以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機(封入式のものも含む)やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。なおここにいう封入式のものとは、遊技機内に封入された遊技球を循環使用する封入式遊技機等のことをいう。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。以下、遊技盤200の表側というときは、この遊技領域124をさすことがある。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射する。
遊技盤200は、前面(表側)に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板190を収納する払出基板ケース192、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
この図3に示す遊技盤200はいわゆる右打ち機の遊技盤である。この遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。一般的に知られる右打ち機の遊技盤においては、遊技者の操作によって、遊技球を打ち出す強さを変化させることで、普図始動口および特図2始動口と、特図1始動口とに分けることができる。具体的には、一般的に知られる右打ち機では、遊技領域124に対し、遊技釘238等の配設により、特図1始動口へ入球するルートである第1の領域(遊技領域における左側領域)を転動する遊技球は特図2始動口への入球が困難又は不可能に構成され、その逆に特図2始動口が備えられた第2の領域(遊技領域における右側領域)を転動する遊技球は特図1始動口への入球が困難又は不可能に構成されている。しかしながら、図3に示す遊技盤200では、ステージ844が配置されており、そのステージ844に、ステージ入賞領域8441と、特図1始動領域231と、一対の羽根部材が設けられていない特図2始動領域233が設けられている。この遊技盤200では、ステージ入賞領域8441に進入した遊技球は、特図1始動領域231と、特図2始動領域233のいずれか一方の始動領域に案内される確率が高く、ステージ入賞領域8441に進入せずに、特図1始動領域231や特図2始動領域233に入賞することはイレギュラー入賞になる。ステージ入賞領域8440は遊技盤200の表側(遊技者側)の左右方向中央部分に設けられており、進入可能領域の一例に相当する。また、特図1始動領域231は、ステージ入賞領域8441よりも正面視左側の下方に設けられており、特図2始動領域233は、ステージ入賞領域8441よりも正面視右側の下方に設けられている。さらに、詳しくは後述する普図始動口208も右側の領域に設けられている。そのため、第1の領域(遊技領域における左側領域)を転動する遊技球は、ステージ入賞領域8441への入賞が期待でき、イレギュラーなケースとして特図1始動領域231への入賞が期待できる。また、第2の領域(遊技領域における右側領域)を転動する遊技球は、普図始動口228とステージ入賞領域8441への入賞が期待でき、イレギュラーなケースとして特図2始動領域233への直接の入賞が期待できる。
なお、ステージ入賞領域8440の配位置は、遊技盤200の表側(遊技者側)の左右方向中央部分に限られず、遊技盤200の表側(遊技者側)の左側に設けられていてもよく、右側に設けられていてもよい。また、特図1始動領域231は、ステージ入賞領域8441よりも正面視右側の下方に設けられ、特図2始動領域233は、ステージ入賞領域8441よりも正面視左側の下方に設けられるようにしてもよい。さらに、本発明は、図3に示す遊技盤200の右打ち機に限って適用されるものではなく、上述の一般的に知られる右打ち機や、さらには、広く一般の遊技盤を備えたパチンコ機にも適用することができる。
遊技領域124の、右斜め上から中央部分、さらに中央部分の下方にかけて演出装置206を配設している。この演出装置206には、右斜め上から中央部分にかけて装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普図表示装置210と、特図1表示装置212と、特図2表示装置214と、普図保留ランプ216と、特図1保留ランプ218と、特図2保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための画像表示装置であり、本実施形態のパチンコ機100では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態のパチンコ機100では7セグメントLEDによって構成する。特図1表示装置212および特図2表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態のパチンコ機100では7セグメントLEDによって構成する。これらの普図表示装置210、特図1表示装置212は第一の図柄変動表示手段の一例に相当し、特図2表示装置214は第二の図柄変動表示手段の一例に相当する。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、特図1表示装置212や特図2表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄である。
普図表示装置210、特図1表示装置212、および特図2表示装置214(報知手段)の表示領域(ここでは7ゼグメントの大きさが相当)と装飾図柄表示装置208(図柄表示手段)の表示領域(ここでは表示画面の大きさが相当)とでは、装飾図柄表示装置208の表示領域の方が大きい。また、本実施形態のパチンコ機100では、普図表示装置210、特図1表示装置212、および特図2表示装置214は、動画の表示が不可能であるのに対して、装飾図柄表示装置208は動画の表示が可能である。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態のパチンコ機100では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態のパチンコ機100では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、特図1用と特図2用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。ここにいう保留とは、後述する始動情報に基づく各種判定処理(当否判定処理等)の開始を保留することを意味する。
高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。
また、演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態のパチンコ機100では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態のパチンコ機100では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態のパチンコ機100では遊技盤200の右側に1つ配設している。普図始動口228は、右打ちすることによって進入が期待される始動口である。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球とは違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
可変入賞口234は、本実施形態のパチンコ機100では遊技盤200の右側に一つだけ設けられており、右打ちすることによって入球が期待される入賞口である。この可変入賞口234は、入賞開口と、ソレノイドによってその入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。すなわち、可変入賞口234は、所定の第1の開閉状態(ここでは閉状態)およびその第1の開閉状態よりも遊技球の入賞が容易な第2の開閉状態(ここでは開状態)のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段であり、特図変動遊技に当選して特図1表示装置212あるいは特図2表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。なお、可変入賞口234における閉状態は必ずしも完全に閉塞した状態である必要はなく、少し開いていても、遊技級の入球が不可能あるいは困難な状態であればよい。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。可変入賞口234に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
また、本実施形態のパチンコ機100では、装飾図柄表示装置208の下方に、演出装置206の一つとして上述のステージ844を設けている。このステージ844については詳細は後述するが、ステージ844は、ステージ入賞領域8441、第一の通路8441、および第二の通路8442が設けられている。上述のごとく、ステージ入賞領域8440は、遊技盤200の左右方向中央部分に設けられている。このステージ入賞領域8441は、上方を向いて開口した領域である。第一の通路8441は、透明部材によって形成されたものであり、遊技盤200の表側であって、ステージ入賞領域8441よりも正面視左側に設けられている。第二の通路8442も、透明部材に形よって形成されたものであり、この第二の通路8442は、遊技盤20の表側であって、ステージ入賞領域8441よりも正面視右側に設けられている。遊技者からは、第一の通路8441を流下していく遊技球や第二の通路8442を流下していく遊技球が見える。
左側の第一の通路8441は、断面が四角形の通路であって、ステージ入賞領域8441を上流側とすると(以下、同じ)、左側側面と左側側面それぞれの下流側には、第一の開口8441aが設けられ、その第一の開口8441aよりもさらに下流側に特図1始動領域231が設けられている。
右側の第二の通路8442も、断面が四角形の通路であって、この第二の通路8442の左側側面と左側側面それぞれの下流側には、第二の開口8442aが設けられ、その第二の開口8442aよりもさらに下流側に特図2始動領域233が設けられている。
第一の開口8441aも第二の開口8442aも、水平方向に開口した横孔であって、物理的に遊技球が通過可能な大きさである。ステージ入賞領域8441に進入した遊技球は、特図1始動領域231に到達する前に、第一の開口8441aから飛び出して、ステージ844外に放出される場合がある。また、ステージ入賞領域8441に進入した遊技球は、特図2始動領域233に到達する前に、第二の開口8442aから飛び出して、ステージ844外に放出される場合もある。一方、ステージ入賞領域8441に進入せずに流下してきた遊技球が、第一の開口8441a近傍に設けられた遊技釘238によって流下方向を変えられ、第一の開口8441aに飛び込んで、特図1始動領域231に到達することも稀にある(イレギュラー入賞)。これと同じく、ステージ入賞領域8441に進入せずに流下してきた遊技球が、第二の開口8442a近傍に設けられた遊技釘238によって流下方向を変えられ、第二の開口8442aに飛び込んで、特図2始動領域233に到達することも稀にある(イレギュラー入賞)。本実施形態では、左右方向に開口している第一の開口8441aや第二の開口8442aよりも、上方向に開口しているステージ入賞領域8441の方が遊技領域を流下する遊技球が入賞しやすく構成されている。すなわち第一の開口8441a、第二の開口8442a、ステージ入賞領域8441のいずれかに遊技球が入賞した場合には、ほぼ(確実に、または高確率で)後述する球検出センサに検出されやすいが、相対的な数としては、ステージ入賞領域8441からの遊技球の入賞数が多くなる構成となっている。第一の開口8441aが設けられた位置、および第二の開口8442aが設けられた位置は、所定位置の一例に相当する。第一の通路8441は、通過した球が、特図1始動領域231へ到達し易くなるスペシャルルートに相当し、第二の通路8442は、通過した球が、特図2始動領域233へ到達し易くなるスペシャルルートに相当する。特図1始動領域231には、不図示の第一球検出センサが設けられており、その第一球検出センサが遊技球を検出した場合に、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、特図1始動領域231に到達した球は、遊技島側に排出される。また、特図2始動領域233には、不図示の第二球検出センサが設けられており、その第二球検出センサが遊技球を検出した場合に、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動領域233に入球した球も、遊技島側に排出される。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球を遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら遊技領域124を流下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や第一の開口8441a、第二の開口8442a、ステージ入賞領域8441に入賞するか、いずれの入賞口等にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208、ステージ844は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は装飾図柄表示手段の一例に相当する。
図4は、図1に示すステージ844の斜視図である。
図4では、図の左手前側が前側(遊技者側)になり、右奥側が後側になる。
図4に示すステージ844は、本発明の振分手段の一実施形態に相当する。ステージ844は全体が透明部材でできており、この図4には、上方に開口したステージ入賞領域8441、正面視左側になる第一の通路8441、正面視右側になる第二の通路8442が示されている。ステージ入賞領域8440には、遊技領域124を流下してきた遊技球が入球可能である。第一の通路8441と第二の通路8442は振分箇所で分岐しており、ステージ入賞領域8440と振分箇所は入賞通路8443でつながっている。振分箇所には、振分部材900が配置されている。すなわち、振分部材900はステージ入賞領域8440の下方に配置されている。
振分部材900は、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球Bを第一の通路8441と第二の通路8442のいずれか一方に振分可能な回転体である。振分部材900は、左右方向に延びた回転軸901を中心にステージ844内(振分箇所)で所定方向(この図では時計回り)に回転可能なものである。すなわち、振分部材900は、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球が落下してくる勢いで図の矢印方向に回転する。言い換えれば、振分部材900は、遊技球の自重により回転する。
図5は、図4に示す振分部材900を示す図である。
図5(a)は、振分部材900の斜視図であり、同図(b)は側面図、同図(c)は平面図、同図(d)は同図(c)に示すA−A断面図である。
振分部材900は、周方向に均等な4つの区画911〜914を有する。各区画911〜914は、仕切り部(ここでは仕切り板910)によって仕切られている。すなわち、仕切り板910は所定角度(ここでは90度)ごとに設けられたものである。以下、周方向に第1区画911、第2区画912、第3区画913、第4区画914と称する。第1区画911と第2区画912、第2区画912と第3区画913、第3区画913と第4区画914、第4区画914と第1区画911はそれぞれ周方向に隣り合っている。また、180度対向する位置関係にある第1区画911と第3区画913には、回転軸一端側に側壁920が設けられており、回転軸他端側は開放している。以下、この開放している端部を開放端と称する。同じく180度対向する位置関係にある第2区画912と第4区画914には、回転軸他端側に側壁920が設けられており、回転軸一端側は開放している。回転軸一端側は、正面視左側、すなわち第一の通路8441側であり、回転軸他端側は、正面視右側、すなわち第二の通路8442側である。同図(b)に示す側面図は、第二の通路8442側から振分部材900を見たときの図であり、同図(c)に示す平面図では、図の左側が第一の通路8441側になり、右側が第二の通路8442側になる。
また、特に同図(c)から明らかなように、仕切り板910には回転軸901に向かうにつれて区画内を狭める方向に漸次傾斜した傾斜面911が設けられており、ステージ入賞領域8440から落下してきた遊技球は、この傾斜面911に案内されて一旦、いずれかの区画内に収容される。ただし、各区画911〜914は、1球しか収容できないサイズになっている。また、特に同図(d)から明らかなように、側壁920には開放端に向かうにつれて区画内を狭める方向に漸次傾斜した傾斜面921が設けられており、遊技球は、この傾斜面921に案内されて、開放側に移動する。
図4に示すように、振分部材900は、回転軸901の両端部側が、入賞通路8443の周壁に沿うよう配置されている。より詳細に説明すれば、各区画911〜914の開放端と入賞通路8443の周壁との隙間は、遊技球1球分未満になっている。このため、一区画911〜914に横に並んで2球入ることはない。
また、図4には、第一の開口8441aと第二の開口8442aも示されている。上述の如く、これらの開口8441a,8442aの大きさは、遊技球が通過可能な大きさである。本発明にいう第一の領域の一例は、第一の開口8441aよりも上流側の領域であり、第二の領域の一例は、第二の開口8442aよりも上流側の領域である。
さらに、第一の開口8441aよりも下流側には、特図1通路8444が設けられている。この特図1通路8444は、第一の通路8441の第一の開口8441aが設けられた部分に下側から接続した断面が四角形の通路であり、後側に向かって延在している。特図1通路8444の上流端(前端)には、流下してきた遊技球を90度方向を変えて下流側(後側)に案内するための案内リブ8444aが設けられている。上述の第一球検出センサ(不図示)は、この特図1通路8444内に設けられており、第一球検出センサが設けられた領域が特図1始動領域231になる。例えば、第一球検出センサは、特図1通路8444の略中間部分、あるいはそれよりも下流側(後側)に設けてもよい(後述する第二球検出センサも同様)。
また同じく、第二の開口8442aよりも下流側には、特図2通路8445が設けられている。この特図2通路8445は、第二の通路8442の第二の開口8442aが設けられた部分に下側から接続した断面が四角形の通路であり、後側に向かって延在している。特図2通路8445の上流端(前端)にも、流下してきた遊技球を90度方向を変えて下流側(後側)に案内するための案内リブ8445aが設けられている。上述の第二球検出センサ(不図示)は、この特図2通路8445内に設けられており、第二球検出センサが設けられた領域が特図2始動領域233になる。例えば、第二球検出センサは、特図2通路8444の上流側(前側)、すなわち、第二の通路8442の第二の開口8442aが設けられた部分を遊技球が通過するとすぐにその遊技球を検出する位置に設けてもよい(上述の第一球検出センサも同様)。
図6(a)は、図4に示すステージ844を正面から見た図であり、同図(b)は、同図(a)に示すステージ844のA−A断面図である。
図6に示す振分部材900の姿勢は、第1区画911がステージ入賞領域8440の真下に位置している姿勢である。この姿勢では、周方向に隣り合う第2区画912の開放端は、第一の通路8441に接続した状態である。また、第3区画913および第4区画914は、遊技球Bの進入を受け入れない状態にある。
また、図6(a)には、イレギュラー入賞した遊技球B1が示されている。図6(a)に示す遊技球Bは、ステージ844の外、すなわち遊技領域124から第一の通路8441に設けられた第一の開口8441aに飛び込んできた遊技球であり、特図1通路8444を通って、特図1始動領域231に案内される。さらに、図6(a)には、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B2が、第二の通路8442に設けられた第二の開口8442aから飛び出してしまった様子も示されている。
上述のごとく、本発明にいう第一の領域の一例は、第一の開口8441aよりも上流側の領域であり、第二の領域の一例は、第二の開口8442aよりも上流側の領域である。したがって、本実施形態では、第一の通路8441に進入した遊技球はその第一の領域を経由して、特図1始動領域233に到達する頻度が、本発明にいう第三の頻度の一例に相当する。本実施形態のパチンコ機100では、イレギュラー入賞する頻度(第四の頻度に相当)よりも、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球が、第一の開口8441aや第二の開口8442aから飛び出して行ってしまう頻度(100−第三の頻度)の方が高くなるように設計してある。
また、図6(b)には、ステージ入賞領域8440から入賞した遊技球B3が、振分部材900によって第二の通路8442に振り分けられ、第二の開口8442aから飛び出さずに、特図1始動領域233に案内される様子が矢印Mによって示されている。
図7は、振分部材900が回転する様子を段階的に示した図である。
図7(a)は、図6(b)に示した状態と同じ状態を示す図であり、第1区画911はステージ入賞領域8440の真下に位置している。ステージ入賞領域8440から入賞した遊技球Bは、第1区画911に受け入れられ、振分部材900は、その遊技球Bの勢いで回転し始める。第1区画911に受け入れられた遊技球Bは、側壁920の傾斜面921によって開放端側によった状態になる。第1区画911は、遊技球を保持したまま下方へ向かって回転し(同図(b)参照)、開放端が第二の通路8442に接続した状態になる(同図(c)参照)。そうすると、遊技球Bは、自然と、第二の通路8442に入り込み、第二の通路8442への振分けが完了する(同図(d)参照)。
以上説明したように、振分部材900が回転することで、一区画は、4つの範囲を通過することになる。すなわち、第一の範囲は、遊技球Bが区画内に進入可能な範囲であり、図7(a)に示すように、ステージ入賞領域8440の真下に位置する範囲である。第一の範囲に続いて通過する第二の範囲は、第一の範囲で進入してきた遊技球Bを、区画内に保持する範囲であり、図7(b)において第1区画911が通過している範囲である。第二の範囲に続いて通過する第三の範囲は、前記第二の範囲で区画内に保持されていた遊技球を、第一の通路8441または第二の通路8442へ排出する範囲であり、開放端がいずれか一方の通路8441,8442に接続する範囲である。第三の範囲に続いて通過する第四の範囲は、遊技球が区画内に進入不能な範囲であり、図6(b)において第3区画913および第4区画914が通過している範囲である。なお、第四の範囲を通過すると第一の範囲に戻ってくる。
続いて、図4に示すステージの変形例について説明する。以下、変形例の説明において、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明する。また、これまで説明した事項と重複する事項については省略する場合がある。
まず、振分部材900の設置位置を高くした第1変形例について説明する。第1変形例では、入賞通路8443を省略し、振分部材900はステージ入賞領域8440の近傍に設置されている。すなわち、振分部材900の回転軸901は、ステージ入賞領域8440よりわずかに下がった所に設けられている。このため、遊技球は、ステージ入賞領域8440に進入するとすぐに、振分部材900に接触し、振分部材900は、進入してきた遊技球の勢いで回転し、その遊技球を振り分ける。
図8は、比較例を示す図であり、図9は、第1変形例を示す図である。
図8に示す比較例の振分部材900’では、仕切り板910’が回転軸901’側から先端に向かって同じ厚みである。この振分部材900’では、図8(a)に示すように、遊技球Bの進行方向(矢印B参照)に対して遊技球Bと接触する仕切り板の接触方向(矢印C参照)が垂直に近ければ球噛みしにくい。一方、図8(b)に示すように、遊技球Bの進行方向(矢印B参照)に対して遊技球Bと接触する仕切り板の接触方向(矢印C参照)が平行に近いと球噛みしやすくなってしまう。
図9に示す第1変形の振分部材900では、仕切り板910の先端部分が面取りされており、回転軸901側の厚みよりも先端部分の厚みは薄くなっている。この振分部材900では、遊技球Bと接触可能な面が少ないため、遊技球Bの進行方向(矢印B参照)に対して球と接触する仕切り部の接触方向(矢印C参照)が平行に近い場合であっても球噛みしにくい。
続いて、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球の移動方向を変化させることについて説明する。
図10は、第1比較例を示す図である。
図10に示すように、第1比較例は、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球が最初に接触する面(遊技球を受け入れる底部8440f)を平面にした例である。この第1比較例では、同図(b)に示すように、遊技球Bが振分部材900を通過する前に停止してしまう恐れがある。また、連続して遊技球Bが入球した場合に、遊技球Bが詰まってしまう恐れもある。
図11は、第2比較例を示す図である。
第2比較例は、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球が最初に接触する面(遊技球を受け入れる底部8440f)を、振分部材900側に向かって緩い下り坂となる緩斜面にした例である。この第2比較例は、第1比較例よりも、遊技球が振分部材900の方向へ移動しやすい。しかしながら、底部8440bの傾斜角度が緩やかになるほど遊技球Bの移動速度が遅くなる可能性があり、遊技球Bが連続して入ってきた場合に、やはり球詰まりの恐れがある。かといって、底部8440bの傾斜角度を急にすると、遊技球Bの移動速度は速くなるものの、遊技球Bに勢いがつきすぎるため、振分部材900が回転しすぎてしまい、遊技球の振分けがランダムになりすぎてしまう可能性がある。なお、この点についてはさらに詳しく後述する。
図12は、第1変形例を示す図である。
第1変形例では、上述の問題を解決するために、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球Bが最初に接触する部分、すなわちステージ入賞領域8440と振分部材231との間に、相対的に傾斜角度が大きな第一の傾斜部(ここではリブ8440r)を設けるとともに、そのリブ8440rよりも下流側(振分部材900側)に相対的に傾斜角度が小さな第二の傾斜部(ここでは傾斜面8440s)を設けている。ステージ入賞領域8440から進入した遊技球Bは、リブ8440rによって勢いがつきすぎても、傾斜面8440rで適当な減速が行われ、適度な速度で振分部材900に接触する。このリブ8440rと傾斜面8440sを併せたものが、方向変化手段の一例に相当する。
なお、方向変化手段の一例としては、リブ8440rと傾斜面8440sのうち、リブ8440rのみであってもよいし、傾斜面8440sのみであってもよい。
続いて、第1変形例を用いて、振分部材900による振分頻度について説明する。
図4に示すステージ844では、第一の通路8441も第二の通路8442も、振分部分から前後方向に斜めになることなく下方へ傾斜し、次いで真下に延びる通路であった。一方、第1変形例のステージ844では、第一の通路8441も第二の通路8442も、振分部分から前方に傾斜しながら、かつ下方へ傾斜し、次いで真下に延びる通路である。
図13は、第一の通路8441と第二の通路8442とに交互にうまく振り分けられている例を示す図である。なお、図13から図17に示すステージ844はいずれも、上方から見た図であり、図の下方側が前側(遊技者側)になり、上側が後側になる。
図13(a)〜(b)では、第2区画912に入り込んだ遊技球B1が、第一の通路8441に振り分けられている。第2区画912は、上述の第三の範囲まで完全に移動し、同図(c)では、上述の第一の範囲に、第3区画913が位置している。
同図(d)に示すように、次の遊技球B2は第3区画913に入り込んで、同図(e)に示すように、その遊技球B2は第二の通路8442に振り分けられる。なお、同図(e)では、上述の第一の範囲に、第4区画914が位置しており、その次の遊技球(不図示)は、第4区画914に入り込んで、第一の通路8441に振り分けられる。
図14は、連続して同じ通路に振り分けられてしまう例を示す図である。
図14(a)〜(b)では、第2区画912に入り込んだ遊技球B1が、第一の通路8441に振り分けられている。しかし、このときの振分部材900は、遊技球B1の勢いが弱かった等の理由により、回転不足を生じ、第2区画912がまだ、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球を受け入れることが可能な位置で振分部材900が停止してしまっている。すなわち、同図(c)に示す状態は、第2区画912が上記第一の範囲を完全に通過しきっていない状態である。
このため、同図(d)に示すように、次の遊技球B2も第2区画912に入り込んでしまい、同図(e)に示すように、その遊技球B2も第一の通路8441に振り分けられてしまう。
図15は、連続して同じ通路に振り分けられてしまう他の例を示す図である。
図15(a)〜(b)では、第2区画912に入り込んだ遊技球B1が、第一の通路8441に振り分けられている。しかし、このときの振分部材900は、遊技球B1の勢いが強すぎた等の理由により、回転しすぎてしまい、次の第3区画913が上記第一の範囲を通過して、同図(c)に示すように、第4区画914が第一の範囲まできてしまっている。
このため、同図(d)に示すように、次の遊技球B2は第4区画914に入り込んでしまい、同図(e)に示すように、その遊技球B2も第一の通路8441に振り分けられてしまう。
