JP2014019627A - 強化ガラス及び表示デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】強化処理後にスクライブ切断されているにもかかわらず、端面強度が高い強化ガラスを提供する。
【解決手段】表面に圧縮応力層を有する強化ガラスであって、強化処理後にスクライブ切断されており、且つ切断面の全部又は一部が物理加工又はエッチング処理されていないことを特徴とする。強化ガラスの表面圧縮応力層厚みは1.0mm以下であり、ガラス組成として、質量%で、SiO2 40〜71%、Al2O3 7〜23%、Li2O 0〜1%、Na2O 7〜20%、K2O 0〜15%を含有することを特徴とする強化ガラス。
【選択図】図1

Description

本発明は、強化ガラスに関し、特に、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等の表示デバイスに用いるカバーガラスに好適な強化ガラスに関する。また、本発明は、表示デバイスに関し、特に、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)等の表示デバイスに関する。
携帯電話、デジタルカメラ、PDA、タッチパネルディスプレイ、大型テレビ等の表示デバイスは、益々普及する傾向にある。
従来、これらの用途では、ディスプレイを保護するための保護部材としてアクリル等の樹脂板が用いられていた。しかし、樹脂板は、ヤング率が低いため、ペンや人の指等でディスプレイの表示面が押された場合に撓み易い。このため、樹脂板が内部のディスプレイに接触して、表示不良が発生することがあった。また、樹脂板は、表面に傷が付き易く、視認性が低下し易いという問題もあった。これらの問題を解決する方法は、保護部材としてガラス板を用いることである。この用途のガラス板には、(1)高い機械的強度を有すること、(2)低密度で軽量であること、(3)安価で多量に供給できること、(4)泡品位に優れること、(5)可視域において高い光透過率を有すること、(6)ペンや指等で表面を押した際に撓み難いように高いヤング率を有すること等が要求される。特に、(1)の要件を満たさない場合は、保護部材として用を足さなくなるため、従来からイオン交換処理により強化した強化ガラスが用いられている(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
従来まで、強化ガラスは、予め強化用ガラスを所定形状にスクライブ切断した後、イオン交換処理を行うこと、所謂、「強化前切断」で作製されていたが、近年、大型の強化用ガラスをイオン交換処理した後、所定サイズにスクライブ切断すること、所謂、「強化後切断」が検討されている。強化後切断を行うと、強化ガラスや各種デバイスの製造効率が飛躍的に向上する。
特開2006−83045号公報 特開2011−88763号公報
泉谷徹郎等、「新しいガラスとその物性」、初版、株式会社経営システム研究所、1984年8月20日、p.451−498
強化後切断を行う場合、切断面は、新たに発生した面になり、強化処理が行われていない面になる。そして、この場合、切断面には、微小クラック(クラックソース)が不可避的に生じる。このため、強化後切断された強化ガラスは、強化前切断された強化ガラスよりも機械的強度、特に端面強度が低くなると考えられていた。
従来までは、この切断面に対して、面取り加工、ファイアポリッシュ等の物理加工やエッチング処理を行い、切断面(特に表面と切断面が交差する端縁領域)に存在する微小クラックを除去して、端面強度を高める方法が採用されていた。
しかし、切断面に対して、物理加工やエッチング処理を行ったとしても、所望の端面強度が得られず、未だ改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、強化処理後にスクライブ切断されているにもかかわらず、端面強度が高い強化ガラスを創案することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、意外なことに、強化後切断された強化ガラスの切断面に対して、敢えて面取り加工等の後加工を行わないことにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の強化ガラスは、表面に圧縮応力層を有する強化ガラスであって、強化処理後にスクライブ切断されており、且つ切断面の全部又は一部が物理加工又はエッチング処理されていないことを特徴とする。
本発明者の調査によれば、強化処理後にスクライブ切断すると、表面の圧縮応力層の影響により、切断面にも一定の圧縮応力が生じる。特に、強化ガラスの厚みが小さい程、切断面に生じる圧縮応力が大きくなる。このような強化ガラスの切断面に対して、物理加工又はエッチング処理を行うと、切断面に生じた圧縮応力が消失して、物理加工又はエッチング処理を行わない場合よりも、強化ガラスの端面強度が低下する。そこで、本発明では、切断面の全部又は一部に対して、物理加工又はエッチング処理を敢えて行わず、そのままの状態で使用することにより、強化ガラスの端面強度を向上させている。この場合、強化ガラスの切断面は、微小クラックが除去されていない状態になるが、この微小クラックは、切断面に生じた圧縮応力により、その進展が抑制される。
