JP2014020251A - ポンプユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で且つ簡単な機構でありながら高粘度剤の吐出注入が可能なピストンユニットを提供する。
【解決手段】ポンプユニット1は、グリースを収容したカートリッジ4を取り付けるためのカートリッジ取付部13、ジグソーに固定される本体20、本体20の先端側に取り付けられたボール17を備えたシリンダ16、軸方向に往復動するジグソー2のブレード取付部24に着脱可能に取り付けられるピストン11、本体20内に配置されてシリンダ16と連結されるピストンを案内するピストンガイド14等を備えて構成されている。このポンプユニット1は駆動源となるジグソー2に取り付けて使用される。
【選択図】図1
【解決手段】ポンプユニット1は、グリースを収容したカートリッジ4を取り付けるためのカートリッジ取付部13、ジグソーに固定される本体20、本体20の先端側に取り付けられたボール17を備えたシリンダ16、軸方向に往復動するジグソー2のブレード取付部24に着脱可能に取り付けられるピストン11、本体20内に配置されてシリンダ16と連結されるピストンを案内するピストンガイド14等を備えて構成されている。このポンプユニット1は駆動源となるジグソー2に取り付けて使用される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ポンプユニットに関し、さらに詳しくは、ジグソー等の駆動端が往復運動をする電動工具に取り付けることにより簡単に使用することが可能なポンプユニットに関する。
近年、高粘度剤を作業者が移動しながら吐出、注入する作業が増加している。これは戦後インフラが整備され始めて約60年経過し、建築物や機器類等が老朽化してきたことからこれらの補修作業やメンテナンス作業が増加したためである。すなわち、ビルや道路の建造物のひび割れ等の補修や、大型の建設機械や農機具等における給油等の作業である。より具体的には、建設機械、クレーン、ケーブルカー、ロープウェー、エレベーター、各種大型遊技機(ジェットコースター等)、船舶の駆動部、鉄道の保守等である。
この吐出・注入する高粘度剤としては、例えば、防水、止水のための接着剤等の補強剤やグリース等である。そして、これらの高粘度剤の吐出・注入作業には従来は主に手動式グリースポンプが利用されていた。手動式のグリースポンプとしては、例えば特許文献1に示すものがある。
一方、近年、高性能な電池やモータが開発され多目的用途用に全天候で使え、ブラシレスで防爆性に優れ小型で各種目的を持った手持ちの工具が開発され、軽量、小型で安価な電動の工具が多く販売されるようになってきた。その中に電動のジグソーがある。このジグソーはブレードといわれる刃物を前後に往復移動させることで対象部を切断する機能を有している。
また、東南アジアや中近東のマーケットが拡大し、日本をはじめ欧米各国の工具メーカは自国或いは地域に適合する安全規格(UL規格、CE規格、JIS規格等)を満たす製品の生産拠点を自国から移動させて生産するようになり、これまでは専門家しか使用しなかった各種工具がそのような安全規格に基づいて生産されるようになった。その結果、軽量でアース等の対策が不要となった様々な工具が世界各国に向けて供給されるようになり、安全性が高く安価なジグソーが簡単に入手できるようになってきている。
しかしながら、移動しながらの接着剤等の高粘度剤の吐出、注入作業における作業環境はかなり厳しく、炎天下にあっては気温が60℃にもなる環境から寒冷地にあっては−20°Cにもなる環境で作業が行われる場合がある。また、雨、雪等の影響によってさらに環境は悪化する。一方で、作業者の高齢化傾向や女子の作業者の増加ということも考慮する必要がある。そのため、手動式のグリースポンプによる長時間の作業は重労働であり、また、両手での作業は危険が伴う。そのため、エアーモータ、油圧モータ、電動モータ等を使った大型な機器による作業も現場では行われているが、吐出ホース、空圧ホース、電動コード等による作業範囲の制約もあり、改善が求められている。
ここで、高粘度ポンプはいわゆる吸入バルブを使用することができない。なぜなら、吸入バルブを取り付けると吸入バルブの抵抗で高粘度剤がシリンダに吸い込まれないことから大気圧(吸入時に発生する)や重力のみでシリンダに送りこまなければならないからである。また、作業現場において施工箇所の状況に応じて適宜使用する補強剤等の選定等を行う必要があるが、この場合使用する補強剤等に応じた圧力のポンプを何台も持って行くことは作業効率の低下を招く。
