以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(実施形態の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る自立型電話番号調査システムの構成を示すブロック図である。自立型電話番号調査システム300は、自立型電話番号調査装置1と、電話番号履歴情報からなる電話番号履歴データベース(DB)が一部領域に割り付けられ格納される記憶装置2と、表示装置3と、入力装置4と、発呼側交換機5と、により構成される。
自立型電話番号調査装置1は、後述するように、記憶装置2に格納された電話番号履歴DB200から電話番号履歴情報を読出し、音声又は非制限デジタル情報の何れか一方の伝達能力で発呼側交換機5に接続し、前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、決定された今回発呼の条件に基づく発呼により収集される発呼応答情報を、電気通信事業者、電話番号グループ、端末の少なくとも一つ毎に予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析し、電話番号が有効か否かを判定する機能を有する。
自立型電話番号調査装置1は、ハードウエア的には、図示省略したCPU(Central Processing Unit)と、メモリと、周辺制御用LSI(Large Scale Integrated Circuit)とにより構成される。CPUは、メモリに記録された各種プログラムを逐一実行し、周辺LSIを介して接続される、記憶装置2、表示装置3、入力装置4、発呼側交換機5のそれぞれを制御することにより、上記した機能を実現する。このため、CPUが実行するメモリに記録されたプログラムの構造を機能展開して示すと、少なくとも、記憶部10と、主制御部11と、電話番号有効判定部12と、直近キャリア判定部13と、リトライ要否判定部14とを含み、構成される。
記憶部10には、一部領域にパターンテーブル100が割り付けられ記憶される。パターンテーブル100には、図2にそのデータ構造の一例が示されるように、(a)今回発呼時と、(b)前回発呼時における、判定結果10a、発呼条件10b、発呼応答情報10cの各データ項目が割当てられ記憶される。ここでは、判定結果10aとして、電気通信事業者(A/B/C/D)、判定ステータス(実在/欠番/移転/取り外し他)、再発呼(リトライ)の要否を示す学習フラグ(今回発呼のみとして学習(禁止:0、許可:1))を含む。なお、電気通信事業者AとしてNTTドコモ社(登録商標)、Bとしてイー・モバイル社(登録商標)、Cとしてソフトバンク社(登録商標)、DとしてKDDI社(登録商標)を想定している。また、発呼条件10bとして、電話番号パターン、呼設定パターンを含み、発呼応答情報10cとして、「応答メッセージ」、「生成源」、「理由表示値」、「新電話番号」、「課金結果」を含む。詳細は後述する。
主制御部11は、自立型電話番号調査装置1が、電話番号履歴DB200から電話番号履歴情報を読出し、音声又は非制限デジタル情報の何れか一方の伝達能力で発呼側交換機5に接続し、前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、決定された今回発呼の条件に基づく発呼により収集される発呼応答情報を、電気通信事業者、電話番号グループ、端末の少なくとも一つ毎に予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析し、電話番号が有効か否かを判定できるように、電話番号有効判定部12、直近キャリア判定部13、リトライ要否判定部14のシーケンス制御を司る。
電話番号有効判定部12は、主制御部11によるシーケンス制御の下、記憶部10に割り付けられ記憶されたパターンテーブル100を参照して前回発呼に基づく発呼応答情報から今回発呼の条件を決定し、決定された今回発呼の条件に基づく再発呼により収集される発呼応答情報を、予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析して電話番号が有効か否かを判定する機能を有する。
