JP2014031536A - 希土類元素の分離回収方法及び分離回収装置 - Google Patents

希土類元素の分離回収方法及び分離回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとが含まれる水溶液から、高速で、かつ高い分離率(分離率60%以上)及び高い回収率(回収率90%以上)でDyを優先的に分離及び回収することが可能な希土類元素の分離回収方法及び分離回収装置を提供する。
【解決手段】Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、無機塩を添加して撹拌する工程(無機塩添加工程)と、
前記無機塩添加工程後に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(凝集剤添加工程)と、
前記凝集剤添加工程後に、遠心分離にてDyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する遠心分離工程とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、希土類元素を分離及び回収する技術に関し、特に、Nd及び/又はPrとDyとを含む水溶液からDyを優先的に高い効率で分離及び回収することが可能な希土類元素の分離回収方法及び分離回収装置に関する。
希土類元素は近年需要が急激に増大した元素である。その主用途は古くは1920‐1940年代頃航空機用マグネシウム−アルミニウム合金に微量に添加され、該合金の耐熱性やクリープ抵抗(連続負荷に対するひずみ)抑制に効果を上げた。またブラウン管やプラズマ放電ディスプレイなどの蛍光発光材料にも用いられてきた。ここで注目したネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)は磁性金属と混合焼結することで高温での磁力低下を防止することができるため、耐高温磁石として、高温で使用されるモータ(例えば、ハイブリッド動力自動車用モータ)に利用されている。
近年の二酸化炭素削減目標設定により、高効率低燃費の自動車が一般的になり、月あたりの国内出荷台数統計の上位にもハイブリッド動力自動車が登場するようになったことを背景として、上述した耐高温磁石の需要も急増し、それに伴って希土類元素の使用量も急増している。
一方ネオジム、ジスプロシウムはともに主な産出地が偏在していることから供給量に制約が生じ、その結果価格はいずれも高騰し、入手は困難となってきている。最近公海上の海底に堆積した泥の中に希土類元素が非常に大量に集積しているとの報告があるが、公海上の深度数千mの海底から固体を安価に採掘することが困難と予想される。
これまで高耐熱磁石中の希土類元素は、投入原料のうち30%が加工くずとして処理されてきたが、この中に含有される希土類元素(特にDy)を回収できれば、希土類元素資源を有効に活用できる。このため、希土類元素を分離回収する技術に関する研究が活発に行われている。
従来、希土類元素の分離回収の手段としては溶媒抽出法が用いられてきた。しかし溶媒抽出法は強酸と揮発性有機溶媒を大量に使用することから、環境への負荷が懸念される。この課題を克服するため、特許文献1記載のように凝集剤を用いた分離方法が提案されている。
特許文献1には、側鎖にアミノ基を有し、主鎖が直鎖である水溶性高分子と、酸性基を有する水溶性高分子又は陽イオン交換樹脂とを組み合わせてなる希土類金属凝集剤が開示されている。特許文献1によると、複数種の希土類金属が含まれる水溶液から特定の希土類金属のみを高速で大量に分離・回収することができるとされており、特に、Nd及びDyが含まれる水溶液からDyのみを高速で大量に分離・回収することができるとしている。
また、特許文献2には、下記工程(1)及び工程(2)を含むことを特徴とするレアメタル(モリブデン、バナジウム及びタングステン)の選択的回収方法が開示されている。すなわち、(1)レアメタルを含む金属成分を含有する水溶液をキレート樹脂又は吸着剤に接触させる方法、又はレアメタルを含む金属成分を含有する水溶液中において、金属化合物の沈殿を形成する方法によって、レアメタルを含む金属成分を固相に吸着又は吸蔵させる工程、(2)上記工程(1)で得られた、レアメタルを含む金属成分を吸着又は吸蔵した固相をペルオキシ化合物を含有する水溶液に接触させる工程が開示されている。
特許文献2によると、レアメタル以外に多種類の金属イオンが共存する水溶液から、モリブデン、バナジウム及びタングステンという特定のレアメタルを選択性よく分離回収することができるとされている。このため、特許文献2記載の方法によれば、レアメタルの効率のよい回収が可能となり、回収後の精製プロセスでのコスト削減を図ることができるとされている。また、特許文献2記載の方法は、レアメタルの高純度化にも有利な方法であり、さらに、溶出液における有効成分であるペルオキシ化合物は、安価であり、かつ取り扱いが容易な物質であり、耐酸性の装置が不要であるために、コストの削減を図ることができるとされている。
特開2012‐030139号公報 特開2012‐025995号公報
しかしながら、上述した特許文献1の方法では、凝集生成物を液相から分離するためにろ過又は磁気分離法により分離しているが、磁気分離法はイオン交換樹脂が磁性粉を含有する場合に使用され、その他の場合はろ過により分離している。一般的にろ過による分離は1〜2日の時間を要する。このため、希土類元素の分離回収の効率を向上させるために、より一層処理速度を迅速化する改良が望まれていた。
また、特許文献2では、多種類の金属イオンが共存する水溶液から、モリブデン、バナジウム及びタングステンや希土類元素等の多数種の金属を回収することができるとされているが、多種類の金属イオンが共存する水溶液で、かつNd及び/又はPrが含まれる水溶液から、Dyを優先的に分離して回収する方法については開示されていない。
希土類磁石、特にNd‐Fe‐B焼結磁石には希土類元素としてDy、Nd及びPrが含まれるが、これらは化学的・物理的性質が類似する。このため、特に耐高温磁石の磁石成分として有効なDyを、Nd及び/又はPrが含まれる水溶液から優先的に分離、回収することが重要である。
したがって、本発明の目的は、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとが含まれる水溶液から、高速で、かつ高い分離率(分離率60%以上)及び高い回収率(回収率80%以上)でDyを優先的に分離及び回収することが可能な希土類元素の分離回収方法及び分離回収装置を提供することにある。
本発明の第一の態様は、上記目的を達成するため、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液からNd及び/又はPrとDyを分離してDyを優先的に回収する希土類元素の分離回収方法であって、
前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、無機塩を添加して撹拌する工程(無機塩添加工程)と、
前記無機塩添加工程後に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(凝集剤添加工程)と、
前記凝集剤添加工程後に、遠心分離にてDyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する遠心分離工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法を提供する。
本発明の第一の態様の他の例は、上記目的を達成するため、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、無機塩と凝集剤を添加し、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液を沈殿と液相に分離し、前記沈殿からDyを優先的に回収する希土類元素の分離回収装置であって、
前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液を収納するための第1の反応槽と、
前記第1の反応槽に設けられた第1の撹拌手段と、
前記無機塩を収納する第1の無機塩タンクと、
前記凝集剤として、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤を収納する第1の凝集剤タンクと、
前記凝集剤として、アミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤を収納する第2の凝集剤タンクと、
前記第1の反応槽で得られた沈殿と液相を分離するための第1の遠心分離装置とを少なくとも有することを特徴とする希土類元素の分離回収装置を提供する。
本発明の第二の態様は、上記目的を達成するため、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液からNd及び/又はPrとDyを分離してDyを優先的に回収する希土類元素の分離回収方法であって、
前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、
カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(凝集剤添加工程)と、
前記凝集剤添加工程後に、前記Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍及び解凍する工程(冷凍・解凍工程)と、
前記冷凍・解凍工程後に、ろ過にて前記Dyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する工程(ろ過工程)とを含むことを特徴とする希土類元素の分離回収方法を提供する。
本発明の第二の態様の他の例は、上記目的を達成するため、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、凝集剤を添加し、前記Nd及び/又はPrとDyとを含む水溶液を沈殿と液相に分離し、前記沈殿からDyを優先的に回収する希土類元素の分離回収装置であって、
前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液を収納するための第1の反応槽と、
前記第1の反応槽に設けられた第1の撹拌手段と、
前記凝集剤として、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤を収納する第1の凝集剤タンクと、
前記凝集剤として、アミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤を収納する第2の凝集剤タンクと、
前記第1の反応槽で得られた沈殿及び液相を冷凍及び解凍するための冷凍・解凍装置と、
前記冷凍・解凍後に、前記沈殿及び液相を、沈殿と液相に分離するためのろ過手段と
を少なくとも有することを特徴とする希土類元素の分離回収装置を提供する。
