JP2014037610A - High-frequency hardening apparatus - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、被加熱物の広範な焼入れ対象部位を移動焼入れする高周波焼入装置に関するものである。 The present invention relates to an induction hardening apparatus that moves and quenches a wide range of parts to be quenched of an object to be heated.
高周波焼入れでは、被加熱物の焼入れ対象部位が、最初に高周波電流によって誘導加熱され、引き続き、冷却液が噴射供給されて急冷される。被加熱物の焼入れ対象部位が、誘導加熱導体よりも相当に大きい場合には、当該誘導加熱導体で焼入れ対象部位を一度に誘導加熱することができない。そのため、誘導加熱導体と被加熱物とを相対移動させ、焼入れ対象部位を小範囲ずつ順次誘導加熱する。そして、当該誘導加熱した部位に、冷却液を噴射供給して順次急冷する。従来、このような移動焼入れが、専ら採用されている。 In the induction hardening, a portion to be quenched of the object to be heated is first induction-heated by a high-frequency current, and subsequently, cooling liquid is jetted and supplied to be rapidly cooled. When the part to be quenched of the object to be heated is considerably larger than the induction heating conductor, the part to be quenched cannot be induction-heated at once with the induction heating conductor. For this reason, the induction heating conductor and the object to be heated are moved relative to each other, and the portions to be quenched are sequentially induction-heated little by little. Then, a cooling liquid is jetted and supplied to the induction-heated portion to quench it sequentially. Conventionally, such moving quenching has been employed exclusively.
移動焼入れを実施するためには、被加熱物を誘導加熱しながら、誘導加熱が完了した部位を冷却液で急冷しなければならない。そのため、図19(a)に示すように、高周波誘導電流が供給される加熱導体90と、冷却液噴射装置91とを、被加熱物95に対して相対移動させる。冷却液噴射装置91は、加熱導体90が加熱した箇所に冷却液92を噴射するので、加熱導体90よりも、移動方向の上流側に配置されている。ここで、噴射された冷却液92は、被加熱物95における、誘導加熱が完了した部位にのみ供給しなければならない。仮に、誘導加熱中の部位(加熱導体90が対向している部位)に冷却液92が飛散すると、誘導加熱中の部位の昇温を妨げてしまう。そのため、冷却液噴射装置91に設けたノズル孔91aは、矢印Aで示す加熱導体90及び冷却液噴射装置91の移動方向と逆方向に傾斜させている。図19(a)に示すように、冷却液噴射装置91を、加熱導体90に隣接し、且つ、被加熱物95に近接させて配置すると、冷却液92は、被加熱物95における誘導加熱が完了した部位を、直ちに急冷することができる。
In order to carry out the moving quenching, the part where induction heating is completed must be rapidly cooled with a cooling liquid while the object to be heated is induction heated. Therefore, as shown in FIG. 19A, the
ところで、図19(a)に示すように冷却液噴射装置91を配置すると、冷却液噴射装置91は、被加熱物95に近接しているため、誘導加熱が完了した直後の被加熱物95から輻射熱を受け、劣化し易いという問題がある。そこで、図19(b)に示すように、冷却液噴射装置91を、加熱導体90の反対側へ配置することが考えられる。図19(b)に示すように、冷却液噴射装置91を配置すると、冷却液噴射装置91に及ぼされる輻射熱の影響は、ほとんど解消される。
By the way, when the
しかし、図19(b)に示す冷却液噴射装置91から噴射される冷却液93も、やはり、矢印Aで示す加熱導体90の移動方向と逆方向に傾斜するように噴射しなければ、冷却液93の一部が、誘導加熱中の部位へ飛散してしまう。図19(b)において、冷却液噴射装置91から冷却液93を噴射すると、冷却液93は、被加熱物95における誘導加熱中の部位から距離L1だけ離間した部位Bに達する。すなわち、部位Bが誘導加熱されてから、冷却液93が噴射供給されるまで、加熱導体90が距離L1だけ移動するのに要する時間だけのギャップが生じてしまう。よって、冷却が遅れるという事態を招いてしまう。
However, if the
このような事態を解消する高周波焼入装置が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている高周波焼入装置は、被加熱物であるシャフト状ワークに沿って高周波加熱コイルを移動させ、シャフト状ワークを移動焼入れするものである。また、中空の高周波加熱コイル内の、高周波加熱コイル自身を冷却する冷却液を、被加熱物に向けて噴射するものである。
An induction hardening apparatus that solves such a situation is disclosed in
The induction hardening apparatus disclosed in
すなわち、図20に示すように、被加熱物95に近接対向配置した中空の加熱導体98(高周波加熱コイル)を、矢印Aで示す方向に移動させ、被加熱物95の対向する部位を、順に誘導加熱する。また、加熱導体98に設けられたノズル孔98aから、加熱導体98内の冷却液99が噴射される。
That is, as shown in FIG. 20, the hollow heating conductor 98 (high-frequency heating coil) disposed close to and opposite to the object to be heated 95 is moved in the direction indicated by the arrow A, and the parts facing the object to be heated 95 are sequentially arranged. Induction heating. Further, the
冷却液99は、被加熱物95における誘導加熱中の部位へ飛散しないように、矢印Aで示す加熱導体98の移動方向とは反対側(移動方向の上流側)へ傾斜させて噴射され、被加熱物95における、誘導加熱が完了した部位Cが、順次冷却される。部位Cは、誘導加熱が完了してから、加熱導体98が距離L2を移動するのに要する時間が経過した後に冷却液99が供給されて冷却されるが、距離L2は、図19(b)に示す距離L1よりも短い。そのため、誘導加熱が完了してから冷却されるまでの時間は短縮され、上述の冷却の遅れは改善される。
The
ところで、特許文献1に開示されている高周波焼入装置では、高周波加熱コイル内の冷却液を、被加熱物に噴射供給する。そのため、高周波加熱コイルを冷却して、温度が上昇した冷却液を被加熱物に噴射供給するため、冷却効果が低い。
By the way, in the induction hardening apparatus currently disclosed by
そこで本発明は、移動焼入れにおいて、誘導加熱が完了してから、低温の冷却液を速やかに噴射供給することができる高周波焼入装置を提供することを目的としている。 Accordingly, an object of the present invention is to provide an induction hardening apparatus capable of promptly injecting and supplying a low-temperature cooling liquid after completion of induction heating in moving quenching.
