JP2014026599A - 遠方電界強度予測装置、方法及びプログラム - Google Patents

遠方電界強度予測装置、方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2014026599A
JP2014026599A JP2012168659A JP2012168659A JP2014026599A JP 2014026599 A JP2014026599 A JP 2014026599A JP 2012168659 A JP2012168659 A JP 2012168659A JP 2012168659 A JP2012168659 A JP 2012168659A JP 2014026599 A JP2014026599 A JP 2014026599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
receiver
driver
far field
field intensity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012168659A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Kamimura
篤 上村
Hideki Sasaki
英樹 佐々木
Hitoshi Irino
仁 入野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Electronics Corp
Original Assignee
Renesas Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Electronics Corp filed Critical Renesas Electronics Corp
Priority to JP2012168659A priority Critical patent/JP2014026599A/ja
Publication of JP2014026599A publication Critical patent/JP2014026599A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】放射ノイズの発生原因をより詳細に解析し、これにより、放射ノイズの低減のために適切な対応をとることを容易にする。
【解決手段】ドライバー部がノードを介してレシーバー部に信号を送るように構成された解析対象が発生する遠方電界強度を算出する遠方電界強度予測装置20が提供される。当該遠方電界強度予測装置は、回路シミュレーター28と、遠方電界強度演算モジュール29とを備え、回路シミュレーター28は、伝送路部充放電電流と、ドライバー部充電電流と、ドライバー部貫通電流と、レシーバー部充電電流と、レシーバー部貫通電流とを算出し、遠方電界強度算出手段は、伝送路部充放電電流と、ドライバー部充電電流と、ドライバー部貫通電流と、レシーバー部充電電流と、レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度をそれぞれに算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、遠方電界強度予測装置、方法及びプログラムに関し、特に、半導体集積回路又は半導体集積回路を搭載した製品のEMI(electro-magnetic interference)によって発生する遠方電界の強度を予測する技術に関する。
高速インターフェースが搭載される半導体集積回路が増加する中で、伝導ノイズによるデータ伝送品質の劣化が顕著化してきている。この問題に対して製品開発の後工程における設計変更で対処することは不経済であることから、設計上流において伝導ノイズを低減する施策をすることが求められている。設計上流において伝導ノイズを低減する施策をとるためには、設計上流において伝導ノイズの強度を予測することが重要であり、伝導ノイズの強度を予測する技術が様々に検討されている。
本願発明の発明者らは、伝導ノイズのみならず、放射ノイズについても設計上流における施策をとることが重要となってきていると考えている。従来は、放射ノイズについては、半導体チップがプリント配線基板に実装された製品セットの開発において検討されることが一般的であった。これは、放射ノイズ量を決定する要素の一つであるアンテナの多くが、プリント配線基板で形成されていることが背景となっている。しかしながら、製品セットの開発の段階で、根本対策を定量的に、且つ、的確にとることは困難であり、的外れな箇所に過剰な対策がとられる問題も発生している。このような背景から、発明者らは、放射ノイズの原因のLSIモデルについて検討し、定量的な根本対策をとることが重要であると考えている。放射ノイズの強度を予測する技術が重要である。
放射ノイズについても設計上流における施策をとるためには、放射ノイズの強度を予測する技術が重要である。放射ノイズの強度を予測する技術は、例えば、特開2001−256271号公報、特開2002−164434号公報、特開2005−190495号公報、特開2007−243211号公報、特開2005−196802号公報、特開2002−222230号公報、特開2001−028013号公報、及び、特開2001−022813号公報に開示されている。
加えて、半導体集積回路が搭載された製品の放射ノイズの強度を予測する技術は、Spartaco Caniggia et al., "Signal Integrity and Radiated
Emission of High-Speed Digital Systems", first edition, United Kingdom,
John Wiley & Son Ltd., 2008, pp. 298-303(非特許文献1)にも開示されている。この非特許文献1には、ドライバーの電流、レシーバーの電流、及び、伝送路(traces)のディファレンシャルモード電流の分布をそれぞれ算出し、それらによる放射の和として放射ノイズを算出する技術が開示されている。ここで、ドライバーの電流は、負荷キャパシタンスを充電する電流と出力トランジスタのスイッチング電流の和として算出され、レシーバーの電流は、出力トランジスタのスイッチング電流として算出される。
図1は、この非特許文献1に開示されている計算例を示すグラフである。このグラフにおいて、凡例“Traces+Driver
Loop+Receiver Loops”は、伝送路とドライバーとレシーバーによる遠方電界強度の和を示している。また、凡例“Traces+Driver ”は、伝送路とドライバーによる遠方電界強度の和を示している。更に、凡例“Traces”は、伝送路による遠方電界強度を示している。
特開2001−256271号公報 特開2002−164434号公報 特開2005−190495号公報 特開2007−243211号公報 特開2005−196802号公報 特開2002−222230号公報 特開2001−028013号公報 特開2001−022813号公報
Spartaco Caniggia et al., "Signal Integrity andRadiated Emission of High-Speed Digital Systems", first edition, UnitedKingdom, John Wiley & Son Ltd., 2008, pp. 298-303 宮下卓也他、「ディジタルプリント回路基板上の信号線からの放射EMIスペクトルのモデル化」、電子情報通信学会論文誌 B−II,vol.J79−B−II,No.11,pp.805−811,1996年,11月
しかしながら、発明者の検討によれば、従来技術は、放射ノイズの予測をする手法としては問題ないかもしれないが、放射ノイズの原因及び対策を分析するには不十分である。例えば、非特許文献1に記載された技術におけるドライバーとレシーバーの放射ノイズの予測では、電源ループに流れる電流に充電電流と貫通電流とが混在した形で放射ノイズを予測するため、放射ノイズの要因が充電電流と貫通電流のいずれによるものか分析できない。更に、充電電流に起因する放射ノイズと貫通電流に起因する放射ノイズを低減するための対策は異なるため、分析により根本対策を導き出すことができない。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施形態では、ドライバー部とレシーバー部とドライバー部とレシーバー部とを接続するノードを含む伝送路部とを備え、ドライバー部がノードを介してレシーバー部に信号を送るように構成された解析対象が発生する遠方電界強度を算出する遠方電界強度予測装置が提供される。当該遠方電界強度予測装置は、ドライバー部とレシーバー部の電源ループに流れる電流を充電電流と貫通電流とに分離し、それぞれに起因する放射ノイズを算出するように構成される。より具体的には、当該遠方電界強度予測装置は、回路シミュレーション手段と、遠方電界強度算出手段とを備えている。回路シミュレーション手段は、伝送路部充放電電流と、ドライバー部充電電流と、ドライバー部貫通電流と、レシーバー部充電電流と、レシーバー部貫通電流とを回路シミュレーションによって算出する。遠方電界強度算出手段は、伝送路部充放電電流と、ドライバー部充電電流と、ドライバー部貫通電流と、レシーバー部充電電流と、レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度をそれぞれに算出する。ここで、伝送路部充放電電流は、ドライバー部がノードをプルアップ又はプルダウンするときに伝送路部に流れ込む電流である。また、ドライバー部充電電流は、ドライバー部がノードをプルアップするときに、ドライバー部の電源線から伝送路部に流れ込む電流であり、ドライバー部貫通電流は、ドライバー部がノードをプルアップ又はプルダウンするときに、ドライバー部の電源線から接地線に流れる電流である。更に、レシーバー部充電電流は、レシーバー部の入力回路が、入力回路の出力に接続された信号線をプルアップするときにレシーバー部の電源線から信号線に流れ込む電流であり、レシーバー部貫通電流は、レシーバー部の入力回路が、信号線をプルアップ又はプルダウンするときにレシーバー部の電源線から接地線に流れる電流である。
