JP2014025632A - 乾溜炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理物の連続処理による処理量の増大と、乾溜生成物の品質劣化を抑制するという両方の課題を達成することが可能な乾溜炉を提供することを目的とする。
【解決手段】被処理物Sを連続して供給可能の供給部12と、供給部12の下部に配置されて供給部12から供給された被処理物Sを乾溜する反応部13と、反応部13の下部に配置されて被処理物を加熱する加熱部20とを備え、加熱部20は、内側に被処理物が通過する筒状の加熱筒21と、加熱筒21の外周を囲んだ燃焼ガス流路25と、燃焼ガス流路25に燃焼ガスHを送る燃焼器27とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般家庭ゴミや産業廃棄物などの被処理物を乾溜処理する乾溜炉に関する。
従来、一般家庭ゴミや産業廃棄物などの被処理物を乾溜処理する方法としては、次の方法が提案されている。先ず、炉中に堆積した被処理物を炉内の空気を用いて燃焼させる。この燃焼による酸化で空気中の酸素を二酸化炭素に変えて消費し、炉内を無酸素化するとともに、燃焼による熱で高温無酸素ガスを発生させる。そして、発生した高温無酸素ガスが炉内の被処理物の間を通過するとき、被処理物内の炭化水素物と高温無酸素ガスとの間で乾溜反応が起こる。このようにして、被処理物から新たに炭化水素物(油、可燃ガス、固体カーボン)が生成される。特許文献1では、炉内で高温無酸素ガスを発生させて被処理物を乾溜する技術が開示されており、連続して被処理物を投入可能な連続燃焼乾溜方式が提案されている。
特開2000−291927号公報
ところで、特許文献1の提案では、炉内に取り込んだ空気を用いて被処理物を燃焼させるため、高温無酸素ガスの発生過程で窒素を含むガスが発生する。この窒素を含むガスの存在により乾溜生成物の品質劣化を生じさせる原因となる。これを解消するため、被処理物を加熱するための燃焼ガスを生成する空間と、被処理物を投入して乾溜処理する空間とを別室とする技術も考えられる。この技術では、乾溜処理する空間内で被処理物を燃焼させないので、窒素を含むガスによって乾溜生成物の品質劣化を招く恐れは少ないものの、被処理物を所定の室内に投入して加熱した後にこれを取り出すといったバッチ式で行うので、被処理物を連続的に投入して乾溜処理することができないといった課題がある。従って、被処理物の時間当たりの処理量を増加させるためには、被処理物を投入する空間を大型化するしかなく、その結果、装置全体の大型化を招くといった課題を有している。
本発明は、被処理物の連続処理による処理量の増大と、乾溜生成物の品質劣化を抑制するという両方の課題を達成することが可能な乾溜炉を提供することを目的とする。
本発明の乾溜炉は、被処理物を連続して供給可能の供給部と、供給部の下部に配置されて供給部から供給された被処理物を乾溜する反応部と、反応部の下部に配置されて被処理物を加熱する加熱部とを備え、加熱部が、内側に被処理物が通過する筒状の加熱筒と、加熱筒の外周を囲んだ燃焼ガス流路と、燃焼ガス流路に燃焼ガスを送る加熱機器と、を備えている。これによれば、燃焼ガス流路内の燃焼ガスと被処理物とは加熱筒に仕切られており、被処理物は加熱筒を介して間接的に加熱される構造となっている。よって、乾溜処理を連続で行う場合においても、被処理物と高温無酸素ガスとの反応時に外部気体の侵入が極力抑えられる。従って、炉内において窒素を含んだガスの発生が抑えられるため、乾溜生成物の品質劣化が抑制される。
また、加熱部が、複数の加熱筒を上下方向に接続すると共に加熱筒のそれぞれに対応する燃焼ガス流路および加熱機器を備えてもよい。また、加熱筒が、水平方向の断面形状が楕円形状であってもよい。また、加熱筒が、水平方向の断面形状が円形であって、その一部に凹凸形状が設けられてもよい。また、凹凸形状が、外側に向けた複数の半円であってもよい。また、凹凸形状が、外側に向けた複数の半楕円であってもよい。また、加熱部が、上下方向の軸部を中心として回転可能に設けられ、加熱部を回転させるための駆動系を備えてもよい。また、加熱筒の内側に沿って上下方向に移動し、且つ凹凸形状に対応する清掃部を有する清掃機構を備えてもよい。また、反応部の内部に、内部加熱部が設けられてもよい。