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、中空の誘導加熱導体と、冷却液噴射装置が、被加熱物に沿って相対移動しながら被加熱物を焼入れする高周波焼入装置であって、前記誘導加熱導体は、相対移動方向と直交する方向にのびると共に、被加熱物に沿って近接対向する対向壁と、当該対向壁と連続する傾斜壁とを有しており、前記傾斜壁は、誘導加熱導体の相対移動方向の上流側が対向壁に近接し、下流側へいくほど対向壁から離間するように傾斜しており、冷却液噴射装置は、冷却液を噴射するノズル部を有し、冷却液噴射装置は、前記傾斜壁に沿って配置されており、前記ノズル部が、前記対向壁に近接配置されたことを特徴とする高周波焼入装置である。
The invention according to
請求項1に記載の発明では、対向壁と連続する傾斜壁が、誘導加熱導体の相対移動方向の上流側が対向壁に近接し、下流側へいくほど対向壁から離間するように傾斜しているので、冷却液噴射装置を傾斜壁に沿って配置し、冷却液噴射装置のノズル部を、対向壁に近接配置することができる。そのため、被加熱物における誘導加熱が完了した部位に、速やかに冷却液を噴射供給することができる。
また、冷却液噴射装置は、加熱導体の傾斜壁に沿って配置されているので、被加熱物に対向しておらず、被加熱物から放射される輻射熱に晒されない。よって、冷却液噴射装置の劣化を阻止することができる。
In the first aspect of the present invention, the inclined wall that is continuous with the opposing wall is inclined so that the upstream side in the relative movement direction of the induction heating conductor is close to the opposing wall and is separated from the opposing wall toward the downstream side. Therefore, the coolant injection device can be disposed along the inclined wall, and the nozzle portion of the coolant injection device can be disposed close to the opposing wall. For this reason, the coolant can be quickly jetted and supplied to the portion of the object to be heated that has undergone induction heating.
In addition, since the coolant injection device is disposed along the inclined wall of the heating conductor, it does not face the object to be heated and is not exposed to the radiant heat radiated from the object to be heated. Therefore, deterioration of the coolant injection device can be prevented.
請求項2に記載の発明は、内部に冷却液が供給される中空の誘導加熱導体が、被加熱物に沿って相対移動しながら被加熱物を誘導加熱する高周波焼入装置であって、誘導加熱導体は、相対移動方向と直交する方向にのび、被加熱物に沿って近接対向する対向壁を有しており、誘導加熱導体の内部には、仕切部材が設けてあり、前記仕切部材は、誘導加熱導体の相対移動方向の上流側が対向壁に近接し、下流側へいくほど対向壁から離間するように傾斜して、誘導加熱導体の内部を2つの領域に仕切っており、各領域には冷却液が供給可能であり、誘導加熱導体における、対向壁と連続し、且つ、相対移動方向の上流側の壁面に、冷却液噴射孔が設けてあることを特徴とする高周波焼入装置である。
The invention according to
請求項2に記載の発明では、中空の誘導加熱導体の内部が、仕切部材で2つの領域に仕切られている。よって冷却液は、誘導加熱導体の内部で2つの領域に分かれて流れる。そして、対向壁と連続し、且つ相対移動方向の上流側の壁面には、冷却液噴射孔が設けてあるので、一方の領域を流れる冷却液が、冷却液噴射孔から被加熱物に向けて噴射供給される。また、他方の領域を流れる冷却液によって、誘導加熱導体自身が冷却される。この誘導加熱導体を冷却した他方の領域内の冷却液は、仕切部材によって、一方の領域へ移動するのが阻害される。よって、一方の領域内の冷却液は、比較的低温状態を保っており、低温の冷却液が、冷却液噴射孔から噴射される。そのため、被加熱物における誘導加熱が完了した部位に、低温の冷却液が噴射供給され、当該部位が良好に冷却される。
また、誘導加熱導体から冷却液を噴射供給するので、被加熱物の誘導加熱された部位に、速やかに冷却液を噴射供給することができ、冷却を極めて早期に開始することができる。
In the invention described in
Further, since the cooling liquid is jetted and supplied from the induction heating conductor, the cooling liquid can be quickly jetted and supplied to the induction-heated portion of the object to be heated, and the cooling can be started very early.
