JP2014029121A - ノッキング検出装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一のマイク追加のみによって聴感のノック強度と一致させた機械判定を行うノッキング検出装置および方法を得る。
【解決手段】回転数信号を取得してエンジンの各気筒の燃焼が一巡する周期を求め(ST4)、マイク信号データを上記周期で平均処理を行い、算出した平均周期音データを格納し(ST5)、最新の1周期のマイク信号データを平均周期データで除算した振幅値S(n)を求め(ST6)、振幅値S(n)のうち、閾値k1を超えた値を人間の聴感特性を考慮した積算時間T内で積算し(ST7、ST8)、積算値の大きさに基づきノッキングを検出する(ST9、ST10)。
【選択図】図2
【解決手段】回転数信号を取得してエンジンの各気筒の燃焼が一巡する周期を求め(ST4)、マイク信号データを上記周期で平均処理を行い、算出した平均周期音データを格納し(ST5)、最新の1周期のマイク信号データを平均周期データで除算した振幅値S(n)を求め(ST6)、振幅値S(n)のうち、閾値k1を超えた値を人間の聴感特性を考慮した積算時間T内で積算し(ST7、ST8)、積算値の大きさに基づきノッキングを検出する(ST9、ST10)。
【選択図】図2
Description
この発明は、自動車および2輪車用のガソリンエンジンなどの燃焼機関のノッキングを検出する装置および方法に関し、聴感に基づく判定を機械判定で行う際の検出精度を改善したノッキング検出装置および方法に関するものである。
一般に、自動車および輪車用のガソリンエンジンなどの燃焼機関は、気筒内で圧縮させた混合気を最適な点火位置で燃焼させることにより、高い燃焼効率を得ることができる。しかし、点火制御において点火位置が過度に進角側に設定されると、ノッキングと呼ばれる異常燃焼が発生することが知られている。この際、ノッキング振動により気筒を損傷する可能性があることや、発生したノッキング振動が可聴音となって運転者に聴感上の不快感を与えるといった問題が生じるので、エンジン運転時のノッキング発生を検出して、気筒の点火位置を遅角側に制御する必要がある。
したがって、高効率の燃焼機関制御を実現するために、ノッキング振動を検出するノックセンサと、信号処理用のマイクロコンピュータ(ECU)とを用いて、点火時期を最適に制御している。
そこで、従来から、ECUの設計開発段階において点火時期を適合させる際に、ベンチ上でエンジンを運転し、実際にノッキングを発生させてノックセンサの設置位置や制御設定を決定している。また、この適合工程においては、聴感上のノック強度に一致させるために、運転条件ごとに、センサにより検出するノック強度を調整している。
従来のノッキング検出方法の一例として、ノッキングセンサにより振動を検出した後、クランク角度に応じた振動成分の大きさを過去の平均データと比較して、最終的にノッキングの発生を検出する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、ノックセンサの後段に10kHz以上のノック周波数を通過させるバンドパスフィルタを備え、気筒ごとに直前に発生した振動の大きさを比較することにより、ノッキングの発生を検出する方法も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
さらに、マイク信号と気筒内の圧力センサの信号との相互相関値を計算して、ノッキングの発生を検出する方法も提出されている(たとえば、特許文献3参照)。
さらに、マイク信号と気筒内の圧力センサの信号との相互相関値を計算して、ノッキングの発生を検出する方法も提出されている(たとえば、特許文献3参照)。
従来のノッキング検出装置および方法は、特許文献1では、クランク角度に応じた振動成分の大きさを過去の平均データと比較することにより突発的に発生するノッキングを検出し、特許文献2では、バンドパスフィルタによりノイズ成分が少ない領域でノッキングを検出し、特許文献3では、気筒内の圧力変動に関する音成分を抽出することによりノッキングを検出している。
