JP2014033723A - 成分投与装置 - Google Patents

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條 佳代子 南
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田 清 中
Taizo Iwamura
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Abstract

【課題】取り扱い性に優れた成分投与装置を提供する。
【解決手段】成分投与装置10は、互いに離間して配置された第1電極21および第2電極22と、電極の両方に対面するようにして配置され成分を保持する成分保持体40と、第1および第2電極を電気的に接続するための接続要素25と、を有する。成分投与装置は、成分保持体と、第1電極および第2電極と、接続要素と、を結んで形成される回路12中に配置され得る回路形成手段50をさらに有する。回路形成手段は、回路中から除去されることによって或いは回路中に配置されることによって、自己起電型の閉回路12を形成する
【選択図】図1

Description

本発明は、成分を投与する成分投与装置に関する。
例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、電気エネルギーを利用して成分を経皮投与するイオントフォレシスが知られている。特許文献1および特許文献2には、電極間での標準電極電位の相違を利用した自己起電型の成分投与装置が開示されている。特許文献2の発明の効果の欄に記載されているように、外部電源を利用しない自己起電型の成分投与装置によれば、外部電源を用いる成分投与装置と比較して、長時間安定した成分投与を実現することができる。
自己起電型の成分投与装置では、電気配線によって電気的に接続された一対の電極と、少なくとも一方の電極と皮膚との間に配置される成分保持体と、を有している。成分保持体は、皮膚に投与されるべき成分を保持している。また昨今では、より効率的な成分投与を実現するため、成分保持体が、一対の電極の間を延び、一対の電極の双方と対面する位置に配置されることもある。
特開平03−016573号公報 特開昭60−203270号公報
ただし、経皮投与されるべき成分を保持した成分保持体が、一対の電極と接触して電気的に接続されると、成分保持体と、一対の電極と、一対の電極を接続する配線との間で、自己起電型の閉回路が形成され、通電が始まる。通電が始まると電極はしだいに劣化していき、最終的に通電が停止する。したがって、成分保持体は、一対の電極から離間した状態で保管または保存される。そして、成分投与装置の使用に際し、成分保持体が別途に保管された一対の電極と電気的に接続され、成分を投与されるべき部位に配置される。
しかしながら、使用に際し通常液体である成分を保持した成分保持体を、取り扱うことは煩雑である。また、成分保持体と電極との位置決め精度が低下すると、成分保持体と電極との接触面積が減少してしまい、通電効率が低下してしまう。とりわけこのような不具合は、美容液の投与のように、使用者が自身への成分投与のために用いられる成分投与装置において、より顕著となる。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、取り扱い性に優れた成分投与装置を提供することを目的とする。
本発明による第1の成分投与装置は、
互いに離間して配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の両方に対面するようにして配置され成分を保持する成分保持体と、
前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続するための接続要素であって、前記成分保持体から離間して配置された接続要素と、
前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を結んで形成される回路中に配置され得る回路形成手段であって、前記回路中から除去されることによって或いは前記回路中に配置されることによって、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路を形成する回路形成手段と、を備える。
本発明による第1の成分投与装置において、前記回路形成手段は、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を結んで形成される回路中に配置されており、前記回路中から除去されることによって、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路を形成するようにしてもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、前記回路形成手段は、前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも一方と、前記成分保持体と、の間に除去可能に配置された絶縁性シート状部材であってもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、
前記第1電極は、第1金属を主成分として含有し、
前記第2電極は、前記第1金属よりも高い標準電極電位を有する第2金属を主成分として含有し、
前記回路形成手段は、前記第1電極と前記成分保持体との間に除去可能に配置された絶縁性シート状部材を有するようにしてもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、前記絶縁性シート状部材の表面に、剥離処理が施されていてもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、前記接続要素は、前記第1電極および前記第2電極の間を延び、前記第1電極および前記第2電極に電気的に接続されており、前記第1電極と前記第2電極との間となる領域において前記接続要素および前記成分保持体の間に位置し前記接続要素と前記成分保持体とを互いから離間させる絶縁体が、設けられていてもよい。
本発明による第1の成分投与装置が、シート状の支持体をさらに備え、
前記支持体の一方の面上に、前記接続要素を形成する金属層が設けられ、
前記金属層の前記支持体とは反対側に、前記第1電極層および前記第2電極層が互いから離間して設けられ、且つ、前記第1電極層および前記第2電極層が前記金属層に電気的に接続され、
前記金属層の前記支持体とは反対側の前記第1電極と前記第2電極との間となる領域に絶縁体が設けられ、
