JP2014031366A - ニクズク加工処理物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたTRPM8活性化作用を有する植物加工処理物、その製造方法、並びに前記植物加工処理物を用いた冷感剤及びTRPM8活性化剤の提供。
【解決手段】ニクズク加工処理物の製造方法であって、ニクズク又はその抽出物を、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液とプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上とで同時に処理する工程を含むことを特徴とする製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニクズク加工処理物、その製造方法、並びに前記ニクズク加工処理物を用いた冷感剤及びTRPM8活性化剤に関する。
ニクズクやその加工処理物(例えばナツメグオイル等)は、古来より胃腸薬や頭痛薬、香辛料などに用いられている有用な化合物である。
一方、使用中や使用後における清涼感を付与することを目的として、化粧品、ヘアケア製品、トイレタリー製品、入浴剤、医薬品等の各種製品に、冷感物質がしばしば配合されており、斯様な冷感物質として、メントールが広く用いられている。
メントールによる冷感付与は、皮膚や粘膜組織中に存在する知覚神経終末にメントールが直接作用することにより生じると考えられており、この冷感付与に関するメカニズムの検討が進められてきた。
まず、ラットの感覚神経のうち、弱い冷却刺激に応答して内向きのイオン電流を生じるニューロンが、メントールに対しても同様の応答性を示すことが発見された(非特許文献1)。この発見により、メントールの刺激による冷感が内向きのイオン電流により引き起こされるものであることが明らかとなった。
そして、メントール及び冷刺激に応答性を示す受容体として、三叉神経ニューロンからCMR−1(cold and menthol sensitive receptor)が同定された(非特許文献2)。この受容体はTRPM8と呼ばれており(非特許文献3)、TRPイオンチャネルファミリーに属する興奮性のイオンチャネルであるこの受容体が、前述のイオン電流を引き起こすと考えられる。
これらの報告によって、感覚神経に存在するTRPM8にメントールが結合して内向き電流が発生することにより、メントールによる冷感が生じることが明らかとなっている。
REID,G.&FLONTA,M.L.(2002),Neurosci.Lett.,324,p164−168 MCKEMY,D.D.,NEUHAUSSER,W.M.&JULIUS,D.(2002),Nature,416,p52−56 PEIER,A.M.,MOQRICH,A.,HERGARDEN,A.C.,REEVE,A.J.,ANDERSSON,D.A.,STORY,G.M.,EARLEY,T.J.,DRAGONI,I.,MCINTYRE,P.,BEVAN,S.&PATAPOUTIAN,A.(2002),Cell,108,p705−715 BEHRENDT,H.−J.,GERMANN,T.,GILLEN,C.,HATT,H.&JOSTOCK,R.(2004),Br.J.Pharmacol.,141,p737−745
しかしながら、メントールは、多量に使用した場合に、皮膚や粘膜への刺激や特有の不快な刺激臭等が問題となるため、使用量が制限されることがある。
また、メントールの他に、リナロール、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラール等もTRPM8を活性化することが知られているが(非特許文献4)、該非特許文献4に記載の化合物が示す清涼感は必ずしも充分なものではなかった。
本発明は、優れたTRPM8活性化作用を有する植物加工処理物、その製造方法、並びに前記植物加工処理物を用いた冷感剤及びTRPM8活性化剤に関する。
本発明者らは、ニクズク又はその抽出物を、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液とプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上とで同時に処理することにより、優れたTRPM8活性化作用を有するニクズク加工処理物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ニクズク加工処理物の製造方法であって、ニクズク又はその抽出物を、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液とプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上とで同時に処理する工程を含むことを特徴とする製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記製造方法で得られるニクズク加工処理物を提供するものである。
更に、本発明は、上記ニクズク加工処理物を有効成分とする冷感剤を提供するものである。
更に、本発明は、上記ニクズク加工処理物を有効成分とするTRPM8活性化剤を提供するものである。