本発明によれば、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとが含まれる水溶液から、高速で、かつ高い分離率(分離率60%以上)及び高い回収率(回収率80%以上)でDyを優先的に分離及び回収することが可能な希土類元素の分離回収方法及び分離回収装置を提供することができる。
本発明(第一の態様)に係るDy及びNdの回収率と、凝集剤と金属の比の関係を示す模式図である。 無機塩を添加しない場合のDy及びNdの回収率と、凝集剤と金属の比の関係を示す模式図である。 本発明(第一の態様)に係る希土類分離回収装置の第1例を示す断面模式図である。 本発明(第一の態様)に係る希土類分離回収装置の第2例を示す断面模式図である。 本発明(第二の態様)に係る希土類分離回収装置の第1例を示す断面模式図である。 本発明(第二の態様)に係る希土類分離回収装置の第2例を示す断面模式図である。 本発明(第一の態様)に係るDyの分離率とNaCl添加量の関係を示すグラフである。 本発明(第二の態様)に係るDyの分離率とNaCl添加量の関係を示すグラフである。
(第一の態様)
本願発明(第一の態様)の希土類元素の分離回収方法では、沈殿と液相の分離に遠心分離法を用いることで、従来のろ過を用いる場合と比較して、沈殿と液相の分離時間を大幅に短縮することが可能となる。具体的には、従来のろ過では、沈殿と液相の分離には、1‐2日の処理時間を要していたところ、遠心分離では処理時間を1‐2時間に短縮することが可能となる。
ただし、遠心分離法を用いるためには、沈殿を十分に固めなくてはならない。そのためには液相中に含まれる微細な粉末も沈殿させる必要がある。本願発明では金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に無機塩を所定量添加することによって、固い沈殿を形成することが可能となる。
さらに本願発明では、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液からDyを優先的に分離及び回収するために、第1の凝集剤(カルボキシル基を有する有機物を含む凝集剤)及び第2の凝集剤(アミノ基を有する有機物を含む凝集剤)をこの順で所定量添加する。このような凝集剤を添加することで、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む沈殿を形成することができる。
上述したように本願発明は、遠心分離法、無機塩及び本発明に係る凝集剤を用いることによって、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとが含まれる水溶液から、高速で、かつ高い分離率(分離率60%以上)及び高い回収率(回収率80%以上)でDyを優先的に分離及び回収することが可能となるものである。
本発明は、上記の(第一の態様)に係る希土類元素の分離回収方法において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記カルボキシル基を有する有機物はポリアクリル酸であり、前記アミノ基を有する有機物はポリアリルアミンである。
(ii)前記第1の凝集剤の添加量及び前記第2の凝集剤の添加量の合計が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%である。
(iii)前記無機塩が塩化ナトリウムである。
(iv)前記無機塩の添加量が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%である。
(v)さらに前記遠心分離工程後に、前記遠心分離工程において回収した前記Dyを含む沈殿に塩基を添加してDyの水酸化物を沈殿させる工程(塩基添加工程)と、
前記塩基添加工程後に、無機塩を添加して撹拌する工程(第2の無機塩添加工程)と、
前記第2の無機塩添加工程後に、遠心分離にてDyの水酸化物を含む沈殿と液相に分離してそれぞれ回収する工程(第2の遠心分離工程)と、
前記Dyの水酸化物を含む沈殿に酸を添加して中和する工程(酸添加工程)と、
前記酸添加工程後に、無機塩を添加して撹拌する工程(第3の無機塩添加工程)と、
前記第3の無機塩添加工程後に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(第2の凝集剤添加工程)と、
前記第2の凝集剤添加工程後に、遠心分離にてDyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する遠心分離工程(第3の遠心分離工程)と、
前記第3の遠心分離工程後に、前記第3の遠心分離工程で回収したDyを多く含む沈殿を加熱炉で焼成する工程(焙焼工程)とを有する。
また本発明は、上記の(第一の態様)に係る希土類元素の分離回収装置において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(vi)前記カルボキシル基を有する有機物はポリアクリル酸であり、前記アミノ基を有する有機物はポリアリルアミンである。
(vii)前記第1の凝集剤の添加量及び前記第2の凝集剤の添加量の合計が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%である。
(viii)前記無機塩が塩化ナトリウムである。
(ix)前記無機塩の添加量が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%である。
(x)さらに前記第1の遠心分離装置において得られた沈殿を収納する第2の反応槽と、
前記第2の反応槽に設けられた第2の撹拌手段と、
塩基を収納する塩基タンクと、
無機塩を収納する第2の無機塩タンクと、
前記第2の反応槽で得られた沈殿と液相を分離するための第2の遠心分離装置と、
酸を収納する酸タンクと、
前記第2の遠心分離装置にて得られた沈殿に前記酸タンクから酸を供給する手段と、
前記第2の遠心分離装置で得られた沈殿を収納する第3の反応槽と、
前記第3の反応槽に設けられた第3の撹拌手段と、
前記無機塩を収納する第3の無機塩タンクと、
前記第1の凝集剤を収納する第3の凝集剤タンクと、
前記第2の凝集剤を収納する第4の凝集剤タンクと、
前記第3の反応槽で得られた沈殿と液相を分離するための第3の遠心分離装置と
を有する。
(xi)さらに、前記第3の遠心分離装置にて回収されたDyを含む沈殿に前記無機塩、前記凝集剤を添加し、遠心分離で沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記塩基及び前記無機塩を添加し、遠心分離で沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記酸を添加して遠心分離を行う一連の作業を複数回行うことができるよう、反応槽及び反応槽に設けられた撹拌手段と、無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンク及び遠心分離装置を複数段有する。
(xii)遠心分離して得られたDyを含む沈殿を焙焼するための加熱炉をさらに有する。
(xiii)前記無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンクから供給する液の供給量を調節するためのバルブと、該バルブに接続され、前記供給量を制御するための制御装置とを有する。
以下、本発明に係る実施形態を説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施の形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
(第一の態様)
(希土類元素の分離回収方法)
本発明(第一の態様)の希土類元素の分離回収方法について説明する。まず、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、無機塩を添加して撹拌(無機塩添加工程)する。このように無機塩を添加しておくことで、塩析効果で凝集物の沈殿が発生しやすくなり、後述する分離回収工程における遠心分離において、Dyの凝集物の沈殿を高い分離率及び回収率で回収可能となる。
無機塩としては、特に限定はないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、などのハロゲン化アルカリ金属や、塩化アンモニウムが好適である。
無機塩の添加量は、Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%が好ましい。なお、本明細書において「1〜7wt%」とは、1wt%以上、7wt%以下であることを意味する。
無機塩の添加量が1wt%未満であると、塩析効果が小さく、液相中の凝集物を十分に沈殿させることができない。また、7wt%超であると、液相中に含まれるDyのみならず、Nd及び/又はPrをも沈殿させてしまうので、Dyの分離効果が失われてしまう。
次に、前記無機塩添加工程後に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させる(凝集剤添加工程)。このような操作によって、なぜNd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物が生成するか詳細な機構は不明であるが、Dyとカルボキシル基及びアミノ基がイオン会合していると考えられる。なお第1の凝集剤の添加及び第2の凝集剤の添加は上記順番で行う必要がある。
カルボキシル基を有する有機物としては、ポリアクリル酸、ジカルボン酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、陽イオン交換樹脂などが好適である。また、アミノ基を有する有機物としてはポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアリルアミン、陰イオン交換樹脂などが好適である。これらカルボキシル基を有する有機物又はアミノ基を有する有機物の構造は限定されるものではない。鎖状、環状であっても、芳香環を有していてもよい。また、これらカルボキシル基を有する有機物又はアミノ基を有する有機物の重量平均分子量は1000程度であることが好ましい。カルボキシル基を有する有機物としてはポリアクリル酸が、アミノ基を有する有機物としてはポリアリルアミンを用いることが特に好ましい。
前記第1の凝集剤及び第2の凝集剤の合計添加量は、前記Nd及び/又はPrとDyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%であることが好ましい。凝集剤の添加量が少ないほど凝集剤を水溶液に均一に混合しやすくなる。しかし0.01wt%未満であると、凝集の効果を十分に得ることができず、また、Nd及び/又はPrとDyとを含む水溶液の量が大量に必要となり、作業性に問題が生じる。また、30wt%超であると粘性が高くなり、後述する遠心分離でNd及び/又はPrとDyを分離することが困難になる。
次に、前記凝集剤添加工程後に、凝集物が沈殿した後、遠心分離にて沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する。遠心分離法、遠心分離装置に特段の限定はなく、従来の方法及び装置を使用することができる。また、沈殿と液相の供給を連続的に行うことができる連続遠心分離装置を使用することも可能である。