加熱筒の少なくとも一部を凹凸形状とすることで、加熱面積を増やし、加熱速度を増大することが可能となり、処理量の増大が見込まれる。また、炉内の内側に向かって、より幅広く均等な加熱が可能となり、乾溜処理の効率化が望める。更に、清掃機構を備えることにより、加熱部を常に健全な状態に保つことが可能で、乾溜処理の効率化を図るとともに、安定した品質の乾溜生成物を生成可能となる。また、内部加熱部が設けられることにより、反応部の中央部分からも被処理物を加熱することが可能となる。
本発明によれば、被処理物を連続処理することにより処理量の増大を図ることができ、さらに、乾溜生成物の品質劣化を抑制することができる。また、加熱筒の少なくとも一部を凹凸形状とすることにより、被処理物に対する加熱効率を向上させることができる。これにより、乾溜生成物の量及び質をより一層向上させることができる。
本発明に係る乾溜炉の実施形態を示す部分断面図である。 (A)は図1のX−X断面図、(B)は加熱部の他の実施形態を示す断面図、(C)は加熱部の他の実施形態を示す断面図、(D)は加熱部の他の実施形態を示す断面図である。 図2(D)の加熱部とその清掃機構を示す斜視図である。
以下、本発明に係わる乾溜炉の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、乾溜炉の実施形態の一例を示す部分断面図である。本実施形態の乾溜炉1は、最上部に位置して被処理物Sを供給する供給部12と、供給部12の下部に連設される反応部13と、反応部13の下部に連設される加熱部20と、最下層に位置する冷却回収部16から構成される。
供給部12は、反応部13内へ外気の混入を極力減少させるため、上段ダンパ12a、中段ダンパ12b、下段ダンパ12cが設けられ、コンベアVにより投入される被処理物Sがそれぞれ受け止められる。上段ダンパ12a、中段ダンパ12b、下段ダンパ12cのそれぞれは図示しない開閉器により、被処理物Sをそれぞれ滞留させる機能を有し、反応部13の処理速度に応じて被処理物Sの投入タイミングが設定される。ここで一連の開閉制御の一例としては、下段ダンパ12cによる被処理物Sの投入・閉鎖後、中段ダンパ12bが開いて、下段ダンパ12cへ被処理物Sを投下・閉鎖する。この後、上段ダンパ12aが開いて、中段ダンパ12bへ被処理物Sを投下・閉鎖する。この開閉の流れが繰り返される。
上段ダンパ12a等の開閉のタイミングは、それぞれ所定時間間隔で順次開閉を行う場合の他に、反応部13での被処理物Sの処理量をモニタしながら適宜上段ダンパ12a等の開閉を行う場合のいずれであってもよい。なお、上段ダンパ12aへ投下される被処理物Sの量は、コンベアVによる被処理物Sの移送量が制御されることにより設定される。また、上段ダンパ12a等に貯留された被処理物Sは、反応部13からの熱を受けて予熱された状態となっている。
反応部13は、略円筒形状の耐火材から成り、円筒内部には被処理物Sが乾溜される反応層14が形成される。反応部13の上部(反応層14の上方)の側部には、乾溜ガスを反応部13から外部へ排出するための導出管15が設けられる。導出管15から導出される乾溜ガスGは、微粒子分離工程31、ガス液体分離工程32、ガス精製工程33を経て発電システム34へ供給される。微粒子分離工程31では、乾溜ガスからカーボン粉末や残渣の粉末等が除去される。ガス液体分離工程32では、乾溜ガス中から水分や液状の炭化水素等が除去される。ガス精製工程33では、乾溜ガスから窒素ガスや炭酸ガスなどの不燃性ガスを除去するとともに、発電システム34の燃料として使用可能な可燃ガスに乾溜ガスを精製する。発電システム34は、乾溜ガスを燃料としたガスタービン発電システムが用いられる。なお、この発電システム34の排熱を回収してボイラや給湯設備の熱源としてもよい。
加熱部20は、反応部13の下方位置に設けられ、反応層14と同様の内径を備える略円筒状の加熱層18を備えている。加熱部20は、4つの同一構成の環状の加熱ユニット20a、20b、20c、20dを上下方向に連結して構成されている。加熱ユニット20a等の使用数は、4つに限定されるものではなく、1つ以上で適宜に選択される。加熱部20の下端は、後述する冷却回収部16の貯留水W中に配置される。また、加熱部20は、全体としてシールスカート17に覆われており、外部への熱漏れが抑制された状態となっている。
