JP2014025158A - 湿潤擂潰パルプの製造方法 - Google Patents

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賢治 松永
Tetsuo Ujiie
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Abstract

【課題】機密書類はシュレッダーでかなり細かく裁断しないと再読不能とならず、このため大型シュレッダーを大きな発電機で稼働しなければならず、大型トラックが必要であった。さらに、細かく裁断した紙は、繊維が短くなっているため、再生紙とすることが困難であった。再読不能であるにもかかわらず、紙の繊維が再生可能程度に長い紙処理品を製造する方法を提供する。
【解決手段】破砕機5で12×40mm〜18×60mmに裁断した古紙を、4%〜6%の濃度の水酸化ナトリウム(膨潤剤)水溶液と共に擂潰機7に投入し、擂り潰すことを特徴とする湿潤擂潰パルプの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、古紙の機密情報を消去すると共に、再生可能な湿潤擂潰パルプを製造する方法に関する。
機密書類の多くは、段ボール箱に封をして保管されており、保管期間を経過したものについては、機密性を保持しつつ処分される。
古紙は、通常、製紙工場に持ち込まれ、再生紙とされるが、工場で処理するまで機密性を保持することは難しい。
一方、従来の車載書類処理システムは、トラックに大型シュレッダーとこれの電源たる発電機を搭載したものを客先に持ち込んで、低い漏洩リスクで機密書類を客先で処理しようというものである。
特開平5−263384号公報
しかしながら、機密書類はシュレッダーでかなり細かく裁断しないと再読不能とならず、このため大型シュレッダーを大きな発電機で稼働しなければならず、大型トラックが必要であった。さらに、細かく裁断した紙は、繊維が短くなっているため、再生紙とすることが困難であった。
従って、本発明の目的は、再読不能であるにもかかわらず、紙の繊維が再生可能程度に長い紙処理品を製造する方法を見出すことにある。
斯かる実情に鑑み、本発明者は鋭意研究を行ったところ、書類を再生可能な適度な大きさに裁断したのち、これを特定薬品と水とを特定の比で混合したものと混合し、擂潰することにより、再読不能でかつ再生可能な紙処理品が得られることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、古紙を破砕機で12×40mm〜18×60mmに裁断したものを、4〜6%の濃度の水酸化ナトリウム(膨潤剤)水溶液と共に擂潰機に投入し、擂り潰すことを特徴とする湿潤擂潰パルプの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、膨潤剤の濃度が4.5%〜5.5%である上記の湿潤擂潰パルプの製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、車上で行うことを特徴とする上記湿潤擂潰パルプの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、再読が不能であるが、紙の繊維は短すぎず、再生紙の原料となる湿潤擂潰パルプを製造することができる。
本発明に用いる擂潰機の一例を示す図である。 本発明に用いる破砕機及び擂潰機を含むシステムの一例を示す図である。
本発明では、まず古紙を破砕機で 12×40mm〜18×60mmに裁断する。ここで用いる古紙は、特に限定されないが、プラスチックを含まないものが好ましい。また、古紙が機密書類である場合は、段ボール箱ごと処理可能な破砕機が、開函の必要が無く、好ましい。破砕機は、特に限定されないが、2軸剪断式破砕機が好ましい。
裁断後の紙片のサイズは、再生紙に再生可能なサイズである。具体的には、12×40mm〜18×60mmが好ましく、特に13×45mm〜17×55mmが好ましく、更に15×50mm〜15×55mmが好ましい。
裁断された紙片は、擂潰機に投入される。これと同時に、水酸化ナトリウム(膨潤剤)の水溶液を供給する。この水酸化ナトリウム(膨潤剤)水溶液の濃度は、4%〜6%、特に4.5%〜5.5%とすることが好ましく、更に4.3%〜4.8%とすることが好ましい。この膨潤剤の濃度が4.0%未満であると膨潤が不十分であり好ましくなく、また、6.0%を超えると擂潰が不完全となり好ましくない。
本発明に用いられる擂潰機は、例えば、図1に示すものが挙げられる。
この擂潰機では、内壁に固定歯を備えた鋼製の円筒と内部で回転するスクリューを有し、後部投入口16に投入された紙片は前方へ圧縮されながら押出口18へ送られる。このとき、紙片はスクリューと固定歯で繊維が長いまま擂り潰される。スクリューは前方に行くに従ってピッチが短くなっており、紙片は内部で回転すると共に前方に向かって圧縮されていく。擂り潰され、圧縮された紙片は前方の押出口18から押出されるが、押出口18の内側の回転刃で数センチの長さに切断してもよい。また、押出口18に篩を設けて直径又は一辺が10〜20mmの湿潤擂潰パルプとしてもよい。このようにして得られた湿潤擂潰パルプは、繊維が長いので、再生紙にすることが可能であるが、文書の文字は再読不能となり、機密性を保持できる。
