JP2014027241A - 有機半導体素子及び有機半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板とソース電極及びドレイン電極との間の絶縁膜を、加熱により所定の形状変化を起すものとし、この絶縁膜上にソース電極とドレイン電極とを形成させた上で、絶縁膜を加熱して前述の所定の形状変化を生じさせることにより、チャンネル間距離の短いソース電極とドレイン電極とを形成する。
【選択図】図1
Description
基板と、
基板上に設けられた下層絶縁膜と、
下層絶縁膜上に設けられた、一端部の形状が順テーパー形状である上層絶縁膜と、
上層絶縁膜上に設けられた第一電極と、
下層絶縁膜上の、上層絶縁膜の順テーパー形状の端部側に、第一電極と離間して設けられた第二電極と、
第一電極表面、第二電極表面、上層絶縁膜表面、及び下層絶縁膜表面を被覆して設けられた有機半導体層と、
有機半導体層上に設けられた上部絶縁膜と、
上部絶縁膜上に設けられた第三電極と、
を備える、有機半導体素子である。
(I)基板上に下層絶縁膜を形成する、下層絶縁膜形成工程と、
(II)下層絶縁膜上に、一端部の形状が逆テーパー形状である上層絶縁膜を形成する、上層絶縁膜形成工程と、
(III)上層絶縁膜上に第一電極を形成し、下層絶縁膜上の、上層絶縁膜の逆テーパー形状の端部側に、第一電極と離間する第二電極を形成する、第一及び第二電極形成工程と、
(IV)前記上層絶縁膜を加熱し、前記上層絶縁膜の一端部の形状を、逆テーパー形状から順テーパー形状に変換する、上層絶縁膜加熱工程と、
(V)前記第一電極表面、前記第二電極表面、前記上層絶縁膜表面、及び前記下層絶縁膜表面を被覆する有機半導体層を形成する、有機半導体層形成工程と、
(VI)前記有機半導体層上に上部絶縁膜を形成する、上部絶縁膜形成工程と、
(VII)上部絶縁膜上に第三電極を形成する、第三電極形成工程と、
を含む、有機半導体素子の製造方法である。
以下、第一の態様に係る有機半導体素子について説明する。以下、第一の態様に係る有機半導体素子を、図1を参照して説明する。図1は、第一の態様に係る有機半導体素子の概略構成を示す断面図である。
基板11と、
基板11上に設けられた下層絶縁膜12と、
下層絶縁膜12上に設けられた、一端部の形状が順テーパー形状である上層絶縁膜13と、
上層絶縁膜13上に設けられた第一電極14と、
下層絶縁膜12上の、上層絶縁膜13の順テーパー形状の端部側に、第一電極14と離間して設けられた第二電極15と、
第一電極14の表面、第二電極15の表面、上層絶縁膜13の表面、及び下層絶縁膜12の表面を被覆して設けられた有機半導体層16と、
有機半導体層16上に設けられた上部絶縁膜17と、
上部絶縁膜17上に設けられた第三電極18と、
を備える。
以下、第一の態様に係る有機半導体素子を構成する、基板と、種々の層や膜と、電極と、について順に説明する。
基板11は、下層絶縁膜12と良好に密着し、有機半導体素子1を製造する際の加工温度で安定であれば特に限定されない。好適な基板1の材質としては、例えば、ポリイミド等の耐熱性樹脂(フィルム)、ガラス、シリコン等が挙げられる。
下層絶縁膜12は基板11上に形成される。下層絶縁膜12の材料は、従来から、有機半導体素子の製造において、絶縁膜として使用されている材料から適宜選択することができる。下層絶縁膜を形成するための好適な材料については、後述する本発明の第二の態様に係る有機半導体素子の製造方法の説明において詳細に記す。下層絶縁膜12の厚さは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、30〜5000nmが好ましく、50〜1000nmがより好ましい。
上層絶縁膜13は、下層絶縁膜12上の一部に、一端部の形状が順テーパー形状であるように形成される。順テーパー形状とは、上層絶縁膜13の傾斜している端面と、下層絶縁膜12と上層絶縁膜13との接触面とがなす角のうち、上層絶縁膜13側の角度が鋭角であることを意味する。上層絶縁膜を形成するための好適な材料については、後述する本発明の第二の態様に係る有機半導体素子の製造方法の説明において詳細に記す。上層絶縁膜13の厚さは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、30〜5000nmが好ましく、50〜2000nmがより好ましい。
第一電極14は、前述の上層絶縁膜13上に形成される。第二電極15は、下層絶縁膜12上の、上層絶縁膜13の順テーパー形状の端部側に、第一電極14と離間して形成される。第一電極14及び第二電極15を形成するための好適な材料については、後述する本発明の第二の態様に係る有機半導体素子の製造方法の説明において詳細に記す。第一電極14及び第二電極15は、それぞれ、ソース電極であってもドレイン電極であってもよい。第一電極14がソース電極である場合、第二電極15はドレイン電極である。第一電極14がドレイン電極である場合、第二電極15はソース電極である。