しかし、エンジン構造の違いや周囲雑音の影響により、気筒内の圧力変動や振動の大きさと音の大きさとが必ずしも一致しないので、特許文献1および特許文献2のようにマイクを使用しない場合には、聴感のノック強度と一致させることが困難であり、特許文献3の場合には、音と気筒内の圧力変動との相互相関値の大きさが音の大きさと必ずしも一致しないという課題があった。
また、エンジン開発初期段階においては、ノッキングに起因した振動が現れやすいエンジンの部位が不明であることから、ノッキングを適切に検出可能な位置に振動センサを設置することが困難であるという課題があった。
また、たとえば特許文献2では、振動センサの後段に10kHz以上のバンドパスフィルタを適用しているが、同様にマイク信号に10kHz以上のバンドパスフィルタを適用した場合、聴感で聞こえやすい10kHz以下のノック周波数成分が除去されてしまうので、聴感のノック強度と一致しないという課題があった。
さらに、特許文献3では、マイクに加えて、気筒内の圧力センサや振動センサの追加が必要であり、設置コストが高くなるという課題があった。
以上のように、従来のノッキング検出装置および方法は、単一のマイク追加のみによって聴感のノック強度と一致させた機械判定を行うことができないという課題があった。
以上のように、従来のノッキング検出装置および方法は、単一のマイク追加のみによって聴感のノック強度と一致させた機械判定を行うことができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、単一のマイク追加のみによって、聴感のノック強度と一致させた機械判定を可能にしたノッキング検出装置および方法を得ることを目的とする。
この発明に係るノッキング検出装置は、エンジンの回転数信号およびエンジンに設置されたマイクからのマイク信号を取得するA/Dコンバータと、回転数信号に基づきエンジンを構成する各気筒の燃焼が一巡する周期を求める燃焼周期検出部と、マイク信号に対して、周期で平均処理を施す平均処理部と、平均処理により算出された平均データを格納するメモリと、最新の1周期のマイク信号データを平均データで除算して振幅値を算出する除算部と、振幅値のうち、人間の聴感特性を考慮した所定時間内で第1の閾値を超えた値を積算して積算値を算出し、積算値が第2の閾値を超えた場合にノッキングを判定する判定部と、を備えたものである。
この発明によれば、エンジン各気筒の燃焼が一巡する周期を1つの周期として、気筒別に平均処理を行うことにより、各気筒で異なるノイズレベルを考慮したノッキングの判定を行うことができるので、振動センサを用いることなく単一のマイクによってノッキングを検出することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るノッキング検出装置20の機能構成を示すブロック図である。
図1において、ノッキング検出装置20は、マイク信号1および回転数信号2を入力情報としてノッキング判定用の演算処理を行うために、A/Dコンバータ3と、演算部4とを備えている。
図1はこの発明の実施の形態1に係るノッキング検出装置20の機能構成を示すブロック図である。
図1において、ノッキング検出装置20は、マイク信号1および回転数信号2を入力情報としてノッキング判定用の演算処理を行うために、A/Dコンバータ3と、演算部4とを備えている。
マイク信号1は、エンジン(図示せず)の気筒近傍に設置したマイクから入力され、ノッキングを含むエンジン音を含む。
回転数信号2は、内燃機関のクランク軸の回転角量(エンジン回転速度)を算出するための信号であり、たとえばクランク角センサからのクランク角信号を取得してもよい。
具体的には、クランク角は、クランク軸に取り付けられた円板と、円板の外周に等間隔で形成された歯に対向してパルス信号を出力する磁気コイル式(または、光電式など)の信号出力部とを備えたセンサ手段により取得することができる。