また、本発明の強化ガラスは、強化処理後にスクライブ切断されており、且つ切断面の全部又は一部が物理加工又はエッチング処理されていないため、製造コストを大幅に下げることができる。
第二に、本発明の強化ガラスは、強化ガラスの表面にスクライブラインを形成した後、該スクライブラインに沿って、分断されてなることが好ましい。このようにすれば、切断時に意図しないクラックが進展し難くなる。スクライブラインに沿って、強化ガラスを分断するには、スクライブラインの形成中に、強化ガラスが自己破壊されないことが重要になる。自己破壊とは、強化ガラスの表面に存在する圧縮応力、内部に存在する引っ張り応力の影響により、応力深さより深いダメージを受けた場合に、強化ガラスが自発的に破壊される現象である。スクライブラインの形成中に強化ガラスの自己破壊が始まると、所望の切断を行うことが困難になる。このために、スクライブラインの深さを応力深さの10倍以内、5倍以内、特に3倍内に規制することが好ましい。なお、スクライブラインの形成には、作業性の点で、ダイヤモンドホイールチップ等を用いることが好ましい。
第三に、本発明の強化ガラスは、厚みが1.0mm以下であることが好ましい。厚みが小さい程、表面の圧縮応力層の影響により、切断面にも圧縮応力が発生し易くなり、切断面に物理加工又はエッチング処理を行わなくても、切断面の機械的強度が低下し難くなる。
第四に、本発明の強化ガラスは、強化ガラスが、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜71%、Al 7〜23%、LiO 0〜1%、NaO 7〜20%、KO 0〜15%を含有することが好ましい。このようにすれば、イオン交換性能と耐失透性を高いレベルで両立し易くなる。
第五に、本発明の強化ガラスは、圧縮応力層の圧縮応力値が400MPa以上であり、且つ応力深さが15μm以上であることが好ましい。このようにすれば、所望の機械的強度を確保し易くなる。ここで、「圧縮応力層の圧縮応力値」と「応力深さ」は、表面応力計(例えば、折原製作所製FSM−6000)を用いて、評価試料を観察した際に、観察される干渉縞の本数とその間隔から算出される値を指す。
第六に、本発明の強化ガラスは、強化ガラスが、未研磨の表面を有することが好ましい。このようにすれば、強化ガラスの生産性が向上する共に、表面の機械的強度を高め易くなる。
第七に、本発明の強化ガラスは、強化ガラスが、オーバーフローダウンドロー法又はフロート法により成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法で成形すれば、未研磨で表面品位が良好なガラス板を作製し易くなり、また薄型のガラス板を作製し易くなり、結果として、強化ガラスの表面の機械的強度を高め易くなる。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を成形する方法である。また、フロート法で成形すれば、大型のガラス板を効率良く作製することができる。
第八に、本発明の表示デバイスは、表示部を保護するカバーガラスを備える表示デバイスであって、カバーガラスが、上記の強化ガラスであることを特徴とする。
第九に、本発明の表示デバイスは、スクライブラインが形成された側の強化ガラスの表面が外側(例えば、タッチパネルディスプレイの場合、指やペン等で押される側)になっていることが好ましい。スクライブラインが形成された側の表面は、スクライブラインが形成されていない側の表面によりも初期傷が多い。このため、スクライブラインが形成された側の表面を外側にすれば、ペンや指等で表面を押す際に、スクライブラインが形成された側の表面に引っ張り応力が生じ難くなり、結果として、強化ガラスの破壊等を防止し易くなる。
第十に、本発明の表示デバイスは、スクライブラインが形成されていない側の強化ガラスの表面に透明導電膜(例えば、ITO)が形成されていることが好ましい。このようにすれば、スクライブラインが形成されている側の強化ガラスの表面を外側に配置し易くなる。また、スクライブラインの形成時に、ガラス粉等により透明導電膜等を汚染する事態を防止し易くなる。
第十一に、本発明の表示デバイスは、強化ガラスが、外側に凸に反っていることが好ましい。このようにすれば、ペンや指等で表面を押す際に、強化ガラスの外側の表面に圧縮応力が生じ、結果として、強化ガラスの外側の表面状態に起因した強化ガラスの破壊等を防止し易くなる。
第十二に、本発明の表示デバイスは、表示デバイスが更に筐体を備え、該筐体の全部又は一部が、強化ガラスの切断面に接触していないことが好ましい。
第十三に、本発明の表示デバイスは、強化ガラスと筐体が樹脂により固定されていることが好ましい。
第十四に、本発明の表示デバイスは、強化ガラスの切断面が外部に露出していないことが好ましい。
実施例の欄に示す試料No.1、2の四点曲げ試験の結果を示すデータである。
本発明の強化ガラスは、その表面に圧縮応力層を有する。表面に圧縮応力層を形成する方法として、物理強化法と化学強化法がある。本発明の強化ガラスは、化学強化法で作製されてなることが好ましい。
化学強化法は、ガラスの歪点以下の温度でイオン交換処理によりガラス表面にイオン半径が大きいアルカリイオンを導入する方法である。化学強化法で圧縮応力層を形成すれば、ガラスの厚みが小さい場合でも、圧縮応力層を適正に形成し得ると共に、圧縮応力層を形成した後に、強化ガラスを切断しても、風冷強化法等の物理強化法のように、強化ガラスが容易に破壊しない。