図1Aは本発明(第一の態様)に係るDy及びNdの回収率と、凝集剤と金属の比の関係を示す模式図である。また図1Bは、無機塩を添加しない場合のDy及びNdの回収率と、凝集剤と金属の比の関係を示す模式図である。ここで、「凝集剤と金属の比(凝集剤/金属比)」とは、凝集剤の添加量を、Nd及びDyを含む水溶液中に含まれるDyとNdの原子の総数で割った値のことである。この値はすなわち、金属原子(Dy又はNd)1個に対する凝集剤の添加量を表わしている。
図1A及び図1Bに示したように、凝集剤の添加量によってDyとNdの回収率が異なる。また本発明に係る図1Aは、無機塩を添加しない図1Bと比較して、DyとNdの分離率が大きく、回収率も大きい。これは、無機塩を添加していないと沈殿が十分に固まらず、結果としてDy及びNdを十分に分離することができなくなるためであると考えられる。
また、本発明では上記遠心分離工程後に、さらに以下の工程を有していてもよい。すなわち、上記遠心分離工程後に得た沈殿に、塩基(塩基性水溶液)を添加する(塩基添加工程)を有していてもよい。このようにすることで、沈殿に含まれるDyと塩基が反応し、Dyの水酸化物が生じ、沈殿する。このとき添加する塩基(塩基性水溶液)としては、Dyの水酸化物を生じさせることができるものであれば特に限定されないが、pHが9よりも大きい強塩基が好ましい。より具体的には、水酸化ナトリウム水溶液が好適である。
なお、Dyの水酸化物を含む沈殿には、先の工程(無機塩添加工程)で添加した無機塩が含まれているが、上記塩基添加工程の後に、さらに無機塩を添加するために、無機塩を添加して撹拌する工程(第2の無機塩添加工程)を有していてもよい。無機塩を添加することで、前述したようにDyの水酸化物の沈殿を固めることができる。
次に、上記で得たDyの水酸化物を含む沈殿を、遠心分離にてDyの水酸化物を含む沈殿と液相に分離してそれぞれ回収し(第2の遠心分離工程)、Dyの水酸化物を含む沈殿に酸を添加して、Dyの水酸化物を酸で中和し、Dyの塩にする。このとき添加する酸は特に限定されないが、鉱酸が好適である。該Dyの塩に、さらに無機塩を添加して撹拌し(第3の無機塩添加工程)、第1の凝集剤及び第2の凝集剤を添加し(第2の凝集剤添加工程)、遠心分離にてDyを含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する遠心分離工程(第3の遠心分離工程)とを実施する。
上記のようにして得た沈殿は、無機塩添加工程、凝集剤添加工程及び遠心分離工程の一連の工程を2回行っており、より純度の高いDyが得られる。無機塩添加工程、凝集剤添加工程及び遠心分離工程の一連の工程を1回行うのみでも、分離率60%以上、回収率80%以上を達成することができるが、上記一連の工程は、時間やコストに余裕があればさらに何回行っても良く、回数が多いほどより分離率及び回収率は向上するものと考えられる。
また、上記Dyを含む塩を加熱炉で焼成する工程(焙焼工程)とを有していてもよい。このようにDyを含む塩を焙焼することで、Dyの酸化物を得ることができる。
(希土類元素の分離回収装置)
本発明(第一の態様)の希土類元素の分離回収装置について説明する。図2は本発明(第一の態様)に係る希土類分離回収装置の第1例を示す断面模式図である。以下に、本発明に係る希土類元素回収方法の手順にしたがって、該装置について説明する。
まず、第1の反応槽2に金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液を投入する。次に、第1の無機塩タンク3に収納されている無機塩を第1の反応槽2に供給する。このとき、無機塩の供給量は、第1の無機塩供給量調節バルブ31によって調節される。無機塩を投入した後、第1の撹拌手段21により、第1の反応槽2内を撹拌する。
次に、第1の凝集剤タンク11に収納されているカルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤を第1の反応槽2に供給し、第1の撹拌手段21により第1の反応槽2内を撹拌する。このとき、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤の供給量は、第1の凝集剤供給量調節バルブ13によって調節される。続いて、第2の凝集剤タンク12に収納されているアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤を、第1の反応槽2に供給し、第1の撹拌手段21により第1の反応槽2内を撹拌する。このとき、アミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤の供給量は、第2の凝集剤供給量調節バルブ14によって調節される。
上記凝集剤添加工程後、第1の反応槽2内の水溶液内には、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物が生成し、沈殿する。また、水溶液の液相には、Dyよりも、Nd及び/又はPrが多く残る。
次に、上記で得た沈殿と液相を、第1の遠心分離装置4に供給する。このとき、沈殿と液相の供給量は、第1の沈殿・液相供給量調節バルブ22によって調節される。遠心分離装置によって、Dyを多く含む沈殿は配管5に、Nd及び/又はPrを多く含む液相は配管6に分離し、それぞれ回収される。以上の操作により、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液から、Dyと、Nd及び/又はPrを分離し、Dyを回収することができる。なお図示しないが、配管6は、再び反応槽に供給されるようにされていてもよい。
本発明の希土元素の分離回収装置は、さらに制御装置200を備え、該制御装置200によって、第1の無機塩供給量調節バルブ31、第1の凝集剤供給量調節バルブ13、第2の凝集剤供給量調節バルブ14及び第1の沈殿・液相供給量調節バルブ22での液量調節が制御されるようにしてもよい。また、図示しないが、制御装置200は第1の反応槽2、第1の撹拌手段21及び第1の遠心分離装置4に接続され、それらの運転を制御するようにしてもよい。
図3は、本発明(第一の態様)に係る希土類分離回収装置の第2例を示す断面模式図である。図3において、遠心分離装置にてDyを多く含む沈殿と、Nd及び/又はPrを含む液相に分離するまでは図2と同じ構成である。本態様では、その後、Dyを多く含む沈殿を、配管5を経て第2の反応槽7に投入する。次に塩基タンク8に収納されている塩基を、第2の反応槽7に供給し、第2の撹拌手段71により第2の反応槽7内を撹拌する。第2の反応槽7に供給される塩基の量は、塩基供給量調節バルブ81によって調節される。このようにDyを多く含む凝集物に塩基を添加することで、Dyの水酸化物を含む沈殿が生成する。
次に、第2の無機塩タンク32から、第2の反応槽7に無機塩を供給する。このとき、無機塩の供給量は、第2の無機塩供給量調節バルブ33によって調節される。無機塩添加後、第2の撹拌手段71により第2の反応槽7内を撹拌する。なお、無機塩を添加することによって塩析効果で沈殿が生成しやすくなるが、第1の凝集剤添加工程前に無機塩を添加していれば、配管5で回収される沈殿にはもともと無機塩が含まれているため、ここで無機塩を添加することは省略してもよい。
次に、上記で得られた沈殿及び液相を、第2の遠心分離機9に投入し、Dyの水酸化物を含む沈殿を配管10に、沈殿以外の液相を配管11に分離する。このとき、沈殿を含む液相の供給量は、第2の沈殿・液相供給量調節バルブ72によって調節される。
次に、上記で得た沈殿に、酸タンク710から、酸を供給して中和する。酸の供給方法としては特段の制限はなく、一例として、図3に示したように、第2の遠心分離機9から沈殿が排出される配管10に直接供給することが可能である。このとき、供給される酸の量は、酸供給量調節バルブ711によって調節される。
次に、上記で得た沈殿を第3の反応槽17に投入する。第3の無機塩タンク34に収納されている無機塩を、第3の反応槽17に供給し、第3の撹拌手段171によって第3の反応槽17内を撹拌する。このとき、第3の反応槽17に供給される無機塩の量は、第3の無機塩供給量調節バルブ35によって調節される。
次に、第1の凝集剤タンク15に収納されているカルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤を第3の反応槽17に供給し、第3の撹拌手段171により第3の反応槽17内を撹拌する。このとき、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤の供給量は、第3の凝集剤供給量調節バルブ151によって調節される。続いて、第4の凝集剤タンク16に収納されているアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤を、第3の反応槽17に供給し、第3の撹拌手段171により第3の反応槽17内を撹拌する。このとき、アミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤の供給量は、第4の凝集剤供給量調節バルブ161によって調節される。
次に、上記で得た沈殿を含む水溶液を、第3の遠心分離装置19に供給する。このとき、沈殿を含む液相の供給量は、第3の沈殿・液相供給量調節バルブ18によって調節される。第3の遠心分離装置19によって、Dyを含む沈殿は配管20へ、Nd及び/又はPrを含む液相は配管21に分離し、それぞれ回収される。
なお、図3には図示していないが、本願発明ではさらに上記第3の遠心分離装置にて回収されたDyを含む沈殿に前記無機塩、前記凝集剤を添加し、遠心分離で沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記塩基及び前記無機塩を添加し、遠心分離で沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記酸を添加して遠心分離を行う一連の作業を複数回行うことができるよう、反応槽及び反応槽に設けられた撹拌手段と、無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンク及び遠心分離装置とを複数段有することが可能である。また、一連の処理作業を複数回行うことができるよう、図3中の、Nd及び/又はPrを含む液相を回収する配管6、11及び21は、それぞれ反応槽内に供給されるよう、配管を設置することが可能である。
また、第3の遠心分離操作後、Dyを多く含む沈殿を焙焼するための加熱炉22をさらに備えていてもよい。加熱炉22で沈殿を焙焼することで、Dyの酸化物を得ることができる。
さらに、図示しないが図2に示したときと同様に制御装置を備え、該制御装置を各タンクの供給量調節バルブに接続し、バルブの調節を制御するようにしてもよい。また、該御装置は各反応槽、各撹拌手段及び各遠心分離装置、加熱炉に接続され、それらの運転を制御するようにしてもよい。

(第二の態様)