そのため、発明者は、多くのメーカから販売されている電動工具であるジグソーに取り付けて使用できるポンプユニットを着想し、鋭意検討を行った。このポンプユニットは各種の薬剤を含む防水、止水のための接着剤等の補強剤(エポキシ樹脂、止水剤)やグリース等を20〜70Mpaの超高圧で注入できるものであり、しかも洗浄が容易にできることが必要である。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、ポンプ部分を簡単ジグソーに着脱可能に取り付け又は交換することが可能なポンプユニットであって、安価で且つ簡単な機構でありながら高粘度剤の吐出注入が可能なピストンユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は部品点数が少なく、しかも洗浄が容易なピストンユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、ジグソー等の駆動端が往復運動をする電動工具に後付けで取り付けることにより前記電動工具を駆動源として使用するためのポンプユニットにおいて、被吐出物を収容したカートリッジを取り付けるための取付部を備え、前記ジグソーに固定される本体と、前記本体の先端側に取り付けられた逆止弁を備えたシリンダと、軸方向に往復動する前記ジグソーのロッドに着脱可能に取り付けられるピストンと、前記シリンダと連結されて前記本体内に配置されるピストンを案内するピストンガイドとを備えて構成されていることを特徴とする。
上記目的を達成するため請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポンプユニットにおいて、前記ピストンガイドと前記シリンダとを弾性係合によって一体に連結したことを特徴する。
上記目的を達成するため請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のポンプユニットにおいて、前記本体の内周面に設けた第一のネジ部と、前記シリンダの外周面に設けた第二のネジ部とを螺合させることにより前記シリンダを前記本体から着脱自在に形成したことを特徴とする。
上記目的を達成するため請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のポンプユニットにおいて、前記ピストンガイドは自己潤滑性の樹脂により形成したことを特徴とする。
上記目的を達成するため請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のポンプユニットにおいて、前記カートリッジは、合成樹脂製であり、前記取付部にネジ止めによって固定されることを特徴とする。
本発明に係るポンプユニットによれば、例えば、ジグソーとして知られる電動工具を駆動源に用い、この電動工具にブレードの代わりに取り付けられるようにしたので別途駆動源を備える必要がなく、構成部品を少なくできる結果、安価で、且つ、簡単な機構でありながら高粘度の媒体の吐出注入が可能になるという効果がある。
また、本発明に係るポンプユニットによれば、部品点数が少なく構造も簡単であることから特殊な工具等を用いることなく分解、組立、洗浄が簡単に行え、したがって媒体の変更(例えば、接着剤、防水処理剤、止水剤等)が容易であると共に、コンクリートの補強、補修、防水・止水の割れ目への高圧注入工法に利用できるという効果がある。被吐出物は高粘度のものはもちろん、粘度の低い液体状のものでも使用可能であるという効果を有する。
1.第一の実施形態
以下、本発明にかかるポンプユニットについて好ましい一実施形態に基づいて説明する。図1は本発明に係るポンプユニットの一実施形態及び該ポンプユニットが取り付けられるジグソーの側面断面図、図2は図1に示すポンプユニットの側面断面図及びジグソーの内部を示す側面図(但し、ジグソーはカバーを取り去った状態の側面図)、図3は図1のポンプユニットの分解斜視図である。このポンプユニット1は、駆動部としてのジグソー2の作動端(ロッド)に取り付けられ、概略として、シリンダーアセンブリ3と、ピストン11と、カートリッジ4と、このカートリッジ4を覆う外筒5とを備えて構成されている。
以下、本発明にかかるポンプユニットについて好ましい一実施形態に基づいて説明する。図1は本発明に係るポンプユニットの一実施形態及び該ポンプユニットが取り付けられるジグソーの側面断面図、図2は図1に示すポンプユニットの側面断面図及びジグソーの内部を示す側面図(但し、ジグソーはカバーを取り去った状態の側面図)、図3は図1のポンプユニットの分解斜視図である。このポンプユニット1は、駆動部としてのジグソー2の作動端(ロッド)に取り付けられ、概略として、シリンダーアセンブリ3と、ピストン11と、カートリッジ4と、このカートリッジ4を覆う外筒5とを備えて構成されている。