イオン交換溶液、イオン交換温度及びイオン交換時間は、ガラスの粘度特性等を考慮して決定すればよい。特に、強化用ガラス中のNa成分を硝酸カリウム溶液中のKイオンとイオン交換処理すると、ガラス表面に圧縮応力層を効率良く形成することができる。
本発明の強化ガラスは、強化処理後にスクライブ切断されている。強化ガラスをスクライブ切断する場合、スクライブ傷の深さが応力厚みより大きく、且つ内部の引っ張り応力値が40MPa以下であることが好ましい。また、強化ガラスの端から5mm以上離れた領域から、スクライブを開始することが好ましく、強化ガラスの端から5mm以上離れた領域で、スクライブを終了することが好ましい。このようにすれば、スクライブ時に意図しない割れが発生し難くなり、強化後スクライブ切断を適正に行い易くなる。ここで、内部の引っ張り応力値は、以下の式で算出される値である。
内部の引っ張り応力値=(圧縮応力値×応力深さ)/(厚み−応力深さ×2)
本発明の強化ガラスは、切断面の全部又は一部が物理加工又はエッチング処理されていない。また、本発明の強化ガラスは、表面と切断面が交差する端縁領域の全部又は一部が物理加工又はエッチング処理されていないことが好ましい。ここで、物理加工には、面取り処理(研磨処理)、ファイアポリッシュ等を指す。切断面の全部について、物理加工又はエッチング処理を行わない場合、強化ガラスの製造コストを顕著に低廉化することができる。なお、強化ガラスの表面方向の角部について、機械的強度を高めるために、角面取り又はR面取りしてもよい。
本発明の強化ガラスにおいて、厚みは1.0mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、特に0.5mm以下が好ましい。このようにすれば、表面の圧縮応力層の影響により、切断面に圧縮応力が生じ易くなり、切断面に物理加工又はエッチング処理を行わなくても、切断面の機械的強度が低下し難くなる。一方、厚みが小さ過ぎると、所望の機械的強度を得難くなる。よって、厚みは0.1mm以上が好ましい。
本発明の強化ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜71%、Al 7〜23%、LiO 0〜1%、NaO 7〜20%、KO 0〜15%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、特に断りがある場合を除き、%表示は質量%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は、好ましくは40〜71%、40〜70%、40〜63%、45〜63%、50〜59%、特に55〜58.5%である。SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下したり、熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。一方、SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また熱膨張係数が高くなり、耐熱衝撃性が低下し易くなる。
Alは、イオン交換性能を高める成分である。また、Alは、歪点やヤング率を高める効果もある。Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法による成形が困難になる。また、Alの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなったり、高温粘性が高くなり溶融し難くなる。一方、Alの含有量が少な過ぎると、十分なイオン交換性能を発揮できない虞が生じる。上記観点から、Alの好適な上限範囲は、23%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、特に16.5%以下であり、またAlの好適な下限範囲は、7%以上、7.5%以上、8.5%以上、9%以上、10%以上、11%以上、特に12%以上である。
LiOは、イオン交換成分であると共に、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、LiOは、ヤング率を高める成分である。更にLiOは、アルカリ金属酸化物の中では圧縮応力値を高める効果が高い。しかし、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下して、ガラスが失透し易くなる。また、LiOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。更に、低温粘性が低下し過ぎて、応力緩和が起こり易くなり、かえって圧縮応力値が低くなる場合がある。よって、LiOの含有量は、好ましくは0〜1%、0〜0.5%、0〜0.1%であり、実質的に含有しないこと、つまり0.01%未満に抑えることが望ましい。
NaOは、イオン交換成分であると共に、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaOは、耐失透性を改善する成分でもある。NaOの含有量は、好ましくは7〜20%、10〜20%、10〜19%、12〜19%、12〜17%、13〜17%、特に14〜17%である。NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。また、NaOの含有量が多過ぎると、歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成のバランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。一方、NaOの含有量が少ないと、溶融性が低下したり、熱膨張係数が低くなり過ぎたり、イオン交換性能が低下し易くなる。