更に、本発明は、上記ニクズク加工処理物を含有する化粧料を提供するものである。
更に、本発明は、上記ニクズク加工処理物を含有する口腔用組成物を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、優れたTRPM8活性化作用を有するニクズク加工処理物を製造できる。
また、本発明のニクズク加工処理物は、優れたTRPM8活性化作用を有し、これを用いることによって良好な冷感を付与することができる。
実施例13の洗口液の冷涼感を示す図である。
本発明のニクズク加工処理物の製造方法は、ニクズク又はその抽出物を、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液とプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上とで同時に処理する工程を含むことを特徴とするものである(以下、本発明の製造方法で得られるニクズク加工処理物を、単にニクズク加工処理物ともいう)。
上記ニクズクは、ニクズク科に属する植物であるMyristica fragrans Houtt.を意味する。また、ニクズクとしては、その種子、メース、葉、果実などが使用され、TRPM8活性化作用の観点から、種子、メースが好ましい。なお、これら部位は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ニクズクは、そのまま又は乾燥させた後に適当な大きさに切断・粉砕したものを用いることができる。
本発明において、ニクズクの抽出は、上記ニクズクを室温又は加温下にて溶剤に含浸させる方法、ソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて行われる溶剤抽出法、炭酸ガス等を超臨界状態にして行う超臨界抽出法、圧搾して抽出物を得る圧搾法等を利用して行うことができる。また、水蒸気蒸留やマイクロ波水蒸気蒸留などを行った残渣から、再度溶媒等を用いて抽出を行ってもよい。
また、上記のような方法で抽出した後で蒸留してもよいが、この場合、TRPM8活性化作用の観点から、蒸留残渣を用いるのが好ましい。なお、蒸留法は、分子蒸留、水蒸気蒸留、マイクロ波蒸留等の公知の方法であればよい。また、斯かる蒸留操作は、常圧又は減圧下で行うことができ、蒸留温度は、通常30〜150℃であり、好ましくは60〜130℃である。
また、上記抽出に抽出溶剤を用いる場合、その抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれを使用してもよい。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類(例えば、後述する処理に用いるアルコール);プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等の他、超臨界二酸化炭素、油脂、ワックス、オイル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、水と極性溶剤との混合液、極性溶剤が好ましく、水・アルコール類混合液、アルコール類がより好ましい。なお、後述するように、抽出溶剤にプロトン酸等が含まれていてもよい。
また、上記水と極性溶剤との混合液を用いる場合、その極性溶剤の濃度は、好ましくは25%(v/v)以上、より好ましくは35%(v/v)以上、更に好ましくは50%(v/v)以上、更に好ましくは70%(v/v)以上、更に好ましくは80%(v/v)以上、更に好ましくは90%(v/v)以上であり、また、好ましくは99.9%(v/v)以下である。具体的には、混合液中の極性溶剤の濃度は、好ましくは25〜99.9%(v/v)であり、より好ましくは35〜99.9%(v/v)であり、更に好ましくは50〜99.9%(v/v)であり、更に好ましくは70〜99.9%(v/v)であり、更に好ましくは80〜99.9%(v/v)であり、更に好ましくは90〜99.9%(v/v)である。
また、上記抽出溶剤の使用量は特に限定されないが、ニクズク1質量部に対して、通常1質量部以上、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、通常50質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。具体的には、抽出溶剤の使用量は、ニクズク1質量部に対して、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは3〜30質量部であり、更に好ましくは5〜25質量部である。
また、抽出温度は、通常3℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上であり、また、通常100℃以下、好ましくは60℃以下、より好ましくは45℃以下である。具体的には、抽出温度は、好ましくは3〜100℃であり、より好ましくは10〜60℃であり、更に好ましくは20〜45℃である。
また、抽出時間は、通常1時間以上であり、また、通常14日間以下、好ましくは7日間以下、より好ましくは5日間以下である。具体的には、抽出時間は、好ましくは1時間〜14日間であり、より好ましくは1時間〜7日間であり、更に好ましくは1時間〜5日間である。
