JP2014022792A - 圧電振動子 - Google Patents

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光明 小山
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Abstract

【課題】圧電振動子において、副振動の発生を抑制することあるいは副振動の周波数をシフトさせることのできる技術を提供する。
【解決手段】圧電振動子における副振動が発生する領域の圧電体10に三日月形状の孔部25a〜25d(凹部または貫通孔)を形成している。この孔部25a〜25dによって、当該部位の結晶の軸が反転されて周波数が変化するため、副振動のエネルギーを小さくできるかあるいは副振動の周波数を主振動の周波数から遠ざけるようにシフトすることができる。さらに孔部25a〜25dの形状を三日月形状とすることで、孔部の形成位置の精度が低くても副振動発生領域に重なる確率が高いため、高い歩留まりが期待できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、副振動の発生を抑制する圧電振動子に関する。
圧電振動子は、電子機器、計測機器や通信機器等、種々の分野で利用されており、特にATカットの厚みすべり振動を主振動とする水晶振動子は周波数特性が良好なことから多用されているが、不要な副振動の発生が問題となる。不要な副振動が発生すると、主振動と結合して周波数ジャンプが起こる懸念がある。副振動の発生原因の一つに、インハーモニクスオーバトーン(以下「オーバトーン」)に起因するものがある。このオーバトーン振動は、厚み縦振動であり、振幅が主振動である厚み滑り振動の振幅と同じ位のレベルになる場合があり、このためその発生を防ぐか、その発振周波数を主振動の発振周波数から離れるようにシフトさせることが好ましい。また例えば厚みすべり振動を主振動とする場合に、他の副振動として、輪郭すべり振動など他の振動種別による副振動も挙げることができる。これらは、Activity dipsやFrequency dipsの発生要因となる。
ここで、厚みすべり振動の副振動の抑制方法の一つとして、電極面積を小さくすることにより、エネルギーを閉じ込める手法が知られている。しかしながら発振周波数が20MHzを越えるとエネルギー閉じ込め効果が減少してしまうため、発振周波数が50MHzを越える水晶振動子が一般化している現状では、この手法で副振動を抑制することは難しい。
また、水晶片の端部を面取りしたり、水晶片を凸状とする等の形状変化により副振動を抑えることも行われているが、電子機器の小型化に伴ない、小型で発振周波数が高い水晶振動子が要求される傾向にあることから、このような形状変化による副振動の抑制には限界がある。さらに、水晶片における副振動が発生する位置に接着剤等の負荷を与えることにより、副振動の発生を機械的に抑える手法も知られているが、接着剤からガスが発生したり、水晶片に応力を加えることによって、周波数の長期安定性を確保できないおそれがある。
また、特許文献1には、圧電板の主面に凹みを設ける構成が記載され、特許文献2には、電極タブ部に孔を設けると共に、水晶ブランクにポケットを設ける構成が記載されている。さらに、特許文献3には、励振電極に開口部を形成する構成が記載され、特許文献4には、水晶片において、副振動を抑圧するために凹所を形成する構成が記載されている。しかしながら、これらの技術を用いても、オーバトーン振動の発振周波数を主振動に影響を与えない範囲まで移動させることはできず、本発明の課題の解決を図ることはできない。
特開昭60−58709号公報(第4図) 特開平1−265712号公報(FIG1,FIG3) 特開2001−257560号公報(段落0007、図1) 特開平6−338755号公報(段落0012、0014)
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、圧電振動子において、副振動の発生を抑制することあるいは副振動の周波数をシフトさせることのできる技術を提供することにある。
本発明の圧電振動子は、板状の圧電体と、
この圧電体の両面に設けられた電極と、
前記圧電体の主振動とは異なる周波数で発振する副振動を抑制するために、前記圧電体に形成された副振動抑制用の三日月形状の孔部と、
を備えたことを特徴とする。
また本発明の圧電振動子は、前記電極における前記孔部に相当する位置に当該孔部の平面形状と同じ形状の貫通孔が形成されていることを特徴としてもよい。