また、反応部13及び加熱部20は、上下方向は中心軸として回転可能な状態で不図示のガイド部によって支持されている。そして、これら反応部13等を回転させるために、電機モータや油圧シリンダ等で構成された駆動系30が設けられており、この駆動系30を駆動させることにより、反応部13及び加熱部20は、基準位置に対して時計回り及び反時計回りに90度づつ回転するといった搖動回転Rを行う。なお、反応部13及び加熱部20を一体として回転させることに限定されず、加熱部20のみを回転させてもよい。さらに、加熱部20において、加熱ユニット20aを個別に回転させてもよい。なお、加熱部20の回転に伴って、シールスカート17も一体として搖動回転する。
図2(A)は図1に示した乾溜炉1の加熱部20についてX−X線の断面図である。加熱ユニット20aは、図2(A)に示すように、加熱層18を中央に形成する略円筒状の加熱筒21と、加熱筒21の外周を囲んだ燃焼ガス流路25と、燃焼ガス流路25から外方へ延びる燃焼ガス供給路22及び燃焼ガス供給口23と、燃焼ガス供給口23に接続して加熱用の燃焼ガスHを供給する燃焼器27とを備える。また、図1にも示すように、加熱用の燃焼ガスHを燃焼ガス流路25から排気する排気口24を備える。加熱層18を加熱する場合、燃焼器27からの燃焼ガスHは燃焼ガス供給路22及び燃焼ガス供給口23を通り、燃焼ガス流路25へ供給される。燃焼ガス流路25内の燃焼ガスHは加熱筒21を加熱し、その熱が加熱層18へ伝わる。従って、燃焼ガスHは加熱層18にある被処理物Sと接することはない。
さらに、燃焼ガス流路25には、燃焼ガスHを燃焼ガス流路25の周回方向へ送るための仕切板26a(図2参照)と、燃焼ガス流路25を周回する燃焼ガスHを上下に分離して排気口24へ送るための仕切板26b(図1参照)とが設けられる。従って、燃焼器27で生じた燃焼ガスHは、燃焼ガス供給口23から燃焼ガス供給路22を介して燃焼ガス流路25に入り込み、仕切板26aによって燃焼ガス流路25の上側を周回するとともに、仕切板26bによって下側へ移動して周回した後に排気口24から排出される。なお、これら仕切板26a、26bを設置するか否かは任意である。また、仕切板26a、26bの形態は任意であり、加熱筒21を燃焼ガスHで効率よく加熱できるような流路を形成するために任意形状の仕切板が用いられる。
冷却回収部16は、加熱部20の下方位置に配置され、貯留水Wが貯留される。貯留水Wの液面が加熱部20の下面を覆い、外部気体に対して加熱層18をシールしている。カーボン回収コンベア40の一端が貯留水Wの液面位置に配置される。カーボン回収コンベア40にはカーボン回収カゴ42が複数配置されている。カーボン回収コンベア40の他端は図示していないが、冷却回収部16の外部まで延び、貯留水Wの液面や水中上方に浮遊するカーボンをカーボン回収カゴ42により回収してカーボン回収工程36に移送する。冷却回収部16の底部16aには傾斜面が設けられる。この傾斜面の上方位置にプッシャ19が配置される。プッシャ19により、底部16aに溜まった被処理物Sの残滓は加熱部20の下方から押し出され、図示しない回収機構によって回収された後に残滓処理工程35へ送られる。
反応部13内には、内部加熱部90が設けられている。この内部加熱部90は、図1に示すように、略円錐形状の外側加熱筒91と、外側加熱筒91の内側に設けられた略円錐形状の内部壁92とを備え、外側加熱筒91と内部壁92との間に燃焼ガスHを導入する燃焼ガス流路93が形成されている。また、内部加熱部90は、不図示のステー等によって反応部13に固定されており、反応部13とともに回転する。燃焼ガス流路93へ送られる燃焼ガスHは、不図示の燃焼器によって生成され、燃焼ガス流路93の上方側が導入されて、燃焼ガス流路93を通った後に不図示の排気口から排出される。なお、内部加熱部90を設けるか否かは任意である。また、内部加熱部90は、反応部13等とともに回転することに限定されず、固定したものであってもよい。