ステージ844は、遊技球を、図14や図15に示す、連続して同じ通路に振り分けてしまう頻度(第二の頻度に相当)よりも、図13に示す、第一の通路8441と第二の通路8442とに交互に振り分ける頻度(第一の頻度に相当)の方が大幅に高い。
さらに、これまで説明したきたパチンコ機100では、イレギュラー入賞する頻度(第四の頻度に相当)よりも、遊技球を、図14や図15に示す、連続して同じ通路に振り分けてしまう頻度(第二の頻度に相当)の方が高くなるように設計してある。
続いて、ステージ844による振分けと装飾図柄表示装置208による表示の連動について説明する。
第1変形例では、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dの左側には、特図1保留表示領域が用意されており、その右側には特図2保留表示領域が用意されている。特図1保留表示領域2081には、特図1についての保留アイコンが表示され、特図2保留表示領域2082には、特図2についての保留アイコンが表示される。、
保留アイコンは、一の保留に対応するものである。一の保留とは、1回の図柄変動表示の開始が保留されている意味であり、主制御部のRAMには、始動情報が記憶される。すなわち、始動情報を保留として記憶していると見ることもできる。そうすると、保留数が0である状態で始動口に入賞した場合であっても、RAMに始動情報が一旦は記憶されるため、保留されたと見ることもできる。また、当否判定を行うことを保留するとも見ることができ、一の保留とは、1回の当否判定の実行が保留されている意味になる。
保留条件は、特図1始動領域231あるいは特図2始動領域233に入賞があり、且つ、保留数が所定数未満である場合(いわゆる保留満タンではない場合)に成立する条件であり、保留条件が成立すると、保留数が1増加する。一方、保留消化条件は、特図の場合であれば、特図表示装置が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれの表示中でもない場合には、大当りフラグがオンにされることで設定される特図作動中(すなわち、大当り遊技中)であるか否かを判定し、特図非作動中に設定されていれば、保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が1以上であれば、保留消化条件が成立し、当否判定が行われ、特図の図柄変動表示が開始される。すなわち、保留消化条件は、保留がある場合(保留数が1以上である場合)には、図柄変動開始条件に一致する。
また、保留表示条件は、保留表示である保留アイコンを増加させる条件であるが、この例においては、保留数が増加すると成立する条件である。すなわち、特図の場合であれば、特図1始動領域231あるいは特図2始動領域233に入賞があったタイミングで上記保留条件が成立すると同時に成立する条件である。言い換えれば、特図の図柄変動表示の開始が保留されると成立する条件である。ただし、この保留表示条件は、例えば、特図変動表示中であれば、特図の図柄変動表示の開始が保留され、かつ次の特図変動表示が開始されることによって成立する条件であってもよい。
図16は、連続して同じ通路に振り分けられてしまった場合の装飾図柄表示装置208を段階的に示す図である。
図16(a)に示す装飾図柄表示装置208では、装飾図柄の変動表示が行われており、この変動表示は、図16(d)まで継続する。すなわち、特図変動中の状態である。図16(a)に示す装飾図柄表示装置208の特図1保留表示領域2081には、特図1の保留アイコンが2つ表示され、特図2保留表示領域2082にも、特図2の保留アイコンが2つ表示されている。
同図(b)の右側に示すステージ844は、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B1を、第一の通路8441に振り分け、第一の通路8441に振り分けられた遊技球B1は、第一の開口8441aから飛び出すことなく、特図1始動領域231に到達する。その結果、同図(b)の左側に示す装飾図柄表示装置208の特図1保留表示領域2081には、特図1の保留アイコンが1つ追加されている。
同図(c)の右側に示すステージ844は、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B2を、第二の通路8442に振り分け、第二の通路8442に振り分けられた遊技球B2は、第二の開口8442aから飛び出すことなく、特図2始動領域233に到達する。その結果、同図(c)の左側に示す装飾図柄表示装置208の特図2保留表示領域2082には、特図2の保留アイコンが1つ追加されている。
同図(d)の右側に示すステージ844は、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B3を、再び第二の通路8442に振り分け、第二の通路8442に振り分けられた遊技球B3は、第二の開口8442aから飛び出すことなく、特図2始動領域233に到達する。その結果、同図(d)の左側に示す装飾図柄表示装置208の特図2保留表示領域2082には、特図2の保留アイコンがもう1つ追加され、特図2の保留は満タンになっている。
このように、連続して同じ通路に振り分けられた場合は、交互に振り分けられている場合とは異なる順番で保留アイコンが表示され、異なる順番で保留が消費される。そのため、装飾図柄表示装置208だけでなく、ステージ877内の遊技球の軌道にも注目させることができる場合がある。
図17は、連続して同じ通路に振り分けられてしまった他の場合の装飾図柄表示装置208を段階的に示す図である。
図17(a)に示す装飾図柄表示装置208でも、装飾図柄の変動表示が行われており、この変動表示も、図17(e)まで継続する。すなわち、特図変動中の状態である。図17(a)に示す装飾図柄表示装置208の特図1保留表示領域2081には、特図1の保留アイコンが2つ表示され、特図2保留表示領域2082にも、特図2の保留アイコンが2つ表示されている。
同図(b)の右側に示すステージ844は、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B1を、第一の通路8441に振り分け、第一の通路8441に振り分けられた遊技球B1は、第一の開口8441aから飛び出すことなく、特図1始動領域231に到達する。その結果、同図(b)の左側に示す装飾図柄表示装置208の特図1保留表示領域2081には、特図1の保留アイコンが1つ追加されている。
同図(c)の右側に示すステージ844は、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B2を、再び第一の通路8441に振り分け、第一の通路8441に振り分けられた遊技球B2は、第一の開口8441aから飛び出すことなく、特図1始動領域231に到達する。その結果、同図(c)の左側に示す装飾図柄表示装置208の特図1保留表示領域2081には、特図2の保留アイコンがもう1つ追加され、特図1の保留は満タンになっている。
同図(d)の右側に示すステージ844は、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B3を、今度は第一の通路8441に振り分け、第一の通路8441に振り分けられた遊技球B3は、第一の開口8441aから飛び出すことなく、特図1始動領域231に到達する。その結果、同図(d)の左側に示す装飾図柄表示装置208の特図1保留表示領域2081には、特図1の保留アイコンがもう1つ追加されている。
同図(e)の右側に示すステージ844は、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B4を、また第一の通路8441に振り分け、第一の通路8441に振り分けられた遊技球B4は、第一の開口8441aから飛び出すことなく、特図1始動領域231に到達する。しかしながら、特図1の保留は満タンのため保留されず、同図(e)の左側に示す装飾図柄表示装置208の特図1保留表示領域2081には変化がない。こうなると、遊技者に違和感を与えることができ、装飾図柄表示装置208だけでなく、ステージ844内の遊技球の軌道にも注目させることができる。
図18は、図4に示すステージの第2変形例を示す図である。
この図18でも、図の左手前側が前側(遊技者側)になり、右奥側が後側になる。
図18に示すステージ844も、ステージ入賞領域8440、振分部材900、第一の通路8441および第二の通路8442の通路を有するものである。ただし、第一の開口8441aは左向きに1つしかなく、第二の開口8442aは右向きに1つしかない。したがって、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球が、第一の開口8441aや第二の開口8442aから飛び出してしまう危険性は減少するものの、図4に示すステージ844が設けられた遊技盤200と同じ盤面構成であれば、イレギュラー入賞の確率も減少する。
なお、第一の通路に設けられている第一の開口は、右向きに1つ設けられてもよく、第二の通路に設けられている第二の開口は左向きに1つ設けられていてもよい。
また、特図1通路8444や特図2通路8445もなく、第一の通路8441の第一の開口8441aが設けられた部分を通過した遊技球や、第二の通路8442の第二の開口8442aが設けられた部分を通過した遊技球は、真下に排出される。上述の第一球検出センサは、第一の通路8441の下流端に設けられており、この下流端が特図1始動領域231に相当する。同じく、上述の第二球検出センサは、第二の通路8442の下流端に設けられており、この下流端が特図2始動領域233に相当する。
また、図18に示す振分部材900は、図5に示す振分部材と同じ構造のものである。ただし、この変形例における振分部材900は、図4に示す振分部材の回転方向とは反対方向に回転する。また、図18に示す振分部材900は、前側に配置されており、ステージ844の振分部分における前側の壁844fと振分部材900との間隔は狭められている。これは、後述するように、振分部材900の逆回転防止のための工夫である。
図19は、図18に示すステージ844によって、遊技球が第一の通路8441と第二の通路8442とにうまく交互に振り分けられる様子を正面から段階的に示した図である。
図19(a)では、振分部材900の、ある一区画(ここでは第1区画911とする)に遊技球B1が進入し、その遊技球B1の勢いで振分部材900が回転し始め、同図(b)に示すように遊技球B1が第二の通路8442に振り分けられるとほぼ同時位に、ステージ入賞領域8440に2球目の入賞がある。振分部材900は、遊技球B1を第二の通路8442に振り分けた時点で、一旦回転を停止する。この変形例では、図7に示す例とは逆回転であるため、第1区画911、第4区画914、第3区画913、第2区画912の順で上記第一の範囲を通過する。したがって、2球目の遊技球B2は第4区画914に進入し、今度はその遊技球B2の勢いで振分部材900が再び回転し始め、同図(d)に示すように遊技球B2は第一の通路8441に振り分けられる。なお、同図(c)に示すように、先にステージ入賞領域8440に入賞した遊技球B1は、第二の開口8442aから飛び出すことなく、特図2始動領域233まで案内される。
図20は、振分部材900の逆回転防止を説明するための図である。
図20では、図の左側が前側(遊技者側)になり、右側が後側になる。また同図(a)〜同図(c)が、この変形例における振分部材900の配置になり、同図(d)〜同図(f)は、比較例である。
図20(a)〜図20(c)では、振分部材900は前側に寄っている。すなわち、回転軸901が前側に寄っている。ステージ844の振分部分における前側の壁844fと振分部材900との隙間Sは、遊技球Bの直径未満の隙間である。図20(a)に示すように、ステージ入賞領域8440に入賞し、落下してきた遊技球B1は、隙間Sには入り込めずに第4区画914には進入できず、第1区画911に進入し、その遊技球B1の勢いで振分部材900は、この図では時計回りに回転し始める。
図20(b)では二球目の遊技球B2の入賞があり、第4区画914に進入して、振分部材900は、時計回りに回転を続け、遊技球B1は、同図(c)で第二の通路8442に振り分けられる。
一方、比較例の図20(d)〜図20(f)では、振分部材900は前後方向略中央に配置されている。ステージ844の振分部分における、前側の壁844fと振分部材900との隙間S1は遊技球B1の直径以上の隙間であり、後側の壁844eと振分部材900との隙間S2も、遊技球B1の直径以上の隙間である。そうなると、遊技球B1は、第4区画914に進入することも、第1区画911に進入することも可能である。図20(d)では、遊技球B1は、第4区画914にたまたま進入し、その遊技球B1の勢いで振分部材900は、この図では反時計回りに回転し始めてしまう。
そうなると、図20(e)で二球目の遊技球B2は、第1区画911に進入して、振分部材900は、反時計回りに回転を続け、遊技球B1は、同図(f)で第二の通路8442に振り分けられるものの、ステージ入賞領域8440への連続入賞が止んで振分部材900が回転を一旦停止するまで、反時計回りに回転し続けてしまう。なお、振分部材900は、回転を一旦停止しても、次はどちらに回転するかは不明である。
以上説明したように、この変形例では、振分部材逆900の逆回転防止機能が働いている。この結果、振分部材900が逆回転をすることにより、高い頻度で連続して同じ領域に振り分けられてしまうことを防ぐことができる。
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明においても、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明する。また、これまで説明した事項と重複する事項については省略する場合がある。
図21は、第2実施形態の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
第2実施形態では、第1実施形態とステージ844が異なる。第2実施形態のステージ844では、ステージ入賞領域8440は遊技盤200の表側(遊技者側)に設けられているが、第一の通路8441も第二の通路8442も、遊技盤200の裏側に設けられている。このため、第一の開口8441aや第二の開口8442aは、遊技領域124に繋がるものではなく、遊技盤200の裏側で開口したものである。したがって、第2実施形態ではイレギュラー入賞の頻度は0である。一方、ステージ入賞領域8440に入賞した遊技球が、遊技盤200の裏側で、第一の開口8441aや第二の開口8442aから飛び出してしまうことはある。したがって、この第2の実施形態では、第一の開口8441aおよび第二の開口8442aはアウト口に相当する。
図21に示す遊技盤200は、全体が透明な基板で構成されている。すなわち、図21に示す遊技盤200は、透明遊技盤である。なお、全体を透明にせずに、必要な箇所のみを部分的に透明にした遊技盤であってもよい。また、ステージ844も透明な部材で形成されている。
遊技者からは、透明な遊技盤200越しに、その遊技盤200の裏側に設けられた第一の通路8441および第二の通路8442が見える。図21では、透明な遊技盤200越しに第一の通路8441および第二の通路8442が見える様子を1点鎖線で示している。また、ステージ入賞領域8440に進入した遊技球が、遊技盤200の裏側で第一の通路8441または第二の通路8442を流下する様子も、遊技者は見ることができる。さらに、遊技者からは、透明な遊技盤200越しに、その遊技盤200の裏側に設けられた、第一の開口8441aや第二の開口8442aを通過したり、あるいは第一の開口8441aや第二の開口8442aから飛び出してしまった遊技球も見える。
なお、図21に示す遊技盤200では、遊技盤200の裏側で、第一の開口8441aおよび第二の開口8442aに、一本のアウト口通路8450を連通させて、1つのアウト口にし、第一の開口8441aや第二の開口8442aの付近に「アウト」など遊技球がこのアウト口通路8450を通過後に入賞しないことをことを表記することで、遊技者の混乱を防いでいる。なお、第一の開口8441aおよび第二の開口8442aを連通させずに、それぞれ独立させてもよい。
図22は、図21に示した遊技盤200におけるステージ844周りの変更例を示す図である。
図22(a)は、遊技球が通らない部分は非透明色にした例を示す図である。
この図22(a)では、白抜きの部分が、ステージ844であり、遊技球の通路になる。このように、少なくとも遊技球の通路が透明であればよい。言い換えれば、遊技球が通過していることが視認可能であればよい。
図22(b)は、遊技球が通る部分であってもその一部を有色(半透明又は非透明)にした例を示す図である。
この図22(b)では、通路の一部が家紋で覆われている。ここにいう通路の一部とは、通過する遊技球を覆う有色の部分が遊技球の直径もしくは半径よりも小さい範囲であればよい。また、通過する遊技球が視認可能であれば、通路の一部に細かい装飾が描いてあってもよい。さらには、通過する遊技球が視認可能であれば、通路に別の部材の一部が重なっていてもよい。いずれの場合も遊技球を視認可能とするのは、遊技の公平性を保つためである。
図23は、図21に示すステージ844の斜視図であり、図24は、図21に示すステージ844の縦断面図である。
図23では、図の左手前側が前側(遊技者側)になり、右奥側が後側になる。また、図24では、図の左側が前側(遊技者側)になり、右側が後側になる。
第2実施形態のステージ844では、ステージ入賞領域8440を画定する壁のうち、後壁8440aを他の壁よりも高くしている。また、入賞通路8443を省略し、振分部材900はステージ入賞領域8440の近傍に設置されている。すなわち、振分部材900の回転軸901は、ステージ入賞領域8440よりわずかに下がった所に設けられている。
また、図23に示すステージ844は、上述のごとく、遊技盤200の裏側で開口し、アウト口になる第一の開口8441a(不図示)と、第二の開口8442aを有する。なお、図23には、図21に示すアウト口通路8450は図示省略されている。また、図23には、図4に示した、特図1通路8444や特図2通路8445は図示されていないが、第一の通路8441の下流端の後壁には開口8441bが設けられ、この先が、第一球検出センサが設けられた特図1始動領域231になる。同じく、第二の通路8442の下流端の後壁にも開口8442bが設けられ、この先が、第二球検出センサが設けられた特図2始動領域233になる(図24も参照)。
また、図23および図24に示すように、ステージ844は、図12に示す第1変形例の構成を採用している。すなわち、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球が最初に接触する部分に、相対的に傾斜角度が大きな第一の傾斜部(ここではリブ8440r)を設けるとともに、そのリブ8440rよりも下流側(振分部材900側)に相対的に傾斜角度が小さな第二の傾斜部(ここでは傾斜面8440s)を設けている。
さらに、図24に示すように、ステージ844は、図9に示す第1変形例の構成を採用している。すなわち、振分部材900では、仕切り板910の先端部分が面取りされており、回転軸901側の厚みよりも先端部分の厚みは薄くなっている。
図25は、ステージ入賞領域8440に入賞する遊技球の入り方を示した図である。図8の左側に示す同図(a)も、図8の右側に示す同図(b)も、上の図、真ん中の図、下の図の順に時間が経過してく。
図25の左側に示す同図(a)では、遊技球B1は、一段高くなった後壁8440aにぶつかることなく、ステージ入賞領域8440に進入してくる。第2実施形態では、振分部材900がステージ入賞領域8440の近傍に設置されているため、遊技球B1は、ステージ入賞領域8440に進入するとすぐに、振分部材900に接触し、振分部材900は、進入してきた遊技球B1の勢いで回転し、その遊技球B1を振り分ける。
一方、図25の右側に示す同図(b)では、遊技球B2は、一段高くなった後壁8440aにぶつかり、跳ね返って、ステージ入賞領域8440に進入してくる。この場合でも、遊技球B2は、振分部材900に接触し、振分部材900は、進入してきた遊技球B2の勢いで回転し、その遊技球B2を振り分ける。
図26は、図23に示すステージ844の変形例であり、図27は、図26に示すステージ844の縦断面図である。
図26および図27に示すステージ844が、これまで説明してきたステージと異なる点は、第一の通路8441および第二の通路8442が、遊技盤200の厚みの中に設置されている点にある。こうすることで、第一の通路8441および第二の通路8442は、折れ曲がったりせずに、垂直な通路になり、図27に示す矢印のように、遊技球Bは、振分箇所を通過すると、まっすぐ下へ落下し、下流端の後壁の開口8441b,8442bから、球検出センサが設けられた特図始動領域へ向かう確率が高くなる。すなわち、第一の開口8441aや第二の開口8442aから飛び出す確率が低くなる。
図28は、振分手段であるステージ844のその他の変形例等を示す図である。
図28(a)には、図23等に示すステージ844を示す。これまで説明してきた、いくつかのステージ844はいずれも、図28(a)に示すように、第一の通路8441と第二の通路8442は左右対称となるように配置されいる。すなわち、左右方向の中央を通る中心線(垂直方向の中心線)Lを軸として左右対象(線対称)、あるいは、ぼぼ左右対象(線対称)である。しかし、第一の通路8441と第二の通路8442は左右非対称であってもよい。
また、図28(b)に示すように、開口ではなく、切り欠き8441c,8442cを設けてもよい。すなわち、第一の通路8441や第二の通路8442は、完全に分断されていて、分断された上流側の端部8441uが下方へ向いて開口し、分断された下流側の端部8441lが上方へ向いて開口したものであってもよい。以下の説明で開口と称した場合であっても、同図(b)に示すような切り欠きであってもよい。
図28(c)に示すように、第一の通路8441および第二の通路8442にそれぞれ複数の開口が設けられていてもよい。さらに、第一の通路8441(第二の通路8442)の一方(例えば、外側、ここでは左側)の壁部に設けられた開口(第一の開口8441a)は、第二の通路8442(第一の通路8441)の同じ側の壁部に設けられるようにしてもよい。この同図(c)では、第一の通路8441の左壁に2つの開口8441aが設けられ、第二の通路8442の左壁にも2つの開口8442aが設けられている。
また、第一の通路8441(第二の通路8442)に設けられた複数の開口は、第二の通路8442(第一の通路8441)の異なる壁部に設けられるようにしてもよい。例えば、同図(d)では、第一の通路8441の左壁には2つの開口8441aが設けられ、第二の通路8442の右壁にも2つの開口8441bが設けられ、第一の通路8441の右壁には1つの開口8441aが設けられ、第二の通路8442の左壁にも1つの開口8441bが設けられている。すなわち、第一の通路8441の一方の壁部に設けられた開口の数と、第二の通路8442の他方の壁部に設けられた開口の数は一致している。また、同図(d)の例によれば、第一の通路8441では、一方(例えば、左側)の壁部に設けられた開口の数(ここでは2)と、他方(例えば、右側)の壁部に設けられた開口の数(ここでは1)とが異なっている。なお、同図(d)に示すように、第一の通路(第二の通路)に複数の開口が設けられている場合、開口は隣り合う壁部に設けられていてもよく、向かい合う壁部に設けられていてもよい。
さらに、第一の通路8441における開口(第一の開口8441a)の数と第二の通路8442のにおける開口(第二の開口8442a)の数は同じであってもよいが、同図(e)に示すように異なってもよい。また、同図(e)に示す例では、第一の通路8441の一方(例えば、左側)の壁部に設けられた開口の数(ここでは2)と、第二の通路8442の他方(例えば、右側)の壁部に設けられた開口の数(ここでは2)は一致していない。さらに、開口の位置は、同一通路で左右対称であってもよいが、同図(e)に示すように、左右非対称であってもよい。また、異なる通路で、開口は同一の高さ位置に設けられていてもよいが、同図(e)に示すように、異なる高さ位置に設けられていてもよい(図中の2点鎖線参照)。すなわち、異なる通路で、開口同誌が水平線上に並ばなくてもよい。
以上の説明では「遊技領域が設けられた遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が進入可能な入口(例えば、ステージ入賞領域8440
)が設けられた振分手段(例えば、ステージ844)と、
前記振分手段に設けられ、前記入口から遊技球が流入可能な第一の始動入賞領域(例えば、特図1始動領域231)及び第二の始動入賞領域(例えば、特図2始動領域233)と、
を備えた遊技台であって、
前記振分手段は、
遊技球を前記第一の始動入賞領域へ誘導する第一の通路と、
遊技球を前記第二の始動入賞領域へ誘導する第二の通路と、
前記入口から進入した遊技球を前記第一の通路と前記第二の通路のいずれか一方に振分可能な振分部材と、
少なくとも前記第一の通路に設けられた開口部(例えば、第一の開口8441a)と、
を備え、
前記振分部材は、第一の態様で遊技球を振り分ける場合と第2の態様で遊技球を振り分ける場合があるものであり、
前記第一の態様は、前記第一の通路と前記第二の通路とに交互に振り分ける態様(例えば、図13に示す態様)であり、
前記第二の態様は、前記第一の通路または前記第二の通路のいずれか一方の通路に連続して遊技球を振り分ける態様(例えば、図14や図15に示す態様)であり、
前記振分部材は、前記第二の態様で遊技球を振り分ける第二の頻度よりも前記第一の態様で遊技球を振り分ける第一の頻度の方が高くなるように構成されたものであり、
遊技球が前記第一の通路を通過せずに前記開口部から入球する第三の頻度よりも、遊技球が前記第一の通路を通過して前記開口部から排出される第四の頻度の方が高くなるように構成された、
ことを特徴とする遊技台。」について説明した。
この遊技台によれば、遊技の興趣を向上させることができる。また、連続して同じ領域に振り分けられた遊技球を前記開口部から入球した遊技球と思わせ、遊技の興趣をより向上させることができる場合もある。
なお、遊技球が前記第一の始動入賞領域および前記第二の始動入賞領域のいずれか一方に進入した場合に、図柄を変動表示させることが可能な図柄表示手段を備えたものであってもよい。
また、前記遊技盤および前記振分手段の少なくとも一方は、遊技球が前記第一の通路を通過せずに前記開口部から入球する場合よりも、遊技球が前記第一の通路を通過して前記開口部から排出される場合の方が多くなるように構成されたものであってもよい。
さらに、前記開口部は、前記遊技領域へ繋がるものであってもよい。
また、「前記振分部材は、前記第三の頻度よりも、前記第二の頻度の方が高くなるように構成されたものである、
ことを特徴とする遊技台。」についても説明した。
また、『前記第三の頻度がゼロになるように構成された、
ことを特徴とする遊技台(例えば、第2実施形態のパチンコ機100)。』についても説明した。
この遊技台によれば、遊技球の動きに注目させることができ、遊技へ集中させることができる場合がある。
さらに、「前記振分部材は、前記入口(例えば、ステージ入賞領域8440)から進入した遊技球の自重により回転する回転体(例えば、振分部材900)であり、
前記回転体は、一球の遊技球を保持可能な区画を複数有する(例えば、第1区画911
〜第4区画914)ものであり、
前記回転体は、回転することで、前記区画が、第一の範囲、第二の範囲、第三の範囲、第四の範囲を順に通過するものであり、
前記第一の範囲は、遊技球が前記区画内に進入可能な範囲(例えば、図7(a)に示すように、ステージ入賞領域8440の真下に位置する範囲)であり、
前記第二の範囲は、前記第一の範囲で進入してきた遊技球を、前記区画内に保持する範囲(例えば、図7(b)において第1区画911が通過している範囲)であり、
前記第三の範囲は、前記第二の範囲で前記区画内に保持されていた遊技球を、前記第一の通路または前記第二の通路へ排出する範囲(例えば、開放端がいずれか一方の通路8441,8442に接続する範囲)であり、
前記第四の範囲は、遊技球が前記区画内に進入不能な範囲(例えば、図6(b)において第3区画913および第4区画914が通過している範囲)である、
ことを特徴とする遊技台。」についても説明した。
この遊技台によれば、少ない部材でスムーズに振分けを行うことができる場合がある。
またさらに、「前記振分手段は、前記入口から進入した遊技球の移動方向を変化させる方向変化手段(例えば、図12や図23等に示すリブ8440rと傾斜面8440sを併せたもの)を有し、
前記方向変化手段は、前記入口と前記振分部材との間に配置されたものである、
ことを特徴とする遊技台。」についても説明した。
なお、これまでの説明では、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球Bがダイレクトに振分部材900を通過可能であるが、振分部材900は重力方向(遊技球の流下方向)に設けられており、遊技球の自重により回転する。こうすることで、他の部材を使用したり、振分部材900の回転制御を行わなくてもよいので、少ない部材でスムーズに遊技球を振分けすることができる場合がある。
また、これまで説明してきたステージ844ではいずれも、遊技球が振分部材900の下を通るように配置されている。これは、ステージ入賞領域8440から進入した遊技球が所定の面(斜面やリブ)に接触することにより移動方向が変わることが多く、多くの場合は、水平方向になりやすい。このように移動方向が変わった遊技球が通過する所定の通路に振分部材900を設ける場合には、遊技球が振分部材900の下側を通るように設けている。
さらに、遊技領域124のステージ844付近に他の部材(例えば、電チュー、大入賞口、ゲートなど)を設ける場合には、振分部材900から球検出センサまでの通路を遊技盤よりも奥に設けることができ、こうすることで、他の部材の配置位置を確保することもできる。一方、遊技領域124のステージ844付近に他の部材を設けない場合には、振分部材900から球検出センサまでの通路を遊技盤の面よりも手前に設けることができる。また、遊技盤200の盤面とステージ877の通路の壁面が略同一直線上になるように設けることができる。こうすることで、遊技球が遊技者から確認しやすいくなり、遊技の公平性を保つことができる。