さらに本発明の圧電振動子は、前記電極のうちの、励振電極に相当する部位の中心部に対して対称に設けられた対を成す孔部が複数対設けられていることを特徴としてもよい。
あるいは、本発明の圧電振動子は、前記孔部は、圧電体の表裏両面に平面的に見て同じ位置に設けられていることを特徴としてもよく、前記主振動は厚みすべり振動であり、前記副振動はインハーモニクスオーバトーン振動であることを特徴としてもよい。
本発明においては、圧電振動子における副振動が発生する領域の圧電体に三日月形状の孔部(凹部または貫通孔)を形成している。この孔部によって、当該部位の結晶の軸が反転されて、周波数が変化するため副振動の発生が抑えられる。具体的には副振動のエネルギーを小さくできるかあるいは副振動の周波数を主振動の周波数から遠ざけるようにシフトすることができる。このため圧電振動子における周波数ジャンプの発生を抑えることができる。さらに孔部の形状を三日月形状とすることで、孔部の形成位置の精度が低くても副振動発生領域に重なる確率が高いため、高い歩留まりが期待できる。
本発明の第1の実施の形態に掛かる水晶振動子の一例を示す平面図及び断面図である。 前記水晶振動子の製造方法の一例を示す工程図である。 前記水晶振動子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の効果である副振動が抑制される様子を示す説明図である。 前記水晶振動子の他の製造方法の一例を示す工程図である。 前記水晶振動子のさらに他の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の実施の形態に係る水晶振動子の他の例を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る水晶振動子の他の例を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る水晶振動子の他の例を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る水晶振動子の他の例を示す縦断側面図である。 水晶振動子における副振動の発生領域を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る水晶振動子の他の例を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る水晶振動子を備えたエッチング量センサの一例を示す縦断側面図である。 本発明の実施の形態に掛かる水晶振動子の特性を示す特性図である。
以下、本発明の圧電振動子をなす水晶振動子の一実施の形態を説明する。この水晶振動子1は、図1に示すように、圧電体をなす水晶片10の両面に、夫々励振電極21,22を備えて構成されている。前記水晶片10は、例えばATカットの基本波モードのものが用いられ、主振動である厚みすべり振動が30MHzで発振するように構成されている。この例では、前記水晶片10は、例えば平面形状が矩形状に形成され、例えば長さ1.6mm、幅1.2mmに形成される。
前記励振電極21,22は、前記水晶片10を励振させるために、当該水晶片10の両面の中央部に、互いに対向するように形成されている。これら励振電極21,22は例えば矩形状に構成されている。さらに、前記一面側の励振電極21の一部には、水晶片10の周縁に向かって引き出されるように引き出し電極23が接続されると共に、他面側の励振電極22の一部にも周縁に向かって引き出されるように引き出し電極24が接続されている。前記一面側の励振電極21及び引き出し電極23、他面側の励振電極22及び引き出し電極24は夫々一体的に形成されており、これら励振電極21,22は例えばクロム(Cr)及び金(Au)の積層膜により形成されている。
さらにまた、水晶振動子1の一面側には、事前に把握した副振動の発生領域に三日月形状の孔部25a〜dが形成される。励振電極21はこの例では長方形状に形成されており、この長方形(励振電極21)の中心部に対して対角線方向に各々対称な1対2組の孔部が設けられている。各組の一方の孔部25a、25dは励振電極21の外線よりも外側にて水晶片10に形成されている。また各組の他方の孔部25b、25cについても励振電極21の外線よりも外側にて水晶片10に形成されているが、引き出し電極23が形成されている部位については、引き出し電極から水晶片10に亘って形成されている。即ち孔部25cは水晶振動子の一面側に開口して形成されている。この例では副振動用の孔部25a〜dは有底である凹部であるが、水晶振動子1の一面側から多面側に貫通する貫通孔であってもよい。
