.022、wamin=35.8μm
このように凹部69Maが形成された転写型Aの円周方向における凹部69Maの被覆率分布を示すと図10の実線に示す結果となる。なお、ここでの被覆率分布の設定は、マット化剤の効果を確認するための設定であり、良好な輝度均斉度を得るために設定されたわけではない。そして、転写型Aからの形状が転写された導光板30M(例えば、転写率77%)では、凸条部34Mの被覆率が、図6に示すように、入射面30Mcから離れるにしたがって大きくなるように形成される。実施例2では、このようにして製造された導光板30Mについて輝度を測定し、輝度均斉度が算出された。この輝度均斉度を図11の図表に示す。また、実施例1と同様に、目視にて官能評価を行った。実施例2の場合も、色度むらは確認できなかった。この場合のΔCIExを図11の図表に示す。
(実施例3)
実施例1及び2と同様に、実施例3として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例2と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、導光板30Mの構成材料が、基層31M、拡散層32M及び凸条部34Mとも、いずれもPMMA(屈折率:1.49)であるという点である。また、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が3.80%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
MBX−20(積水化成品工業株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:20μm
実施例1及び2と同様に、実施例3として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例2と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、導光板30Mの構成材料が、基層31M、拡散層32M及び凸条部34Mとも、いずれもPMMA(屈折率:1.49)であるという点である。また、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が3.80%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
MBX−20(積水化成品工業株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:20μm
実施例3では、このようにして製造された導光板30Mについて輝度を測定し、輝度均斉度が算出された。この輝度均斉度を図11の図表に示す。また、実施例2と同様に、目視にて官能評価を行った。実施例3の場合も、色度むらは確認できなかった。この場合のΔCIExを図11の図表に示す。
(実施例4)
実施例1〜3と同様に、実施例4として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例3と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が3.80%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
MBX−30(積水化成品工業株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:30μm
実施例1〜3と同様に、実施例4として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例3と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が3.80%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
MBX−30(積水化成品工業株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:30μm
実施例4では、このようにして製造された導光板30Mについて輝度を測定し、輝度均斉度が算出された。この輝度均斉度を図11の図表に示す。また、実施例2と同様に、目視にて官能評価を行った。実施例4の場合も、色度むらは確認できなかった。この場合のΔCIExを図11の図表に示す。
(実施例5)
実施例1〜4と同様に、実施例5として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例3と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が5.00%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
EXM−12(積水化成品工業株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:12μm
実施例1〜4と同様に、実施例5として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例3と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が5.00%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
EXM−12(積水化成品工業株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:12μm
実施例5では、このようにして製造された導光板30Mについて輝度を測定し、輝度均斉度が算出された。この輝度均斉度を図11の図表に示す。また、実施例2と同様に、目視にて官能評価を行った。実施例5の場合も、色度むらは確認できなかった。この場合のΔCIExを図11の図表に示す。
(実施例6)