直近電気通信事業者判定部13は、主制御部11によるシーケンス制御の下、記憶部10に割り付けられ記憶されたパターンテーブル100を参照し、前回収集した発呼応答情報から今回発呼により収集された発呼応答情報を分析して、ナンバー・ポータビリティ・サービスにより変化した電話番号の直近の電気通信事業者を判定する機能を有する。
リトライ要否判定部14は、主制御部11によるシーケンス制御の下、パターン化された発呼応答情報を逐一更新して学習し、この学習により得られる発呼応答情報に基づき、調査対象の電話番号への今回発呼の必要性の有無を判定する機能を有する。リトライ要否判定部14は、今回発呼結果におけるパターンテーブル100のデータ項目の一つである、判別結果10aの学習フラグに、“1”、“0”の値を書き込み、学習による再発呼の要否(“1”は学習許可、“0”は学習禁止)を表記する。
このため、自立型電話番号調査装置を構成する、記憶部10、主制御部11、電話番号有効判定部12は、協働して動作することによって、「前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、決定された今回発呼の条件に基づき再発呼を行い、再発呼により収集される発呼応答情報を、電気通信事業者、電話番号グループ、端末の少なくとも一つ毎に予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析し、電話番号が有効か否かを判定する」判定手段として機能する。
また、記憶部10、主制御部11、直近電気通信事業者判定部13は、協働して動作することによって、「電気通信事業者別電話番号パターン、音声又は非制限デジタル情報の伝達能力に基づく呼設定パターン、応答メッセージ、この応答メッセージが発生した網の位置を示す生成源、及び理由表示情報要素からなる前記発呼応答情報を分析して、前記電話番号が有効か否かを判定する」判定手段として機能する。
また、記憶部10、主制御部11、リトライ要否判定部は、協働して動作することによって、「前回収集した前記発呼応答情報を参照して今回発呼により収集された前記発呼応答情報を分析して、ナンバー・ポータビリティ・サービスにより変化した電話番号の直近の電気通信事業者を判定する」判定手段として機能する。
なお、記憶装置2には、電話番号履歴情報からなる電話番号履歴データベース(DB)200が記憶される。記憶装置2は、例えば、HD(ハードディスク)、光ディスク、光磁気ディスク等の大容量メモリで構成される。電話番号履歴DB200には、更に、住宅地図情報、概略地図情報を記憶する記憶エリア、顧客の法人、個人の電話番号、住所、会社の電話番号、与信情報等の属性情報が記憶される記憶エリア、電話番号エリア(市内、市外局番)とそのエリアの住所情報をリンクして記憶する記憶エリア、電話帳データを記憶する記憶エリアがそれぞれ設けられている。なお、電話番号履歴DB200は、図示されたように自立型電話番号調査装置1とは別体で、或いは自立型電話番号調査装置1の内部に設けても良い。
表示装置3としては、例えば、多数の画素(複数色の発光素子の組み合わせ)を縦横に配して構成される、LCD(Liquid Crystal Display Device)や有機EL(Electro-Luminescence)が用いられる。なお、表示装置3の代わりにプリンタ等の印刷装置が接続されても良い、場合によっては、DVDやUSBメモリーなど記録媒体への出力であってもよい。又、入出力にインターネット等を介して通信を利用する場合は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に準拠した通信装置が接続されてもよい。なお、入力装置4はキーボードである。
自立型電話番号調査装置1は、NTT(登録商標)のような公衆回線交換機6や、NTTドコモ(登録商標)やAu(登録商標)のような携帯電話交換機7や、エアーエッジ(登録商標)のようなPHS交換機14との間に設けられた発呼側交換機5を経由して回線接続する。自立型電話番号調査装置1は、多数の加入電話番号のデータ収集を定期的または任意の指定された時期に一括して行い、電話番号履歴DB200に国内に存在する全ての電話番号情報を記憶する。自立型電話番号調査装置1は、総務省の許認可を受けた通信業者に分配された電話番号を電話番号履歴DB200に記憶させ、固定電話60や、携帯電話端末70や、PHS端末80等に割り振られた電話番号の有効(使用中)/無効(不使用)の調査を行う。この最新の調査結果は、表示装置3に表示されると共に、電話番号履歴DB200の顧客情報を更新する。
