JP2014030326A - 発電装置、電子機器、移動手段及び発電装置の制御方法 - Google Patents

発電装置、電子機器、移動手段及び発電装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電材料の圧電効果を利用して、大型化させることなく高い電圧を発生させることが可能な発電装置等を提供すること。
【解決手段】発電装置100は、圧電部材108を備え、変形方向を切り換えて変形する梁(変形部材)104と、圧電部材108と電気的に接続されるインダクターLと、圧電部材108とインダクターLとの間に設けられたスイッチSWと、スイッチ周期情報132(梁104の固有振動周期の情報)を記憶するメモリー(記憶部)130と、メモリー130に記憶されたスイッチ周期情報132に応じて、スイッチSWを導通状態とするタイミングもしくは非導通状態とするタイミングを制御する制御回路(制御部)112と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピエゾ素子などの圧電材料が変形したときに発生する電荷を電気エネルギーとして取り出す発電装置、発電装置を用いた電子機器及び移動手段、並びに発電装置の制御方法に関する。
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)や、水晶(SiO2)、酸化亜鉛(ZnO)などの圧電材料は、外力を受けて変形すると、材料内部に電気分極が誘起されて表面に正負の電荷が現れる。このような現象は、いわゆる圧電効果と呼ばれている。圧電材料が有するこのような性質を利用して、片持ち梁を振動させて圧電材料に繰り返し加重を作用させ、圧電材料の表面に生じた電荷を電気として取り出す発電方法が提案されている。
たとえば、先端に錘を設けるとともに圧電材料の薄板を貼り付けた金属製の片持ち梁を振動させ、振動に伴って圧電材料に交互に生じる正負の電荷を取り出すことによって交流電流を発生させる。そして、この交流電流をダイオードによって整流した後、コンデンサーに蓄えておき、電力として取り出す技術が提案されている(特許文献1)。また、圧電素子で正の電荷が発生している間だけ接点が閉じるようにすることで、ダイオードでの電圧損失を発生させずに直流電流が得られるようにした技術も提案されている(特許文献2)。これら技術を用いれば、発電装置を小型化することができるので、たとえば小型の電子部品に電池の代わりに組み込むなどの応用が期待されている。
特開平7−107752号公報 特開2005−312269号公報
しかし、提案されている従来の技術では、得られる電圧が、圧電材料の電気分極によって生じる電圧までに限られるという問題があった。このため、圧電材料から電気を取り出す発電回路とは別に昇圧回路が必要となることが多く、発電装置を十分に小型化することが難しいという問題があった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、圧電材料の圧電効果を利用した発電装置を大型化させることなく、高い電圧を発生させることが可能な技術の提供を目的とする。
(1)本発明は、圧電部材を備え、変形方向を切り換えて変形する変形部材と、前記圧電部材と電気的に接続されるインダクターと、前記圧電部材と前記インダクターとの間に設けられたスイッチと、前記変形部材の、固有振動周期、寸法及び重量の少なくとも1つの情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記情報に応じて、前記スイッチを導通状態とするタイミングもしくは非導通状態とするタイミングを制御する制御部と、を備える、発電装置である。
変形部材の固有振動周期の情報とは、変形部材の固有振動周期を特定可能な情報であり、変形部材の固有振動周期を直接的に示す情報であってもよいし、変形部材の固有振動周
期を間接的に特定可能な情報であってもよい。変形部材の寸法の情報とは、例えば、変形部材の長さや厚み等の情報である。変形部材の寸法や重量の情報は、変形部材の固有振動周期を決定する要素の情報であり、変形部材の固有振動周期を間接的に特定可能な情報である。
本発明によれば、圧電部材が変形部材に備えられているので、変形部材が変形することにより、圧電部材も変形する。このため、圧電部材には圧電効果によって正負の電荷が発生する。また、電荷の発生量は、変形部材の変形量(すなわち、圧電部材の変形量)が大きくなるほど多くなる。そして、圧電部材は、電気回路的にはコンデンサーと見なすことができるので、スイッチを接続することで、圧電部材とインダクターによる共振回路が形成され、圧電部材に発生していた電荷が圧電部材の一方の電極からインダクターに流れ込む。そして、インダクターに流れ込んだ電流はオーバーシュートして、圧電部材の他方の電極から圧電部材に流れ込む。従って、圧電部材とインダクターとを接続し、その後、所定のタイミングで、圧電部材からインダクターを切断すれば、インダクターを接続する前に圧電部材内に発生していた正負の電荷の配置を逆転させることができる。そして、その状態から、今度は逆方向に変形部材(圧電部材)を変形させれば、圧電効果によって発生した電荷を、圧電部材内に蓄積することができる。従って、変形部材(圧電部材)を繰り返し変形させ、変形部材の変形状態(振動状態)に同期して圧電部材とインダクターとの接続・切断を周期的に行うことにより、圧電部材内に電荷を蓄積することが可能となる。特に、本発明によれば、変形部材の固有振動周期、寸法及び重量の少なくとも1つの情報に応じてスイッチを導通状態とするタイミングもしくは非導通状態とするタイミングを制御することで、変形部材の変形状態(振動状態)に同期したタイミングで、圧電部材とインダクターとの接続・切断を周期的に繰り返すことができるので、圧電部材内に電荷を蓄積することが可能となる。また、圧電部材内に電荷を蓄積した分は、圧電部材の電極間の電圧も増加するので、昇圧回路を別途用意しなくても、圧電材料の電気分極によって生じる電圧よりも高い電圧を発生させることができる。その結果、小型で効率の良い発電装置を得ることが可能となる。
(2)この発電装置は、前記変形部材の振動の状態を検出する振動検出部を備え、前記制御部は、前記振動検出部の検出結果に基づいて前記スイッチを導通状態にするタイミングを決定した後、前記記憶部に記憶された前記情報に応じたタイミングで前記スイッチを導通状態とする、もしくは、前記振動検出部の検出結果に基づいて前記スイッチを非導通状態にするタイミングを決定した後、前記記憶部に記憶された前記情報に応じたタイミングで前記スイッチを非導通状態とするようにしてもよい。
本発明によれば、前記変形部材の振動の状態を検出し、検出結果に基づいてスイッチを導通状態もしくは非導通状態にするタイミングを決定することで、圧電部材とインダクターとの接続・切断を行うタイミングを適切なタイミングに調整することができる。そして、スイッチを導通状態もしくは非導通状態にするタイミングを決定した後は、変形部材の固有振動周期等の情報に応じたタイミングでスイッチを導通状態もしくは非導通状態にすることで、変形部材の変形状態(振動状態)に同期した適切なタイミングで、圧電部材とインダクターとの接続・切断を周期的に繰り返すことができるので、圧電部材内に効率よく電荷を蓄積することが可能となる。
(3)この発電装置において、前記制御部は、前記振動検出部の検出結果に基づいて前記変形部材の変形方向が切り換わるタイミングで前記スイッチを導通状態とした後、前記記憶部に記憶された前記情報に応じたタイミングで前記スイッチを導通状態とする、もしくは、前記振動検出部の検出結果に基づいて前記変形部材の変形方向が切り換わらないとき、前記スイッチを非導通状態とした後、前記記憶部に記憶された前記情報に応じたタイミングで前記スイッチを非導通状態とするようにしてもよい。
変形部材の変形方向が切り換わるタイミングは、圧電部材が発生させる電圧がピークとなるから、このタイミングでスイッチを接続して共振回路を形成させることで、あるいは、変形部材の変形方向が切り換わるタイミング以外でスイッチを切断することで、圧電部材の電極間の電圧を効率よく昇圧させることができる。従って、この発電装置によれば、発電効率を高めることができる。
(4)この発電装置は、前記圧電部材と前記インダクターとの間に設けられ、前記圧電部材が発生する電流を整流する整流回路を備え、前記振動検出部は、前記圧電部材から前記整流回路に流れる電流を検出するようにしてもよい。
変形部材の変形(振動)に合わせて圧電部材内に蓄積される正負の電荷の配置は周期的に変化するので、この変化に応じて、圧電部材の電極間の電圧も周期的に変化する。そして、圧電部材の電極間の電圧が整流回路を介して接続される負荷の両端間の電圧よりも高い期間だけ整流回路に電流が流れる。従って、整流回路を流れる電流を検出することにより、変形部材の振動の状態を検出することができる。
特に、変形部材の変形方向が切り換わるタイミングは、圧電部材が発生させる電荷による電流の向きが切り換わるタイミング(電流が0となるタイミング)と一致する。つまり、変形部材の変形方向が切り換わるときに整流回路に流れていた電流が流れなくなる。そこで、制御部は、振動検出部の検出結果に基づいて、圧電部材から整流回路に電流が流れなくなったときに、スイッチを接続した後、所定期間が経過するとスイッチを切断するようにしてもよい。このようにすれば、圧電部材が発生させる電圧がピークとなるタイミングでスイッチを接続して共振回路を形成させることで、圧電部材の電極間の電圧を効率よく昇圧させることができ、発電効率を高めることができる。
(5)この発電装置は、前記圧電部材を第1の圧電部材とし、前記変形部材に備えられ、前記第1の圧電部材とは異なる第2の圧電部材と、前記第2の圧電部材に設けられた一対の電極と、を備え、前記振動検出部は、前記第2の圧電部材に設けられた前記一対の電極の間の電圧を検出するようにしてもよい。
この発電装置によれば、第2の圧電部材が変形部材に備えられているので、変形部材が変形することにより、第2の圧電部材も変形する。このため、第2の圧電部材には圧電効果によって正負の電荷が発生する。また、電荷の発生量は、変形部材の変形量(すなわち、と第2の圧電部材の変形量)が大きくなるほど多くなる。すなわち、変形部材の変形(振動)に合わせて第2の圧電部材内に蓄積される正負の電荷の配置は周期的に変化するので、この変化に応じて、第2の圧電部材に設けられた一対の電極間の電圧も周期的に変化する。従って、第2の圧電部材に設けられた一対の電極間の電圧を検出することにより、変形部材(第1の圧電部材)の振動の状態を検出することができる。
特に、変形部材の変形方向が切り換わるタイミングでは、第1の圧電部材が発生させる電圧がピークとなるとともに、第2の圧電部材が発生させる電圧がピークとなる。そこで、制御部は、振動検出部の検出結果に基づいて、第2の圧電部材の電極間の電圧がピークとなったときに、スイッチを接続した後、所定期間が経過するとスイッチを切断するようにしてもよい。このようにすれば、第1の圧電部材が発生させる電圧がピークとなるタイミングでスイッチを接続して共振回路を形成させることで、第1の圧電部材の電極間の電圧を効率よく昇圧させることができ、発電効率を高めることができる。
(6)この発電装置において、前記振動検出部は、当該発電装置の初期動作時に、前記変形部材の振動の状態を検出するようにしてもよい。
このようにすれば、発電装置が発電動作を開始する時に、変形部材の振動状態に基づいて、スイッチを接続するタイミングを適切なタイミングに調整することができるので、発電効率を高めることができる。
(7)この発電装置において、前記振動検出部は、当該発電装置の外部からイベント信号が入力されたタイミングで、前記変形部材の振動の状態を検出するようにしてもよい。
このようにすれば、外部からイベント信号が入力されるときに、変形部材の振動状態に基づいて、スイッチを接続するタイミングを適切なタイミングに調整することができるので、発電効率を高めることができる。
(8)この発電装置において、前記振動検出部は、前記変形部材の振動の状態を検出した後、所与の時間が経過するときに、再び前記変形部材の振動の状態を検出するようにしてもよい。
このようにすれば、変形部材の振動の状態を検出した後、所与の時間が経過するときに、再び、変形部材の振動状態に基づいて、スイッチを接続するタイミングを適切なタイミングに調整することができるので、発電効率を高めることができる。特に、記憶部に記憶されている固有振動周期等の情報が変形部材の実際の固有振動周期等とわずかにずれていると、時間の経過に伴って、スイッチを接続するタイミングが適切なタイミングから徐々にずれていくが、この発電装置によれば、所与の時間が経過するときに、このずれを修正することができる。