前記成分保持体は、前記絶縁体を介して前記金属層から離間して、前記第1電極に対面する位置と前記第2電極に対面する位置との間を延びていてもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、前記回路形成手段は、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を含んで形成される回路中に配置可能であって、前記回路中に配置されることによって、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路を形成するようにしてもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、
前記接続要素は、前記第1電極と電気的に接続された第1部分と、前記第1部分から離間して配置され且つ前記第2電極と電気的に接続された第2部分と、を有し、
前記回路形成手段は、前記第1部分と前記第2部分との間となる領域を含む回路開放部分に配置可能であり、
前記回路形成手段は、当該回路形成手段が前記回路開放部分に配置された場合に、前記第1部分と前記第2部分とを電気的に連結する連結部材を含むようにしてもよい。
本発明による第1の成分投与装置が、前記第1電極と前記第2電極との間となる領域において前記接続要素および前記成分保持体の間に位置し前記接続要素と前記成分保持体とを互いから離間させる絶縁体を、さらに備えるようにしてもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、前記絶縁体のうちの、前記第1部分と前記第2部分との間となる領域に対面する位置に、当該絶縁体を貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、前記連結部材は、前記回路開放部分に配置された場合に前記絶縁体の前記貫通孔に対面する位置を迂回して前記第1部分と前記第2部分との間を延びる連結導電体を含んでいてもよい。
本発明による第1の成分投与装置が、前記第1電極、前記接続要素および前記第2電極の前記成分保持体の側とは反対の側に設けられた絶縁性の支持体を、さらに備え、
前記支持体には、前記回路開放部分を露出させる開口が形成されていてもよい。
本発明による第1の成分投与装置において、前記回路形成手段は、前記開口内に配置可能となっていてもよい。
本発明による第1の成分投与装置が、前記第1電極、前記接続要素および前記第2電極の前記成分保持体の側とは反対の側に設けられた絶縁性の支持体を、さらに備えるようにしてもよい。
本発明による第2の成分投与装置は、
互いに離間して配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の両方に対面するようにして配置され成分を保持する成分保持体と、
前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続するための接続要素であって、前記成分保持体から離間して配置された接続要素と、
前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を結んで形成される回路中に配置された回路形成手段であって、前記回路中から除去されることによって、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路を形成する回路形成手段と、を備える。
本発明による第3の成分投与装置は、
互いに離間して配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の両方に対面するようにして配置され成分を保持する成分保持体と、
前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続するための接続要素であって、前記成分保持体から離間して配置された接続要素と、
前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも一方と、前記成分保持体と、の間に除去可能に配置された絶縁性シート状部材と、を備え、
前記絶縁性シート状部材を前記電極と前記成分保持体との間から除去することによって、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路が形成される。
本発明による第4の成分投与装置は、
互いに離間して配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の両方に対面するようにして配置され成分を保持する成分保持体と、
前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続するための接続要素であって、前記成分保持体から離間して配置された接続要素と、
前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を含んで形成される回路中に配置可能な回路形成手段であって、前記回路中に配置されることによって、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路を形成する回路形成手段と、を備える。
本発明による第5の成分投与装置は、
互いに離間して配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の両方に対面するようにして配置され成分を保持する成分保持体と、
前記第1電極と電気的に接続された第1部分と、前記第1部分から離間して配置され且つ前記第2電極と電気的に接続された第2部分と、を有する接続要素と、を備え、
前記第1部分と前記第2部分との間となる領域を含む回路開放部分に配置可能な連結部材であって、前記回路開放部分に配置された場合に、前記第1部分と前記第2部分とを電気的に連結する連結部材と、を備え、
前記第1部分と前記第2部分とを前記連結部材で電気的に連結することによって、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路が形成される。
本発明によれば、成分投与装置の取り扱い性を効果的に改善することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、成分投与装置の一例を示す断面図である。 図2は、図1の成分投与装置を示す平面図である。 図3は、図1の成分投与装置の使用方法を説明するための図である。 図4は、図1に対応する図であって、成分投与装置の他の例を示す断面図である。 図5は、図4の成分投与装置の電極デバイスを示す平面図である。 図6は、図4の成分投与装置の回路形成手段を示す斜視図である。 図7は、図5の電極デバイスの作製方法を説明するための図であって、支持体を示す平面図である。 図8は、図5の電極デバイスの作製方法を説明するための図であって、絶縁体および接続要素を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図8は、本発明の一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1〜図3は、成分投与装置の一例を説明するための図であって、図4〜図8は、成分投与装置の他の例を説明するための図である。まず、図1〜図3に示された成分投与装置10の第1の例について説明する。
