JP2014023985A - スパイラル型正浸透膜エレメント及び正浸透膜モジュール - Google Patents

スパイラル型正浸透膜エレメント及び正浸透膜モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】中心管に供給される液体の流れの圧力損失が低減されるスパイラル型正浸透膜エレメントを提供する。
【解決手段】スパイラル型正浸透膜エレメント2は、膜リーフ23と、膜リーフ23が巻きつけられた中心管3と、中心管3の内部に設けられた複数の隔壁(31、32)とを備えている。膜リーフ23は、第1開口26Aから第2開口26Bに向かって屈曲した複数の内部流路26が並列に設けられている。中心管3は、一端に流入口33、他端に流出口34を有し、第1開口26Aに連通する供給孔35及び第2開口26Bに連通する回収孔36が形成されている。流出口34に最も近い位置ある末端隔壁32は中心管3の内部を遮断しており、末端隔壁以外の隔壁32には貫通穴38が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、スパイラル型正浸透膜エレメント及びこのスパイラル型正浸透膜エレメントを内蔵する正浸透膜モジュールに関する。
従来、排水処理、海水淡水化及び浸透圧発電などに正浸透現象を利用した技術が知られている。例えば、海水淡水化において、海水淡水化の工程で濃縮された濃縮海水を希釈するために正浸透膜を利用する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、海水淡水化装置で逆浸透圧を利用して海水を淡水化する際に同時に生成された濃縮海水に、これよりも濃度の薄い海水又は淡水などの希釈水を、半透膜を介して浸透させ、その正浸透圧エネルギーで濃縮海水側の流量を増加させ、増加した流量で発電を行う技術(例えば、特許文献2参照)も知られている。そして、このような正浸透現象を利用した技術に用いられるスパイラル型正浸透膜エレメントが知られている(例えば、特許文献3参照)。
ところで、スパイラル型正浸透膜エレメントでは、低濃度(低浸透圧)の液体から高濃度(高浸透圧)の液体へ膜を介して液体移動が生じる。そして、膜近傍で濃度分極層が形成されるのを抑制するために、膜両面で高濃度(高浸透圧)の液体と低濃度(低浸透圧)の液体を流す必要がある。
例えば、特許文献3のスパイラル型正浸透膜エレメントでは、膜の一方の面で液体の流れが生じるように、中心管を出て膜を封筒状に形成した膜リーフ内の屈曲流路を通り中心管に戻るという流れが生じるようになっている。また、複数の膜リーフ内の屈曲流路が中心管の軸方向に沿って並列に設けられている。
特開2005−279540号公報 特開2003−176775号公報 米国特許第4033878号明細書
しかしながら、スパイラル型正浸透膜エレメントにおいて、特許文献3に記載のように、中心管に供給された液体を、複数の屈曲流路のすべてを順に通過するように流したのでは、中心管に供給された液体の流れの圧力損失が非常に大きくなる。
本発明は、このような事情に鑑み、中心管に供給された液体の流れの圧力損失が低減される、スパイラル型正浸透膜エレメント及びこのスパイラル型正浸透膜エレメントを内蔵する正浸透膜モジュールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、第1開口から第2開口に向かって屈曲した複数の内部流路が並列に設けられた膜リーフと、前記膜リーフが巻きつけられ、一端に流入口、他端に流出口を有し、前記第1開口に連通する供給孔及び前記第2開口に連通する回収孔が形成された中心管と、前記複数の内部流路のそれぞれに対して、前記供給孔と前記回収孔との間に位置するように前記中心管内に設けられた複数の隔壁と、を備え、前記複数の隔壁のうち、前記流出口に最も近い位置にある末端隔壁は前記中心管の内部を遮断しており、前記末端隔壁以外の少なくとも1つの隔壁には貫通穴が形成されている、スパイラル型正浸透膜エレメントを提供する。
また、本発明は、筒状の圧力容器と、前記圧力容器内に装填された、上記のスパイラル型正浸透膜エレメントと、を備えた正浸透膜モジュールを提供する。