また、球詰まりを防ぐ構成についても上述したが、ステージ入賞領域8440に進入してから振分部材900を通過するまでの通路においては、ステージ入賞領域8440に進入してから振分部材900を通過するまでの通路を、進行方向が低い位置になるような斜面にすることが好ましい。また、ステージ入賞領域8440に進入した遊技球が最初に接触するリブを傾かせることも好ましく、図12等に示すリブ8440rと傾斜面8440sを組み合わせたものが好ましい。
また、振分部材900の仕切り板910における球詰まりについては、仕切り板910と遊技球が接触可能な面を少なくすることが好ましい。
また、ステージ844の振分先は、始動口(特図、普図(ゲート))、入賞口などであてもよく、両方同じ種類(これまで説明したきた特図どうし)であっても、異なる種類(特図と普図、あるいは始動口と入賞口等)であってもよい。
また、以上の説明では『遊技球が進入可能な入口が設けられた振分手段(例えば、ステージ700)と、
遊技球が進入可能な第一の始動領域(例えば、特図1始動領域231)と、
遊技球が進入可能な第二の始動入賞領域(例えば、特図2始動領域233)と、
を備えた遊技台であって、
前記振分手段は、振分部(例えば、振分部材900)、第一の通路(例えば、第一の通路8441)、および第二の通路(例えば、第二の通路8442)が少なくとも設けられたものであり、
前記第一の通路は、遊技球を第一の領域(例えば、第一の通路8441内における、ステージ入賞領域8440よりも下流側であって第一の開口8441aよりも上流側である領域)へ少なくとも誘導可能なものであり、
前記第二の通路は、遊技球を第二の領域(例えば、第二の通路8442内における、ステージ入賞領域8440よりも下流側であって第二の開口8442aよりも上流側である領域)へ少なくとも誘導可能なものであり、
前記振分部は、前記入口から進入した遊技球を前記第一および第二の通路のうちの一方の通路に少なくとも振分可能なものであり、
前記振分部は、第一の態様で遊技球を振り分けることが少なくとも可能なものであり、
前記振分部は、第二の態様で遊技球を振り分けることが少なくとも可能なものであり、
前記第一の態様は、前記第一および第二の通路に、交互に遊技球を振り分ける振分態様(例えば、図13に示す態様)であり、
前記第二の態様は、前記第一または第二の通路に、連続して遊技球を振り分ける振分態様(例えば、図14や図15に示す態様)であり、
前記振分部は、第一の頻度で前記第一の振分態様による遊技球の振り分けを少なくとも行うことが可能なものであり、
前記振分部は、第二の頻度で前記第二の振分態様による遊技球の振り分けを少なくとも行うことが可能なものであり、
前記第一の頻度は、前記第二の頻度より高い頻度であり、
前記第一の通路に進入した遊技球は前記第一の領域を経由して、第三の頻度で前記第一の始動領域に到達する(例えば、第一の開口8441aから飛び出さずに到達する)ように構成されたものであり、
前記第一の通路に進入しなかった遊技球は、第四の頻度で前記第一の始動領域に到達する(例えば、イレギュラー入賞する)ように構成されたものであり、
前記第三の頻度は、前記第四の頻度よりも高い頻度であり、
前記第一の始動領域は、前記第二の領域よりも前記第一の領域に近い位置に設けられた領域であり、
前記第二の始動領域は、前記第一の領域よりも前記第二の領域に近い位置に設けられた領域であり、
前記第一の領域に到達した遊技球が、前記第一の始動領域に到達しない頻度(例えば、第一の開口8441aから飛び出す頻度)よりも該第一の始動領域に到達する頻度の方が高く、
前記第二の領域に到達した遊技球が、前記第二の始動領域に到達しない頻度(例えば、第二の開口8442aから飛び出す頻度)よりも該第二の始動領域に到達する頻度の方が高い、
ことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
すなわち『遊技球が進入可能な入口が設けられた振分手段と、
遊技球が進入可能な第一の始動領域と、
遊技球が進入可能な第二の始動入賞領域と、
を備えた遊技台であって、
前記振分手段は、振分部、第一の通路、および第二の通路が少なくとも設けられたものであり、
前記第一の通路は、遊技球を第一の領域へ少なくとも誘導可能なものであり、
前記第二の通路は、遊技球を第二の領域へ少なくとも誘導可能なものであり、
前記振分部は、前記入口から進入した遊技球を前記第一および第二の通路のうちの一方の通路に少なくとも振分可能なものであり、
前記振分部は、第一の態様で遊技球を振り分けることが少なくとも可能なものであり、
前記振分部は、第二の態様で遊技球を振り分けることが少なくとも可能なものであり、
前記第一の態様は、前記第一および第二の通路に、交互に遊技球を振り分ける振分態様であり、
前記第二の態様は、前記第一または第二の通路に、連続して遊技球を振り分ける振分態様であり、
前記振分部は、第一の頻度で前記第一の振分態様による遊技球の振り分けを少なくとも行うことが可能なものであり、
前記振分部は、第二の頻度で前記第二の振分態様による遊技球の振り分けを少なくとも行うことが可能なものであり、
前記第一の頻度は、前記第二の頻度より高い頻度であり、
前記第一の通路に進入した遊技球は、第三の頻度で前記第一の領域に到達するように構成されたものであり、
前記第一の通路に進入しなかった遊技球は、第四の頻度で前記第一の領域に到達するように構成されたものであり、
前記第三の頻度は、前記第四の頻度よりも高い頻度であり、
前記第一の始動領域は、前記第二の領域よりも前記第一の領域に近い位置に設けられた領域であり、
前記第二の始動領域は、前記第一の領域よりも前記第二の領域に近い位置に設けられた領域であり、
前記第一の始動領域は、前記第一の領域を通過した遊技球が少なくとも進入可能な位置に設けられた領域であり、
前記第二の始動領域は、前記第二の領域を通過した遊技球が少なくとも進入可能な位置に設けられた領域である、
ことを特徴とする遊技台。』について説明した。
なお、第一の始動領域は、第一の領域を通過していない遊技球が進入可能な位置に設けられた領域であってもよい。第二の始動領域は、第二の領域を通過していない遊技球が進入可能な位置に設けられた領域であってもよい。
また、第一の始動領域は、第一の領域を通過した遊技球が第一の始動領域以外の領域(遊技領域、第二の領域など)へ進入可能となる位置に設けられるようにしてもよい。第二の始動領域は、第二の領域を通過した遊技球が第二の始動領域以外の領域(遊技領域、第一の領域)へ進入可能となる位置に設けられるようにしてもよい。
また、上記振分手段による遊技球の動きは、以下のパターンに分けられる。
(1)第一の通路(第二の通路)→第一の領域(第二の領域)→第一の始動領域(第二の粗銅領域)
(2)第一の通路(第二の通路)→第一の領域(第二の領域)→振分手段の外
上記(2)のパターンは、結局、始動領域に到達しないパターンである。
(3)振分手段の外→第一の始動領域(第二の始動領域)
上記(3)のパターンは、いわゆるイレギュラー入賞のパターンである。
(4)振分手段の外→(第一の領域(第二の領域)と第一の始動領域(第二の始動領域)の間を経由)→振分手段の外
上記(4)のパターンは、外から振分手段に入っても、そのまま振分手段の外へまた出て行ってしまうパターンである。
(5)振分手段の外→(第一の領域(第二の領域)と第一の始動領域(第二の始動領域)の間を経由)→振分装置の外→(第二の領域(第一の領域)と第二の始動領域(第一の始動領域)の間を経由)→第二の始動領域(第一の始動領域)
また、第二の通路に進入した遊技球は、第五の頻度で第二の領域に到達するように構成されたものであり、第二の通路に進入しなかった遊技球は、第六の頻度で第二の領域に到達するように構成されていてもよい。
ここで、第五の頻度は、第六の頻度よりも高い頻度であってもよい。第三の頻度は、第五の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第三の頻度は、第五の頻度よりも高い頻度であってもよい。第三の頻度は、第五の頻度よりも低い頻度であってもよい。第四の頻度は、第六の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第四の頻度は、第六の頻度よりも高い頻度であってもよい。第四の頻度は、第六の頻度よりも低い頻度であってもよい。
なお、第一の頻度は、第二の頻度と同じ頻度であってもよい。第一の頻度は、第二の頻度よりも低い頻度であってもよい。第三の頻度は、第四の頻度と同じ頻度であってもよい。第三の頻度は、第四の頻度よりも低い頻度であってもよい。
また、第一の頻度は、第三の頻度よりも高い頻度であってもよい。第一の頻度は、第三の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第一の頻度は、第三の頻度よりも低い頻度であってもよい。第一の頻度は、第四の頻度よりも高い頻度であってもよい。第一の頻度は、第四の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第一の頻度は、第四の頻度よりも低い頻度であってもよい。第一の頻度は、第五の頻度よりも高い頻度であってもよい。第一の頻度は、第五の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第一の頻度は、第五の頻度よりも低い頻度であってもよい。第一の頻度は、第六の頻度よりも高い頻度であってもよい。第一の頻度は、第六の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第一の頻度は、第六の頻度よりも低い頻度であってもよい。第二の頻度は、第三の頻度よりも高い頻度であってもよい。第二の頻度は、第三の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第二の頻度は、第三の頻度よりも低い頻度であってもよい。第二の頻度は、第四の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第二の頻度は、第四の頻度よりも低い頻度であってもよい。第二の頻度は、第五の頻度よりも高い頻度であってもよい。第二の頻度は、第五の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第二の頻度は、第五の頻度よりも低い頻度であってもよい。第二の頻度は、第六の頻度よりも高い頻度であってもよい。第二の頻度は、第六の頻度とほぼ同じ頻度であってもよい。第二の頻度は、第六の頻度よりも低い頻度であってもよい。
また『前記振分手段は、前記第四の頻度よりも、前記第二の頻度の方が高くなるように構成されたものである、
ことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
なお、第四の頻度はゼロでないように構成されていてもよい。第六の頻度はゼロになるように構成されてもよい。第六の頻度はゼロでないように構成されていてもよい。
また、『前記第四の頻度がゼロになるように構成された、
ことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
なお、前記第一の領域を通過した遊技球は、前記第一の始動領域へ少なくとも進入するように構成されていてもよい。
また、『前記第一の領域に到達した遊技球が前記第一の始動領域に到達しない頻度はゼロよりも大きい、
ことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
なお、前記第二の領域を通過した遊技球は、前記第二の始動領域へ進入しない場合があるように構成されていてもよい。また、前記第二の領域を通過した遊技球は、前記第二の始動領域へ少なくとも進入するように構成されていてもよい。
また、『前記振分部は、前記入口から進入した遊技球の自重により回転する回転体である、
ことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
さらに、『前記回転体は、一球の遊技球を保持可能な区画を複数有するものであり、
前記回転体は、回転することで、前記区画が、第一の範囲、第二の範囲、第三の範囲、第四の範囲を順に通過するものであり、
前記第一の範囲は、遊技球が前記区画内に進入可能な領域であり、
前記第二のは、前記第一の範囲で進入してきた遊技球を、前記区画内に保持する領域であり、
前記第三の範囲は、前記第二の範囲で前記区画内に保持されていた遊技球を、前記第一の通路または前記第二の通路へ排出する領域であり、
前記第四の範囲は、遊技球が前記区画内に進入不能な領域である、
ことを特徴とする遊技台。』についても説明した。
続いて、これまでと重複する説明もあるが、本発明を適用可能な遊技台(例えば、パチンコ機等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。以下の説明においても、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付している場合がある。
<全体構成>
まず、図29を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。以下、遊技盤200の表側というときは、この遊技領域124をさすことがある。なお、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図30参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図29に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射する。
遊技盤200は、前面(表側)に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図29では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図31に示す。
図30は、図29のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図32参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図32参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図32参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図32参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図32参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図32参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図31は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
この図31に示す遊技盤200はいわゆる右打ち機の遊技盤である。この遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。一般的に知られる右打ち機の遊技盤においては、遊技者の操作によって、遊技球を打ち出す強さを変化させることで、普図始動口および第2特図始動口と、第1特図始動口とに分けることができる。具体的には、一般的に知られる右打ち機では、遊技領域124に対し、遊技釘238等の配設により、第一特図始動口へ入球するルートである第1の領域(遊技領域における左側領域)を転動する遊技球は第2特図始動口への入球が困難又は不可能に構成され、その逆に第2特図始動口が備えられた第2の領域(遊技領域における右側領域)を転動する遊技球は第1特図始動口への入球が困難又は不可能に構成されている。しかしながら、図31に示す遊技盤200では、第1特図始動口230と、一対の羽根部材2321が設けられた、いわゆる電動チューリップ(電チュー)式の第2特図可変始動口232と、一対の羽根部材2321が設けられていない第2特図固定始動口233が用意されており、第1の領域(遊技領域における左側領域)を転動する遊技球は、第1特図始動口230と第2特図固定始動口233への入賞が期待でき、第2の領域(遊技領域における右側領域)を転動する遊技球は、主として、普図始動口228と第2特図可変始動口232、イレギュラーなケースとしてと第2特図固定始動口233への入賞が期待できる。なお、本発明は、図31に示す遊技盤200の右打ち機に限って適用されるものではなく、上述の一般的に知られる右打ち機や、さらには、広く一般の遊技盤を備えたパチンコ機にも適用することができる。
また、図31に示す遊技盤200は、全体が透明な基板で構成されている。すなわち、図31に示す遊技盤200は、透明遊技盤である。なお、全体を透明にせずに、必要な箇所のみを部分的に透明にした遊技盤であってもよい。
遊技領域124の、右斜め上から中央部分、さらに中央部分の下方にかけて演出装置206を配設している。この演出装置206には、右斜め上から中央部分にかけて装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普図表示装置210と、第1特図表示装置212と、第2特図表示装置214と、普図保留ランプ216と、第1特図保留ランプ218と、第2特図保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための画像表示装置であり、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、7セグメントLEDによって構成する。これらの普図表示装置210、第1特図表示装置212は第一の図柄変動表示手段の一例に相当し、第2特図表示装置214は第二の図柄変動表示手段の一例に相当する。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄である。
普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214(報知手段)の表示領域(ここでは7ゼグメントの大きさが相当)と装飾図柄表示装置208(図柄表示手段)の表示領域(ここでは表示画面の大きさが相当)とでは、装飾図柄表示装置208の表示領域の方が大きい。また、普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214は、動画の表示が不可能であるのに対して、装飾図柄表示装置208は動画の表示が可能である。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。ここにいう保留とは、後述する始動情報に基づく各種判定処理(当否判定処理等)の開始を保留することを意味する。
高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。
また、演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第2特図可変始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図30に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図29に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、遊技盤200の右側に1つ配設している。普図始動口228は、右打ちすることによって進入が期待される始動口である。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球とは違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第2特図可変始動口232は、中央下側に1つだけ配設している。第2特図可変始動口232は、右打ちすることによって入球が期待される始動口である。この第2特図可変始動口232は、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321を備えており、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図可変始動口232の開口への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材2321が閉じたままでは第2特図可変始動口232の開口への入球は不可能であり、一対の羽根部材2321が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図可変始動口232の開口への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材2321が開いた開状態は入賞容易な状態である。すなわち、第2特図可変始動口232は、入り口(遊技球の進入口)の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する、遊技球の進入のしやすさが可変の可変始動領域であって、第二の始動領域の一例に相当する。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。一対の羽根部材2321が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図可変始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさ以下である。第2特図可変始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図可変始動口232に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、遊技盤200の右側に一つだけ設けられており、右打ちすることによって入球が期待される入賞口である。この可変入賞口234は、入賞開口と、ソレノイドによってその入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。すなわち、可変入賞口234は、所定の第1の開閉状態(ここでは閉状態)およびその第1の開閉状態よりも遊技球の入賞が容易な第2の開閉状態(ここでは開状態)のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段であり、特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。なお、可変入賞口234における閉状態は必ずしも完全に閉塞した状態である必要はなく、少し開いていても、遊技級の入球が不可能あるいは困難な状態であればよい。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。可変入賞口234に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
また、装飾図柄表示装置208の下方に、演出装置206の一つとしてステージ244を設けている。このステージ244については詳細は後述するが、ステージ244には、ステージ入賞領域2441、第一の通路2442、および第二の通路2443が設けられている。ステージ入賞領域2441は遊技盤200の表側(遊技者側)の左右方向中央部分に設けられており、進入可能領域の一例に相当する。第一の通路2442は、遊技盤20の裏側であって、ステージ入賞領域2441よりも正面視左側に設けられており、第二の通路2443は、遊技盤20の裏側であって、ステージ入賞領域2441よりも正面視右側に設けられている。遊技者からは、透明な遊技盤200越しに、その遊技盤200の裏側に設けられた第一の通路2442および第二の通路2443が見える。図31では、透明な遊技盤200越しに第一の通路2442および第二の通路2443が見える様子を1点鎖線で示している。さらに、これらの部材(2441〜2443)はいずれも透明な部材で形成されているため、ステージ入賞領域2441に進入した遊技球が、遊技盤200の裏側で第一の通路2442または第二の通路2443を流下する様子も、遊技者は見ることができる。
第一の通路2442の下流端には、ここでは不図示の第一の誘導通路が接続されており、第二の通路2443の下流端には、ここでは不図示の第二の誘導通路が接続されている。第一の誘導通路も第二の誘導通路も、遊技盤200の裏側と表側を結ぶ通路である。第一の通路2442を流下してきた遊技球は、第一の誘導通路によって遊技盤200の表側(遊技領域)へ一旦誘導され、第二の通路2443を流下してきた遊技球は、第二の誘導通路によって遊技盤200の表側(遊技領域)へ一旦誘導される。
第一の誘導通路の下流端(遊技盤200表側端)には遊技者側に突出した第一小ステージ2444が設けられており、第二の誘導通路の下流端(遊技盤200表側端)にも遊技者側に突出した第二小ステージ2445が設けられている。これら の小ステージ(2444,2445)も透明部材であり、左右両側壁それぞれには、開口が設けられている。これらの開口はいずれも、水平方向に開口した横孔であって、物理的に遊技球が通過可能な大きさである。第一の誘導通路によって遊技盤200の表側へ誘導された遊技球は、第一小ステージ2444の左右の開口から飛び出して、せっかくステージ入賞領域2441に進入した遊技球がステージ244外に放出される場合がある。同様に、第二の誘導通路によって遊技盤200の表側へ誘導された遊技球は、第二小ステージ2445の左右の開口から飛び出して、これもまた、ステージ入賞領域2441に進入した遊技球が、ステージ244外に放出される場合がある。また反対に、ステージ入賞領域2441に進入せずに流下してきた遊技球が、その開口近傍に設けられた遊技釘238によって流下方向を変えられ、第一小ステージ2444の左右の開口や、あるいは第二小ステージ2445の左右の開口に飛び込むことも、稀にある。第一小ステージ2444の左右の開口が第1特図始動口230に相当し、第二小ステージ2445の左右の開口が第2特図固定始動口233に相当する。左右方向に開口している第1特図始動口230や第2特図固定始動口233よりも、上方向に開口しているステージ入賞領域2441の方が遊技領域を流下する遊技球が入賞しやすく構成されている。すなわち第1特図始動口230、第2特図固定始動口233、ステージ入賞領域2441のいずれかに遊技球が入賞した場合には、ほぼ(確実に、または高確率で)後述する球検出センサに検出されやすいが、相対的な数としては、ステージ入賞領域2441からの遊技球の入賞数が多くなる構成となっている。第1特図始動口230が設けられた位置、および第2特図固定始動口233が設けられた位置は、所定位置の一例に相当する。第1特図始動口230にしても、第2特図固定始動口233にしても、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない固定始動領域である。第一の通路2442は、通過した球が、第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルートに相当し、第二の通路2443は、通過した球が、第2特図固定始動口233へ入球し易くなるスペシャルルートに相当する。第1特図始動口230への入球を、ここでは不図示の第一球検出センサが検出した場合、図30に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。また、第2特図固定始動口233への入球を、ここでは不図示の第二球検出センサが検出した場合、図30に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図固定始動口233に入球した球も、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
なお、以下の説明では、第2特図可変始動口232および第2特図固定始動口233を総称して第2特図始動口と称することがある。
以上説明した、普図始動口228、第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233、および可変入賞口234の配置によれば、大当り遊技中、および大当り遊技終了後に電サポ状態へ移行した場合は右打ちが遊技者が最も有利となる打ち方であり、大当り遊技終了後も非電サポ状態である場合には、左打ちが遊技者が最も有利となる打ち方になることが多い。
なお、可変入賞口234は、遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設する態様であってもよい。この態様によれば、大当り遊技中は左打ち、大当り遊技終了後に電サポ状態へ移行した場合は右打ちすることが遊技者に薦められる。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球を遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら遊技領域124を流下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
図29に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図31に示す装飾図柄表示装置208、ステージ244は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は装飾図柄表示手段の一例に相当する。
<制御部>
次に、図32を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段(例えば、主制御手段、第一副制御手段、第二副制御手段)ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段(副制御手段)ととらえることもできる。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図29に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図可変始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