上記実施形態によれば、ドライバー部とレシーバー部の電源ループに流れる電流を充電電流と貫通電流とに分離し、それぞれに起因する放射ノイズを算出可能であるため、放射ノイズの原因分析及びその対策を容易にすることができる。
従来技術による放射ノイズの強度の計算例を示すグラフである。 本実施形態の遠方電界強度予測装置及び方法において採用される解析対象のモデルを示す図である。 第1の実施形態の遠方電界強度予測装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の遠方電界強度予測装置によって行われる演算を概略的に示す図である。 第1の実施形態の遠方電界強度予測方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態における暗室係数演算結果格納ファイルの内容の例を示す図である。 第1の実施形態における放射アンテナ面積格納ファイルの内容の例を示す図である。 第1の実施形態における動作電流演算結果格納ファイルの内容の例を示す図である。 第1の実施形態における動作電流の演算方法の一例における、第1シミュレーションの内容を示す図である。 第1の実施形態における動作電流の演算方法の一例における、第2シミュレーションの内容を示す図である。 第1の実施形態における動作電流の演算方法の他の例を示す図である。 図11に図示されている動作電流の演算方法において、電流モニターによってモニターされる電流波形の例を示すグラフである。 第1の実施形態における遠方電界強度演算結果格納ファイルの内容の例を示す図である。 第1の実施形態における遠方電界強度の算出結果の例を示すグラフである。 暗室係数演算結果格納ファイルの内容の他の例を示す図である。 複数のLSI回路のそれぞれについて用意されている暗室係数演算結果格納ファイルの内容の例を示す図である。 複数のLSI回路のそれぞれについて用意されている放射アンテナ面積格納ファイルの内容の例を示す図である。 複数のLSI回路のそれぞれについて用意されている動作電流演算結果格納ファイルの内容の例を示す図である。 複数のLSI回路のそれぞれについて用意されている遠方電界強度演算結果格納ファイルの内容の例を示す図である。 第2の実施形態の遠方電界強度予測装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態の遠方電界強度予測装置によって行われる演算を概略的に示す図である。 第2の実施形態の遠方電界強度予測方法を示すフローチャートである。 第3の実施形態における遠方電界強度の算出を説明する図である。 第3の実施形態において遠方電界強度の算出に使用されるネット記述の例を示す図である。 第3の実施形態において、回路シミュレーションによって得られる電流波形の例を示すグラフである。 典型的な波形ビューワーの動作を示す図である。 第3の実施形態における波形ビューワーの動作を示す図である。
まず、以下に述べられる実施形態の遠方電界強度予測装置及び方法の原理について説明する。図2は、当該実施形態の遠方電界強度予測装置及び方法において採用される解析対象10のモデルを示す図である。本実施形態においては、解析対象10について、予め、ドライバー部1とレシーバー部2と伝送路部3とが定義される。
詳細には、解析対象10のうち、信号を出力する回路要素がドライバー部1として定義され、該信号を受け取る回路要素がレシーバー部2として定義される。更に、ドライバー部1からレシーバー部2に信号を伝送する回路要素(例えば、配線や伝送線路)が伝送路部3として定義される。例えば、解析対象10が伝送線路で接続された、(別々のチップに集積化された)2つの半導体デバイスで構成される半導体モジュールである場合、信号を出力する半導体デバイスがドライバー部1と定義され、信号を受け取る半導体デバイスがレシーバー部2として規定され、当該伝送線路が伝送路部3として規定される。また、解析対象10が、ある単一の半導体チップに集積化された半導体集積回路(LSI(large scale integrated circuit))である場合には、信号を出力する機能を有する回路部がドライバー部1と規定され、信号を受け取る機能を有する回路部がレシーバー部2として規定され、当該配線が伝送路部3として規定される。
一実施形態では、解析対象10のどの回路部分がドライバー部1、レシーバー部2及び伝送路部3に該当するかは、ユーザによって指定される。その代わりに、解析対象10のネットリストやレイアウトデータをコンピュータプログラムによって自動的に解析してドライバー部1とレシーバー部2と伝送路部3とを定義してもよい。
図2のモデルでは、ドライバー部1が、出力回路1aと、電圧安定化キャパシタ1bと、電源線1cと、接地線1dとを含んでいる。出力回路1aは、伝送路部3を通じてレシーバー部2に信号を出力する回路であり、電源線1cから電源電圧VDD1の供給を受けて動作する。電圧安定化キャパシタ1bは、電源線1cと接地線1dの間に接続されており、電源電圧VDD1を安定化する機能を有している。
図2において、出力回路1a、電圧安定化キャパシタ1b、電源線1c及び接地線1dをモノリシックに集積化した半導体チップが、ドライバー部1と定義されてもよい。また、半導体チップに出力回路1aが集積化され、電圧安定化キャパシタ1bが該半導体チップに外部接続されたチップコンデンサとして実装され、電源線1cが該半導体チップに外部から電源電圧VDD1を供給し、接地線1dが外部から回路接地(circuit grounding)を提供するように構成された回路が、ドライバー部1と定義されてもよい。
また、図2のモデルでは、レシーバー部2が、入力回路2aと、電圧安定化キャパシタ2bと、電源線2cと、接地線2dとを含んでいる。図2において、符号2eは、入力回路2aの出力に接続された信号線を示しており、符号2fは、信号線2eと接地線2dとの間の寄生容量を表わしている。入力回路2aは、伝送路部3を通じてドライバー部1から信号を受け取る回路であり、電源線2cから電源電圧VDD2の供給を受けて動作する。入力回路2aによって受け取られた信号は、信号線2eに接続された他の回路(図示されない)に供給されて利用される。電圧安定化キャパシタ2bは、電源線2cと接地線2dの間に接続されており、電源電圧VDD2を安定化する機能を有している。
ここで、入力回路2a、電圧安定化キャパシタ2b、電源線2c及び接地線2dをモノリシックに集積化した半導体チップが、レシーバー部2と規定されてもよい。また、半導体チップに入力回路2aが集積化され、電圧安定化キャパシタ2bが該半導体チップに外部接続されたチップコンデンサとして実装され、電源線2cが該半導体チップに外部から電源電圧VDD2を供給し、接地線2dが外部から回路接地(circuit grounding)を提供するように構成された回路が、レシーバー部2と規定されてもよい。
伝送路部3は、ドライバー部1からレシーバー部2に信号を伝送する回路要素であり、ドライバー部1とレシーバー部2とを接続するノード3aを有している。伝送路部3は、ドライバー部1とレシーバー部2とを接続する配線として実装されてもよく、特定形態の伝送線路(例えば、マイクロストリップ線路)として実装されてもよい。
以下に述べられる各実施形態の遠方電界強度予測装置は、回路シミュレーションにより、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iを個別に計算し、更に、そのそれぞれに起因する遠方電界強度を算出するように構成される。ここで、伝送路部3の充放電電流Iとは、ドライバー部1が、伝送路部3のドライバー部1とレシーバー部2とを接続するノード3a(例えば、配線や伝送線路を構成する導体)をプルアップ又はプルダウンするときに、伝送路部3を流れる電流である。ドライバー部1の充電電流Iとは、ドライバー部1が、伝送路部3のノード3aをプルアップするときにドライバー部1の電源線1cから伝送路部3に流れ込む電流である。ドライバー部1の貫通電流Iとは、ドライバー部1が、伝送路部3のノード3aをプルアップ又はプルダウンするときにドライバー部1の電源線1cから接地線1dに流れる電流である。レシーバー部2の充電電流Iとは、レシーバー部2の入力回路2aが、その出力に接続された信号線2eをプルアップするときにレシーバー部2の電源線2cから信号線2eに流れ込む電流である。レシーバー部2の貫通電流Iとは、レシーバー部2の入力回路2aが、その出力に接続された信号線2eをプルアップ又はプルダウンするときにレシーバー部2の電源線2cから接地線2dに流れる電流である。
伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれに起因する遠方電界強度を算出する各実施形態の遠方電界強度予測装置は、放射ノイズの発生原因をより詳細に解析することができる。これは、放射ノイズの低減のために適切な対応をとることを容易にする。以下では、各実施形態の遠方電界強度予測装置の構成や動作について詳細に説明する。
第1の実施形態:
図3は、第1の実施形態の遠方電界強度予測装置の構成の例を示すブロック図である。図3においては、遠方電界強度予測装置の全体が符号20によって示されている。本実施形態の遠方電界強度予測装置20は、遠方電界強度を算出するコンピュータとして構成されており、CPU(central processor unit)21と、メモリ22と、表示装置23と、入力装置24と、外部記憶装置25とを備えている。CPU21は、メモリ22や外部記憶装置25に記憶されているプログラムコードを実行する演算装置である。メモリ22は、CPU21がプログラムコードを実行するワークエリアとしても使用される。表示装置23と入力装置24は、遠方電界強度予測装置20のマン−マシンインターフェースとして用いられる。例えば、CPU21による演算に使用される様々なデータは、入力装置24を介して入力されて外部記憶装置25に格納される。また、CPU21による演算によって得られた演算結果(例えば、算出された遠方電界強度)は、表示装置23によって表示される。
外部記憶装置25は、CPU21による演算に使用される様々なプログラム及びデータを格納する。本実施形態では、外部記憶装置25に、暗室係数演算モジュール26と、回路シミュレーター28と、遠方電界強度演算モジュール29とがインストールされている。加えて、外部記憶装置25には、暗室係数演算結果格納ファイル31、放射アンテナ面積格納ファイル32、動作電流演算結果格納ファイル33、及び、遠方電界強度演算結果格納ファイル34が用意される。
