JP2014033311A - 利得可変型高周波増幅装置 - Google Patents

利得可変型高周波増幅装置 Download PDF

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成和 阿彦
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Abstract

【課題】簡易な回路構成でC/Nを改善し得る利得可変型高周波増幅装置を提供する。
【解決手段】上り回路部20に設けた上り信号増幅部40は、入力側利得調整器22からの入力信号を電子式スイッチ23により増幅器側と迂回用線路90側に切替える。上り信号増幅部40は、第1及び第2の上り増幅器25a、25b、第1の上り増幅器25aを迂回するスライドスイッチ26、第2の上り増幅器25bの出力と迂回用線路90とを切替えるスライドスイッチ27を備えると共に、スライドスイッチ27に連動して電子式スイッチ23を迂回用線路90側と増幅器側とに切替えるスイッチ切替手段を備え、入力信号レベルに応じてスライドスイッチ26、27及び電子式スイッチ23を切替え、入力信号レベルが所定値以上となった場合に増幅器25a、25bの経路を迂回させてC/Nを改善する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばCATVシステムの伝送線路に設けられる利得可変型高周波増幅装置に関する。
従来、CATVシステムでは、伝送線路に双方向CATV用増幅装置として利得可変型高周波増幅装置を設けて下り信号及び上り信号を増幅している(例えば、特許文献1参照。)。
図5は、従来用いられている双方向の利得可変型高周波増幅装置の基本構成を示すブロック図である。図5において、131はCATV放送センタ側に設けられる下り入力/上り出力端子で、この下り入力/上り出力端子131に入力されるCATV放送センタからの下り信号は、下り回路部140により増幅される。
下り回路部140は、一般的に70〜770MHzの周波数帯域を使用する下り信号を選択するハイパスフィルタ(HPF)141、入力側利得調整器142、下り信号を増幅する下り増幅器143、出力側利得調整器144及び下り信号を通過させるハイパスフィルタ145からなり、このハイパスフィルタ145の出力信号が下り出力/上り入力端子132へ送られる。この下り出力/上り入力端子132からは下り信号が出力され、CATV加入者宅のテレビ受像機等へ送られる。
又、上記下り出力/上り入力端子132には、CATV加入者宅の端末装置からの上り信号が入力される。この上り信号は、一般的に10〜55MHzの周波数帯域が使用される。上記端末装置から下り出力/上り入力端子132に入力された上り信号は、上り回路部150により増幅される。
上記上り回路部150は、上り信号を通過させるローパスフィルタ(LPF)151、入力側利得調整器152、上り信号を増幅する上り増幅器153、出力側利得調整器154及び上り信号を通過させるローパスフィルタ155からなり、このローパスフィルタ155の出力信号(上り信号)が下り入力/上り出力端子131を介して伝送線路へ出力され、CATV放送センタへ送られる。
上記のように構成された利得可変型高周波増幅装置は、下り回路部140の入力部と出力部に利得調整器142、144を設けると共に、上り回路部150の入力部と出力部に利得調整器152、154を設け、入力信号のレベル幅に対して柔軟に対応できるようにしている。下り信号側の利得調整器142、144及び上り信号側の利得調整器152、154は、下り増幅器143、上り増幅器153に適正なレベルの信号を入力すると共に、出力信号のレベルを適正な値に保ち、信号の伝送品質を向上させる役割を担っている。
しかし、上記従来の利得可変型高周波増幅装置では、内部の増幅器の利得は変えず、増幅器に入力される信号を利得調整器で減衰させているため、利得調整器を入力側に配置して信号を減衰させた場合、C/Nの劣化を招きやすく、又利得調整器を増幅器間や出力側に設けた場合、歪妨害が発生し易くなってしまい、何れの場合でも伝送信号の品質を劣化させる原因の一つにもなっている。
このような問題を解決するため、上記特許文献1の発明では、例えば上り回路部150に2段の増幅器を設け、1段目の増幅器に並列に1つの迂回スイッチを設け、この迂回スイッチを入力信号のレベルに応じて切替え、入力信号のレベルが小さい場合には増幅器を迂回することなく2段の増幅器で増幅し、入力信号のレベルが大きい場合には1段目の増幅器を迂回して2段目の増幅器のみで増幅することにより、C/Nを改善するようにしている。
増幅器のC/N特性は、下式で表される。
C/N=入力レベル−雑音指数−1
例えば入力レベル:80dBμ、増幅器の雑音指数:6dBの場合、
C/N=80−6−1
=73(dB)となる。
図6は、上記のように構成された利得可変型高周波増幅装置の上り回路部150において、
増幅器利得:30dB
(第1の上り増幅器:15dB、第2の上り増幅器:15dB)
雑音指数:利得最大時6dB、増幅器迂回時9dB
定格出力レベル:110dBμ
とし、入力レベルを70〜105dBμとしてシミュレーションし、C/Nを求めた結果を示したものである。
上記図6から分かるように、入力レベル80〜90dBμ間では、入力レベルを高くしても、増幅装置自体の雑音指数の悪化によりC/Nは73dB一定の値となっている。
そして、入力レベルが第1の上り増幅器を迂回できる95dBμ以上になるとC/Nは85dBとなり、入力レベル80〜90dBμ間におけるC/Nの73dBと比較すると12dBの改善となっている。
しかし、入力レベル100〜105dBμでは、利得調整器を調整して信号を減衰させる必要があり、入力レベル95〜105dBμ間のC/Nは85dB一定の値となってしまい、それ以上の改善は困難である。