[ジグソー2の構成]
電動工具の一種であるジグソー2は、図1及び図2に示すように、いわゆるピストル型の形状をした本体20を有し、電源となる二次電池21、駆動源となる直流モータ(以下、単に「モータ」という)22及び回転運動を往復運動に変換する運動変換機構23等を内蔵している。運動変換機構23の先端(駆動端)にはブレード(切り刃)を取り付けるためのブレード取付部24が設けられ、このブレード取付部(ロッド)24を保護するためのU字形状の当て板25が本体20に取り付けられている。また、使用者によって操作される電源スイッチ(グリップ)26が本体20の曲げ部に設けられている。ジグソー2は、一般に市販されているものであり容易に入手することができる。尚、モータ22に代えて交流モータを搭載したタイプのジグソーも存在し、この場合には二次電池21は内蔵されておらず、電源コード及び変速機等が設けられている。また、市販の一般なジグソーは、ストロークが14〜90mm、トルクが30〜60NT、ストローク数が1000〜3000回/分という仕様になっている。
電動工具の一種であるジグソー2は、図1及び図2に示すように、いわゆるピストル型の形状をした本体20を有し、電源となる二次電池21、駆動源となる直流モータ(以下、単に「モータ」という)22及び回転運動を往復運動に変換する運動変換機構23等を内蔵している。運動変換機構23の先端(駆動端)にはブレード(切り刃)を取り付けるためのブレード取付部24が設けられ、このブレード取付部(ロッド)24を保護するためのU字形状の当て板25が本体20に取り付けられている。また、使用者によって操作される電源スイッチ(グリップ)26が本体20の曲げ部に設けられている。ジグソー2は、一般に市販されているものであり容易に入手することができる。尚、モータ22に代えて交流モータを搭載したタイプのジグソーも存在し、この場合には二次電池21は内蔵されておらず、電源コード及び変速機等が設けられている。また、市販の一般なジグソーは、ストロークが14〜90mm、トルクが30〜60NT、ストローク数が1000〜3000回/分という仕様になっている。
[ジグソー2の動作]
このようなジグソー2の本来の使用方法及び動作を説明すると、まず、使用者が用途等に応じて選択した図示しないブレード(切り刃)をブレード取付部24に取り付ける。次に、使用者は電源スイッチ26を指で引いてオンにする。この操作によってモータ22が回転し、その回転軸の回転運動が運動変換機構23によって連続的な往復運動に変換され、運動変換機構23に取り付けられたブレード取付部24及びブレードが一体になって往復運動をする。そこで、使用者は本体20を把持しながら被切断物(木材、金属、樹脂等)の切断したい位置にブレードを押し当てると被切断物が徐々に切断されるというものである。
このようなジグソー2の本来の使用方法及び動作を説明すると、まず、使用者が用途等に応じて選択した図示しないブレード(切り刃)をブレード取付部24に取り付ける。次に、使用者は電源スイッチ26を指で引いてオンにする。この操作によってモータ22が回転し、その回転軸の回転運動が運動変換機構23によって連続的な往復運動に変換され、運動変換機構23に取り付けられたブレード取付部24及びブレードが一体になって往復運動をする。そこで、使用者は本体20を把持しながら被切断物(木材、金属、樹脂等)の切断したい位置にブレードを押し当てると被切断物が徐々に切断されるというものである。
[ポンプユニット1の構成]
次に、図2及び図3を参照してポンプユニット1の詳細について説明する。ポンプユニット1は、概略として、ジグソー2の当て板25に取り付けられるシリンダーアセンブリ3と、ピストン11と、カートリッジ4と、カートリッジ4を覆う外筒5とを備えて構成されている。
次に、図2及び図3を参照してポンプユニット1の詳細について説明する。ポンプユニット1は、概略として、ジグソー2の当て板25に取り付けられるシリンダーアセンブリ3と、ピストン11と、カートリッジ4と、カートリッジ4を覆う外筒5とを備えて構成されている。
ピストン11は、ジグソー2の当て板25内に配置されているブレード取付部24に着脱自在に取り付けられ、ブレード取付部24の動きに伴って往復動する棒状の部材であり、ブレード取付部24に取り付けられる側とは反対側には後述するピストン挿通孔14aに挿入されるピストン部11aを備えている。