自立型電話番号調査装置1は、1ヶ月に1回、または2ヶ月に1回等の定期的調査を実施する。自立型電話番号調査装置1により調査する内容は、デジタル電話回線における電話番号発信の結果、NTT東日本が公開しているTTC標準のJT−Q931「ISDNユーザ・網インタフェースレイヤ3」の記述に従う「伝達能力」、「応答メッセージ」、「理由表示」、「生成源」からなる発呼応答情報を、発呼側交換機5を通して収集し、収集した直後に瞬時に電話回線を切断する。したがって、電話番号の相手方と電話で会話することはなく、電話リングを鳴動させることもない。電話番号履歴DB200に記憶した全電話番号を調査して理由表示を含む発呼応答情報が各電話番号に対応して判明し、調査した「年月日、メッセージ情報に含まれる移転先電話番号(新電話番号)」等を所定の手順で電話番号履歴DB200に記録させることができる。さらにこの調査を定期的に行い電話番号の変更情報が蓄積されることによって電話番号履歴DB200の電話番号履歴情報が充実するものである。
出願人は、携帯電話番号は、電気通信事業者毎や特定の電話番号グループ毎に発呼応答情報に違いがあり、一定の法則があることを発見した。また、各電気通信事業者が発売している全端末機種に対して発呼を繰り返したところ、端末機種ごとに発呼応答情報に相違があることも発見した。同一機種において、伝達能力を「非制限」に設定して発呼した場合と、「音声」を設定して発呼した場合において発呼応答情報に一定のルールがあることも判明した。
このことから、出願人は実験による発呼を繰り返し、電気通信事業者判定のための応答信号を収集してパターン化した。具体的に、伝達能力を一回目発呼で「非制限」とした場合、二回目発呼では「音声」とし、このときの1回目の発呼応答情報と二回目の発呼応答情報とをパターン化した。ここで、一回目発呼において伝達能力を「非制限」とした理由は、端末側の無鳴動や未着信のためである。鳴動や着信率を無視するならば、「音声」の後「非制限」による発呼であってもパターン化は可能であるため、同じ効果があることは当然である。
場合によっては、伝達能力として「音声」を選択して発呼し、発呼応答情報をパターン化することによっても同様な効果が得られる。このときの発呼は一回限りである。例えば、電話番号パターン:0806271XXXXで、発呼応答情報が、「応答メッセージ:切断、生成源:RN、理由表示:一時的失敗」の場合、電話番号は有効(「実在」)で、電気通信事業者はD社に限定される。例えば、発呼応答情報が「応答メッセージ:切断、生成源:TN、理由表示:相手ルートなし」の場合、電話番号は有効で、電気通信事業者はA社に限定される。また、発呼応答情報が「応答メッセージ:切断、生成源:TN、理由表示:加入者不在」の場合、電話番号は有効(「実在」)で、直近の電気通信事業者はD社に限定される。さらに、発呼応答情報が「応答メッセージ:切断、生成源:RN、理由表示:その他のサービス又はオプションの利用不可クラス」の場合、電話番号は無効(「都合取り外し」)で、直近の電気通信事業者はA社に限定される。このように、出願人は、数百万件の実験から上記したルールをパターン化した。
(実施形態の動作)
以下、本発明の実施形態に係る自立型電話番号調査装置1の動作について、図3〜図5のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態に係る自立型電話番号調査装置の基本動作を、図4は、図3に示す基本動作中の「音声処理」動作、図5は、図3に示す基本動作中の「非制限デジタル処理」動作のそれぞれを示すフローチャートである。
図3において、自立型電話番号調査装置1の主制御部11は、まず、記憶装置2の一部領域に割り当てられ記憶されてある電話番号履歴DB200を参照し、電話番号情報を取得する(ステップS10)。そして、取得した電話番号の一部の桁情報から電気通信業者を特定し、パターン化されたルールに従い伝達能力を判定する(ステップS11)。例えば、NTTドコモ(登録商標)以外の電気通信業者に特定された電話番号の場合は音声の伝達能力を選択し、NTTドコモ(登録商標)に特定された電話番号の場合は、非制限デジタル情報の伝達能力を選択する。
