JP2014026849A - 直接酸化型燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックの凍結および解凍が起こった場合でも、カソードから水分を多く除去する運転条件で発電することにより、発電特性の低下を抑制し良好な発電特性を維持する直接酸化型燃料電池システムを提供する。
【解決手段】カソード3と、アノード2と、カソード3およびアノード2に挟持して配置された高分子電解質膜を備える直接酸化型燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタック20と、燃料電池スタック20の凍結および解凍を検出する状態検出手段と、燃料電池スタックの発電停止中に、少なくとも状態検出手段に電力を供給する電源25とを有し、状態検出手段が、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、通常の発電時よりもカソードの水分を多く除去する運転条件で発電する直接酸化型燃料電池システム。
【選択図】図3

Description

本発明は、直接酸化型燃料電池システムに関し、特に凍結および解凍が起こった場合の燃料電池スタックの運転条件の制御に関する。
携帯電話、ノートPC、デジタルカメラ等のモバイル機器の高性能化に伴い、その電源として、固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池が期待されている。固体高分子型燃料電池(以下、単に「燃料電池」とする)の中でも、燃料としてメタノールなどの液体燃料を直接アノードへ供給する直接酸化型燃料電池は、小型軽量化に適しており、モバイル機器用電源やポータブル発電機として開発が進められている。
直接酸化型燃料電池は、膜電極接合体(MEA)を具備する。MEAは、電解質膜と、その両面にそれぞれ接合されたアノード(燃料極)およびカソード(空気極)とから構成されている。アノードは、アノード触媒層とアノード拡散層からなり、カソードは、カソード触媒層とカソード拡散層からなる。MEAが一対のセパレーターで挟み込まれることで、セルが構成される。アノード側セパレーターは、アノードに対向する部分に、アノードにメタノールなどの燃料を供給する燃料流路を有する。カソード側セパレーターは、カソードに対向する部分に、カソードに酸素ガスや空気などの酸化剤を供給する酸化剤流路を有する。複数のセルが電気的に直列に積層されることで燃料電池スタックが構成される。
カソードに空気を供給するための空気ポンプやアノードに燃料を供給する燃料ポンプなどのポンプ類、燃料を収容する燃料タンク、補助電源などに使用する二次電池、制御基盤など、燃料電池スタックを発電させるための補器類を組み込むことで、燃料電池システムが構成される。燃料電池スタックで発電した電力は、補器類の消費電力が差し引かれて、燃料電池システムの発電電力として外部へ出力される。
直接酸化型燃料電池の課題の1つとして、休止時に気温が低下した際の燃料電池スタックの凍結がある。アノードには燃料水溶液が供給され、カソードでは発電反応によって水が生成する。このように、MEAが発電している時には水を含んだ状態となっているため、それが休止時にも維持されていると、気温が氷点下となった場合にはMEA内部の水や燃料が凍結する。MEAが凍結した状態では空気や燃料などの拡散が阻害されるため、発電特性が著しく低下する。
水素ガスを燃料に使用する固体高分子型燃料電池では、燃料電池スタックが凍結した状態から起動する際の発電特性を向上するための技術がいくつも提案されている。
例えば、特許文献1には、氷点下での起動時に、燃料ガスまたは空気の供給圧力を通常の起動時よりも高くする燃料電池システムが提案されている。触媒層や拡散層の内部で凍結した水によって燃料ガスや空気の拡散が阻害されても、高い圧力で供給することで、触媒まで到達しやすくする技術である。
また、特許文献2には、氷点下での起動時に、燃料電池スタックの発電に伴う発熱によって燃料電池スタックが昇温するような発電電流で運転する燃料電池システムが提案されている。燃料電池スタックの昇温が維持されることで、起動不能となることを抑制する技術である。
特開2005−044795号公報 特開2005−268065号公報
このように、氷点下において、燃料電池スタックが凍結した状態から起動する際の発電特性を向上するための技術はいくつもあるが、一度氷点下まで気温が低下して燃料電池スタックが凍結したのち、気温が上昇して燃料電池スタックが解凍した状態から起動する際の発電挙動については、技術報告があまり見られない。
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、燃料電池スタックが凍結すると、気温が上昇して解凍した状態であっても、発電特性が低下するという課題を見出した。そして、このような状態から燃料電池スタックを発電する場合には、通常の発電時よりも前記カソードの水分を多く除去する運転条件で発電することが、発電特性の低下を抑制する効果があることを見出した。
この現象の詳細なメカニズムについては更なる研究を進めているが、現在のところ、以下のように推察している。
