JP2014025824A - 油種判別装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透光性材質からなる導光体(例えば、プリズム1)を給油系統(例えば、給油配管2、ポンプ等6)に設け、導光体(1)に照射装置(例えば、光源に接続された光ファイバ3)と、給油系統(2)を流れる油と導光体(1)の境界面(F12)で反射した光を受光する受光装置(4)を設けている。
【選択図】図1
Description
しかし、ガソリン車に間違えて灯油を給油した場合や、灯油と間違えてガソリンを販売してしまうと(いわゆる「誤給油」)、重大な事故を惹起してしまう恐れがある。
また、給油所の地下貯蔵タンクに対して、貯蔵されている燃料油とは異なる種類の燃料油を投入してしまうこと(いわゆる「誤荷卸し」)も、重大な事故に繋がる可能性がある。
「誤荷卸し」によって、地下タンクに貯蔵してされている燃料油(灯油)に、種類が異なる燃料油(ガソリン)が混入し、異なる種類の燃料油が混入した燃料油を顧客に販売してしまうと、自動車のエンジンの故障、破損、エンジン破損に起因する事故、火災等の重大な不都合を生じる可能性がある。
その他の従来技術として、例えば、タンクローリのタンク室別に操作キーを用意し、タンク室の底弁操作ハンドルと荷積み用ハッチ操作ハンドルとを封印ワイヤによって連結し、特定の操作キーだけが特定タンク室の荷積み用ハッチと底弁操作ハンドルだけで操作出来る様にして、誤荷卸しを防止する技術(特許文献1参照)が存在する。
ここで、誤給油や誤荷卸しにより異種の油が交じり合ってしまうことを防止するには、各種油を供給する際にその油種を常時判別して、誤った油種が供給された場合に速やかに対処することが望まれる。しかし、上述した従来技術(特許文献1)では、給油されている油種を常時監視、判別することは不可能であった。
また前記給油系統は、ポンプ(5)内の配管であるのが好ましい。
さらに前記給油系統は、給油所の貯油タンク(6)に連通する給油管(7)であるのが好ましい。
そして、受光装置(4)において前記反射した光(R1r)が受光される範囲から、給油系統(2)を流れる油の屈折率が求まる。
ここで、給油系統(2)を流れる油の屈折率が求まれば、その油種も決定される。これにより本発明によれば、給油系統(2)を流れる油を常時監視して、その油種を判別することが可能である。
ここで、異なる種類の油が混入してしまった場合でも、その混入率により屈折率は変動する。そして、前記給油系統(2)を流れる油の屈折率の履歴を保存しておけば、屈折率の変動を過去の履歴と比較することにより、異なる種類の油が混合している状態であるのか否かを判断することが可能である。
そして、ガソリンに水が混入したことを検知できないまま、当該ガソリン(水が混入したガソリン)を販売してしまうと、販売顧客データを調べて顧客一人一人へ連絡する必要があり、また、監督官庁へ通報する等、その処理あるいは対応に多大な労力を費やさなければならない。
一方、燃料油に空気が混入してしまった場合には、流量計で計測された燃料供給量(計測値:表示値)よりも、実際に車両等に給油された量(実給油量)が少なくなってしまうので、計量精度の問題が生じてしまう。
この様に、地下の貯油タンク、地下配管系のトラブル、特に燃料に水や空気が混入してしまうと深刻な問題を生じる恐れがあるため、特に車両給油前に常時監視して、速やかに対処することが望まれている。
従って、受光装置(4)が受光した光量の総和から、異物(C)の混入率を決定することが可能である。
本発明において、前記制御装置(10A)は、受光装置(4)が受光した前記総和の単位時間当たりの変動量から、異物(C)の種類を判定する(異物が水であるか空気であるかを判定する)機能を有していれば、上述した様に異物(水/空気:C)の混入率を求める差異に、異物(C)の種類(水か空気か)を判断することが出来る。
先ず、図1〜図4に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1において、全体を符号100で示す油種判別装置は、流路(以下、「給油管」と言う)2内を流れる油(燃料油、灯油等)の種類を識別している。
第1実施形態の概要を示す図1において、油種判別装置100は、導光体であるプリズム1と、プリズム1を取付ける給油管2と、照射装置(光照射用のファイバ、以下、「光ファイバ」と言う)3と、受光装置4と、制御装置であるコントロールユニット10と、警報機20と、給油停止機構30とを備えている。