図1に示すように、成分投与装置10は、互いから離間して配置された第1電極21および第2電極22を含む電極デバイス15と、電極デバイス15に対面するように配置された成分保持体40と、を有している。電極デバイス15は、第1電極21および第2電極22を電気的に接続するための接続要素25を有している。成分投与装置10の使用状態を示す図3に示されているように、この成分投与装置10では、第1電極21と第2電極22との標準電極電位の相違に起因した自己起電により、各電極21,22に対面する位置において、成分保持体40に保持された成分が皮膚に導入されるようになる。すなわち、この成分投与装置10は、皮膚上に配置されて、成分を経皮投与するイオントフォレシスに用いられる。
なお、図1および図2は、成分投与装置10の使用前の状態を示している。そして、ここで説明する成分投与装置10は、当該成分投与装置10の使用前における通電を規制するために、回路形成手段50をさらに有している。以下、成分投与装置10の各構成要素について順に説明していく。
まず、この成分投与装置10の電極デバイス15について説明する。上述したように、電極デバイス15は、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を有している。図1に示すように、接続要素25は、第1電極21および第2電極22の間を延び、第1電極21および第2電極21に電気的に接続されている。図1に示された成分投与装置10は、第1電極21と第2電極21との間となる領域において接続要素25および成分保持体40の間に位置する絶縁体30を、さらに有している。加えて、図1に示すように、成分投与装置10は、第1電極21、接続要素25および第2電極22の成分保持体40側とは反対側に設けられた絶縁性の支持体35を、さらに有している。
支持体35は、電極デバイス15において、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を支持し得る層として機能する。支持体35は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製シートを用いて作製され得る。図示された支持体35は、図2に示すように、長楕円形状に形成されている。図1に示された例において、接続要素25は、支持体35の成分保持体40側の面上に積層された金属層26として形成されている。金属層26は、例えば金属箔の転写や蒸着等によって、支持体35上に作製され得る。第1電極21および第2電極22は、接続要素25をなす金属層26上に形成されている。第1電極21および第2電極22は、それぞれ金属箔から構成され得る。図1に示された例において、第1電極21および第2電極22は、それぞれ導電性接着剤21a,22aを介して金属層26に接着かつ電気的に接続された金属箔として形成されている。
なお、本件においては、「接着」は「粘着」を含む概念として用いる。したがって、例えば、「接着剤」は「粘着剤」を含む概念であり、「接着性」は「粘着性」を含む概念である。
ところで、第1電極21は、第1金属を主成分として(すなわち、最も多い割合で)含んでおり、第2電極22は、第1金属とは異なる第2金属を主成分として(すなわち、最も多い割合で)含んでいる。そして、第1金属の標準電極電位は、第2金属の標準電極電位よりも低くなっている。
このため、図3に示された使用状態において、第1金属を主成分として含む第1電極21並びに第2金属を主成分として含む第2電極22が、接続要素25と、成分保持体40および皮膚と、の二つの経路で接続されると、標準電極電位の相違に起因した自己起電により、電流が流れる。ここで説明する成分投与装置10では、第1電極21から接続要素25を通過して第2電極22へ電子が流れ、さらに、第2電極22から成分保持体40へ向けて電子が放出される。図3に矢印で示すように、電流Iは、電子と逆方向に、第2電極22から接続要素25を通過して第1電極21へ流れる。
なお、第1電極21の主成分をなす第1金属として、例えば、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等を用いることができる。したがって、第1電極21は、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、これらの金属の合金、これらの金属の酸化物、これらの金属を用いた半導体等から構成され得る。一方、第2電極22の主成分をなす第2金属として、例えば、金、銀、プラチナ等を用いることができる。
次に、成分保持体40について説明する。図1に示すように、成分保持体40は、第1電極21に対面する位置から第2電極22に対面する位置まで延びている。そして、成分保持体40は、第1電極21および第2電極22のそれぞれに接触している。成分保持体40は、好ましくは、対面する面の一部領域において電極デバイス15に接合されている。この場合、成分保持体40が電極デバイス15に対して所定の位置に保たれ、第1電極21および第2電極22に対面する位置に成分保持体40が位置するようになる。また、図3に示すように、成分投与装置10は、この成分保持体40を介して皮膚に接触するようになる。このため、成分保持体40が或る程度の接着性を有し、成分保持体40が皮膚に接着して、成分投与装置10が当該皮膚上に保持されることが好ましい。
成分保持体40は、皮膚に投与されるべき成分を少なくとも一時的に保持している。成分保持体40は、一例として、成分を含有したゲル状物や、成分を吸収したシート状物から構成され得る。成分保持体40に保持される成分は、例えば、薬剤成分や美容液等とすることができる。とりわけ、成分保持体40に保持される成分として、イオン化し得る成分が含まれていることが好ましい。
次に、回路形成手段50について説明する。回路形成手段50は、成分投与装置10の内部に使用時に形成されるようになる回路12中に配置可能であり、当該回路12中から除去されることによって或いは当該回路12中に配置されることによって、成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路12を形成する。図3に示されているように、回路形成手段50が配置可能となる自己起電型の閉回路12は、成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を結んで成分投与装置10の内部に形成される。また、別の自己起電型の閉回路14が、皮膚内と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を結んで形成される。図1に示すように、図示された例では、回路形成手段50は、皮膚を用いて形成される別の回路14中にも配置可能となっている。
