本出願に係る携帯通信装置、通信システム及び報知方法を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明により、本出願に係る携帯通信装置、通信システム及び報知方法が限定されるものではない。以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯通信装置の一例として携帯電話機を取り上げるが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではない。携帯通信装置として、例えば、多機能携帯電話(スマートフォン)、PHS(Personal Handy−Phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等を用いてもよい。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る通信システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る通信システム10は、第1携帯電話機1と、第2携帯電話機2とを有する。第1携帯電話機1と第2携帯電話機2とは、通信ネットワークを介して相互に通信できる。
第1携帯電話機1は、携帯通信装置である。第1携帯電話機1は、例えば、保護が必要な幼児、児童、高齢者、ペット等によって所持される。第2携帯電話機2は、特定の通信装置である。第2携帯電話機2は、例えば、第1携帯電話機1の所持者を保護する者によって所持される。以下の説明では、説明を簡単にするために、第1携帯電話機1の所持者を被保護者と呼び、第2携帯電話機2の所持者を保護者と呼ぶことがある。
第1携帯電話機1は、所定時間当たりの移動距離を算出する。そして、所定時間当たりの移動距離が、所定時間に応じて定まる範囲から外れた場合には、報知情報を第2携帯電話機2へ送信する。所定時間に応じて定まる範囲とは、被保護者が所定時間に自分で移動すると想定される距離の範囲である。被保護者が自分で移動することには、歩くこと及び走ることに加えて、自転車のように自分で運転可能な乗り物に乗って移動することが含まれてもよい。以下の説明では、所定時間当たりの移動距離を、単に「移動距離」と呼ぶことがある。以下の説明では、所定時間に応じて定まる範囲を、「距離範囲」と呼ぶことがある。
報知情報には、移動距離と距離範囲との比較結果が含まれる。移動距離と距離範囲との比較結果は、少なくとも、移動距離が距離範囲を超えているのか下回っているのかを示す情報を含む。第2携帯電話機2は、報知情報を受信すると、保護者に対する報知を実行する。その結果、保護者は、第1携帯電話機1の移動距離が、被保護者に異常が発生している可能性があることを早期に知ることができる。
例えば、被保護者が乗り物で移動しているはずがない時間に、移動距離が距離範囲を超えていることが報知された場合、保護者は、被保護者が誘拐等の犯罪に巻き込まれたか、通学区間を乗り過ごしている可能性があることを知ることができる。例えば、登下校の途中であるはずの時間に、移動距離が距離範囲を下回っていることが報知された場合、保護者は、被保護者が事故又は体調不良により動けない状況にある可能性があることを知ることができる。
このように、移動距離が距離範囲から外れた場合に報知を行う機能は、セキュリティー機能として有用である。さらに、このような報知は、例えば、被保護者が拘束されているか、動けないために、第1携帯電話機1を操作できない場合であっても実行される。このため、実施形態に係る通信システムは、セキュリティー機能が有効に機能する可能性を高めることができる。
図2は、図1に示す第1携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、第1携帯電話機1は、マイク11と、スピーカ12と、レシーバ13と、操作部14と、表示部15と、カメラ16と、通信部17と、加速度センサ18と、音声処理部20と、記憶部40と、制御部100とを有する。
マイク11は、例えば、音声検索の利用時にユーザが発する音声、ノイズキャンセル処理時に利用する音など、種々の音を取得する。スピーカ12は、例えば、第1携帯電話機1の筐体内に配置されており、着信音やメールの送信音等を出力する。レシーバ13は、例えば、通話時の音声などを出力する。
操作部14は、各種機能が割り当てられた複数のキーを有する。操作部14は、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。発生した信号は、ユーザの指示として制御部100へ入力される。操作部14は、例えば、居場所通知機能が割り当てられたキーがユーザの操作により入力されると、居場所通知機能の起動信号を発生させる。居場所通知機能は、第1携帯電話機1が、第2携帯電話機2のユーザに対して、自機の位置を主体的に通知するための機能である。
表示部15は、任意のディスプレイを有し、制御部100から供給される映像データに応じた映像や画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネルで構成される。表示部15は、ディスプレイに加え、サブディスプレイを有していてもよい。カメラ16は、撮影した画像を取得する。
通信部17は、アンテナ17aを有し、通信ネットワークに収容される基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局を介して、例えば、第2携帯電話機2との間で電話通信及び情報通信を行う。通信部17は、通信ネットワークに収容される基地局以外の通信装置とも通信できるように構成されてよい。例えば、通信部17は、無線LANのアクセスポイントと通信できるように構成されてよい。
さらに、通信部17は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号を制御部100に送出する。通信部17とは別に、GPS衛星との通信のみを行う通信部を設けてもよい。
加速度センサ18は、第1携帯電話機1に加わる加速度の方向及び大きさを検出する。加速度センサ18は、その検出結果に対応する信号を発生させる。発生した信号は、制御部100へ入力される。