暗室係数演算モジュール26は、遠方電界強度の算出に用いられる暗室係数を演算するプログラムコードを含んでいる。後述のように、本実施形態では、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれについて、暗室係数が算出される。暗室係数演算モジュール26によって算出された暗室係数は、外部記憶装置25に用意された暗室係数演算結果格納ファイル31に格納される。
放射アンテナ面積格納ファイル32には、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iそれぞれが流れるループ経路の面積が格納される。本実施形態では、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iそれぞれが流れるループ経路の面積を示すデータが外部から与えられ、放射アンテナ面積格納ファイル32に格納される。
回路シミュレーター28は、解析対象10の回路動作をシミュレーションするプログラムである。回路シミュレーター28は、回路シミュレーションにより、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iを算出する機能を有している。算出された伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iは、動作電流演算結果格納ファイル33に格納される。
遠方電界強度演算モジュール29は、解析対象10から放射される放射ノイズの遠方電界強度を算出するプログラムである。上述のように、本実施形態では、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれに起因する放射ノイズの遠方電界強度が算出される。算出された遠方電界強度は、遠方電界強度演算結果格納ファイル34に格納される。
図4は、本実施形態の遠方電界強度予測装置20によって行われる演算を概略的に示す図である。本実施形態の遠方電界強度予測装置20には、外部から、入力データとして電波暗室物理パラメータ41、放射アンテナ面積データ42及び設計データ43が与えられる。電波暗室物理パラメータ41、放射アンテナ面積データ42及び設計データ43は、例えば、入力装置24から入力されて外部記憶装置25に保存されて利用される。
電波暗室物理パラメータ41は、解析対象10から放射される放射ノイズが測定される環境、具体的には、電波暗室の物理的な配置を記述したデータを含んでいる。電波暗室物理パラメータ41は、例えば、電波暗室における、解析対象10から測定アンテナまでの距離、測定アンテナのアンテナ高さ、及び、測定時に解析対象10が置かれるターンテーブルの高さを含んでいる。本実施形態では、解析対象10から測定アンテナまでの距離として、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路のそれぞれから測定アンテナまでの距離が電波暗室物理パラメータ41に記述される。この電波暗室物理パラメータ41は、暗室係数演算モジュール26の入力データとして使用される。
放射アンテナ面積データ42は、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路の面積を記述したデータを含んでいる。この放射アンテナ面積データ42は、放射アンテナ面積格納ファイル32に格納される。
設計データ43は、解析対象10に含まれる回路要素の接続関係及び電気的特性を示すデータを含んでいる。設計データ43は、例えば、解析対象10のネットリスト、及び、解析対象10のSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)トランジスタモデルを含んでいる。設計データ43には、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路のそれぞれに存在する回路要素の接続関係、及び、その動作特性が記述されることになる。この設計データ43は、回路シミュレーター28の入力データとして使用される。
暗室係数演算モジュール26は、電波暗室物理パラメータ41から伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれについて暗室係数を算出し、暗室係数演算結果格納ファイル31に格納する。ここで、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路のそれぞれから測定アンテナまでの距離は基本的には相違するから、ループ経路毎に異なる暗室係数が算出されることに留意されたい。
回路シミュレーター28は、回路シミュレーションにより、設計データ43から伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iをそれぞれ算出し、動作電流演算結果格納ファイル33に格納する。
遠方電界強度演算モジュール29は、暗室係数演算結果格納ファイル31、放射アンテナ面積格納ファイル32及び動作電流演算結果格納ファイル33に格納された上記のデータを用いて遠方電界強度を算出する。上述のように、遠方電界強度演算モジュール29は、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれについて遠方電界強度を算出し、遠方電界強度演算結果格納ファイル34に格納する。
図5は、本実施形態の遠方電界強度予測方法を示すフローチャートである。なお、図5に示されているステップS01〜S06は、遠方電界強度を算出できる範囲であれば、様々に入れ替え可能であることに留意されたい。
ステップS01では、電波暗室物理パラメータ41から伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれについて暗室係数が算出され、暗室係数演算結果格納ファイル31に格納される。図6は、暗室係数演算結果格納ファイル31の内容を示している。暗室係数演算結果格納ファイル31は、伝送路充放電電流暗室係数KE1、ドライバー充電電流暗室係数KE2、ドライバー貫通電流暗室係数KE3、レシーバー充電電流暗室係数KE4、レシーバー貫通電流暗室係数KE5を格納している。ここで、伝送路充放電電流暗室係数KE1は、伝送路部3の充放電電流I(図2参照)に対して算出された暗室係数である。伝送路充放電電流暗室係数KE1は、電波暗室物理パラメータ41に含まれているデータ(例えば、電波暗室における、充放電電流Iが流れるループ経路から測定アンテナまでの距離、測定アンテナのアンテナ高さ、及び、測定時に解析対象10が置かれるターンテーブルの高さ)から算出される。また、ドライバー充電電流暗室係数KE2は、ドライバー部1の充電電流Iに対して同様にして算出された暗室係数であり、ドライバー貫通電流暗室係数KE3は、ドライバー部1の貫通電流Iに対して同様にして算出された暗室係数である。更に、レシーバー充電電流暗室係数KE4は、レシーバー部2の充電電流Iに対して同様にして算出された暗室係数であり、レシーバー貫通電流暗室係数KE5は、レシーバー部2の貫通電流Iに対して同様にして算出された暗室係数である。
図5に戻り、ステップS02では、放射アンテナ面積データ42が外部から取り込まれ、放射アンテナ面積格納ファイル32に格納される。図7は、放射アンテナ面積格納ファイル32の内容を示している。放射アンテナ面積格納ファイル32は、伝送路充放電電流放射アンテナ面積S、ドライバー充電電流放射アンテナ面積S、ドライバー貫通電流放射アンテナ面積S、レシーバー充電電流放射アンテナ面積S、及び、レシーバー貫通電流放射アンテナ面積Sを格納している。
伝送路充放電電流放射アンテナ面積Sは、伝送路部3の充放電電流Iが流れるループ経路の面積である。同様に、ドライバー充電電流放射アンテナ面積Sはドライバー部1の充電電流Iが流れるループ経路の面積であり、ドライバー貫通電流放射アンテナ面積Sはドライバー部1の貫通電流Iが流れるループ経路の面積である。更に、レシーバー充電電流放射アンテナ面積Sはレシーバー部2の充電電流Iが流れるループ経路の面積であり、レシーバー貫通電流放射アンテナ面積Sはレシーバー部2の貫通電流Iが流れるループ経路の面積である。
図5を再度に参照して、ステップS03では、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iを算出するために必要な設計データ43が取り込まれる。取り込まれる設計データ43としては、例えば、解析対象10のネットリスト、及び、解析対象10のSPICEトランジスタモデルのデータを含んでいてもよい。
更に、ステップS04では、設計データ43から、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iが回路シミュレーター28によって算出され、動作電流演算結果格納ファイル33に格納される。図8は、動作電流演算結果格納ファイル33の内容を示している。
図9、図10は、一実施形態における伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iの算出方法を示す図である。これらの電流の算出においては、まず、回路シミュレーター28上において、解析対象10に電流モニター11、12、14が設置される。ここで、電流モニター11は、伝送路部3の入力端の電流をモニターし、電流モニター12は、ドライバー部1において電源線1cから出力回路1aに流れる電流をモニターする。また、電流モニター14は、レシーバー部2において電源線2cから入力回路2aに流れる電流をモニターする。
更に、設計データ43を用いて解析対象10の回路動作のシミュレーション(以下、「第1のシミュレーション」という。)が行われ、電流モニター11、12、14によって電流がモニターされる。伝送路部3の充放電電流Iは、このシミュレーションの際に電流モニター11によってモニターされた電流として得られる。また、電流モニター12によってモニターされた電流I12はドライバー部1の充電電流I、貫通電流Iの和であり、電流モニター14によってモニターされた電流I14はレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iの和である。