本願発明(第二の態様)の希土類元素の分離回収方法では、Dyを多く含む沈殿と、Nd及び/又はPrを多く含む液相とを含む水溶液を、冷凍及び解凍した後、ろ過にて分離することで、従来の冷凍及び解凍をせずにろ過を行う場合と比較して、沈殿と液相の分離時間を大幅に短縮することが可能となる。具体的には、従来のろ過では、沈殿と液相の分離には、1‐2日の処理時間を要していたところ、沈殿と液相を含む水溶液を冷凍及び解凍した後、ろ過を行う方法では処理時間を1‐2時間に短縮することが可能となる。
このように冷凍・解凍によってろ過時間を短縮できる理由は、沈殿と液相を含む水溶液を冷凍すると、液相から微細な(ろ過によるろ別不可能な)沈殿が析出し、凝集することで沈殿粒子の成長が生じるためである。このように沈殿粒子が大きくなることで、ろ過をする際のフィルターの目詰まりを低減し、迅速なろ別が可能となる。
また本願発明では、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液からDyを優先的に分離及び回収するために、第1の凝集剤(カルボキシル基を有する有機物を含む凝集剤)及び第2の凝集剤(アミノ基を有する有機物を含む凝集剤)をこの順で所定量添加する。このような凝集剤を添加することで、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む沈殿を形成することができる。
さらに本願発明では金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に無機塩を所定量添加してもよい。無機塩を添加することによって、固い沈殿を形成することが可能となる。
さらに本発明は、上記の(第二の態様)に係る希土類元素の分離回収方法において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(xiv)前記カルボキシル基を有する有機物はポリアクリル酸であり、前記アミノ基を有する有機物はポリアリルアミンである。
(xv)前記第1の凝集剤及び第2の凝集剤の添加量の合計が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%である。
(xvi)前記凝集剤添加工程前に、前記金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、無機塩を添加する工程(無機塩添加工程)を有する。
(xvii)前記無機塩の添加量が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%である。
(xviii)前記無機塩が塩化ナトリウムである。
(xix)さらに前記ろ過工程後に、前記ろ過工程において回収した前記Dyを多く含む沈殿に塩基を添加してDyの水酸化物を発生させて該Dyの水酸化物を沈殿させる工程(塩基添加工程)と、
前記塩基添加工程後に、無機塩を添加して撹拌する工程(第2の無機塩添加工程)と、
前記第2の無機塩添加工程後に、Dyの水酸化物の沈殿及び液相を冷凍及び解凍する工程(第2の冷凍・解凍工程)と、
前記冷凍・解凍工程後に、ろ過にてDyの水酸化物の沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する工程(第2のろ過工程)と、
前記Dyの水酸化物を含む沈殿に酸を添加する工程(酸添加工程)と、
前記酸添加工程後に、無機塩を添加して撹拌する工程(第3の無機塩添加工程)と、
前記第3の無機塩添加工程後に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(第2の凝集剤添加工程)と、
前記第2の凝集剤添加工程後に、前記Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍及び解凍する工程(第2の冷凍・解凍工程)と、
前記第2の冷凍・解凍工程後に、ろ過にて前記Dyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する工程(第3のろ過工程)と、
前記第3のろ過工程後に、前記第3のろ過工程で回収したDyを多く含む沈殿を加熱炉で焼成する工程(焙焼工程)とを有する。
さらに本発明は、上記の(第二の態様)に係る希土類元素の分離回収装置において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(xx)前記カルボキシル基を有する有機物はポリアクリル酸であり、前記アミノ基を有する有機物はポリアリルアミンである。
(xxi)前記第1の凝集剤の添加量及び前記第2の凝集剤の添加量の合計が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%である。
(xxii)さらに、無機塩を収納する第1の無機塩タンクを有する。
(xxiii)前記無機塩の添加量が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%である。
(xxiv)前記無機塩が塩化ナトリウムである。
(xxv)さらに前記ろ過手段において得られた沈殿を収納する第2の反応槽と、
前記第2の反応槽に設けられた第2の撹拌手段と、
塩基を収納する塩基タンクと、
無機塩を収納する第2の無機塩タンクと、
前記第2の反応槽で得られた沈殿と液相を冷凍及び解凍するための第2の冷凍・解凍装置と、
前記第2の冷凍・解凍後に、前記沈殿及び液相を、沈殿と液相に分離するための第2のろ過手段と、
酸を収納する酸タンクと、
前記第2のろ過手段にて得られた沈殿に前記酸タンクから酸を供給する手段と、
前記第2のろ過手段で得られた沈殿を収納する第3の反応槽と、
前記第3の反応槽に設けられた第3の撹拌手段と、
前記無機塩を収納する第3の無機塩タンクと、
前記第1の凝集剤を収納する第3の凝集剤タンクと、
前記第2の凝集剤を収納する第4の凝集剤タンクと、
前記第3の反応槽で得られた沈殿及び液相を冷凍及び解凍するための第3の冷凍・解凍装置と、
前記第3の冷凍・解凍後に、前記沈殿及び液相を、沈殿と液相に分離するための第3のろ過手段とを有する。
(xxvi)さらに、前記第3のろ過手段にて回収されたDyを多く含む沈殿に前記無機塩、前記凝集剤を添加し、該Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍・解凍後にろ過して沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記塩基及び前記無機塩を添加し、該Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍・解凍後にろ過して沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記酸を添加した後、該Dyを多く含む沈殿に前記無機塩、前記凝集剤を添加し、該Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍・解凍後にろ過して沈殿と液相に分離する一連の作業を複数回行うことができるよう、反応槽及び反応槽に設けられた撹拌手段と、無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンク及び冷凍・解凍装置及びろ過手段とを複数段有する。
(xxvii)ろ過して得られたDyを含む沈殿を焙焼するための加熱炉をさらに有する。
(xxviii)前記無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンクから供給する液の供給量を調節するためのバルブと、該バルブに接続され、前記供給量を制御するための制御装置とを有する。
(xxix)さらに前記冷凍・解凍装置に接続され、該冷凍・解凍装置の運転を制御する。
以下、本発明に係る実施形態を説明する。ただし、本発明は、ここで取り上げた実施の形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
(希土類元素の分離回収方法)
本発明(第二の態様)の希土類元素の分離回収方法について説明する。まず、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させる(凝集剤添加工程)。このような操作によって、なぜNd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物が生成するか詳細な機構は不明であるが、Dyとカルボキシル基及びアミノ基がイオン会合していると考えられる。なお第1の凝集剤の添加及び第2の凝集剤の添加は上記順番で行う必要がある。
カルボキシル基を有する有機物としては、ポリアクリル酸、ジカルボン酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、陽イオン交換樹脂などが好適である。また、アミノ基を有する有機物としてはポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアリルアミン、陰イオン交換樹脂などが好適である。これらカルボキシル基を有する有機物又はアミノ基を有する有機物有機物の構造は限定されるものではない。鎖状、環状であっても、芳香環を有していてもよい。また、これらカルボキシル基を有する有機物又はアミノ基を有する有機物の重量平均分子量は1000程度であることが好ましい。カルボキシル基を有する有機物としてはポリアクリル酸が、アミノ基を有する有機物としてはポリアリルアミンを用いることが特に好ましい。
前記第1の凝集剤及び第2の凝集剤の添加量は、前記Nd及び/又はPrとDyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%であることが好ましい。凝集剤の添加量が少ないほど凝集剤を水溶液に均一に混合しやすくなる。しかし0.01wt%未満であると、凝集の効果を十分に得ることができず、また、Nd及び/又はPrとDyとを含む水溶液の量が大量に必要となり、作業性に問題が生じる。また、30wt%超であると粘性が高くなり、後述する遠心分離でNd及び/又はPrとDyを分離することが困難になる。
次に、前記凝集剤添加工程後に、凝集物が沈殿した後、冷凍・解凍工程として沈殿を含む水溶液の冷凍及び解凍を行う。上述した凝集剤添加工程のみでは、沈殿を生成せず液相に残留する微細な粒子によって、後述するろ過処理においてフィルターの目詰まりを起こし、迅速な分離回収が不可能となる。本発明では、冷凍・解凍工程を行うとことで、沈殿粒子を成長させ、ろ過におけるフィルターの目詰まりを低減することが可能となる。
冷凍及び解凍を行う装置としては、水溶液を収納する容器ごと冷凍・解凍を行えばよく、特段の制限はない。例えば冷凍は、家庭用の冷凍庫と同じ構造のものを使用することができる。また、液体窒素を噴霧することで冷凍することもできる。解凍は、自然解凍でもよく、電気ヒータを使用してもよい。より迅速な処理を行うためには、冷凍は液体窒素噴霧で行い、解凍は電気ヒータで行うことが望ましい。冷凍によって凍結して成長した沈殿粒子は、解凍によって液相に戻ることはない。
次に、冷凍・解凍工程を経た沈殿及び液相を、ろ過によって沈殿と液相に分離して回収する(分離回収工程)。ろ可の方法はフィルターを用いた従来の方法を使用することができ、特段の制限はない。またろ過は、窒素等のガスで加圧しながら行ってもよい。