シリンダーアセンブリ3は、内部に中空状の中空部15aが形成された筒状の本体15と、本体15の先端部の内側に着脱自在に取り付けられた略円筒形状のシリンダ16と、シリンダ16の後部側(ジグソー2側)と弾性係合によって一体に連結されて本体15内に配置されたピストンガイド14と、を備えて構成されている。
本体15は、一体に連結されたシリンダ16とピストンガイド14を内装する中空部15a及び当て板25に固定するための鍔15cを有して形成されている。鍔15cはビス6,6によって当て板25に着脱自在に固定される。また、本体15の先端側の中空部15aの内壁にはネジ溝15dが設けられており、シリンダ16の後述するネジ溝16dと螺合させることで一体に連結されたシリンダ16及びピストンガイド14が本体15内に内装される。また、ネジ溝15dの終端側にはOリング8を介在させることにより漏れの防止を図っている。
シリンダ16は、ジグソー2側にピストン部11aが摺動可能な程度の大きさの内径に形成された中空部16aと、中空部16aとは反対側に形成された中空部16bを備えている。小径の中空部16aと大径の中空部16bとは互いに連通されており、中空部16bは被吐出物が吐出される吐出口となっている。また、シリンダ16の外周面にはネジ溝16dが設けられており、ネジ溝16dと本体15に設けられたネジ溝15dと螺合させることでシリンダ16及びピストンガイド14が本体15内に取り付けられる。尚、ネジ溝16dとネジ溝15dとの螺合でなく、本体15及び/又はシリンダ16を合成樹脂で形成することで、シリンダ16及びピストンガイド14の場合と同様に弾性係合によって本体15とシリンダ16とを固定してもよい。さらに、中空部16bには、中空部16aとの境界部に配置したスチール製等のボール17と、このボール17をピストン11側へ付勢するためにシリンダ16内に装填されたコイルばね18と、被吐出物を通過可能な孔を有してコイルばね18が抜け出ないように開口孔15b内に配設されるストッパ19とを備えて構成される逆止弁が設けられている。
ピストンガイド14は、内部にピストン11のピストン部11aが摺動するピストン挿通孔14aを備えると共に、一端側にはシリンダ16に弾性係合する係合部14bを備えて構成されている。また、ピストンガイド14の外周面にはOリング8を介在させて漏れを防止している。ここで、ピストンガイド14は、結晶性の高いPOM(ポリアセタールの一種,polyoxymethylene)等を用いて形成されている。この結晶性のプラスチックは、相手が金属である場合には摩擦係数が極めて小さく、殆ど磨耗しない。尚、このような性質を「自己潤滑性」と言う。結晶性の度合いが高い樹脂ほど自己潤滑性が高くなる。特に、結晶性の高いPOMは自己潤滑性に優れており、軸受や歯車として使用されている。そこで、従来より用いられていた金属製駆動部品を自己潤滑性を有するプラスチックに置き換えることで、錆びが生ぜず、しかも注油も不要であるためメンテナンス性を向上させることができる。ピストンガイド14の製造方法として、例えば、シリンダ16に樹脂を鋳込む、ガイド部分に割れ目を入れる、樹脂化又はダイカスト化して本体15に差し込んで弾性係合によって固定する等の方法がある。
また、ピストン挿通孔14a及び中空部16aの内径サイズが異なる複数のピストンガイド14及びシリンダ16のものを用意すると共に、ピストン挿通孔14a及び中空部16aの各サイズに対応したサイズの太さのピストン部11aを備えたピストンをそれぞれ用意しておくことで、吐出圧の異なるポンプユニット1を提供することができる。例えば、ピストン挿通孔14a及び中空部16aの内径を4.0mmとしたものを標準ユニットとした場合、同内径を3.5mmとした高圧ユニット、さらに同内径を2.5mmとした超高圧ユニットのように吐出圧を適宜のものとすることができる。尚、いうまでもないが、ピストン部11aの断面の直径も各ピストン挿通孔14a及び中空部16aに対応したものとする。
カートリッジ4は、例えば樹脂製の蛇腹構造を成しており、予め被吐出物である所定量のグリースが充填されている。尚、カートリッジ4はJIS用グリースポンプの標準容器である80mlと400mlの2種類を用意している。JISの80gでは10〜20g/分の吐出量で20〜70MPaの圧力が必要である。これは、精密なベアリングや小型の食品機器、小型機械等の需要に対応可能である。また、JISの400gでは建機、大型トラック、農機具、遊園地器具、ケーブルカー、鉄道器具、エレペータ等の需要に対応可能である。カートリッジ4は蛇腹構造であることから、グリースが押し出されるのに伴って図示の縦方向に徐々に縮小する。外筒5は作業者の手がカートリッジ4に触れるなどしてカートリッジ4が本体15から外れるのを防止し、或いは外力がカートリッジ4に加わるのを防止するために設けられている。尚、カートリッジ取付部13に取り付けるための外筒5の先端形状をカートリッジ4の先端に設けることで外筒5を不要とすることもできる。