気温が低下することによって、MEAの内部で気体またはミスト状態で存在している水分が凝縮して水滴となることや、凍結に伴う体積変化が起こることなどによって、常温では入り込まないようなMEA内部の空隙にまで水が入り込んでしまうことが考えられる。この状態から気温が上昇してMEA内部の凍結した水が解凍されても、この空隙に入り込んだ水が残ったままとなり、特にカソードでの空気の拡散パスを阻害することで、発電特性が低下することが考えられる。
特許文献1の技術では、供給空気の圧力を高くすることが提案されており、特許文献2の技術では、燃料電池スタックの昇温を維持することが提案されているが、いずれの技術も燃料電池スタックが凍結している状態で効果的な技術であり、燃料電池スタックの状態が異なる状況での上記課題を効果的に解決できる技術ではないと言える。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、燃料電池スタックの凍結および解凍が起こった場合でも、発電特性の低下を抑制し、良好な発電特性を維持する直接酸化型燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は、カソードと、アノードと、カソードおよびアノードに挟持して配置された高分子電解質膜を備える直接酸化型燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックと、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出する状態検出手段と、燃料電池スタックの発電停止中に、少なくとも状態検出手段に電力を供給する電源とを有し、状態検出手段が、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、通常の発電時よりもカソードの水分を多く除去する運転条件で発電する構成の直接酸化型燃料電池システムである。
本発明によれば、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合に、カソードの水分を効率的に除去することができ、発電特性の低下を速やかに回復して良好な発電特性を維持することができる。
本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池セルを概略的に示す断面図 本発明の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池システムを概略的に示す図 本発明の別の一実施形態に係る直接酸化型燃料電池システムを概略的に示す図
本発明の直接酸化型燃料電池システムは、カソードと、アノードと、カソードおよびアノードに挟持して配置された高分子電解質膜を備える直接酸化型燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックと、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出する状態検出手段と、燃料電池スタックの発電停止中に、少なくとも状態検出手段に電力を供給する電源とを有し、状態検出手段が燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、通常の発電時よりもカソードの水分を多く除去する運転条件で発電する構成を有する。この構成によって、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合に、カソードの水分を効率的に除去することができ、発電特性の低下を速やかに回復して良好な発電特性を維持することができる。
発電時の運転条件を変更しており、発電前に特別な処理が必要となるものではないため、ユーザーにとっては通常の使用と同じように電力を得ることができる。
燃料電池スタックの凍結が検出されない場合には、通常と同じ運転条件で発電することができるため、燃料電池スタックの能力を十分に発揮することができる。常に適切な運転条件で発電することができるため、燃料電池スタックの発電特性を損なうことがない。
また、特許文献1のような供給空気の圧力を制御する手段や、特許文献2のような放熱量を算出する手段などは必要ないため、燃料電池システムを簡易にすることができ、コスト面や重量面、寸法面でも優位である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。まず、図1を参照して代表的な直接酸化型燃料電池セルについて説明する。
図1の燃料電池セル1は、アノード2、カソード3、およびアノード2とカソード3との間に介在する電解質膜4を含む膜電極接合体(MEA)5を有する。MEA5の一方の側面には、アノード2を封止するようにガスケット14が配置され、他方の側面には、カソード3を封止するようにガスケット15が配置されている。
MEA5は、アノード側セパレーター10およびカソード側セパレーター11に挟持されている。アノード側セパレーター10は、アノード2に接し、カソード側セパレーター11は、カソード3に接している。アノード側セパレーター10は、アノード2に対向する部分に、アノード2に燃料を供給する燃料流路12を有する。燃料流路12は、燃料が流入するアノード入口と、反応で生成したCOや未使用の燃料などを排出するアノード出口を有する。カソード側セパレーター11は、カソード3に対向する部分に、カソード3に酸化剤を供給する酸化剤流路13を有する。酸化剤流路13は、酸化剤が流入するカソード入口と、反応で生成した水や未使用の酸化剤などを排出するカソード出口を有する。