具体的には、クランク角は、クランク軸に取り付けられた円板と、円板の外周に等間隔で形成された歯に対向してパルス信号を出力する磁気コイル式(または、光電式など)の信号出力部とを備えたセンサ手段により取得することができる。
演算部4は、A/Dコンバータ3に接続された周波数フィルタ適用部5および燃焼周期検出部6と、周波数フィルタ適用部5に接続された平均処理部7と、周波数フィルタ適用部5および平均処理部7に接続された除算部8と、除算部8に接続された判定部9と、燃焼周期検出部6と平均処理部7との間に挿入されたメモリ10と、平均処理部7と除算部8との間に挿入されたメモリ11と、除算部8と判定部9との間に挿入されたメモリ12と、を備えている。
メモリ10は、燃焼周期長当たりに必要な離散データのサンプル数Lを格納し、メモリ11は、周期の2乗平均値を格納し、メモリ12は、周期音除去後のマイク信号S(振幅値S(n))を格納する。
以下、図2〜図4を参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1の動作について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1に係るノッキング検出方法を示すフローチャートであり、ノッキング検出装置20内のA/Dコンバータ3および演算部4の動作手順に対応している。
図2はこの発明の実施の形態1に係るノッキング検出方法を示すフローチャートであり、ノッキング検出装置20内のA/Dコンバータ3および演算部4の動作手順に対応している。
図3はこの発明の実施の形態1に係るノッキング検出装置20の信号処理を示す説明図であり、(a)マイク信号(デジタル変換後のデータ)と、(b)周波数フィルタ適用後のマイク信号Yと、(c)マイク信号Yの周期の2乗平均値Pと、(d)周期音除去後のマイク信号Sと、(e)ノッキングと判定した積算値Xと、の各波形を示している。
図4はこの発明の実施の形態1によるノッキング/非ノッキングの判定処理を示す説明図である。
図4はこの発明の実施の形態1によるノッキング/非ノッキングの判定処理を示す説明図である。
図2において、ステップST1〜ST4は、A/Dコンバータ3を介した周波数フィルタ適用部5および燃焼周期検出部6による並列処理に対応し、ステップST5は、平均処理部7の処理に対応し、ステップST6は、除算部8の処理に対応し、ステップST7〜ST10は、判定部9の処理に対応する。
まず、ノッキング検出装置20内のA/Dコンバータ3は、エンジンの気筒近傍に設置されたマイク(図示せず)から、ノッキングを含むエンジン音をマイク信号1として取得し(ステップST1)、マイク信号1をデジタル変換したデータを周波数フィルタ適用部5に入力する。
続いて、周波数フィルタ適用部5は、マイク信号1のデジタルデータに基づき、周波数フィルタ後のマイク信号Yを算出して(ステップST2)、平均処理部7に入力する。
続いて、周波数フィルタ適用部5は、マイク信号1のデジタルデータに基づき、周波数フィルタ後のマイク信号Yを算出して(ステップST2)、平均処理部7に入力する。
ステップST1において、A/Dコンバータ3を介して取得されるマイク信号1の時刻歴データは、図3(a)のように表される。
また、ステップST2において、周波数フィルタ適用部5を介した周波数フィルタ後のマイク信号Yの時刻歴データは、図3(b)のように表される。
また、ステップST2において、周波数フィルタ適用部5を介した周波数フィルタ後のマイク信号Yの時刻歴データは、図3(b)のように表される。
ステップST2の周波数フィルタとしては、ノッキング周波数fmを含む周波数のハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタが使用される。
一般に、ノッキング周波数fmは、同時に複数の周波数を持つことが知られており、音速V(m/s)、モード係数α(α=0.586、0.972、1.220、1.337)、気筒半径R(m)を用いて、以下の式(1)のように計算することができる。