[ポンプユニット1の動作]
次に、ポンプユニット1の動作について説明する。まず、使用者は電動工具の一つであるジグソー2を用意する。ジグソー2に図示しないブレードが取り付けられている場合には予めブレード取付部24からブレードを取り外しておく。ポンプユニット1のシリンダーアセンブリ3の組み立ては、まず、ブレード取付部24にピストン11を装着する。ブレードやピストン11の着脱は当て板25の下部側に設けられた図示しない着脱レバーを操作することによって簡単に行うことができる。ジグソー2にピストン11を取り付けたらジグソー2の当て板25にビス6,6で本体15を取り付ける。そして、予めシリンダ16とピストンガイド14とを一体に連結した状態で本体15の先端側から挿入し、ピストン11をピストンガイド14のピストン挿通孔14a及びシリンダ16の中空部16aに進入させる。尚、シリンダ16の中空部16b内には予めボール17と、コイルばね18と、ストッパ19は組み込まれている。そして、シリンダ16を回転させてネジ溝16dと本体15に設けられたネジ溝15dと螺合させる。これにより、シリンダ16及びピストンガイド14が本体15内に装着される。そして、本体15のカートリッジ取付部13に接着剤等の被吐出物を充填済みのカートリッジ4を嵌入(又はねじ込み)する。次いで、カートリッジ4を覆うようにして外筒5をカートリッジ取付部13に取り付ける。これにより、ポンプユニット1がジグソー2に取り付けられて使用可能状態となる。
次に、ポンプユニット1の動作について説明する。まず、使用者は電動工具の一つであるジグソー2を用意する。ジグソー2に図示しないブレードが取り付けられている場合には予めブレード取付部24からブレードを取り外しておく。ポンプユニット1のシリンダーアセンブリ3の組み立ては、まず、ブレード取付部24にピストン11を装着する。ブレードやピストン11の着脱は当て板25の下部側に設けられた図示しない着脱レバーを操作することによって簡単に行うことができる。ジグソー2にピストン11を取り付けたらジグソー2の当て板25にビス6,6で本体15を取り付ける。そして、予めシリンダ16とピストンガイド14とを一体に連結した状態で本体15の先端側から挿入し、ピストン11をピストンガイド14のピストン挿通孔14a及びシリンダ16の中空部16aに進入させる。尚、シリンダ16の中空部16b内には予めボール17と、コイルばね18と、ストッパ19は組み込まれている。そして、シリンダ16を回転させてネジ溝16dと本体15に設けられたネジ溝15dと螺合させる。これにより、シリンダ16及びピストンガイド14が本体15内に装着される。そして、本体15のカートリッジ取付部13に接着剤等の被吐出物を充填済みのカートリッジ4を嵌入(又はねじ込み)する。次いで、カートリッジ4を覆うようにして外筒5をカートリッジ取付部13に取り付ける。これにより、ポンプユニット1がジグソー2に取り付けられて使用可能状態となる。
そして、使用者は、ポンプユニット1が装着されたジグソー2を被吐出物の注入対象である場所や機器(例えば、クラックが発生している橋梁やトンネル等の該当場所、小型機器、建機、車両、農機具、遊園設備、ケーブルカー、鉄道設備、エレベーター等)へ持参する。そして、シリンダ16の先端(吐出口側)を注入箇所に向け、ジグソー2の電源スイッチ26を指で引いてオンにする。すると、ジグソー2のモータ22が起動し、運動変換機構23の往復運動に伴ってピストン11が往復運動を開始する。これにより、ピストン11の先端のピストン部11aがポンプユニット1のピストンガイド14内を往復し、ピストン挿通孔14a及び中空部16a内には負圧状態と加圧状態とが交互に生じる。