また、本発明に関連する公知技術として、送信出力を可変制御するとともに電力増幅器により増幅してアンテナから送信する送信出力可変装置において、前記電力増幅器の前後に設けられる高周波切換スイッチ、及び該高周波スイッチにより前記電力増幅器をバイパスさせるバイパス線路を備え、送信出力を予め定めたしきい値よりも低下させる時は、前記高周波スイッチによりバイパス線路を選択して電力増幅器をバイパスさせる技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許第4795059号公報 特開平9−148852号公報
上記従来の利得可変型高周波増幅装置のように増幅部を2段の増幅器により構成し、1段目の増幅器に並列に迂回スイッチを設け、入力信号のレベルが小さい場合には増幅器を迂回することなく2段の増幅器で増幅し、入力信号のレベルが大きい場合には1段目の増幅器を迂回して2段目の増幅器のみで増幅するように構成した場合、入力信号のレベルが高い状態でも1段目の増幅器を迂回させることによりC/Nを良好に保持できる。しかし、1段目の増幅器を迂回させただけでは対応できない程に入力信号のレベルが高い場合には、利得調整器を調整して信号を減衰させる必要があるので、C/Nが劣化してしまうという問題がある。
また、上記従来のように増幅器に並列に1つの迂回スイッチを設けて切替えるように構成した場合、回路の長さが長くなって回路の引き回しが複雑になり、増幅器の異状発振を引き起こす可能性がある。すなわち、迂回スイッチの回路の引き回しにより、増幅器の出力ラインが入力信号ラインに近付くと出力信号が増幅器の入力に戻るループ回路となって異常発振を生じ、正常な増幅動作ができなくなる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、簡易な回路構成でC/Nを改善し得る利得可変型高周波増幅装置を提供することを目的とする。
第1の発明に係る利得可変型高周波増幅装置は、複数段の増幅器と、前記増幅器の入力信号レベルを調整する利得調整器と、前記複数段の増幅器を迂回する迂回用線路と、前記利得調整器から入力される信号を前記増幅器側あるいは前記迂回用線路側に切替える電子式スイッチと、前記複数段の増幅器のうち任意の段の増幅器の経路を迂回し、次段の増幅器に入力信号を切替え接続する第1のスライドスイッチと、前記複数段の増幅器の出力と前記迂回用線路の信号出力側とに切替えて信号を出力する第2のスライドスイッチと、前記第2のスライドスイッチの切替えに応じて前記電子式スイッチを前記増幅器側と前記迂回用線路側とに切替えるスイッチ切替回路と、前記第1のスライドスイッチ又は第2のスライドスイッチにより前記増幅器を迂回するように切替えた際、該迂回する増幅器の電源を遮断する手段と、前記第2のスライドスイッチに接続され、該第2のスライドスイッチを前記迂回用線路側に切替えた際に前記最終段増幅器の出力端を終端する終端抵抗とを具備し、前記複数の増幅器への入力信号のレベルに応じて前記第1のスライドスイッチ若しくは前記第2のスライドスイッチを切替えて対応する前記増幅器の経路を迂回するように構成したことを特徴とする。
第2の発明は、前記第1の発明に係る利得可変型高周波増幅装置において、任意の増幅器に対して迂回側と非迂回側とに切替える第1のスライドスイッチは、対応する増幅器の入力側と出力側の両方に設け、連動して回路を切替えることを特徴とする。
第3の発明は、前記第1又は第2の発明に係る利得可変型高周波増幅装置において、発光色の異なる複数の表示灯からなる表示部と、前記第1のスライドスイッチ及び前記第2のスライドスイッチの切替状態を示す状態信号を生成する状態信号生成手段と、前記状態信号生成手段により生成された状態信号に基づいて前記表示部に設けられた各表示灯を点灯駆動する表示点灯回路とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、複数段の増幅器を備えた利得可変型高周波増幅装置において、任意の増幅器に対して入力信号のレベルに応じて迂回側と非迂回側とに切替える第1のスライドスイッチを備えると共に、複数の増幅器に対して入力信号のレベルに応じて迂回側と非迂回側とに切替える第2のスライドスイッチを備えることにより、1段の増幅器を迂回させただけでは対応できない程に入力信号のレベルが高い場合においてもC/Nを改善することができる。
また、入力信号を増幅器側と複数の増幅器を迂回する迂回用線路側とに切替えるスイッチとして電子式スイッチを用いることにより、スライドスイッチの切替状態を示す信号を用いて電子式スイッチを自動的に切替えることが可能となり、スライドスイッチと電子式スイッチを連動させて回路の設定操作を簡略化することができる。
更に、増幅器の入力側と出力側の両方にスライドスイッチを設けて回路を切替えることにより、回路の長さが短くなって引き回しが簡単になり、出力信号ラインが入力信号ラインに近付く可能性を無くし、入出力間の結合による増幅器の異状発振を確実に防止することができる。
また、第1のスライドスイッチ及び第2のスライドスイッチの切替状態を示す状態信号を生成して表示部に設けられた発光色の異なる表示灯を点灯駆動することにより、入力信号レベルに応じて迂回路を選択する際に、表示部の表示状態から現在の増幅装置の設定状況を容易に且つ間違いなく把握することが可能となり、迂回路の選択作業時間を大幅に短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る利得可変型高周波増幅装置の全体の概略構成を示すブロック図である。 同実施形態における上り信号増幅部の詳細な回路構成例を示す図である。 同実施形態における利得可変型高周波増幅装置のC/Nをシミュレーションにより求めた結果を示す図である。 同実施形態における上り信号増幅部の回路動作と状態表示用のLED点灯との関係を示す図である。 従来の利得可変型高周波増幅装置の構成を示すブロック図である。 従来の利得可変型高周波増幅装置におけるC/Nをシミュレーションにより求めた結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る利得可変型高周波増幅装置の構成を示すブロック図である。図1において、11はCATV放送センタ側に設けられる下り入力/上り出力端子で、この下り入力/上り出力端子11に入力されるCATV放送センタから送られてくる下り信号は、下り回路部10に入力されて増幅される。