上記の構成によれば、末端隔壁以外の少なくとも1つの隔壁には貫通穴が形成されているので、貫通穴が形成された隔壁に対する内部流路及びこの内部流路と流出口側で隣り合う内部流路の第1開口と連通する供給孔のすべてが、貫通穴が形成された隔壁より流入口側の中心管内部と連通する。従って、貫通穴が形成された隔壁より流入口側の中心管内部にある液体が、これらの内部流路を並列に流れることができるため、中心管に供給された液体の流れの圧力損失が低減される。
本発明の第1の実施形態に係るスパイラル型正浸透膜エレメントを内蔵する正浸透膜モジュールの断面図 図2(a)は中心管に巻き回される前の積層体の斜視図、図2(b)は中心管の回りに積層体が巻き回されたスパイラル型浸透膜エレメントの模式的な断面図 第1の実施形態の中心管及び膜リーフの内部流路における液体の流れを模式的に示す図 第2の実施形態の中心管及び膜リーフの内部流路における液体の流れを模式的に示す図 参考例に係るスパイラル型正浸透膜エレメントの中心管と膜封筒の内部流路における液体の流れを模式的に示す図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態に係るスパイラル型正浸透膜エレメント2を内蔵する正浸透膜モジュール1を示す。この正浸透膜モジュール1はベッセルと呼ばれる筒状の圧力容器9Aと、圧力容器9A内に装填されたスパイラル型正浸透膜エレメント2とを備えている。圧力容器9Aの両端には、円盤状のキャップ9Bが取り付けられている。
一方(図1では左側)のキャップ9Bには、中心供給管7Aが、中心に取り付けられている。また、周辺供給管8Aが、一方のキャップ9Bの中心からずれた位置に取り付けられている。他方(図1では右側)のキャップ9Bには、中心排出管7Bが中心に取り付けられている。また、周辺排出管8Bが他方のキャップ9Bの中心からずれた位置に取り付けられている。
圧力容器9A内に装填されたスパイラル型正浸透膜エレメント2の一端は、連結器6Aによって中心供給管7Aと連結されている。また、スパイラル型正浸透膜エレメント2の他端は、連結器6Bによって中心排出管7Bと連結されている。
本実施形態の正浸透モジュール1には、濃縮されるべき第1液体と、第1液体よりも溶質濃度が高い希釈されるべき第2液体がそれぞれ供給される。本実施形態では、第1液体は、中心供給管7Aから中心排出管7Bへ向かって、スパイラル型正浸透膜エレメント2の内部を通って、圧力容器9Aを貫通するように流れる。第1液体は、スパイラル型正浸透膜エレメント2の内部を通ることで濃縮される。一方、第2液体は、周辺供給管8Aから圧力容器9Aの内部に供給される。圧力容器9Aの内部に供給された第2液体は、スパイラル型正浸透膜エレメント2を通って、周辺排出管8Bに向かって流れ、周辺排出管8Bから排出される。第2液体は、スパイラル型正浸透膜エレメント2を通ることで希釈される。
第1液体の流れと第2液体の流れとは、スパイラル型正浸透膜エレメント2の後述する正浸透膜21の両面を並行して流れている。第1液体の溶質濃度よりも第2液体の溶質濃度が高いので、第1液体から第2液体に向かって、浸透現象によって正浸透膜21を介して液体移動が生じる。これに伴い、周辺供給管8Aへ供給された流量よりも周辺排出管8Bから流出する流量が増加する。
正浸透膜21の両面に第1液体と第2液体を並行に流すのは、正浸透膜21の近傍で濃度分極層が成長し、第1液体から第2液体への浸透現象による液体移動が著しく低下することを防ぐためである。
例えば、第1液体としては淡水が用いられ、第2液体としては海水が用いられるが、第1液体及び第2液体は、これに限定されない。第1液体として通常の海水を用い、第2液体として通常濃度より高い濃度を示す濃縮された海水を用いてもよい。つまり、第1液体と第2液体との間で溶質濃度が異なっていればよい。なお、濃縮されるべき第1液体とは、第1液体の濃度が実際に濃縮されるものだけではなく、例えば淡水のように、第1液体に溶質成分が実質的に含まれていないものも含む。