Oは、イオン交換を促進する効果があり、アルカリ金属酸化物の中では応力深さを大きくする効果が高い。また、KOは、高温粘度を低下させて溶融性や成形性を高める成分である。更に、KOは、耐失透性を改善する成分でもある。KOの含有量は0〜15%が好ましい。KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。更に、歪点が低下し過ぎたり、ガラス組成のバランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。よって、KOの好適な上限範囲は12%以下、10%以下、8%以下、特に6%以下である。
アルカリ金属酸化物RO(RはLi、Na、Kから選ばれる1種以上)の合量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料と熱膨張係数が整合し難くなる。また、アルカリ金属酸化物ROの合量が多過ぎると、歪点が低下し過ぎて、高い圧縮応力値が得られない場合がある。更に、液相温度付近の粘性が低下し、高い液相粘度を確保することが困難となる場合がある。よって、ROの合量は、好ましくは22%以下、20%以下、特に19%以下である。一方、ROの合量が少な過ぎると、イオン交換性能や溶融性が低下する場合がある。よって、ROの合量は、好ましくは8%以上、10%以上、13%以上、特に15%以上である。
上記成分以外にも、以下の成分を添加してもよい。
例えばアルカリ土類金属酸化物R’O(R’はMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上)は、種々の目的で添加可能な成分である。しかし、アルカリ土類金属酸化物R’Oが多くなると、密度や熱膨張係数が高くなったり、耐失透性が低下することに加えて、イオン交換性能が低下する傾向がある。よって、アルカリ土類金属酸化物R’Oの合量は、好ましくは0〜9.9%、0〜8%、0〜6%、特に0〜5%である。
MgOは、高温粘度を低下させて溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が高い。しかし、MgOの含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなる。MgOの含有量は、好ましくは0〜9%、特に1〜8%である。
CaOは、高温粘度を低下させて溶融性や成形性を高めたり、歪点やヤング率を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、イオン交換性能を高める効果が高い。CaOの含有量は0〜6%が好ましい。しかし、CaOの含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなったり、更にはイオン交換性能が低下する場合がある。したがって、CaOの含有量は、好ましくは0〜4%、0〜3%、0〜2%、0〜1%、特に0〜0.1%である。
SrO及びBaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を向上させたり、歪点やヤング率を高める成分であり、その含有量は各々0〜3%が好ましい。SrOやBaOの含有量が多くなると、イオン交換性能が低下したり、密度、熱膨張係数が高くなったり、ガラスが失透し易くなる。SrOの含有量は、好ましくは2%以下、1.5%以下、1%以下、0.5%以下、0.2%以下、特に0.1%以下である。また、BaOの含有量は、好ましくは2.5%以下、2%以下、1%以下、0.8%以下、0.5%以下、0.2%以下、特に0.1%以下である。
ZrOは、イオン交換性能を顕著に高めると共に、ヤング率や歪点を高くし、高温粘性を低下させる効果がある。更に、液相粘度付近の粘性を高める効果があるため、所定量含有させることで、イオン交換性能と液相粘度を同時に高めることができる。但し、ZrOの含有量が多くなり過ぎると、耐失透性が極端に低下する場合がある。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0〜10%、0.001〜10%、0.1〜9%、0.5〜7%、0.8〜5%、1〜5%、2.5〜5%である。
は、液相温度、高温粘度、密度を低下させる効果を有すると共に、イオン交換性能、特に圧縮応力値を高める効果を有する。しかし、Bの含有量が多過ぎると、イオン交換処理によって表面にヤケが発生したり、耐水性が低下したり、液相粘度が低下する虞がある。また、Bの含有量が多過ぎると、応力深さが低下する傾向にある。よって、Bの含有量は、好ましくは0〜6%、0〜3%、0〜1%、0〜0.5%、特に0〜0.1%である。