一般に、ノッキング周波数fmは、同時に複数の周波数を持つことが知られており、音速V(m/s)、モード係数α(α=0.586、0.972、1.220、1.337)、気筒半径R(m)を用いて、以下の式(1)のように計算することができる。
fm=Vα/2R ・・・(1)
なお、一般的な自動車のエンジンまたは大型の2輪車用のエンジンであれば、最も低いノッキング周波数fmは、6kHz〜8kHzである。この周波数帯域は、ノッキング周波数fmの中では、人間が聞き取りやすい周波数帯域に分類されるので、周波数フィルタの下限周波数に6kHz〜8kHzを設定する。
また、バンドパスフィルタを適用する場合、下限周波数に対する上限周波数は、2番目および3番目に低いノッキング周波数fmを含めるように、1.7倍〜2.1倍程度とするか、または人間の可聴周波数となるように考慮して、15kHz〜20kHzとする。
図2に戻り、A/Dコンバータ3は、マイク信号1と並行して、クランク角センサなどから回転数信号2を取得し(ステップST3)、回転数信号2をサンプリング周波数Fsでデジタル変換した離散データとして燃焼周期検出部6に入力する。
このとき、回転数信号2からクランク軸の回転角量が求まるので、燃焼周期検出部6は、回転数信号2の離散データに基づき、回転数信号2の取得開始からのエンジンの燃焼工程の段階を計算し、燃焼周期長当たりに必要な離散データのサンプル数Lを、メモリ10に格納する(ステップST4)。
なお、エンジンの燃焼工程とは、たとえば4気筒4ストロークエンジンの場合、1つの気筒について、ピストンが2往復する間に混合気の吸入、混合気の圧縮、混合気の燃焼、燃焼ガスの排気、の4つの工程に含まれるものである。クランク軸が2回転する間に、4つの気筒すべてが4つの工程を終えて、最初の工程と同じ段階になる。すなわち、クランク軸の2回転で1つの燃焼周期となる。
回転数信号2は、パルス状の信号であることから、パルスの立ち上がりを燃焼周期の開始点としてパルス数を計数することにより、クランク角の回転角量が求まる。また、クランク角度を入力情報とした場合には、特定のクランク角度を基準として燃焼周期の開始点を設定してもよい。
メモリ10に格納されたサンプル数Lは、平均処理部7に入力される。
平均処理部7は、データの取得開始から最後に取得したデータのサンプル数がn番目の場合の、最新のマイク信号の振幅値Y(n)と、最新の燃焼周期開始からのサンプル数Lyと、前回の燃焼周期が開始してからのサンプル数がLyのときの周期の2乗平均値P’(Ly)と、平滑化定数aと、を用いて、最新の周期の2乗平均値P(Ly)を、以下の式(2)により計算し、メモリ11に格納する(ステップST5)。
平均処理部7は、データの取得開始から最後に取得したデータのサンプル数がn番目の場合の、最新のマイク信号の振幅値Y(n)と、最新の燃焼周期開始からのサンプル数Lyと、前回の燃焼周期が開始してからのサンプル数がLyのときの周期の2乗平均値P’(Ly)と、平滑化定数aと、を用いて、最新の周期の2乗平均値P(Ly)を、以下の式(2)により計算し、メモリ11に格納する(ステップST5)。
P(Ly)=√[a×{Y(n)}2+(1−a)×{P’(Ly)}2]・・・(2)
式(2)において、平滑化定数aは、燃焼周期のサンプル数Lおよびサンプリング周波数Fsを用いて、a=1−e^(−L/Fs/5)で表される。また、検出を開始した最初の1周期目の計算においては、P’(Ly)=0とする。
この場合、最新の周期の2乗平均値Pは、数秒で一定範囲内の値に収束するので、実用上の問題は生じない。
この場合、最新の周期の2乗平均値Pは、数秒で一定範囲内の値に収束するので、実用上の問題は生じない。
ステップST5で算出される最新の周期の2乗平均値Pの時刻歴データは、図3(c)のように表される。図3(c)内の1周期長は、クランク軸が2回転する期間に相当する。
なお、エンジンを一定回転数に固定して設定していたとしても、回転数にはわずかな変動が発生するので、サンプル数Lについては逐次更新されていくが、回転数を固定した場合には、最大値のピークホールドでよい。