上記下り回路部10は、一般的に70〜770MHzの周波数帯域を使用する下り信号を選択するハイパスフィルタ(HPF)13、入力側利得調整器14、下り信号を増幅する複数段例えば2段の下り増幅器15、16、出力側利得調整器17及び下り信号を通過させるハイパスフィルタ18からなり、このハイパスフィルタ18の出力信号が下り出力/上り入力端子12へ送られる。上記入力側利得調整器14及び出力側利得調整器17には、例えば可変抵抗減衰器が使用される。
上記下り出力/上り入力端子12から出力される下り信号は、CATV加入者宅のテレビ受像機等へ送られる。
又、上記下り出力/上り入力端子12には、CATV加入者宅の端末装置からの上り信号が入力される。この上り信号は、一般的に10〜55MHzの周波数帯域が使用される。上記端末装置から下り出力/上り入力端子12に入力された上り信号は、上り回路部20に入力されて増幅される。
上記上り回路部20は、上り信号を通過させるローパスフィルタ21、入力側利得調整器22、上り信号増幅部40、出力側利得調整器29、上り信号を通過させるローパスフィルタ30からなり、このローパスフィルタ30の出力信号(上り信号)が下り入力/上り出力端子11を介して伝送線路へ出力され、CATV放送センタへ送られる。上記入力側利得調整器22及び出力側利得調整器29には、例えば可変抵抗減衰器が使用される。
上記上り信号増幅部40は、電子式スイッチ23、迂回用線路90、第1の上り増幅器25a、第2の上り増幅器25b、2回路2接点の第1のスライドスイッチ26、2回路3接点の第2のスライドスイッチ27、及び終端抵抗28a〜28cにより構成される。また、上り信号増幅部40には、詳細を後述するように上記電子式スイッチ23及びスライドスイッチ26、27の切替状態を表示するLED点灯回路が設けられる。
上記電子式スイッチ23は、例えば2段の上り増幅器25a、25bからなる増幅器側と、2段の上り増幅器25a、25bを迂回する迂回用線路90側を選択して切替えるスイッチで、共通端子fに入力側利得調整器22で調整された信号が入力され、一方の端子gから出力される信号は迂回用線路90を介して第2のスライドスイッチ27へ送られる。上記迂回用線路90には、10MHz〜60MHzの上り帯域における10MHzより下の不要な帯域外周波数をカットするためのハイパスフィルタ24が設けられる。また、電子式スイッチ23の他方の端子hから出力される信号は、第1のスライドスイッチ26へ送られる。
第1のスライドスイッチ26は、第1のスイッチ部26a及び第2のスイッチ部26bからなる2回路2接点のスイッチで、ノブをスライドさせることにより第1のスイッチ部26aと第2のスイッチ部26bとが連動して切替えられる。上記第1のスイッチ部26aの共通端子aに電子式スイッチ23の端子hから出力される信号が入力され、端子a1から出力される信号が第1の上り増幅器25aを介して第2のスイッチ部26bの端子b1に入力される。また、第1のスイッチ部26aの端子a2と第2のスイッチ部26bの端子b2との間は、高周波ライン91により直接接続される。そして、第2のスイッチ部26bの共通端子bから取出される信号は、第2の上り増幅器25bを介して第2のスライドスイッチ27に入力される。
第2のスライドスイッチ27は、第1のスイッチ部27a及び第2のスイッチ部27bからなる2回路3接点のスイッチで、ノブをスライドさせることにより第1のスイッチ部27aと第2のスイッチ部27bとが連動して切替えられる。上記第1のスイッチ部27aは、共通端子dに第2の上り増幅器25bで増幅された信号が入力され、端子d1、d3はそれぞれ例えば75Ωの終端抵抗28a、28bを介して接地される。第1のスイッチ部27aの共通接点d2と第2のスイッチ部27bの共通接点e2との間は、高周波ライン92により直接接続される。第2のスイッチ部27bは、端子e1に迂回用線路90に設けられたハイパスフィルタ24の出力信号が入力され、端子e3が例えば75Ωの終端抵抗28cを介して接地される。そして、第2のスイッチ部27bの共通端子eから取出される信号が出力側利得調整器29に入力される。
また、上記上り信号増幅部40には、電源部50から例えばDC(直流)15Vの動作電圧(バイアス電圧)が供給される。電源部50は、例えばACコンセントに接続するプラグ51、電源コード52、AC100VをDC15Vに変換して出力する電源回路53により構成される。この電源回路53は、DC15Vを出力する電源ライン54を備えている。
上記上り信号増幅部40は、詳細を後述するように第2のスライドスイッチ27の切替えに連動して電子式スイッチ23が切替わるように構成されており、スイッチ部27a、27bの共通端子d、eを端子d2、e2に切替えた場合に電子式スイッチ23の共通端子fが端子h側に切替わり、スイッチ部27a、27bの共通端子d、eを端子d1、e1に切替えた場合に電子式スイッチ23の共通端子fが端子g側に切替わるように構成されている。