図1〜図3を参照して説明する第1例の成分投与装置10において、回路形成手段50は、成分投与装置10の使用前の状態にて、成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を結んで形成される回路12中に配置されている。この回路形成手段50は、第1電極21および第2電極22のうちの少なくとも一方と、成分保持体40と、の間に除去可能に配置された絶縁性シート状部材51として形成されている。絶縁性シート状部材51は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製シートを用いて作製され得る。
図1および図2に示された例において、回路形成手段50は、第1電極21と成分保持体40との間に配置されている。第1電極21は、回路形成手段50によって、成分保持体40から非接触状態に保たれる。したがって、回路形成手段50が成分投与装置10内に配置されている場合には、第1電極21および第2電極22が、接続要素25のみによって電気的に接続されているので、回路12は遮断された状態となっており、第1電極21と第2電極22との間に電流が流れることはない。
回路形成手段50は、例えば、成分保持体40および電極デバイス15の少なくとも一方をめくり上げることによって、成分投与装置10から除去され得る。回路形成手段50は、成分保持体40および電極デバイス15の間の一部分にのみ挿入されている。したがって、成分保持体40および電極デバイス15の少なくとも一方を部分的にめくれば、成分投与装置10から回路形成手段50を十分に除去することができる。このため、回路形成手段50の除去に起因して、予め位置決めされた成分保持体40と電極デバイス15とが位置ずれしてしまうことを効果的に防止することができる。
また、回路形成手段50の除去に起因した成分保持体40と電極デバイス15との位置ずれを防止する観点からは、回路形成手段50の表面に剥離処理が施されていることが好ましい。具体的には、樹脂製フィルムをシリコンコートすることにより、回路形成手段50を作製することができる。回路形成手段50の表面に剥離処理が施されている場合、成分保持体40と電極デバイス15とを互いから引き離すことなく、単に成分保持体40および電極デバイス15に対して回路形成手段50をスライドさせることによって、成分保持体40および電極デバイス15の間から回路形成手段50を引く抜くことができる。
以上のような構成からなる成分投与装置10は、使用前、回路形成手段50を含んだ状態で保存、保管される。この際、成分保持体40に保持された成分の蒸発および変質等を防止するため、回路形成手段50を含んだ成分投与装置10は、成分保持体40に保持される成分に対して好ましい性質を有した包装材、例えばUV光バリヤ性や酸素バリヤ性を有した包装材によって包装される。
次に、以上の構成からなる成分投与装置10の作用について説明する。
まず、電極デバイス15と、成分保持体40と、電極デバイス15および成分保持体40の間の一部分に配置された回路形成手段50と、を有する成分投与装置10を、図示しない包装材から取り出す。包装材からの取り出し後、或いは、包装材からの取り出しと並行して、成分投与装置10から回路形成手段50を除去する。
既に説明したように、電極デバイス15および成分保持体40の少なくとも一方を部分的にめくることにより、或いは、電極デバイス15および成分保持体40に対して回路形成手段50を単にスライドさせることにより、成分投与装置10から回路形成手段50を除去することができる。すなわち、電極デバイス15および成分保持体40の少なくとも一部分が相対位置を保持した状態で、成分投与装置10から回路形成手段50を除去することができる。したがって、回路形成手段50の除去に起因して、予め位置決めされた成分保持体40と電極デバイス15とが位置ずれしてしまうことを効果的に防止することができる。これにより、第1電極21および第2電極22に対面する位置に成分保持体40が安定して位置し続けることになる。
次に、成分を投与されるべき部位の皮膚上に成分保持体40が接触するようにして、成分投与装置10が配置される。ただし、この順番に限られることなく、回路形成手段50の除去は、成分投与装置10の皮膚上への配置後に実施されてもよいし、成分投与装置10の皮膚上への配置と並行して実施されてもよい。
ところで、回路形成手段50が除去されると、第1電極21と成分保持体40とが接触する。すなわち、第1電極21および第2電極22が、接続要素25を介して電気的に接続されるとともに、成分保持体40を介しても電気的に接続されることになる。これにより、成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を電気的に接続してなる閉回路12が形成されるようになる。そして、第1電極21および第2電極22との間での標準電極電位の相違により、この閉回路12での通電が始まる。またさらに、回路形成手段50を除去された成分投与装置10の成分保持体40が皮膚に接触すると、皮膚と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を電気的に接続してなる閉回路14が形成され、この閉回路14での通電が始まる。
第1電極21の主成分である第1金属の標準電極電位は、第2電極22の主成分である第2金属の標準電極電位よりも低い。したがって、第1電極21から接続要素25を通過して第2電極22へ電子が流れ、さらに、第2電極22から成分保持体40へ向けて電子が放出される。これにともなって、図3に示すように、第2電極22に対面する領域では、成分保持体40に含まれる成分のうちのマイナスに帯電したイオン化成分Xが、皮膚に導入される。逆に、第1電極21に対面する領域では、成分保持体40に含まれる成分のうちのプラスに帯電したイオン化成分Yが、皮膚に導入される。このようにして、成分投与装置10によってイオントフォレシスが実施される。
また、イオン化成分X,Yの成分保持体40から皮膚へ向けた導入にともなって、成分保持体40に保持された液体が、成分保持体40から皮膚へ向けて流れる。そしてこの液体の流れにより、イオン化していない成分も、成分保持体40から皮膚へ投与される。
なお、図3に示すように、電流Iは、電子と逆方向に、第2電極22から接続要素25を通過して第1電極21へ流れる。すなわち、電流が、回路14を構成する皮膚内を第1電極21の側から第2電極22の側へと流れる。同時に、電流が、回路12を構成する成分保持体40内を第1電極21の側から第2電極22の側へと流れる。このように、成分保持体40が、互いに離間して配置された第1電極21および第2電極22の両方に対面するようにして延びているため、第1電極21および第2電極22の直下にて成分を導入することができるとともに、成分を導入されるべき皮膚の表面および内部の両方にて通電を行うことができる。このような方法によれば、成分保持体40に保持された成分を、短時間で効果的に皮膚に導入することが可能となる。すなわち、極めて効果的にイオントフォレシスを実施することができる。