プリズム1と給油管2の流路との境界面F12が給油管2の流路内に露出する様に、プリズム1は給油管2に取り付けられている。
ここで、受光装置4は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、PSD、イメージセンサ等が用いられている。換言すれば、受光装置4に用いられる素子について、特段の限定条件は存在しない。
一方、油側(流路2F側)への入射角が臨界角α未満の領域の光は、プリズム1と油の境界面F12で反射して、プリズム1の他方の側面(光ファイバ3を取付けていない側の側面)に設けられた受光装置4に照射される。
換言すれば、光ファイバ3であれば、光の照射手段として給油装置に組み込まれても、防爆構造とする必要が無いからである。
ここで、プリズム1の屈折率、ファイバ3の取付位置、受光装置4の取付位置は一定なので、プリズム1と油の境界面F12で反射した光R1rが受光装置4に照射される領域(位置)を特定できれば、流路2F内を流れる油の屈折率を決定することが出来る。そして、当該屈折率から油の種類を判別することが出来る。
図2において、「冬用軽油」、「夏用軽油」、「灯油」、「冬用ガソリン」、「夏用ガソリン」と表示されている棒状の部分は、それぞれの油の純度100%の場合(異なる油の混入率が0%の場合)における屈折率の範囲を示している。
図1において、受光装置4がプリズム1と油の境界面R12で反射した光R1rを受光した範囲から、流路2F内を流れる油の屈折率を決定し、例えば図2で示す様な特性図を用いて屈折率から流路2F内を流れる油の種類を決定することが出来る。
直線Lから明らかなように、異なる種類の油の混合率により、屈折率は変化する。これに対して、図1における受光装置4の受光範囲からは、異なる種類の油の混合率を求めることは出来ない。
しかし、流路2F内を流れる油の屈折率の履歴を保存することにより、屈折率の変動を過去の履歴と比較して、異なる種類の油が混合している状態であるのか否かを判断することが可能である。
図3において、コントロールユニット10(油種判別用のコントロールユニット)は、受光領域決定ブロック10aと、屈折率決定ブロック10bと、油種決定ブロック10cと、警報判定ブロック10dと、記憶ブロック10fとを備えている。
上述した通り、受光装置4は、プリズム1の境界面F12で反射した光R1rを受光するように構成されている。ここで、給油管2を流れる油の屈折率により、反射光R1rがプリズム1内を透過する経路が変化する。そのため、給油管2を流れる油の屈折率により、受光装置4において反射光R1rが受光される範囲が変動する。
受光装置4が境界面F12で反射した光R1rを受光する範囲は、図1では破線のハッチングを施したエリアEで示されているが、受光装置(例えばフォトダイオード)4のプリズム1側(図1では左側)の平面における面D(光R1rが照射されている領域)である。そして、受光装置4の検出信号は、面Dにおいて光R1rが受光された領域と対応して出力される。
屈折率決定ブロック10bは、受光領域決定ブロック10で決定された受光領域に関する情報と、記憶ブロック10fに記憶された受光領域と屈折率の関係から、給油管2を流過している油種の屈折率を決定する機能を有する様に構成されている。
油種決定ブロック10cは、屈折率決定ブロック10bで決定された屈折率と、記憶ブロック10fに記憶された屈折率と油種との関係を示す特性(例えば図2の様な特性図や各種テーブル、図表)から、給油管2を流過している油種を決定する機能を有して構成されている。
警報判定ブロック10dは、油種決定ブロック10cで決定された油種(図1における給油管2の流路2F内を流れる油の種類)と、給油装置40のコントロールユニットに記憶されている本来給油するべき油種を比較して、油種決定ブロック10cで決定された油種が本来給油するべき油種と異なる場合に、「警報を発するべきである」と判定する機能を有している。
そして警報判定ブロック10dは、「警報を発するべきである」と判定した場合には、警報装置20に警報を発せしめると共に、給油停止装置30に対して給油を停止するべき制御信号を出力する機能を有する様に構成されている。
図4のステップS1では、コントロールユニット10(油種判別用のコントロールユニット)は、受光装置4が受光しているか否か、すなわち、受光装置4が稼動状態となっているか否かを判断する。受光装置4が受光していなければ(ステップS1がNO)、受光するまで待機する(ステップS1がNOのループ)。