TiOは、イオン交換性能を高める効果があり、また高温粘度を低下させる効果がある。しかし、TiOの含有量が多過ぎると、ガラスが着色したり、失透性が低下したり、密度が高くなる。特に、ディスプレイのカバーガラスとして使用する場合、TiOの含有量が多くなると、溶融雰囲気や原料を変更した時、透過率が変化し易くなる。そのため紫外線硬化樹脂等の光を利用して強化ガラスをデバイスに接着する工程において、紫外線照射条件が変動し易くなり、安定生産が困難となる。よって、TiOの含有量は、好ましくは10%以下、8%以下、6%以下、5%以下、4%以下、2%以下、0.7%以下、0.5%以下、0.1%以下、特に0.01%以下である。
は、イオン交換性能を高める成分であり、特に、応力厚みを大きくする効果が高い成分である。しかし、Pの含有量が多くなると、ガラスが分相したり、耐水性や耐失透性が低下し易くなる。よって、Pの含有量は、好ましくは5%以下、4%以下、3%以下、特に2%以下である。
清澄剤として、As、Sb、CeO、F、SO、Clの群から選択された一種又は二種以上を0.001〜3%含有させてもよい。但し、As及びSbは環境に対する配慮から、使用は極力控えることが好ましく、各々の含有量を0.1%未満、更には0.01%未満に制限することが望ましい。また、CeOは、透過率を低下させる成分であるため、その含有量を0.1%未満、更には0.01%未満に制限することが望ましい。また、Fは、低温粘性の低下により、圧縮応力値の低下を招く虞があるため、その含有量を0.1%未満、特に0.01%未満に制限することが好ましい。よって、好ましい清澄剤は、SOとClであり、SOとClの1者又は両者を、0〜3%、0.001〜1%、0.01〜0.5%、更には0.05〜0.4%添加することが好ましい。
NbやLa等の希土類酸化物は、ヤング率を高める成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また多量に含有させると耐失透性が低下する。よって、それらの含有量は、好ましくは3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
CoO、NiO等の遷移金属酸化物は、ガラスを強く着色させて、強化ガラスの透過率を低下させる虞がある。特に、タッチパネルディスプレイ用途に用いる場合、遷移金属酸化物の含有量が多いと、タッチパネルディスプレイの視認性が損なわれる。よって、遷移金属酸化物の含有量が0.5%以下、0.1%以下、特に0.05%以下となるように、原料又はカレットの使用量を調整することが望ましい。
本発明の強化ガラスは、上記の通り、表面に圧縮応力層を有している。圧縮応力層の圧縮応力値は、好ましくは300MPa以上、400MPa以上、500MPa以上、特に600MPa以上である。圧縮応力値が大きい程、強化ガラスの機械的強度が高くなる。一方、圧縮応力値が大き過ぎると、強化ガラスをスクライブ切断し難くなる。よって、圧縮応力層の圧縮応力値は、好ましくは1500MPa以下、1200MPa以下、1000MPa以下、特に900MPa以下である。なお、ガラス組成中のAl、TiO、ZrO、MgO、ZnOの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。また、イオン交換時間を短くしたり、イオン交換溶液の温度を下げれば、圧縮応力値が大きくなる傾向がある。
応力深さは、好ましくは10μm以上、15μm以上、20μm以上、特に25μm以上である。応力深さが大きい程、強化ガラスに深い傷が付いても、強化ガラスが割れ難くなると共に、機械的強度のばらつきが小さくなる。一方、応力深さが大き過ぎると、強化ガラスをスクライブ切断し難くなる。応力深さは、好ましくは100μm以下、80μm未満、60μm以下、特に50μm未満である。なお、ガラス組成中のKO、Pの含有量を増加させたり、SrO、BaOの含有量を低減すれば、応力深さが大きくなる傾向がある。また、イオン交換時間を長くしたり、イオン交換溶液の温度を上げれば、応力深さが大きくなる傾向がある。
本発明の強化ガラスにおいて、密度は2.6g/cm以下、特に2.55g/cm以下が好ましい。密度が低い程、強化ガラスを軽量化することができる。なお、ガラス組成中のSiO、B、Pの含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、ZrO、TiOの含有量を低減すれば、密度が低下し易くなる。
本発明の強化ガラスにおいて、熱膨張係数は、好ましくは80×10−7〜120×10−7/℃、85×10−7〜110×10−7/℃、90×10−7〜110×10−7/℃、特に90×10−7〜105×10−7/℃である。熱膨張係数を上記範囲に規制すれば、金属、有機系接着剤等の部材の熱膨張係数に整合し易くなり、金属、有機系接着剤等の部材の剥離を防止し易くなる。ここで、「熱膨張係数」は、ディラトメーターを用いて、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を測定した値を指す。なお、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を増加すれば、熱膨張係数が高くなり易く、逆にアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の含有量を低減すれば、熱膨張係数が低下し易くなる。
本発明の強化ガラスにおいて、歪点は、好ましくは500℃以上、520℃以上、530℃以上、特に550℃以上である。歪点が高い程、耐熱性が向上し、強化ガラスを熱処理する場合、圧縮応力層が消失し難くなる。更にタッチパネルセンサー等のパターニングにおいて、高品位な膜を形成し易くなる。なお、ガラス組成中のアルカリ土類金属酸化物、Al、ZrO、Pの含有量を増加させたり、アルカリ金属酸化物の含有量を低減すれば、歪点が高くなり易い。