有機半導体層16は、第一電極14の表面、第二電極15の表面、上層絶縁膜13の表面、及び下層絶縁膜12の表面を被覆するように設けられる。有機半導体層16の材料は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。有機半導体層16の材料は、従来から有機半導体素子において有機半導体層形成用の材料として使用されている有機化合物から適宜選択して使用することができる。有機半導体層16を形成するための好適な材料については、後述する本発明の第二の態様に係る有機半導体素子の製造方法の説明において詳細に記す。有機半導体層16の厚さは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、2〜1000nmが好ましく、10〜200nmがより好ましい。
上部絶縁膜17は、有機半導体層16上に、有機半導体層16を被覆するように設けられる。上部絶縁膜17を形成するための好適な材料については、後述する本発明の第二の態様に係る有機半導体素子の製造方法の説明において詳細に記す。上部絶縁膜17の厚さは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、50〜2000nmが好ましく、100〜1000nmがより好ましい。
第三電極18は、上部絶縁膜17上にゲート電極として形成される。第三電極の材料としては、第一電極及び第二電極と同様のものが使用できる。
以下、第二の態様に係る有機半導体素子の製造方法について説明する。以下、第二の態様に係る有機半導体素子を、図2(a)〜図2(h)を参照して説明する。図2(a)〜図2(h)は、第二の態様に係る有機半導体素子の製造方法について、基板上への絶縁層や電極の積層を順に示す。
(I)基板上に下層絶縁膜を形成する、下層絶縁膜形成工程と、
(II)下層絶縁膜上に、一端部の形状が逆テーパー形状である上層絶縁膜を形成する、上層絶縁膜形成工程と、
(III)上層絶縁膜上に第一電極を形成し、下層絶縁膜上の、上層絶縁膜の逆テーパー形状の端部側に、第一電極と離間する第二電極を形成する、第一及び第二電極形成工程と、
(IV)上層絶縁膜を加熱し、上層絶縁膜の一端部の形状を、逆テーパー形状から順テーパー形状に変換する、上層絶縁膜加熱工程と、
(V)第一電極表面、第二電極表面、上層絶縁膜表面、及び下層絶縁膜表面を被覆する有機半導体層を形成する、有機半導体層形成工程と、
(VI)有機半導体層上に上部絶縁膜を形成する、上部絶縁膜形成工程と、
(V)上部絶縁膜上に第三電極を形成する、第三電極形成工程と、
を含む、有機半導体素子の製造方法。
以下、工程(I)から工程(V)について順に説明する。
図2(a)及び(b)に示されるように、(I)下層絶縁膜形成工程では、基板11上に、下層絶縁膜12を形成する。下層絶縁膜12の形成に使用される材料(以下、下層絶縁膜形成材料とも記す。)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来から有機半導体素子用の絶縁膜の形成に使用される材料から適宜選択して使用できる。下層絶縁膜形成材料としては、種々の絶縁性の有機材料を含む材料を用いることができる。下層絶縁膜形成材料に含まれる絶縁性の有機材料としては、高分子化合物が好ましい。絶縁性材料として使用される高分子化合物としては、シルセスキオキサン骨格を有する樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素含有樹脂及びポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂等の樹脂が挙げられ、これらの中ではシルセスキオキサン骨格を有する樹脂が好ましい。シルセスキオキサン骨格を有する樹脂を含む材料を下層絶縁膜形成材料として用いて下層絶縁膜12を形成することにより、低電圧で駆動でき、駆動電圧が安定している有機半導体素子が得られる。以下、好適な下層絶縁膜形成材料である、シルセスキオキサン骨格を有する樹脂を含む材料について説明する。
シルセスキオキサン骨格は、主鎖がシロキサンユニットであり、側鎖が炭化水素系基であることから、無機化合物と有機化合物がハイブリッド化されているラダー構造といえる。このラダー構造は、分岐が少ないため、通常のシルセスキオキサン骨格を有する樹脂よりも分子間の空隙は少ない。従って、下層絶縁膜12を構成する材料を(A)シルセスキオキサン骨格を有する樹脂とすることによって、低温でも緻密な絶縁膜を形成することが可能となる。また、膜厚が500nm以下であっても、十分な絶縁性を有する下層絶縁膜12を形成することが可能となる。(A)シルセスキオキサン骨格を有する樹脂(以下、(A)成分とも記す)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。
