JP2014031359A - バラシクロビル塩酸塩2型結晶を含有する錠剤とその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 錠剤中のバラシクロビル塩酸塩2型結晶の結晶形態が、錠剤の製造工程中及び錠剤の通常の保存条件下で変化しないこと、なお且つバラシクロビル塩酸塩2型結晶が製剤中に75重量%以上の高比率で含まれていても、造粒性、流動性及び接着等の問題がなく錠剤化できること、並びに得られた錠剤の強度、溶出性及び保存安定性が優れたことを特徴とする、バラシクロビル塩酸塩2型結晶含有錠剤と、その製造方法を提供する。
【解決手段】バラシクロビル塩酸塩2型結晶にエタノールに可溶な高分子のエタノール溶液を加えて湿式撹拌造粒する工程、造粒物の乾燥減量を1.0%以下になるまで乾燥する工程、及び滑沢剤を加えて錠剤強度10kg以上になるように圧縮成型し錠剤化する工程を含む製造方法により、製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、抗ウイルス治療薬であるバラシクロビル塩酸塩2型結晶を高比率で含有する錠剤とその製法に関する。
バラシクロビルは、抗ウイルス薬であるアシクロビルの経口吸収性を改善したプロドラッグ(アシクロビルのL−バリンエステル)であり、経口投与後速やかに消化管より吸収された後、活性代謝物であるアシクロビルに加水分解され、単純ヘルペスウイルスおよび水痘・帯状疱疹ウイルスに対し強力な抗ウイルス作用を示す。また既存薬であるアシクロビルは1日5回投与であるのに対して、本薬は1日2回投与ですむため、服薬のコンプライアンス向上が期待できるため、有用な薬剤として世界各国で使用されている。
医療においてバラシクロビルは塩酸塩の形態で用いられ、その医薬組成物として顆粒及び錠剤が提供されている。このバラシクロビル塩酸塩は一回の服用量が500〜1000mgと多いため、錠剤の開発においてはできるだけ小型化を考慮した設計が望ましい。しかしながら、バラシクロビルを高比率で含ませた錠剤の開発が困難であることが特許文献1に示されている。例えば、錠剤の硬度や脆砕性を増加させるための一般的な手法である、圧縮力や結合剤の比率の増加等では錠剤の十分な硬度を保ち、かつ脆くない錠剤を製造することができなかったと説明されている。またバラシクロビル塩酸塩は錠剤の臼にくっつき易いという「接着」特性を有するので、十分に減摩する必要があり、錠剤の粘着を引き起こすこと無く潤滑剤の比率を減少させるのが困難であることも示されている。
そのため、特許文献1では、バラシクロビル塩酸塩を高比率で含む錠剤の脆砕性および硬度の問題を両方解決する手段として、コロイド状二酸化ケイ素を用いる方法が発明された。尚、この特許文献1の発明に用いられたバラシクロビル塩酸塩は2型結晶とは異なる無水結晶であり、その詳細が特許文献2に記載されている(以下、当該結晶を1型結晶とする)。
一方、バラシクロビル塩酸塩には1型結晶と異なる形態も存在する(特許文献3、特許文献4及び特許文献5)。特許文献3においては、特許文献1と異なるバラシクロビル塩酸塩の無水結晶(以下、当該結晶を2型結晶とする)が例示されている。また特許文献3においては、この2型結晶は他の結晶形態と比較してより簡単で経済的に合成できること、更にこの2型結晶を含む錠剤やカプセル製剤等の医薬生成物が、特許文献6に例示されている湿式造粒法又は直打法による製造方法により、容易に製剤化できると記されている。したがって、2型結晶を含む錠剤は経済性に優れると考えられる。しかしながら、2型結晶で製剤化された錠剤の具体的な製造例及びその特性や品質等に関する情報は特許文献3及びその他文献にも全く記載されておらず、また、その他にも2型結晶を含む錠剤は報告されていない。
そこで我々は、バラシクロビル塩酸塩の2型結晶を高比率で含む錠剤の製造を試みたところ、特許文献3の記載とは反して、特許文献2や特許文献6の方法では、錠剤化できないことが判明した。すなわち、特許文献6の湿式造粒法では、造粒時に粒子が急激に成長し大きな団粒が生じ、錠剤を得ることができなかった。更に造粒粒子の粉砕末について、Cu−Kα線による粉末X線回折を行ったところ、特許文献4に記載の塩酸バラシクロビルの水和物(以下、当該水和物を水和結晶とする)に特徴的な回折ピークが検出された。すなわち、製造工程で2型結晶から水和結晶に転移したことが示唆された。