(9)この発電装置において、前記制御部は、前記振動検出部の検出結果に基づいて前記変形部材の振動周期を計測し、計測結果に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記固有振動周期の情報を更新するようにしてもよい。
変形部材の経時劣化により、変形部材の固有振動周期が徐々に変化することが考えられるが、この発電装置によれば、その時の変形部材の振動周期に合わせて、記憶部に記憶されている固有振動周期の情報を適切に更新することができる。これにより、この発電装置を長期間使用しても、発電効率の低下を抑制することができる。
(10)この発電装置において、前記制御部は、前記圧電部材の容量成分と前記インダクターとを含んで構成される共振回路の共振周期の半周期に相当する時間前記スイッチを導通状態とするようにしてもよい。
圧電部材の一方の電極から流れ出した電荷が、インダクターを介して他方の電極から再び圧電部材に流れ込むまでの期間は、圧電部材とインダクターによって形成される共振回路の共振周期の半分となる。このため、スイッチを接続した後、共振周期の半分の時間が経過したタイミングで、スイッチを切断すれば、圧電部材内に発生した正負の電荷の配置を最も効率よく逆転させることができる。従って、この発電装置によれば、最も高い発電効率を実現することが可能である。
(11)本発明は、上記の発電装置を用いた電子機器である。
(12)本発明は、上記の発電装置を用いた移動手段である。
これらの発明によれば、電池の代わりにリモコン等の小型電子機器に組み込むことが可能であるため、小型電子機器の移動により発電できるほか、例えば、車両や電車などの移
動手段に本発明の発電装置を用いることで、移動に伴う振動により発電し、移動手段に備わる機器に効率良く電力供給することもできる。
(13)本発明は、圧電部材を備え、変形方向を切り換えて変形する変形部材と、前記圧電部材と電気的に接続されるインダクターと、前記圧電部材と前記インダクターとの間に設けられたスイッチと、前記変形部材の、固有振動周期、寸法及び重量の少なくとも1つの情報を記憶する記憶部と、を備える発電装置の制御方法であって、前記記憶部に記憶された前記情報に応じて、前記スイッチを導通状態とするタイミングもしくは非導通状態とするタイミングを制御する、発電装置の制御方法である。
本発明によれば、変形部材の固有振動周期、寸法及び重量の少なくとも1つの情報に基づいてスイッチを導通状態もしくは非導通状態とすることで、変形部材(圧電部材)の変形状態(振動状態)に同期したタイミングで、圧電部材とインダクターとの接続・切断を周期的に繰り返すことができるので、圧電部材内に電荷を蓄積することが可能となる。また、圧電部材内に電荷を蓄積した分は、圧電部材の電極間の電圧も増加するので、昇圧回路を別途用意しなくても、圧電材料の電気分極によって生じる電圧よりも高い電圧を発生させることができる。
第1実施例の発電装置の構造を示した説明図である。 第1実施例の発電装置の動作を示した説明図である。 第1実施例の発電装置の動作原理の前半部分を概念的に示した説明図である。 第1実施例の発電装置の動作原理の後半部分を概念的に示した説明図である。 スイッチがONするタイミングが任意のタイミングであっても、圧電部材の端子間の電圧を昇圧させることが可能な理由を示す説明図である。 スイッチがONするタイミングが任意のタイミングであっても、圧電部材の端子間の電圧を昇圧させることが可能な理由を示す説明図である。 スイッチがONするタイミングが任意のタイミングであっても、圧電部材の端子間の電圧を昇圧させることが可能な理由を示す説明図である。 LC共振回路の共振周期の3/2倍の時間にスイッチをONにした場合の圧電部材の端子間の電圧波形を示した図である。 LC共振回路の共振周期の1/4の時間にスイッチをONにした場合の圧電部材の端子間の電圧波形を示した図である。 第1実施例のスイッチ制御処理のフローチャート図である。 第2実施例の発電装置の構造を示した説明図である。 第2実施例の発電装置の回路構成例を示した図である。 圧電部材から全波整流回路に流れる電流を検出することによって、梁の変形方向が切り換わるタイミングを決定できる理由を示す説明図である。 電流検出回路の構成例を示した図である。 電流検出回路の各部の出力波形例を示した図である。 第2実施例のスイッチ制御処理のフローチャート図である。 第3実施例の発電装置の構造を示した説明図である。 第2の圧電部材が発生する電圧を検出することによって、梁の変形方向が切り換わるタイミングを決定できる理由を示す説明図である。 電圧検出回路の構成例を示した図である。 電圧検出回路の各部の出力波形例を示した図である。 第4実施例のスイッチ制御処理のフローチャート図である。 第5実施例における電流検出回路の各部の出力波形例を示した図である。 第5実施例における電圧検出回路の各部の出力波形例を示した図である。 第5実施例のスイッチの切り換え周期の更新処理のフローチャート図である。 第3変形例のスイッチ制御処理のフローチャート図である。 第4変形例のスイッチ制御処理のフローチャート図である。 第5変形例のスイッチ制御処理のフローチャート図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.第1実施例:
A−1.発電装置の構造:
A−2.発電装置の動作:
A−3.発電装置の動作原理:
A−4.スイッチの切換タイミング:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.変形例:
F−1.第1変形例:
F−2.第2変形例:
F−3.第3変形例:
F−4.第4変形例:
F−5.第5変形例:
A.第1実施例:
A−1.発電装置の構造:
図1は、本実施例の発電装置100の構造を示した説明図である。図1(a)には、発電装置100の機械的な構造が示されており、図1(b)には電気的な構造が示されている。本実施例の発電装置100の機械的な構造は、先端に錘106が設けられた梁104が、基端側で支持端102に固定された片持ち梁構造となっており、支持端102は発電装置100内に固定されるのが望ましい。また、梁104の表面には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料によって形成された圧電部材108が取り付けられており、圧電部材108の表面には、表側と裏側とに、金属薄膜によって形成された第1電極(上部電極)109a、第2電極(下部電極)109bがそれぞれ設けられている。尚、図1(a)に示した例では、梁104の上面側に圧電部材108が設けられているが、梁104の下面側に圧電部材108を設けても良く、あるいは梁104の上面側および下面側の両方に圧電部材108を設けても良い。
梁104は、基端側が支持端102に固定されており、先端側には錘106が設けられているので、振動などが加わると、図中に白抜きの矢印で示したように、梁104の先端が大きく振動する。その結果、梁104の表面に取り付けられた圧電部材108には、圧縮力および引張力が交互に作用する。すると、圧電部材108は圧電効果によって正負の電荷を発生し、その電荷が第1電極109a、および第2電極109bに現れる。また、
錘106は必須ではないが、梁104の先端側と基端側とで重量のバランスが非均衡であることが望ましい。なぜなら、重量のバランスが非均衡であることで、たとえば、1つの振動により梁104の変位が反復しやすくなるためである。なお、梁104は、本発明の「変形部材」に相当する。
図1(b)には、本実施例の発電装置100の回路図が例示されている。圧電部材108は、電気的には、電流源と、電荷を蓄えるコンデンサー(容量成分)C0として表すことができる。この圧電部材108に対して並列にインダクターLが接続されて、圧電部材108の容量成分と共に電気的な共振回路を形成している。そして、この共振回路をON/OFFするためのスイッチSWが、インダクターLに対して直列に接続されている。
制御回路112は、スイッチSWをON/OFFするタイミングを制御する。具体的には、制御回路112は、メモリー(記憶部)130に記憶されているスイッチ周期情報132に設定された所定周期でスイッチSWをONし、所定期間が経過するとスイッチSWをOFFする。スイッチ周期情報132は、スイッチSWを切り換える周期や周波数の数値情報であってもよいし、所定周期をカウントするタイマーの初期値や上限値であってもよい。本実施例では、スイッチ周期情報132には、梁104の固有振動周期と一致する周期が設定される。ただし、メモリー130には、梁104の固有振動周期を直接的に示すスイッチ周期情報132に代えて、あるいは、スイッチ周期情報132とともに、梁104の長さ、厚み、重量、錘106の重さ等、梁104の固有振動周期を決定する要素の情報など、梁104の固有振動周期を間接的に特定可能な情報を記憶し、これらの情報の少なくとも1つからタイマーの初期値又は上限値を算出するようにしてもよい。また、メモリー130には、それぞれ値の異なる複数のスイッチ周期情報132を記憶し、搭載される梁104の個体差や継時的な特性変化に応じて適切な所定周期を選択するようにしてもよい。
また、圧電部材108に設けられた第1電極109aおよび第2電極109bは、4つのダイオードD1〜D4から構成される全波整流回路120に接続されている。更に、全波整流回路120には、電気負荷を駆動するために、整流後の電流を蓄えておく蓄電素子(出力用コンデンサー)C1が接続されている。
A−2.発電装置の動作:
図2は、本実施例の発電装置100の動作を示した説明図である。図2(a)には、梁104の振動に伴って、梁104の先端の変位uが変化する様子が示されている。尚、プラスの変位uは、梁104が上向きに反った状態(梁104の上面側が凹となった状態)を表しており、マイナスの変位(−u)は、梁104が下向きに反った状態(梁104の下面側が凹となった状態)を表している。また、図2(b)には、梁104の変形に伴って、圧電部材108が発生する電流の様子と、その結果として圧電部材108の内部に生じる起電力とが示されている。尚、図2(b)では、圧電部材108に電荷が発生する様子は、単位時間あたりに発生する電荷量(すなわち、電流Ipzt)として表され、また、圧電部材108に生じる起電力は、第1電極109aと第2電極109bとの間に生じる電位差Vpztとして表されている。
図2(a)および図2(b)に示されるように、梁104の変位が増加している間は、圧電部材108は正方向の電流を発生させ(すなわち、電流Ipztがプラス値)、これに伴って第1電極109aおよび第2電極109bの電位差Vpztは正方向へ増加する。正方向の電位差Vpztが、蓄電素子C1の電圧VC1と全波整流回路120を構成しているダイオードの順方向降下電圧Vfの2倍との和、すなわち、VC1+2Vfよりも大きくなれば、それ以降に発生した電荷は直流電流として取り出して、蓄電素子C1に蓄えておくことができる。また、梁104の変位が減少している間は、圧電部材108は負
方向の電流を発生させ(すなわち、電流Ipztがマイナス値)、これに伴って第1電極109aおよび第2電極109bの電位差Vpztは負方向へ増加する。負方向の電位差Vpztが、VC1と全波整流回路120の2Vfの和よりも大きくなれば、発生した電荷は直流電流として取り出して、蓄電素子C1に蓄えておくことができる。すなわち、図1のスイッチSWをOFFにしたままでも、図2(b)中に斜線を付して示した部分については、蓄電素子C1に電荷を蓄えることができる。
本実施例の発電装置100では、制御回路112は、梁104の固有振動周期と一致する周期で、かつ、梁104の振動の状態と無関係な任意のタイミング(任意の位相差)でスイッチSWをONにする。ただし、一定時間に圧電部材108から取り出せる電荷量(発電効率)はスイッチSWがONするタイミングによって異なり、図2(c)に示すように、梁104の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSWがONする場合に発電効率が最大となる。以下では、まず発電効率が最大となる場合の動作について説明する。