本発明では、さらに上記凝集剤添加工程後に、無機塩を添加する工程を行ってもよい。無機塩を添加することで、塩析効果で凝集物の沈殿が発生しやすくなる。無機塩としては、特に限定はないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、などのハロゲン化アルカリ金属や、塩化アンモニウムが好適である。
無機塩の添加量は、1〜7wt%が好ましい。無機塩の添加量が1wt%未満であると、塩析効果が小さく、液相中の凝集物を十分に沈殿させることができない。また、7wt%超であると、液相中に含まれるNd及び/又はPrをも沈殿させてしまうので、分離効果が失われてしまう。
(希土類元素の分離回収装置)
本発明(第二の態様)の希土類元素の分離回収装置について説明する。図4は本発明(第二の態様)に係る希土類分離回収装置の第1例を示す断面模式図である。以下に、本発明に係る希土類元素回収方法の手順にしたがって、該装置について説明する。
まず、第1の反応槽2に金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液を投入する。次に第1の凝集剤タンク11に収納されているカルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤を第1の反応槽2に供給し、第1の撹拌手段21により第1の反応槽2内を撹拌する。このとき、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤の供給量は、第1の凝集剤供給量調節バルブ13によって調節される。続いて第2の凝集剤タンク12に収納されているアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤を第1の反応槽2に供給し、第1の撹拌手段21により第1の反応槽2内を撹拌する。このとき、アミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤の供給量は、第2の凝集剤供給量調節バルブ14によって調節される。
上記凝集剤添加工程後、反応槽内2の水溶液内には、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物が生成し、沈殿する。また、水溶液の液相には、Dyよりも、Nd及び/又はPrが多く残る。
次に、上記で得た沈殿及び液相を、容器41に供給し、冷凍・解凍装置51にて冷凍・解凍を行う。このとき、容器41に供給する沈殿及び液相の量は、第1の沈殿・液相供給量調節バルブ22によって調節される。沈殿及び液相を冷凍・解凍後、ろ過手段であるフィルター54に供給する。このとき、フィルター54に供給される沈殿及び液相の量は、第2の沈殿・液相供給量調節バルブ53及び53´によって調節される。ろ過後、Dyを多く含む沈殿は配管55へ、Nd及び/又はPrを含む液相は配管56へ分離して回収される。
上述した構成によって、本願発明の効果(高速で、かつ高い分離率(分離率60%以上)及び高い回収率(回収率80%以上)でDyを優先的に分離及び回収すること)を達成することが可能であるが、さらに凝集剤添加工程前に、無機塩を添加することができるよう、第1の無機塩タンク3及び前記無機塩タンクから前記第1の反応槽に供給する無機塩の供給量を調節する無機塩供給量調節バルブ31を有していてもよい。金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に無機塩を添加しておくことで、塩析効果で凝集物の沈殿が発生しやすくなり、後述する分離回収工程におけるろ過において、Dyの凝集物の沈殿を高い分離率及び回収率で回収可能となる。
本発明の希土元素の分離回収装置は、さらに制御装置200を備え、該制御装置200によって、第1の無機塩供給量調節バルブ31、第1の凝集剤供給量調節バルブ13、第2の凝集剤供給量調節バルブ14、第1の沈殿・液相供給量調節バルブ22及び第2の沈殿・液相供給量調節バルブ53、53´での液量調節が制御されるようにしてもよい。また、制御装置200は冷凍・解凍装置51に接続され、該冷凍・解凍装置51の運転を制御するようにしてもよい。さらに、図示しないが、制御装置200は第1の反応槽2、第1の撹拌手段21に接続され、それらの運転を制御するようにしてもよい。
図5は、本発明(第二の態様)に係る希土類元素分離回収装置の第2例を示す断面模式図である。図5において、ろ過にてDyを多く含む沈殿と、Nd及び/又はPrを含む液相に分離するまでは図4と同じ構成である。本態様では、その後、Dyを多く含む沈殿を、配管5を経て第2の反応槽7に投入する。次に塩基タンク8に収納されている塩基を、第2の反応槽7に供給し、第2の撹拌手段71により第2の反応槽7内を撹拌する。第2の反応槽7に供給される塩基の量は、塩基供給量調節バルブ81によって調節される。このようにDyを多く含む凝集物に塩基を添加することで、Dyの水酸化物を含む沈殿が生成する。
次に、第2の無機塩タンク32から、第2の反応槽7に無機塩を供給する。このとき、無機塩の供給量は、第2の無機塩供給量調節バルブ33によって調節される。無機塩添加後、第2の撹拌手段71により第2の反応槽7内を撹拌する。なお、無機塩を添加することによって塩析効果で沈殿が生成しやすくなるが、第1の凝集剤添加工程前に無機塩を添加していれば、配管5で回収される沈殿にはもともと無機塩が含まれているため、ここで無機塩を添加することは省略してもよい。
次に、上記で得た沈殿及び液相を、第2の冷凍・解凍装置101に投入し、冷凍及び解凍を行う。このとき、第2の冷凍・解凍装置101に投入する沈殿及び液相の量は、第3の沈殿・液相供給量調節バルブ73によって調節される。次に、冷凍・解凍後の沈殿及び液相を、第2のろ過手段であるフィルター111に供給する。このとき、フィルター111に供給する沈殿及び液相の量は、第2の沈殿・液相供給量調節バルブ92及び92´によって調節される。フィルター111によって、Dyを多く含む沈殿は配管114に、Nd及び/又はPrを多く含む液相が配管113に分離して回収される。
続いて、上記で得られた沈殿を、酸タンク710から酸を供給して中和する。酸の供給方法としては特段の制限はなく、一例として、図5に示したように、フィルター111から沈殿が排出される配管114に直接供給することができる。このとき、供給される酸の量は、酸供給量調節バルブ711によって調節される。
次に、第1の凝集剤タンク15に収納されているカルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤を第3の反応槽17に供給し、第3の撹拌手段171により第3の反応槽17内を撹拌する。このとき、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤の供給量は、第3の凝集剤供給量調節バルブ151によって調節される。続いて、第4の凝集剤タンク16に収納されているアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤を、第3の反応槽17に供給し、第3の撹拌手段171により第3の反応槽17内を撹拌する。このとき、アミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤の供給量は、第4の凝集剤供給量調節バルブ161によって調節される。
次に、第3の無機塩タンク34から、第3の反応槽17に無機塩を供給する。このとき、無機塩の供給量は、第3の無機供給量調節バルブ35によって調節される。無機塩添加後、第3の撹拌手段171により第3の反応槽7内を撹拌する。なお、無機塩を添加することによって塩析効果で沈殿が生成しやすくなるが、第1の凝集剤添加工程前に無機塩を添加していれば、配管114で回収される沈殿にはもともと無機塩が含まれているため、ここで無機塩を添加することは省略してもよい。
次に、上記で得た沈殿及び液相を、第3の冷凍・解凍装置120に供給する。このとき、沈殿及び液相の供給量は、第5の沈殿・液相供給量調節バルブ172によって調節される。続いて、第3の冷凍・解凍装置120によって冷凍及び解凍された沈殿及び液相を、第3のろ過手段であるフィルター130に供給する。このとき、フィルター130に供給する沈殿及び液相の量は、第3の沈殿・液相供給量調節バルブ191及び191´によって調節される。フィルター130によって、Dyを多く含む沈殿は配管20に、Nd及び/又はPrを多く含む液相が配管21に分離して回収される。
なお、図5には図示していないが、本願発明ではさらに上記第3のろ過手段にて回収されたDyを含む沈殿に前記無機塩、前記凝集剤を添加し、冷凍・解凍装置で沈殿及び液相冷凍・解凍した後、ろ過によって沈殿及び液相を分離し、得られた沈殿に前記塩基及び前記無機塩を添加し、遠心分離で沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記酸を添加して冷凍・解凍及びろ過を行う一連の作業を複数回行うことができるよう、反応槽及び反応槽に設けられた撹拌手段と、無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンク、冷凍・解凍装置及びろ過手段と、これらを接続する配管及び該配管に設けられ、投入する液相及び沈殿の量を調節する調節バルブを複数段有することが可能である。また、一連の処理作業を複数回行うことができるよう、図5中の、Nd及び/又はPrを含む液相を回収する配管21、56及び113は、それぞれ反応槽内に供給されるよう、配管を設置することが可能である。
また、第3のろ過手段の後に、Dyを多く含む沈殿を焙焼するための加熱炉22をさらに備えていてもよい。加熱炉22で沈殿を焙焼することで、Dyの酸化物を得ることができる。
さらに、図示しないが図4に示したときと同様に制御装置を備え、該制御装置を各タンクの供給量調節バルブに接続し、バルブの調節を制御するようにしてもよい。また、該御装置は各反応槽、各撹拌手段及び各冷凍・解凍装置及び加熱炉に接続され、それらの運転を制御するようにしてもよい。
以上の操作により、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液から、Dyと、Nd及び/又はPrを分離し、Dyを回収することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(第一の態様)
(実施例1)
本発明の希土類元素の分離回収方法を用いて、Ndを含む水溶液からDyを分離する実験を行った。分離回収装置としては図3に示したものを用い、第2の遠心分離装置9で分離された沈殿及び液相を、それぞれ配管10及び11から回収した。