このように、周期の2乗平均値Pを求めることにより、単一のマイクを用いて、気筒ごとに異なるノイズレベルの大きさを考慮した平均処理を行うことができる。
平均処理部7で算出された周期の2乗平均値Pは、除算部8に入力されるとともに、メモリ11を介して除算部8に入力される。
平均処理部7で算出された周期の2乗平均値Pは、除算部8に入力されるとともに、メモリ11を介して除算部8に入力される。
次に、除算部8は、最新のマイク信号Yの振幅値Y(n)と、最新の周期の2乗平均値P(Ly)との除算処理を行い、周期音除去後のマイク信号Sの振幅値S(n)を、以下の式(3)のように算出し、メモリ12に格納する(ステップST6)。
S(n)=Y(n)/P(Ly) ・・・(3)
周期音除去後のマイク信号Sの時刻歴データは、図3(d)のように表される。
除算部8で算出された振幅値S(n)は、判定部9に入力されるとともに、メモリ12を介して判定部9に入力される。
除算部8で算出された振幅値S(n)は、判定部9に入力されるとともに、メモリ12を介して判定部9に入力される。
以下、判定部9は、除算部8およびメモリ12からの振幅値に基づき、可聴音をともなうノッキングの発生状態を判定する。
一般に、人間の聴感特性として、発生時間が200ms以下の衝撃的な音は、その音圧に比べて音の大きさが小さく聞こえる特性を持つので、微小時間で発生する音の大きさを人間が認識することは困難である。
一般に、人間の聴感特性として、発生時間が200ms以下の衝撃的な音は、その音圧に比べて音の大きさが小さく聞こえる特性を持つので、微小時間で発生する音の大きさを人間が認識することは困難である。
そこで、積算時間Tの範囲でマイク信号Sを積算した値から、ノッキングを判定する。
また、積算時間Tの範囲について、聴感で聞き取りができるように継続時間を持たせ、最も低いノッキング周波数fm(6kHz〜8kHz)の成分を10波長分以上含めるように、積算時間Tの下限を2msとする。また、積算時間Tの上限は、ノッキング音を連続的に感じる範囲の50msとする。
また、積算時間Tの範囲について、聴感で聞き取りができるように継続時間を持たせ、最も低いノッキング周波数fm(6kHz〜8kHz)の成分を10波長分以上含めるように、積算時間Tの下限を2msとする。また、積算時間Tの上限は、ノッキング音を連続的に感じる範囲の50msとする。
メモリ12に格納される周期音除去後のマイク信号Sのサンプル数は、「積算時間T×サンプリング周波数Fs」の小数点を切り上げた数を上限とする。
判定部9は、まず、マイク信号Sの振幅値S(n)の絶対値と閾値k1とを比較して、|S(n)|>k1であるか否かを判定し(ステップST7)、|S(n)|≦k1(すなわち、No)と判定されれば、直ちに図2の処理ルーチンを終了してリターンする。
判定部9は、まず、マイク信号Sの振幅値S(n)の絶対値と閾値k1とを比較して、|S(n)|>k1であるか否かを判定し(ステップST7)、|S(n)|≦k1(すなわち、No)と判定されれば、直ちに図2の処理ルーチンを終了してリターンする。
一方、ステップST7において、|S(n)|>k1(すなわち、Yes)と判定されれば、メモリ12に格納された振幅値S(n)の積算時間Tの範囲について、過去の周期音除去後のマイク信号Sのうち、|S|>k1となる周期音除去後のマイク信号|S|の積算値Xと、閾値k1を超えた回数Nとを算出する(ステップST8)。
なお、閾値k1は、周期音除去後のマイク信号Sを一定に含めるレベルとして、明らかにノッキングが発生していない場合のマイク信号Sのレベル、または、ノッキングが発生しない運転条件における周期音除去後のマイク信号Sのレベルから求める。
続いて、判定部9は、|S|>k1となるマイク信号|S|の積算値Xと、閾値k2とを比較して、X>k2であるか否かを判定し(ステップST9)、X≦k2(すなわち、No)と判定されれば、図2の処理ルーチンを終了してリターンする。