また、抽出するときの圧力は、通常、常圧で行うが、高圧下で行うこともできる。
また、本発明のニクズク加工処理物の製造方法は、ニクズク又はその抽出物(以下、ニクズク又はその抽出物をニクズク等ともいう)を、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液(以下、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液をアルコール等ともいう)とプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上(以下、プロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上をプロトン酸等ともいう)とで同時に処理するものであるが、これは、ニクズク等とアルコール等とプロトン酸等とを共存させることをいい、各成分の添加の順番は問わない。また、斯かる処理は上記のニクズクの抽出として行ってもよく、ニクズクの抽出の後に行ってもよい。
上記処理の具体例としては、(1)アルコール等とプロトン酸等とを含有する抽出溶剤を用いて、上記の抽出を行う方法、(2)アルコール等を含むがプロトン酸等を含まない抽出溶剤を用いて上記の抽出を行い、次いで、その抽出液をプロトン酸等で処理する方法、(3)適当な抽出溶剤を用いた上記の抽出で得たニクズク抽出物を、アルコール等とプロトン酸等と共存させる等して同時に処理する方法が挙げられる。
なお、上記(1)の方法においては、得られたニクズク抽出物を蒸留し、その蒸留残渣をニクズク加工処理物としてもよい。また、上記(3)の方法においては、適当な抽出溶剤を用いた上記の抽出で得たニクズク抽出物を更に蒸留し、その蒸留残渣をアルコール等とプロトン酸等で同時に処理してもよい。
本発明の製造方法に含まれる上記処理にはアルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液を用いる。斯かる処理に用いるアルコールとしては、1価のアルコールが好ましい。また、その炭素数は、TRPM8活性化作用の観点から、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜6であり、更に好ましくは2〜6である。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、これら1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記アルコール水溶液の濃度は、TRPM8活性化作用の観点から、好ましくは35%(v/v)以上、より好ましくは50%(v/v)以上、更に好ましくは70%(v/v)以上、更に好ましくは80%(v/v)以上、更に好ましくは90%(v/v)以上であり、また、好ましくは99.9%(v/v)以下である。具体的には、アルコール水溶液の濃度は、好ましくは35〜99.9%(v/v)であり、より好ましくは50〜99.9%(v/v)であり、更に好ましくは70〜99.9%(v/v)であり、更に好ましくは80〜99.9%(v/v)であり、更に好ましくは90〜99.9%(v/v)である。なお、アルコール水溶液を使用する場合、その濃度が25%(v/v)未満であると、ニクズク加工処理物のTRPM8活性化作用が不十分になる。
上記アルコール等の使用量は特に限定されないが、ニクズク等1質量部に対して、通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、通常1000質量部以下、好ましくは500質量部以下、より好ましくは200質量部以下である。具体的には、アルコール等の使用量は、ニクズク等1質量部に対して、好ましくは0.1〜1000質量部であり、より好ましくは1〜500質量部であり、更に好ましくは2〜200質量部である。
また、上記処理にはプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上を用いる。斯かる処理に用いるプロトン酸としては、有機酸、無機酸が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機酸としては、例えば、クエン酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。
また、上記無機酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。
また、上記H型陽イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーリスト(ダウ・ケミカル社)、DOWEX(ダウ・ケミカル社製)、DIAION(三菱化学製)等が挙げられる。なお、H型陽イオン交換樹脂による処理は、H型陽イオン交換樹脂の添加でもよく、H型陽イオン交換樹脂を充填したカラムへの通液でもよい。
上述したプロトン酸、H型陽イオン交換樹脂の中でも、TRPM8活性化作用の観点から、強酸性プロトン酸、強酸性H型陽イオン交換樹脂が好ましい。