孔部25a〜dは、主振動の発振周波数とは異なる周波数で発振する副振動の発生、この例では水晶片10のZ軸方向に起因し、主振動よりも高い周波数で発振するオーバトーン振動の発生を抑えるために形成されている。即ち主振動は、厚みすべり振動であり、副振動は厚み縦振動のオーバトーンである。このため、これら孔部25a〜dは、励振電極21における前記オーバトーンの振動領域に形成されている。ここで、副振動の発生を抑えるとは、副振動の発生を完全に防ぐ場合の他、副振動のゲインを減衰させる場合も含まれる。また、励振電極21,22の形状は適宜設定されるものであり、水晶片10の外縁近傍まで励振電極21,22を形成するようにしてもよい。
続いて、前記水晶振動子1の製造方法について、図2及び図3を参照しながら説明する。なお、図2及び図3は、一枚の水晶基板31のある一部分に作成される一個の水晶振動子について図1中のA−A線上の縦断側面図を用いて、説明したものである。先ず、切り出された一枚の水晶基板31を研磨加工して洗浄した後に(図2(a))、図2(b)に示すように水晶基板31の両面に例えばCrの上にAuを積層した電極膜(金属膜)32を蒸着又はスパッタリングにより形成する。
次いで、ウェットエッチングにより、励振電極21,22及び引き出し電極23,24の電極パターンを形成する。例えば図2(c)に示すように、水晶基板31の一面側の上に、前記電極パターンに対応したレジストパターン33を形成する。続いて、水晶基板31をKI(ヨウ化カリウム)溶液34に浸漬して電極膜32(金属膜)が露出した部分をエッチングし、前記電極パターンが形成された金属膜パターンを得る(図2(d))。なお、引き出し電極23が孔部25a〜dと重なる場合には、当該部位の電極を同時に除去するようレジストパターン33を形成する。また電極パターンは、別工程にて形成するようにしてもよい。
然る後、図3(a)〜(c)に示すように、ウェットエッチングにより、水晶基板31の所定位置に孔部25a〜dを形成する。具体的には、孔部25a〜dのみが開口するように、水晶基板31の両面をカバー体35により覆い、この水晶基板31を例えばフッ酸溶液に浸漬し、前記カバー体35をマスクとしてエッチングすることにより、図3(b)に示すように、孔部25を形成し、前記カバー体35を除去する。ここで、前記カバー体35は、水晶よりもフッ酸溶液によるエッチング速度が小さい材質により形成される。その後水晶基板3から水晶振動子1を切断する(図3(c))。
上述の水晶振動子1によれば、一面側の水晶片10における副振動の発生する位置に孔部25a〜dを形成しているので、この領域では、結晶の軸が反転されている状態となって周波数が変化し振動が発生しにくくなるため、当該領域で発振する副振動のゲインが減衰する。
さらに、水晶振動子は、水晶振動子の外形寸法が励振電極面積に対して小さくなると、発振周波数が高くなるという辺比効果を有している。前記辺比とは、励振電極面積/水晶片の厚さにより求められる値であり、辺比が大きい方が小さい方よりも発振周波数が高くなる。従って、水晶片10に孔部25を形成すると、この部位においては水晶片10の外形寸法(厚さ)が小さくなるので、副振動の発振周波数は高周波側に移動していく。
上述の実施の形態による周波数の変化を図4に示すと、水晶振動子における事前に把握した副振動の発生領域に孔部25a〜dを形成しているので、副振動f2のゲインが減衰し、かつ当該副振動の発振周波数は高周波側に移動するためf3のように変化する。一方、主振動の発振周波数f1は変化しないので、主振動の発振周波数と副振動の発振周波数との周波数差が大きくなり、副振動による悪影響の発生、例えば周波数ジャンプを抑えることができる。また副振動用の孔部を三日月形状とすることにより、孔部の形成位置の精度が低くても吹く振動の重なる確率が高いため、高い歩留まりが期待できる。
以上において、本発明の水晶振動子1は図5及び図6に示す方法により製造するようにしてもよい。図5に示す方法では、水晶基板31に電極膜32を形成し、既述のように、ウェットエッチングにより、水晶基板31の所定位置に孔部25a〜dを形成し、孔部25a〜dのみが開口した金属膜パターンを得た後、図5(a)〜(d)に示すように、ウェットエッチングにより、水晶基板31の所定位置に孔部25を形成する。具体的には、孔部25a〜dのみが開口した電極膜パターンが形成された水晶基板31を例えばフッ酸溶液に浸漬して、金属膜パターンをマスクとしてエッチングすることにより、図5(b)に示すように、孔部25を形成する。
次いで、図5(c)に示すように、既述のウェットエッチングにより、励振電極21,22及び引き出し電極23,24の形状に対応した電極パターンを得る。その後、レジストパターンを除去し、水晶基板31から水晶振動子1を切断する。