電子式スイッチ23の共通端子fが端子h側に切替えられた状態において、第1のスライドスイッチ26のスイッチ部26a、26bの共通端子a、bを端子a1、b1側に切替えると、入力側利得調整器22で利得調整された信号が第1の上り増幅器25aに入力されて増幅され、更に第2の上り増幅器25bで増幅されて出力側利得調整器29へ送られる。また、上記電子式スイッチ23の共通端子fが端子h側に切替えられた状態において、第1のスライドスイッチ26のスイッチ部26a、26bの共通端子a、bを端子a2、b2側に切替えると、入力側利得調整器22で利得調整された信号は高周波ライン91を通って第1の上り増幅器25aを迂回し、第2の上り増幅器25bへ送られて増幅される。
また、上記したように第2のスライドスイッチ27におけるスイッチ部27a、27bの共通端子d、eを端子d1、e1に切替えた場合には、電子式スイッチ23の共通端子fが端子g側に切替わるので、入力側利得調整器22で利得調整された信号は迂回用線路90に設けられたハイパスフィルタ24を通って2段の上り増幅器25a、25bを迂回し、出力側利得調整器29へ送られる。
以下、上記上り信号増幅部40の詳細について、図2を参照して説明する。図2は上り信号増幅部40の詳細を示す回路構成図である。
電子式スイッチ23の共通端子fには、入力側利得調整器22(図1参照)で利得調整された信号が入力される。上記電子式スイッチ23には、動作電源Vddが供給されると共にコントロール端子に詳細を後述する制御電圧(A)が抵抗61を介して印加される。また、電子式スイッチ23は、チャタリングを防止するため、コントロール端子と接地間に抵抗62を接続してプルダウンさせている。電子式スイッチ23は、制御電圧(A)が“High”レベルの場合に端子f−g間が導通し、制御電圧(A)が“Low”レベルの場合に端子f−h間が導通する。
電子式スイッチ23の端子g側から取出される信号は、コンデンサ63を介して迂回用線路90のハイパスフィルタ24へ送られる。また、電子式スイッチ23の端子h側から取出される信号は、コンデンサ64を介して第1のスライドスイッチ26の第1のスイッチ部26aの共通端子aに入力される。第1のスライドスイッチ26は、2回路2接点のスイッチであり、ノブをスライドさせることで内部の電極c1、c2が連動してスライドし、電極c1により第1のスイッチ部26aの端子a−a1間、あるいは端子a−a2間を導通させ、電極c2により第2のスイッチ部26bの端子b−b1間、あるいは端子b−b2間を導通させる。第1のスイッチ部26aの端子a1側から出力される信号は、第1の上り増幅器25aで増幅されて第2のスイッチ部26bの端子b1に入力される。また、第1のスイッチ部26aの端子a2と第2のスイッチ部26bの端子b2との間は、迂回路を構成する高周波ライン91により接続される。
そして、上記第2のスイッチ部26bの共通端子bから出力される信号は、第2の上り増幅器25bに入力されて増幅され、更にコンデンサ65を介して第2のスライドスイッチ27の第1のスイッチ部27aの共通端子dに入力される。
上記第2のスライドスイッチ27は、2回路3接点のスイッチであり、ノブをスライドさせることで内部の電極c3、c4が連動してスライドし、電極c3により第1のスイッチ部27aの端子d−d1間、端子d−d2間、端子d−d3間を選択的に導通させ、電極c4により第2のスイッチ部27bの端子e−e1間、端子e−e2間、端子e−e3間を選択的に導通させる。また、第1のスイッチ部27aの端子d2と第2のスイッチ部27bの端子e2との間は、迂回路を構成する高周波ライン92により接続される。また、第1のスイッチ部27aの端子d1、d3、第2のスイッチ部27bの端子e3は、それぞれ終端抵抗28a、28b、28cを介して接地される。
そして、上記第2のスイッチ部27bの共通端子eから出力される信号は、コンデンサ66を介して出力側利得調整器29(図1参照)へ送られる。また、第2のスイッチ部27bの共通端子eには、図1に示した電源回路53から電源ライン54により供給されるDC15Vの電圧が抵抗67及びインダクタンス68を介して与えられる。この第2のスイッチ部27bの共通端子eに与えられた直流電圧は、第2のスライドスイッチ27のノブを上方にスライドし、電極c4により第2のスイッチ部27bの端子e−e1間が導通したときに端子e1から出力され、インダクタンス69を介して制御電圧(A)として取出される。この制御電圧(A)は、上記したように電子式スイッチ23のコントロール端子に抵抗61を介して印加される。
また、第2のスイッチ部27bの共通端子eに与えられた直流電圧は、第2のスライドスイッチ27のノブを下方にスライドし、電極c4により第2のスイッチ部27bの端子e−e3間が導通したときに端子e3から出力され、インダクタンス71を介して制御電圧(B)として取出される。
また、上記電源回路53から電源ライン54により供給されるDC15Vの電圧は、DC12V出力のレギュレータ72に与えられる。このレギュレータ72は、コントロール端子73に与えられる制御電圧により出力動作が切替えられるもので、制御電圧が“High”レベルのときにDC12Vを出力し、制御電圧が“Low”レベルのときに出力をオフする。レギュレータ72のコントロール端子73には、第2のスライドスイッチ27からインダクタンス69を介して出力される制御電圧(A)がダイオード74及びインバータ75を介して与えられる。また、上記インバータ75には、第2のスライドスイッチ27の端子e3からインダクタンス71を介して出力される制御電圧(B)がダイオード76を介して入力される。上記インバータ75の入力端子及び出力端子は、それぞれ抵抗77、78を介して接地される。
