JP2014035152A - ソーラーシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ソーラーシステム1は、太陽光発電パネル2、パネル熱回収器3、貯留タンク4、循環回路5、循環ポンプ6、給水配管7、給湯配管8、センサ9〜12及び制御装置13を備える。制御装置13は、少なくとも外気温度ζと市水温度αとの温度差(ζ−α)に基いて、循環ポンプ6の作動状態を制御し、蓄冷運転、凍結防止運転、冷却蓄熱運転及び給湯運転等を実行する。これにより、例えば夜間には貯留タンク4に低温水を蓄冷し、日照時には、この低温水を用いて太陽光発電パネル2を安定的に冷却することができる。そして、日照時に得られる太陽光エネルギを貯留タンク4に蓄熱して給湯等に効率よく利用することができる。
【選択図】図1
Description
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。なお、本明細書で使用する各図においては、共通する要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。図1は、本発明の実施の形態1によるソーラーシステムを示す構成図である。この図に示すように、ソーラーシステム1は、太陽光発電パネル2、パネル熱回収器3、貯留タンク4、循環回路5、循環ポンプ6、給水配管7、給湯配管8、センサ9〜12及び制御装置13を備えている。
蓄冷運転は、例えば晴天時の深夜から早朝にかけて実行されるものである。なお、図2では、午前0時〜6時前の時間帯に蓄冷運転が実行される場合を例示している。また、早朝とは、日照開始前後の時間帯を意味している。外気温度は、深夜から早朝にかけて時間の経過と共に低下する。このため、蓄冷運転では、外気温度と市水温度との温度差が蓄冷開始判定温度以下の場合に、循環ポンプ6を作動させ、貯留タンク4内の湯水を循環回路5に循環させる。上記蓄冷運転によれば、貯留タンク4内の湯水を取出して当該湯水から大気中に熱を放出し、タンク内水温を市水温度以下に低下させることができ、外部で放熱した低温水を貯留タンク4内に効率よく蓄冷することができる。
冬季等においては、循環回路5を流れる水の凍結を防止するために、循環ポンプ6を連続運転する凍結防止運転を実行する。具体的に述べると、凍結防止運転では、外気温度と市水温度との温度差が凍結の発生温度に対応する凍結判定温度以下の場合に、当該温度条件が継続している限り、循環ポンプ6の作動、出力増加及び給湯配管8からの排水を順次実行する。凍結判定温度は、凍結の虞れが生じるような低い温度に対応するもので、蓄冷開始判定温度Bよりも低い温度として予め設定されている。また、循環ポンプ6の出力増加とは、例えば当該ポンプの吐出流量を増加させることを意味している。
冷却蓄熱運転は、図2に示すように、例えば早朝から夕刻に至る時間帯に、太陽光発電パネル2の冷却を実行しつつ、この冷却動作により回収した熱を貯留タンク4内に蓄熱するものである。なお、夕刻とは、日没前後の時間帯を意味している。日の出開始直後は太陽光発電パネル2の温度が低く、日射量も少ないが、時間の経過に伴って日射量が増加すると、太陽光発電パネル2の発電量も増加する。
給湯運転は、例えば夕刻から深夜にかけて浴槽の湯張りやシャワーの使用等により給湯負荷が発生した場合に実行されるものである。給湯運転では、前述の冷却蓄熱運転により市水温度以上に暖められた状態で貯留タンク4内に貯留された温水を給湯配管8から給湯対象に供給する。なお、給湯運転では、貯留タンク4内の温水を、必要に応じてガス給湯機、電気温水器やヒートポンプ給湯機等により加熱した後に給湯してもよい。
まず、翌日の天気が正午付近のみ曇りの場合には、深夜から早朝にかけて晴天時と同様の蓄冷運転を実行した後に、早朝から夕刻にかけて、以下の冷却蓄熱運転を実行する。この冷却蓄熱運転では、日の出開始直後は晴天時の場合と同様の制御を実行する。しかし、天候が曇りになった場合には、太陽光発電パネル2の発電量が発電量判定値未満となり、かつ、タンク内水温と循環水温との温度差が前記冷却終了判定温度以下となった時点で、循環ポンプ6を停止させる。また、曇りでも日差しが到達し、太陽光発電パネル2の発電量が発電量判定値異常となった場合には、循環ポンプ6を作動させてもよい。なお、給湯運転については、晴天時と同様に実行されるので、説明を省略する。