この製造方法によれば、水晶片10の両面に電極膜(金属膜)を形成し、次いで励振電極21,22の形成領域に孔部25a〜dを形成し、この後、電極膜をマスクとしてウェットエッチングを行うことにより、水晶片10に孔部25を形成している。従って、水晶片10に孔部25a〜dを形成するためのマスクを電極膜32と別個に形成する必要がなく、工程数を低減して、製造コストの低減を図ることができる。
また、図6に示す方法のように、初めに水晶基板31に孔部25を形成するようにしてもよい。つまり、水晶基板31の表面にマスクとなる金属膜を形成すると共に、この金属膜の上に孔部25a〜dの形状に対応したレジストパターンを形成し、次いで、水晶基板31をフッ酸溶液に浸漬してエッチングすることにより孔部25a〜dを形成する(図6(a)参照)。その後、レジストパターン及び金属膜を除去する。
次いで、図6(b)に示すように、水晶基板3の表面に、所定の電極膜(金属膜)35と、所定の電極パターンに対応するレジストパターン36とを形成した後、この水晶基板3をKI溶液に浸漬してエッチングし、前記電極パターンを得る。その後、レジストパターンを除去し、水晶基板31から水晶振動子1を切断する(図6(d)参照)。
続いて、水晶振動子1の他の例について、図7〜図10を参照して説明する。図7に示すように、水晶振動子1Aには、副振動の発生を抑制する孔部25を、抑制対象の副振動に応じて1つ形成するようにしてもよい。この例は、水晶片10のZ軸方向に発生するオーバトーン振動を抑制するための孔部25が設けられた構成である。
また図8に示すように、水晶振動子1Bには、副振動の発生を抑制する及び孔部25を、抑制対象の副振動に応じて2つ形成するようにしてもよい。この例は、水晶片10のZ軸方向に発生するオーバトーン振動を抑制するための孔部25aと、水晶片10のX軸方向に発生するオーバトーン振動を抑制するための孔部25bとが夫々設けられた構成である。さらに図9に示すように孔部25は励振電極21上に設けられていてもよい。
また、図10(a)に示す例は、一面側の励振電極21に形成された孔部25に連続するように、水晶片10に貫通孔12を設けた水晶振動子1Cの構成である。この場合、図10(a)に示すように、一面側の励振電極21には孔部25が形成され、他面側の励振電極22には孔部25が形成されない構成でもよいし、図示はしないが一面側の励振電極21のみならず他面側の励振電極22にも貫通孔12に連続するように孔部を形成するようにしてもよい。このように、水晶片10における副振動の発生を抑制できる位置に貫通孔12を形成した場合には、副振動の発生自体を防ぐことができ、有効である。この例では、孔部25及び貫通孔12は副振動抑制部に相当する。
さらに、図10(b)、(c)に示すように、孔部11a,11bは水晶片10の両面側から夫々形成してもよい。図10(b)に示す水晶振動子1Dは、1つの副振動の発生を抑制するために、一面側の励振電極21に形成された孔部25a側と、他面側の励振電極22における、前記孔部25aと水晶片10を挟んで対向する位置に形成された孔部25b側から夫々孔部11a,11bが形成された構成である。また、図10(c)に示す水晶振動子1Eは、2つの副振動の発生の抑制に対応する構成であり、一の副振動の発生を抑制するために、一面側の励振電極21に形成された孔部25aと、それに続く孔部25aを形成すると共に、他の副振動の発生を抑制するために、他面側の励振電極22に孔部25cを形成した構成である。
ここで実際の水晶振動子を用いて、副振動の領域を特定する方法に関して述べておく。第1の方法として、X線の回折強度を測定する方法を挙げることができる。水晶振動子の法線方向に対して所定の角度からX線を照射し、例えば水晶振動子を、前記角度を維持した状態で照射位置を変えて、X線により水晶振動子の全面をスキャンする。そして各照射位置ごとにX線の回折強度を測定し、水晶振動子の表面における回折強度のマップを生成する。この測定を行なうにあたって、事前に副振動を起こす周波数を調べておき、その周波数の交流電圧を水晶振動子に印加しながら上記の測定を行なう。図11(a)(b)は、X線回折強度のマップの一例であり、斜線で示した領域100にて強く振動している。
また第2の方法としては、探針法を挙げることができる。探針法は、事前に調べた副振動における周波数の交流電圧を水晶振動子の励振電極間に印加しながら、探針により水晶片の表面に接触させ(励振電極が存在する部分は当該励振電極を突き抜ける)、探針とアースとの間に設けた電圧計にて電圧を測定し、これにより水晶片の表面の電荷分布を求めることにより、第1の方法と同様のマップを得ることができる。