制御回路112が、図2(c)に示すタイミングでSWをONにしたとする。すると、図2(d)に示すように、圧電部材108の端子間の電圧波形が、スイッチSWをONにしたときにシフトしたかのような現象が発生する。すなわち、たとえば、図2(d)中に「B」と表示した期間Bでは、圧電部材108の起電力に対応する細い破線で示した電圧波形Vpztがマイナス方向にシフトしたような、太い破線で示した電圧波形が圧電部材108の端子間に現れる。このような現象が発生する理由については後述する。また、図2(d)中に「C」と表示した期間Cでは、圧電部材108の起電力に対応する電圧波形Vpztがプラス方向にシフトしたような、太い破線の電圧波形が現れる。以降の期間D、期間E、期間Fなどについても同様に、圧電部材108の起電力に対応する電圧波形Vpztがプラス方向あるいはマイナス方向にシフトしたような、太い破線の電圧波形が現れる。そして、シフトした電圧波形が、VC1と2Vfとの和を超えた部分(図2(d)中に斜線を付して示した部分)では、圧電部材108で発生した電荷を蓄電素子C1に蓄えておくことができる。尚、圧電部材108から蓄電素子C1に電荷が流れる結果、圧電部材108の端子間の電圧(第1電極109aと第2電極109bとの間の電圧)Vgenは、VC1と2Vfとの和の電圧でクリップされる。その結果、第1電極109aおよび第2電極109bの間の電圧波形は、図2(d)に太い実線で示した波形となる。
図2(b)に示したスイッチSWをOFFにしたままの場合と、図2(d)に示したように、梁104の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSWをONにした場合とを比較すれば明らかなように、本実施例の発電装置100では、適切なタイミングでスイッチSWをONにすることで、効率よく、蓄電素子C1に電荷を蓄えることが可能となる。
また、蓄電素子C1に電荷が蓄えられて、蓄電素子C1の端子間電圧が増加すると、それに従って電圧波形のシフト量も大きくなる。たとえば、図2(d)中の期間B(蓄電素子C1に電荷が蓄えられていない状態)と、図2(d)中の期間H(蓄電素子C1に少し電荷が蓄えられた状態)とを比較すると、期間Hの方が電圧波形のシフト量が大きくなっている。同様に、図2(d)中の期間Cと期間Iとを比較すると、蓄電素子C1に蓄えられた電荷が増えている期間Iの方が、電圧波形のシフト量が大きくなっている。このような現象が発生する理由については後述するが、この結果、本実施例の発電装置100では、圧電部材108を変形させたことによって、第1電極109aと第2電極109bとの間に生じる電圧Vpzt以上の電圧を、蓄電素子C1に蓄えることも可能となる。その結果、特別な昇圧回路を設ける必要がなくなり、小型で高効率の発電装置を得ることが可能となる。
A−3.発電装置の動作原理:
図3は、本実施例の発電装置100の動作原理の前半部分を概念的に示した説明図であ
る。また、図4は、本実施例の発電装置100の動作原理の後半部分を概念的に示した説明図である。図3では、圧電部材108の変形に合わせてスイッチSWをONにしたときのC0の電荷の動きが、概念的に示されている。図3(a)は、圧電部材108(正確には梁104)が上向きに(上面側が凹となるように)変形した状態を表している。圧電部材108が上向きに変形すると、電流源からは正方向の電流が流れ、C0に電荷が蓄積され、圧電部材108の端子間には正方向の電圧が発生する。電圧値は、圧電部材108の変形が大きくなるほど増加する。そして、圧電部材108の変形がピークとなったタイミング(電荷量がピークになったタイミング。図3(b)参照)で、スイッチSWをONにする。
図3(c)には、スイッチSWをONにした直後の状態が示されている。C0には電荷が蓄えられているから、この電荷がインダクターLに流れようとする。インダクターLに電流が流れると磁束が生じる(磁束が増加する)が、インダクターLには、自らを貫く磁束の変化を妨げる方向に逆起電力が生じる性質(自己誘導作用)がある。スイッチSWをONにしたときには、電荷が流れることによって磁束が増加しようとするから、この磁束の増加を妨げる方向(換言すれば、電荷の流れを妨げる方向)に逆起電力が発生する。また、逆起電力の大きさは、磁束の変化速度(単位時間あたりの変化量)に比例する。図3(c)には、このようにしてインダクターLに生じる逆起電力が、斜線を付した矢印によって表されている。このような逆起電力が発生するため、スイッチSWをONにしても、圧電部材108の電荷は少しずつしか流れ出さない。すなわち、インダクターLを流れる電流は少しずつしか増加しない。
その後、インダクターLを流れる電流がピークになると、磁束の変化速度が「0」となるので、図3(d)に示したように逆起電力が「0」となる。そして、今度は電流が減少し始める。すると、インダクターLを貫く磁束が減少するので、インダクターLには、この磁束の減少を妨げる方向(電流を流そうとする方向)の起電力が発生する(図3(e)参照)。その結果、この起電力によってC0から電荷を引き抜きながら、インダクターLを電流が流れ続ける。そして、電荷の移動の途中で損失が発生しなければ、圧電部材108の変形によって生じた全ての電荷が移動して、ちょうど正負の電荷が置き換わったような状態(すなわち、圧電部材108の下面側に正電荷が分布し、上面側に負電荷が分布した状態)となる。図3(f)には、圧電部材108の変形によって生じた正負の電荷が全て移動した状態が表されている。
仮に、このままスイッチSWをONにしておくと、今度は上述した内容と逆の現象が生じる。すなわち、圧電部材108の下面側の正電荷がインダクターLに流れようとして、このときインダクターLには、電荷の流れを妨げる方向の逆起電力が発生する。その後、インダクターLを流れる電流がピークに達した後、減少に転じると、今度は電流の減少を妨げる方向(電流を流し続けようとする方向)の起電力がインダクターLに発生する。その結果、圧電部材108の下面側にあった全ての正電荷が上面側に移動した状態(図3(b)に示した状態)となる。こうして圧電部材108の上面側に戻った正電荷は、再び、図3(b)〜図3(f)を用いて前述したようにして、下面側に移動する。
このように、C0に電荷が蓄えられた状態でスイッチSWをONにした後、その状態を保っておくと、圧電部材108とインダクターLとの間で電流の向きが交互に反転する一種の共振現象が発生する。そして、この共振現象の周期は、いわゆるLC共振回路の周期Tとなるから、圧電部材108に含まれる容量成分C0の大きさ(キャパシタンス)をC、インダクターLの誘導成分の大きさ(インダクタンス)をLとすると、T=2π(LC)0.5によって与えられる。従って、スイッチSWをONにした直後(図3(c)に示した状態)から、図3(f)に示した状態となるまでの時間は、T/2となる。
そこで、スイッチSWをONにしてからT/2が経過した時点で、図4(a)に示すようにスイッチSWをOFFにする。そしてこの状態から、圧電部材108(正確には梁104)を今度は下向きに(下面側が凹となるように)変形させる。前述した図3(a)では、圧電部材108を上向きに変形させたが、図4(a)では下向きに変形させているので、電流源から負方向の電流が流れ、圧電部材108の端子間の電圧が負方向へ大きくなるようにC0に電荷が蓄積する。また、図3(a)〜図3(f)を用いて前述したように、圧電部材108(正確には梁104)を下向きに変形させる前の段階で、圧電部材108の下面側には正電荷が分布し、上面側には負電荷が分布しているから、これらの電荷に加えて、下面側には新たな正電荷が蓄積され、上面側には新たな負電荷が蓄積されることになる。図4(b)には、スイッチSWをOFFにした状態で圧電部材108(正確には梁104)を変形させることによって、圧電部材108に新たな電荷が蓄積された状態が示されている。
そして、この状態からスイッチSWをONにすると、圧電部材108の下面側に蓄積された正電荷がインダクターLに流れようとする。このときインダクターLには逆起電力が発生するので(図4(c)参照)、電流は少しずつ流れ始めるが、やがてピークに達して、その後は減少に転じる。すると、インダクターLには、電流の減少を妨げる方向(電流を流し続けようとする方向)に起電力が発生し(図4(e)参照)、この起電力によって電流が流れ続けて、最終的には、圧電部材108の下面側に分布していた全ての正電荷が上面側に移動し、上面側に分布していた全ての負電荷が下面側に移動した状態となる(図4(f)参照)。また、下面側の全ての正電荷が上面側に移動し、上面側の全ての負電荷が下面側に移動する時間は、LC共振回路の半周期に相当する時間T/2となる。そこで、スイッチSWをONにした後、時間T/2が経過したらスイッチSWをOFFにして、今度は圧電部材108(正確には梁104)を上向きに(上面側が凹となるように)変形させれば、圧電部材108内に更に正負の電荷を蓄積することができる。
以上に説明したように本実施例の発電装置100では、圧電部材108を変形させて電荷を発生させた後、圧電部材108をインダクターLに接続して、共振周期の半分の周期に共振回路を形成することで、圧電部材108内での正負の電荷の分布を反転させる。その後、圧電部材108を今度は逆方向に変形させて新たな電荷を発生させる。圧電部材108内での正負の電荷の分布は反転されているから、新たに発生させた電荷は圧電部材108に蓄積されることになる。その後、再び、共振周期の半分の周期に圧電部材108をインダクターLに接続して、圧電部材108内での正負の電荷の分布を反転させた後、圧電部材108を逆方向に変形させる。このような動作を繰り返すことで、圧電部材108を繰り返し変形させる度に、圧電部材108に蓄積された電荷を増加させることができる。
図2を用いて前述したように本実施例の発電装置100では、スイッチSWをONにする度に圧電部材108の端子間の電圧波形がシフトする特異な現象が生じるが、この現象は、以下のようなメカニズムによって発生する。すなわち、たとえば図2(d)中に示した期間Aでは、圧電部材108(正確には梁104)の変形に従って、第1電極109aおよび第2電極109bの間に電圧が発生するが、第1電極109aおよび第2電極109bは全波整流回路120に接続されているので、VC1と2Vfとの和の電圧を超えた部分の電荷は、全波整流回路120に接続された蓄電素子C1に流れ込む。その結果、梁104の変形がピークになった時点でスイッチSWをONにすると、その時に圧電部材108内に残っていた正負の電荷がインダクターLを介して移動して、圧電部材108内での正負の電荷の配置が入れ代わる。
そして、正負の電荷の配置が入れ代わった状態から梁104を逆方向に変形させると、圧電部材108の第1電極109aおよび第2電極109bの間には、圧電効果による電
圧波形が現れる。すなわち、圧電部材108の第1電極109aおよび第2電極109bの極性が入れ代わった状態から、圧電部材108に変形による電圧変化が発生することになる。その結果、図2(d)中に示した期間Bでは、梁104の変形によって圧電部材108に生じる電圧波形をシフトさせたような、電圧波形が現れることになる。もっとも、前述したように、VC1と2Vfとの和の電圧を超えた部分の電荷は蓄電素子C1に流れ込むので、圧電部材108の第1電極109aおよび第2電極109bの間の電圧は、VC1と2Vfとの和の電圧でクリップされる。その後、共振周期の半分の時間にスイッチSWをONにすると、圧電部材108に残っていた正負の電荷の配置が入れ代わる。そして、その状態から梁104が変形することによって、圧電部材108には圧電効果による電圧波形が現れる。このため、図2(d)中に示した期間Cにおいても、梁104の変形による電圧波形をシフトさせたような電圧波形が現れることになる。
また、図2を用いて前述したように本実施例の発電装置100では、梁104が変形を繰り返しているうちに、電圧波形のシフト量が次第に大きくなるという現象も発生する。このため、圧電部材108の圧電効果によって第1電極109aと第2電極109bとの間に生じる電位差よりも高い電圧を、蓄電素子C1に蓄えることができるという大きな効果を得ることができる。このような現象は、次のようなメカニズムによって生じる。