主制御部300は、遊技制御を行う遊技制御手段であって、後述する当否判定手段、始動情報先読手段、および事前判定手段を有し、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220の駆動(点灯および消灯動作)を制御する。
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、普図始動口228に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、普図始動口228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、普図始動口228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、図29に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、を接続している。なお、図31に示す遊技盤200では図示省略されているが、遊技盤には、演出可動体も設けられている。基本回路402には、その演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424や上述のチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
第1副制御部400と第2副制御部500を併せた副制御手段は、遊技制御手段である主制御部300からの指令信号を受信し、受信した指令信号に基づいて、装飾図柄表示装置208等の演出手段を制御する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図30に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図29に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給してもよいし、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
遊技機設置営業店に設けられた島設備では、100Vの交流電源を24Vの電圧に降圧し、パチンコ機100には24Vの交流電流が供給される。24Vの交流電流は、主制御部300の電源管理部660によって、12Vの直流電圧に変換される。主制御部300には、図32では図示省略したが電圧変換回路も設けられており、12Vの直流電流は、その電圧変換回路で所定電圧(ここでは5V)にさらに降圧され、所定電圧(5V)の直流電流が主制御部300の基本回路302に設けられたCPU304に供給される。また、電源管理部660によって12Vの電圧に変換された直流電流は、主制御部300の電圧監視回路338や起動信号出力回路340にも供給される。電圧監視回路338は、12Vの供給電流の電圧値が所定の値(この例では9v)未満に低下すると、低電圧信号を基本回路302のI/Oポート310に出力する。したがって、電圧監視回路338は、電源管理部660と電圧監視回路338を結ぶ、12Vの直流電流が流れる電源ラインの電圧値を監視していることになり、この電源ラインが所定の電源ラインの一例に相当する。なお、低電圧信号をCPU304に直接入力するようにしてもよい。また、電源管理部660は、入力された24Vの交流電流をそのまま出力したり、あるいは36Vの直流電流に変換して出力したりもする。さらに、主制御部300のCPU304には、電圧変換回路とは異なる回路を経由して動作電圧(ここでは5V)の電流が供給されてもよい。
また、起動信号出力回路340は、電源投入によって電源管理部660から供給された直流電流の電圧値が、CPU304が動作可能な電圧値にまで達すると、起動信号を出力する。さらに、WDT314がタイムアウトになった場合、CPU304にはWDT314からリセット信号が出力される。WDT3141がタイムアウトになった場合としては、プログラムミスによる暴走した状態や、落雷や不正行為等に起因する電圧降下によりCPU304が本来設計した動作を行うことができなくなった場合等がある。なお、WDT3141に、初期値として32.8msに相当する数値が設定されている。起動信号出力回路340からの起動信号と、WDT3141からのリセット信号は、共通の信号線によってCPU304に入力されるが、それぞれ専用線によって入力されるようにしてもよい。ここで説明した、起動信号出力回路340から出力される起動信号や、WDT314から出力されるリセット信号が、所定の起動信号の一例に相当する。
電源が遮断され即座に復帰した瞬停の場合、すなわち電源スイッチ178をオンすることなく自動復帰した場合には、停電圧信号が出力されるとともにWDT3141がタイムアウトになり、主制御部300ではリセット処理が実行される。このリセット処理では、まず、実行されるリセット動作が、システムリセット動作か否か判定される。基本回路302で実行されるリセット動作には、システムリセット動作とユーザリセット動作の2つがある。ここで、システムリセット動作を実行する場合には、CPU304のコアや内蔵レジスタの値を初期化する。続いて、セキュリティチェック処理が実行される。セキュリティチェック処理では、ユーザプログラムを基に計算された認証コードが正しいか否か再計算を行う。認証コードが正しい場合には、延長処理が実行される。延長処理における延長時間は固定時間であってもよいし、固定時間にランダムに選択されたランダム時間を加えた時間であってもよい。延長処理が終了すると、後述する主制御部300のメイン処理が実行され、遊技制御が開始される。一方、ユーザリセット動作を実行する場合にも、CPU304のコアや内蔵レジスタの値を初期化する。ただし、乱数生成回路318を制御するレジスタの値はリセット前の状態が維持される。その後、後述する主制御部300のメイン処理が実行され、遊技制御が開始される。
<図柄の種類>
次に、図33(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図33(a)は特図の停止図柄態様(第1の図柄態様)の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第一球検出センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始される、一方、第2特図固定始動口233に球が入球したことを球検出センサである第二球検出センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始され、第2特図可変始動口232に球が入球したことを球検出センサである第三球検出センサが検出したことを条件としても特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図1の図柄変動表示)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図2の図柄変動表示)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を特図の変動表示と称することがある。この特図の変動表示は複数回、連続して行われることがある。
図33(a)には、図柄変動表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」の10種類の特図が示されている。図33(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
特図の停止図柄態様として、6種類の大当り図柄(「特図A」から「特図F」)が用意されている。「特図A」は15ラウンド(R)特別大当り図柄であり、「特図C」は2R特別大当り図柄であって、突然確変と称される。これらの図柄(特図A,C)が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図高確率状態になる。「特図B」は15R大当り図柄であり、「特図D」は2R大当り図柄であって、突然時短と称される。特図Bまたは特図Dが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図高確率状態になる。「特図E」は、隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄である。特図Eが停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図低確率状態になる。特図Fが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図低確率状態になる。
ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。図31に示す可変入賞口234の作動回数を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が15回続くことを意味する。すなわち、1回の作動が、開閉状態が第1の開閉状態(ここでは閉状態)から第2の開閉状態(ここでは開状態)に変化する特定変化の一例に相当し、可変入賞口234は、大当り遊技中に、この特定変化を複数の定数回(15ラウンドの場合であれば15回)行うものである。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと、特別大当りあるいは時短大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当りあるいは時短大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。大当り遊技中には特図低確率状態へ移行し、特図A、特図C、および特図Eに当選した場合には、大当り遊技終了後、次に大当りするまで特図高確率状態が維持される。一方、特図B、特図D、および特図Fに当選した場合には、大当り遊技終了後も特図低確率状態のままである。特図低確率状態は第1の確率制御状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率制御状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがある。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率制御状態の移行は主制御部300が行い、主制御部300は、確率制御状態移行手段の一例に相当する。
また、特図A〜Dに当選すると、いずれも大当り遊技終了後、電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグも用意されており、時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/101であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/101に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では1.2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図可変始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.3秒の電チュー開放期間が電サポ状態では1.7秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では3回開く(例えば、1.7秒開放することを3回繰り返し、開放と開放の間の閉鎖時間は1.6秒)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図可変始動口232に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図可変始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、第2特図可変始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図可変始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図可変始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図可変始動口232は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって大サイズである。特図Aおよび特図Cが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持され、特図Bおよび特図Dが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、101回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(特図E,特図F)に当選した場合には、大当り遊技終了後に電サポ状態に移行しない。非電サポ状態では、第2特図可変始動口232は、入り口が小サイズに維持される。一方、上述のごとく、電サポ状態では、第2特図可変始動口232は、入り口が大サイズになり、遊技球の進入率が高められる。すなわち、非電サポ状態では、遊技球が可変始動領域である第2特図可変始動口232に第1の進入率で進入するのに対して、電サポ状態では、遊技球が第2特図可変始動口232に上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で進入する。したがって、非電サポ状態が第一の進入率制御状態の一例に相当し、電サポ状態が第二の進入率制御状態の一例に相当する。
仮に非電サポ中に、右打ちを行って第2特図可変始動口232への遊技球の入賞を狙ったとしても、普図変動遊技の変動時間(10秒)、普図低確率状態(1/101)、第2特図可変始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間(0.3秒)の構成により入賞しにくい状態であるため、非電サポ中は左打ちが遊技者に有利な打ち方として設定されている。
さらに、大当り図柄の他に小当り図柄として2種類の停止図柄が用意されている。図33(a)に示す、特図Gは第1小当り図柄であり、特図Hは第2小当り図柄である。小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が所定回(例えば15回)作動し、その扉部材2341は、1回の作動につき開状態を最大で1.5秒間しか維持しない。小当りにおける扉部材2341の開放では、例えば、1回目の開放で、遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、2回目以降の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない役であり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
大当り遊技および小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が1または複数回の開閉動作を行い、遊技者の有利度が相対的に高い状態になる。
また、ハズレ図柄も2種類用意されている。図33(a)に示す、特図Iは第1ハズレ図柄であり、特図Jは第2ハズレ図柄である。ハズレ図柄が停止表示されると、可変入賞口234の扉部材2341は開閉動作を行わず、遊技者の有利度が相対的に低い状態になる。なお、「特図I」と「特図J」以外のハズレ図柄(例えば、第3のハズレ図柄等)をさらに用意しておいてもよく、ハズレ図柄は複数種類の図柄を含むものである。
以上説明したように、パチンコ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の当り制御状態(大当り制御状態および小当り制御状態)と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度のハズレ制御状態とが用意され、パチンコ機100は当り制御状態(第二の制御状態)とハズレ制御状態(第一の制御状態)のうちのいずれか一方の制御状態をとる。これらの制御状態の移行も主制御部300のCPU304が行い、主制御部300のCPU304は、制御状態移行手段の一例にも相当する。すなわち、主制御部300のCPU304は、第1特図表示装置212または第2特図表示装置214が大当りの図柄態様を停止表示した後に、遊技者に有利な大当り遊技状態を付与する特別遊技状態付与手段の一例にも相当する。なお、小当り制御状態は、可変入賞口234の扉部材2341が開閉動作を行うものの、可変入賞口234への入球はほとんど期待することができないため、小当り制御状態を上記第1の有利度の制御状態(第一の制御状態)ととらえることもできる。
なお、パチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否判定結果(抽選結果)を報知する報知手段であって、図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様(特図A〜と特図J)を停止表示する図柄変動表示を行う図柄表示手段の一例に相当する。
図33(b)は装飾図柄の一例を示したものである。装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第一球検出センサが検出したこと、第2特図固定始動口233に球が入球したことを第二球検出センサが検出したこと、あるいは第2特図可変始動口232に球が入球したことを第三球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。15R特別大当りである「特図A」や2R特別大当りである「特図C」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾5−装飾5−装飾5」等)を停止表示する。15R大当りである「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。また、隠れ確変である「特図E」や、突然通常である「特図F」や、小当りである「特図G」,「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾2−装飾3」といった“装飾図柄の組合せ3”を停止表示し、突然確変である「特図C」や、突然時短である「特図D」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾3−装飾5」といった“装飾図柄の組合せ4”を停止表示する。また、ハズレである「特図I」,「特図J」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、“装飾図柄の組合せ1”〜“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図33(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a〜cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
図33(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、ハズレ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とハズレ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図33(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を普図の変動停止表示と称することがある。普図表示装置210は補助図柄報知手段の一例に相当する。
<主制御部メイン処理>
次に、図34を用いて、図32に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図32に示す主制御部300のRAM308には、大当り用特図1乱数カウンタ、小当り用特図1乱数カウンタ、ハズレ用特図1乱数カウンタ、およびこれらのカウンタの特図2用のカウンタが設けられている。また、そのRAM308には、特図変動時間第1判定乱数値、および特図変動時間第2判定乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタも設けられている。さらに、そのRAM308には、特図1の保留数、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1当否判定結果、特図1決定結果、特図1変動時間、およびこれらの、保留数や乱数値や結果の特図2用のものがそれぞれが記憶される。またRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、後述するように、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値の5つの乱数値を1セットにしてこれら5つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図32に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図34に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
具体的には、最初に、図30に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図32に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、大当り用特図乱数値カウンタ、小当り用特図乱数値カウンタ、およびハズレ用特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための4つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図1変動時間決定用乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値をそれぞれ生成するための3つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、このステップS115の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図35を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図32に示す主制御部300は、所定の周期(約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図32に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図32に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口234、230やこれらの始動口230、232、233、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、普図タイマ乱数、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1変動時間決定用乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、特図1に関する乱数値を取得するためのカウンタと特図2に関する乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234、230や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数(例えば、4)未満である場合には、所定の始動情報を取得する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値を取得する。ここで取得した特図1当選乱数値は、ハードウェア乱数を加工した値(ハードウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。一方、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値は、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図32に示す乱数値生成回路318、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報を生成して導出するものであり、始動情報導出手段(第1の始動情報導出手段,第2の始動情報導出手段)の一例に相当する。ここで取得された各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(第1の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第1上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図1の保留数の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。また、特図2についても、特図1と同様に始動情報である各乱数値を取得し、取得した乱数値をRAM308に設けた特図2の保留記憶部に、1セットの始動情報として同様に記憶され、さらに、RAM308に記憶されている特図2の保留数の値に1を加算する。特図2の保留記憶部は、第2特図始動口(第2の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第2上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図2の保留記憶部に記憶してもよく、この場合一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよいし、特図2の保留記憶部および一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよい。
パチンコ機100は、入賞順変動機である。すなわち、第1特図始動口230および第2特図始動口(第2特図可変始動口232あるいは第2特図固定始動口233)の始動口に入賞した順に特図変動遊技(特図の図柄変動表示)が行われる。入賞受付処理では、特図1と特図2の間で、入賞の順番がわかるように始動情報が記憶される。
また、普図始動口228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が所定数(例えば、4)未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を始動情報である普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより、第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233、普図始動口228、または可変入賞口234の入賞(入球)を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、第2特図始動口、普図始動口228、および可変入賞口234の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
なお、特図の始動情報にしても普図の始動情報にしても、保留数がそれぞれの所定数以上であれば始動情報を取得せずに、ステップS219に進む。
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。図32に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図33(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図33(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図可変始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。このようにして一対の羽根部材2321の開放制御を行う主制御部300のCPU304が、可変始動領域制御を行う可変始動領域制御手段の一例に相当する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定するとともに、第2特図可変始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)には、何ら信号を出力しない。こうすることで、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持するための信号を必ず出力するようにしてもよい。
また、電サポ状態であった場合には、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する処理では、所定の閉鎖期間(例えば0.1秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、電サポ状態であった場合には、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理において、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
続いて、ステップS223では普図関連抽選処理を実行する。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図可変始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
続いて、特図先読み処理(ステップS224)が実行される。この特図先読み処理については後述する。
次に、特図状態更新処理を行う(ステップS225)。上述のごとく、パチンコ機100は、入賞順変動機である。以下、特図1と特図2を区別せずに単に特図、第1特別図柄表示装置212と第2特別図柄表示装置214を区別せずに単に特図表示装置、第1特図始動口230と第2特図始動口を区別せずに単に特図始動口とそれぞれ称して説明することがある。