次に、本実施形態の乾溜炉1の動作について図1及び図2を参照しながら説明する。先ず、運転開始段階では、予めコンベアVから所定量の被処理物Sが反応部13へ投入されており、反応層14及び加熱層18には被処理物Sが堆積された状態となっている。この状態で、各燃焼ユニット20a等の燃焼器27から燃焼ガスHをそれぞれの燃焼ガス流路25に送り込むとともに、内部加熱部90の燃焼ガス流路93に燃焼ガスHを導入する。さらに、図示しないバーナーにより反応層14等の被処理物Sに着火する。これにより、被処理物Sは燃焼して炉内の酸素を消費して、炉内を無酸素の状態とする。この被処理物Sの燃焼による熱と、加熱部20及び内部加熱部90からの熱を受けて被処理物Sの乾溜処理が開始される。なお、炉内の被処理物Sへの着火は運転開始のみであり、図示しないバーナーは、運転中は使用しない。ただし、運転開始時にバーナーを用いるか否かは任意であり、運転開始から加熱部20や内部加熱部90のみによって被処理物Sを加熱してもよい。
被処理物Sの乾溜処理が進んで炉内の被処理物Sの量が減少するに伴い、コンベアVから搬送された被処理物Sは、供給部12の上段ダンパ12a、中段ダンパ12b、下段ダンパ12cが順に開閉することにより、反応部13内へ投入される。この上段ダンパ12a等によって反応部13内へ外気の混入が抑制されるのは上述のとおりである。このように、被処理物Sを炉内へ連続して投入し、乾溜処理を行うといった連続式乾溜処理が実現される。なお、運転開始直後に生じた残滓には、乾溜処理が完全でないものも含まれている可能性がある。このような残滓は、残滓回収工程35で回収された後に通常の残差処理を行うほかに、再度供給部12から炉内(反応層14)へ投入して乾溜処理させてもよい。
加熱層18では、被処理物Sに対して、加熱ユニット20a、20b、20c、20dによる加熱が行われる。燃焼機器27から供給される燃焼ガスHは、燃焼ガス供給口23及び燃焼ガス供給路22を介して燃焼ガス流路25へ供給される。その際、燃焼ガスHは仕切板26a、26bにより、燃焼ガス流路25の上側へ導かれて周回した後に、下側へ移動して周回する間に加熱筒21を加熱する。そして、燃焼ガス流路25の下側を周回する燃焼ガスHの一部は、排気口24から排出される。各加熱ユニット20a、20b、20c、20dでは、それぞれ250℃以上の加熱を実施することで、反応層14では700℃を超える状態を実現しており、反応層14において被処理物Sの乾溜処理を行っている。加熱ユニット20a等で加熱する温度は、各ユニットで同一でもよく、また異なる温度に設定してもよい。なお、反応層14及び加熱層18での乾溜処理が進むと、被処理物Sの体積は減少し、供給部12から新たな被処理物Sが供給される。
反応層14では、加熱部20からの熱とともに、内部加熱部90からの熱によって被処理物Sの乾溜処理を行う。なお、加熱部20は反応層14の内壁に近い部分を主に加熱し、内部加熱部90は反応層14の中央部分を主に加熱するので、反応層14全体を効率よく加熱する。そして、乾溜処理によって生じた乾溜ガスGが導出管15から導出される。微粒子分離工程31では、サイクロン等によって微細な粒子(カーボンや微粉状の残滓など)が乾溜ガスGから分離回収される。回収されたカーボンや微粉状の残滓は、カーボン回収工程36や残滓処理工程35へ送られてそれぞれ処理される。ガス液体分離工程32では、熱交換機などにより冷媒と熱交換して乾溜ガスGを冷却し、乾溜ガスGから液体成分(水分や油分)が分離回収される。油分については、ボイラ等の燃料として用いられる。ガス液体分離工程32を経た乾溜ガスGは、ガス精製工程33に送られる。ガス精製工程33は、乾溜ガスGから、発電システム34のガスタービン設備の燃料として供給可能なガスを抽出するとともに、二酸化炭素や窒素ガス等の不燃性ガスを分離回収する。ガス精製工程33を経た乾溜ガスGは、発電システム34のガスタービン設備等の燃料として用いられる。なお、発電システム34で生じた電力は、この乾溜炉1を含めた被処理物Sの処理システムに必要な電力として用いられる。