請求項3に記載の発明は、各領域の間の、冷却液の流通が遮断されていることを特徴とする請求項2に記載の高周波焼入装置である。
The invention according to
請求項3に記載の発明では、誘導加熱導体の内部の各領域の間の冷却液の流通が遮断されているので、対向壁に面した領域内を流れる高温の冷却液と、冷却液噴射孔から噴射される低温の冷却液とが混合することがない。よって、被加熱物における誘導加熱された部位に噴射供給される冷却液は、低温状態を維持し易い。よって、被加熱物の冷却が、良好に実施される。
In the invention according to
本発明の高周波焼入装置では、被加熱物を移動焼入れする際に、被加熱物の誘導加熱が完了した部位に、早期に低温の冷却液を噴射供給することができる。よって、良好な焼入れを実施することができる。 In the induction hardening apparatus of the present invention, when moving and quenching the object to be heated, the low-temperature coolant can be jetted and supplied to the part where induction heating of the object to be heated has been completed at an early stage. Therefore, good quenching can be performed.
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る高周波焼入装置1は、加熱導体2、冷却液供給装置3、高周波電源4、駆動装置5、制御装置6を備えている。
Hereinafter, description will be given with reference to the drawings.
As shown in FIG. 1, an
高周波電源4は、商用電源を高周波化する高周波発信器(図示せず)を有しており、交流を高周波化して変圧器(図示せず)へ出力する。変圧器の一次側には高周波電源から高周波電流が供給され、二次側に変圧された高周波電流を出力する。変圧器の二次側には、図示しない入出力端子を介して、リード7,8(図2)が接続されている。リード7の一端は、変圧器の二次側に接続されており、他端は、後述の加熱導体2の一端に接続されている。同様に、リード8の一端は、変圧器の二次側に接続されており、他端は、加熱導体2の他端に接続されている。
The high-frequency power source 4 has a high-frequency transmitter (not shown) that increases the frequency of the commercial power source, and converts the alternating current into a high frequency and outputs it to a transformer (not shown). A high frequency current is supplied from a high frequency power source to the primary side of the transformer, and the transformed high frequency current is output to the secondary side.
図2〜図6に示すように、加熱導体2は、中空の銅合金等の良導体で構成された管状の部材である。加熱導体2は、上述のように高周波電源4から高周波電流が供給されると共に、図示しない冷却液の供給源から冷却液が供給され、内部には冷却液が常時流通している。
As shown in FIGS. 2 to 6, the
図4,図5に示すように、加熱導体2は、直線部材2a,2bと、湾曲部材2cとが接続されて、U字形状を呈する。
直線部材2aは、対向壁12,傾斜壁13,垂直壁14を有している。対向壁12と垂直壁14は直交しており、傾斜壁13は、対向壁12に対して傾斜している。よって、直線部材2aの横断面は、直角三角形の形状を呈している。直線部材2aの一端部11aは閉塞されており、他端部11bは開口している。また、傾斜壁13における一端部11a側の端部には、開口13aが設けられている。
As shown in FIGS. 4 and 5, the
The
直線部材2bの横断面は、四角形形状を呈しており、直線部材2bは、対向壁20,側壁21,22,上壁23を有している。直線部材2bの一端部17a,他端部17bは、開口している。他端部17bは、対向壁20側から上壁23側へいくほど、一端部17a側に近付くように傾斜している。
The cross section of the
湾曲部材2cは、Uの字の折返し部分を構成し、一端部18aと他端部18bとを有している。湾曲部材2cは、断面四角形形状の管状部材が湾曲して形成されたものであるが、図4に示すように、一端部18aの開口部分の略半分が、三角形の板状の閉塞部材9で閉塞されている。閉塞部材9は、一端部18aにろう付けされている。
The bending
湾曲部材2cの一端部18aの三角形の開口部分には、直線部材2aの他端部11bがろう付けされて、湾曲部材2cと直線部材2aとが一体固着されている。また、湾曲部材2cの他端部18bには、直線部材2bの一端部17aがろう付けされて、湾曲部材2cと直線部材2bとが一体固着されている。
以上のように、2つの直線部材2a,2bと、湾曲部材2cとが一体化されて、U字形状の加熱導体2が構成されている。
The other end portion 11b of the
As described above, the
直線部材2aの一端部11aには、リード7の端部7aがろう付けされている。そのため、直線部材2aの開口13aと、リード7の開口15が接続されている。同様に、直線部材2bの他端部17bと、リード8の端部8aとがろう付けされ、直線部材2bの開口19と、リード8の開口16とが接続されている。そして、リード7,加熱導体2(直線部材2a,湾曲部材2c,直線部材2b),リード8の各々の内部が連結され、一連の冷却液通路が形成されている。リード7,8には、図示しない冷却液供給源に接続された配管が接続されており、これらの配管を介して、加熱導体2内に低温の冷却液が供給されると共に、加熱導体2内で昇温した冷却液が排出される。
The
冷却液供給装置3は、冷却液供給管24と本体25とを有する。
本体25は、上壁29,側壁30〜32,傾斜壁26,27で構成された、中空の箱状の部材である。上壁29は、長方形形状を呈しており、長手方向の両端には側壁30,31が連続している。側壁30,31は、不等辺四角形形状を呈している。上壁29の長手方向にのびる一辺には、側壁32が連続している。さらに、上壁29の長手方向にのびる他辺には、傾斜壁26が連続している。側壁30〜32は、各々上壁29に対して直交するように垂下しており、傾斜壁26は、上壁29に対して側壁32側へ傾斜している。隣接する各側壁同士、及び側壁30,31と傾斜壁26は連続している。また、各側壁30〜32と、傾斜壁26は、傾斜壁27で接続されている。傾斜壁27には、複数のノズル孔28(ノズル部)が一列に設けられている。