本発明の強化ガラスにおいて、104.0dPa・sにおける温度は、好ましくは1280℃以下、1230℃以下、1200℃以下、1180℃以下、特に1160℃以下である。ここで、「104.0dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。104.0dPa・sにおける温度が低い程、成形設備への負担が軽減されて、成形設備が長寿命化し、結果として、強化ガラスの製造コストを低廉化し易くなる。なお、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、B、TiOの含有量を増加させたり、SiO、Alの含有量を低減すれば、104.0dPa・sにおける温度が低下し易くなる。
本発明の強化ガラスにおいて、102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1620℃以下、1550℃以下、1530℃以下、1500℃以下、特に1450℃以下である。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定した値を指す。102.5dPa・sにおける温度が低い程、低温溶融が可能になり、溶融窯等のガラス製造設備への負担が軽減されると共に、泡品位を高め易くなる。よって、102.5dPa・sにおける温度が低い程、強化ガラスの製造コストを低廉化し易くなる。なお、102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当する。また、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ZnO、B、TiOの含有量を増加させたり、SiO、Alの含有量を低減すれば、102.5dPa・sにおける温度が低下し易くなる。
本発明の強化ガラスにおいて、液相温度は、好ましくは1200℃以下、1150℃以下、1100℃以下、1050℃以下、1000℃以下、950℃以下、900℃以下、特に880℃以下である。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を指す。なお、液相温度が低い程、耐失透性や成形性が向上する。また、ガラス組成中のNaO、KO、Bの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減すれば、液相温度が低下し易くなる。
本発明の強化ガラスにおいて、液相粘度は、好ましくは104.0dPa・s以上、104.4dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.4dPa・s以上、105.6dPa・s以上、106.0dPa・s以上、106.2dPa・s以上、特に106.3dPa・s以上である。ここで、「液相粘度」は、液相温度における粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。なお、液相粘度が高い程、耐失透性や成形性が向上する。また、ガラス組成中のNaO、KOの含有量を増加させたり、Al、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrOの含有量を低減すれば、液相粘度が高くなり易い。
本発明の強化ガラスは、未研磨の表面を有することが好ましく、特に両表面が未研磨であることが好ましく、また未研磨の表面の平均表面粗さ(Ra)は好ましくは10Å以下、より好ましくは5Å以下、より好ましくは4Å以下、更に好ましくは3Å以下、最も好ましくは2Å以下である。なお、平均表面粗さ(Ra)はSEMI D7−97「FPDガラス基板の表面粗さの測定方法」に準拠した方法により測定すればよい。ガラスの理論強度は本来非常に高いが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラス表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥が成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。それ故、強化ガラスの表面を未研磨とすれば、本来の強化ガラスの機械的強度が維持されて、強化ガラスが破壊し難くなる。また、強化処理後にスクライブ切断を行う際に、表面が未研磨であると、スクライブ切断時に不当なクラック、破損等が生じ難くなる。更に、強化ガラスの表面を未研磨とすれば、研磨工程を省略し得るため、強化ガラスの製造コストを下げることができる。なお、未研磨の表面を得るためには、オーバーフローダウンドロー法でガラスを成形すればよい。
本発明の強化ガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されていることが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラス板を成形し易くなり、結果として、強化ガラスの表面の機械的強度を高め易くなる。この理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、表面となるべき面が樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されるからである。更に、オーバーフローダウンドロー法であれば、厚み0.5mm以下のガラス板を適正に成形することができる。樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うために、ガラスに対して力を印加する方法は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