なお、自己起電型のイオントフォレシスをより安定してより安全に実施する観点からは、第1電極21の第1金属と第2電極22の第2金属との間での標準電極電位の差が、0.3V以上3V以下であることが好ましく、0.5V以上1.5V以下であることがより好ましい。
以上のようにして、成分投与装置10により皮膚への成分導入が進む。ただし、時間の経過により、例えば第1電極21からの電子の放出が停止し、回路12および回路14での自己起電力が消失する。このとき、回路12および回路14に電流が流れなくなる。このようにして、成分投与装置10による皮膚への成分導入が終了する。
ところで、以上のような成分投与装置10では、予め、成分保持体40が電極デバイス15の電極21,22に対して位置決めされている。したがって、従来の成分投与装置のように、電極デバイスとは別途に包装された成分保持体を、使用直前に、電極デバイスの電極に対して位置決めするといった煩雑な処置を行う必要がない。この点から、ここで説明した成分投与装置10は、取り扱い性において非常に優れている。また、ここで説明した成分投与装置10は、予め精度よく成分保持体40と電極デバイス15の電極21,22とが位置決めされているので、成分保持体40に保持された成分の導入を、安定して実施することができる。
その一方で、成分投与装置10は、当該成分投与装置10の使用前における通電を規制するために、回路形成手段50をさらに有している。この回路形成手段50は、成分投与装置10の内部に使用時に形成されるべき回路12中に配置可能であり、当該回路12中から除去されることによって或いは当該回路12中に配置されることによって、成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路12を形成する。この回路形成手段50によって、成分投与装置10の使用前に、第1電極21と第2電極22との間での通電が生じることを効果的に防止することができる。
すなわち、電極デバイス15の電極21,22に対して成分保持体40を予め位置決めしておきながら、成分投与装置10の使用前での通電を防止して、意図した使用状態では成分導入を長時間にわたって実施することができる。したがって、回路形成手段50を設けたことによって、安定した成分導入を長時間にわたって実施することが可能となる。
また、第1電極21は、第2電極22の主成分をなす第2金属よりも標準電極電位が低い第1金属を主成分として含んでいる。このような第1電極21は、第1電極22と比較して、イオン性成分と接触した際に電子を放出しやすくなる。図1〜図3に示された成分投与装置10によれば、回路形成手段50は、第1電極21と成分保持体40との間に除去可能に配置された絶縁性シート状部材51を有している。つまり、図1〜図3に示された例では、電子をより放出しやすい第1電極21が、絶縁性シート状部材51によって、イオン性成分を含んだ成分保持体40から離間されている。したがって、使用前における成分保持体40との接触に起因した第1電極21のイオン化を効果的に防止することができる。
次に、図4〜図8に示された成分投与装置10の第2の例について説明する。なお、以下では、成分投与装置10の第2例のうちの上述した成分投与装置10の第1例と異なる点について主として説明し、上述した成分投与装置10の第1例と同様に構成され得る部分については、すべてを繰り返し説明することなく、重複説明を省略する。また、以下の説明および図4〜図8では、上述した成分投与装置10の第1例の対応する部分と同様の符号を付している。
図4〜図8に示された成分投与装置10は、互いから離間して配置された第1電極21および第2電極22を含む電極デバイス15と、電極デバイス15に対面するように配置された成分保持体40と、を有している。このうち、成分保持体40は、上述した第1例の成分保持体40と同様に構成され得る。したがって、電極デバイス15に対して成分保持体40を予め位置決めして配置することが可能であり、さらには、電極デバイス15に対して成分保持体40を予め位置決めして当該電極デバイス15に対して接合しておくことも可能である。また、図4〜図8に示された成分投与装置10は、当該成分投与装置10の使用時における通電を実現するために、回路形成手段50をさらに有している。
図4に示すように、電極デバイス15は、第1電極21及び第2電極22と、第1電極21および第2電極22を電気的に接続するための接続要素25と、第1電極21と第2電極21との間となる領域において接続要素25および成分保持体40の間に位置する絶縁体30と、を有している。加えて、図4に示すように、成分投与装置10は、第1電極21、接続要素25および第2電極22の成分保持体40側とは反対側に設けられた絶縁性の支持体35を、さらに有している。
なお、図4では、成分投与装置10の使用前の状態が示されている。一方、図5では、成分投与装置10の使用前の状態が実線で示され、成分投与装置10の使用中の状態が二点鎖線で示されている。図4および図5に示された成分投与装置10においては、回路形成手段50は、図1〜図3の回路形成手段と異なり、使用前の状態において電極デバイス15の回路12内に配置されていない。一方、図4および図5に示された回路形成手段50は、使用中の状態において電極デバイス15の回路12の一部をなしている。
まず、成分投与装置10の電極デバイス15について説明する。図4に示すように、支持体35は、電極デバイス15において、第1電極21および第2電極22と、を支持し得る層として機能する。第1電極21は、接着剤21bを介して支持体35に接合され、第2電極22は、接着剤22bを介して支持体35に接合されている。絶縁体30は、電極21,22と同一の側から支持体35に接合されている。絶縁体30と支持体35との間に、接続要素25が設けられている。したがって、接続要素25は、絶縁体30を介して成分保持体40から離間している。図4に示すように、接続要素25は、例えば導電性接着剤25aを介して、第1電極21および第2電極22のそれぞれと電気的に接続されている。
図5に示すように、接続要素25は、第1電極21と電気的に接続された第1部分27と、第1部分27から離間して配置され且つ第2電極22と電気的に接続された第2部分28と、を有している。より詳細には、接続要素25の第1部分27は、その第1端部27aにおいて、第1電極21と電気的に接続されている。接続要素25の第2部分28は、その第1端部28aにおいて、第2電極22と電気的に接続されている。第1部分27の第2端部27bと第2部分28の第2端部28bとは、対面するようにして、互いから離間して配置されている。
図4および図5に示すように、絶縁体30のうちの、第1部分27の第2端部27bと第2部分28の第2端部28bとの間となる領域に対面する位置に、当該絶縁体30を貫通する貫通孔31が形成されている。また図4に示すように、支持体35には開口36が形成されており、この開口36は、第1部分27の第2端部27bと第2部分28の第2端部28bとの間となる領域を含む回路開放部分13に通じている。したがって、図5に示すように、接続要素25の第1部分27の第2端部27bと第2部分28の第2端部28bとが、開口36内に露出している。