塩化ジスプロシウム六水和物、塩化ネオジム六水和物を、それぞれ500ppm、すなわちジスプロシウムとネオジムの濃度比Dy:Ndが1:1である水溶液(pHが3〜7)を分離対象溶液とした調整した。なお分離対象溶液の重量は、後述する第1の凝集剤及び第2の凝集剤の添加量が分離対象溶液に対して0.01〜30wt%となるよう、調整されている。分離対象溶液を所定の重量だけまず第1の反応槽2に秤取し、無機塩として塩化ナトリウム(NaCl)を、分離対象溶液に対して1wt%になるよう加えながら、第1の撹拌手段21にて溶液を1‐2分攪拌した。続いてカルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤としてポリアクリル酸水溶液を用い、分離対象溶液中のDy1molに対して0.3molを第1の反応槽2に滴下した。続いてアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤としてポリアリルアミンを用い、分離対象溶液中のDy1molに対して1.5molを第1の反応槽2に滴下した。滴下に伴い白色溶液中に肌色の凝集物が発生し、最終的に肌色の凝集物が生じて沈殿した。
上記のようにして生成した沈殿は大量の水分を含んでいるため、本実施例では凝集物を含む溶液を第1の反応槽2から250mLの遠沈管に、最大110mLで分配し、それぞれの遠沈管に対して誤差3mgで同じ重量になるように水を入れた遠沈管を用意して、第1の遠心分離装置4で毎分11000回転の回転速度で、60分回転させた。沈殿は遠沈管内に硬く凝固し、濾液(液相)の分離はスポイトで容易に行えた。これにより沈殿と液相を、それぞれ配管5及び6に分離した。
次に、配管5の沈殿を別の第2の反応槽7に投入した。塩基性水溶液として水酸化ナトリウムを第2の反応槽7に供給すると、中和により塩化ナトリウム、Dyの水酸化物及びNdの水酸化物が生成された。更に、分離対象溶液の1wt%になるよう適宜水酸化ナトリウムを添加しながら溶液を1‐2分攪拌した。上記の操作により反応槽7内の白色溶液中にやや紫色のジスプロシウム水酸化物が生じた。
上記のようにして生成させた水酸化物は大量の水分を含んでいるため、本実施例では凝集物を含む溶液を反応槽から250mL遠沈管に最大110mLで分配し、それぞれの遠沈管に対して誤差3mgで同じ重量になるように水を入れた遠沈管を用意して、第2の遠心分離装置9で毎分11000回転の回転速度で、60分回転させた。遠心分離に要した時間は、1‐2時間であった。ジスプロシウム水酸化物は遠沈管内に硬く凝固し、濾液の分離はスポイトで容易に行えた。これによりジスプロシウムの水酸化物10と濾液11に分離された。
上記で得たジスプロシウムの水酸化物をICP‐AES(誘導結合プラズマ発光分光:Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry)元素分析にて組成を調べた結果、主成分は水酸化ジスプロシウムでDy分離率は65%、回収率は97%であることがわかった。またTOC(全有機炭素:Total Organic Carbon)分析の結果、有機物起因の微量の炭素が検出された。この炭素の由来はジスプロシウムが有機化合物凝集物から水酸化物に組成変化する際、水酸化物のゲル状表面に吸着されたポリアクリル酸またはポリアリルアミンであることがわかった。
なお、本明細書において、分離率及び回収率は、下記(式1)又は(式2)により算出される値のことである。
Figure 2014031536
Figure 2014031536
実施例1で使用した無機塩とその濃度、第1の凝集剤とその濃度、第2の凝集剤とその濃度、沈殿と液相の分離法、Dyの分離率(%)及びDyの回収率(%)を、後述する表1に示す。また表中、Dyの分離率が60%以上であり、かつDyの回収率が80%以上であるものを「合格」と評価し、どちらか一方でも満たさないものは「不合格」と評価した。
(実施例2)
無機塩として塩化ナトリウムを分離対象溶液に対して7wt%添加したこと以外は実施例1と同様にしてDyを回収する実験を行った。遠心分離に要した時間は、1‐2時間であった。結果を表1に併記する。
(参考例1)
無機塩を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてDyを回収する実験を行った。このようにして生成させた凝集物は軟らかく沈殿し、遠心終了後の容器の取り出し操作の微かな振動で表面の凝集物が再び液中に分散し、液の吸い取りによる液層と沈殿の完全な分離は困難であった。結果を表1に併記する。
なお、本発明において「参考例」とは、それ自体公知ではないが本発明の好ましい実施形態からは外れている条件のもののことである。
(参考例2)
無機塩を添加せず、さらに沈殿と液相を分離するために遠心分離ではなくPTFE製フィルターで濾過したこと以外は実施例1と同様にしてDyを回収する実験を行った。濾過にて液相から凝集物を析出させた。濾過には1‐2日程度必要であった。また凝集物は軟らかく沈殿し、濾過中にフィルターの詰まりが発生し、濾過には抵抗に応じて溶液に加圧する必要があった。更に濾液は濁りが多く、吸収分光による希土類の濃度決定は誤差が大きく検討に用いられなかった。結果を表1に併記する。
Figure 2014031536
表中、第1の凝集剤及び第2の凝集剤の添加量(モル数)は、Dy1molに対するmol数である。
表1に示したように、本発明に係る希土類分離回収方法を用いた場合、Dyの分離率は60%以上を達成し、かつ回収率は80%以上を達成した。これに対し、本発明に係る希土類の分離回収方法の条件から外れている参考例1及び参考例2は、Dyの分離率が60%以上、かつ回収率が80%以上を達成することはできなかった。具体的には、無機塩を添加していない参考例1では、回収率は80%以上を達成したが、分離率は60%未満となった。また、参考例2では沈殿を液相から分離して回収することが不可能であった。
図6は、本発明(第一の態様)に係るDyの分離率とNaCl添加量の関係を示すグラフである。図中、NaCl=0wt%のデータは参考例1で、NaCl=1wt%のデータは実施例1、NaCl=7wt%のデータは実施例2のデータである。図6に示したように、NaClを全く添加しないと、Dyの分離率は60%未満となる。一方、NaClを1wt%以上添加すると、Dyの分離率は65%以上となることがわかる。
以上の結果から、本発明に係る希土類元素の分離回収方法を用いた場合には、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液から、迅速に、高い分離率及び高い回収率でDyを分離及び回収できることが示された。

(第二の態様)
(実施例3)
本発明の希土類の分離回収方法を用いて、Ndを含む水溶液からDyを分離する実験を行った。分離回収装置としては図5に示したものを用い、フィルター111で回収した沈殿及び液相を、それぞれ配管114及び113に分離して回収した。
塩化ジスプロシウム六水和物、塩化ネオジム六水和物を、それぞれ500ppm、すなわちジスプロシウムとネオジムの濃度比Dy:Ndが1:1である水溶液(pHが3〜7)を分離対象溶液とした調整した。なお分離対象溶液の重量は、後述する第1の凝集剤及び第2の凝集剤の添加量が分離対象溶液に対して0.01〜30wt%となるよう、調整されている。分離対象溶液を所定の重量だけまず第1の反応槽2に秤取し、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤としてポリアクリル酸水溶液を用い、分離対象溶液中のDy1molに対して0.3molを第1の反応槽2に滴下した。またアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤としてポリアリルアミンを用い、分離対象溶液中のDy1molに対して1.5molを第1の反応槽2に滴下した。滴下に伴い白色溶液中に肌色の凝集物が発生し、最終的に肌色の凝集物が生じて沈殿した。
上記のようにして生成させた沈殿は大量の水分を含んでいるため、凍結させて水溶液相から沈殿を析出させた後解凍し、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))製フィルターで濾過した。所要時間は、冷凍・解凍工程及びろ過による分離回収工程を合わせて1時間程度であった。
次に、一旦鉱酸で溶解させた液を別の反応槽に投入した。これに水酸化ナトリウムなどの塩基水溶液を供給すると、中和により塩化ナトリウム、Dyの水酸化物及びNdの水酸化物が生成した。この操作により反応槽内の白色溶液中にやや紫色のDyの水酸化物及びNdの水酸化物が生じた。
上記のようにして生成させた水酸化物は大量の水分を含んでいるため、凍結させて水溶液相から水酸化物を析出させた後解凍、PTFE製フィルターで濾過した。所要時間は、冷凍・解凍工程及びろ過による分離回収工程を合わせて1時間程度であった。
実施例1で使用した無機塩とその濃度、第1の凝集剤とその濃度、第2の凝集剤とその濃度、沈殿と液相の分離法、Dyの分離率(%)及びDyの回収率(%)を、後述する表1に示す。また表中、Dyの分離率が60%以上であり、かつDyの回収率が80%以上であるものを「合格」と評価し、どちらか一方でも満たさないものは「不合格」と評価した。
(実施例4)
凝集剤添加工程前に、無機塩として塩化ナトリウムを分離対象溶液に対して1wt%供給した以外は実施例3と同様にしてDyを回収する実験を行った。結果を表2に併記する。
(実施例5)
凝集剤添加工程前に、無機塩として塩化ナトリウムを分離対象溶液に対して7wt%供給した以外は実施例3と同様にしてDyを回収する実験を行った。結果を表2に併記する。
(参考例1)
凝集剤添加工程後、冷凍・解凍工程を行わず、遠心分離にて沈殿と液相の分離を行ったこと以外は、実施例3と同様にしてDyの分離及び回収実験を行った。凝集剤添加工程後の凝集物は軟らかく沈殿し、遠心終了後の容器の取り出し操作の微かな振動で表面の凝集物が再び液中に分散し、液の吸い取りによる液層と沈殿の完全な分離は困難であった。結果を表2に併記する。
なお、本発明において「参考例」とは、それ自体公知ではないが本発明の好ましい実施形態からは外れている条件のもののことである。
(参考例2)
冷凍・解凍工程を行わなかったこと以外は実施例3と同様にしてDyを回収する実験を行った。濾過にて液相から凝集物を析出させた。濾過には1‐2日程度必要であった。また凝集物は軟らかく沈殿し、濾過中にフィルターの詰まりが発生し、濾過には抵抗に応じて溶液に加圧する必要があった。更に濾液は濁りが多く、吸収分光による希土類の濃度決定は誤差が大きく検討に用いられなかった。結果を表2に併記する。
Figure 2014031536
表中、第1の凝集剤及び第2の凝集剤の添加量(モル数)は、Dy1molに対するmol数である。
表2に示したように、本発明に係る希土類分離回収方法を用いた場合、Dyの分離率は60%以上を達成し、かつ回収率は80%以上を達成した。これに対し、本発明に係る希土類の分離回収方法の条件から外れている参考例1及び参考例2は、Dyの分離率が60%以上、かつ回収率が80%以上を達成することはできなかった。具体的には、無機塩を添加していない参考例1では、回収率は80%以上を達成したが、分離率は60%未満となった。また、参考例2では沈殿を液相から分離して回収することが不可能であった。
図7は、本発明(第二の態様)に係るDyの分離率とNaCl添加量の関係を示すグラフである。図中、NaCl=0wt%のデータは実施例1で、NaCl=1wt%のデータは実施例2、NaCl=7wt%のデータは実施例3のデータである。図7に示したように、NaClを全く添加していなくてもDyの分離率は60%以上となり、NaClを1wt%以上添加すると、Dyの分離率は上昇することがわかる。