本発明の強化ガラスは、オーバーフローダウンドロー法以外にも、スロットダウンドロー法、フロート法、ロールアウト法、リドロー法等で成形することもできる。
本発明の表示デバイスは、表示部を保護するカバーガラスを備える表示デバイスであって、カバーガラスが、上記の強化ガラスであることを特徴とする。本発明の表示デバイスは、本発明の強化ガラスにより享受し得る効果を有することになる。
本発明の表示デバイスは、スクライブラインが形成された側の強化ガラスの表面が外側になっていることが好ましい。スクライブラインが形成された側の表面は、スクライブラインが形成されていない側の表面によりも初期傷が多い。このため、スクライブラインが形成された側の表面を外側にすれば、ペンや指等で表面を押す際に、スクライブラインが形成された側の表面に引っ張り応力が生じ難くなり、結果として、強化ガラスの破壊等を防止し易くなる。
強化ガラスがフロート法で成形されている場合、成形時の錫バス側の表面(所謂、ボトム面)にスクライブラインを形成し、且つそのスクライブラインが形成された側の表面を表示デバイスの外側に配置することが好ましい。このようにすれば、強化ガラスの破壊等を効果的に防止することができる。なお、本発明者の調査により、錫バス側の表面の方が、もう一方の表面によりも、機械的強度が高くなることが判明している。
本発明の表示デバイスは、スクライブラインが形成されていない側の強化ガラスの表面に透明導電膜が形成されていることが好ましい。このようにすれば、スクライブラインが形成されている側の強化ガラスの表面を外側に配置し易くなる。また、スクライブラインの形成時に、ガラス粉等により透明導電膜等を汚染する事態を防止し易くなる。透明導電膜の形成方法として、CVD法、スパッタ法等の公知の方法が利用可能である。
本発明の表示デバイスは、強化ガラスが、外側に凸に反っていることが好ましい。このようにすれば、ペンや指等で強化ガラスの外側の表面を押す際に、外側の表面に圧縮応力が生じ、結果として、外側の表面に起因した強化ガラスの破壊等を防止し易くなる。ここで、強化ガラスを凸に反った状態にする方法として、おもて面と裏面の表層の組成状態を変化させたガラスを用いて、イオン交換処理する方法、成形時にローラー等によりガラスを湾曲させる方法、強化ガラスの切断面方向から押圧力を付与する方法が挙げられる。なお、フロート法でガラスを成形すると、おもて面と裏面の表層の組成状態が変化し易くなる。
本発明の表示デバイスは、更に筐体を備え、該筐体の全部又は一部が、強化ガラスの切断面に接触していないことが好ましい。このようにすれば、筐体と強化ガラスの切断面が接触して、切断面に存在する微小クラックが進展する事態を防止し易くなる。
本発明の表示デバイスは、強化ガラスと筐体が樹脂により固定されていることが好ましい。このようにすれば、強化ガラスの切断面を保護しつつ、強化ガラスを筐体に固定することができる。なお、樹脂として、公知のものが使用可能である。
本発明の表示デバイスは、強化ガラスの切断面が外部に露出していないことが好ましい。このようにすれば、強化ガラスの切断面に衝撃が加わり、切断面に存在する微小クラックが進展する事態を防止し易くなる。なお、筐体内に強化ガラスを収容し、必要であれば、筐体と強化ガラスの切断面の間の隙間を樹脂等で塞ぐと、強化ガラスの切断面が外部に露出しないようにすることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1)及び比較例(試料No.2)を示している。
次のようにして、試料No.1を作製した。最初に、寸法150mm×180mm×0.7mm厚の強化用ガラスを用意した。この強化用ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 57.4%、Al 13%、B 2%、MgO 2%、CaO 2%、LiO 0.1%、NaO 14.5%、KO 5%,ZrO 4%を含有する。この強化用ガラスは、オーバーフローダウンドロー法により成形されており、表面が未研磨である。
上記強化用ガラスを400℃の硝酸カリウム溶液に80分間浸漬することにより、イオン交換処理を行い、強化ガラスを得た。次に、得られた強化ガラスを380℃に保持された槽に移動して、105分間の熱処理を行った。熱処理後に、強化ガラスを常温環境下に取り出した。続いて、得られた強化ガラスを洗浄した後、表面応力計(株式会社折原製作所製FSM−6000)を用いて観察される干渉縞の本数とその間隔から圧縮応力値と応力深さを算出した。算出に当たり、試料の屈折率を1.53、光学弾性定数を28[(nm/cm)/MPa]とした。その結果、圧縮応力値は600MPa、応力深さは25μmであった。
更に、得られた強化ガラスをスクライブ切断して、寸法40mm×80mm×0.7mm厚の強化ガラスを得た。スクライブ切断に際し、ダイヤモンドホイールチップを用い、50mm/秒の速度で強化ガラスの表面にスクライブラインを形成した。そして、スクライブラインに沿って、引っ張り応力がかかるように、押圧力を付与して、所定形状に分断した。