本実施形態においては、第2液体は所定圧力だけ加圧されて供給されている。このように、希釈されるべき液体を加圧して行う方法はPRO(Pressure Retarded Osmosis)と呼ばれている。第1液体と希釈されるべき第2液体の双方を加圧しないで供給する方法であってもよく、本発明ではこれらの方法を包含して「正浸透」と呼び、これらの用途で用いられる膜を「正浸透膜」という。
次に、図1及び図2を参照してスパイラル型正浸透膜エレメント2の構成について詳細に説明する。
各スパイラル型正浸透膜エレメント2は、中心管3と、中心管3の周りに巻き回された積層体20と、積層体20を取り囲む外装材40とを有している。また、端部材5が、積層体20を挟むように配置されて中心管3の両端に取り付けられている。外装材40は、両側の端部材5によって保持されている。端部材5は中心管3に巻き回された積層体20がテレスコピック状に伸長することを防止する役割を果たす。
端部材5には中心管3に嵌合する筒状の内周部51と、内周部51を離間しながら取り囲む、内周部51と同心に配置された筒状の外周部52とを備える。内周部51と外周部52とは連結部(不図示)で連結されている。内周部51の外周面と外周部52の内周面との間に液体が流通可能な連通路55が形成されている。
図2(a)に示すように、中心管3は、一端に流入口33、他端に流出口34を、備えている。また、複数の連通孔37が中心管3の軸方向に並んで設けられている。本実施形態では、図2(b)に示すように、中心管3の軸方向に並んだ複数の連通孔37の2つの列が中心管3の管壁の周方向においてお互いに最も離れた位置となるように設けられている。
積層体20は、内側流路部材22の両面に正浸透膜21が重ね合せられた封筒状の膜リーフ23と外側流路部材24とが交互に積層された構成を有している。内側流路部材22は、例えば樹脂などからなる網であり、正浸透膜21同士の間に濃縮されるべき第1液体を流すための流路を形成する。外側流路部材24は、例えば樹脂からなる網であり、膜リーフ23同士の間に希釈されるべき第2液体を流すための高濃度側流路20Bを形成する。
例えば、1枚の連続したシート25が外側流路部材24を挟んで二つ折りにされることにより、2枚の正浸透膜21が形成される。膜リーフ23はそのように形成された正浸透膜21同士が内側流路部材22を挟んで三辺で接合されることにより得られる。この接合には接着剤が用いられる。また、例えば、内側流路部材22の1枚を延長させた延長部が中心管3に直接巻き付けられ、その両端部が接着剤で封止されることにより、中心管21の外周面に面する筒状流路20Cが形成される。
積層体20の構成は図2(a)及び(b)に示した構成に限られない。例えば連続したシートが蛇腹状に折り畳まれることにより、すべての正浸透膜21がつながっていてもよい。
正浸透膜21としては、例えば多孔性支持体上にスキン層を形成した複合膜を用いることができる。
多孔性支持体としては、エポキシ樹脂多孔質膜を用いることができる。また、多孔性支持体上に形成するスキン層としては、多官能アミン成分と多官能酸ハロゲン成分とを重合してなるポリアミド系樹脂を含むスキン層を用いることができる。
ポリアミド系樹脂を含むスキン層をエポキシ樹脂多孔質膜の表面に形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、界面縮合法、相分離法、薄膜塗布法を用いることができる。一例としては、多官能アミン成分を有するアミン水溶液と、多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液とを接触させることによりスキン層を形成し、前記スキン層をエポキシ樹脂多孔質膜上に載置することとすればよい。前記多官能アミン成分としては、芳香族、脂肪族、又は脂環式の多官能アミンが挙げられる。またこれらの多官能アミン成分は単独で用いてもよく、混合物としてもよい。前記多官能ハライド成分としては、芳香族、脂肪族、又は脂環式の多官能酸ハロゲン化物を用いることができる。これらの多官能酸ハライド成分において単独で用いてもよいが、混合物として用いてもよい。