下層絶縁膜形成材料は、(A)成分とともに、(B)光又は熱の作用により酸又は塩基を発生する化合物(B)(以下、(B)成分とも記す)をさらに含有するのが好ましい。下層絶縁膜形成材料が、(A)成分とともに(B)成分を含有する場合、酸又は塩基の発生により、(A)成分中での加水分解反応が促進され、シルセスキオキサン化合物が、効率よくラダー状に架橋される。その結果、下層絶縁膜12を形成する際に生じる下層絶縁膜12中の分子間の空隙が効率よく埋められ、緻密な絶縁膜を形成することができる。
ここで、熱の作用により酸を発生する化合物を熱酸発生剤という。
ここで、熱の作用により塩基を発生する化合物を熱塩基発生剤という。
ここで、光の作用により酸を発生する化合物を光酸発生剤という。
ここで、光の作用により塩基を発生する化合物を光塩基発生剤という。
下層絶縁膜形成材料は、(A)成分、又は(A)成分及び(B)成分とともに、架橋剤成分である(C)成分を含んでいてもよい。(C)成分は、前述の構成単位(a1)中の−OR1基と反応可能であれば特に限定されず、従来から各種の樹脂の架橋に使用されている架橋剤から適宜選択して使用することができる。下層絶縁膜形成材料に(C)成分を配合することにより、(A)成分に架橋を導入し、緻密な下層絶縁膜12を形成することができる。
下層絶縁膜形成材料は、必要に応じ、有機溶剤である(D)成分を含んでいてもよい。(D)成分とし使用する有機溶媒は、前述の樹脂や架橋剤を溶解させることができれば特に限定されず、アルコール類や、エステル類等の公知の有機溶剤から適宜選択して使用することができる。(D)成分として使用できる好適な有機溶媒の具体例としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のグリコールエステル類;前述の多価アルコール類又はグリコールエステル類のモノC1−4アルキルエーテル又はモノフェニルエーテル;ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のアルカノールエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。多価アルコール類又はグリコールエステル類のモノC1−4アルキルエーテル又はモノフェニルエーテルの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
下層絶縁膜形成材料は、前述の(A)成分から(D)成分の他に、必要に応じて、(E)その他の成分として、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。これらの添加剤は、それぞれの添加剤について慣用される範囲の量で使用される。
図2(b)及び図2(c)に示されるように、(II)上層絶縁膜形成工程では、工程(I)で形成される下層絶縁膜12上に、一端部の形状が逆テーパー形状である上層絶縁膜13を形成する。逆テーパー形状とは、上層絶縁膜13の傾斜している端面と、下層絶縁膜12と上層絶縁膜13との接触面とがなす角のうち、上層絶縁膜13側の角度が鈍角であることを意味する。
図2(c)及び図2(d)に示されるように、(III)第一及び第二電極形成工程では、上層絶縁膜13上に第一電極14を形成し、下層絶縁膜12上の、上層絶縁膜13の逆テーパー形状の端部側に、第一電極14と離間する第二電極15を形成する。
図2(d)及び図2(e)に示されるように、(IV)上層絶縁膜加熱工程では、工程(II)で形成された、一端部の形状が逆テーパー形状である上層絶縁膜13を、工程(III)で形成された第一電極14とともに加熱して、上層絶縁膜13の一端部の形状を、逆テーパー形状から順テーパー形状に変換させる。上層絶縁膜13が工程(II)に説明される材料により形成されているため、上層絶縁膜13の一端部の形状は、逆テーパー形状から順テーパー形状に変換される。
図2(e)及び図2(f)に示されるように、(V)有機半導体層形成工程では、工程(I)〜(IV)により形成された、第一電極14、第二電極15、上層絶縁膜13、及び下層絶縁膜12の表面を被覆するように有機半導体層16を形成する。有機半導体層16を形成する方法は特に限定されず、蒸着、塗布等の公知の方法から適宜選択できる。
有機半導体層16の材料の例としては、アントラセン、テトラセン、及びペンタセン等のアセン系化合物又はその誘導体;ポリチオフェン又はその誘導体;オリゴチオフェン又はその誘導体;ポリフェニレン又はその誘導体;オリゴフェニレン又はその誘導体;ポリアセチレン又はその誘導体;フタロシアニン化合物;シアニン色素;ポリフルオレン又はその誘導体等が挙げられる。