また、プロトン酸等の使用量は特に限定されないが、ニクズク等1質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常50質量部以下、好ましくは25質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。具体的には、プロトン酸等の使用量は、ニクズク等1質量部に対して、好ましくは0.01〜50質量部であり、より好ましくは0.01〜10質量部であり、更に好ましくは0.01〜5質量部である。
また、処理温度は、通常3℃以上、好ましくは15℃以上、より好ましくは25℃以上であり、また、通常100℃以下、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。具体的には、処理温度は、好ましくは3〜100℃であり、より好ましくは15〜70℃であり、更に好ましくは25〜60℃である。
また、処理時間は、通常0.1時間以上、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上であり、また、通常5日間以下、好ましくは3日間以下、より好ましくは2日間以下である。具体的には、処理時間は、好ましくは0.1時間〜5日間であり、より好ましくは1時間〜3日間であり、更に好ましくは2時間〜2日間である。
また、得られたニクズク加工処理物を希釈、濃縮、凍結乾燥等をした後、必要に応じて粉末やペースト状に調製して用いることもできる。
なお、上記ニクズク加工処理物の希釈に用いる溶媒としては、上記処理に用いられるアルコール、水、これらの混液が挙げられる。また、上記ニクズク加工処理物の濃縮・精製手段としては、例えば当該加工処理物の濾過、活性炭処理、液−液分配等が挙げられる。
そして、本発明のニクズク加工処理物は、後記実施例に示すように、天然物由来でありながら、優れたTRPM8活性化作用を有する。
したがって、本発明のニクズク加工処理物は、冷感剤及びTRPM8活性化剤(以下、冷感剤等とも称する)として、そのまま、或いは各種製剤担体や保存剤等とともに用いることができる。
次に、本発明の冷感剤及びTRPM8活性化剤の態様について説明する。
冷感剤等は、それ自体がヒト又は動物用の医薬品、化粧料、飲食品、口腔用組成物、ペットフード、他の嗜好品(タバコ等)等であってもよく、また、これら医薬品等に添加する冷感を付与する素材であってもよい。
上記医薬品は任意の投与形態で投与され得る。投与形態は、経粘膜、経皮等の非経口投与と経口投与とに大別される。
また、前記医薬品の剤型は特に限定されない。非経口投与用の医薬品の剤型としては、例えば、液剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、パップ剤、エアゾール剤、ローション剤、ファンデーション等の皮膚外用剤の他、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。
一方、経口投与用の医薬品の剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、丸剤、糖衣錠、内服液、懸濁液、シロップ剤等が挙げられる。
また、前記医薬品は、消炎鎮痛剤、殺菌消毒剤、収斂剤、抗生物質等の他の薬効成分を含んでいてもよい。なお、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記化粧料、飲食品、口腔用組成物の形態は特に限定されない。
化粧料は、例えば、皮膚外用剤(虫除けスプレー等)、洗浄剤、化粧水、乳液、スキンクリーム、ファンデーション、口紅、頭皮用化粧料、毛髪化粧料(シャンプー、ヘアトニック等)、入浴剤、シート状製品等とすることができる。また、化粧料は、ニクズク加工処理物の他に、油剤、セラミド類、擬似セラミド類、ステロール類、保湿剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、美白剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤等を含んでいてもよい。なお、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、飲食品としては、例えば、キャンディ、ガム、タブレット、カプセル、飲料水等が挙げられる。
また、口腔用組成物としては、例えば、歯磨剤、洗口液、歯肉マッサージクリーム等が挙げられる。
また、ニクズク加工処理物の含有量は特に限定されないが、経口投与のための医薬品、飲食品、口腔用組成物又はペットフードである場合は、TRPM8活性化作用の観点から、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは1ppm以上、更に好ましくは10ppm以上、更に好ましくは50ppm以上であり、また、好ましくは10000ppm以下、より好ましくは5000ppm以下、更に好ましくは2500ppm以下、更に好ましくは1000ppm以下である。具体的には、上記のような場合のニクズク加工処理物の含有量は、TRPM8活性化作用の観点から、好ましくは0.1〜10000ppmであり、より好ましくは1〜10000ppmであり、更に好ましくは10〜5000ppmであり、更に好ましくは50〜2500ppmである。