次に、翌日が一日中雨天や曇天時の場合の動作について説明する。深夜から早朝にかけて、翌日が一日中雨天や曇天時の場合には、高湿度となる上に放射冷却が生じ難くなることから、外気温度は時間によって大きく変化しない。また、早朝から夕刻にかけての時間帯、特に、晴天時に日差しが最も強くなる正午付近でも、太陽光発電パネル2の発電量は、発電量判定値以上となることがないので、循環ポンプ6は停止状態に保持する。なお、この天候でも、凍結防止運転を実行するための温度条件(前述)が成立した場合には、凍結防止運転を実行する。夕刻から深夜にかけての時間帯には、給湯負荷の発生時に貯留タンク4内の水を取出すことで、貯留タンク4内の水を市水と入替える。また、翌日が一日中雨天や曇天時の場合には、蓄冷運転及び冷却蓄熱運転を実行せずに、循環ポンプ6を停止状態に保持する。これにより、循環ポンプ6の消費電力を削減することができる。さらに、給湯負荷の発生時に貯留タンク4内の水を利用することで、長期間にわたって同じ水が貯留タンク4に滞留することがないので、タンク内の衛生状態を向上させることができる。
翌日が一日中降雪する場合には、まず、前述の凍結防止運転により市水の凍結を防止する。そして、凍結運転以外の時間帯には、翌日が一日中雨天や曇りの場合と同様の運転制御を実行する。また、夜間の降雪後に早朝以降の天気が雨天や曇りとなって日照が殆どない場合にも、一日中降雪の場合と同様の運転制御を実行する。一方、夜間の降雪後に早朝以降が晴天となった場合には、翌日が一日中晴天の場合と同様の運転制御を実行する。この場合には、蓄冷運転、凍結防止運転制御を行うことにより、太陽光発電パネル2の温度を外気温度よりも上昇させることができる。従って、これらの運転の効果に加えて、太陽光発電パネル上の積雪を融かすことができ、除雪効果を得ることができる。
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。図7は、本発明の実施の形態2によるソーラーシステムを示す構成図である。本実施の形態のソーラーシステム20は、前記実施の形態1とほぼ同様に構成されているものの、循環回路5の行き管5Aの途中には、放熱器21と、放熱器21を冷却する強制熱交換装置22とが配置されており、この点が実施の形態1と異なっている。強制熱交換装置22は、冷却ファン等により構成されている。
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。図8は、本発明の実施の形態3によるソーラーシステムを示す構成図である。本実施の形態のソーラーシステム30は、前記実施の形態2とほぼ同様に構成されているものの、循環回路5の行き管5Aには、放熱器21を通過せずにバイパスするバイパス通路31と、例えば2個の三方弁32,33とが設けられている。三方弁32,33は、循環回路5を循環する水の流路を、放熱器21とバイパス通路31の何れか一方に切換えるものである。
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。図9は、本発明の実施の形態4によるソーラーシステムを示す構成図である。本実施の形態のソーラーシステム40は、前記実施の形態1とほぼ同様に構成されているものの、太陽光発電パネル2と貯留タンク4との間に介在するタンク熱交換器41を備えている。タンク熱交換器41は、後述のパネル側循環回路42を流れる不凍液と、タンク側循環回路44を流れる水との間で熱交換を行うものである。タンク熱交換器41の1次側には、実施の形態1とほぼ同様のパネル側循環回路42を介してパネル熱回収器3が接続されており、パネル側循環回路42は、タンク熱交換器41の1次側流出口とパネル熱回収器3の流入側とを接続する行き管42Aと、タンク熱交換器41の1次側流入口とパネル熱回収器3の流出側とを接続する戻り管42Bとを備えている。