一方、ステップST9において、X>k2(すなわち、Yes)と判定されれば、ノッキング発生状態と最終判定し(ステップST10)、図2の処理ルーチンを終了してリターンする。
なお、閾値k2は、閾値k1と同様に、明らかにノッキングが発生していない場合の積算値Xのレベル、またはノッキングが発生しない運転条件における積算値Xのレベルから求める。
ノッキングと判定した積算値Xの時刻歴データは、図3(e)のように表される。
ノッキングと判定した積算値Xの時刻歴データは、図3(e)のように表される。
図4は上記判定処理(ステップST7〜ST10)を示す説明図であり、(a)ノッキングの状態と、(b)非ノッキングの状態と、における振幅値S(n)のレベル変動を示している。
図4において、破線枠で示す部分は、|S(n)|>k1となるタイミングを示している。
図4において、破線枠で示す部分は、|S(n)|>k1となるタイミングを示している。
図4(a)においては、積算時間Tの範囲内で、継続時間を持った大きな振幅が現れており、振幅値S(n)のレベルが複数回にわたって閾値k1を超えている(複数の破線枠参照)。この結果、積算値Xが大きくなり、閾値k2を超えるので、ステップST9〜ST10においてノッキングと判定される。
一方、図4(b)においては、振幅値S(n)が閾値k1を超える回数が少ないので、図4(a)に比べて積算値Xが小さくなる。この結果、積算値Xが閾値k2を超えないので、ステップST9〜ST10においてノッキングと判定されることはない。
なお、上記説明では言及しなかったが、マイク信号1には、聴感ではノッキングに聞こえないにもかかわらず、瞬間的に大きなノイズ成分が含まれる場合がある。
このように、信号波形にひげ状の大振幅が現れた場合には、積算値Xが大きくなって、ノッキングでない状態をノッキングと判定する可能性がある。
このように、信号波形にひげ状の大振幅が現れた場合には、積算値Xが大きくなって、ノッキングでない状態をノッキングと判定する可能性がある。
そこで、ひげ状のノイズが継続時間を持たないことに着目して、ノッキングの判定処理(ステップST9)において、閾値k1を超えた回数Nを閾値k3と比較し、N>k3となる条件を加えることにより、瞬間的に大きなノイズ成分の影響を取り除くようにしてもよい。
すなわち、ステップST9において、X>k3を満たし、かつ、N>k3を満たす場合に、ステップST10においてノッキンと判定されることになる。なお、閾値k3の値は、たとえば「3〜5」の範囲内に設定すればよい。
このように、ノッキングと判定した積算値Xの大きさによって聴感のノック強度の大きさと対応が取れる判定をすることができる。
このように、ノッキングと判定した積算値Xの大きさによって聴感のノック強度の大きさと対応が取れる判定をすることができる。
以上のように、この発明の実施の形態1(図1〜図4)に係るノッキング検出装置20は、エンジンの回転数信号2およびエンジンに設置されたマイクからのマイク信号1を取得するA/Dコンバータ3と、回転数信号2に基づきエンジンを構成する各気筒の燃焼が一巡する周期を求める燃焼周期検出部6と、マイク信号1に対して、周期で平均処理を施す平均処理部7と、平均処理により算出された平均データ(2乗平均値P(Ly))を格納するメモリ11と、最新の1周期のマイク信号データ(振幅値Y(n))を平均データ(2乗平均値P(Ly))で除算して振幅値S(n)を算出する除算部8と、振幅値S(n)のうち、人間の聴感特性を考慮した所定時間(積算時間T)内で第1の閾値k1を超えた値を積算して積算値Xを算出し、積算値Xが第2の閾値k2を超えた場合にノッキングを判定する判定部9と、を備えている。
また、ノッキング検出装置20は、マイク信号に対して、聴感特性を考慮した周波数フィルタを適用する周波数フィルタ適用部5を備えており、平均処理部7は、周波数フィルタを適用したマイク信号の最新の振幅値Y(n)と、前回の周期平均値(2乗平均値P’(Ly))とを用いて、今回の周期の2乗平均値P(Ly)を算出する。