The
The
本体25は、加熱導体2に装着されている。すなわち、本体25の側壁30が、リード7に当接し、本体25の側壁31が、加熱導体2の湾曲部材2cの一端部18a(閉塞部材9)に当接することにより、本体25は湾曲部材2cとリード7に挟持される。よって、本体25は、加熱導体2と一体に移動可能であり、さらに本体25の長手方向への移動が阻止されている。
The
図6に示すように、冷却液供給装置3(本体25)の傾斜壁26は、加熱導体2の傾斜壁13に近接(又は当接)配置される。その結果、冷却液供給装置3(本体25)の傾斜壁27は、加熱導体2の直線部材2aの対向壁12に近接する。すなわち、傾斜壁27に設けられた各ノズル孔28(ノズル部)が、対向壁12に近接する。
As shown in FIG. 6, the
冷却液供給管24は、本体25の上壁29に接続されており、図示しない冷却液供給源から冷却液を本体25内に供給する可撓性を有する配管である。
The
駆動装置5(図1)は、加熱導体2及び冷却液供給装置3を、被加熱物10に沿って移動させる機能を有する。被加熱物10を焼入れする際には、駆動装置5は、加熱導体2及び冷却液供給装置3を一体に、一定速度で移動させることができる。
The driving device 5 (FIG. 1) has a function of moving the
制御装置6(図1)は、冷却液供給装置3,高周波電源4,駆動装置5の動作を司る機能を有する。制御装置6は、冷却液供給管24に設けられた図示しない制御弁を開閉し、冷却液供給装置3(本体25)へ加圧された冷却液を供給する。また、制御装置6が、高周波電源4へ指令信号を送ることにより、高周波電源4から加熱導体2へ高周波電流が供給される。さらに制御装置6は、駆動装置5の動作を制御する。すなわち、被加熱物10の焼入れ開始位置までは、加熱導体2及び冷却液供給装置3を速やかに移動させ、焼入れ時には、所定の一定速度で、被加熱物10に沿って加熱導体2及び冷却液供給装置3を移動させる。
The control device 6 (FIG. 1) has a function of controlling the operation of the
以上説明したように構成された高周波焼入装置1は、以下のように被加熱物10を焼入れする。
加熱導体2の直線部材2aの対向壁12と、直線部材2bの対向壁20が、被加熱物10の焼入れ対象部位に対向し、湾曲部材2cは、被加熱物10に対向せず、被加熱物10の誘導加熱には寄与しない。
The
The opposing
図6に示すように、被加熱物10の焼入れ対象部位の端部10aに、加熱導体2の対向壁20を近接対向させる。すなわち、制御装置6(図1)によって制御された駆動装置5(図1)が、加熱導体2を被加熱物10に対向配置させる。そして、制御装置6は、高周波電源4に指令信号を送り、高周波電流を加熱導体2に供給する。
As shown in FIG. 6, the facing
被加熱物10における、加熱導体2(対向壁20)が対向している部位が、誘導加熱されて昇温する。すなわち、図6において、被加熱物10における右上から左下へ傾斜するハッチングで示す部位が、直線部材2bの対向壁20と対向しており、この部位が誘導加熱されて昇温する。駆動装置5(図1)が、加熱導体2及び冷却液供給装置3を、所定の一定速度で、矢印A1で示す方向(相対移動方向)に移動させる。対向壁20が、矢印A1方向に移動すると、被加熱物10における、対向壁20に対向する部位が、順に誘導加熱される。すなわち、被加熱物10の誘導加熱部位(右上から左下へ傾斜するハッチングで示す部位)が拡がる。
The part of the
そして、図7に示すように、やがて対向壁12が被加熱物10に対向し、被加熱物10における、対向壁12と対向する部位も誘導加熱される。対向壁12が被加熱物10の端部10aに達すると、制御装置6は、図示しない制御弁を開き、冷却液供給装置3に冷却液を供給する。その結果、ノズル孔28から冷却液33が噴射される。
Then, as shown in FIG. 7, the opposing
図7に示すように、冷却液33は、被加熱物10における、対向壁12による誘導加熱が完了した位置から距離LAだけ離れた位置Eに噴射供給される。すなわち、加熱導体2(対向壁12)が、距離LAを移動する時間が経過した後に、誘導加熱が完了した部位Eに、冷却液33が噴射供給される。
As shown in FIG. 7, the
加熱導体2の直線部材2aの傾斜壁13は、矢印A1で示す方向(加熱導体2の移動方向)の上流側が対向壁12に近接しており、下流側へいくほど対向壁12から離間するように傾斜している。すなわち、傾斜壁13は、加熱導体2の直線部材2aにおける、移動方向の前側へいくほど、対向壁12から離間するように傾斜している。そのため、冷却液33は、加熱導体2の矢印A1で示す移動方向とは逆方向に傾斜して被加熱物10に噴射供給されている。よって、被加熱物10における誘導加熱中の部位には、冷却液は飛散せず、被加熱物10における、誘導加熱中の部位は良好に昇温する。
The
図7に示すように、冷却液33は、矢印A1で示す移動方向と逆方向(上流側)に、被加熱物10に対して斜め45度の角度で噴射されており、その結果、被加熱物10の位置Eに達している。この45度という角度は、変更可能である。すなわち、被加熱物10に対する冷却液33の噴射角度は、対向壁12や、被加熱物10における誘導加熱中の部位に飛散しない範囲(例えば、70度以下)に設定することができる。また、直線部材2aは、傾斜壁13を有していれば、断面形状は直角三角形の代わりに四角形以上の多角形であってもよい。
As shown in FIG. 7, the
ノズル孔28は、対向壁12に近接している。すなわち、図7に示す例では、ノズル孔28は、冷却液供給装置3の本体25における、最下端部付近に設けられている。そのため、距離LAは、図20に示す距離L2と同等の長さである。よって、部位Eは、誘導加熱が完了してから、ほとんど時間差なく冷却液33が噴射供給され、急冷される。その結果、被加熱物10は、良好に焼入れされる。冷却液33の噴射角度を45度よりも大きくすると、距離LAは、さらに短くなり、冷却の開始時期が早まる。
The
また、冷却液供給装置3は、被加熱物10に対してほとんど対向しておらず、間に加熱導体2の直線部材2aが配置されている。そのため、冷却液供給装置3は、被加熱物10から放射される輻射熱にさらされずに済み、昇温しにくい。よって、冷却液供給装置3は、低温の冷却液を噴射供給することができる。
Further, the
次に、図8〜図14を参照しながら、別の実施形態を説明する。
図8〜図14に示す加熱導体35は、直線部材35a,35bと、湾曲部材35cとを有している。
Next, another embodiment will be described with reference to FIGS.