次に、図10を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。図10は、本発明の実施の形態5によるソーラーシステムを示す構成図である。本実施の形態のソーラーシステム50は、前記実施の形態4に実施の形態2を適用したことを特徴としている。即ち、ソーラーシステム50は、実施の形態4とほぼ同様に構成されているものの、パネル側循環回路42の行き管42Aには、実施の形態2と同様に、放熱器51と、放熱器51を冷却する冷却ファン等の強制熱交換装置52とが配置されている。このように構成される本実施の形態によれば、実施の形態4の構成においても、実施の形態2の効果を得ることができる。
次に、図11を参照して、本発明の実施の形態6について説明する。図11は、本発明の実施の形態6によるソーラーシステムを示す構成図である。本実施の形態のソーラーシステム60は、前記実施の形態5に実施の形態3を適用したことを特徴としている。即ち、ソーラーシステム60は、実施の形態5とほぼ同様に構成されているものの、パネル側循環回路42の行き管42Aには、実施の形態3と同様に、放熱器51を通過せずにバイパスするバイパス通路61と、例えば2個の三方弁62,63とが設けられている。三方弁62,63は、パネル側循環回路42を循環する水の流路を、放熱器51とバイパス通路61の何れか一方に切換えるものである。このように構成される本実施の形態によれば、実施の形態5の構成においても、実施の形態3の効果を得ることができる。
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態7について説明する。図12は、本発明の実施の形態7によるソーラーシステムを示す構成図である。本実施の形態のソーラーシステム70は、前記実施の形態4とほぼ同様の構成を有しているものの、タンク熱交換器71を貯留タンク4内に配置したことを特徴としている。タンク熱交換器71は、循環回路72を流れる不凍液と、貯留タンク4内に貯留された湯水との間で熱交換を行うものである。
次に、図13を参照して、本発明の実施の形態8について説明する。図13は、本発明の実施の形態8によるソーラーシステムを示す構成図である。本実施の形態のソーラーシステム80は、前記実施の形態7に実施の形態2を適用したことを特徴としている。即ち、ソーラーシステム80は、実施の形態7とほぼ同様に構成されているが、循環回路72の行き管72Aには、実施の形態2と同様に、放熱器81と、放熱器81を冷却する冷却ファン等の強制熱交換装置82とが配置されている。このように構成される本実施の形態によれば、実施の形態7の構成においても、実施の形態2の効果を得ることができる。
次に、図14を参照して、本発明の実施の形態9について説明する。図14は、本発明の実施の形態9によるソーラーシステムを示す構成図である。本実施の形態のソーラーシステム90は、前記実施の形態8に実施の形態3を適用したことを特徴としている。即ち、ソーラーシステム90は、実施の形態8とほぼ同様に構成されているが、循環回路72の行き管72Aには、放熱器81を通過せずにバイパスするバイパス通路91と、例えば2個の三方弁92,93が設けられている。三方弁92,93は、循環回路72を循環する水の流路を、放熱器81とバイパス通路91の何れか一方に切換えるものである。このように構成される本実施の形態によれば、実施の形態8の構成においても、実施の形態3の効果を得ることができる。
2 太陽光発電パネル
3 パネル熱回収器
4 貯留タンク
5,42,44,72 循環回路
5A,42A,44A,72A 行き管
5B,42B,44B,72B 戻り管
6,43,45,73 循環ポンプ(輸送手段)
7 給水配管
8 給湯配管
9 外気温度センサ
10 市水温度センサ
11 循環回路温度センサ
12 タンク内水温センサ
13 制御装置(制御手段、日射量検出手段)
21,51 放熱器
22,52 強制熱交換装置
31,61 バイパス通路
32,33,62,63 三方弁
41,71 タンク熱交換器
α 市水温度
β タンク内水温
γ 循環水温
ζ 外気温度
A 凍結判定温度
B 蓄冷開始判定温度
C 蓄冷終了判定温度
D 冷却終了判定温度
E 給湯停止判定温度
Claims (11)
- 太陽光を受けて発電する太陽光発電パネルと、