そして、上記レギュレータ72の出力電圧は、インダクタンス79を介して制御電圧(C)として取出される。また、レギュレータ72の出力電圧は、第2の上り増幅器25bの電源端子にバイアス電圧として供給されると共に、更にインダクタンス81を介して第1のスライドスイッチ26の第2のスイッチ部26bの共通端子bに供給される。この共通端子bに供給された電圧は、第1のスライドスイッチ26のノブを上方にスライドし、電極c2により端子b−b1間が導通したときに端子b1から出力され、インダクタンス82を介して第1の上り増幅器25aの電源端子にバイアス電圧として供給されると共に制御電圧(D)として取出される。
また、上記インダクタンス69を介して出力される制御電圧(A)、インダクタンス79を介して出力される制御電圧(C)、インダクタンス82を介して出力される制御電圧(D)は、上記したように各回路部に供給される他、LED点灯回路100へ供給される。
LED点灯回路100は、2色LED101及びLED駆動用のトランジスタ120〜123を備えている。2色LED101は、赤色発光する赤色LED102と緑色発光する緑色LED103を内蔵しており、各LED102、103のカソードが共通で3つの端子で構成されている。上記LED102、103の共通に接続されたカソードは接地される。2色LED101は、赤色LED102が単独駆動された場合は赤色に発光し、緑色LED103が単独駆動された場合は緑色に発光するが、両LED102、103が同時に駆動されると黄色の発光状態となる。
上記トランジスタ120としては例えばNPN形のものが使用され、制御電圧(C)が抵抗111を介してコレクタに入力され、コレクタ・ベース間にバイアス用抵抗112が接続される。また、トランジスタ120のベースは例えばNPN形のトランジスタ121のコレクタに接続される。このトランジスタ121のベースは、制御電圧(D)が抵抗113を介して入力されると共に抵抗114を介して接地される。また、トランジスタ121は、エミッタが直接接地される。そして、トランジスタ120のエミッタから出力される信号がダイオード124を順方向に介して赤色LED102のアノードに供給される。
また、トランジスタ122としては例えばPNP形のものが使用され、電源回路53(図1参照)の電源ライン54から出力される15Vの電圧が抵抗115を介してエミッタに入力され、ベースは抵抗116を介して例えばNPN形のトランジスタ123のコレクタに接続される。このトランジスタ123のベースは、制御電圧(A)が抵抗117を介して入力されると共に抵抗118を介して接地される。また、トランジスタ123のエミッタは直接接地される。そして、上記トランジスタ122のコレクタから出力される信号がダイオード124を順方向に介して赤色LED102のアノードに供給される。この赤色LED102は、トランジスタ120、122の少なくとも一方がオン動作することによって発光駆動される。
また、緑色LED103のアノードには、制御電圧(C)が抵抗119を介して回入力される。緑色LED103は、制御電圧(C)が“High”レベルとなったときに発光駆動される。
次に上記のように構成された上り信号増幅部40の動作について、図1及び図2を参照して説明する。
入力側利得調整器22から上り信号増幅部40に入力される信号は、電子式スイッチ23により増幅側と2段の増幅部迂回側とに切替えられる。この場合、電子式スイッチ23は、以下に示すように第2のスライドスイッチ27の操作に連動して切替えられる。
[電子式スイッチ23と第2のスライドスイッチ27の連動動作]
第2のスライドスイッチ27は、ノブを上・中・下の3つの位置にスライドさせることにより、次の(1)、(2)、(3)の動作モードを選択する。
(1)第2のスライドスイッチ27を「中」の位置にスライドさせた場合、制御電圧(A)が“Low”レベルとなり、電子式スイッチ23の端子f−h間を導通させて入力側利得調整器22からの信号を増幅側に切替える。
(2)第2のスライドスイッチ27を「上」の位置にスライドさせた場合、制御電圧(A)が“High”レベルとなり、電子式スイッチ23の端子f−g間を導通させ、2段の上り増幅器25a、25bを迂回する迂回用線路90側に切替える。
(3)第2のスライドスイッチ27を「下」の位置にスライドさせた場合、制御電圧(B)が“High”レベルとなって上り信号増幅部40の動作を停止させ、信号出力は行わない。
先ず、第2のスライドスイッチ27のノブを「中」の位置にスライドさせると、内部の電極c3、c4が連動してスライドし、スイッチ部27a、27bの共通端子d、eが端子d2、e2に切替わる。このとき電源ライン54を介して第2のスライドスイッチ27に供給されている直流電圧は、インダクタンス69には与えられず、制御電圧(A)は“Low”レベルとなる。
また、第2のスライドスイッチ27のノブを「中」の位置にスライドさせた状態では、第2のスライドスイッチ27の端子e3から出力される信号は“Low”レベルであり、インダクタンス71を介して出力される制御電圧(B)も“Low”レベルとなっている。第2のスライドスイッチ27のノブを「中」の位置にスライドさせて、制御電圧(A)、(B)が“Low”レベルとなっている場合、ダイオード74、76を介してインバータ75に入力される信号は“Low”レベルに保持される。このためインバータ75の出力が“Highレベル”となってレギュレータ72のコントロール端子に供給されるので、レギュレータ72からはDC12Vの電圧が出力される。このレギュレータ72の出力電圧は、第2の上り増幅器25bの電源端子に供給されると共に、第1のスライドスイッチ26の共通端子bに供給される。
上記のように第2のスライドスイッチ27のノブを「中」の位置にスライドさせ、インダクタンス69を介して出力される制御電圧(A)が“Low”レベルになると、電子式スイッチ23の共通端子fが端子h側、すなわち増幅側に切替わる。従って、入力側利得調整器22からの信号はコンデンサ64を介して第1のスライドスイッチ26に入力される。このとき第1のスライドスイッチ26のノブを上側あるいは下側にスライドすることで、1段目増幅側と1段目迂回側とを選択して切替えることができる。