音声の伝達能力が選択された場合の発呼応答情報の取得処理(ステップS12)の詳細が図4に、非制限デジタル情報の伝達能力が選択された場合の発呼応答情報の取得処理(ステップS13)の詳細が図5に、サブルーチンとしてそれぞれフローチャートで示されている。
図4によれば、主制御部11は、呼設定により音声の伝達能力を使用する信号を発呼側交換機5へメッセージを送出し(ステップS121)、以降、発呼側交換機5からのメッージ送信を監視する。主制御部11は、経過表示メッセージを受信した場合(ステップS122“YES”)、発呼側交換機5に対して切断メッセージを送出する(ステップS129)。一方、発呼側交換機5から経過表示メッセージを受信していない場合(ステップS122“NO”)、主制御部11は、発呼側交換機5から応答メッセージを受信したか否かを判定する(ステップS123)。ここで応答メッセージを受信した場合(ステップS123“YES”)、主制御部11は、発呼側交換機5に対して切断メッセージを送出してから回線を切断し(ステップS128)、その応答メッセージを取得する(ステップS127)。
また、発呼側交換機5から応答メッセージを受信していない場合(ステップS123“NO”)、主制御部11は、更に、発呼側交換機5から呼出メッセージを受信したか否かを判定する(ステップS124)。ここで呼出メッセージを受信した場合(ステップS124“YES”)、主制御部11は、発呼側交換機5に対し切断メッセージを送出してから回線を切断(ステップS128)し、その応答メッセージを取得する(ステップS127)。一方、発呼側交換機5から呼出メッセージを受信していない場合(ステップS124“NO”)、主制御部11は、更に発呼側交換機5から切断メッセージを受信したか否かを判定する(ステップS125)。
ここで、切断メッセージを受信している場合(ステップS125“YES”)、主制御部11は、発呼側交換機5との回線を切断し(S126)、発呼側交換機5から受信している応答メッセージ、応答メッセージの生成源、理由表示値を取得する。NTT(登録商標)は、上記したように、INSネットサービスの技術資料において、「応答メッセージ」、「理由表示」、「生成源」を公開している。主制御部11は、発呼側交換機5との呼制御メッセージ(呼設定、応答、呼出、切断、解放、解放完了)を利用してJT−Q931(レイヤー3)情報を収集する。なお、切断メッセージを受信していない場合は(ステップS125“NO”)、経過表示メッセージ受信判定処理(ステップS122)へ進み、上記した一連の処理を繰り返す。
なお、「理由表示」として、欠番:#1、指定中明網へのルートなし:#2、相手へのルートなし:#3、・・・、正常切断:#16、着ユーザビジー:#17、加入者不在:#20、通信拒否:#21、相手加入者番号変更(移転案内):#22・・・等がある。また、「生成源」とは、応答メッセージが発生した網の位置を示し、具体的には、ユーザU、ローカルユーザの収容施設網LPN、ローカルユーザ収容公衆網LN、中継網TN、リモートユーザ収容公衆網RN、リモートユーザ収容施設網RPN等がある。
主制御部11は、後述するように、これら「応答メッセージ」、「理由表示」、「生成源」等に関する発呼応答情報を、電話番号パターン、呼設定パターンと共にパターンテーブル100に記憶する。上記一連の処理(S121〜S127)は、電話番号履歴DB200に記憶した電話番号を全て読出すまで繰り返し実行され、都度、発呼応答情報の取得が行われる。
図3の基本動作において、非制限デジタル情報の伝達能力が選択された場合(ステップS11“非制限”)の発呼応答情報の取得処理の詳細が図5に示されている。
図5によれば、主制御部11は、まず、非制限デジタル情報の伝達能力を使用する信号を発呼側交換機5へメッセージ送信する(ステップS131)。そして、n秒のタイムアウト監視を行なう(ステップS132)。ここでタイムアウトを検出すると(ステップS132“YES”)、主制御部11は、発呼側交換機5との回線を切断する(ステップS133)。なお、nは、発呼後、直ちに切断に至る間の無鳴動による発呼応答情報取得に許容される時間である。続いて、主制御部11は、発呼応答情報の有無をチェックし(ステップS134)、発呼応答情報がある場合(ステップS134“YES”)、「応答メッセージ」、「理由表示」、「生成源」等に関する発呼応答情報を取得する(ステップS135)。