先ず、図2(d)中の期間Aあるいは期間Bに示したように、C1が充電されていない場合は、圧電部材108の端子間で発生する電圧が、全波整流回路120の2Vfを超えると、圧電部材108から蓄電素子C1に電荷が流れ込むので、圧電部材108の端子間に現れる電圧は、2Vfでクリップされている。しかし、こうして蓄電素子C1に電荷を蓄えるに従って蓄電素子C1の端子間の電圧が増加していく。すると、それ以降は、蓄電素子C1の端子間電圧がVC1と2Vfとの和よりも高い電圧になって始めて、圧電部材108から電荷が流れ込むようになる。このため、圧電部材108の端子間の電圧がクリップされる値が、蓄電素子C1に電荷が蓄えられるに従って次第に上昇していく。
加えて、図3および図4を用いて前述したように、圧電部材108から電荷を流出させない限り、圧電部材108(正確には梁104)を変形させる度に、圧電部材108内の電荷は増えて行き、それに伴って、圧電部材108の端子間の電圧は大きくなる。このため、電荷がインダクターLやスイッチSWを流れる際の損失などを考えなければ、圧電部材108の端子間の電圧を大きくすることができる。このため、本実施例の発電装置100によれば、特別な昇圧回路を設けなくても、電気負荷の駆動に必要な電圧まで自然に昇圧させた状態で、発電することが可能となる。
A−4.スイッチの切換タイミング:
以上に説明したように、本実施例の発電装置100では、圧電部材108(正確には梁104)に繰り返し変形を加えて、変形方向が切り換わるタイミングで、共振周期の半分の時間に圧電部材108をインダクターLに接続することで、蓄電素子C1に効率良く電荷を蓄えることができ、加えて昇圧回路が不要なために容易に小型化することができるという優れた特徴を得ることができる。もっとも、本実施例の発電装置100では、制御回路112がスイッチSWをONするタイミングは、梁104の変形状態と無関係な任意なタイミングであるから、梁104の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSWがONするとは限らない。しかしながら、スイッチSWがONするタイミングが任意のタイミングであっても、梁104の固有振動周期と一致する周期で、LC共振回路の共振周期の半分の時間にスイッチSWをONにすることで、圧電部材108の端子間の電圧Vgenを昇圧させることが可能である。以下、この理由について説明する。
図5(a)は、仮に、梁104の変形方向が切り替わる時刻t1でスイッチSWをONした後OFFしない場合の、圧電部材108の端子間の電圧Vgenの様子を示している
。図5(b)は、図5(a)の時刻t1以降を拡大したものである。なお、図5の例では、全波整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。
時刻t1において、Vgenはピークになっており、スイッチSWがONすることにより、LC共振回路の共振周期Tの1/2の周期(時刻t1,t2,t3,t4,t5,t6,・・・)で正負のピーク値Vp1,Vp2,Vp3,Vp4,Vp5,Vp6,・・・が交互に現れながら減衰していく。もし、時刻t1からT/2経過後の時刻t2にスイッチSWをOFFにすると、前述したVgenのシフト量はVp1の絶対値とVp2の絶対値の和(|Vp1|+|Vp2|)となる。なお、図3及び図4で説明したように、Vp2は、LC共振回路の共振により、容量成分C0の正負の電荷が入れ替わった時の電圧値であるから、Vp1の絶対値が大きいほどVp2の絶対値も大きくなる。従って、Vp1の絶対値が大きいほどVgenのシフト量も大きくなる。
図6は、梁104の変形方向が切り替わるときにスイッチSWがT/2ONする場合の、圧電部材108の端子間の電圧Vgenの様子を示している。なお、図6の例でも、全波整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。圧電部材108が発生させる起電力Vpztの振幅が一定とすると、図6に示すように、最初にVgenが正のピーク値V1となるタイミングでスイッチSWがT/2ONすると、VgenはV1+Va分マイナス方向にシフトする。すると、2回目にスイッチSWがONする時のVgenの電圧値V2=−(Va+2V1)であり、スイッチSWがT/2ONするとVgenはVb+Va+2V1分プラス方向にシフトする。同様に、3回目にスイッチSWがONする時のVgenの電圧値V3=Vb+2V1であり、スイッチSWがT/2ONするとVgenはVc+Vb+2V1分マイナス方向にシフトする。同様に、4回目にスイッチSWがONする時のVgenの電圧値V4=−(Vc+2V1)であり、スイッチSWがT/2ONするとVgenはVd+Vc+2V1分プラス方向にシフトする。同様に、5回目にスイッチSWがONする時のVgenの電圧値V5=Vd+2V1である。ここで、V2=−(Va+2V1)であるから、明らかに|V2|>|V1|である。そして、V1,V2は図5(b)のVp1に対応する電圧値、Va,Vbは図5(b)のVp2に相当する電圧値であり、|V2|>|V1|であるから必ずVb>Vaとなる。すると、V2=−(Va+2V1),V3=Vb+2V1であり、Vb>Vaであるから|V3|>|V2|である。同様に、|V3|>|V2|であるから必ずVc>Vbとなり、V3=Vb+2V1,V4=−(Vc+2V1)であり、Vc>Vbであるから|V4|>|V3|である。同様に、|V4|>|V3|であるから必ずVd>Vcとなり、V4=−(Vc+2V1),V5=Vd+2V1であり、Vd>Vcであるから|V5|>|V4|である。要するに、梁104の変形方向が切り替わるタイミングでスイッチSWがT/2ONすることにより、圧電部材108の端子間の電圧Vgenの絶対値は|V1|<|V2|<|V3|<|V4|<|V5|<・・・と昇圧していく。
梁104の変形方向が切り替わるタイミングとスイッチSWがONするタイミングがずれた場合も同様に考えることができる。図7(a)は、梁104の変形方向が切り替わるタイミングの後ろでスイッチSWがT/2ONする場合のVgenの様子を示し、図7(b)は、梁104の変形方向が切り替わるタイミングの前でスイッチSWがT/2ONする場合のVgenの様子を示している。なお、図7(a)、図7(b)の例でも、全波整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。
図7(a)及び図7(b)の例では、図6の例と同様に、Vgenは、最初にスイッチSWがONする時の電圧値V1に対して、2回目にスイッチSWがONする時の電圧値V2=−(Va+2V1)、3回目にスイッチSWがONする時の電圧値V3=Vb+2V1、4回目にスイッチSWがONする時の電圧値V4=−(Vc+2V1)、5回目にスイッチSWがONする時の電圧値V5=Vd+2V1、・・・となる。ここで、V2,V3,V4
5,・・・は、それぞれ図6の場合のV2,V3,V4,V5,・・・と同じ式で表されるので、やはりV2>V1、V3>V2、V4>V3、V5>V4、・・・となる。従って、梁104の変形方向が切り替わるタイミングから前後にずれたタイミングでスイッチSWをT/2ONしても、Vgenは|V1|<|V2|<|V3|<|V4|<|V5|<・・・と昇圧していく。ただし、電圧値V1が高いほど、Va,Vb,Vc,Vd,・・・が大きくなるので、図6の例の方が、図7(a)及び図7(b)の例よりもVgenが昇圧するスピードが速く、発電効率が高い。
なお、梁104の変位が0(Vgenが0)となるタイミングでスイッチSWがT/2ONする場合(図7(a)及び図7(b)でV1=0の場合)は、LC共振回路の共振が起こらずVgenは昇圧しない。
以上に説明したように、スイッチSWがONするタイミングが任意のタイミング(ただし、梁104の変位が0(Vgenが0)となるタイミングを除く)であっても、LC共振回路の共振周期Tの半分の時間にスイッチSWをONにすることで、圧電部材108の端子間の電圧を昇圧させることができる。
なお、発電効率を高めるために、LC共振回路の共振周期Tの半分の時間にスイッチSWをONにすることが望ましいが、所定期間スイッチSWをONにしてもVgenを昇圧させることは可能である。例えば、図8は、梁104の変形方向が切り替わるタイミングで共振周期Tの3/2倍の時間スイッチSWをONにした場合の、圧電部材108の端子間の電圧Vgenの一例を示している。要するに、図5(b)に示した時刻t1でスイッチをONにして時刻t3でスイッチSWをOFFにする場合に対応する。なお、図8の例でも、全波整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。
図8の例では、図6の例と同様に、Vgenは、最初にスイッチSWがONする時の電圧値V1に対して、2回目にスイッチSWがONする時の電圧値V2=−(Va+2V1)、3回目にスイッチSWがONする時の電圧値V3=Vb+2V1、4回目にスイッチSWがONする時の電圧値V4=−(Vc+2V1)、5回目にスイッチSWがONする時の電圧値V5=Vd+2V1、・・・となり、Vgenは|V1|<|V2|<|V3|<|V4|<|V5|<・・・と昇圧していく。ただし、電圧値V1が高いほど、Va,Vb,Vc,Vd,・・・が大きくなるので、図6の例の方が、図8の例よりもVgenが昇圧するスピードが速く、発電効率が高い。
一方、図9は、梁104の変形方向が切り替わるタイミングで共振周期Tの1/4の時間スイッチSWをONにした場合の、圧電部材108の端子間の電圧Vgenの様子を示している。要するに、図5(b)に示した時刻t1でスイッチをONにして時刻(t1+t2)/2でスイッチSWをOFFにする場合に対応する。なお、図9の例でも、全波整流回路120や蓄電素子C1はないものとしている。
図9の例では、Vgenは、最初にスイッチSWがONする時の電圧値V1に対して、2回目にスイッチSWがONする時の電圧値V2=−2V1、3回目にスイッチSWがONする時の電圧値V3=2V1、4回目にスイッチSWがONする時の電圧値V4=−2V1、5回目にスイッチSWがONする時の電圧値V5=2V1、・・・となる。すなわち、Vgenは2V1まで昇圧できるが、それ以上の昇圧はされない。
同様に、梁104の変形方向が切り替わるタイミングで共振周期Tの3/4倍、5/4倍、7/4倍、9/4倍、・・・のいずれかの時間にスイッチSWをONにした場合もV2=−2V1、V3=2V1、V4=−2V1、V5=2V1、・・・となり、Vgenは2V1まで昇圧できるが、それ以上の昇圧はされない。
以上より、LC共振回路の共振により、少なくとも、VgenがスイッチSWをONにする時の極性と反対の極性となった時にスイッチSWをOFFすれば、Vgenが昇圧していく。要するに、LC共振回路の共振周期Tに対して、スイッチSWをONする所定期間を、少なくとも、(n+1/4)Tより長く(n+3/4)Tよりも短い時間(nは0以上の任意の整数)に設定すれば、Vgenを効率よく昇圧させることができる。
前述したように、共振周期Tの1/2の時間にスイッチSWをONするのが、スイッチSWの切り換え時のシフト量が最も大きくなるので、発電効率が最も高い。そこで、本実施例の発電装置100では、制御回路112は、梁104の固有振動周期と一致する周期でスイッチSWをONにし、共振周期Tの1/2の時間が経過するとスイッチSWをOFFにする。
図10は、スイッチSWのON/OFFを切り換えるスイッチ制御処理を示したフローチャートである。この処理は、例えば、制御回路112に内蔵されたCPUによって実行される。
スイッチ制御処理を開始すると、制御回路112のCPUは、スイッチSWをONにした後(ステップS10)、制御回路112に内蔵された図示しない第1タイマーと第2タイマーをスタートする(ステップS12)。第1タイマーは、あらかじめ設定された時間、本実施例では、LC共振回路の共振周期の1/2の時間を計時する。なお、この設定時間は、メモリー130に記憶して書き換え可能にしておいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。第2タイマーは、スイッチ周期情報132に設定された時間、本実施例では、梁104の固定振動周期と一致する時間を計時する。
そして、制御回路112のCPUは、第1タイマーが設定時間を計時するまで(LC共振回路の共振周期の1/2の時間が経過するまで)待機し(ステップS14のN)、第1タイマーが設定時間を計時すると(ステップS14のY)、スイッチSWをOFFする(ステップS16)。
続いて、制御回路112のCPUは、第2タイマーが設定時間を計時するまで(梁104の固定振動周期と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS18のN)、第2タイマーが設定時間を計時すると(ステップS18のY)、再びスイッチSWをONし(ステップS10)、上述した一連の処理を繰り返す。