反応層14及び加熱層18において被処理物Sを乾溜処理している間、反応部13及び加熱部20は、駆動系30の駆動によって、基準位置に対して時計回り及び反時計回りに90度づつ回転するといった搖動回転Rを行っている。なお、搖動回転Rの回転角度は任意に設定可能である。この搖動回転Rによって反応層14や加熱層18にある被処理物Sを移動させ、被処理物Sの流動化を促進させることができる。このように、流動化した被処理物Sは、被処理物Sの位置や隙間が変化することにより被処理物Sを均一に加熱することが可能となり、乾溜反応を促進することが可能となり、さらに、被処理物S同士がぶつかって微細化が行われる。なお、反応部13等の搖動回転Rは、連続して行う場合の他に、一定時間間隔で行う場合のいずれであってもよい。また、反応部13等の回転速度も任意に設定される。
反応層14及び加熱層18において乾溜処理された被処理物S(カーボン及び残滓)は、冷却回収部16の貯留水Wに落下して冷却される。残滓は貯留水W中を降下して底部16aに堆積する。一方、カーボンは、残滓に比べて比重が軽いことから貯留水Wの液面または上方に溜まる。なお、残滓に付着しているカーボンも、残滓が貯留水Wを降下する途中で残滓から分離して貯留水Wの上方に溜まる。貯留水Wの液面または上方に溜まったカーボンは、カーボン回収コンベア40を駆動することにより回収される。カーボン回収コンベア40は、カーボン回収カゴ42によって貯留水W上層に溜まったカーボンを捕集する。回収されたカーボンは、カーボン回収工程35に送られる。なお、回収されたカーボンは、トナー原料や固形燃料等として用いられる。また、底部16aに堆積した残滓物は、プッシャ19により加熱部20の下方から押し出され、不図示の回収装置によって回収され、残滓処理工程35へ送られる。残滓処理工程35では、残滓から金属等の分離や加熱処理などが施される。なお、この残滓は、無機質を主成分としており、コンクリート構造物の骨材等として利用可能である。
以上のように、本実施形態の乾溜炉によれば、燃焼ガス流路25内の燃焼ガスHと被処理物Sとは加熱筒21によって仕切られており、被処理物Sを加熱筒21を介して間接的に加熱している。従って、加熱層18及び反応層14への外部気体の侵入が極力抑えられるため、乾溜処理の妨げとなる不要なガスの発生が抑制され、乾溜生成物の品質劣化が抑制される。また、反応層14へ被処理物Sを連続して投入可能であり、被処理物Sの処理効率を向上させることができる。
続いて、加熱ユニットの他の実施形態について説明する。図2(B)は、図2(A)に示した加熱ユニット20aを楕円形状に変更した加熱ユニット50を示している。すなわち、楕円形状の加熱筒51の周囲を取り囲んで燃焼ガス流路も楕円形状に形成されている。なお、この加熱ユニット50においては図1に示す加熱ユニット20aと同様に燃焼器27や排出口24が設けられ、燃焼ガスHが燃焼ガス流路に導入されて排出される点は同様であるので、その説明を省略する。この加熱ユニット50では、加熱筒51が楕円の断面形状でることから、その内部の加熱層では二つの焦点52を有している。従って、加熱層に堆積された被処理物Sに対して効率よく加熱することが可能となる。また、加熱筒51からの輻射熱を考えた場合も、同じく加熱層の中心部分に対して効率よく加熱することができる。
図2(C)は、断面が円形状の加熱筒61の一部に、外側(燃焼ガス流路25側)に向けて、凹凸形状として複数の半円部62が設けられた加熱ユニット60を示している。なお、この加熱ユニット60においては図1に示す加熱部20と同様に、加熱筒61の周囲を取り囲んだ燃焼ガス流路が設けられるとともに、燃焼器27や排出口24が設けられる。従って、燃焼ガスHが燃焼ガス流路に導入されて排出される点は加熱ユニット20aと同様であるので、その説明を省略する。この加熱ユニット60は、加熱筒61の一周にわたって等間隔で所定半径の半円部62が設けられる。なお、この半円部62のそれぞれは、上下方向に連続した溝状となっている。
この加熱ユニット60では、溝状の半円部62によって加熱筒61の加熱面積が増大しており、加熱筒61内部の加熱層において、被処理物Sを効率よく加熱することが可能となる。また、各半円部62の焦点63が加熱筒61の壁付近に形成されるため、この焦点63から加熱層の中心部分へ向けて加熱分布が形成され、被処理物Sに対して均等な加熱が可能となる。さらに、この加熱ユニット60を、図1に示すように揺動回転Rを行った場合には、半円部62によって被処理物Sの引っかかりが強くなるため、被処理物Sを強く移動させることができ、被処理物Sの撹拌を促進して乾溜処理をより一層促進できる。