実施例1〜5と同様に、実施例6として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例3と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が3.80%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
XC−1A(住友化学株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:30μm
実施例1〜5と同様に、実施例6として製造した導光板について、輝度均斉度の算出と、色度むらの評価を行った。ここでは、実施例3と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、厚みが100μmの拡散層32Mには、重量濃度が3.80%となるように以下に示すマット化剤が添加された。
XC−1A(住友化学株式会社製)
粒子材料:PMMA(屈折率1.49)、平均粒径:30μm
実施例5では、このようにして製造された導光板30Mについて輝度を測定し、輝度均斉度が算出された。この輝度均斉度を図11の図表に示す。また、実施例2と同様に、目視にて官能評価を行った。実施例5の場合も、色度むらは確認できなかった。この場合のΔCIExを図11の図表に示す。
(比較例1)
次に、実施例1〜6と同様に、比較例1として製造した導光板について、輝度均斉度の算出を行った。比較例1では、実施例3において使用した転写型Aを用いて導光板を製造した。ここでは、実施例3と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、実施例3では、厚みが100μmの拡散層32Mに、重量濃度が3.80%となるように上記マット化剤が添加されたのに対し、比較例1では、拡散層32Mに対応する層にマット化剤を一切添加せずに、基層31Mと同じ材料からなる表層32Mとして製造した点である。
次に、実施例1〜6と同様に、比較例1として製造した導光板について、輝度均斉度の算出を行った。比較例1では、実施例3において使用した転写型Aを用いて導光板を製造した。ここでは、実施例3と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、実施例3では、厚みが100μmの拡散層32Mに、重量濃度が3.80%となるように上記マット化剤が添加されたのに対し、比較例1では、拡散層32Mに対応する層にマット化剤を一切添加せずに、基層31Mと同じ材料からなる表層32Mとして製造した点である。
比較例1では、このようにして製造された導光板30Mについて輝度を測定し、輝度均斉度が算出された。この輝度均斉度を図11の図表に示す。また、実施例3と同様に、目視にて官能評価を行った。比較例1の場合も、色度むらは確認できなかった。参考のため、この場合のΔCIExを図11の図表に示す。
(比較例2)
次に、実施例1〜6と同様に、比較例2として製造した導光板について、輝度均斉度の算出を行った。比較例2では、実施例2において使用した転写型Aを用いて導光板を製造した。ここでは、実施例2と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、実施例2では、厚みが100μmの拡散層32Mに、重量濃度が3.00%となるように上記マット化剤が添加されたのに対し、比較例2では、拡散層32Mに対応する層にマット化剤を一切添加せずに、基層31Mと同じ材料からなる表層32Mとして製造した点である。
次に、実施例1〜6と同様に、比較例2として製造した導光板について、輝度均斉度の算出を行った。比較例2では、実施例2において使用した転写型Aを用いて導光板を製造した。ここでは、実施例2と共通する点についての説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、実施例2では、厚みが100μmの拡散層32Mに、重量濃度が3.00%となるように上記マット化剤が添加されたのに対し、比較例2では、拡散層32Mに対応する層にマット化剤を一切添加せずに、基層31Mと同じ材料からなる表層32Mとして製造した点である。
比較例2では、このようにして製造された導光板30Mについて輝度を測定し、輝度均斉度が算出された。この輝度均斉度を図11の図表に示す。また、実施例2と同様に、目視にて官能評価を行った。比較例2の場合も、色度むらは確認できなかった。参考のため、この場合のΔCIExを図11の図表に示す。
以上、実施例1〜実施例6、比較例1及び比較例2の結果によれば、比較例1及び比較例2によって製造される導光板と比べ、実施例1〜実施例6によって製造される導光板の輝度均斉度は優れており、また、65%以上と良好な結果が得られた。また、実施例1〜実施例6によって製造される導光板では、色度むらも目視では確認できなかった。
以上、本発明の一実施形態及び実施例について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記第2の実施形態の導光板成形ステップS4では、決定ステップS3において決定されたマット化剤処方された樹脂シートに対し、決定ステップS3において決定された凹凸形状に対応する転写率で転写することにより、導光板30を成形する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、導光板成形ステップS4では、決定ステップS3において決定された凹凸形状に対応する反転形状を有する導光板製造用転写型を準備し、決定ステップS3において決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、当該導光板製造用転写型を転写することにより導光板30を成形するようにしてもよい。このとき、導光板製造用転写型を、25%以上90%以下の転写率で転写されるときに決定ステップS3において決定された凹凸形状となるような形状を有していてもよい。また、導光板製造用転写型を、25%以上65%以下の転写率で転写されるときに決定ステップS3において決定された凹凸形状となるような形状とすれば、ラインスピードが相対的に高めに設定される場合であっても、安定的に所望の形状を取得できる。