前記太陽光発電パネルの背面側に設けられた流体の流路を有し、前記太陽光発電パネルの熱を回収することが可能なパネル熱回収器と、
水または湯である湯水が貯留される貯留タンクと、
前記パネル熱回収器と前記貯留タンクとを接続する循環回路と、
前記循環回路を介して前記パネル熱回収器と前記貯留タンクとの間に湯水を循環させる輸送手段と、
前記貯留タンクに市水を供給する給水配管と、
前記貯留タンク内の湯水を給湯対象に供給する給湯配管と、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
前記市水の温度を検出する市水温度検出手段と、
少なくとも前記外気温度と前記市水温度との関係に基いて前記輸送手段を制御する制御手段と、
を備えたソーラーシステム。 - 太陽光を受けて発電する太陽光発電パネルと、
前記太陽光発電パネルの背面側に設けられた流体の流路を有し、前記太陽光発電パネルの熱を回収することが可能なパネル熱回収器と、
水または湯である湯水が貯留される貯留タンクと、
前記貯留タンク内の湯水と熱交換することが可能なタンク熱交換器と、
前記パネル熱回収器と前記タンク熱交換器とを接続する循環回路と、
前記循環回路を介して前記パネル熱回収器と前記タンク熱交換器との間に熱伝達媒体を循環させる輸送手段と、
前記貯留タンクに市水を供給する給水配管と、
前記貯留タンク内の湯水を給湯対象に供給する給湯配管と、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
前記市水の温度を検出する市水温度検出手段と、
少なくとも前記外気温度と前記市水温度との関係に基いて前記輸送手段を制御する制御手段と、
を備えたソーラーシステム。 - 前記制御手段は、前記外気温度と前記市水温度との温度差が蓄冷に適した温度に対応する蓄冷開始判定温度以下の場合に、前記輸送手段を作動させることにより前記貯留タンク内の熱を外部に放熱させ、前記貯留タンク内に蓄冷する蓄冷運転を実行する構成としてなる請求項1または2に記載のソーラーシステム。
- 前記制御手段は、前記外気温度と前記市水温度との温度差が凍結の発生温度に対応する凍結判定温度以下となった場合に、当該温度条件が継続している限り、前記輸送手段の作動、出力増加及び前記給湯配管からの排水を順次実行する凍結防止運転を実行する構成としてなる請求項1乃至3のうち何れか1項に記載のソーラーシステム。
- 日射量に対応するパラメータを検出する日射量検出手段を備え、
前記制御手段は、前記貯留タンク内に蓄冷された状態において、前記日射量検出手段の検出結果が前記太陽光発電パネルの冷却の必要性を判定する判定値以上となった場合に、前記輸送手段を作動させ、前記貯留タンク内の水を前記パネル熱回収器に循環させると共に前記太陽光発電パネルの熱を前記貯留タンク内に蓄熱する冷却蓄熱運転を実行する構成としてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のソーラーシステム。 - 前記制御手段は、前記貯留タンク内に蓄熱された状態で給湯負荷が発生した場合に、前記貯留タンク内の温水を外部に給湯しつつ、前記貯留タンク内の水温を低下させる構成としてなる請求項1乃至5のうち何れか1項に記載のソーラーシステム。
- 前記市水温度と前記外気温度との関係が予め設定された温度関係データを備え、
前記市水温度検出手段は、前記温度関係データに基いて前記外気温度から市水温度を算出する構成としてなる請求項1乃至6のうち何れか1項に記載のソーラーシステム。 - 前記循環回路には、当該循環回路を流れる水の熱を外部に放熱する放熱器を設けてなる請求項1乃至7のうち何れか1項に記載のソーラーシステム。
- 前記循環回路には、当該循環回路を流れる水の熱を外部に放熱する放熱器と、前記放熱器をバイパスするバイパス通路とを設けてなる請求項1乃至7のうち何れか1項に記載のソーラーシステム。
- 前記タンク熱交換器は前記貯留タンク内に配置してなる請求項2に記載のソーラーシステム。
- 前記熱伝達媒体は、水よりも低い凝固温度を有する構成としてなる請求項2に記載のソーラーシステム。
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