図2(f)及び図2(g)に示されるように、(VI)上部絶縁膜形成工程では、工程(V)で形成される有機半導体層16上に、有機半導体層16を被覆する上部絶縁膜17を形成する。上部絶縁膜17の材料は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からゲート電極(第三電極18)と有機半導体層16とを絶縁する絶縁層の材料として使用されている材料から適宜選択される。上部絶縁膜は、例えば、下層絶縁膜形成材料と同様の材料及び方法により形成することができる。好適な上部絶縁膜の材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、ポリフェノール樹脂、ポリイミド樹脂及びフッ素含有樹脂(PTFE、サイトップ)等の種々の樹脂や、前述のシルセスキオキサン骨格を有する樹脂等が挙げられる。また、自己組織化単分子膜やAl2O3等の酸化物等を上部絶縁膜の材料として用いることも可能である。
図2(g)及び図2(h)に示されるように、(VII)第三電極形成工程では、工程(VI)で形成される上部絶縁膜17上に、ゲート電極である第三電極18が形成される。第三電極18の材料及び形成方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。例えば、第三電極18は、第一電極14及び第二電極15と、同様材料の及び方法によって形成される。
(下層絶縁膜形成材料の調製)
p−ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン単位/フェニルシルセスキオキサン単位のモル比が70/30であり、質量平均分子量(Mw)が7000であり、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.8である、前述の式(A−1)で表されるシルセスキオキサン樹脂100質量部と、ヘキサメチルメトキシメラミン(架橋剤、ニカラックMw30HM、三和ケミカル株式会社製)10質量部とを、固形分濃度が15質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて、下層絶縁膜形成材料を調製した。
p−ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン単位/フェニルシルセスキオキサン単位のモル比が70/30であり、質量平均分子量(Mw)が7000であり、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.8である、前述の式(A−1)で表されるシルセスキオキサン樹脂100質量部と、ヘキサメチルメトキシメラミン(架橋剤、ニカラックMw30HM、三和ケミカル株式会社製)2質量部と、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム3質量部(光酸発生剤)、トリ−n−オクチルアミン0.3質量部とを、固形分濃度が20質量%となるようにPGMEAに溶解させて、上層絶縁膜形成材料を調製した。
3cm角のガラス基板上に、下層絶縁膜形成材料をスピン塗布した後、形成された塗布膜を150℃にて20分間加熱して、膜厚400nmの下層絶縁膜を形成した。
下層絶縁膜上に、上層絶縁膜形成材料を、下層絶縁膜形成材料と同様にスピン塗布した後、塗布された上層絶縁膜形成材料の片側をマスクして、ウシオ(株)製エキシマ光照射装置にて中心波長172nm,放射照度10mW/cm2で、窒素雰囲気下で、上層絶縁膜形成材料の塗布膜に対してエキシマ光を10秒間照射した。次いで、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウム水酸化物の水溶液(NMD−3、東京応化工業株式会社製)により現像を行った。露光及び現像された上層絶縁膜形成材料の膜を、120℃で20分加熱して、膜厚1000nmの上層絶縁膜を形成した。形成された上層絶縁膜の形状を、走査型電子顕微鏡(HITACHI S−4500)により観察したところ、端部の形状が逆テーパー形状であることが確認された。上層絶縁膜の形状を走査型電子顕微鏡により確認した際の、電子顕微鏡写真を図3に示す。
金属蒸着装置(ULVAC製、VPC−1100)を用いて、第一及び第二電極を形成した。具体的には、上層絶縁膜及び下層絶縁膜が形成された基板を金属蒸着装置の天板に貼り付けて、真空度10−3Pa以下にて、銀を150nm膜厚で蒸着し、上層絶縁膜上に第一電極を形成し、下層絶縁膜上に第二電極を形成した。形成された第一電極及び第二電極を、基板の上方より光学顕微鏡である超解像デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、VHXシリーズ)により観察したところ、第一電極と第二電極とが隣接して形成されていることが確認された。この時の光学顕微鏡写真を、図5に示す。