続いて、図10に図示されているように、ドライバー部1の出力回路1aの出力を伝送路部3から切り離し、レシーバー部2の入力回路2aの出力を伝送路部3から切り離して、再度、回路動作のシミュレーション(以下、「第2のシミュレーション」という)が行われる。ドライバー部1の貫通電流Iは、この第2のシミュレーションの際に電流モニター12によってモニターされた電流として得られる。また、ドライバー部1の充電電流Iは、第1のシミュレーションにおいて電流モニター12によってモニターされた電流I12から第2のシミュレーションで得られたドライバー部1の貫通電流Iを減じた差として得られる。更に、レシーバー部2の貫通電流Iは、この第2のシミュレーションの際に電流モニター14によってモニターされた電流として得られる。また、レシーバー部2の充電電流Iは、第1のシミュレーションにおいて電流モニター14によってモニターされた電流I14から第2のシミュレーションで得られたレシーバー部2の貫通電流Iを減じた差として得られる。
伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iの算出は、上記の手順に限られない。図11、図12は、他の手順による、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iの算出方法を示す図である。
図11を参照して、まず、回路シミュレーター28上において、解析対象10に電流モニター11〜15が設置される。ここで、電流モニター11は、伝送路部3の入力端の電流をモニターし、電流モニター12は、ドライバー部1において電源線1cから出力回路1aに流れる電流をモニターする。電流モニター13は、ドライバー部1において出力回路1aから接地線1dに流れる電流をモニターし、電流モニター14は、レシーバー部2において電源線2cから入力回路2aに流れる電流をモニターする。更に、電流モニター15は、レシーバー部2において入力回路2aから接地線2dに流れる電流をモニターする。図11とは異なり、ドライバー部1の出力回路1aから接地線1dに流れる電流、及び、レシーバー部2の電源線2cから入力回路2aに流れる電流がモニターされることに留意されたい。
設計データ43を用いて解析対象10の回路動作のシミュレーションが行われ、電流モニター11〜15によって電流がモニターされる。電流モニター11〜15によってモニターされた電流から、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iが算出される。
図12は、電流モニター11〜13によってモニターされる電流と、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iの関係を概念的に示す図である。伝送路部3のノード3aがLowレベルからHighレベルにプルアップされる場合の伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iは、以下のようにして算出される。伝送路部3のノード3aがHighレベルにプルアップされる場合、伝送路部3の入力に接続されている電流モニター11には、伝送路部3のノード3aを充電する充電電流が流れる。また、電流モニター12には、伝送路部3のノード3aを充電する充電電流と出力回路1aの貫通電流の和の電流が流れ、電流モニター13には、出力回路1aの貫通電流が流れる。回路シミュレーター28は、電流モニター11を流れる電流を、伝送路部3の充放電電流Iとして算出する。また、回路シミュレーター28は、電流モニター12を流れる電流と電流モニター13を流れる電流との差を、ドライバー部1の充電電流Iとして算出し、電流モニター13を流れる電流を、ドライバー部1の貫通電流Iとして算出する。
一方、伝送路部3のノード3aがHighレベルからLowレベルにプルダウンされる場合の伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iは、以下のようにして算出される。伝送路部3のノード3aがLowレベルにプルダウンされる場合、伝送路部3の入力に接続されている電流モニター11には、伝送路部3のノード3aから放電される放電電流が流れる。また、電流モニター12には、出力回路1aの貫通電流が流れ、電流モニター13には、伝送路部3のノード3aから放電される放電電流と出力回路1aの貫通電流との和の電流が流れる。回路シミュレーター28は、電流モニター11を流れる電流を、伝送路部3の充放電電流Iとして算出する。また、回路シミュレーター28は、電流モニター12を流れる電流をドライバー部1の貫通電流Iとして算出する。伝送路部3のノード3aがプルダウンされる場合には、ドライバー部1の充電電流Iは算出されない。
レシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iについても電流モニター14、15を流れる電流から同様に算出可能である。レシーバー部2の入力回路2aの出力がLowレベルからHighレベルにプルアップされる場合、電流モニター14には、入力回路2aの出力に接続された信号線2eを充電する充電電流と入力回路2aの貫通電流の和の電流が流れ、電流モニター15には、入力回路2aの貫通電流が流れる。回路シミュレーター28は、電流モニター14を流れる電流と電流モニター15を流れる電流との差を、レシーバー部2の充電電流Iとして算出し、電流モニター15を流れる電流を、レシーバー部2の貫通電流Iとして算出する。また、レシーバー部2の入力回路2aの出力がHighレベルからLowレベルにプルダウンされる場合、回路シミュレーター28は、電流モニター14を流れる電流をレシーバー部2の貫通電流Iとして算出する。レシーバー部2の入力回路2aの出力がプルダウンされる場合には、レシーバー部2の充電電流Iは算出されない。
図5を再度に参照して、ステップS05では、ステップS04で算出されて格納された伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれに起因する遠方電界強度が算出され、遠方電界強度演算結果格納ファイル34に格納される。図13は、遠方電界強度演算結果格納ファイル34の内容を示している。遠方電界強度演算結果格納ファイル34は、伝送路充放電電流による遠方電界強度E、ドライバー充電電流による遠方電界強度E、ドライバー貫通電流による遠方電界強度E、レシーバー充電電流による遠方電界強度E、レシーバー貫通電流による遠方電界強度Eを格納している。
一実施形態では、遠方電界強度Eは、公知の次式(1)に基づいて算出される:
20log|E|=K+20logS+20log|I| …(1)
ここで、logは、10を底とする対数であり、Sは、放射アンテナ面積であり、Iは、信号線電流である。上記式は、例えば、宮下卓也他、「ディジタルプリント回路基板上の信号線からの放射EMIスペクトルのモデル化」、電子情報通信学会論文誌 B−II,vol.J79−B−II,No.11,pp.805−811,1996年,11月に開示されている。
より具体的には、伝送路部3の充放電電流Iによる遠方電界強度Eは、下記式(2a)により算出される:
20log|E|=KE1+20logS+20log|I| …(2a)
ここでKE1は、暗室係数演算結果格納ファイル31に格納されている、伝送路部3の充放電電流Iに対して算出された暗室係数であり、Sは、放射アンテナ面積格納ファイル32に格納されている、伝送路部3の充放電電流Iのループ経路の面積である。
同様に、ドライバー部1の充電電流Iによる遠方電界強度E、ドライバー部1の貫通電流Iによる遠方電界強度Eは、レシーバー部2の充電電流Iによる遠方電界強度E、レシーバー部2の貫通電流Iによる遠方電界強度Eは、下記式(2b)〜(2e)により算出される:
20log|E|=KE2+20logS+20log|I| …(2b)
20log|E|=KE3+20logS+20log|I| …(2c)
20log|E|=KE4+20logS+20log|I| …(2d)
20log|E|=KE5+20logS+20log|I| …(2e)
ここでKE2は、暗室係数演算結果格納ファイル31に格納されている、ドライバー部1の充電電流Iに対して算出された暗室係数であり、Sは、放射アンテナ面積格納ファイル32に格納されている、ドライバー部1の充電電流Iのループ経路の面積である。また、KE3は、暗室係数演算結果格納ファイル31に格納されている、ドライバー部1の貫通電流Iに対して算出された暗室係数であり、Sは、放射アンテナ面積格納ファイル32に格納されている、ドライバー部1の貫通電流Iのループ経路の面積である。更に、KE4は、暗室係数演算結果格納ファイル31に格納されている、レシーバー部2の充電電流Iに対して算出された暗室係数であり、Sは、放射アンテナ面積格納ファイル32に格納されている、レシーバー部2の充電電流Iのループ経路の面積である。また、KE5は、暗室係数演算結果格納ファイル31に格納されている、レシーバー部2の貫通電流Iに対して算出された暗室係数であり、Sは、放射アンテナ面積格納ファイル32に格納されている、レシーバー部2の貫通電流Iのループ経路の面積である。
更に、ステップS06では、ステップS05で算出された、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iによる遠方電界強度E〜Eが表示される。遠方電界強度演算モジュール29は、遠方電界強度演算結果格納ファイル34に格納されている遠方電界強度E〜Eを読み出し、表示装置23に表示する。ユーザは、表示された遠方電界強度E〜Eから、様々なEMI対策を検討することができる。
図14は、遠方電界強度の算出結果の一例を示す図である。図14において、太線51は、合計の遠方電界強度(即ち、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iによる遠方電界強度E〜Eの合計)を示している。また、実線52は、ドライバー部1及びレシーバー部2の充電電流I、Iによる遠方電界強度E、Eの合計を示しており、破線53は、ドライバー部1及びレシーバー部2の貫通電流I、Iによる遠方電界強度E、Eの合計を示している。この例では、伝送路部3の充放電電流Iによる遠方電界強度Eは小さいとされ、表示されていない。