次に、上記破砕機及び擂潰機を含む車載書類処理システムについて説明する。
図2に車載書類処理システムの一例を示す。
1 段ボール入り機密書類1は、投入口2に投入され、ベルトコンベア4にて破砕機5に投入される。破砕機5で裁断された紙片は、擂潰機7に投入されるが、擂潰機7の処理能力は、通常、破砕機5より低いため、両者間にセンサ19付中間ホッパ6等を設け、擂潰機7の処理能力に合わせて、破砕機5の運転を自動調整することが好ましい。擂潰機7で得られた湿潤擂潰パルプは、取り出し口8から取り出される。
その他、このシステムは、破砕機5や擂潰機7等を運転するための発電機3、擂潰機7に水を供給するための水タンク9及びポンプ10、制御盤11、機密保持用のテレビカメラ12を備えることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない
実施例1
本実施例に用いた装置を示す。
破砕機
氏家製作所製造
グッドカッター(二軸破砕機)
型式 UP1610-15-360
擂潰機
氏家製作所製造
擂り潰し機
型式 MGナクスルI
段ボール(225×225×310mm)に入れられた、A4番の普通紙2500枚を、ベルトコンベアにより、破砕機の投入口上に上げ、投入した。
破砕機の回転速度は14rpmであった。
裁断後の紙片のサイズは、14×45mm〜16×55mmであった。
裁断された紙片は、擂潰機に投入された。これと同時に、膨潤剤の水溶液を紙片投入口の付近から供給した。この膨潤剤水溶液の濃度は、4.5%であった。
この擂り潰し機では、内壁に固定歯を備えた鋼製の円筒と内部で回転するスクリューで、後部投入口に投入された紙片は前方へ圧縮されながら押出成形口へ送られる。このとき、紙片はスクリューと固定歯で繊維が長いまま擂り潰された。紙片は内部で回転すると共に前方に向かって圧縮されていく。擂り潰され、圧縮された紙片は前方の押出口から押出されるが、押出口の内側の回転刃で数センチの長さに切断した。また、押出口に篩を設けて直径が10〜20mmの湿潤擂潰パルプとした。
実施例2
膨潤剤水溶液の濃度を4.0%(下限)にする以外は実施例1と同様に実験を行い、湿潤擂潰パルプを得た。これは膨潤が不十分であった。
実施例3
膨潤剤水溶液の濃度を6.0%(上限)にする以外は実施例1と同様に実験を行い、湿潤擂潰パルプを得た。これは擂潰が不完全であった。
比較例1
膨潤剤水溶液の濃度を3.5%(下限未満)にする以外は実施例1と同様に実験を行い、湿潤擂潰パルプを得た。これは膨潤が全く不十分であった。
比較例2
膨潤剤水溶液の濃度を6.5%(上限超える)にする以外は実施例1と同様に実験を行い、湿潤擂潰パルプを得た。これは擂潰が全く不十分であった。
本発明によれば、機密文書を再読不能にでき、かつ再生紙に加工できるパルプ原料を提供できるので、機密保持、再生紙の生産に有用である。
1 段ボール入り機密書類
2 投入口
3 発電機
4 ベルトコンベア
5 破砕機
6 中間ホッパ
7 擂潰機
8 取り出し口
9 水タンク
10 ポンプ
12 テレビカメラ
13 減速機付き電動機
14 軸継手
15 ベアリングケース
16 紙片投入口
17 スクリューケース
18 押出口
19 レベルセンサ





Claims (3)

  1. 古紙を破砕機で 12×40mm〜18×60mmに裁断したものを、4%〜6%の濃度の水酸化ナトリウム(膨潤剤)水溶液と共に擂潰機に投入し、擂り潰すことを特徴とする湿潤擂潰パルプの製造方法。
  2. 膨潤剤の濃度が4.5%〜5.5%である請求項1記載の湿潤擂潰パルプの製造方法。
  3. 車上で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の湿潤擂潰パルプの製造方法。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0397984A (ja) * 1989-08-10 1991-04-23 J M Voith Gmbh 故紙の調製方法及び装置
JPH05106180A (ja) * 1990-11-23 1993-04-27 J M Voith Gmbh 古紙を再生処理する方法、並びにこの方法を実施するための装置
JP2000318507A (ja) * 1999-05-13 2000-11-21 Okabe Rokku:Kk 紙回収装置及びその紙回収方法
JP2010116633A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Oji Paper Co Ltd 脱墨パルプの製造方法

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