音声処理部20は、マイク11に入力される音声信号、スピーカ12及びレシーバ13から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部20は、マイク11から入力される音声を増幅し、アナログデジタル変換を実行した後、さらに符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換してから制御部100へ送出する。音声処理部20は、制御部100から送られる音声データの復号化、デジタルアナログ変換、増幅等の処理を施し、アナログの音声信号に変換してからスピーカ12及びレシーバ13へ出力する。
記憶部40は、オペレーティングシステムプログラム及びアプリケーションプログラム等、制御部100での処理に利用される各種プログラム及び各種データを記憶する。例えば、記憶部40には、表示部15の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスク、通信部17の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスク及び音声処理部20の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクなどが記憶されている。記憶部40には、これらのタスク以外にも、例えば、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部40に対する制御に制御部100が用いるプログラム、通信相手の電話番号及びメールアドレス等が記述されたアドレス帳、発信音及び着信音等の音声ファイル、プログラムに基づく処理過程で用いられる一時的なデータ等が記憶される。
本実施形態において、記憶部40は、データ記憶領域41を含む。データ記憶領域41は、制御部100が用いる各種データが記憶される領域である。データ記憶領域41には、例えば、加速度、位置情報、歩数等が記憶される。さらに、記憶部40は、例えば、設定データ42と距離テーブル46とを記憶する。
設定データ42は、第1携帯電話機1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。図3を参照しながら、設定データ42について説明する。図3は、設定データ42の例を示す図である。図3に示すように、設定データ42には、被保護者情報43、報知条件情報44、送信先情報45等が含まれる。
被保護者情報43は、被保護者の属性情報である。被保護者情報43は、例えば、被保護者の生年月日、及び性別を含む。被保護者情報43は、身長、歩幅等の移動距離又は距離範囲の取得に利用可能な他の情報を含んでもよい。
報知条件情報44は、報知情報を第2携帯電話機2に送信することを抑制するための領域条件を含む。領域条件は、通常の生活において移動距離が距離条件から外れることが想定される領域を特定する条件である。例えば、領域条件は、被保護者がバス又は電車を用いて通学する通学経路を含む領域を特定する条件である。報知条件情報44は、領域条件と対応付けて、領域条件が示す領域で被保護者が乗り物に乗る曜日、時間帯等の時間に関する条件をさらに含んでもよい。
送信先情報45は、報知情報の送信先を示す情報である。送信先情報45は、例えば、第2携帯電話機2のメールアドレス、電話番号等の送信先データを含む。送信先情報45は、報知情報を複数の送信先へ送信できるように構成されてもよい。
距離テーブル46は、被保護者に対応する距離範囲を特定するためのテーブルである。所定時間に移動可能な距離は、身体能力によって変動する。そのため、距離テーブル46は、複数の距離条件を含み、それぞれの距離範囲は、身体能力を特定するための情報と対応付けられる。身体能力を特定するための情報とは、例えば、年齢、学年、性別、居住地域、身長、歩幅又はそれらの組み合わせである。距離テーブル46に含まれる距離範囲は、被保護者が所定時間に自分で移動すると想定される距離の範囲のうち、上限のみを有してもよい。距離テーブル46は、複数の所定時間毎に、距離範囲を保持するように構成されてもよい。
制御部100は、記憶部40に記憶されている各種プログラムに基づいて処理を実行する。制御部100は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processing Unit)を含む。制御部100は、記憶部40に記憶されるプログラムから命令コードを順次読み込んで、読み込んだ命令コードで指示された手順に従って第1携帯電話機1の各種の処理を実行する。すなわち、制御部100は、第1携帯電話機1の各種の処理が、操作部14の操作、及び第1携帯電話機1の記憶部40に記憶されるプログラムに応じて適切な手順で実行されるように、表示部15、カメラ16、通信部17、加速度センサ18及び音声処理部20等の動作を制御する。
制御部100は、図2に示すように、測位部110、算出部120、計数部130及び判定部140を有する。
測位部110は、通信部17がGPS衛星から受信する電波信号に基づいて測位を実行する。測位部110は、測位処理によって得られた位置情報を、測位処理を行った時刻と関連付けてデータ記憶領域41に記憶する。
測位部110は、通信部17がGPS衛星から受信する電波信号を利用する方式に代えて、又は、この方式に加えて、他の方式で測位を行ってもよい。例えば、測位部110は、通信部17が無線を受信している1又は複数の基地局又はアクセスポイントの識別情報に基づいて測位を行ってもよい。この場合、測位部110は、予め登録されている情報と識別情報を照合することによって測位を行ってもよいし、通信部17を介して、識別情報に対応する位置を問い合わせてもよい。測位部110は、基地局又はアクセスポイントから受信する電波の強度をさらに用いて測位を行ってもよい。
算出部120は、測位部110による測位処理の結果に基づいて移動距離を算出する。例えば、測位部110の測位処理によって得られた最新の位置情報と、最新の位置情報が得られた時刻よりも所定時刻前に得られた位置情報とをデータ記憶領域41から取得する。そして、算出部120は、2つの位置情報が示す位置の間の距離を、移動距離として算出する。