特図状態更新処理では、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動表示の途中(特図表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図表示装置による特図の変動表示(特図の図柄変動表示)が行われる。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ、確変フラグ、および時短フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、後述する特図関連抽選処理における特図決定結果(特図の停止図柄態様)に基づいて、特図表示装置を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図表示装置は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、2R特別大当り図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第2ハズレ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図が所定期間停止表示され、特図変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に値がセットされている場合には、その値が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中や小当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中および小当り遊技状態中(第二の制御状態中)である場合に、非電サポ状態(第一の進入率制御状態)に移行させる。
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であるのか特図1であるのかを表す特図識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図変動遊技の結果が大当りであれば、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、特図表示装置が当りの当否判定結果に対応する図柄態様を停止表示した後で、遊技者に有利な当り制御状態を開始するものであり遊技制御手段の一例に相当する。また、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御を行う可変入賞制御手段の一例にも相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
また、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が表す停止図柄態様に基づいて、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変フラグや時短フラグをオンに設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、後述する特図抽選処理で特図決定結果が「特図A」や「特図C」である場合には確変フラグと時短フラグの双方をオンに設定する。また、特図決定結果が「特図E」である場合には確変フラグと時短フラグのうち確変フラグのみをオンに設定する。さらに、特図決定結果が「特図B」や「特図D」である場合には確変フラグと時短フラグのうち時短フラグのみをオンに設定するとともにRAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットする。確変フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)である。一方、確変フラグがオンに設定されていない(オフに設定されている)と、特図低確率状態である。したがって、確変フラグの設定状態は、当否判定(特図の抽選)の結果に影響を与える。また、時短フラグがオンに設定されていると電サポ状態であり、電チューが開きやすい(例えば当りやすい)、一回の当りに基づく開放時間が長い、一回の当りに基づく開放回数が多いなど可変始動領域制御が遊技者に有利になるように行われる。反対に、時短フラグがオフに設定されていると非電サポ状態であり、可変始動領域制御が遊技者に不利になるように行われる。したがって、時短フラグの設定状態は、可変始動領域制御にも影響を与える。よって、確変フラグおよび/または時短フラグの設定状態を表す情報は、遊技制御情報の一例に相当し、主制御部300のCPU304は遊技制御情報決定手段の一例に相当する。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。さらに、特図変動遊技の結果がハズレであれば、ハズレフラグがオンされる。このハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。特図非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
ステップS225における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図関連抽選処理(ステップS229)を行う。この特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。上述のごとく、パチンコ機100は入賞順変動機であるため、特図関連抽選処理も、特図始動口への入賞順に実施されることになる。
特図関連抽選処理では、特図についての、当否判定(抽選)の実行、停止表示する特図の決定、ならびに変動時間の決定を行う。特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。特図関連抽選処理では、最初に、所定条件を充足したか否かを判定する。ここでの判定では、まず、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。すなわち、特図表示装置が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には主制御部タイマ割込処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば主制御部タイマ割込処理に戻り、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。当否判定条件についての判定は、RAM308に設けた特図の保留記憶部を参照し、特図変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が0であれば、主制御部タイマ割込処理に戻る。反対に、保留数が1以上であれば、所定の当否判定条件が成立していることになり、RAM308に設けられた特図保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報である1セット分の乱数値(特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、特図1と特図2を合わせて最も過去に格納した始動情報を特図保留記憶部から取り出し、さらに特図保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を特図保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の特図保留記憶部から1セット分の乱数値(特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を取り出す処理を行う主制御部300のCPU304が、始動情報取得手段の一例に相当する。
図36(a)は当否判定用高確率テーブルを示す図であり、同図(b)は当否判定用低確率テーブルを示す図である。これらのテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から始動情報を取り出すと、確変フラグを参照し、確変フラグがオンであれば特図高確率状態であるため、特図当選乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が同図(a)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図当否判定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。一方、確変フラグがオフであれば特図低確率状態であるため、特図当選乱数値が同図(b)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図2当否判定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出することが当否判定に相当する。
次いで、特図当否判定結果に基づいて特図1あるいは特図2の図柄を決定する。
図36(c)は、特図1決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図1決定用テーブルは、当否判定結果ごとに特図1の停止図柄態様(図33(a)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。
主制御部300のCPU304は、特図1当否判定結果が大当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの大当り用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図1決定用テーブル中の、当否判定結果が大当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図1決定結果として「特図A」〜「特図F」を決定する。また、特図1当否判定結果が小当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの小当り用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図1決定用テーブル中の、当否判定結果が小当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図1決定結果として「特図G」または「特図H」を決定する。さらに、特図1当否判定結果がハズレの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちのハズレ用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図1決定用テーブル中の、当否判定結果がハズレのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図1決定結果として「特図I」または「特図J」を決定する。ここで決定した特図1決定結果は、第1特図表示装置212によって停止表示されることになる特図1の図柄態様を表す情報である。
図36(d)は、特図2決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図2決定用テーブルは、当否判定結果ごとに特図2の停止図柄態様(図33(a)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。特図2については、小当りは用意されておらず、2R大当りも用意されていない。すなわち、図33(a)に示す特図の停止図柄態様のうち、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第2ハズレ図柄(特図J)のみが用意されている。したがって、特図1で大当りするよりも、特図2で大当りした方が、出球獲得のチャンスが多く(ラウンド数が多く)、遊技者にとっては有利である。このように、パチンコ機100では、大当りしたときに特図1と特図2で付加価値に差を設けている。なお、大当りしたときに特図1と特図2で、出球獲得数はほぼ同じものの、大当り遊技中の演出やゲーム性(例えば、特図2で大当りしないと出現しないプレミアム演出を設ける)等に差を設けてもよい。ただし、図36(c)に示す特図1決定用テーブルで確変付き大当りに決定される確率は、66%(特図A:50%+特図C:8%+特図E:8%)であり、図36(d)に示す特図2決定用テーブルで確変付き大当りに決定される確率も66%(特図A:66%)であることから確変率は特図1と特図2で同一である。なお、ここでは入賞順変動であり、非電サポ時は左打ち操作により特図1変動遊技と特図2変動遊技が交互に(イレギュラー的な入賞を除いて)行われるが、電サポ状態においては右打ち操作により、特図2変動遊技が主に実行されるゲーム性である。そのため、電サポ中は有利な大当りを獲得しやすいといったゲーム性は一般的な特図2優先変動機となんら変わりはない。
主制御部300のCPU304は、特図2当否判定結果が大当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの大当り用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(d)に示す特図2決定用テーブル中の、当否判定結果が大当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図A」または「特図B」を決定する。また、特図2当否判定結果がハズレの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちのハズレ用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(d)に示す特図2決定用テーブル中の、当否判定結果がハズレのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図I」または「特図J」を決定する。ここで決定した特図2決定結果は、第2特図表示装置214によって停止表示されることになる特図2」の図柄態様を表す情報である。
続いて、特図決定結果に基づいて特図1あるいは特図2の図柄変動表示における図柄変動時間(特図変動時間)を決定する。ここでの変動時間の決定には、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの特図変動時間決定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が用いられる。
図37(a)は、特図1変動時間決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図1変動時間決定用テーブルは、テーブル1〜4で構成されており、テーブル1は特図1決定結果が15Rの大当り図柄(特図A,B)であったときに用いられるテーブルであり、テーブル2は特図1決定結果が2R大当り図柄(特図C〜特図F)や小当り図柄(特図G,H)であった場合に用いられるテーブルであり、テーブル3又は4は特図1決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であったときに用いられるテーブルである。
テーブル1〜4の各テーブルは、変動時間と、特図1変動時間決定用乱数値の乱数選択範囲との対応関係が規定されている。また、この図37(a)に示す各テーブルには、各変動時間に対応した装飾図柄表示装置208における演出態様を表す変動パターンの名称も参考までに示されている。特図の変動時間と装飾図柄表示装置208の演出態様は、1対1に対応付けられている。主制御部300が、特図の変動時間に対応した装飾図柄表示装置208の演出態様まで決定してもよいが、ここで決定された変動時間を表す情報を、第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が、変動時間に対応した装飾図柄表示装置208における演出態様を決定する。ここでは、10種類の変動パターンが用意されている。これらの変動パターンには、リーチ演出を伴う変動パターンと、リーチ演出を伴わない変動パターンとがある。ここでは、リーチ演出として、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、およびスーパーリーチBが用意されている。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図31に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態(リーチ状態)のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図33(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。
スーパーリーチAやスーパーリーチBは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたリーチの一種であり、特定キャラクタが登場する。
図37(b)はリーチAで登場するキャラクタを示す図であり、同図(c)はリーチBで登場するキャラクタを示す図である。
詳しくは後述するようにリーチ状態で中図柄表示領域208bに、リーチAでは図37(b)に示す商人のキャラクタが登場し、リーチBでは同図(c)に示す殿様のキャラクタが登場する。
なお、スーパーリーチとしては、ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等が知られており、さらには、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等のスペシャルリーチも知られている。本明細書で単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチとスペシャルリーチを含んだ装飾図柄の変動態様を意味する。このリーチは、特図の当否判定(抽選)の結果が当りの判定結果になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に予告する演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。リーチなしは、特図の変動時間が相対的に短く、スーパーリーチは特図の変動時間が相対的に長く、ノーマルリーチは特図の変動時間がリーチなしとスーパーリーチの間の時間になる。
特図1決定結果が特図Aあるいは特図Bであった場合(テーブル1参照)には、ともに電サポ付きの15Rの大当り図柄であり、テーブル1に示すように、65秒の最長変動時間が最も選ばれやすく、15秒の変動時間が最も選ばれにくい。なお、この場合には、装飾図柄表示装置208ではリーチ演出が行われる。
特図1決定結果が2R大当り図柄(特図C〜特図F)や、小当り図柄(特図G,H)であった場合(テーブル2参照)には、一律に12秒の変動時間が選ばれる。なお、この場合には、装飾図柄表示装置208ではリーチなしの変動後に停止表示された装飾図柄の組合せ(装飾図柄の組合せ3,装飾図柄の組合せ4)を一旦消灯させる、いわゆるチャンス目全消灯が行われる。
特図1決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であった場合には、電サポ状態であるか否かと、特図1の保留数とに応じて使用されるテーブルが異なる。主制御部300のCPU304は、時短フラグと、RAM308に記憶されている特図1の保留数を参照して、使用するテーブルを決定する。
特図1決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、非電サポ状態かつ特図1の保留数が3である場合には、テーブル3を使用する。この場合には、特図1の消化を早めるため、3秒の短い変動時間が選択される確率が高く、3秒の変動時間が選択されると、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われず、短縮変動が行われることになる。
特図1決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、非電サポ状態かつ特図1の保留数が0〜2である場合あるいは電サポ状態である場合(保留数は無関係)には、テーブル4を使用する。テーブル4に示すように、8秒の変動時間(リーチなしのハズレ)が高確率で選択され、低確率ではあるが、10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択されることがある。10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択された場合には、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われる。
以上説明した特図1変動時間決定用テーブルを用いて、特図1変動時間は決定される。
図38は、特図2変動時間決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図2変動時間決定用テーブルは、テーブル5〜8で構成されており、テーブル5は、特図2決定結果が15Rの大当り図柄(特図A,B)であったときに用いられるテーブルであり、図37(a)に示すテーブル1の内容と同じ内容である。テーブル6は、特図2決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、電サポ状態かつ特図2の保留数が1〜3である場合に用いられるテーブルである。テーブル6では、電サポ状態であり、特図2の消化を早めるため、1.5秒の最短変動時間が一律に選ばれ、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われず、超短縮変動が行われることになる。テーブル7は、特図2決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、電サポ状態かつ特図2の保留数が0である場合に用いられるテーブルである。テーブル7では、特図2の保留を貯めるため、ある程度長めの8秒の変動時間が一律に選ばれ、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われない。テーブル8は、特図2決定結果がハズレ図柄(特図I,J)であって、非電サポ状態である場合に、特図2の保留数に関わらず用いられるテーブルである。非電サポ状態で第2特図始動口232への入賞があった場合は、普図低確率状態のもと普図変動遊技に当選したという稀なケースになる。テーブル8では、特図2の変動時間を短縮したり超短縮することなく、8秒の変動時間(リーチなしのハズレ)が高確率で選択され、低確率ではあるが、10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択されることがある。10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択された場合には、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われる。
以上説明した特図2変動時間決定用テーブルを用いて、特図2変動時間は決定される。
ステップS229の特図関連抽選処理に続いて行われるステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(例えば、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、特図変動時間を表す情報などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、現在の保留数を表す情報などを含み、入賞演出開始コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、特図変動時間を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド入賞演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。入演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その入演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に入賞演出制御コマンドを送信する。入賞演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、装飾図柄表示装置208に、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する画像を所定のオープニング演出期間(例えば3秒間)表示させ、大当り遊技が開始する。
上述の一般コマンド終了演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。終了演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その終了演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に終了演出制御コマンドを送信する。終了演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、装飾図柄表示装置208に大当りを終了することを遊技者に報知する画像を所定の終了演出期間(例えば3秒間)表示させ、大当り遊技が終了する。
上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報、事前判定した特図1あるいは特図2の情報を設定する。
さらに、このステップS215では一般コマンド普図保留増加処理も行われる。この一般コマンド普図保留増加処理では、普図保留増加コマンドのコマンドデータに、制御状態を表す情報等を設定する。また、主制御部300から第1副制御部400には、普図絡みのコマンドとして、普図の変動表示が開始した(する)ことを表す普図変動開始コマンドも送信される。なお、主制御部300から第1副制御部400には、普図の変動表示が停止した(する)ことを表す普図変動停止コマンドや、一対の羽根部材2321が開放を開始した(する)ことを表す電チュー開放開始コマンドや、一対の羽根部材2321が閉鎖した(する)ことを表す電チュー閉鎖コマンドを送信するようにしてもよい。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
また、このコマンド設定送信処理では、図32に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
次に、図35に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップS235)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップ205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、図32に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して第1副制御部400に出力する。
ステップS239では、電源の遮断(電断)を検出したか否かを判定するために、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進み、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進む。
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行い、その後、図34に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断時処理を行い、その後、図34に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図39を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図32に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。このコマンド処理では、復電時サブ側フラグ設定処理等が行われるが、詳細については後述する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。また、この演出制御処理では、始動入賞時サブ側先読み予告実行処理、および変動開示時サブ側予告処理も行われる。これらの各処理については詳しくは後述する。
ステップS311では、図29に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224(図32参照)の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
次に、図39(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図39(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
次に、図39(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図39(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(例えば、2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図39(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
<第2副制御部500の処理>