こうして副振動の振動領域を把握し、当該振動領域において既述の孔部25または貫通孔12を形成する。また副振動領域は、水晶片10の中心に対して対称な場合が多いため励振電極から水晶片10に亘って形成した孔部25あるいは貫通孔25である副振動抑制部は、水晶振動子の振動方向の対して、平面的に見て30〜60°傾けた軸に沿って、水晶片10の中心に対して対称に形成することが好ましい。図12は、このような例を示し、励振電極21に形成した孔部25aと、孔部25bとは、水晶片10の中心に対して対称に位置している。
また一方の孔部25aを水晶片の10の一面側に形成すると共に、他方の孔部25bを水晶片10の他面側に形成し、平面的に見て、両者が水晶片10の中心に対して対称に位置している構成であってもよい。
このように左右対称に副振動抑制部を設ければ、左右のバランスがとれていることから、左右のバランスが取れていない場合に比べて、長期的に見て主振動の周波数が安定する。
続いて、上述の水晶振動子1の適用例として、エッチング量センサに用いる場合について図13を用いて説明する。このエッチング量センサ5は、収納容器51に圧電振動子をなす水晶振動子1を収納して構成されている。水晶振動子1の構成は、上述の図1に示すものと同様であり、抑制対象となる副振動は主振動よりも高い周波数で発振するものである。前記収納容器51は例えばベース体52と蓋体53とにより構成され、ベース体52には凹部54が形成されて、水晶振動子1の他面側の励振電極22が凹部54により形成された気密な空間に臨むように、前記水晶振動子1が収納容器51にて保持されるようになっている。
一方、蓋体53は、ベース体52上に載置された水晶振動子1に対して、上方側から覆うように設けられており、水晶振動子1が設けられた領域の外側において、ベース体52と気密に接続されている。また、蓋体53には水晶振動子1の一面側の励振電極21及び一面側の水晶片10の一部のみがエッチング液と接触するように、開口部55が形成されている。つまり、開口部55は、励振電極21の周囲にエッチング領域を形成するために、励振電極21よりも5mm程度外側の領域を囲むように形成されている。また、蓋体53はエッチング液に接触するため、水晶片10よりもエッチング液に対してエッチング速度が小さい材質例えばポリテトラフルオロエチレンにより構成される。
さらに、収納容器51には、前記引き出し電極23,24と夫々接続される配線電極26,27が、例えばベース体52と蓋体53との間に形成され、引き出し電極23と配線電極26、引き出し電極24と配線電極27とが夫々電気的に接続されている。そして、例えば一方の配線電極26は、信号線28を介して発振回路56に接続され、他方の配線電極27は接地されている。この発振回路56の後段には、周波数測定部57を介して制御部6が接続されている。前記周波数測定部57は例えば入力信号である周波数信号をディジタル処理して水晶振動子1の発振周波数を測定する役割を果たす。
前記制御部6は、予め発振周波数の変化分とエッチング量とを対応付けたデータを取得してメモリに格納され、オペレータが入力したエッチング量の目標値に対応する発振周波数の変化分の設定値を求める機能と、測定時に水晶振動子1の発振周波数の変化分を求める機能と、前記発振周波数の変化分が前記設定値になったときに所定の制御信号を出力する機能と、を備えている。また、例えば測定時に得られる発振周波数の変化分が所定値になったときに、対応するエッチング量を表示画面上に表示する機能を備えるように構成される。
このようなエッチング量センサ5は、収納容器51の一面側のみがエッチング液に接触するように、エッチング容器71に接続され、こうして、水晶振動子1の一面側の励振電極21及び、水晶片10の一面側の一部のみが、エッチング容器71中のエッチング液72に接触することになる。なおエッチング容器71には被処理体は記載していないが、実際にはエッチング容器71にはエッチング対象となる被処理体が所定位置に配置されている。この所定位置とは、被処理体の被処理面と、エッチング量センサ5の一面側の水晶片10とが同じタイミングでエッチング液に接触する位置である。
続いて、本発明のエッチング量センサ5の作用について説明する。先ず、エッチング容器71に被処理体を搬入すると共に、エッチング容器71にエッチング量センサ5を既述のように取り付け、所定のエッチング液72をエッチング容器71内に供給する。また、オペレータがエッチング量の目標値を制御部6の表示画面に入力しておく。こうして、被処理体をエッチング液72に接触させることにより被処理面のエッチングを進行させる。一方、エッチング量センサ5では、水晶振動子1の一面側の励振電極21及び、水晶片10の一面側の一部のみがエッチング液72に接触し、水晶片10の一面側のエッチング液72と接触する領域がエッチングされていく。こうして、エッチングが進行して水晶片10の外形寸法が小さくなっていくと、主振動の発振周波数は高周波側に移動していく。