このような電極デバイス15は、次に説明するように、第1電極21および第2電極22を設けられた支持体35と、接続要素25を形成された絶縁体30と、を接合することにより、作製され得る。まず、図7に示すように、支持体35には、開口36が形成される。開口36が形成される点を除き、支持体35は、上述した第1例の支持体と同様に構成され得る。また、図4〜図8に示された第2例においても、第1電極21の主成分である第1金属の標準電極電位は、第2電極22の主成分である第2金属の標準電極電位よりも、低くなっている。そして、第1電極21および第2電極22は、上述した第1例の第1電極および第2電極と同様の材料を用いて作製され得る。
図8に示された、第1部分27および第2部分28を設けられた絶縁体30は、まず、絶縁体30に直線状に延びる金属配線を形成し、その後、金属配線を絶縁体30とともに貫通するスリットを形成することによって、容易に作製され得る。この際、分断された金属配線が、接続要素25の第1部分27および第2部分28をそれぞれ形成する。また、絶縁体30に作製されたスリットが、貫通孔31を形成する。絶縁体30は、上述した第1例の絶縁体と同様の材料を用いて同様に作製され得る。また、接続要素25をなす金属配線は、絶縁体30上に銀やアルミニウム等を印刷することによって、形成され得る。
次に、回路形成手段50について説明する。成分投与装置10の第2例において、回路形成手段50は、成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を結んで形成される回路12中に配置可能である。そして、回路形成手段50が当該回路中に配置されることによって、成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路12が形成されるようになる。
図4〜図8を参照して説明する第2例の成分投与装置10において、回路形成手段50は、成分投与装置10の使用前の状態にて、電極デバイス15の接続要素25から離間して配置されている。ただし、この回路形成手段50は、接続要素25の第1部分27と第2部分28との間となる領域を含む回路開放部分13、言い換えると、貫通孔31を含む回路開放部分13に配置可能な連結部材として構成されている。とりわけこの回路形成手段50は、図5に示すように、支持体35の開口36内に配置可能となっている。そして、回路形成手段50をなす連結部材53が回路開放部分13に配置された場合に、接続要素25の第1部分27と第2部分28とが電気的に連結されるようになる。
連結部材53が回路開放部分13に配置されることによって第1部分27と第2部分28とが電気的に連結されると、成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を電気的に接続してなる閉回路12が形成されるようになる。そして、第1電極21および第2電極22との間での標準電極電位の相違により、この閉回路12での通電が始まる。またさらに、成分投与装置10の成分保持体40が皮膚に接触すると、皮膚と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、を電気的に接続してなる閉回路14が形成され、この閉回路14での通電が始まる。
図4〜図6に示された例において、連結部材53は、絶縁性の支持基材55と、支持基材55に支持された連結導電体54と、を有している。連結部材53の連結導電体54は、絶縁体30の貫通孔31に対面する位置を迂回して第1部分27と第2部分28との間を延びるようになっている。具体的には、連結部材53のうちの、当該連結部材53が回路開放部分13に配置された場合に絶縁体30の貫通孔31に対面するようになる位置に、貫通孔31よりも大きい貫通孔56が形成されている。この貫通孔56によって輪郭が画成された連結導電体54によれば、絶縁体30の貫通孔31に対面する位置を迂回して第1部分27と第2部分28とを電気的に連結することができる。これにより、連結部材53の連結導電体54と成分保持体40とが短絡してしまうことを効果的に防止することができる。
なお、連結部材53の連結導電体54は、金属箔等の金属から構成してもよいし、導電性接着剤から構成してもよい。連結導電体54が導電性接着剤から構成されている場合には、成分投与装置10の使用状態において、連結部材53を回路開放部分13に接着固定することができる。
このような第2例に係る成分投与装置10は、成分保持体40と電極デバイス15とが位置決めされた状態で、例えば成分保持体40に保持される成分に対して好ましい性質を有した包装材に収容されて、保管、保存され得る。
図4〜図8に示された第2例に係る成分投与装置10によっても、上述した第1例と同様に、次の作用効果を期待することができる。
第2例に係る成分投与装置10では、予め、成分保持体40が電極デバイス15の電極21,22に対して位置決めされている。したがって、従来の成分投与装置のように、電極デバイスとは別途に包装された成分保持体を、使用直前に、電極デバイスの電極に位置決めするといった煩雑な処置を行う必要がない。この点から、第2例に係る成分投与装置10は、取り扱い性において非常に優れている。また、第2例に係る成分投与装置10は、予め精度よく成分保持体40と電極デバイス15の電極21,22とが位置決めされているので、成分保持体40に保持された成分の導入を、安定して実施することができる。
その一方で、使用前の回路形成手段50が電極デバイス15の回路開放部分13に配置されていない状態では、第1電極21と第2電極22との間に電流が流れない。このような回路形成手段50を用いることによって、成分投与装置10の使用前に、第1電極21と第2電極22との間での通電が生じることを効果的に防止し、電極21,22の劣化を効果的に防止することができる。
すなわち、電極デバイス15の電極21,22に対して成分保持体40を予め位置決めしておきながら、成分投与装置10の使用前における通電を防止して、意図した使用状態では成分導入を長時間にわたって実施することが可能となる。したがって、接続要素25を第1部分27及び第2部分28に分断しておき且つ接続要素25の第1部分27及び第2部分28を連結可能な回路形成手段50を設けたことによって、安定した成分導入を長時間にわたって実施することが可能となる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。図1〜図3を参照しながら説明した第1例において、回路形成手段50が、使用前の成分投与装置10において、第1電極21と成分保持体40との間のみに配置される例を示したがこれに限られない。成分保持体40と、第1電極21および第2電極22と、接続要素25と、によって形成される回路12中のその他の位置に、回路形成手段50が配置されるようにしてもよい。また、この回路12中に複数の回路形成手段50が設けられるようにしてもよい。