第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行する。第2副制御部500には、装飾図柄表示装置208に画像を表示する画像制御部が接続されている。この画像制御部は、VRAM(ビデオRAM)およびGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を有する。GPUは、第2副制御部500のROMに記憶された絵柄情報等を第2副制御部500のCPUからの信号に基づいて読み出してVRAMの表示領域(ワークエリア)を使用して表示画像を生成し装飾図柄表示装置208に画像を表示する。
より具体的に説明すると、第2副制御部500のCPUは、最初に、画像データの転送指示を行う。ここでは、まず、VRAMの表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPUは、GPUのアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROMの転送元アドレス)、VRAM座標(VRAMの転送先アドレス)などを設定した後、ROMからVRAMへの画像データの転送開始を指示する命令を設定する。GPUは、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROMからVRAMに転送する。その後、GPUは、転送終了割込信号をCPUに対して出力する。
次いで、GPUからの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPUは、VRAMに転送した画像データに基づいてVRAMの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAMの座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をGPUに指示する。GPUはアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。一方、GPUからの転送終了割込信号が未入力の場合は、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
続いて、描画指示を行う。この描画指示では、CPUは、GPUに画像の描画開始を指示する。GPUは、CPUの指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
描画指示が行われると、画像の描画終了に基づくGPUからの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が未入力の場合には、生成終了割込み信号が入力されるのを待ち、生成終了割込み信号が入力された場合には、RAMの所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタを、インクリメント(+1)して処理を終了する。
<特図先読み処理>
次いで、図35に示す主制御部タイマ割込処理における特図先読み処理(ステップS224)について詳述する。
図40は、特図先読み処理のうち特図2に関する処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300のCPU304は、RAM308の時短フラグを参照し、電サポ中か否かを判定する(ステップS224a)。時短フラグがオフ状態にあり非電サポ中であった場合には、特図1に関する処理のステップS224iに進み、時短フラグがオン状態にあり電サポ中であった場合には、ステップS224bに進む。ステップS224bでは、第2特図始動口(第2特図可変始動口232あるいは第2特図固定始動口233)に入賞があったか否かを判定する。ここでの判定では、RAM308の特図2の保留記憶部における保留が増加したか否かを判定することによって実行される。すなわち、特図2の保留記憶の上限数(ここでは4個)以内になる第2特図始動口への入賞があったか否かを判定する。ステップS224bにおける判定で入賞があった(特図2の保留数増加)と判定されればステップS224cへ進み、入賞がなかったと判定されれば特図先読み処理は終了になる。
ステップS224cでは、まず、RAM308に設けられた特図2の保留記憶部から、先の入賞受付処理(ステップS217)で取得した1セットの始動情報を先読みする。すなわち、第2特図始動口への入賞を契機にして、その入賞に基づいて生成された始動情報を先読みする。したがって、最も新しい始動情報が、当該始動情報に基づく当否判定(特図関連抽選処理)が行われる前に先読みされる。この先読みを行う主制御部300のCPU304が始動情報先読み手段の一例に相当する。ここでの先読みは、入賞分(保留増加分)だけを先読みしたが総てを先読みしてもよい。なお、ここでの先読みとは始動情報を当否判定(本抽選)の前に先に読むことを意味するが、以降の説明では、先読みという言葉を、先(当否判定(本抽選)の結果)を読むという意味で使用することがある。
主制御部300のROM306には、図36(a)に示す当否判定用高確率テーブルの内容と同じ内容の事前判定用高確率テーブルや、同図(b)に示す当否判定用低確率テーブルの内容と同じ内容の事前判定用低確率テーブルが用意されている。ステップS224cでは、確変フラグを参照し、事前判定用高確率テーブルと事前判定用低確率テーブルのうちのいずれか一方のテーブルを選択し、選択したテーブルを用いて、先読みした始動情報のうちの特図2当選乱数値に基づいて当否判定の結果が大当りの当否判定結果(特定の当否判定結果)になるか否かを事前判定する。すなわち、第2特図始動口への入賞を契機にして、その入賞に基づいて生成された始動情報に基づく当否判定結果が大当りの当否判定結果になるか否かを事前判定する。したがって、この事前判定は、当該始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前、すなわち当該始動情報に基づく図柄変動表示が開始される前に実行され、この事前判定を行う主制御部300のCPU304が事前判定手段の一例に相当し、ここで事前判定した結果は特図2当否事前判定結果として扱われる。
事前判定の結果が大当りの当否判定結果であれば、ステップS224eに進む。一方、大当りの当否判定結果でなければ、ステップS224gに進む。
主制御部300のROM306には、図36(d)に示す特図2決定用テーブルの内容と同じ内容の特図2事前判定用テーブルも用意されている。その特図2事前判定用テーブルを用いて、ステップS224eでは、先読みした始動情報のうちの大当り用特図2乱数値に基づいて大当り図柄の事前判定を行い、ステップS224gでは、ハズレ用特図2乱数値に基づいてハズレ図柄の事前判定を行う。ステップS224eおよびステップS224gにおける特図の事前判定も、先読みした始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前、すなわち当該始動情報に基づく図柄変動表示が開始される前に実行され、ここで事前判定した結果は特図2事前判定結果として扱われる。
ステップS224eおよびステップS224gに続いて、ステップS224hが実行される。主制御部300のROM306には、図38に示す特図2変動時間決定用テーブルの内容と同じ内容の特図2変動時間事前判定用テーブルも用意されている。この特図2変動時間事前判定用テーブルを用いて、ステップS224hでは、先読みした始動情報のうちの特図2変動時間決定用乱数値に基づいて特図の変動時間の事前判定を行う。ステップS224hにおける変動時間の事前判定も、先読みした始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前、すなわち当該始動情報に基づく図柄変動表示が開始される前に実行され、ここで事前判定した結果は特図2変動時間事前判定結果として扱われる。なお、変動時間に代えて、装飾図柄表示装置208における演出態様(変動パターン)を事前判定してもよい。また、演出態様をグループ分けしておき、例えば、「はずれ・ノーマルリーチハズレ」のグループか「リーチAはずれ・リーチBハズレ」のグループかのみを抽選するようにしてもよい。あるいは、「ノーマルリーチ当り、ノーマルリーチハズレ、リーチA当り、リーチB当り、リーチA当り、リーチB当り」のリーチ演出のグループに属するか、「超短縮ハズレ、短縮ハズレ、ハズレ、チャンス目全消灯」のリーチなしのグループに属するかを事前判定するにとどめてもよい。
ステップS224hの実行が完了すると、特図2に関する処理は終了になり、特図1に関する処理へ進む。
図41は、特図先読み処理のうち特図1に関する処理の流れを示すフローチャートである。
特図1に関する処理(ステップS224i〜ステップS224o)は、特図2に関する処理(ステップS224b〜ステップS224h)に、小当り用特図1乱数値に基づいて小当り図柄の事前判定を行うステップS224mが加えられた処理と同じ処理であるため、ここでは説明を省略するが、この特図1に関する処理では、特図1の保留記憶部から、先の入賞受付処理(ステップS217)で取得した1セットの始動情報を先読みし、特図1当否事前判定結果、特図1事前判定結果、および特図1変動時間事前判定結果を得る。
こうして得られた、特図1又は2当否事前判定結果(特図当否事前判定結果)、特図1又は2事前判定結果(特図事前判定結果)、および特図1又は2変動時間事前判定結果(特図変動時間事前判定結果)は、RAM308の所定領域に事前判定情報として特図1と特図2とに分けて上記所定の上限数だけ保留順に記憶される。そして、新たに記憶された事前判定情報(特図当否事前判定結果,特図事前判定結果,特図変動時間事前判定結果)は、事前判定した特図1あるいは特図2の情報として特図保留増加コマンドのコマンドデータに含められ、主制御部300から第1副制御部400に送信される。
主制御部300は、以上説明した特図先読み処理を実行した後、特図関連抽選処理を実行し、特図先読み処理で対象になった先読みした始動情報と同じ始動情報に基づいて、特図当否判定結果、特図決定結果、および特図の変動時間を改めて得る。
なお、主制御部300は特図事前判定結果や特図変動時間事前判定結果まで得ているが、主制御部300ではこれらの事前判定結果を得ずに、先読みした始動情報を特図保留増加コマンドのコマンドデータに含めて第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が、必要に応じて、特図事前判定結果や特図変動時間事前判定結果を得る態様であってもよい。
<始動入賞時サブ側先読予告実行処理>
次いで、図39(a)に示す第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される始動入賞時サブ側先読予告実行処理について詳述する。
図42は、始動入賞時サブ側先読み予告実行処理の流れを示すフローチャートである。
図42に示す始動入賞時サブ側先読予告実行処理は、コマンド設定処理(ステップS307)において特図保留増加コマンドを受信したと判定された第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される。第1副制御部400のRAM408には、先読み実行中フラグも用意されており、まず、ステップS3091bでは、その先読み実行中フラグがオンに設定されているか否かを判定し、オンに設定されていればステップS3091hへ進み、オフのままであればステップS3091cに進む。
上述のごとく、特図保留増加コマンドのコマンドデータには、事前判定した特図1あるいは特図2の情報として、特図当否事前判定結果、特図事前判定結果、および特図変動時間事前判定結果が含められている。ステップS3091cでは、先のコマンド設定処理(ステップS307)において受信したと判定した特図保留増加コマンドに含まれている特図変動時間事前判定結果が所定の変動時間か否かを判定し、所定の変動時間でなければステップS3091hへ進み、所定の変動時間であればステップS3091dに進む。特図保留増加コマンドに含まれていた特図変動時間事前判定結果は、RAM408に用意された事前判定結果記憶領域に事前判定情報として特図1と特図2とに分けて上記所定の上限数だけ保留順に記憶される。
図43は、第1副制御部400のROM406に記憶されている保留変化予告抽選テーブルを示す図である。
ここにいう所定の変動時間は、この図43に示すテーブルに規定されている変動時間であり、装飾図柄表示装置208においてリーチ演出が行われることになる変動時間(10秒、40秒、60秒、15秒、45秒、65秒)が相当する。なお、このテーブルには装飾図柄表示装置208における演出態様も示されている。
装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dの左側には、特図1保留表示領域が用意されており、その右側には特図2保留表示領域が用意されている。特図1保留表示領域には、特図1の保留記憶部に記憶されている1セットの始動情報に対応する保留表示が、特図1の保留記憶部に始動情報が記憶された順(入賞順)に古いものから順番に左側から並べて表示される。特図2保留表示領域には、特図2の保留記憶部に記憶されている1セットの始動情報に対応する保留表示が、特図2の保留記憶部に始動情報が記憶された順(入賞順)に古いものから順番に左側から並べて表示される。保留表示の数は保留数に相当する。この保留表示におけるデフォルトの表示態様は、丸い図形を無模様かつ一色で表示する態様になり、第一の態様の一例に相当する。第1副制御部400は、特図保留増加コマンドを受信する度に、第2副制御部500に、後述するステップS3091hにおいて保留増加コマンドを送信し、第2副制御部500は、その保留増加コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208を制御し、保留表示の数を1つ増加させる。一方、第1副制御部400は、保留消化の合図となる図柄変動開始コマンドを受信する度に第2副制御部500に保留減少信号を送信し、第2副制御部500は、その保留減少信号に基づいて、装飾図柄表示装置208を制御し、保留表示の数を1つ減少させる。なお、第1副制御部400は、特図保留増加コマンドを受信する度に、RAM408に用意された事前判定結果記憶領域に記憶されている事前判定結果に対応した1又は複数の保留表示を、今回受信した特図保留増加コマンドに含まれている特図変動時間事前判定結果に基づく時間だけ表示させる表示指示信号を第2副制御部500に送信し、その時間が経過すると、当該保留表示が消えるようにしてもよい。
保留表示は始動保留表示の一例に相当し、第1副制御部400と第2副制御部500と装飾図柄表示装置208を併せたものが始動保留表示手段の一例に相当する。
また、始動保留表示は、各保留表示領域ごとに、古い始動情報から左側に詰めて表示される。このため、特図2保留表示領域に2つの保留表示が表示されている状態で、保留(以下、古い方の保留と称する)が消化されると、古い方の保留に対応した保留表示は消え、新しい方の保留に対応した保留表示が、古い方の保留に対応した保留表示が表示されていた位置に繰り上がって表示されたように見える。すなわち、新しい方の保留に対応した保留表示が左方向にシフトしたように見える。
また、図43に示す保留変化予告抽選テーブルには、変化なし、保留A、保留B、図32に示す演出可動体ごとに乱数範囲が規定されている。ここでは、主制御部300の行った事前判定結果に基づいて、保留表示の表示態様を使った先読み予告や演出可動体224を駆動させて行う先読み予告を行う。これらの先読み予告は、図35に示す特図関連抽選処理(ステップS229)が実行される前(当否判定が行われる前)、すなわちに、予告対象になる当否判定の結果を報知するための特図の図柄変動表示が開始される前に当該特図関連抽選処理で行われる当否判定の結果(予告対象になる当否判定の結果)が大当り(ここではより限定して15Rの大当り(15R特別大当りか15R大当り))になることを予告するための報知である。ここでの先読み予告には、事前判定結果が15Rの大当りでなくても、15Rの大当りになるかのように偽りで予告する偽の先読み予告も含まれる。すなわち、先読み予告は、当否判定の結果が15R大当りになる可能性があることを表したり、遊技者に示唆する事前報知、あるいは当否判定の結果が15R大当りになることを遊技者に期待させる事前報知であるといえる。
図43に示す“変化なし”とは、先読み予告を実行しないことを表し、保留表示がデフォルトの表示態様のまま表示される。保留Aおよび保留Bはいずれも、先読み予告を兼ねた保留表示の表示態様である。保留Aの表示態様(例えば、四角形の図形を緑色で表示する態様)や保留Bの表示態様(例えば、三角形の図形を赤色で表示する態様)は第二の態様の一例に相当する。
また、可動体予告は、図32に示す演出可動体224が所定の動作を行う先読み予告である。
図43に示す保留変化予告抽選テーブルでは、例えば、偽の先読み予告になる10秒の変動時間(ノーマルリーチハズレ)では、先読み予告が実行されない確率の方が先読み予告が実行される確率よりも高く、真の先読み予告になる65秒の変動時間(リーチB当り)では、先読み予告が実行される確率の方が実行されない確率よりも高い。すなわち、下に行くほど先読み予告が行われる確率が高くなるように乱数範囲が振り分けられている。また、先読み予告の出現率としては、保留表示の表示態様の変化による先読み予告(保留A,保留B)の方が、演出可動体による先読み予告よりも高い。さらに、保留表示の表示態様は、保留Aよりも保留Bの方が信頼度が高い。
ステップS3091dでは、先読み予告の、図43に示す抽選テーブルを用いた抽選処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、ステップS3091dを実行するタイミングで、RAM408から専用乱数(取り得る範囲は0〜99)を取得し、取得した専用乱数に基づき抽選を行う。図43に示す抽選テーブルを用いた抽選は、特図始動口(230,232)への入賞を契機にした抽選であって、先読み予告実行可否の抽選、および先読み予告を行う場合には複数種類の予告態様の中から1種類の予告態様を選択するための抽選になる。
なお、入賞時の保留数を確認せずにステップS3091dにおける抽選を行っているが、さらに保留数を確認して振り分けを変えるようにしてもよい。こうすることで入賞時の保留記憶数によっても信頼度が変化し、遊技の興趣が向上する場合がある。
ステップS3091dに続いて実行されるステップS3091eでは、ステップS3091dにおける先読み予告の抽選に当選したか否かを判定する。ここにいう当選とは、予告実行可否の抽選の当選であり、先読み予告を行うことに当選したことを意味する。すなわち、保留表示をデフォルトの表示態様のまま表示し、かつ演出可動体224に所定の動作を行わせない場合には不当選であって、保留表示の表示態様を変化させるか、あるいは演出可動体224に所定の動作を行わせる場合が当選に相当する。不当選(先読み予告を行わない)であればステップS3091hへ進み、当選(先読み予告を行う)であれば、先読み予告の実行回数の設定を行い(ステップS3091f)、ステップS3091gに進む。ここでは、1回の特図の図柄変動表示単位で先読み予告の実行回数を設定し、ここでは、RAM408に用意された実行回数設定領域に、保留数と同じ数を実行回数として設定する。
ステップS3091gでは、RAM408に用意された先読み実行中フラグをオンに設定する。先読み実行中フラグは、図43に示す抽選テーブルを用いた抽選に基づく先読み予告の実行可否を定めるフラグであり、この先読み実行中フラグがオンに設定された状態は、図43に示す抽選テーブルを用いた抽選結果に基づいて先読み予告が行われる状態である。なお、先読み予告を行うか否かのみを別抽選で行い、当選した場合のみ、先読み予告の報知態様(保留表示の表示変化態様、可動体動作)の抽選を行ってもよい。
次いで、保留増加コマンドを第2副制御部500に出力し(ステップS3091h)、この始動入賞時サブ側先読み予告実行処理は終了になる。ここでの保留増加コマンドは、先読み予告の実行の可否、先読み予告を実行する場合にはその報知態様を指定するコマンドである。第2副制御部500は、その保留増加コマンドに基づいて装飾図柄表示装置208を制御し、装飾図柄表示装置208には保留表示が一つ増加する。保留増加コマンドに、保留表示の表示態様を保留Aあるいは保留Bに変化させることが含まれていれば、増加する保留表示は、表示態様をデフォルトの表示態様から変化させて表示される。
<変動開始時サブ側予告実行処理>
次いで、図39(a)に示す第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される変動開始時サブ側予告実行処理について詳述する。
図44は、変動開始時サブ側予告実行処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS3092aでは、RAM408に用意された先読み実行中フラグがオンに設定されているか否か判定する。ここでは、先読み実行中フラグがオンに設定された状態は、図43に示す抽選テーブルを用いた抽選に基づく先読み予告が行われている状態である。先読み実行中フラグがオフのままであればステップS3092fへ進み、先読み実行中フラグがオンに設定されていればステップS3092bに進む。ステップS3092bでは、RAM408に用意された実行回数設定領域の値を1減算し、次いで、実行回数設定領域の値が0になったか否かを判定する(ステップS3092c)。実行回数設定領域の値が0になっていればステップS3092eへ進み、0になっていなければステップS3092fに進む。
ステップS3092eでは、先読み実行中フラグをオフに設定し、ステップS3092fへ進む。
ステップS3092fでは、通常共通予告の抽選処理を行う。ここにいう通常共通予告には、例えば、装飾図柄表示装置208における図柄変動表示中に実行されるリーチ演出前に、特定のキャラクタを登場させ、この後リーチ演出に発展することを予告する演出が相当する。この通常共通予告の抽選処理では、不図示の抽選テーブルを用いて所定の専用乱数に基づいた抽選処理が行われ、当否判定結果、および装飾図柄表示装置208における演出態様に応じて、通常共通予告実行の可否、および通常共通予告を行う場合には複数種類の予告態様の中から1種類の予告態様を選択するための抽選が行われる。次いで、通常予告のコマンドを第2副制御部500に送信する(ステップS3092g)。装飾図柄表示装置208には、この通常予告のコマンドに基づいて通常予告の表示が行われる。ステップS3092gの実行が完了すると、この変動開始時サブ側予告実行処理は終了になる。
以上説明した、図42に示す始動入賞時サブ側先読予告実行処理、図44に示す変動開始時サブ側予告実行処理を実行する第1副制御部400、第2副制御部500、および装飾図柄表示装置208を併せたものが、予告手段の一例に相当する。
続いて、図31に示すステージ244について詳述する。
図45は、図31に示すステージ244を表側から示す斜視図である。
この図45では、紙面左斜め手前側が表側(前側)になり、紙面右斜め奥側が裏側(後側)になる。図31を用いて説明したように、ステージ244は、中央にステージ入賞領域2441を有する。また、左側に、第一の通路2442および第一小ステージ2444を有する。一方、右側には、第二の通路2443および第二小ステージ2445を有する。このステージ244は、ステージ入賞領域2441の中央を上下に通る鉛直線を基準にした線対称の形状である。すなわち、ステージ244は正面視左右対称である。また、この図45には、ステージ244が有する、左側の第一の誘導通路2446および右側の第二の誘導通路2447も示されている。これら第一の誘導通路2446および第二の誘導通路2447は、誘導手段の一例に相当する。さらに、この図45には、いわゆる電チューである第2特図可変始動口232も示されている。この第2特図可変始動口232は、第一小ステージ2444と第二小ステージ2445との間に示されている。
一方、図45では、図31に示す遊技盤200は図示省略されている。すなわち、図45には、遊技盤200に取り付けられる前のステージ244が示されている。第一小ステージ2444および第二小ステージ2445それぞれの裏面側には、遊技盤取付部244aが設けられており、第一小ステージ2444および第二小ステージ2445は、この遊技盤取付部244aがここでは不図示の遊技盤表面にネジ止めされることで、遊技盤200に取り付けられる。遊技盤取付部244aには、遊技盤表面へのネジ止め用の孔244bも示されている。また、ステージ入賞領域2441の裏面側にも、ネジ止め用の孔244cが形成された遊技盤取付部244dが設けられており、ステージ入賞領域2441も、この遊技盤取付部244dが遊技盤表面にネジ止めされることで、遊技盤200に取り付けられる。
反対に、第一の通路2442の表側面2442aや第二の通路2443の表側面2443aは、遊技盤裏面に当接する。これら第一の通路2442および第二の通路2443それぞれの上流端とステージ入賞領域2441は、連絡通路2440によってつながっている。すなわち、連絡通路2440は、遊技盤200の厚み分の長さをもった通路である。また、第一の誘導通路2446および第二の誘導通路2447も、遊技盤200の厚み分の長さをもった通路である。
さらに、図45には、第一小ステージ2444の右側壁2444rに設けられた開口と、第二小ステージ2445の右側壁2445rに設けられた開口も示されている。これらの開口は、図45から明らかなように、水平方向に開口した横孔であり、各小ステージ内部につながっている。上述のごとく第一小ステージ2444の右側壁2444rに設けられた開口は第1特図始動口230に相当し、第二小ステージ2445の右側壁2445rに設けられた開口は第2特図固定始動口233に相当する。なお、この図45では、第一小ステージ2444の左側壁や、第二小ステージ2445の左側壁が見えないが、各左側壁にも、右側壁2444r,2445rと同様な開口が設けられ、第1特図始動口230、あるいは第2特図固定始動口233に相当する。
ここで、第1特図始動口230および第2特図固定始動口233はともに、水平方向に開口しているが、釘や役物等の盤面構成により適宜形状は変更可能である。また、第1特図始動口230および第2特図固定始動口233はともに、左右両側に開口しているが、少なくとも一方側が開口していればよい。さらに、第1特図始動口230および第2特図固定始動口233は、遊技球の直径の大きさを最低限有していればよい。つまり、物理的に遊技球が通過可能な大きさでさえあればよく、役物や遊技釘238の盤面構成等によっては、実際にはほとんど入賞(通過)しないものであってもよい。
また、ステージ244は、第一の案内通路と第二の案内通路も有する。この図45では、第一の案内通路も第二の案内通路も、第一小ステージ2444の遊技盤取付部244によって見えないが、第一の案内通路は、第1特図始動口230から遊技盤200の裏側へ遊技球を案内可能な通路であり、第二の案内通路は、第2特図固定始動口233から遊技盤200の裏側へ遊技球を案内可能な通路である。
以上説明した、連絡通路2440、ステージ入賞領域2441、第一の通路2442、第二の通路2443、第一小ステージ2444、第二小ステージ2445、第一の誘導通路2446、第二の誘導通路2447、第一の案内通路、および第二の案内通路は、いずれも透明部材である。また、ステージ入賞領域2441、第一小ステージ2444、および第二小ステージ2445は、ここでは不図示の遊技盤表面よりも表側(前側)に露出する部材であり、連絡通路2440、第一の通路2442、第二の通路2443、第一の誘導通路2446、第二の誘導通路2447、第一の案内通路、および第二の案内通路は、遊技盤表面よりも裏側(後側)になる部材である。ステージ244は、遊技盤表面よりも前側に露出する部材と、後側になる部材が、遊技盤200を介して一体に組み立てられたものである。
図46は、図45に示すステージを裏側から示す斜視図である。
この図46では、紙面左斜め奥側が表側(前側)になり、紙面右斜め手前側が裏側(後側)になる。
ステージ244は、連絡通路2440の下流側(裏側)部分に振分部材70を有する。図46では、その振分部材70が示されている。振分部材70は、遊技盤の裏側に配置されたものであるが、この振分部材70の詳しい説明については後述する。
また、図46に示す、第一小ステージ2444および第二小ステージ2445それぞれの遊技盤取付部244aの裏面には、ここでも不図示の遊技盤との位置決めに用いられるボス244eが示されている。なお、ステージ入賞領域2441の遊技盤取付部244dの裏面にも、図46では見えないが位置決め用のボスが設けられている。、遊技盤表面よりも前側に露出する部材(2441,2444,2445)は、これらのボス244eによって遊技盤200に位置決めされた上で、図45に示すネジ止め用の孔244b,244cにネジを通して、遊技盤に固定される。
なお、この図46では、第一の案内通路2448および第二の案内通路2449が図示されている。
次に、ステージ244内における遊技球の流下について詳しく説明する。
図47(a)は、遊技盤200に取り付けられたステージ244を側方から見た図である。
この図47では、左側が表側(前側)になり、右側が裏側(後側)になる。
図47(b)は、同図(a)に示すA−A断面の正面図であり、同図(c)は、A−A断面の斜視図である。同図(b)および同図(c)に示す左下がりのハッチングが施された面はA−A断面になる。また、同図(b)および同図(c)には、遊技球Bが示されており、その遊技球Bの流下経路の一例が点線で表されている。
図47(b)および図47(c)には、振分部材70が示されている。ステージ入賞領域2441に進入した遊技球Bは、図45等に示す連絡通路2440を通って、遊技盤200の裏面200y側(裏側)に到達し、振分部材70によって、第一の通路2442に向かう第一の方向と第二の通路2443に向かう第二の方向のいずれか一方の方向に交互に1球ずつ振り分けられる。すなわち、遊技球Bは、第一の通路2442と第二の通路2443のいずれか一方の通路に交互に振り分けられる。第一の通路2442も第二の通路2443も、下方へ傾斜した通路であり、両通路(2442,2443)の形状は同じである。すなわち、両通路の通路長および傾斜角度は同じである。
振分部材70によって第二の通路2443に振り分けられた遊技球Bは、第二の通路2443の傾斜によって第二の通路2443内を流下し、図45に示す第二の誘導通路2447に到達する。すなわち、遊技球Bは、遊技盤200の裏側で流下し、ここでは不図示の第二の誘導通路2447の、遊技盤200の裏側に位置する上流端に到達する。図47(b)では、同図(a)に示すステージ入賞領域2441に進入し、振分部材70によって第二の通路2443に振り分けられ、第二の通路2443を流下して第二の誘導通路2447に到達する前までの遊技球Bの流れが示されている。