The
直線部材35aは、図12に示すように、上半割部材37,下半割部材38,仕切部材39の3つの部材で構成されている。
上半割部材37は、板状の上部壁52と、垂下壁53とが直交して連続し、断面がL字形状を呈する部材である。上部壁52は、上側縁46aを有している。上側縁46aは、傾斜面を構成している。垂下壁53は、下側縁46bを有している。下側縁46bは、傾斜面を構成している。上側縁46aと、下側縁46bは、同一平面上に形成された傾斜面である。また、下側縁46bには、複数の溝40が所定間隔をおいて設けられている。図13に示すように、溝40は、下側縁46bの傾斜面に沿ってのびている。
As shown in FIG. 12, the
The
そして、断面がL字形状の上半割部材37の一端37aは、上側から下側へいくほど先端(図11に示すリード7側)に突出するように傾斜している。すなわち、垂下壁53の下側縁46bが、最もリード7側へ突出し、上部壁52に近付くほど他端37bに近付くように傾斜している。
Then, one
図12に示すように、下半割部材38は、板状の対向壁50と、起立壁51とが直交して連続し、断面がL字形状を呈する部材である。対向壁50は、下側縁47bを有している。下側縁47bは、傾斜面を構成している。起立壁51は、上側縁47aを有している。上側縁47aは、傾斜面を構成している。下側縁47bと、上側縁47aは、同一平面上に形成された傾斜面である。断面がL字形状の下半割部材38の一端38aは、対向壁50がリード7側へ突出し、起立壁51が、対向壁50から遠ざかるほど他端38bに近付くように傾斜している。
As shown in FIG. 12, the
仕切部材39は、細長く薄い板状の部材である。仕切部材39の一端39aは、傾斜している。そのため、仕切部材39は、長手方向にのびる比較的短い短辺56と、比較的長い長辺57とを有している。図12に示すように、短辺56の一方の面には、下面側上部縁41aが、他方の面には上面側上部縁41bが設けられている。長辺57の一方の面には、下面側下部縁42aが、他方の面には上面側下部縁42bが設けられている。
The
仕切部材39の下面側上部縁41aと、下面側下部縁42aには、下半割部材38の上側縁47aと、下側縁47bが、各々ろう付けによって一体化されている。すなわち、上側縁47aと、下側縁47bは、同一平面上に形成された傾斜面であるので、仕切部材39に対して、同時に面接触することができる。
On the lower surface side
同様に、仕切部材39の上面側下部縁42bと、上面側上部縁41bには、上半割部材37の下側縁46bと、上側縁46aが、各々ろう付けによって一体化されている。下側縁46bと上側縁46aも、同一平面上に形成された傾斜面であるので、同時に仕切部材39に面接触することができる。
Similarly, a
以上のように、上半割部材37と下半割部材38の間に、仕切部材39が配置されている。そして、上半割部材37と仕切部材39によって、断面が三角形の流路44が形成されている。流路44は、直線部材35a(図10,図11)の長手方向にのびている。また、上半割部材37と仕切部材39が一体化されていることによって、上半割部材37の溝40と、仕切部材39とで、冷却液噴射部45(ノズル孔)が形成されている。冷却液噴射部45は、流路44と連通している。
As described above, the
同様に、下半割部材38と仕切部材39によって、断面が三角形の流路43が形成されている。流路43も、流路44と同様に、直線部材35aの長手方向にのびている。流路44と流路43とは、仕切部材39によって仕切られている。そして、冷却液は、流路43と流路44の間を移動することができない。
Similarly, a
直線部材35bは、図2等に示す加熱導体2の直線部材2bと同様の構成を有している。図11に示すように、直線部材35bは、断面が四角形の管部材であり、内部に流路49を有している。また、直線部材35bは、被加熱物10と対向する対向壁54(図9)を有している。
The
湾曲部材35cも、図2等に示す加熱導体2の湾曲部材2cと同様の構成を有している。図11に示すように、湾曲部材35cは、断面が四角形の管部材が湾曲して、U字の折返し部分を構成し、内部に流路48を有している。また、湾曲部材35cは、一端55aと他端55bとを有している。
The bending
湾曲部材35cの一端55aには、直線部材35aの他端36bが、ろう付けされて一体化されている。同様に、湾曲部材35cの他端55bには、直線部材35bの一端58aがろう付けされて一体化されている。よって、加熱導体35内では、直線部材35a内の流路43,44と、湾曲部材35c内の流路48と、直線部材35b内の流路49とが連通している。
The
加熱導体35の直線部材35aには、リード7が接続されている。
直線部材35aの、上半割部材37,下半割部材38,仕切部材39の各々の一端37a,38a,39a(図12)が傾斜しており、直線部材35aの一端36a(図11)は、リード7の傾斜した端部7a(下端)と交差(直交)して接続されている。リード7と直線部材35aはろう付けされて導通が可能であり、また、リード7の開口15と、直線部材35aの流路43,44とが連通している。
A
One
同様に、加熱導体35の直線部材35bと、リード8は、ろう付けによって一体固着されている。直線部材35b内の流路49と、リード8の開口16は連通している。
Similarly, the
以上説明した加熱導体35を使用すると、図14に示すように被加熱物10を焼入れすることができる。すなわち、高周波電流が供給されている加熱導体35が、駆動装置5(図1)によって、矢印A2で示す方向へ移動し、先行して直線部材35bの対向壁54が、被加熱物10に対向し、被加熱物10を誘導加熱する。そして、やがて直線部材35aの対向壁50も、被加熱物10と対向し、被加熱物10を誘導加熱する。加熱導体35内には、低温の冷却液が供給されており、加熱導体35自身は良好に冷却されている。
When the
リード7を介して供給されている冷却液は、加熱導体35内に流入する。すなわち、冷却液は、図11に示す直線部材35a内の流路43と流路44に別れて加熱導体35内に流入する。流路43内の冷却液は、最も昇温する対向壁50(直線部材35a)を冷却する。直線部材35aの流路43内における、昇温した冷却液は、仕切部材39によって、流路44側への移動が阻止されている。