主制御部11は、後述するように、これら「応答メッセージ」、「理由表示」、「生成源」等に関する発呼応答情報を、電話番号パターン、呼設定パターンと共にパターンテーブル100に記録する。上記一連の処理(S131〜S135)は、電話番号履歴DB200に記憶した電話番号を全て読出すまで繰り返し実行され、都度、発呼応答情報の取得が行われる。
説明を図3の基本動作に戻す。上記した発呼応答情報の取得処理実行後、主制御部11は、取得した電話番号毎の発呼応答情報を、電話番号パターン、及び呼設定パターン毎に予め定義したルールに基づき編集し、(a)今回発呼結果として記憶部10のパターンテーブル100に記録する(ステップS14)。続いて、主制御部11は、電話番号有効判定部12、直近キャリア判定部13、リトライ要否判定部14のそれぞれに制御を移す。
まず、リトライ要否判定部14は、パターンテーブル100における今回発呼結果の判定結果10aのデータ項目の「学習フラグ」を参照することにより再発呼の必要の有無を判定する(ステップS15)。ここで、学習フラグが“1”であって再発呼要(リトライ要)と判定されると(ステップS15“YES”)、電話番号有効判定部12は、前回発呼に基づく発呼応答情報(先に今回発呼としてパターンテーブル100に記録した内容)を参照して今回発呼に使用される呼設定パターンを決定する(ステップS16)。ここでは、パターンテーブル100に前回発呼結果として保持された発呼応答情報のパターンにより再発呼の条件が事前にパターン化されており、電話番号有効判定部12は、その条件に基づき再発呼し、あるいは再発呼することなく今回発呼による発呼応答情報のみで電話番号の要綱/無効判定を行い、また、直近キャリア判定部13は、直近の電気通信事業者の判定を行う。具体的に、パターンメモリ100の該当電話番号グループの「学習フラグ」が学習禁止“0”(リトライ不要)になっていた場合、それが参照されると一度の発呼によって電話番号の有効/無効、及び直近の電気通信事業者が判定される。
次に、再発呼による発呼応答情報があれば(ステップS17“YES”)、電話番号有効判定部12は、今回発呼応答情報を取得し(ステップS18)、前回発呼応答情報と比較のうえ、パターン分析を行う(ステップS19)。ここで電話番号有効判定部112は、決定された今回発呼の条件に基づく発呼により収集される発呼応答情報を、電気通信事業者、電話番号グループ、端末の少なくとも一つ毎に予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析し、電話番号が有効か否か、及び直近の電気通信事業者の判定を行う。
電話番号有効判定部12は、パターンテーブル200に記録された発呼応答情報に基づき、電話番号の有効/無効判定を行う。また、直近キャリア判定部13は、同じく直近の電気通信事業者を判定する。ここでは、判定要素として、「電話番号パターン」、「呼設定パターン」、及び「応答メッセージ」と、「生成源」と、「理由表示」とからなる発呼応答情報を使用する。ここで、「電話番号パターン」とは、例えば、0903101****のグループや、0806071****等、電気通信事業者別や電話番号グループをいう。また、「呼設定パターン」として、音声(G711)や非制限デジタル(32k)、非制限デジタル(G711)の3種の伝達能力を利用する。
具体的に、電話番号(11桁)のパターンが、「0806271XXXX」グループで今回発呼結果が「呼設定パターン:音声、応答メッセージ種別:切断、生成源:RN、理由表示:一時的失敗」で、前回発呼結果が「呼設定パターン:非制限デジタル(32k)、生成源:TNで、理由表示:相手へのルートなし」の場合、電話番号有効判定部12は、有効(実在)と判定し、直近キャリア判定部13は、直近の電気通信事業者はD社(KDDI)であると判定する。
また、電話番号パターンに関係なく、今回の発呼結果が「呼設定パターン:音声、応答メッセージ:切断、生成源:RN、理由表示:その他のサービス又はオプションの未提供クラス」で、前回の発呼結果が「呼設定パターン:音声、相手交換機応答メッセージ:切断、生成源:RN、理由表示:その他のサービス又はオプションの未提供クラス」の場合、電話番号有効判定部12は、有効(実在)と判定し、直近キャリア判定部13は、電気通信事業者がA社(ドコモ)であると判定する。