図45に示す第二の誘導通路2447は、遊技盤200の裏側を流下してきた遊技球Bを遊技盤200の表側へ一旦誘導可能な通路である。図47(c)では、同図(a)に示すステージ入賞領域2441に進入し、振分部材70によって第二の通路2443に振り分けられ、第二の通路2443を流下して第二の誘導通路2447によって遊技盤200の表側へ誘導されるまでの遊技球Bの流れが示されている。なお、図47(c)に示す第二の通路2443には、第二の誘導通路2447に向けて案内する案内リブ2443bが示されている。
第二の誘導通路2447によって遊技盤200の表側へ誘導されてきた遊技球は、図45に示す第二小ステージ2445に入り込む。ここで、遊技球Bが、第二小ステージ2445に設けられた第2特図固定始動口233から、第二小ステージ2445の内壁に当たる等してステージ244の外に飛び出さなければ、遊技球Bは、図46に示す第二の案内通路2449によって、遊技盤200の裏側へ案内され、その後、遊技島側に排出される。以上を説明をまとめると、ここでの遊技球の流下経路は、ステージ入賞領域2441(遊技盤表側)→連絡通路2440→振分部材70→第二の通路2443(遊技盤裏側)→第二の誘導通路2447→第二小ステージ2445(遊技盤表側)→第二の案内通路2449→遊技島(遊技盤表側)になる。
遊技盤の表側へ誘導された後の遊技球Bを、第2特図固定始動口233が設けられた位置(第二の所定位置)から遊技盤200の裏側へ戻す第二の案内通路2449の、遊技盤200裏側に位置する下流端よりも下流側には、その第二の案内通路2449を流下してきた遊技球Bを検出する第二球検出センサ82が設けられている。図47(c)には、その第二球検出センサ82が図示されている。上述のごとく、第二の案内通路2449を流下してきた遊技球Bには、ステージ入賞領域2441に進入し、振分部材70によって第二の通路2443に振り分けられ、第2特図固定始動口233からステージ244の外に飛び出さなかった遊技球が含まれる。加えて、第2特図固定始動口233からイレギュラー入賞した遊技球も含まれる。
また、図46に示す第一の案内通路2448は、遊技盤の表側へ誘導された後の遊技球Bを、第1特図始動口230が設けられた位置(第一の所定位置)から遊技盤200の裏側へ戻す通路であり、その第一の案内通路2448の、遊技盤200裏側に位置する下流端よりも下流側には、第一の案内通路2448を流下してきた遊技球Bを検出する第一球検出センサ81が設けられており、図47(c)には、その第一球検出センサ81も図示されている。さらに、図47(c)に示す第一の通路2442には、第一の誘導通路2446に向けて案内する案内リブ2442bが示されている。
図48は、図47(a)に示すA−A断面の正面図であり、遊技球Bが第一の通路2442を流下する様子を点線で示した図である。この図48でも、左下がりのハッチングが施された面がA−A断面になる。
この図48では、ステージ入賞領域2441に進入した遊技球Bが、振分部材70によって第一の通路2442に振り分けられ、遊技盤裏側で第一の通路2442を流下している。
続いて、振分部材70について詳述する。
図49は、振分部材70を上方から模式的に示した図である。
連絡通路2440の裏側部分に配置された振分部材70は、中心に設けられた回動軸71を中心に左右に回動するものである。振分部材70の上下には、この回動軸71を回動自在に受ける軸受け部72(図47(c)等も参照)が設けられている。軸受け部も透明部材であるが、図45では振分部材70は図示されていない。この図49では、振分部材70の上方に設けられた軸受け部を省略し、上方から見た振分部材70を示しているが、下方の軸受け部72は図示されている。この下方の軸受け部72には、磁石721が設けられている。
振分部材70には、中央先端部分700よりも第一の通路2442側(図では左側)に第一円弧面701が設けられ、第二の通路2443側(図では右側)に第二円弧面702が設けられている。第一円弧面701および第二円弧面702は、遊技球Bの大きさに応じた円弧面である。また、回動軸71よりも後側(裏側)には反発磁石703が配置されている。この反発磁石703は、下方の軸受け部72に設けられた磁石721と反発するものである。振分部材70は、第一円弧面701をステージ入賞流域2441に向けた遊技球第一受入姿勢と、第二円弧面702をステージ入賞流域2441に向けた遊技球第二受入姿勢との受入姿勢を交互に初期姿勢とするものである。振分部材70の反発磁石703と下方の軸受け部72の磁石721とは、振分部材70の初期姿勢が、図49(a)に示すような、中央先端部分700がステージ入賞流域2441に向いた姿勢になることを防止するためのものである。図49(a)に示す姿勢の振分部材70では、ステージ入賞流域2441から連絡通路2440を通ってきた遊技球Bが中央先端部分700に衝突し、遊技球Bを第一の通路2442にも第二の通路2443にも振り分けられない。すなわち、遊技球Bを左右どちらにも振り分けられず、中央先端部分700に衝突した遊技球Bは、衝突した中央先端部分700によってステージ入賞流域2441側に弾き返されてしまう。パチンコ機100の納品時や遊技店舗の開店時の初期状態のときでも、振分部材70は、2つの磁石(703,721)の反発作用によって、中央先端部分700がステージ入賞流域2441に向いた姿勢になることはない。
一方、図49(b)には、初期姿勢を遊技球第一受入姿勢とした振分部材70が示されている。この図49(b)に示す振分部材70では、中央先端部分700が第二の通路2443側(この図では右側)に寄っており、第一円弧面701がステージ入賞流域2441に向いている。ステージ入賞流域2441から連絡通路2440を通ってきた遊技球Bは、第一円弧面701に衝突し、その弾みで振分部材70は時計回りに回動し始める(同図(c)参照)。すなわち、振分部材70に流下してきた遊技球Bの重さを利用して振分部材70は回動し始める。すると、振分部材70の反発磁石703と下方の軸受け部72の磁石721が一旦揃うが、両磁石(703,721)の反発作用によって、振分部材70はさらに時計回りに回動し、同図(d)に示すように、第一円弧面701が第一の通路2442側に向いた姿勢になり、遊技球Bは第一の通路2442に振り分けられる。同図(d)に示す振分部材70は、中央先端部分700が第一の通路2442側(この図では左側)に寄っており、第二円弧面702がステージ入賞流域2441を向いている。この振分部材70の姿勢は遊技球第二受入姿勢である。第一の通路2442への振り分けを行った振分部材70は、この遊技球第二受入姿勢で、ステージ入賞流域2441から連絡通路2440を通ってくる次の遊技球を待つ。
ステージ入賞流域2441から連絡通路2440を通ってきた次の遊技球(不図示)は、図49(d)に示す振分部材70の第二円弧面702に衝突し、その弾みで振分部材70は反時計回りに回動するとともに、振分部材70の反発磁石703と軸受け部72の磁石721の反発作用が伴って、第二円弧面702が第二の通路2443側に向いた姿勢になり、遊技球は第二の通路2443に振り分けられる。第二円弧面702が第二の通路2443側に向いた姿勢は、図49(b)に示す遊技球第一受入姿勢であり、第二の通路2443への振分を行った振分部材70は、この遊技球第一受入姿勢で、ステージ入賞流域2441から連絡通路2440を通ってくるその次の遊技球(不図示)を待つ。
以上説明したように、振分部材70は、初期姿勢を遊技球第一受入姿勢と遊技球第二受入姿勢との間で交互に切り替えることで、ステージ入賞流域2441から連絡通路2440を通ってくる遊技球を、第一の通路2442と第二の通路2443に交互に振り分ける。すなわち、振分部材700の初期位置が中央にならず、最初に進入した遊技球を確実にどちらかに振り分けられる。
次いで、誘導通路と案内通路について詳述する。
図50は、図31に示すB−B断面における第二小ステージ付近の部分拡大図である。
この図50でも、図47(a)と同じく、左側が表側(前側)になり、右側が裏側(後側)になる。また、この図にも遊技球Bが示されており、その遊技球Bの流下経路の一例が点線で表されている。
図50には、第二小ステージ2445内部の通路構造が示されている。第二小ステージ2445の内壁には、遊技球案内リブ2445aが設けられており、第二の誘導通路2447によって第二小ステージ2445へ誘導された遊技球Bは、この遊技球案内リブ2445aに案内されて第二小ステージ2445内を流下する。
この図50では、上述の遊技球の流下経路のうち、第二の通路2443(遊技盤裏側)→第二の誘導通路2447→第二小ステージ2445(遊技盤表側)→第二の案内通路2449の経路が示されている。
また、この図50には、第二の誘導通路2447によって遊技盤200の表側(第二小ステージ2445)へ誘導された遊技球Bが、第二小ステージ2445に設けられた第2特図固定始動口233から飛び出して、ステージ244外に放出される様子を太い矢印で示している。また反対に、図45等に示すステージ入賞領域2441に進入せずに流下してきた遊技球が、第2特図固定始動口233近傍に設けられた遊技釘238によって流下方向を変えられ、第2特図固定始動口233に飛び込む、いわゆるイレギュラー入賞の様子を細い矢印で示している。2つの矢印の太さは、確率の大きさを表しており、パチンコ機100では、放出される確率の方が、イレギュラー入賞する確率よりも高い。なお、小ステージ内壁のリブ構造や、遊技釘238等の盤面構成を変えることで、これらの確率の大小関係を逆にしたり、ほぼ同じにしたりすることができる。
ステージ入賞領域2441に遊技球Bが進入しても、小ステージから放出される可能性があるため、遊技者は、ステージ入賞領域2441に進入した遊技球Bが球検出センサ(81,82)に検出されるまでドキドキしながら遊技球の流れに興味を持つことが可能な場合がある。
なお、ステージ入賞領域2441に進入した遊技球Bは、球検出センサ(81,82)に必ず検出される構成にしてもよい。すなわち、イレギュラー入賞はあるものの、小ステージから放出される可能性を、小ステージ内壁のリブ構造等によってゼロにしてもよい。
この図50から明らかなように、第二の誘導通路2447は、遊技盤200の裏側を流下してきた遊技球Bを遊技盤200の表側へ一旦誘導可能な通路であり、第二の案内通路2449は、第2特図固定始動口233から遊技盤200の裏側へ遊技球を案内可能な通路である。
さらに、図50には、第二の案内通路2449を流下してきた遊技球Bを検出する第二球検出センサ82が示されている。図50に示す第二球検出センサ82は、第二の案内通路2449の、遊技盤200裏側に位置する下流端近傍に設けられている。この第二球検出センサ82は、ほぼ鉛直方向に流下する遊技球が通過したことを検出するセンセである。このように、遊技盤200裏側で遊技球Bを検出可能とすることにより、球検出センサが遊技領域124の露出しないため、表側からの球検出センサに対するゴト行為を防止することが可能な場合がある。ただし、球検出センサを遊技領域(遊技盤表面側)に配設することを禁止するものではない。
以上詳細に説明したステージ244を遊技領域124に設けることにより、遊技の興趣が向上する。また、遊技球Bが第一球検出センサ81あるいは第二球検出センサ82に検出されるまでに、ステージ入賞領域2441と、そのステージ入賞領域2441以外(ここでは、第1特図始動口230や第2特図固定始動口233)とで2つの入賞ルートを持つことが可能であり、入賞への期待を持たせることが可能である。また、遊技球が、第一球検出センサ81と第二球検出センサ82とのうちのいずれの球検出センサに検出されるかにより遊技者に付与可能な特典が異なる場合があり(大当りや時短、確変等の有利度や賞球数に関する有利度)、遊技球Bの流れに興味をもたせることができる場合がある。さらに、振分部材70の構成により特図1と特図2の変動を交互に行うことが可能である。例えば、特図1と特図2のゲーム性(表示演出等)や大当りしたときに付加価値などに差を設けることで遊技の興趣を向上できる場合がある。また、電サポのない場合でも特図1と特図2の合計数の保留分ためることが可能になる。これに付随して、図柄変動表示時間を短くしても保留が残りやすくなり、保留記憶がなかなか上限までたまらないので遊技者に発射を継続させることができる場合がある。さらに、遊技盤200やステージ244を構成する各部材が透明であることにより、遊技盤200裏側を流下する遊技球Bが視認可能になって、遊技の興趣を向上できる場合がある。また、ステージ入賞領域2441に入賞した遊技球Bが、第一球検出センサ81と第二球検出センサ82とのうちのどちらの球検出センサに検出可能とされるか(どちらの特図変動の権利を得る可能性があるか)を遊技者に視認可能とすることができる。さらにまた、第一の通路2442、第二の通路2443は遊技盤200裏側で遊技球Bの通路を形成するものであるため、第2特図可変始動口232(電チュー)等の他の遊技機構成部品の配置を容易に行うことが可能な場合がある。加えて、球通路が、遊技領域124を流下してくる遊技球のジャマになることがない。また、ここでは、入賞順変動を採用しながら、電サポ中は、右打ちによって特図2可変始動口232(いわゆる電チュー)を狙うことで、有利な大当り(特図2大当り)を獲得しやすく、遊技者に特図2優先変動機と変わらない期待を持たせることができる。しかも、振分部材70による振り分けで、非電サポ中でも有利な大当り(特図2固定始動口233への入賞による特図2大当り)を獲得することが可能であり、さらに、電サポ中では、右打ちすることによって有利な大当り(特図2可変始動口232への入賞による特図2大当り)だけを狙うことができ、遊技の興趣が向上する場合がある。
続いて、パチンコ機100における特図入賞について説明する。なお、特に断らない限り、特図入賞はないものとする。
図51は、非電サポ状態(通常状態)で左打ちによって、第1特図始動口230と特図2特図固定始動口233に交互入賞したときの装飾図柄表示装置208の表示画面を段階的に示す図である。
図51(a)に示す装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dの左側には、特図1の保留が2つ貯まっていることを表す2つの特図1保留表示201hが示され、その右側には、特図2の保留が2つ貯まっていることを表す2つの特図2保留表示202hが示されている。この図51(a)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾4−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。
図51(b)では、特図1の図柄変動表示が開始され、特図1保留表示201hが1つ消え、同図(c)では、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾8−装飾0−装飾6」)が停止表示されている。
図51(d)では、今度は特図2の図柄変動表示が開始され、特図2保留表示202hが1つ消える。この特図2の図柄変動表示中に、ステージ入賞領域2441に遊技球が1球進入し、振分部材70によって第一の通路2442に振り分けられ、その遊技球が第一球検出センサ81に検出される。その結果、同図(e)に示す装飾図柄表示装置208では、特図1保留表示201hが一つ増え、特図1保留表示201hの数は合計で2つになっている。やがてリーチ演出(ここではリーチA)に発展する(同図(f)参照)。このタイミングでも、ステージ入賞領域2441に遊技球が1球進入し、振分部材70によって今度は第二の通路2443に振り分けられ、その遊技球が第二球検出センサ82に検出されて、同図(f)に示す装飾図柄表示装置208では、特図2保留表示202hが一つ増えている。この段階における特図2保留表示202hの数は合計で2つである。同図(g)に示す装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208aと右図柄表示領域208cそれぞれには「装飾7」の装飾図柄が停止表示し、中図柄表示領域208bには、リーチAで登場する商人のキャラクタが出現する。そして、同図(d)で開始した特図2の図柄変動表示の終了直前に、ステージ入賞領域2441に遊技球がまた1球進入し、振分部材70によって第一の通路2442に振り分けられ、その遊技球が第一球検出センサ81に検出される。同図(h)に示す装飾図柄表示装置208には、15R特別大当りに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾3−装飾3−装飾3」)が停止表示されている。また、その装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dの、左側には特図1保留表示201hが3つ示され、右側には特図2保留表示202hが2つ示されている。
以上説明したように、ここでのパチンコ機100は入賞順変動であるため、非電サポ状態では特図1と特図2がほぼ交互に入賞し、入賞順で消化されるので、相対的に有利な特図2での大当りとなるか不利な特図1での大当りとなるか変動ごとにドキドキしながら遊技を行うことができる場合がある。
図52は、図51に示す例の続きを示す図である。
図52(a)に示す装飾図柄表示装置208には、図51(h)の段階で大当りした大当り遊技の終了演出画面が示されている。
図52(b)では、大当り遊技が終了し、制御状態が特図高確率普図高確率状態に移行する。すなわち、確変状態かつ電サポ状態に移行する。遊技者は、大当り遊技の間、右側に配置された可変入賞口234を狙うため、左打ちから右打ちに変えている。また、大当り遊技が終了し、電サポ状態に移行したことから、遊技者は、右側に配置された第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)を狙って、右打ちを継続する。図52(b)では、特図1の図柄変動表示が開始され、特図1保留表示201hが1つ消え、同図(c)では、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。
図52(d)では、今度は特図2の図柄変動表示が開始され、特図2保留表示202hが1つ消える。同図(e)では、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾4−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。
図52(f)では、特図1の図柄変動表示が再び開始され、特図1保留表示201hが1つ消える。この特図1の図柄変動表示中に、第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)に遊技球が1球入賞する。同図(g)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。また、その装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dでは、特図2保留表示202hが1つ増え、特図2保留表示202hの数は合計で2つになっている。
図52(h)では、特図2の図柄変動表示が開始され、特図2保留表示202hが1つ消える。
図53は、図52に示す例の続きを示す図である。
図52(h)で開始された特図2の図柄変動表示中に、第2特図可変始動口232に遊技球が2球続けて入賞する。図53(a)に示す装飾図柄表示装置208では、特図2保留表示202hが2つ増えて、特図2保留表示202hの数は合計で3つになっている。同図(b)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾4−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。
図53(c)では、特図1の図柄変動表示が開始され、特図1保留表示201hが1つ消え、特図1の保留数は0になる。この特図1の図柄変動表示中に、第2特図可変始動口232に遊技球が連続して入賞するが、第2特図可変始動口232に遊技球が1球入賞した段階で特図2の保留数は満タンになり、後続の入賞は保留されない。同図(d)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。また、その装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dでは、特図2保留表示202hが1つ増え、特図2保留表示202hの数は合計で4つ(満タン)になっている。
図53(e)では、特図2の図柄変動表示が開始され、特図2保留表示202hが1つ消える。やがてリーチ演出(ここではノーマルリーチ)に発展し(同図(f)参照)、同図(g)に示す装飾図柄表示装置208には、15R大当りに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾6−装飾6−装飾6」)が停止表示されている。ここでの大当りによる大当り遊技が終了すると、制御状態が特図低確率普図高確率状態に移行する。すなわち、非確変状態かつ電サポ状態に移行する。このため、遊技者は、右側に配置された第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)を狙って、依然として右打ちを継続し、電サポ状態が終了するまで、第2特図可変始動口232への入賞に基づく特図2の図柄変動表示が繰り返される。
なお、以上の説明では、先読み予告の実行可否抽選にハズレ、保留変化表示による先読み予告は一度も実行されなかったが、保留表示を用いた先読み予告の実行可否抽選に当選すれば、保留表示の表示態様が先読み予告の表示態様(例えば、三角の図形や四角の図形)に変化する。
続いて、変形例について説明する。以下の変形例の説明では、変更点を中心に、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明する。
図54は、ステージ244における第一の通路2442および第二の通路2443の変形例を示す図である。
上述のごとく、ステージ244は、ステージ入賞領域2441が左右方向中央に配置され、その中心を上下に通る鉛直線を基準にした線対称の形状である。すなわち、第一の通路2442と第二の通路2443の通路長および傾斜角度は同じである。これに対して図54に示す変形例では、ステージ入賞領域2441を、第二の通路2443側寄りにし、両通路2442,2443の形状を異ならせた例である。
図54(a)に示すステージ244は、両通路2442,2443の傾斜角度は同じであるが、通路長が異なる。すなわち、第二の通路2443よりも第一の通路2442の方が通路長が長い。この結果、第一小ステージ2444の方が、第二小ステージ2445よりも下方に配置されることになる。
図54(b)に示すステージ244は、両通路2442,2443の通路長も傾斜角度も異なる。すなわち、同図(a)に示す変形例と同じく、第二の通路2443よりも第一の通路2442の方が通路長が長く、さらにこの例では、第二の通路2443よりも第一の通路2442の方が傾斜角度が大きく、第二の通路2443の方が急な傾斜である。この結果、この変形例でも、第一小ステージ2444の方が、第二小ステージ2445よりも下方に配置されることになる。
なお、第一の通路2442の形状や第二の通路2443の形状は、これらの変形例に限られることなく、遊技盤200に配設されるその他の遊技部品(例えば、可変入賞234や第2特図可変始動口232や遊技釘238)等の盤面構成により適宜変更可能である。さらに、ステージ入賞領域2441から第一球検出センサ81に向う通路(第一の通路2442や第一の誘導通路2446や第一の案内通路2446等)と、第二球検出センサ82に向かう通路(第二の通路2443や第二の誘導通路2447や第二の案内通路2447等)との長さ、流下の傾斜角度、遊技領域124に戻ってくる高さ位置や、小ステージ(2444,2445)に設けられた開口(ここでは、第1特図始動口230と特図2特図固定始動口233)の大きさや位置や形状なども、盤面構成や配設位置により適宜設定可能である。
以上説明したように、ステージ244は、正面視左右対称の形状でなくてもよい。
図55は、ステージ244における第二小ステージ2445の変形例を示す図である。
図55(a)は、第二の案内通路2449を省略し、図50等に示す第二の誘導通路2447によって遊技盤200の表側へ誘導されてきた遊技球Bを遊技領域124にそのまま放出する例である。第二の誘導通路2447の下流端は、上下方向に開口したコ字状の透明なゲート部材244fで覆われており、そのゲート部材244fの下方には、普図始動口(普図始動ゲート)228が設けられている。第二の誘導通路2447の下流端から放出されたは遊技球は、ゲート部材244fの下方開口を通過して、ほとんどが普図始動口228に進入するが、まれに普図始動口228から外れる場合もある。また、ステージ入賞領域2441に進入せずに流下してきた遊技球が、ゲート部材244fの上方開口からゲート部材244fに入り込んで、そのままゲート部材244fを通過し、普図始動口228に進入することもある。普図始動口228に進入した遊技球は、遊技島側に排出されず、遊技領域124をさらに流下する。
図55(b)の変形例は、同図(a)の変形例における普図始動口228に代えて、これまで、第一小ステージ2444と第二小ステージ2445の間に配置されていた第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)を配置した例である。図55(b)に示す第2特図可変始動口232では、閉じた状態の一対の羽根部材2321の間隔をやや広めにし、一対の羽根部材2321が閉じた状態でも遊技球が進入可能にしている。したがって、第二の誘導通路2447の下流端から放出されたは遊技球は、ゲート部材244fの下方開口を通過して、一対の羽根部材2321が閉じた状態でも、ある程度の確率で第2特図可変始動口232に進入可能である。また、図45等に示すステージ入賞領域2441に進入せずに流下してきた遊技球も、ゲート部材244fを通過して、第2特図可変始動口232に進入可能である。この変形例は、個別に配置された第2特図始動口(第2特図可変始動口)と第二小ステージ2445に設けられた第2特図始動口(第2特図固定始動口)とを共通にした例である。
以上説明したように、ステージ244による振り分け先は、第1特図始動口230と第2特図固定始動口233の組合わせでなくてもよく、一般入賞口どうしの組合せであってもよいし、所定の始動口と一般入賞口との組み合わせであってもよい。すなわち、普図始動口、特図始動口、一般入賞口、ワープルート等から任意の組み合わせを採用してもよく、入賞することで所定数の賞球を遊技者に付与可能な一般入賞口部分で振り分けを行ってもよい。例えば、賞球数の異なる一般入賞口、あるいは賞球数が同じ一般入賞口を複数備え、振分部材により入賞順序を調整するような構成であっても良い。また、一方(例えば第一の通路2442経由側)が特図1または特図2の始動口であって、他方を一般入賞口にしてもよい。この場合は、入賞領域への遊技球の入賞約2回につき1回の図柄変動表示の権利が付与可能となるため、通常の始動入賞口よりも、賞球を獲得することができる入賞領域に対して遊技球を多く誘導することが可能な場合がある。つまり、遊技者にとっては入賞領域に数多く遊技球が入賞するため遊技の興趣が向上可能な場合がある。
また、誘導通路(2446,2447)によって一旦遊技領域124に戻ってきた遊技球を再度裏側に戻さなくてもよく、例えば、普図始動口228を通過した遊技球を検出するように、遊技領域124上に遊技球を検出する構成であってもよい。
さらに、振分部材70により振り分けられる先の一方は、球検出センサに検出される必要があるが、他方は球検出手段に検出されてもされなくてもよい。例えば、他方が単なる遊技球のワープルートとして機能するだけで、そのままアウト口へ導かれるような構成であっても良い。このように構成することで、遊技者に遊技球の振り分け先への興味を向上させることが可能な場合がある。
また、これまでの説明では、振分部材70による振分先は、第一の通路2442と第二の通路2443という2カ所に交互に1球ずつ振り分ける構成であったが、確実に交互に振り分けなければならないものではない。例えば1/10000程度の確率で2球連続で同じ通路に誘導されるものであってもよい。あるいは、振分部材70は、2方向に少なくとも振分可能であればよく、3方向以上(例えば、第三の通路、第四の通路・・・)に振り分ける構成であったもよい。もしくは、2カ所に1球ずつではなく、交互に複数球ずつ振り分ける構成(例えば、第一の通路2442に2球振り分けた後に第二の通路2443に2球振り分けるような構成)であってもよい。さらには、一方に1球、他方に複数球ずつ交互に振り分ける構成であってもよい。この構成のように複雑に振り分ける構成にあっては、遊技球の重さを利用して1球ずつ振り分ける構成ではなく、たとえば一方の通路に誘導する、または一方の通路をふさぐ部材を電気的駆動源により作動させることで容易に実現可能である。
図56(a)は、ステージ244における第一小ステージ2442の変形例を示す図である。
図56(a)に示す左側の第一小ステージ2444は、右側の第二小ステージ2445よりも上下方向に長いステージである。したがって、第一の通路2442に振り分けられた場合の方が、第二の通路2443に振り分けられた場合よりも、遊技領域124上での通路が長いことになる。なお、小ステージの大きさは、第一小ステージ2444と第二小ステージ2445とで逆であってもよい。
図56(b)は、第2特図固定始動口233の大きさを変更した変形例を示す図である。
図56(b)に示す左側の第一小ステージ2444の左右両側壁(ここでは右側壁2444rしか図示されていない)それぞれに設けられた開口、すなわち第1特図始動口230の大きさよりも、同図に示す右側の第二小ステージ2445の左右両側壁(ここでも右側壁2445rしか図示されていない)それぞれに設けられた開口、すなわち第2特図固定始動口233の大きさの方が大きい。言い換えれば、図56(b)に示す第2特図固定始動口233は、同図に示す第1特図始動口230よりも上下方向に大きく開口している。その結果、第2特図固定始動口233の方が、第1特図始動口230よりも、イレギュラー入賞の確率が高い反面、ステージ入賞領域2441に進入して流下してきた遊技球が小ステージから飛び出してしまう確率も高い。なお、開口の大きさは、第1特図始動口230と第2特図固定始動口233とで逆であってもよい。