図14の例では、充電電流I、Iによる遠方電界強度E、Eと、貫通電流I、Iによる遠方電界強度E、Eとの間で、奇数次高調波成分(3次、5次、7次、9次)と偶数次高調波成分(2次、4次、6次、8次)に対する寄与が相違することが理解できる。ここで、図14では、遠方電界強度の一次の周波数成分が100MHzである場合の算出結果が図示されていることに留意されたい。詳細には、遠方電界強度の奇数次高調波成分(1次、3次、5次、7次、9次)を低減させたい場合には、充電電流I、Iによる遠方電界強度E、Eの寄与が大きく、充電電流I、Iに関連する回路部分に対策を打てばよいことが分かる。一方、遠方電界強度の偶数次高調波成分(2次、4次、6次、8次)を低減させたい場合には、ドライバー部1及びレシーバー部2の貫通電流I、Iによる遠方電界強度E、Eが大きく、貫通電流I、Iに関連する回路部分に対策を打てばよいことが分かる。このように、図14に示されている遠方電界強度の算出結果の例では、EMI対策の検討において、奇数次高調波成分への対策と偶数次高調波成分への対策とが相違することが理解できる。
上述のように、図14の例では、ドライバー部1及びレシーバー部2の充電電流I、Iがまとめて検討され、ドライバー部1及びレシーバー部2の貫通電流I、Iがまとめて検討されている。しかしながら、ドライバー部1及びレシーバー部2の充電電流I、I及びドライバー部1及びレシーバー部2の貫通電流I、Iが個別に検討されてもよい。これにより、更に詳細な対策をとることも可能になる。
以上に説明されているように、本実施形態では、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれについて遠方電界強度が算出される。これにより、放射ノイズの発生原因をより詳細に解析することが可能になり、放射ノイズの低減のために適切な対応をとることが容易になる。
なお、上記の本実施形態では、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iについて、別個に暗室係数KE1〜KE5が算出されている。しかしながら、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのループ経路から測定アンテナの距離の差異が無視できる場合には、解析対象10に共通の暗室係数Kが算出されてもよい。共通の暗室係数Kを算出することは、演算量を低減させるために有効である。この場合、電波暗室物理パラメータ41には解析対象10から測定アンテナまでの距離が記述され、解析対象10から測定アンテナまでの距離が共通の暗室係数Kの算出に使用される。更に、図15に図示されているように、暗室係数演算結果格納ファイルには、共通の暗室係数Kが保存される。また、式(2a)〜(2e)による伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iの算出が行われる場合、暗室係数KE1〜KE5の代わりに、共通の暗室係数Kが使用される。
また、上述の実施形態では、解析対象10が、伝送線路で接続された、(別々のチップに集積化された)2つの半導体デバイスで構成される半導体モジュール又は単一の半導体チップに集積化されたLSI回路(半導体集積回路)であるとして説明が行われている。しかしながら、解析対象10が、複数のLSI回路を含んでおり、複数のLSI回路の個々について別個に遠方電界強度を算出してもよい。
図16〜図19は、n個のLSI回路#1〜#nのそれぞれについて、遠方電界強度を算出する場合に、外部記憶装置25に格納されるデータの内容を示す図である。図16に図示されているように、暗室係数が、LSI回路#1〜#nのそれぞれについて算出される。詳細には、LSI回路#1〜#nのそれぞれに対応する暗室係数演算結果格納ファイル31−1〜31−nが用意される。そして、LSI回路#1〜#nのそれぞれについて、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iについての暗室係数KE1〜KE5が、対応する暗室係数演算結果格納ファイル31に格納される。
また、図17に図示されているように、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのループ経路の面積が、LSI回路#1〜#nのそれぞれについて与えられる。詳細には、LSI回路#1〜#nのそれぞれに対応する放射アンテナ面積格納ファイル32−1〜32−nが用意される。そして、LSI回路#1〜#nのそれぞれについて、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのループ経路の面積S〜Sが格納される。
更に、図18に図示されているように、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iが、LSI回路#1〜#nのそれぞれについて算出される。詳細には、LSI回路#1〜#nのそれぞれに対応する動作電流演算結果格納ファイル33−1〜33−nが用意される。そして、LSI回路#1〜#nのそれぞれについて算出されたドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iが、対応する動作電流演算結果格納ファイル33に格納される。
また、図19に図示されているように、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iによる遠方電界強度E〜Eが、LSI回路#1〜#nのそれぞれについて算出される。詳細には、LSI回路#1〜#nのそれぞれに対応する遠方電界強度演算結果格納ファイル34−1〜34−nが用意される。そして、LSI回路#1〜#nのそれぞれについて算出されたドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iによる遠方電界強度E〜Eが、対応する遠方電界強度演算結果格納ファイル34に格納される。
このような構成によれば、複数のLSI回路の遠方電界強度の比較が可能となり、複数のLSI回路のうち遠方電界強度への寄与が大きいものに対する対策をとることが可能になる。これは、放射ノイズの低減のために一層に適切な対応をとることを可能にする。
第2の実施形態:
図20は、第2の実施形態の遠方電界強度予測装置20Aの構成の例を示すブロック図である。第2の実施形態の遠方電界強度予測装置20Aは、第1の実施形態の遠方電界強度予測装置20と類似した構成を有しているが、外部記憶装置25に放射アンテナ面積演算モジュール27が追加でインストールされている点で相違する。上述のように、第1の実施形態では、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路の面積S〜Sは放射アンテナ面積データ42として予め与えられる。一方、本実施形態では、放射アンテナ面積演算モジュール27により、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路の面積S〜Sが算出される。算出された面積S〜Sが、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iによる遠方電界強度E〜Eの算出に使用される。
図21は、本実施形態の遠方電界強度予測装置20Aによって行われる演算を概略的に示す図である。本実施形態の遠方電界強度予測装置20Aで行われる演算は、第1の実施形態の遠方電界強度予測装置20で行われる演算と類似している(図4参照)。ただし、本実施形態では、アンテナパラメータ42Aが外部から与えられ、放射アンテナ面積演算モジュール27は、アンテナパラメータ42Aを用いて伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路の面積S〜Sを算出する。ここで、アンテナパラメータ42Aは、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路の面積S〜Sの算出に必要なデータを含んでいる。より具体的には、アンテナパラメータ42Aは、例えば、解析対象10の物理的なレイアウトを示すレイアウトデータ(例えば、プリント配線基板のレイアウトデータや半導体集積回路のレイアウトデータ)を含んでいる。放射アンテナ面積演算モジュール27は、算出した伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路の面積S〜Sを放射アンテナ面積格納ファイル32に格納する。
図22は、本実施形態の遠方電界強度予測方法を示すフローチャートである。本実施形態では、本実施形態の遠方電界強度予測方法は、第1の実施形態の遠方電界強度予測方法と類似している(図5参照)。ただし、放射アンテナ面積データ42の取り込み(図5のS02)の代わりに、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流I並びにレシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路の面積S〜Sの算出が行われる(ステップS12)。上述のように、ループ経路の面積S〜Sは、アンテナパラメータ42Aを用いて、放射アンテナ面積演算モジュール27によって算出される。なお、図18に示されているステップS01、S12、S03〜S06は、遠方電界強度を算出できる範囲であれば、様々に入れ替え可能であることに留意されたい。
本実施形態においても、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iのそれぞれについて遠方電界強度が算出される。これにより、放射ノイズの発生原因をより詳細に解析することが可能になり、放射ノイズの低減のために適切な対応をとることが容易になる。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iについて別個に暗室係数KE1〜KE5が算出されてもよく、また、解析対象10に共通の暗室係数Kが算出されてもよい。
また、本実施形態においても、解析対象10が複数のLSI回路を含んでいる場合には、複数のLSI回路の個々について別個に遠方電界強度を算出してもよい。
第3の実施形態:
上記の実施形態では、遠方電界強度演算モジュール29によって遠方電界強度が算出されているが(図3及び図20参照)、遠方電界強度を算出する機能が、回路シミュレーター28の一機能として実装されてもよい。