以上の結果から、本発明に係る希土類元素の分離回収方法を用いた場合には、金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液から、迅速に、高い分離率及び高い回収率でDyを分離及び回収できることが示された。
2…第1の反応槽、21…第1の撹拌手段、11…第1の凝集剤タンク、12…第2の凝集剤タンク、13…第1の凝集剤供給バルブ、14…第2の凝集剤供給バルブ、3…第1の無機塩タンク、31…第1の無機塩供給バルブ、22…第1の沈殿・液相供給バルブ、4…第1の遠心分離装置、5、10、20…Dyを多く含む沈殿を通す配管、6、11、21…Nd及び/又はPrを含む液相を通す配管、32…第2の無機塩タンク、33…第2の無機塩供給バルブ、7…第2の反応槽、71…第2の撹拌手段、8…塩基タンク、81…塩基供給バルブ、72…第2の沈殿・液相供給バルブ、9…第2の遠心分離装置、710…酸タンク、711…酸供給バルブ、7…第3の反応槽、171…第3の撹拌手段、34…第3の無機塩タンク、35…第3の無機塩供給バルブ、15…第3の凝集剤タンク、16…第4の凝集剤タンク、151…第3の凝集剤供給バルブ、161…第4の凝集剤供給バルブ、18…第3の沈殿・液相供給バルブ、19…第3の遠心分離装置、22…加熱炉、41、91、119…容器、51…冷凍・解凍装置、52、102、121…ヒーター、73…第3の沈殿・液相供給バルブ、53、53´…第2の沈殿・液相供給バルブ、92、92´…第4の沈殿・液相供給バルブ、191、191´…第6の沈殿・液相供給バルブ、54…フィルター、20、55、114…Dyを多く含む沈殿を通す配管、21、56、113…Nd及び/又はPrを含む液相を通す配管、101…第2の冷凍・解凍装置、111…第2のフィルター、120…第3の冷凍・解凍装置、130…第3のフィルター、172…第5の沈殿・液相供給バルブ、200…制御装置。

Claims (33)

  1. 金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液からNd及び/又はPrとDyを分離してDyを優先的に回収する希土類元素の分離回収方法であって、
    前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、無機塩を添加して撹拌する工程(無機塩添加工程)と、
    前記無機塩添加工程後に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(凝集剤添加工程)と、
    前記凝集剤添加工程後に、遠心分離にてDyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する遠心分離工程とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  2. 請求項1に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記カルボキシル基を有する有機物はポリアクリル酸であり、前記アミノ基を有する有機物はポリアリルアミンであることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記第1の凝集剤の添加量及び前記第2の凝集剤の添加量の合計が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%であることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記無機塩が塩化ナトリウムであることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記無機塩の添加量が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%であることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の希土類元素の分離回収方法において、さらに前記遠心分離工程後に、前記遠心分離工程において回収した前記Dyを含む沈殿に塩基を添加してDyの水酸化物を沈殿させる工程(塩基添加工程)と、
    前記塩基添加工程後に、無機塩を添加して撹拌する工程(第2の無機塩添加工程)と、
    前記第2の無機塩添加工程後に、遠心分離にてDyの水酸化物を含む沈殿と液相に分離してそれぞれ回収する工程(第2の遠心分離工程)と、
    前記Dyの水酸化物を含む沈殿に酸を添加して中和する工程(酸添加工程)と、
    前記酸添加工程後に、無機塩を添加して撹拌する工程(第3の無機塩添加工程)と、
    前記第3の無機塩添加工程後に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(第2の凝集剤添加工程)と、
    前記第2の凝集剤添加工程後に、遠心分離にてDyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する遠心分離工程(第3の遠心分離工程)と、
    前記第3の遠心分離工程後に、前記第3の遠心分離工程で回収したDyを多く含む沈殿を加熱炉で焼成する工程(焙焼工程)とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  7. 金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、無機塩と凝集剤を添加し、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液を沈殿と液相に分離し、前記沈殿からDyを優先的に回収する希土類元素の分離回収装置であって、
    前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液を収納するための第1の反応槽と、
    前記第1の反応槽に設けられた第1の撹拌手段と、
    前記無機塩を収納する第1の無機塩タンクと、
    前記凝集剤として、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤を収納する第1の凝集剤タンクと、
    前記凝集剤として、アミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤を収納する第2の凝集剤タンクと、
    前記第1の反応槽で得られた沈殿と液相を分離するための第1の遠心分離装置とを少なくとも有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  8. 請求項7に記載の希土類元素の分離回収装置において、前記カルボキシル基を有する有機物はポリアクリル酸であり、前記アミノ基を有する有機物はポリアリルアミンであることを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の分離回収装置において、前記第1の凝集剤の添加量及び前記第2の凝集剤の添加量の合計が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%であることを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の希土類元素の分離回収装置において、前記無機塩が塩化ナトリウムであることを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  11. 請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の希土類元素の分離回収装置において、前記無機塩の添加量が、前記前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%であることを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  12. 請求項7に記載の希土類の分離回収装置において、
    さらに前記第1の遠心分離装置において得られた沈殿を収納する第2の反応槽と、
    前記第2の反応槽に設けられた第2の撹拌手段と、
    塩基を収納する塩基タンクと、
    無機塩を収納する第2の無機塩タンクと、
    前記第2の反応槽で得られた沈殿と液相を分離するための第2の遠心分離装置と、
    酸を収納する酸タンクと、
    前記第2の遠心分離装置にて得られた沈殿に前記酸タンクから酸を供給する手段と、
    前記第2の遠心分離装置で得られた沈殿を収納する第3の反応槽と、
    前記第3の反応槽に設けられた第3の撹拌手段と、
    前記無機塩を収納する第3の無機塩タンクと、
    前記第1の凝集剤を収納する第3の凝集剤タンクと、
    前記第2の凝集剤を収納する第4の凝集剤タンクと、
    前記第3の反応槽で得られた沈殿と液相を分離するための第3の遠心分離装置と
    を有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  13. 請求項12に記載の希土類の分離回収装置において、
    さらに、前記第3の遠心分離装置にて回収されたDyを含む沈殿に前記無機塩、前記凝集剤を添加し、遠心分離で沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記塩基及び前記無機塩を添加し、遠心分離で沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記酸を添加して遠心分離を行う一連の作業を複数回行うことができるよう、反応槽及び反応槽に設けられた撹拌手段と、無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンク及び遠心分離装置を複数段有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  14. 請求項12又は請求項13に記載の希土類の分離回収装置において、遠心分離して得られたDyを含む沈殿を焙焼するための加熱炉をさらに有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  15. 請求項7乃至請求項14のいずれか1項に記載の希土類の分離回収装置において、前記無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンクから供給する液の供給量を調節するためのバルブと、該バルブに接続され、前記供給量を制御するための制御装置とを有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  16. 金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液からNd及び/又はPrとDyを分離してDyを優先的に回収する希土類元素の分離回収方法であって、