図3を参照して、中心管3の内部と膜リーフ23の内部について詳しく説明する。図3は、中心管3の内部及び膜リーフ23内部での液体の流れを模式的に示す断面図である。簡略化のために、1つの膜リーフ23のみが図示されている。図示の通り、流入口33から流出口34に向かって、中心管3内部及び膜リーフ23内部を液体が流れる。
膜リーフ23において、2枚の正浸透膜21同士の三辺を接合する上述した接着剤からなる接合部29によって空間が区画されている。この空間は、接合部29が形成されない辺からこれと対向する辺まで、膜リーフ23のほぼ中央で2枚の正浸透膜21同士を接合する例えば接着剤からなる接合部28によって区切られている。これにより、接合部28を挟んで、中心管3の軸方向に並んだ2つの内部流路26が形成されている。それぞれの内部流路26は、2枚の正浸透膜21同士を接合する例えば接着剤からなる接合部27によって上流側(図3の左側)と下流側(図3の右側)とに分かれている。この接合部27〜29によって、内部流路26は第1開口26Aから第2開口26Bに向かってU字状に屈曲した流路として構成されている。すなわち、1つの膜リーフ23において全ての内部流路26が並列に並んでおり、それらの第1開口及び第2開口は中心管3の軸方向に交互に並んでいる。
接合部27〜29は中心管3の外周面に向かって延長されており、筒状流路20Cを分断している。これにより第1開口26Aと第2開口26Bとは互いに隔離されている。
上述した中心管3の軸方向に並んだ複数の連通孔37は、第1開口26Aと筒状流路20Cを介して連通した連通孔37が供給孔35と第2開口26Bと筒状流路20Cを介して連通した連通孔37が回収孔36とからなる。実際には、第1開口26A、第2開口26Bのそれぞれに複数の供給孔35、複数の回収孔36が連通しているが、図3では1つのみ図示している。
中心管3には、中心管3の軸方向に並んだ複数の内部流路26のそれぞれに対して、供給孔35と回収孔36との間で中心管3の内部を軸方向に仕切るように隔壁31、32が設けられている。これら複数の隔壁のうち、流出口34に最も近い位置にある末端隔壁32は中心管3の内部を完全に遮断している。また、末端隔壁以外の隔壁31には、貫通穴38が形成されている。貫通穴38は隔壁31の中心に設けられており、隔壁31の中心を中心とする円形状をなしている。
次に、図3を参照して中心管3内部と膜リーフ23の内部流路26における、濃縮されるべき第1液体の流れを説明する。
図3の矢印は、スパイラル型正浸透膜エレメント2を流れる第1液体の流れを模式的に示している。正浸透膜モジュール1に供給された第1液体は、中心供給管7Aを介して、中心管3の流入口33に流入する。流入口33に流入した第1液体の一部は、供給孔35及び筒状流路20Cを介して第1開口26Aから上流側の内部流路26に入り、内部流路26を流れる。膜リーフ23の外部には周辺供給管8Aから供給された第2液体(希釈されるべき液体)が流れており、第1液体と第2液体が膜リーフ23の正浸透膜21の両面を流れている。従って、膜リーフ23の内部流路26を流れる第1液体の一部は、浸透現象により正浸透膜21を介して膜リーフ23の外部へと移動する。そして、膜リーフ23の上流側の内部流路26から膜リーフ23の外部へ移動しなかった第1液体は、上流側の内部流路26の第2開口26Bを出て、筒状流路20C及び回収孔36を介して中心管3の内部に戻る。
流入口33に流入した第1液体の他の部分は、上流側の内部流路26を流れずに、隔壁31に設けられた貫通穴38を介して下流側に流れ、上流側の内部流路26から回収孔36を経て中心管3に戻った第1液体の流れと合流する。そして、合流した第1液体の流れは、さらに下流側に向かって流れる。末端隔壁32は中心管3の内部を完全に遮断しているため、合流した第1液体の流れは、下流側の供給孔35及び筒状流路20Cを介して、下流側の内部流路26を流れる。下流側の内部流路26を流れる第1液体の一部が膜リーフ23の外側を流れる第2液体を希釈するために、正浸透膜21を介して膜リーフ23の外側へ移動する。
膜リーフ23の下流側の内部流路26から膜リーフ23の外側に移動しなかった第1液体は、第2開口26Bを出て、筒状流路20C及び下流側の回収孔36を経て、中心管3に戻り、流出口34から流出する。