また、非経口投与のための医薬品、化粧料又は他の嗜好品である場合、ニクズク加工処理物の含有量は、TRPM8活性化作用の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下である。具体的には、上記のような場合のニクズク加工処理物の含有量は、TRPM8活性化作用の観点から、好ましくは0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜10質量%である。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の製造方法等を開示する。
<1>ニクズク加工処理物の製造方法であって、ニクズク又はその抽出物を、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液とプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上とで同時に処理する工程を含むことを特徴とする製造方法。
<2>アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液とプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上とを含有する抽出溶剤を用いてニクズクを抽出する工程を含むことを特徴とするニクズク加工処理物の製造方法。
<3>アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液を含むがプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上を含まない抽出溶剤を用いてニクズクを抽出し、得られた抽出液を、プロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上で処理する工程を含むことを特徴とするニクズク加工処理物の製造方法。
<4>抽出溶剤を用いてニクズクを抽出し、得られた抽出物を、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液と、プロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上とで処理する工程を含むことを特徴とするニクズク加工処理物の製造方法。
<5>アルコールとして、好ましくは炭素数1〜10のアルコール、より好ましくは炭素数1〜6のアルコール、更に好ましくは炭素数2〜6のアルコールを用いる上記<1>〜<4>のいずれかの製造方法。
<6>アルコール水溶液の濃度が、好ましくは35%(v/v)以上、より好ましくは50%(v/v)以上、更に好ましくは70%(v/v)以上、更に好ましくは80%(v/v)以上、更に好ましくは90%(v/v)以上であり、また、好ましくは99.9%(v/v)以下である上記<1>〜<5>のいずれかの製造方法。
<7>アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液の使用量が、ニクズク又はその抽出物1質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは1000質量部以下、より好ましくは500質量部以下、更に好ましくは200質量部以下である上記<1>〜<6>のいずれかの製造方法。
<8>プロトン酸として、有機酸及び無機酸から選ばれる1種以上を用いる上記<1>〜<7>のいずれかの製造方法。
<9>強酸性プロトン酸及び強酸性H型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上を用いる上記<1>〜<8>のいずれかの製造方法。
<10>プロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上の使用量が、ニクズク又はその抽出物1質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である上記<1>〜<9>のいずれかの製造方法。
<11>処理温度が、好ましくは3℃以上、より好ましくは15℃以上、更に好ましくは25℃以上であり、また、好ましくは100℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下である上記<1>〜<10>のいずれかの製造方法。
<12>処理時間が、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以上であり、また、好ましくは5日間以下、より好ましくは3日間以下、更に好ましくは2日間以下である上記<1>〜<11>のいずれかの製造方法。
<13>上記<1>〜<12>のいずれかの製造方法で得られるニクズク加工処理物。
<14>上記<13>のニクズク加工処理物を有効成分とする冷感剤。
<15>上記<13>のニクズク加工処理物を有効成分とするTRPM8活性化剤。
<16>上記<13>のニクズク加工処理物を含有する化粧料。
<17>上記<13>のニクズク加工処理物を含有する口腔用組成物。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
調製例1 エタノール処理エキス