この際、エッチング量センサ5では、水晶振動子1の周波数信号の周波数が測定され、この測定された周波数がメモリに格納される。そして、例えば測定時に得られる発振周波数の変化分が前記設定値になったときに制御信号を出力し、例えば図示しない治具により被処理体をエッチング液内から搬出し、エッチング処理を終了させる。
本実施の形態によれば、水晶振動子1には孔部25a,25bが形成されているため、副振動の発振周波数が高周波側に移動すると共に、副振動のゲインが減少している。従って、水晶片10のエッチングが進んで、主振動の発振周波数が高周波側に移動したとしても、主振動の発振周波数と副振動の発振周波数とが重なることがなく、周波数ジャンプを防ぐことができるため、大きな計測レンジを確保できる。
図1の構成の水晶振動子1の周波数特性を測定した。水晶振動子1の水晶片10は、ATカットの基本波モードで発振させるものを用い、主振動の発振周波数が30MHz、水晶片10は長さ1.6mm、幅1.2mm、励振電極21,22は長さ1.5mm、幅1.1mm、水晶片10の厚さは0.055mmとした。孔部25は三日月形であって、孔部25の深さは0.001mmとした。孔部25は4箇所に設け、抑制対象となる副振動は、周波数が30.05MHzの厚み縦振動とした。また、比較例として、励振電極21及び水晶片10に夫々孔部25a〜d及び孔部25a〜dを形成しない水晶振動子についても、同様に周波数特性を測定した。
このときの周波数特性を、比較例については図14(a)に、実施例については図14(b)に夫々示す。図14中横軸は温度、縦軸は周波数偏差である。この結果によれば、比較例では、70℃付近の周波数偏差に周波数ジャンプが認められるが、実施例においては、周波数ジャンプは、発生していない。本発明の実施例の水晶振動子を用いた場合は、副振動を抑制することができ、Activity dipsやFrequency dipsを抑制することができるといえる。
本発明は、水晶片の他にセラミックス等の圧電体にも適用でき、主振動は、厚み滑り振動のみならず、厚みたて振動、厚みねじれ振動等であってもよい。また、本発明の抑制対象となる副振動は、オーバトーン振動に限られず、輪郭すべり振動や、屈曲系振動も含まれる。この際、主振動よりも発振周波数が高い副振動であれば、副振動の発振周波数が高周波側にシフトし、主振動の発振周波数と副振動の発振周波数との周波数差が大きくなるので特に有効であるが、主振動よりも発振周波数が低い副振動であっても、水晶片に貫通孔を形成する構成であれば、副振動の発生を防ぐことができるという効果が得られる。また、水晶片は矩形状には限らず、円形状であってもよい。また三日月形状とは、円弧と弦を組み合わせた弓形形状も含むものとし、半月状も含むものとする。
1 水晶振動子
10,40 水晶片
12 貫通孔
21,22 励振電極
23,24 引き出し電極
25、 孔部

Claims (5)

  1. 板状の圧電体と、
    この圧電体の両面に設けられた電極と、
    前記圧電体の主振動とは異なる周波数で発振する副振動を抑制するために、前記圧電体に形成された副振動抑制用の三日月形状の孔部と、
    を備えたことを特徴とする圧電振動子。
  2. 前記電極における前記孔部に相当する位置に当該孔部の平面形状と同じ形状の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧電振動子。
  3. 前記電極のうちの、励振電極に相当する部位の中心部に対して対称に設けられた対を成す孔部が複数対設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の圧電振動子。
  4. 前記孔部は、圧電体の表裏両面に平面的に見て同じ位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項記載の圧電振動子。
  5. 前記主振動は厚みすべり振動であり、前記副振動はインハーモニクスオーバトーン振動であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の圧電振動子。
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