    前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、
    カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(凝集剤添加工程)と、
    前記凝集剤添加工程後に、前記Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍及び解凍する工程(冷凍・解凍工程)と、
    前記冷凍・解凍工程後に、ろ過にて前記Dyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する工程(ろ過工程)とを含むことを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  17. 請求項16に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記カルボキシル基を有する有機物はポリアクリル酸であり、前記アミノ基を有する有機物はポリアリルアミンであることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  18. 請求項16又は請求項17に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記第1の凝集剤の添加量及び前記第2の凝集剤の添加量の合計が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%であることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  19. 請求項16乃至請求項18のいずれか1項に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記凝集剤添加工程前に、前記金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、無機塩を添加する工程(無機塩添加工程)を有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  20. 請求項19に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記無機塩の添加量が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%であることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  21. 請求項19又は請求項20に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記無機塩が塩化ナトリウムであることを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  22. 請求項16乃至請求項21のいずれか1項に記載の希土類元素の分離回収方法において、さらに前記ろ過工程後に、前記ろ過工程において回収した前記Dyを多く含む沈殿に塩基を添加してDyの水酸化物を発生させて該Dyの水酸化物を沈殿させる工程(塩基添加工程)と、
    前記塩基添加工程後に、無機塩を添加して撹拌する工程(第2の無機塩添加工程)と、
    前記第2の無機塩添加工程後に、Dyの水酸化物の沈殿及び液相を冷凍及び解凍する工程(第2の冷凍・解凍工程)と、
    前記冷凍・解凍工程後に、ろ過にてDyの水酸化物の沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する工程(第2のろ過工程)と、
    前記Dyの水酸化物を含む沈殿に酸を添加する工程(酸添加工程)と、
    前記酸添加工程後に、無機塩を添加して撹拌する工程(第3の無機塩添加工程)と、
    前記第3の無機塩添加工程後に、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤及びアミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤をこの順で添加し、Nd及び/又はPrよりもDyを多く含む凝集物を発生させ、該凝集物を沈殿させる工程(第2の凝集剤添加工程)と、
    前記第2の凝集剤添加工程後に、前記Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍及び解凍する工程(第2の冷凍・解凍工程)と、
    前記第2の冷凍・解凍工程後に、ろ過にて前記Dyを多く含む沈殿と液相に分離して、沈殿と液相をそれぞれ回収する工程(第3のろ過工程)と、
    前記第3のろ過工程後に、前記第3のろ過工程で回収したDyを多く含む沈殿を加熱炉で焼成する工程(焙焼工程)とを有することを特徴とする希土類元素の分離回収方法。
  23. 金属元素としてNd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に、凝集剤を添加し、前記Nd及び/又はPrとDyとを含む水溶液を沈殿と液相に分離し、前記沈殿からDyを優先的に回収する希土類元素の分離回収装置であって、
    前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液を収納するための第1の反応槽と、
    前記第1の反応槽に設けられた第1の撹拌手段と、
    前記凝集剤として、カルボキシル基を有する有機物を含む第1の凝集剤を収納する第1の凝集剤タンクと、
    前記凝集剤として、アミノ基を有する有機物を含む第2の凝集剤を収納する第2の凝集剤タンクと、
    前記第1の反応槽で得られた沈殿及び液相を冷凍及び解凍するための冷凍・解凍装置と、
    前記冷凍・解凍後に、前記沈殿及び液相を、沈殿と液相に分離するためのろ過手段と
    を少なくとも有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  24. 請求項23に記載の希土類元素の分離回収装置において、前記カルボキシル基を有する有機物はポリアクリル酸であり、前記アミノ基を有する有機物はポリアリルアミンであることを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  25. 請求項23又は請求項24に記載の分離回収装置において、前記第1の凝集剤の添加量及び前記第2の凝集剤の添加量の合計が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して0.01〜30wt%であることを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  26. 請求項23乃至請求項25のいずれか1項に記載の希土類元素の分離回収装置において、さらに、無機塩を収納する第1の無機塩タンクを有することを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  27. 請求項26に記載の希土類元素の分離回収装置において、前記無機塩の添加量が、前記Nd、Prのうち少なくとも1つと、Dyとを含む水溶液に対して1〜7wt%であることを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  28. 請求項26又は請求項27に記載の希土類元素の分離回収方法において、前記無機塩が塩化ナトリウムであることを特徴とする希土類元素の分離回収装置。
  29. 請求項26に記載の希土類の分離回収装置において、
    さらに前記ろ過手段において得られた沈殿を収納する第2の反応槽と、
    前記第2の反応槽に設けられた第2の撹拌手段と、
    塩基を収納する塩基タンクと、
    無機塩を収納する第2の無機塩タンクと、
    前記第2の反応槽で得られた沈殿と液相を冷凍及び解凍するための第2の冷凍・解凍装置と、
    前記第2の冷凍・解凍後に、前記沈殿及び液相を、沈殿と液相に分離するための第2のろ過手段と、
    酸を収納する酸タンクと、
    前記第2のろ過手段にて得られた沈殿に前記酸タンクから酸を供給する手段と、
    前記第2のろ過手段で得られた沈殿を収納する第3の反応槽と、
    前記第3の反応槽に設けられた第3の撹拌手段と、
    前記無機塩を収納する第3の無機塩タンクと、
    前記第1の凝集剤を収納する第3の凝集剤タンクと、
    前記第2の凝集剤を収納する第4の凝集剤タンクと、
    前記第3の反応槽で得られた沈殿及び液相を冷凍及び解凍するための第3の冷凍・解凍装置と、
    前記第3の冷凍・解凍後に、前記沈殿及び液相を、沈殿と液相に分離するための第3のろ過手段とを有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  30. 請求項29に記載の希土類の分離回収装置において、
    さらに、前記第3のろ過手段にて回収されたDyを多く含む沈殿に前記無機塩、前記凝集剤を添加し、該Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍・解凍後にろ過して沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記塩基及び前記無機塩を添加し、該Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍・解凍後にろ過して沈殿と液相に分離した後、得られた沈殿に前記酸を添加した後、該Dyを多く含む沈殿に前記無機塩、前記凝集剤を添加し、該Dyを多く含む沈殿及び液相を冷凍・解凍後にろ過して沈殿と液相に分離する一連の作業を複数回行うことができるよう、反応槽及び反応槽に設けられた撹拌手段と、無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンク及び冷凍・解凍装置及びろ過手段とを複数段有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  31. 請求項29又は請求項30に記載の希土類の分離回収装置において、ろ過して得られたDyを含む沈殿を焙焼するための加熱炉をさらに有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  32. 請求項29乃至請求項31のいずれか1項に記載の希土類の分離回収装置において、前記無機塩タンク、第1の凝集剤を収納する凝集剤タンク、第2の凝集剤を収納する凝集剤タンク、塩基タンク、酸タンクから供給する液の供給量を調節するためのバルブと、該バルブに接続され、前記供給量を制御するための制御装置とを有することを特徴とする希土類の分離回収装置。
  33. 請求項32に記載の希土類の分離回収装置において、前記制御装置が、さらに前記冷凍・解凍装置に接続され、該冷凍・解凍装置の運転を制御することを特徴とする希土類の分離回収装置。
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