図1のようなセルを複数設け、各セルを電気的に直列に積層することで、燃料電池スタックが構成される。この場合、通常はアノード側セパレーター10とカソード側セパレーター11は一体のものとして形成される。各セルのアノード入口は、マニホールドを用いるなどして、通常1つに集約され、アノード出口、カソード入口、カソード出口も同様に、それぞれ集約される。
図2は、本発明の1つの実施形態を概略的に示す図である。図2の直接酸化型燃料電池システムは、燃料電池スタック20のカソード3に空気を供給する空気ポンプ21と、アノード2に燃料を供給する燃料ポンプ22と、燃料電池スタック20の温度を測定するための温度センサー23と、燃料電池システムの運転を制御する情報処理装置24と、燃料電池スタック20の停止中に温度センサー23および情報処理装置24に電力を供給する電源25と、燃料を貯留しておく燃料タンク26を備える。
温度センサー23としては、サーミスタや熱電対などを使用することができる。燃料電池システム内の温度を測定するが、燃料電池スタック20の凍結および解凍を正確に検出するためには、燃料電池スタック20の温度を測定することが好ましい。温度センサー23の端子を、燃料電池スタック20の端面に貼り付けたり、セパレーターなどに設けた穴部に挿入したりすることができる。
燃料電池スタック20の凍結および解凍を検出する状態検出手段である温度センサー23および情報処理装置24は、燃料電池システムの停止中にも、燃料電池システム内の温度を測定して記録し続ける。この経時変化から、燃料電池スタック20の凍結および解凍を検出する。
なお、測定した燃料電池システム内の温度は、情報処理装置24を構成するCPU、マイクロコンピューター、メモリーなどの記憶部に保存することによって記録することができる。
燃料電池スタック20の凍結および解凍とは、実質的には内部に存在する水の凍結および解凍のことである。メタノールも混在するため、水の凝固点はいくらか下がるが、特にカソード側はメタノールの濃度が低いため、0℃付近であると考えられる。解凍は0℃付近で起こると考えられ、凍結は、過冷却を考慮して、−10℃〜−15℃付近で起こると考えられる。情報処理装置24は、燃料電池スタック20の凍結および解凍を検出するための閾値を与えられており、例えば、−15℃以下で凍結、0℃以上で解凍として検出するようにすることができる。
なお、本発明において「通常の発電」とは、燃料電池スタック20の凍結が検出されない場合に行われる発電を意味する。例えば、春から秋にかけてなど、長期間にわたって0℃以上に保たれている状態での発電のことである。
電源25としては、乾電池やコイン型電池などの一次電池、アルカリ蓄電池やリチウムイオン電池などの二次電池など、種々の電池を使用することができる。燃料電池スタック20が凍結する温度においても電力を供給できる必要があるため、−15℃以下の温度で使用できない電池は好ましくない。燃料電池システムの起動時に空気ポンプ21や燃料ポンプ22に電力を供給する電源と同じ電源を用いることもでき、その場合には、リチウムイオン電池などを好ましく使用することができる。
状態検出手段が、燃料電池スタック20の凍結および解凍を検出した場合には、燃料電池スタック20の発電時に、通常の発電時よりもカソード3の水分を多く除去する運転条件で発電するように、情報処理装置24が制御する。
図2の直接酸化型燃料電池システムでは、燃料電池スタック20の発電中または発電開始前に、通常の発電時よりも多くの空気をカソード3に供給することで、多くの水分を除去することができる。空気の流れによって気体やミストの状態で存在する水分を除去するとともに、空気の流速が速くなることによって、水滴として流路から押し出す形でも水分を除去することができる。発電開始前に多くの空気をカソード3に供給する場合では、発電時には、凍結および解凍による燃料電池スタック20の発電特性の低下を回復した状態にでき、より安定した発電を行うことが可能となるため、好ましい。
図2の直接酸化型燃料電池システムでは、通常の発電時よりも少ない流量の燃料をアノード2に供給することで、カソード3から多くの水分を除去することができる。燃料電池では、一般的に、発電に必要とされる理論値よりも多くの空気や燃料を供給して運転している。これは、燃料電池セル1の下流部で空気や燃料が不足しないようにするためである。
直接酸化型燃料電池では、燃料が電解質膜4を透過してアノード2からカソード3へ移動する燃料クロスオーバーが起こるが、燃料を多く供給するほど燃料電池セル1の内部で余剰となる燃料が多くなり、クロスオーバーが多くなる。カソード3へ移動した燃料は電極上で空気と反応して水を生成し、また、一般的に水溶液として供給される燃料に含まれる水も、燃料とともにカソード3へクロスオーバーする。アノード2へ供給する燃料を通常の発電時よりも少ない流量とすることで、カソード3での水の生成や移動を通常よりも抑制することができ、結果としてカソード3から多くの水分を除去することができる。
図2の直接酸化型燃料電池システムでは、通常の発電時よりも発電電圧を下げて燃料電池スタック20の温度を上昇することで、カソード3から多くの水分を除去することができる。