算出部120は、3回以上の測位処理の結果に基づいて移動距離を算出してもよい。例えば、算出部120は、最新の位置情報と、最新の位置情報が得られた時刻よりも所定時刻前に得られた位置情報に加えて、その間に得られた全ての位置情報をデータ記憶領域41から取得する。そして、算出部120は、得られた位置情報が示す位置を位置情報が得られた順に結び、結ばれた線の長さの合計を、移動距離として算出する。このように、3回以上の測位処理の結果に基づいて移動距離を算出することにより、被保護者が直線的に移動していない場合でも、移動距離の算出精度を向上させることができる。
算出部120は、通行可能な経路を考慮して移動距離として算出してもよい。例えば、算出部120は、取得した2つの位置情報が示す位置を含む地図データを取得し、取得した2つの位置情報が示す位置を結ぶ通行可能な最短の経路を見つける。そして、算出部120は、見つけた経路の長さを、移動距離として算出する。地図データは、記憶部40に記憶されていてもよいし、通信部17の通信によって取得されてもよい。算出部120は、3回以上の測位処理の結果を用いて、通行可能な経路を見つけてもよい。被保護者が児童であり、登下校路のように通行すべき経路が予め定められている場合には、算出部120は、通行すべき経路をできるだけ多く含むように、経路を見つけてもよい。このように、通行可能な経路を考慮して移動距離を算出することにより、移動距離の算出精度をさらに向上させることができる。
算出部120による移動距離の算出の仕方は、これに限定されない。例えば、算出部120は、加速度センサ18によって検出される加速度の変化に基づいて算出される変位量を積算することによって移動距離を算出してもよい。あるいは、算出部120は、計数部130によって計数される歩数に基づいて移動距離を算出してもよい。
計数部130は、加速度センサ18によって検出される加速度の変化に基づいて、被保護者の歩数を計数する。計数部130は、歩数をデータ記憶領域41に記憶する。計数部130は、他の方式で歩数を計数してもよい。例えば、計数部130は、振り子式の歩数計であってもよい。
判定部140は、算出部120によって算出された移動距離が、距離範囲から外れているか否かを判定する。判定部140は、移動距離との比較に用いる距離範囲を、距離テーブル46に含まれる複数の候補の中から特定する。既に説明したように、距離範囲は、身体能力を特定するための情報と対応付けられる。そこで、判定部140は、被保護者の身体能力を示す情報を収集する。例えば、身体能力を特定するための情報に年齢又は学年が含まれている場合、判定部140は、被保護者情報43に含まれる生年月日に基づいて、被保護者の年齢又は学年を算出する。身体能力を特定するための情報に性別が含まれている場合、判定部140は、被保護者情報43に含まれる性別を取得する。身体能力を特定するための情報に居住地域が含まれている場合、判定部140は、測位部110による測位処理の結果又は予め設定されている情報に基づいて被保護者の居住地域を取得する。こうして収集された情報を用いることにより、被保護者の身体能力に対応する距離範囲を距離テーブル46から取得することができる。
判定部140は、距離範囲を超える又は下回る移動距離が、算出部120によって所定の回数より多く連続して算出された場合に、移動距離が距離範囲から外れたと判定してもよい。このように構成することにより、何らかの理由で、移動距離が一時的に距離範囲から外れたに過ぎない場合に報知情報が送信されることを抑制できる。あるいは、判定部140は、移動距離が距離範囲の上限を超えた場合にのみ、移動距離が距離範囲から外れたと判定してもよい。このように構成することにより、被保護者が信号待ちしている場合のように正常な理由で移動距離が距離範囲を下回っているときに報知がなされることを抑止できる。
図4は、第2携帯電話機2のブロック図である。図4に示すように、第2携帯電話機2は、マイク31と、スピーカ32と、レシーバ33と、操作部34と、表示部35と、通信部36と、音声処理部50と、記憶部70と、制御部200とを有する。
マイク31は、例えば、通話時の音声などの音声信号を入力する。スピーカ32は、例えば、第2携帯電話機2の筐体内に配置されており、着信音やメールの送信音等を出力する。レシーバ33は、例えば、通話時の音声などを出力する。
操作部34は、各種機能が割り当てられた複数のキーを有する。操作部34は、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。発生した信号は、ユーザの指示として制御部200へ入力される。
表示部35は、任意のディスプレイを有し、制御部200から供給される映像データに応じた映像や画像データに応じた画像をディスプレイに表示させる。ディスプレイは、第1携帯電話機1と同様に、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELパネルなどで構成された表示パネルで構成される。表示部35は、ディスプレイに加え、サブディスプレイを有していてもよい。
通信部36は、アンテナ36aを有し、第1携帯電話機1と同様に、通信ネットワークに収容される基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局を介して、例えば、上述した第1携帯電話機1との間で電話通信及び情報通信を行う。さらに、通信部36は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号を制御部200に送出してもよい。
音声処理部50は、マイク31に入力される音声信号、スピーカ32及びレシーバ33から出力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部50は、マイク31から入力される音声を増幅し、アナログデジタル変換を実行した後、さらに符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換してから制御部200へ送出する。音声処理部50は、制御部200から送られる音声データの復号化、デジタルアナログ変換、増幅等の処理を施し、アナログの音声信号に変換してからスピーカ32及びレシーバ33へ出力する。