ニクズク科ニクズク(Myristica fragrans Houtt.)の種子5gに、99.5vol%エタノールを50mL添加し、室温で2日間浸漬して抽出した後、濾過し粗抽出液(酸未処理物)を得た。得られた粗抽出液の蒸発残分は1.05w/v%であった。
実施例1 エタノール・塩酸処理エキス
調製例1で得られた粗抽出液5mL(固形分52.5mg)に、塩酸(1.1M水溶液、0.05mL)を添加し、全体が均一になるよう混ぜた後、60℃で2日間静置することで、エタノールと塩酸で処理したエキス(蒸発残分1.05w/v%)を得た。
実施例2 エタノール・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
調製例1で得られた粗抽出液5mL(固形分52.5mg)に、強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を52.5mg添加し、撹拌した後、60℃で2日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、エタノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分1.05w/v%)を得た。
実施例3 エタノール・クエン酸処理エキス
調製例1で得られた粗抽出液5mL(固形分52.5mg)に、クエン酸(960mg)を添加し、撹拌した後、60℃で2日間静置した。その後、窒素フローによりエタノールを除去し、ヘキサン(2.5mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5mL)を加えた。水相を廃棄した後、ヘキサン相を濃縮し、再度エタノール(5mL)に溶解することで、エタノールとクエン酸で処理したエキス(蒸発残分0.60w/v%)を得た。
実施例4 n−ブタノール・塩酸処理エキス
調製例1で得られた粗抽出液5mL(固形分52.5mg)を濃縮後、n−ブタノール(5mL)に溶解し、塩酸(1.1M水溶液、0.05mL)を添加した。撹拌後、60℃で2日間静置することで、n−ブタノールと塩酸で処理したエキス(蒸発残分0.85w/v%)を得た。
実施例5 n−ブタノール・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
調製例1で得られた粗抽出液5mL(固形分52.5mg)を濃縮後、n−ブタノール(5mL)に溶解し、強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を52.5mg添加し撹拌後、60℃で2日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、n−ブタノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分0.78w/v%)を得た。
実施例6 エタノール・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
ニクズク科ニクズク(Myristica fragrans Houtt.)のメース8gに、99.5vol%エタノールを80mL添加し、室温で1日間浸漬して抽出した後、濾過し粗抽出液(蒸発残分1.17w/v%)を得た。これに強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を936mg添加し撹拌後、60℃で2日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、エタノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分1.17w/v%)を得た。
実施例7 エタノール・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
ニクズク科ニクズク(Myristica fragrans Houtt.)の葉20gに、99.5vol%エタノールを400mL添加し、室温で4日間浸漬して抽出した後、濾過し粗抽出液(蒸発残分0.32w/v%)を得た。これに強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を640mg添加し撹拌後、60℃で2日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、エタノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分0.32w/v%)を得た。
実施例8 エタノール・強酸性陽イオン交換樹脂処理物
調製例1と同様に、ニクズク科ニクズク(Myristica fragrans Houtt.)の種子10gに、99.5vol%エタノールを100mL添加し、室温で2日間浸漬して抽出した後、濾過し粗抽出液(蒸発残分1.05w/v%)を得た。この溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を5g充填したカラムに50℃で2日間通液し、エタノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキスを得た。