The coolant supplied via the
一方、流路44内に流入した冷却液は、流路44内を流れると共に、一部が複数の冷却液噴射部45から噴射される。図14に示すように、直線部材35aの対向壁50による誘導加熱が完了した部位と、冷却液59が噴射供給される部位は、距離LBだけ離れている。すなわち、誘導加熱が完了してから、加熱導体35が矢印A2方向へ距離LBを移動する時間が経過した後に、冷却液59が噴射供給される。冷却液59は、加熱導体35の矢印A2で示す移動方向とは逆方向に傾斜して被加熱物10に噴射供給されている。よって、被加熱物10における誘導加熱中の部位には、冷却液は飛散せず、被加熱物10における、誘導加熱中の部位は良好に昇温する。
On the other hand, the coolant that has flowed into the
加熱導体35を使用する場合には、図1に示す冷却液供給装置3は不要である。すなわち、加熱導体35内には、冷却液が常時供給されており、この冷却液の一部が、焼入れ液(焼入れ水)として被加熱物10の誘導加熱が完了した部位へ噴射供給される。
When the
図14に示す例でも、図7に示す例と同様に、被加熱物10に対する冷却液59の噴射角度は、45度程度である。また、冷却液噴射部45は、流路44(領域)の垂下壁53の最下端部に設けられている。そのため、冷却液噴射部45は、対向壁50に近接している。冷却液噴射部45を設ける位置は、垂下壁53の最下端部に近いほど好ましい。
Also in the example shown in FIG. 14, the injection angle of the cooling
図14に示すように、冷却液噴射部45は、対向壁50と近接している。そのため、距離LBは、図20に示す距離L2と、ほとんど差がない。よって、被加熱物10は、誘導加熱が完了してから速やかに冷却液59が噴射供給されて急冷される。この冷却液59は、流路44内を流通しており、流路44は、温度上昇し易い対向壁50に面していないので昇温しにくく、流路43内の冷却液よりも低温である。そのため、冷却液噴射部45から噴射された冷却液59の温度は低く、冷却効果が高い。
As shown in FIG. 14, the
また、流路44は、被加熱物10に対して対向しておらず、間に仕切部材39と流路43が配置されている。そのため、流路44内の冷却液は、被加熱物10から放射される輻射熱にさらされずに済み、昇温しにくい。よって、流路44から、低温の冷却液を噴射供給することができる。
Moreover, the
流路44内を流れ、冷却液噴射部45から噴射されなかった冷却液は、流路43内を流通する冷却液と合流し、湾曲部材35c内の流路48(図11),直線部材35b内の流路49(図11)を通過する。すなわち、合流した冷却液は、湾曲部材35cと直線部材35bを冷却しながら、リード8から外部に排出される。
The coolant that has flowed through the
図15に示すように、加熱導体35は、垂直姿勢の被加熱物10を焼入れする際にも使用することができる。この場合においても、図14と同様に、誘導加熱後、速やかに冷却液59が噴射供給される。冷却液59は、斜め下方に噴射され、上方の誘導加熱中の部位へは飛散しない。よって、被加熱物10における、誘導加熱中の部位は良好に昇温し、その後、急冷される。
As shown in FIG. 15, the
図15に示すように、垂直姿勢の被加熱物10を焼入れする場合には、噴射された冷却液59は、重力を受けて上方(誘導加熱中の部位)へ飛散しにくいので、被加熱物10に対する噴射角度は、図7,図14の場合よりも直角に近づけ易い。そのため、距離LBをより短くすることができる。
加熱導体35は、矢印A2で示すように上方へ移動しながら垂直姿勢の被加熱物10を焼入れする。図15において、加熱導体35の移動方向の上流側とは、下方を指し、下流側とは上方(未焼入れ領域側)を指す。
As shown in FIG. 15, when quenching the object to be heated 10 in a vertical posture, the injected cooling
The
上述の実施形態では、U字形状の加熱導体2,35を使用しているが、加熱導体は、直線状であっても差し支えない。但し、加熱導体2のようにU字形状を採用すると、被加熱物10が直線部材2b(35b)の対向壁20(54)が対向するときと、直線部材2a(35a)の対向壁12(50)が対向するときの、誘導加熱される機会が2度あるので、被加熱物10を昇温させ易いという利点がある。
In the above-described embodiment, the
被加熱物10の焼入れ対象部位は平面であったが、焼入れ対象が棒状(例えば円柱状)の被加熱物の周面の場合には、図16に示す加熱導体60を使用することにより、良好に焼入れすることができる。図16に示す様に加熱導体60は、図11に示す加熱導体35の直線部材35aを略C字形状に湾曲させた様な構造を呈しており、上半割部材61、下半割部材62、仕切部材63を有している。
The part to be quenched of the object to be heated 10 was a flat surface, but when the object to be quenched was a rod-shaped (for example, columnar) peripheral surface of the object to be heated, the
上半割部材61は、上壁67と対向壁68が直交して構成されている。上壁67は、同一平面内で略C字形状を呈するように湾曲している。対向壁68は、上壁67の内周側と連続している。すなわち、上半割部材61は、横断面がL字形状を呈しながら略C字形状を呈するように湾曲している。
The
下半割部材62は、下壁69と垂直壁70とが直交して構成されている。下壁69は、上半割部材61の上壁67と同様に湾曲している。垂直壁70は、下壁69の外周側と連続している。そして、下半割部材62は、横断面がL字形状を呈しながら略C字形状を呈するように湾曲している。下壁69の端部(縁)には、図12、図13の上半割部材37の溝40の様な溝73が、等間隔で設けられている。