以上のようにしてLC共振回路のスイッチSWのON/OFFを行えば、少なくとも、圧電部材108の端子間の電圧を昇圧させることができるので、蓄電素子C1の電圧が上昇しても電荷を蓄えることができる。
尚、本実施例では制御回路112が、本発明の「制御部」に相当する。
以上に説明したように、第1実施例の発電装置100によれば、梁104の固有振動周期の情報に基づいてスイッチSWを所定期間導通状態もしくは非導通状態とすることで、梁104(圧電部材108)の変形状態(振動状態)に同期したタイミングで、周期的にLC共振回路を形成させることができるので、圧電部材108内に電荷を蓄積することが可能となる。これにより、圧電部材108の端子間の電圧を昇圧させ、発電効率を高めている。特に、スイッチSWをONする期間をLC共振回路の共振周期の1/2の時間とすることで、最大限の発電効率が得られる。
B.第2実施例
第1実施例の発電装置100では、梁104の振動の状態と無関係に任意のタイミング(任意の位相差)でスイッチSWがONするため、スイッチSWがONするタイミングによって発電効率が大きく変わる。そこで、第2実施例の発電装置100では、所与のタイミングで、梁104の振動の状態を検出し、梁104の変形方向が切り換わるタイミングでスイッチSWをONにするように調整することで、発電効率をより高くする。ただし、梁104の振動の状態を検出するために、発電した電力の一部が消費されてしまうので、特に、第2実施例の発電装置では、梁104の振動検出(振動状態の検出)に消費される電力を削減するために、所定のタイミングで(初期動作時や外部からのイベント信号を受信した時等)梁104の振動検出を行い、以降の発電装置100の動作中には梁104の振動検出を行わない。従って、第2実施例の発電装置100の使用条件としては、例えば、動作開始後、梁104が振動し続ける場所に設置される場合(常に環境振動が存在する場合)や、外部から動作開始のイベント信号が入力されるような場合(例えば、発電装置100が車両に搭載され、車両のエンジン起動時のイベント信号が発電装置100に入力されるような場合)等が想定される。
第2実施例の発電装置100の機械的な構造は、図1(a)と同様であるため、その説明を省略する。図11に、第2実施例の発電装置100の電気的な構造を示す。図11において、第1実施例(図1(b))と同様の構成には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第2実施例の発電装置100では、第1実施例の発電装置100に、振動検出部140が追加されている。振動検出部140は、所与のタイミングで、梁104の振動状態を検出する。具体的には、振動検出部140は、所与のタイミングで、梁104の振動状態を一定期間検出し、梁104の変形方向が切り換わるタイミングを特定する。そして、制御回路112は、梁104の変形方向が切り換わるタイミングから所定期間スイッチSWをONにする。
梁104の変形方向が切り換わるタイミングは、図2(b)に示したように、圧電部材108の内部に生じる起電力Vpztがピークとなるタイミングおよび、圧電部材108に電荷が発生する電流Ipztが0になるタイミングと一致する。ただし、圧電部材108の内部に生じる起電力Vpztや電流Ipztを直接モニターすることはできない。一方、圧電部材108の端子間の電圧Vgenは、図2(d)に示したように、VC1と2Vfとの和の電圧でクリップされるためVgenのピークを検出することもできない。
そこで、第2実施例の発電装置100では、振動検出部140を電流検出回路で実現し、圧電部材108から全波整流回路120に流れる電流が0になるタイミングを検出する。図12に、第2実施例の発電装置100の回路図を例示する。電流検出回路150は、圧電部材108の第1電極109aとダイオードD1のアノードとの間に設けられており、圧電部材108から全波整流回路120に流れる電流を検出する。ただし、電流検出回路150は、圧電部材108から全波整流回路120に流れる電流を検出できればよく、例えば、圧電部材108の第2電極109bとダイオードD3のアノードとの間に設けられていてもよい。
図13は、圧電部材108から全波整流回路120に流れる電流を検出することによって、梁104の変形方向が切り換わるタイミングを決定できる理由を示す説明図である。図13(a)には、梁104の変位が示されている。また、図13(b)には、梁104の振動に伴って、圧電部材108が単位時間あたりに発生させる電荷量(すなわち、電流Ipzt)と、電流Ipztによって生じる起電力Vpztとが変化する様子が示されている。
図示されるように、梁104の変位が大きくなると、Vpztも大きくなる。VpztがC1の電圧VC1と全波整流回路120を構成しているダイオードの順方向降下電圧Vfの2倍との和、すなわち、VC1+2Vfより大きくなれば、発生した電荷が全波整流回路120に流れることになる。
また、梁104の変位の大きさがピークとなるタイミング(すなわち、梁104の変形方向が切り換わるタイミング)では、圧電部材108の発生する電流Ipztの方向が反転する。たとえば、圧電部材108が正の起電力を発生している状態で、梁104の変位の大きさがピークになると、正方向に流れていた電流Ipztが負方向に反転する。従って、圧電部材108の起電力が減少し、VC1と2Vfとの和よりも電圧が低くなって、全波整流回路120に流れていた電流が流れなくなる。同様に、圧電部材108が負の起電力を発生している状態で、正方向の電流Ipztが発生することで、全波整流回路120に流れていた電流が流れなくなる。従って、梁104の変形方向が切り換わるタイミング(梁104の変位の大きさがピークとなるタイミング)は、圧電部材108から全波整流回路120に電流が流れなくなるタイミングと一致する。そこで、図12に示したように、電流検出回路150を用いて、全波整流回路120に流れる電流を検出して、電流が流れなくなったことを検出したら、そのタイミングから、梁104の固有振動周期のときに、所定期間(例えば、LC共振回路の共振周期Tの1/2の時間)だけ、スイッチSWをONしてやればよい。
図13(c)には、電流検出回路150をONする(電流検出動作をさせる)期間が示されている。また、図13(d)には、スイッチSWをON/OFFするタイミングが示されている。電流検出回路150は、例えば、所与のタイミングでONして全波整流回路120に流れる電流が流れなくなるタイミングを検出し、検出したらOFFする(電流検出動作を終了する)。スイッチSWは、電流検出回路150により検出された、全波整流回路120に電流が流れなくなるタイミングから所定期間(T/2)だけONし、その後は、梁104の固有振動周期が経過するときに所定期間(T/2)だけONする。
図13(e)には、インダクターLを流れる電流と、全波整流回路120を流れる電流とが示されている。図13(e)に示されるように、スイッチSWをONにする度に、圧電部材108内の電荷がインダクターLを流れて、圧電部材108内の正負の電荷の配置が入れ代わる。そして、電荷の配置が入れ代わった状態から圧電部材108が変形することで、圧電部材108の端子間には図13(f)に示すような電圧波形が発生する。この電圧波形は、図2(d)を用いて前述した電圧波形と同じであるため、ここでは説明を省略する。その結果、図13(d)に示されるように、圧電部材108で発生する電流Ipztを効率よく蓄電素子C1に蓄えることが可能となる。
図14に、電流検出回路150の構成ブロック図を例示する。また、図15に、電流検出回路150の各部の出力波形の一例を示す。
電流検出器152は一般的に知られている、例えばホール素子型電流センサーやシャント抵抗などを用いることが出来る。しかし、発電効率を悪化させないためには、シャント抵抗のように、回路内へ抵抗素子を入れることは望ましくないため、ホール素子型電流センサーのような非接触での検出が可能なセンサーを選択することが望ましい。
増幅回路154は、電流検出器152の出力信号(Id)を所定のゲインで増幅する。
絶対値回路156は、増幅回路154の出力信号(Idamp)の絶対値信号を出力する。
増幅回路154、絶対値回路156は必須の回路ではなく、比較器158による電流有無の検出が容易に行えるように入れてある。
比較器158は、絶対値回路156の出力信号(Iabs)を2値化(パルス化)して出力する。この比較器158の出力信号(Ipls)の立ち下がりエッジのタイミングで、全波整流回路120に流れる電流が0になる。なお、電流が0ではなく、少し流れている状態で検出するようにしてもよい。これは無電流時にノイズ等で比較器158が誤動作を起こすことを防止するためである。ここでの余裕を多くとると検出タイミングがずれることにより発電効率が悪化するので、出来るだけノイズを低減し、電流が0に近いタイミングで検出することが望ましい。
図16は、第2実施例の発電装置100におけるスイッチSWのON/OFFを切り換えるスイッチ制御処理を示したフローチャートである。この処理は、例えば、制御回路112に内蔵されたCPUによって実行される。
まず、発電装置を設置した後、発電装置が発電動作を開始する初期動作時に、制御回路112のCPUは、振動検出部140(電流検出回路150)をONにして、梁104の振動検出を開始させる(ステップS100)。
次に、制御回路112のCPUは、振動検出部140(電流検出回路150)の出力信号をモニターし、梁104の変位がピークか否かを判断する(ステップS102)。具体的には、制御回路112のCPUは、電流検出回路150の出力信号(Ipls)の立ち下がりエッジを検出したタイミングで梁104の変位がピークのタイミング(梁104の変形方向が切り換わるタイミング)であると判断する。そして、制御回路112のCPUは、梁104の変位がピークとなるタイミングを検出すると、振動検出部140(電流検出回路150)をOFFにして、梁104の振動検出を終了させるとともに(ステップS104)、スイッチSWをONにする(ステップS106)。
制御回路112のCPUは、以降は、図10のステップS10〜S18と同様の処理を繰り返し行う。すなわち、制御回路112のCPUは、スイッチSWをONにした後、第1タイマーと第2タイマーをスタートする(ステップS108)。
そして、制御回路112のCPUは、第1タイマーが設定時間を計時するまで(LC共振回路の共振周期の1/2の時間が経過するまで)待機し(ステップS110のN)、第1タイマーが設定時間を計時すると(ステップS110のY)、スイッチSWをOFFする(ステップS112)。
続いて、制御回路112のCPUは、第2タイマーが設定時間を計時するまで(梁104の固定振動周期と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS114のN)、第2タイマーが設定時間を計時すると(ステップS114のY)、再びスイッチSWをONし(ステップS106)、上述したステップS108以降の一連の処理を繰り返す。
以上のようにしてLC共振回路のスイッチSWのON/OFFを行えば、発電装置100の初期動作時に、最適なタイミングでスイッチSWがONするように調整し、以降はそのタイミングを保持しながらスイッチSWのON/OFFを切り換えることができる。従って、少なくとも、その後、梁104が振動を継続する間は、発電効率を高めることができる。
なお、図16のフローチャートでは、発電装置100の初期動作時に1回のみステップS100〜S104の処理(梁104の振動検出処理)を行っている。しかし、例えば、
制御回路112のCPUは、外部からのイベント信号を受信するまで待機し、イベント信号を受信するときに、ステップS100〜S104の処理を行うようにしてもよい。例えば、発電装置100を車両に搭載し、車両のエンジンのON/OFFに連動して環境振動の発生と停止が繰り返されるような場合、発電装置100が環境振動の発生開始時(例えば、エンジン始動時)にイベント信号を受信することで、高い発電効率を維持することができる。