このように、第1特図始動口230や第2特図固定始動口233の大きさや形状は、互いに異なっていてもよい。第1特図始動口230や第2特図固定始動口233の大きさや形状により、第一の案内通路2447や第二の案内通路2447への誘導率(入賞率に影響する)が変わり、遊技の興趣が向上する場合がある。また、振分部材70により第一の通路2442と第二の通路2443へ交互に振り分けたとしても、小ステージに設けられた開口の機能により、特図1と特図2とが交互に保留されないケースを遊技球の流れにより偶発的に作り出すことができ、遊技にメリハリを与えることが可能な場合がある。
続いて、振分部材70の変形例について説明する。
図57(a)は、振分部材70の変形例を示す斜視図であり、同図(b)は、同図(a)に示す振分部材70の正面図である。
振分部材70は、上下方向の回動軸71を中心に左右に回動するものであったが、この変形例の振分部材70は、左右方向の回動軸71を中心に回動するものである。
図57(c)は、同図(b)に示すC−C断面で、振分部材70が回動する様子を段階的に示した図である。
この変形例の振分部材70は、回動軸71の径方向に突出した4枚の水平羽根を有する。これら4枚の水平羽根は90度おきに設けられたものであり、以下、第一の水平羽根751、第二の水平羽根752、第三の水平羽根753、第四の水平羽根754と称して区別して説明する。
図58は、図57に示す変形例の振分部材70が回動する様子を正面(表側)から見て段階的に示した図である。
第一の水平羽根751と第二の水平羽根752は、回転方向に隣り合っており、回動軸71の一端側で右向き傾斜壁76によってつながっている。第二の水平羽根752と第三の水平羽根753も、回転方向に隣り合っており、回動軸71の他端側で左向き傾斜壁77によってつながっている。第三の水平羽根753と第四の水平羽根754も、回転方向に隣り合っており、回動軸71の一端側で右向き傾斜壁76によってつながっている。第四の水平羽根754と第一の水平羽根751も、回転方向に隣り合っており、回動軸71の他端側で左向き傾斜壁77によってつながっている。
右向き傾斜壁76および左向き傾斜壁77は、振分方向に向けて傾斜した面である。すなわち、右向き傾斜壁76は右側の第二の通路2443側に向かって傾斜しており、左向き傾斜壁77は左側の第一の通路2442側に向かって傾斜している。
ステージ入賞流域2441から連絡通路2440を通ってくる遊技球は、これら右向き傾斜壁76および左向き傾斜壁77によって第一の通路2442と第二の通路2443に交互に振り分けられる。
図56(a)に示す振分部材70は、ステージ入賞流域2441から連絡通路2440を通ってきた遊技球Bを、第二の水平羽根752と第三の水平羽根753の間で受け入れる。振分部材70は、遊技球Bを受け入れた弾みで回動し、受け入れられた遊技球Bは、振分部材70の回動とともに、左向き傾斜壁77によって第一の通路2442側(左方向)に徐々に押され、第一の通路2442に振り分けられる(同図(b)参照)。
図56(c)に示す振分部材70は、ステージ入賞流域2441に進入した遊技球Bを、第一の水平羽根751と第二の水平羽根752の間で受け入れる。振分部材70は、遊技球Bを受け入れた弾みで回動し、受け入れられた遊技球Bは、振分部材70の回動とともに、今度は、右向き傾斜壁76によって第二の通路2443側(右方向)に徐々に押され、第二の通路2443に振り分けられる(同図(d)参照)。
なお、第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)に入賞した遊技球を検出する球検出センサは、第二球検出センサ82とは別の第三球検出センサとしている。ここで、本来、第2特図可変始動口232を狙うために右打ちすべき電サポ状態時に、第一球検出センサ81および第二球検出センサ82のいずれか一方のセンサで遊技球が検出された場合は「右打ちを促す報知(警告)」を行うようにしてもよい。
また、第二球検出センサ82と上記第三球検出センサを共有化してもよい。例えば、電チューに進入した遊技球が、図50に示す第二球検出センサ82が配置された位置まで誘導される構成にしてもよい。
また、特図1での大当りと特図2での大当りとで、付加価値に差を設けている。すなわち、特図2での大当りの方が遊技者に有利になりやすくしている。これは通常状態でも特図2による大当り(出玉的に有利な可能性有り)に対する遊技者の期待を持たせ、電サポ状態では特図2が主に変動するようになることで遊技の興趣を向上可能にしているものである。一方で、特図1と特図2の大当りとで差を設けないようにしてもよい。この場合、非電サポ中では保留の上限が特図1と特図2の合計分ためることが可能であるため、遊技者が発射を止めないようにすることができる場合や、図柄変動表示の時間を従来の遊技機よりも短くすることも可能な場合がある。また、電サポ状態であっても左打ちを許容してもよい。特図1での大当りと特図2での大当りとで、付加価値に差を設けている場合には、電サポ中も特図1で大当りする可能性があり、遊技者に特図2で大当りすることを期待させつつ、相対的に不利な特図1で大当りしてしまうかもしれないという適度な緊張感などを与えることができる場合がある。また反対に、特図1と特図2の大当りとで差を設けないようにした場合であっても、特図1と特図2に交互に入賞するため、1/2の確率でどちらで大当りするかの楽しみを遊技者に与えることができる場合がある。
また、振分部材70を複数設け、振り分けられた遊技球を再度振り分けるような構成であっても良い。そのうちの少なくとも1つのルートで最終的に球検出センサに遊技球が検出可能な構成であればよい。こうすることで、振分部材に向けて遊技球をたくさん入賞させ、遊技者を楽しませることが可能な場合がある。
また、振分手段70を既存の装置に応用しても良い。例えば、アタッカや従来のステージやワープルート、死玉演出等に応用してもよい。なお、ここにいう死玉演出とは、普図始動口を通過した球や、ステージに進入した球や、封入球を用いた演出のことをいう。さらに、既存の装置と組み合わせて遊技球の動きを楽しませる構成としても良い。例えば、風車236や従来のステージなどと組み合わせてもよい。
さらに、ステージ244の片方の通路のみ遊技盤裏側に位置する構成であってもよい。例えば、正面視右側の通路(第二の通路2443)を遊技盤裏側に配置し、正面視左側の通路(第一の優路2442)は遊技領域124側(遊技盤表側)に配置してもよい。こうすることで、遊技釘238によって障害を設けなくても、電サポ時に左打ちすると、左側の遊技領域124に露出した通路(ここでは第一の通路2442)が遊技球の第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)への入賞を妨害することを盤面を見れば遊技者は理解できるため、打ち方報知の効果をも有することができる場合がある。
また、電サポ状態で第一球検出センサ81か第二球検出センサ82で遊技球が検出されると警告するような構成であるが、例えば、特図1での大当りを特図2の大当りよりも相対的に有利にし、遊技球は減りつつも特図1の大当りを狙うか、遊技球を減らさずに特図2の大当りを狙うか遊技者に選択させることが可能な場合がある。
さらに、これまでの説明では入賞順変動であったが、特図2優先変動であってもよい。すなわち、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)を行い、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)を行うようにしてもよい。こうすることで、同じタイミングで、第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。すなわち、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選(特図2の当否判定)を、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選(特図1の当否判定)よりも優先して行う。この結果、両方の図柄表示手段について図柄変動表示の開始の保留がある場合には、第一の図柄表示手段による図柄変動表示よりも第二の図柄表示手段による図柄変動表示が優先的に開始されるようにしてもよい。特図2優先変動の場合には、非電サポ中は、特図1→特図2→特図1→特図2と入賞するので、特図2の図柄変動表示を消化しつつ、必然的に特図1の保留が蓄積される。つまり特図1の保留数が上限となった場合に遊技者に有利な特図の図柄変動表示をさせるために特図1→特図2と2回入賞させるか、特図1の消化を待ってから入賞させるかを選択させることが可能な場合がある。特図1と特図2の付加価値の差をより顕著にすることで遊技者の技術介入を促すことができる場合がある。
また、遊技盤200は、透明遊技盤であったが、透明遊技盤でなくてもよい。あえて遊技盤裏面側の通路を流下する遊技球を視認困難とすることで遊技球の入賞検知に対する意外性を付与できる場合がある。
またさらに、これまで説明してきたステージ244を、いわゆるST機に採用してもよい。ここにいうST機とは、大当り遊技終了後、特図高確率普図高確率状態(確率変動状態かつ進入容易状態)を所定の第1の回数(例えば、70回)の図柄変動停止表示が行われる間維持し、次いで、特図高確率普図低確率状態(確率変動状態かつ進入困難状態)を所定の第2の回数(例えば、4回)の図柄変動停止表示が行われる間維持してから、特図低確率普図低確率状態(いわゆる通常状態)に移行するパチンコ機や、上記所定の第2の回数を省略して上記所定の第1の回数のみを維持するパチンコ機等をいう。また、大当り遊技終了後、1回の図柄変動表示ごとに確変状態を継続するか否かを抽選によって決定する、いわゆる転落抽選機に採用してもよいし、ここでのパチンコ機100でもそうであったが電サポ機に採用してもよい。さらには、これらST機能や転落抽選や電サポ機能を適宜組み合わせたパチンコ機に採用してもよい。あるいは、可変入賞口234に遊技球を進入させて出球を稼ぐのではなく、所定の普図電動役物に遊技球を進入させて出球を稼ぐパチンコ機に採用してもよい。ここにいう普図電動役物とは、開閉自在な扉部材を備えており、扉部材が開放すると、特図始動口への入賞が可能になる。すなわち、普図電動役物は、可変入賞手段であって、アタッカー形式の電動チューリップ(電チュー)であるといえる。扉部材が開放した状態の普図電動役物に遊技球が進入すると、特図始動口へ必ず入球する。
また、入賞口、始動口、あるいはアウト口に入球した遊技球を外部の島設備に排出せず、機内を循環して発射装置に戻すようにした、いわゆる封入式のパチンコ機に、これまで説明したステージ244を採用してもよい。
以上の説明では、『遊技盤(例えば、図31に示す遊技盤200)と、
前記遊技盤に設けられた遊技領域(例えば、図31に示す遊技領域124)を流下する遊技球が進入可能な進入可能領域(例えば、ステージ入賞領域2441)を備えた遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機であり、
前記進入可能領域から進入した遊技球を所定の通路(例えば、第一の通路2442)に向かう第一の方向(例えば、第一の通路2442に向かう方向)と該第一の方向とは異なる第二の方向(例えば、第二の通路2443に向かう方向)とに少なくとも振り分け可能な振分部材(例えば、図49に示す振分部材70)を備え、
前記所定の通路は、前記振分部材により前記第一の方向に振り分けられた遊技球を前記遊技盤の裏側で流下させることが可能なものであり、
前記所定の通路によって前記遊技盤の裏側を流下してきた遊技球を該遊技盤の表側へ誘導可能な誘導手段(例えば、第一の誘導通路2446)と、
前記誘導手段によって前記遊技盤の表側へ誘導された後の遊技球を検出可能な遊技球検出手段(例えば、第一球検出センサ81)と、
を備え、
前記遊技球検出手段は、前記進入可能領域に進入しなかった遊技球も検出可能なものであることを特徴とする遊技台。』について説明した。
ここにいう振分部材は、前記進入可能領域から進入した遊技球を所定の通路に案内可能な案内部材であってもよい。
また、前記遊技領域に設けられた、流下してくる遊技球の流下方向を変える遊技部品を備え、前記遊技球検出手段は、前記遊技部品によって流下方向が変えられた遊技球を検出可能なものであってもよい。
また、前記第二の方向には、上記所定の通路とは異なる通路があってもよいし、何らかの遊技部品があってもよいし、通路等の部材が何もない開放された領域があってもよい。
さらに、前記遊技球検出手段は、前記遊技盤の裏側で遊技球を検出可能なものであってもよいし、該遊技盤の表側、すなわち遊技領域上で遊技球を検出可能なものであってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記誘導手段(例えば、第一の誘導通路2446)によって前記遊技盤の表側へ誘導された後の遊技球を所定位置(例えば、第1特図始動口230が開口する位置)から該遊技盤の裏側へ案内可能な案内通路(例えば、第一の案内通路2448)を備え、
前記案内通路は、前記進入可能領域(例えば、ステージ入賞領域2441)に進入しなかった遊技球が前記所定位置から入り込むことが可能なものであり、
前記遊技球検出手段(例えば、第一球検出センサ81)は、前記所定位置から前記遊技盤の裏側に案内された遊技球を検出可能なものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
またこれまでの説明においては、『前記振分部材(例えば、図49に示す振分部材70)は、前記進入可能領域(例えば、ステージ入賞領域2441)から進入した遊技球を、前記所定の通路である第一の通路(例えば、第一の通路2442)に向かう前記第一の方向と、第二の通路(例えば、第二の通路2443)に向かう前記第二の方向とに、交互に振り分け可能なものであり、
前記遊技球検出手段は、前記第一の通路に振り分けられた後の遊技球を検出可能な第一の遊技球検出手段(例えば、第一球検出センサ81)と、前記第二の通路に振り分けられた後の遊技球を検出可能な第二の遊技球検出手段(例えば、第二球検出センサ82)とを含むものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、前記振分部材は、多くの回数の振り分けを行った結果、たまたま前記第一の方向に連続して振り分けてしまったり、あるいは前記第二の方向に連続して振り分けてしまうことがあってもよい。すなわち、構造上は交互に振り分けられる構造であればよく、実際の振り分けの結果が100%交互でなくてもよい。また、交互にとは1球ずつではなく、2球以上ずつであってもよい。さらに、第一の通路と第二の通路に振り分ける個数が異なっていてもよい。すなわち、第一の所定個数分を第一の通路に振り分けた後に第一の所定個数と同じまたは異なる第二の所定個数分の遊技球を第二の通路に振り分ける構成であってもよい。
また、前記第二の通路も、前記第一の通路(前記所定の通路)と同じく、前記振分部材により振り分けられた遊技球を前記遊技盤の裏側で流下させることが可能なものであってもよい。
また、前記誘導手段(例えば、前記第一の通路の下流に設けられた第一の誘導手段)によって前記遊技盤の表側へ誘導された後の遊技球を第一の所定位置から該遊技盤の裏側へ案内可能な第一の案内通路と、
前記誘導手段(例えば、前記第二の通路の下流に設けられた第二の誘導手段)によって前記遊技盤の表側へ誘導された後の遊技球を第二の所定位置から該遊技盤の裏側へ案内可能な第二の案内通路と、
を備え、
前記第一の案内通路は、前記進入可能領域に進入しなかった遊技球が前記第一の所定位置から入り込むことが可能なものであり、
前記第二の案内通路は、前記進入可能領域に進入しなかった遊技球が前記第二の所定位置から入り込むことが可能なものであり、
前記遊技球検出手段は、前記第一の所定位置から前記遊技盤の裏側に案内された遊技球を検出可能な第一の遊技球検出手段と、前記第二の所定位置から前記遊技盤の裏側に案内された遊技球を検出可能な第二の遊技球検出手段とを含むものであってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記第一の遊技球検出手段(例えば、第一球検出センサ81)に遊技球が検出された場合に第一の図柄変動表示(例えば、特図1の図柄変動表示)を実行可能な第一の図柄変動表示手段(例えば、第2特図表示装置214)と、
前記第二の遊技球検出手段(例えば、第二球検出センサ82)に遊技球が検出された場合に第二の図柄変動表示(例えば、特図2の図柄変動表示)を実行可能な第二の図柄変動表示手段(例えば、第2特図表示装置214)と、
を備えたことを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、第一の図柄変動表示手段は特図表示装置であって、第二の図柄変動表示手段は普図表示装置であってもよく、あるいはその逆であってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記遊技盤(例えば、図31に示す遊技盤200)は、裏側を流下する遊技球が視認可能となるように少なくとも一部が透明に構成されていることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
またこれまでの説明においては、『前記第一の遊技球検出手段(例えば、第一球検出センサ81)と前記第二の遊技球検出手段(例えば、第二球検出センサ82)は、遊技球が前記進入可能領域(例えば、ステージ入賞領域2441)に進入してから該第一の遊技球検出手段に検出されるまでの時間と、遊技球が該進入可能領域に進入してから該第二の遊技球検出手段に検出されるまでの時間が略同一となるように配置されたものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、遊技球が前記進入可能領域から前記所定の通路を通って前記誘導手段によって前記遊技盤の表側へ誘導され前記所定位置に到達するまでの球転動距離よりも、遊技球が前記所定位置から前記遊技球検出手段に検出されるまでの球転動距離の方が短く設定されている態様であってもよい。進入可能領域に進入した遊技球は上記所定位置までほぼ到達するので、遊技者はもともと安心であり、多少時間がかかっても大丈夫である。一方、イレギュラー入賞した遊技球(所定位置から入り込んだ遊技球)については、遊技者は不安であり、その遊技球の検知はすばやく行うことが好ましい。
また、前記進入可能領域を基準として、前記第一の通路と、前記第二の通路の形状および前記第一の案内通路と第二の案内通路の形状、および前記第一の遊技球検出手段と前記第二の遊技球検出手段の配置位置は左右対称であることが好ましいが、左右対称となっている部分の少なくとも一部が異なる形状であってもよい。例えば、第一の通路の形状と第二の通路の形状が左右対称となっていなくても良い。このときに、遊技球が上記進入可能領域に進入してから上記遊技球検出手段に検出されるまでの時間を略同一にするには、他の部分(例えば、第一の案内通路と第二の案内通路)で調整しても良いし、通路の長さや遊技球が流下可能な角度等を調整することで左右非対称であっても、トータルで略同一の時間に調整することは適宜設定可能である。これらの設定は主に本遊技台のゲーム性や盤面構成により適宜変更可能となるものである。そして、遊技者の見た目的には、上記進入可能領域に遊技球が進入してから保留表示がされるまでの時間が特図1の保留表示と特図2の保留表示とで略同一になるので、遊技者に保留表示に対する違和感を与えなくてすむ場合がある。
また、前記第一の遊技球検出手段と前記第二の遊技球検出手段は、遊技球が前記進入可能領域に進入してから該第一の遊技球検出手段に検出されるまでの時間と、遊技球が該進入可能領域に進入してから該第二の遊技球検出手段に検出されるまでの時間とが異なるように配置されたものであってもよい。このようにするには、通路の形状(長さや流下方向に対する傾斜角度)を変更することで可能である。この場合、遊技者の見た目的には、上記進入可能領域に遊技球が進入してから保留表示がされるまでの時間が特図1の保留表示と特図2の保留表示とで異なることが想定される。つまり特に特図1と特図2で遊技の結果(遊技者に付与される利益や、装飾図柄変動表示等による演出)に差を設けるなどすると、特図1と特図2の保留表示の見た目上のタイミングの差と遊技性の差を関連付けて遊技者に報知可能となり、遊技の興趣が向上する場合がある。
以下、これまで説明したことも含めて付記する。
(付記1)
遊技盤に形成された遊技領域を流下する遊技球が進入可能な入賞領域を備え、
所定の入賞領域から進入した遊技球を検出可能な遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機であり、
前記所定の入賞領域から進入した遊技球を所定の通路に振り分け可能な振分部材を備え、
前記所定の通路は、前記振分部材により振り分けられた遊技球が遊技盤裏側で流下可能であり、
遊技盤裏側を流下した遊技球は一旦遊技領域へと誘導された後に遊技球を所定の遊技球検出手段により検出可能とされ、
前記所定の入賞領域に進入しなかった遊技球を前記所定の遊技球検出手段により検出可能とするものであることを特徴とする遊技台。
なお、所定の入賞領域に進入した遊技球と進入しなかった遊技球とでは、所定の入賞領域に進入した遊技球のほうが上記遊技球検出手段に検出されやすいものであってもよい。
(付記2)
付記1に記載の遊技台であって、
前記一旦遊技領域へと誘導された遊技球を所定位置において再度遊技盤裏側に誘導可能な誘導通路を備え、
前記所定の入賞領域に進入しなかった遊技球は前記所定位置から前記誘導通路に進入可能であり、
前記所定の遊技球検出手段は、前記誘導通路から遊技盤裏側に誘導された遊技球を検出可能とするものであることを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記1、2に記載の遊技台であって、
前記所定の通路は、第一の通路および第二の通路であり、
前記振分部材は、前記所定の入賞領域から進入した遊技球を第一の通路および第二の通路に交互に振り分け可能であり、
前記第一の通路に振り分けられた遊技球は、前記所定の遊技球検出手段として第一の遊技球検出手段により検出可能とされ、
前記第二の通路に振り分けられた遊技球は、前記所定の遊技球検出手段として第二の遊技球検出手段により検出可能とされるものであることを特徴とする遊技台。
なお、付記2に記載の遊技台であって、
前記所定の通路は、第一の通路および第二の通路であり、
前記振分部材は、前記所定の入賞領域から進入した遊技球を第一の通路および第二の通路に交互に振り分け可能であり、
前記第一の通路を流下した遊技球は遊技盤裏側から遊技領域へと誘導された後、第一の所定位置において再度遊技盤裏側に誘導可能な第一の誘導通路と、
前記第二の通路を流下した遊技球が遊技盤裏側から遊技領域へと誘導された後、第二の所定位置において再度遊技盤裏側に誘導可能な第二の誘導通路を備え、
前記所定の入賞領域に進入しなかった遊技球は前記第一の所定位置から前記第一の誘導通路に進入可能であり、
前記所定の入賞領域に進入しなかった遊技球は前記第二の所定位置から前記第二の誘導通路に進入可能であり、
前記所定の遊技球検出手段として、
前記第一の誘導通路から遊技盤裏側に誘導された遊技球を検出可能な第一の遊技球検出手段と、
前記第二の誘導通路から遊技盤裏側に誘導された遊技球を検出可能な第二の遊技球検出手段を備えたことを特徴とする遊技台であってもよい。
(付記4)
付記3に記載の遊技台であって、
前記第一の遊技球検出手段に遊技球が検出されたことを契機に第一の図柄変動表示を実行可能であり、
前記第二の遊技球検出手段に遊技球が検出されたことを契機に第二の図柄変動表示を実行可能とすることを特徴とする遊技台。
(付記5)
付記1〜4に記載の遊技台であって、
前記遊技盤は、遊技盤裏側を流下する遊技球が視認可能となるように少なくとも一部が透明に構成されていることを特徴とする遊技台。
(付記6)
付記3〜5に記載の遊技台であって、
遊技球が前記入賞領域に進入してから前記第一の遊技球検出手段に検出されるまでの時間と、遊技球が前記入賞領域に進入してから前記第一の遊技球検出手段に検出されるまでの時間とが略同一となるように構成したことを特徴とする遊技台。
(付記7)
遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入可能領域を備えた遊技台であって、
前記遊技台は、ぱちんこ機であり、
前記進入可能領域から進入した遊技球を所定の通路に向かう第一の方向と該第一の方向とは異なる第二の方向とに少なくとも振り分け可能な振分部材を備え、
前記所定の通路は、前記振分部材により前記第一の方向に振り分けられた遊技球を前記遊技盤の裏側で流下させることが可能なものであり、
前記所定の通路によって前記遊技盤の裏側を流下してきた遊技球を該遊技盤の表側へ誘導可能な誘導手段と、
前記誘導手段によって前記遊技盤の表側へ誘導された後の遊技球を検出可能な遊技球検出手段と、
を備え、
前記遊技球検出手段は、前記進入可能領域に進入しなかった遊技球も検出可能なものであることを特徴とする遊技台。
(付記8)
付記7に記載の遊技台であって、
前記誘導手段によって前記遊技盤の表側へ誘導された後の遊技球を所定位置から該遊技盤の裏側へ案内可能な案内通路を備え、
前記案内通路は、前記進入可能領域に進入しなかった遊技球が前記所定位置から入り込むことが可能なものであり、
前記遊技球検出手段は、前記所定位置から前記遊技盤の裏側に案内された遊技球を検出可能なものであることを特徴とする遊技台。
(付記9)
付記7又は8に記載の遊技台であって、
前記振分部材は、前記進入可能領域から進入した遊技球を、前記所定の通路である第一の通路に向かう前記第一の方向と、第二の通路に向かう前記第二の方向とに、交互に振り分け可能なものであり、
前記遊技球検出手段は、前記第一の通路に振り分けられた後の遊技球を検出可能な第一の遊技球検出手段と、前記第二の通路に振り分けられた後の遊技球を検出可能な第二の遊技球検出手段とを含むものであることを特徴とする遊技台。
(付記10)
付記9に記載の遊技台であって、
前記第一の遊技球検出手段に遊技球が検出された場合に第一の図柄変動表示を実行可能な第一の図柄変動表示手段と、
前記第二の遊技球検出手段に遊技球が検出された場合に第二の図柄変動表示を実行可能な第二の図柄変動表示手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。
(付記11)
付記7〜10に記載の遊技台であって、
前記遊技盤は、裏側を流下する遊技球が視認可能となるように少なくとも一部が透明に構成されていることを特徴とする遊技台。
(付記12)
付記9又は10に記載の遊技台であって、
前記第一の遊技球検出手段と前記第二の遊技球検出手段は、遊技球が前記進入可能領域に進入してから該第一の遊技球検出手段に検出されるまでの時間と、遊技球が該進入可能領域に進入してから該第二の遊技球検出手段に検出されるまでの時間が略同一となるように配置されたものであることを特徴とする遊技台。
(付記A)
遊技領域が設けられた遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が進入可能な入口が設けられた振分手段と、
前記振分手段に設けられ、前記入口から遊技球が流入可能な第一の始動入賞領域及び第二の始動入賞領域と、
遊技球が前記第一の始動入賞領域および前記第二の始動入賞領域のいずれか一方に進入した場合に、図柄を変動表示させる図柄表示手段と、
を備えた遊技台であって、
前記振分手段は、
遊技球を前記第一の始動入賞領域へ誘導する第一の通路と、
遊技球前記第二の始動入賞領域へ誘導する第二の通路と、
前記入口から進入した遊技球の自重により前記第一の通路と前記第二の通路を略交互に振分可能な振分部材と、
少なくとも前記第一の通路に設けられ、前記振分手段の外側の領域へ繋がる開口部と、
を備え、
前記振分部材は、前記第一の通路または前記第二の通路のいずれか一方の領域へ連続して遊技球を誘導する場合を含み、
遊技球が前記第一の通路を通過して前記開口部から排出される場合よりも、遊技球が該第一の通路を通過せずに該開口部から入球する場合の頻度が低い
ことを特徴とする遊技台。
(付記B)
付記Aに記載の遊技台において、
遊技球が該第一の通路を通過せずに前記第二の開口部から入球する場合よりも、前記振分部材によって前記第一の通路または前記第二の通路のいずれか一方の領域へ連続して遊技球を誘導される場合の頻度が高い
ことを特徴とする遊技台。
(付記C)
付記A又はBに記載の遊技台において、
前記遊技領域を流下する遊技球が前記開口部へ進入不可能である
ことを特徴とする遊技台。
(付記D)
付記A乃至Cのいずかに記載の遊技台において、
前記振分部材は、遊技球が前記振分手段の所定の通路を通過した場合に回転する回転体であり、
前記回転体は、遊技球を保持可能な複数の区画に分ける所定の仕切り部を備え、
前記複数の区画は、
前記第一の規制部が設けられた第一の区画と、
前記第二の規制部が設けられた第二の区画と、
を含み、
前記複数の区画のそれぞれが、
遊技球が前記所定の区画へ進入可能な第一の位置と、
前記第一の位置と隣り合い、前記所定の区画に進入した遊技球を保持する第二の位置と、
前記第二の位置と隣り合い、前記回転体が回転している場合に、前記所定の区画で保持された遊技球を前記第一の領域または前記第二の領域へ排出可能な第三の位置と、
前記第一の位置、前記第二の位置および前記第三の位置と異なる位置であり、前記回転体が回転している場合に、遊技球が進入できない第四の位置と、
を連続的に通過可能な位置に前記回転体が設けられた
ことを特徴とする遊技台。
(付記E)
付記A乃至Dのいずかに記載の遊技台において、
前記振分装置は、遊技球の移動方向を変化させる方向変化手段が設けられており、
前記方向変化手段は、遊技球が前記振分部材を通過する前の位置に設けられている
ことを特徴とする遊技台。
なお、以上説明した実施形態や変形例やその他の例や付記の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や変形例やその他の例や付記に適用してもよい。