一方、直打法では、打錠末の流動性が悪く、錠剤臼への打錠末の充填ができないため、錠剤を圧縮成型することができなかった。更に乾式造粒法においては混合物がローラーコンパクターの成型ロールに強く接着したため、打錠末を得ることができなかった。このように、バラシクロビル塩酸塩2型結晶を高比率で含む錠剤を得るためには、特許文献2や特許文献6に記載されている一般的な製法では不可能であることが判明した。
従って、バラシクロビル塩酸塩2型結晶を高比率で含有しつつ、水和結晶や他の結晶形への転移が生じない安定な錠剤及びその製造法を確立する必要がある。
特許3350055号 特許3176633号 特開2005−511612 WO2009/031576 特表2005−526694(WO2003/022209) 米国特許第4957924号
本発明は、バラシクロビル塩酸塩2型結晶を高比率で含む錠剤において、製造時における造粒性、流動性及び接着等の障害が無く、なお且つ製造工程中で結晶転移が無い製造方法を提供すること、更には得られた錠剤の強度・崩壊性・溶出性及び安定性に優れた製剤を提供することが課題である。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、バラシクロビル塩酸塩2型結晶に、エタノールに可溶な高分子をエタノールに溶解させた造粒液を加えて湿式撹拌造粒し、この造粒物の乾燥減量値が1%以下になるまで乾燥し、得られた造粒物に必要に応じて崩壊剤を加え、更には滑沢剤を加えて混合し打錠末とした後、この打錠末を錠剤強度が10kg以上となるように圧縮成型することで、打錠末の流動性及び付着性等の問題無くバラシクロビル塩酸塩2型結晶を高比率で含む錠剤が製造できることを見出した。また、該錠剤は優れた錠剤強度と良好な崩壊性及び溶出性を有し、更には製造工程中においても、錠剤の通常の保存条件下においても、バラシクロビル塩酸塩2型結晶の形態を維持することができる。更には、該錠剤は加温保存しても化学的及び物理的に安定である。
すなわち、本発明は、
(1)バラシクロビル塩酸塩2型結晶を含む錠剤であり、該錠剤の製造工程中において該結晶の形態が変化せず、また、該錠剤を通常の保存条件下で保存しても該結晶の形態が変化しないことを特徴とする錠剤、
(2)バラシクロビル塩酸塩2型結晶、エタノールに可溶な高分子、滑沢剤及び必要に応じて崩壊剤を含む圧縮成型錠剤であることを特徴とする、上記(1)記載の錠剤、
(3)錠剤全重量に対するバラシクロビル塩酸塩2型結晶の含有率が75重量%以上であることを特徴とする、上記(1)又は(2)記載の錠剤、
(4)錠剤全重量に対するエタノールに可溶な高分子の含有率が1〜10重量%であることを特徴とする、上記(2)又は(3)記載の錠剤、
(5)バラシクロビル塩酸塩2型結晶、エタノールに可溶な高分子、滑沢剤及び必要に応じて崩壊剤を含む圧縮成型錠剤であり、該錠剤中にバラシクロビル塩酸塩2型結晶が75重量%以上含まれており、該錠剤の水における崩壊時間が60分以内、且つ0.1mol/Lの塩酸試液を900mL用いてパドル法・毎分50回転で溶出試験を行った時の45分間後の溶出率が75%以上であることを特徴とする、上記(2)記載の錠剤、
(6)実質的に水を用いないで湿式造粒することを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の錠剤の製造方法、
(7)(i)バラシクロビル塩酸塩2型結晶に、エタノールに可溶な高分子のエタノール溶液を加えて撹拌混合し造粒物を得る工程、(ii)該造粒物の乾燥減量値を1.0%以下に調整する乾燥工程、(iii)乾燥した該造粒物に滑沢剤と必要に応じて崩壊剤を混合し錠剤強度が10kg以上となるよう圧縮成型する工程、を含み、該エタノールに可溶な高分子のエタノール溶液が実質的に水を含まないことを特徴とする、上記(6)記載の製造方法、に関する。
本発明により、バラシクロビル塩酸塩2型結晶を75重量%以上の高比率で含む化学的及び物理的に安定な錠剤と、その製造方法を提供することが可能となった。
本発明の錠剤に含まれる医薬成分である「バラシクロビル塩酸塩2型結晶」は、特開2005−511612に記載の「2型塩酸バラシクロビル」と同義である。当該結晶は、Cu−Kα線による粉末X線回折において、2θ角を単位として、6.7±0.1、8.1±0.1、9.3±0.1、11.4±0.1、13.9±0.1、15.7±0.1、16.3±0.1および17.1±0.1度からなる群から選択される4つ以上の位置に特性ピークを示す粉末X線回折パターンを有する。