また、例えば、図13に示すように、試作品成形ステップS1において使用された転写型69を用いてラインスピードを所定速度まで上げたときに安定性を有する転写率を見つけ出す確認ステップS31を、決定ステップS3と導光板成形ステップS4との間に更に含んでいてもよい。この場合、導光板成形ステップS4では、決定ステップS3により決定された凹凸形状が確認ステップS31により見つけ出された転写率で得られるような導光板製造用転写型を転写することにより導光板30を成形するようにしてもよい。また、このとき、前述の安定性を有する転写率として、25%以上90%以下、好ましくは、25%以上65%以下の転写率を設定してもよい。
上記実施形態では、マット化剤処方として、拡散層82を形成する樹脂に対して所定濃度となるようにマット化剤を添加する方法を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、マット化剤が添加された拡散層82が、周面に転写型69が設けられた第2押圧ロール68から離れる際の温度を調整することによって、マット化剤処方を行ってもよい。この方法では、上記温度を高くするほどマット化剤が表面に浮かび上がるようになり、表面粗さが大きくなるので拡散強度を高められる。また、マット化剤処方としては、マット化剤の添加量を調整するだけでなく、マット化剤の種類を変えて、屈折率や粒径などを調整することもできる。
上記実施形態の試作品成形ステップS1では、一度に、互いに異なるマット化剤処方がなされた複数の導光板試作品、又は、マット化剤処方及び凹凸形状が互いに異なる複数の導光板試作品が成形される例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、第1の実施形態では、試作品成形ステップS1において、所定のマット化剤処方がなされた導光板試作品を1つ成形し、評価ステップS2において、当該導光板試作品を評価した後に、先の導光板試作品とは異なるマット化剤処方がなされた導光板試作品を成形することも含まれる。この場合、所望の輝度均斉度が得られるまで試作品成形ステップS1と評価ステップS2とを繰り返す。
また、例えば、第2の実施形態では、試作品成形ステップS1において、所定のマット化剤処方がなされ、所定の転写率で転写された1つの導光板試作品を成形し、評価ステップS2において、当該導光板試作品を評価した後に、先の導光板試作品とは異なるマット化剤処方がなされた樹脂に対して、同じ転写率で転写された導光板試作品を成形することや、先の導光板試作品とは異なるマット化剤処方がなされた樹脂に対して、異なる転写率で転写された導光板試作品を成形することも含まれる。この場合、所望の輝度均斉度及びピーク角度が得られるまで試作品成形ステップS1と評価ステップS2とを繰り返す。
以上のような2つの他の実施形態であっても、複数の導光板試作品を成形することになり、決定ステップS3においては、これら複数の導光板試作品の評価の結果に基づいて、少なくともマット化剤処方が決定されることとなる。
また、上記第1の実施形態、第2の実施形態、及び上述した上記他の実施形態では、試作品成形ステップS1における樹脂シート70は、拡散剤処方が更になされており、決定ステップS3では、評価された輝度均斉度に基づいて所望の輝度均斉度の光を出射する導光板30とするための拡散剤処方を、マット化剤処方に加えて決定し、導光板成形ステップS4では、決定されたマット化剤処方に加え、拡散剤処方に基づいて導光板30を成形してもよい。この製造方法によれば、色度むらが生じない程度に拡散剤処方を行うことにより、マット化剤処方及び転写率の調整からでは調整しきれないような、精度の高い輝度均斉度の調整が可能となる。
なお、拡散剤処方は、拡散剤の添加量を調整したり、拡散剤の種類を変えて、屈折率や粒径などを調整したりすることにより行われてもよい。また、拡散剤が添加された拡散層を含む複数の層により導光板が構成されている場合には、拡散剤処方は、拡散層の厚みを調整することにより行われてもよい。
上記実施形態では、同一形状の先端部を有する凹部69aが形成された転写型からの転写を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。所定の輝度均斉度が確保できるような凸条部が形成されるような凹部を有する転写型が用いられればよく、凹部の形状が限定されたり、凹部の配置方法が限定されたりするものではない。
上記実施形態では、導光板試作品及び導光板に成形する形状として、一方向に延在する一次元的なレンチキュラーレンズを例に挙げ説明したがこれに限定されるものではない。例えば、延在方向の断面形状が三角形状であってもよいし、又、マイクロレンズ、ピラミッド型のプリズムなど二次元的な凹凸形状であってもよい。
図5に示す実施形態では、転写型69の凹部69aの断面形状が山型であるが、転写型の形状はこれに限られるものではない。例えば、断面形状が三角プリズム形状である凹部を有する転写型を好適に用いることができる。三角プリズム形状の底角が異なる複数種の転写型を用いることにより、光学特性の異なる多様な試作品を短期間で簡易に作製することができる。
上記導光板の製造方法により製造される導光板の一実施形態として、図2に示すような4つの側面30c〜30fのうち1つの側面30cを光入射面とする構成の面光源装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、互いに対向する2つの側面30c,30dが光入射面となるような構成の面光源装置であってもよい。この場合、凸条部34は、配列方向に沿って光源部21から遠い位置ほど密に配置することができる。すなわち、配列方向に沿って光源部21から遠い位置(導光板30中心部)ほど、凸条部34の被覆率が高くなるような被覆率分布とすることができる。ここでいう被覆率とは、平面視において凸条部34が形成された主面30aに対して凸条部34が占める割合をいう。例えば、それぞれの凸条部34が略同一形状の場合には、凸条部34同士の間隔を変えることにより被覆率を調整することができる。