記憶部70は、オペレーティングシステムプログラム及びアプリケーションプログラム等、制御部200での処理に利用される各種プログラム及び各種データを記憶する。例えば、記憶部70には、表示部35の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスク、通信部36の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスク及び音声処理部50の動作を制御するアプリケーションプログラムを作動させるタスクなどが記憶されている。記憶部70には、これらのタスク以外にも、例えば、ダウンロードされた音声データ、あるいは記憶部70に対する制御に制御部200が用いるプログラム、通信相手の電話番号及びメールアドレス等が記述されたアドレス帳、発信音及び着信音等の音声ファイル、プログラムに基づく処理過程で用いられる一時的なデータ等が記憶される。
本実施形態において、記憶部70には、送信先情報71が記憶される。送信先情報71は、第2携帯電話機2が各種情報を送信する第1携帯電話機1の送信先データを含む。送信先データは、例えば、第1携帯電話機1のメールアドレス、電話番号等を含む。
制御部200は、記憶部70に記憶されている各種プログラムに基づいて処理を実行する。制御部200は、例えば、マイクロプロセッサユニットで構成され、記憶部70に記憶されるプログラムから命令コードを順次読み込んで、読み込んだ命令コードで指示された手順に従って第2携帯電話機2の各種の処理を実行する。すなわち、制御部200は、第2携帯電話機2の各種の処理が、操作部34の操作、及び記憶部70に記憶されるプログラムに応じて適切な手順で実行されるように、表示部35、通信部36及び音声処理部50等の動作を制御する。
制御部200は、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを、保護者に対して報知するための各種制御を行う。例えば、制御部200は、第1携帯電話機1から受信した報知情報に基づいた画面等を表示部35に表示させると共に、音声処理部50を制御して報知音等をスピーカ32等から出力する。制御部200は、画面等の表示又は報知音等の出力のいずれか一方で報知を行ってもよい。
ここまで、本実施形態に係る通信システム10の基本的な構成について説明を行った。以下に、図5から図7を参照しながら、通信システム10における、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを検出した場合の制御の例を説明する。図5は、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを検出した場合の通信システム10の処理の例を示す図である。図6は、報知情報を受信した第2携帯電話機2が表示する画面の例を示す図である。図7は、位置情報を受信した第2携帯電話機2が表示する画面の例を示す図である。
図5に示すように、第1携帯電話機1は、所定時間又はそれよりも短い間隔で、測位部110で測位処理を定期的に実行する(ステップS1)。第1携帯電話機1は、測位処理の実行によって得られた位置情報に基づいて、算出部120で移動距離を算出する(ステップS2)。第1携帯電話機1は、判定部140で移動距離が距離範囲から外れたかを判定する。移動距離が距離範囲から外れたことが検出されると(ステップS3)、第1携帯電話機1は、報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきであるかを判定する。例えば、第1携帯電話機1は、最後に測位した位置が報知条件情報44の領域条件が示すいずれかの領域にも含まれない場合、報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきであると判定する。あるいは、第1携帯電話機1は、最後に測位した位置が報知条件情報44の領域条件が示すいずれかの領域に含まれても、現在時刻が、その領域に対応する時間帯に含まれない場合、報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきであると判定する。報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきであると判定した場合、第1携帯電話機1は、移動距離と距離範囲との比較結果を示す情報を含む報知情報を第2携帯電話機2に送信する(ステップS4)。報知情報は、例えば、最後に得られた位置情報、移動距離、現在時刻等をさらに含む。
第1携帯電話機1は、移動距離が距離範囲から外れたことを検出した場合に、位置送信処理のモードを変更する。位置送信処理は、測位部110に測位を行わせ、得られた位置情報を第2携帯電話機2へ送信する処理である。位置送信処理のための測位は、移動距離の算出のための測位を兼ねていてもよい。モードの変更は、実行されていなかった位置送信処理が定期的に実行されるようにすることであってもよい。モードの変更は、位置送信処理が実行される送信間隔を変更することであってもよい。送信間隔を短くすることにより、保護者は被保護者の状況を細かく把握することが可能になる。送信間隔を長くすることにより、電力消費を抑制し、第1携帯電話機1の稼働時間を延ばすことができる。第1携帯電話機1は、位置送信処理において位置情報を送信する際に、他の情報を一緒に送信してもよい。他の情報は、例えば、現在時刻、バッテリの残量等である。この場合、モードの変更は、第2携帯電話機2へ送信する情報を増やすこと、又は減らすことであってもよい。
第1携帯電話機1は、移動距離が距離範囲から外れたことを検出する前のモードと後のモードとを、保護者が任意に設定できるように構成されてもよい。第1携帯電話機1は、移動距離が距離範囲の上限を超えた場合と下限を下回った場合とで、モードの変更の仕方を変えるように構成されてもよい。第1携帯電話機1は、保護者の操作に応じて第2携帯電話機2から送信される要求を受信した場合に、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを検出したときに変更したモードを元のモードへ戻すように構成されてもよい。