本発明に関わるバラシクロビル塩酸塩2型結晶の錠剤中における含有量は75重量%以上が望ましく、80〜95重量%が更に望ましく、80〜85重量%が特に望ましい。
本発明における錠剤には必要に応じて糖類、デンプン及びセルロース等の賦形剤を用いても良い。賦形剤としては、例えば結晶セルロースが挙げられる。
本発明における「エタノールに可溶な高分子」は結合剤として用いられ、ポビドン(ポリビニルビニルピロリドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーSなどが挙げられ、特にポビドンが好ましく、その錠剤中における含有量は4〜8重量%が好適である。
本発明における錠剤には必要に応じて、クロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースなどの崩壊剤を添加することができる。この中で、特にクロスポビドンが好ましく、その錠剤中における含有量は、2〜10重量%が好ましい。
本発明において「滑沢剤」としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、硬化油、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられ、特にステアリン酸マグネシウムが好ましく、その錠剤中における含有量は0.3〜1.5重量%が好ましい。
本発明において、「通常の保存条件」とは、医療機関における錠剤の保存条件を表し、例えば、室温で3年間である。
本実施形態における錠剤を製造する際には、実質的に水を含まないエタノールを造粒液溶媒とした湿式造粒法により得られた顆粒を圧縮成型することが好ましい。湿式造粒法とは、有効成分、及び添加剤を混合しながら、造粒液を添加して造粒し、この造粒物を乾燥し、圧縮成形して錠剤を製造する方法である。湿式造粒法として撹拌造粒法と流動層造粒法を用いることができるが、特に撹拌造粒法が好ましい。
バラシクロビル塩酸塩2型結晶の転移を抑えるため、本発明の錠剤は実質的に水を用いない条件で製造することが望ましい。したがって、本実施形態における錠剤を製造する際に用いられるエタノールは実質的に水を含まないことが好ましく、特に無水エタノールが好ましい
本実施形態における錠剤の圧縮成型法は、錠剤強度を10kg以上にすることができればいかなる条件であっても制限をうけるものではない。
本実施形態における錠剤は、適切なコーティング剤によりフィルムコーティング錠としてもよい。適切なコーティング剤の例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、酸化チタンなどが挙げられる。また、コーティング剤に食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用レーキ色素、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などを添加して着色することもできる。
バラシクロビル塩酸塩2型結晶を粉末X線回折装置で測定したときの回折パターンの結果である。 実施例3の錠剤粉砕物を粉末X線回折装置で測定したときの回折パターンの結果である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
以下の組成及び製法で錠剤化を行った。
[成 分] [1錠680mg当たりの重量(mg)]
バラシクロビル塩酸塩2型結晶 556.00
結晶セルロース 47.84
クロスポビドン 34.00
ポビドン 34.00
ステアリン酸マグネシウム 8.16
合計 680.00