図2(D)は、断面が円形状の加熱筒71の一部に、外側(燃焼ガス流路25側)に向けて、凹凸形状として複数の半楕円部72が設けられた加熱ユニット70を示している。なお、この加熱ユニット70においては図1に示す加熱部20と同様に、加熱筒71の周囲を取り囲んだ燃焼ガス流路が設けられるとともに、燃焼器27や排出口24が設けられる。従って、燃焼ガスHが燃焼ガス流路に導入されて排出される点は加熱ユニット20aと同様であるので、その説明を省略する。この加熱ユニット70は、加熱筒71の一周にわたって等間隔で所定形状の半楕円部72が設けられる。なお、この半楕円部72のそれぞれは、上下方向に連続した溝状となっている。
この加熱ユニット70では、溝状の半楕円部72によって、図2(C)に示す加熱ユニット60と同様に加熱筒71の加熱面積が増大しており、加熱筒71内部の加熱層において、被処理物Sを効率よく加熱することが可能となる。また、各半楕円部72の焦点73は半楕円部72内に形成されるとともに、第二焦点が加熱筒71の内側に生じた状態となる。従って、これら焦点から加熱層に中心部分へ向けて大きな加熱分布が形成され、被処理物Sに対してより一層均等な加熱が可能となる。さらに、この加熱ユニット70を、図1に示すように揺動回転Rを行った場合には、半楕円部72によって被処理物Sの引っかかりが強くなるため、被処理物Sを強く移動させることができ、被処理物Sの撹拌を促進して乾溜処理をより一層促進できる。
以上の加熱ユニット50,60,70は、図1に示す加熱部20と同様に、上下方向に複数段接続されて用いられる。なお、加熱ユニット60,70においては、複数段の加熱ユニットを接続する場合、溝状の半円部62、半楕円部72が上下方向で連続するように接続される。加熱ユニット50を用いる場合は、その上部に設置される反応部の断面形状も加熱筒51に合わせて楕円形状に形成される。また、加熱ユニット60,70を用いる場合は、その上部に設置される反応部の断面形状も半円部62や半楕円部72の形状に合わせてそれぞれ形成される。なお、加熱ユニット50,60,70を用いる場合に、駆動系30によって搖動回転Rを行うか否かは任意である。
また、内部加熱部90の外側加熱筒91においても、凹凸形状が設けられてもよい。例えば、断面が半円状または半楕円状で上下方向の溝が外側加熱筒91に設けられてもよい。このように、外側加熱筒91に凹凸形状が設けられることにより、この内部加熱部90が回転することで被処理物Sを撹拌することが可能となり、反応層14の被処理物Sに対して乾溜処理をより一層促進させることができる。
図3は、図2(D)の加熱ユニット70とその清掃機構80を示している。加熱ユニット70のように、加熱筒71に半楕円部72のような凹凸部分があると、被処理物Sや乾溜処理された固形生成物がこの半楕円部72に入り込んで残留し、目詰まりを生じさせる場合がある。これでは、加熱筒71からの加熱が効率よく被処理物Sに伝達されず、乾溜処理の孤立を低下させる原因となる。従って、清掃機構80により定期的に半楕円部72から残留物を除去することにより、加熱筒71からの加熱状態を適宜山稜の状態に維持することが可能となる。
清掃機構80は、乾溜炉1内において、加熱筒71の半楕円部72の上方位置に配置された、半楕円部72と相似形状の4つの清掃部81a、81b、81c、81dと、これら清掃部81a等をそれぞれ上下方向Yに案内する4本のシャフト82a,82b,82c,82dとを備えている。なお、この清掃部81a〜81dの個数は半楕円部72の数や、加熱ユニット70の回転角度により設定される。清掃部81a等は残留物を下方に押し下げることにより、半楕円部72から残留物を除去する。なお、清掃部81aとして図示の形態に限定されず、炉内温度に耐えうる耐熱材料であれば、任意の形状を用いることができ、例えば金属ブラシ等を用いてもよい。また、シャフト82aは図示しないガイド部によって上下方向Yに移動可能に支持されており、図示しない駆動系の駆動により上下方向Yに往復移動して、清掃部81aを上下方向Yに往復移動させる。