第2携帯電話機2は、第1携帯電話機1から報知情報を受信すると、報知情報に基づいた報知を行う(ステップS5)。例えば、第2携帯電話機2は、報知情報が含む位置情報に対応した地図データを取得し、図6に示す画面300を表示部35に表示すると共に、報知音をスピーカ32等から出力する。画面300は、メッセージ部301と地図部302とを有する。メッセージ部301は、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを報知するためのメッセージを表示する。地図部302は、報知情報が含む位置情報に対応した地図データを表示する。図6に示す例では、メッセージ部301は、「第1携帯電話機の移動距離が距離範囲から外れました。」のメッセージを表示している。図6に示す例では、地図部302は、報知情報が含む位置情報が示す位置に対応するマークP1を含む地図データ400を表示している。
その後、第1携帯電話機1は、ステップS4で第2携帯電話機2に報知情報を送信してから送信間隔が経過すると、位置送信処理のために、測位部110で測位処理を実行する(ステップS6)。第1携帯電話機1は、測位処理によって得られた位置情報を第2携帯電話機2に送信する(ステップS7)。
第2携帯電話機2は、第1携帯電話機1から位置情報を受信すると、位置情報に基づいた報知を行う(ステップS8)。例えば、第2携帯電話機2は、ステップS4で送信された報知情報が含む位置情報及びステップS7で送信された位置情報が示すそれぞれの位置を含む地図データを取得し、図7に示すように、画面300を更新する。図7に示す例では、画面300のメッセージ部301の表示はそのままとし、地図部302に地図データ401を表示している。地図データ401は、報知情報が含む位置情報が示す位置に対応するマークP1とステップS7で送信された位置情報が示す位置に対応するマークP2とを含む。すなわち、地図データ401は、第1携帯電話機1の現在位置(マークP2)及び移動軌跡(マークP1、P2)を示している。その後、通信システム10は、送信間隔毎に、ステップS6からステップS8の処理を繰り返す。
次に、図8を参照して、第1携帯電話機1が、移動距離が距離範囲から外れたことを検出するための処理手順の例について説明する。図8は、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを検出するための処理手順の例を示すフローチャートである。図8は、所定時間毎に測位処理を実行する場合の処理手順を示している。図8に示す処理手順は、位置送信処理のモードが初期のモードであるときに繰り返して実行される。
図8に示すように、制御部100は、ステップS101として、所定時間をセットし、タイマ等を用いて所定時間の経過を監視する。制御部100は、ステップS102として、所定時間が経過したか否かを判定する。制御部100は、ステップS102で所定時間が経過していない(No)と判定した場合、ステップS102に戻り、それ以降のステップを実行する。制御部100は、ステップS102で所定時間が経過した(Yes)と判定した場合、ステップS103に進む。
制御部100は、ステップS103として、測位部110で測位処理を実行する。制御部100は、ステップS104として、算出部120で移動距離を算出する。制御部100は、ステップS105として、算出部120によって得られた移動距離が距離範囲から外れたか否かを、判定部140で判定する。制御部100は、ステップS105で移動距離が距離範囲から外れていない(No)と判定した場合、本処理手順を終了する。制御部100は、ステップS105で移動距離が距離範囲から外れた(Yes)と判定した場合、ステップS106に進む。
制御部100は、ステップS106として、報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきであるか否かを、報知条件情報44に基づいて判定する。制御部100は、ステップS106で報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきでない(No)と判定した場合、本処理手順を終了する。制御部100は、ステップS106で報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきである(Yes)と判定した場合、ステップS107に進む。
制御部100は、ステップS107として、報知情報を第2携帯電話機2に送信する。そして、制御部100は、ステップS108として、位置送信処理のモードを変更し、本処理手順を終了する。
次に、図9を参照してモードが変更された場合の位置送信処理の処理手順の例について説明する。図9は、モードが変更された場合の位置送信処理の処理手順の例を示すフローチャートである。図9に示す処理手順は、図8に示すステップS108で位置送信処理のモードが変更された後に繰り返して実行される。
図9に示すように、制御部100は、ステップS201として、送信間隔をセットし、タイマ等を用いて送信間隔の経過を監視する。制御部100は、ステップS202として、送信間隔が経過したか否かを判定する。制御部100は、ステップS202で送信間隔が経過していない(No)と判定した場合、ステップS205に進む。制御部100は、ステップS202で送信間隔が経過した(Yes)と判定した場合、ステップS203に進む。
制御部100は、ステップS203として、測位部110で測位処理を実行する。そして、制御部100は、ステップS204として、測位処理によって得られた位置情報を第2携帯電話機2に送信する。その後、制御部100は、本処理手順を終了する。
