JP2014035973A - 端子台および端子台の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バスバーが上面に載置されてボルトが締結されるナット20とモータケースに固定されるブラケット30との間に樹脂が流し込まれて一体に成形された端子台10であって、ナット20のボルト締結孔21における開口縁には、成形金型70の位置決めピン73が嵌合可能な嵌合凹部22が形成され、ブラケット30の裏面はシール面30Aとされ、位置決めピン73は、シール面30Aを貫通させないように配置されており、位置決めピン73に嵌合凹部22が嵌合されて位置決めされることにより、ナット20とブラケット30が上下方向に一部が重なるように近接して配置されているところに特徴を有する。
【選択図】図8
Description
この端子台は、機器から延びる導電部材が載置されるナットと、機器に固定されるブラケットとを備えており、ナットの下方に絶縁シートを介して金属製のブラケットを配し、これらを樹脂によって一体に固定することにより構成されている。そして、ブラケットに設けられたボルト挿通孔にボルトを挿通させて機器に締め付けることで、端子台が機器に固定される。
前記ボルト締結孔は、前記ナットを上下方向に貫通して形成されており、前記嵌合凹部は、前記ナットにおける前記ボルト締結孔の上下方向両開口縁に形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、成形金型の支持ピンにナットを配置する時、嵌合凹部が形成された側を確認してからナットを配置する必要が無い。これにより、成形金型内にナットをセットする作業性を向上させることができる。
一般に、上下に型開きする成形金型によって成形される成形品に対して上側に開口する肉抜き部が複数形成されることなどにより、下型に比べて上型の構造が複雑である場合には、成形金型の離型の際に、下型よりも上型の離型抵抗が高くなることにより、成形品が上型に取り残されてしまう現象、いわゆる「キャビ取られ現象」が発生する虞がある。ところが、上記の構成によると、嵌合凹部に支持ピンを嵌合させてナットを支持することで、ナットの下側外周縁部に樹脂を十分に流し込ませることができていることから、ナットの側面を覆うナット覆い部に対して下側に開口する肉抜き部を形成することができる。すなわち、下型の構造を複雑にしたことにより、成形金型の離型の際に、下型に樹脂をより密着させることができる。これにより、端子台が上型に取り残されてしまうキャビ取られ現象を防ぐことができる。
本発明の実施形態1について図1乃至図9を参照して説明する。
本実施形態は、電気自動車やハイブリッド車などの車両に搭載される図示しないモータケースに固定され、三相交流型モータに設けられた三極の図示しないバスバー(「導電部材」の一例)と、インバータに設けられた三極の図示しないバスバー(「導電部材」の一例)とを電気的に接続する端子台10を例示したものである。
ナット覆い部51は、各ナット20の側面を全周に亘って覆うと共に、各ナット20の下側部分を覆うことにより各ナットに密着して形成されており、ナット覆い部51の上面から各ナットの締結面20Aが露出された状態となっている。また、ナット覆い部51は、各ナット20の上側の段付部23を全周に亘って上側から覆っており、ナット20にボルトが締結される際に、ナット20がナット覆い部51から上方に引き抜かれないように抜け止めしている。
端子台10は、ナット20とブラケット30を上下方向に型開きする成形金型70内にセットして、樹脂部50を成形することにより製造される。
そして、ブラケット30とナット20がセットされたところで、下型72に上型71を被せる型閉じ工程を行う。すると、成形金型70内において、ナット20が位置決めピン73と上型71との間で上下方向に挟持され、ナット20とブラケット30がそれぞれ正規の位置に位置決めされた状態となる。つまり、嵌合凹部22を位置決めピン73に嵌合させることで、嵌合凹部22を位置決め凹部として兼用することができる。
最後に、樹脂部50が硬化したところで、成形金型70を上下方向に型開きすることによって本実施形態の端子台10が完成する。
次に、本発明の実施形態2について図10乃至図15を参照して説明する。
実施形態2は、実施形態1における樹脂部50の形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ブラケット30をアルミダイキャスト製としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ブラケットを鉄などの金属によって形成してもよい。
(2)上記実施形態では、ナット20を上下対称形状に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、嵌合凹部がボルト締結孔における一方の開口縁にのみ構成されることで、ナットが上下対称形状に形成されていない構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、嵌合凹部22を円形状に形成し、位置決めピン73を円柱状に形成した構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、嵌合凹部を方形状に形成し、位置決めピンを角柱状に形成した構成にしてもよい。
20:ナット
21:ボルト締結孔
22:嵌合凹部
30:ブラケット
30A:シール面
70,170:成形金型
73:位置決めピン(支持ピン)
155:下側肉抜き部(肉抜き部)
Claims (4)
- 導電部材が上面に載置されてボルトが締結されるナットと機器に固定されるブラケットとの間に樹脂が流し込まれて一体に成形された端子台であって、
前記ナットのボルト締結孔における開口縁には、上下方向に型開きする成形金型に設けられた支持ピンが下側から嵌合可能な嵌合凹部が形成され、
前記ブラケットにおける前記機器に固定される側の面は、前記機器との間でシール部材を挟持するシール面とされ、
前記支持ピンは、前記ブラケットの前記シール面を貫通させないように配置されており、
前記支持ピンに前記嵌合凹部が嵌合されて前記ナットが下側から支持されて位置決めされることにより、前記ナットと前記ブラケットが上下方向に少なくとも一部が重なるように近接して配置されている端子台。 - 前記ボルト締結孔は、前記ナットを上下方向に貫通して形成されており、前記嵌合凹部は、前記ナットにおける前記ボルト締結孔の上下方向両開口縁に形成されている請求項1記載の端子台。
- 前記ナットの側面は、前記樹脂によって形成されたナット覆い部によって覆われており、前記ナット覆い部には、下側に開口する肉抜き部が形成されている請求項1または請求項2に記載の端子台。
- 導電部材が載置されてボルトが締結されるナットと、機器に固定されるブラケットとが樹脂によって一体に成形される端子台の製造方法であって、
上型と下型とが上下方向に型開きする成形金型のうち前記下型に形成された支持ピンが前記ブラケットにおける前記機器に固定される側の面に形成されたシール面を貫通しないように前記ブラケットを配置するブラケット配置工程と、
前記ブラケット配置工程の後、前記支持ピンに前記ナットのボルト締結孔を嵌合させることにより、前記ブラケットの上方に前記ナットを上下方向に対向させるように配置するナット配置工程と、
前記ナット配置工程の後に、前記上型と前記下型と型閉じする型閉じ工程と、
前記型閉じ工程の後に、前記ナットと前記ブラケットの間に前記樹脂を流し込むことにより、前記ナットと前記ブラケットを上下方向に少なくとも一部を重ねるようにして前記ナットと前記ブラケットを前記樹脂によって一体に固定する固定工程とを備える端子台の製造方法。
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