以上に説明したように、第2実施例の発電装置100によれば、所与のタイミングで梁104の振動状態を検出し、検出結果に基づいてスイッチSWをONにするタイミングを制御することで、LC共振回路を形成させるタイミングを、圧電部材108の変形方向が切り換わるタイミングと一致する適切なタイミングに調整することができる。そして、調整後は、梁104の固有振動周期の情報に基づいてスイッチSWを所定周期で所定期間にONOFFにすることで、適切なタイミングを維持しながら周期的にLC共振回路を形成させることができるので、圧電部材108内に効率よく電荷を蓄積することが可能となる。これにより、圧電部材108の端子間の電圧を効率よく昇圧させ、発電効率を高めている。
C.第3実施例
第2実施例の発電装置100では、全波整流回路120に流れる電流を検出することで、梁104の変形方向が切り換わるタイミングを判断しているが、全波整流回路120に流れる電流は微小であるため、正確な判断が難しい場合もある。また、前述したように、圧電部材108の端子間の電圧VgenはVC1と2Vfとの和の電圧でクリップされるため、Vgenのピークを検出することはできない。そこで、第3実施例の発電装置100では、梁104に第2の圧電部材を設け、この第2の圧電部材で発生する電圧のピークを検出することで、スイッチSWのON/OFFを制御する。
図17は、第3実施例の発電装置100の構造を示した説明図である。図17(a)には、発電装置100の機械的な構造が示されており、図17(b)には電気的な構造が示されている。図17において、第1実施例(図1)と同様の構成には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図17(a)に示すように、第3実施例の発電装置100では、梁104の表面に圧電部材108(第1の圧電部材)が取り付けられるとともに、梁104の裏面に圧電部材110(第2の圧電部材)が取り付けられている。圧電部材108の表面には第1電極(上部電極)109a、第2電極(下部電極)109bが設けられており、圧電部材110の表面にも同様に、第1電極(上部電極)111a、第2電極(下部電極)111bが設けられている。図17(a)に示す例では、圧電部材108と圧電部材110とは同じ形状を有しているが、必ずしも同じ形状でなくてもよい。例えば、圧電部材108が梁104に対して設置可能な最大の長さと幅であれば、圧電部材108の発電量は大きくなる。一方、圧電部材110が設置可能な最小の幅(梁104の短手方向への長さ)であれば、圧電部材110による梁104の変位抵抗が低減するため、発電効率が良くなる。
梁104が振動すると、梁104の表面に取り付けられた圧電部材108および圧電部材110には、圧縮力および引張力が交互に作用する。すると、それぞれの圧電部材108,110は圧電効果によって正負の電荷を発生し、その電荷が第1電極109a,111a、および第2電極109b、111bに現れる。すなわち、梁104が変形すると、圧電部材110も圧電部材108と同様に変形するので、圧電部材110の内部にも、圧電部材108と全く同様の電流Ipztおよび起電力Vpztが発生する。
図17(b)には、第3実施例の発電装置100の回路図が例示されている。図17(
b)に示すように、第3実施例の発電装置100でも、第1実施例と同じく、圧電部材108の第1電極109aと第2電極109bの間に、インダクターLとスイッチSWが直列に接続されており、スイッチSWのON/OFFは制御回路112により行われる。また、圧電部材108の第1電極109aと第2電極109bは全波整流回路120に接続されており、全波整流回路120には蓄電素子C1が接続されている。
一方、圧電部材110は、制御回路112がスイッチSWをONするタイミングを決定するために設けられており、圧電部材110に設けられた第1電極111aおよび第2電極111bは、電圧検出回路160に接続されている。なお、圧電部材110も、圧電部材108と同様に、電気的には、電流源と、電荷を蓄えるコンデンサーC2として表すことができる。圧電部材108と圧電部材110の大きさや厚さの違い等により、コンデンサーC0とC2の容量値は異なっていてもよい。
図18は、圧電部材110が発生する電圧を検出することによって、梁104の変形方向が切り換わるタイミングを決定できる理由を示す説明図である。図18(a)には、梁104の変位が示されている。また、図18(b)には、梁104の振動に伴って、圧電部材108及び圧電部材110が発生させる電流Ipztと起電力Vpztとが変化する様子が示されている。
梁104の変位の大きさがピークとなるタイミング(すなわち、梁104の変形方向が切り換わるタイミング)では、圧電部材108及び圧電部材110が発生する起電力Vpztもピークとなる。しかし、圧電部材108が変形によって発生する電荷は、インダクターLによって引き抜かれたり、蓄電素子C1に流れたりするため、圧電部材108の端子間の電圧Vgenは起電力Vpztと一致しない。そのため、Vgenのピークは梁104の変形方向が切り換わるタイミングと一致しない。これに対して、圧電部材110は、インダクターLや蓄電素子C1と接続されていないため、電荷の増減が圧電部材110の端子間の電圧(第1電極111aと第2電極111bとの間の電圧)Vgen2の変化に直接反映される。このため、図18(c)に示すように、圧電部材110の端子間の電圧Vgen2は起電力Vpztと一致する。従って、Vgen2のピークは梁104の変形方向が切り換わるタイミングと一致する。そこで、図17(b)に示したように、電圧検出回路160を用いて、圧電部材110の端子間の電圧Vgen2のピークを検出したら、そのタイミングから、スイッチ周期情報132に設定された所定周期(梁104の固有振動周期)のときに、所定期間(例えば、LC共振回路の共振周期Tの1/2の時間)だけ、スイッチSWをONしてやればよい。
図18(d)には、電圧検出回路160をONする(電圧検出動作をさせる)期間が示されている。また、図18(e)には、スイッチSWをON/OFFするタイミングが示されている。電圧検出回路160は、例えば、所与のタイミングでONしてVgen2がピークとなるタイミングを検出し、検出したらOFFする(電圧検出動作を終了する)。スイッチSWは、電圧検出回路160により検出された、Vgen2がピークとなるタイミングから所定期間(T/2)だけONし、その後は、梁104の固有振動周期が経過するときに所定期間(T/2)だけONする。
そして、このスイッチSWのON/OFFにより、圧電部材108の端子間には図18(f)に示すような電圧波形が発生する。その結果、圧電部材108で発生する電流Ipztを効率よく蓄電素子C1に蓄えることが可能となる。
図19に、電圧検出回路160の構成ブロック図を例示する。また、図20に、電圧検出回路160の各部の出力波形の一例を示す。
電圧検出器162は、圧電部材110の端子間の電圧Vgen2を検出する。
微分回路164は、電圧検出器162の出力信号(Vd)を微分する。微分回路164の出力信号(Vdiff)の0クロスのタイミングが、Vgen2がピークとなるタイミングと一致する。
比較器166は微分回路164の出力信号(Vdiff)を2値化(パルス化)して出力する。この比較器166の出力信号(Vpls)の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングで、Vgen2がピークとなる。図20(e)では、比較器166の出力信号(Vpls)の立ち上がりエッジのタイミングでVgen2がピークとなる。
なお、第3実施例の発電装置100におけるスイッチSWのON/OFFを切り換えるスイッチ制御処理のフローチャートは、第2実施例(図16)と同様である。ただし、第3実施例の発電装置100では、制御回路112のCPUは、図16のステップS100において電圧検出回路160をONにし、ステップS102において、電圧検出回路160の出力信号をモニターし、梁104の変位がピークか否かを判断する。具体的には、制御回路112のCPUは、電圧検出回路160の出力信号(Vpls)の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジを検出したタイミングで梁104の変位がピークのタイミング(梁104の変形方向が切り換わるタイミング)であると判断する。そして、制御回路112のCPUは、梁104の変位がピークとなるタイミングを検出すると、電圧検出回路160をOFFにして、梁104の振動検出を終了させるとともに(ステップS104)、スイッチSWをONにする(ステップS106)。
なお、圧電部材110、第1電極111a、第2電極111b、電圧検出回路160が、図11の振動検出部140に相当する。
以上に説明したように、第3実施例の発電装置100によれば、所与のタイミングで、圧電部材110の端子間の電圧を検出し、検出結果に基づいてスイッチSWをONにするタイミングを制御することで、LC共振回路を形成させるタイミングを、圧電部材108の変形方向が切り換わるタイミングと一致する適切なタイミングに調整することができる。そして、調整後は、梁104の固有振動周期の情報に基づいてスイッチを所定周期で所定期間にだけONにすることで、適切なタイミングを維持しながら周期的にLC共振回路を形成させることができるので、圧電部材108内に効率よく電荷を蓄積することが可能となる。これにより、圧電部材108の端子間の電圧を効率よく昇圧させ、発電効率を高めている。
D.第4実施例
第2実施例や第3実施例の発電装置100では、初期動作時や外部からのイベント信号をトリガとしてスイッチSWをONするタイミングを決定し、以後は、スイッチ周期情報132に設定された所定周期(梁104の固有振動周期)のときに、所定期間(例えば、LC共振回路の共振周期Tの1/2の時間)にだけスイッチSWをONしている。しかしながら、スイッチ周期情報132に設定された所定周期が梁104の固有振動周期とわずかにずれていると、発電装置100が動作を開始してからスイッチSWがONするタイミングと梁104の変形方向が切り換わるタイミングとが徐々に一致しなくなり、発電効率が低下する可能性がある。また、発電装置100を環境振動が継続しないような場所に設置した場合、梁104の振動が停止した後、振動を再開すると、スイッチSWがONするタイミングと梁104の変形方向が切り換わるタイミングとが一致しなくなり、発電効率が低下する場合もある。
そこで、第4実施例の発電装置100では、所定の周期で、振動検出部140をONし
、スイッチSWがONするタイミングと梁104の変形方向が切り換わるタイミングとを一致させる。
第4実施例の発電装置100は、機械的な構造や電気的な構造については第2実施例又は第3実施例と同様であり、スイッチSWのON/OFFを切り換えるスイッチ制御処理のみが異なるため、以下ではスイッチ制御処理についてのみ説明する。
図21は、第4実施例の発電装置100におけるスイッチSWのON/OFFを切り換えるスイッチ制御処理を示したフローチャートである。この処理は、例えば、制御回路112に内蔵されたCPUによって実行される。
まず、制御回路112のCPUは、振動検出部140をONにして、梁104の振動検出を開始させる(ステップS200)。
次に、制御回路112のCPUは、振動検出部140の出力信号をモニターし、梁104の変位がピークか否かを判断する(ステップS202)。そして、制御回路112のCPUは、梁104の変位がピークとなるタイミングを検出すると(ステップS202のY)、振動検出部140をOFFにして、梁104の振動検出を終了させるとともに(ステップS204)、制御回路112に内蔵された図示しない第3タイマーをスタートする(ステップS206)。第3タイマーは、あらかじめ設定された時間(例えば、数時間)を計時する。この設定時間は、スイッチSWがONするタイミングと梁104の変形方向が切り換わるタイミングとがずれる周期の長さや、環境振動が停止する頻度等に応じて、適切な時間が決められる。なお、この設定時間は、メモリー130に記憶して書き換え可能にしておいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。
続いて、制御回路112のCPUは、スイッチSWをONし(ステップS208)、第1タイマーと第2タイマーをスタートする(ステップS210)。
そして、制御回路112のCPUは、第1タイマーが設定時間を計時するまで(LC共振回路の共振周期の1/2の時間が経過するまで)待機し(ステップS212のN)、第1タイマーが設定時間を計時すると(ステップS212のY)、スイッチSWをOFFする(ステップS214)。