上記実施形態では、導光板試作品及び導光板の成形方法として、押出成形法を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、導光板試作品及び導光板の成形方法は、射出成形、熱プレス成形などの他の成形方法で対応できる場合もある。
1…透過型画像表示装置、10…透過型画像表示部、11…液晶セル、12,13…偏光板、20…面光源装置、21…光源部、25…反射シート、30…導光板、30a…主面(背面)、30b…主面(出射面)、30c…側面(入射面)、30d〜30f…側面、31…基層、32…拡散層、33…導光板基材部、34…凸条部、40…各種光学フィルム、60…光学シート製造装置、61…第1押出機、62…第2押出機、63…ダイ、66…予圧ロール、67…第1押圧ロール、68…第2押圧ロール、69…転写型、69a…凹部、70…樹脂シート、80…光学シート、81…基層、82…拡散層、84…凸条部。
Claims (15)
- 互いに異なるマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、転写型の形状を転写することにより、複数の導光板試作品を成形する試作品成形ステップと、
前記複数の導光板試作品それぞれの輝度均斉度を評価する評価ステップと、
評価された前記輝度均斉度に基づいて所望の輝度均斉度の光を出射する導光板とするためのマット化剤処方を決定する決定ステップと、
決定された前記マット化剤処方に基づいて前記導光板を成形する導光板成形ステップと、
を含む、導光板の製造方法。 - 前記マット化剤処方は、マット化剤の添加量を調整することにより行われる、
請求項1に記載の導光板の製造方法。 - 前記マット化剤処方は、マット化剤が添加された層が転写型から離れる際の温度を調整することにより行われる、
請求項1又は2に記載の導光板の製造方法。 - 前記マット化剤は、当該マット化剤が添加される透光性材料と同じ屈折率の粒子成分、又は、当該透光性材料との屈折率の差が0.01以下の粒子成分である、
請求項2又は3に記載の導光板の製造方法。 - 試作品成形ステップでは、互いに異なる前記マット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、所定の転写率で転写型の形状を転写する、
請求項1〜4の何れか一項に記載の導光板の製造方法。 - 前記導光板成形ステップでは、前記決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、前記試作品成形ステップにおいて使用された転写型の形状を、前記試作品成形ステップにおいて転写したときと同じ転写率で転写することにより前記導光板を成形する、
請求項5に記載の導光板の製造方法。 - 前記試作品成形ステップでは、前記転写型の形状を転写する際に異なる転写率で転写型の形状を転写することにより、互いに異なる凹凸形状が形成され、
前記評価ステップでは、前記複数の導光板試作品それぞれのピーク角度を更に評価し、
前記決定ステップでは、前記評価されたピーク角度に基づいて、所望の輝度均斉度及びピーク角度の光を出射する導光板とするための凹凸形状を更に決定し、
前記導光板成形ステップでは、更に、前記決定されたマット化剤処方に基づいて前記導光板を成形する、
請求項1〜4の何れか一項に記載の導光板の製造方法。 - 前記導光板成形ステップでは、前記決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、前記試作品成形ステップにおいて使用された転写型の形状を、前記決定された凹凸形状に対応する転写率で転写することにより前記導光板を成形する、
請求項7に記載の導光板の製造方法。 - 前記導光板成形ステップでは、前記決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、前記決定された凹凸形状に対応する反転形状を有する導光板製造用転写型を転写することにより前記導光板を成形する、
請求項7に記載の導光板の製造方法。 - 前記導光板製造用転写型は、前記樹脂シートに対して25%以上90%以下の転写率で転写するときに、前記決定された前記凹凸形状となるような形状を有する、
請求項9に記載の導光板の製造方法。 - 前記試作品成形ステップにおいて使用された転写型を用いてラインスピードを所定速度まで上げたときに安定性を有する転写率を見つけ出す確認ステップを更に含み、
前記導光板成形ステップでは、前記決定されたマット化剤処方がなされた樹脂シートに対し、前記決定された凹凸形状が前記確認ステップにより見つけ出された転写率で得られるような形状を有する導光板製造用転写型を転写することにより前記導光板を成形する、
請求項7〜10の何れか一項に記載の導光板の製造方法。 - 前記安定性を有する転写率が25%以上90%以下である、
請求項11に記載の導光板の製造方法。 - 前記試作品成形ステップにおける前記樹脂シートは、拡散剤処方が更になされており、
前記決定ステップでは、評価された前記輝度均斉度に基づいて所望の輝度均斉度の光を出射する導光板とするための前記マット化剤処方及び拡散剤処方を決定し、
前記導光板成形ステップでは、決定された前記マット化剤処方及び前記拡散剤処方に基づいて前記導光板を成形する、
請求項1〜12の何れか一項に記載の導光板の製造方法。 - 光を出射する出射面及び前記出射面と反対側の背面を有する導光板基材部と、
前記導光板基材部の背面側に設けられており、前記出射面側に光を反射する反射部と、
を備え、
前記導光板基材部における前記出射面側の最外層には、光を拡散させるための凹凸面を前記出射面に形成するためのマット化剤が含有されている、導光板。 - 前記マット化剤は、前記導光板基材部を形成する透光性材料と同じ屈折率の粒子成分、又は、前記透光性材料との屈折率の差が0.01以下の粒子成分である、
請求項14に記載の導光板。
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