また、図4〜図8を参照しながら説明した第2例において、絶縁体30に貫通孔31が形成されている例を示したが、これに限られず、絶縁体30に貫通孔31を設けなくてもよい。例えば、スクリーン印刷等によれば、互いから離間した第1部分27および第2部分28を絶縁体30の表面上に容易に形成することができる。また、この例においては、回路形成手段50をなす連結部材53の連結導電体54が、絶縁体30の貫通孔31を介して成分保持体40に短絡することがない。したがって、連結導電体54に貫通孔56を設けなくてもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3に係る成分投与装置および比較例1および2に係る成分投与装置を次に説明するようにして作製し、作製された成分投与装置を十人のパネラーが実際に使用し、取り扱い性を評価した。
<成分投与装置>
〔実施例1〕
実施例1に係る成分投与装置として、図1〜図3を参照しながら説明した第1例における成分投与装置を作製した。
まず、電極デバイスを以下のようして作製した。厚さが25μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム(東レフィルム加工株式会社製「ルミラー(登録商標)」)の一方の面に、アルミニウムを400Åの厚さで物理蒸着し、次に長楕円状に切り取って支持体として用いた。このポリエチレンテレフタレート製フィルムの一方の面に、アルミニウムを400Åの厚さで物理蒸着し、金属層をなすアルミニウム蒸着層を形成した。次に、導電性両面接着剤(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製「T4420W」)を用いて亜鉛箔(厚さ5μm)をアルミニウム蒸着層上に貼り付けることにより、第1電極を形成した。また、導電性両面接着剤(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製「T4420W」)を用いて金箔(厚さ1μm)をアルミニウム蒸着層上に貼り付けることにより、第2電極を形成した。アルミニウム蒸着層の表面のうちの第1電極および第2電極によって覆われていない領域に、スクリーン印刷によって、絶縁インクを塗布し、絶縁体を形成した。
成分保持体40を以下のようにして作製した。まず、次の材料を撹拌しながら加熱溶解した。
・アガロース 3重量%
・塩化ナトリウム 0.5重量%
・リン酸アスコルビルナトリウム 7重量%
・水溶性コラーゲン 重量1%
・水 88.5重量%
次に、加熱溶解した材料を、厚みが1mmとなるように冷却固化してゲル状物を作製した。得られたゲル状物を、電極デバイスと同等の形状に打ち抜くことにより、美容ゲルシートとしての成分保持体を作製した。
厚さが60μmの延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工製「トレファンBO」)を用いて、絶縁性シート状部材を作製した。図2に示された成分投与装置のように、絶縁性シート状部材が第1金属と成分保持体との間の全域に延び亘るようにして、電極デバイスと、絶縁性シート状部材と、成分保持体とを積層して、成分投与装置を作製した。成分保持体は、或る程度の接着性を有しており、電極デバイスおよび絶縁性シート状部材に接着した。ただし、成分保持体の接着力は弱く、絶縁性シート状部材は、電極デバイスおよび成分保持体から除去可能であった。
〔実施例2〕
実施例2に係る成分投与装置として、図1〜図3を参照しながら説明した第1例における成分投与装置を作製した。実施例2に係る成分投与装置は、実施例1に係る成分投与装置と、絶縁性シート状部材が異なるだけで、他は同一に構成した。
実施例2に係る成分投与装置において、絶縁性シート状部材は、両面の剥離性の程度が異なるシリコンコートポリエチレンテレフタレート(三井化学東セロ株式会社製「SP−PET−DV2−BU」)とした。絶縁性シート状部材は、より剥離しやすくなる超軽剥離側の面が成分保持体に対面し且つもう一方の中剥離側の面が電極デバイスに対面するようにして、電極デバイスと成分保持体との間に配置した。
〔実施例3〕
実施例3に係る成分投与装置として、図4〜図8を参照しながら説明した第2例における成分投与装置を作製した。つまり、実施例3に係る成分投与装置は、電極デバイス15と、成分保持体40と、連結部材53と、を有するようにした。
まず、電極デバイスを以下のようして作製した。厚さが20μmの延伸ポリプロピレン製フィルムを、長楕円状に切り取り且つ中央に開口を形成し、支持体として用いた。この延伸ポリプロピレン製フィルムの一方の面に、接着剤を用いて亜鉛箔(厚さ5μm)を貼り付けることにより、第1電極を形成した。また、延伸ポリプロピレン製フィルムの一方の面に、接着剤を用いて金箔(厚さ1μm)を貼り付けることにより、第2電極を形成した。
次に、厚さが25μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムに、導電性インキ(東洋インキ製の銀ペースト)をスクリーン印刷にて印刷した。ポリエチレンテレフタレート製フィルムを延伸ポリプロピレン製フィルムと重ねた際に、ポリエチレンテレフタレート製フィルムの導電性インキの両端部が延伸ポリプロピレン製フィルムの電極と接触するような大きさに、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを断裁した。その後、導電性インキを分断する貫通孔をポリエチレンテレフタレート製フィルムに形成した。これにより、分断された導電性インキから接続要素の第1部分および第2部分が形成された。
次に、電極と導電性インキからなる接続要素とが対面するようにして、延伸ポリプロピレン製フィルムとポリエチレンテレフタレート製フィルムとを接合し、電極デバイスを得た。得られた電極デバイスにおいて、延伸ポリプロピレン製フィルムが支持体を形成し、ポリエチレンテレフタレート製フィルムが絶縁体を形成するようになった。延伸ポリプロピレン製フィルムの開口は、接続要素の回路開放部分を露出させる位置に配置された。すなわち、延伸ポリプロピレン製フィルムの開口内に、導電性インキの分断箇所が露出するようになった。
実施例3に係る成分投与装置の成分保持体は、実施例1に係る成分投与装置の成分保持体と同一に構成した。
実施例3に係る成分投与装置の連結部材は、厚さが25μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムに、導電性接着剤を貼り付けることによって、形成した。そして、連結部材53は、電極デバイスの支持体に形成された開口に入る大きさとした。連結部材には、電極デバイスの絶縁体に形成された貫通孔に対応した貫通孔を形成し、連結部材が電極デバイスの開口内に配置された場合に、連結部材と成分保持体とが短絡しないようにした。
〔比較例1〕