第1のスライドスイッチ26のノブを上側にスライドすると、内部の電極c1、c2が連動してスライドし、スイッチ部26a、26bの共通端子a、bが端子a1、b1側に切替わり、第1の上り増幅器25aの電源端子にバイアス電圧が供給されると共に、入力側利得調整器22からの入力信号が第1の上り増幅器25aに入力される。この結果、入力信号は、第1の上り増幅器25aで増幅された後、第2の上り増幅器25bへ伝送される。
また、第1のスライドスイッチ26のノブを下側にスライドすると、内部の電極c1、c2が連動して下方に移動し、スイッチ部26a、26bの共通端子a、bが端子a2、b2側に切替わり、入力信号は高周波ライン91側を通り、第1の上り増幅器25aを迂回し第2の上り増幅器25bへ伝送される。このとき第2のスイッチ部26bの端子b−b1間が遮断され、第1の上り増幅器25aにはバイアス電圧が供給されないので、第1の上り増幅器25aは増幅動作を停止する。
上記第2の上り増幅器25bで増幅された信号は、コンデンサ65を介して第2のスライドスイッチ27の第1のスイッチ部27aに入力され、端子d−d2、高周波ライン92、第2のスイッチ部27bの端子e2−eを通り、コンデンサ66を介して出力側利得調整器29へ送られる。
そして、第2のスライドスイッチ27のノブを「上」の位置にスライドさせた場合、内部の電極c3、c4が連動して上方にスライドし、スイッチ部27a、27bの共通端子d、eが端子d1、e1に切替わる。このとき電源ライン54を介して第2のスライドスイッチ27に供給されている直流電圧が第2のスイッチ部27bの端子e−e1を通ってインダクタンス69に供給されるので、制御電圧(A)は“High”レベルとなり、電子式スイッチ23の端子f−g間が導通し、2段増幅部迂回側に切替えられる。この結果、入力側利得調整器22からの信号は、コンデンサ63、迂回用線路90のハイパスフィルタ24を介して第2のスライドスイッチ27に入力され、第2のスイッチ部27bの端子e1−e間を通り、コンデンサ66を介して出力側利得調整器29へ送られる。このとき第2の上り増幅器25bの出力側は、第1のスイッチ部27aの端子d1に接続されている終端抵抗28aにより終端される。
また、上記インダクタンス69から出力される制御電圧(A)が“High”レベルになると、ダイオード74を介してインバータ75に入力される信号が“High”レベルとなり、このインバータ75からレギュレータ72のコントロール端子73に供給される電圧が“Low”レベルとなってレギュレータ72は出力動作を停止する。レギュレータ72の出力電圧が“Low”レベルになると、上り増幅器25a、25bの電源端子に供給されるバイアス電圧が“Low”レベルとなり、上り増幅器25a、25bは増幅動作を停止する。
そして、第2のスライドスイッチ27のノブを「下」の位置にスライドさせた場合、内部の電極c3、c4が連動して下方にスライドし、スイッチ部27a、27bの共通端子d、eが端子d3、e3に切替え接続される。第2のスイッチ部27bの端子e−e3間が導通すると、第2のスライドスイッチ27の信号出力端となる第2のスイッチ部27bの共通端子eが、端子e3に接続されている終端抵抗28cのより終端される。また、第2のスイッチ部27bの端子e−e3間が導通すると、インダクタンス71を介して出力される制御電圧(B)が“High”レベルになり、ダイオード74を介してインバータ75に入力される信号が“High”レベルとなる。このためインバータ75からレギュレータ72のコントロール端子73に供給される電圧が“Low”レベルとなってレギュレータ72は出力動作を停止する。レギュレータ72の出力電圧が“Low”レベルになると、上り増幅器25a、25bの電源端子に供給されるバイアス電圧が“Low”レベルとなり、上り増幅器25a、25bは増幅動作を停止する。また、このとき第2の上り増幅器25bの出力側は、第2のスライドスイッチ27の端子d3に接続されている終端抵抗28bにより終端される。
上記のように第2のスライドスイッチ27のノブを「下」の位置にスライドすると、上り増幅器25a、25bはバイアス電圧が“Low”レベルとなって増幅動作を停止すると共に、第2の上り増幅器25bが第2のスライドスイッチ27により信号出力ラインから切り離される。また、迂回用線路90も信号出力ラインから遮断される。更にスイッチ部27a、27bの共通端子d、eがそれぞれ終端抵抗28b、28cにより終端され、上り信号増幅部40は信号出力動作を停止した状態となる。
図3は、上記のように構成された利得可変型高周波増幅装置において、上り回路部20に対し、従来の利得可変型高周波増幅装置と同じ条件、すなわち、
増幅器利得:30dB
(第1の上り増幅器25a:15dB、第2の上り増幅器53b:15dB)
雑音指数:利得最大時6dB、増幅器迂回時9dB
定格出力レベル:110dBμ
とし、入力レベルを70〜110dBμとしてシミュレーションし、C/Nを求めた結果を示したものである。
上記図3から分かるように、入力レベル80〜90dBμ間では、従来の利得可変型高周波増幅装置と同様に入力レベルを高くしても、C/Nは73dB一定の値となっている。
そして、信号入力レベルが90dBμを超えて例えば95dBμとなった場合に第1のスライドスイッチ26を迂回側として上り信号が第1の上り増幅器25aを迂回するようにする。信号入力レベルが第1の上り増幅器25aを迂回する95〜100dBμでは、C/Nは85dBとなり、入力レベル80〜90dBμ間の73dBと比較して12dB改善されている。