バラシクロビル塩酸塩2型結晶3892gと結晶セルロース334.88gを撹拌造粒機(パウレック社製,バーチカルグラニュレーターVG25型)に投入し混合する。この混合物を3分間混合し、更に16(w/v)%濃度のポビドンの無水エタノール溶液1487.5gを加えて造粒した。混合物の造粒性は良好であった。 この造粒物を流動層乾燥機(フロイント産業社製,FLO−5型)に入れて乾燥した。このときの乾燥減量値は0.5%であった。この乾燥物について、2.972mmのスクリーンを装着した整粒機(クアドロ社製,コーミルQC−197S型)で調粒する。この調粒により得られた顆粒にクロスポビドン238.00g及びステアリン酸マグネシウム57.12gを加えて混合し、打錠末を調製した。この打錠末の流動性は良好であり、ロータリー式打錠機(畑鉄工所製,HP−AP18SSII型)で圧縮成型することが可能であり、1錠の質量680mg、パラシクロビル塩酸塩2型結晶の錠剤中の比率が81.8重量%、長径18.4mm、短径7.2mmの楕円形の錠剤を得ることができた。
実施例1の組成から賦形剤の結晶セルロース及び崩壊剤のクロスポビドンを除いた成分で錠剤化を試みた。
[成 分] [1錠590mg当たりの重量(mg)]
バラシクロビル塩酸塩2型結晶 556.00
ポビドン 28.10
ステアリン酸マグネシウム 5.90
合計 590.00
バラシクロビル塩酸塩2型結晶305.8gを撹拌造粒機(パウレック社製,バーチカルグラニュレーターVG−01型)に投入し、更に16(w/v)%濃度のポビドンの無水エタノール溶液を加えて造粒する。この造粒物を流動層乾燥機(パウレック社製,マルチプレックスMP−01型)に入れて乾燥した。この造粒物の乾燥減量値は0.4%以下であった。この乾燥物について、2.972mmのスクリーンを装着した整粒機(クアドロ社製,コーミルQC−197S型)で調粒する。この調粒により得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム3.245gを加えて混合し、ロータリー式打錠機(畑鉄工所製,HP−AP18SSII)で圧縮成型し1錠の質量590mg、バラシクロビル塩酸塩2型結晶の錠剤中の比率が94.2重量%、長径18.4mm、短径7.2mmの楕円形の錠剤を得た。
実施例1で得られた錠剤に、ヒプロメロース、マクロゴール、ポリソルベート80及び酸化チタンからなる分散液を噴霧し、1錠700mgのフィルムコーティング錠を得た。
(比較例1)
実施例1と同じ組成で特許文献6記載の水を用いた湿式造粒法による錠剤化を試みた。
[成 分] [1錠680mg当たりの重量(mg)]
バラシクロビル塩酸塩2型結晶 556.00
結晶セルロース 47.84
クロスポビドン 34.00
ポビドン 34.00
ステアリン酸マグネシウム 8.16
合計 680.00
バラシクロビル塩酸塩2型結晶305.80gと結晶セルロース26.312gを撹拌造粒機(パウレック社製,バーチカルグラニュレーターVG−01型)に投入し混合した。この混合物にポビドンの16(w/v)%水溶液を加えて造粒した。その結果、造粒液を加えた直後に粒子が急激に成長し、粗大粒子(団粒)が生じたため、打錠に適した造粒物を得ることができなかった。
比較例1で製剤化の障害となった造粒中の急激な粒子の成長は、製剤中に高比率で含まれるバラシクロビル塩酸塩2型結晶の水に対する親和性の強さを反映した結果と推察された。そこで、バラシクロビル塩酸塩2型結晶の製剤化には、水を用いない製法が適していると考えた。そこで、ポビドンを含まない以下の組成により直打法による錠剤化を試みた。
(比較例2)
[成 分] [1錠680mg当たりの重量(mg)]
バラシクロビル塩酸塩2型結晶 556.00
結晶セルロース 81.84
クロスポビドン 34.00
ステアリン酸マグネシウム 8.16
合計 680.00
バラシクロビル塩酸塩2型結晶305.80g、結晶セルロース45.01g、クロスポピドン18.70g及びステアリン酸マグネシウム4.49gを混合し打錠末を調製した。この打錠末をロータリー式打錠機(畑鉄工所製,HP−AP18SSII)で直接圧縮法にて打錠を試みたが、ロータリー打錠機のホッパーから打錠末が流動せず錠剤を得ることができなかった。
比較例2において、打錠末の流動性が悪い要因は、打錠末中に高比率で含まれるバラシクロビル塩酸塩2型結晶の流動性が悪いためであると考えた。そこで、水を用いなくとも流動性の良い顆粒が得られる乾式造粒法について、以下の組成で試みた。
(比較例3)
[成 分] [1錠680mg当たりの重量(mg)]
バラシクロビル塩酸塩2型結晶 556.00
結晶セルロース 47.84
クロスポビドン 34.00
ポビドン 34.00
ステアリン酸マグネシウム 8.16
合計 680.00