制御部100は、ステップS205として、モード復帰要求が発生したか否かを判定する。モード復帰要求は、位置送信処理のモードを初期のモードへ復帰させる要求である。モード復帰要求は、例えば、第2携帯電話機2に対する保護者の所定の操作に基づく指示が第2携帯電話機2から第1携帯電話機1へ送信された場合に発生する。第1携帯電話機1は、位置送信処理のモードを変更した後に、報知情報を送信すべき状況が継続しているか否かを報知条件情報44に基づいて定期的に判定し、報知情報を送信すべき状況が継続していないと判定された場合にモード復帰要求を発生させてもよい。
制御部100は、ステップS205でモード復帰要求が発生していない(No)と判定した場合、ステップS202に戻り、それ以降のステップを実行する。制御部100は、ステップS205でモード復帰要求が発生した(Yes)と判定した場合、ステップS206に進む。制御部100は、ステップS206として、位置送信処理のモードを初期のモードへ戻し、本処理手順を終了する。
次に、図10を参照して、第2携帯電話機2が、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを報知する場合の処理手順の例について説明する。図10は、第2携帯電話機2が、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを報知する場合の処理手順の例を示すフローチャートである。図10に示す処理手順は、繰り返して実行される。
図10に示すように、制御部200は、ステップS301として、第1携帯電話機1から報知情報を受信したか否かを判定する。制御部200は、ステップS301で報知情報を受信していない(No)と判定した場合、ステップS304に進む。制御部200は、ステップS301で報知情報を受信した(Yes)と判定した場合、報知情報を記憶部70に記憶し、ステップS302に進む。
制御部200は、ステップS302として、報知情報に含まれる位置情報が示す位置を含む地図データを取得する。制御部200は、ステップS303として、第1携帯電話機1から受信した報知情報に基づいた報知を行う。その後、制御部200は、ステップS304に進む。
制御部200は、ステップS304として、第1携帯電話機1から位置情報を受信したか否かを判定する。制御部200は、ステップS304で位置情報を受信していない(No)と判定した場合、ステップS307に進む。制御部200は、ステップS304で位置情報を受信した(Yes)と判定した場合、受信した位置情報を、ステップS301で受信している報知情報に関連付けて記憶部70に記憶し、ステップS305に進む。
制御部200は、ステップS305として、位置情報が示す位置を含む地図データを取得する。制御部200は、ステップS306として、位置情報に基づいた報知を行う。
制御部200は、ステップS307として、操作部34に対して、第1携帯電話機1における位置送信処理のモードを初期のモードに復帰させるためのモード復帰の操作があったか否かを判定する。制御部200は、ステップS307でモード復帰の操作がなかった(No)と判定した場合、本処理手順を終了する。制御部200は、ステップS307でモード復帰の操作があった(Yes)と判定した場合、ステップS308に進む。
制御部200は、ステップS308として、第1携帯電話機1における位置送信処理のモード復帰の指示を第1携帯電話機1に送信し、本処理手順を終了する。
上述したように、第1携帯電話機1は、移動距離が距離範囲から外れたことを検出すると、報知情報を第2携帯電話機2へ送信する。このため、保護者は、被保護者の移動状態が通常の状態でない場合に、そのことを速やかに知ることができる。その結果、保護者は、被保護者の連れ去り、事故に遭遇、体調不良などに対して迅速な対応が可能となる。
上述したように、第1携帯電話機1は、移動距離が距離範囲から外れたことを検出した場合、位置送信処理のモードを変更する。このため、第1携帯電話機1は、被保護者の移動状態が通常の状態でない場合に、位置情報を第2携帯電話機2へ送信する間隔等を状況に応じて適切に設定することができる。
上述したように、第1携帯電話機1は、移動距離が距離範囲から外れたことを検出した後、定期的に測位処理を行い、位置情報を第2携帯電話機2に送信する。このため、保護者は、被保護者の居場所に関する最新の情報を定期的に知ることができる。
第1携帯電話機1は、位置送信処理のモードを、第2携帯電話機2から送信される要求に応じて変更するように構成されてもよい。
図11を参照しながら、通信システム10において、移動距離が距離範囲から外れたことを検出した場合に、第1携帯電話機1が第2携帯電話機2から送信される要求に応じて位置送信処理のモードを変更する場合の制御の例を説明する。図11は、第1携帯電話機の移動距離が距離範囲から外れたことを検出した場合の通信システムの処理の他の例を示す図である。
図11に示すように、第1携帯電話機1は、所定時間又はそれよりも短い間隔で、測位部110で測位処理を定期的に実行する(ステップS11)。第1携帯電話機1は、測位処理の実行によって得られた位置情報に基づいて、算出部120で移動距離を算出する(ステップS12)。第1携帯電話機1は、判定部140で移動距離が距離範囲から外れたかを判定する。移動距離が距離範囲から外れたことが検出されると(ステップS13)、第1携帯電話機1は、報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきであるかを判定する。報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきであると判定した場合、第1携帯電話機1は、移動距離と距離範囲との比較結果を示す情報を含む報知情報を第2携帯電話機2に送信する(ステップS14)。
第2携帯電話機2は、第1携帯電話機1から報知情報を受信すると、報知情報に基づいた報知を行う(ステップS15)。このとき、保護者が、被保護者の位置の定期的な報知を求める所定の操作を行ったものとする。その場合、第2携帯電話機2は、定期送信要求を第1携帯電話機1に送信する(ステップS16)。第2携帯電話機2は、報知情報に基づいた報知を行う場合に、被保護者の位置の定期的な報知を行うか否かを保護者に問い合わせてもよい。