続いて、制御回路112のCPUは、第3タイマーが設定時間を計時したか否かを判断する(ステップS216)。第3タイマーが設定時間を計時していなければ(ステップS216のN)、第2タイマーが設定時間を計時するまで(梁104の固定振動周期と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS218のN)、第2タイマーが設定時間を計時すると(ステップS218のY)、再びスイッチSWをONし(ステップS208)、上述したステップS210以降の一連の処理を繰り返す。
一方、第3タイマーが設定時間を計時していれば(ステップS216のY)、制御回路112のCPUは、再び、振動検出部140をONにして、梁104の振動検出を開始させ(ステップS200)、上述したステップS202以降の一連の処理を繰り返す。
以上のようにしてLC共振回路のスイッチSWのON/OFFを行えば、周期的に、最適なタイミングでスイッチSWがONするように調整することができるので、より高い発電効率を維持することができる。
E.第5実施例
第2実施例、第3実施例、第4実施例の発電装置100では、梁104の固有振動周期
が不変であるものとしているが、実際には、発電装置100を長期間使用していると、梁104に錆びが付く等して梁104の重さがわずかに変化し、あるいは梁104と支持端102との固定部分(梁104の根元)が経時劣化するなどして、梁104の振動周期がわずかに変化することが考えられる。これにより、スイッチ周期情報132に設定された所定周期と梁104の振動周期とが一致しなくなると、スイッチSWがONするタイミングと梁104の変形方向が切り換わるタイミングとが徐々に一致しなくなり、発電効率が低下することが考えられる。
そこで、第5実施例の発電装置100では、所定の周期で、梁104の振動周期を計測し、計測結果に応じてスイッチSWの切り換え周期を更新する。
第5実施例の発電装置100は、機械的な構造や電気的な構造については第2実施例、第3実施例又は第4実施例と同様であり、制御回路112によるスイッチSWの切り換え周期の更新処理のみが異なるため、以下ではスイッチSWの切り換え周期の更新処理についてのみ説明する。
第5実施例の発電装置100では、制御回路112は、所定の周期で、所定時間に振動検出部140をONし、振動検出部140の出力信号から梁104の振動周期を計測する。そして、制御回路112は、計測した振動周期でスイッチ周期情報132を更新する。
図22に、振動検出部140を電流検出回路150として実現した場合の、スイッチSWの切り換え周期の更新処理における電流検出回路150の各部の出力波形の一例を示す。制御回路112は、例えば、電流検出回路150の出力信号(Ipls)の立ち下がりエッジが最低2回発生するまで、電流検出回路150の検出動作を継続させ、電流検出回路150の出力信号(Ipls)の立ち下がりエッジ間の時間を計測する。この立ち下がりエッジ間の時間が、梁104の振動周期の1/2の時間と一致する。なお、梁104の振動周期の計測精度を高めるためには、電流検出回路150の検出動作時間を長くして、電流検出回路150の出力信号(Ipls)の各立ち下がりエッジ間の時間を平均等すればよい。
また、図23に、振動検出部140を圧電部材110(第2の圧電部材)と電圧検出回路160を用いて実現した場合の、スイッチSWの切り換え周期の更新処理における電圧検出回路160の各部の出力波形の一例を示す。制御回路112は、例えば、電圧検出回路160の出力信号(Vpls)の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジが最低2回発生するまで、電圧検出回路160の検出動作を継続させ、電圧検出回路160の出力信号(Vpls)の立ち上がりエッジ間又は立ち下がりエッジ間の時間を計測する。この立ち上がりエッジ間又は立ち下がりエッジ間の時間が、梁104の振動周期と一致する。なお、梁104の振動周期の計測精度を高めるためには、電圧検出回路160の検出動作時間を長くして、電圧検出回路160の出力信号(Vpls)の各立ち上がりエッジ間又は立ち下がりエッジ間の時間を平均等すればよい。
図24は、第5実施例の発電装置100におけるスイッチSWの切り換え周期の更新処理を示したフローチャートである。この処理は、例えば、制御回路112に内蔵されたCPUによって実行される。
まず、制御回路112のCPUは、第4タイマーをスタートし(ステップS300)、第4タイマーが設定時間を計時するまで待機する(ステップS302のN)。第4タイマーは、あらかじめ設定された時間(例えば、数ヶ月)を計時する。この設定時間は、梁104が経時劣化により重さ等が所定量以上変化するのに要する時間等に応じて、適切な時間が決められる。なお、この設定時間は、メモリー130に記憶して書き換え可能にして
おいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。
第4タイマーが設定時間を計時すると(ステップS302のY)、制御回路112のCPUは、振動検出部140をONにして、梁104の振動検出を開始させる(ステップS304)。そして、制御回路112のCPUは、振動検出部140の出力信号をモニターして梁104の振動周期を計測し、梁104の振動周期の計測を終了すると(ステップS306のY)、振動検出部140をOFFにして梁104の振動検出を終了させる(ステップS308)。
そして、制御回路112のCPUは、第2タイマーの設定時間(スイッチSWをONする周期)を、計測した梁104の振動周期に更新し(ステップS310)、上述した一連の処理を繰り返す。
なお、このスイッチSWの切り換え周期の更新処理において、スイッチSWがONするタイミングを梁104の変形方向が切り換わるタイミングと一致させる処理を同時に行ってもよい。
以上のようにして、周期的にスイッチSWの切り換え周期を更新すれば、スイッチSWがONするタイミングと梁104の変形方向が切り換わるタイミングとのずれを補正し、高い発電効率を維持することができる。
F.変形例:
F−1.第1変形例:
上述した第2実施例では、電流検出回路150内に、ホール素子などの電流検出センサーが設けられており、この出力を処理することによって、電流が流れなくなったタイミングを検出するものとして説明した。しかし、全波整流回路120を構成するダイオードD1〜D4の一部をフォトカプラーに変更して、フォトカプラーによって電流の有無を直接検出してもよい。
例えば、ダイオードD2およびダイオードD4をフォトカプラーに変更してもよいし、ダイオードD1およびダイオードD3をフォトカプラーに変更してもよい。あるいは、ダイオードD1およびダイオードD4をフォトカプラーに変更してよいし、ダイオードD2およびダイオードD3をフォトカプラーに変更してもよい。こうすれば、全波整流回路120に電流が流れている間は、何れかのフォトカプラーによって、そのことを検出することができる。このため電流検出回路150は、全波整流回路120に電流が流れなくなったことを直ちに検出することができる。その結果、前述したように、ホール素子などの電流検出センサーを搭載したり、センサーの出力を増幅して絶対値を求めたり、得られた絶対値を閾値と比較すると言った複雑な処理を行うことなく、適切なタイミングでスイッチSWをONにすることが可能となる。
あるいは、圧電部材108の第1電極109aおよび第2電極109bと全波整流回路120との間にフォトカプラーを挿入することによって、全波整流回路120に流れる電流の有無を検出するようにしても良い。
F−2.第2変形例:
また、上述した第2実施例から第5実施例では、振動検出部140として、電流検出回路150や、圧電部材110と電圧検出回路160を用いた構成を例に挙げて説明したが、振動検出部140はその他の構成であってもよい。例えば、光学式、超音波式、渦電流式、静電容量式等の非接触型の近接センサーや接触型のセンサーを用いて、梁104の振動(変位)を直接的に検出してもよい。
F−3.第3変形例:
第1実施例では、制御回路112は、最初にスイッチSWをONした後、スイッチ周期情報132に設定された所定周期でスイッチSWをONしながら、スイッチSWがONしてから所定期間経過後にスイッチSWをOFFしているが、最初にスイッチをOFFした後、スイッチ周期情報132に設定された所定周期でスイッチSWをOFFしながら、スイッチSWがOFFしてから所定期間が経過するとスイッチSWをONするように変形してもよい。例えば、制御回路112は、梁104の固有振動周期と一致する周期でスイッチSWをOFFしながら、スイッチSWをOFFしてから(梁104の固有振動周期−LC共振回路の共振周期Tの1/2)に相当する時間の経過後にスイッチSWをONにするようにしてもよい。
図25は、本変形例におけるスイッチSWのON/OFFを切り換えるスイッチ制御処理を示したフローチャートである。この処理は、例えば、制御回路112に内蔵されたCPUによって実行される。
スイッチ制御処理を開始すると、制御回路112のCPUは、スイッチSWをOFFにした後(ステップS50)、制御回路112に内蔵された図示しない第1タイマーと第2タイマーをスタートする(ステップS52)。第1タイマーは、あらかじめ設定された時間、本変形例では、(梁104の固有振動周期−LC共振回路の共振周期の1/2)と一致する時間を計時する。なお、この設定時間は、メモリー130に記憶して書き換え可能にしておいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。第2タイマーは、スイッチ周期情報132に設定された時間、本変形例では、梁104の固定振動周期と一致する時間を計時する。
そして、制御回路112のCPUは、第1タイマーが設定時間を計時するまで((梁104の固有振動周期−LC共振回路の共振周期の1/2)と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS54のN)、第1タイマーが設定時間を計時すると(ステップS54のY)、スイッチSWをONする(ステップS56)。
続いて、制御回路112のCPUは、第2タイマーが設定時間を計時するまで(梁104の固定振動周期と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS58のN)、第2タイマーが設定時間を計時すると(ステップS58のY)、再びスイッチSWをOFFし(ステップS50)、上述した一連の処理を繰り返す。
F−4.第4変形例:
第2実施例及び第3実施例では、制御回路112は、振動検出部140の検出結果に基づいてスイッチSWをONするタイミングを決定した後、スイッチ周期情報132に設定された所定周期で所定期間だけスイッチSWをONしているが、振動検出部140の検出結果に基づいてスイッチSWをOFFするタイミングを決定した後、スイッチ周期情報132に設定された所定周期で所定期間だけスイッチSWをOFFするように変形してもよい。例えば、制御回路112は、所与のタイミングで、振動検出部140の検出結果に基づいて、梁104の変形方向が切り換わらないとき(例えば、梁104の変形方向が切り換わるタイミングからLC共振回路の共振周期Tの1/2に相当する時間の経過後)に、所定期間(例えば、(梁104の固有振動周期−T/2)に相当する期間)だけスイッチSWをOFFし、以降は、梁104の固有振動周期と一致する周期で当該所定時間にだけスイッチSWをOFFするようにしてもよい。
図26は、本変形例におけるスイッチSWのON/OFFを切り換えるスイッチ制御処理を示したフローチャートである。この処理は、例えば、制御回路112に内蔵されたC
PUによって実行される。
まず、制御回路112のCPUは、図16のステップS100,S102,S104と同様に、ステップS150,S152,S154の処理を順番に行う。
次に、制御回路112のCPUは、第3タイマーをスタートする(ステップS156)。第3タイマーは、あらかじめ設定された時間、本変形例では、LC共振回路の共振周期の1/2と一致する時間を計時する。なお、この設定時間は、メモリー130に記憶して書き換え可能にしておいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。