つまり、ピストン部11aが図2及び図3の右側へ移動したときには、ピストン11のピストン部11aがピストン挿通孔14a及び中空部16a内に吸引された被吐出物(例えば、高粘度接着剤)を図示の右方向へ押し出す。このとき、コイルばね18の付勢力に抗してボール17を開口孔15b右側へ移動させ、ピストン挿通孔14a及び中空部16a内にある被吐出物は中空部16bの開口端から吐出される。一方、ピストン11のピストン部11aがピストン挿通孔14a内の左側へ移動したときには、ピストン挿通孔14a及び中空部16a内に負圧が生じてボール17が中空部16a側へ引き寄せられると共に、カートリッジ4内の被吐出物がピストン挿通孔14a及び中空部16aへ吸引される。ブレード取付部24の往復運動によって、このような動作が交互に繰り返されて連続的に被吐出物が中空部16bの開口端から次々に吐出される。必要量の被吐出物が注入すべき箇所に注入されたら使用者は電源スイッチ26から指を離すとモータ22の通電が断たれ、ピストン11の往復運動が停止して被吐出物の吐出が終了する。
[第一の実施形態の効果]
第一の実施形態に係るポンプユニットによれば、ジグソー2等の電動工具を駆動源にしてピストン11を動かしてカートリッジ4内のグリースをシリンダ16に充填し、被吐出物をシリンダ16から吐出されるようにしたので、特殊な工具を使用することなく、少ない部品数による簡単な構成により、安価に被吐出物の注入が誰にでも行うことができるという効果がある。
第一の実施形態に係るポンプユニットによれば、ジグソー2等の電動工具を駆動源にしてピストン11を動かしてカートリッジ4内のグリースをシリンダ16に充填し、被吐出物をシリンダ16から吐出されるようにしたので、特殊な工具を使用することなく、少ない部品数による簡単な構成により、安価に被吐出物の注入が誰にでも行うことができるという効果がある。
また、本実施形態に係るポンプユニットは、例えば、被吐出物として、水やオイル等の低粘度のものはいうまでもなく、コンクリートの補強、補修、防水・止水の割れ目への高圧注入工法に利用される接着剤やコーキング剤、機械類のグリース等の高粘度のものを吐出することができる。また、本実施形態に係るポンプユニットは分解、組立、洗浄が容易なことから、被吐出物の変更に容易に対応することができるという効果がある。
また、本実施形態に係るポンプユニットは、市販の各種のジグソーを適用できるので、媒体の粘度、必要なパワー等(即ち、作業の負荷)に応じて適宜最適なサイズ及び重量を選択できるとともに、ジグソーを変更した場合でもポンプユニットは共通に使用できるという効果がある。
2.第二の実施形態
次に、本発明に係るポンプユニットの第二の実施形態について説明する。図4(a)は側面図、同図(b)は平面図である。本実施形態は第一の実施形態においてボール17に代えて柱状の逆止弁7を用い、その形状に合わせてシリンダ16の内径を変更したものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。即ち、逆止弁7は中間部に対して両側が細径(ジグソー2側は中空部15aに嵌入可能)にされた構造を有し、コイルばね18によってジグソー2方向へ附勢されている。尚、逆止弁7の機能はボール17と同じである。
次に、本発明に係るポンプユニットの第二の実施形態について説明する。図4(a)は側面図、同図(b)は平面図である。本実施形態は第一の実施形態においてボール17に代えて柱状の逆止弁7を用い、その形状に合わせてシリンダ16の内径を変更したものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。即ち、逆止弁7は中間部に対して両側が細径(ジグソー2側は中空部15aに嵌入可能)にされた構造を有し、コイルばね18によってジグソー2方向へ附勢されている。尚、逆止弁7の機能はボール17と同じである。
[第二の実施形態の効果]
第二の実施形態に係るポンプユニットによっても、第一の実施形態と同様の効果を得ることができる。
第二の実施形態に係るポンプユニットによっても、第一の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。例えば、駆動源としてジグソーを用いたが、出力端が往復動する構造を有する電動工具であれば適用可能である。
1 ポンプユニット
2 ジグソー
3 シリンダーアセンブリ
4 カートリッジ
5 外筒
6 ビス
7 逆止弁
8 Oリング
11 ピストン
11a ピストン部
13 カートリッジ取付部
14 ピストンガイド
14a ピストン挿通孔
15 本体
15a 中空部
15b 開口孔
15c 鍔
15d ネジ溝
16 シリンダ
16a,16b 中空部
16d ネジ溝
17 ボール
18 コイルばね
19 ストッパ
20 本体
21 二次電池
22 モータ
23 運動変換機構
24 ブレード取付部
25 当て板
26 電源スイッチ
2 ジグソー
3 シリンダーアセンブリ
4 カートリッジ