受光装置4が受光したならば(ステップS1がYES)、ステップS2に進む。
ステップS4では、油種決定ブロック10cにより、ステップS3で決定された屈折率と、記憶ブロック10fに記憶された屈折率と油種との特性(図2)から、給油管2を流過する油種を決定(特定)する。
給油管2を流過する油種が給油すべき油種であれば(ステップS5がYES)、ステップS6に進む。
一方、給油管2を流過する油種が給油すべき油種でなければ(ステップS5がNO)、ステップS7に進み、警報装置20に警報発令の情報を発信する。係る警報により、警報装置20は給油すべき油種でない油が給油されている旨の警報を発し、給油停止装置30は給油を停止する。
制御を終了するのであれば(ステップS6がYES)、そのまま制御を終了する。
ただし第1実施形態に係る油種判別装置100は、給油装置のポンプや流量計に組み込むことが可能である。
図5は、第1実施形態に係る油種判別装置100を給油ポンプ5に組み込んだ状態を示しており、当該油種判別装置100が符号P1、P2で示す位置の領域内に組み込まれている。
また、位置P2はポンプ吐出口51近傍であり、当該ポンプ吐出口51から、図5の紙面に垂直な方向であって、看者に近い側(紙面手前側)に向って油が吐出される。そして位置P2は、ポンプ吐出口51に対して、看者から離隔する側における位置である。
図6で示す変形例では、図1〜図5を参照して説明した油種判別装置が、給油所200の貯油タンク6・・・に連通する給油管7・・・に介装されている。
図6において、複数の給油管7・・・の給油口71・・・は、給油口ボックス20内にまとめて設けられている。そして、タンクローリ8のタンク90も複数のハッチ9・・・に区画されており、各々のハッチ9・・・は各底弁11を介して吐出管12に接続され、吐出管12の先端には吐出口13が設けられている。
吐出口13は荷卸しホース21のカップリング22に接続され、荷卸しホース21の他端のカップリング23が給油管7・・・の給油口71・・・の何れかと接続される。
これにより、給油所における地下の貯油タンク6に油種の異なる油を荷卸してしまう事故(いわゆる「誤荷卸し」、「コンタミ」)を防止することが出来る。
図1〜図6の第1実施形態では油種の判別を行っている。それに対して、図7〜10図の第2実施形態では、水や空気等の異物の混入率を判定することが出来る。
図7において、給油管2内を流れる燃料油に異種の油が混入した場合には、管内を流れる油の屈折率が変化する。その結果、受光装置4が受光する範囲が変動する。これにより、図1〜図4を参照して説明したのと同様に、油種変更或いは異種油の混合を判断することが出来る。係る判断の詳細については、図1〜図4で説明したのと同様であるため、説明を省略する。
図7において、矢印foは、燃料油の流れの方向を示している。
受光装置4で受光される光量は、プリズム1と油との境界面F12で反射された光R1rと、水の粒子や空気の粒子で反射された光R2rの和(総量)となる。図8では、受光装置4の受光面の位置と、受光される光量の特性の一例が模式的に表現されている。
図8において符号LP1で示す波形は、水の粒子や空気の粒子で反射される光R2rが存在しない場合(水/空気の混入率が0%の場合)における受光装置4における受光面の位置と受光量との特性を示している。
特性LP1(水/空気の混入率が0%の場合における特性)は、例えば、給油装置による出荷前の段階において、予め特定して、記憶装置(図9の記憶ブロック10f)に記憶しておくことが出来る。
図8における符号δは、受光装置4の受光量において、水の粒子や空気の粒子による反射光R2rによる増加分を示している。この増加分δは、粒子C(水の粒子や空気の粒子)で反射される光R2r(その分布の一例が、図8における符号LPcで示されている)の量に比例する。
そのため、受光装置4の受光量において、水や空気の粒子Cで反射される光R2rにより増加した受光量δを求めることにより、給油管2内を流れる油における水や空気の混入率を求めることが出来る。
従って、受光装置4の受光量の変動量から、異物が水であるか空気であるかを判断することが可能である。
なお、第2実施形態に係る油種判別装置100Aにおいて、油種を判別するコントロールユニットについては、図3を参照して説明したコントロールユニット10と同様であるため、図示及び説明を省略している。
それと共に受光増加量演算ブロック10eは、受光増加量δと異物(水、空気)混入率の特性(記憶ブロック10fに記憶)を用いて、異物(水、空気)混入率を決定する機能を有している。