このように、エンジンの各気筒の燃焼が一巡する周期を1つの周期として、気筒別に平均処理を行うことにより、各気筒で異なるノイズレベルを考慮したノッキングの判定を行うことができる。
したがって、振動センサを用いることなく、単一のマイクのみを設置することにより、ノッキングを検出することができる。
したがって、振動センサを用いることなく、単一のマイクのみを設置することにより、ノッキングを検出することができる。
また、最新の1周期のマイク信号(音信号データ)を周期の2乗平均値で除算した振幅値S(n)のうち、閾値k1を超えた値を人間の聴感特性を考慮した積算時間T内で積算することにより、聴感によるノック強度と同等の判定を機械的に行うことができる。
また、判定部9は、所定時間(積算時間T)内で振幅値S(n)が第1の閾値k1を超えた回数Nを算出し、積算値Xが第2の閾値k2を超え、かつ回数Nが第3の閾値k3を超えた場合にノッキングを判定する。
これにより、瞬間的に大きなノイズ成分の影響を取り除くことができ、さらに信頼性の高いノッキング判定を実現することができる。
これにより、瞬間的に大きなノイズ成分の影響を取り除くことができ、さらに信頼性の高いノッキング判定を実現することができる。
また、所定時間(積算時間T)は、2ms〜50msの範囲内に設定されているので、人間が聞き取れる範囲で、かつ、ノッキング音を連続的に感じる範囲のノッキングを正確に判定することができる。
また、この発明の実施の形態1に係るノッキング検出方法は、エンジンの回転数信号2を取得してエンジンを構成する各気筒の燃焼が一巡する周期を求める周期検出ステップ(ST3、ST4)と、エンジンに設置されたマイクからのマイク信号1に対して、周期で平均処理を施す平均処理ステップ(ST5)と、平均処理により算出された平均データを格納するステップ(ST5)と、最新の1周期のマイク信号データ(振幅値Y(n))を平均データ(2乗平均値P(Ly))で除算して振幅値S(n)を算出する除算ステップと(ST6)、振幅値S(n)のうち、人間の聴感特性を考慮した所定時間(積算時間T)内で第1の閾値k1を超えた値を積算して積算値Xを算出する積算ステップ(ST7、ST8)と、積算値Xが第2の閾値k2を超えた場合にノッキングを判定する判定ステップ(ST9、ST10)と、を備えている。
積算ステップ(ST8)は、所定時間(積算時間T)内で振幅値S(n)が第1の閾値k1を超えた回数Nを算出するステップを含み、判定ステップ(ST9、ST10)は、積算値Xが第2の閾値k2を超え、かつ回数Nが第3の閾値k3を超えた場合にノッキングを判定する。
この発明の実施の形態1に係るノッキング検出方法は、マイク信号1に対して、聴感特性を考慮した周波数フィルタを適用する周波数フィルタ適用ステップ(ST2)を備え、平均処理ステップ(ST5)は、周波数フィルタを適用したマイク信号Yの最新の振幅値Y(n)と、前回の周期平均値(2乗平均値P’(Ly))とを用いて、今回の周期の2乗平均値P’(Ly)を算出するステップを含む。
これにより、振動センサを用いることなく単一のマイクのみを用いてノッキングを検出するとともに、人間の聴感によるノック強度と同等の判定を、機械判定で行うことができる。
1 マイク信号、2 回転数信号、3 A/Dコンバータ、4 演算部、5 周波数フィルタ適用部、6 燃焼周期検出部、7 平均処理部、8 除算部、9 判定部、10、11、12 メモリ、20 ノッキング検出装置、k1、k2、k3 閾値、N 回数、P、P(Ly) 2乗平均値、S 周期音除去後のマイク信号、S(n) 振幅値、T 積算時間、X 積算値、Y 周波数フィルタ適用後のマイク信号、Y(n) 振幅値、ST3、ST4 周期検出ステップ、ST5 平均処理ステップ、ST6 除算ステップ、ST7、ST8 積算ステップ、ST9、ST10 判定ステップ。
Claims (7)
- エンジンの回転数信号および前記エンジンに設置されたマイクからのマイク信号を取得するA/Dコンバータと、
前記回転数信号に基づき前記エンジンを構成する各気筒の燃焼が一巡する周期を求める燃焼周期検出部と、