第一電極及び第二電極がそれらの表面に形成された、上層絶縁膜と下層絶縁膜とを、窒素雰囲気下に、250℃で40分間加熱した。加熱後の上層絶縁膜の形状を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、端部の形状が順テーパー形状であることが確認された。また、加熱後の第一電極及び第二電極の状態を基板の上方より光学顕微鏡である超解像デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、VHXシリーズ)により観察したところ、第一電極と第二電極とが僅かに離間していることが確認された。光学顕微鏡写真より、第一電極と第二電極との距離(チャンネル間距離)を測定したところ、10μmであった。この時の光学顕微鏡写真を、図6に示す。
有機半導体層の材料として、P3HT(Merck社製)を3質量%濃度で1,2−ジクロロベンゼンに溶解させたものを用いた。有機半導体層形成用の材料を、第一電極及び第二電極上にスピン塗布した後、塗布膜を200℃で10分加熱して、膜厚100nmである有機半導体層を形成した。
ポリメチルメタクリレート(Sigma−Aldrich社製)の8質量%濃度の酢酸ブチル溶液を有機半導体層上にスピン塗布した後、塗布膜を150℃で10分間加熱して、膜厚600nmの上部絶縁膜を形成した。
上部絶縁膜上に、第一電極及び第二電極の形成と同様にして銀を蒸着して、第三電極を形成して、有機半導体素子を得た。
得られた有機半導体素子を用いて、20℃、真空中、暗状態で、移動度(cm2/Vs)と、閾値電圧(V)とを測定した。測定結果を表1に記す。
P3HTに変えて、p−BTT−C16(Merck社製)を1,2−ジクロロベンゼンに3質量%濃度で溶かした溶液により有機半導体層を形成することの他は、実施例1と同様にして有機半導体素子を得た。得られた有機半導体素子の移動度と閾値電圧とを、実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に記す。
(絶縁膜形成材料の調製)
p−ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン単位/フェニルシルセスキオキサン単位のモル比が70/30であり、質量平均分子量(Mw)が7000であり、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.8である、前述の式(A−1)で表されるシルセスキオキサン樹脂100質量部と、ヘキサメチルメトキシメラミン(架橋剤、ニカラックMw30HM、三和ケミカル株式会社製)10質量部と、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム3質量部(光酸発生剤)、トリ−n−オクチルアミン0.3質量部とを、固形分濃度が20質量%となるようにPGMEAに溶解させて、絶縁膜形成材料を調製した。
ガラス基板上に、絶縁膜形成材料をスピン塗布した後、形成された塗布膜を150℃にて20分間加熱して、膜厚1000nmの絶縁膜を形成した。絶縁膜の表面に、金属蒸着装置(ULVAC製、VPC−1100)を用いて、真空度10−3Pa以下にて、真空蒸着法にて銀を蒸着し、チャンネル間距離が100μmとなるように第一電極及び第二電極を形成した。第一電極及び第二電極の形成後は、実施例1と同様の操作を行い、有機半導体素子を得た。得られた有機半導体素子の移動度と閾値電圧とを、実施例1と同様に測定した。測定結果を表1に記す。
(上層絶縁膜形成材料の調製)
p−ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン単位/フェニルシルセスキオキサン単位のモル比が70/30であり、質量平均分子量(Mw)が7000であり、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.8である、前述の式(A−1)で表されるシルセスキオキサン樹脂100質量部と、ヘキサメチルメトキシメラミン(架橋剤、ニカラックMw30HM、三和ケミカル株式会社製)10質量部と、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン3質量部(光酸発生剤)、トリ−n−オクチルアミン0.3質量部とを、固形分濃度が20質量%となるようにPGMEAに溶解させて、上層絶縁膜形成材料を調製した。