次に、図3及び図5を参照しながら、本実施形態のスパイラル型正浸透膜エレメント2の作用効果を説明する。図5は、参考例としてのスパイラル型正浸透膜エレメント4を示している。なお、特に必要な場合を除き、参考例の本実施形態のスパイラル型正浸透膜エレメント2と対応する箇所は同一の符号を付している。
スパイラル型正浸透膜エレメント4は、中心管3の内部に設けられた末端隔壁以外の隔壁39A及び末端隔壁39Bのいずれもが中心管3の内部を完全に遮断しているという点において、本実施形態と相違する。参考例では、流入口33に流入した液体のすべてが中心管3の軸方向に並んだすべての内部流路26を通過することになる。つまり、流入口33から流入した液体は、中心管3の軸方向に並んだすべての内部流路26を直列に流れて、流出口34から流出する。内部流路26は屈曲した流路長が比較的長い流路となっているので、参考例においては、流入口33から流出口34へ至る液体の流れの圧力損失が大きくなっている。
これに対し、本実施形態では、末端隔壁32以外の隔壁31に貫通穴38が設けられているので、上流側の内部流路26及び下流側の内部流路の第1開口26Aと連通する供給孔35のすべてが、中心管3の流入口33と中心管3内部で連通している。従って、流入口33に流入し、隔壁31よりも流入口33側にある第1液体は、中心管3の軸方向に並んだ複数の内部流路26を並列に流れることができる。これに伴い、本実施形態では、参考例と比べて、流入口33から流出口34へ至る第1液体の流れの圧力損失が低減される。
(第2の実施形態)
次に、図4を参照して、第2の実施形態のスパイラル型正浸透膜エレメント2について説明する。特に必要な場合を除き、第1の実施形態と同一の符号を付している。第1の実施形態と相違する部分を中心に説明する。
図4に示されているように、第2の実施形態のスパイラル型正浸透膜エレメント2の膜リーフ23には、中心管21の軸方向に3つの内部流路26が並んでいる。これに伴い、3つの内部流路26に対応するように、供給孔35及び回収孔36が中心管3に設けられている。また、中心管3は末端隔壁32と2つの末端隔壁以外の隔壁31A、31Bを有している。2つの末端隔壁以外の隔壁31A、31Bはそれぞれ、貫通穴38A、38Bが設けられている。従って、流入した第1液体の一部は、内部流路26を経ずに貫通穴38A、38Bを経て下流側へ流れるので、第1の実施形態と同様に流入口33から流出口34へ至る第1液体の流れの圧力損失が低減される。
中心管3の隔壁31A及び31Bでは、貫通穴の開口面積が異なっている。隔壁31Bよりも流入口33に近い位置にある隔壁31Aの方が、貫通穴の開口面積が大きくなっている。上流側で、貫通穴31Aの開口面積を大きくして内部流路26を経ずに下流側に流れる液体の量を増やすことで、流入口33から流出口34へ至る第1液体の流れの圧力損失がより低減される。また、下流側の隔壁31Bの貫通穴38Bの開口面積を隔壁31Aの貫通穴38Aの開口面積よりも小さくすることで、内部流路26へ流れる第1液体が不足してしまうことを抑制している。
(その他の実施形態)
本発明のスパイラル型正浸透膜エレメント及び正浸透モジュールは上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、様々な実施形態とすることが可能である。
本実施形態においては、スパイラル型正浸透膜エレメント2の中心管3に第2液体よりも溶質濃度の高い第1液体が流入することとしたが、中心管3に希釈されるべき第2液体が流入することとしてもよい。この場合には、正浸透膜モジュール1において、中心排出管7Bから排出される液体の量が中心供給管7Aに供給された液体の量よりも増加することになる。
本実施形態のスパイラル型正浸透膜エレメント2において、端部材5は省略することとしてもよい。
本実施形態では、中心管3の軸方向に並ぶ内部流路と中心管3の隔壁31、32の数は2つ又は3つとしたが、これに限られない。4つ以上の内部流路及び4つ以上の隔壁を有することとしてもよい。