5 外筒
6 ビス
7 逆止弁
8 Oリング
11 ピストン
11a ピストン部
13 カートリッジ取付部
14 ピストンガイド
14a ピストン挿通孔
15 本体
15a 中空部
15b 開口孔
15c 鍔
15d ネジ溝
16 シリンダ
16a,16b 中空部
16d ネジ溝
17 ボール
18 コイルばね
19 ストッパ
20 本体
21 二次電池
22 モータ
23 運動変換機構
24 ブレード取付部
25 当て板
26 電源スイッチ
Claims (5)
- ジグソー等の駆動端が往復運動をする電動工具に後付けで取り付けることにより前記電動工具を駆動源として使用するためのポンプユニットにおいて、
被吐出物を収容したカートリッジを取り付けるための取付部を備え、前記ジグソーに固定される本体と、
前記本体の先端側に取り付けられた逆止弁を備えたシリンダと、
軸方向に往復動する前記ジグソーのロッドに着脱可能に取り付けられるピストンと、
前記シリンダと連結されて前記本体内に配置されるピストンを案内するピストンガイドと、
を備えて構成されていることを特徴とするポンプユニット。 - 請求項1に記載のポンプユニットにおいて、
前記ピストンガイドと前記シリンダとを弾性係合によって一体に連結したことを特徴するポンプユニット。 - 請求項2に記載のポンプユニットにおいて、
前記本体の内周面に設けた第一のネジ部と、前記シリンダの外周面に設けた第二のネジ部とを螺合させることにより前記シリンダを前記本体から着脱自在に形成したことを特徴とするポンプユニット。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のポンプユニットにおいて、
前記ピストンガイドは自己潤滑性の樹脂により形成したことを特徴とするポンプユニット。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のポンプユニットにおいて、
前記カートリッジは、合成樹脂製であり、前記取付部にネジ止めによって固定されることを特徴するポンプユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012158707A JP2014020251A (ja) | 2012-07-17 | 2012-07-17 | ポンプユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012158707A JP2014020251A (ja) | 2012-07-17 | 2012-07-17 | ポンプユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014020251A true JP2014020251A (ja) | 2014-02-03 |
Family
ID=50195448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012158707A Pending JP2014020251A (ja) | 2012-07-17 | 2012-07-17 | ポンプユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014020251A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6330879Y2 (ja) * | 1985-08-30 | 1988-08-17 | ||
JPH0663870U (ja) * | 1993-02-17 | 1994-09-09 | 広和株式会社 | 可搬式粘性流体供給ポンプ |
JPH0680875U (ja) * | 1993-04-19 | 1994-11-15 | 広和株式会社 | 可搬式粘性流体供給ポンプ |
JP2002144255A (ja) * | 2000-11-06 | 2002-05-21 | Hitachi Ltd | リニアモータ付電動工具 |
-
2012
- 2012-07-17 JP JP2012158707A patent/JP2014020251A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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A02 | Decision of refusal |
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