情報処理装置24は、燃料電池スタック20の運転条件を制御するが、発電時の発電電圧を制御することもできる。燃料電池では、発電反応を起こした空気や燃料が持つ化学エネルギーのうち、電力として取り出した以外のエネルギーは、主に熱エネルギーに変わる。発電時の発電電圧が低いほど、電力として取り出せるエネルギーの割合が低くなり、代わりに多くの熱が発生する。燃料電池スタック20を冷却する要素が、通常の発電時と同じであれば、この熱によって、燃料電池スタック20の温度が上昇することになる。温度が上昇すれば、気体やミストの状態で存在する水分の割合が多くなり、カソード3に供給された空気によって除去される水分が多くなる。
図3は、本発明の別の実施形態を概略的に示す図である。図3の直接酸化型燃料電池システムは、燃料電池スタック20からの排出流体から水および未使用燃料を含む液体を回収する循環タンク27と、循環タンク27の液体を燃料タンク26の燃料と混合した燃料溶液をアノードに供給する循環ポンプ28を備える燃料電池システムである。この構成によると、燃料タンク26に貯留しておく燃料の濃度を高くすることができ、燃料電池システム全体としての燃料エネルギー密度を向上することができる。
図3の直接酸化型燃料電池システムでは、通常の発電時よりも燃料濃度の薄い燃料溶液をアノード2に供給することで、カソード3から多くの水分を除去することができる。
燃料のクロスオーバーは燃料濃度が濃いほど起こりやすいため、燃料濃度を薄くすることで、燃料クロスオーバーによるカソード3での水の生成や移動を通常よりも抑制することができ、結果としてカソード3から多くの水分を除去することができる。
燃料濃度を薄くするには、燃料タンク26の燃料と混合する循環タンク27の液体の比率を高くすればよく、循環ポンプ28の流量を上げたり、燃料ポンプ22の流量を下げたりすることで調整できる。
前述のように燃料の流量を下げることで燃料クロスオーバーを低減すると、燃料電池セル1の燃料下流部で燃料が不足することによる発電性能の低下を起こす可能性が考えられるため、燃料濃度を薄くする手段の方がより好ましい。
図2および図3の直接酸化型燃料電池システムでは、さらに燃料電池スタック20を冷却する冷却手段を備え、通常の発電時よりも冷却手段の能力を下げて燃料電池スタック20の温度を上昇することで、カソード3から多くの水分を除去することができる。
冷却手段としては、燃料電池スタック20に風を送るスタック冷却ファン、燃料電池セル1のアノード側セパレーター10およびカソード側セパレーター11に冷却水を循環させる水冷システム、図3の直接酸化型燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック20に供給する燃料溶液の温度を下げるためのラジエーターなどを用いることができる。
これらの冷却能力を下げるには、例えば、冷却ファンやラジエーターの冷却用ファンの風量を下げたり、水冷システムの流量を下げたりすることで調整できる。燃料電池スタック20の温度を上げることで、カソード3で気体やミストの状態で存在する水分の割合が増加し、空気の流れによって除去できる水分の量が増加するため、カソード3から多くの水分を除去することができる。
燃料電池スタック20の凍結および解凍を検出する状態検出手段は、特に限定はされないが、燃料電池システムの内部の温度、燃料電池スタックに接続する配管の内部の圧力、配管の寸法のうち、少なくとも1つの測定値の記録から検出するものとすることができる。
温度を測定することが直接的であり、検出しやすいと考えられるが、この他にも、燃料電池発電ユニットに使用する配管に弁などによって閉鎖系となっている箇所において、温度が下がることによって、気体が存在する場合には、体積収縮による圧力低下が起こる。また、燃料水溶液など水が存在する場合には、水の凍結に伴う体積膨張による圧力上昇が起こる。これらの圧力変化を測定することでも、凍結および解凍を検出することができる。
また、配管がゴムやプラスチックなど比較的弾性のある材質で構成されている場合が一般的であるが、配管内の圧力変化によって配管の直径などの寸法が変化するため、これを測定することでも検出することができる。
圧力の測定には、圧力センサーを、配管寸法の測定には、赤外線式位置センサーなどを用いることができるが、燃料電池システム全体の簡易化や低コスト化のためには、通常の発電時のために設置してある手段を用い、別途設置せずに併用するとよい。
例えば、燃料電池スタック20の温度を測定するための温度センサー23が通常の発電時のために元々設置されている燃料電池システムであれば、この温度センサー23を利用して状態検出手段とすることが好ましい。
なお、測定した温度、圧力、寸法は、情報処理装置24を構成するCPU、マイクロコンピューター、メモリーなどの記憶部に保存することによって記録すればよい。
通常の発電時よりもカソード3の水分を多く除去する運転条件は、燃料電池スタック20の凍結および解凍の回数や期間などに基づいて、適宜設定することができる。この運転条件で発電する時間は、ユーザーによって運転停止操作が行われるまでとすることもできるが、燃料電池スタック20の凍結および解凍の回数や期間などに基づいて、所定の時間だけとすることが好ましい。