また、電話番号パターンに関係なく今回の発呼結果が「呼設定パターン:音声、応答メッセージ:切断、生成源:TN、理由表示:欠番」で、前回の発呼結果が「呼設定パターン:非制限(32k)、生成源:TN、理由表示:未提供伝達能力指定」の場合、電話番号有効判定部12は、無効(欠番)と判定し、直近キャリア判定部13は、直近の電気通信事業者がC社(ソフトバンク)と判定する。
最後に、電話番号有効判定部12で判定された結果及び直近キャリア判定部13で判定された結果は、主制御部11を介して表示装置3に出力して所望の表示を得る(ステップS20)。また、このとき、主制御部11は、記憶装置2の一部領域に割り付けられ記憶される電話番号履歴DB200の更新も行なう。
(実施形態の効果)
以上説明のように本発明の実施形態に係る自立型電話番号調査装置1によれば、例えば、非制限デジタルと音声による発呼の組み合わせを電話番号パターン毎に変更し、収集した発呼応答情報を前回収集した発呼応答情報を参照しながら分析することで、電話番号の有効/無効判定の精度向上が図れる。このとき、発呼側交換機5との回線接続を、発呼応答情報収集後に瞬時に切断するため、相手方との通話が発生することはなく電話リングを鳴動することもない。
また、本発明の実施形態に係る自立型電話番号調査装置1によれば、電話番号の有効/無効判定に使用する判定要素を、経過表示と理由表示情報要素に限らず、呼設定パターン、応答メッセージ、生成源も要素に判定要素とすることで、電話番号の有効/無効判定の精度を向上させると共に、無鳴動による調査を実現し、かつ、その際電気通信事業者に依存することなく判定が可能になる。更に、パターン化された発呼応答情報を逐一更新して学習し、前記学習により得られる発呼応答情報に基づき、前記調査対象の電話番号への今回発呼の必要性の有無を判定することで、2回の発呼により収集された発呼応答情報の分析を必須とすることなく、学習により1回の発呼で収集された発呼応答情報を分析するだけで電話番号の有効/無効判定が可能になるため、調査に要する時間が短縮できるため効率的な運用が可能になる。
また、本発明の実施形態に係る自立型電話番号調査システム300によれば、自立型電話番号調査装置1が、電話番号履歴DB200から電話番号履歴情報を読出し、音声又は非制限デジタル情報の何れか一方の伝達能力で発呼側交換機5に接続し、前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、決定された今回発呼の条件に基づく発呼により収集される発呼応答情報を、予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析して電話番号が有効か否かを判定して表示装置3にその内容を表示するため、無鳴動による調査を実現すると共に、電話番号の有効/無効判定、及び直近の電気通信事業者の判定の精度を向上させたスクリーニングが実現できる。
本発明の目的は従来市販されている電話番号クリーニング装置(特開平10−49460:電話番号リストのクリーニング装置及びクリーニング方法)などの機能強化にもある。例えば、従来の電話番号クリーニング装置は、各企業が所有する顧客情報からクリーニングしたい電話番号を抽出して装置にインプットし顧客ごとの電話番号使用状況(有効、無効など)を単純に調査する機能であった。 この装置に本願発明の結果生成される電話番号履歴DB200を搭載した電話番号クリーニング装置を提供することで本願装置と同様な改善効果が可能であることは云うまでもない。具体的には、調査対象電話番号が市外局番と市内局番と加入者番号からなる想定される電話番号全件でなく、企業が調査したい電話番号に限り本装置を起動すれば良い。学習に必要とする電話番号履歴DB200は都度本発明側から提供を受け更新すればよいことである。このように装置を改良すれば、新たに発売される携帯端末などにも対応でき完全無鳴動で、ナンバーポータビリティー対応型キャリア発見装置、方法を提供することができる。