The
仕切部材63は、すり鉢状に湾曲する板部材である。図示していないが、仕切部材63の両端部は、図12に示す仕切部材39の一端39aの様に傾斜している。
The
加熱導体60は、次の様に構成されている。
仕切部材63の内周側が下に、外周側が上になるように配置されている。そして、仕切部材63の上側には上半割部材61がろう付け固定されており、仕切部材63の下側には下半割部材62がろう付け固定されている。加熱導体60を断面視すると、仕切部材63は、加熱導体60の外周側上方から内周側下方へすり鉢状に傾斜している。すなわち、仕切部材63は、傾斜壁を構成している。下半割部材62の下壁69の複数の溝73と、仕切部材63とで、複数の噴射孔74が形成されている。噴射孔74は、等間隔に配列されている。
The
The
加熱導体60内には、流路71と流路72が形成されている。流路71は、上半割部材61と仕切部材63によって構成されており、流路72は、下半割部材62と仕切部材63によって構成されている。流路71と流路72は、仕切部材63によって遮断されている。前述の噴射孔74は、流路72内と外部とを連通させる孔である。
A
C字形状の加熱導体60の一端には中空のリード64が接続されており、他端には中空のリード65が接続されている。よって、中空のリード64内及びリード65内と、加熱導体60の流路71及び流路72とが連通する。前述のように、仕切部材63の両端部は、図12に示す仕切部材39の一端39aの様に傾斜している。そのため、流路72のみならず、流路71もリード64内及びリード65内と連通している。加熱導体60の両端は近接しており、ほぼ環状である。そして加熱導体60の内側には環状内部75が形成されている。
A
そして加熱導体60には、高周波電源4(図1)からリード64、65を介して高周波電流が供給される。また、加熱導体60には、リード64、65側から冷却液が循環供給される。リード64又はリード65から供給された冷却液は、流路71と流路72内に流入する。流路71と流路72は、仕切部材63によって遮断されているため、流路71内に流入した冷却液は、流路72内に移動することはできない。流路72に流入した冷却液の一部は、噴射孔74から噴射される。
The
加熱導体60は、円柱状(棒状)の被加熱物76の周面を誘導加熱することができる。すなわち、加熱導体60の環状内部75内に棒状の被加熱物76を配置し、駆動装置5(図1)によって、加熱導体60を上方へ移動させる。または、図示しない駆動装置で被加熱物76を下方へ移動させる。
The
被加熱物76の周面76aは、加熱導体60の対向壁68に対向すると、誘導加熱されて焼入れ温度まで昇温する。図17において、周面76aにおける右上から左下へ傾斜するハッチングで示す部位が、誘導加熱されて昇温した部位である。被加熱物76は、加熱導体60に対して下方へ相対移動するので、昇温した周面76aは、加熱導体60の下方へ移動する。そして、昇温した周面76aは、加熱導体60の噴射孔74から噴射された冷却液77によって急冷される。
When the
ところで、流路71内を流れる冷却液は、比較的高温状態となり、流路72内を流れる冷却液は、比較的低温状態が維持されている。その理由は以下の通りである。
By the way, the coolant flowing in the
高周波電流は、加熱導体60内における最短経路である対向壁68部分に集中して流れる。そのため、対向壁68は昇温し易い。また、対向壁68は、被加熱物76と対向しており、誘導加熱されて昇温した被加熱物76からの輻射熱に晒される。この対向壁68は、流路71内を流れる冷却液によって冷却される。そのため、流路71内の冷却液は昇温し、比較的高温状態になる。
The high-frequency current flows in a concentrated manner on the facing
流路71内の高温の冷却液は、仕切部材63に遮られて流路72内へ移動することができない。また、流路72を仕切る下壁69と垂直壁70は、被加熱物76の輻射熱に晒されていない。そのため、流路72内の冷却液は、比較的低温である。この流路72内の低温の冷却液が、符号77で示す様に、昇温した被加熱物76の周面76aに噴射供給されるので、昇温した周面76aは、良好に冷却される。
The high-temperature coolant in the
以上説明した各加熱導体に加え、図18(a)に示す加熱導体80のような形態も採用することができる。加熱導体80は、冷却液を流通させる流路81と流路82とを有する。流路81と流路82は遮断されており、両流路間で冷却液の流通はない。また、流路81を仕切る1つの壁面が、被加熱物79に近接対向する対向壁84を構成し、他の1つの壁面が傾斜壁85を構成している。流路82は、複数の噴射孔83(図18(a)では断面視しているため、1つだけを示している。)を有している。複数の噴射孔83は、図18の紙面に直交する方向にのびる傾斜壁85に沿って配置されている。また、各噴射孔83は、冷却液86が傾斜壁85の傾きに沿って噴射されるように形成されている。流路82内の冷却液が噴射孔83から噴射されると、噴射された冷却液86は傾斜壁85に沿って進み、被加熱物79の誘導加熱されて昇温した部位に供給される。
In addition to the heating conductors described above, a form such as the
加熱導体80では、傾斜壁85の一部が外部に露出しているため、流路81と流路82とが隣接する部位が、図17に示す形態の加熱導体60よりも少ない。そのため、比較的高温になり易い流路81内の冷却液と、比較的低温の流路82内の冷却液の間で熱移動が行われにくい。よって、流路82内の冷却液(噴射された冷却液86)は、低温状態を維持し易く、被加熱物79の冷却効果が高い。
In the