更に、信号入力レベルが105dBμ以上となった場合には、第2のスライドスイッチ27を「上」の位置に切替えて上り信号を迂回用線路90側を通過させ、第1の上り増幅器25a及び第2の上り増幅器25bを迂回させる。このとき信号入力レベルが105dBμではC/Nが99dB、信号入力レベルが110dBμではC/Nが104dBとなる。
上記のように信号入力レベルが所定値例えば95dBμを超えたときに第1のスライドスイッチ26を迂回側として第1の上り増幅器25aを迂回させ、更に信号入力レベルが例えば105dBμを超えたときに第2のスライドスイッチ27を「上」の位置に切替えて2段の上り増幅器25a、25bを迂回させることにより、1段の増幅器を迂回させただけでは対応できない程に入力信号のレベルが高い場合においてもC/Nを改善することができる。
また、種々のレベルの信号が入力された場合において、第1のスライドスイッチ26及び第2のスライドスイッチ27にて増幅器25a、25bを迂回する迂回路を選択すると共に対応する増幅器への電源を遮断することにより、C/Nの劣化量を極力減らし、且つ無駄な消費電力を抑えて最適な信号伝送増幅装置とすることができる。
また、増幅器25a、25bの経路の切替えにスライドスイッチを用いることにより、伝送信号の劣化を防止でき、高品質の信号伝送路を構成することが可能となる。
更に、増幅器の入力側と出力側の両方にスライドスイッチを設けて回路を切替えることにより、回路の長さが短くなって引き回しが簡単になり、出力信号ラインが入力信号ラインに近付く可能性を無くし、入出力間の結合による増幅器の異状発振を確実に防止することができる。
また、入力信号を増幅器側と迂回用線路90側に切替えるスイッチとして電子式スイッチ23を用いることにより、第2のスライドスイッチ27の切替状態を示す信号を用いて電子式スイッチ23を自動的に切替えることが可能となる。この結果、スライドスイッチ27と電子式スイッチ23を連動させることが可能となり、回路の設定操作を簡略化することができる。
[LED点灯回路100の制御動作]
次に、2色LED101の点灯を制御するLED点灯回路100の動作について、図4を参照して説明する。2色LED101は、上記したように赤色LED102と緑色LED103を内蔵しており、赤色LED102が単独駆動された場合は赤色に点灯し、緑色LED103が単独駆動された場合は緑色に点灯する。また、赤色LED102と緑色LED103が同時に駆動されると黄色の点灯状態となる。
図4は、上り回路部20の上り信号増幅部40における第1の上り増幅器25a及び第2の上り増幅器25bの運用状態と2色LED101の点灯状態との関係を示している。
項番1は第1の上り増幅器25aと第2の上り増幅器25bを共に運用動作させている場合で、2色LED101は緑色LED103が単独駆動されて緑色点灯する。
項番2は第1の上り増幅器25aを迂回し、第2の上り増幅器25bを運用動作させている場合で、2色LED101は赤色LED102及び緑色LED103が共に駆動されて黄色点灯する。
項番3は第1の上り増幅器25a及び第2の上り増幅器25bの両方を迂回運用させている場合で、2色LED101は赤色LED102が単独駆動されて赤色点灯する。
項番4は上り回路部20から上り信号増幅部40をカットして伝送線路を終端させた場合で、2色LED101は消灯する。
上記図4に従って動作を説明すると、項番1の第1の上り増幅器25a及び第2の上り増幅器25bを共に動作させる運用時は、第2のスライドスイッチ27のノブが「中」の位置、第1のスライドスイッチ26のノブが「上」の位置のときで、
制御電圧(A)は“Low”レベル、
制御電圧(C)は“High”レベル、
制御電圧(D)は“High”レベル、
となっている。
制御電圧(A)が“Low”レベルになるとトランジスタ123、122がオフし、トランジスタ122のコレクタ出力が“Low”レベルとなる。また、制御電圧(D)が“High”レベルの場合、トランジスタ121がオンとなってトランジスタ120がオフし、トランジスタ120のエミッタ出力が“Low”レベルとなる。この結果、ダイオード124、125のカソード側が“Low”レベルとなり、赤色LED102は駆動されない。一方、制御電圧(C)が“High”レベルであるので、緑色LED103が駆動され、2色LED101は緑色点灯となる。
また、項番2の第1の上り増幅器25aを迂回し、第2の上り増幅器25bを動作させる運用時は、第2のスライドスイッチ27のノブが「中」の位置、第1のスライドスイッチ26のノブが「下」の位置のときで、
制御電圧(A)は“Low”レベル、
制御電圧(C)は“High”レベル、
制御電圧(D)は“Low”レベル、
となっている。
制御電圧(A)が“Low”レベルの場合、上記したようにトランジスタ122がオフし、そのコレクタ出力が“Low”レベルになる。また、制御電圧(D)が“Low”レベルの場合、トランジスタ121がオフ、トランジスタ120がオンとなって制御電圧(C)の“High”レベルがダイオード124を介して出力される。この結果、ダイオード124、125のカソード側が“High”レベルとなり、赤色LED102が駆動される。また、制御電圧(C)が“High”レベルであるので、緑色LED103が駆動される。赤色LED102及び緑色LED103が駆動されることにより、2色LED101は黄色点灯となる。
また、項番3の第1の上り増幅器25a及び第2の上り増幅器25bの両方を迂回運用させている場合、第2のスライドスイッチ27のノブが「上」の位置で、第1のスライドスイッチ26のノブが「上」・「下」どちらの位置のときでも、
制御電圧(A)は“High”レベル、
制御電圧(C)は“Low”レベル、
制御電圧(D)は“Low”レベル、
となっている。