第1携帯電話機1は、第2携帯電話機2から定期送信要求を受信すると、位置情報の送信が定期的に行われるように位置送信処理のモードを設定する。その後、第1携帯電話機1は、位置送信処理のモードを変更してから第1送信間隔が経過すると、測位部110で測位処理を実行する(ステップS17)。第1携帯電話機1は、測位処理によって得られた位置情報を第2携帯電話機2に送信する(ステップS18)。
第2携帯電話機2は、第1携帯電話機1から位置情報を受信すると、位置情報に基づいた報知を行う(ステップS19)。このとき、保護者が、位置送信処理の送信間隔を変更するための所定の操作を行ったものとする。その場合、第2携帯電話機2は、送信間隔の変更を求める変更要求を第1携帯電話機1に送信する(ステップS20)。
第1携帯電話機1は、第2携帯電話機2から変更要求を受信すると、変更要求に基づいて第1送信間隔を第2送信間隔に変更する(ステップS21)。その後、第1携帯電話機1は、ステップS18で第2携帯電話機2に位置情報を送信してから第2送信間隔が経過すると、測位部110で測位処理を実行する(ステップS22)。第1携帯電話機1は、測位処理によって得られた位置情報を第2携帯電話機2に送信する(ステップS23)。
第2携帯電話機2は、第1携帯電話機1から位置情報を受信すると、位置情報に基づいた報知を行う(ステップS24)。その後、通信システム10は、第2送信間隔毎に、ステップS22からステップS24を繰り返す。
次に、図12を参照して、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを検出した場合に、第1携帯電話機1が第2携帯電話機2からの要求に応じてモードを変更する処理手順の例について説明する。図12は、第1携帯電話機1が第2携帯電話機2からの要求に応じてモードを変更する制御を示すフローチャートである。図12に示す処理手順は、位置送信処理のモードが初期のモードであるときに繰り返し実行される。
図12に示すように、制御部100は、ステップS401として、所定時間をセットし、タイマ等を用いて所定時間の経過を監視する。制御部100は、ステップS402として、所定時間が経過したか否かを判定する。制御部100は、ステップS402で所定時間が経過していない(No)と判定した場合、ステップS402に戻り、それ以降のステップを実行する。制御部100は、ステップS402で所定時間が経過した(Yes)と判定した場合、ステップS403に進む。
制御部100は、ステップS403として、測位部110で測位処理を実行する。制御部100は、ステップS404として、算出部120で移動距離を算出する。制御部100は、ステップS405として、算出部120によって得られた移動距離が距離範囲から外れたか否かを判定する。制御部100は、ステップS405で移動距離が距離範囲から外れていない(No)と判定した場合、本処理手順を終了する。制御部100は、ステップS405で移動距離が距離範囲から外れた(Yes)と判定した場合、ステップS406に進む。
制御部100は、ステップS406として、報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきであるか否かを、報知条件情報44に基づいて判定する。制御部100は、ステップS406で報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきでない(No)と判定した場合、本処理手順を終了する。制御部100は、ステップS406で報知情報を第2携帯電話機2に送信すべきである(Yes)と判定した場合、ステップS407に進む。
制御部100は、ステップS407として、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを示す報知情報を第2携帯電話機2に送信する。
制御部100は、ステップS408として、第2携帯電話機2から定期送信要求を受信したか否かを判定する。制御部100は、ステップS408で第2携帯電話機2から定期送信要求を受信していない(No)と判定した場合、本処理手順を終了する。制御部100は、ステップS408で第2携帯電話機2から定期送信要求を受信した(Yes)と判定した場合、ステップS409に進む。制御部100は、ステップS409として、位置送信処理のモードを変更し、本処理手順を終了する。
次に、図13を参照して、制御部100が第2携帯電話機2からの定期送信要求に応じて位置測位処理のモードを変更した場合に、第2携帯電話機2に位置情報の報知を行う場合の処理手順の例について説明する。図13は、第1携帯電話機1が第2携帯電話機2からの要求に応じてモードが変更された場合の位置送信処理の処理手順の例を示すフローチャートである。図13に示す処理手順は、図12に示すステップS409で位置送信処理のモードが変更された後に繰り返し実行される。
図13に示すように、制御部100は、ステップS501として、送信間隔をセットし、タイマ等を用いた送信間隔の経過を監視する。制御部100は、ステップS502として、送信間隔が経過したか否かを判定する。制御部100は、ステップS502で送信間隔が経過した(Yes)と判定した場合、ステップS503に進む。
制御部100は、ステップS503として、測位部110で測位処理を実行する。そして、制御部100は、ステップS504として、測位処理によって得られた位置情報を第2携帯電話機2に送信する。その後、制御部100は、本処理手順を終了する。
制御部100は、ステップS502で送信間隔が経過していない(No)と判定した場合、ステップS505に進む。制御部100は、ステップS505として、第2携帯電話機2から変更要求を受信したか否かを判定する。制御部100は、ステップS505で変更要求を受信していない(No)と判定した場合、ステップS507に進む。
制御部100は、ステップS505で変更要求を受信した(Yes)と判定した場合、ステップS506に進む。制御部100は、ステップS506として、受信した変更要求に基づいて送信間隔を変更する。