例えば、回路シミュレーター28上で解析対象10の回路に挿入される電流モニターの一機能として遠方電界強度を算出する機能が実装されてもよい。
例えば、図23に図示されているように、解析対象10に電流モニター11〜15が設置される場合について考える。ここで、電流モニター11は、伝送路部3の入力端の電流をモニターし、電流モニター12は、ドライバー部1において電源線1cから出力回路1aに流れる電流をモニターする。電流モニター13は、ドライバー部1において出力回路1aから接地線1dに流れる電流をモニターし、電流モニター14は、レシーバー部2において電源線2cから入力回路2aに流れる電流をモニターする。更に、電流モニター15は、レシーバー部2において入力回路2aから接地線2dに流れる電流をモニターする。
図24は、図23のように電流モニター11〜15が設置される場合における、伝送路部3の充放電電流I及びドライバー部1の充電電流I、貫通電流Iを得るためのネット記述の一例を示している。当該ネット記述に遠方電界強度を算出するために必要なパラメータを記述することで、遠方電界強度が算出される。図24に図示されたネット記述のうち、1行目は伝送路部3の充放電電流Iによる遠方電界強度Eを得るための記述である。また、2行目はドライバー部1の充電電流Iによる遠方電界強度Eを得るための記述であり、3行目はドライバー部1の貫通電流Iによる遠方電界強度Eを得るための記述である。
ここで、符号61で示された記述は、算出された遠方電界強度を出力することを意味している。また、符号62で示された記述は、それぞれ、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iを算出することを意味している。ここで、1行目の記述“I(V2)”は、電流モニター11によって検出された電流I(V2)を伝送路部3の充放電電流Iとして算出することを意味している。2行目の記述“I(V1)andI(V3)”は、電流モニター12、13によって検出された電流I(V1)、I(V3)の論理積をドライバー部1の充電電流Iとして算出することを意味している。3行目の記述“I(V1)−I(V1)andI(V3)”は、電流モニター12によって検出された電流I(V1)から電流I(V1)、I(V3)の論理積を減じて得られる差を、ドライバー部1の貫通電流Iとして算出することを意味している。図25は、電流モニター11、12、13によって検出された電流I(V2)、I(V1)、I(V3)、電流I(V1)、I(V3)の論理積、及び、これらの電流から算出されるI(V1)−I(V1)andI(V3)の波形の例を示している。
図24に戻り、符号63で示された記述には、それぞれ、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iが流れるループ経路の面積が記述されている。更に、符号64で示された記述には、暗室係数を算出するために用いられるパラメータが記述されている。ここで、“AT”は、電波暗室内のアンテナ高さを示しており、“AL”は、電波暗室における各ループ経路(又は解析対象10)から測定アンテナまでの距離を示しており、“TT”は、解析対象10が置かれるターンテーブルの高さを示している。
ネット記述に記述されたパラメータから、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iについての暗室係数が算出されると共に、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iが回路シミュレーションにより算出される。更に、算出された暗室係数、伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iと、当該ネット記述に記述されている伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I及び貫通電流Iのループ経路の面積から、遠方電界強度が算出されて表示される。レシーバー部2の充電電流I及び貫通電流Iについても、同様にして算出されて表示される。
また、回路シミュレーター28の波形ビューワーとして遠方電界強度を算出する機能が実装されてもよい。一般的な回路シミュレーター28の波形ビューワーは、図26Aに図示されているように、シミュレーションによって電流が算出された場合に、時間軸(時間ドメイン)での電流波形と、周波数軸(周波数ドメイン)での電流波形、即ち、電流の周波数スペクトルを表示する機能を有している。本実施形態では、図26Bに図示されているように、波形ビューワーに、電波暗室物理パラメータ41(即ち、暗室係数を算出するために用いられるパラメータ)及び放射アンテナ面積データ42を取り込み、更に、遠方電界強度を算出する機能が追加される。波形ビューワーは、電波暗室物理パラメータ41から暗室係数を算出すると共に、放射アンテナ面積データ42に記述されている伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iが流れるループ経路の面積を取り込む。更に、波形ビューワーは、回路シミュレーター28によって算出される伝送路部3の充放電電流I、ドライバー部1の充電電流I、貫通電流I及びレシーバー部2の充電電流I、貫通電流Iと、算出された暗室係数と、ループ経路の面積とを用いて、遠方電界強度を算出して表示する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
10:解析対象
1:ドライバー部
1a:出力回路
1b:電圧安定化キャパシタ
1c:電源線
1d:接地線
2:レシーバー部
2a:入力回路
2b:電圧安定化キャパシタ
2c:電源線
2d:接地線
2e:信号線
2f:寄生容量
3:伝送路部
3a:ノード
20、20A:遠方電界強度予測装置
21:CPU
22:メモリ
23:表示装置
24:入力装置
25:外部記憶装置
26:暗室係数演算モジュール
28:回路シミュレーター
29:遠方電界強度演算モジュール
31:暗室係数演算結果格納ファイル
32:放射アンテナ面積格納ファイル
33:動作電流演算結果格納ファイル
34:遠方電界強度演算結果格納ファイル
41:電波暗室物理パラメータ
42:放射アンテナ面積データ
42A:アンテナパラメータ
43:設計データ

Claims (12)

  1. ドライバー部とレシーバー部と前記ドライバー部とレシーバー部とを接続するノードを含む伝送路部とを備え、前記ドライバー部が前記ノードを介して前記レシーバー部に信号を送るように構成された解析対象が発生する遠方電界強度を算出する遠方電界強度予測装置であって、
    伝送路部充放電電流と、ドライバー部充電電流と、ドライバー部貫通電流と、レシーバー部充電電流と、レシーバー部貫通電流とを回路シミュレーションによって算出する回路シミュレーション手段と、
    前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度をそれぞれに算出する遠方電界強度算出手段
    とを具備し、
    前記伝送路部充放電電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップ又はプルダウンするときに前記伝送路部に流れ込む電流であり、
    前記ドライバー部充電電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップするときに、前記ドライバー部の電源線から前記伝送路部に流れ込む電流であり、
    前記ドライバー部貫通電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップ又はプルダウンするときに、前記ドライバー部の前記電源線から接地線に流れる電流であり、
    前記レシーバー部充電電流は、前記レシーバー部の入力回路が、前記入力回路の出力に接続された信号線をプルアップするときに前記レシーバー部の電源線から前記信号線に流れ込む電流であり、
    前記レシーバー部貫通電流は、前記レシーバー部の前記入力回路が、前記信号線をプルアップ又はプルダウンするときに前記レシーバー部の前記電源線から接地線に流れる電流である
    遠方電界強度予想装置。
  2. 請求項1に記載の遠方電界強度予想装置であって、
    更に、
    前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに対応する暗室係数を算出する暗室係数算出手段を具備し、
    前記遠方電界強度算出手段は、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記伝送路部充放電電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記伝送路部充放電電流に起因する遠方電界強度を算出し、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記ドライバー部充電電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記ドライバー部充電電流に起因する遠方電界強度を算出し、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記ドライバー部貫通電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記ドライバー部貫通電流に起因する遠方電界強度を算出し、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記レシーバー部充電電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記レシーバー部充電電流に起因する遠方電界強度を算出し、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記レシーバー部貫通電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記レシーバー部貫通電流に起因する遠方電界強度を算出する
    遠方電界強度予想装置。
  3. 請求項1に記載の遠方電界強度予想装置であって、