次いで、上記エキスを加水濃縮した後、再度エタノール100mLに溶解し、これに活性炭を加え、室温で2日間静置した後、活性炭を濾別した。次いで濾液を減圧濃縮することで、エタノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したニクズク抽出物(141mg)を得た。
比較例1 DMSO・塩酸処理エキス
調製例1で得られた粗抽出液5mL(固形分52.5mg)を濃縮してエタノールを除去した後、DMSO(5mL)に溶解し、塩酸(1.1M水溶液、0.05mL)を添加した。撹拌後、60℃で2日間静置して、DMSOと塩酸で処理したエキス(蒸発残分1.05w/v%)を得た。
調製例2 エタノール処理物
調製例1と同様に、ニクズク科ニクズク(Myristica fragrans Houtt.)の種子10gに、99.5vol%エタノールを100mL添加し、室温で2日間浸漬して抽出した後、濾過し粗抽出液(蒸発残分1.05w/v%)を得た。このエキスを加水濃縮し、エタノールで処理したニクズク抽出物(835mg)を得た。
実施例9 エタノール・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
ニクズク科ニクズク(Myristica fragrans Houtt.)の種子の超臨界二酸化炭素抽出物(PT MITRA AYU ADIPRATAMA社より購入)50.0mgをエタノール(5mL)に溶解した。これに強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を50mg添加し撹拌後、60℃で1日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、エタノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分1.00w/v%)を得た。
実施例10 50%エタノール水溶液・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
実施例9と同様の超臨界二酸化炭素抽出物50.0mgを50%エタノール水溶液(5mL)に溶解した。これに強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を50mg添加し撹拌後、60℃で1日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、50%エタノール水溶液と強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分1.00w/v%)を得た。
比較例2 超臨界二酸化炭素抽出物のエタノール溶液
実施例9と同様の超臨界二酸化炭素抽出物50.0mgをエタノール(5mL)に溶解して、超臨界二酸化炭素抽出物のエタノール溶液を得た。
比較例3 20%エタノール水溶液・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
実施例9と同様の超臨界二酸化炭素抽出物50.0mgを20%エタノール水溶液(5mL)に溶解した。これに強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を50mg添加し撹拌後、60℃で1日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、20%エタノール水溶液と強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分1.00w/v%)を得た。
実施例11 エタノール・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
ニクズク科ニクズク(Myristica fragrans Houtt.)の種子の超臨界二酸化炭素抽出物を分子蒸留した残渣(PT MITRA AYU ADIPRATAMA社より購入)50.0mgをエタノール(5mL)に溶解した。これに強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を50mg添加し撹拌後、60℃で1日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、エタノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分1.00w/v%)を得た。
実施例12 シクロヘキサノール・強酸性陽イオン交換樹脂処理エキス
実施例11と同様の超臨界二酸化炭素抽出物の蒸留残渣50.0mgをシクロヘキサノール(5mL)に溶解した。これに強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15JW、ダウ・ケミカル社製)を50mg添加し撹拌後、60℃で1日間静置した。このエキス中の樹脂を濾別することで、濾液として、シクロヘキサノールと強酸性陽イオン交換樹脂で処理したエキス(蒸発残分1.00w/v%)を得た。
試験例1 TRPM8活性化作用の評価
以下の手順に従い、試験サンプルのTRPM8活性化作用におけるEC50値を測定した。
(1)ヒトTRPM8安定発現株の作製