バラシクロビル塩酸塩2型結晶305.8g、結晶セルロース26.312g、ポビドン18.70g、クロスポピドン18.70g及びステアリン酸マグネシウム4.488gを混合し、得られた混合粉末を乾式造粒法にて造粒を試みた。その結果ローラーコンパクター(LABO型)で圧縮成型したが、成型ロールに混合末が強く固着し造粒物を得ることができなかった
比較例1〜3に示すように、特許文献6に示す一般的な湿式造粒法、直打法及び乾式造粒法ではバラシクロビル塩酸塩2型結晶を高比率で含有する錠剤を得ることができなかった。
(試験例1)
実施例1及び実施例2の錠剤について破壊強度を錠剤硬度計(岡田精工社製,PC−30型)で10錠測定し、その平均値を求めた。その結果、以下の表に示すように、一般的に必要とされる錠剤の強度2Kg以上であり、十分な強度を有した。
Figure 2014031359
(試験例2)
実施例1及び実施例2の錠剤について試験液水を用い、崩壊試験器(富山産業社製,NT−20H型)で6錠測定しその平均値を求めた。その結果、いずれも60分以内に崩壊し、十分な崩壊性を有した。
(試験例3)
実施例3で得られた錠剤及び市販されているバルトレックス錠(グラクソ・スミスクライン社製,Lot.No.10055)について、以下の方法で溶出試験を行った。試験液に0.1mol/L塩酸試液900mLを用い、日本薬局方第2法により、毎分50回転で試験を行い、45分後の試験液中のバラシクロビル塩酸塩の含量を液体クロマトグラフィーにより求めた。以下の表に示すように、実施例3の錠剤は規格(45分間75%)以上であり、なお且つ市販製剤と同様に良好な溶出性を示した。
Figure 2014031359
(試験例4)
実施例3の錠剤を乳鉢で粉砕し、各粉末をCu−Kα線による粉末X線回折(リガク社製,Smart Lab 9kw/PI−ID)により測定した。その結果、図1に示すように、バラシクロビル塩酸塩2型結晶と実施例3の錠剤粉砕物の粉末X線回折パターンは同一であり、2型結晶以外の結晶に基づくピークは検出されなかった。すなわち、製造工程において、2型結晶以外への結晶形の転移は認められなかった。
バラシクロビル塩酸塩2型結晶の結晶形態を変化させずに錠剤化し、尚且つ強度、溶出性及び安定性に優れた錠剤とその製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. バラシクロビル塩酸塩2型結晶を含む錠剤であり、該錠剤の製造工程中において該結晶の形態が変化せず、また、該錠剤を通常の保存条件下で保存しても該結晶の形態が変化しないことを特徴とする錠剤。
  2. バラシクロビル塩酸塩2型結晶、エタノールに可溶な高分子、滑沢剤及び必要に応じて崩壊剤を含む圧縮成型錠剤であることを特徴とする、請求項1記載の錠剤。
  3. 錠剤全重量に対するバラシクロビル塩酸塩2型結晶の含有率が75重量%以上であることを特徴とする、請求項1又は2記載の錠剤。
  4. 錠剤全重量に対するエタノールに可溶な高分子の含有率が1〜10重量%であることを特徴とする、請求項2又は3記載の錠剤。
  5. バラシクロビル塩酸塩2型結晶、エタノールに可溶な高分子、滑沢剤及び必要に応じて崩壊剤を含む圧縮成型錠剤であり、該錠剤中にバラシクロビル塩酸塩2型結晶が75重量%以上含まれており、該錠剤の水における崩壊時間が60分以内、且つ0.1mol/Lの塩酸試液を900mL用いてパドル法・毎分50回転で溶出試験を行った時の45分間後の溶出率が75%以上であることを特徴とする、請求項2記載の錠剤。
  6. 実質的に水を用いないで湿式造粒することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の錠剤の製造方法。
  7. (i)バラシクロビル塩酸塩2型結晶に、エタノールに可溶な高分子のエタノール溶液を加えて撹拌混合し造粒物を得る工程、(ii)該造粒物の乾燥減量値を1.0%以下に調整する乾燥工程、(iii)乾燥した該造粒物に滑沢剤と必要に応じて崩壊剤を混合し錠剤強度が10kg以上となるよう圧縮成型する工程、を含み、該エタノールに可溶な高分子のエタノール溶液が実質的に水を含まないことを特徴とする、請求項6記載の製造方法。
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