一般的に、通常の発電時の運転条件は、様々な影響を最適化させたものであるため、凍結および解凍による燃料電池スタック20の発電特性の低下が回復した後は、通常の発電時の運転条件に戻すことが好ましい。また、所定の時間は一定の運転条件に固定して発電するものとしても良いし、例えば、徐々に通常の発電時の運転条件まで変化させていっても良い。
凍結および解凍による燃料電池スタック20の発電特性の低下は、カソード3の水分を多く除去する運転条件での発電によって回復するが、発電特性の低下の程度が大きい場合には、ユーザーによって運転停止操作が行われるまでの間に十分回復できない可能性も考えられる。このような場合には、凍結前の燃料電池スタック20の出力に対して、所定の割合の出力で発電できるようになるまで、カソード3の水分を多く除去する運転条件での発電を繰り返すことが好ましい。
つまり、ユーザーによる運転停止操作から次の運転開始操作までの間に凍結および解凍が起こらなかった場合でも、燃料電池スタック20の出力の回復の程度に基づいて、カソード3の水分を多く除去する運転条件での発電を行うことが好ましい。
凍結および解凍による燃料電池スタック20の発電特性の低下は、凍結および解凍が繰り返されることで、より大きくなることを、発明者らは見出した。凍結および解凍が、発明者らの想定を超えて多く繰り返されると、発電特性の低下の程度が大きくなり、カソード3の水分を多く除去する運転条件での発電でも十分な出力が得られない可能性が考えられる。
このような場合には、ユーザーが期待する電力を得ることができずに、ユーザーに不都合を感じさせる可能性が考えられる。そこで、所定回数以上の凍結および解凍が繰り返されたことを状態検出手段が検出した場合には、自動的にカソード3の水分を多く除去する運転条件での発電を所定時間行うことが好ましい。凍結および解凍による燃料電池スタック20の発電特性の低下を自動的に回復しておくことができ、ユーザーが運転開始操作を行ったときには初めから十分な出力を得ることができる。この自動的な発電は、情報処理装置24に予め設定しておくことで行うことができる。
本発明の直接酸化型燃料電池システムは、上記のように、燃料電池スタック20の凍結および解凍が起こった場合に、カソード3の水分を多く除去する運転条件での発電を行う構造と制御に特徴を有する。これ以外の構成要素は、特に限定されず、例えば、従来の直接酸化型燃料電池システムと同様の構成要素を用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(a)カソード触媒層の作製
カソード触媒とカソード触媒を担持する触媒担体とを含むカソード触媒担持体を用いた。カソード触媒として、Pt触媒を用いた。触媒担体としては、カーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックECP、ケッチェンブラックインターナショナル社製)を用いた。Pt触媒とカーボンブラックとの合計重量に占めるPt触媒の重量の割合は、50重量%とした。
前記カソード触媒担持体をイソプロパノール水溶液に分散させた液と、高分子電解質であるNafion(登録商標)の分散液(シグマアルドリッチジャパン(株)製、Nafionを5重量%含む溶液)とを混合し、カソード触媒層インクを調製した。カソード触媒層インクを、ドクターブレード法を用いて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート上に塗布し、乾燥して、カソード触媒層を得た。
(b)アノード触媒層の作製
アノード触媒として、PtRu触媒(原子比Pt:Ru=1:1)を用いた。カソード触媒の代わりに、前記アノード触媒を用いたこと以外、カソード触媒層と同様にして、アノード触媒層を作製した。なお、PtRu触媒とケッチェンブラックとの合計重量に占めるPtRu触媒の重量の割合は、50重量%とした。
(c)導電性撥水層ペーストの調製
撥水剤分散液と導電剤とを、所定の界面活性剤を添加したイオン交換水に分散混合して、導電性撥水層ペーストを調製した。撥水剤分散液としては、PTFEディスパージョン(シグマアルドリッチジャパン(株)製、PTFEの含有量60質量%)を用いた。導電剤には、アセチレンブラック(電気化学工業(株)製、デンカブラック)を用いた。
(d)基材層の作製
アノード拡散層のアノード基材層を構成する導電性の多孔質材料として、カーボンペーパー(東レ(株)製、TGP−H−090、厚み270μm)を用いた。前記カーボンペーパーを、撥水剤であるPTFEを含むPTFEディスパージョン(シグマアルドリッチジャパン(株)製)に浸漬させ、乾燥させた。こうして、前記カーボンペーパーに、撥水処理を施した。
カソード拡散層のカソード基材層を構成する導電性の多孔質材料として、カーボンクロス(バラードマテリアルプロダクツ社製、AvCarb(登録商標)1071HCB)を用いた。このカーボンクロスにも、上記と同様の方法で、撥水処理を施した。
(e)アノード拡散層およびカソード拡散層の作製
前記(d)で作製したアノード基材層の片面に、(c)で作製した導電性撥水層ペーストを塗布し、乾燥して、アノード拡散層を作製した。同様に、前記(d)で作製したカソード基材層の片面に、(c)で作製した導電性撥水層ペーストを塗布し、乾燥して、カソード拡散層を作製した。
(f)MEAの作製