ヒトTRPM8安定発現HEK293細胞株を作製するため、ヒトTRPM8遺伝子のクローニングを行った。全長ヒトTRPM8遺伝子は、ヒト前立腺組織全RNA(COSMOBIO社製)より、RT−PCR法を用いて増幅した。
得られたPCR産物をエントリーベクターpENTR−D/TOPO(インビトロジェン社製)へクローニングした後、pCDNA3.2−V5/DEST(インビトロジェン社製)へサブクローニングし、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社製)によりHEK293細胞へ形質導入した。形質導入された細胞を、450μg/mLのG−418(プロメガ社)を含有するDMEM培地中で増殖させて選抜した。HEK293細胞は内在性のTRPM8を発現しないため、TRPM8形質導入株に対するコントロールとして使用できる。
(2)カルシウムイメージング
HEK293細胞へ形質導入したTRPM8活性の測定は、蛍光カルシウムイメージング法により行った。
まず、培養したTRPM8発現細胞をポリ−D−リジンコートされた96ウェルプレート(BDファルコン社製)へ播種(30,000細胞/ウェル)し、37℃で一晩インキュベートした後、培養液を除去し、Fluo4−AM液(同仁化学社製;カルシウムキットII)を添加し、37℃で30〜60分間インキュベートした。その後、96ウェル穴プレートを蛍光プレートリーダー(FDSS3000;浜松ホトニクス社製)にセットし、装置庫内温度を32℃とした状態で、励起波長480nmで励起したときのFluo4による蛍光イメージを、CCDカメラを用いて検出波長520nmにより捕捉した。
測定は1秒毎に計4分間行い、測定開始15秒後に、FDSS3000内蔵の分注器からリンガー液に溶解させた表1に示す試験サンプルを添加し、蛍光強度の変化によりTRPM8の活性を評価した。
(3)TRPM8活性化作用の評価
TRPM8活性は、試験サンプルによる自家蛍光の影響を排除するため、下記の式で自家蛍光分を差し引いた。
自家蛍光を差し引いた蛍光強度(Fsub
=(各時点のTRPM8発現細胞の蛍光強度)−{(各時点HEK293細胞の蛍光強度)−(測定開始時のHEK293細胞の蛍光強度)}
また、各サンプルによるTRPM8活性化作用は、試験サンプル添加後の蛍光強度比のピークを用いて評価した。下記の式を用いて蛍光強度比を算出した。
蛍光強度比=各時点のFsub/測定開始時のTRPM8発現細胞の蛍光強度
各処理群あたり2ウェルで評価を行い、その平均値を用いた。
(4)TRPM8活性化作用の評価結果
表1に示す試験サンプルのTRPM8活性化作用を、上記方法を用いて、乾燥固形分換算の終濃度0.01〜10ppmの範囲で測定した。測定結果より、最小二乗法を用いてヒルの式に近似した容量依存曲線を求め、これよりEC50値を算出した。調整例1の粗抽出液、比較例1〜3及び実施例1〜7、9〜12のニクズク加工処理物のTRPM8活性化作用におけるEC50値は表1に示すとおりであった。
Figure 2014031366
前記表1に示すとおり、実施例1〜7および9〜12のニクズク加工処理物は優れたTRPM8活性化作用を示す。
試験例2 試験サンプル配合洗口液の冷感評価
表2に示す洗口液(試験品A、B及びC)を調製し、以下の手順及び基準に従って冷涼感誘発効果を評価した。評価結果を図1に示す。
Figure 2014031366
(1)評価手順
男性パネル5名及び女性パネル1名の計6名に対し、洗口液による冷涼感の評価を行った。
試験品A(比較例4)、試験品B(比較例5)又は試験品C(実施例13)を10mL30秒間口に含み、吐き出した。その後、30分間の口腔内に感じた冷涼感を0〜5.0点(0.5刻みの11段階評価)で評価した。各試験品の適用は30分以上の間隔をあけて行った。
(2)評価基準(冷感スコア)
0 点:なにも感じない
0.5点
1.0点:わずかに冷涼感を感じる
1.5点
2.0点:よわい冷涼感を感じる
2.5点
3.0点:はっきりと冷涼感を感じる
3.5点
4.0点:強い冷涼感を感じる
4.5点
5.0点:非常に強い冷涼感を感じる
(3)冷涼感誘発効果の評価結果
図1に示すように、実施例13の洗口液は比較例4の洗口液及び比較例5の洗口液(実施例8のサンプルに換えて同濃度の調製例2のサンプルを含むもの)と比較して、強度・持続性の高い冷涼感を示す。

Claims (7)

  1. ニクズク加工処理物の製造方法であって、ニクズク又はその抽出物を、アルコール又は25%(v/v)以上のアルコール水溶液とプロトン酸及びH型陽イオン交換樹脂から選ばれる1種以上とで同時に処理する工程を含むことを特徴とする製造方法。
  2. アルコールとして炭素数1〜10のアルコールを用いる請求項1に記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られるニクズク加工処理物。
  4. 請求項3に記載のニクズク加工処理物を有効成分とする冷感剤。
  5. 請求項3に記載のニクズク加工処理物を有効成分とするTRPM8活性化剤。
  6. 請求項3に記載のニクズク加工処理物を含有する化粧料。
  7. 請求項3に記載のニクズク加工処理物を含有する口腔用組成物。
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