スクライブ切断後の試料No.1について、四点曲げ試験を行った。四点曲げ試験の条件は、上側支持棒のスパン:25mm、下側支持棒のスパン:50mm、上側支持棒の下降速度:5mm/分とした。なお、スクライブラインが形成された側の表面を上側支持棒と接触させた。その結果を表1、図1に示す。
次に、試料No.1と同様の方法で、試料No.2を作製した。試料No.2は、切断面に面取り加工が行われており、その点のみが、試料No.1と異なっている。なお、試料No.2の切断面には、鏡面研削加工により、C面取り面(板厚方向の面取り寸法0.1mm)が形成されている。
スクライブ切断後の試料No.2について、四点曲げ試験を行った。四点曲げ試験の条件は、上側支持棒のスパン:25mm、下側支持棒のスパン:50mm、上側支持棒の下降速度:5mm/分とした。なお、スクライブラインが形成された側の表面を上側支持棒と接触させた。その結果を表1、図1に示す。
表1、図1から明らかなように、試料No.1は、切断面に面取り加工が行われていないため、端面強度が高く、そのバラツキも小さかった。一方、試料No.2は、切断面に面取り加工が行われているため、端面強度が低く、そのバラツキも大きかった。
[実施例1]に係るスクライブ切断後の試料No.1について、スクライブラインが形成されていない側の表面を上側支持棒と接触させた状態で、四点曲げ試験を行ったところ、スクライブラインが形成されている側の表面を上側支持棒と接触させた場合よりも端面強度が平均値で10%以上低かった。なお、四点曲げ試験の条件は、上側支持棒のスパン:25mm、下側支持棒のスパン:50mm、上側支持棒の下降速度:5mm/分とした。
本発明の強化ガラスは、携帯電話、デジタルカメラ、PDA等の表示デバイスのカバーガラスに好適である。また、本発明の強化ガラスは、これらの用途以外にも、高い機械的強度が要求される用途、例えば窓ガラス、磁気ディスク用基板、フラットパネルディスプレイ用基板、固体撮像素子用カバーガラス、食器等への応用が期待できる。

Claims (14)

  1. 表面に圧縮応力層を有する強化ガラスであって、
    強化処理後にスクライブ切断されており、且つ切断面の全部又は一部が物理加工又はエッチング処理されていないことを特徴とする強化ガラス。
  2. 強化ガラスの表面にスクライブラインを形成した後、該スクライブラインに沿って、分断されていることを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス。
  3. 厚みが1.0mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の強化ガラス。
  4. 強化ガラスが、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜71%、Al 7〜23%、LiO 0〜1%、NaO 7〜20%、KO 0〜15%を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の強化ガラス。
  5. 圧縮応力層の圧縮応力値が400MPa以上であり、且つ応力深さが15μm以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の強化ガラス。
  6. 強化ガラスが、未研磨の表面を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の強化ガラス。
  7. 強化ガラスが、オーバーフローダウンドロー法又はフロート法により成形されてなることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の強化ガラス。
  8. 表示部を保護するカバーガラスを備える表示デバイスであって、
    カバーガラスが、請求項1〜7の何れか一項に記載の強化ガラスであることを特徴とする表示デバイス。
  9. スクライブラインが形成された側の強化ガラスの表面が外側になっていることを特徴とする請求項8に記載の表示デバイス。
  10. スクライブラインが形成されていない側の強化ガラスの表面に透明導電膜が形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の表示デバイス。
  11. 強化ガラスが、外側に凸に反っていることを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の表示デバイス。
  12. 表示デバイスが更に筐体を備え、該筐体の全部又は一部が、強化ガラスの切断面に接触していないことを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載の表示デバイス。
  13. 強化ガラスと筐体が樹脂により固定されていることを特徴とする請求項8〜12の何れか一項に記載の表示デバイス。
  14. 強化ガラスの切断面が外部に露出していないことを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載の表示デバイス。
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