さらに説明すれば、最終的には、本発明の目的は前記電話番号クリーニング装置を不要とするものである。 具体的には、本発明の結果生成された電話番号履歴DB200の電話番号履歴情報を定期的に必要とする企業などに記録媒体を利用して配布したり、通信回線を利用して配信したり、検索できたりすることで、受益側は顧客情報の電話番号クリーニングを行ったり、新規申込者の与信チェックに利用したりできるからである。すでに出願人は、このようなサービスを以前から行っているが、本発明の課題を解決しさらに高位な情報収集手段を提供するために新たな出願した。最終目的達成には、想定される電話番号全てを1ヶ月に1回よりさらに短時間に提供することで全ての電話番号クリーニングを目的とする企業などの満足を得られる。
さらに画期的な本発明を説明すると、従来の電話番号クリーニング装置は鳴動の問題以外に、1度の発呼調査では正しい端末の使用状況を得られない課題があった。一方では、アナログ交換機からデジタル交換機に変遷した初期の設計が現在にも至っており、デジタル交換機からのえた情報は全て最善の結果としていた。 出願人は、想定される電話番号全件の調査を平成13年からすでに9年以上実施してきている。この間、電話番号履歴は、9年9ヶ月を経過し固定電話番号だけでも3,510億件を超えている。利用しているユーザも200社を超えデータ精度に関し多くの監視の目がある。したがって、現在提供中の固定電話と携帯電話の母数約4億件に対し1件でも間違いがあった場合問題が生じるようになった。 よって出願人は、前回発呼結果と今回発呼結果を比較できる2度発呼の手段を実現した。さらには、すべての電話番号に2度発呼しても良いが、対象データ4億件となること、交換機の輻輳の問題やNTTから借用している電話回線の問題、諸経費の問題など前提として新たな発見をおこない、最善策を講じた。具体的には、1回だけで正確に判定できる方法である。例えば、ある限られた電話番号は1度発呼で正しく情報が得られ電話番号領域のパターン登録や常に欠番や実在になる電話番号領域の発見とパターン登録である。本発明はどのような電話番号であっても必ず定期的に調査を行うという利点を利用して各電話番号の特性を検知した結果、電話番号のパターン登録を発見した。このパターン登録は、固定電話でも、携帯電話でも同様であり端末の機種にとらわれない。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下に、分割出願前の課題を解決するための手段を付記する。
上記課題を解決するために、本発明の自立型電話番号調査装置は、所定の発呼条件に従い調査対象の電話番号に発呼し、発呼応答情報を収集して前記電話番号が有効か否かを判定する自立型電話番号調査装置であって、前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、前記決定された今回発呼の条件に基づき再発呼を行う判定手段を有する。
前記判定手段は、前記再発呼により収集される発呼応答情報を、電気通信事業者、電話番号グループ、端末の少なくとも一つ毎に予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析し、前記電話番号が有効か否かを判定するものである。
本発明によれば、判定手段は、前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、決定された今回発呼の条件に基づく発呼により収集される発呼応答情報を予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析して電話番号が有効か否かを判定する。従って、例えば、非制限デジタルと音声による発呼の組み合わせを電話番号パターン毎に変更し、収集された発呼応答情報を前回収集した発呼応答情報を参照しながら分析することで、無鳴動による調査を実現すると共に、電話番号の有効/無効を正確に判定可能な、自立型電話番号調査装置を提供することができる。
上記発明において、前記判定手段は、電気通信事業者別電話番号パターン、音声又は非制限デジタル情報の伝達能力に基づく呼設定パターン、応答メッセージ、この応答メッセージが発生した網の位置を示す生成源、及び理由表示情報要素からなる前記発呼応答情報を分析して、前記電話番号が有効か否かを判定する。本発明によれば、判定手段が、電話番号の有効/無効判定に使用する判定要素を、従来の経過表示と理由表示情報要素に限らず、呼設定パターン、応答メッセージ、生成源も判定要素に付加することで、電話番号の有効/無効判定の精度を向上させると共に、無鳴動による調査を実現し、かつ、電気通信事業者に依存することのない判定が可能になる。