本実施形態では、末端隔壁32以外のすべての隔壁31に貫通穴38が形成されているが、これに限られない。末端隔壁32以外の隔壁31が中心管3内に複数設けられている場合に、複数の隔壁31のうちの少なくとも1つに貫通穴38が形成されていればよく、その他の隔壁31は中心管3内部を遮断していてもよい。このような構成であれば、中心管3に供給された液体の流れの圧力損失の低減を図ることは可能である。また、複数の隔壁31のうち最も流入口33側に位置する隔壁31には貫通穴38が形成されていることが、圧力損失の低減の観点から好ましい。さらに、末端隔壁以外32の複数の隔壁31のすべてに貫通穴38が形成されていることが、圧力損失の低減の観点から好ましい。
本実施形態では、中心管3の軸方向に伸びる連通孔37の列は2つとしたが、これに限られない。3つ以上の連通孔37の列が中心管3の管壁の周方向において均等に配置されるように設けられていてもよい。中心管3の軸方向に伸びる連通孔37の列が増えることで、中心管3を取り囲む複数の膜リーフ23の内部流路26に均等に第1液体を導くことが促進される。
貫通穴38の大きさは特に限定されない。流入口33から流出口34へ至る第1液体の流れの圧力損失の低減を十分に図り、かつ、内部流路26へ流れる第1液体の量が不足してしまうことを抑制するために、貫通孔38の大きさを適宜調整してもよい。
貫通穴38の形状は円に限定されない、楕円であってもよいし、矩形であってもよい。
貫通穴38を設ける位置は、隔壁31の中心部分に限られない。例えば、隔壁31の中心と隔壁の外周端との間に環状の貫通穴を設けることとしてもよい。あるいは、隔壁31全体あるいは一部について、複数の貫通穴を設けるようにしてもよい。
1 正浸透膜モジュール
2 スパイラル型正浸透膜エレメント
23 膜リーフ
26 内部流路
26A 第1開口
26B 第2開口
3 中心管
31 隔壁
32 末端隔壁
33 流入口
34 流出口
35 供給孔
36 回収孔
38 貫通穴
9A 圧力容器

Claims (7)

  1. 第1開口から第2開口に向かって屈曲した複数の内部流路が並列に設けられた膜リーフと、
    前記膜リーフが巻きつけられ、一端に流入口、他端に流出口を有し、前記第1開口に連通する供給孔及び前記第2開口に連通する回収孔が形成された中心管と、
    前記複数の内部流路のそれぞれに対して、前記供給孔と前記回収孔との間に位置するように前記中心管内に設けられた複数の隔壁と、を備え、
    前記複数の隔壁のうち、前記流出口に最も近い位置にある末端隔壁は前記中心管の内部を遮断しており、前記末端隔壁以外の少なくとも1つの隔壁には貫通穴が形成されている、スパイラル型正浸透膜エレメント。
  2. 前記複数の隔壁のうち、前記流入口に最も近い位置にある隔壁には貫通穴が形成されている、請求項1に記載のスパイラル型正浸透膜エレメント。
  3. 前記末端隔壁以外のすべての隔壁には貫通穴が形成されている、請求項2に記載のスパイラル型正浸透膜エレメント。
  4. 前記スパイラル型正浸透膜エレメントは、濃縮されるべき第1液体と希釈されるべき第2液体とが供給されるべきものであり、
    前記中心管内には、前記流入口を通じて前記第1液体が流入する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパイラル型正浸透膜エレメント。
  5. 前記貫通穴は、前記隔壁の中心に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパイラル型正浸透膜エレメント。
  6. 前記末端隔壁以外の隔壁は、前記流入口との距離が近いほど前記貫通穴の開口面積が大きくなるように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスパイラル型正浸透膜エレメント。
  7. 筒状の圧力容器と、
    前記圧力容器内に装填された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のスパイラル型正浸透膜エレメントと、を備えた正浸透膜モジュール。
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