制御部100は、ステップS507として、上述したモード復帰要求が発生したか否かを判定する。制御部100は、ステップS507でモード復帰要求が発生していない(No)と判定した場合、ステップS502に戻り、それ以降のステップを実行する。制御部100は、ステップS507でモード復帰要求が発生した(Yes)と判定した場合、ステップS508に進む。制御部100は、ステップS508として、位置送信処理のモードを初期のモードへ戻し、本処理手順を終了する。
次に、図14を参照して、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを、第2携帯電話機2が報知し、第1携帯電話機1に定期報知を要求する場合の処理手順の例について説明する。図14は、第2携帯電話機2が、第1携帯電話機1の移動距離が距離範囲から外れたことを報知する場合の処理手順の他の例を示すフローチャートである。
図14に示すように、制御部200は、ステップS601として、第1携帯電話機1から報知情報を受信したか否かを判定する。制御部200は、ステップS601で報知情報を受信していない(No)と判定した場合、ステップS606に進む。制御部200は、ステップS601で報知情報を受信した(Yes)と判定した場合、報知情報を記憶部70に記憶し、ステップS602に進む。
制御部200は、ステップS602として、報知情報に含まれる位置情報が示す位置を含む地図データを取得する。制御部200は、ステップS603として、第1携帯電話機1から受信した報知情報に基づいた報知を行う。その後、制御部200は、ステップS604に進む。
制御部200は、ステップS604として、操作部34に対して定期報知の操作があったか否かを判定する。制御部200は、ステップS604で定期報知の操作がなかった(No)と判定した場合、ステップS606に進む。制御部200は、ステップS604で定期報知の操作があった(Yes)と判定した場合、ステップS605に進む。制御部200は、ステップS605として、定期送信要求を第1携帯電話機1に送信する。
制御部200は、ステップS606として、第1携帯電話機1から位置情報を受信したか否かを判定する。制御部200は、ステップS606で位置情報を受信していない(No)と判定した場合、ステップS609に進む。制御部200は、ステップS606で位置情報を受信した(Yes)と判定した場合、受信した位置情報を、ステップS601で受信している報知情報に関連付けて記憶部70に記憶し、ステップS607に進む。
制御部200は、ステップS607として、位置情報が示す位置を含む地図データを取得する。制御部200は、ステップS608として、位置情報に基づいた報知を行う。
制御部200は、ステップS609として、操作部34に対して送信間隔変更の操作があったか否かを判定する。制御部200は、ステップS609で送信間隔変更の操作がなかった(No)と判定した場合、ステップS611に進む。制御部200は、ステップS609で送信間隔変更の操作があった(Yes)と判定した場合、変更された送信間隔を記憶部70に記憶し、ステップS610に進む。制御部200は、ステップS610として、変更された送信間隔への送信間隔の変更要求を第1携帯電話機1に送信する。
制御部200は、ステップS611として、操作部34に対して、第1携帯電話機1における位置送信処理のモードを初期のモードに復帰させるためのモード復帰の操作があったか否かを判定する。制御部200は、ステップS611でモード復帰の操作を検出していない(No)と判定した場合、本処理手順を終了する。制御部200は、ステップS611でモード復帰の操作があった(Yes)と判定した場合、ステップS612に進む。
制御部200は、ステップS612として、第1携帯電話機1における位置送信処理のモード復帰の指示を第1携帯電話機1に送信し、本処理手順を終了する。
上述したように、第1携帯電話機1は、移動距離が距離範囲から外れたことを検出した場合、第2携帯電話機2からの要求に応じて位置送信処理のモードを変更する。このため、第1携帯電話機1は、被保護者の移動状態が通常の状態でない場合に、位置情報を第2携帯電話機2へ定期的に送信するか否かを、保護者からの要求に応じて適切に判定することができる。
上述したように、第1携帯電話機1は、第2携帯電話機2からの変更要求に基づいて、位置情報の送信間隔を変更する。例えば、第1携帯電話機1は、送信間隔を短く変更する場合、位置情報をより高い頻度で第2携帯電話機2に送信する。このため、保護者は、被保護者の移動状況を細かく把握することができる。あるいは、第1携帯電話機1は、送信間隔を長く変更する場合、電力消費を抑制して稼働時間が延びる。このため、保護者は、長時間にわたって被保護者の状況を把握することができる。
本出願の開示する実施形態は、発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
上記の実施形態では、移動距離と比較される距離範囲が、予め定められた複数の候補の中から選択される例を示した。しかしながら、距離範囲の取得の仕方は、これに限定されない。例えば、距離範囲は、計数部130によって所定時間内に計数される歩数に基づいて、動的に算出されてもよい。この場合、例えば、被保護者の歩幅の最小値に歩数を乗じた値が距離範囲の下限となり、被保護者の歩幅の最大値に歩数を乗じた値が距離範囲の上限となる。歩幅の最小値は、例えば、ゆっくりと歩くときの歩幅である。歩幅の最大値は、例えば、走るときの歩幅である。被保護者の歩幅の最小値及び最大値は、例えば、身体能力を特定するための情報と対応付けられた複数の候補の中から、被保護者の身体能力を示す情報と対応するものを選択することによって取得される。
あるいは、距離範囲は、予め用意された関数にパラメータを設定することによって算出されてもよい。パラメータは、例えば、所定時間、年齢、学年、性別、居住地域、身長、歩幅等である。
距離範囲は、保護者によって予め設定されてもよい。第1携帯電話機1は、勾配の大きさ等の地理的な条件、時間帯による通行人の数の変動等の時間的な条件、道の狭さ等の交通状況による条件、雨、風等の天候による条件等の現在の条件に応じて、距離範囲を変動させるように構成されてもよい。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。