前記(a)においてPTFEシート上に形成したカソード触媒層を、電解質膜(商品名:Nafion(登録商標)112、デュポン(株)製)の一方の面に積層し、前記(b)においてPTFEシート上に形成したアノード触媒層を、電解質膜の他方の面に積層した。このとき、カソード触媒層およびアノード触媒層は、カソード触媒層のPTFEシートが配置された面とは反対側の面およびアノード触媒層のPTFEシートが配置された面とは反対側の面が、それぞれ電解質膜の一方の面および他方の面に接するように、積層した。この後、カソード触媒層およびアノード触媒層を電解質膜にホットプレス法によって接合するとともに、カソード触媒層およびアノード触媒層からPTFEシートを剥離した。
次いで、ホットプレス法により、カソード触媒層にカソード拡散層を接合し、アノード触媒層にアノード拡散層を接合した。こうして、MEAを作製した。
(g)燃料電池スタックの作製
MEAの外周部に露出した電解質膜の両面に、それぞれその電解質膜の露出部を全て覆うようにゴム製ガスケットを配した。アノード側セパレーターおよびカソード側セパレーターで、MEAを挟持するように積層した。アノード側セパレーターのアノードに接する面には、燃料を供給する燃料流路を形成しておいた。カソード側セパレーターのカソードに接する面には、空気を供給する空気流路を形成しておいた。流路はいずれもサーペンタイン型とした。このようにして直接酸化型燃料電池セルを得た。
同様にして合計10個のセルを作製し、これらを順に積層した。次に、両端に位置するアノード側セパレーターおよびカソード側セパレーターの外側に、それぞれ、集電板、絶縁板、端板を、この順で積層した。得られた積層体を、所定の締結手段で締結した。端板の外側に、温度調整用のヒーターを貼り付けた。各セルのカソード入口にマニホールドを取り付け、1つに集約した。各セルのカソード出口、アノード入口、アノード出口も同様にして、マニホールドを取り付けてそれぞれ1つに集約した。このようにして直接酸化型燃料電池スタックを得た。
(h)燃料電池システムの作製
前記(g)で作製した燃料電池スタックのカソード入口マニホールドに空気ポンプを、アノード入口マニホールドに燃料ポンプを取り付けた。燃料電池スタックの温度を測定するサーミスタを上面に貼り付けた。集電板に接続した電流印加用の端子と共に情報処理装置に接続した。燃料電池スタックの運転を制御する情報処理装置に、集電板に接続した電流印加用の端子、空気ポンプ、燃料ポンプ、サーミスタを接続した。情報処理装置はリチウムイオン二次電池に接続し、燃料電池スタックの停止中にも電力が供給されるようにした。
情報処理装置はサーミスタで1時間ごとに燃料電池スタックの温度を測定して記録するようにした。温度が−15℃以下になると凍結、そこから0℃以上になると解凍と、検出するようにした。燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、燃料電池スタックを発電させる際に、初めの15分間だけは空気の流量を通常の発電時の1.5倍となるようにした。このような制御を、情報処理装置にプログラムした。このようにして、実施例1の直接酸化型燃料電池システムを得た。
(i)燃料電池システムの発電特性の評価
燃料電池システムを、以下のようにして発電させた。燃料電池セルのカソードには空気を供給し、アノードには1mol/Lのメタノール水溶液を供給した。発電電流は150mA/cmの定電流とした。燃料電池スタックの温度は60℃に保つようにし、空気の利用率は50%、燃料の利用率は70%とした。発電時間は4時間とした。
燃料電池スタックの発電特性を、初期状態として確認した後、燃料電池システムを恒温槽に入れ、20℃から−20℃(凍結)へ、そして、また20℃(解凍)へと温度を変化させた。変温速度は1℃/minとした。
燃料電池システムを恒温槽から取り出し、燃料電池スタックを発電させて発電特性を確認した。燃料電池スタックの発電4時間後(初期状態)の発電電圧に対する、凍結および解凍後の燃料電池スタックの発電4時間後の発電電圧の比率を測定し、発電特性の変化を確認した。得られた結果を、「発電電圧の比率」として、表1に示す。
《実施例2》
実施例1と同様にして燃料電池システムを作製した。ただし、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、燃料電池スタックを発電させる際に、初めの15分間だけ空気の流量を通常の発電時の1.5倍となるようにする代わりに、発電開始前に1分間だけ空気を通常の発電時と同じ流量で供給するようにした。このような制御を、情報処理装置にプログラムした。このようにして、実施例2の直接酸化型燃料電池システムを得た。
作製した燃料電池システムについて、実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。
《実施例3》
実施例1と同様にして燃料電池システムを作製した。ただし、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、燃料電池スタックを発電させる際に、初めの15分間だけ空気の流量を通常の発電時の1.5倍となるようにする代わりに、初めの15分間だけ燃料を通常の発電時の0.8倍となるようにした。このような制御を、情報処理装置にプログラムした。このようにして、実施例3の直接酸化型燃料電池システムを得た。