乾溜炉1が処理状態であるとき、清掃部81a〜81dはシャフト82a〜82dにより引き上げられて、乾溜炉1内で待機している。清掃工程に入ると、予め決められた位置まで加熱ユニット70が回転した後に清掃部81a〜81dは下げられ、対応する半楕円部72内の残留物を下方へ押し出すことで半楕円部72を清掃する。次に、清掃部81aが引き上げられた後に、加熱ユニット70が所定角度回転し、未清掃の半楕円部72の上方に清掃部81a〜81dを位置させてから引き下げて、半楕円部72の清掃を行う。図3では、12個の半楕円部72に対して4つの清掃部81a〜81dであるから、加熱ユニット70は、120度づつ回転することにより、すべての半楕円部72が清掃される。なお、図3では加熱ユニット70について清掃機構80を示したが、複数の半円部62を有する加熱ユニット60においても同様の清掃機構が用いられる。この場合、清掃部は半円部62に合わせた形状のものが用いられる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明の含まれるものである。例えば、加熱筒の断面の凹凸形状については、半円形状又は半楕円形状としているが、これに限定されることはなく、波形やのこぎり形状など各種の形状が適用可能である。なお、清掃機構についても、このような凹凸形状に対応した形状の清掃具を持つものを提供可能である。また、加熱筒の断面の凹凸形状は、加熱筒の一周にわたって形成することに限定されず、一周のうち一部分に形成されるものであってもよい。
1 乾溜炉
12 供給部
13 反応部
14 反応層
15 導出管
16 冷却回収部
17 シールスカート
18 加熱層
19 プッシャ
20、50、60、70 加熱部
20a、20b、20c、20d 加熱ユニット
21、51、61、71 加熱筒
22 燃焼ガス供給路
23 燃焼ガス供給口
24 排気口
25 燃焼ガス流路
26a、26b 仕切板
27 燃焼器
40 カーボン回収コンベア
42 カーボン回収カゴ
52,63,73 焦点
62 半円部
72 半楕円部
80 清掃機構
81a、81b、81c、81d プッシャ
82a、82b、82c、82d シャフト
90 内部加熱部
S 被処理物
V コンベア
R 搖動回転
W 貯留水

Claims (9)

  1. 被処理物を連続して供給可能の供給部と、前記供給部の下部に配置されて前記供給部から供給された被処理物を乾溜する反応部と、前記反応部の下部に配置されて被処理物を加熱する加熱部とを備え、
    前記加熱部は、内側に被処理物が通過する筒状の加熱筒と、前記加熱筒の外周を囲んだ燃焼ガス流路と、前記燃焼ガス流路に燃焼ガスを送る燃焼器とを備える乾溜炉。
  2. 前記加熱部は、複数の前記加熱筒を上下方向に接続すると共に前記加熱筒のそれぞれに対応する前記燃焼ガス流路および前記燃焼器を備える請求項1記載の乾溜炉。
  3. 前記加熱筒は、水平方向の断面形状が楕円形状である請求項1又は請求項2記載の乾溜炉。
  4. 前記加熱筒は、水平方向の断面形状が円形であって、その一部に凹凸形状が設けられている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の乾溜炉。
  5. 前記凹凸形状は、外側に向けた複数の半円である請求項4記載の乾溜炉。
  6. 前記凹凸形状は、外側に向けた複数の半楕円である請求項4記載の乾溜炉。
  7. 前記加熱部は、上下方向の軸部を中心として回転可能に設けられ、前記加熱部を回転させるための駆動系を備える請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の乾溜炉。
  8. 前記加熱筒の内側に沿って上下方向に移動し、且つ前記凹凸形状に対応する清掃部を有する清掃機構を備える請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載の乾溜炉。
  9. 前記反応部の内部に、内部加熱部が設けられる請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の乾溜炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021194548A (ja) * 2020-06-09 2021-12-27 清治 道前 反応設備

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