また、図18(b)に示す様に、加熱導体80は対向壁84aを有する。対向壁84aは、対向壁84と直交し、さらに傾斜壁85と連続している。図18(b)に示す様に、焼入れ対象が、長手方向にのびる壁面88aと段部88bを有する被加熱物88である場合、加熱導体80の対向壁84aを段部88bに近接対向させ、且つ、対向壁84を壁面88aに近接対向させる。そして、加熱導体80を停止させた状態で高周波電流を通電し、段部88bと段部88bに近接する壁面88aとを同時に誘導加熱する。その後、矢印A4で示す方向に加熱導体80を移動させながら噴射孔83から冷却液を噴射する。噴射孔83から噴射された冷却液は、段部88b及び段部88bと連続する壁面88aを冷却し、さらに、加熱導体80の矢印A4方向への移動に伴って、昇温した壁面88aを順次冷却する。その結果、段部88bから壁面88aに至る連続した焼入れパターン89(編み目のハッチング部分)を得ることができる。
Further, as shown in FIG. 18B, the
1 高周波焼入装置
2 加熱導体(誘導加熱導体)
3 冷却液供給装置
10 被加熱物
12 対向壁
13 傾斜壁
28 ノズル部
35 加熱導体(誘導加熱導体)
39 仕切部材
43,44 流路(加熱導体の内部の領域)
45 冷却液噴射部(冷却液噴射孔)
A1、A2 移動方向(相対移動方向)
1
3
39
45 Coolant injection part (coolant injection hole)
A1, A2 Movement direction (relative movement direction)
Claims (3)
前記誘導加熱導体は、被加熱物に沿って近接対向する対向壁と、当該対向壁と連続する傾斜壁とを有しており、
前記傾斜壁は、誘導加熱導体の相対移動方向の上流側が対向壁に近接し、下流側へいくほど対向壁から離間するように傾斜しており、
冷却液噴射装置は、冷却液を噴射するノズル部を有し、
冷却液噴射装置は、前記傾斜壁に沿って配置されており、
前記ノズル部が、前記対向壁に近接配置されたことを特徴とする高周波焼入装置。 A hollow induction heating conductor and a coolant injection device are induction hardening devices that quench the heated object while relatively moving along the heated object,
The induction heating conductor has a facing wall that is closely opposed to the object to be heated, and an inclined wall that is continuous with the facing wall.
The inclined wall is inclined so that the upstream side in the relative movement direction of the induction heating conductor is close to the opposing wall and is separated from the opposing wall toward the downstream side,
The coolant injection device has a nozzle portion for injecting coolant,
The coolant injection device is disposed along the inclined wall,
An induction hardening apparatus, wherein the nozzle portion is disposed close to the facing wall.
前記誘導加熱導体は、被加熱物に沿って近接対向する対向壁を有しており、
誘導加熱導体の内部には、仕切部材が設けてあり、
前記仕切部材は、誘導加熱導体の相対移動方向の上流側が対向壁に近接し、下流側へいくほど対向壁から離間するように傾斜して、誘導加熱導体の内部を2つの領域に仕切っており、
各領域には冷却液が供給可能であり、
誘導加熱導体における、対向壁と連続し、且つ、相対移動方向の上流側の壁面に、冷却液噴射孔が設けてあることを特徴とする高周波焼入装置。 A hollow induction heating conductor to which a cooling liquid is supplied is an induction hardening apparatus that induction-heats the object to be heated while relatively moving along the object to be heated,
The induction heating conductor has a facing wall that is closely opposed along the object to be heated;
A partition member is provided inside the induction heating conductor,
The partition member is inclined so that the upstream side in the relative movement direction of the induction heating conductor is close to the opposing wall and is further away from the opposing wall toward the downstream side, thereby dividing the inside of the induction heating conductor into two regions. ,
Each area can be supplied with coolant,
An induction hardening apparatus, characterized in that a cooling liquid injection hole is provided on a wall surface of the induction heating conductor that is continuous with the opposing wall and upstream in the relative movement direction.
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