上記発明において、前記判定手段は、前回収集した前記発呼応答情報を参照して今回発呼により収集された前記発呼応答情報を分析して、ナンバー・ポータビリティ・サービスにより変化した電話番号の直近の電気通信事業者を判定する。本発明によれば、ナンバー・ポータビリティ・サービスにより変更された直近の電気通信事業者の正確な識別が可能になる。
上記発明において、前記判定手段は、前記パターン化された発呼応答情報を逐一更新して学習し、前記学習により得られる発呼応答情報に基づき、前記調査対象の電話番号への今回発呼の必要性の有無を判定する。本発明によれば、2回の発呼により収集された発呼応答情報の分析を必須とすることなく、学習により、1回の発呼で収集された発呼応答情報を分析するだけで電話番号の有効/無効判定が可能になるため、電話番号調査のための処理速度が改善されると共に効率的な運用が可能になる。
本発明の自立型電話番号調査システムは、電話番号の履歴情報からなる電話番号履歴データベースが割り付けられ、記憶される記憶装置と、前記電話番号履歴データベースから前記電話番号履歴情報を読出し、音声又は非制限デジタル情報の何れか一方の伝達能力で発呼側交換機に接続し、前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、前記決定された今回発呼の条件に基づく再発呼により収集される発呼応答情報を、電気通信事業者、電話番号グループ、端末の少なくとも一つ毎に予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析し、前記電話番号が有効か否かを判定する自立型電話番号調査装置と、前記自立型電話番号調査装置による判定結果を出力する出力装置と、を備えたものである。
本発明によれば、自立型電話番号調査装置が、電話番号履歴データベースから前記電話番号履歴情報を読出し、音声又は非制限デジタル情報の何れか一方の伝達能力で発呼側交換機に接続し、前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、決定された今回発呼の条件に基づく再発呼により収集される発呼応答情報を、予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析して電話番号が有効か否かを判定する。従って、例えば、非制限デジタルと音声による発呼の組み合わせを電話番号パターン毎に変更し、収集した発呼応答情報を前回収集した発呼応答情報を参照しながら分析することで、無鳴動による調査を実現すると共に、電話番号の有効/無効を正確に判定可能な、自立型電話番号調査システムを提供することができる。
本発明の自立型電話番号調査方法は、所定の発呼条件に従い調査対象の電話番号に発呼し、発呼応答情報を収集して前記電話番号が有効か否かを判定する自立型電話番号調査方法であって、前回発呼に基づく発呼応答情報を参照して今回発呼の条件を決定し、前記決定された今回発呼の条件に基づき再発呼を行うステップを有する。
また、上記方法において、前記再発呼により収集される発呼応答情報を、電気通信事業者、電話番号グループ、端末の少なくとも一つ毎に予めパターン化された発呼応答情報に基づき分析し、前記電話番号が有効か否かを判定するステップを有する。
出願人は、本件発明を実施する前提として出願人自ら実施している「自立型電話番号クリーニングシステム及び自立型電話番号クリーニング方法:特開2006−67006」や「通信回線を利用した電話番号使用状況調査提供装置及び方法:特開2000−316048」による電話番号使用状況調査提供装置での経験実績による。 例えば、出願人は国内全ての想定される電話番号テーブル(固定電話:03+5333+0000〜9999や携帯電話:080+323+00000〜99999など市外局番と市内局番と加入者番号で構成される電話番号テーブル)を定期的に調査している。したがって、どのような電話番号であっても、総務省が公開している電気通信番号指定状況の市外、市内局番コード内であれば想定される電話番号として定期的に調査しているので、電話番号の前回調査結果は記録されている履歴から得られる。