    前記解析対象に共通の暗室係数を算出する暗室係数算出手段を具備し、前記遠方電界強度算出手段は、前記共通の暗室係数を用いて、前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度をそれぞれに算出する
    遠方電界強度予想装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の遠方電界強度予想装置であって、
    更に、
    前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれが流れるループ経路の面積をそれぞれに示す放射アンテナデータを保存する記憶装置を具備し、
    前記遠方電界強度算出手段は、前記放射アンテナデータに基づいて、前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度をそれぞれに算出する
    遠方電界強度予想装置。
  5. 請求項4に記載の遠方電界強度予想装置であって、
    前記放射アンテナデータが当該遠方電界強度予想装置の外部から取り込まれる
    遠方電界強度予想装置。
  6. 請求項4に記載の遠方電界強度予想装置であって、
    更に、
    前記解析対象のレイアウトデータから、前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれが流れる前記ループ経路の面積を算出する放射アンテナ面積演算手段
    を具備する
    遠方電界強度予想装置。
  7. ドライバー部とレシーバー部と前記ドライバー部とレシーバー部とを接続するノードを含む伝送路部とを備え、前記ドライバー部が前記ノードを介して前記レシーバー部に信号を送るように構成された解析対象が発生する遠方電界強度を算出する遠方電界強度予測方法であって、
    回路シミュレーション手段が、伝送路部充放電電流と、ドライバー部充電電流と、ドライバー部貫通電流と、レシーバー部充電電流と、レシーバー部貫通電流とを回路シミュレーションによって算出するステップと、
    遠方電界強度算出手段が、前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度をそれぞれに算出するステップ
    とを具備し、
    前記伝送路部充放電電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップ又はプルダウンするときに前記伝送路部に流れ込む電流であり、
    前記ドライバー部充電電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップするときに、前記ドライバー部の電源線から前記伝送路部に流れ込む電流であり、
    前記ドライバー部貫通電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップ又はプルダウンするときに、前記ドライバー部の前記電源線から接地線に流れる電流であり、
    前記レシーバー部充電電流は、前記レシーバー部の入力回路が、前記入力回路の出力に接続された信号線をプルアップするときに前記レシーバー部の電源線から前記信号線に流れ込む電流であり、
    前記レシーバー部貫通電流は、前記レシーバー部の前記入力回路が、前記信号線をプルアップ又はプルダウンするときに前記レシーバー部の前記電源線から接地線に流れる電流である
    遠方電界強度予想方法。
  8. 請求項7に記載の遠方電界強度予想方法であって、
    更に、
    暗室係数算出手段が、前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに対応する暗室係数を算出するステップを具備し、
    前記伝送路部充放電電流に起因する遠方電界強度が、前記伝送路部充放電電流に対応する前記暗室係数に基づいて算出され、
    前記ドライバー部充電電流に起因する遠方電界強度が、前記ドライバー部充電電流に対応する前記暗室係数に基づいて算出され、
    前記ドライバー部貫通電流に起因する遠方電界強度が、前記ドライバー部貫通電流に対応する前記暗室係数に基づいて算出され、
    前記レシーバー部充電電流に起因する遠方電界強度が、前記レシーバー部充電電流に対応する前記暗室係数に基づいて算出され、
    前記レシーバー部貫通電流に起因する遠方電界強度が、前記レシーバー部貫通電流に対応する前記暗室係数に基づいて算出される
    遠方電界強度予想方法。
  9. 請求項7に記載の遠方電界強度予想方法であって、
    更に、
    暗室係数算出手段が、前記解析対象に共通の暗室係数を算出するステップを具備し、
    前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度が、前記共通の暗室係数を用いてそれぞれに算出される
    遠方電界強度予想方法。
  10. ドライバー部とレシーバー部と前記ドライバー部とレシーバー部とを接続するノードを含む伝送路部とを備え、前記ドライバー部が前記ノードを介して前記レシーバー部に信号を送るように構成された解析対象が発生する遠方電界強度を算出するために、コンピュータを
    伝送路部充放電電流と、ドライバー部充電電流と、ドライバー部貫通電流と、レシーバー部充電電流と、レシーバー部貫通電流とを回路シミュレーションによって算出する回路シミュレーション手段と、
    前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度をそれぞれに算出する遠方電界強度算出手段
    として動作させるプログラムであって、
    前記伝送路部充放電電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップ又はプルダウンするときに前記伝送路部に流れ込む電流であり、
    前記ドライバー部充電電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップするときに、前記ドライバー部の電源線から前記伝送路部に流れ込む電流であり、
    前記ドライバー部貫通電流は、前記ドライバー部が前記ノードをプルアップ又はプルダウンするときに、前記ドライバー部の前記電源線から接地線に流れる電流であり、
    前記レシーバー部充電電流は、前記レシーバー部の入力回路が、前記入力回路の出力に接続された信号線をプルアップするときに前記レシーバー部の電源線から前記信号線に流れ込む電流であり、
    前記レシーバー部貫通電流は、前記レシーバー部の前記入力回路が、前記信号線をプルアップ又はプルダウンするときに前記レシーバー部の前記電源線から接地線に流れる電流である
    プログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムであって、
    前記コンピュータを、更に、
    前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに対応する暗室係数を算出する暗室係数算出手段
    として動作させ、
    前記遠方電界強度算出手段は、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記伝送路部充放電電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記伝送路部充放電電流に起因する遠方電界強度を算出し、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記ドライバー部充電電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記ドライバー部充電電流に起因する遠方電界強度を算出し、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記ドライバー部貫通電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記ドライバー部貫通電流に起因する遠方電界強度を算出し、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記レシーバー部充電電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記レシーバー部充電電流に起因する遠方電界強度を算出し、
    前記暗室係数算出手段によって算出された前記レシーバー部貫通電流に対応する前記暗室係数に基づいて前記レシーバー部貫通電流に起因する遠方電界強度を算出する
    プログラム。
  12. 請求項10に記載のプログラムであって、
    前記コンピュータを、更に、前記解析対象に共通の暗室係数を算出する暗室係数算出手段として動作させ、
    前記遠方電界強度算出手段が、前記共通の暗室係数を用いて、前記伝送路部充放電電流と、前記ドライバー部充電電流と、前記ドライバー部貫通電流と、前記レシーバー部充電電流と、前記レシーバー部貫通電流のそれぞれに起因する遠方電界強度をそれぞれに算出する
    プログラム。
JP2012168659A 2012-07-30 2012-07-30 遠方電界強度予測装置、方法及びプログラム Pending JP2014026599A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168659A JP2014026599A (ja) 2012-07-30 2012-07-30 遠方電界強度予測装置、方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168659A JP2014026599A (ja) 2012-07-30 2012-07-30 遠方電界強度予測装置、方法及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014026599A true JP2014026599A (ja) 2014-02-06

Family