制御電圧(A)が“High”レベルの場合、トランジスタ123、122が共にオンし、トランジスタ122のコレクタ出力が“High”レベルとなってダイオード125から出力される。このためトランジスタ120の動作状態に関係なく、ダイオード124、125のカソード側が“High”レベルとなり、赤色LED102が駆動される。また、制御電圧(C)が“Low”レベルであるので、緑色LED103が駆動されない。従って、2色LED101は、赤色LED102のみが駆動されて赤色点灯となる。
また、項番4の上り回路部20から上り信号増幅部40をカットして伝送線路を終端させた伝送線路終端運用時は、第2のスライドスイッチ27のノブが「下」の位置で、第1のスライドスイッチ26のノブが「上」・「下」どちらの位置のときでも、
制御電圧(A)は“Low”レベル、
制御電圧(C)は“Low”レベル、
制御電圧(D)は“Low”レベル、
となっている。
制御電圧(A)、(B)、(C)が“Low”レベルの場合、トランジスタ120、122が共にオフとなり、ダイオード124、125のカソード側が“Low”レベルとなって赤色LED102は駆動されない。また、制御電圧(C)が“Low”レベルであるので、緑色LED103も駆動されない。従って、2色LED101は、消灯状態となる。
上記のように第1のスライドスイッチ26及び第2のスライドスイッチ27によって設定される上り回路部20の運用状態を2色LED101の表示によって示すことができ、回路の運用設定を容易に行うことができる。すなわち、上記利得可変型高周波増幅装置の取付調整作業において、入力信号レベルに応じて迂回路を選択する際に、2色LED101の表示状態から現在の増幅装置の設定状況を容易に且つ間違いなく把握することが可能となり、迂回路の選択作業時間を大幅に短縮することができる。
なお、上記実施形態では、上り回路部20に第1の上り増幅器25aを迂回する第1のスライドスイッチ26を設けると共に2段の増幅器25a、25bを迂回する第2のスライドスイッチ27を設け、信号入力レベルが所定値を超えたときに第1のスライドスイッチ26あるいは第2のスライドスイッチ27により増幅器を迂回してC/Nを向上する場合について示したが、下り回路部10においても上り回路部20と同様にして実施することが可能であり、C/Nを向上することができる。
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
10…下り回路部、11…下り入力/上り出力端子、12…下り出力/上り入力端子、13…ハイパスフィルタ、14…入力側利得調整器、15、16…下り増幅器、17…出力側利得調整器、18…ハイパスフィルタ、20…上り回路部、21…ローパスフィルタ、22…入力側利得調整器、23…電子式スイッチ、24…ハイパスフィルタ、25a…第1の上り増幅器、25b…第2の上り増幅器、26…第1のスライドスイッチ、26a…第1のスイッチ部、26b…第2のスイッチ部、27…第2のスライドスイッチ、27a…第1のスイッチ部、27b…第2のスイッチ部、28a〜28c…終端抵抗、29…出力側利得調整器、30…ローパスフィルタ、40…上り信号増幅部、50…電源部、51…プラグ、52…電源コード、53…電源回路、54…電源ライン、61、62、67、77、78…抵抗、63〜66…コンデンサ、68、69、71、79、81、82…インダクタンス、72…レギュレータ、73…レギュレータのコントロール端子、74、76…ダイオード、75…インバータ、90…迂回用線路、91…高周波ライン、92…高周波ライン、100…LED点灯回路、101…2色LED、102…赤色LED、103…緑色LED、111〜119…抵抗、120〜123…トランジスタ、124、125…ダイオード。

Claims (3)

  1. 複数段の増幅器と、前記増幅器の入力信号レベルを調整する利得調整器と、前記複数段の増幅器を迂回する迂回用線路と、前記利得調整器から入力される信号を前記増幅器側あるいは前記迂回用線路側に切替える電子式スイッチと、前記複数段の増幅器のうち任意の段の増幅器の経路を迂回し、次段の増幅器に入力信号を切替え接続する第1のスライドスイッチと、前記複数段の増幅器の出力と前記迂回用線路の信号出力側とに切替えて信号を出力する第2のスライドスイッチと、前記第2のスライドスイッチの切替えに応じて前記電子式スイッチを前記増幅器側と前記迂回用線路側とに切替えるスイッチ切替回路と、前記第1のスライドスイッチ又は第2のスライドスイッチにより前記増幅器を迂回するように切替えた際、該迂回する増幅器の電源を遮断する手段と、前記第2のスライドスイッチに接続され、該第2のスライドスイッチを前記迂回用線路側に切替えた際に前記最終段増幅器の出力端を終端する終端抵抗とを具備し、前記複数の増幅器への入力信号のレベルに応じて前記第1のスライドスイッチ若しくは前記第2のスライドスイッチを切替えて対応する前記増幅器の経路を迂回するように構成したことを特徴とする利得可変型高周波増幅装置。
  2. 任意の増幅器に対して迂回側と非迂回側とに切替える第1のスライドスイッチは、対応する増幅器の入力側と出力側の両方に設けて回路を切替えることを特徴とする請求項1に記載の利得可変型高周波増幅装置。
  3. 請求項1又は2に記載の利得可変型高周波増幅装置において、発光色の異なる複数の表示灯からなる表示部と、前記第1のスライドスイッチ及び前記第2のスライドスイッチの切替状態を示す状態信号を生成する状態信号生成手段と、前記状態信号生成手段により生成された状態信号に基づいて前記表示部に設けられた各表示灯を点灯駆動する表示点灯回路とを具備することを特徴とする利得可変型高周波増幅装置。
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