制御回路112のCPUは、第3タイマーが設定時間を計時するまで(LC共振回路の共振周期の1/2の時間が経過するまで)待機し(ステップS158のN)、第3タイマーが設定時間を計時すると(ステップS158のY)、スイッチSWをOFFにした後(ステップS160)、第1タイマーと第2タイマーをスタートする(ステップS162)。第1タイマーは、あらかじめ設定された時間、本変形例では、(梁104の固有振動周期−LC共振回路の共振周期の1/2)と一致する時間を計時する。なお、この設定時間は、メモリー130に記憶して書き換え可能にしておいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。第2タイマーは、スイッチ周期情報132に設定された時間、本実施例では、梁104の固定振動周期と一致する時間を計時する。
そして、制御回路112のCPUは、第1タイマーが設定時間を計時するまで((梁104の固有振動周期−LC共振回路の共振周期の1/2)と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS164のN)、第1タイマーが設定時間を計時すると(ステップS164のY)、スイッチSWをONする(ステップS166)。
続いて、制御回路112のCPUは、第2タイマーが設定時間を計時するまで(梁104の固定振動周期と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS168のN)、第2タイマーが設定時間を計時すると(ステップS168のY)、再びスイッチSWをOFFし(ステップS160)、上述したステップS162以降の一連の処理を繰り返す。
なお、図26のフローチャートにおいて、第1タイマー又は第2タイマーを第3タイマーとして利用してもよい。
F−5.第5変形例:
第4実施例も、第2実施例及び第3実施例の場合と同様に、制御回路112は、振動検出部140の検出結果に基づいてスイッチSWをOFFするタイミングを決定した後、スイッチ周期情報132に設定された所定周期で所定期間だけスイッチSWをOFFするように変形してもよい。
図27は、本変形例におけるスイッチSWのON/OFFを切り換えるスイッチ制御処理を示したフローチャートである。この処理は、例えば、制御回路112に内蔵されたCPUによって実行される。
まず、制御回路112のCPUは、図21のステップS200,S202,S204と同様に、ステップS250,S252,S254の処理を順番に行う。
次に、制御回路112のCPUは、第3タイマーと第4タイマーをスタートする(ステップS256)。第3タイマーは、あらかじめ設定された時間、本変形例では、LC共振回路の共振周期の1/2と一致する時間を計時する。なお、この設定時間は、メモリー1
30に記憶して書き換え可能にしておいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。第4タイマーは、あらかじめ設定された時間(例えば、数時間)を計時する。この設定時間は、スイッチSWがONするタイミングと梁104の変形方向が切り換わるタイミングとがずれる周期の長さや、環境振動が停止する頻度等に応じて、適切な時間が決められる。なお、この設定時間は、メモリー130に記憶して書き換え可能にしておいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。
制御回路112のCPUは、第3タイマーが設定時間を計時するまで(LC共振回路の共振周期の1/2の時間が経過するまで)待機し(ステップS258のN)、第3タイマーが設定時間を計時すると(ステップS258のY)、スイッチSWをOFFにする(ステップS260)。
続いて、制御回路112のCPUは、第4タイマーが設定時間を計時したか否かを判断する(ステップS262)。第4タイマーが設定時間を計時していなければ(ステップS262のN)、第1タイマーと第2タイマーをスタートする(ステップS264)。第1タイマーは、あらかじめ設定された時間、本変形例では、(梁104の固有振動周期−LC共振回路の共振周期の1/2)と一致する時間を計時する。なお、この設定時間は、メモリー130に記憶して書き換え可能にしておいてもよいし、不変でもよければメモリー130に記憶しておかなくてもよい。第2タイマーは、スイッチ周期情報132に設定された時間、本実施例では、梁104の固定振動周期と一致する時間を計時する。
そして、制御回路112のCPUは、第1タイマーが設定時間を計時するまで((梁104の固有振動周期−LC共振回路の共振周期の1/2)と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS266のN)、第1タイマーが設定時間を計時すると(ステップS266のY)、スイッチSWをONする(ステップS268)。
続いて、制御回路112のCPUは、第2タイマーが設定時間を計時するまで(梁104の固定振動周期と一致する時間が経過するまで)待機し(ステップS270のN)、第2タイマーが設定時間を計時すると(ステップS270のY)、再びスイッチSWをOFFし(ステップS260)、上述したステップS262以降の一連の処理を繰り返す。
一方、第4タイマーが設定時間を計時していれば(ステップS262のY)、制御回路112のCPUは、再び、振動検出部140をONにして、梁104の振動検出を開始させ(ステップS250)、上述したステップS252以降の一連の処理を繰り返す。
なお、図27のフローチャートにおいて、第1タイマー又は第2タイマーを第3タイマーとして利用してもよい。
以上、本実施例あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施例あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
たとえば、上述した実施例では、圧電部材108が片持ち梁構造の梁104に取り付けられているものとして説明した。しかし、圧電部材108が取り付けられる部材は、振動などによって容易に繰り返し変形する部材であれば、どのような部材であっても構わない。たとえば、薄膜の表面に圧電部材108を取り付けても良いし、弦巻バネの側面に圧電部材108を取り付けても構わない。
また、本発明の発電装置は振動や移動に応じて発電するため、たとえば、橋梁や建築物
あるいは地すべり想定箇所などに発電装置を設置すれば地震などの災害時に発電し、電子機器などのネットワーク手段に必要時(災害時)に電源供給することもできる。
尚、電子機器に限らず、本発明の発電装置は小型化が可能であるため、あらゆる機器に設置することもできる。たとえば、車両や電車などの移動手段に本発明の発電装置を用いることで、移動に伴う振動により発電し、移動手段に備わる機器に効率良く電力供給することもできる。
このとき、あらゆる振動に対応するために、梁104の長さや錘106の重さが異なる複数の発電装置100を移動手段に組み込んでもよい。たとえば、複数の発電装置100が共通の支持端102に固定されている発電ユニットとして構成されていてもよい。
また、本発明の発電装置を電池の代わりにリモコン等の小型電子機器に組み込むこともできる。
さらに、特定の機器等に設置されるのではなく、本発明の発電装置が例えばボタン電池、乾電池と同じ形状であって、電子機器一般で使用されてもよい。このとき、振動によって蓄電素子への充電が可能であるため、電力が喪失した災害時でも電池として使用可能である。また、一次電池より寿命が長いため、ライフサイクルの観点で環境負荷低減を図ることができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
100…発電装置、102…支持端、104…梁、106…錘、108…圧電部材、109a…第1電極、109b…第2電極、110…圧電部材、111a…第1電極、111b…第2電極、112…制御回路、120…全波整流回路、130…メモリー、132…スイッチ周期情報、140…振動検出部、150…電流検出回路、152…電流検出器、154…増幅回路、156…絶対値回路、158…比較器、160…電圧検出回路、162…電圧検出器、164…微分回路、166…比較器、L…インダクター、C1…蓄電素子、D1〜D4…ダイオード、SW…スイッチ

Claims (13)

  1. 圧電部材を備え、変形方向を切り換えて変形する変形部材と、
    前記圧電部材と電気的に接続されるインダクターと、
    前記圧電部材と前記インダクターとの間に設けられたスイッチと、
    前記変形部材の、固有振動周期、寸法及び重量の少なくとも1つの情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記情報に応じて、前記スイッチを導通状態とするタイミングもしくは非導通状態とするタイミングを制御する制御部と、を備える、発電装置。
  2. 前記変形部材の振動の状態を検出する振動検出部を備え、
    前記制御部は、
    前記振動検出部の検出結果に基づいて前記スイッチを導通状態にするタイミングを決定した後、前記記憶部に記憶された前記情報に応じたタイミングで前記スイッチを導通状態とする、もしくは、前記振動検出部の検出結果に基づいて前記スイッチを非導通状態にするタイミングを決定した後、前記記憶部に記憶された前記情報に応じたタイミングで前記スイッチを非導通状態とする、請求項1に記載の発電装置。
  3. 前記制御部は、
    前記振動検出部の検出結果に基づいて前記変形部材の変形方向が切り換わるタイミングで前記スイッチを導通状態とした後、前記記憶部に記憶された前記情報に応じたタイミングで前記スイッチを導通状態とする、もしくは、前記振動検出部の検出結果に基づいて前記変形部材の変形方向が切り換わらないとき、前記スイッチを非導通状態とした後、前記記憶部に記憶された前記情報に応じたタイミングで前記スイッチを非導通状態とする、請求項2に記載の発電装置。
  4. 前記圧電部材と前記インダクターとの間に設けられ、前記圧電部材が発生する電流を整流する整流回路を備え、
    前記振動検出部は、
    前記圧電部材から前記整流回路に流れる電流を検出する、請求項2又は3に記載の発電装置。
  5. 前記圧電部材を第1の圧電部材とし、
    前記変形部材に備えられ、前記第1の圧電部材とは異なる第2の圧電部材と、
    前記第2の圧電部材に設けられた一対の電極と、を備え、
    前記振動検出部は、
    前記第2の圧電部材に設けられた前記一対の電極の間の電圧を検出する、請求項2又は3に記載の発電装置。
  6. 前記振動検出部は、
    当該発電装置の初期動作時に、前記変形部材の振動の状態を検出する、請求項2乃至5のいずれかに記載の発電装置。
  7. 前記振動検出部は、
    当該発電装置の外部からイベント信号が入力されたタイミングで、前記変形部材の振動の状態を検出する、請求項2乃至6のいずれかに記載の発電装置。
  8. 前記振動検出部は、
    前記変形部材の振動の状態を検出した後、所与の時間が経過するときに、再び前記変形部材の振動の状態を検出する、請求項2乃至7のいずれかに記載の発電装置。
  9. 前記制御部は、
    前記振動検出部の検出結果に基づいて前記変形部材の振動周期を計測し、計測結果に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記固有振動周期の情報を更新する、請求項2乃至8のいずれかに記載の発電装置。
  10. 前記制御部は、
    前記圧電部材の容量成分と前記インダクターとを含んで構成される共振回路の共振周期の半周期に相当する時間前記スイッチを導通状態とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の発電装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の発電装置を用いた電子機器。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載の発電装置を用いた移動手段。
  13. 圧電部材を備え、変形方向を切り換えて変形する変形部材と、前記圧電部材と電気的に接続されるインダクターと、前記圧電部材と前記インダクターとの間に設けられたスイッチと、前記変形部材の、固有振動周期、寸法及び重量の少なくとも1つの情報を記憶する記憶部と、を備える発電装置の制御方法であって、
    前記記憶部に記憶された前記情報に応じて、前記スイッチを導通状態とするタイミングもしくは非導通状態とするタイミングを制御する、発電装置の制御方法。
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