前記マイク信号に対して、前記周期で平均処理を施す平均処理部と、
前記平均処理により算出された平均データを格納するメモリと、
最新の1周期のマイク信号データを前記平均データで除算して振幅値を算出する除算部と、
前記振幅値のうち、人間の聴感特性を考慮した所定時間内で第1の閾値を超えた値を積算して積算値を算出し、前記積算値が第2の閾値を超えた場合にノッキングを判定する判定部と、
を備えたノッキング検出装置。 - 前記判定部は、
前記所定時間内で前記振幅値が第1の閾値を超えた回数を算出し、
前記積算値が第2の閾値を超え、かつ前記回数が第3の閾値を超えた場合にノッキングを判定することを特徴とする請求項1に記載のノッキング検出装置。 - 前記マイク信号に対して、前記聴感特性を考慮した周波数フィルタを適用する周波数フィルタ適用部を備え、
前記平均処理部は、前記周波数フィルタを適用したマイク信号の最新の振幅値と、前回の周期平均値とを用いて、今回の周期の2乗平均値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のノッキング検出装置。 - 前記所定時間は、2ms〜50msの範囲内に設定されたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のノッキング検出装置。
- エンジンの回転数信号を取得して前記エンジンを構成する各気筒の燃焼が一巡する周期を求める周期検出ステップと、
前記エンジンに設置されたマイクからのマイク信号に対して、前記周期で平均処理を施す平均処理ステップと、
前記平均処理により算出された平均データを格納するステップと、
最新の1周期のマイク信号データを前記平均データで除算して振幅値を算出する除算ステップと、
前記振幅値のうち、人間の聴感特性を考慮した所定時間内で第1の閾値を超えた値を積算して積算値を算出する積算ステップと、
前記積算値が第2の閾値を超えた場合にノッキングを判定する判定ステップと、
を備えたノッキング検出方法。 - 前記積算ステップは、前記所定時間内で前記振幅値が第1の閾値を超えた回数を算出するステップを含み、
前記判定ステップは、前記積算値が第2の閾値を超え、かつ前記回数が第3の閾値を超えた場合にノッキングを判定することを特徴とする請求項5に記載のノッキング検出方法。 - 前記マイク信号に対して、前記聴感特性を考慮した周波数フィルタを適用する周波数フィルタ適用ステップを備え、
前記平均処理ステップは、前記周波数フィルタを適用したマイク信号の最新の振幅値と、前回の周期平均値とを用いて、今回の周期の2乗平均値を算出するステップを含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のノッキング検出方法。
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---|---|---|---|---|
CN105444947A (zh) * | 2015-12-18 | 2016-03-30 | 山东大学 | 一种气体发动机爆震测试系统及方法 |
JP2016164405A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | ダイハツ工業株式会社 | ノッキングレベルの評価システム |
CN107147972A (zh) * | 2016-03-01 | 2017-09-08 | 卡讯电子股份有限公司 | 音频讯号输出控制方法及系统 |
JP2020186719A (ja) * | 2019-08-20 | 2020-11-19 | 株式会社小野測器 | ノッキング判定装置 |
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- 2012-07-31 JP JP2012169113A patent/JP2014029121A/ja active Pending
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