上層絶縁膜形成材料を、上記方法で得られた材料に変更することの他は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に上層絶縁膜と下層絶縁膜とを形成した。形成された上層絶縁膜の形状を、走査型電子顕微鏡(HITACHI S−4500)により観察したところ、端部の面が、下層絶縁膜の表面に対して垂直であることが確認された。上層絶縁膜の形状を走査型電子顕微鏡により確認した際の、電子顕微鏡写真を図4に示す。上層絶縁膜の形成後は、実施例1と同様の操作を行い、有機半導体素子を得た。上層絶縁膜加熱工程前に、形成された第一電極及び第二電極を、基板の上方より光学顕微鏡により観察したところ、第一電極と第二電極とが隣接して形成されていることが確認された。また、上層絶縁膜加熱工程後の、上層絶縁膜の形状を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、端部の形状が順テーパー形状であることが確認された。上層絶縁膜加熱工程後の第一電極と第二電極とのチャンネル間距離を測定したところ10μmであった。得られた有機半導体素子の移動度と閾値電圧とを、実施例1と同様に測定したが、比較例2で得られた有機半導体素子は、半導体素子として駆動しなかった。
本願発明は、有機光デバイスへの応用展開も可能であり、一例として発光性の材料を用いることで、有機発光デバイスが作製可能となる。実施例3では、P3HTに変えて、下記式で表される化合物である、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ベンゾ−{2,1’−3}−チアジアゾール)](Poly[(9,9−dioctylfluorenyl−2,7−diyl)−co−(1,4−benzo−{2,1’−3}−thiadiazole)]、F8BT、American Dye Sources社製)をキシレンに3質量%濃度で溶かした溶液により有機半導体層を形成することの他は、実施例1と同様にして有機半導体素子を得た。なお、下式において、mは、括弧内の繰り返し単位の繰り返し数を表す。
11 基板
12 下層絶縁膜
13 上層絶縁膜
14 第一電極
15 第二電極
16 有機半導体層
17 上部絶縁膜
18 第三電極
Claims (5)
- 基板と、
基板上に設けられた下層絶縁膜と、
前記下層絶縁膜上に設けられた、一端部の形状が順テーパー形状である上層絶縁膜と、
前記上層絶縁膜上に設けられた第一電極と、
前記下層絶縁膜上の、前記上層絶縁膜の順テーパー形状の端部側に、前記第一電極と離間して設けられた第二電極と、
前記第一電極表面、前記第二電極表面、前記上層絶縁膜表面、及び前記下層絶縁膜表面を被覆して設けられた有機半導体層と、
前記有機半導体層上に設けられた上部絶縁膜と、
前記上部絶縁膜上に設けられた第三電極と、
を備える、有機半導体素子。 - (I)基板上に下層絶縁膜を形成する、下層絶縁膜形成工程と、
(II)前記下層絶縁膜上に、一端部の形状が逆テーパー形状である上層絶縁膜を形成する、上層絶縁膜形成工程と、
(III)前記上層絶縁膜上に第一電極を形成し、前記下層絶縁膜上の、前記上層絶縁膜の逆テーパー形状の端部側に、前記第一電極と離間する第二電極を形成する、第一及び第二電極形成工程と、
(IV)前記上層絶縁膜を加熱し、前記上層絶縁膜の一端部の形状を、逆テーパー形状から順テーパー形状に変換する、上層絶縁膜加熱工程と、
(V)前記第一電極表面、前記第二電極表面、前記上層絶縁膜表面、及び前記下層絶縁膜表面を被覆する有機半導体層を形成する、有機半導体層形成工程と、
(VI)前記有機半導体層上に上部絶縁膜を形成する、上部絶縁膜形成工程と、
(VII)前記上部絶縁膜上に第三電極を形成する、第三電極形成工程と、
を含む、有機半導体素子の製造方法。 - 前記上層絶縁膜の材料が、加熱により収縮する材料である、請求項2に記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記上層絶縁膜の材料がシルセスキオキサン樹脂を含む材料である、請求項3に記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記上層絶縁膜が、前記下層絶縁膜上に感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂層を形成した後、前記感光性樹脂層を所定のパターンのマスクを介して露光し、次いで、露光された前記感光性樹脂層を現像して形成される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の有機半導体素子の製造方法。
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