作製した燃料電池システムについて、実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。
《実施例4》
実施例1と同様にして燃料電池システムを作製した。ただし、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、燃料電池スタックを発電させる際に、初めの15分間だけ空気の流量を通常の発電時の1.5倍となるようにする代わりに、初めの15分間だけ発電電流を180mA/cmの定電流とし、通常の発電時よりも発電電圧を下げるようにした。このような制御を、情報処理装置にプログラムした。このようにして、実施例4の直接酸化型燃料電池システムを得た。
作製した燃料電池システムについて、実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。
《実施例5》
実施例1と同様にして燃料電池システムを作製した。ただし、燃料電池スタックを冷却するためのスタック冷却ファンを設け、情報処理装置に接続した。通常の発電時には燃料電池スタックの温度を60℃に保つようにした。燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、燃料電池スタックを発電させる際に、初めの15分間だけ空気の流量を通常の発電時の1.5倍となるようにする代わりに、初めの15分間だけ燃料電池スタックの温度を65℃に保つようにスタック冷却ファンの風量を下げるようにした。このような制御を、情報処理装置にプログラムした。このようにして、実施例5の直接酸化型燃料電池システムを得た。
作製した燃料電池システムについて、実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。
《実施例6》
実施例1と同様にして燃料電池スタックを作製した。燃料電池スタックのカソード出口マニホールドおよびアノード出口マニホールドを、燃料電池スタックからの排出流体を回収する循環タンクに接続した。50%メタノール水溶液の入った燃料タンクに燃料ポンプを接続し、循環タンクに循環ポンプを接続し、燃料ポンプと循環ポンプの流体を混合した1mol/Lのメタノール溶液を燃料電池スタックに供給するようにアノード入口マニホールドに接続した。カソード入口マニホールドに空気ポンプを取り付けた。燃料電池スタックの温度を測定するサーミスタを上面に貼り付けた。集電板に接続した電流印加用の端子と共に情報処理装置に接続した。燃料電池スタックの運転を制御する情報処理装置に、集電板に接続した電流印加用の端子、空気ポンプ、燃料ポンプ、循環ポンプ、サーミスタを接続した。情報処理装置はリチウムイオン二次電池に接続し、燃料電池スタックの停止中にも電力が供給されるようにした。
情報処理装置はサーミスタで1時間ごとに燃料電池スタックの温度を測定して記録するようにした。温度が−15℃以下になると凍結、そこから0℃以上になると解凍と検出するようにした。燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、燃料電池スタックを発電させる際に、初めの15分間だけは燃料の濃度が0.7mol/Lとなるようにした。このような制御を、情報処理装置にプログラムした。このようにして、実施例6の直接酸化型燃料電池システムを得た。
作製した燃料電池システムについて、実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。
《比較例1》
実施例1と同様にして燃料電池システムを作製した。ただし、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出せず、常に通常の運転条件で発電するようにした。このような制御を、情報処理装置にプログラムした。このようにして、比較例1の直接酸化型燃料電池システムを得た。
作製した燃料電池システムについて、実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。
《比較例2》
実施例1と同様にして燃料電池システムを作製した。ただし、カソード出口マニホールドに電磁式の開度調整弁を設け、情報処理装置に接続した。燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、燃料電池スタックを発電させる際に、初めの15分間だけ空気の流量を通常の発電時の1.5倍となるようにする代わりに、初めの15分間だけ空気の圧力を通常の発電時の1.5倍となるようにカソード出口マニホールドの弁開度を小さくした。このような制御を、情報処理装置にプログラムした。このようにして、比較例1の直接酸化型燃料電池システムを得た。
作製した燃料電池システムについて、実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表1に示す。
燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合に、通常の発電時よりもカソードの水分を多く除去する運転条件で発電した実施例1〜6の燃料電池は、凍結および解凍された後、いずれも、初期状態から90%以上の良好な発電電圧を保っていた。これに対して、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出する手段を設けず、常に通常の運転条件で発電した比較例1の燃料電池は、凍結および解凍の後には、発電電圧が大きく低下していた。実施例1〜6は、それぞれ運転条件が異なっているが、いずれも良好な発電特性を維持できており、カソードの水分を多く除去する運転条件にするという本発明の効果が得られていると言える。
一方、燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合に、通常の発電時よりもカソードに供給する空気の圧力を増加した比較例2の燃料電池では、凍結および解凍の後には、発電電圧が大きく低下していた。空気の圧力を増加することは、カソードの水分を多く除去することにあまり寄与せず、本発明と同じ効果は得られないと言える。
以上の結果より、本発明によれば、燃料電池スタックが凍結および解凍した後でも発電特性の低下を抑制し、幅広い保管環境においても良好な発電特性を発揮できる直接酸化型燃料電池システムを得られることがわかった。
本発明により、直接酸化型燃料電池システムの寒冷地での保管などにおいて燃料電池スタックの凍結および解凍が起こった場合でも、燃料電池スタックの発電特性の低下を抑制することができる。よって、本発明により、幅広い保管環境においても良好な発電特性を維持する直接酸化型燃料電池システムを得ることができる。本発明の直接酸化型燃料電池システムは、ノートPCなどの小型機器用の電源、およびポータブル発電機として非常に有用である。
1 燃料電池セル
2 アノード
3 カソード
4 電解質膜
5 膜電極接合体(MEA)
6 アノード触媒層
7 アノード拡散層
8 カソード触媒層
9 カソード拡散層
10 アノード側セパレーター
11 カソード側セパレーター
12 燃料流路
13 酸化剤流路
14、15 ガスケット
16、17 集電板
18、19 端板
20 燃料電池スタック
21 空気ポンプ
22 燃料ポンプ
23 温度センサー
24 情報処理装置
25 電源
26 燃料タンク
27 循環タンク
28 循環ポンプ

Claims (9)

  1. カソードと、アノードと、前記カソードおよび前記アノードに挟持して配置された高分子電解質膜を備える直接酸化型燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックの凍結および解凍を検出する状態検出手段と、
    前記燃料電池スタックの発電停止中に、少なくとも前記状態検出手段に電力を供給する電源とを有し、
    前記状態検出手段が、前記燃料電池スタックの凍結および解凍を検出した場合には、通常の発電時よりも前記カソードの水分を多く除去する運転条件で発電することを特徴とする直接酸化型燃料電池システム。
  2. 前記運転条件が、前記燃料電池スタックの発電中または発電開始前に、通常の発電時よりも多くの空気を前記カソードに供給することを特徴とする請求項1に記載の直接酸化型燃料電池システム。
  3. 前記運転条件が、通常の発電時よりも少ない流量の燃料を、前記アノードに供給することを特徴とする請求項1に記載の直接酸化型燃料電池システム。
  4. 前記運転条件が、通常の発電時よりも発電電圧を下げることで、前記燃料電池スタックの温度を上昇することを特徴とする請求項1に記載の直接酸化型燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池スタックからの排出流体から、水および未使用燃料を含む液体を回収する循環タンクを備え、前記循環タンクの液体と前記燃料を混合した燃料溶液を、前記アノードに供給し、
    前記運転条件が、通常の発電時よりも燃料濃度の薄い前記燃料溶液を、前記アノードに供給することを特徴とする請求項1に記載の直接酸化型燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池スタックを冷却する冷却手段を備え、前記運転条件が、通常の発電時よりも前記冷却手段の能力を下げることで前記燃料電池スタックの温度を上昇することを特徴とする請求項1に記載の直接酸化型燃料電池システム。
  7. 前記状態検出手段は、前記直接酸化型燃料電池システムの内部の温度、前記燃料電池スタックに接続する配管の内部の圧力、前記配管の寸法のうち、少なくとも1つを測定して記録し、この記録から、前記燃料電池スタックの凍結および解凍を検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池システム。
  8. 凍結前の前記燃料電池スタックの出力に対して、所定の割合の出力で発電できるようになるまで、前記運転条件での発電を繰り返すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池システム。
  9. 前記状態検出手段が、所定回数以上の凍結および解凍が繰り返されたことを検出した場合には、自動的に前記運転条件での発電を所定時間行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の直接酸化型燃料電池システム。
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