ID=50200149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012168659A Pending JP2014026599A (ja) 2012-07-30 2012-07-30 遠方電界強度予測装置、方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014026599A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016031451A1 (ja) * 2014-08-27 2016-03-03 富士通テン株式会社 電界強度算出プログラム、電界強度算出装置及び電界強度算出方法
JP6059837B1 (ja) * 2016-03-22 2017-01-11 日本電信電話株式会社 アンテナ制御装置、アンテナ制御プログラムおよびアンテナ制御システム
JP2020060877A (ja) * 2018-10-05 2020-04-16 富士通株式会社 推定プログラム、推定装置および推定方法
DE102023135313A1 (de) 2022-12-19 2024-06-20 Renesas Electronics Corporation Herstellungsverfahren für elektronische vorrichtung

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5499200A (en) * 1992-05-18 1996-03-12 Podgorski; Andrew S. Probabilistic modeling of electromagnetic interactions
JP2001256271A (ja) * 2000-03-08 2001-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 不要輻射解析方法および装置
JP2003141205A (ja) * 2001-10-31 2003-05-16 Fujitsu Ltd モデル解析方法及び装置、コンピュータプログラム並びに記憶媒体
JP2009151363A (ja) * 2007-12-18 2009-07-09 Ydc Corp 基板設計装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5499200A (en) * 1992-05-18 1996-03-12 Podgorski; Andrew S. Probabilistic modeling of electromagnetic interactions
JP2001256271A (ja) * 2000-03-08 2001-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 不要輻射解析方法および装置
JP2003141205A (ja) * 2001-10-31 2003-05-16 Fujitsu Ltd モデル解析方法及び装置、コンピュータプログラム並びに記憶媒体
JP2009151363A (ja) * 2007-12-18 2009-07-09 Ydc Corp 基板設計装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6016007791; 小坂恵 外4名: 'ディジタル回路基板から放射される電磁雑音量の要素雑音和による表現' テレビジョン学会技術報告 Vol.15,No.68, 19911121, pp.23-30 *

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016031451A1 (ja) * 2014-08-27 2016-03-03 富士通テン株式会社 電界強度算出プログラム、電界強度算出装置及び電界強度算出方法
JP2016048190A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 富士通テン株式会社 電界強度算出プログラム、電界強度算出装置及び電界強度算出方法
JP6059837B1 (ja) * 2016-03-22 2017-01-11 日本電信電話株式会社 アンテナ制御装置、アンテナ制御プログラムおよびアンテナ制御システム
KR101792627B1 (ko) 2016-03-22 2017-11-02 니폰 덴신 덴와 가부시끼가이샤 안테나 제어 장치, 안테나 제어 프로그램 및 안테나 제어 시스템
US10177823B2 (en) 2016-03-22 2019-01-08 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Antenna control apparatus, antenna control program, and antenna control system
JP2020060877A (ja) * 2018-10-05 2020-04-16 富士通株式会社 推定プログラム、推定装置および推定方法
JP7099236B2 (ja) 2018-10-05 2022-07-12 富士通株式会社 推定プログラム、推定装置および推定方法
DE102023135313A1 (de) 2022-12-19 2024-06-20 Renesas Electronics Corporation Herstellungsverfahren für elektronische vorrichtung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20120101873A (ko) 케이블의 방사 전자파 예측 장치 및 방법
JP2014026599A (ja) 遠方電界強度予測装置、方法及びプログラム
Li et al. Near-field coupling estimation by source reconstruction and Huygens's equivalence principle
JP4671173B2 (ja) プリント回路基板設計支援装置、プリント回路基板設計支援方法およびプリント回路基板設計支援用プログラム
Li et al. Measurement validation for radio-frequency interference estimation by reciprocity theorem
Shinde et al. Modeling EMI due to display signals in a TV
JP4558613B2 (ja) 回路基板の設計支援装置、回路基板の設計方法、及びノイズ解析プログラム
CN114065479B (zh) 基于互易原理的电磁干扰评估的仿真方法和计算机设备
Lee et al. A study of a measurement and simulation method on ESD noise causing soft-errors by disturbing signals
US20150276839A1 (en) Worst case jitter prediction method using step response
US8706434B1 (en) Nonlinear systems measurement system and method
JP2014235131A (ja) 電磁妨害波耐力簡易試験装置
Ouyang et al. Mechanism analysis on radio frequency radiation in IC/package with bonding wires
Jin et al. Conducted-emission modeling for a high-speed ECL clock buffer
Huang et al. Accurate prediction and mitigation of EMI from high-speed noise sources using full wave solver
Wang et al. Maximum power estimation for CMOS circuits under arbitrary delay model
Kasmi et al. Stochastic Kron's model inspired from the random coupling model
Colin et al. Feature selective validation analysis applied to measurement and simulation of electronic circuit electromagnetic emissions
US20110025297A1 (en) Parameter calculating apparatus and simulation apparatus
Baba et al. Noise Sources Extraction for Conducted Emission Modeling of IC’s using IBIS Models
Chua Electric field emissions of FPGA chip based on gigahertz transverse electromagnetic cell modeling and measurements
Hackl et al. Simulation of radiated emission during the design phase based on scattering parameter measurement
Genc et al. Analysis of the electromagnetic pollution for a pilot region in Turkey
Rebholz et al. A fast radiated emission model for arbitrary cable harness configurations based on measurements and simulations
Venkateshaiah et al. Coupling of energy into PCB traces in a reverberant environment: absorption cross-section and probability of susceptibility

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170308