比較例1に係る成分投与装置は、電極デバイスと成分保持体とを有するようにした。比較例1に係る成分投与装置の電極デバイスは、実施例1に係る成分投与装置の電極デバイスと同一に構成し、比較例1に係る成分投与装置の成分保持体は、実施例1に係る成分投与装置の成分保持体と同一に構成した。ただし、比較例1に係る成分投与装置は、電極デバイスと成分保持体とを別体として準備し、使用者が、成分投与装置の使用直前に、電極デバイスと成分保持体とを貼り合わせる構成とした。
〔比較例2〕
比較例2に係る成分投与装置は、電極デバイスと成分保持体とを有するようにした。比較例2に係る成分投与装置の電極デバイスは、実施例1に係る成分投与装置の電極デバイスと同一に構成し、比較例2に係る成分投与装置の成分保持体は、実施例1に係る成分投与装置の成分保持体と同一に構成した。ただし、比較例2に係る成分投与装置は、電極デバイスと成分保持体とを使用前から貼り合わせた構成とした。
<評価方法>
上述の実施例1〜3に係る成分投与装置および比較例1および2に係る成分投与装置を、一週間、常温保存した。各成分投与装置を十人のパネラーが実際に使用し、その取り扱い性(使用性)および成分投与装置を用いた皮膚への成分投与作用(イオントフォレシス作用)を評価した。取り扱い性については、各パネラーが、成分投与装置を通電可能な状態で皮膚に配置するまでの取り扱いに、煩雑さを感じたか否かを調査した。成分投与作用については、成分投与装置を配置した皮膚に、何らかの美容効果を感じることができたか否かを調査した。
<評価結果>
結果を表1に示す。表1において、「取り扱い性」の欄には、成分投与装置の取り扱いに煩雑さを感じたパネラーの人数をポイントとして記入した。表1において、「成分投与作用」の欄には、美容効果が得られたと感じたパネラーの人数をポイントとして記入した。表1において、「総合」の欄には、各成分投与装置についての「取り扱い性」のポイントと「成分投与作用」のポイントとを足し合わせたポイント数を記入した。表1において「判定」の欄には、「総合」の欄のポイント数が16以上20以下であった成分投与装置に対して○を付すこととし、「総合」の欄のポイント数が13以上15以下であった成分投与装置に対して△を付すこととし、「総合」の欄のポイント数が12以下であった成分投与装置に対して×を付すこととした。なお、比較例1に係る成分投与装置では、もはや通電が生じなかった。
Figure 2014033723
10 成分投与装置
12 回路
13 回路開放部分
14 回路
15 電極デバイス
21 第1電極
22 第2電極
25 接続要素
26 金属層
27 第1部分
27a 第1端部
27b 第2端部
28 第2部分
28a 第1端部
28b 第2端部
30 絶縁体
31 貫通孔、スリット
35 支持体
36 開口
40 成分保持体
50 回路形成手段
51 絶縁性シート状部材
53 連結部材、連結手段
54 連結導電体、連結要素
55 支持基材
56 貫通孔

Claims (12)

  1. 互いに離間して配置され互いに異なる材料からなる第1電極および第2電極と、
    前記第1電極および前記第2電極の両方に対面するようにして配置され成分を保持する成分保持体と、
    前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続するための接続要素であって、前記成分保持体から離間して配置された接続要素と、
    前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を結んで形成される回路中に配置され得る回路形成手段であって、前記回路中から除去されることによって或いは前記回路中に配置されることによって、前記成分保持体と、前記第1電極および前記第2電極と、前記接続要素と、を電気的に接続してなる自己起電型の閉回路を形成する回路形成手段と、を備える、成分投与装置。
  2. 前記回路形成手段は、前記第1電極および前記第2電極のうちの少なくとも一方と、前記成分保持体と、の間に除去可能に配置された絶縁性シート状部材である、請求項1に記載の成分投与装置。
  3. 前記第1電極は、第1金属を主成分として含有し、
    前記第2電極は、前記第1金属よりも高い標準電極電位を有する第2金属を主成分として含有し、
    前記回路形成手段は、前記第1電極と前記成分保持体との間に除去可能に配置された絶縁性シート状部材を有する、請求項1または2に記載の成分投与装置。
  4. 前記絶縁性シート状部材の表面に、剥離処理が施されている、請求項2または3に記載の成分投与装置。
  5. 前記接続要素は、前記第1電極および前記第2電極の間を延び、前記第1電極および前記第2電極に電気的に接続されており、
    前記第1電極と前記第2電極との間となる領域において前記接続要素および前記成分保持体の間に位置し前記接続要素と前記成分保持体とを互いから離間させる絶縁体が、設けられている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の成分投与装置。
  6. 前記接続要素は、前記第1電極と電気的に接続された第1部分と、前記第1部分から離間して配置され且つ前記第2電極と電気的に接続された第2部分と、を有し、
    前記回路形成手段は、前記第1部分と前記第2部分との間となる領域を含む回路開放部分に配置可能であり、
    前記回路形成手段は、当該回路形成手段が前記回路開放部分に配置された場合に、前記第1部分と前記第2部分とを電気的に連結する連結部材を含む、請求項1に記載の成分投与装置。
  7. 前記第1電極と前記第2電極との間となる領域において前記接続要素および前記成分保持体の間に位置し前記接続要素と前記成分保持体とを互いから離間させる絶縁体を、さらに備える、請求項6に記載の成分投与装置。
  8. 前記絶縁体のうちの、前記第1部分と前記第2部分との間となる領域に対面する位置に、当該絶縁体を貫通する貫通孔が形成されている、請求項7に記載の成分投与装置。
  9. 前記連結部材は、前記回路開放部分に配置された場合に前記絶縁体の前記貫通孔に対面する位置を迂回して前記第1部分と前記第2部分との間を延びる連結導電体を含んでいる、請求項8に記載の成分投与装置。
  10. 前記第1電極、前記接続要素および前記第2電極の前記成分保持体の側とは反対の側に設けられた絶縁性の支持体を、さらに備え、
    前記支持体には、前記回路開放部分を露出させる開口が形成されている、請求項6〜9のいずれか一項に記載の成分投与装置。
  11. 前記回路形成手段は、前記開口内に配置可能となっている、請求項10に記載の成分投与装置。
  12. 前記第1電極、前記接続要素および前記第2電極の前記成分保持体の側とは反対の側に設けられた絶縁性の支持体を、さらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の成分投与装置。
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