そして、変動量演算ブロック10hは、受光増加量演算ブロック10eで演算された受光増加量δと、第1の比較ブロック10gの比較結果と、タイマ10tの計時とによって、受光量の単位時間当たりの変動を演算する機能を有している。
そして、判定ブロック10jは、第1の比較ブロック10gで行った比較結果及び第2の比較ブロック10iで行った比較結果と、記憶ブロック10fに記憶された給油停止のしきい値及び報知(警報)のしきい値とを比較して、異物(水或いは空気)混入の報知(警報)の必要性、給油停止処理の必要性を判断するように構成されている。
判定ブロック10jの判定結果は、報知処理ブロック10k、給油停止処理ブロック10n及びモニタMに伝達される。
また、判定結果を受信した給油停止処理ブロック10iは、異物の混入率が給油停止のしきい値(例えば、混入率3%)を越えた場合に、給油停止処理を行うべく、ラインL31を介して図示しないポンプ駆動用モータを停止させる。
なお、警報あるいは給油停止の処理が行なわれた旨を、モニタMで標示しても良い。
なお、油種を判別するための制御については、第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
そしてステップS12では、受光増加量演算ブロック10eにより、受光増加量δと異物(水、空気)混入率の特性(記憶ブロック10fに記憶)を用いて、異物(水、空気)混入率を決定する。
異物混入率が第1のしきい値未満であれば(ステップS13がNO)、異物混入率が警報及び/又は給油停止を必要とするレベルまで達しておらず、給油を継続しても問題がないと判断する。そしてステップS19に進む。
一方、異物混入率が第1のしきい値以上であれば(ステップS13がYES)、ステップS14に進む。
単位時間当たりの受光量の変動量が第2のしきい値以上である場合は(ステップS15がYES)、判定ブロック10jで「混入した異物は空気である」と判断する(ステップS16)。そして、ステップS18に進む。
一方、単位時間当たりの受光量の変動量が第2のしきい値未満である場合は(ステップS15がNO)、判定ブロック10jで「混入した異物は水である」と判断する(ステップS17)。そして、ステップS18に進む。
異物混入率が給油停止のしきい値以上であれば(ステップS18がYES)、判定ブロック10jは、給油停止処理ブロック10nに「給油停止」の情報を伝達し、給油停止処理ブロック10nは、給油停止機構(例えば、図示しない給油ポンプ)を停止させる旨を伝達する(ステップS22)。
そして、報知処理ブロック10kに「異物混入」の情報を伝達し、報知処理ブロック10kは、図示しない警報装置に警報発令を伝達する(ステップS21)。
2・・・給油系統/給油管
3・・・照射装置/光ファイバ
4・・・受光装置
5・・・ポンプ
10・・・制御装置/コントロールユニット
10a・・・受光領域決定ブロック
10b・・・屈折率決定ブロック
10c・・・油種決定ブロック
10d・・・警報判定ブロック
20・・・警報装置
30・・・給油停止装置
40・・・給油装置のコントロールユニット
100・・・油種判別装置
Claims (5)
- 透光性材質からなる導光体を給油系統に設け、導光体に照射装置と、給油系統を流れる油と導光体の境界面で反射した光を受光する受光装置を設けたことを特徴とする油種判別装置。
- 制御装置を含み、当該制御装置は受光装置が受光した範囲から油種を決定する機能を有している請求項1の油種判別装置。
- 前記受光装置は、給油系統を流れる油と導光体の境界面を透過した光が前記油中に混入した異物(水、空気)に反射した反射光を受光する位置に配置されており、前記制御装置は、受光装置が受光した給油系統を流れる油と導光体の境界面を透過した光と前記反射光との総和から前記異物の混入率を決定する機能を有している請求項2の油種判別装置。
- 前記制御装置は、受光装置が受光した前記総和の単位時間当たりの変動量から、異物の種類を判定する機能を有している請求項3の油種判別装置。
- 前記給油系統は、給油所の貯油タンクに連通する給油管である請求項1、2の何れかの油種判別装置。
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- 2012-07-27 JP JP2012166692A patent/JP5751532B2/ja active Active
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